JP2016166259A - 印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ - Google Patents

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正考 藤岡
Masataka Fujioka
正考 藤岡
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Abstract

【課題】トルエンを含まない印刷インキに使用しても、溶剤への再溶解性に優れ、非塩素系であり、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた密着性を有し、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用できる印刷インキ用バインダーの提供。【解決手段】脂肪族ジカルボン酸に基づいて芳香族ジカルボン酸を4重量%以下含有する脂肪族ジカルボン酸とジオールからなるポリエステルジオール(A)、式(1)で表されるトリアミン(b1)を含有する鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート(C)を構成単量体とするポリウレタンウレア樹脂(U)を含有する印刷インキ用バインダー。[X及びYは各々独立にC1〜10のアルキレン基;R1はC1〜20のアルキル基;R2及びR3はH又はC1〜10のアルキル基]【選択図】なし

Description

本発明は印刷インキ用バインダー及び印刷インキに関する。
従来、プラスチックフィルム用の印刷インキの溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)及び酢酸エチル等の溶剤が混合使用されてきた。このなかでもトルエンは安価でしかも比較的高沸点であるために、印刷時にグラビア版上のインキの乾燥を抑え、フィルムへ転移せずに残存したグラビア版のセル中のインキが、インキパン中の新インキと接触して、十分に再溶解することにより、セルの版詰まりを防ぐのに好適な溶剤であり、印刷インキの主溶剤として使用されてきた。これらトルエンを含有する溶剤を使用した印刷インキで再溶解性の良いバインダーとしては、3−メチルペンタンアジペートジオールを使用したポリウレタン樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年、労働安全衛生法の改正でトルエンの環境濃度規制が強化され、印刷作業環境の改善が必要となり、またトルエンは比較的高沸点であるために印刷物中に多く残留する傾向にあり、PL法施行後、残留溶剤の低減が必要となり、トルエンを含まない溶剤系の印刷インキの要望が大きくなった。トルエンを使用せずMEK及び酢酸エチル等の溶剤だけを使用して、従来のポリエステル系ポリウレタン樹脂をバインダーとして用いた印刷インキは、溶剤の乾燥が速いためにグラビア版のセル中に残存したインキがインキパン中の新インキと接触するまでに乾燥し、十分に再溶解せずに版詰まりを起こし、深度の浅い版では印刷できなくなる等の問題がある。
また、ポリウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキはポリエステルフィルムやナイロンフィルムに対しては単独で優れた接着力を有するが、汎用フィルムであるポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対しては充分な接着力がなく、また、塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷インキはポリオレフィンフィルムに対しては良好な接着力を示すが、ポリエステルフィルムやナイロンフィルムに対しては充分な接着力がないため基材フィルムが制限されるという問題がある。
ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム及びポリオレフィンフィルムに対する接着力を向上させ、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用する目的で、ポリウレタン樹脂と塩素化ポリオレフィンとを混合して使用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、近年、環境問題への取り組みが重視されるようになり、使用済み品の廃棄処理において、有害物質の発生を抑制することが強く望まれており、塩素化ポリオレフィンは、塩素を含んでいるため、焼却時に有害物質が発生し、環境を汚染する恐れがあると言う問題があった。
特開昭63−161065号公報 特開平10−251594号公報
トルエンを含まない印刷インキに使用しても溶剤への再溶解性に優れ、非塩素系であり、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた密着性を有し、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用できる印刷インキ用バインダーを提供する。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、脂肪族ジカルボン酸の重量に基づいて芳香族ジカルボン酸を4重量%以下含有する脂肪族ジカルボン酸とジオールからなるポリエステルジオール(A)、一般式(1)で表されるトリアミン(b1)を含有する鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート(C)を構成単量体とするポリウレタンウレア樹脂(U)を含有する印刷インキ用バインダー;該印刷インキ用バインダーを含有し、印刷インキ用バインダーの重量に基づいてトルエンを0.3重量%未満含有する印刷インキである。
Figure 2016166259
[式中、X及びYはそれぞれ炭素数が1〜10である直鎖又は分岐のアルキレン基、Rは炭素数が1〜20である直鎖又は分岐のアルキル基、R及びRは水素原子又は炭素数が1〜10である直鎖又は分岐のアルキル基である。]
本発明の印刷インキ用バインダーは、トルエンを含まないインキ溶剤を使用しても、再溶解性に優れており、印刷時にグラビア版のセル中に残存するインキが再溶解され、版の目詰まりが非常に少なく、非塩素系であるため、焼却時に有害物が発生して環境を汚染する恐れがなく、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を有し、各種プラスチックフィルム用の印刷インキ用バインダーとして汎用的に使用できる。
本発明の印刷インキ用バインダーは、ポリエステルジオール(A)、一般式(1)で表されるトリアミン(b1)及び有機ジイソシアネート(C)を必須構成単位とするポリウレタンウレア樹脂(U)である。
ポリエステルジオール(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
Mnの測定条件は以下の通りである。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
脂肪族ジカルボン酸の重量に基づいて芳香族ジカルボン酸を4重量%以下含有する脂肪族ジカルボン酸とジオールからなるポリエステルジオール(A)としては、Mnが500未満のジオールと脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル及び酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。
Mnが500未満のジオールとしては、炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、分岐アルキル鎖を有するジオール(1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール等)等];炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)の炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等];等が挙げられる。
炭素数2〜12のAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、スチレンオキサイド及びα−オレフィンオキサイド等]が挙げられる。AOは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
実質的に芳香族ジカルボン酸を含有しない脂肪族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜15の脂肪族ジカルボン酸[シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸及びフマル酸等]、炭素数6〜16の環構造を有する脂肪族ジカルボン酸[シクロヘキサンジカルボン酸等]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸及びイソフタル酸等]及びこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル及びジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。実質的に芳香族ジカルボン酸を含有しない脂肪族ジカルボン酸とは、脂肪族ジカルボン酸の重量に対して芳香族ジカルボン酸を5重量%以下含有する脂肪族ジカルボン酸をいうものとする。
ポリエステルジオール(A)の具体例としては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール及びポリブチレンセバケートジオール等が挙げられ、好ましいものはポリネオペンチルアジペートジオール及びポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオールである。
ポリエステルジオール(A)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料としてMnが500未満のジオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルテトラヒドロフラン等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキル鎖を有する縮合型ポリエステルジオール、特に好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール及びポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、最も好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオールである。
(A)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタンウレア樹脂(U)を構成するジオール成分として、前記(A)以外のジオール成分(D)として、必要に応じてポリエーテルジオール(d1)、ポリラクトンジオール(d2)及びポリカーボネートジオール(d3)を含有することができる。
ポリエーテルジオール(d1)としては、脂肪族ポリエーテルジオール及び芳香族環含有ポリエーテルジオール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、前記Mnが500未満のジオールで例示した炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール又は炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコールのAO付加物及び炭素数1〜12のモノアルキルアミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン及びモノブチルアミン等)のAO付加物等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルジオールとしては芳香族低分子量活性水素原子含有化合物[水酸基当量が30以上150未満の2価のもの、例えば芳香脂肪族アルコール{m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及びビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン}、フェノール類(ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)及び芳香族アミン(アニリン等)等]のAO付加物が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルジオールの具体例としては、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール及びポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルジオールの具体例としては、ビスフェノール骨格を有するジオール、例えばビスフェノールAのEO付加物[ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのPO付加物[ビスフェノールAのPO6モル付加物、ビスフェノールAのPO8モル付加物及びビスフェノールAのPO10モル付加物等]、並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
ポリエーテルジオール(d1)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料としてMnが500未満のジオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルテトラヒドロフラン等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキル差を有する2価アルコールの脂肪族ポリエーテルジオール、特に好ましいのはポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール、最も好ましいのはポリオキシプロピレングリコールである。
(d1)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。(d1)の含有量は(A)の重量に対して好ましくは0〜100%、さらに好ましくは10〜40%である。
ポリラクトンジオール(d2)としては、前記Mnが500未満のジオールを開始剤としてラクトンモノマー(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。ポリラクトンジオール(b2)の具体例としては、ポリブチロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオール(d3)としては、前記Mnが500未満のジオールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオール(d3)の具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
ポリエステルジオール(A)及び(A)以外のジオール成分(D)のMnは、接着性の観点から、それぞれ好ましくは500〜10,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
鎖伸長剤(B)としては、必須成分としての一般式(1)で表されるトリアミン(b1)が挙げられる。(B)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)は任意成分としての炭素数2〜12のジアミン(b2)及び前記Mnが500未満のジオール(b3)を含有していてもよい。(b2)の含有量は(b1)の重量に対して好ましくは0〜400%、さらに好ましくは10〜200%である。(b3)の含有量は(b1)の重量に対して好ましくは0〜100%、さらに好ましくは5〜50%である。
一般式(1)で表されるトリアミン(b1)としては、N−メチル−2,2′−ジアミノジエチルアミン、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)、N,N−ビス[2−(メチルアミノ)エチル]メチルアミン等が挙げられ、接着性及び耐溶剤性の観点から好ましいのはN−メチル−2,2′−ジアミノジエチルアミン及びN−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)である。
炭素数2〜12のジアミン(b2)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、トルエンジアミン及びピペラジン等が挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのはイソホロンジアミン及び2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールである。
Mnが500未満のジオール(b3)の内、鎖伸長剤として再溶解性及び耐溶剤性の観点から好ましいのは1,4−ブタンジオールである。
有機ジイソシアネート(C)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート(c1)、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)、炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート(c3)及び炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(c4)等が挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート(c1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート等が挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート(c3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリアリールジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(c4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
これらの内で接着性の観点から好ましいのは、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)であり、更にポリウレタンウレア樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのはIPDIである。
有機ジイソシアネート(C)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタンウレア樹脂(U)を得るに当たっては、前記(A)、(B)、(C)の必須成分及び必要に応じて(A)以外のジオール成分(D)に加えて、反応停止剤(E)を使用することができる。
反応停止剤(E)としては、炭素数1〜10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール及び2−エチルヘキサノール等)及び炭素数2〜8のモノアミン[炭素数2〜8のモノ又はジアルキルアミン(n−ブチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等)、炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内で好ましいのは炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミンである。反応停止剤(E)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)の3級アミン価は、好ましくは1.8〜25.0mgKOH/g、更に好ましくは5.0〜18.0mgKOH/gである。3級アミン価が1.8mgKOH/gより小さいと各種プラスチックフィルムに対しての接着性が不十分であり、25.0mgKOH/gより大きいと鎖伸長剤の重量が増し、ポリウレタンウレア樹脂(U)中のウレタン基濃度及びウレア基濃度が高くなり、再溶解性と接着性が劣る傾向がある。
本発明における3級アミン価は、以下の方法で測定することができる。
100mlのフラスコ中でトルエン50mlにポリウレタンウレア樹脂溶液を溶解後、無水酢酸20mlを加えてよく振とうし、30分間室温にて放置。キシレンシアノールFF・メチルオレンジ混合指示薬を用いて、0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行い(終点は、指示薬の色が緑色から赤褐色になった点)滴定ml数を読み取り、次式により3級アミン価を算出する。
3級アミン価=a ×f×100/ (S×T×28.05)
a:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の滴定ml数
f:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の力価
S:ポリウレタンウレア樹脂溶液採取量(g)
T:ポリウレタンウレア樹脂溶液の固形分濃度(%)
ポリウレタンウレア樹脂(U)中のウレタン基[−NHCOO−]濃度とウレア基[−NHCONH−]濃度の合計値は、再溶解性と接着性の観点から、好ましくは0.8〜1.5mmol/g、更に好ましくは0.9〜1.4mmol/g、特に好ましくは1.2〜1.4mmol/gである。
ポリウレタンウレア樹脂(U)は、ポリエステルジオール(A)、トリアミン(b1)及び有機ジイソシアネート(C)を構成単位とするが、その比率は重量比で好ましくは(A):(b1):(C)=100:0.1〜20:5〜40、さらに好ましくは100:1〜10:15〜25である。
ポリウレタンウレア樹脂(U)を製造する方法は特に制限されず、ポリエステルジオール(A)及び、鎖伸長剤(B)、有機ジイソシアネート成分(C)及び必要により(A)以外のジオール成分(D)、反応停止剤(E)を一度に反応させるワンショット法又は段階的に反応させる多段法[例えば(A)と(C)必要により(A)以外のジオール成分(D)とを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、(B)及び必要により(E)を加えて更に反応させて製造する方法等]のいずれの方法でもよいが、接着性の観点からはイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(B)としてトリアミン(b1)及び炭素数2〜12のジアミンをプレポリマーが有するイソシアネート基の当量に対してアミンが有するアミノ基とイミノ基の当量の合計値が過剰となるように用いてポリウレタン分子鎖の末端にアミノ基を導入する方法が好ましい。
ポリウレタンウレア樹脂(U)の製造に当たって、有機ジイソシアネート(C)のイソシアネート基と、ジオール成分(A)及び(A)以外のジオール成分(D)、鎖伸長剤(B)及び必要により使用する反応停止剤(E)の活性水素含有基の当量比(イソシアネート基:活性水素含有基)は、通常0.7:1〜0.99:1、好ましくは0.8:1〜0.98:1である。
ジオール成分と有機ジイソシアネート成分(C)の反応は通常20〜140℃、好ましくは40〜120℃の温度で行われる。但し、アミンを反応させる場合は通常100℃以下、好ましくは0〜80℃である。
前記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート及びオクチル酸錫等)及びチタン系触媒(テトラブチルチタネート等)]等を使用してもよい。触媒の使用量はポリウレタンウレア樹脂に対して通常0.1重量%以下である。
また、前記反応は有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤を反応途中又は反応後に加えてもよい。有機溶剤としては、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルイソブチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素系溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン等)及びアルコール系溶剤(エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn−ブタノール等)等が挙げられる。
これらの内、ポリウレタンウレア樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールであり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びイソプロピルアルコールである。
有機溶剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、ポリウレタンウレア樹脂(U)の樹脂物性、再溶解性及び耐溶剤性の観点から好ましくは50,000〜200,000、更に好ましくは100,000〜150,000である。
本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
装置:「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn α」(1本)、「TSKgel α−M」(1本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.125重量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
本発明のポリウレタンウレア樹脂(U)からなる本発明の印刷インキ用バインダーは、ハンドリング性等の観点から、ポリウレタンウレア樹脂(U)を前述の有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)として用いることが好ましい。(U)の有機溶剤溶液の樹脂濃度はハンドリング性等の観点から好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。また、(U)の有機溶剤溶液の20℃での粘度は、同様の観点から好ましくは50〜100,000mPa・s、更に好ましくは100〜10,000mPa・sである。
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用バインダー、顔料及び溶剤を必須成分としてなる。顔料としては特に制限はなく、通常の印刷インキに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。
溶剤としては前記反応に使用する有機溶剤が使用でき、ポリウレタンウレア樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールであり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びイソプロピルアルコールである。
本発明の印刷インキは、印刷インキ用バインダーの重量に基づいてトルエンを0.3重量%以下含有する印刷インキである。トルエンの含有量はガスクロマトグラフィーで測定することが出来る。
また、必要により印刷インキに通常使用される他の樹脂類及び顔料分散剤等の添加剤を配合することもできる。他の樹脂類及び添加剤は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
他の樹脂類としては、例えばポリアミド樹脂、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、エポキシ樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。これら他の樹脂類の添加量は印刷インキ中通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
印刷インキの製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミル等の通常のインキ製造装置を用いて印刷インキを製造できる。
本発明の印刷インキの配合処方の一例を示せば下記の通りである。
本発明のバインダー(樹脂固形分の量):5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
顔料:5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
他の樹脂類:0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)
溶剤:30〜80重量%(好ましくは40〜70重量%)
本発明の印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキは、一液型印刷インキとして使用してもよいが、例えばポリイソシアネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキとして使用することもできる。この場合のポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと、1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、トリレンジイオシアネート又はIPDI3モルとからのアダクト体;1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート又はIPDIのイソシアネート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート3モルとから誘導される部分ビュレット反応物及びこれらの2種以上の混合物が好適である。二液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の使用量は、本発明の印刷インキ用バインダーの重量に基づいて通常0.5〜10重量%である。
本発明の印刷インキを用いた印刷方法としては、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷及び感熱転写印刷等の印刷方法が挙げられる。
本発明の印刷インキは、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、表面処理又は無処理ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらのフィルムにアルミ蒸着を施したフィルム等の各種プラスチックフィルムの印刷に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は重量部を示す。
実施例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.40部、及びIPDI 40.30部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量2.58重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル391部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール196部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン6.22部、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)5.30部、及びモノエタノールアミン0.56部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−1)の溶液を得た。(U−1)の3級アミン価は8.1mgKOH/g、Mwは83,000であった。
実施例2
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール1.44部、及びIPDI 35.8部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.88重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル381部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール191部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン8.78部、N−メチル−2,2′−ジアミノジエチルアミン0.21部、及びモノエタノールアミン0.41部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−2)の溶液を得た。(U−2)の3級アミン価は0.4mgKOH/g、Mwは81,000であった。
実施例3
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]120部、ポリオキシエチレン・プロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「ニューポール80−4000」:Mn=4000]80部、1,4−ブタンジオール0.80部、及びIPDI 43.70部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量4.03重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル404部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール203部を加えて均一になるまで撹拌後、N−メチル−2,2′−ジアミノジエチルアミン14.14部、及びモノエタノールアミン1.47部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−3)の溶液を得た。(U−3)の3級アミン価は26.0mgKOH/g、Mwは79,000であった。
実施例4
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]120部、ポリオキシエチレン・プロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「ニューポール80−4000」:Mn=4000]80部、及びIPDI 18.25部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量0.47重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル343部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール172部を加えて均一になるまで撹拌後、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)2.66部、及びモノエタノールアミン0.06部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−4)の溶液を得た。(U−4)の3級アミン価は4.6mgKOH/g、Mwは98,000であった。
実施例5
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]100部、ポリオキシエチレン・プロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「ニューポール80−4000」:Mn=4000]100部、1,4−ブタンジオール1.68部、及びIPDI 49.64部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量4.11重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル419部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール210部を加えて均一になるまで撹拌後、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)11.17部、及びモノエタノールアミン1.41部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−5)の溶液を得た。(U−5)の3級アミン価は16.0mgKOH/g、Mwは78,000であった。
実施例6
撹拌装置を備えた反応装置に、ネオペンチルグリコールと重量比がアジピン酸/テレフタル酸=25/1となる酸性分から得られるポリエステルジオールA[Mn=2000]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.40部、及びIPDI 40.30部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量2.58重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル391部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール196部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン6.22部、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)5.30部、及びモノエタノールアミン0.56部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−6)の溶液を得た。(U−6)の3級アミン価は8.1mgKOH/g、Mwは83,000であった。
比較例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.40部、及びIPDI 40.3部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量2.58重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル393部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール197部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン12.44部、及びモノエタノールアミン0.56部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−1)の溶液を得た。(U’−1)の3級アミン価は0mgKOH/g、Mwは81,000であった。
比較例2
撹拌装置を備えた反応装置に、ネオペンチルグリコールと重量比がアジピン酸/テレフタル酸=25/2となる酸性分から得られるポリエステルジオールB[Mn=2000]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.40部、及びIPDI 40.30部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量2.58重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル391部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール196部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン6.22部、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)5.30部、及びモノエタノールアミン0.56部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−2)の溶液を得た。(U’−2)の3級アミン価は8.1mgKOH/g、Mwは81,000であった。
比較例3
撹拌装置を備えた反応装置に、ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]50部、3−メチル−1,5ペンタンジオールとアジピン酸/テレフタル酸=1/1からなる酸性分から得られるポリエステルジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2011」:Mn=2000]150部、1,4−ブタンジオール0.40部、及びIPDI 35.62部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.88重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル379部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール190部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン1.81部、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)6.16部、及びモノエタノールアミン0.41部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−3)の溶液を得た。(U’−3)の3級アミン価は9.7mgKOH/g、Mwは90,000であった。
比較例4
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]200部、及びIPDI 53.68部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量4.63重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル432部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール217部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン28.02部、及びモノエタノールアミン0.50部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−4)の溶液を得た。(U’−4)の3級アミン価は0mgKOH/g、Mwは73,000であった。
実施例7〜12及び比較例5〜8
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られたポリウレタンウレア樹脂の溶液を用いて、以下の処方にて実施例7〜12及び比較例5〜8の印刷インキを作製した。
印刷インキ用バインダー中のトルエン含有量、印刷インキの接着性及び再溶解性を以下の方法で評価し、結果を表1に記載した。
印刷インキ用バインダー中のトルエン含有量の測定
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られたポリウレタンウレア樹脂の溶液について、ガスクロマトグラフGC−2014(島津製作所製)を用いてトルエン含有量を測定した。ガスクロマトグラフのカラムはアジレント・テクノロジー社製DB−624を使用し、40℃に10分保持したのち毎分15℃で210℃まで昇温させ15分間保持した。内部標準にジクロロプロパンを使用し、得られたピーク面積と別途作成した検量線からトルエン含有量を算出した。
[青インキの作製]
ポリウレタンウレア樹脂の溶液100部、顔料(β型フタロシアニンブルー)30部、イソプロピルアルコール30部、酢酸エチル70部及びガラスビーズ150部からなる混合物をペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)にて1時間混練し、ガラスビーズをろ過により除去して青インキを得た。
得られた印刷インキを使用して以下の性能試験を行った結果を、使用した各ポリウレタンウレア樹脂の3級アミン価、ポリウレタンウレア樹脂中のウレタン基濃度及びウレア基濃度の合計値と共に表1に示す。
[接着性の試験方法]
表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡績株式会社製「パイレンP−2161」(厚さ30μm)]、表面処理ポリエステルフィルム(PET)[東洋紡績株式会社製「エスペットE−5102」(厚さ12μm)]及び表面処理ナイロンフィルム[東洋紡績株式会社製「ハーデンN−1130」(厚さ15μm)]に印刷インキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロハンテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロハンテープの一端を塗面に対して直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察して以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
△:インキが50%以上残る
×:インキの残りが50%未満。
[再溶解性の試験方法]
版詰まりグラビア印刷試験機(TS−1型印刷機;東谷鉄工所製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、30m/分のスピードでOPPフィルムに印刷インキを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインキをイソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤(重量比3:7)でかるく洗い落とした後、セルの目詰まり状態を観察した。
<評価基準>
◎:セル中のインキの残りが5%未満。
○:セル中のインキの残りが5%以上20%未満。
△:セル中のインキの残りが20%以上50%未満。
×:セル中のインキが50%以上残る。
Figure 2016166259
本発明のバインダーは接着性及び溶剤への再溶解性に優れることから、各種プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びセロファンフィルム等)用特殊グラビアインキ用バインダーとして特に好適である。また、本発明のバインダーは前記用途だけではなく、フレキソ印刷インキ用バインダー、塗料用のバインダー、接着剤及び紙等のコーテング剤としても有用である。

Claims (6)

  1. 脂肪族ジカルボン酸の重量に基づいて芳香族ジカルボン酸を4重量%以下含有する脂肪族ジカルボン酸とジオールからなるポリエステルジオール(A)、一般式(1)で表されるトリアミン(b1)を含有する鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート(C)を構成単量体とするポリウレタンウレア樹脂(U)を含有する印刷インキ用バインダー。
    Figure 2016166259
    [式中、X及びYはそれぞれ炭素数が1〜10である直鎖又は分岐のアルキレン基、Rは炭素数が1〜20である直鎖又は分岐のアルキル基、R及びRは水素原子又は炭素数が1〜10である直鎖又は分岐のアルキル基である。]
  2. 前記ポリウレタンウレア樹脂(U)の3級アミン価が0.5〜25.0mgKOH/gである請求項1に記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 前記ポリエステルジオール(A)が、分岐アルキル鎖を有するポリエステルジオールを含有する請求項1又は2に記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 前記有機ジイソシアネート(C)が、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷インキ用バインダー。
  5. 前記ポリウレタンウレア樹脂(U)中のウレタン基濃度とウレア基濃度の合計値が、0.8〜1.5mmol/gである請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷インキ用バインダー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷インキ用バインダーを含有し、印刷インキ用バインダーの重量に基づいてトルエンを0.3重量%以下含有する印刷インキ。
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