JP2015132654A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

静電潜像現像用トナー Download PDF

Info

Publication number
JP2015132654A
JP2015132654A JP2014002685A JP2014002685A JP2015132654A JP 2015132654 A JP2015132654 A JP 2015132654A JP 2014002685 A JP2014002685 A JP 2014002685A JP 2014002685 A JP2014002685 A JP 2014002685A JP 2015132654 A JP2015132654 A JP 2015132654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
resin
toner core
shell layer
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014002685A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6057928B2 (ja
Inventor
正倫 菅原
Masamichi Sugawara
正倫 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Document Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Document Solutions Inc filed Critical Kyocera Document Solutions Inc
Priority to JP2014002685A priority Critical patent/JP6057928B2/ja
Publication of JP2015132654A publication Critical patent/JP2015132654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6057928B2 publication Critical patent/JP6057928B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】耐熱保存性、トナー粒子の帯電量の安定性、及び低温定着性に優れ、高温で定着を行う場合のオフセットの発生を抑制でき、光沢度に優れた画像を形成できる、静電潜像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】静電潜像現像用トナーは、トナーコアと、トナーコアの表面を被覆するシェル層とからなるトナー粒子を含む。トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下である。シェル層は、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を含む樹脂からなる。熱硬化性樹脂のモノマーとして、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂のモノマーを用いる。トナーコアとシェル層との界面には、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子が存在する。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナーに関する。
トナーに関して、省エネルギー化、及び装置の小型化のような観点から、定着ローラーを極力加熱することなく良好に定着可能な、低温定着性に優れるトナーが望まれている。しかし、低温定着性に優れるトナーの調製には、融点やガラス転移点の低い結着樹脂や、低融点の離型剤が使用されることが多い。そのため、このようなトナーを高温で保存する場合にトナーに含まれるトナー粒子が凝集しやすいという問題がある。トナー粒子が凝集した場合、凝集しているトナー粒子の帯電量が、他の凝集していないトナー粒子と比較して低下しやすい。
そこで、従来より低い温度域においても定着性に優れるトナーを得る目的、高温でのトナーの保存安定性の向上の目的、及びトナーの耐ブロッキング性の向上の目的で、低融点の結着樹脂を含むトナーコアが、トナーコアに含まれる結着樹脂のガラス転移点(Tg)よりも高いTgを有する樹脂からなるシェル層により被覆されているコア−シェル構造のトナー粒子を含むトナーが使用されている。
このようなコア−シェル構造のトナー粒子として、熱硬化性樹脂を含む薄膜でトナーコアの表面が被覆されており、トナーコアの軟化温度が40℃以上150℃以下であるトナーが提案されている(特許文献1参照)。
また、従来知られている低温定着性に優れるトナーを用いて画像を形成する場合、定着温度が高いと、溶融したトナー粒子の加熱された定着ローラーへの融着に起因するオフセットが発生する問題がある。このような高温定着時のオフセットの発生を抑制する目的で、結着樹脂中で所定の粒子径に分散された離型剤を含むトナー粒子を含有するトナーが提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−138985号公報 特開平8−328293号公報
しかし、特許文献1に記載のトナーは、トナーコアが低温で軟化可能であるように設計されているものの、必ずしも、低温で良好に定着されるわけではない。また、特許文献2に記載のトナーを用いて画像を形成する際、トナーコアに含まれる離型剤の分散状態によっては、形成画像の光沢度が低下しやすい問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、耐熱保存性、トナー粒子の帯電量の安定性、及び低温定着性に優れ、高温で定着を行う場合のオフセットの発生を抑制でき、光沢度に優れた画像を形成できる、静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明は、結着樹脂、及び離型剤を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とからなるトナー粒子を含む、静電潜像現像用トナーであって、
下記1)〜4)の工程により求められる、前記トナーコアの表面の前記離型剤の体積(Vr)と前記結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下であり、
前記シェル層が、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を含む樹脂からなり、
前記熱硬化性樹脂が、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂であり、
前記トナーコアと、前記シェル層との界面に、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子が存在する、静電潜像現像用トナーに関する。
1)FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法を用いて、前記離型剤の赤外吸収スペクトルと、前記結着樹脂の赤外吸収スペクトルとを測定し、前記離型剤の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wrと、前記結着樹脂の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数であって、波数Wrとは異なる波数Wbとを定める工程、
2)前記体積比(Vr/Vb)がそれぞれ異なる、前記離型剤と前記結着樹脂とからなる複数のサンプルの赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定する工程、
3)2)で測定した複数のサンプルの赤外吸収スペクトルから、1)の工程で定めた、前記波数Wrのピークの強度Prと、前記波数Wbのピークの強度Pbとの強度比(Pr/Pb)を算出し、強度比(Pr/Pb)と、体積比(Vr/Vb)との関係について検量線を作成する工程、及び
4)前記トナーコア表面の赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定し、前記トナーコア表面の赤外吸収スペクトル中の、前記波数Wrのピークの強度Prと、前記波数Wbのピークの強度Pbとから算出される、強度比(Pr/Pb)の値を基に、3)で作成した検量線から、前記トナーコア表面の体積比(Vr/Vb)を求める工程。
本発明によれば、耐熱保存性、トナー粒子の帯電量の安定性、及び低温定着性に優れ、高温で定着を行う場合のオフセットの発生を抑制でき、光沢度に優れた画像を形成できる、静電潜像現像用トナーを提供できる。
高架式フローテスターを用いる軟化点の測定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)に含まれるトナー粒子は、結着樹脂及び離型剤を含むトナーコアと、トナーコアを被覆するシェル層と、からなる。トナーコアと、シェル層との界面には、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子が存在する。
トナーに含まれるトナー粒子は、必要に応じて、トナー粒子(トナー母粒子)の表面が外添剤を用いて処理されたものであってもよい。トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。以下、トナーコアを構成する必須、又は任意の成分である、結着樹脂、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉と、親水性微粒子と、シェル層を構成する樹脂と、外添剤と、トナーを2成分現像剤として使用する場合に用いるキャリアと、トナーの製造方法とについて順に説明する。
[結着樹脂]
結着樹脂としては、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。後述するように、本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、熱硬化性樹脂のモノマーを含むシェル層の材料を硬化させて、トナーコアの表面をシェル層で被覆して調製される。結着樹脂として、水酸基やカルボキシル基のように熱硬化性樹脂のモノマーと反応し得る官能基を有する結着樹脂を用いる場合、結着樹脂を含むトナーコアの表面にはこれらの官能基が露出している。このため、水酸基やカルボキシル基のような官能基を有する結着樹脂を用いる場合、トナーコアの表面をシェル層で被覆する際に、メチロールメラミンのような熱硬化性樹脂のモノマーと、トナーコアの表面に露出する水酸基やカルボキシル基のような官能基とが反応して、トナーコアとシェル層との間に共有結合が形成される。従って、水酸基やカルボキシル基のような官能基を有する結着樹脂が含まれるトナーコアを含むトナー粒子では、シェル層とトナーコアとが強固に結合している。
水酸基やカルボキシル基のような官能基を有する結着樹脂の具体例としては、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリビニルアルコール系樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナーコア中の着色剤の分散性、トナー粒子の帯電性と、用紙に対する定着性との面から、ポリエステル樹脂が好ましい。以下、ポリエステル樹脂について説明する。
結着樹脂として使用されるポリエステル樹脂は、従来トナー用の結着樹脂として使用されているポリエステル樹脂から適宜選択できる。ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合ないし共縮重合して得られるものを使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分や2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、及びポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、及びイソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、保存安定性、形態保持性、及び耐久性のようなトナー特性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、30℃以上60℃以下が好ましく、35℃以上55℃以下がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点は、以下の方法に従って測定することができる。
<ガラス転移点測定方法>
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、結着樹脂の比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置として示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル株式会社製DSC−6200)を用い、結着樹脂の吸熱曲線を測定することで決着樹脂のガラス転移点(Tg)を求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分、という条件で測定して得られた結着樹脂の吸熱曲線より結着樹脂のガラス転移点(Tg)を求めることができる。
結着樹脂の軟化点(Tm)は、60℃以上150℃以下が好ましく、70℃以上140℃以下がより好ましい。また、異なるTmを有する複数の樹脂を、結着樹脂の軟化点が上記の範囲内の値となるように組み合わせて用いることもできる。結着樹脂の軟化点は、以下の方法に従って測定できる。
<軟化点測定方法>
高架式フローテスター(例えば、CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて結着樹脂の軟化点(Tm)の測定を行う。測定試料を高架式フローテスターにセットし、ダイス細孔経1mm、プランジャー荷重20kg/cm、昇温速度6℃/分の条件で、1cmの試料を溶融流出させて軟化点(Tm)を測定する。高架式フローテスターの測定により得られる、温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブから、結着樹脂の軟化点(Tm)を読み取る。
軟化点(Tm)の読み取り方を、図1を用いて説明する。ストロークの最大値をSとし、低温側のベースラインのストローク値をSとする。S字カーブ中の、ストロークの値が(S+S)/2となる温度を、測定試料の軟化点(Tm)とする。
[離型剤]
トナーコアは、トナーの定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含む。
好適な離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、及び酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、及びライスワックスのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、及び鯨ろうのような動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、及びベトロラクタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、及びカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部、又は全部を脱酸化したワックスが挙げられる。
離型剤の融点は、60℃以上90℃以下が好ましい。融点がこのような範囲内の離型剤を含むトナーコアを用いて調製されたトナー粒子を含むトナーは、低温定着性に優れ、高温で定着を行う場合オフセットの発生を抑制できる。
離型剤の使用量は、トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下となるように適宜調整される。典型的には、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。
[着色剤]
トナーコアは必要に応じて、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料を用いることができる。好適な着色剤の具体例としては以下の着色剤が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラックが挙げられる。黒色着色剤としては後述するイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
トナーがカラートナーである場合に、トナーコアに配合される着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリルアミド化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194;ネフトールイエローS、ハンザイエローG、及びC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物のような着色剤が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66;フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、及びC.I.アシッドブルーが挙げられる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましく、3質量部以上10質量部以下がより好ましい。
[電荷制御剤]
電荷制御剤は、帯電レベルや、所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。シェル層中に帯電機能を有する成分が含まれる場合、トナーコアに電荷制御剤を使用しなくてもよい。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
[磁性粉]
トナーコアには、必要に応じて、結着樹脂中に磁性粉を配合してもよい。このようにして製造される磁性粉を含むトナーコアを用いて製造されたトナー粒子を含むトナーは、磁性1成分現像剤として使用される。好適な磁性粉としては、フェライト、及びマグネタイトのような鉄;コバルト、及びニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下がより好ましい。このような範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉の使用量は、トナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全量を100質量部とする場合に、35質量部以上60質量部以下が好ましく、40質量部以上60質量部以下がより好ましい。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とする場合に、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
[親水性微粒子]
本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、トナーコアとシェル層との界面に存在する、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子を備える。
本発明のトナーの製造に用いられるトナーコアについて、トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下である。このため、トナーコアの表面には、トナーコアの中心部と比較して、多量の離型剤が存在している。しかし、トナーコアの表面の離型剤が露出する部分では、シェル層の形成が良好に進行しにくい問題がある。
しかし、トナーコアとして、その表面に多量の離型剤が存在するトナーコアを使用する場合であっても、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子をトナーコアの表面に付着させた後に、熱硬化性樹脂のモノマーを含むシェル層の材料を硬化させてシェル層を形成すると、トナーコアの表面でのシェル層の形成が良好に進行する。また、このようにして形成されるシェル層は、特定の官能基を備える親水性微粒子を介して、トナーコアの表面に強固に結合する。
水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子は、有機微粒子であっても無機微粒子であってもよい。水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子としては、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を有する樹脂の微粒子や、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を有するカップリング剤で表面が処理された無機微粒子が挙げられる。親水性微粒子の調製に用いられる無機微粒子としては、シリカ、酸化亜鉛、アルミナ、及びチタニアのような無機酸化物の微粒子が挙げられる。
親水性微粒子の体積平均粒子径は、0.01μm以上1.00μm以下が好ましい。体積平均粒子径がこのような範囲の親水性微粒子が、トナーコアとシェル層との界面に存在するトナー粒子を含むトナーは、シェル層が均一に形成されており、十分な強度のシェル層が形成されやすい。
親水性微粒子の使用量は、トナーコアの質量に対して0.5質量%以上2.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
[シェル層を構成する樹脂]
シェル層を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を含む。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位とは、メラミンのようなモノマーにホルムアルデヒドに由来するメチレン基(−CH−)が導入された単位を意味する。シェル層は、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂のモノマーに由来する単位を含む樹脂からなる。以下、シェル層を構成する樹脂を形成する際に、好適に使用できる、熱硬化性樹脂のモノマーについて説明する。
〔熱硬化性樹脂のモノマー〕
熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を樹脂に導入するために用いられるモノマーは、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の熱硬化性樹脂の形成に使用されるモノマー及び初期縮合物である。
メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物である。メラミン樹脂の形成に使用されるモノマーはメラミンである。尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物である。尿素樹脂の形成に使用されるモノマーは尿素である。グリオキザール樹脂は、グリオキザールと尿素との反応物と、ホルムアルデヒドとの重縮合物である。グリオキザール樹脂の形成に使用されるモノマーは、グリオキザールと尿素との反応物である。メラミン、尿素及びグリオキザールと反応させる尿素は、周知の変性を受けていてもよい。熱硬化性樹脂のモノマーは、シェル層の形成前にホルムアルデヒドによりメチロール化された誘導体として使用できる。
シェル層を構成する樹脂には、メチロール基やアミノ基のような上述の熱硬化性樹脂のモノマーが有する官能基との反応性を有する官能基を持つ熱可塑性樹脂に由来する単位を導入してもよい。このように、シェル層を構成する樹脂に、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位と、熱可塑性樹脂に由来する単位とを含有させることで、熱可塑性樹脂に由来する単位に起因する適度な柔軟性を有すると共に、熱硬化性樹脂のモノマーが形成する三次元の架橋構造に起因する適度な機械的強度を有するシェル層を備えるトナー粒子を得ることができる。
メチロール基やアミノ基のような上述の熱硬化性樹脂のモノマーが有する官能基との反応性を有する官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基のような活性水素原子を含む官能基が挙げられる。アミノ基は、カルバモイル基(−CONH)として熱可塑性樹脂中に含まれてもよい。シェル層の形成が容易であることから、熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリルアミドに由来する単位を含む樹脂や、カルボジイミド基、オキサゾリン基、及びグリシジル基のような官能基を有するモノマーに由来する単位を含む樹脂が好ましい。
シェル層を構成する樹脂中の、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100%が最も好ましい。
シェル層の厚さは、1nm以上20nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。厚過ぎるシェル層を備えるトナー粒子を含むトナーを用いて画像を形成する場合、トナーを被記録媒体へ定着させる際にトナー粒子に圧力が印加されても、シェル層が破壊されにくい。この場合、トナーコアに含まれる結着樹脂や離型剤の軟化又は溶融が速やかに進行せず、低温域でトナーを被記録媒体上に定着させにくい。一方、薄過ぎるシェル層は、強度が低い。シェル層の強度が低いと、輸送時のような状況での衝撃によってシェル層が破壊される場合がある。高温でトナーを保存する場合、シェル層の少なくとも一部が破壊されたトナー粒子は凝集することがある。高温条件下では、シェル層が破壊された箇所を通じて離型剤のような成分がトナー粒子の表面に染み出することがあるためである。
シェル層の厚さは、トナー粒子の断面のTEM撮影像を市販の画像解析ソフトウェアを用いて解析することによって、計測できる。市販の画像解析ソフトウェアとしては、WinROOF(三谷商事株式会社製)のようなソフトウェアを用いることができる。具体的には、トナーの断面の略中心で直交する2本の直線を引き、当該2本の直線上の、シェル層と交差する4箇所の長さを測定する。このようにして測定される4箇所の長さの平均値を、測定対象の1個のトナー粒子が備えるシェル層の厚さとする。このようなシェル層の厚さの測定を、10個以上のトナー粒子に対して行い、測定対象の複数のトナー粒子それぞれが備えるシェル層の膜厚の平均値を求める。求められる平均値を、トナー粒子が備えるシェル層の膜厚とする。
シェル層が薄すぎる場合、TEM画像上でシェル層とトナーコアとの界面が不明瞭であるため、シェル層の厚さの測定が困難である場合がある。このような場合、TEM撮影と、エネルギー分散X線分光分析(EDX)とを組み合わせて、TEM画像中で、窒素のようなシェル層の材質に特徴的な元素のマッピングを行い、シェル層とトナーコアとの界面を明確化して、シェル層の厚さを計測すればよい。
シェル層の厚さは、シェル層を形成するために使用される熱硬化性樹脂のモノマーのような材料の使用量を調整することで、調整できる。シェル層の厚さは、トナーコアの比表面積に対する、熱硬化性樹脂のモノマーの量から、下記式を用いて求めることもできる。
シェル層の厚さ=熱硬化性樹脂のモノマーの量/トナーコアの比表面積
[外添剤]
本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、必要に応じてその表面に外添剤を付着させてもよい。なお、本出願の明細書、及び特許請求の範囲では、外添剤により処理される前の粒子を、トナー母粒子と記載する場合がある。
外添剤としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。
外添剤の粒子径は、0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下が好ましい。
[キャリア]
トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用できる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂で被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、及びコバルトのような粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、及びアルミニウムのような金属との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、及び鉄−コバルト合金のような粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、及びニオブ酸リチウムのようなセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、及びロッシェル塩のような高誘電率物質の粒子、並びに樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリアが挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂としては、具体的に、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、及びポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、及びポリフッ化ビニリデン)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、及びアミノ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、電子顕微鏡により測定される粒子径で、20μm以上120μm以下が好ましく、25μm以上80μm以下がより好ましい。
トナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下が好ましい。
[トナーの製造方法]
トナーの製造方法は、トナーコアと、シェル層との界面に、上述の親水性微粒子が存在し、且つ、トナーコアを前述の所定の材質からなるシェル層で被覆できる方法であれば特に限定されない。
以下、本発明の静電潜像現像用トナーの好適な製造方法に関して、トナーコアの製造方法と、シェル層の形成方法とについて順に説明する。
〔トナーコアの製造方法〕
トナーコアの製造方法としては、トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下となるように、結着樹脂中に離型剤を分散させることができる方法であれば特に限定されず、公知の方法から適宜選択できる。トナーコアを調製する際には、離型剤と共に、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉のような成分を結着樹脂中に分散させてもよい。トナーコアの製造方法としては、粉砕法と、凝集法とが挙げられる。
<粉砕法>
粉砕法は、必須成分である結着樹脂及び離型剤と、必要に応じて着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉のような任意成分とを混合した後、混合物を溶融混練して得られる溶融混練物を、粉砕、分級して、所望の粒子径のトナーコアを得る方法である。粉砕法は、後述の凝集法と比較して、トナーコアの調製が容易である利点を有する。一方で、粉砕法は、粉砕工程を経てトナーコアを得るがゆえに、平均円形度の高いトナーコアを得にくい点で、凝集法よりも不利である。しかし、後述するシェル層の形成工程では、シェル層の原料の加熱によりシェル層の硬化反応が進行する際に、トナーコアが表面張力によって収縮することや、やや軟化することでトナーコアが球形化される。従って、トナーコアを粉砕法で製造する場合、トナーコアの平均円形度が幾分低くても大きなデメリットとはならない。以上より、本発明のトナーの製造に用いるトナーコアの製造方法としては、粉砕法が特に好ましい。
<凝集法>
凝集法では、結着樹脂、離型剤、及び着色剤のようなトナーに含まれる成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて凝集粒子を得た後、凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させてトナーコアを含む水性分散液を得る。水性分散液から分散剤のような成分を除去し、洗浄したトナーコアを用いて、後述の方法でトナーコアにシェル層を形成する。このような手順により、粉砕法でトナーコアを製造した場合と同様のトナー粒子(トナー母粒子)を得られる。
本発明のトナーの調製に用いられるトナーコアについて、トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下である。この体積比(Vr/Vb)は、以下の工程1)〜4)を含む方法により求められる。
1)FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法を用いて、離型剤の赤外吸収スペクトルと、結着樹脂の赤外吸収スペクトルとを測定し、離型剤の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wrと、結着樹脂の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数であって、波数Wrとは異なる波数Wbとを定める工程、
2)体積比(Vr/Vb)がそれぞれ異なる、離型剤と結着樹脂とからなる複数のサンプルの赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定する工程、
3)2)で測定した複数のサンプルの赤外吸収スペクトルから、1)の工程で定めた、波数Wrのピークの強度Prと、波数Wbのピークの強度Pbとの強度比(Pr/Pb)を算出し、強度比(Pr/Pb)と、体積比(Vr/Vb)との関係について検量線を作成する工程、及び
4)トナーコア表面の赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定し、トナーコア表面の赤外吸収スペクトル中の、波数Wrのピークの強度Prと、波数Wbのピークの強度Pbとから算出される、強度比(Pr/Pb)の値を基に、3)で作成した検量線から、トナーコア表面の体積比(Vr/Vb)を求める工程。
上述の体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下であるトナーコアを用いて調製されたトナー粒子を含むトナーは、高温で定着を行う場合オフセットの発生を抑制でき、光沢度に優れた画像を形成できる。
体積比(Vr/Vb)が低すぎるトナーコアを用いて調製されたトナー粒子を含むトナーを用いて画像を形成する場合、高温で定着を行う際にオフセットが生じることがある。体積比(Vr/Vb)が高すぎるトナーコアを用いて調製されたトナー粒子を含むトナーを用いて画像を形成する場合、光沢に優れる画像を形成しにくいことがある。以下、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法を用いた赤外吸収スペクトルの測定方法について説明する。
<FTIR−ATR法を用いた赤外吸収スペクトルの測定方法>
FTIR−ATR法の分析深さは、その測定原理に基づいて、トナーコア表面から0.3μm程度である。この分析により、トナーコアの表面から深さ0.3μmまでの領域における、相対的な離型剤の体積を求めることができる。具体的には以下の通りである。
まず、トナーコア3gを、自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E(株式会社前川試験機製作所製))を用いて6tの荷重で1分間プレスすることで、直径40mm、厚さ2mmの円盤型のペレットを作製する。得られたペレットの表面の赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定する。赤外吸収スペクトルは、Spectrum One(PerkinElmer社製)にマルチスコープFTIRユニットを取り付けた顕微FTIR装置を用いて、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶を用いるマイクロATR法により測定される。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回の条件で測定を行う。
測定により得られる、離型剤の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wrとしては、例えば、離型剤がカルナバワックスである場合、2850cm−1が挙げられる。結着樹脂の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数であって、波数Wrとは異なる波数Wbとしては、例えば、結着樹脂がポリエステル樹脂である場合、828cm−1が挙げられる。また、波数Wrでのピークの強度Pr、及び波数Wbでのピークの強度Pbとから算出される強度比(Pr/Pb)は、測定対象の測定場所を変えて、3回測定した赤外吸収スペクトルから算出した強度比(Pr/Pb)の平均値を用いる。
トナーコアの表面についての体積比(Vr/Vb)を所定の範囲内に調整する方法としては、トナーコアを熱処理する方法が挙げられる。トナーコアを熱処理することで、トナーコア内部からトナーコア表面への離型剤の染み出しが生じる。このため、トナーコアを熱処理すると、トナーコアの表面についての体積比(Vr/Vb)が高まる。好適な、熱処理方法としては、サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製)のような熱処理装置を用いる方法が挙げられる。
熱処理条件は、温度に関して300℃以上500℃以下が好ましい。熱処理は、トナーコアに含まれる離型剤以外の成分の溶融や、トナーコア同士の融着を避けるため、通常、瞬間的(0.01〜0.1秒程度)に行われる。
また、結着樹脂と離型剤との親和性が低い場合、トナーを構成する成分を溶融混練して得られる溶融混練物を、粉砕・分級してトナーコアを得る際に、分級装置としてローター回転式分級機を用い、分級機の回転数を適宜調整することで、体積比(Vr/Vb)を所定の範囲内に調整することができる。
結着樹脂と離型剤との親和性が低い場合、溶融混練物を粉砕する際に、結着樹脂に分散した離型剤の一部が結着樹脂から剥離し、粉砕物中には離型剤の微粒子が含まれる。離型剤の微粒子を含む粉砕物を、ローター回転式分級機を用いて分級する場合、分級機中で離型剤の微粒子がトナーコアと衝突することで、離型剤の微粒子がトナーコアの表面に張り付く。そして、ローター回転式分級機の回転数を上げるほど、離型剤の微粒子はトナーコアの表面に張り付きやすい。このため、上記方法において、ローター回転式分級機を用いて分級を行う際の、分級機の回転数を調整することで、トナーコアの表面についての体積比(Vr/Vb)を調整することができる。
トナーコアのpH4に調整された水性媒体中で測定されるゼータ電位は、負極性であるのが好ましく、−10mV以下であるのがより好ましい。以下、pH4に調整された水性媒体中でのトナーコアのゼータ電位の具体的な測定方法を説明する。
<pH4の水性媒体中でのトナーコアのゼータ電位の測定方法>
トナーコア0.2gと、イオン交換水80g(mL)及び1%濃度のノニオン系界面活性剤(ポリビニルピロリドン、K−85(日本触媒株式会社製))20gとを、マグネットスターラーを用いて混合し、トナーコアを均一に溶媒に分散させて分散液を得る。その後、分散液に希塩酸を加えて、分散液のpHを4に調整し、pH4のトナーコアの分散液を得る。pH4のトナーコアの分散液を測定試料として用い、分散液中のトナーコアのゼータ電位を、ゼータ電位・粒度分布測定装置(Delsa Nano HC(ベックマン・コールター社製))を用いて測定する。
標準キャリアと、標準キャリアに対して7質量%のトナーコアとをターブラミキサーを用いて30分間混合する場合のトナーコアの摩擦帯電量は、負極性であるのが好ましく、−10μC/g以下であるのがより好ましい。以下、摩擦帯電量の具体的な測定方法を説明する。
<摩擦帯電量の測定方法>
日本画像学会から提供される標準キャリアN−01(負帯電極性トナー用標準キャリア)と、トナーコアとを、ターブラミキサーを用いて30分間混合する。この時、トナーコアの使用量は、標準キャリアの質量に対して7質量%である。混合後、トナーコアの摩擦帯電量を、QMメーター(MODEL 210HS−2A(TREK社製))を用いて測定する。このようにして測定されるトナーコアの摩擦帯電量は、トナーコアが正負何れの極性に帯電されやすいかと、トナーコアの帯電されやすさの指標となる。
〔シェル層の形成方法〕
本発明のトナーに含まれるトナー粒子のシェル層は、下記工程I)、II)、及びIII):
I)トナーコアを熱処理する工程、
II)工程I)で熱処理されたトナーコアの表面に親水性微粒子を付着させ、親水性微粒子で表面処理されたトナーコアを得る工程、及び
III)工程II)で表面処理されたトナーコアの表面にシェル層を形成する工程、
を含む方法を用いて形成されるのが好ましい。
以下、工程I):トナーコアを熱処理する工程、工程II):親水性微粒子で表面処理されたトナーコアを得る工程、及び工程III):トナーコアの表面にシェル層を形成する工程についてそれぞれ説明する。
(工程I):トナーコアを熱処理する工程)
トナーコアの熱処理方法は、トナーコアの表面についての体積比(Vr/Vb)の調整方法について前述した通りである。
(工程II):親水性微粒子で表面処理されたトナーコアを得る工程)
本発明のトナーでは、トナーコアとシェル層との界面に親水性微粒子が存在する。このため、シェル層を形成する前に、トナーコアは、その表面が親水性微粒子で処理される。親水性微粒子を用いて表面処理されたトナーコアの表面に、さらに、シェル層が形成されることで、トナーコアとシェル層との界面に親水性微粒子が存在するトナーを得ることができる。
親水性微粒子をトナーコアの表面に付着させる方法は、トナーコアの表面に親水性微粒子を十分な強度で付着させることができる方法であれば特に限定されない。具体的な方法としては、親水性微粒子がトナーコアの表面に埋没し過ぎないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機を用いて、トナーコアと親水性微粒子とを混合する方法が挙げられる。
トナーコアの表面は親水性微粒子で処理され、トナーコアの表面に親水性微粒子が十分な強度で付着される。このようなトナーコアを水性媒体中に分散させる場合、その表面の親水性微粒子の作用により、トナーコアが水性媒体中に良好に分散される。このため、トナーコアの表面を容易にシェル層で均一に被覆できる。
トナーコアの表面に親水性微粒子を付着させた後、後述する方法を用いて、トナーコアの表面にシェル層を形成させることで、トナーコアとシェル層との界面に親水性微粒子を存在させることができる。
(工程III):トナーコアの表面にシェル層を形成する工程)
トナーコアを被覆するシェル層は、メラミン、尿素、及びグリオキザールと尿素との反応物や、これらとホルムアルデヒドとの付加反応によって生成される前駆体(メチロール化物)と、必要に応じて、熱可塑性樹脂とを用いて形成される。また、シェル層を形成する際には、シェル層の形成に用いる溶媒に対する、結着樹脂の溶解や、トナーコアに含まれる離型剤のような成分の溶出を防ぐ必要がある。このため、シェル層の形成は、水のような溶媒中で行われるのが好ましい。
シェル層の形成は、シェル層を形成するための材料の水溶液にトナーコアを添加して行われるのが好ましい。水性媒体中にトナーコアを添加した後、水性媒体中にトナーコアを良好に分散させる方法としては、分散液を強力に撹拌できる装置を用いてトナーコアを水性媒体中に機械的に分散させる方法が挙げられる。
分散液を強力に撹拌できる装置を用いてトナーコアを水性媒体中に機械的に分散させる方法では、ハイビスミックス(プライミックス株式会社製)のような装置を用いるのが好ましい。
シェル層を形成するための材料の水溶液のpHは、トナーコアを水溶液に添加前に酸性物質を用いて4程度に調整されるのが好ましい。分散液のpHを酸性側に調整することで、後述するシェル層を形成させるために用いられる材料の重縮合反応が促進される。
必要に応じてシェル層を形成するための材料の水溶液のpHを調整した後、水性媒体中で、シェル層を形成するための材料とトナーコアとを混合する。その後、水性分散液中で、トナーコアの表面でのシェル層を形成させるための材料間の反応を進行させて、トナーコアの表面を被覆するシェル層を形成する。
トナーコアの表面でシェル層を形成する際の温度は、40℃以上95℃以下が好ましく、50℃以上80℃以下がより好ましい。このような範囲内の温度下でシェル層を形成することで、シェル層の形成が良好に進行する。
前述のようにしてシェル層を形成した後、シェル層で被覆されたトナーコアを含む水性分散液を常温まで冷却して、トナー粒子(トナー母粒子)の分散液を得ることができる。このように、トナーコアの表面を親水性微粒子で処理した後、シェル層を形成するため、通常、シェル層中には親水性微粒子が含まれることはない。しかし、前述するシェル層の形成方法において、トナーコアを溶媒中に分散させる際に、トナーコアの表面から脱離する親水性微粒子も存在する。このような親水性微粒子は、極まれに、シェル層中に存在する親水性微粒子としてトナー粒子に含まれる場合がある。基本的に、本発明に係るトナーが備えるシェル層は、その内部に親水性微粒子を含まない。しかし、前述するような原因によって不可避的に生じる、少量の親水性微粒子のシェル層内での存在は許容される。
トナーコアにシェル層を形成した後、必要に応じて、トナー粒子(トナー母粒子)を洗浄する洗浄工程、トナー粒子(トナー母粒子)を乾燥する乾燥工程、及び、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる外添工程から選択される1以上の工程を経て、トナー粒子(トナー母粒子)の分散液からトナーが回収される。以下、洗浄工程、乾燥工程、及び外添工程について説明する。
(洗浄工程)
トナー粒子(トナー母粒子)は、必要に応じて、水を用いて洗浄される。好適な洗浄方法としては、トナー粒子(トナー母粒子)を含む水性分散液から、固液分離によりトナー粒子(トナー母粒子)をウエットケーキとして回収し、得られるウエットケーキを、水を用いて洗浄する方法や、トナー粒子(トナー母粒子)を含む分散液中のトナー粒子(トナー母粒子)を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー粒子(トナー母粒子)を水に再分散させる方法が挙げられる。
(乾燥工程)
トナー粒子(トナー母粒子)は、必要に応じて乾燥されてもよい。トナー粒子(トナー母粒子)を乾燥させる好適な方法としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、及び減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。これらの方法の中では、乾燥中のトナー粒子(トナー母粒子)の凝集を抑制することがあることからスプレードライヤーを用いる方法がより好ましい。スプレードライヤーを用いる場合、トナー母粒子の分散液と共に、シリカのような外添剤の分散液を噴霧することによって、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
(外添工程)
トナー粒子(トナー母粒子)は、必要に応じてその表面に外添剤が付着したものであってもよい。上記方法により得られるトナー母粒子の表面に外添剤を付着させる好適な方法としては、外添剤がトナー母粒子表面に埋没しないように条件を調整して、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーのような混合機を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合する方法が挙げられる。
以上説明した本発明の静電潜像現像用トナーは、耐熱保存性、トナー粒子の帯電量の安定性、及び低温定着性に優れ、高温で定着を行う場合のオフセットの発生を抑制でき、光沢度に優れた画像を形成できる。このため、本発明の静電潜像現像用トナーは、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
[離型剤A及びB]
トナーコアの調製に以下の離型剤を用いた。
離型剤A:エステルワックス(WEP−4(日油株式会社製)融点(Mp):71℃)
離型剤B:フィッシャートロプシュワックス(パラフリント C80(サゾール社製)融点(Mp):82℃)
[製造例1]
〔トナーコアA〜Gの調製〕
結着樹脂(ポリエステル樹脂、HP−313(日本合成化学工業株式会社製))91.0質量%と、着色剤(カーボンブラック、MA−100(三菱化学株式会社製))3.0質量%と、表1に記載の種類の離型剤6.0質量%とを、ヘンシェルミキサー(FM−10型(三井鉱山株式会社製))を用いて混合した。得られた混合物を、二軸押出機(TEM−26SS(東芝機械株式会社製))を用いて溶融混練して溶融混練物を得た。冷却された溶融混練物を、ロートプレックス粉砕機(株式会社東亜機械製作所製)を用いて、平均径2mm程度まで粗粉砕した。次いでターボミル(RSタイプ(ターボ工業株式会社製))を用いて粗粉砕品を微粉砕した。微粉砕品を、風力分級機(EJ−L−3(LABO)型(日鉄鉱業株式会社製))を用いて分級して、体積平均粒子径7.0μmのトナーコアA〜Gを得た。トナーコアの体積平均粒子径の測定は、マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて行った。
〔トナーコアの熱処理〕
得られたトナーコアA〜Gを、熱処理装置(サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製))を用いて、表1に記載の温度で熱処理した。熱処理されたトナーコアの一部を取り出し、トナーコアについて、以下の1)〜4)の工程に従って、トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)を求めた。測定したトナーコアA〜Gの体積比(Vr/Vb)を表1に記載する。
<体積比(Vr/Vb)測定方法>
1)FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法を用いて、離型剤A及びBの赤外吸収スペクトルと、結着樹脂(ポリエステル樹脂、HP−313(日本合成化学工業株式会社製))の赤外吸収スペクトルとを測定した。離型剤Aの赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wrを、2800cm−1と定めた。離型剤Bの赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wrを、2853cm−1と定めた。結着樹脂の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wbを、828cm−1と定めた。なお、FTIR−ATR法を用いた赤外吸収スペクトルの測定は、前述の方法に従って行った。
2)体積比(Vr/Vb)がそれぞれ異なる、離型剤と結着樹脂とからなる3種のサンプルを、離型剤Aと結着樹脂との組合せ、及び離型剤Bと結着樹脂との組合せについて、それぞれ調製した。調製された各サンプルの赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定した。
3)工程2)で測定された複数のサンプルの赤外吸収スペクトルから、1)の工程で定めた、波数Wrのピークの強度Prと、波数Wbのピークの強度Pbとの強度比(Pr/Pb)を算出し、強度比(Pr/Pb)と、体積比(Vr/Vb)との関係について検量線を作成した。離型剤Aと結着樹脂との組合せ、及び離型剤Bと結着樹脂との組合せについて、それぞれ、検量線を作成した。
4)トナーコアA〜Gの表面の赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定した。トナーコアA〜Gの表面の赤外吸収スペクトル中の、波数Wrのピークの強度Prと、波数Wbのピークの強度Pbとから算出される、強度比(Pr/Pb)の値を基に、3)で作成した検量線から、トナーコア表面の体積比(Vr/Vb)を求めた。
Figure 2015132654
[親水性微粒子A〜D、及び疎水性微粒子E〜G]
実施例及び比較例において、表2に記載される親水性微粒子A〜Dと、表3に記載される疎水性微粒子E〜Gとを用いた。親水性微粒子A〜D、及び疎水性微粒子E〜Gは何れも市販品である。親水性微粒子A〜Dについては、その表面に親水性基として水酸基を有する。
Figure 2015132654
Figure 2015132654
[実施例1〜6、及び比較例2〜7]
〔トナーコアの表面処理〕
表4及び5に記載の種類の熱処理されたトナーコア100質量部と、表4及び5に記載の種類の微粒子2.0質量部とをヘンシェルミキサー(FM−10B(日本コークス工業株式会社製))を用い、回転数5000rpmで、5分間混合して、表面に微粒子を備えるトナーコアを得た。
〔シェル層形成工程〕
温度計、及び撹拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、イオン交換水300mLを入れた後、ウォーターバスを用いてフラスコ内温を30℃に保持した。次いで、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。pH調整後、フラスコ内に、シェル層の原料として、メチロールメラミン水溶液(ニカレジン S−260(日本カーバイド工業株式会社製)の固形分濃度10質量%水溶液)2mLを添加した。次いで、フラスコの内容物を撹拌し、シェル層の原料を水性媒体に溶解させ、シェル層の原料の水溶液(A)を得た。
水溶液(A)に、トナーコア300gを添加し、フラスコの内容物を200rpmの速度で1時間撹拌した。次いで、フラスコ内に、イオン交換水300mLを追加した。その後、フラスコの内容物を100rpmで撹拌しながら、1℃/分の速度で、フラスコ内温を70℃まで上げた。昇温後、同温度、100rpmの条件でフラスコの内容物を2時間撹拌し続けた。その後、フラスコ内に、水酸化ナトリウムを加えて、フラスコの内容物のpHを7に調整した。次いで、フラスコの内容物を、常温まで冷却してトナー母粒子を含む分散液を得た。
〔洗浄工程〕
ブフナーロートを用いて、トナー母粒子を含む分散液からトナー母粒子のウエットケーキをろ取した。トナー母粒子のウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄した。トナー母粒子のイオン交換水による同様の洗浄を5回繰り返した。
〔乾燥工程〕
トナー母粒子のウエットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを連続式表面改質装置(コートマイザー(フロイント産業株式会社製))に供給することにより、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させて、トナー母粒子を得た。コートマイザーを用いる乾燥条件は、熱風温度45℃、ブロアー風量2m/分であった。
〔外添工程〕
乾燥工程で得られたトナー母粒子100質量部と、正帯電性シリカ微粒子(CAB−O−SIL TG−308F(キャボット社製))1.5質量部と、酸化チタン(MT−500B(テイカ株式会社製))とを、ヘンシェルミキサー(FM−10B(日本コークス工業株式会社製))を用いて、5分間混合して外添剤を付着させた。
[比較例1]
トナーコアに対して、表面処理を行わないことの他は、実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
≪評価1≫
実施例1〜6、及び比較例1〜7のトナーについて、以下の方法に従って、シェル層の状態、耐熱保存性、及び帯電性を評価した。実施例1〜6、及び比較例1〜7のトナーのシェル層の状態、耐熱保存性、及び帯電性の評価結果を、表4及び5に記す。
<シェル層の状態評価>
シェル層の状態を、未処理のトナーの比表面積Saと、以下の方法に従ってアルカリ処理されたトナーの比表面積Sbとから比表面積変化率Sxを算出し評価した。具体的には、Sa及びSbを、BET比表面積測定装置(HM Model−1208(マウンテック社製))を用いて測定した。測定したSa及びSbから、下式:
Sx=(Sb−Sa)/Sa×100
に従って、トナーの比表面積変化率Sxを算出した。算出したSxから、シェル層の状態を、下記基準に従って評価した。
○:Sxが1.1以下。
×:Sxが1.1超。
(アルカリ処理方法)
各実施例及び比較例のトナーに対して、下記工程(i)〜(iii)からなる処理を施し、アルカリ処理されたトナーを得た。
(i)アニオン系界面活性剤を含むpH10の塩基性水溶液(マイペット(花王株式会社製)をイオン交換水で10倍に薄めた水溶液)50mLに、トナー10gを分散して分散液aを得た。
(ii)分散液aを、50℃で10時間静置した。
(iii)静置された分散液aからろ別した固形分を乾燥して、アルカリ処理されたトナーを得た。
<耐熱保存性評価>
トナー10gを、サンプル瓶に秤量し、トナーの入ったサンプル瓶を、50℃の恒温槽(Constant Temperature Oven DKN602(ヤマト科学株式会社製))に100時間静置した。その後、恒温槽からサンプル瓶を取り出し、24時間常温で静置した。次いで、質量既知の26メッシュの篩を、パウダーテスター(TYPE PT−E 84810(ホソカワミクロン株式会社製))に取り付け、篩に常温静置後のトナーを載せた。そして、レオスタット2.5の条件で20秒間トナーを篩った。次いで、篩上に残ったトナーの質量を測定した。篩い後の篩上のトナーの質量から、耐熱保存性を、下記基準に従って評価した。
○:メッシュ上残存トナーが0.2g以下。
×:メッシュ上残存トナーが0.2g超。
<帯電性評価>
トナー5gと、キャリア(F51−50(パウダーテック株式会社製))65gとをポリ容器に秤量し、ボールミルを用いて100rpmの回転数で、トナーとキャリアの混合物を撹拌した。1分間撹拌した後のトナーの帯電量と、60分間撹拌した後のトナーの帯電量とを測定した。トナーの帯電量の測定は、トナーとキャリアの混合物200mgを試料として、帯電量測定装置(Q/Mメーター 210HS−2(TREK JAPAN社製))を用いて測定した。1分間撹拌した後のトナーの帯電量(1分後帯電量)と、60分間撹拌した後のトナーの帯電量(60分後帯電量)とから、帯電性を、下記基準に従って評価した。
○:1分後帯電量、及び60分後帯電量の何れもが15.0μC/g以上、40μC/g以下。
×:1分後帯電量、及び60分後帯電量の何れか一方、又は双方が15.0μC/g未満、40μC/g超。
≪評価2≫
実施例1〜6、及び比較例1〜7のトナーを用いて、以下の方法に従って、低温定着性、及び耐高温オフセット性を評価した。低温定着性、及び耐高温オフセット性の評価は、以下の方法に従って調製された2成分現像剤を用いて行った。実施例1〜6、及び比較例1〜7のトナーの低温定着性、及び耐高温オフセット性の評価結果を、表4及び5に記す。
[製造例2]
〔2成分現像剤の調製〕
(キャリアの調製)
エポキシ樹脂(エピコート1004(三菱化学株式会社製))2kgを溶解させたアセトン20Lに、ジエチレントリアミン100gと無水フタル酸150gとを加えて混合し、コート剤を得た。フェライト系キャリアコア(F51−50(パウダーテック株式会社製)、平均粒子径50μm)10kgに対して、得られたコート剤を、流動層コーティング装置(SFC−5(フロイント産業株式会社製))を用いて、80℃の熱風を送り込みながら被覆した。コート剤により被覆されたキャリアコアを、乾燥機を用いて180℃で1時間加熱した後、冷却及び解砕をしてキャリアを得た。
(キャリアとトナーとの混合)
キャリアと、キャリアの質量に対して10質量%のトナーとを、ボールミルにて30分間混合して2成分現像剤を調製した。
<低温定着性評価>
評価機として、定着温度を調節できるように改造したプリンター(FS−C5016(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))を用いた。製造例2で調製した2成分現像剤を評価機の現像部に投入し、トナーを評価機のトナーコンテナに投入した。トナー載り量を1.8mg/cmに設定して、被記録媒体(Color Copy 90(ノイシドラー社製))に未定着のトナー画像(2cm×3cmのパッチサンプル)を形成した。評価機の定着装置の定着温度を150℃に設定し、線速280mm/秒で、未定着のベタ画像を定着させた。ベタ画像が定着された被記録媒体を、画像を形成した面が内側となるように半分に折り曲げ、布帛で覆った1kgの分銅を用いて、折り目上を5往復摩擦した。次いで、被記録媒体を広げ、定着された画像の折り曲げ部を観察し、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。測定した、剥がれ長から、低温定着性を、下記基準に従って評価した。
○:剥がれ長が1mm以下。
×:剥がれ長が1mm超。
<耐高温オフセット性評価>
低温定着性の評価と同様の評価機、及び被記録媒体を用い、同様の条件で、被記録媒体に未定着のトナー画像を形成した。190℃以上200℃以下の温度範囲190℃以上220℃以下の温度範囲で、評価機の定着装置の定着温度を190℃から5℃ずつ上昇させて、線速100mm/秒で、未定着のベタ画像を定着させた。オフセットが発生した最低温度をオフセット発生温度とした。耐高温オフセット性を、下記基準に従って評価した。
○:オフセット発生温度が200℃以上。
×:オフセット発生温度が200℃未満。
<画像光沢評価>
低温定着性の評価と同様の評価機、及び被記録媒体を用い、同様の条件で、被記録媒体に未定着のトナー画像を形成した、評価機の定着装置の定着温度を180℃に設定して、線速100mm/秒で、未定着のベタ画像を定着させた。定着画像の光沢度を、グロスチェッカー(IG−331(株式会社堀場製作所製))を用いて測定した。測定した光沢度から、画像光沢度を、下記基準に従って評価した。
○:光沢度が10以上。
×:光沢度が10未満。
Figure 2015132654
Figure 2015132654
実施例1〜6から、
・結着樹脂、及び離型剤を含むトナーコアと、トナーコアの表面を被覆するシェル層とからなるトナー粒子を、含むトナーであって、
・トナーコアの表面の離型剤の体積(Vr)と結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下であり、
・シェル層が、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を含む樹脂からなり、
・熱硬化性樹脂が、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂であり、
・トナーコアと、シェル層との界面に、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子が存在する
トナーは、耐熱保存性、トナー粒子の帯電量の安定性、及び低温定着性に優れ、高温で定着を行う場合のオフセットの発生を抑制でき、光沢度に優れた画像を形成できることが分かる。
比較例1、及び比較例5〜7から、トナーコアと、シェル層との界面に、親水性微粒子が存在しないか、疎水性微粒子が存在する場合、トナーコアの表面に良好に密着するシェル層が形成されないことが分かる。このため、比較例1、及び比較例5〜7のトナーは、耐熱保存性、及びトナー粒子の帯電量の安定性に劣り、高温で定着を行う場合のオフセットの発生の抑制が困難である。
比較例1〜3から、体積比(Vr/Vb)が低すぎるトナーコアを用いて調製されたトナー粒子を含むトナーは、低温定着性に劣り、高温で定着を行う際のオフセットの発生を抑制しにくいことが分かる。また、比較例4から、体積比(Vr/Vb)が高すぎるトナーコアを用いて調製されたトナー粒子を含むトナーを用いて画像を形成する場合、光沢に優れる画像を形成しにくいことが分かる。

Claims (2)

  1. 結着樹脂、及び離型剤を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とからなるトナー粒子を含む、静電潜像現像用トナーであって、
    下記1)〜4)の工程により求められる、前記トナーコアの表面の前記離型剤の体積(Vr)と前記結着樹脂の体積(Vb)との体積比(Vr/Vb)が0.2以上0.5以下であり、
    前記シェル層が、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を含む樹脂からなり、
    前記熱硬化性樹脂が、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂であり、
    前記トナーコアと、前記シェル層との界面に、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上の官能基を表面に有する親水性微粒子が存在する、静電潜像現像用トナー。
    1)FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法を用いて、前記離型剤の赤外吸収スペクトルと、前記結着樹脂の赤外吸収スペクトルとを測定し、前記離型剤の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数Wrと、前記結着樹脂の赤外吸収スペクトル中の複数のピークから選択される任意の1つのピークのピークトップの波数であって、波数Wrとは異なる波数Wbとを定める工程、
    2)前記体積比(Vr/Vb)がそれぞれ異なる、前記離型剤と前記結着樹脂とからなる複数のサンプルの赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定する工程、
    3)2)で測定した複数のサンプルの赤外吸収スペクトルから、1)の工程で定めた、前記波数Wrのピークの強度Prと、前記波数Wbのピークの強度Pbとの強度比(Pr/Pb)を算出し、強度比(Pr/Pb)と、体積比(Vr/Vb)との関係について検量線を作成する工程、及び
    4)前記トナーコア表面の赤外吸収スペクトルを、FTIR−ATR法を用いて測定し、前記トナーコア表面の赤外吸収スペクトル中の、前記波数Wrのピークの強度Prと、前記波数Wbのピークの強度Pbとから算出される、強度比(Pr/Pb)の値を基に、3)で作成した検量線から、前記トナーコア表面の体積比(Vr/Vb)を求める工程。
  2. 前記シェル層が、下記工程I)、II)、及びIII):
    I)前記トナーコアを熱処理する工程、
    II)工程I)で熱処理された前記トナーコアの表面に前記親水性微粒子を付着させ、親水性微粒子で表面処理された前記トナーコアを得る工程、及び
    III)工程II)で表面処理された前記トナーコアの表面にシェル層を形成する工程、
    を含む方法を用いて形成される、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
JP2014002685A 2014-01-09 2014-01-09 静電潜像現像用トナー Expired - Fee Related JP6057928B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002685A JP6057928B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 静電潜像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002685A JP6057928B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 静電潜像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015132654A true JP2015132654A (ja) 2015-07-23
JP6057928B2 JP6057928B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=53899912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014002685A Expired - Fee Related JP6057928B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 静電潜像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6057928B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11226570B2 (en) 2019-06-19 2022-01-18 Ricoh Company, Ltd. Toner and developer

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06170214A (ja) * 1992-12-11 1994-06-21 Fuji Xerox Co Ltd マイクロカプセルおよびカプセルトナーならびにマイクロカプセルの製造方法
JP2004138985A (ja) * 2002-08-23 2004-05-13 Toppan Forms Co Ltd 薄膜被覆トナー、薄膜被覆トナーの製造方法
JP2006276069A (ja) * 2005-03-25 2006-10-12 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナー及びその製造方法、並びに、これを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法
JP2012013859A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Ricoh Co Ltd トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、画像形成装置、及びトナーの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06170214A (ja) * 1992-12-11 1994-06-21 Fuji Xerox Co Ltd マイクロカプセルおよびカプセルトナーならびにマイクロカプセルの製造方法
JP2004138985A (ja) * 2002-08-23 2004-05-13 Toppan Forms Co Ltd 薄膜被覆トナー、薄膜被覆トナーの製造方法
JP2006276069A (ja) * 2005-03-25 2006-10-12 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナー及びその製造方法、並びに、これを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法
JP2012013859A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Ricoh Co Ltd トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、画像形成装置、及びトナーの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11226570B2 (en) 2019-06-19 2022-01-18 Ricoh Company, Ltd. Toner and developer

Also Published As

Publication number Publication date
JP6057928B2 (ja) 2017-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5800864B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP5822815B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6006701B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用トナーの製造方法、及び静電潜像現像用トナーを用いた定着方法
JP2015087597A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6252387B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
US9335648B2 (en) Electrostatic latent image developing toner
JP5979642B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2015141360A (ja) 静電荷像現像用カプセルトナー
JP2015075686A (ja) トナー及びその製造方法
JP5858957B2 (ja) 静電潜像現像用磁性トナー
JP5972237B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
US9632442B2 (en) Electrostatic latent image developing toner
JP6390534B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6057928B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2015049321A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6068376B2 (ja) 静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法
JP6039523B2 (ja) 静電潜像現像用トナーの製造方法
JP6117732B2 (ja) トナー
JP2015049250A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6558335B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6046684B2 (ja) 正帯電性静電潜像現像用トナー
JP2015152715A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6114211B2 (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法
JP2017116644A (ja) 正帯電性トナー
JP6217623B2 (ja) 静電潜像現像用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6057928

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees