JP2015168375A - カーテンシールドエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアバッグ装置1におけるエアバッグ部2の少なくとも下方側に展開される部位は、側方窓部の側に巻かれる状態で収納されている。前方側副空間部32を形成するエアバッグ部2は、その先端側部位22が車室内側に折り返されてその基端側部位21に重なって形成された折返し部24と、折返し部24における周縁接合部23の一部を基端側部位21における周縁接合部23に留め付ける留付け部25とを有している。留付け部25の留付け強度は、前方側主空間部31及び前方側副空間部32にガスGが流入するときに、折返し部24の留付け状態が解除される強度となっている。
【選択図】図5
Description
上記エアバッグ部の少なくとも下方側に展開される部位は、車室外側に巻かれる状態で収納されており、
上記内部空間は、上記エアバッグ部を構成する生地材が重ね合わされて接合された周縁接合部に囲まれて形成されているとともに、上記ガスの流入口に繋がって、上記作動展開時に上記側方窓部に対向して配置される主空間部と、該主空間部に繋がって、上記作動展開時に上記側方窓部及び該側方窓部の下方に位置する側方内装材に対向して配置される副空間部とを有しており、
該副空間部を形成する上記エアバッグ部は、その先端側部位が車室内側に折り返されてその基端側部位に重なって形成された折返し部と、該折返し部における上記周縁接合部の一部を上記基端側部位における上記周縁接合部に留め付ける留付け部とを有しており、
上記折返し部の少なくとも一部は、上記基端側部位とともに車室外側に巻かれる状態で収納されており、
上記留付け部の留付け強度は、上記折返し部における上記副空間部に上記ガスが流入するときに、該折返し部の留付け状態が解除される強度であることを特徴とするカーテンシールドエアバッグ装置にある。
エアバッグ装置の作動展開時には、インフレータによって発生されたガスは、主空間部に先に流入するとともに、副空間部にも遅れて流入する。そして、主空間部を形成するエアバッグ部が先に膨張を始めて側方窓部に対向して配置され、この主空間部を形成するエアバッグ部によって、乗員の頭部が素早く保護される。
また、副空間部を形成するエアバッグ部の基端側部位から、このエアバッグ部の折返し部にガスが流入するときには、折返し部が展開しようとする。そして、折返し部が展開しようとする力が留付け部に働き、留付け部による折返し部の留付け状態が解除されて、折返し部が展開する。そのため、折返し部が、側方内装材に対向する位置に、必要なタイミングで適切に展開することができる。
それ故、上記エアバッグ装置によれば、エアバッグ部が、側方窓部から車室外に飛び出すこと及び側方内装材の上に載ることが防止され、必要なタイミングで適切に展開することができる。
上記エアバッグ装置において、上記エアバッグ部の少なくとも下方側に展開される部位が車室外側に巻かれる状態とは、上記エアバッグ部の先端側(下端側)から巻かれた部分が、この部分よりも基端側(上端側)に位置する部分に対して、車室外側から巻かれる状態のことをいう。
また、上記副空間部を形成する上記エアバッグ部の先端側部位が車室内側に折り返された状態とは、この先端側部位が、エアバッグ部が巻かれる側である車室外側とは反対側に折り返された状態のことをいう。
この場合には、副空間部を形成するエアバッグ部は、ピラー内装材及び側方内装材によって受け止められることにより、フロントドアにおける側方窓部から車室外に飛び出すことが効果的に防止される。
この場合には、エアバッグ装置の作動展開時に車室外に飛び出しやすい前側角部を折返し部として、この前側角部の車室外への飛び出しを防止することができる。
この場合には、縫製糸の太さ、本数、縫いピッチ等、又は縫製糸によって形成する形状等を変更することによって、留付け部の留付け強度を容易に調整することができる。
この場合には、エアバッグ装置の作動展開時に、折返し部が基端側部位から展開するときには、2本の直線状縫合部の基端部から先端部へ向けて縫製糸が解け、縫製糸の全体が解けると考えられる。これにより、折返し部が展開するタイミングを適切にコントロールすることができる。
本例のエアバッグ装置1は、図1〜図3に示すように、自動車の側方窓部62の上方において天井内装材63の裏面側に収納されている。エアバッグ装置1は、その作動展開時に、エアバッグ部2の内部空間3にガスGが流入することによって、エアバッグ部2が、天井内装材63の下端部631を押し出して、側方窓部62を覆うように自動車の車室内601に展開するよう構成されている。ここで、図1は、エアバッグ部2が展開する前の状態、図2は、エアバッグ部が展開した後の状態を示す。
図4は、エアバッグ部2が巻かれて収納された状態を模式的に示す。同図に示すように、エアバッグ部2の少なくとも下方側に展開される部位は、車室外602側に巻かれる状態で収納されている。
図2に示すように、エアバッグ部2は、自動車のサイドドア又はサイドボディに設けられた側方窓部62A,62Bのほぼ全体を覆う形状に形成されている。なお、図2に示すエアバッグ部2は、周縁接合部23を省略して示す。本例のエアバッグ部2は、フロントドア61における側方窓部62Aと、フロントドア61の後方に位置する車両ボディ6(サイドボディ)における側方窓部62Bとを覆う形状に形成されている。フロントドア61における側方窓部62Aと車両ボディ6における側方窓部62Bとの間にはピラー部66が形成されている。本例の前方側主空間部31及び前方側副空間部32は、前部座席に座る乗員の頭部7Aを保護するために形成されている。前方側主空間部31及び前方側副空間部32よりも後方側には、後部座席に座る乗員の頭部7Bを保護するための後方側主空間部33及び後方側副空間部34が形成されている。
エアバッグ部2は、棒状に巻かれた状態で、ブラケット41(図3参照)によって車両ボディ6に取り付けられている。また、エアバッグ部2は、棒状に巻かれた状態で天井内装材63の裏側に隠れる状態で収納されている。
エアバッグ部2の基端側端部であって、車両ボディ6の前後方向の中間位置には、自動車の衝突時にガスGを発生させるインフレータ42(図1、図2参照)が接続されるガスGの流入口26が設けられている。ガスGの流入口26には、前方側主空間部31及び後方側主空間部33が繋がっている。前方側副空間部32は、前方側主空間部31の前方に配置されており、前方側副空間部32は、その基端部(上端部)付近において前方側主空間部31に繋がっている。後方側副空間部34は、後方側主空間部33の前方に配置されており、後方側副空間部34は、その先端部(下端部)付近において後方側主空間部33に繋がっている。
エアバッグ部2における周縁接合部23は、互いに重ね合わされた生地材20を接合させたシーム部によって形成されている。このシーム部は、互いに重ね合わされた生地材20の溶着、接着、縫合等を行って形成される。
留付け部25を形成する縫製糸251は、折返し部24における前方側副空間部32に流入するガスGによって加わる力に応じて、太さ、本数、縫いピッチ等を調整することができる。そして、この調整により、エアバッグ装置1の作動展開時に、折返し部24が展開するタイミングを調整することができる。また、縫製糸251によって形成する形状は、V形状以外にも、例えば、波形状、L形状、C形状等の屈曲形状にすることもできる。
エアバッグ装置1の作動展開時に、折返し部24が基端側部位21から展開するときには、2本の直線状縫合部252の基端部253から先端部254へ向けて縫製糸251が解け、縫製糸251の全体が解けると考えられる。これにより、折返し部24が展開するタイミングを適切にコントロールすることができる。
エアバッグ装置1が搭載された自動車が衝突し、エアバッグ装置1が作動展開する時には、インフレータ42によって発生されたガスGは、前方側主空間部31及び後方側主空間部33に先に流入を開始する。このとき、ガスGが充填されるエアバッグ部2が、天井内装材63の下端部631を押し出しながら、車室内601に展開する。また、このガスGは、前方側主空間部31から前方側副空間部32へ遅れて流入し、後方側主空間部33から後方側副空間部34へ遅れて流入する。
それ故、本例のエアバッグ装置1によれば、エアバッグ部2が、側方窓部62Aから車室外に飛び出すこと及び側方内装材64の上に載ることが防止され、必要なタイミングで適切に展開することができる。
2 エアバッグ部
20 生地材
21 基端側部位
22 先端側部位
23 周縁接合部
24 折返し部
241 折返し起点端部
25 留付け部
251 縫製糸
252 直線状縫合部
26 流入口
3 内部空間
31 前方側主空間部
32 前方側副空間部
6 車両ボディ
601 車室内
602 車室外
61 フロントドア
62A 側方窓部
63 天井内装材
631 下端部
64 側方内装材
65 ピラー内装材
Claims (5)
- 自動車の側方窓部の上方において天井内装材の裏面側に収納され、作動展開時に、エアバッグ部の内部空間にガスが流入することによって、該エアバッグ部が、上記天井内装材の下端部を押し出して、上記側方窓部を覆うように上記自動車の車室内に展開するカーテンシールドエアバッグ装置であって、
上記エアバッグ部の少なくとも下方側に展開される部位は、車室外側に巻かれる状態で収納されており、
上記内部空間は、上記エアバッグ部を構成する生地材が重ね合わされて接合された周縁接合部に囲まれて形成されているとともに、上記ガスの流入口に繋がって、上記作動展開時に上記側方窓部に対向して配置される主空間部と、該主空間部に繋がって、上記作動展開時に上記側方窓部及び該側方窓部の下方に位置する側方内装材に対向して配置される副空間部とを有しており、
該副空間部を形成する上記エアバッグ部は、その先端側部位が車室内側に折り返されてその基端側部位に重なって形成された折返し部と、該折返し部における上記周縁接合部の一部を上記基端側部位における上記周縁接合部に留め付ける留付け部とを有しており、
上記折返し部の少なくとも一部は、上記基端側部位とともに車室外側に巻かれる状態で収納されており、
上記留付け部の留付け強度は、上記折返し部における上記副空間部に上記ガスが流入するときに、該折返し部の留付け状態が解除される強度であることを特徴とするカーテンシールドエアバッグ装置。 - 上記主空間部を形成する上記エアバッグ部は、フロントドアにおける上記側方窓部に対向して配置され、上記副空間部を形成する上記エアバッグ部は、上記主空間部の前側に繋がって、上記フロントドアにおける上記側方窓部、該側方窓部の下方に位置する側方内装材、及び上記側方窓部の上方に位置するピラー内装材に対向して配置されるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンシールドエアバッグ装置。
- 上記折返し部は、上記作動展開時に上記側方内装材に対向して配置される部位であって、上記基端側部位に重なるように斜めに折り返された、下方に位置する前側角部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテンシールドエアバッグ装置。
- 上記留付け部は、屈曲形状に設けられた縫製糸によって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーテンシールドエアバッグ装置。
- 上記屈曲形状の縫製糸は、2本の直線状縫合部によるV形状を有しており、
上記2本の直線状縫合部が互いに合わさるV形状の基端部が、上記折返し部の折返し起点端部の側に向けられていることを特徴とする請求項4に記載のカーテンシールドエアバッグ装置。
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