JP2015164172A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせた複合磁心を用いた、直流電流重畳下でのインダクタンスを改善したリアクトルを提供する。
【解決手段】フェライトコアで構成した一対のヨーク部コア11と、ヨーク部コア11の対向する平面間に配置した巻回部コア12と、巻回部コア12の周囲に巻回したコイル13からなるリアクトル10であって、巻回部コア12の端部に巻回部コア12の周縁に外接するように鍔状部材14を配置し、巻回部コア12は軟磁性金属コアで構成し、鍔状部材14は鉄を主成分とし、磁石に対して磁気的に吸着する金属材料で構成し、鍔状部材14の一方の平坦面が巻回部コア12の端面と同一面でヨーク部コア11との接合部を形成し、リアクトルの小型化を損なうことなく直流電流重畳下のインダクタンスを高める。
【選択図】図1

Description

本発明は電源回路や太陽光発電システムのパワーコンディショナなどに用いられるリアクトルに関し、特にインダクタンスの直流重畳特性の改善に関する。
従来のリアクトル用の磁心材料としては、積層電磁鋼板や軟磁性金属圧粉コアが用いられている。積層電磁鋼板は飽和磁束密度が高いものの、電源回路の駆動周波数が10kHzを超えると鉄損が大きくなり、効率の低下を招くという問題があった。軟磁性金属圧粉コアは高周波の鉄損が積層電磁鋼板よりも小さいことから、駆動周波数の高周波化に伴い広く用いられるようになっているが、十分に低損失であるとは言い難く、また飽和磁束密度は電磁鋼板に及ばない、などの問題を有している。
一方、高周波鉄損の小さい磁心材料としてフェライトコアが広く知られている。しかし、積層電磁鋼板や軟磁性金属圧粉コアに比較して飽和磁束密度が低いことから、大電流を印加した際の磁気飽和を避けるために、コア断面積を大きく取る設計が必要となることから、形状が大きくなってしまうという問題があった。
特許文献1では磁心材料として、コイル巻回部に軟磁性金属圧粉コアを、ヨーク部にフェライトコアを組み合わせた複合磁心を用いることにより、損失、サイズ、コア重量を低減したリアクトルが示されている。
特開2007−128951号公報
フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせた複合磁心とすることにより、高周波損失は低減する。しかし、軟磁性金属コアとして、飽和磁束密度の高いFe圧粉磁心やFeSi合金圧粉磁心を使用した場合、それらをフェライトコアと組み合わせて用いた複合磁心のインダクタンスの直流重畳特性は、軟磁性金属コアだけを用いた場合に比べて劣るという問題があった。特許文献1にも記載の通り、フェライトコアの飽和磁束密度は軟磁性金属コアよりも低いことから、フェライトコアのコア断面積を大きくすることで一定の改善効果は見られるが、根本的な解決は得られていない。
図4〜図5は従来の形態の一例を示す。フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせた複合磁心におけるインダクタンスの直流重畳特性の低下の原因の考察を図4〜図5を用いて説明する。図4〜図5はフェライトコア21と軟磁性金属コア22の接合部の構造と磁束23の流れを模式的に表したものである。
図中の矢印は磁束23を表し、軟磁性金属コア22の磁束23がフェライトコア21の磁束23と等しい場合にはそれぞれのコアの中での矢印の数は同数で表される。単位面積あたりの磁束23が磁束密度であることから、矢印の間隔が狭いほど磁束密度が高いことを表す。
フェライトコア21は軟磁性金属コア22に比べて飽和磁束密度が低いことから、フェライトコア中で大きな磁束を流すために、フェライトコア21の磁束方向に直交する断面積は軟磁性金属コア22の磁束方向に直交する断面積よりも大きく設定している。軟磁性金属コアの端部はフェライトコアと接合しており、軟磁性金属コア22とフェライトコア21の対向する部分の面積は、軟磁性金属コア22の断面積に等しい。
図4はコイルに流れる電流が小さい場合、すなわち巻回部の軟磁性金属コアに励磁される磁束23が小さい場合を示している。軟磁性金属コア22の磁束密度がフェライトコア21の飽和磁束密度に比べて小さいため、軟磁性金属コア22から流出する磁束23がそのままフェライトコア21に流入することができ、磁束23の漏れはない。コイルに流れる電流が小さい場合には、インダクタンスの低下は小さく抑えられる。
図5はコイルに流れる電流が大きい場合、すなわち巻回部コアに励磁される磁束が大きい場合を示している。軟磁性金属コア22の磁束密度がフェライトコア21の飽和磁束密度に比べて大きくなると、軟磁性金属コア22から流出する磁束23が接合部を介してそのままフェライトコア21に流入することができず、破線矢印で示すように周囲の空間を介して磁束23が流れることになる。すなわち比透磁率が1の空間を磁束23が流れるため、実効透磁率が低下し、インダクタンスが急激に低下してしまう。つまり、軟磁性金属コア22の磁束密度がフェライトコア21の飽和磁束密度に比べて大きくなるような大きな電流を重畳した場合には、インダクタンスが低下してしまうという問題がある。また、磁束23の漏れが発生するため、その磁束とコイルの鎖交によって銅損が増大するという問題もある。
このように従来の技術では、フェライトコアと軟磁性金属コアの断面積だけを考慮していたため、接合部における磁気飽和の問題が見過ごされ、インダクタンスの直流重畳特性が不十分であった。
本発明では、上記の問題を解決するために案出されたものであって、フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせた複合磁心を用いたリアクトルにおいて、インダクタンスの直流重畳特性を改善することを課題とする。
本発明のリアクトルは、フェライトコアで構成された一対のヨーク部コアと、前記ヨーク部コアの対向する平面間に配置された巻回部コアと、前記巻回部コアの周囲に巻回されたコイルからなるリアクトルであって、前記巻回部コアの端部に前記巻回部コアの周縁に外接するように鍔状部材が配置され、前記巻回部コアは軟磁性金属コアで構成され、前記鍔状部材は鉄を主成分とし、磁石に対して磁気的に吸着する金属材料で構成され、前記鍔状部材の一方の平坦面が前記巻回部コアの端面と同一面でヨーク部コアとの接合部を形成する。こうすることにより、フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせて用いる複合磁心のリアクトルにおいて、インダクタンスの直流重畳特性を改善することができる。
また、本発明のリアクトルは、鍔状部材が軟磁性金属圧粉コアで構成されることが好ましい。こうすることにより高周波損失の増大を抑えることができる。
また、本発明のリアクトルは、鍔状部材が周方向の一箇所に内周端から外周端に達する切欠きを設けた鋼板で構成されることが好ましい。こうすることにより高強度の鋼板を使用しながら、高周波損失の増大を抑えることができる。
本発明によれば、フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせて用いる複合磁心のリアクトルにおいて、インダクタンスの直流重畳特性を改善することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリアクトルの構造を示す断面図である。 図2は、本発明の別の実施形態に係るリアクトルの構造を示す断面図である。 図3は、従来例に係るリアクトルの構造を示す断面図である。 図4は、従来例に係るフェライトコアと軟磁性金属コアの接合部の構造と磁束の流れを模式的に表した図である。 図5は、従来例に係るフェライトコアと軟磁性金属コアの接合部の構造と磁束の流れを模式的に表した図である。 図6は、本発明の一実施形態に係るフェライトコアと軟磁性金属コアの接合部の構造と磁束の流れを模式的に表した図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材を模式的に表した斜視図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材のヨーク部コアに対する投影面を示した平面図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材のヨーク部コアに対する投影面を示した平面図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材のヨーク部コアに対する投影面を示した平面図である。 図11は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材のヨーク部コアに対する投影面を示した平面図である。 図12は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材のヨーク部コアに対する投影面を示した平面図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る鍔状部材のヨーク部コアに対する投影面を示した平面図である。
本発明は、フェライトコアと軟磁性金属コアを組み合わせた複合磁心において、フェライトコアと軟磁性金属コアの間で磁束が流出あるいは流入する面におけるフェライトの磁気飽和を防止することで、直流電流重畳下でのインダクタンスを向上させることを可能にしたものである。本発明による、インダクタンスの直流重畳特性の改善効果について、図6を用いて説明する。
図6は、軟磁性金属コア22の端部の周縁に外接するように鍔状部材24が配置されており、鍔状部材24は鉄を主成分とし、磁石に吸着する金属材料であることが特徴である。
鍔状部材24は磁石に吸着する金属材料であることから磁束を通しやすく、鉄を主成分とすることから飽和磁束密度も高い。軟磁性金属コア22の端部の周縁に外接するように鍔状部材24を配置したことにより、軟磁性金属コア22のコイル巻回部の磁束密度がフェライトコア21の飽和磁束密度よりも高い場合でも、磁束は鍔状部材24を介してフェライトコア21に流入することができる。軟磁性金属コア22から流出する磁束23を、鍔状部材24を介して、周囲の空間に漏らすことなくフェライトコア21に流入させることができるため、実効透磁率の低下を抑制することができる。その結果、直流重畳下でも高いインダクタンスを得ることが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、リアクトル10の構造を示す図である。リアクトル10は2個の対向するヨーク部コア11とそのヨーク部コア11の間に配置された巻回部コア12と巻回部コア12に巻き回されたコイル13とを有し、さらに巻回部コア12の端部には、巻回部コア12の周縁に外接するように鍔状部材14が配置される。鍔状部材は14は巻回部コア12の両端に配置されるのがより好ましい。コイル13はボビンに巻回された形態であってもよい。
ヨーク部コア11にはフェライトコアを使用する。フェライトコアは、軟磁性金属コアに比べて、損失が非常に小さいが、飽和磁束密度が低い。ヨーク部コア11にはコイル13が巻回されないことから、幅や厚みを大きくしてもコイル13の寸法には影響がない。よってヨーク部コア11の断面積を大きくすることで、飽和磁束密度の低さを補うことができる。ヨーク部コア11の断面積は磁束の方向に対して直交する断面積であり、幅x厚さが断面積に相当する。フェライトコアは軟磁性金属コアに比べて成形が容易であることから、コア断面積の大きなコアも製造が容易である。フェライトコアはMnZn系フェライトを使用することが好ましい。MnZn系フェライトは他のフェライトに比べて損失が小さく、飽和磁束密度も高いため、コアの小型化に有利となる。
巻回部コア12は軟磁性金属コアを使用する。軟磁性金属コアは、鉄圧粉コアやFeSi合金圧粉コア、積層電磁鋼板、アモルファスコアを使用することが好ましい。これらの軟磁性金属コアはフェライトコアに比べて飽和磁束密度が高いため、コア断面積を小さくすることができ、小型化に有利となる。
鍔状部材14は鉄を主成分とし、磁石に吸着する金属材料を使用する。鍔状部材14は磁石に吸着することから磁束を流しやすい性質を有し、鉄を主成分とすることから飽和磁束密度が高く、大きな磁束を流すことができる。このような金属材料であれば、一般に軟磁性金属と呼ばれる電磁軟鉄、電磁鋼板、鉄圧粉コア、鉄合金圧粉コアなどの材料である必然性は無く、構造材や金属部品として使用される炭素鋼、冷間圧延鋼板(冷延鋼板)、磁性ステンレスなどを使用することができる。磁石に吸着するか否かの判別は、例えば、市販の事務用品のマグネット画鋲を、静置した鍔状部材14に接触させ、マグネット画鋲を持ち上げたときに鍔状部材14が磁石の吸引力で持ち上げられれば、磁石に吸着するとみなすことができる。
鍔状部材14の好ましい形状について図7〜図13で説明する。鍔状部材14は巻回部コア12の端部の周縁に外接するような貫通部を備えた板状である。鍔状部材14の貫通部の内周形状は巻回部コア12の外周形状と相似形であることを基本とする。鍔状部材14の外周形状は任意形状を選択できるが、入手の容易さや作製の簡便性を考えると、円形、楕円形、四角形とするのが好ましい。図7〜図13の例示において、巻回部コア12の端部周縁形状は円形の場合を示す。図7に示した形態は内周形状と外周形状がともに円形で、一般に座金、ワッシャ、シムリング、カラーなどと呼ばれる部品と同様の形態を有するものである。
図8は図7の鍔状部材の平坦面を投影した図である。図9は図8の変形例で、鍔状部材の周方向の一箇所に内周端から外周端に達する切欠きを設けたものである。図10は図9の変形例で、周方向の一箇所に設けた内周端から外周端に達する切欠きの幅を内径と同等まで大きくしたものである。図11は図8の変形例で外周形状を四角形としたものである。図12は図11の変形例で、鍔状部材の周方向の一箇所に内周端から外周端に達する切欠きを設けたものである。図13は図12の変形例で、周方向の一箇所に設けた内周端から外周端に達する切欠きの幅を内径と同等まで大きくしたものである。
鍔状部材14に鉄圧粉コアやFeSi合金圧粉コアなどの軟磁性金属圧粉コアを用いる場合には、図8〜図13のいずれの形状を使用してもよい。軟磁性金属圧粉コアは飽和磁束密度が高いことから、磁束の流れを改善する効果が十分に得られる。また、軟磁性金属圧粉コアは電気抵抗が比較的高いことから、板状の鍔状部材14の面内に渦電流が流れにくいため、高周波でもインダクタンスが低下せず、損失が増大することもない。特に、板状の鍔状部材14を比較的低い圧力でも成形できることから、軟磁性金属圧粉コアは鉄圧粉コアを用いることが適している。
鍔状部材14に電磁軟鉄、電磁鋼板、炭素鋼、冷間圧延鋼板(冷延鋼板)、フェライト系ステンレスなど、磁性を有するが、平坦面の面内方向の電気抵抗が低い鉄基の金属材料を用いる場合には、図9、図10、図12、図13のように鍔状部材の周方向の一箇所に内周端から外周端に達する切込みを設けるのが好ましい。これらの金属材料は飽和磁束密度が高いことから、磁束の流れを改善する効果が十分に得られるが、電気抵抗が低いことから面内に渦電流が流れやすいため、高周波ではインダクタンスが低下し、損失が増大する傾向がある。よって鍔状部材の周方向の一箇所に内周端から外周端に達する切込みを設けることによって、渦電流の流れを遮断し、高周波でもインダクタンスが低下せず、損失が増大することを抑制することもできる。
鍔状部材14は巻回部コア12の端部の周縁に外接するように、すなわち接するように配置されることが好ましいが、鍔状部材14の内周と巻回部コア12の外周との間にわずかな間隙を備えていてもよい。鍔状部材14の内周と巻回部コア12の外周との間隙は、0.5mm以下とするのがよい。鍔状部材14の内周と巻回部コア12の外周との間隙が0.5mmより大きくなると、その間隙では磁束が流れにくくなるため、鍔状部材を介して流れる磁束が減少し、直流重畳下のインダクタンスが低下する。鍔状部材14の内周と巻回部コア12の外周との間隙は小さいほど、直流重畳特性の改善効果は高くなるが、それぞれの寸法精度を考慮して間隙を決めればよい。
鍔状部材14の外周寸法は大きいほど直流重畳特性の改善効果が得られるが、鍔状部材14のヨーク部コア11に対向する平坦面の面積が巻回部コアの断面積の30%以上あれば効果を得ることができる。好ましくは鍔状部材14のヨーク部コア11に対向する平坦面の面積が巻回部コアの断面積の50%以上あれば効果を十分に得ることができる。鍔状部材14の外周寸法は、対向するヨーク部コア11の面積(長さx幅)に対して大きくならないように設計するのがよい。鍔状部材14がヨーク部コア11より、はみ出すほど大きくなると、はみ出した部分については磁束を流す効果が小さい。それを避けるためにヨーク部コア11を大きくすると小型化効果が得られなくなる。
鍔状部材14の厚みは大きいほど直流重畳特性の改善効果が得られるが、鍔状部材14の厚みは0.5mm以上であれば効果を十分に得ることができる。鍔状部材14の厚みが0.5mm以上であれば、鍔状部材14を介して流れる磁束を十分に確保することができ、直流重畳下のインダクタンスを十分に高めることができる。鍔状部材14の厚みが0.5mmよりも小さくなると、直流重畳特性の改善効果は得られるものの効果が小さくなり、また強度的にも変形しやすくなるため取扱いが困難になる。鍔状部材14の厚みが大きくなりすぎると巻回したコイル13との構造上の干渉を避けるために巻回部コア12の長さを大きくする必要が生じる。よって、コイル13との干渉を考慮しつつ十分な効果が得られる厚みを選択するのがよい。
対向するヨーク部コア11の間に配置される巻回部コア12は少なくとも1組以上あればよい。小型化設計の観点から巻回部コア12は1組もしくは2組であることが好ましい。
巻回部コア12の組数に応じて、ヨーク部コア11と巻回部コア12の対向する部分の数が変化するが、その全ての箇所において前述の鍔状部材14を配置した場合に、最もインダクタンスの改善効果が得られる。
1組の巻回部コア12は1個の軟磁性金属コアで形成しても、2個以上に分割して形成してもよい。
ヨーク部コア11と巻回部コア12で形成される磁気回路の途中に、透磁率調整のためのギャップ15を設けてもよい。ギャップ15は空隙であったり、セラミックス,ガラス,ガラスエポキシ基板、樹脂フィルム等の非磁性かつ絶縁性材料によって構成される。ギャップ15の有無にかかわらず、本発明によるインダクタンスの改善効果は同様に得られ、ギャップ15を使用することでリアクトル10を任意のインダクタンスに設計するための自由度を増すことができる。ギャップ15を入れる位置は特に限定されないが、作業性の観点から、巻回部コア12の端面と鍔状部材14の平坦面が形成する面とヨーク部コア11の間隙に挿入されるのが好ましい。
図2は、本発明の別の実施形態に係るリアクトルの構造を示す断面図である。ヨーク部コア11はコの字状のフェライトコアであり、背面部とその両端に脚部を備えている。巻回部コア12は軟磁性金属コアであり、図2のようにロの字状の磁気回路を形成するように対向させたヨーク部コア11の中央部に、1組の巻回部コア12を配置し、巻回部コア12の端部に巻回部コア12の周縁に外接するように鍔状部材14を配置する。鍔状部材は14は巻回部コア12の両端に配置されるのがより好ましい。図2の実施形態は、ヨーク部コア11の形状以外は図1の実施形態と大略同様である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<実施例1>
図1と図3の形態において、鍔状部材14の有無による特性の違いを比較した。
ヨーク部コアには直方体のMnZnフェライトコア(TDK製PE22材)を使用し、その寸法を長さ80mm、幅45mm、厚さ20mmとしたものを2個用意した。
巻回部コアにはFeSi合金圧粉コアを使用した。FeSi合金粉の組成はFe−4.5%Siとし、水アトマイズ法にて合金粉を作製し、篩い分けによって粒子径を調整して、平均粒径を50μmとした。得られたFeSi合金粉にシリコーン樹脂を2質量%添加し、これを加圧ニーダーにて室温で30分間混合し、軟磁性粉末表面に樹脂をコーティングした。得られた混合物を目開き355μmのメッシュにて整粒し、顆粒を得た。潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を塗布した金型に充填し、成形圧980MPaで加圧成形して高さ25mm、直径24mmの成形体を得た。これを700℃、窒素雰囲気でアニールを行い、得られたFeSi合金圧粉コアを2個接着して1組の巻回部コアとした。得られた2個のFeSi合金圧粉コアを接着して1組の巻回部コアとしたものを2組用意した。
(実施例1−1)
図1の形態において、鍔状部材には鉄圧粉コアを使用した。鍔状部材の形状は座金に類似する形状とし、図8のような形態とした。鍔状部材の寸法は外径35mm、内径24mm、厚さ1.0mmとした。鉄粉はヘガネスAB社製Somaloy110を使用し、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を塗布した金型に充填し、成形圧780MPaで加圧成形して成形体を得た。成形体を500℃でアニールし、4枚の鍔状部材を得た。
巻回部コアの両端部に鍔状部材を嵌め合わせ、巻回部コアの端面と鍔状部材の平坦面が同一高さとなるように位置を調整し、接着剤で固定した。2個の対向するヨーク部コアの間に、鍔状部材が嵌め合わされた2組の巻回部コアを配置し、巻回部コアの巻回部に巻数44ターンのコイルを巻回してリアクトル(実施例1−1)とした。
(比較例1−1)
図3の形態において、巻回部コアの端部に鍔状部材を配置しない従来の構造での特性を評価した。巻回部コアの端部に鍔状部材を配置しないこと以外は実施例1−1と同じ形態でリアクトル(比較例1−1)を作製した。
得られたリアクトル(実施例1−1、比較例1−1)について、インダクタンスと高周波鉄損の評価を行った。
LCRメータ(アジレント・テクノロジー社製4284A)と直流バイアス電源(アジレント・テクノロジー社製42841A)を用いて、インダクタンスの直流重畳特性を測定した。直流電流を印加しない状態の初期インダクタンスが600μHとなるような設計とし、ギャップ15は挿入しない形態とした。直流重畳特性は定格電流20Aのときのインダクタンスを測定し、直流重畳特性を表1に示した。
BHアナライザ(岩通計測社製SY−8258)を用いて、高周波鉄損を測定した。コアロスの測定条件は、f=20kHz、Bm=50mTとした。励磁コイルは25ターン、サーチコイルは5ターンとして、片方の巻回部コアに巻回して測定を行った。高周波鉄損の測定結果を表1に示した。
Figure 2015164172
表1から明らかなように、従来の構造の比較例1−1においては、直流重畳電流20Aにおけるインダクタンスが初期インダクタンス(600μH)よりも40%以上低下し、350μHの低いインダクタンスしか得られない。実施例1−1のリアクトルでは巻回部コアの端部に鍔状部材を配置したことから、直流重畳電流20Aにおけるインダクタンスの改善効果が十分であり、インダクタンス値は450μH以上得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。 また、実施例1−1のリアクトルでは鍔状部材を備えていない比較例1−1に対して高周波鉄損が増大することもない。
<実施例2>
図1の形態において、鍔状部材14の材質の違いによる特性の比較を行った。
(実施例2−1〜2−3、比較例2−1)
ヨーク部コア11、巻回部コア12、コイル13は実施例1と同様とし、ギャップ15は挿入しない形態とした。
鍔状部材の形状は座金状の形態とし、外形35mm、内径24mm、厚さ1.0mmとした。鍔状部材の材質は、実施例2−1:炭素鋼(S45C)、実施例2−2:冷間圧延鋼板(冷延鋼板)、実施例2−3:電磁鋼板、比較例2−1:オーステナイト系ステンレス(SUS304)とし、いずれも鉄を主成分とする材料とした。炭素鋼、冷間圧延鋼板(冷延鋼板)、オーステナイト系ステンレス(SUS304)は市販の金属ワッシャおよびシムリングを使用し(例えばミスミ社製)、ファインカッターにて円周の一部に幅1mmの切込みを形成した。切込みは外周から内周に到達させ、図9のような形態とした。電磁鋼板は、厚さ0.1mmの無方向性電磁鋼板を座金状に打抜いたものを積層し、ファインカッターにてその外周の一辺の中央部から内周に達する幅約1mmの切込みを形成して、図9のような形態とした。また、厚さ0.1mmの無方向性電磁鋼板を一辺が40mmの四角形となるように切断し、その中央部に直径24mmの孔を打抜いて形成し、ファインカッターにてその外周の一辺の中央部から内周に達する幅約1mmの切込みを形成したものを厚さ1.0mmとなるように積層して、図12のような形態とした(実施例2−4)。
作製した鍔状部材をフェライト磁石に近づけ、磁石に吸着するかどうかを調べ、結果を表2に示した。炭素鋼、冷間圧延鋼板(冷延鋼板)、無方向性電磁鋼板は磁石に吸着し、オーステナイト(SUS304)系ステンレスは磁石に吸着しなかった。
巻回部コアの両端部に鍔状部材を嵌め合わせ、巻回部コアの端面と鍔状部材の平坦面が同一高さとなるように位置を調整し、接着剤にて固定した。2個の対向するヨーク部コアの間に、鍔状部材が嵌め合わされた2組の巻回部コアを配置し、巻回部コアの巻回部に巻数44ターンのコイルを巻回してリアクトル(実施例2−1〜2−4、比較例2−1)とした。
得られたリアクトル(実施例2−1〜2−4、比較例2−1)について、実施例1と同様にインダクタンスと高周波鉄損の評価を行い、結果を表2に示した。
Figure 2015164172
比較例2−1においては、直流重畳電流20Aにおけるインダクタンスが初期インダクタンス(600μH)よりも40%以上低下し、350μHの低いインダクタンスしか得られない。これは、比較例1−1と同様の直流重畳特性である。したがって、オーステナイト系ステンレス(SUS304)の鍔状部材は磁石に吸着しないために、磁束を通す作用が小さく、フェライトコアと軟磁性金属コアの接合部での磁気飽和を改善できず、鍔状部材を配置しない従来の形態と同様に直流重畳下のインダクタンスの低下が起きる。
一方、実施例2−1〜2−4のリアクトルでは鍔状部材が磁石に吸着する鉄基の金属材料で構成されることから、鍔状部材を介して大きな磁束が流れる効果が得られる。よって、直流電流重畳下でのインダクタンスの改善効果が十分であり、インダクタンス値は450μH以上得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。
また、実施例2−1〜2−4のリアクトルでは鍔状部材を備えていない比較例1−1に対して高周波鉄損はほぼ同等である。炭素鋼、冷間圧延鋼板(冷延鋼板)、電磁鋼板は平坦面の面内方向での電気抵抗が低い金属材料であるが、周方向の一部に外周から内周に達する切込みを設けることで、高周波磁界が印加された際に発生する渦電流の流れを遮断することができる。渦電流の発生が抑制された結果、高周波鉄損の増大も起こらないため、鍔状部材の有無にかかわらず同等の高周波鉄損を得ることができる。
また、実施例2−1〜2−3のリアクトルでは鍔状部材の外周形状が略円形であるのに対して、実施例2−4のリアクトルでは鍔状部材の外周形状が略四角形である。いずれの場合も直流電流重畳下でのインダクタンスの改善効果が十分であり、インダクタンス値は450μH以上得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。したがって、鍔状部材の外周形状によらず、直流重畳特性の改善効果を得ることができる。
<実施例3>
図1の形態において、鍔状部材14の寸法による特性の比較を行った。
(実施例3−1〜3−8)
ヨーク部コア11、巻回部コア12、コイル13は実施例1と同様とし、ギャップ15は挿入しない形態とした
鍔状部材の形状は座金状の形態とし、材質は冷間圧延鋼板(冷延鋼板)とした。外形、内径、厚さ、切込み部分幅を表3に示した。鍔状部材は市販のシムリングを使用し、ファインカッターにて円周の一部に幅1mmの切込みを形成した。切込みは外周から内周に到達させ、図9のような形態とした。また、切込み部分の幅が内径と同じ(25mm)もの(実施例3−8)は市販の割りタイプシム(例えばミスミ社製)を使用し、図10のような形態とした。
巻回部コアの両端部に鍔状部材を嵌め合わせ、巻回部コアの端面と鍔状部材の平坦面が同一高さとなるように位置を調整し、接着剤にて固定した。巻回部コアの外周と鍔状部材の内周の間隙が大きい場合には、巻回部コアの外周と鍔状部材の内周の一部が接するような配置とし、間隙を接着剤で埋めて固定した。2個の対向するヨーク部コアの間に、鍔状部材が嵌め合わされた2組の巻回部コアを配置し、巻回部コアの巻回部に巻数44ターンのコイルを巻回してリアクトル(実施例3−1〜3−8)とした。
得られたリアクトル(実施例3−1〜3−8)について、実施例1と同様にインダクタンスと高周波鉄損の評価を行い、結果を表3に示した。
Figure 2015164172
実施例3−1〜3−8は、いずれの場合でも直流電流重畳下でのインダクタンスの改善効果が十分であり、インダクタンス値は450μH以上得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。
実施例3−1〜3−5は鍔状部材の外径を変化させた場合の比較である。実施例3−1では、鍔状部材の平坦部の面積S2が163mmであり、巻回部コアの断面積S1(452mm)との比(S2/S1)が36%である。したがって、鍔状部材の平坦部の面積S2と巻回部コアの断面積S1の比(S2/S1)が30%以上あれば、直流電流重畳下でのインダクタンスの改善効果が得られるといえる。実施例3−1〜3−5では鍔状部材の外径が大きくなるにしたがって、直流重畳下のインダクタンスが大きくなる傾向が見られるが、外径が30mm以上ではその効果はほとんど変わらない。外径が30mmの場合(実施例3−2)には鍔状部材の平坦部面積S2(254mm)と巻回部コアの断面積S1の比(S2/S1)が56%である。したがって、鍔状部材の平坦部の面積S2と巻回部コアの断面積S2の比(S2/S1)が50%以上あれば、直流電流重畳下でのインダクタンスの改善効果が十分に得られるといえる。
実施例3−4および3−7は鍔状部材の内径を変化させた場合の比較である。実施例3−7は鍔状部材の内径が巻回部コアの外径よりも1.0mm大きい場合であり、実施例3−4よりも直流重畳下のインダクタンスが低下する傾向はあるが、インダクタンス値は450μH以上得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。したがって、鍔状部材の内径と巻回部コアの外径の間隙が0.5mm以内であれば、鍔状部材の内周寸法は鍔状部材の内周の寸法精度と巻回部コア端部の外周の寸法精度を考慮して自由に選択できるといえる。
実施例3−4および3−6は鍔状部材の厚みを変化させた場合の比較である。いずれの場合でも、同等のインダクタンス値が得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。したがって、鍔状部材の厚みは0.5mm以上あれば十分であるといえる。
実施例3−7および3−8は鍔状部材の切込み部分の幅を変化させた場合の比較である。実施例3−7では切込み部分の幅を1.0mmとし、鍔状部材の平坦部面積に対する影響はほぼ無視することができる。実施例3−8では切込み部分の幅が鍔状部材の内径と同等に大きく、切込みの分だけ鍔状部材の平坦部面積が減少するが、巻回部コアの断面積に対して60%以上となっており、直流電流重畳下のインダクタンスを改善するのに十分な面積が得られている。いずれの場合でも、同等のインダクタンス値が得られ、初期インダクタンスの30%以内の低下に抑えられている。また、高周波鉄損の増大も10%以内であり問題ない。したがって、鍔状部材の切込み部分が1mm程度の小さい幅であっても、鍔状部材の内径と同等程度に大きくても、周方向の電気伝導を遮断する作用が得られれば、十分であるといえる。
<実施例4>
図2の形態において、鍔状部材14の有無と寸法による特性の比較を行った。
ヨーク部コア11はコの字状のMnZnフェライトコア(TDK製PC90材)であり、背面部は長さ80mm、幅60mm、厚さ10mmとし、脚部は長さ14mm、幅60mm、厚さ10mmとした。
巻回部コア12にはFeSi合金圧粉コアを使用した。寸法は直径24mm、長さ26mmの円柱形状とし、実施例1と同様の方法で作製した。
(実施例4−1、4−2)
鍔状部材の形状は座金状の形態とし、材質は冷間圧延鋼板(冷延鋼板)とした。外形、内径、厚さを表4に示した。鍔状部材は市販のシムリングを使用し、ファインカッターにて円周の一部に幅1mmの切込みを形成した。切込みは外周から内周に到達させ、図9のような形態とした。
巻回部コアの両端部に鍔状部材を嵌め合わせ、巻回部コアの端面と鍔状部材の平坦面が同一高さとなるように位置を調整し、接着剤で固定した。図2のようにロの字状の磁気回路を形成するように対向させたヨーク部コアの中央部に、鍔状部材が嵌め合わされた1組の巻回部コアを配置し、巻回部コアの巻回部に巻数38ターンのコイルを巻回してリアクトル(実施例4−1〜4−2)とした。
(比較例4−1)
巻回部コアの端部に鍔状部材を配置しないこと以外は実施例4−1と同じ形態でリアクトル(比較例4−1)を作製した。
得られたリアクトル(実施例4−1〜4−2、比較例4−1)について、インダクタンスと高周波鉄損の評価を行った。
実施例1と同様にインダクタンスの直流重畳特性を測定した。直流電流を印加しない状態の初期インダクタンスが530μHとなるように、接合部コアと巻回部コアの間の2箇所に厚さ0.5mmのギャップ材を挿入した。ギャップ材には非磁性かつ絶縁性材料である樹脂フィルムとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いた。ギャップ材を挿入するにあたっては、対向するフェライトコアの脚部の間隙がなくなるように、脚部の高さを研削で調整した。直流重畳特性は定格電流20Aのときのインダクタンスを測定し、表4に示した。
実施例1と同様に高周波鉄損を測定した。コアロスの測定条件は、f=20kHz、Bm=50mTとした。励磁コイルは25ターン、サーチコイルは5ターンとして、巻回部コアに巻回して測定を行った。鉄損の測定結果を表4に示した。
Figure 2015164172
表4から明らかなように比較例4−1のリアクトルでは直流重畳電流20Aにおけるインダクタンスが、初期インダクタンス(530μH)から40%以上低下し、310μHの低いインダクタンスしか得られていない。一方、実施例4−1〜4−2のリアクトルでは直流重畳電流20Aにおけるインダクタンスが450μHとなり、初期インダクタンス(530μH)からの低下率は30%以内に抑えられている。また、高周波鉄損の増大も見られないことも確認された。
実施例4−1および4−2はヨーク部コアと巻回部コアとの間にギャップ(ギャップ量0.5mm)を挿入した場合である。直流電流重畳下のインダクタンスは、初期インダクタンス(530μH)の30%以内の低下に抑えられている。よって、巻回部コアとヨーク部コアとの間隙にギャップを設けることで、直流電流重畳下のインダクタンスの改善効果を損なうことなく、容易に初期インダクタンスを調整することができる。
以上説明した通り、本発明のリアクトルは、損失を低減するとともに直流電流重畳下でも高いインダクタンスを有することから、高効率化および小型化を実現できるので、電源回路やパワーコンディショナなどの電気・磁気デバイス等に広く且つ有効に利用可能である。
10:リアクトル
11:ヨーク部コア
12:巻回部コア
13:コイル
14:鍔状部材
141:鍔状部材切込み部
15:ギャップ
21:フェライトコア
22:軟磁性金属コア
23:磁束
24:鍔状部材

Claims (3)

  1. フェライトコアで構成された一対のヨーク部コアと、前記ヨーク部コアの対向する平面間に配置された巻回部コアと、前記巻回部コアの周囲に巻回されたコイルからなるリアクトルであって、
    前記巻回部コアの端部に前記巻回部コアの周縁に外接するように鍔状部材が配置され、
    前記巻回部コアは軟磁性金属コアで構成され、
    前記鍔状部材は鉄を主成分とし、磁石に対して磁気的に吸着する金属材料で構成され、
    前記鍔状部材の一方の平坦面が前記巻回部コアの端面と同一面でヨーク部コアとの接合部を形成することを特徴とするリアクトル。
  2. 前記鍔状部材が軟磁性金属圧粉コアで構成されることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記鍔状部材が周方向の一箇所に内周端から外周端に達する切欠きを設けた鋼板であることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
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