JP4895171B2 - 複合磁心およびリアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車の大出力の電気モータを駆動するような電源回路に用いられるリアクトル用複合磁心、およびリアクトルに関するものである。
電源回路用リアクトルの磁心としては、3つに大別することが出来る。数十kHz以下の領域では、珪素鋼板、非晶質軟磁性帯板、微結晶質軟磁性帯板などが磁心材として主に用いられている。これらの磁心材は鉄を主成分とし、飽和磁束密度Bsと透磁率μが大きいという長所をもつが、珪素鋼板は高周波磁心損失が大きいという欠点を有し、非晶質軟磁性帯板と微結晶質軟磁性帯板は、磁芯形状が巻磁心形状や積層磁心形状などに制約され、後述するフェライトのように種々の形状に成型し難い欠点を有する。
数十kHz以上の領域では、Mn-Zn系やNi-Zn系に代表されるフェライト磁心が広く用いられている。このフェライト磁心は、高周波磁心損失が小さく、また成形が比較的容易なため、種々の形状を大量生産できる特長を有する。しかしながら、飽和磁束密度Bsが前述の珪素鋼板や非晶質軟磁性帯板、微結晶質軟磁性帯板の3分の1から2分の1程度しかないため、大電流用リアクトルでは磁気飽和を避けるために磁心断面積が大きくなる欠点を有する。
数kHzから数百kHzまでの領域に用いられるリアクトル用の磁心として圧粉磁心がある。圧粉磁心は、磁性粉末の表面を絶縁処理したのち加工成形したもので、絶縁処理により渦電流損失の発生が抑制されている。しかしながら、高周波磁心損失はフェライト材や非晶質軟磁性帯板、微結晶質軟磁性帯板に比べると大きい。
最近、急速に普及しはじめたハイブリッド自動車では、大出力の電気モータを有しており、これを駆動する電源回路には高電圧大電流に耐えるリアクトルが用いられている。このリアクトルには小型化、低騒音化、低損失化の要求が強く、リアクトルに用いられる磁心材の磁気特性としては、高い飽和磁束密度Bsと適切な範囲の透磁率μrが要求される。ここでいう適切な範囲の透磁率μrについて以下、説明する。磁界Hと磁束密度Bには、B=μoμrHの関係がある。ここでμoは真空中の透磁率を示し、磁界Hはリアクトルに流れる電流に比例する。このため、透磁率の高い磁心材では小さなリアクトル電流でも飽和磁束密度Bsに達して、磁心飽和を起こす。よって、従来はリアクトル磁心材として高い飽和磁束密度Bsの磁性材を用い、この磁心材に空隙を設けて実効的な透磁率(実効透磁率)μreを低くし、巻線数との調整により必要なインダクタンスを得る設計がなされている。本用途での実用的な実効透磁率μreはおおよそ5から50までの範囲内にある。
大電流用のリアクトル磁心には、飽和磁束密度Bsが高く、保磁力の低い磁性材が用いられる。一般に保磁力の低い磁性材は透磁率も高いため、リアクトル磁心に用いる場合には磁気的な空隙(ギャップ)を設ける。このギャップを構成する部材の透磁率は約1である。しかし、ギャップを設けた部分では、磁束が磁路の外側に漏れ出るフリンジング磁束が生じる。このフリンジング磁束がコイルを通過する際、コイルに渦電流が生じ、リアクトル損失が大幅に増大する問題点がある。
このフリンジング磁束によるリアクトル損失の増加を防ぐために、特許文献1では、電磁鋼板の積層方向を放射状に変えることが記載されている。ただし、特許文献1は、50Hzなどの商用周波数で用いられる一方向性電磁鋼板を使用したリアクトル、変圧器に関するものであり、本発明に係る駆動周波数1kHz以上の電源回路に用いられる磁心、リアクトルとは対象が異なるものである。
また、大電流用のリアクトル磁心としては、前述の圧粉磁心を用いたものがある。圧粉磁心の透磁率は10〜150程度であるため、軟磁性帯板に比べて空隙を少なくすることができる。その反面、全磁路において透磁率が低いためにフリンジング磁束が生じ易い。このため、コイルに渦電流が生じるのでリアクトル損失が大きくなるという問題がある。また、圧粉磁心となる素材は、高周波における磁心損失が、非晶質軟磁性薄帯、微結晶質軟磁性薄帯に比べて大きい。また、初透磁率と大電流時透磁率との差異が大きく、インダクタンスの電流特性が悪いという欠点を持っている。
また、電磁鋼板などの高透磁率部材と、圧粉磁心などの低透磁率部材を両方組合せたリアクトルとして、特許文献2が開示されている。特許文献2では、環状長円形のリアクトルが開示され、実施例中では、矩形平面状で積層鋼板から形成される脚鉄心と、この脚鉄心の磁路を閉じるために脚鉄心に近接して配置された半環状形状のヨーク鉄心が開示されている。さらに、このヨーク鉄心は、ダストコア一体型でもよいことが記載されている。
特開2004−186450号公報((0034)〜(0045)、図1) 特開2003−45724号公報((0021),(0024)、図1)
上記特許文献2では、高透磁率部材と、圧粉磁心などの低透磁率部材を組合せたリアクトルが開示されているが、それは単に一実施形態として大まかな構成が記載されているのみであり、要求されるリアクトル損失やインダクタンスの電流特性を完全に満足するものではなく、さらなる検討の余地がある。
本発明の課題は、前述の従来の大電流用リアクトル磁心の問題点を解決し、インダクタンスの電流特性の良好で、さらにはギャップのフリンジング磁束によるリアクトル損失の増大を抑制することが可能な磁心およびリアクトルを提供することである。
本発明は、環状の複合磁心であって、前記複合磁心は複数の磁心部が直線状に並んで配置された第1および第2の直線状磁路、並びに、前記第1および第2の直線状磁路の一端同士側に配置される第1のコーナー部、および他端同士側に配置される第2のコーナー部を備え、前記第1および第2のコーナー部は最大比透磁率500以上の磁性体を用いて形成され、前記第1および第2の直線状磁路とギャップを介して配置され、前記第1および第2の直線状磁路は、最大比透磁率500以上の磁性体を用いた高透磁率の磁心部が両端にそれぞれ配置され、前記両端の磁心部の間には最大比透磁率が200以下の圧粉体からなる磁心部が複数配置され、前記第1および第2の直線状磁路に配置される各磁心部はそれぞれギャップを介して配置されることを特徴とする。
前記第1および第2のコーナー部は、非晶質軟磁性帯板または微結晶質軟磁性帯板の積層体を用いることができる。
前記第1および第2のコーナー部は、半円状とすることができる。
前記圧粉体は、鉄−珪素系合金粉末、鉄−珪素−アルミニウム系合金粉末、非晶質軟磁性粉末、または微結晶質軟磁粉末を用いることができる。
本発明の複合磁心は、直流電流160A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスが220μH以上で、かつ直流電流330A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスが60μH以上であることを特徴とする。また、直流電流0A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスは250〜300μHとすることができる。
本発明の複合磁心は、周波数10kHzにおいて実効値11.5Aのリップル電流を流した時のリアクトルのリアクトル損失が45W以下とすることができる。
本発明では、これらの複合磁心に巻線を施して、前記コーナー部と直線状磁路の間のギャップ、及び、直線状磁路の各磁心部間のギャップの全てを覆うようにコイルが配置されたリアクトルとして用いることを特徴とする。

本発明のリアクトルでは、非晶質軟磁性帯板や微結晶質軟磁性帯板などからなる高透磁率磁心部と、磁性粉末と絶縁材、結合材を混合成型してなる圧粉磁心部と、前記高透磁率磁心部間および圧粉磁心部間にそれぞれ設けられたギャップとにより構成された複合磁心を用いることにより、磁心全体としての飽和磁束密度が高く、直流重畳に対する透磁率の低下が小さいリアクトルを製造することが可能になる。
また、本発明では、圧粉磁心部があるため、ギャップが磁路長に占める割合が低く、かつギャップを高透磁率磁心部間および圧粉磁心部間にそれぞれ設けているので、磁束のエネルギーが高透磁率磁心部のギャップで一度緩和されることにより、圧粉磁心部に隣接するギャップでのフリンジング漏れ磁束が小さくなる。これにより、コイルに侵入する漏れ磁束が小さくなり、リアクトル損失が極力小さい値に抑えられる。
高透磁率磁心部間にギャップを設けないと、リアクトル損失は大きくなってしまう。これは、磁束が高透磁率磁心部から圧粉磁心部に進入した際、磁束のエネルギーが高透磁率磁心部と圧粉磁心部の磁気抵抗の差に対応しきれず、圧粉磁心部に隣接する空隙でフリンジング漏れ磁束が大きくなるためと推察される。この漏れ磁束がコイルに侵入し、損失が増大する。
本発明の複合磁心は、特に20A以上の電源回路に用いる大電流リアクトル用として好適である。全磁路長に占める圧粉磁心部の割合は20〜60%であることが好ましい。この割合が20%以上であればギャップ長が小さくなり、フリンジング磁束によるリアクトル損失がより小さくなるからである。そして、この割合が60%未満であれば、初透磁率と大電流時の透磁率との差異が小さくなり、インダクタンスの電流特性が向上する。大電流リアクトル用として、全磁路長は150mm〜350mmとすることが好ましい。また、高透磁率磁心部および圧粉磁心部の磁路断面積は500mm〜1000mmとすることが好ましい。
本発明において、ギャップとは、磁気的に空隙部と同等の透磁率を持つ部分を有し、エアギャップだけでなく、樹脂などの非磁性材による板状部材などでも良い。この板状部材により位置決めを容易に行うことができる。
本発明の複合磁心は、略長円形状とし、前記高透磁率磁心部からなる曲率を有するコーナー部と、前記コーナー部からギャップを介して配置される前記高透磁率磁心部、前記圧粉磁心部、および前記圧粉磁心部間に形成されるギャップからなる直線状のストレート部により構成することで、大電流リアクトル用でありながら、寸法形状が小さいリアクトルが設計可能になる。大電流リアクトル用として、コーナー部は、半径が10mm〜30mmの半円環形状とすることが好ましい。ストレート部は、全体が50mm〜150mmとすることが好ましい。
また、ストレート部における前記高透磁率磁心部と前記圧粉磁心部の間には、ギャップが形成されていることが好ましい。フリンジング磁束によるリアクトル損失をより小さくすることができる。
上記の本発明の複合磁心は、直流電流160A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスが220μH以上で、かつ直流電流330A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスが60μH以上であり、従来にない高特性のリアクトルを得ることが出来る。直流電流0A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスは250〜300μHとなる。
また、上記の本発明の複合磁心は、周波数10kHzにおいて実効値11.5Aのリップル電流を流した時のリアクトルのエネルギー損失が40W以下であり、従来にない高特性のリアクトルを得ることが出来る。
本発明では、これらの複合磁心にコイルを設けることで、従来にない高特性のリアクトルを得ることが出来る。フリンジング磁束が外部回路に影響を与えないように、ギャップを構成した周囲をコイルで覆う形状に設計することが好ましい。
本発明の高透磁率磁心部で用いる非晶質軟磁性帯板として、合金組成がFeaSibBcCdM′α(原子%)(但し、M′はCr,Mo,Zr,Hf及びNbからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、76≦a≦84%、0<b≦30%、0<c≦25%、0≦d≦3%、0≦α≦5%を満たす非晶質軟磁性帯板がを用いることができる。不可避な不純物としてMn, S, P, Sn, Cu, Al, Ti, から少なくとも1種以上の元素を0.50%以下含有してもよい。例えば米国Metglas社製の鉄系非晶質軟磁性材2605SA1が用いえる。
また、微結晶質軟磁性帯板として、一般式:Fe100−x−y−z−α−β−γCuSiM′αM″βγ(原子%)(但し、M′はNb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,P,Ge,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、x,y,z,α,β,及びγはそれぞれ0.1≦x≦3,0<y≦30,0<z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満たす。)により表わされる組成を有し、組織の少なくとも50%が微細な結晶粒からなり、各結晶粒の最大寸法で測定した粒径の平均が1000Å以下であるFe基合金を用いることができる。例えば、日立金属製のナノ結晶質軟磁性材ファインメット(登録商標)が用いえる。
本発明で用いる磁性粉末としては、例えば純鉄の粉、Siを6〜7%含むFe−6.5%Siで代表されるFe−Si合金粉、Fe−Al合金粉、Fe−Si−Al合金粉、Fe−Ni合金粉、Fe−Co合金粉、非晶質金属磁性粉、微結晶質金属磁性粉などが挙げられ。これらは各々単独でまたは適宜、組合せた粉末でも良い。特にSiを6〜7%含むFe−Si合金粉は、磁歪、磁心損失、飽和磁束密度Bsの各特性に優れており、本発明に好適な磁性粉末である。特に、上記に記した米国Metglas社製の鉄系非晶質軟磁性材2605SA1を高透磁率磁心部として用いた場合、この磁心部を充填率80〜95%以上で積層し、Siを6〜7%含むFe−Si合金粉を充填率70〜90%程度で圧粉することで、両者ともほぼ同等の飽和磁束密度とすることができ、損失の少ないリアクトルとすることができる。求められるリアクトル特性から、圧粉磁心部の最大比透磁率は200以下の範囲にあるものが好ましい。
本発明で用いる樹脂としては、前記磁性粉の表面を被覆して粉末相互間を絶縁状態にして磁心全体の交流磁化に対する渦電流損が大きくならないように充分な電気抵抗を付与せしめると同時に、これら粉末を結着するバインダーとしても機能するものである。このような樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂など各種の樹脂が挙られ、これらは単独にまたは適宜組合せて使用しても良い。
本発明で用いる圧粉磁心部の成型方法としては、前記磁性粉末と前記樹脂の混合物を液状化した後に型に入れて硬化させる注型法、金型中に射出成型することにより成型する射出成型法、金型中に磁性粉末と有機物又は無機物からなる結合材の混合物を充填し加圧して圧粉磁心を成型するプレス成型法などがある。
本発明の複合磁心は、高透磁率磁心部と圧粉磁心部とギャップとで構成されるため、磁心全体としての飽和磁束密度が高く、直流重畳に対する透磁率の低下が小さい。また、ギャップを高透磁率磁心部間および圧粉磁心部間にそれぞれ設けたことにより、フリンジング磁束が小さくなり、コイルに生じる渦電流損失を小さくすることができる。この磁心を用いることにより、良好なインダクタンス特性を有し、さらに小型、低損失の特性をもつリアクトルを実現できる。
本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例)
本発明の実施例の一形態を図1に示す。本発明のリアクトルの磁心は、長円形状であり、長径が130mm、短径が60mm、高さ32mmで平均磁路長が280mmの寸法に形成した。高透磁率磁心部1、2、31〜34は鉄系非晶質磁性帯板(米国Metglas社製2605SA1材:厚さ25μm)の占積率82%の巻磁心を切断して作製した積層体である。半円環状の高透磁率磁心部のコーナー部1,2は、径方向の厚みを20.5mmに形成した。また、ブロック状の高透磁率磁心部31〜34は、径方向の厚みが20.5mmで、磁路方向の長さが14mmになるよう形成した。高透磁率磁心部のコーナー部1,2と高透磁率磁心部31〜34の間にはギャップ21,28,29,36を形成し、このギャップの幅は1mmとした。また、圧粉磁心部41〜45,51〜55は平均粒径が42μmのFe−6.5%Si系合金粉にカオリン4vol%、水ガラス3vol%を添加したものを用い、常温にて成形圧力1200MPaで圧縮成形し、その後成形体に窒素雰囲気中で温度1073Kの熱処理を施した。圧粉磁心部は全て同じ形状とし、径方向の厚みが20.5mm、磁路方向の長さが11mm、厚みが32mmの直方体形状とした。また、各圧粉磁心部間にはギャップ22〜27、32〜37を形成し、このギャップの幅はすべて1mmとした。高透磁率磁心部と圧粉磁心部の磁路長比は、6:4である。
この複合磁心のブロック状の高透磁率磁心部31〜34、圧粉磁心部41〜45、51〜55、およびギャップ21〜28、31〜38からなるストレート部に、コイル(図示せず)を設けた。コイルは幅6mm、厚さ1.6mmの平角銅線を76回巻き、かつ全てのギャップを覆うようにして備え付けた。これにより、本発明のリアクトルを得ることができた。
このリアクトルは、図2に示すように、直流電流160Aの時にインダクタンスが220μH以上あることが確認された。また、直流電流330Aの時にインダクタンスが50μH以上あることが確認された。このリアクトルを図6に示す駆動周波数10kHzのブースト型DC−DCコンバータのL1として搭載し、入力電圧200Vでコンバータを動作させた。そして、直流電流0A、周波数10kHzにおいて実効値11.5Aのリップル電流を流し、コンバータ出力として電圧500Vを得た時の特性を表1に示す。
リアクトル損失は35Wであり、非常に損失の少ないリアクトルを得ることができた。
Figure 0004895171
(比較例1)
図3に示すような、長円形状の複合磁心を製造した。長径、短径、高さ、平均磁路長とも実施例1と同じ寸法である。コーナー部は実施例1と同じ、鉄系非晶質磁性帯板(米国Metglas社製2605SA1材:厚さ25μm)の占積率82%の巻磁心を切断して作製した積層体である。
また、ストレート部は、圧粉磁心部41〜45、51〜55の間に、上記鉄系非晶質磁性帯板の積層体からなる同形状のブロック81〜84が配置されるよう設置した。圧粉磁心部および高透磁率磁心部からなるブロックの寸法、およびそれらの間に形成するギャップの幅は実施例1と同様である。
このリアクトルは、直流電流160Aの時にインダクタンスが232μHであり、直流電流330Aの時にインダクタンスが64μHであることが確認された。ただし、実施例1と同様にしてリアクトル損失を測定したところ、高透磁率磁心部と圧粉磁心部が交互に配置されたリアクトルでは、46Wと大きな損失となることが解った。
(比較例2)
図4に示すような、長円形状の複合磁心を製造した。長径、短径、高さ、平均磁路長とも実施例1と同じ寸法である。コーナー部は実施例1と同じ、鉄系非晶質磁性帯板(米国Metglas社製2605SA1材:厚さ25μm)の占積率82%の巻磁心を切断して作製した積層体である。
また、ストレート部は、実施例1とは異なり、全て同形状の圧粉磁心部41〜47,51〜57からなる構造とした。圧粉磁心部の寸法、およびそれらの間に形成するギャップの幅は実施例1と同様である。
このリアクトルは、直流電流160Aの時にインダクタンスが222μHであり、直流電流330Aの時にインダクタンスが68μHであることが確認された。ただし、実施例1と同様にしてリアクトル損失を測定したところ、52Wと大きな値を示すことが解った。
(比較例3)
図5に示すような、長円形状の複合磁心を製造した。長径、短径、高さ、平均磁路長とも実施例1と同じ寸法である。コーナー部は圧粉磁心部とし、平均粒径が42μmのFe−6.5%Si系合金粉にカオリン4vol%、水ガラス3vol%を添加したものを用い、常温にて成形圧力1200MPaで圧縮成形し、その後成形体に窒素雰囲気中で温度1073Kの熱処理を施した。形状および寸法は、実施例1の高透磁率自身部のコーナー部と同じになるよう製造した。
また、ストレート部は、鉄系非晶質磁性帯板(米国Metglas社製2605SA1材:厚さ25μm)を積層した占積率82%の積層体のブロックのみで構成した。各ブロックの寸王、およびそれらの間に形成するギャップの幅は実施例1と同様である。
このリアクトルは、直流電流160Aの時のインダクタンスは222μHと、本発明と同等であるが、直流電流330Aの時のインダクタンスが48μHであり、本発明のものより劣っていることが確認された。
(比較例4)
図6に示すような、全て高透磁率磁心部で構成した磁心を製造した。長径、短径、高さ、平均磁路長とも実施例1と同じ寸法である。コーナー部は実施例1と同じ、鉄系非晶質磁性帯板(米国Metglas社製2605SA1材:厚さ25μm)の占積率82%の巻磁心を切断して作製した積層体である。
また、ストレート部で配置されるブロックもコーナー部と同様にして、長円形状の巻磁心を切断して作製した積層体である。各ブロックの幅は実施例1と同様である。そして、それらの間に形成するギャップの幅はすべて1.5mmとした。
このリアクトルは、直流電流160Aの時にインダクタンスが222μHであり、直流電流330Aの時にインダクタンスが68μHであることが確認された。ただし、実施例1と同様にしてリアクトル損失を測定したところ、52Wと大きな値を示すことが解った。
本発明に係る複合磁心の実施例1を示す図である。 本発明のリアクトルにおける印加する電流とインダクタンスとの関係を示す図である。 従来のリアクトル用磁心を示す図である。 比較用のリアクトル用磁心を示す図である。 比較用のリアクトル用磁心を示す図である。 比較用のリアクトル用磁心を示す図である。 本発明に係るリアクトルを用いたブースト型DC−DCコンバータの回路図である。
符号の説明
1、2、31〜34、61〜69、71〜79:高透磁率磁心部、
3、4、41〜47、51〜57:圧粉磁心部、
21〜28,31〜38:ギャップ、
L1 リアクトル、
Q1 トランジスタ、
D1 ダイオード、
C1,C2 キャパシタ

Claims (7)

  1. 環状の複合磁心であって、
    前記複合磁心は複数の磁心部が直線状に並んで配置された第1および第2の直線状磁路、並びに、前記第1および第2の直線状磁路の一端同士側に配置される第1のコーナー部、および他端同士側に配置される第2のコーナー部を備え、
    前記第1および第2のコーナー部は最大比透磁率500以上の磁性体を用いて形成され、前記第1および第2の直線状磁路とギャップを介して配置され、
    前記第1および第2の直線状磁路は、最大比透磁率500以上の磁性体を用いた高透磁率の磁心部が両端にそれぞれ配置され、前記両端の磁心部の間には最大比透磁率が200以下の圧粉体からなる磁心部が複数配置され、
    前記第1および第2の直線状磁路に配置される各磁心部はそれぞれギャップを介して配置されることを特徴とする複合磁心。
  2. 前記第1および第2のコーナー部は、非晶質軟磁性帯板または微結晶質軟磁性帯板の積層体であることを特徴とする請求項1に記載の複合磁心。
  3. 前記第1および第2のコーナー部は、半円状であることを特徴とする請求項2に記載の複合磁心。
  4. 前記圧粉体は、鉄−珪素系合金粉末、鉄−珪素−アルミニウム系合金粉末、非晶質軟磁性粉末、または微結晶質軟磁粉末を用いたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の複合磁心。
  5. 直流電流160A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスが220μH以上で、かつ、直流電流330A、周波数10kHzで測定した時のインダクタンスが50μH以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の複合磁心。
  6. 周波数10kHzにおいて実効値11.5Aのリップル電流を流した時のリアクトル損失が45W以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の複合磁心。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の複合磁心を用い、かつ、前記コーナー部と直線状磁路の間のギャップ、及び、直線状磁路の各磁心部間のギャップの全てを覆うようにコイルが配置されていることを特徴とするリアクトル。
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