以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では、一例として図1に示す画像形成装置10において、トナーとこのトナーを静電潜像に付着させるべく静電気力を利用して搬送する役割を担うキャリアとが混合された二成分現像剤により静電潜像が現像される場合を例に挙げて説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、二成分現像剤以外の電子写真用現像剤により静電潜像を現像する電子写真方式の画像形成装置であれば如何なる画像形成装置に対しても適用される。
また、以下では、所謂タンデム型の中間転写方式の画像形成装置10を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ロータリー現像方式の画像形成装置であってもよく、後述の基準情報設定処理(図12参照)及びずれ量補正処理(図14参照)が実行される電子写真方式の画像形成装置であればよい。
図1は、本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10の概略構成を示す図であり、図2は、本発明の実施の形態に係わる画像形成装置10に設けられたインラインセンサ(登録商標)の一例を示す図である。
(全体構成)
本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するものであり、一例として図1に示すように、画像形成部10A(本発明に係る形成手段の一例)、定着排出部10B、及び画像読取部10Cを含む。また、定着排出部10Bの上部には、制御系ユニット10Dが設けられている。制御系ユニット10Dは、コントローラ270(図2参照)と、本発明に係る制御手段の一例である画像処理部290(図4参照)と、を有する。コントローラ270は、画像形成装置10の全体の動作を制御し、画像処理部290は、後述の第1画像情報及び第2画像情報に対して各種処理を施す。
画像形成部10Aには、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
さらに、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。
画像形成部10Aは、V、W、Y、M、C、Kの色毎の画像形成ユニット16を含む。また、画像形成部10Aは、転写部32、記録媒体収容部48、及び環境センサ79を含む。
画像形成ユニット16毎に設けられた露光装置40(40V、40W、40Y、40M、40C)は、画像処理部290によって画像処理が施された画像情報を受け取り、この画像情報に応じて変調した光ビームLを後述の像保持体18(18V、18W、18Y、18M、18C)へ照射するように構成されている。
各画像形成ユニット16は、一方向に回転駆動される像保持体18を備えている。各露光装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18には静電潜像が形成される。
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器と、露光装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去するブレードと、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置とが設けられている。なお、スコロトロン帯電器、現像装置、ブレード、除電装置は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
また、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー像(本発明に係る現像剤像の一例)を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写ロール36とを含んで構成されている。
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、像保持体18に形成されたトナー像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
転写部32の下方には、記録媒体の一例としての用紙Pが収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
各記録媒体収容部48は、画像形成部10Aの筐体12から引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から用紙Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、用紙Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が筐体12から引き出されると、コントローラ270の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが用紙Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
筐体12から引き出された記録媒体収容部48を筐体12に装着すると、底板50が、コントローラ270の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の用紙Pと送出ロール52とが当るようになっている。
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された用紙Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、用紙Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された用紙Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた用紙Pに二次転写される構成となっている。
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、筐体12の側面から延びる予備経路66が設けられている。筐体12に隣接して配置される別の記録媒体収容部(図示省略)から送り出された用紙Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
転写位置Tの下流側には、トナー像が転写された用紙Pを定着排出部10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が筐体12に設けられ、搬送ベルト70に搬送された用紙Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が定着排出部10Bの筐体13に設けられている。
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、用紙Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
環境センサ79は、筐体12の内側の空間内の温度及び湿度を測定する。環境センサ79は、コントローラ270に接続されており、測定結果をコントローラ270に出力する。
定着排出部10Bは、定着ユニット82、冷却ユニット110、インラインセンサ200、及び排出部196を含む。
搬送ベルト80の下流側には、用紙Pの表面に転写されたトナー像を用紙Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、用紙Pを加圧加熱してトナー像を定着させる定着部Nが形成されている。
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
図1に示されるように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された用紙Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された用紙Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
冷却ユニット110は、用紙Pの熱を吸収する吸収装置112と、用紙Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
吸収装置112は、用紙Pと接触し、用紙Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、筐体13の裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
用紙Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、用紙Pを吸収ベルト116へ押し付けながら用紙Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
冷却ユニット110の下流側には、用紙Pを挟んで搬送し、用紙Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
矯正装置140の下流側には、用紙Pに定着されたトナー像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するインラインセンサ200が設けられている。なお、インラインセンサ200については、詳細を後述する。
インラインセンサ200の下流側には、片面に画像が形成された用紙Pを筐体13の側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、両面に画像を形成させる場合は、インラインセンサ200から送出された用紙Pは、インラインセンサ200の下流側に設けられた反転経路194に搬送されるようになっている。
反転経路194には、搬送経路60から分岐する分岐パス194Aと、分岐パス194Aに沿って搬送される用紙Pを筐体12側に向けて搬送する用紙搬送パス194Bと、用紙搬送パス194Bに沿って搬送される用紙Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス194Cが設けられている。
この構成により、反転パス194Cでスイッチバック搬送された用紙Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像処理部290で画像処理が施された画像情報が、各露光装置40に送られる。各露光装置40では、画像情報に応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器によって帯電した各像保持体18に露光し、静電潜像が形成される。
像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像が形成される。
図1に示されるように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの像保持体18に形成された各色のトナー像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた用紙P上に二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト70によって筐体13の内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
用紙P上の各色のトナー像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで用紙Pに定着する。さらに、トナー像が定着された用紙Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、用紙Pに生じた湾曲が矯正される。
湾曲が矯正された用紙Pは、インラインセンサ200によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、インラインセンサ200を通過後に、用紙Pが反転経路194で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー像が形成される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光装置40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザーの選択により、追加部品として筐体12に装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
次に、インラインセンサ200について説明する。
以下の説明では、画像形成装置10の装置の奥行き方向(主走査方向)をX方向、装置の長さ方向(用紙Pの搬送方向である副走査方向)をY方向、装置の高さ方向をZ方向ということとする。
(インラインセンサの基本構成、機能)
図2に示されるように、インラインセンサ200は、画像が記録された用紙Pに向けて光を照射する照射部202と、照射部202から照射されて用紙Pで反射された光をCCDセンサ204に結像する結像光学系206を備えた結像部208と、インラインセンサ200の使用時やキャリブレーション時の各種基準等が設けられた設定部210とを備えている。なお、本実施の形態では、CCDセンサ204はラインセンサの場合を一例として説明するが、エリアセンサを適用するようにしてもよい。
照射部202は、用紙Pの搬送経路60の上側に配置されており、一対のランプ212を有する。各ランプ212は、X方向に長手とされたキセノンランプであり、その照射範囲の長さは搬送される最大の用紙Pの幅よりも大とされている。一対のランプ212は、用紙Pにて反射されて結像部208に向かう光軸OA(設計上の光軸)に対し対称に配置されている。より具体的には、各ランプ212は、用紙Pへの照射角がそれぞれ45°〜50°となるように光軸OAに対し対称に配置されている。
詳細には、一対のランプ212は、用紙Pの搬送経路60に沿って並べられ、用紙Pの搬送方向の上流側に配置された光源の第1ランプ212Aと、第1ランプ212Aに対して用紙Pの搬送方向の下流側に配置された光源の第2ランプ212Bとを備えている。そして、第1ランプ212A及び第2ランプ212Bから照射される光が、第1ランプ212Aと第2ランプ212Bとの間の搬送経路60上の照射位置Dに照射されるように構成されている。
また、結像光学系206は、光軸OAに沿って導かれた光をY方向(この実施形態では用紙Pの搬送方向下流側)に反射する第1ミラー214と、第1ミラー214が反射した光を上向きに反射する第2ミラー216と、第2ミラー216が反射した光を用紙Pの搬送方向上流側に反射する第3ミラー218と、第3ミラー218が反射した光をCCDセンサ204に集光(結像)するレンズ220とを主要部として構成されている。CCDセンサ204は、光軸OAに対し用紙Pの搬送方向上流側に配置されている。
第1ミラー214のX方向の長さは、最大の用紙Pの幅よりも大とされている。そして、第1ミラー214〜第3ミラー218は、結像光学系206に入射された用紙Pの反射光をそれぞれX方向(主走査方向)に絞りながら(集光しつつ)反射するようになっている。これにより、略円柱状のレンズ220に対し用紙Pの幅方向各部からの反射光を入射させる構成である。
上記構成により、インラインセンサ200では、CCDセンサ204が、結像された光すなわち画像濃度に応じた信号を、画像形成装置10のコントローラ270(図1参照)に出力(フィードバック)するようになっている。コントローラ270は、インラインセンサ200からの信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正するようになっている。画像形成装置10では、一例として、露光装置40による照射光の強度、画像の形成位置などがインラインセンサ200からの信号に基づいて補正される。
また、結像光学系206における第3ミラー218とレンズ220との間には、光量絞り部224(224L、224S、224U))が設けられている。光量絞り部224は、光路をX方向に横切ってCCDセンサ204に結像する光の光量をZ方向(主走査方向との交差方向)に絞ると共に、外部から操作することで光量絞り量を調整可能に構成されている。光量絞り部224による光量絞り量は、経時により各ランプ212の発光量が変化してもCCDセンサ204に結像される光量が予め定めた量以上となるように調整されるようになっている。
一方、設定部210は、X方向に長手の基準ロール226を備えている。基準ロール226は、用紙Pの画像検出を行う際に搬送経路60側を向ける検出基準面228と、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合に搬送経路側を向ける退避面230と、白色基準面232と、多色のパターンが長手方向に沿って形成されたカラー基準面234と、複数の検査パターンが形成された複合検査面236とを有する。この実施形態では、基準ロール226は、周方向に8面以上の面が形成された多角形筒状に形成されている。検出基準面228、退避面230、カラー基準面234、複合検査面236は各一面だけ設けられ、白色基準面232は2面設けられている。
基準ロール226は、回転軸226A周りに回転することで、搬送経路60側を向ける面を切り替える構成とされている。この基準ロール226の面の切替は、回路基板262に設けられた制御回路100によって行われる。また、基準ロール226は、八角形以上の多角形筒状に形成されることで、各面の周方向中央と面間の角部との回転中心に対する距離差が小さく抑えられている。これにより、基準ロール226の各面と各ランプ212の照射位置(後述するウインドウガラス286)との距離を小さく抑えながら、基準ロール226の面間の角部が照射部202と干渉しない構成とされている。
検出基準面228は、周方向の幅が他の面よりも小とされており、その周方向両側の面は上記した各基準としての機能を有しない案内面238とされている。検出基準面228は、搬送される用紙Pの被検出(被読み取り)面を各ランプ212による照射位置に位置決めする位置基準面とされている。
退避面230は、周方向の幅が他の面よりも大とされている。この退避面230は、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合に、用紙Pを案内する案内面であり、検出基準面228よりも回転軸226Aの軸心からの距離が小とされている。これにより、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合には、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行う場合よりも、照射部202(ウインドウガラス286)との間隔が広い搬送経路が形成されるようになっている。
白色基準面232は、照明部202と結像光学系206のキャリブレーション用であり、予め定められた信号が結像光学系206から出力される基準の白色フィルムが貼着されて構成されている。カラー基準面234は、照明部202と結像光学系206のキャリブレーション用であり、各色に応じて予め定められた信号が結像光学系206から出力される基準色のパターンが施されたフィルムが貼着されて構成されている。
複合検査面236は、基準ロール226の回転方向(用紙Pの搬送方向)の位置をキャリブレーションするための位置調整パターンと、フォーカス検出パターンと、深度検出パターンとが同一面に配置されて形成されている。
画像読取部10Cは、原稿331(図3B参照)の画像を読み取り、読み取った画像を示す第2画像情報をコントローラ270に出力する。なお、本実施形態において「画像を読み取る」とは、画像の密度(以下、「画像密度」と称する)を光学的に検出することを意味する。画像密度とは、換言すると、画像の濃度を指す。また、本実施形態では、説明の便宜上、画像読取部10Cによって原稿331の画像が読み取られると、読み取られて得られた第2画像情報により示される画像が画像形成部10Aによって用紙Pに形成されることを前提として説明する。
一例として図3A及び図3Bに示すように、画像読取部10Cは、ケース313及び原稿搬送装置316を含む。一例として図3Aに示すように、ケース313は、画像読取部10Cの本体を収容し、ケース313の上面には略矩形状の開口321(本実施形態では、A3サイズの原稿よりも大きな開口)が形成されている。開口321は、原稿331(図3B参照)が載せられるプラテンガラス322によって遮蔽されている。
ケース313の上面には、固定部344A、344Bが設けられている。固定部344A、344Bには、原稿搬送装置316(図3B参照)の底面に設けられたヒンジ部材(図示省略)が固定される。なお、原稿搬送装置316の載せ台318(図3B参照)を用いない製本原稿等を直接プラテンガラス322に載せて複写する場合は、原稿搬送装置316を上方へ開放することになる。また、本実施形態に係る画像読取部10Cでは、プラテンガラス322として無色透明なガラス板を適用しているが、これに限らず、透光性を有する原稿台であればよい。
プラテンガラス322の周囲には、略矩形状の枠からなる原稿セットガイド330が設けられている。原稿セットガイド330は、プラテンガラス322より僅かな凸状の段差となっており、原稿セットガイド330の段差に接するように原稿331の角部を合わせることにより、容易に原稿331の位置決めが行われる。原稿セットガイド330の上面には、原稿セットガイド330の角部に原稿331の角部を合わせるときの目印となる位置合わせマーク(図示省略)と、当該位置合わせマークに角部を合わせて定型サイズ(本実施形態では、B5,A4,B4,A3)の原稿331がプラテンガラス322に載せられたときの原稿331の端部の位置を示す原稿サイズラベル(図示省略)と、が設けられている。
一例として図3Bに示すように、原稿搬送装置316には、複写しようとする原稿を(複数枚の場合は重ねて)載せる載せ台318が設けられている。また、載せ台318の下方には、載せ台318から送り込まれて読み取られた原稿が排出される排紙受け320が設けられている。ここで、原稿搬送装置316では、載せ台318上に載せられた原稿(複数枚重ねられている場合は、その最上層の原稿)が、図示しない原稿反転ユニットへ送り込まれ、反転しながら画像読取部10Cのプラテンガラス322(図3(a)参照。)上の読取領域を通過し、排紙受け320上に排出されることにより、原稿331の読み取りが行われる。
原稿搬送装置316には、ユーザ・インタフェース324が設けられている。ユーザ・インタフェース324は、受付部324A及び表示部324Bを有する。受付部324Aは、主電源投入用の操作ボタン、各種情報の設定用の操作ボタン、及びスクロールキーなどの入力デバイスを有しており、画像形成装置10の利用者又は画像形成装置10の保守・点検を行う業者からの指示を受け付ける。表示部324Bは、例えば、液晶ディスプレイであり、受付部324Aによって受け付けられた情報を含む各種情報を表示する。
一例として図3Bに示すように、ケース313は、原稿331の読み取りを行う走査ユニット332を収容している。走査ユニット332は、光照射装置334と、反射部336と、集光部338と、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ340と、を備えている。
光照射装置334は、複数のLED(Light Emitting Diode)334aを有する。LED334a(図3A参照)は、画像形成装置10の正面から奥側に向かう方向を長手方向(主走査方向)として原稿331に向けて発光する格子状に並べられている。反射部336は、光照射装置334により原稿331に対して光を照射した際に原稿331で反射された光Lを複数のミラーで反射させる。集光部338は、反射部336で反射された光Lをレンズで集光する。
CCDラインセンサ340は、集光部338で集光された光Lを受光(結像)して電気信号を出力する。なお、反射部336で複数のミラーにより光Lを折り返すのは、CCDラインセンサ340への結像に予め定められた光路長を必要とするためである。なお、本実施形態に係る光照射装置334の走査範囲は、A3サイズの原稿331よりも広いものとされている。
ここで、走査ユニット332が、主走査方向と直交する方向(副走査方向:矢印X)に移動することで、光照射装置334からの光が、原稿331に記録されている画像にライン状に照射される。続いて、原稿331からの反射光が、反射部336及び集光部338を介してCCDラインセンサ340で受光され、CCDラインセンサ340によって光電変換される。CCDラインセンサ340は、コントローラ270に接続されており、光電変換によって得られた画像濃度に応じた電気信号を第2画像情報としてコントローラ270に出力する。
一例として図6に示すように、画像形成装置10は、コントローラ270を備えている。コントローラ270は、CPU(Central Processing Unit)272、一次記憶部274、及び二次記憶部276を備えている。一次記憶部274は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))である。二次記憶部276は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)など)である。CPU272、一次記憶部274、及び二次記憶部276は、バス278を介して相互に接続されている。
二次記憶部276は、基準情報設定プログラム277及び参照テーブル生成プログラム279(以下、これらを区別して説明する必要がない場合は単に「プログラム」と称する)を記憶している。CPU276は、二次記憶部276からプログラムを読み出して一次記憶部274に展開し、プログラムを実行する。CPU276は、参照テーブル生成プログラム279を実行することで、本発明に係る制御手段として動作する。
なお、ここでは、プログラムを二次記憶部276から読み出す場合を例示したが、最初から二次記憶部276に記憶させておく必要はない。例えば、画像形成装置10に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。そして、CPU272がこれらの可搬型の記憶媒体からプログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、通信手段を介して画像形成装置10に接続されるコンピュータ又はサーバ装置等の外部電子計算機の記憶部にプログラムを記憶させておいてもよい。この場合、CPU272は外部電子計算機からプログラムを取得して実行する。
画像形成装置10は、CPU272と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してCPU272と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るインプット・アウトプット・インターフェース(I/O)280を備えている。画像形成装置10は、I/O280に接続されることで、バス278を介してCPU272と電気的に接続される入出力デバイスとして、受付部324A、表示部324B、外部インタフェース(I/F)282、及び通信I/F284を備えている。また、画像形成装置10は、入出力デバイスとして、画像形成部10A、定着排出部10B、画像読取部10C、及び画像処理部290を備えている。
画像読取部10Cは、第2画像形成要求情報をCPU272に出力する。第2画像形成要求情報は、第2画像情報と第2画像情報により示される画像(本発明に係る形成対象画像の一例)の形成に供する各種指示を示す第1指示情報とを含む。なお、本発明に係る形成対象画像とは、画像形成部10Aによって用紙Pに形成される画像を指す。
第2画像形成要求情報は、画像読取部10Cからジョブ(例えば、1回の実行指示(例えば、画像の形成を要求する指示)に応じて実行される処理の単位)毎にCPU272に出力される。
CPU272は、画像読取部10Cから入力された第2画像形成要求情報を一次記憶部274に記憶する。そして、予め定められたタイミングで一次記憶部274から第2画像形成要求情報を取得し、取得した第2画像形成要求情報内の第2画像情報(以下、「未処理第2画像情報」と称する)を画像処理部290に出力する。画像処理部290は、入力された未処理第2画像情報に対して各種処理を施し、未処理第2画像情報に対して各種処理を施して得た処理済み第2画像情報(以下、単に「処理済み第2画像情報」と称する)を露光装置40に出力する。これにより、露光装置40では、処理済み第2画像情報に基づいて変調された光ビームが像保持体18へ照射される。
外部I/F282は、外部装置(例えば、USBメモリ)に接続され、外部装置とCPU272との間の各種情報の送受信を司る。
通信I/F284は、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信手段に接続されており、通信手段に接続された外部装置285(一例としてパーソナル・コンピュータ)との間の各種情報の送受信を司る。
通信I/F284は、外部装置285から第1画像形成要求情報を受信する。第1画像形成要求情報は、第1画像情報と第1画像情報により示される画像(本発明に係る形成対象画像の一例)の形成に供する各種指示を示す第2指示情報とを含む。第1画像形成要求情報は、外部装置162からジョブ毎に画像形成装置10に送信される。
CPU272は、通信I/F284を介して第1画像形成要求情報を取得し、取得した第1画像形成要求情報を一次記憶部274に記憶する。そして、予め定められたタイミングで一次記憶部274から第1画像形成要求情報を取得し、取得した第1画像形成要求情報内の第1画像情報(以下、「未処理第1画像情報」と称する)を画像処理部290に出力する。画像処理部290は、入力された未処理第1画像情報に対して各種処理を施し、未処理第1画像情報に対して各種処理を施して得た処理済み第1画像情報(以下、単に「処理済み第1画像情報」と称する)を露光装置40に出力する。これにより、露光装置40では、処理済み第1画像情報に基づいて変調された光ビームが像保持体18へ照射される。
なお、以下では、説明の便宜上、第1画像形成要求情報及び第2画像形成要求情報を区別して説明する必要がない場合、これらを「画像形成要求情報」と称する。また、以下では、説明の便宜上、第1画像情報及び第2画像情報を区別して説明する必要がない場合、これらを「画像情報」と称する。また、以下では、説明の便宜上、画像処理部290により処理される対象である未処理第1画像情報及び未処理第2画像情報を区別して説明する必要がない場合、これらを「処理対象画像情報」と称する。更に、以下では、説明の便宜上、画像処理部290により処理対象画像情報が処理されて得られた処理済み第1画像情報及び処理済み第2画像情報を区別して説明する必要がない場合、これらを「処理済み画像情報」と称する。
一例として図5に示すように、画像処理部290は、色変換部592、エッジ処理部594、及び2値化処理部596を有する。なお、画像処理部290は、画像処理に係る複数の機能の回路を1つにまとめた集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現される。但し、ハードウェア構成はこれに限定されるものではなく、例えばプログラマブルロジックデバイスであってもよいし、CPU、ROM及びRAMを含むコンピュータなどの他のハードウェア構成であってもよい。
色変換部592は、CPU272から入力された処理対象画像情報に対して色変換を行う。そして、色変換を行った処理対象画像情報をエッジ処理部594に出力する。ここで、色変換とは、例えば、RGBの色空間をYMCKの色空間に変換することを指す。
エッジ処理部594は、色変換部592から入力された処理対象画像情報に対してエッジ処理を行う。そして、エッジ処理を行った処理対象画像情報を2値化処理部596に出力する。
2値化処理部596は、エッジ処理部594から入力された処理対象画像情報に対して2値化処理を行う。そして、2値化処理を行った処理対象画像情報を後述の補正実行部602に出力する。
ところで、転写位置Tにおける中間転写ベルト34及び二次転写ロール62の駆動状態は、一例として図6A及び図6Bに示す転写未実行状態と、一例として図6Cに示す転写実行状態とに大別される。また、転写未実行状態は、一例として図6Aに示す用紙非搬送状態と、一例として図6Bに示す用紙搬送状態とに大別される。
図6Aに示す用紙非搬送状態とは、中間転写ベルト34と二次転写ロール62とが用紙Pを挟まずに駆動している状態を指す。図6Bに示す用紙搬送状態は、中間転写ベルト34と二次転写ロール62とが用紙Pを挟んで駆動している状態を指す。図6Cに示す転写実行状態は、中間転写ベルト34から用紙Pにトナー像が転写される状態を指す。
ここで、中間転写ベルト34の搬送速度を“Vbelt”とし、二次転写ロール62の回転速度を“Vbtr”とし、用紙Pの搬送速度を“Vpaper”とした場合、図6Aに示す用紙非搬送状態では、“Vbelt=Vbtr”となる。また、図6Bに示す用紙搬送状態では、“Vbelt=Vbtr=Vpaper”となる。また、図6Cに示す転写実行状態では、“Vbelt>Vpaper=Vbtr”となる。
つまり、トナー像が用紙P上に二次転写される場合、画像密度によって二次転写時の用紙Pと中間転写ベルト34とで速度差が生じ、用紙Pの搬送方向に画像がずれてしまう。用紙Pの搬送方向に画像がずれるとは、一例として図7に示すように、用紙Pに形成された画像の画像密度が大きくなるに従って搬送方向倍率が大きくなることを意味する。ここで、図7に示す例において、“画像密度(濃度)(%)”とは、単色のトナーでの色再現の最大トナー量を100%とした場合のトナー量を指す。例えば、画像密度が150%の場合とは、Y色のトナー量=60%、M色のトナー量=50%、C色のトナー量=30%、及びK色のトナー量=10%の場合を指す。また、搬送方向倍率とは、搬送方向にずれていない画像の搬送方向の長さに対する搬送方向にずれている画像の搬送方向の長さの割合の百分率を指す。なお、理想的な搬送方向倍率(理想倍率変化)は0%である。
また、画像密度に対する搬送方向倍率の変化態様は、用紙Pの種類毎に異なることが知られている。例えば、図8に示すように、220gsm(グラム・スクエア・メートル(1平方メートルあたりの重さ))の非コート紙の場合、画像密度が高くなるに従って搬送方向倍率が線形的に低下することが確認されている。また、例えば、図9に示すように、82gsmの非コート紙の場合、搬送方向倍率が画像密度に対して非線形的に変化することが確認されている。更に、例えば、図10に示すように、128gsmのコート紙の場合も、搬送方向倍率が画像密度に対して非線形的に変化することが確認されている。
そこで、用紙Pにおける搬送方向の画像のずれ量(以下、「搬送方向ずれ量」と称する)を補正するために、画像処理部290は、一例として図5に示すように、補正情報記憶部598、補正量演算部600、及び補正実行部602を備えている。
補正情報記憶部598は、基準情報604及び参照テーブル606を記憶している。基準情報604とは、互いに対応付けられた基準補正量604Aと基準画像密度604Bとを指す。基準補正量604Aとは、搬送方向ずれ量を補正する補正量を指す。基準画像密度604Bとは、搬送方向ずれ量の補正に基準補正量が適用される画像密度を指す。
なお、基準情報604は、後述の基準情報設定処理が行われることによって設定されるが、基準情報設定処理が行われる前には、デフォルトの基準情報604としてデフォルト補正量及びデフォルト画像密度が用いられる。デフォルトの基準情報604とは、例えば、画像形成装置10の出荷後に最初に電源が投入された場合に使用される基準情報604を指す。デフォルト補正量は、例えば、後述の参照テーブル606の参照補正量Y2(図11参照)であり、デフォルト画像密度は、例えば、後述の参照テーブル606の参照画像密度80%(図11参照)である。
参照テーブル606は、搬送方向ずれ量を補正する補正量を導出する際に参照されるテーブルであり、用紙Pの種類毎に補正情報記憶部598に記憶されている。参照テーブル606は、例えば、実際に画像形成部10Aによって複数の画像密度(以下、「参照画像密度」という)の各々で形成された基準画像(所謂パッチ)の搬送方向倍率の逆数が参照補正量として参照画像密度毎に対応付けられたテーブルである。
本実施形態では、説明の便宜上、参照テーブル606に記憶されている参照画像密度として、40%、80%、120%、160%、及び200%を採用しており、これらの参照画像密度の各々に異なる参照補正量が対応付けられている。
例えば、参照テーブル606は、一例として図11に示すように、参照画像密度として40%、80%、120%、160%、及び200%を有すると共に、参照補正量Y1〜Y5を有する。参照テーブル606において、参照補正量Y1は参照画像密度の40%に対応付けられている。参照テーブル606において、参照補正量Y2は参照画像密度の80%に対応付けられている。参照テーブル606において、参照補正量Y3は参照画像密度の120%に対応付けられている。参照テーブル606において、参照補正量Y4は参照画像密度の160%に対応付けられている。参照テーブル606において、参照補正量Y5は参照画像密度の200%に対応付けられている。
異なる画像形成装置10の各々によって予め定められた種類の用紙Pに異なる画像密度毎に基準画像(画像形成装置10の各々に対して共通の画像情報により示される画像)が形成された場合、画像密度毎の搬送方向倍率が画像形成装置10の種類毎に異なる。図17に示す例では、異なる画像形成装置10である1号機、2号機、及び3号機の各々によって82gsmの非コート紙に異なる画像密度毎に基準画像が形成された場合の画像密度毎の搬送方向倍率が機種毎に示されている。一例として図17に示すように、画像密度毎の搬送方向倍率は機種毎に異なっており、個体差が搬送方向倍率の違いとして現れている。そのため、本実施形態に係る画像形成装置10では、後述の参照テーブル生成処理が行われることにより、画像形成装置10毎に用いられる参照テーブル606が生成される。
補正量演算部600は、後述のずれ量補正処理を行うことで、基準情報204、参照テーブル606、並びにCPU272から入力された形成対象画像密度及び環境情報に基づいて近似補正量(後述)を演算し、近似補正量を補正実行部602に出力する。ここで、形成対象画像密度とは、CPU272に入力された画像情報により示される画像の画像密度を指す。また、環境情報とは、例えば、環境センサ79によって測定された温度及び湿度を指す。
補正実行部602は、2値化処理部596から入力された処理対象画像情報に示される画像の搬送方向ずれ量を、補正量演算部600から入力された近似補正量で補正する。そして、画像の搬送方向ずれ量を近似補正量で補正した処理対象画像情報を処理済み画像情報としてCPU272に出力する。
次に、画像形成装置10の作用を説明する。先ず、画像形成装置10の電源が投入された場合にCPU272が参照テーブル生成プログラム279を実行することにより画像形成装置10で行われる参照テーブル生成処理について、図18を参照して説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、参照テーブル606に既に参照画像密度として40%、80%、120%、160%、及び200%が設定されている場合を前提として説明する。また、ここでは、説明の便宜上、参照補正量として参照画像密度毎にデフォルトの補正量が設定されている場合を前提として説明する。
図18に示す参照テーブル生成処理では、先ず、ステップ700で、CPU272は、開始条件を満たしたか否かを判定する。ここで、開始条件とは、例えば、環境情報が変化したとの条件(動作環境条件)を指す。環境情報が変化したとは、例えば、環境センサ79によって測定された温度が基準温度(例えば、15度)に対して±10度の温度、又は、環境センサ79によって測定された湿度が基準湿度(例えば、40%)に対して±30%の湿度になったことを指す。
なお、開始条件はこれに限定されるものではなく、例えば、画像形成部10Aにより画像が形成される用紙Pの種類が変わったとの条件(用紙条件)、又は画像形成部10Aの性能が変わったとの条件(性能条件)であってもよい。用紙条件を満たす場合とは、例えば、画像が形成される用紙Pの種類を変更する指示が受付部324Aにより受け付けられた場合を指す。また、性能条件を満たす場合とは、例えば、中間転写ベルト34の循環速度が変化した場合、中間転写ベルト34の駆動が継続している時間が閾値を超えた場合、及び画像形成部10Aそのもの又は画像形成部10Aに含まれる特定部材が交換された場合を指す。中間転写ベルト34の循環速度が変化した場合とは、例えば、中間転写ベルト34の循環速度が予め定められた循環速度を超えた状態で安定した場合を指す。画像形成部10Aに含まれる特定部材とは、例えば、中間転写ベルト34、二次転写ロール62、又はトナーカートリッジ14を指す。
また、開始条件はこれに限定されるものではなく、例えば、画像形成装置10の出荷後に初めて電源が投入されたとの条件であってもよいし、本参照テーブル生成処理を開始する指示が受付部324Aによって受け付けられたとの条件であってもよい。また、本ステップ700で、CPU272は、動作環境条件、用紙条件、及び性能条件のうちの2つの条件を満たした場合に開始条件を満たしたと判定してもよいし、3つの条件を満たした場合に開始条件を満たしたと判定してもよい。
ステップ700において、開始条件を満たした場合は、判定が肯定されて、ステップ702へ移行する。ステップ700において、開始条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ700の判定を再び行う。
ステップ702で、CPU272は、一例として図13に示すように、画像形成部10Aに対して、参照画像密度毎に、格子チャート用紙620に基準画像722(所謂ベタ画像)を形成させ、その後、ステップ704へ移行する。格子チャート用紙620とは、白紙領域(白色の下地領域)が線画像620Aで格子状に区切られた用紙Pを指す。基準画像722は、搬送方向ずれ量がなければ格子チャート用紙620の予め定められた位置(以下、「基準位置」という)に形成される。
なお、本ステップ702では、参照画像密度として40%、80%、120%、160%、及び200%が採用され、これらの参照画像密度毎に異なる格子チャート用紙620に基準画像722が形成される。
ステップ704で、CPU272は、一例として図13に示すように、インラインセンサ200に対して格子チャート用紙620の線画像620A及び基準画像622を読み取らせることで、基準画像622の搬送方向ずれ量を検出し、その後、ステップ356へ移行する。基準画像622の搬送方向ずれ量は、格子チャート用紙620における搬送方向に予め定められた間隔(例えば、10ミリメートル)で配置された線画像620Aの位置、基準画像722が形成された位置、及び基準位置に基づいて検出される。
なお、本ステップ704では、インラインセンサ200により線画像620A及び基準画像622の読み取りが行われる場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像読取部10Cによって読み取りが行われるようにしてもよいし、これ以外の外部の読取装置によって読み取りが行われるようにしてもよい。この場合、受付部324A又は外部I/F282が外部の読取装置による読取結果を受け付ければよい。
ステップ706で、CPU272は、ステップ704で検出した搬送方向ずれ量に基づいて参照補正量(参照画像密度で形成された画像の搬送方向ずれ量の補正に用いられる補正量)を導出し、その後、ステップ708へ移行する。本ステップ706で導出される参照補正量は、ステップ704で検出した搬送方向ずれ量が補正されるように定められた補正量であり、例えば、ステップ704で検出した搬送方向ずれ量の逆数である。
ステップ708で、CPU272は、ステップ706で導出した参照補正量を新たな参照補正量として、補正量演算部600を介して補正情報記憶部598に記憶(上書き)し、その後、本参照テーブル生成処理を終了する。すなわち、本ステップ708では、参照テーブル606に現時点で記憶されている参照補正量に代えて、ステップ706で導出された参照補正量が、新たな参照補正量として参照テーブル606に記憶されることで参照テーブル606が更新される。
次に、設定開始条件を満足した場合にCPU272が基準情報設定プログラム277を実行することにより画像形成装置10で行われる基準情報設定処理について、図12を参照して説明する。なお、ここで、設定開始条件とは、例えば、画像形成装置10の出荷後、画像形成装置10の主電源が初めて投入されてから、又は、前回の基準情報設定処理が行われてから予め定められた時間(例えば、3日)が経過したとの条件を指す。
図12に示す基準情報設定処理では、先ず、ステップ350で、CPU272は、実績画像密度を導出し、その後、ステップ352へ移行する。ここで、実績画像密度とは、予め定められた期間に画像形成部10Aにより形成された画像の画像密度の使用実績に応じて定められた画像密度を指す。ここでは、予め定められたら期間の一例として、3日間を採用しているが、これに限らず、例えば、特定日(例えば、毎週火曜日)における特定時間帯(例えば、13時30分から13時45分までの時間帯)であってもよいし、これ以外の期間であってもよい。
なお、本実施形態では、実績画像密度の一例として、画像形成部10Aにより形成された画像の画像密度のうちの予め定められた頻度で使用された実績のある画像密度を採用している。予め定められた頻度で使用された実績のある画像密度とは、例えば、予め定められた期間に画像形成部10に入力された画像情報により示される画像の画像密度の最頻値(予め定められた期間に形成された画像の画像密度のうち最も採用された画像密度)を指す。例えば、予め定められた期間に画像密度が90%の画像が最も多く形成された場合の実績画像密度は90%である。実績画像密度は、例えば、予め定められた期間にCPU272に画像情報が入力される毎にCPU272によって算出された画像密度(入力された画像情報により示される画像の画像密度)の履歴に基づいて特定される。ここで、画像密度の履歴とは、例えば、予め定められた期間にCPU272によって画像密度が算出される毎にCPU272によって二次記憶部276に記憶された画像密度(CPU272による算出結果)を指す。
ステップ352で、CPU272は、一例として図13に示すように、画像形成部10Aに対して、格子チャート用紙620にステップ350で導出した実績画像密度の基準画像622(所謂ベタ画像)を形成させ、その後、ステップ354へ移行する。基準画像622は、搬送方向ずれ量がなければ格子チャート用紙620の予め定められた位置(以下、「基準位置」という)に形成される。
ステップ354で、CPU272は、一例として図13に示すように、インラインセンサ200に対して格子チャート用紙620の線画像620A及び基準画像622を読み取らせることで、基準画像622の搬送方向ずれ量を検出し、その後、ステップ356へ移行する。基準画像622の搬送方向ずれ量は、格子チャート用紙620における搬送方向に予め定められた間隔で配置された線画像620Aの位置、基準画像622が形成された位置、及び基準位置に基づいて検出される。
ステップ356で、CPU272は、ステップ354で検出した搬送方向ずれ量に基づいて補正量(実績画像密度で形成された画像の搬送方向ずれ量の補正に用いられる補正量)を導出し、その後、ステップ358へ移行する。本ステップ356で導出される補正量は、例えば、ステップ354で検出した搬送方向ずれ量の逆数である。
ステップ358で、CPU272は、ステップ350で導出した実績画像密度、及びステップ356で導出した補正量を新たな基準情報604として、補正量演算部600を介して補正情報記憶部598に記憶(上書き)し、その後、本基準情報設定処理を終了する。すなわち、本ステップ358では、補正情報記憶部598に現時点で記憶されている基準画像密度604Bに代えて、ステップ350で導出された実績画像密度が、新たな基準画像密度604Bとして補正情報記憶部598に記憶される。また、本ステップ358では、補正情報記憶部598に現時点で記憶されている基準補正量604Aに代えて、ステップ356で導出された補正量が、新たな基準補正量604Aとして補正情報記憶部598に記憶される。
次に、処理対象画像情報が画像処理部290に入力された場合に画像処理部290によって行われるずれ量補正処理について、図14を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、基準画像密度604Bが形成対象画像密度及び参照画像密度と相違しており、形成対象画像密度が参照画像密度と相違していることを前提として説明する。
図14に示すずれ量補正処理では、先ず、ステップ400で、補正量演算部600は、CPU272から形成対象画像密度(画像処理部290に入力された処理対象画像情報に対応する形成対象画像密度)及び環境情報が入力されたか否かを判定する。
ステップ402で、補正量演算部600は、補正情報記憶部598から基準情報604及び参照テーブル606を取得し、その後、ステップ404へ移行する。なお、本ステップ402において取得される参照テーブル606は、例えば、画像が形成される予定の用紙Pの種類として受付部324Aを介して指示された用紙Pの種類に対応する参照テーブル606である。
ステップ403で、補正量演算部600は、ステップ402で取得した参照テーブル606の参照補正量を、ステップ400で取得した環境情報に基づいて調整し、その後、ステップ404へ移行する。ここで、参照補正量を調整するとは、例えば、環境情報に応じて予め定められた調整係数を参照補正量に対して乗じることを指す。なお、予め定められた調整係数は、テーブル(図示省略)によって導出されてもよいし、演算式によって導出されてもよい。
ステップ404で、補正量演算部600は、ステップ400で入力された形成対象画像密度とステップ402で取得した基準情報604に含まれる基準画像密度604Bとの差の絶対値(以下、「第1画像密度差」と称する)を算出する。
次のステップ406で、補正量演算部600は、ステップ402で取得した参照テーブル606の特定の参照画像密度とステップ402で取得した基準情報604に含まれる基準画像密度604Bとの差の絶対値(以下、「第2画像密度差」と称する)を算出する。ここで、特定の参照画像密度とは、例えば、参照テーブル606における参照画像密度のうちの形成対象画像密度に最も近い参照画像密度を指す。
次のステップ408で、補正量演算部600は、第1画像密度差、第2画像密度差、ステップ402で取得した基準情報604に含まれる基準補正量604A、及びステップ403で調整された参照テーブル606の参照補正量に基づいて近似補正量を導出する。
本ステップ408において、近似補正量は、例えば、参照テーブル606の参照補正量とステップ402で取得した基準情報604に含まれる基準補正量604Aとに基づく補間法により算出される。例えば、図15に示すように、基準補正量604AをYSとし、基準画像密度604Bを105%とし、形成対象画像密度を95%とした場合、参照テーブル606から形成対象画像密度に最も近い参照画像密度の80%と調整済みの参照補正量Y2が取得される。この場合、第1画像密度差は“|95%−105%|”であり、第2画像密度差は“|80%−105%|”である。ここで、近似補正量をYAとした場合、YAは、次の数式(1)により算出される。
なお、本ステップ408では、参照テーブル606から形成対象画像密度に最も近い参照画像密度の80%と調整済みの参照補正量Y2が取得され、内挿法により近似補正量YAが算出される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、参照画像密度の160%と調整済みの参照補正量Y4が取得されるようにしてもよい。この場合、外挿法により近似補正量YAが算出される。
次のステップ410で、補正実行部602は、2値化処理部596から入力された処理対象画像情報により示される画像の搬送方向ずれ量を、ステップ408で導出された近似補正量で補正し、その後、ステップ412へ移行する。
ステップ412で、補正実行部602は、ステップ410で搬送方向ずれ量を補正して得た処理済み画像情報を露光装置40へ出力し、その後、本ずれ量補正処理を終了する。露光装置40は、入力された処理済み画像情報に基づいて変調した光ビームを像保持体18へ照射する。
なお、本ステップ412では、処理済み画像情報が露光装置40に直接供給される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、補正実行部602からCPU272を介して露光装置40に処理済み画像情報を供給するようにしてもよい。
また、本ステップ412では、露光装置40が処理済み画像情報に基づいて変調した光ビームを照射することにより搬送方向ずれ量を補正する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、CPU272が、処理済み画像情報に基づいて、ポリゴン回転数(ビデオクロック周波数を含む)、像保持体18の回転速度、及び中間転写ベルト34の循環速度の少なくとも1つを制御することにより搬送方向ずれ量を補正するようにしてもよい。
上記実施形態では、基準情報604を用いて導出した近似補正量で搬送方向ずれ量を補正する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、形成対象画像密度が参照テーブル606の参照画像密度の何れにも相違する場合、参照テーブル606に含まれる複数の参照補正量に基づいて近似した近似補正量で搬送方向ずれ量を補正するようにしてもよい。ここで、複数の参照補正量に基づいて近似した近似補正量とは、例えば、参照テーブル606に含まれる複数の参照画像密度及び複数の参照補正量により規定された多項式曲線(近似曲線)と形成対象画像密度から一意に導出される補正量を指す。
また、形成対象画像密度が2つの参照画像密間に存在する場合、隣接する参照画像密度とこれらの参照補正量とに基づく線形補間により形成対象画像密度に対応する近似補正量を導出するようにしてもよい。
上記実施形態では、参照テーブル606を用いて近似補正量を導出する場合を例示したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように画像密度が高くなるに従って搬送方向倍率が線形的に低下する特性が顕在化される用紙Pを使用する場合、参照テーブル606を用いずに、予め定められた変化量割合を用いて近似補正量を導出するようにしてもよい。変化量割合とは、画像密度の変化量に対する補正量(搬送方向倍率の逆数に相当する値)の変化量の割合を指す。従って、近似補正量(形成対象画像密度に対応する補正量)は、変化量割合、基準情報604、及び形成対象画像密度から一意に導出される。
なお、予め定められた変化量割合は、用紙Pの種類毎に定められた不変値であってもよいし、受付部324Aによって受け付けられた指示に応じてカスタマイズされる可変値であってもよい。また、予め定められた変化量割合は、定期的に用紙Pに形成された異なる画像密度の基準画像622の各々のずれ量(実測値)に基づいて導出された変化量割合であってもよい。また、近似補正量の算出に用いる変化量割合は、用紙Pの種類に応じて予め定められた変化量割合を、環境センサ79で測定された温度及び湿度に応じて予め定められた調整係数で調整して得た変化量割合であってもよい。
また、予め定められた変化量割合を用いて近似補正量を導出する方法と参照テーブル606を用いて近似補正量を導出する方法とを併用するようにしてもよい。例えば、第1画像密度差が閾値未満の場合は、予め定められた変化量割合を用いて近似補正量を導出し、第1画像密度差が閾値以上の場合は、参照テーブル606を用いて近似補正量を導出する。
予め定められた変化量割合を用いて近似補正量を導出する方法はあくまでも一例であり、これ以外の方法で近似補正量を導出するようにしてもよい。例えば、画像密度が高くなるに従って補正量が多くなること(例えば、線形的に単調増加すること)が既に知られている用紙Pを用いる場合、形成対象画像密度と基準画像密度604Bとの大小関係に応じて近似補正量を導出するようにしてもよい。
この場合、例えば、“形成対象画像密度<基準画像密度604B”であれば、基準補正量604Aから予め定められた値(例えば、用紙Pの種類毎に予め定められた不変値)を減じて(又は、除して)得た補正量を近似補正量とする。逆に、“形成対象画像密度>基準画像密度604B”であれば、基準補正量604Aから予め定められた値を加算して(又は、乗じて)得た補正量を近似補正量とする。ここで、予め定められた値とは、例えば、第1画像密度差に応じて予め定められた値(例えば、用紙Pの種類毎に定まる比例定数に従って第1画像密度差に比例して変化する値)を指す。また、予め定められた値は、更に、環境情報に応じて調整された値としてもよい。
また、画像密度に対して補正量が非線形的に変わることが既に知られている用紙Pを用いる場合、上記の予め定められた値を調整して得た値を基準補正量604Aに加算又は減算することにより近似補正量を導出するようにしてもよい。すなわち、基準画像密度604B及び第1画像密度差に応じて予め定められた調整係数を上記の予め定められた値に乗じて得た値を基準補正量604Aに付加することにより得た補正量を近似補正量とする。
上記実施形態では、参照テーブル606の参照補正量を、ステップ400で取得した環境情報に基づいて調整する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成部10Aの性能に応じて定められた調整係数を参照補正量に乗じることにより参照補正量を調整するようにしてもよい。ここで、画像形成部10Aの性能とは、例えば、トナーの材質、中間転写ベルト34の材質、中間転写ベルト34の循環速度、二次転写ロール62の材質、及び二次転写ロール62の回転速度の少なくとも1つを指す。
上記実施形態では、実績画像密度として、予め定められた期間に画像形成部10に入力された画像情報により示される画像の画像密度の最頻値を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、予め定められた期間に画像形成部10に入力された画像情報により示される画像の画像密度の平均値を実績画像密度として使用するようにしてもよい。また、予め定められた期間に閾値以上の頻度で使用された画像密度を実績画像密度として使用するようにしてもよい。また、特定の利用者の指示に従って形成された画像の画像密度の最頻値又は平均値を実績画像密度として使用するようにしてもよい。この場合、特定の利用者による指示か否かの判定は、例えば、ログイン情報に基づいて行われるようにすればよい。
上記実施形態では、インラインセンサ200に対して格子チャート用紙620の線画像620A及び基準画像622を読み取られる場合を例示したが、他の読取装置で線画像620A及び基準画像622を読み取らせるようにしてもよい。他の読取装置の一例としては、例えば、画像読取部10Cが挙げられる。
上記実施形態では、形成対象画像密度が参照画像密度と相違している場合を前提として説明したが、形成対象画像密度が参照画像密度と相違していない場合は、参照画像密度に対応する参照補正量を用いて搬送方向ずれ量を補正すればよい。
上記実施形態では、形成対象画像密度が基準画像密度604Bと相違している場合を前提として説明したが、形成対象画像密度が基準画像密度604Bと相違していない場合は、基準補正量604Aを用いて搬送方向ずれ量を補正すればよい。
上記実施形態で説明したずれ量補正処理(図14参照)はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記実施形態で説明したずれ量補正処理に含まれる各処理は、ASICである画像処理部290によって実行されているが、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現されてもよい。また、ずれ量補正処理に含まれる各処理は、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
上記実施形態で説明したずれ量補正処理に含まれる各処理をソフトウェア構成により実現するには、例えば、CPU272が一例として図15に示すずれ量補正プログラム630を実行することにより画像形成装置10でずれ量補正処理が行われるようにすればよい。ここで、ずれ量補正プログラム630、基準情報604、及び参照テーブル606は二次記憶部276に記憶されていればよく、CPU272は、二次記憶部276からずれ量補正処理プログラム330を読み出し、一次記憶部274に展開してから実行すればよい。この場合、CPU272は、ずれ量補正プログラム630を実行することで、補正量演算部600及び補正実行部602として動作する。