JP2015168223A - 管きょ更正工法用の中間部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、新規更正管を挿入する前に既設管きょと新規更正管との中間に配置させるべく先行挿入することが容易で、新規更正管の挿入を円滑化し、新規挿入管挿入後の位置安定化をさせるにも最適な中間部材を提供する。【解決手段】既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、新規更正管を挿入する前に先行挿入し、既設管きょと新規更正管の中間に配置する中間部材であって、前記中間部材が、可とう性と厚さ方向の変形性とを有する多孔質高分子材料からなる外周層と、樹脂シートAからなる内周層とを、面接着により積層一体化してなる管きょ更正工法用の中間部材。【選択図】 図1

Description

本発明は、地中に埋設された下水道管などの既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、新規更正管を挿入する前に既設管きょの内周に配置され新規更正管の挿入を円滑化するとともに、挿入後の新規更正管と既設管きょの隙間に位置し新規更正管の安定化と外力の緩衝の作用をする中間部材に関する。
地中に埋設された管きょには、下水道用、上水道用、農業用水用、農業排水用等の管きょがある。これらの管きょは老朽化や損傷したときに、更新や補修をする必要がある。既設管を取り外してそのまま新規管と入れ替えたり、別ルートに新規管を敷設したりすることもあるが、既設管を利用し既設管の内面に、ひと回り小さい新規管を設ける工法も多数提案されている。
既設管きょの内径によって適用できる更正工法が異なり、既設管きょの内径が大きい場合(例えばφ800mm〜2,200mmの円形管や断面サイズが1,200mm×1,000mmの矩形きょなど)は、管きょの中に入った作業員が、既設管きょ内面に更新用の樹脂製パネルを順次取り付けて更正させる工法が採用され、一方、既設管きょの内径が小さい場合(例えばφ200mm〜350mm程度)には、既設管の内周とほぼ等しい外径を持つ長尺円形新規樹脂ライナー管を、一旦既設管内径よりも小さいC型断面形状に屈曲変形させたうえで既設管きょ内に挿通し、その後ライナー管を加圧加熱などにより円形状に復元させ既設管内面に密着させることで更正させる工法が採用されている。
しかしながら、既設管きょの内径がφ350mm〜600mm程度の場合、作業員が管きょの中に入ってパネル貼り付け作業をするには小さく、内径と同等のライナー管を準備し屈曲変形させたり、復元、硬化させたりするには大きすぎる。
そこで上記内径φ350mm〜600mm程度の場合を主たる対象として、既設管の内径よりも小さく、かつ併設されているマンホールの内径よりも短い新規更正管を事前に準備し、マンホールを経由して下ろし、1本ずつ順次接続しながら老朽管内に挿入していく更正方法が提案されている(特許文献1)。
前記更正方法は、その後いくつか改良技術が提案されており、例えば特許文献2では、既設管と新規更正管との間の間隙に、変形性を有する円筒状中間部材を挿入しておくことで、前記間隙を充填させるとともに新規更正管の設置状態の安定性を高めており、この円筒状中間部材には、不織布等の繊維製部材や多孔性を有する合成樹脂製部材や植物系の部材を用い、予め硬化性充填材を含浸させている。
さらに事前に設置する円筒状中間部材の改良技術として、中間部材内への新規更正管の挿入が円滑になるように中間筒状体の内周面に進行円滑化部を設けたり(特許文献3)、中間部材の内部かつ管路の長さ方向に摩擦を軽減させる減摩部材を配置したり(特許文献4)といった技術が提案されている。特許文献3の技術では、中間筒状体を不織布で形成し不織布内部に補強用の芯材を配している。特許文献4の技術では、中間部材を緩衝材と称し、繊維からなる織布や不織布、合成樹脂の発泡体などを用いるとしている。
特開平4−83987号公報 特開2009−101596号公報 特開2011−56843号公報 特開2012−241880号公報
上記の通り、既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、既設管と更正管との間の間隙に中間部材を先行挿入する工程が提案されている。この中間部材には、主として次の2つの性能が求められており、すなわち、新規更正管を挿入する工程での円滑性確保と、新規更正管設置後の位置安定性である。
しかしながら、既設管きょの内径が大きいと、挿入すべき新規更正管の外径も大きくなり単位長さ当たりの重量も増大する。同様に既設管きょのマンホール間隔距離が長くなると、順次接続していく新規更正管の挿入長さや接続個数が増え、総重量も増大する。これらのときには新規更正管挿入時の摩擦抵抗の増大が顕著になる。従来技術では中間部材に進行円滑化部や減摩部材を配置するも、その滑り性能や配置方法などに課題は残り、進行円滑化部や減摩部材のはく離や破損、ひっかかりなどにより新規更正管の挿入が困難になってしまう。
また新規更正管を挿入・設置後に、中間部材の充填性能、緩衝性能が不十分だと、地震や地盤沈下のときに既設管が部分的に変位、変形するような場合、新規更正管の特定箇所やその接続部に負荷がかかり、また新規更正管の変位により新規更正管自体が沈下したり、偏芯したりする結果、新規更正管の破損や漏水を引き起こす懸念がある。
さらに、当該中間部材自体の既設管きょの内部に先行挿入する工程において、先行挿入時の既設管きょ内面との摩擦抵抗により、中間部材の破断や破損が発生し先行挿入に支障が生じる課題がある。また、先行挿入後に既設管きょ内周壁に充分密接させることが重要であるが、その対策が確立していない。中間部材を施工現場に搬送したり、現場でマンホールを経由して既設管きょの中に引き込むときのハンドリング性にも課題がある。
そこで本発明の課題は、既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法における中間部材に関し、中間部材のハンドリング性、先行挿入性、新規更正管挿入円滑性、新規更正管の位置安定化性能に優れる中間部材を提供することにある。
かかる課題を解決するため本発明は、次の構成を有する。
(1)既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、新規更正管を挿入する前に先行挿入し、既設管きょと新規更正管の中間に配置する中間部材であって、前記中間部材が、可とう性と厚さ方向の変形性とを有する多孔質高分子材料からなる外周層と、樹脂シートAからなる内周層とを、面接着により積層一体化してなる管きょ更正工法用の中間部材。
(2)前記樹脂シートAが熱可塑性樹脂で構成され、樹脂シートAからなる内周層と前記外周層とが面接着により一体化された状態での樹脂シート表面のデュロメータ硬さ(タイプA)がHDA40〜HDA90の範囲内にある(1)に記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(3)前記樹脂シートAがポリオレフィン系樹脂で構成され、厚さが0.1mm〜0.8mmの範囲内にある(1)または(2)に記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(4)前記外周層が、既設管きょに挿入前の時点での厚さが3mm〜15mmの範囲内にある(1)から(3)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(5)前記外周層と前記内周層との面接着が、主として内周層に用いる樹脂シートAの自己融着により接着されたものである(1)から(4)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(6)前記多孔質高分子材料が、ポリオレフィン系樹脂発泡体であり、見かけ密度が20kg/m〜200kg/mの範囲にある(1)から(5)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(7)前記多孔質高分子材料が、ポリエステル系繊維またはポリオレフィン系繊維からなる不織布であり、単位面積当たりの質量が200g/m〜1000g/mの範囲内にあり、JIS L1908:2000に基づく引張強さが10kN/m以上である(1)から(5)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(8)前期中間部材の内周層の内周側表面の長手方向に、複数本の凹溝形状が形成されており、凹溝の深さは0.2mm〜2.0mmの範囲内にあり、かつそれぞれの凹溝同士の間隔が30mm以下で配置されている(1)から(7)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(9)前記中間部材が、内周層を内側にした筒状であり、外周層の長手方向に接合部を有する筒状中間部材である(1)から(8)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(10)内周層における樹脂シートAの内周側表面にさらにフッ素繊維を含む織物からなる層を積層してなる(1)から(9)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(11)前記外周層における外周側の表面にさらに樹脂シートBを積層してなる(1)から(10)のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
(12)前記樹脂シートBの幅を外周層の幅よりも10mm〜200mm長く構成し、外周層の長手方向の両縁部のうち少なくとも片端部で、外周層の縁部から10mm〜200mm幅のオーバーラップ部を設けた中間部材であって、該中間部材を内周層が内側になるように筒状にしたとき、前記樹脂シートBのオーバーラップ部が、突き合わせ部で樹脂シートBの他方の縁部をオーバーラップするものである(11)に記載の管きょ更正工法用の中間部材。
本発明によれば、既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、既設管きょと新規更正管との中間に配置させるべく、新規更正管を挿入する前に先行挿入する中間部材に関し、当該中間部材自体のハンドリング性、既設管きょ内部への先行挿入性、新規更正管の挿入円滑性、新規更正管挿入後の位置安定化性能に優れている、管きょ更正工法用の中間部材が提供される。
図1は第1実施例に係るシート状の中間部材の幅方向の断面模式図である。 図2は第2実施例に係るシート状の中間部材の幅方向の断面模式図である。 図3は図2の断面模式図の部分拡大図である。 図4は第3実施例に係る筒状にした中間部材を模式的に示す斜視図である。 図5は第4実施例に係るシート状の中間部材の幅方向の断面模式図である。
本発明において管きょ更正工法は、地中に埋設された下水道用、上水道用、農業用水用、農業排水用等の既設管きょが老朽化や損傷したときに、補修や更新をする工法の一つであり、既設管きょの内面にひと回り小さい新規の更正管を挿入することにより更正する工法である。新規更正管は、マンホールを経由して既設管きょ内に挿入することが多いため、可とう性を有する長尺パイプや、マンホールを通して持ち込めるサイズの短管が適用されるが、なかでも本発明に係る中間部材は、特に短管サイズの新規更正管を、既設管きょ内に順次接続しながら挿入し延長していく工法に適している。
本発明における管きょ更正工法の対象となる既設管きょの内径は、限定するものではないが、作業員が管きょの中に入って作業をするには小さく、容易に屈曲変形させたり復元させたりできるコンパクトなライナー管を挿入するには大きすぎる、すなわちφ350mm〜600mm程度の内径に特に適している。
本発明に係る中間部材は、既設管内に新規更正管を挿入する前に先行挿入し、既設管と新規更正管の中間に配置する中間部材である。
該中間部材は筒状にして既設管と新規更正管の隙間を全周充填することが好ましいが、中間部材の縁部同士を接合せず、隙間があっても構わないし、少なくとも既設管と新規更正管の隙間の下部半周以上で充填していればよい。充填部は多いほど新規更正管の位置安定化性能に優れる傾向にある。好ましくは4分の3周以上充填していることであり、より好ましくは管内頂上部近辺において隙間が20cm以内になる程度に充填していることであり、さらに好ましくは全周を充填していることである。全周充填する場合には、中間部材の縁部同士を接合して筒状化することが好ましい。中間部材の筒状化は、中間部材の製造工程で行ってもよいし、一旦シート状に製造し、現場で丸めて筒状化してもよい。
中間部材は、外周層2と内周層1とからなっている。
以下、本発明に係る管きょ更正工法用の中間部材の一例である第1の実施例の形態について、図1を参照して説明する。図1は第1実施例に係るシート状の中間部材の幅方向の断面模式図である。
中間部材は、外周層2と内周層1とからなっている。中間部材を筒状にしたとき、断面模式図の内周層1、外周層2の左右端部が突き合わせ部となる。外周層2と内周層1との間に中間層が設けたり、外周層2や内周層1が、別の機能付与や特性向上のために、各層の外表面にさらに別の層を設けたり、潤滑剤を塗布したりしても、本発明の効果を損なわない限りかまわない。
中間部材における外周層2は、厚さ方向の変形性を有しており、中間部材として充填材、緩衝材の作用をする。厚さ方向に圧縮の負荷を受けても変形する緩衝作用が働き、内周層1のはく離や破損、ひっかかりなどの発生を防ぎ、新規更正管の挿入円滑性の阻害を抑える。また挿入後の隙間充填性が良好なため地震や地盤沈下などに起因する外力を分散させ、既設管きょの変位、変形を吸収する緩衝作用が有効に作用するので、新規更正管の位置安定化性能を向上させる。
中間部材における外周層2は、可とう性を有しており、長尺シート状の中間部材を筒状にしたり、あるいは折り畳んだりロール化してハンドリングすることを可能にする。また、既設管きょの断面形状が丸型ではなく卵型や角型の場合でも、中間部材が断面形状に合わせて変形追従できるので、既設管きょへの挿入前は丸断面型やシート状であることを問わず、挿入後に管内から既設管内周面に向け押し広げられ密接させることができる。
外周層2は可とう性、厚さ方向の変形性を有する多孔質高分子材料からなっている。多孔質高分子材料としては、合成繊維または合成樹脂を素材とし、繊維同士の絡みに起因する隙間や、樹脂中の開気孔や閉気孔などにより多孔質とした材料で、可とう性や変形性を有している。多孔質高分子材料からなる外周層2は、内周層1と面接着により一体化しているため面方向の変形性は拘束されるが厚さ方向の変形性は発現される。
外周層2に用いられる多孔質高分子材料は、具体的には、樹脂発泡体や、不織布等が挙げられる。
樹脂発泡体とは、樹脂とガスの混合体であり、その製造方法は特に限定されないが、以下に例示する製造方法によりシート状に容易に成形できる。例えば、押出機内でガスあるいは気化する溶剤を溶融させ、高圧下で押出しながら発泡する押出発泡法、ガスあるいは気化する溶剤を含有した樹脂粒子を予備発泡し更に金型内で発泡融着するビーズ発泡法、高圧容器内で樹脂にガスを溶解し常圧で加熱し発泡するガス含浸法といった溶剤気散法や、樹脂と熱分解型化学発泡剤を溶融混錬し、常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、高圧下で押出しながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、減圧しながら発泡するプレス発泡法といった発泡剤分解法等がある。本発明においては、成形するシートの寸法安定性や発泡均質性の点から発泡剤分解法であることが好ましい。
樹脂発泡体としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン、フェノール、塩化ビニルなどによる樹脂発泡体であることが好ましく、そのうちポリオレフィン系樹脂発泡体であることが、緩衝性、クッション性、熱融着性、可とう性、柔軟性など、およびそのバランスの点で優れており、さらに好ましい。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体の見かけ密度は20kg/m〜200kg/mの範囲が好ましい。見かけ密度が20kg/m以上であることで、優れた圧縮特性や強伸度等の機械的特性を付与できる。見かけ密度が200kg/m以下であることで、変形性能を確保しつつ、優れたハンドリング性、緩衝性、クッション性や耐衝撃性を得ることができる。また、シートに曲率を持たせ、筒状に変形させることも容易であり、筒状に曲げる際にも屈曲したりシワの発生を顕著に抑制できる。ここで示す見かけ密度とは、JIS K7222:2005に準じた測定方法で測定した数値を示す。さらには20kg/m〜70kg/mであると一層好ましい。
外周層1として用いる多孔質高分子材料に用いられる不織布は、繊維を一方向やランダムに集積してシート状としたのち、接着樹脂で化学的に結合させたり、機械的に絡ませたり、 圧力をかけた水流で絡ませたり、熱融着繊維で結合させることにより得られるもので、基本的に繊維であれば長繊維、短繊維ともに不織布に加工できる。
そのうち、ポリエステル繊維および/またはポリオレフィン系繊維からなる不織布であることが好ましい。ポリエステル繊維からなる不織布は、強度があり、耐摩耗性、耐久性、耐候性、耐熱性、防湿、耐薬品性に優れている。ポリオレフィン系繊維からなる不織布は、強度、耐熱性は劣るものの、安価で、防水、防湿、耐油 耐薬品性に優れている。
ポリエステル繊維および/またはポリオレフィン系繊維において、単位面積当たりの質量が200g/m〜1000g/mの範囲内にあることが好ましく、このことにより、適正な圧縮変形性、強伸度、変形追従性、が得られる。不織布の単位面積当たりの質量が200g/m以上とすることで優れた緩衝性、クッション性や耐衝撃性が得られる。また1000g/m以下とすることで、不織布の初期厚さを適度にすることができる。
本発明で用いる不織布は、JIS L1908:2000に基づく引張強さが10kN/m以上であることが好ましく、中間部材としてのハンドリング時や新規更正管挿入時の破断や部分的に破損の防止に有効である。
本発明における不織布は、長繊維を堆積させて連続的にウェブを形成したのち、溶着または接着によってシート状にしたものであることが好ましい。これにより嵩高性と弾力性を有することができ、形態安定性もよく、面内方向での強伸度が高く、かつ均質であるため、本発明の外周層として適している。
外周層2の厚さは、既設管きょに挿入前の時点で、3mm〜15mmの範囲内にあることが好ましい。外周層2の厚さが3mm未満だと、既設管の内周と新規更正管の外周の隙間を充填するには不足するか、充填したとしても圧縮変形量が小さく、必要とする緩衝性、クッション性や耐衝撃性を満たさない場合がある。厚さが15mmより大きいと、既設管の内周と新規更正管の外周の隙間を充填するには初期厚さとして厚すぎるし、新規更正管を押し広げながら挿入するときの抵抗が大きくなりすぎる。厚さのより好ましい範囲は3mm〜10mmである。
内周層1は樹脂シートAからなっている。樹脂シートAは、合成樹脂を素材とし、カレンダー成形や押し出し成形などによって製造することができる。外周層2が厚さ方向の変形性を有する多孔質高分子材料であり、この表面は平滑性もなく摩擦係数も高い。よって外周層2を樹脂シートAで被覆することで、新規更正管の挿入円滑性を高めることができる。
内周層1に用いる樹脂シートAを構成する素材は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂など、さらには熱可塑性ポリウレタン、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ネオプレン、ポリエステル等の合成ゴムまたはエラストマーあるいはこれらの混合物などが使用できる。
なかでもポリオレフィン系樹脂がより好ましく、新規更正管挿入円滑性を高める。ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン系炭化水素の重合体または共重合体で、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン)およびそれらの共重合体が代表的である。ポリオレフィン系樹脂は熱可塑性樹脂のなかでも安価でかつ機械的特性に優れるために構造材料として幅広い分野で使用されているだけでなく、防水、防湿、耐油、耐薬品性や、ある程度の低摩擦性と耐摩耗性も有し、さらにはシート成形時の均質性にも優れている。
樹脂シートAの厚さは、樹脂の種類や特性によって最適厚さが異なるが、おおむね0.05mm〜2.0mmの範囲内が好ましい。このうち、ポリオレフィン系樹脂を使用した樹脂シートAにおいては、そのシート厚さは0.1mm〜0.8mmの範囲内にあることが好ましい。厚さが0.1mm〜0.8mmの範囲内にすることで、強度、滑り性と柔軟性、変形追従性とのバランスをさらに最適化できる。厚さが0.1mm未満だと、新規更正管挿入時に引っかかったり、その結果破れたりしやすくなる。厚さが0.8mmより厚いと、シート成形自体が困難になるし、中間部材としても可とう性が低下しハンドリング性に劣る。
熱可塑性樹脂であることで、カレンダー成形や押し出し成形によって樹脂シートAを得ることが容易であり、かつシート成形直後の固化前の状態で外周層2に貼り合わせ熱融着させるに好適である。
熱可塑性樹脂を使用した樹脂シートAを面接着した中間部材において、樹脂シートAの内周側表面の表面硬さが、デュロメータ硬さ(タイプA)がHDA40〜HDA90の範囲内にあることが好ましい。デュロメータ硬さ(タイプA)とは、押し込み硬さの一種であり、タイプAは、先端直径0.79mm、先端角度35°円すい台形の圧子を負荷したときのくぼみ深さより求められる。JIS K7215:1986に準じて計測する。
デュロメータ硬さは、薄いシート状素材においては、シート単体の表面硬さを示すものではなく、該シートを裏面から支持する基材も含めた硬さの指標となり、本発明においては有用な指標となる。デュロメータ硬さ(タイプA)が、HDA40以上であることで、中間部材を既設管きょ内に引っ張り込むときに、中間部材の引張強度が優れる点や新規更正管を挿入するときに、低摩擦性に優れる点で好ましい。これにより新規更正管を挿入するに際し樹脂シート面の変形も抑制され、ひっかかるトラブルの発生も抑制できる。HDA90以下とすることで、中間部材の可とう性と厚さ方向の変形性に優れるので、長尺のシート状の中間部材を折り畳んだりロール化して搬送することがいっそう容易となる。同様の理由で折り畳んだりロール化したシートを筒状化する作業も容易であり、さらには現場で長尺に引き出してマンホール経由で既設管きょ内に挿入する作業も容易となる。さらには既設管内面形状に合わせて変形追従するときの抵抗も抑制できる。デュロメータ硬さをHDA50〜HDA80にすることでハンドリング性、先行挿入性、新規更正管挿入円滑性がより一層バランスよく実現できてより好ましい。
本発明の中間部材は、上記外周層2における内周側に内周層1を積層し、かつ外周層と内周層とを面接着により一体化してなるものである。
上記において、内周桑1と外周層2を「積層」する際、とは、内周層1が、外周層2とほぼ同一寸法の面を有しており、両者を接着したとき、外周層2の内周側は内周層1により実質的に被覆され、露出のない状態を指す。ただし、中間部材の長手方向の縁部において、製造工程上の制約などにより、内周層1の幅寸法が小さく、外周層2が内周層1よりもはみ出し露出することがあったとしても、本発明の効果を損なわない限りかまわない。そのはみ出し幅は10cm以内であることが好ましい。
また、外周層2の内周側が露出するケースとしては、中間部材をハンドリングする目的などで内周層1に小さな穴加工やスリット加工を部分的に施したり、あるいは製造上不可避な、微小な端部ずれ発生などがあり得るが、本発明の効果を損なわない限り特に制限するものではない。
また、逆に外周層2よりも内周層1の方が大きくなるケースもあったとしても、本発明の効果を損なわない限りかまわない。
このことにより、内周層1と外周層2を面接着した場合に強固で均質な接着強度が得られ、両者ははく離しにくくなり、多孔質の外周層2が内周側に露出していない状態となるので、新規更正管を挿入する際の摩擦抵抗を増大や引っ掛かりを防ぐことができる。
また、中間部材を既設管きょに先行挿入するときは既設管きょの出口側から中間部材を引っ張ることになるが、均質な接着で一体化されているため、中間部材として破断したり、部分的に破損やはく離したりするトラブルが低減できる。
また、外周層2と内周層1とは面接着により一体化されているとは、点接着やビード状接着、部分的な両面テープ接着などのように未接着面が連続して広がってはいないことを指す。本発明の効果を損なわない限り、必ずしも全面が接着している必要はない。面接着により一体化させることで、接着強度が充分に得られ、折り畳んだり湾曲させたりしても、シワや浮き、はく離などの発生を抑えることができる。
外周層2と内周層1とを面接着するには、両者あるいは両者のいずれかの接着面に接着剤を塗布し貼り合わせてもよいし、両者のいずれかの接着面を加熱溶融し熱融着により貼り合わせてもよい。なお、外周層2と内周層1の間に中間層を設ける場合には、各層間を接着剤により貼り合わせてもよいし、各層間いずれかの接着面、あるいは両面を加熱溶融し熱融着してもよい。また、両者を組み合わせてもよい。
接着面に接着剤を塗布し貼り合わせる場合、接着剤としては、ウレタン系接着剤などが選択でき、各種塗工用のロールコータなどで接着面全面に塗布することができる。
一方で、内周層1に用いる樹脂シートの自己融着により接着させる場合、強固で均質な面接着が確実、容易に得られる。また、別の接着剤塗布工程の省略もでき、外周層2と内周層1の間に接着層、接着界面が新たに形成されることもないので、経済性、品質信頼性、の点でも好ましい。熱可塑性樹脂であれば、カレンダー成形や押し出し成形によって樹脂シートを得ることが容易であり、かつシート成形直後の固化前の状態で外周層2に貼り合わせ熱融着させるに好適である。
本発明において、中間部材の内周層の内周側表面にエンボス形状などの凹凸形状を施すことも好ましい。以下、本発明に係る中間部材の第2実施例の形態について、図2、図3を用いて説明する。図2は第2実施例に係るシート状の中間部材の幅方向の断面模式図であり、図3は図2の断面模式図の部分拡大図である。
内周層3の内周側表面の長手方向(円周方向と直交する方向)に、複数本の凹溝形状5を形成させる。凹溝の深さは0.2mm〜2.0mmの範囲内であることが好ましく、0.5mm〜1.5mmであることがより好ましい。それぞれの凹溝同士の間隔は30mm以下で配置させることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。下限としては2mm以上であることが好ましい。凹溝形状5を形成させるエンボス加工したとき、外周層4と内周層3との積層構造が途切れることなく維持していることが好ましく、そのためには、形成したい凹溝形状を反転させた凸形状を有する押し型を利用して凹溝形状を転写する方法が好ましい。
上記の凹溝形状5を施すことで、内周層3と挿入する新規更正管との接触面積を小さくし、摩擦抵抗をいっそう低減させる効果がある。また、長手方向に細かく溝が配置されているため、中間部材をシート状から筒状に湾曲加工する時に、ほぼ一様な曲率で曲げることができ、大きなしわや屈曲の発生を防ぐことができる。上記凹溝と直交する方向(円周方向)にも凹溝形状を施し、いわゆる格子状に溝形状を施してもよい。その場合は、内周層3と挿入する新規更正管との接触面積がさらに小さくなり、摩擦抵抗をさらに低減させることができ、また、中間部材の長手方向においても折り畳みやロール化のための曲げが容易にできるようになる。一方向あるいは格子状に凹溝形状5を施す方法は特に限定されないが、押し型による方法としては、所定の凹溝形状5を反転した凸形状に刻印した金属ロールを準備し、外周層4と一体化させたあとの内周層3の表面側から、熱風、ヒータ等の熱源により加熱した後、該金属ロールで加圧し、溝形状を転写する方法や、押出機等から排出され、溶融状態の樹脂シートを外周層4と冷却圧着する際、該樹脂シート側に配置した該金属ロールで加圧し、溝形状を転写する方法、などが適用できる。
凹溝の深さや、凹溝同士の間隔を上記範囲とすることで、適度な柔軟性が得られ、スムーズな曲率での湾曲性を維持できるので好ましい。
次いで以下、本発明に係る中間部材を筒状にする第3実施例の形態について、図4を用いて説明する。
図4は第3実施例に係る筒状にした中間部材を模式的に示す斜視図である。中間部材を内周層6が内側になるように筒状にし、外周層7の長手方向の縁部8同士の接合により筒状中間部材とすることで、中間部材のハンドリング時、挿入時、挿入後において、筒状態が保持されるので好ましい。また、筒状化工程を中間部材の製造工程に併設すれば、施工現場でシートを筒状化する手間が省略できる。
なお中間部材の筒状の外径は、通常は挿入する既設管きょの内径とほぼ同等あるいは少し大きいが、筒状中間部材を例えば平たく押しつぶした形に折り畳んで挿入し、挿通後に押し広げればよい。押し広げるには、中間部材の内部に圧縮空気を供給して膨らませたり、中間部材の内部に新規更正管を挿入するときに、新規更正管の先端部分が中間部材を既設管の内周面に押し付けつつ押し広げていくことができる。
シート状の中間部材を丸めて筒状にする方法は特に限定されないが、例えば、筒状にしたときの外径に応じた幅のシート状の中間部材を円錐形状の口金を通すことで筒状化する方法がある。また、縁部同士の接合には、熱融着(熱風、超音波、高周波などにより加熱溶融したうえで圧着)や貼り付けテープなどでの接着、縫い糸での縫合(縁部両端をジグザグにミシン縫い)、ステープラーでの接合(U字型の金属針をステープラーで接合部をまたぐ形に打ち込み)などの方法が適用できる。
特にポリオレフィン系樹脂発泡体で中間部材の外周層7をなす場合は、縁部8同士を熱融着することにより筒状化する方法は有効である。
一方、ポリエステル繊維またはポリオレフィン系繊維からなる不織布で中間部材の外周層7をなす場合は、縁部8同士を、縫い糸で縫合またはステープラーで接合させることにより筒状化する方法は有効である。
本発明においては内周層における樹脂シートの内周側表面にフッ素繊維を含む織物からなる層をさらに積層することが好ましく、これにより新規更正管を挿入するときの滑り性能をさらに大幅に改善することができる。既設管の内面凹凸が大きく中間部材内面にも影響があるとき、局所的な挿入抵抗増大が発生するが、滑り抵抗が小さいことで挿入トラブルを軽減させるに非常に有効である。
本発明に用いるフッ素繊維としてはポリテトラフルオロエチレン繊維が好ましく用いられる。ポリテトラフルオロエチレン繊維を構成する素材としては、テトラフルオロエチレンのホモポリマー、または全体の90モル%以上、好ましくは95モル%以上がテトラフルオロエチレンであるコポリマーが挙げられるが、摺動特性の点からテトラフルオロエチレン単位の含有量は多い方が好ましく、ホモポリマーであることがより好ましい。
上記テトラフルオロエチレンに共重合可能な単量体としては、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのフッ化ビニル化合物やさらにプロピレン、エチレン、イソブチレン、スチレン、アクリロニトリルなどのビニル化合物があげられるが、これらに限定する必要はない。かかるモノマーの中でもフッ化ビニル化合物、それもフッ素含有量の多い化合物であることが繊維摩擦特性の上から好ましい。
樹脂シートの内周側表面にフッ素繊維を含む織物を接着する際、非粘着性であるフッ素繊維の特性をカバーするため、該織物を多層織物とし、樹脂シートとの接着面となる裏面にはフッ素繊維以外の繊維を主として配置させることが好ましく、それにより織物と樹脂シートとの接着性が向上し、新規更正管挿入工程において、はく離やシワ・浮きなどへの対策が万全となり、トラブル回避に作用する。多層織物とは、2種以上の繊維を用いたとき表面層を構成する繊維と裏面層を構成する繊維との比率が異なる構造をとることのできる織物のことであり、表面層と裏面層とからなる2重織物をはじめとする多重織物や、サテン織、綾織、ヨコ二重組織、タテ二重組織、などの織物も該当する。
本発明においては該多層織物において、表面層は摺動特性を高めるために主としてフッ素繊維からなり、織物の裏面層は接着性を高めるために主としてフッ素繊維以外の繊維からなることが好ましい。裏面層が主としてフッ素繊維以外の繊維からなることで、裏面層に配置され露出するフッ素繊維量が相対的に減じることとなり、樹脂部材との接着性を高めることができる。多層織物の裏面から観察される繊維のうち、フッ素樹脂繊維の占める面積割合は50%以下であることが好ましく、25%以下であることがさらに好ましい。
フッ素繊維以外の繊維を構成する素材としては、特に限定するものではないが、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ガラス、ビニロン、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィドなどから好ましく選択できる。
本発明においては、外周層の外周側にさらに樹脂シートBを積層することが好ましい。
外周層の外周側の表面に樹脂シートBを積層する第4実施例の形態について、図5を用いて説明する。
図5は第4実施例に係るシート状の中間部材の幅方向の断面模式図であり、中間部材を筒状にしたとき、断面模式図の外周層10の左右端部が突き合わせ部となる。
外周層10における外周側の表面に樹脂シートB11をさらに積層することが好ましい。
ここでいう樹脂シートB11は、合成樹脂を素材とするシートであるが、なかでも内周層9として適用できる樹脂シートAと同様の樹脂シートを適用することが好ましい。該樹脂シートB11は、内周層9としての樹脂シートと同様に、外周層に対し面接着により一体化されているとなお好ましい。
中間部材を既設管きょに挿入するときは既設管きょの出口側から中間部材を引っ張ることになるが、外周層10に樹脂シートB11を積層することにより、滑り抵抗の低減や、外周層10が引っかかることを防止する効果がある。
さらには、外周層10に対し、内周層9および外周側の両面に樹脂シートを積層し、外周層10を接着することで、中間部材がさらに補強され、中間部材として破断や部分的な破損の問題がより一層解消される。
また、外周層10の外周側に積層した前記樹脂シートB11の幅を外周層10の幅よりも10mm〜200mm長くし、少なくとも片端部にオーバーラップ部12を設けることが好ましい。オーバーラップ部12は外周層10の縁部から10mm〜200mm幅であることが好ましい。これにより前記中間部材を内周層9が内側になるように筒状にしたとき、外周層10を積層した前記樹脂シートB11のオーバーラップ部12で、樹脂シートB11の他方の縁部をオーバーラップする。外周層10の外周側全周を積層した樹脂シートB11が、さらにオーバーラップすることで、筒状の防水層としての作用をすることが可能となる。
オーバーラップ面は、既設管と中間部材を介して新規更正管との双方から圧縮を受けることで防水シール性が発揮される。オーバーラップした樹脂シート部に、さらに超音波溶着、加熱融着、接着剤塗布などを施しシール性をより確実とすることもできる。この場合は、筒状化して外周層の縁部同士を熱融着、縫合、接合することを省略することもできる。
既設管きょ更正工法による新規更正管においては、更正管内部からの漏水防止と既設管きょ外部からの浸入水防止の両面の機能が必要である。従来の既設管きょ更正工法では、新たに挿入する新規更正管を順次接続していくごとに各更正管の接続部に防水シールを施す必要があるが、マンホール底の狭いスペースで防水シールを施す作業には手間や時間を要するし、万全の止水性を得るのが容易ではないことが課題となっている。また、各更正管の各接続部に地盤沈下や地震その他の振動などで多様な負荷がかかり防水シールが経時劣化、シール性が低下する問題も指摘されている。
これに対し、本発明による外周層10の外周側を積層した樹脂シートB11に防水シール性を付与することにより、更正管接続部の防水シールを省略あるいは軽減することが可能となる。特に更正管の長手方向については、更正管接続部ごとに施す防水シールが多様な負荷を受けるのに対し、樹脂シートB11は長手方向に1本モノの筒状の防水層になるため、防水シールの劣化対策に有効である。
1・・・内周層
2・・・外周層
3・・・内周層
4・・・外周層
5・・・凹溝形状
6・・・内周層
7・・・外周層
8・・・外周層の長手方向の縁部
9・・・内周層
10・・・外周層
11・・・樹脂シートB
12・・・オーバーラップ部

Claims (12)

  1. 既設管きょの内部に新規の更正管を挿入することにより既設管きょを更正させる工法において、新規更正管を挿入する前に先行挿入し、既設管きょと新規更正管の中間に配置する中間部材であって、前記中間部材が、可とう性と厚さ方向の変形性とを有する多孔質高分子材料からなる外周層と、樹脂シートAからなる内周層とを、面接着により積層一体化してなる管きょ更正工法用の中間部材。
  2. 前記樹脂シートAが熱可塑性樹脂で構成され、樹脂シートAからなる内周層と前記外周層とが面接着により一体化された状態での樹脂シート表面のデュロメータ硬さ(タイプA)がHDA40〜HDA90の範囲内にある請求項1に記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  3. 前記樹脂シートAがポリオレフィン系樹脂で構成され、厚さが0.1mm〜0.8mmの範囲内にある請求項1または2に記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  4. 前記外周層が、既設管きょに挿入前の時点での厚さが3mm〜15mmの範囲内にある請求項1から3のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  5. 前記外周層と前記内周層との面接着が、主として内周層に用いる樹脂シートAの自己融着により接着されたものである請求項1から4のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  6. 前記多孔質高分子材料が、ポリオレフィン系樹脂発泡体であり、見かけ密度が20kg/m〜200kg/mの範囲にある請求項1から5のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  7. 前記多孔質高分子材料が、ポリエステル系繊維またはポリオレフィン系繊維からなる不織布であり、単位面積当たりの質量が200g/m〜1000g/mの範囲内にあり、JIS L1908:2000に基づく引張強さが10kN/m以上である請求項1から5のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  8. 前記中間部材の内周層の内周側表面の長手方向に、複数本の凹溝形状が形成されており、凹溝の深さは0.2mm〜2.0mmの範囲内にあり、かつそれぞれの凹溝同士の間隔が30mm以下で配置されている請求項1から7のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  9. 前記中間部材が、内周層を内側にした筒状であり、外周層の長手方向に接合部を有する筒状中間部材である請求項1から8のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  10. 内周層における樹脂シートAの内周側表面にさらにフッ素繊維を含む織物からなる層を積層してなる請求項1から9のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  11. 前記外周層における外周側の表面にさらに樹脂シートBを積層してなる請求項1から10のいずれかに記載の管きょ更正工法用の中間部材。
  12. 前記樹脂シートBの幅を外周層の幅よりも10mm〜200mm長く構成し、外周層の長手方向の両縁部のうち少なくとも片端部で、外周層の縁部から10mm〜200mm幅のオーバーラップ部を設けた中間部材であって、該中間部材を内周層が内側になるように筒状にしたとき、前記樹脂シートBのオーバーラップ部が、突き合わせ部で樹脂シートBの他方の縁部をオーバーラップするものである請求項11に記載の管きょ更正工法用の中間部材。
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