JP2015147405A - 記録方法及びインクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に複数のインクを重ねて記録した場合に、それらのインク間でのブリードが防止でき、インクの凝集ムラが抑制され、かつインクジェットノズルに目詰りが生じにくい記録方法、及び該記録方法に用いるインクセットを提供することを目的とする。【解決手段】非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に、第1反応液と、色材を含む第1インクと、第2反応液と、色材を含む第2インクとを、この順番で重ねて付着させる工程を有し、前記第1反応液は、前記第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含み、前記第2反応液は、前記第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む、記録方法。【選択図】なし

Description

本発明は、記録方法及びインクセットに関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。例えば、特許文献1には、インクジェット記録方法を用いて白色画像を形成する際における、インクの噴射特性や、高い隠蔽性を有する白色画像の形成の実現等の画像形成を目的として、インクジェット印刷用OHPシートに、二酸化チタンゾルを含有するインクと硫酸マグネシウムを含有する反応液とを用いて記録を行うことが開示されている。
特開2002−103783号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録方法を用いて非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に記録をすると、白色画像の上にカラーインクを用いてカラー画像を記録した場合に、カラーインクのブリードが生じるという問題がある。
このブリードの抑制のためには、反応液を用いる代わりに、被記録媒体を加熱するという方法も考えられる。しかしながら、反応液を用いずに被記録媒体を加熱すると、高い加熱のエネルギーが必要であり、記録速度が遅く、かつインクジェットノズルに目詰りが生じるという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に複数のインクを重ねて記録した場合に、それらのインク間でのブリードが防止でき、インクの凝集ムラが抑制され、かつインクジェットノズルに目詰りが生じにくい記録方法、及び該記録方法に用いるインクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に対して、所定の反応液と、所定のインクと、を所定の順で用いる記録方法であれば、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に、第1反応液と、色材を含む第1インクと、第2反応液と、色材を含む第2インクとを、この順番で重ねて付着させる工程を有し、
前記第1反応液は、前記第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含み、
前記第2反応液は、前記第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む、
記録方法。
〔2〕
前記第1インク及び前記第2インクの一方が、カラー色材を含むカラーインク又はブラック色材を含むブラックインクであり、
前記第1インク及び前記第2インクの他方が、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクである、前項〔1〕に記載の記録方法。
〔3〕
前記第1反応液が、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載の記録方法。
〔4〕
前記第2反応液が、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔5〕
前記第2反応液が、前記第2インクの受容層となる成分又はカチオン樹脂の少なくとも1つをさらに含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔6〕
前記第2反応液に含まれる、前記第2インクの受容層となる前記成分又は前記カチオン樹脂の少なくとも1つの前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)に対する、前記第2インクに含まれる前記色材の付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比が、3〜30である、前項〔5〕に記載の記録方法。
〔7〕
前記第1インクが、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクである、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔8〕
前記第1反応液に含まれる前記凝集剤の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:mol)に対する、前記第1インクに含まれる前記色材の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比が、900〜35000である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔9〕
前記被記録媒体が、非吸収性被記録媒体である、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔10〕
前記第1反応液が、界面活性剤を含み、かつ表面張力が50mN/m以下である、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔11〕
前記第2反応液に含まれる前記凝集剤の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:mol)に対する、前記第2インクに含まれる前記色材の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比が900〜35000である、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の記録方法。
〔12〕
前項〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の記録方法に用いる、色材を含む前記第1インクと、色材を含む前記第2インクと、を備え、
前項〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の記録方法に用いる、前記第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む第1反応液及び前記第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む第2反応液として用いる少なくとも1つの反応液を備える、インクセット
本実施形態に用い得るインクジェット記録装置の一例の全体の概略を示す側面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〔記録方法〕
本実施形態の記録方法は、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体(以下、単に「被記録媒体」ともいう。)に、第1反応液と、色材を含む第1インクと、第2反応液と、色材を含む第2インクとを、この順番で重ねて付着させる工程を有し、前記第1反応液は、前記第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含み、前記第2反応液は、前記第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む。なお、以下、第1反応液と第2反応液とをまとめて単に「反応液」ともいう。また、第1インクと第2インクとをまとめて単に「インク」ともいう。
具体的には、本実施形態の記録方法は、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に第1反応液を付着させる第1反応液付着工程と、第1反応液の上から第1インクを付着させる第1インク付着工程と、第1インクの上から第2反応液を付着させる第2反応液付着工程と、第2反応液の上から第2インクを付着させる第2インク付着工程と、をこの順で行なう。以下、各工程と、各工程で用いる反応液及びインクについて説明する。
図1は、本実施形態の記録方法に用い得るインクジェット記録装置1の一例の全体の概略を示す側面図である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、被記録媒体の給送部10と、搬送部20と、記録部30と、乾燥装置90と、排出部70とを備えている。また、インクジェット記録装置1は、図示しないプレヒーターも備えており被記録媒体Fは最初から加熱されていてもよい。
このうち、乾燥装置90は、被記録媒体の乾燥工程を行う第1乾燥部40と、本実施形態に係る記録方法により得られた記録物を乾燥する第2乾燥部50とを有する。
また、給送部10は、被記録媒体Fを搬送部20へ給送することができるように設けられている。具体的には、給送部10は、ロール媒体ホルダー11を有し、ロール媒体ホルダー11が被記録媒体Fを保持している。そして、被記録媒体Fを回動させることにより、送り方向Y下流側の搬送部20へ被記録媒体Fを給送することができるように構成されている。なお、被記録媒体Fはロール状に限定されない。
さらに、搬送部20は、給送部10から送られた被記録媒体Fを記録部30へ搬送することができるように設けられている。具体的には、搬送部20は、第1送りローラー21を有し、送られた被記録媒体Fをさらに送り方向Y下流側の記録部30へ搬送することができるように構成されている。
また、記録部30は、搬送部20から送られた被記録媒体Fに対して反応液を付着させ、インクを吐出して記録することができるように設けられている。具体的には、記録部30は、第1反応液付着工程を行うヘッド31と、第1インク付着工程を行うヘッド32と、第2反応液付着工程を行うヘッド33と、第2インク付着工程を行うヘッド34と、媒体支持部としてのプラテン35と、を備える。なお、反応液及びインクの付着方法はインクジェットに限定されず、特に反応液はローラー塗布、スプレー塗布などにより付着させてもよい。必要な領域に付着位置や付着量を高精度で付着可能な点でインクジェットが好ましい。
このうち、プラテン35は、被記録媒体Fを裏面から支持することができるように設けられている。また、プラテン35には、被記録媒体Fに付着した反応液及びインクを乾燥させる第1乾燥部40が設けられている。さらに、プラテン35より送り方向Y下流側には、第2送りローラー43が設けられている。そして、第2送りローラー43は、記録された被記録媒体Fを送り方向Y下流側である第2乾燥部50へ送ることができるように構成されている。
また、第2乾燥部50は、被記録媒体Fに付着した反応液及びインクをさらに乾燥させることができるように構成されている。さらに、第2乾燥部50の出口64近傍には、第3送りローラー65が設けられている。第3送りローラー65は、被記録媒体Fの裏面と接触するように配設され、送り方向Y下流側である排出部70へ被記録媒体Fを送ることができるように構成されている。
さらに、排出部70は、第2乾燥部50から送られた被記録媒体Fをさらに送り方向Y下流側へ送り、インクジェット記録装置1の外部へ排出することができるように設けられている。具体的には、排出部70は、第4送りローラー71と、第5送りローラー72と、第6送りローラー73と、第7送りローラー74と、巻き取りローラー75とを有している。このうち、第4送りローラー71及び第5送りローラー72は、被記録媒体Fの表面と接触するように配設されている。また、第6送りローラー73及び第7送りローラー74はローラー対を成すように配設されている。そして、第6送りローラー73及び第7送りローラー74によって排出された被記録媒体Fは、巻き取りローラー75によって巻き取られるように設けられている。
〔第1反応液付着工程〕
第1反応液付着工程は、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に第1インク付着工程の前に反応液を付着させる工程である。第1反応液付着工程で用いる反応液を第1反応液とする。付着手段としては、特に限定されないが、例えば、ローラー塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布を利用することができる。なお、本実施形態の記録方法は、第1反応液付着工程中又は第1反応液付着工程後において被記録媒体へ塗布した第1反応液の少なくとも一部を乾燥する工程をさらに有していてもよい。
第1反応液の付着領域の単位面積当たりの被記録媒体への付着量(以下、各実施形態においてこの付着量を単に「付着量」という。)は、1〜10mg/inch2が好ましく、1〜5mg/inch2がより好ましい。第1反応液の付着量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性により優れる傾向にある。
第1反応液の付着領域の、第1反応液に含まれる凝集剤の、単位面積当たりの被記録媒体への付着量は、3×10-5〜150×10-5mmol/inch2が好ましく、下限は、5×10-5mmol/inch2以上がより好ましく、10×10-5mmol/inch2以上がさらに好ましく、20×10-5mmol/inch2以上が特に好ましく、上限は、100×10-5mmol/inch2以下がより好ましく、80×10-5mmol/inch2以下がさらに好ましく、50×10-5mmol/inch2以下がさらに好ましく、40×10-5mmol/inch2以下が特に好ましい。当該付着量が上記である場合、記録物の画質などに一層優れ、後述の付着量の比を好ましいものにし易い点で好ましい。
〔第1インク付着工程〕
第1インク付着工程は、被記録媒体上に付着した第1反応液に付着領域の少なくとも一部を重ねて第1インクを付着させる工程である。以下、各実施形態において重ねるとは付着領域において少なくとも一部を重ねていればよい。このとき、第1反応液と第1インクは直接反応するため、迅速に第1インクの凝集が可能である。なお、第1反応液は完全に乾燥していなくてもよい。第1反応液を乾燥する工程を省くことにより、第1インクの付着を早く始めることができ、記録速度がより高速化する傾向にある。なお、本実施形態の記録方法は、第1インク付着工程中又は第1インク付着工程後において被記録媒体へ塗布した第1反応液及び第1インクの少なくとも一部を乾燥する工程をさらに有していてもよい。
第1インク付着工程における第1インクの付着量は、2〜20mg/inch2が好ましく、15〜5mg/inch2がより好ましい。第1インクの付着量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性、目詰まり信頼性、及びべたつきにより優れる傾向にある。
第1インク付着工程における第1インクに含む色材の付着量は、0.1〜3mg/inch2が好ましく、下限は、0.2mg/inch2以上がより好ましく、0.4mg/inch2以上がさらに好ましく、0.8mg/inch2以上がさらにより好ましい。上限は、2mg/inch2以下がより好ましく、1.8mg/inch2以下がさらにより好ましく、1.6mg/inch2以下がさらに好ましい。当該付着量が上記である場合、記録物の画質などに一層優れ、後述の付着量の比を好ましいものにし易い点で好ましい。
〔第2反応液付着工程〕
第2反応液付着工程は、被記録媒体上に付着した第1インクに重ねて反応液を付着させる工程である。第2反応液付着工程で用いる反応液を第2反応液とする。付着手段としては、特に限定されないが、例えば、ローラー塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布を利用することができる。なお、本実施形態の記録方法は、第2反応液付着工程中又は第2反応液付着工程後において被記録媒体へ塗布した第2反応液の少なくとも一部を乾燥する工程をさらに有していてもよい。
第2反応液の付着量は、1〜10mg/inch2が好ましく、1〜5mg/inch2がより好ましい。第2反応液の付着量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性により優れる傾向にある。
第2反応液の付着領域の、第2反応液に含まれる凝集剤の、単位面積当たりの被記録媒体への付着量は、1×10-5〜100×10-5mmol/inch2が好ましく、下限は、3×10-5mmol/inch2以上がより好ましく、5×10-5mmol/inch2以上がさらに好ましく、上限は、70×10-5mmol/inch2以下がより好ましく、50×10-5mmol/inch2以下がさらに好ましく、30×10-5mmol/inch2以下がさらに好ましく、20×10-5mmol/inch2以下が特に好ましい。当該付着量が上記である場合、記録物の画質などが一層優れ、後述の付着量の比を好ましいものにし易い点で好ましい。
〔第2インク付着工程〕
第2インク付着工程は、被記録媒体上に付着した第2反応液の上から第2インクを付着させる工程である。このとき、第1反応液、第2反応液、及び第1インクは完全には乾燥していなくてもよい。これらが完全には乾燥していない状態で、第2インクを付着させることで、第2反応液と第2インクが良好に反応することができる。なお、第1反応液、第2反応液、及び第1インクが完全に乾燥していなくとも、ブリードを抑制しつつ第2インクを付着させることができるため。記録速度の高速化が達成できる。また、本実施形態の記録方法は、第2インク付着工程の前に、被記録媒体上に付着した第1反応液、第2反応液、及び第1インクの少なくとも一部を乾燥する工程を有していてもよい。なお、このような乾燥工程は、完全には乾燥させず一部を乾燥させる工程とすることが好ましい。また、本実施形態の記録方法は、第2インク付着工程中または工程後に被記録媒体へ塗布した第2インクの少なくとも一部を乾燥する工程を有していてもよい。
第2インク付着工程における第2インクの付着量は、2〜20mg/inch2が好ましく、15〜5mg/inch2がより好ましい。第2インクの付着量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性及び目詰まり信頼性により優れ、べたつきがより低下する傾向にある。
第2インク付着工程における第2インクに含む色材の付着量は、0.1〜3mg/inch2が好ましく、下限は、0.2mg/inch2以上がより好ましく、0.4mg/inch2以上がさらに好ましい。上限は、2mg/inch2以下がより好ましく、1.7mg/inch2以下がさらにより好ましく、1.5mg/inch2以下がさらに好ましく、1mg/inch2以下がよりさらに好ましく、0.7mg/inch2以下が特に好ましい。当該付着量が上記である場合、記録物の画質などに一層優れ、後述の付着量の比を好ましいものにし易い点で好ましい。
第1インク付着工程及び第2インク付着工程においては、インクジェット法により、ラインヘッド又はシリアルヘッドのノズルから第1インク又は第2インクを吐出し、被記録媒体上に付着させることができる。ラインヘッドを用いたライン方式では、ヘッドを固定して、被記録媒体を副走査方向(被記録媒体の縦方向、搬送方向)に沿って移動させ、この移動に連動してヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、被記録媒体上に画像を記録することができる。また、シリアルヘッドを用いたシリアル方式では、ヘッドを主走査方向(被記録媒体の横方向、幅方向)に沿って移動させ、この移動に連動してヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、被記録媒体上に画像を記録することができる。
第2反応液付着工程における、第2反応液を付着させる時点の、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に付着した第1反応液及び第1インクに含まれる揮発成分の乾燥率は、付着前の第1反応液及び付着前の第1インクに含まれる揮発成分の総量に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。乾燥率が50質量%以上であることにより、ブリード抑制に一層優れる傾向にある。一方、記録速度の観点からは、乾燥率は好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。乾燥率が80質量%以下であることにより記録速度がより向上する傾向にある。ここで、「付着前の第1反応液」とは、第1反応液付着工程において被記録媒体に付着する前の第1反応液を意味する。また、「付着前の第1インク」とは、第1インク付着工程において被記録媒体に付着する前の第1インクを意味する。なお、揮発成分の乾燥率は実施例に記載の方法により求めることができる。
第1反応液に含まれる凝集剤の被記録媒体への付着領域の単位面積当たり付着量(単位:mol)に対する、第1インクに含まれる色材の被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比Aは、好ましくは900〜35000である。第1反応液に含まれる凝集剤が多価金属塩を含む場合には、比Aは、1700〜35000がより好ましく、第1反応液に含まれる凝集剤が有機酸を含む場合には、比Aは、900〜6000がより好ましい。比Aが900以上であることにより、第1反応液の凝集剤の析出、第1反応液による白濁、べたつき、臭気の発生を防止することができる。また、比Aが35000以下であることにより、インク重ね合わせ時のブリードを抑制することができる。なお、比Aは、第1インク及び第1反応液の付着量により制御することができる。
第2反応液に含まれる凝集剤の被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:mol)に対する、第2インクに含まれる色材の被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比Bは、好ましくは900〜35000である。第2反応液に含まれる凝集剤が多価金属塩を含む場合には、比Bは、1000〜35000がより好ましく、第2反応液に含まれる凝集剤が有機酸を含む場合には、比Bは、900〜6000がより好ましい。比Bが900以上であることにより、第2反応液の凝集剤の析出、第2反応液による白濁、べたつき、臭気の発生を防止することができる。また、比Bが35000以下であることにより、インク重ね合わせ時のブリードを抑制することができる。なお、比Bは、第2インク及び第2反応液の付着量により制御することができる。
第2反応液に含まれる、第2インクの受容層となる成分及びカチオン樹脂の付着量(単位:g)に対する、第2インクに含まれる色材の付着量(単位:g)の比Cは、好ましくは3〜30であり、より好ましくは3〜20であり、さらに好ましくは3〜12である。比Cが3以上であることにより、ブリード抑制により優れる傾向にある。比Cが30以下であることにより、反応液の付与効率がより優れる傾向にある。なお、比Cは、第2インク及び第2反応液の付着量により制御することができる。
上記各比は、表1〜4の値から明らかなように、比較する前者の1単位に対する後者の単位数である。
また、上記比Aは、前述の第1インク付着工程において付着した被記録媒体の色材の付着量が最も多い領域におけるもの、上記比B、比Cは、前述の第2インク付着工程において付着した被記録媒体の色材の付着量が最も多い領域におけるもの、であるとする場合、記録物の画質などが一層優れる点で好ましい。
また、前述の第1インク付着工程における色材の付着量は、第1インク付着工程において付着した被記録媒体の色材の付着量が最も多い領域におけるもの、前述の第2インク付着工程における色材の付着量は、第2インク付着工程において付着した被記録媒体の色材の付着量が最も多い領域におけるもの、であるとする場合、記録物の画質などが一層優れる点で好ましい。
また、前述の第1反応液付着工程における凝集剤の付着量は、第1インク付着工程において付着した被記録媒体の色材の付着量が最も多い領域におけるもの、前述の第2反応液付着工程における凝集剤の付着量は、第2インク付着工程において付着した被記録媒体の色材の付着量が最も多い領域におけるもの、であるとする場合、記録物の画質などが一層優れる点で好ましい。
本実施形態の記録方法において、第1反応液付着工程、第2反応液付着工程、第1インク付着工程、及び第2インク付着工程の少なくとも一つの工程における被記録媒体の表面温度は、10℃以上65℃以下が好ましい。また、目詰り信頼性に一層優れる点で、その表面温度は50℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましい。一方、記録速度に一層優れる点で、その表面温度は20℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましく、50℃以上が特に好ましい。被記録媒体の表面温度が上記範囲内であることにより、目詰まり信頼性、記録速度により優れる傾向にある。
〔第1反応液〕
第1反応液は、第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む。このような反応液を用いることで、被記録媒体を加熱することなく良質な記録物を得ることができ、被記録媒体の加熱によりノズルが乾燥等することに起因するノズルの目詰まりを抑制することができる。具体的には、第1反応液が凝集剤を含むことにより、加熱をしなくても、第1インクに含まれる顔料を凝集させることができ、第1インクの凝集ムラを防止することが可能となり、良質な記録物を得ることができる。
第1反応液の表面張力は、25℃において、50mN/m以下が好ましく、40mN/m以下がより好ましい。表面張力が上記範囲内であることにより、被記録媒体上に記録をする場合に、被記録媒体上で第1反応液がはじかれることをより抑制でき、第1反応液の凝集剤がむらになって付着することを抑制できる傾向にある。また、これにより第1インクの凝集ムラも抑制できる傾向にある。さらに、低吸収性被記録媒体及び非吸収性被記録媒体では、凝集剤が濃く付着することにより凝集剤が析出しやすい傾向にあるが、表面張力が上記範囲内であることにより、低吸収性被記録媒体又は非吸収性被記録媒体に対して記録を行なった際であっても、凝集剤の析出をより抑制することができる傾向にある。また、第1反応液の表面張力の下限は、特に限定されないが、25℃において、1mN/m以上が好ましい。なお、表面張力は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔第2反応液〕
第2反応液は、第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む。このような反応液を用いることで、被記録媒体を加熱することなく良質な記録物を得ることができ、被記録媒体の加熱によりノズルが乾燥等することに起因するノズルの目詰まりを抑制することができる。具体的には、凝集剤を含むことにより、加熱をしなくても、第2インクに含まれる顔料を凝集させることができ、第2インクのブリードを防止することが可能となり、良質な記録物を得ることができる。
第2反応液の表面張力は、25℃において、50mN/m以下が好ましく、40mN/m以下がより好ましい。表面張力が上記範囲内であることにより、被記録媒体上に記録をする場合に、第2反応液を均一に塗布できることができる。また、第2反応液の表面張力の下限は、特に限定されないが、25℃において、1mN/m以上が好ましい。なお、表面張力は実施例に記載の方法により測定することができる。第2反応液の組成としては、特にこだわりがない場合は第1反応液と同じ組成としても異なる組成としてもよい。
〔凝集剤〕
第1反応液及び第2反応液が含みうる凝集剤としては、特に限定されないが、例えば、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
(多価金属塩)
多価金属塩としては、特に限定されないが、例えば、無機酸の多価金属塩あるいは有機酸の多価金属塩が好ましい。このような多価金属塩としては、特に限定されないが、例えば、周期表の第2族のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3族の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13族の土類金属(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)、の塩を挙げることができる。また、多価金属と塩を形成する有機酸又は無機酸としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸塩(蟻酸塩、酢酸塩、安息香酸塩など)、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。このなかでも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硫酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩が挙げられる。多価金属塩を構成する上記多価金属と有機酸又は無機酸は、いずれを組み合わせたものであってもよく、水和物であってもよい。なお、多価金属塩は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
多価金属塩の含有量は、反応液の総量に対して、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.1〜4.0質量%がより好ましい。多価金属塩の含有量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性により優れる傾向にある。
(有機酸)
有機酸としては、特に限定されないが、例えば、リン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、酢酸が挙げられる。このなかでも、1価あるいは2価以上のカルボン酸が好ましい。このようなカルボン酸を含むことにより、得られる記録物の耐ブリード性により優れる傾向にある。なお、有機酸は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、有機酸は塩の状態であってもよい。有機酸塩としては、特に限定されないが、例えば、上記有機酸の塩(ただし、上記多価金属塩と重複しない。)が挙げられる。上記有機酸の塩としては、特に限定されないが、例えば、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、有機酸塩は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
有機酸の含有量は、反応液の総量に対して、1〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。有機酸の含有量が上記範囲内であることにより得られる記録物の耐ブリード性により優れる傾向にある。
第1反応液及び第2反応液は、第2インクの少なくとも一方の受容層となる成分又はカチオン性樹脂の少なくとも1つをさらに含むことが好ましい。特に、第2反応液が、第2インクの少なくとも一方の受容層となる成分、及びカチオン性樹脂の少なくともいずれかをさらに含むことが好ましい。
(第2インクの少なくとも一方の受容層となる成分)
反応液が、受容層となる成分を含むことにより、得られる記録物の耐ブリード性及び発色性により優れる傾向にある。受容層となる成分としては、特に限定されないが、例えば、無機微粒子、及び液中で固体の樹脂微粒子が挙げられる。このような粒子としては、例えば、カチオン性粒子、ノニオン性粒子、アニオン性粒子が挙げられる。
カチオン性粒子を用いることにより、第1インクや第2インクを受容する層を形成したり、インク成分を凝集させたりすることができる。カチオン性粒子としては、特に限定されないが、例えば、スノーテックスST−AK(日産化学工業社製商品名)挙げられる。
アニオン性粒子またはノニオン性粒子を用いることにより、第1インクや第2インクを受容する層を形成することができる。アニオン性粒子またはノニオン性粒子としては、特に限定されないが、例えば、アニオン性のコロイダルシリカが挙げられる。市販品としては、例えば、スノーテックスZL(日産化学工業社製商品名)が挙げられる。このなかでも被記録媒体に付着され塗膜を形成した状態で微粒子間に隙間が残留するものが好ましい。「隙間」とは、反応液の塗膜が乾燥した状態における空隙をいう。反応液が被記録媒体に付着され塗膜を形成した際、塗膜に、受容層となる成分により隙間ができ、この隙間が少なくとも反応液の次に付着するインクを吸収することで、ブリードがより抑制される傾向にある。
受容層となる成分の含有量は、反応液の総量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましい。受容層となる成分の含有量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性及び発色性により優れる傾向にある。受容層となる成分は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(カチオン性樹脂)
反応液が、カチオン性樹脂を含むことにより、得られる記録物の耐ブリード性及び発色性により優れる傾向にある。カチオン性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、反応液に可溶な水溶性カチオン樹脂、樹脂エマルションなどの液中で分散状態にあるカチオン樹脂エマルションが挙げられる。このなかでも、インク成分とカチオン性樹脂との反応が優れる点で反応液に可溶な樹脂が好ましい。カチオン性樹脂は、第1インクや第2インクに含まれる顔料との相互作用が前述の凝集剤と比べて比較的弱いため、凝集剤よりも凝集剤の補助剤として働く。
反応液に可溶なカチオン性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アミン系樹脂が挙げられ、より具体的には、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体などが挙げられる。反応液に可溶な樹脂の市販品としては、例えば、ユニセンスKHE105L(センカ社製)などが挙げられる。
カチオン樹脂エマルションとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。より具体的には、後述するインクに含まれ得る樹脂エマルションが挙げられる。カチオン樹脂エマルションの市販品としては、例えば、アローベースCD−1200(ユニチカ製商品名、ポリオレフィン系樹脂)が挙げられる。
カチオン性樹脂の含有量は、反応液の総量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。カチオン性樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性及び発色性により優れる傾向にある。カチオン性樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
〔その他の成分〕
上記のほか、反応液は、溶剤、界面活性剤等のその他の成分を含有することができる。以下、第1反応液及び第2反応液が含みうるその他の成分について説明する。
〔溶剤〕
本実施形態における反応液は、溶剤をさらに含むことが好ましい。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、有機溶剤又は水を用いることができる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、反応液を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
水の含有量は、反応液100質量部に対して、60〜98質量部が好ましく、65〜97質量部がより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、粘度がより低くなる傾向にある。
有機溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラメチル尿素が挙げられる。このなかでも、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。また、有機溶剤としては、揮発性の水溶性有機溶剤がより好ましい。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の含有量は、反応液の総量に対して、1〜25質量%が好ましい。
〔界面活性剤〕
本実施形態で用いる反応液は、界面活性剤を含むことが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。
これらの中でも、反応液への溶解度が大きくなり反応液中に異物が一層発生し難くなるため、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される1種以上が好ましい。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン(登録商標)104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール(登録商標)465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、反応液の総質量(100質量%)に対し、0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、被記録媒体に付着した反応液の濡れ性がより向上する傾向にある。
〔第1インク〕
第1インクは、色材を含む。第1インクにおける色材の含有量は、第1インクの総量に対して、2〜20質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。色材の含有量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性及び発色性により優れる傾向にある。
第1インクの表面張力は、25℃において、50mN/m以下が好ましく、40mN/m以下がより好ましい。表面張力が上記範囲内であることにより、被記録媒体上に記録をする場合に、第1インクを均一に塗布できることができる。また、第1インクの表面張力の下限は、特に限定されないが、25℃において、1mN/m以上が好ましい。なお、表面張力は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔第2インク〕
第2インクは、色材を含む。第2インクにおける色材の含有量は、第2インクの総量に対して、2〜15質量%が好ましく、3〜13質量%がより好ましい。色材の含有量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐ブリード性及び発色性により優れる傾向にある。
第2インクの表面張力は、25℃において、50mN/m以下が好ましく、40mN/m以下がより好ましい。表面張力が上記範囲内であることにより、被記録媒体上に記録をする場合に、第2インクを均一に塗布できることができる。また、第2インクの表面張力の下限は、特に限定されないが、25℃において、1mN/m以上が好ましい。なお、表面張力は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔色材〕
第1インク及び第2インクに含まれ得る色材について、以下説明する。なお、第1インク及び第2インクは、それぞれ、色材を1種単独で含んでもよいし2種以上含んでもよい。また、色材としては、染料及び顔料が挙げられ、この中でも顔料が好ましい。
ブラックインクに使用されるブラック色材はカーボンブラックが挙げられ、特に限定されないが、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
白インク(ホワイトインク)に使用される色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。その他の、ホワイトインクに使用される顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸や合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、二酸化チタン、及び酸化亜鉛等の金属化合物、並びにタルク及びクレイ等が挙げられる。
カラーインクであるイエローインクに使用されるカラー色材であるイエロー色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
カラーインクであるマゼンタインクに使用されるカラー色材であるマゼンタ色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
カラーインクであるシアンインクに使用されるカラー色材であるシアン色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外のカラー色材としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
メタリックインクに使用されるメタリック色材としてはメタリック顔料が挙げられ、金属微粒子が使用でき、金属はアルミ、アルミ合金、銀などが挙げられる。メタリックインクは被記録媒体に付着して形成したパターンが金属光沢感を有するインクであり、メタリック顔料は金属光沢感を発現する顔料である。
第1インクは、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクであることが好ましい。このようなインクを用いることにより、白色以外の非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に記録した際に、発色性や光輝性に優れる記録物を得ることができる傾向にある。白色以外の非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、透明、カラー、メタリックの媒体などが挙げられる。
また、第1インクが、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクであり、第2インクが、カラー色材を含むカラーインク又はブラック色材を含むブラックインクであることも好ましい。このようなインクを用いることにより、白色以外の非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に記録した際に、発色性や光輝性に優れる記録物を得ることができる傾向にある。白色以外の非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、透明、カラー、メタリックの媒体などが挙げられる。
また、第1インクが、カラー色材を含むカラーインク又はブラック色材を含むブラックインクであり、第2インクが、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクであることも好ましい。このようなインクを用いることにより、透明な被記録媒体に記録して被記録媒体の裏から視認して用いる記録物にしたり、カラーや黒色の背景画像の上に白色やメタリック色の絵や文字の画像を記録した記録物とすることができる。
上記色材として顔料を用いる場合、顔料は、分散剤により水に分散させて得られる顔料分散液として、あるいは、顔料粒子表面に化学反応を利用して親水性基を導入した自己分散型の表面処理顔料を水に分散させて得られるか、又は、ポリマーで被覆された顔料を水に分散させて得られる顔料分散液として、インクに添加することが好ましい。
上記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤(にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムの天然ゴム類、サポニンのグルコシド類、アルギン酸及びプロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムのアルギン酸発酵体メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−m−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩)や界面活性剤(各種アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤)を使用することができる。
上記親水性基を導入した自己分散型の表面処理顔料は、顔料の表面にカルボキシル基及びその塩が直接結合するような表面処理により、分散剤なしに水に分散又は溶解が可能とされたものである。具体的には、真空プラズマの物理的処理や次亜塩素酸ナトリウムやオゾンの酸化剤を用いた化学的処理により、官能基又は官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって得ることができる。一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類及びその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、及びインクジェットヘッド前面での乾燥性を考慮しながら適宜決定されてよい。
また、上記ポリマーで被覆された顔料は、特に限定されないが、例えば、重合性基を有する分散剤を用いて顔料を分散させた後、その分散剤と共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)と、光ラジカル重合開始剤と、を用いて水中で乳化重合を行うことにより、得ることができる。このポリマーの中でも、二重結合としてアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、及びアリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するモノマーやオリゴマーが、光ラジカル重合開始剤を使用する公知の重合法に従って重合されたものが、好適に使用可能である。上記の乳化重合は、一般的な方法を用いることができ、重合は乳化剤の存在下で水溶性の光ラジカル重合開始剤の熱分解で発生するフリーラジカルにより進行する。
上記顔料分散液を構成する顔料及び分散剤は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔樹脂エマルション〕
本実施形態で用いるインクが色材として顔料を含む場合、樹脂エマルションをさらに含むことが好ましい。当該樹脂エマルションを用いることにより、インクの乾燥に伴い、樹脂エマルション中の樹脂同士と、樹脂及び顔料と、がそれぞれ互いに融着して顔料を被記録媒体に固着させるため、記録物の画像部分の耐擦性及び密着性を一層良好にすることができる。樹脂エマルションの中でもウレタン樹脂エマルション、アクリル樹脂エマルションが好ましく、ウレタン樹脂エマルションがより好ましい。これにより、インクの定着性が優れたものとなるため、記録物の耐擦性及び密着性が共に優れたものとなる。
また、アニオン性の樹脂エマルションも好ましい。当該アニオン性の樹脂エマルションに含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂エマルションとしては、公知の材料及び製造方法により得られるものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。当該市販品としては、特に限定されないが、例えば、モビニール966A(日本合成化学社(Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.)製商品名、アクリル樹脂エマルション)、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント社(Nippon Paint Co., Ltd)製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、DIC社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン社(Zeon Corporation)製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学社(SAIDEN CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.)製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル62J、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学社製商品名、アクリル樹脂エマルション、固形分44%)が挙げられる。これらの中でも、上述した樹脂エマルションの好ましい物性を十分に満たすため、アクリル樹脂エマルションであるモビニール966Aが好ましい。
樹脂エマルションは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂エマルションの樹脂の含有量は、各インクの総量に対して、3〜15質量%が好ましく、7〜14質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましい。上記範囲内であることにより、記録物の密着性及び耐擦性がより優れたものとなる傾向にあり、また、インクの長期保存安定性に優れ、特にインクを低粘度化することができる傾向にある。
〔溶剤〕
本実施形態におけるインクは、溶剤をさらに含むことが好ましい。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、有機溶剤又は水を用いることができる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
有機溶剤としては、揮発性の水溶性有機溶剤がより好ましい。有機溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,1,3,3−テトラメチル尿素、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の含有量は特に制限されず、必要に応じて適宜決定することができる。このなかでも、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。
また、本実施形態で用いるインクは、沸点が好ましくは180℃以上であり、より好ましくは200℃以上である有機溶剤を含むことが好ましい。このような沸点を有する有機溶剤を用いることにより、インクが空気に触れている開放状態で放置しても、流動性及び再分散性を長時間維持できるインクを得ることができる。さらに、このようなインクは、記録装置を用いた記録の途中又は中断後の再起動時に、ノズルの目詰まりが生じにくくなるため、インクの吐出安定性が優れたものとなる傾向にある。
〔界面活性剤〕
本実施形態で用いるインクは、界面活性剤を含むことが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。
これらの中でも、インクへの溶解度が大きくなりインク中に異物が一層発生し難くなるため、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される1種以上が好ましい。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、被記録媒体に付着したインクの濡れ性がより向上する傾向にある。
〔その他の成分〕
本実施形態で用いるインクは、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインクの劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。本実施形態で用いるインクは、揮発性成分中、水を最も多く含む水系インクとすることが、安全性の点で好ましい。
〔被記録媒体〕
本実施形態に係る記録方法は、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体への記録に用いるものである。吸収性被記録媒体は、耐水性や耐擦性などに劣り、表面にインク受容層を設けて構成した吸収性被記録媒体の場合、高コストとなる場合がある。それに対して、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体は、耐水性、耐擦性、表面にインク受容層を設けて構成した吸収性被記録媒体と比べて低コストの点で優れる。その反面、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体は、低吸収、さらには非吸収であるほどブリードが発生しやすく、ブリードの発生と記録速度の両立が困難となる。そこで、そのような非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に対して、本実施形態に係る記録方法を用いることが有利となり、非吸収性被記録媒体に対して用いると一層有利となる。
ここで、「低吸収性被記録媒体」または「非吸収性被記録媒体」は、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msecまでの水吸収量が10mL/m2以下である被記録媒体をいう。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
また、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体は、記録面の水に対する濡れ性によっても分類することができる。例えば、被記録媒体の記録面に0.5μLの水滴を滴下し、接触角の低下率(着弾後0.5ミリ秒における接触角と5秒における接触角の比較)を測定することによって被記録媒体を特徴付けることができる。より具体的には、被記録媒体の性質として、「非吸収性被記録媒体」の非吸収性は上記の低下率が1%未満のことを指し、「低吸収性被記録媒体」の低吸収性は上記の低下率が1%以上5%未満のことを指す。また、吸収性とは上記の低下率が5%以上のことを指す。なお、接触角はポータブル接触角計 PCA−1(協和界面科学株式会社製)等を用いて測定することができる。
低吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、表面に油性インクを受容するための塗工層が設けられた塗工紙が挙げられる。具体的には、表面に塗料を塗布し、美感や平滑さを高めた紙で、経済産業省の「生産動態統計分類」で印刷用塗工紙に分類されるものが挙げられる。塗料としては、クレー(カオリン)や炭酸カルシウムなどの無機化合物である白色顔料と、デンプンなどの接着剤(バインダー)を混合して作るものが挙げられる。塗料の塗布量としては10〜40g/m2程度が好ましい。塗工紙としては、特に限定されないが、例えば、アート紙、コート紙、マット紙、キャスト紙等の記録本紙が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インク吸収層を有していないプラスチックフィルム、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル等が挙げられる。
さらに上記の被記録媒体以外にも、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、ガラスなどのインク非吸収性又は低吸収性の記録媒体を用いることもできる。
〔インクセット〕
本実施形態のインクセットは、上記記録方法に用いる、第1インクと、第2インクと、を備え、上記記録方法に用いる、第1反応液及び第2反応液の少なくとも1つの反応液を備える。インクセットに備えられる反応液は、第1反応液及び第2反応液であっても、第1反応液及び第2反応液の両方として働く反応液であってもよい。このようなインクセットを用いることにより、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に複数のインクを重ねて記録した場合に、それらのインク間でのブリードが防止でき、インクの凝集ムラが抑制され、かつインクジェットノズルに目詰りが生じにくい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[反応液及びインク用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用した反応液及びインク用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
白色顔料:二酸化チタン NanoTek(R) Slurry シーアイ化成社製商品名
シアン顔料:C.I.ピグメントブルー15:3
〔多価金属塩〕
硫酸マグネシウム・7水和物(分子量246.47g/mol)
酢酸カルシウム・1水和物(分子量176.18g/mol)
硝酸カルシウム・4水和物(分子量164.09g/mol)
〔有機酸〕
コハク酸(分子量118.09g/mol)
〔界面活性剤〕
BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン社製)
〔樹脂エマルジョン〕
ジョンクリル62J(アクリルスチレン系樹脂、BASF社製)
〔受容層となる成分〕
スノーテックスZL(アニオン性コロイダルシリカ、日産化学工業社製)
〔カチオン性樹脂〕
アローベースCD−1200(カチオン樹脂エマルション、ユニチカ社製)
〔有機溶剤〕
1,2−ヘキサンジオール
プロピレングリコール
[反応液及びインクの調製]
各材料を下記の表1〜4に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、第1反応液、第2反応液、第1インク、及び第2インクをそれぞれ得た。なお、表面張力は、表面張力計(協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定した。
[実施例1〜20、比較例1〜6]
PX−G930(エプソン社製)の改造機を用いた。改造点はプラテンにヒーターを取り付け、被記録媒体を加熱可能とした点である。ノズルピッチは180dpiである。表1〜4に示す記録条件でインクジェット法により各ヘッドから、第1反応液、第1インク、第2反応液、及び第2インクの順で吐出し、非吸収性被記録媒体である東レ製PETフィルム「ルミラー S10」(商品名、厚み100μm)、又は、低非吸収性被記録媒体であるNPコート紙(リンテック製)上にそれぞれ付着させてベタパターンを形成した。この際、第1反応液のみ付着したパターン1と、第1反応液と第1インクとを重ねて付着したパターン2と、第1反応液と第1インクと第2反応液とを重ねて付着したパターン3と、第1反応液と第1インクと第2反応液と第2インクとを重ねて付着したパターン4と、をそれぞれ形成した。なお、パターン2〜4は互いに接するように同時に形成した。
具体的には、パターン4を形成する場合であれば、被記録媒体を予め表1〜4中の温度になるようヒーターで温度を調整してから、反応液を付着させて反応液からなるパターンを形成し、次に、反応液からなるパターン上に第1インクを付着させて第1反応液と第1インクからなるパターンを形成し、次にこのパターン上に第2反応液を付着させて第1反応液と第1インクと第2反応液からなるパターンを形成し、最後にこのパターン上に第2インクを付着させて第1反応液と第1インクと第2反応液と第2インクからなるパターン4を形成した。なお、第1反応液、第2反応液、第1インク、及び第2インクの付着中は、表1〜4に示す表面温度に保持されるようプラテンヒーターで被記録媒体の温度を調整した(ヒートアシスト)。また、第1インク付着工程後第2インク付着工程開始前(開始時)において、被記録媒体上の反応液及び第1インクの揮発成分の含有量を、乾燥率が表1〜4に示す値になるよう調整して第2インク付着工程を行った。なお、記録解像度は、720×720dpiとし、1ドット当たりの反応液量、インク量を調整し、反応液の付与量及び色材の付与量が表に示す付与量(付着量)となるようにした。なお、表2の実施例11の第1反応液の凝集剤の付与量と、表3の実施例18の第1反応液の凝集剤の付与量は、それぞれ、第1反応液の液体の付与量と第1反応液の組成から計算すると明らかなとおり145.7×10-5(mmol/inch2)である。また、表3の実施例19の第2インクの液体の付与量は、第2インクの色材の付与量と第2インクの組成から計算すると明らかなとおり14mg/inch2である。
〔第1反応液及び第1インクに含まれる揮発成分の乾燥率〕
第1インク付着工程後第2インク付着工程前(被記録媒体が第2インク用ヘッドと対向する位置に搬送されてきた時点)のパターン2における、第1反応液及び第1インクに含まれる揮発成分の乾燥率は、以下の式で算出した。ここで、Afは被記録媒体へ重ねて付着させる部分の第1反応液と第1インクの合計の付着量(mg)である。また、Aeは、記録物を使用するのに十分な状態まで第1反応液及び第1インクを乾燥(揮発)させた状態であり具体的には100℃で60分乾燥させた状態とした場合の被記録媒体上の第1反応液と第1インクの合計の残留物量である。さらに、Aは、第2反応液付着工程直前の被記録媒体上の第1反応液と第1インクの総質量である。
揮発成分の乾燥率%=(Af−A)/(Af−Ae))×100
Afはパターン3における第1反応液及び第1インクの付着量としてプリンタの吐出データと1ドット当たりの質量から求めることができる。Aは、第2反応液の付着を開始する時点の被記録媒体の質量と、第1反応液付着工程前の被記録媒体の質量を測定し差を取ることで求めることができる。揮発成分の乾燥率の測定の際には、測定用に用意した被記録媒体を用いることが簡便である。測定は、電子天秤を用いて行なった。測定の際は、第1反応液と第1インクを付着してからプラテンにて所定の加熱乾燥した際の乾燥時間と乾燥率の関係を予め求めて使用した。記録装置で記録を行う際には、第1反応液と第1インクを付着してから第2反応液を付着させるまでの時間を、上記で求めた乾燥時間と乾燥率の関係の何れかの時間とすることで所望の乾燥率に制御した。
[評価]
〔第1インクと第2インクの重ね合わせ記録時のブリード〕
表1〜4に記載の第2のインクに含まれる色材の付与量を100%として、その色材の付与量を30〜200%の間で変化させるように、パターン4における第2インクの付着量を制御して記録した記録物をそれぞれ得た。第1インクと第2インクの重ね合わせ記録時のブリードは、得られた記録物のパターン4とパターン2の接する部分を目視で観察し、下記評価基準で評価した。なお、「200%」は、複数色のカラーインクを用いて2次色以上の色を記録する場合の、複数色のインクの合計の最大の付着量を想定した値である。
(評価基準)
AA: 第2インクに含まれる色材の付与量が200%でも混色がない。
A: 第2インクに含まれる色材の付与量が100%までなら混色がない。
B: 第2インクに含まれる色材の付与量が50%までなら混色がない。
C: 第2インクに含まれる色材の付与量が30%でも混色が発生する。
〔被記録媒体上の第1反応液の析出〕
被記録媒体上の第1反応液の析出は、パターン1を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: 析出が認められない。
B: 析出が認められるが、白濁は認められない。
C: 析出が認められ、かつ白濁が認められる。
〔画像部の白濁〕
インクを付着した部分(画像部)の白濁は、パターン4を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: 白濁が認められない。
B: 白濁が認められる。
〔被記録媒体上の第1インクの凝集ムラ〕
被記録媒体上の第1インクの凝集ムラ(ベタムラ)は、パターン2を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: 第1インクに凝集ムラが認められない。
B: 第1インクに凝集ムラが若干認められる。
B’: 第1インクに凝集ムラが目立つ部分がまだら状に存在すると認められる。
C: 第1インクに凝集ムラが全体的にかなり認められる。
〔記録物の臭気〕
記録物の臭気は、パターン4に対し官能評価を行い、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: 臭気がない。
B: 臭気がわずかにある。
C: 臭気が非常にある。
〔記録物のべたつき〕
記録物のべたつきは、パターン4の印刷面同士を重ね合わせて、その貼り付きの程度に基づいて、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: 2枚の印字面同士を重ねた状態で1日放置しても貼り付きがない。(べたつきがない)
B: 2枚の印字面同士を重ねた状態で1日放置して、1枚を持ち上げるともう1枚も貼り付いて持ち上げられるが、1分以内に剥がれ落ちる。(わずかにべたつきがある。)
C: 2枚の印字面同士を重ねた状態で1日放置して、1枚を持ち上げるともう1枚も貼り付いて持ち上げられ、1分以上経過しても剥がれ落ちない。(べたつきがある。)
〔記録速度〕
記録速度は、パターン4が得られる記録速度に基づいて、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: A4サイズの被記録媒体1枚に30秒未満で記録できる。
B: A4サイズの被記録媒体1枚に30秒〜1分で記録できる。
C: A4サイズの被記録媒体1枚に1分を超えれば記録できる。
〔目詰まり信頼性〕
目詰まり信頼性は、パターン4をA4サイズの被記録媒体50枚に記録した後のノズルを目視で観察し、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
A: 被記録媒体に50枚記録してもノズル抜けもノズル曲がりも発生しない。
B: 被記録媒体に50枚記録すると、ノズル抜けは発生しないがノズル曲がりが発生する。
C: 被記録媒体に50枚記録すると、ノズル抜け及びノズル曲がりが発生する。
Figure 2015147405
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実施例と比較例との対比により、本発明の記録方法であれば、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体上に複数のインクを重ねて記録した場合に、それらのインク間でのブリードが防止でき、インクの凝集ムラが抑制され、かつインクジェットノズルに目詰りが生じにくいことが分かった。
また、比較例1及び4と実施例との対比により、第1反応液及び第2反応液が凝集剤を含まない場合には、第1インクと第2インクの重ね合わせ記録時のブリード、及び第1インクの凝集ムラが生じることが分かった。
また、比較例2と実施例との対比により、第1反応液が凝集剤を含まない場合には、第1インクの凝集ムラが生じることが分かった。
また、比較例3と実施例との対比により、第2反応液が凝集剤を含まない場合には、第1インクと第2インクの重ね合わせ記録時のブリードが生じることが分かった。
また、比較例5と実施例との対比により、加熱により乾燥率を高めることにより記録速度を維持しつつ、第1インクの凝集ムラを抑制できるが、第1反応液及び第2反応液が凝集剤を含まないことにより目詰まり信頼性が劣ることが分かった。
さらに、比較例6と実施例との対比により、第2反応液を用いないと、第1インクと第2インクの重ね合わせ記録時のブリードが生じることが分かった。
実施例19と他の実施例との対比により、被記録媒体としてコート紙を用いることにより、コート紙に小量のインクが吸収されるため、第1インクと第2インクの重ね合わせ記録時のブリードが抑制されることが分かった。
実施例20と他の実施例との対比により、第1反応液の表面張力が65mN/m未満であると、第1インクの凝集ムラが抑制され、第1反応液の析出が抑制されることが分かった。
1…インクジェット記録装置、10…給送部、11…ロール媒体ホルダー、20…搬送部、21…第1送りローラー、30…記録部、31…ヘッド、32…ヘッド、33…ヘッド、34…ヘッド、35…プラテン、40…第1乾燥部、43…第2送りローラー、50…第2乾燥部、64…出口、65…第3送りローラー、70…排出部、71…第4送りローラー、72…第5送りローラー、73…第6送りローラー、74…第7送りローラー、75…巻き取りローラー、90…乾燥装置、F…被記録媒体、Y…送り方向。

Claims (12)

  1. 非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体に、第1反応液と、色材を含む第1インクと、第2反応液と、色材を含む第2インクとを、この順番で重ねて付着させる工程を有し、
    前記第1反応液は、前記第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含み、
    前記第2反応液は、前記第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む、
    記録方法。
  2. 前記第1インク及び前記第2インクの一方が、カラー色材を含むカラーインク又はブラック色材を含むブラックインクであり、
    前記第1インク及び前記第2インクの他方が、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクである、請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記第1反応液が、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含む、請求項1又は2に記載の記録方法。
  4. 前記第2反応液が、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録方法。
  5. 前記第2反応液が、前記第2インクの受容層となる成分又はカチオン樹脂の少なくとも1つをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録方法。
  6. 前記第2反応液に含まれる、前記第2インクの受容層となる前記成分又は前記カチオン樹脂の少なくとも1つの前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)に対する、前記第2インクに含まれる前記色材の付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比が、3〜30である、請求項5に記載の記録方法。
  7. 前記第1インクが、白色色材を含む白インク又はメタリック色材を含むメタリックインクである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録方法。
  8. 前記第1反応液に含まれる前記凝集剤の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:mol)に対する、前記第1インクに含まれる前記色材の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比が、900〜35000である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 前記被記録媒体が、非吸収性被記録媒体である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記第1反応液が、界面活性剤を含み、かつ表面張力が50mN/m以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録方法。
  11. 前記第2反応液に含まれる前記凝集剤の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:mol)に対する、前記第2インクに含まれる前記色材の前記被記録媒体への付着領域の単位面積当たりの付着量(単位:g)の比が900〜35000である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録方法に用いる、色材を含む前記第1インクと、色材を含む前記第2インクと、を備え、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録方法に用いる、前記第1インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む第1反応液及び前記第2インクの成分を凝集又は増粘させる凝集剤を含む第2反応液として用いる少なくとも1つの反応液を備える、インクセット。
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