以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
[第1の実施形態の構成]
図1は、第1の実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置10は、照明負荷12(直流負荷)と、電源装置14と、を備える。照明負荷12は、例えば、発光ダイオード(Light-emitting diode:LED)などの照明光源16を有する。照明光源16は、例えば、有機発光ダイオード(Organic light-emitting diode:OLED)などでもよい。照明光源16には、例えば、順方向降下電圧を有する発光素子が用いられる。照明負荷12は、電源装置14からの出力電圧の印加及び出力電流の供給により、照明光源16を点灯させる。出力電圧及び出力電流の値は、照明光源16に応じて規定される。
電源装置14は、交流電源2及び調光器3と接続されている。なお、本願明細書において、「接続」とは、電気的な接続を意味し、物理的に接続されていない場合や他の要素を介して接続されている場合も含むものとする。また、トランスなどを介して磁気的に接続されている場合や、フォトカプラなどを介して光学的に接続されている場合も、「接続」に含むものとする。
交流電源2は、例えば、商用電源である。調光器3は、交流電源2の交流の電源電圧VINから導通角制御した交流電圧VCTを生成する。電源装置14は、調光器3から供給される交流電圧VCTを直流電圧に変換して照明負荷12に出力することにより、照明光源16を点灯させる。また、電源装置14は、導通角制御された交流電圧VCTに同期して、照明光源16の調光を行う。なお、調光器3は、必要に応じて設けられ、省略可能である。調光器3が設けられていない場合には、交流電源2の電源電圧VINが、電源装置14に供給される。
調光器3の導通角制御には、例えば、交流電圧のゼロクロスから交流電圧の絶対値が最大値となる期間において導通する位相を制御する位相制御(leading edge)の方式と、交流電圧の絶対値が最大値となってから交流電圧がゼロクロスする期間において遮断する位相を制御する逆位相制御(trailing edge)の方式とがある。
位相制御する調光器3は、回路構成が簡単であり、比較的大きな電力負荷を扱うことができる。しかし、トライアックが使用されている場合は、軽負荷動作が困難で、電源電圧が一時的に低下するいわゆる電源ディップが発生すると不安定動作に陥りやすい。また、容量性負荷を接続した場合は、突入電流が発生するため容量性負荷との相性が悪いなどの特徴がある。
一方、逆位相制御する調光器3は、軽負荷でも動作可能であり、容量性負荷を接続しても突入電流が発生せず、また電源ディップが発生しても動作が安定である。しかし、回路構成が複雑であり、温度が上昇し易いため、重負荷に向かない。また、誘導性負荷を接続した場合は、サージが発生するなどの特徴がある。
本実施形態では、調光器3として、電源電圧VINを供給する一対の電源ラインの一方の端子4、6間に直列に挿入された構成を例示しているが、他の構成でもよい。
電源装置14は、電力変換部20と、電流検出抵抗21と、制御部22と、制御用電源部23と、電流調整部24と、フィードバック回路25と、を含む。また、電源装置14は、一対の入力端子4、5と、各入力端子4、5に接続された第1電源供給経路26aと、を含む。電源装置14は、各入力端子4、5を介して交流電源2又は調光器3に接続される。
電力変換部20は、AC−DCコンバータ20aと、DC−DCコンバータ20bと、を含む。AC−DCコンバータ20aは、第1電源供給経路26aに接続されている。AC−DCコンバータ20aは、第1電源供給経路26aを介して供給される交流電圧VCTを第1直流電圧VDC1に変換する。
DC−DCコンバータ20bは、第2電源供給経路26bを介してAC−DCコンバータ20aと接続されている。また、DC−DCコンバータ20bは、照明負荷12と接続されている。DC−DCコンバータ20bは、第2電源供給経路26bから供給される第1直流電圧VDC1を照明負荷12に応じた所定の電圧値の第2直流電圧VDC2に変換して照明負荷12に供給する。第2直流電圧VDC2の絶対値は、第1直流電圧VDC1の絶対値と異なる。第2直流電圧VDC2の絶対値は、例えば、第1直流電圧VDC1の絶対値よりも低い。この例において、DC−DCコンバータ20bは、降圧型のコンバータである。第2直流電圧VDC2の供給により、照明負荷12の照明光源16が点灯する。
このように、電力変換部20は、第1電源供給経路26a及び照明負荷12に接続され、第1電源供給経路26aから供給された電力を照明負荷12に応じた直流電力に変換し、直流電力を照明負荷12に供給する。この例では、電力変換部20が、交流電源2又は調光器3から供給された交流電力を直流電力に変換している。この場合、例えば、AC−DCコンバータ20aから出力された直流電力を照明負荷12に供給してもよい。例えば、直流電源から供給された直流電力を、異なる直流電力に変換してもよい。この場合、AC−DCコンバータ20aは、省略される。電力変換部20は、例えば、AC−DCコンバータ20a及びDC−DCコンバータ20bの少なくとも一方を含んでいればよい。
電流検出抵抗21は、照明負荷12に対して直列に接続される。電流検出抵抗21は、照明負荷12と電力変換部20との間に設けられる。電流検出抵抗21は、電力変換部20及び照明負荷12に流れる電流の検出に用いられる。
制御用電源部23は、第1電源供給経路26aに接続された配線部27を有する。配線部27は、入力端子4に接続された配線27aと、入力端子5に接続された配線27bと、を含む。制御用電源部23は、配線部27を介して入力される交流電圧VCTを制御部22に応じた直流の駆動電圧VDDに変換し、その駆動電圧VDDを制御部22に供給する。配線部27は、例えば、第2電源供給経路26bに接続してもよい。
電流調整部24は、第1電源供給経路26aに電気的に接続された分岐経路28を有し、第1電源供給経路26aを流れる電流の一部を分岐経路28に流す導通状態と、流さない非導通状態と、を切り替え可能である。これにより、電流調整部24は、例えば、第1電源供給経路26aに流れる電流を調整する。この例では、電流調整部24の分岐経路28が、制御用電源部23を介して第1電源供給経路26aに接続されている。分岐経路28は、制御用電源部23を介することなく、第1電源供給経路26aに直接接続してもよい。なお、非導通状態には、動作に影響のない微小な電流が分岐経路28に流れる場合も含む。非導通状態は、例えば、分岐経路28に流れる電流が、導通状態よりも小さい状態である。分岐経路28は、例えば、第2電源供給経路26bに接続してもよい。
制御部22は、交流電圧VCTの導通角を検出する。制御部22は、検出した導通角に対応する調光信号DMSを生成し、その調光信号DMSをフィードバック回路25に入力する。また、制御部22は、検出した導通角に応じて制御信号CGSを生成し、その制御信号CGSを電流調整部24に入力することにより、電流調整部24の導通状態と非導通状態との間の切り替えを制御する。このように、制御部22は、検出した導通角に応じて電流調整部24とフィードバック回路25とを制御することにより、調光器3の導通角制御に同期して、照明光源16を調光する。制御部22には、例えば、マイクロプロセッサが用いられる。制御部22は、1つのプロセッサで構成してもよいし、複数のプロセッサを組み合わせて構成してもよい。
フィードバック回路25は、電流検出抵抗21の電圧を基に、照明負荷12(照明光源16)に流れる電流を検出する。フィードバック回路25は、制御部22から入力された調光信号DMSと検出した電流とを基に、DC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。フィードバック回路25は、例えば、照明負荷12に実質的に一定の電流が流れるように、DC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。例えば、照明光源16に過電流か過電流が流れている場合に、電流を小さくするようにDC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。これにより、フィードバック回路25は、照明光源16に過電流が流れることを抑制する。
電流検出抵抗21及びフィードバック回路25は、電源装置14の低電位側の出力端子8に接続される。すなわち、電流検出抵抗21及びフィードバック回路25は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。
図2は、第1の実施形態に係る電源装置を模式的に表す回路図である。
図2に表したように、AC−DCコンバータ20aは、整流回路30と、平滑コンデンサ32と、インダクタ34と、フィルタコンデンサ36と、を有する。
整流回路30は、例えば、ダイオードブリッジである。整流回路30の入力端子30a、30bは、一対の入力端子4、5に接続されている。整流回路30の入力端子30a、30bには、調光器3を介して位相制御または逆位相制御された交流電圧VCTが入力される。整流回路30は、例えば、交流電圧VCTを全波整流し、全波整流後の脈流電圧を高電位端子30cと低電位端子30dとの間に生じさせる。
平滑コンデンサ32は、整流回路30の高電位端子30cと低電位端子30dとの間に接続されている。平滑コンデンサ32は、整流回路30によって整流された脈流電圧を平滑化する。これにより、平滑コンデンサ32の両端には、第1直流電圧VDC1が現れる。
インダクタ34は、入力端子4に直列に接続されている。インダクタ34は、例えば、第1電源供給経路26aに対して直列に接続される。フィルタコンデンサ36は、入力端子4、5の間に接続されている。フィルタコンデンサ36は、例えば、第1電源供給経路26aに対して並列に接続される。インダクタ34及びフィルタコンデンサ36は、例えば、交流電圧VCTに含まれるノイズを除去する。
DC−DCコンバータ20bは、平滑コンデンサ32の両端に接続される。これにより、第1直流電圧VDC1が、DC−DCコンバータ20bに入力される。DC−DCコンバータ20bは、第1直流電圧VDC1を絶対値の異なる第2直流電圧VDC2に変換し、その第2直流電圧VDC2を電源装置14の出力端子7、8に出力する。照明負荷12は、出力端子7、8に接続されている。照明負荷12は、電源装置14から供給された第2直流電圧VDC2により、照明光源16を点灯させる。
DC−DCコンバータ20bは、出力素子40(スイッチング素子)、電流制御素子41、整流素子42、インダクタ43、駆動巻線44、結合コンデンサ45、分圧抵抗46、47、出力コンデンサ48、及び、バイアス抵抗49を有している。
出力素子40及び電流制御素子41は、例えば電界効果トランジスタ(FET)であり、例えば高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)であり、ノーマリオン形のスイッチング素子である。出力素子40及び電流制御素子41は、例えば、ワイドバンドギャップ半導体を含む。出力素子40及び電流制御素子41は、例えば、化合物半導体を含む。より詳しくは、出力素子40及び電流制御素子41は、例えば、GaN(窒化ガリウム)やSiC(シリコンカーバイド)などの化合物半導体を含む。
出力素子40は、入力端子4、5と出力端子7、8との間に設けられる。出力素子40は、入力端子4、5と出力端子7、8との間に直列に接続される。DC−DCコンバータ20bは、出力素子40のスイッチングにより、第1直流電圧VDC1を第2直流電圧VDC2に変換する。すなわち、電力変換部20は、出力素子40のスイッチングにより、電源電圧VINを第2直流電圧VDC2に変換し、第2直流電圧VDC2を照明負荷12に供給する。
電流制御素子41のドレインは、出力素子40を介して第2電源供給経路26bに電気的に接続される。電流制御素子41のソースは、照明負荷12に電気的に接続される。電流制御素子41のゲートは、電流制御素子41のドレイン−ソース間に流れる電流を制御するための制御端子である。
電流制御素子41は、ドレインとソースとの間に電流が流れる第1状態と、ドレインとソースとの間に流れる電流が第1状態よりも小さい第2状態と、を有する。第1状態は、例えば、オン状態であり、第2状態は、例えば、オフ状態である。第1状態は、オン状態に限らない。第2状態は、オフ状態に限らない。第1状態は、第2状態よりも相対的に流れる電流が大きいような任意の状態でよい。第2状態は、第1状態よりも相対的に流れる電流が小さいような任意の状態でよい。
ノーマリオン形の素子である電流制御素子41では、ゲートの電位をソースの電位よりも予め定められた値(所定値)以上低下させることで、第1状態から第2状態に変化する。例えば、電流制御素子41は、ゲートの電位をソースの電位に対して相対的に予め定められた値(所定値)以上負電位にすることにより、オン状態からオフ状態に変化する。
出力素子40のドレインは、整流回路30の高電位端子30cに接続される。出力素子40のソースは、電流制御素子41のドレインに接続される。出力素子40のゲート(制御端子)は、結合コンデンサ45を介して、駆動巻線44の一端に接続される。駆動巻線44は、出力素子40を駆動する。
電流制御素子41のソースは、インダクタ43の一端と駆動巻線44の他端とに接続される。インダクタ43は、出力素子40及び電流制御素子41に対して直列に接続される。電流制御素子41のゲートには、電流制御素子41のソース電位を分圧抵抗46、47で分圧した電圧が入力される。出力素子40のゲートと電流制御素子41のゲートには、それぞれ保護ダイオードが接続される。
バイアス抵抗49は、出力素子40のドレインと電流制御素子41のソースとの間に接続され、分圧抵抗46、47に直流電圧を供給する。その結果、電流制御素子41のゲートには、ソースよりも低い電位が供給される。
インダクタ43と駆動巻線44とは、インダクタ43の一端から他端に増加する電流が流れるとき、出力素子40のゲートに正極性の電圧が供給される極性で磁気結合している。
整流素子42は、電流制御素子41のソースと整流回路30の低電位端子30dとの間に、低電位端子30dから電流制御素子41の方向を順方向として接続されている。
この例では、整流素子42と電流制御素子41のソースとの間に、半導体素子50が設けられている。半導体素子50には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。半導体素子50は、例えば、ノーマリオン形である。半導体素子50のゲートは、整流回路30の低電位端子30dに接続される。これにより、半導体素子50は、オン状態で保持される。
インダクタ43の他端は、出力端子7に接続される。インダクタ43は、出力素子40と出力端子7との間に設けられる。整流回路30の低電位端子30dは、出力端子8に接続される。出力コンデンサ48は、出力端子7と出力端子8との間に接続される。照明負荷12は、出力端子7と出力端子8との間に、出力コンデンサ48と並列に接続される。
電流検出抵抗21は、電源装置14の低電位側の出力端子8と、整流回路30の低電位端子30dと、の間に設けられる。電流検出抵抗21は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。電流検出抵抗21は、例えば、出力コンデンサ48の高電位側の端部と、電源装置14の高電位側の出力端子7(照明負荷12の高電位側の端部)と、の間に設けてもよい。
電源装置14は、配線基板110(図4(a)及び図4(b)参照)をさらに備える。電源装置14の電力変換部20、電流検出抵抗21、制御部22、制御用電源部23、電流調整部24及びフィードバック回路25などの各部は、配線基板110に設けられる。なお、配線基板110は、連続した1枚の基板で構成してもよいし、複数の基板を配線などで接続して構成してもよい。
電流検出抵抗21の定格電力及び放熱条件は、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流に応じて設定される。電流検出抵抗21の耐熱温度は、出力素子40の耐熱温度よりも低いので、例えば、出力素子40の異常などによって出力素子40及び照明負荷12に定格以上の電流が流れた場合、温度の上昇により、出力素子40よりも先に電流検出抵抗21が破壊される。電流検出抵抗21は、熱により開放破壊される。
制御用電源部23は、整流素子61〜63と、抵抗64と、コンデンサ65、66と、レギュレータ67と、ツェナーダイオード68と、半導体素子70と、を有している。
整流素子61、62は、例えば、ダイオードである。整流素子61のアノードは、配線27aを介して整流回路30の高電位端子30cに接続されている。整流素子42のアノードは、配線27bを介して整流回路30の低電位端子30dに接続されている。
半導体素子70には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。以下では、半導体素子70をFETとして説明を行う。この例において、半導体素子70は、エンハンスメント型のnチャネルFETである。半導体素子70は、ソースと、ドレインと、ゲートと、を有する。ドレインの電位は、ソースの電位よりも高く設定される。ゲートは、ソースとドレインとの間に電流の流れる第1状態と、ソースとドレインとの間に流れる電流が第1状態よりも小さい第2状態と、を切り替えるために用いられる。第2状態では、ソースとドレインとの間に実質的に電流が流れない。半導体素子70は、pチャネル形でもよいし、デプレッション型でもよい。例えば、半導体素子70をpチャネル形とする場合には、ソースの電位が、ドレインの電位よりも高く設定される。
半導体素子70のドレインは、整流素子61のカソード及び整流素子62のカソードに接続されている。すなわち、半導体素子70のドレインは、整流素子61、62を介して第1電源供給経路26aに接続されている。半導体素子70のソースは、整流素子63のアノードに接続されてる。半導体素子70のゲートは、ツェナーダイオード68のカソードに接続されている。また、半導体素子70のゲートは、抵抗64を介して整流回路30の高電位端子30cに接続されている。
整流素子63のカソードは、コンデンサ65の一端及びレギュレータ67の入力端子に接続されている。レギュレータ67の出力端子は、制御部22及びコンデンサ66の一端に接続されている。
交流電圧VCTの印加にともなう各極性の電流は、整流素子61を介して半導体素子70のドレインに流れる。これにより、半導体素子70のドレインには、交流電圧VCTを全波整流した脈流の電圧が印加される。
ツェナーダイオード68のカソードには、抵抗64及び整流素子61を介して、脈流の電圧が印加される。これにより、半導体素子70のゲートには、ツェナーダイオード68の降伏電圧に応じた実質的に一定の電圧が印加される。これにともない、半導体素子70のドレイン−ソース間に、実質的に一定の電流が流れる。このように、半導体素子70は、定電流素子として機能する。半導体素子70は、配線部27に流れる電流を調整する。
コンデンサ65は、半導体素子70のソースから整流素子63を介して供給される脈流の電圧を平滑化し、脈流の電圧を直流電圧に変換する。レギュレータ67は、入力された直流電圧から実質的に一定の直流の駆動電圧VDDを生成し、制御部22に出力する。コンデンサ66は、例えば、駆動電圧VDDのノイズの除去などに用いられる。これにより、駆動電圧VDDが制御部22に供給される。
また、制御用電源部23には、抵抗71、72が、さらに設けられている。抵抗71の一端は、整流素子61、62のカソードに接続されている。抵抗71の他端は、抵抗72の一端に接続されている。抵抗72の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。抵抗71、72の接続点は、制御部22に接続されている。これにより、抵抗71、72の分圧比に応じた電圧が、交流電圧VCTの絶対値を検出するための検出電圧として制御部22に入力される。
制御部22は、例えば、検出電圧を基に、交流電圧VCTの導通角制御の有無や、導通角制御の種類(位相制御か逆位相制御か)の検出を行う。そして、制御部22は、導通角制御が行われている場合に、その導通角の検出を行う。制御部22は、この検出結果に基づいて、調光信号DMSを生成し、その調光信号DMSをフィードバック回路25に入力する。制御部22は、例えば、検出した導通角に対応するPWM信号を調光信号DMSとしてフィードバック回路25に入力する。
電流調整部24は、抵抗75、76と、スイッチング素子78と、を有している。スイッチング素子78には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。以下では、スイッチング素子78をFETとして説明を行う。
抵抗75の一端は、半導体素子70のソースに接続されている。抵抗75の他端は、スイッチング素子78のドレインに接続されている。スイッチング素子78のゲートは、抵抗76を介して制御部22に接続されている。制御部22は、スイッチング素子78のゲートに制御信号CGSを入力する。スイッチング素子78には、例えば、ノーマリオフ形が用いられる。例えば、制御部22から入力される制御信号CGSをLoからHiに切り替えることで、スイッチング素子78が、オフ状態からオン状態に変化する。
スイッチング素子78をオン状態にすると、例えば、整流素子61、62、及び半導体素子70を介して、第1電源供給経路26aを流れる電流の一部が、分岐経路28に流れる。すなわち、スイッチング素子78をオン状態にすることによって、電流調整部24が導通状態となり、スイッチング素子78をオフ状態にすることによって、電流調整部24が非導通状態となる。
制御部22は、例えば、交流電圧VCTの導通角制御の有無及びその種類の検出結果に応じて制御信号CGSを生成する。例えば、位相制御方式の導通角制御が行われている場合には、所定値以下の交流電圧VCTにおいて、トライアックをオンするために必要な保持電流を電流調整部24(分岐経路28)に流すようにする。これにより、例えば、調光器3の動作を安定させることができる。一方、逆位相制御方式の導通角制御が行われている場合には、導通状態から遮断状態に切り替わるタイミングにおいて、フィルタコンデンサ36などに蓄積された電荷を電流調整部24に引き抜くようにする。これにより、例えば、導通角の検出精度をより高めることができる。
フィードバック回路25は、差動増幅回路80と、半導体素子100と、を有する。差動増幅回路80は、例えば、オペアンプ81と、抵抗82と、コンデンサ83と、を有する。抵抗82は、オペアンプ81の出力端子と、オペアンプ81の反転入力端子と、の間に接続されている。コンデンサ83は、抵抗82に対して並列に接続されている。すなわち、差動増幅回路80は、負帰還を有する。
オペアンプ81の非反転入力端子は、抵抗84の一端に接続されている。抵抗84の他端は、電流検出抵抗21と出力端子8との間に接続されている。これにより、オペアンプ81の非反転入力端子には、照明負荷12に流れる電流に応じた電圧が、検出電圧として入力される。
オペアンプ81の非反転入力端子は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。これにより、照明光源16に流れる電流を検出することができる。照明光源16にLEDなどの発光素子が用いられている場合、照明光源16の電圧は、順方向降下電圧に応じて実質的に一定である。従って、照明光源16にLEDなどの発光素子が用いられている場合には、照明負荷12の低電位側の端部に接続することで、照明光源16に流れる電流を適切に検出することができる。
オペアンプ81の反転入力端子は、抵抗90の一端に接続されている。抵抗90の他端は、抵抗91の一端、及び、コンデンサ92の一端に接続されている。コンデンサ92の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。抵抗91の他端は、制御部22に接続されている。このように、オペアンプ81の反転入力端子は、抵抗90、91を介して制御部22に接続されている。オペアンプ81の反転入力端子には、制御部22からの調光信号DMSが入力される。
例えば、PWM信号をコンデンサ92で平滑化した直流の電圧が、調光信号DMSとしてオペアンプ81の反転入力端子に入力される。オペアンプ81の反転入力端子には、例えば、調光器3の調光度に応じた直流の電圧が、調光信号DMSとして入力される。調光信号DMSに電圧レベルは、非反転入力端子に入力される検出電圧の電圧レベルに対応して設定される。より詳しくは、例えば、所望の調光度に対応する調光信号DMSの電圧レベルが、その調光度に対応する輝度で照明光源16が発光した場合の検出電圧の電圧レベルと実質的に同じとなるように設定される。
このように、オペアンプ81の非反転入力端子には、照明光源16に流れる電流に対応する検出電圧が入力され、オペアンプ81の反転入力端子には、調光信号DMSが入力される。これにより、オペアンプ81の出力端子からは、検出電圧と調光信号DMSとの差分に対応した信号が出力される。検出電圧が調光信号DMSよりも大きくなるに従って、オペアンプ81の出力も大きくなる。すなわち、照明光源16に過電流が流れている場合に、オペアンプ81の出力が大きくなる。このように、この例においては、調光信号DMSが基準値として用いられる。なお、調光を行わない場合には、基準値となる実質的に一定の直流電圧を、オペアンプ81の反転入力端子に入力してもよい。
この例において、半導体素子100は、npnトランジスタである。半導体素子100は、ノーマリオフ形の素子である。半導体素子100は、pnpトランジスタやFETなどでもよい。半導体素子100は、ノーマリオン形でもよい。
半導体素子100のコレクタは、分圧抵抗47の一端に接続されている。半導体素子100のコレクタは、分圧抵抗47を介して電流制御素子41のゲートに電気的に接続される。半導体素子100のエミッタは、抵抗101の一端に接続されている。抵抗101の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。これにより、半導体素子100のエミッタは、電流制御素子41のソースの電位よりも低い電位に設定される。半導体素子100のベースは、オペアンプ81の出力端子に接続されている。これにより、半導体素子100のエミッタ−コレクタ間に流れる電流は、オペアンプ81からの出力によって制御される。
半導体素子100は、コレクタとエミッタとの間に電流が流れる第3状態と、コレクタとエミッタとの間に流れる電流が第3状態よりも小さい第4状態と、を有する。第3状態は、例えば、オン状態であり、第4状態は、例えば、オフ状態である。第3状態は、オン状態に限らない。第4状態は、オフ状態に限らない。第3状態は、第4状態よりも相対的に流れる電流が大きいような任意の状態でよい。第4状態は、第3状態よりも相対的に流れる電流が小さいような任意の状態でよい。
この例では、半導体素子100が、ノーマリオフ形であり、ベースの電位をエミッタの電位よりも高くすることによって、第4状態から第3状態に変化する。例えば、ベースの電位をエミッタの電位よりも高くすることによって、半導体素子100が、オフ状態からオン状態に変化する。
前述のように、検出電圧が調光信号DMSよりも大きい場合に、オペアンプ81の出力が大きくなる。従って、半導体素子100は、例えば、検出電圧が調光信号DMSよりも大きい場合に、オン状態となり、検出電圧が調光信号DMS以下の場合に、オフ状態となる。例えば、検出電圧が調光信号DMSよりも大きくなるに従って、半導体素子100のエミッタ−コレクタ間の電流が大きくなる。
また、半導体素子100のコレクタは、抵抗102の一端、及び、コンデンサ103の一端に、さらに接続されている。抵抗102の他端は、半導体素子100のベースに接続されている。コンデンサ103の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。半導体素子100のベースは、抵抗104の一端に、さらに接続されている。抵抗104の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。このように、フィードバック回路25の基準電位は、整流回路30の低電位端子30dの電位に設定される。すなわち、フィードバック回路25の基準電位は、DC−DCコンバータ20bの基準電位と共通である。フィードバック回路25の基準電位は、DC−DCコンバータ20bの基準電位と実質的に同じである。
[第1の実施形態の作用]
次に、第1の実施形態に係る照明装置10及び電源装置14の作用について説明する。 まず、調光器3の調光度がほぼ100%に設定され、入力される電源電圧VINがほぼそのまま伝達される場合、すなわちDC−DCコンバータ20bに最も高い第1直流電圧VDC1が入力される場合について説明する。
電源電圧VINが、電源装置14に供給されるとき、出力素子40及び電流制御素子41は、ノーマリオン形の素子であるため、いずれもオンしている。そして、出力素子40、電流制御素子41、インダクタ43、出力コンデンサ48の経路で電流が流れ、出力コンデンサ48が充電される。出力コンデンサ48の両端の電圧、すなわち出力端子7、8の間の電圧は、第2直流電圧VDC2として、照明負荷12の照明光源16に供給される。なお、出力素子40及び電流制御素子41がオンしているため、整流素子42には、逆電圧が印加される。整流素子42には、電流は流れない。
第2直流電圧VDC2が所定電圧に達すると、照明光源16に電流が流れ、照明光源16が点灯する。このとき、出力素子40、電流制御素子41、インダクタ43、出力コンデンサ48及び照明光源16の経路で電流が流れる。例えば、照明光源16がLEDの場合、この所定電圧は、LEDの順方向降下電圧であり、照明光源16に応じて定まる。また、照明光源16が消灯した場合、電流が流れないため、出力コンデンサ48は、出力電圧の値を保持する。
DC−DCコンバータ20bに入力される第1直流電圧VDC1は、第2直流電圧VDC2と比較して十分に高い。すなわち、入出力間の電位差ΔVは、十分に大きい。このため、インダクタ43を流れる電流は増加していく。駆動巻線44は、インダクタ43と磁気結合しているため、駆動巻線44には、結合コンデンサ45側を高電位とする極性の起電力が誘起される。そのため、出力素子40のゲートには、結合コンデンサ45を介してソースに対して正の電位が供給され、出力素子40はオンの状態を維持する。
電流制御素子41を流れる電流が上限値を超えると、電流制御素子41のドレイン−ソース間電圧は、急激に上昇する。そのため、出力素子40のゲート−ソース間電圧がしきい値電圧よりも低くなり、出力素子40はオフする。上限値は、電流制御素子41の飽和電流値であり、電流制御素子41のゲートに入力される電位により規定される。電流制御素子41のゲート電位は、バイアス抵抗49を介して分圧抵抗46、47に供給される直流電圧、照明光源16の電圧、分圧抵抗46、47の分圧比、及び、半導体素子100のエミッタ−コレクタ間の電流によって設定される。なお、上記のとおり、電流制御素子41のゲート電位は、ソースに対して負電位のため、飽和電流値を適正値に制限することができる。
インダクタ43は、整流素子42、出力コンデンサ48及び照明負荷12の経路で電流を流し続ける。このとき、インダクタ43は、エネルギーを放出するため、インダクタ43の電流は、減少していく。このため、駆動巻線44には、結合コンデンサ45側を低電位とする極性の起電力が誘起される。出力素子40のゲートには、結合コンデンサ45を介してソースに対して負の電位が供給され、出力素子40はオフの状態を維持する。
インダクタ43に蓄積されていたエネルギーがゼロになると、インダクタ43を流れる電流はゼロになる。駆動巻線44に誘起される起電力の方向が再び反転し、結合コンデンサ45側を高電位とする起電力が誘起される。これにより、出力素子40のゲートにソースよりも高い電位が供給され、出力素子40が再びオンする。これにより、上記の所定電圧に達した状態に戻る。
以後、上記の動作を繰り返す。これにより、出力素子40のオン及びオフへの切替が自動的に繰り返されて、照明光源16には電源電圧VINを降下した第2直流電圧VDC2が供給される。すなわち、電源装置14においては、出力素子40のスイッチング周波数が、分圧抵抗46、47及びフィードバック回路25によって設定される。また、照明光源16に供給される電流は、電流制御素子41により上限値の制限された定電流となる。そのため、照明光源16を安定に点灯させることができる。
フィードバック回路25の差動増幅回路80は、照明光源16に流れる電流に対応する検出電圧と、調光信号DMSとの差に応じて、半導体素子100のベース電位を変化させる。差動増幅回路80は、例えば、照明光源16に過電流が流れ、調光信号DMSの電圧レベルに対して、検出電圧の電圧レベルが所定値以上高い場合に、半導体素子100のベースに高い電位を設定し、半導体素子100を実質的にオン状態とする。
半導体素子100がオン状態になると、電流制御素子41のゲート電位が、例えば、整流回路30の低電位端子30dに設定される。すなわち、電流制御素子41のゲート電位に負電位が設定され、電流制御素子41がオフ状態になる。これにより、照明光源16に流れる電流が小さくなり、照明光源16に過電流が流れることが抑制される。このように、この例では、フィードバック回路25が、検出電圧と調光信号DMSとを基に、DC−DCコンバータ20bをフィードバック制御する。
調光器3の調光度が100%よりも小さい値に設定され、入力される交流電圧VCTが導通角制御されて伝達される場合、すなわちDC−DCコンバータ20bに高い第1直流電圧VDC1が入力される場合についても、出力素子40が発振を継続できる場合は、上記と同様である。調光器3の調光度に応じて、DC−DCコンバータ20bに入力される第1直流電圧VDC1の値が変化して、出力電流の平均値を制御することができる。従って、調光度に応じて、照明負荷12の照明光源16を調光することができる。
また、調光器3の調光度がさらに小さい値に設定される場合、すなわちDC−DCコンバータ20bに入力される第1直流電圧VDC1がさらに低い場合には、出力素子40がオンしてもインダクタ43の両端の電位差が小さいため、インダクタ43を流れる電流が増加することができない。したがって、出力素子40は、オフの状態にならず、一定の直流電流を出力する。すなわち、電源装置14は、調光器3の調光度が小さい場合、すなわち、入出力間の電位差ΔVが小さい場合、シリーズレギュレータのような動作をする。
このように、電源装置14は、電位差ΔVが所定値よりも大きいとスイッチング動作し、電位差ΔVが小さいと、シリーズレギュレータのような動作をする。電位差ΔVが大きい場合は、電位差ΔVと電流との積が大きく、シリーズレギュレータの動作を行うと損失が大きくなる。従って、電位差ΔVが大きい場合に、スイッチング動作をすることは、低消費電力化に適する。また、電位差ΔVが小さい場合は、損失は小さいため、シリーズレギュレータとして動作をすることは問題ない。
また、電源装置14では、電位差ΔVが所定値よりも小さいときは、出力素子40はオフの状態にならずにオンの状態を継続したまま電流が振動して、電流の平均値で照明負荷12の照明光源16を点灯させる。また、電位差ΔVがさらに小さいときは、出力素子40は、オンの状態を継続したまま、直流電流を照明負荷12に出力して照明光源16を点灯させる。その結果、電源装置14では、出力電流をゼロまで連続的に変化させることができる。例えば、照明装置10において、照明負荷12の照明光源16をスムーズに消灯させることができる。
電源装置14では、電位差ΔVに応じて、出力素子40のスイッチング動作時における最大値から、出力素子40のオンの状態を継続したまま直流電流を出力する際の最小値まで出力電流を連続的に変化させることができる。例えば、照明装置10において、照明光源16を連続的に0〜100%の範囲で調光することができる。
図3は、第1の実施形態に係る電源装置の動作の一部を模式的に表すフローチャート図である。
図3に表したように、電源装置14において、出力素子40の動作に異常が発生し、出力素子40に流れる電流が大きくなると、照明負荷12や電流検出抵抗21に流れる電流も増大する。電流検出抵抗21に流れる電流が増大すると、電流検出抵抗21の温度が上昇する。そして、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が所定値以上になると、電流検出抵抗21が熱的に破壊され、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が遮断される。
すなわち、電流制御素子41の耐熱温度は、出力素子40の耐熱温度と実質的に同じであるが、電流検出抵抗21の耐熱温度は、出力素子40または電流制御素子41の耐熱温度よりも低いので、出力素子40の異常などによって出力素子40及び照明負荷12に定格以上の電流が流れた場合、温度の上昇により、出力素子40よりも先に電流検出抵抗21が破壊される。電流検出抵抗21は、熱により開放破壊される。
このように、電流検出抵抗21は、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が所定値以上になった場合に、熱的に破壊され、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流を遮断する。なお、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流の所定値とは、例えば、電流検出抵抗21の温度が電流検出抵抗21の耐熱温度に達する電流値である。
なお、出力素子40の耐熱温度は、例えば、配線基板110の耐熱温度よりも高く、電流検出抵抗21の耐熱温度は、配線基板110の耐熱温度よりも低い。電流検出抵抗21の耐熱温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。
[第1の実施形態の効果]
このように、本実施形態に係る電源装置14では、電流検出抵抗21の耐熱温度を出力素子40の耐熱温度よりも低くし、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が所定値以上になった際に、電流検出抵抗21を熱的に破壊して、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流を遮断する。これにより、本実施形態に係る電源装置14では、出力素子40などの異常時においても、ノーマリオン形の出力素子40に電流が流れ続けてしまうことを抑制することができる。例えば、回路の異常発熱などを抑制することができる。照明装置10及び電源装置14の安全性を高めることができる。
また、電源装置14では、フィードバック回路25を照明負荷12の低電位側の端部に接続し、照明光源16に流れる電流を検出し、その検出結果に応じてDC−DCコンバータ20bの動作をフィードバック制御している。照明光源16の電圧は、電源電圧VINや交流電圧VCTなどの入力電圧が歪んでも、ある程度安定する。従って、上記のように、フィードバック回路25を照明負荷12の低電位側の端部に接続して照明光源16に流れる電流を検出することにより、例えば、電流の検出精度を高めることができる。例えば、過電流が発生した場合に、照明光源16に流れる電流を即座に停止させることができる。さらには、ノーマリオン形の電流制御素子41のゲートに対して、負電位を容易に設定することもできる。これにより、電源装置14では、より確実な電流制御及び過電流保護を行うことができる。
さらに、電源装置14では、フィードバック回路25の基準電位が、DC−DCコンバータ20bの基準電位と共通である。これにより、例えば、出力電圧である第2直流電圧VDC2の変動を抑制することができる。
[第1の実施形態の変形例]
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る電源装置の一部を表す模式図である。
図4(a)は、模式的断面図であり、図4(b)は、模式的平面図である。図4(a)及び図4(b)は、それぞれ異なる変形例を表す。
図4(a)に表したように、電流検出抵抗21は、本体部21aと、本体部21aの両端に接続された一対の導線部21bと、を有する。一対の導線部21bは、例えば、リード線である。この電流検出抵抗21を配線基板110に実装する場合、図4(a)に表したように、本体部21aを配線基板110から浮かせる。
このように、電流検出抵抗21を配線基板110から浮かせる。これにより、例えば、電流検出抵抗21で発生した熱が、配線基板110などに逃げてしまうことを抑制することができる。例えば、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が増大した際に、電流量に応じて電流検出抵抗21を適切に破壊することができる。電流検出抵抗21の熱的な破壊の制御性を高めることができる。照明装置10及び電源装置14の安全性をより高めることができる。
図4(b)に表したように、配線基板110は、電流検出抵抗21の一対の導線部21bのそれぞれと電気的に接続される一対の配線110aを有する。この際、配線110aをなるべく細く形成する。例えば、配線110aの幅W1は、電流検出抵抗21の幅W2よりも狭くする。
これにより、図4(a)の場合と同様に、電流検出抵抗21から熱が逃げてしまうことを抑制することができる。電流検出抵抗21の熱的な破壊の制御性を高めることができる。なお、配線110aの幅W1とは、例えば、配線110aの延在方向に対して垂直な方向の長さである。電流検出抵抗21の幅W2とは、例えば、平面視において電流検出抵抗21の短手方向の長さである。
図4(b)では、電流検出抵抗21として、チップ型の抵抗素子を図示している。このように、電流検出抵抗21は、リード線型の抵抗素子でもよいし、チップ型の抵抗素子でもよいし、他の構造の抵抗素子でもよい。
(第2の実施形態)
[第2の実施形態の構成]
図5は、第2の実施形態に係る電源装置の一部を模式的に表す断面図である。
なお、上記第1の実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に表したように、この例において、インダクタ43及び駆動巻線44は、配線基板110を挟んで出力素子40と対向する位置に配置される。これにより、インダクタ43及び駆動巻線44は、出力素子40と熱的に結合する。
インダクタ43の耐熱温度及び駆動巻線44の耐熱温度は、出力素子40の耐熱温度よりも低い。また、電流検出抵抗21の耐熱温度は、インダクタ43の耐熱温度及び駆動巻線44の耐熱温度よりも低い。
[第2の実施形態の作用]
図6は、第2の実施形態に係る電源装置の動作の一部を模式的に表すフローチャート図である。
図6に表したように、この例において、出力素子40の動作に異常が発生し、出力素子40に流れる電流が大きくなると、出力素子40の温度が上昇する。この例では、インダクタ43及び駆動巻線44が、出力素子40と熱的に結合している。このため、出力素子40の温度が上昇すると、インダクタ43及び駆動巻線44の温度も上昇する。
インダクタ43及び駆動巻線44の耐熱温度は、出力素子40の耐熱温度よりも低い。このため、出力素子40が熱によって故障するよりも前に、インダクタ43及び駆動巻線44の少なくとも一方が熱によって故障する。例えば、インダクタ43及び駆動巻線44の少なくとも一方に、層間短絡が発生する。
インダクタ43に層間短絡が発生した場合、駆動巻線44の巻数に対するインダクタ43の巻数の割合が小さくなる。例えば、駆動巻線44の巻数が1、インダクタ43の巻数がNである場合、巻数比が1:1に近づく。インダクタ43と駆動巻線44との巻数比が小さくなる。このため、例えば、出力素子40のゲートに過大な電圧が印加され、出力素子40のゲートが故障する。出力素子40は、ノーマリオン形である。従って、出力素子40のゲートが故障すると、出力素子40がオン状態に保持され、出力素子40に電流が流れ続ける。すなわち、照明負荷12や電流検出抵抗21に電流が流れ続ける。
一方、駆動巻線44に層間短絡が発生した場合、駆動巻線44の巻数に対するインダクタ43の巻数の割合が大きくなる。例えば、巻数比がN:1よりも大きくなる。このため、例えば、出力素子40のゲートに印加される電圧が小さくなり、出力素子40がオフ状態にならなくなる。従って、インダクタ43が層間短絡した場合と同様に、出力素子40がオン状態に保持され、出力素子40、照明負荷12、電流検出抵抗21などに電流が流れ続ける。
電流検出抵抗21に電流が流れ続けると、電流検出抵抗21の温度が上昇する。これにより、上記第1の実施形態と同様に、電流検出抵抗21が熱的に破壊され、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が遮断される。
[第2の実施形態の効果]
このように、本実施形態に係る電源装置14では、インダクタ43及び駆動巻線44を出力素子40と熱的に結合させ、出力素子40の動作に異常が生じた場合に、インダクタ43及び駆動巻線44の少なくとも一方を故障させることにより、出力素子40をオン状態に保持する。これにより、例えば、出力素子40の動作が不安定な場合などに、電流検出抵抗21を積極的に破壊し、照明装置10及び電源装置14を安全に停止させることができる。例えば、回路の異常発熱などをより適切に抑制することができる。照明装置10及び電源装置14の安全性をより高めることができる。
なお、この例では、インダクタ43及び駆動巻線44を出力素子40と熱的に結合させている。出力素子40と熱的に結合させるのは、インダクタ43及び駆動巻線44の一方のみでもよい。
[第2の実施形態の変形例]
図7(a)〜図7(c)は、第2の実施形態に係る電源装置の一部を模式的に表す断面図である。
図7(a)〜図7(c)は、それぞれ異なる変形例を表す。
図7(a)に表したように、インダクタ43及び駆動巻線44は、配線基板110の同一面上に隣接して配置することにより、出力素子40と熱的に結合させてもよい。
図7(b)に表したように、出力素子40とインダクタ43と駆動巻線44とを覆う被覆部材112をさらに設けてもよい。被覆部材112は、熱伝導性を有する。被覆部材112は、高い熱伝導率を有する。被覆部材112は、例えば、絶縁性をさらに有する。被覆部材112には、例えば、樹脂材料が用いられる。被覆部材112には、例えば、シリコーン樹脂が用いられる。
このように、出力素子40とインダクタ43と駆動巻線44とを被覆部材112で覆うことにより、出力素子40とインダクタ43と駆動巻線44とを熱的に結合させてもよい。この場合、インダクタ43及び駆動巻線44は、必ずしも出力素子40と隣接していなくてもよい。
図7(c)に表したように、インダクタ43及び駆動巻線44に代えて、電流検出抵抗21を出力素子40と熱的に結合させてもよい。これにより、例えば、電流検出抵抗21の熱的な破壊の制御性を高めることができる。
図7(c)では、電流検出抵抗21を出力素子40と対向させて配置することにより、熱的に結合させている。電流検出抵抗21と出力素子40との熱的な結合は、隣接して配置させるものでもよいし、被覆部材112を介するものでもよい。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る電源装置の動作の一部を模式的に表すフローチャート図である。
図8に表したように、この例において、出力素子40の動作に異常が発生し、出力素子40に流れる電流が大きくなると、インダクタ43に流れる電流も増大する。インダクタ43に流れる電流が増大すると、インダクタ43の温度が上昇する。そして、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が所定値以上になると、インダクタ43が熱的に破壊され、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流が遮断される。
このように、インダクタ43を熱的に破壊することにより、出力素子40及び照明負荷12に流れる電流を遮断してもよい。このような構成は、例えば、上記の第2の実施形態で説明したように、インダクタ43を出力素子40と熱的に結合させ、インダクタ43の耐熱温度を出力素子40の耐熱温度よりも低くすることによって実現できる。例えば、出力素子40に所定値以上の電流が流れた際に、インダクタ43の導線が溶断し、開放状態で破壊されるように、インダクタ43の導線の太さを設定する。この例においても、上記各実施形態と同様に、出力素子40などの異常時に、ノーマリオン形の出力素子40に電流が流れ続けてしまうことを抑制することができる。
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明したが、それらに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、出力素子40及び電流制御素子41はGaN系HEMTには限定されない。例えば、半導体基板に炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)やダイヤモンドのようなワイドバンドギャップを有する半導体(ワイドバンドギャップ半導体)を用いて形成した半導体素子でもよい。ここで、ワイドバンドギャップ半導体とは、バンドギャップが約1.4eVのヒ化ガリウム(GaAs)よりもバンドギャップの広い半導体をいう。例えば、バンドギャップが1.5eV以上の半導体、リン化ガリウム(GaP、バンドギャップ約2.3eV)、窒化ガリウム(GaN、バンドギャップ約3.4eV)、ダイアモンド(C、バンドギャップ約5.27eV)、窒化アルミニウム(AlN、バンドギャップ約5.9eV)、炭化ケイ素(SiC)などが含まれる。このようなワイドバンドギャップ半導体素子は、耐圧を等しくする場合、シリコン半導体素子よりも小さくできるために寄生容量が小さく、高速動作が可能なため、スイッチング周期を短くすることができ、巻線部品やコンデンサなどの小形化が可能となる。
上記実施形態では、出力素子40と電流制御素子41とをカスコード接続し、出力素子40でスイッチングを行い、電流制御素子41で電流の制御を行っている。これに限ることなく、例えば、電流制御素子41のみで、スイッチングと電流の制御とを行ってもよい。この場合には、電流制御素子41に流れる電流を基に、電流検出抵抗21またはインダクタ43を熱的に破壊すればよい。
なお、照明光源16はLEDに限らず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)やOLED(Organic light-emitting diode)などでもよい。照明負荷12には、複数の照明光源16が直列又は並列に接続されていてもよい。
上記実施形態では、直流負荷として、照明負荷12を示しているが、これに限ることなく、例えば、ヒータなどの他の直流負荷でもよい。上記実施形態では、電源装置として、照明装置10に用いられる電源装置14を示しているが、これに限ることなく、直流負荷に対応する任意の電源装置でよい。
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。