JP2015131466A - 射出成形型及び射出成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形型及び射出成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産効率や歩留まりを低下しにくくすることができる射出成形型を提供する。
【解決手段】キャビティ101とスプルー104と主ゲート106と補助ゲート108と樹脂溜まり111とを備える。スプルー104から主ゲート106を通じてキャビティ101に流入された樹脂材料M1が合流する直前乃至直後に、スプルー104から補助ゲート108を通じてキャビティ101にさらに樹脂材料M2を流入させることにより、キャビティ101に流入された樹脂材料Mを樹脂溜まり111に流入させながらキャビティ101で形成される樹脂材料Mの合流部分Wを流動させる射出成形型100に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェルドラインが生じやすい射出成形品を製造する際に好適に用いられる射出成形型及び射出成形品の製造方法に関する。
従来、孔あきの射出成形品にはウェルドラインが生じやすいことが知られている。特に、光沢材などのフィラーを含有する樹脂材料からなる射出成形品には、ウェルドラインに沿ってフィラーが配向した配向ラインが形成される場合があり、ウェルドライン及び配向ラインにより射出成形品の外観が低下することがあった。そこで、ウェルドラインや配向ラインを低減することが試みられている。
例えば、特許文献1には、キャビティ内に合成樹脂を射出するための第1ゲートと、この第1ゲートに面する開口形成体の裏方に形成されるフィラーの配向ラインに向けて合成樹脂を射出する第2ゲートとを備えた射出成形装置が記載されている。この射出成形装置では、第1ゲートにより合成樹脂が射出されて配向ラインが形成された後で且つ保圧が開始される前であって、第1ゲートによる合成樹脂の射出の停止と同時に、停止前に又は停止後に第2ゲートにより合成樹脂の射出を開始するようにして射出成形を行うものである。これにより、特許文献1に記載の発明では、第1ゲートに面する開口形成体の裏方に形成されるフィラーの配向ラインを極力見えなくして、射出成形品の外観を良好に仕上げるようにするものである。
また、特許文献2には、射出充填される溶融樹脂が分流する点から該分流樹脂の合流により形成されるウエルド部までの分流樹脂流路の少なくとも一方の側に成形品キャビティから突出した樹脂溜めを設けた金型を用い、成形品キャビティへの溶融樹脂の供給によりウエルド部が形成された後、樹脂溜めに樹脂を流入させることによってウエルド部での樹脂の移動を生じさせる射出成形方法が記載されている。この方法によれば、ウエルド部での樹脂あるいは充填物の配向が乱されることにより極めて効率的にウエルド部が強化され、しかもウエルド部の外観も改善されるものである。
特許第5270792号公報 特開平4−310715号公報
特許文献1に記載の発明では、保圧開始前であって、キャビティへの合成樹脂の注入量が95%未満のときに、第2ゲートから合成樹脂を射出しなければならない。上記注入量が95%以上あると、第2ゲートからキャビティへ射出される合成樹脂量が不足し、キャビティで再流動する合成樹脂の量が足らなくなるため、配向ラインが消えにくいためである。また、特許文献1に記載の発明では、配向ラインが形成された後でしか、第2ゲートの射出を行うことができない。配向ラインが形成される前では第2ゲートの射出方向(配向ラインに対して直交する方向や斜め方向)の制約から外れて配向ラインが消えにくいためである。このように特許文献1に記載の発明では、キャビティへの合成樹脂の注入量の調整と、第2ゲートからの射出の正確なタイミングの両方の条件を満たす場合にのみ、配向ラインを消すことができるため、成形条件の管理が難しく煩雑になって、生産効率が低下しやすいという問題があった。
特許文献2に記載の発明では、樹脂溜まりに向かって両ゲートからの流れ込みになるため、樹脂溜まりの容量が多くないとウエルドが消えず強度が低下するおそれがある。そこで、樹脂溜まりの必要な容量をウエルドに沿った断面積の5倍以上にしているが、製品にならない無駄な樹脂が増加し、歩留まりが低下しやすいという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、生産効率や歩留まりを低下しにくくすることができる射出成形型及び射出成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る射出成形型は、キャビティとスプルーと主ゲートと補助ゲートと樹脂溜まりとを備え、前記スプルーから前記主ゲートを通じて前記キャビティに流入された樹脂材料が合流する直前乃至直後に、前記スプルーから補助ゲートを通じて前記キャビティにさらに樹脂材料を流入させることにより、前記キャビティに流入された前記樹脂材料を前記樹脂溜まりに流入させながら前記キャビティで形成される前記樹脂材料の合流部分を流動させる射出成形型において、前記スプルーと前記主ゲートとの間には主シャッターが設けられ、前記樹脂溜まりと前記キャビティとの間には溜まりシャッターが設けられ、前記主シャッターは、前記スプルーと前記主ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記主ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記溜まりシャッターは、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記主ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させるときには、前記主シャッターは開状態で、前記溜まりシャッターは閉状態となり、前記補助ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させるときには、前記主シャッターは閉状態で、前記溜まりシャッターは開状態と閉状態のいずれかになることを特徴とするものである。
前記補助ゲートと前記樹脂溜まりの少なくとも一方を複数個備えていることが好ましい。
前記樹脂溜まりは前記合流部分に対応する位置に形成されていることが好ましい。
本発明に係る射出成形品の製造方法は、キャビティとスプルーと主ゲートと補助ゲートと樹脂溜まりとを備えた射出成形型を用いて、前記スプルーから前記主ゲートを通じて前記キャビティに流入された樹脂材料が合流する直前乃至直後に、前記スプルーから補助ゲートを通じて前記キャビティにさらに樹脂材料を流入させることにより、前記キャビティに流入された前記樹脂材料を前記樹脂溜まりに流入させながら前記キャビティで形成される前記樹脂材料の合流部分を流動させる射出成形品の製造方法であって、前記スプルーと前記主ゲートとの間に主シャッターを設け、前記樹脂溜まりと前記キャビティとの間に溜まりシャッターを設け、前記主シャッターは、前記スプルーと前記主ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記主ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記溜まりシャッターは、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記主シャッターを開状態、前記溜まりシャッターを閉状態とした後に、前記主ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させ、この後、前記主シャッターを閉状態とし、前記溜まりシャッターを閉状態のままで、又は閉状態から開状態とするのと同時に、あるいは閉状態から開状態とした後に前記補助ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させることを特徴とするものである。
本発明は、樹脂材料を樹脂溜まりに流入させながら樹脂材料の合流部分を流動させるので、樹脂溜まりがない場合に比べて、キャビティに樹脂材料を完全充填しても、合流部分おいて樹脂材料を大きく移動させることができ、樹脂材料の合流部分で配向ライン(ウェルドライン)が形成されにくくなる。
また本発明は、溜まりシャッターを閉状態でキャビティに樹脂材料を射出して完全に充填することができ、キャビティで樹脂材料を保圧した後や保圧開始と同時に補助ゲートからキャビティに樹脂材料を流入させることができる。また本発明では、溜まりシャッターを閉状態でキャビティに樹脂材料を流入させて完全に充填することができるので、成形機の圧力波形などで樹脂材料の充填状態を明確に判断することができ、補助ゲートからの樹脂材料の流入のタイミングを容易に判断することができる。また本発明では、樹脂材料の合流前に補助ゲートからキャビティに樹脂材料を流入させる場合には、補助ゲートから樹脂材料を射出するタイミングの調整幅を大きくすることができ、補助ゲートからの第二樹脂材料の流入のタイミングを容易に判断することができる。従って、本発明は射出成形品の生産効率を低下しにくくすることができる。
また本発明では、主シャッターを閉状態で補助ゲートからキャビティに樹脂材料を流入させることができ、キャビティに流入した樹脂材料が主ゲートから流出するのを少なくしながら、合流部分で樹脂材料を流動させることができ、主シャッターを閉状態にしない場合に比べて、樹脂溜りの容量を少なくすることができて、歩留まりを低下しにくくすることができる。
(a)は本発明の射出成形型の実施の形態の一例を示す概略の説明図、(b)〜(d)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の一例を示す概略の説明図である。 (a)〜(d)は樹脂材料の合流部分での状態を示す概略の説明図である。 本発明で製造される射出成形品の一例を示す正面図である。 (a)〜(f)は補助ゲートと樹脂溜まりの位置関係を示す概略の説明図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(d)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 本発明で製造される射出成形品の他例を示す正面図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 本発明で製造される射出成形品の他例を示す正面図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 本発明で製造される射出成形品の他例を示す正面図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(d)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の射出成形型100は、例えば、金型で形成されている。また、射出成形型100は複数の分離可能な型部材を組合せて形成されている。例えば、射出成形型100は、コアが形成されたコア型部材と、キャビティが形成されたキャビティ型部材とで形成されている。
図1(a)は射出成形型100の概略構造を示す説明図である。101はキャビティであって、パーティング面102に矩形状に開口して形成されている。103はコアであって、キャビティ101の内側に形成されている。コア103はキャビティ101の開口の中央に位置して形成されている。コア103はパーティング面102における外形が矩形状に形成されている。キャビティ101とコア103とが同じ型部材に形成される場合、コア103はキャビティ101の底面から突出して形成される。この場合、コア103の先端面はパーティング面102と同じ位置に形成されている。キャビティ101とコア103とが別の型部材に形成される場合、これら型部材を組み合わせたときに、コア103の先端面がキャビティ101の底面と接するように形成されている。尚、キャビティ101の底面は、平坦面に形成されたり突出する部分を有したりする場合があるが、突出する部分を有する場合は、型部材を組み合わせたときに、コア103の先端面が突出する部分に接することも可能である。
コア103にはスプルー104が形成されている。スプルー104の一端は射出成形型100の外面に開口して形成されている。コア103の内部において、スプルー104には主ランナー105が接続されている。主ランナー105は主ゲート106を通じてキャビティ101と接続されている。また、コア103の内部において、スプルー104には補助ランナー107が接続されている。補助ランナー107は補助ゲート108を通じてキャビティ101と接続されている。主ゲート106と補助ゲート108とはコア103の外面に開口して形成されている。主ゲート106はコア103の一方の短辺側の外面に開口して形成されている。補助ゲート108はコア103の他方の短辺側の外面に開口して形成されている。
コア103には主シャッター109が設けられている。主シャッター109は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。主シャッター109の開状態では主ランナー105によりスプルー104と主ゲート106とが連通している。主シャッター109の閉状態では主ランナー105によるスプルー104と主ゲート106の連通が遮断されて不通になる。
コア103には補助シャッター110が設けられている。補助シャッター110は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。補助シャッター110の開状態では補助ランナー107によりスプルー104と補助ゲート108とが連通している。補助シャッター110の閉状態では補助ランナー107によるスプルー104と補助ゲート108の連通が遮断されて不通になる。
射出成形型100には樹脂溜まり111が設けられている。樹脂溜まり111はパーティング面102に開口する凹所として形成されている。樹脂溜まり111の容量はキャビティ101の容量よりも小さく形成されている。キャビティ101と樹脂溜まり111との間には接続部112が設けられている。接続部112はパーティング面102に開口する凹所として形成されている。キャビティ101と樹脂溜まり111とは接続部112を通じて連通するように形成されている。接続部112はキャビティ101の短辺側の内面に開口して形成されている。接続部112は、後述のように、樹脂材料をキャビティ101に流入させた際に形成される合流部分の近傍の位置に形成されるのが好ましい。この合流部分は、樹脂材料の性状やキャビティの形状や射出圧などにより適宜の位置に設定可能である。
射出成形型100には溜まりシャッター113が設けられている。溜まりシャッター113は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。溜まりシャッター113の開状態では接続部112によりキャビティ101と樹脂溜まり111とが連通している。溜まりシャッター113の閉状態では接続部112によるキャビティ101と樹脂溜まり111の連通が遮断されて不通になる。
射出成形型100は、流動状態(溶融状態や粘稠状態など)の樹脂材料をキャビティ101に流入させ、この後、流動状態の樹脂材料を硬化あるいは固化することにより、射出成形品を製造することができる。樹脂材料はポリプロプレンなどの熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂とフィラーとの混合物で調製されている。フィラーは射出成形品の強度向上、表面質感向上、外観向上等のために配合されている。フィラーとしては、アルミニウム粉末、鱗片状アルミニウム、ガラス粉末、パールマイカなどが例示される。特に、光沢を有する射出成形品を製造するためには、フィラーとして光沢材である鱗片状アルミニウムを配合して樹脂材料が調製されるのが好ましい。尚、樹脂材料はフィラーを配合しないものであっても良い。また、必要に応じて、タルクなどの添加剤を樹脂材料に配合してもよい。
そして、射出成形型100を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型100を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー104の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型100の型締めを行う。次に、主シャッター109を開状態とし、補助シャッター110を閉状態とし、溜まりシャッター113を閉状態とする。次に、図1(b)のように、ノズルからスプルー104に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー104に供給された樹脂材料M1は、スプルー104から主ランナー105に流入した後、主ランナー105から主ゲート106を通じてキャビティ101に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー104から補助ランナー107にも流入するが、補助ランナー107は補助シャッター110により不通となっているので、樹脂材料M1が補助ゲート108からキャビティ101に流入しない。
キャビティ101に流入した第一の樹脂材料M1は、コア103の周囲を回るように流動しながらキャビティ101に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート106からコア103の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ101内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1がコア103の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート106からコア103の周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。この合流部分(ウェルド)Wは、キャビティ101の補助ゲート108と接続部112との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ101に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ101に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ101へ流入する場合では、合流部分Wが形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ101へ流入させればよい。又合流部分Wが形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ101へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ101に流入させるにあたっては、まず、図1(c)のように、主シャッター109を閉状態とし、補助シャッター110を開状態とし、溜まりシャッター113を開状態とする。次に、ノズルからスプルー104に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー104に供給された樹脂材料M2は、スプルー104から補助ランナー107に流入した後、補助ランナー107から補助ゲート108を通じてキャビティ101に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー104から主ランナー105にも流入するが、主ランナー105は主シャッター109により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート106からキャビティ101に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、図1(d)のように、補助ゲート108の近傍において、先にキャビティ101に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら補助ゲート108からキャビティ101に流入していく。また接続部112の近傍において、キャビティ101に流入している樹脂材料Mが接続部112から樹脂溜まり111に流入していく。ここで、樹脂溜まり111に流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)樹脂溜まり111に流入していく。そして、キャビティ101への第二の樹脂材料M2の流入によって、合流部分Wの樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。
特に、樹脂材料M1に鱗片状アルミニウムなどの光沢材がフィラーとして含有されている場合は、ウェルドラインが目立って形成されやすい。例えば、図2(a)のように、キャビティ101を流動する二つの樹脂材料M1の流れは互いに向かい合う方向に流動し、図2(b)のように、樹脂材料M1の流れの先頭同士が衝突することにより合流部分Wが形成される。この場合、樹脂材料M1がキャビティ101の内面やコア103の外面に沿って流動する箇所では、フィラーFがキャビティ101の内面やコア103の外面と略平行に並んで配向する。従って、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。一方、樹脂材料M1の合流部分Wでは、フィラーFがキャビティ101の内面やコア103の外面に対して略垂直に並んで配向する。従って、合流部分WではフィラーFによる光の反射が弱くなって、ウェルドラインが黒く目立って形成されることになる。
そこで、図2(c)のように、第二の樹脂材料M2を合流部分Wに向かって流動させると、その押圧によりコア103の外面に対して略垂直に並んだフィラーFが流動し、フィラーFが徐々にキャビティ101の内面やコア103の外面と略平行に並んで配向していく。また、このとき、合流部分W付近の樹脂材料M1及びM2が樹脂溜まり111に流れ込みながら合流部分Wが流動するために、樹脂溜まり111がない場合に比べて、合流部分Wで流動する樹脂量を多くすることができる。従って、図2(d)のように、ほぼ全てのフィラーFがキャビティ101の内面やコア103の外面と略平行に並んで配向することになり、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ101に流入しながら、キャビティ101に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型100を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー104及び主ランナー105及び補助ランナー107から形成される部分は不要部分であるため、主ゲート106及び補助ゲート108の箇所で切除する。また樹脂溜まり111から形成される部分も不要部分であるために、接続部112の箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図3のように、コア103に対応する部分が開口部Pとして形成されるものである。
図4には、補助ゲート108と接続部112の位置関係が示されている。上記のように、補助ゲート108からキャビティ101に流入した第二の樹脂材料M2は、第一の樹脂材料M1の合流部分Wを横切って流れた後、接続部112から樹脂溜まり111に流入することが必要である。従って、図4(a)及び(b)のように、合流部分Wが形成される位置を挟んで、一方側に補助ゲート108が設けられ、他方側に接続部112が設けられることが好ましい。また図4(c)のように、合流部分Wが形成される位置に補助ゲート108が設けられ、合流部分Wが形成される位置からずれた位置に接続部112が設けられることが好ましい。また図4(d)のように、合流部分Wが形成される位置に接続部112が設けられ、合流部分Wが形成される位置からずれた位置に補助ゲート108が設けられることが好ましい。また図4(e)のように、合流部分Wが形成される位置に補助ゲート108及び接続部112の両方が設けられることが好ましい。図4(f)のように、合流部分Wが形成される位置を挟まないように、補助ゲート108と接続部112とが同じ側に設けられることは好ましくない。
(実施の形態2)
図5(a)〜(e)に、上記のような射出成形型100を用いて射出成形品の他の製造方法を示す。まず、射出成形型100を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー104の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型100の型締めを行う。次に、主シャッター109を開状態とし、補助シャッター110を閉状態とし、溜まりシャッター113を閉状態とする。次に、図5(b)のように、ノズルからスプルー104に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー104に供給された樹脂材料M1は、スプルー104から主ランナー105に流入した後、主ランナー105から主ゲート106を通じてキャビティ101に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー104から補助ランナー107にも流入するが、補助ランナー107は補助シャッター110により不通となっているので、樹脂材料M1が補助ゲート108からキャビティ101に流入しない。
キャビティ101に流入した第一の樹脂材料M1は、コア103の周囲を回るように流動しながらキャビティ101に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート106からコア103の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ101内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1がコア103の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート106からコア103の周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。この合流部分(ウェルド)Wは、キャビティ101の補助ゲート108と接続部112との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分が形成される直前、第二の樹脂材料M2をキャビティ101に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成される直前」とは、ひとつの第一の樹脂材料M1の先頭が補助ゲート108の前を通過した後から複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流するまでの間を言う。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ101に流入させるにあたっては、まず、図5(c)のように、主シャッター109を閉状態とし、補助シャッター110を開状態とし、溜まりシャッター113を開状態とする。次に、ノズルからスプルー104に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー104に供給された樹脂材料M2は、スプルー104から補助ランナー107に流入した後、補助ランナー107から補助ゲート108を通じてキャビティ101に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー104から主ランナー105にも流入するが、主ランナー105は主シャッター109により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート106からキャビティ101に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、図5(d)のように、補助ゲート108の近傍において、先にキャビティ101に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら補助ゲート108からキャビティ101に流入していく。また接続部112の近傍において、キャビティ101に流入している樹脂材料Mが接続部112から樹脂溜まり111に流入していく。ここで、樹脂溜まり111に流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)樹脂溜まり111に流入していく。そして、図5(e)のように、キャビティ101への第二の樹脂材料M2の流入によって、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2の合流部分Wが流動することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができる。ウェルドラインが形成されにくいことは、図2(a)〜(d)の説明と同様である。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ101に流入した後、キャビティ101に充填した樹脂材料M1及びM2を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型100を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー104及び主ランナー105及び補助ゲート108から形成される部分は不要部分であるため、主ゲート106及び補助ゲート108の箇所で切除する。また樹脂溜まり111から形成される部分も不要部分であるために、接続部112の箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図3のように、コア103に対応する部分が開口部Pとして形成されるものである。
(実施の形態3)
本実施の形態の射出成形型200は、例えば、金型で形成されている。また、射出成形型200は複数の分離可能な型部材を組合せて形成されている。例えば、射出成形型200は、コアが形成されたコア型部材と、キャビティが形成されたキャビティ型部材とで形成されている。
図6(a)は射出成形型200の概略構造を示す説明図である。201はキャビティであって、パーティング面202に矩形状に開口して形成されている。203a及び203bはコアであって、キャビティ201の内側に二つのコア203a及び203bが形成されている。第一のコア203aと第二のコア203bはキャビティ201の開口の中央に所定の間隔を介して位置して形成されている。第一のコア203a及び第二のコア203bはパーティング面202における外形が矩形状に形成されている。キャビティ201と第一のコア203a及び第二のコア203bとが同じ型部材に形成される場合、第一のコア203a及び第二のコア203bはキャビティ201の底面から突出して形成される。この場合、第一のコア203a及び第二のコア203bの先端面はパーティング面202と同じ位置に形成されている。キャビティ201と第一のコア203a及び第二のコア203bとが別の型部材に形成される場合、これら型部材を組み合わせたときに、第一のコア203a及び第二のコア203bの先端面がキャビティ201の底面と接するように形成されている。尚、キャビティ201の底面は、平坦面に形成されたり突出する部分を有したりする場合があるが、突出する部分を有する場合は、型部材を組み合わせたときに、第一のコア203a及び第二のコア203bの先端面が突出する部分に接することも可能である。
キャビティ201の外側において、射出成形型200にはスプルー204が形成されている。スプルー204の一端は射出成形型200の外面に開口して形成されている。スプルー204には主ランナー205が接続されている。主ランナー205は主ゲート206を通じてキャビティ201と接続されている。また、スプルー204には補助ランナー207が接続されている。補助ランナー207は途中で二つに分岐して第一の補助ランナー207aと第二の補助ランナー207bとが形成されている。第一の補助ランナー207aは第一の補助ゲート208aを通じてキャビティ201と接続されている。第二の補助ランナー207bは第二の補助ゲート208bを通じてキャビティ201と接続されている。主ゲート206と第一の補助ゲート208aと第二の補助ゲート208bとはキャビティ201の内面に開口して形成されている。主ゲート206はキャビティ201の一方の短辺側の内面に開口して形成されている。第一の補助ゲート208aと第二の補助ゲート208bとはキャビティ201の一方の長辺側の内面に開口して形成されている。第一の補助ゲート208aは第二の補助ゲート208bよりもキャビティ201の角に近い位置に形成されている。第一の補助ゲート208aは第一のコア203aの長辺側の外面とキャビティ201の一方の短辺側の内面との間の空間に対応して形成されている。第二の補助ゲート208bは第一のコア203aの長辺側の外面と第二のコア203bの長辺側の外面との間の空間に対応して形成されている。
キャビティ201の外側において、射出成形型200には主シャッター209が設けられている。主シャッター209は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。主シャッター209の開状態では主ランナー205によりスプルー204と主ゲート206とが連通している。主シャッター209の閉状態では主ランナー205によるスプルー204と主ゲート206の連通が遮断されて不通になる。
キャビティ201の外側において、射出成形型200には、第一の補助シャッター210aと第二の補助シャッター210bが設けられている。第一の補助シャッター210aは開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。第一の補助シャッター210aの開状態では第一の補助ランナー207aによりスプルー204と第一の補助ゲート208aとが連通している。第一の補助シャッター210aの閉状態では第一の補助ランナー207aによるスプルー204と第一の補助ゲート208aの連通が遮断されて不通になる。第二の補助シャッター210bは開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。第二の補助シャッター210bの開状態では第二の補助ランナー207bによりスプルー204と第二の補助ゲート208bとが連通している。第二の補助シャッター210bの閉状態では第二の補助ランナー207bによるスプルー204と第二の補助ゲート208bの連通が遮断されて不通になる。 射出成形型200には第一の樹脂溜まり211aと第二の樹脂溜まり211bが設けられている。第一の樹脂溜まり211aと第二の樹脂溜まり211bはパーティング面202に開口する凹所として形成されている。第一の樹脂溜まり211aと第二の樹脂溜まり211bの各容量はキャビティ201の容量よりも小さく形成されている。キャビティ201と第一の樹脂溜まり211aとの間には第一の接続部212aが設けられている。第一の接続部212aはパーティング面202に開口する凹所として形成されている。キャビティ201と第一の樹脂溜まり211aとは第一の接続部212aを通じて連通するように形成されている。キャビティ201と第二の樹脂溜まり211bとの間には第二の接続部212bが設けられている。第二の接続部212bはパーティング面202に開口する凹所として形成されている。キャビティ201と第二の樹脂溜まり211bとは第二の接続部212bを通じて連通するように形成されている。第一の接続部212aと第二の接続部212bとはキャビティ201の他方の長辺側(第一の補助ゲート208aと第二の補助ゲート208bを設けていない長辺側)の内面に開口して形成されている。第一の樹脂溜まり211aは第二の樹脂溜まり211bよりもキャビティ201の角に近い位置に形成されている。第一の接続部212aは第二の接続部212bよりもキャビティ201の角に近い位置に形成されている。第一の接続部212aは第一のコア203aの長辺側の外面とキャビティ201の一方の短辺側の内面との間の空間に対応して形成されている。従って、第一の接続部212aと第一の補助ゲート208aは略対向している。第二の接続部212bは第一のコア203aの長辺側の外面と第二のコア203bの長辺側の外面との間の空間に対応して形成されている。従って、第二の接続部212bと第二の補助ゲート208bとは略対向している。
射出成形型200には第一の溜まりシャッター213aと第二の溜まりシャッター213bとが設けられている。第一の溜まりシャッター213aは開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。第一の溜まりシャッター213aの開状態では第一の接続部212aによりキャビティ201と第一の樹脂溜まり211aとが連通している。第一の溜まりシャッター213aの閉状態では第一の接続部212aによるキャビティ201と第一の樹脂溜まり211aの連通が遮断されて不通になる。第二の溜まりシャッター213bは第二の接続部212bを横切る状態と横切らない状態との間で移動自在に設けられている。第二の溜まりシャッター213bが第二の接続部212bを横切る状態では、第二の接続部212bによるキャビティ201と第二の樹脂溜まり211bの連通が遮断されて不通になる。キャビティ201と第二の樹脂溜まり211bが不通になった状態を第二の溜まりシャッター213bの閉状態という。第二の溜まりシャッター213bが第二の接続部212bを横切らない状態では、第二の接続部212bによりキャビティ201と第二の樹脂溜まり211bとが連通している。キャビティ201と第二の樹脂溜まり211bが連通している状態を第二の溜まりシャッター213bの開状態という。従って、第二の溜まりシャッター213bは開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。第二の溜まりシャッター213bの開状態では第二の接続部212bによりキャビティ201と第二の樹脂溜まり211bとが連通している。第二の溜まりシャッター213bの閉状態では第二の接続部212bによるキャビティ201と第二の樹脂溜まり211bの連通が遮断されて不通になる。
射出成形型200は、流動状態(溶融状態や粘稠状態など)の樹脂材料をキャビティ201に流入させ、この後、流動状態の樹脂材料を硬化あるいは固化することにより、射出成形品を製造することができる。樹脂材料は上記と同様のものである。
そして、射出成形型200を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型200を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー204の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型200の型締めを行う。次に、図6(a)のように、主シャッター209を開状態とし、第一の補助シャッター210aと第二の補助シャッター210bを閉状態とし、第一の溜まりシャッター213aと第二の溜まりシャッター213bを閉状態とする。次に、図6(b)のように、ノズルからスプルー204に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー204に供給された樹脂材料M1は、スプルー204から主ランナー205に流入した後、主ランナー205から主ゲート206を通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー204から第一の補助ランナー207aにも流入するが、第一の補助ランナー207aは第一の補助シャッター210aにより不通となっているので、樹脂材料M1が第一の補助ゲート208aからキャビティ201に流入しない。また樹脂材料M1はスプルー204から第二の補助ランナー207bにも流入するが、第二の補助ランナー207bは第二の補助シャッター210bにより不通となっているので、樹脂材料M1が第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入しない。
キャビティ201に流入した第一の樹脂材料M1は、第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を回るように流動しながらキャビティ201に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート206から第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ201内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1が第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート206から第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。第一の合流部分(ウェルド)W1は、第一のコア203aの長辺側の外面と第二のコア203bの長辺側の外面との間に形成される。また第二の合流部分W2は第一のコア203aの長辺側の外面とキャビティ201の一方の短辺側の内面との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分W1,W2では、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。 そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分W1,W2が形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分W1,W2が形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ201に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ201へ流入する場合では、合流部分W1,W2が形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ201へ流入させればよい。又合流部分W1,W2が形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ201へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入させるにあたっては、図6(c)のように、まず、主シャッター209を閉状態とし、第一の補助シャッター210a及び第二の補助シャッター210bを開状態とし、第一の溜まりシャッター213a及び第二の溜まりシャッター213bを開状態とする。次に、ノズルからスプルー204に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー204に供給された樹脂材料M2は、スプルー204から第一の補助ランナー207aと第二の補助ランナー207bとに流入した後、第一の補助ランナー207aから第一の補助ゲート208aを通じてキャビティ201に流入する。また第二の補助ランナー207bから第二の補助ゲート208bを通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー204から主ランナー205にも流入するが、主ランナー205は主シャッター209により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート206からキャビティ201に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bの近傍において、先にキャビティ201に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入していく。また第一の接続部212a及び第二の接続部212bの近傍において、キャビティ201に流入している樹脂材料Mが第一の接続部212a及び第二の接続部212bから第一の樹脂溜まり211a及び第二の樹脂溜まり211bに流入していく。ここで、第一の樹脂溜まり211a及び第二の樹脂溜まり211bに流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)第一の樹脂溜まり211a及び第二の樹脂溜まり211bに流入していく。そして、図6(d)のように、キャビティ201への第二の樹脂材料M2の流入によって、合流部分W1,W2の樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入しながら、キャビティ201に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型200を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー204及び主ランナー205及び第一の補助ランナー207a並びに第二の補助ランナー207bから形成される部分は不要部分であるため、主ゲート206及び第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bの箇所で切除する。また第一の樹脂溜まり211a及び第二の樹脂溜まり211bから形成される部分も不要部分であるために、第一の接続部212a及び第二の接続部212bの箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図7のように、第一のコア203aに対応する部分が第一の開口部P1として形成され、第二のコア203bに対応する部分が第二の開口部P2として形成されるものである。
(実施の形態4)
本実施の形態の射出成形型200は、図6のものにおいて、第一の樹脂溜まり211aと第二の樹脂溜まり211bの間に間隔を設けたものである。すなわち、第一の樹脂溜まり211aと第二の樹脂溜まり211bを近接して設けられない場合である。第一の樹脂溜まり211a及び第一の接続部212aはキャビティ201の一方の角に近い位置に形成されている。第二の樹脂溜まり211b及び第二の接続部212bはキャビティ201の他方の角に近い位置に形成されている。第二の接続部212bは第二のコア203bの短辺側の外面と対向する位置に形成されている。その他の構成は図6と同様である。
そして、射出成形型200を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型200を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー204の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型200の型締めを行う。次に、図8(a)のように、主シャッター209を開状態とし、第一の補助シャッター210aと第二の補助シャッター210bを閉状態とし、第一の溜まりシャッター213aと第二の溜まりシャッター213aを閉状態とする。次に、図8(b)のように、ノズルからスプルー204に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー204に供給された樹脂材料M1は、スプルー204から主ランナー205に流入した後、主ランナー205から主ゲート206を通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー204から第一の補助ランナー207aにも流入するが、第一の補助ランナー207aは第一の補助シャッター210aにより不通となっているので、樹脂材料M1が第一の補助ゲート208aからキャビティ201に流入しない。また樹脂材料M1はスプルー204から第二の補助ランナー207bにも流入するが、第二の補助ランナー207bは第二の補助シャッター210bにより不通となっているので、樹脂材料M1が第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入しない。
キャビティ201に流入した第一の樹脂材料M1は、第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を回るように流動しながらキャビティ201に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート206から第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ201内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1が第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート206から第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。第一の合流部分(ウェルド)W1は、第一のコア203aの長辺側の外面と第二のコア203bの長辺側の外面との間に形成される。また第二の合流部分W2は、第一のコア203aの長辺側の外面とキャビティ201の一方の短辺側の内面との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分W1,W2が形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分W1,W2が形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ201に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ201へ流入する場合では、合流部分W1,W2が形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ201へ流入させればよい。又合流部分W1,W2が形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ201へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入させるにあたっては、まず、図8(c)のように、主シャッター209を閉状態とし、第一の補助シャッター210a及び第二の補助シャッター210bを開状態とし、第一の溜まりシャッター213aを閉状態とし、第二の溜まりシャッター213bを開状態とする。次に、ノズルからスプルー204に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー204に供給された樹脂材料M2は、スプルー204から第一の補助ランナー207aと第二の補助ランナー207bとに流入した後、第一の補助ランナー207aから第一の補助ゲート208aを通じてキャビティ201に流入する。また第二の補助ランナー207bから第二の補助ゲート208bを通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー204から主ランナー205にも流入するが、主ランナー205は主シャッター209により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート206からキャビティ201に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bの近傍において、先にキャビティ201に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入していく。また第二の接続部212bの近傍において、キャビティ201に流入している樹脂材料Mが第二の接続部212bから第二の樹脂溜まり211bに流入していく。ここで、第二の樹脂溜まり211bに流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)第二の樹脂溜まり211bに流入していく。そして、図8(d)のように、キャビティ201への第二の樹脂材料M2の流入によって、合流部分W1,W2の樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入した場合、第二の樹脂材料M2は第二の樹脂溜まり211bの方に流れやすいので、第一のコア203aの第二の樹脂溜まり211bに近い角部近傍で新たな第三の合流部分(ウェルド)W3が生じることになる。そこで、第二の樹脂溜まり211bに樹脂材料Mが充満された後、第一の溜まりシャッター213aをさらに開状態とする。これにより、図8(e)のように、第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入していく第二の樹脂材料M2が第一の樹脂溜まり211aの方に向かって流動することになる。そして、第一のコア203aと第二のコア203bとを流れる樹脂材料Mにより、第三の合流部分W3の樹脂材料Mが再流動することになり、射出成形品に第三の合流部分W3によるウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入しながら、キャビティ201に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型200を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー204及び主ランナー205及び第一の補助ランナー207a並びに第二の補助ランナー207bから形成される部分は不要部分であるため、主ゲート206及び第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bの箇所で切除する。また第一の樹脂溜まり211a及び第二の樹脂溜まり211bから形成される部分も不要部分であるために、第一の接続部212a及び第二の接続部212bの箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図7のように、第一のコア203aに対応する部分が第一の開口部P1として形成され、第二のコア203bに対応する部分が第二の開口部P2として形成されるものである。
(実施の形態5)
本実施の形態の射出成形型200は、図8のものにおいて、第二のコア203bと第二の樹脂溜まり211bの間に第三のコア203cを設けたものである。第三のコア203cは第一のコア203aや第二のコア203bよりも小さく形成されている。その他の構成は図8と同様である。
そして、射出成形型200を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型200を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー204の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型200の型締めを行う。次に、図9(a)のように、主シャッター209を開状態とし、第一の補助シャッター210aと第二の補助シャッター210bを閉状態とし、第一の溜まりシャッター213aと第二の溜まりシャッター213aを閉状態とする。次に、図9(b)のように、ノズルからスプルー204に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー204に供給された樹脂材料M1は、スプルー204から主ランナー205に流入した後、主ランナー205から主ゲート206を通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー204から第一の補助ランナー207aにも流入するが、第一の補助ランナー207aは第一の補助シャッター210aにより不通となっているので、樹脂材料M1が第一の補助ゲート208aからキャビティ201に流入しない。また樹脂材料M1はスプルー204から第二の補助ランナー207bにも流入するが、第二の補助ランナー207bは第二の補助シャッター210bにより不通となっているので、樹脂材料M1が第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入しない。
キャビティ201に流入した第一の樹脂材料M1は、第一のコア203aと第二のコア203bと第三のコア203cの周囲を回るように流動しながらキャビティ201に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート206から第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ201内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1が第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート206から第一のコア203aと第二のコア203bの周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。第一の合流部分(ウェルド)W1は、第一のコア203aの長辺側の外面と第二のコア203bの長辺側の外面との間に形成される。また第二の合流部分W2は、第一のコア203aの長辺側の外面とキャビティ201の一方の短辺側の内面との間に形成される。さらに、第三のコア203cの周囲でも二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになり、第三の合流部分W3が形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分W1,W2、W3では、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分W1,W2、W3が形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分W1,W2、W3が形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ201に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ201へ流入する場合では、合流部分W1,W2、W3が形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ201へ流入させればよい。又合流部分W1,W2、W3が形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ201へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入させるにあたっては、まず、図9(c)のように、主シャッター209を閉状態とし、第一の補助シャッター210a及び第二の補助シャッター210bを開状態とし、第一の溜まりシャッター213aを閉状態とし、第二の溜まりシャッター213bを開状態とする。次に、ノズルからスプルー204に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー204に供給された樹脂材料M2は、スプルー204から第一の補助ランナー207aと第二の補助ランナー207bとに流入した後、第一の補助ランナー207aから第一の補助ゲート208aを通じてキャビティ201に流入する。また第二の補助ランナー207bから第二の補助ゲート208bを通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー204から主ランナー205にも流入するが、主ランナー205は主シャッター209により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート206からキャビティ201に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bの近傍において、先にキャビティ201に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入していく。また第二の接続部212bの近傍において、キャビティ201に流入している樹脂材料Mが第二の接続部212bから第二の樹脂溜まり211bに流入していく。ここで、第二の樹脂溜まり211bに流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)第二の樹脂溜まり211bに流入していく。そして、図9(d)のように、キャビティ201への第二の樹脂材料M2の流入によって、合流部分W1,W2、W3の樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入した場合、第二の樹脂材料M2は第二の樹脂溜まり211bの方に流れやすいので、第一のコア203aの第二の樹脂溜まり211bに近い角部近傍で新たな第四の合流部分(ウェルド)W4が生じることになる。そこで、第二の樹脂溜まり211bに樹脂材料Mが充満された後、第一の溜まりシャッター213aをさらに開状態とする。これにより、第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bからキャビティ201に流入していく第二の樹脂材料M2が第一の樹脂溜まり211aの方に向かって流動することになる。そして、図9(e)のように、第一のコア203aと第二のコア203bとを流れる樹脂材料Mにより、新たな第四の合流部分W4の樹脂材料Mが再流動することになり、射出成形品に第四の合流部分W4によるウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ201に流入しながら、キャビティ201に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型200を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー204及び主ランナー205及び第一の補助ランナー207a並びに第二の補助ランナー207bから形成される部分は不要部分であるため、主ゲート206及び第一の補助ゲート208a及び第二の補助ゲート208bの箇所で切除する。また第一の樹脂溜まり211a及び第二の樹脂溜まり211bから形成される部分も不要部分であるために、第一の接続部212a及び第二の接続部212bの箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図10のように、第一のコア203aに対応する部分が第一の開口部P1として形成され、第二のコア203bに対応する部分が第二の開口部P2として形成され、第三のコア203cに対応する部分が第三の開口部P3として形成されるものである。
(実施の形態6)
本実施の形態の射出成形型300は、例えば、金型で形成されている。また、射出成形型300は複数の分離可能な型部材を組合せて形成されている。例えば、射出成形型300は、コアが形成されたコア型部材と、キャビティが形成されたキャビティ型部材とで形成されている。
図11(a)は射出成形型300の概略構造を示す説明図である。301はキャビティであって、パーティング面302に矩形状に開口して形成されている。303a及び303bはコアであって、キャビティ301の内側に二つのコア303a及び303bが形成されている。第一のコア303aと第二のコア303bはキャビティ301の開口の中央に所定の間隔を介して位置して形成されている。第一のコア303a及び第二のコア303bはパーティング面302における外形が矩形状に形成されている。キャビティ301と第一のコア303a及び第二のコア303bとが同じ型部材に形成される場合、第一のコア303a及び第二のコア303bはキャビティ301の底面から突出して形成される。この場合、第一のコア303a及び第二のコア303bの先端面はパーティング面302と同じ位置に形成されている。キャビティ301と第一のコア303a及び第二のコア303bとが別の型部材に形成される場合、これら型部材を組み合わせたときに、第一のコア303a及び第二のコア303bの先端面がキャビティ301の底面と接するように形成されている。尚、キャビティ301の底面は、平坦面に形成されたり突出する部分を有したりする場合があるが、突出する部分を有する場合は、型部材を組み合わせたときに、第一のコア303a及び第二のコア303bの先端面が突出する部分に接することも可能である。 キャビティ301の外側において、射出成形型300にはスプルー304が形成されている。スプルー304の一端は射出成形型300の外面に開口して形成されている。スプルー304には第一の主ランナー305aと第二の主ランナー305bが接続されている。第一の主ランナー305aは第一の主ゲート306aを通じてキャビティ301と接続されている。第二の主ランナー305bは第二の主ゲート306bを通じてキャビティ301と接続されている。また、スプルー304には補助ランナー307が接続されている。補助ランナー307は補助ゲート308を通じてキャビティ301と接続されている。第一の主ゲート306aと第二の主ゲート306bと補助ゲート308とはキャビティ301の内面に開口して形成されている。第一の主ゲート306aはキャビティ301の一方の短辺側の内面に開口して形成されている。第二の主ゲート306bはキャビティ301の他方の短辺側の内面に開口して形成されている。補助ゲート308はキャビティ301の一方の長辺側の内面に開口して形成されている。補助ゲート308は第一のコア303aの長辺側の外面と第二のコア303bの長辺側の外面との間の空間に対応して形成されている。
キャビティ301の外側において、射出成形型300には第一の主シャッター309aと第二の主シャッター309bとが設けられている。第一の主シャッター309aは開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。第一の主シャッター309aの開状態では第一の主ランナー305aによりスプルー304と第一の主ゲート306aとが連通している。第一の主シャッター309aの閉状態では第一の主ランナー305aによるスプルー304と第一の主ゲート306aの連通が遮断されて不通になる。第二の主シャッター309bは開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。第二の主シャッター309bの開状態では第二の主ランナー305bによりスプルー304と第二の主ゲート306bとが連通している。第二の主シャッター309bの閉状態では第二の主ランナー305bによるスプルー304と第二の主ゲート306bの連通が遮断されて不通になる。
キャビティ301の外側において、射出成形型300には、補助シャッター310が設けられている。補助シャッター310は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。補助シャッター310の開状態では補助ランナー307によりスプルー304と補助ゲート308とが連通している。補助シャッター310の閉状態では補助ランナー307によるスプルー304と補助ゲート308の連通が遮断されて不通になる。 射出成形型300には樹脂溜まり311が設けられている。樹脂溜まり311はパーティング面302に開口する凹所として形成されている。樹脂溜まり311の容量はキャビティ301の容量よりも小さく形成されている。キャビティ301と樹脂溜まり311との間には接続部312が設けられている。接続部312はパーティング面302に開口する凹所として形成されている。キャビティ301と樹脂溜まり311とは接続部312を通じて連通するように形成されている。接続部312はキャビティ301の一方の長辺側(補助ゲート308を設けていない長辺側)の内面に開口して形成されている。樹脂溜まり311は第一のコア303aと対向する位置に形成されている。接続部312は第一のコア303aの短辺側の外面と対向する位置に形成されている。従って、接続部312と補助ゲート308は略対向している。
射出成形型300には溜まりシャッター313が設けられている。溜まりシャッター313は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。溜まりシャッター313の開状態では接続部312によりキャビティ301と樹脂溜まり311とが連通している。溜まりシャッター313の閉状態では接続部312によるキャビティ301と樹脂溜まり311の連通が遮断されて不通になる。
射出成形型300は、流動状態(溶融状態や粘稠状態など)の樹脂材料をキャビティ301に流入させ、この後、流動状態の樹脂材料を硬化あるいは固化することにより、射出成形品を製造することができる。樹脂材料は上記と同様のものである。
そして、射出成形型300を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型300を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー304の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型300の型締めを行う。次に、図11(a)のように、第一の主シャッター309aと第二の主シャッター309bを開状態とし、補助シャッター310を閉状態とし、溜まりシャッター313を閉状態とする。次に、ノズルからスプルー304に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、図11(b)のように、スプルー304に供給された樹脂材料M1は、スプルー304から第一の主ランナー305a及び第二の主ランナー305bとに流入した後、第一の主ランナー305aから第一の主ゲート306aを通じてキャビティ301に流入する。また第二の主ランナー305bから第二の主ゲート306bを通じてキャビティ301に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー304から補助ランナー307にも流入するが、補助ランナー307は補助シャッター310により不通となっているので、樹脂材料M1が補助ゲート308からキャビティ301に流入しない。
キャビティ301に流入した第一の樹脂材料M1は、第一のコア303aと第二のコア303bの周囲を回るように流動しながらキャビティ301に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、第一の主ゲート306a及び第二の主ゲート306bから第一のコア303aと第二のコア303bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ301内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1が第一のコア303aと第二のコア303bの周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、第一のコア303aと第二のコア303bの間で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流し、図11(c)のように、複数の合流部分Wが形成されることになる。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の複数の合流部分Wが形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ301に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の複数の合流部分Wが形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ301に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ301へ流入する場合では、合流部分Wが形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ301へ流入させればよい。又合流部分Wが形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ301へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ301に流入させるにあたっては、まず、図11(d)のように、第一の主シャッター309a及び第二の主シャッター309bを閉状態とし、補助シャッター310を開状態とし、溜まりシャッター310を開状態とする。次に、ノズルからスプルー304に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー304に供給された樹脂材料M2は、スプルー304から補助ランナー307に流入した後、補助ランナー307から補助ゲート308を通じてキャビティ201に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー304から第一の主ランナー305a及び第二の主ランナー305bにも流入するが、第一の主ランナー305aは第一の主シャッター309aにより不通となっており、第二の主ランナー305bは第二の主シャッター309bにより不通となっているので、樹脂材料M2が第一の主ゲート306a及び第二の主ゲート306bからキャビティ301に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、補助ゲート308の近傍において、先にキャビティ301に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら補助ゲート308からキャビティ301に流入していく。また接続部312の近傍において、キャビティ301に流入している樹脂材料Mが接続部312から樹脂溜まり311に流入していく。ここで、樹脂溜まり311に流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)樹脂溜まり311に流入していく。そして、図11(e)のように、キャビティ301への第二の樹脂材料M2の流入によって、合流部分Wの樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ301に流入しながら、キャビティ301に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型300を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー304及び第一の主ランナー305aと第二の主ランナー305b及び補助ランナー307から形成される部分は不要部分であるため、第一の主ゲート306a及び第二の主ゲート306b及び補助ゲート308の箇所で切除する。また樹脂溜まり311から形成される部分も不要部分であるために、接続部312の箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図7のように、第一のコア303aに対応する部分が第一の開口部P1として形成され、第二のコア303bに対応する部分が第二の開口部P2として形成されるものである。
(実施の形態7)
本実施の形態の射出成形型400は、例えば、金型で形成されている。また、射出成形型400は複数の分離可能な型部材を組合せて形成されている。例えば、射出成形型400は、コアが形成されたコア型部材と、キャビティが形成されたキャビティ型部材とで形成されている。
図12(a)は射出成形型400の概略構造を示す説明図である。401はキャビティであって、パーティング面402に矩形状に開口して形成されている。403はコアであって、キャビティ401の内側に形成されている。コア403はキャビティ401の開口の中央に位置して形成されている。コア403はパーティング面402における外形が矩形状に形成されている。キャビティ401とコア403とが同じ型部材に形成される場合、コア403はキャビティ401の底面から突出して形成される。この場合、コア403の先端面はパーティング面402と同じ位置に形成されている。キャビティ401とコア403とが別の型部材に形成される場合、これら型部材を組み合わせたときに、コア403の先端面がキャビティ401の底面と接するように形成されている。尚、キャビティ401の底面は、平坦面に形成されたり突出する部分を有したりする場合があるが、突出する部分を有する場合は、型部材を組み合わせたときに、コア403の先端面が突出する部分に接することも可能である。
キャビティ401の外側において、射出成形型400にはスプルー404が形成されている。スプルー404の一端は射出成形型400の外面に開口して形成されている。スプルー404には主ランナー405が接続されている。主ランナー405は主ゲート406を通じてキャビティ401と接続されている。また、スプルー404には補助ランナー407が接続されている。補助ランナー407は補助ゲート408を通じてキャビティ401と接続されている。主ゲート406はキャビティ401の一方の短辺側の内面に開口して形成されている。補助ゲート408はキャビティ401の一方の長辺側の内面に開口して形成されている。
射出成形型400には主シャッター409が設けられている。主シャッター409は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。主シャッター409の開状態では主ランナー405によりスプルー404と主ゲート406とが連通している。主シャッター409の閉状態では主ランナー405によるスプルー404と主ゲート406の連通が遮断されて不通になる。 射出成形型400には補助シャッター410が設けられている。補助シャッター410は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。補助シャッター410の開状態では補助ランナー407によりスプルー404と補助ゲート408とが連通している。補助シャッター410の閉状態では補助ランナー407によるスプルー404と補助ゲート408の連通が遮断されて不通になる。
射出成形型400には樹脂溜まり411が設けられている。樹脂溜まり411はパーティング面402に開口する凹所として形成されている。樹脂溜まり411の容量はキャビティ401の容量よりも小さく形成されている。キャビティ401と樹脂溜まり411との間には接続部412が設けられている。接続部412はパーティング面402に開口する凹所として形成されている。キャビティ401と樹脂溜まり411とは接続部412を通じて連通するように形成されている。接続部412はキャビティ401の他方の長辺側(補助ゲート408を接続していない方の長辺側)の内面に開口して形成されている。接続部412は補助ゲート408とほぼ対向する位置に設けられている。接続部412は、後述のように、樹脂材料をキャビティ401に流入させた際に形成される合流部分の近傍の位置に形成されるのが好ましい。この合流部分は、樹脂材料の性状やキャビティの形状や射出圧などにより適宜の位置に設定可能である。
射出成形型400には溜まりシャッター413が設けられている。溜まりシャッター413は開状態と閉状態との間で移動して開閉自在に形成されている。溜まりシャッター413の開状態では接続部412によりキャビティ401と樹脂溜まり411とが連通している。溜まりシャッター413の閉状態では接続部412によるキャビティ401と樹脂溜まり411の連通が遮断されて不通になる。
射出成形型400は、流動状態(溶融状態や粘稠状態など)の樹脂材料をキャビティ401に流入させ、この後、流動状態の樹脂材料を硬化あるいは固化することにより、射出成形品を製造することができる。樹脂材料は上記と同様のものである。
そして、射出成形型400を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型400を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー404の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型400の型締めを行う。次に、図12(a)のように、主シャッター409を開状態とし、補助シャッター410を閉状態とし、溜まりシャッター413を閉状態とする。次に、ノズルからスプルー404に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、図12(b)のように、スプルー404に供給された樹脂材料M1は、スプルー404から主ランナー405に流入した後、主ランナー405から主ゲート406を通じてキャビティ401に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー404から補助ランナー407にも流入することがあるが、補助ランナー407は補助シャッター410により不通となっているので、樹脂材料M1が補助ゲート408からキャビティ401に流入しない。
キャビティ401に流入した第一の樹脂材料M1は、コア403の周囲を回るように流動しながらキャビティ401に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート406からコア403の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ401内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1がコア403の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート406からコア403の周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。この合流部分(ウェルド)Wは、図12(c)のように、キャビティ401の補助ゲート408と接続部412との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ401に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ401へ流入する場合では、合流部分Wが形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ401へ流入させればよい。又合流部分Wが形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ401へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入させるにあたっては、まず、図12(c)のように、主シャッター409を閉状態とし、補助シャッター410を開状態とし、溜まりシャッター413を開状態とする。次に、図12(d)のように、ノズルからスプルー404に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー404に供給された樹脂材料M2は、スプルー404から補助ランナー407に流入した後、補助ランナー407から補助ゲート408を通じてキャビティ401に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー404から主ランナー405にも流入するが、主ランナー405は主シャッター409により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート406からキャビティ401に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、補助ゲート408の近傍において、先にキャビティ401に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら補助ゲート408からキャビティ401に流入していく。また接続部412の近傍において、キャビティ401に流入している樹脂材料Mが接続部412から樹脂溜まり411に流入していく。ここで、樹脂溜まり411に流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)樹脂溜まり411に流入していく。そして、キャビティ401への第二の樹脂材料M2の流入によって、図12(e)のように、合流部分Wの樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入しながら、キャビティ401に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型400を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー404及び主ランナー405及び補助ランナー407から形成される部分は不要部分であるため、主ゲート406及び補助ゲート408の箇所で切除する。また樹脂溜まり411から形成される部分も不要部分であるために、接続部412の箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図13のように、コア403に対応する部分が開口部Pとして形成されるものである。
(実施の形態8)
図14(a)のように、本実施の形態の射出成形型400は、スプルー404、主ランナー405、主ゲート406、補助ランナー407、補助ゲート408、主シャッター409、補助シャッター410、樹脂溜まり411、接続部412、溜まりシャッター413の各位置が、図12のものと異なって形成されている。その他の構成は図12のものと同様である。
主ゲート406は、キャビティ401の一方の長辺側の内面に開口して形成されている。主ゲート406は、キャビティ401の一方の長辺の略中央部に設けられている。主ゲート406は、主ランナー405によりスプルー404に接続されている。補助ゲート408は、キャビティ401の他方の長辺側の内面に開口して形成されている。補助ゲート408は、キャビティ401の他方の長辺の略中央部よりも少しずれた位置に設けられている。補助ゲート408は、補助ランナー407によりスプルー404に接続されている。樹脂溜まり411は、キャビティ401の一方の短辺の外側に設けられている。樹脂溜まり411は接続部412によりキャビティ401と接続されている。
そして、射出成形型400を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型400を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー404の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型400の型締めを行う。次に、図14(a)のように、主シャッター409を開状態とし、補助シャッター410を閉状態とし、溜まりシャッター413を閉状態とする。次に、ノズルからスプルー404に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー404に供給された樹脂材料M1は、図14(b)のように、スプルー404から主ランナー405に流入した後、主ランナー405から主ゲート406を通じてキャビティ401に流入する。このとき、樹脂材料M1はスプルー404から補助ランナー407にも流入することがあるが、補助ランナー407は補助シャッター410により不通となっているので、樹脂材料M1が補助ゲート408からキャビティ401に流入しない。
キャビティ401に流入した第一の樹脂材料M1は、コア403の周囲を回るように流動しながらキャビティ401に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート406からコア403の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ401内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1がコア403の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート406からコア403の周囲を約半周した位置で、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。この合流部分(ウェルド)Wは、キャビティ401の補助ゲート408の近傍であって、キャビティ401の一方の長辺側(主ゲート406と反対側の長辺)の内面とコア403との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ401に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ401へ流入する場合では、合流部分Wが形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ401へ流入させればよい。又合流部分Wが形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ401へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入させるにあたっては、まず、図14(c)のように、主シャッター409を閉状態とし、補助シャッター410を開状態とし、溜まりシャッター413を開状態とする。次に、ノズルからスプルー404に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー404に供給された樹脂材料M2は、図14(d)のように、スプルー404から補助ランナー407に流入した後、補助ランナー407から補助ゲート408を通じてキャビティ401に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー404から主ランナー405にも流入するが、主ランナー405は主シャッター409により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート406からキャビティ401に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、補助ゲート408の近傍において、先にキャビティ401に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら補助ゲート408からキャビティ401に流入していく。また接続部412の近傍において、キャビティ401に流入している樹脂材料Mが接続部412から樹脂溜まり411に流入していく。ここで、樹脂溜まり411に流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)樹脂溜まり411に流入していく。そして、図14(e)のように、キャビティ401への第二の樹脂材料M2の流入によって、合流部分Wの樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入しながら、キャビティ401に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型400を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー404及び主ランナー405及び補助ランナー407から形成される部分は不要部分であるため、主ゲート406及び補助ゲート408の箇所で切除する。また樹脂溜まり411から形成される部分も不要部分であるために、接続部412の箇所で切除する。このようにして得られる射出成形品MKは、図13のように、コア403に対応する部分が開口部Pとして形成されるものである。
(実施の形態9)
図15(a)のように、本実施の形態の射出成形型400は、スプルー404、主ランナー405、主ゲート406、補助ランナー407、補助ゲート408、主シャッター409、樹脂溜まり411、接続部412、溜まりシャッター413の各位置が、図12のものと異なって形成されている。また、補助シャッターは設けられていない。その他の構成は図12のものと同様である。
主ゲート406は、キャビティ401の一方の短辺側の内面に開口して形成されている。主ゲート406は、キャビティ401の一方の短辺の略中央部に設けられている。主ゲート406は、主ランナー405によりスプルー404に接続されている。補助ゲート408は、キャビティ401の他方の短辺側の内面に開口して形成されている。補助ゲート408は、キャビティ401の他方の短辺の略中央部に設けられている。補助ゲート408は、補助ランナー407によりスプルー404に接続されている。樹脂溜まり411は、キャビティ401の外側で主ランナー405の近傍に設けられている。樹脂溜まり411は接続部412により主ランナー405と接続されている。接続部412は主ゲート406と溜まりシャッター413との間において主ランナー405と接続されている。
そして、射出成形型400を用いて上記樹脂材料を射出成形することにより、射出成形品を製造するにあたっては、次のようにして行うことができる。
まず、射出成形型400を射出成形機にセットする。この場合、射出成形機のノズルをスプルー404の開口に接触させて接続する。次に、射出成形型400の型締めを行う。次に、図15(a)のように、主シャッター409を開状態とし、溜まりシャッター413を閉状態とする。次に、ノズルからスプルー404に樹脂材料を射出する。この樹脂材料は第一の樹脂材料M1であって、スプルー404に供給された樹脂材料M1は、スプルー404から主ランナー405及び補助ランナー407に流入した後、主ランナー405から主ゲート406を通じてキャビティ401に流入すると共に、補助ランナー407から補助ゲート408を通じてキャビティ401に流入する。
キャビティ401に流入した第一の樹脂材料M1は、コア403の周囲を回るように流動しながらキャビティ401に充填されていく。この場合、樹脂材料M1は、複数の流れに分離する。例えば、樹脂材料M1は、主ゲート406及び補助ゲート408からコア403の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分される。そして、複数の流れに分離した樹脂材料M1はキャビティ401内で再び合流する。例えば、樹脂材料M1がコア403の周囲を時計回りに流動する流れと反時計回りに流動する流れとに二分された場合には、主ゲート406及び補助ゲート408からコア403の周囲を約半周した位置で、図15(b)のように、二分された樹脂材料M1の流れの先頭が合流することになる。この合流部分(ウェルド)Wは、キャビティ401の長辺側の内面とコア403との間に形成される。樹脂材料M1の複数の流れの合流部分Wでは、樹脂材料M1の流れの先頭とその他の部分との熱履歴等が異なるため、そのままでは、射出成形品の表面にウェルドラインが形成されることになる。
そこで、第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後で、且つ保圧開始と同時又は保圧開始後に、第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入させる。この場合、「第一の樹脂材料M1の合流部分Wが形成された直後」とは、複数の第一の樹脂材料M1の先頭同士が合流した時点を言う。「保圧開始」はキャビティ401に樹脂材料M1が製品の形状に充填された状態で、ヒケが残っている状態の時点を言う。例えば、この実施の形態のように、ポリプロピレンの熱可塑性樹脂を使って樹脂材料M1をキャビティ401へ流入する場合では、合流部分Wが形成された直後は体積充填で約70%程度となり、この時点より第二の樹脂材料M2をキャビティ401へ流入させればよい。又合流部分Wが形成された後、体積充填で80〜85%になった時点から第二の樹脂材料M2をキャビティ401へ流入させれば、なお良いものである。また、第一の樹脂材料M1と第二の樹脂材料M2とは同じ組成であっても良いし、異なる組成であっても良いが、全体が均質な射出成形品を形成するには、樹脂材料M1と樹脂材料M2を同じ組成に調製するのが好ましい。第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入させるにあたっては、まず、図15(c)のように、主シャッター409を閉状態とし、溜まりシャッター413を開状態とする。次に、ノズルからスプルー404に第二の樹脂材料M2を射出する。スプルー404に供給された樹脂材料M2は、スプルー404から補助ランナー407に流入した後、補助ランナー407から補助ゲート408を通じてキャビティ401に流入する。このとき、樹脂材料M2はスプルー404から主ランナー405にも流入するが、主ランナー405は主シャッター409により不通となっているので、樹脂材料M2が主ゲート406からキャビティ401に流入しない。
第二の樹脂材料M2は、補助ゲート408の近傍において、先にキャビティ401に流入している第一の樹脂材料M1と混合しながら補助ゲート408からキャビティ401に流入していく。また接続部412の近傍において、キャビティ401に流入している樹脂材料Mが主ゲート406から主ランナー405に流入し、さらに接続部412から樹脂溜まり411に流入していく。ここで、樹脂溜まり411に流入していく樹脂材料Mは、主に、第一の樹脂材料M1であるが、第二の樹脂材料M2の一部又は全部も第一の樹脂材料M1とともに(混合された状態で)樹脂溜まり411に流入していく。そして、キャビティ401への第二の樹脂材料M2の流入によって、図15(d)のように、合流部分Wの樹脂材料M1が流動(再流動)することになり、これにより、射出成形品にウェルドラインが形成されにくくすることができ、ほとんどの場合、ウェルドラインが消えてなくなるものである。また、図2(a)〜(d)の場合と同様に、フィラーが含まれている射出成形品にもウェルドラインが形成されにくくて、射出成形品の外面は光沢性が優れるものとなる。
上記のようにして、第二の樹脂材料M2をキャビティ401に流入しながら、キャビティ401に充填した樹脂材料M(M1とM2)を所定の時間で保圧して硬化又は固化させる。次に、射出成形型400を型開きして射出成形品を脱型する。この後、射出成形品から不要部分を除去する。スプルー404及び主ランナー405及び補助ランナー407並びに樹脂溜まり411から形成される部分は不要部分であるため、主ゲート406及び補助ゲート408の箇所で切除する。この場合、上記の他の実施の形態に比べて、切断箇所を少なくして不要部分を除去することができる。このようにして得られる射出成形品MKは、図13のように、コア403に対応する部分が開口部Pとして形成されるものである。
100、200、300、400 射出成形型
101、201、301、401 キャビティ
104、204、304、404 スプルー
106、206、306、406 主ゲート
108、208、308、408 補助ゲート
111、211、311、411 樹脂溜まり
109、209、309、409 主シャッター
113、213、313、413 溜まりシャッター
M、M1、M2 樹脂材料
W、W1、W2、W3、W4 合流部分
本発明に係る射出成形型は、キャビティとスプルーと主ゲートと補助ゲートと樹脂溜まりとを備え、前記スプルーから前記主ゲートを通じて前記キャビティに流入された第一の樹脂材料が合流した直後に、前記スプルーから前記補助ゲートを通じて前記キャビティにさらに第二の樹脂材料を流入させることにより、前記キャビティに流入された前記第一の樹脂材料を前記樹脂溜まりに流入させながら前記キャビティで形成される前記第一の樹脂材料の合流部分を流動させる射出成形型において、
前記樹脂溜まりとして、第一の樹脂溜まりと第二の樹脂溜まりとを備え、
前記スプルーと前記主ゲートとの間には主シャッターが設けられ、
前記第一の樹脂溜まりと前記キャビティとの間には第一の溜まりシャッターが設けられ、
前記第二の樹脂溜まりと前記キャビティとの間には第二の溜まりシャッターが設けられ、
前記主シャッターは、前記スプルーと前記主ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記主ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、
前記第一の溜まりシャッターは、前記キャビティと前記第一の樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記第一の樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、
前記第二の溜まりシャッターは、前記キャビティと前記第二の樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記第二の樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、
前記主ゲートから前記キャビティに前記第一の樹脂材料を流入させるときには、前記主シャッターは開状態で、前記第一の溜まりシャッター及び前記第二の溜まりシャッターは閉状態となり、
前記補助ゲートから前記キャビティに前記第二の樹脂材料を流入させるときには、前記主シャッターは閉状態で、前記第一の溜まりシャッターは開状態と閉状態のいずれかになり、前記第二の溜まりシャッターは開状態となることを特徴とするものである。
前記射出成形型は、前記補助ゲートを複数個備えていることが好ましい。
前記スプルーと前記補助ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記補助ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成される補助シャッターを備えていることが好ましい。
本発明に係る射出成形品の製造方法は、キャビティとスプルーと主ゲートと補助ゲートと樹脂溜まりとを備えた射出成形型を用いて、前記スプルーから前記主ゲートを通じて前記キャビティに流入された第一の樹脂材料が合流した直後に、前記スプルーから前記補助ゲートを通じて前記キャビティにさらに第二の樹脂材料を流入させることにより、前記キャビティに流入された前記第一の樹脂材料を前記樹脂溜まりに流入させながら前記キャビティで形成される前記第一の樹脂材料の合流部分を流動させる射出成形品の製造方法であって、
前記樹脂溜まりとして、第一の樹脂溜まりと第二の樹脂溜まりとを備え、
前記スプルーと前記主ゲートとの間に主シャッターを設け、
前記第一の樹脂溜まりと前記キャビティとの間に第一の溜まりシャッターを設け、
前記第二の樹脂溜まりと前記キャビティとの間に第二の溜まりシャッターを設け、
前記主シャッターは、前記スプルーと前記主ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記主ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、
前記第一の溜まりシャッターは、前記キャビティと前記第一の樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記第一の樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、
前記第二の溜まりシャッターは、前記キャビティと前記第二の樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記第二の樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、
前記主シャッターを開状態、前記第一の溜まりシャッター及び前記第二の溜まりシャッターを閉状態とした後に、前記主ゲートから前記キャビティに前記第一の樹脂材料を流入させ、
この後、前記主シャッターを閉状態とし、前記第一の溜まりシャッターを閉状態のままで、前記第二の溜まりシャッターを開状態とした後に、前記補助ゲートから前記キャビティに前記第二の樹脂材料を流入させることを特徴とするものである。
前記射出成形品の製造方法は、前記補助ゲートから前記キャビティに前記第二の樹脂材料を流入させた後、前記第一の溜まりシャッターを開状態とすることが好ましい。
また本発明は、第一及び第二の溜まりシャッターを閉状態でキャビティに第一の樹脂材料を射出して完全に充填することができ、キャビティで第一の樹脂材料を保圧した後や保圧開始と同時に補助ゲートからキャビティに第二の樹脂材料を流入させることができる。また本発明では、第一及び第二の溜まりシャッターを閉状態でキャビティに第一の樹脂材料を流入させて完全に充填することができるので、成形機の圧力波形などで第一の樹脂材料の充填状態を明確に判断することができ、補助ゲートからの第二の樹脂材料の流入のタイミングを容易に判断することができる。従って、本発明は射出成形品の生産効率を低下しにくくすることができる。
また本発明では、主シャッターを閉状態で補助ゲートからキャビティに第二の樹脂材料を流入させることができ、キャビティに流入した第一及び第二の樹脂材料が主ゲートから流出するのを少なくしながら、合流部分で第一の樹脂材料を流動させることができ、主シャッターを閉状態にしない場合に比べて、第一及び第二の樹脂溜りの容量を少なくすることができて、歩留まりを低下しにくくすることができる。
(a)は射出成形型の実施の形態の一例を示す概略の説明図、(b)〜(d)は射出成形品の製造方法の実施の形態の一例を示す概略の説明図である。 (a)〜(d)は樹脂材料の合流部分での状態を示す概略の説明図である。 出成形品の一例を示す正面図である。 (a)〜(f)は補助ゲートと樹脂溜まりの位置関係を示す概略の説明図である。 (a)は射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(d)は射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 出成形品の他例を示す正面図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の一例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の一例を示す概略の説明図である。 (a)は本発明の射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は本発明の射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 本発明で製造される射出成形品の他例を示す正面図である。 (a)は射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 出成形品の他例を示す正面図である。 (a)は射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(e)は射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。 (a)は射出成形型の実施の形態の他例を示す概略の説明図、(b)〜(d)は射出成形品の製造方法の実施の形態の他例を示す概略の説明図である。

Claims (4)

  1. キャビティとスプルーと主ゲートと補助ゲートと樹脂溜まりとを備え、前記スプルーから前記主ゲートを通じて前記キャビティに流入された樹脂材料が合流する直前乃至直後に、前記スプルーから補助ゲートを通じて前記キャビティにさらに樹脂材料を流入させることにより、前記キャビティに流入された前記樹脂材料を前記樹脂溜まりに流入させながら前記キャビティで形成される前記樹脂材料の合流部分を流動させる射出成形型において、前記スプルーと前記主ゲートとの間には主シャッターが設けられ、前記樹脂溜まりと前記キャビティとの間には溜まりシャッターが設けられ、前記主シャッターは、前記スプルーと前記主ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記主ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記溜まりシャッターは、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記主ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させるときには、前記主シャッターは開状態で、前記溜まりシャッターは閉状態となり、前記補助ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させるときには、前記主シャッターは閉状態で、前記溜まりシャッターは開状態と閉状態のいずれかになることを特徴とする射出成形型。
  2. 前記補助ゲートと前記樹脂溜まりの少なくとも一方を複数個備えていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形型。
  3. 前記樹脂溜まりは前記合流部分に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形型。
  4. キャビティとスプルーと主ゲートと補助ゲートと樹脂溜まりとを備えた射出成形型を用いて、前記スプルーから前記主ゲートを通じて前記キャビティに流入された樹脂材料が合流する直前乃至直後に、前記スプルーから補助ゲートを通じて前記キャビティにさらに樹脂材料を流入させることにより、前記キャビティに流入された前記樹脂材料を前記樹脂溜まりに流入させながら前記キャビティで形成される前記樹脂材料の合流部分を流動させる射出成形品の製造方法であって、前記スプルーと前記主ゲートとの間に主シャッターを設け、前記樹脂溜まりと前記キャビティとの間に溜まりシャッターを設け、前記主シャッターは、前記スプルーと前記主ゲートとが連通する開状態と、前記スプルーと前記主ゲートとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記溜まりシャッターは、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが連通する開状態と、前記キャビティと前記樹脂溜まりとが不通になる閉状態との間で開閉自在に形成され、前記主シャッターを開状態、前記溜まりシャッターを閉状態とした後に、前記主ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させ、この後、前記主シャッターを閉状態とし、前記溜まりシャッターを閉状態のままで、又は閉状態から開状態とするのと同時に、あるいは閉状態から開状態とした後に前記補助ゲートから前記キャビティに前記樹脂材料を流入させることを特徴とする射出成形品の製造方法。
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