以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1、図2は、本発明に係る超音波面取り機の構成を示す正面図と平面図である。
同図の超音波面取り機50は、超音波振動を利用して、ウェーハや様々な形状の脆性材料の板状体(ワーク)、例えば、サファイヤ、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、LT(タンタル酸リチウム)等の化合物半導体、酸化物のワークの外周部の面取り加工を行う装置である。ただし、必ずしも脆性材料の板状体に限らず、任意材料の板状体の外周部の面取り加工を行うことも可能である。以下において、面取り加工を行うワークをウェーハであるものとして説明する。
同図に示すように超音波面取り機50は、ウェーハ送りユニット50Aと研削ユニット50Bとから構成される。
まず、ウェーハ送りユニット50Aの構成について説明すると、水平に配設されたベースプレート51上には、一対のY軸ガイドレール52、52が所定の間隔をもって敷設される。この一対のY軸ガイドレール52、52上にはY軸リニアガイド54、54、…を介してY軸テーブル56がスライド自在に支持される。
Y軸テーブル56の下面にはナット部材58が固着されており、ナット部材58にはY軸ボールネジ60が螺合される。
Y軸ボールネジ60は、一対のY軸ガイドレール52、52の間において、その両端部がベースプレート51上に配設された軸受部材62、62に回動自在に支持されており、その一方端にY軸モータ64が連結される。
したがって、Y軸モータ64を駆動することによりY軸ボールネジ60が回動し、ナット部材58を介してY軸テーブル56がY軸ガイドレール52、52に沿って水平方向(Y軸方向)にスライド移動する。
Y軸テーブル56上には、一対のY軸ガイドレール52、52と直交するように一対のX軸ガイドレール66、66が敷設される。この一対のX軸ガイドレール66、66上にはX軸リニアガイド68、68、…を介してX軸テーブル70がスライド自在に支持される。
X軸テーブル70の下面にはナット部材72が固着されており、ナット部材72にX軸ボールネジ74が螺合される。
X軸ボールネジ74は、一対のX軸ガイドレール66、66の間において、その両端部がX軸テーブル70上に配設された軸受部材76、76に回動自在に支持されており、その一方端に不図示のX軸モータの出力軸が連結される。
したがって、X軸モータを駆動することによりX軸ボールネジ74が回動し、ナット部材72を介してX軸テーブル70がX軸ガイドレール66、66に沿って水平方向(X軸方向)にスライド移動する。
X軸テーブル70上には、垂直にZ軸ベース80が立設されており、Z軸ベース80には一対のZ軸ガイドレール82、82が所定の間隔をもって敷設される。この一対のZ軸ガイドレール82、82にはZ軸リニアガイド84、84を介してZ軸テーブル86がスライド自在に支持される。
Z軸テーブル86の側面にはナット部材88が固着されており、ナット部材88にZ軸ボールネジ90に螺合される。
Z軸ボールネジ90は、一対のZ軸ガイドレール82、82の間において、その両端部がZ軸ベース80に配設された軸受部材92、92に回動自在に支持されており、その下端部にZ軸モータ94の出力軸が連結される。
したがって、Z軸モータ94を駆動することによりZ軸ボールネジ90が回動し、ナット部材88を介してZ軸テーブル86がZ軸ガイドレール82、82に沿って鉛直方向(Z軸方向)にスライド移動する。
Z軸テーブル86上にはθ軸モータ96が設置される。このθ軸モータ96の出力軸にはZ軸に平行なθ軸(回転軸θ)を軸心とするθ軸シャフト98が連結されており、このθ軸シャフト98の上端部に吸着テーブル(保持台)10が水平に連結される。
面取り加工するウェーハWは、この吸着テーブル10上に載置されて、真空吸着によって保持される。
また、θ軸シャフト98は、詳細を後述するように吸着テーブル10上に載置されたウェーハWに対してθ軸方向の超音波振動を付加する超音波加振手段(超音波加振装置)により構成される。その超音波加振手段により、吸着テーブル10上のウェーハWに対してθ軸シャフト98の回転軸(θ軸)方向の超音波振動が付加されるようになっている。
なお、超音波とは、例えば、20kHz以上の周波数の音波を示すと定義され、本実施の形態の超音波加振手段は20kHzの周波数の超音波を出力してウェーハWを20kHzの周波数で振動させる。ただし、20kHz以上の周波数の超音波によりウェーハWを振動させてもよい。また、20kHzよりも低い周波数の音波であっても本実施の形態の超音波面取り機50と同様の効果を有する場合には、その周波数の音波によりウェーハWを振動させてもよく、本明細書における超音波の周波数に該当するものとする。
以上のように構成されたウェーハ送りユニット50Aにおいて、吸着テーブル10は、Y軸モータ64を駆動することにより図中Y軸方向に水平移動し、X軸モータを駆動することにより図中X軸方向に水平移動する。そして、Z軸モータ94を駆動することにより図中Z軸方向に垂直移動し、θ軸モータ96を駆動することによりθ軸回りに回転する。
続いて、研削ユニット50Bの構成について説明すると、ベースプレート51上には架台102が設置される。架台102上には外周モータ104が設置されており、この外周モータ104の出力軸にはZ軸に平行な回転軸CHを軸心とする外周スピンドル106が連結される。ウェーハWの外周部を面取り加工する外周研削砥石108(以下、単に砥石108という)は、この外周スピンドル106に着脱可能に装着され、外周モータ104を駆動することにより回転する。
また、詳細な構成についての説明は省略するが図2に示すように砥石108にウェーハWが接触する加工点に向けてクーラント(研削液)を吐出するノズル121が設けられる。
ここで、砥石108は、面取り加工を行うウェーハ(ワーク)の種類や面取り形状等に応じて所望の種類のものに交換可能である。たとえば、図1に示した砥石108の形態(種類)は、いわゆる総形砥石であり、図3の部分拡大図に示すように、砥石108の外周に、ウェーハWに加工する面取り形状と同じ形状の研削溝110を有する。研削溝110にはダイヤモンド等の砥粒が付着されている。この形態の砥石108の場合、研削溝110にウェーハWの外周部(周縁)を当接することにより、ウェーハWの外周部が面取り加工される。研削溝110の形状は面取り形状に応じて異なる。
また、他の形態の砥石108として、図4の部分拡大図に示すように、砥石108の外周に、砥粒が付着された略台形状の研削溝120を有する台形砥石を用いることができる。研削溝120にはダイヤモンド等の砥粒が付着されている。この形態の砥石108の場合、研削溝120の上側のテーパ部分120aにウェーハWの上面側を当接させることにより、ウェーハWの外周部の上面側が面取り加工される。また、研削溝120の下側のテーパ部分120bにウェーハWの下面側を当接させることにより、ウェーハWの外周部の下面側が面取り加工される。この研削溝120の形状も面取り形状に応じて異なる。
さらに、他の形態の砥石108として、図5の部分拡大図に示すように、砥石108の外周部に図3や図4のような形態の研削溝を複数本有する層型砥石を用いることができる。例えば、同図のように2本の研削溝130、132を有する場合に、一方の研削溝を粒度の粗い粗加工用の研削溝とし、他方の研削溝を粒度の細かい仕上げ加工用の研削溝とすることができる。ただし、各研削溝の用途は任意であり、また、研削溝の本数も2本に限らない。
以上のごとく構成された超音波面取り機50において、ウェーハWは次のように面取り加工される。
まず、面取り加工の実施前の準備工程として、面取り加工するウェーハWを吸着テーブル10上に載置して吸着保持する。そして、外周モータ104とθ軸モータ96とを駆動して、砥石108と吸着テーブル10とを共に同方向に高速回転させる。例えば、砥石108の回転速度を3000rpmとし、吸着テーブル10の回転速度を、ウェーハWの外周速度が5mm/secとなる速さとする。
また、Z軸モータ94を駆動して吸着テーブル10の高さを調整してウェーハWの高さを砥石108の研削溝110の高さに対応させる。更に、X軸モータを駆動して、ウェーハWの回転軸となるθ軸(回転軸θ)と、砥石108の回転軸CHとのX軸方向の位置を一致させる。
更に、超音波加振手段を稼働させてウェーハWを超音波によりθ軸方向に振動させる。例えば、その振動周期は、上述のように20kHzとする。
次に、面取り加工の実施工程として、Y軸モータ64を駆動して、ウェーハWを砥石108に向けて送る。そして、ウェーハWの外周部が砥石108の研削溝110に当接する直前で減速し、その後、低速でウェーハWを砥石108に向けて送る。これにより、ウェーハWは回転軸方向(θ軸方向)に振動しながら、ウェーハWの外周部が砥石108の研削溝110に摺接し、微小量ずつ研削されて面取り加工される。また、ノズル121から加工点に向けてクーラントを吐出し、加工点の冷却と共に、研削屑や砥石の磨耗粉(破砕・脱落した砥粒)の排出を行う。
そして、ウェーハWの外周部が研削溝110の最深部に到達して所定時間が経過すると面取り加工を終了し、ウェーハWを砥石108から離間する方向に移動させてウェーハWを回収する位置に移動させる。
なお、上述の面取り加工の手順は一例であって、他の手順で面取り加工が行われるものであってもよい。
次に、ウェーハ送りユニット50Aにおけるθ軸シャフト98を構成する超音波加振手段(超音波加振装置)について説明する。
図6は、超音波加振手段の構成を示した部分断面図である。
同図に示すように超音波加振手段150は、超音波振動子152(超音波振動子ユニット)と、超音波振動子152の上端に連結されるホーン154とを有する。
超音波振動子152の下端には、θ軸モータ96の不図示の出力軸(軸部材)の先端が連結され、ホーン154の上端には吸着テーブル10を有するテーブル部200が着脱可能に取り付けられる。
また、超音波振動子152とホーン154とは外形が円筒状に形成されており、それらの軸心が鉛直方向と平行なθ軸と同軸上に配置される。これによって、超音波振動子152とホーン154とがθ軸シャフト98を構成し、θ軸モータ96の駆動により、θ軸モータ96の出力軸と共にθ軸を中心にして回転する。
なお、超音波加振手段150(超音波振動子152及びホーン154)は、θ軸モータ96とテーブル部200との間のθ軸シャフト98の全体を構成するものでなくてもよく、θ軸シャフト98の一部に組み込まれる形態とすることができる。
また、超音波加振手段150(超音波振動子152及びホーン154)、即ち、θ軸シャフト98は、円筒状の外筒部材160の管腔に回動自在に配置される。
外筒部材160は、θ軸モータ96の外壁部材などのZ軸テーブル86(図1参照)に対して固定された固定部材に固定され、外筒部材160の軸心がθ軸と同軸上に配置される。
外筒部材160の上端部160aは、外径が縮径されると共に内径が拡径されており、その上端部160aの内側にホーン154に形成されたフランジ部154aが嵌入される。そして、その上端部160aにキャップ部材162が外嵌され、フランジ部154aが鉛直方向及び水平方向の移動が規制される。これにより、超音波振動子152とホーン154とが、鉛直方向及び水平方向の移動が規制された状態でθ軸周りに回動自在に外筒部材160に支持される。
超音波振動子152は、下端側から上端側に向けて順に連結された第1金属ブロック170、圧電素子ブロック172、第2金属ブロック174を有する。
図では省略するが、圧電素子ブロック172には、その軸心(θ軸)の位置に軸方向に沿って貫通形成されたボルト挿通孔が設けられ、そのボルト挿通穴に結合ボルトが挿通される。そして、その結合ボルトの両端が、第1金属ブロックと第2金属ブロックとに形成されたネジ穴にされている。これによって、第1金属ブロック170と第2金属ブロック174とが、それらの間に圧電素子ブロック172を挟み込んだ状態で連結されている。
第1金属ブロック170は、下端面においてθ軸モータ96の出力軸の先端とネジ結合などによって連結する連結部170aを有する。
圧電素子ブロック172は、4つの圧電素子(第1圧電素子172a〜第4圧電素子172d)と4つの電極(第1電極180a〜第4電極180d)とが交互に直列に積層されて構成される。
第3電極180cと第4電極180dは、第1圧電素子172a〜第4圧電素子172dの外周面に沿った位置よりも外側に延在する円環状の接続部182c、182dを有する。
第1電極180aは第3電極180cの接続部182cに接続されて第3電極180cと同電位に設定されると共に、第3電極180cの接続部182cには外筒部材160の管腔内に配線された電線184の先端のブラシが摺動可能に接触する。
第2電極180bは第4電極180dの接続部182dに接続されて第4電極180dと同電位に設定されると共に、第4電極180dの接続部182dには外筒部材160の管腔内に配線された電線185の先端のブラシが摺動可能に接触する。
電線184と電線185との間には、不図示の交流電圧供給回路からの所定周波数、所定振幅の交流電圧が印加される。
これによって、第1圧電素子172a〜第4圧電素子172dの各々に対して交流電圧供給回路からの交流電圧が印加される。
第1圧電素子172a〜第4圧電素子172dの各々は、印加された交流電圧の周波数に従って伸縮する。これによって、圧電素子ブロック172からは、軸方向(θ軸方向)の超音波振動が発生する。例えば、交流電圧供給回路から電線184と電線185との間に20kHzの周波数の交流電圧が印加され、圧電素子ブロック172から20kHzの超音波振動が発生する。なお、圧電素子ブロック172において積層する圧電素子の数は4つに限らない。
第2金属ブロック174は、圧電素子ブロック172により発生した超音波振動をホーン154に伝達する。
第2金属ブロック174の上端部には、ホーン154の下端部とネジ結合するネジ穴174aが形成される。
ホーン154は、共振体であり、第2金属ブロック174から伝達された超音波振動の振幅を増加させて上端に連結されたテーブル部200に伝達する。
ホーン154の下端面には、ネジ部154bが突出形成されており、そのネジ部154bが第2金属ブロック174のネジ穴174aにネジ結合する。これにより、第2金属ブロック174の上端面、即ち、超音波振動子152の上端面と、ホーン154の下端面が隙間なく接合され、第2金属ブロック174からホーン154へと超音波振動が伝達される。
また、ホーン154の軸方向(θ軸方向)の中央付近には、ホーン154に伝達された超音波振動の振幅が最小となるノーダルポイントが存在しており、そのノーダルポイントの位置に、外径が他の部分よりも拡大した上述のフランジ部154aが形成される。フランジ部154aは上述のように外筒部材160の上端部160aに保持される。
ホーン154の上端面には、テーブル部200の円柱状に突出した連結軸202と連結する連結穴154cが形成される。テーブル部200の連結軸202には、ネジ部202aが形成されており、連結穴154cには、その連結軸202のネジ部202aと螺合するネジ部186が設けられる。これによって、ホーン154の上端にテーブル部200が着脱可能に連結され、超音波振動子152からホーン154に伝達した超音波振動がテーブル部200に伝達される。
また、ホーン154の内部には吸引管路188が形成されており、連結穴154cの底部に吸引管路188の1つの開口188aが形成され、ホーン154の側面の2箇所に吸引管路188の開口188b、188cが形成される。
側面の開口188b、188cには、外筒部材160の管腔内に配設された吸引管190、192と吸引管路188とを接続する管継手194が設けられる。管継手194は、ホーン154のθ軸周りの任意の回転角度において吸引管路188と吸引管190、192とを接続する。
吸引管190、192には、不図示の吸引装置が接続されており、吸引装置は、吸引管190、192を負圧にする。
一方、テーブル部200には、連結軸202の下端面から吸着テーブル10の上面まで連通する吸引管路204が形成される。また、吸着テーブル10の上面には、その吸引管路204の上面側の開口204aの位置に連続する複数の溝206が形成される。さらに、ホーン154の連結穴154cには、テーブル部200の連結軸202と連結穴154cの壁面との間の隙間を封止するOリング196が設けられ、その隙間を空気が流れることが防止されている。
従って、吸引装置により吸引管190、192の管路内を負圧にすることにより、吸着テーブル10の上面にウェーハWが載置された際に、ホーン154内の吸引管路188、テーブル部200の吸引管路204、及び、吸着テーブル10の上面の溝206が負圧となる。これによって、吸着テーブル10の上面にウェーハWを吸引する力が作用して、ウェーハWが吸着される。そして、ホーン154からテーブル部200に伝達した超音波振動がウェーハWに伝達し、ウェーハWがθ軸方向に振動する。
以上の超音波加振手段150によれば、図3のように、ウェーハWの外周部を砥石108の研削溝110に接触させて面取り加工している際に、ウェーハWにθ軸方向の超音波振動を与えることができる。
このように超音波振動を利用した面取り加工によれば、超音波振動を利用しない面取り加工と比較すると次のような効果が得られる。
(1)ウェーハWの外周部の端面に生じる加工条痕が、周方向(水平方向)ではなく、鉛直方向(ウェーハWの厚さ方向)に斜めに傾いた方向に入るため、加工条痕によるダメージの少ない研削が可能になる。したがって、加工面粗度の向上が図れる。また、砥粒の粗い砥石であっても仕上げ加工を行うことができ、加工時間を短縮することができる。
(2)加工点においてウェーハWと砥石108とが常に接触することなく離れるため、加工点に効果的にクーラントを供給することができる。したがって、砥石108の寿命が延びる。また、研削屑や砥石の磨耗粉(破砕・脱落した砥粒)の加工点からの排出性が向上し、目詰まりが起こり難くなるため、砥石108のドレス頻度を低減し、又は、ドレスを不要にすることができる。
更に、砥石108の研削力の低下が防止されるため、加工速度の向上が図れると共に、砥粒の細かい砥石による研削が可能になり加工面粗度の向上が図れる。
(3)砥石108の回転による研削だけでなく、ウェーハWの上下動による研削も行われるため、砥石108にかかる負荷が分散される。したがって、砥粒の脱落が大幅に減少する。このことも、砥石の目詰まりを起こり難くするという効果に寄与しており、砥石108のドレス頻度の低減、又は、ドレスの不要化を可能にする。
また、本実施の形態のようにウェーハWに超音波振動を付加した面取り加工によれば、砥石108に超音波振動を付加した面取り加工と比較すると次のような効果が得られる。
(1)砥石108は重く、例えば、3〜4kg程度の重量がある(直径290mm、厚さ20mm程度の砥石を想定)。そのため、砥石108を超音波により適切に振動させることは困難であり、砥石108を振動させるためには、砥石108の大きさ(直径)や厚さを考慮して超音波加振手段を設計する必要がある。したがって、砥石108を異なる種類のものに交換した場合、例えば、図3のように研削溝が1つのものから図5のように研削溝が複数のものに交換した場合には、超音波加振手段も砥石108の種類に対応した特性のものに交換する必要がある。
一方、ウェーハWは軽く、数十グラム程度である(直径300mm、厚さ数μm程度のウェーハを想定)。また、テーブル部200も500〜600g程度の重量にすることができ、ウェーハWとテーブル部200とを併せても砥石108よりも十分に軽い。そのため、砥石108に比べてウェーハWを超音波により振動させることは容易である。
したがって、本実施の形態のようにウェーハWを超音波により振動させる場合には、ウェーハWやテーブル部200を異なる種類のものに交換した場合であっても、超音波加振手段150を交換することなく、同一のものでウェーハWを適切に振動させることができる。また、砥石108を異なる種類のものに交換した場合であっても、それには全く影響を受けないため、超音波加振手段150を交換する必要がない。
以上のことから、生産コストや作業工数の低減を図ることができる。また、従来から使用されている砥石を設計変更することなく使用することができる。
(2)上述のようにウェーハWとテーブル部200とを併せても砥石108よりも十分に軽い。そのため、ウェーハWを振動させるために必要な振動エネルギーが砥石108を振動させる場合よりも小さい。従って、超音波加振手段150を小さくすることができ、装置の小型化、低消費電力化低を図ることができる。