JP2015163809A - 車両用変速装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書における有段変速機構とは、多段変速機構と同義ではなく、変速段が単段のものを含む概念である。
同文献に記載された車両用変速装置は、ベルト式無段変速機構、変速比が固定の歯車式変速機構、遊星歯車機構、および走行モード切替え用のクラッチを備えている。車両走行モードとしては、第1および第2の走行モードがある。第1の走行モードは、前記2種類の変速機構のうち、ベルト式無段変速機構のみを利用してエンジン出力が車軸側に伝達されるモードである。第2の走行モードは、トルクスプリットモードであり、このモードにおいては、エンジン出力がベルト式無段変速機構および歯車式変速機構の双方を利用して変速された上で、遊星歯車機構を利用してそれらの駆動力が合成され、この合成駆動力が車軸側に出力される。この第2の走行モードにおいては、第1の走行モード時よりも駆動力伝達効率を高めることが可能である。
機構と、エンジン出力が前記両変速機構を利用して車軸側へ伝達する経路を切り替えるためのクラッチと、を備えており、前記クラッチのオン・オフ切り替えにより設定される車両の走行モードとして、前記両変速機構のうち、前記無段変速機構のみを利用した第1の走行モードと、前記無段変速機構が併用され、または併用されることなく前記有段変速機構を利用した第2の走行モードとが選択可能とされ、前記第1および第2の走行モードのうち、いずれか一方は、他方よりも車速の高速域側に設定される高速側モードとされ、かつ他方は低速側モードとされて、前記第1および第2の走行モードの切り替えは、前記無段変速機構の変速比が所定のモード切替え変速比と一致または略一致する時点で行なわれるように構成されている、車両用変速装置であって、前記第2の走行モードから前記第1の走行モードへの変更がなされたときにのみ、その後に所定時間が経過する迄の期間中は、前記第2の走行モードへの変更が禁止されて前記第1の走行モードが維持されるように構成されていることを特徴としている。
すなわち、第2の走行モードから第1の走行モードへの変更がなされたときには、その直後にたとえばアクセル操作がなされて、本来ならば元の第2の走行モードに戻される場合であっても、そのような走行モードの変更は所定時間が経過する迄の期間中は禁止される。したがって、短時間のうちに、走行モード変更動作が連続的に複数回にわたって繰り返されるハンチング現象を生じることは防止される。その結果、前記ハンチング現象に起因して車両の乗り心地が悪化するといった不具合を適切に回避することができる。走行モード変更用クラッチのオン・オフ動作が連続的かつ頻繁に実行されることも回避されるために、アクセル操作に対する応答性をよくすることもできる。
さらに、本発明によれば、第1の走行モードから第2の走行モードへの変更動作が抑制されるために、第1の走行モードの設定期間を長くすることが可能である。第1の走行モードは、ベルト式などの無段変速機構のみを利用するモードであるため、変速比固定の歯車式変速機構などの有段変速機構を利用する第2の走行モードと比較すると、変速幅が大きく、第1の走行モードのみによって比較的広い車速領域をカバーすることが可能である。したがって、走行モードの変更動作が頻繁に実行されることが、より効果的に防止される。
段変速機構4、歯車式変速機構5、遊星歯車機構6、スプリットクラッチC1、ドライブクラッチC2、および前後進切り替え用のブレーキB1を備えている。油圧制御装置30や制御部3も付属して設けられている。
ベルト式無段変速機構4は、本発明でいう「無段変速機構」の一例に相当する。歯車式変速機構5は、本発明でいう「有段変速機構」の一例に相当する。
第1の走行モードは、歯車式変速機構5およびベルト式無段変速機構4のうち、ベルト式無段変速機構4のみを利用したモードである。この第1の走行モードは、スプリットクラッチC1をオフ、ドライブクラッチC2をオンにすることにより設定される。前後進切り替え用のブレーキB1は、車両後進時にオンとされるものであり、車両前進時にはオフのままとされる。
第2の走行モードは、歯車式変速機構5およびベルト式無段変速機構4の双方を利用したトルクスプリットモードである。この第2の走行モードは、スプリットクラッチC1をオン、ドライブクラッチC2をオフに切り替えることにより設定可能である。歯車式変速機構5の変速比γGは一定(固定)であるが、この第2の走行モードにおいては、ベルト式無段変速機構4がサンギヤ60およびピニヨンギヤ61を回転させる結果、両変速機構4,5のトータルの変速比は、ベルト式無段変速機構4の変速比γBを変更することによって制御可能である。
れた車速線図に基づき、第1および第2の走行モードの切り替え設定がなされる。第1の走行モードは低速側モードとされ、第2の走行モードは高速側モードとされている。第1および第2の走行モードの切り替えは、ベルト式無段変速機構4の変速比γBが、所定のモード切替え変速比γSに一致または略一致する条件下で行なわれるように構成されている(図3も参照)。モード切替え変速比γSは、たとえば歯車式変速機構5の変速比γGと同一の値である。走行モード切替えラインLは、モード切替え変速比γSに対応する目標エンジン回転数を示すラインである。
第1の走行モードは、変速機構として、ベルト式無段変速機構4のみを利用したモードであるため、変速比固定の歯車式変速機構5を利用した第2の走行モードと比較して、変速幅を大きくし、第1の走行モードのみによって比較的広い車速領域をカバーすることが可能である。したがって、第1の走行モードの設定期間を長くすることによって、走行モードの変更動作が頻繁に繰り返されることをより効果的に防止することが可能となる。
部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
C1 スプリットクラッチ
C2 ドライブクラッチ
2 差動歯車装置
4 ベルト式無段変速機構(無段変速機構)
5 歯車式変速機構(有段変速機構)
6 遊星歯車機構
9a,9b 車軸
10 エンジン
Claims (1)
- 無段変速機構と、変速比が固定の有段変速機構と、エンジン出力が前記両変速機構を利用して車軸側へ伝達する経路を切り替えるためのクラッチと、を備えており、
前記クラッチのオン・オフ切り替えにより設定される車両の走行モードとして、前記両変速機構のうち、前記無段変速機構のみを利用した第1の走行モードと、前記無段変速機構が併用され、または併用されることなく前記有段変速機構を利用した第2の走行モードとが選択可能とされ、
前記第1および第2の走行モードのうち、いずれか一方は、他方よりも車速の高速域側に設定される高速側モードとされ、かつ他方は低速側モードとされて、前記第1および第2の走行モードの切り替えは、前記無段変速機構の変速比が所定のモード切替え変速比と一致または略一致する時点で行なわれるように構成されている、車両用変速装置であって、
前記第2の走行モードから前記第1の走行モードへの変更がなされたときにのみ、その後に所定時間が経過する迄の期間中は、前記第2の走行モードへの変更が禁止されて前記第1の走行モードが維持されるように構成されていることを特徴とする、車両用変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014039796A JP2015163809A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 車両用変速装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014039796A JP2015163809A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 車両用変速装置 |
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Family
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017116038A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | ダイハツ工業株式会社 | 動力分割式無段変速機の制御装置 |
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-
2014
- 2014-02-28 JP JP2014039796A patent/JP2015163809A/ja active Pending
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