JP2015125035A - NOx計測装置及びNOx計測方法 - Google Patents

NOx計測装置及びNOx計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走行中の車両においても湿度変化の影響を受けずにエンジンやNOxセンサの異常を検出可能な装置を提供する。
【解決手段】エンジン6の排気管7に取り付けられ、排気管7内のNOx及び酸素を検出可能なNOxセンサ2と、NOxセンサ2で検出された検出値が入力され、検出値に基づいてNOx値及び酸素濃度を算出するNOxセンサ制御部3と、を備えるNOx計測装置1であって、NOxセンサ制御部3は、算出された酸素濃度に基づいて大気中の湿度を算出するとともに、算出されたNOx値を、湿度に基づいて所定の大気条件におけるNOx値に変換して出力され、走行している車両においてもエンジンが正常な状態で運転されているか否かを精度よく判定することが可能となり、誤った判定を減らすことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン等の排気ガス中に含まれるNOxを計測する装置に関するものである。
エンジンから排出されるNOxの排出量は、湿度の影響を受けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。このため、エンジンが排出ガス規制に適合しているか否かを試験する排出ガス試験法では、エンジンから排出されるNOxの排出量を湿度により補正している。
特開2008−286019号公報
しかしながら、実際に走行している車両では、排気ガス中のNOxの排出量を計測可能なNOxセンサを備えていても、排出ガス試験法と同じ条件で算出されるNOxの排出量については不明であるため、NOxセンサの出力値が基準値から外れた場合、その原因がエンジンやNOxセンサの異常によるものであるのか、あるいは大気中の湿度によるものであるのか判断できないおそれがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、走行中の車両においても湿度変化の影響を受けずにエンジンやNOxセンサの異常を検出可能とすることを目的とする。
本発明は、エンジンの排気管に取り付けられ、前記排気管内のNOx及び酸素を検出可能なNOx検出部と、前記NOx検出部で検出された検出値が入力され、前記検出値に基づいてNOx値及び酸素濃度を算出する制御部と、を備えるNOx計測装置であって、前記制御部は、算出された前記酸素濃度に基づいて大気中の湿度を算出するとともに、算出された前記NOx値を、前記湿度に基づいて所定の大気条件におけるNOx値に変換して出力することを特徴とする。
本発明によれば、NOx計測装置から、大気中の湿度によるNOxの排出量の変化を考慮した値が出力されるので、走行中の車両においても湿度変化の影響を受けずにエンジンやNOxセンサの異常を検出することが可能となる。
本発明の実施形態に係るNOx計測装置とエンジンとの関係を示す構成図である。 NOxセンサの概略を示す構成図である。 大気中の湿度に基づきNOx値を換算するフローチャートである。 空燃比から大気中の湿度を算出するブロック図である。 大気中の湿度と空燃比との関係を示すマップである。 大気中の湿度とNOx値との関係を示すマップである。 大気中の湿度に基づき換算されたNOx値を用いた異常判定のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るNOx計測装置1について説明する。
まず、図1を参照して、NOx計測装置1の構成について説明する。
NOx計測装置1は、エンジン6から排出される排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を検出し、NOx値を出力する装置である。ここでNOx値とは、NOxの濃度(例えば、ppm等。)や単位時間当たりのNOxの質量(例えば、g/h等。),単位時間単位出力当たりのNOxの質量(例えば、g/kWh等。)等である。
NOx計測装置1が装着されるエンジン6は、車両に搭載されており、図示しないシリンダ内で空気と燃料との混合気を燃焼させ、燃焼圧力によって図示しないクランク軸を回転させる。クランク軸の回転は、変速機等を介して車輪を駆動する駆動軸に伝達される。
エンジン6のシリンダ内での燃焼により生じた排気ガスは、エンジン6に接続された排気管7を通じて大気に放出される。排気管7には、排気ガス中のNOx,HC(ハイドロカーボン),CO(一酸化炭素)を浄化するために触媒8が配置されている。触媒8としては、酸化触媒,三元触媒,NOx吸蔵還元触媒,NOx選択還元触媒,等の公知のものが単独で又は複数組み合わせて用いられる。
NOx計測装置1は、NOx及び酸素を検出するNOx検出部としてのNOxセンサ2と、NOxセンサ2とハーネスを介して接続される制御部としてのNOxセンサ制御部3と、を備える。
NOxセンサ2は、触媒8の下流側の排気管7に取り付けられており、後述のように、排気管7内のガスが内部に導かれる構造を有している。
NOxセンサ制御部3は、NOxセンサ2へ供給する電圧を制御するとともにNOxセンサ2内の電圧値及び電流値を検出するセンサ制御部4と、センサ制御部4で検出された値及びエンジン制御装置9(以下、ECUと称する。)から提供されるエンジン運転状態に関するパラメータの値に基づいてNOx値等を算出する演算部5と、を備える。センサ制御部4及び演算部5の具体的な機能については後述する。
ECU9は、CPU(中央演算処理装置),ROM(リードオンリメモリ),RAM(ランダムアクセスメモリ),及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。
ECU9は、エンジン6を制御するために必要なプログラムとマップとを有し、エンジン制御に関連する図示しない各種センサ(アクセル開度センサ,吸入空気量センサ,吸気圧センサ,吸気温度センサ,大気圧センサ,エンジン回転数センサ,等)からの出力が入力されるとともに、エンジン6に供給する燃料量や供給時期等を操作する信号を出力する。
ECU9とNOxセンサ制御部3とは、CAN(コントローラエリアネットワーク)やハーネスを介して接続されており、それぞれにおいて算出された値を送受信する。ECU9及びNOx計測装置1には、図示しないバッテリから電力が供給される。
次に、図2を参照し、NOxセンサ2の概略構成について説明する。
NOxセンサ2の内部には、第1連通路22を通じて排気管7内部と連通する酸素濃度検出室20と、第2連通路23を通じて酸素濃度検出室20と連通するNOx濃度検出室21と、が形成される。
酸素濃度検出室20内には、内側基準電極25及び第1内側電極27が設けられる。酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなる隔壁24を介した酸素濃度検出室20の外側には、内側基準電極25と対向する位置に外側基準電極26が配置される。第1内側電極27と対向する位置には、第1外側電極28が配置される。
NOx濃度検出室21内には、第2内側電極29が設けられ、酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなる隔壁24を介したNOx濃度検出室21の外側には、第2内側電極29と対向する位置に第2外側電極30が配置される。
酸素濃度検出室20の外側に配置された外側基準電極26及び第1外側電極28と、NOx濃度検出室21の外側に配置された第2外側電極30とは、大気中に露出している。
第1内側電極27は、酸化機能を有する金属、例えば、白金を含有することが好ましい。また、第2内側電極29は、NOxを還元する機能を有する金属、例えば、ロジウムを含有することが好ましい。
このように構成されたNOx計測装置1は、図3のフローチャートに示されるように、空燃比及びNOx値を算出するとともに大気中の湿度を算出し、算出された大気中の湿度によって、算出されたNOx値を所定の大気条件におけるNOx値に変換して出力する。
次に、図3を参照して、各ステップについて説明する。
ステップS1,S2では、NOx計測装置1は、ECU9から大気圧及び大気温度を取得する。なお、NOx計測装置1内に大気圧センサ及び大気温度センサを設け、これらのセンサ出力から大気圧及び大気温度を取得する構成としてもよい。この場合、NOx計測装置1は、単独でNOx値を換算することができる。
ステップS3では、NOx計測装置1は、空燃比を算出する。空燃比の算出方法について、主に図2を参照して説明する。
エンジン6から排出された排気ガスは、排気管7を流れ、その一部はNOxセンサ2の第1連通路22を通じて酸素濃度検出室20内に流入する。酸素濃度検出室20内に排気ガスが流入すると、流入した排気ガス中の酸素濃度Dと大気中の酸素濃度Dとの差に応じて、内側基準電極25と外側基準電極26との間に起電力が生じる。NOxセンサ制御部3のセンサ制御部4は、この起電力が予め定められた所定の電圧Vとなるように、すなわち、酸素濃度検出室20内の酸素濃度が基準となる大気中の酸素濃度Dに対して所定の濃度低い目標酸素濃度Dとなるように、第1内側電極27と第1外側電極28との間に電圧Vを印加する。
具体的には、排気ガス中の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dよりも高ければ、酸素濃度検出室20内の酸素が第1内側電極27と第1外側電極28とを通じて大気中に排出されるように第1内側電極27と第1外側電極28との間に電圧Vを印加する。一方、排気ガス中の酸素濃度Dが目標酸素濃度Dよりも低ければ、酸素濃度検出室20外の大気から第1内側電極27と第1外側電極28とを通じて酸素が取り込まれるように第1内側電極27と第1外側電極28との間に電圧Vを印加する。
このようにして、センサ制御部4により、酸素濃度検出室20内の酸素濃度は所定の目標酸素濃度Dになるよう制御される。このとき、第1内側電極27と第1外側電極28との間に流れた電流値Aは、排出された酸素量または取り込まれた酸素量と相関がある。そこで、演算部5は、電流値Aに基づいて排気ガス中の酸素濃度Dを算出する。演算部5は、算出された排気ガス中の酸素濃度Dに基づいて空燃比を算出する。
ステップS4では、NOx計測装置1は、NOx値を算出する。NOx値の算出方法について、図2を参照して説明する。
ステップS3において、排気ガス中の酸素濃度を測定するために酸素濃度が一定に制御された酸素濃度検出室20内の排気ガスは、第2連通路23を通じてNOx濃度検出室21内に流入する。NOx濃度検出室21内に流入した排気ガス中の酸素は、第2内側電極29と第2外側電極30との間に所定の電圧Vが印加されることで酸素イオンとなり、第2内側電極29と第2外側電極30とを通じて大気中に排出される。
NOx濃度検出室21内の酸素濃度が低下すると、第2内側電極29において排気ガス中のNOxが還元反応を起こし、酸素と窒素に分解される。NOxの還元反応で生じた酸素は、酸素イオンとなって第2内側電極29と第2外側電極30とを通じて大気中に排出されることになる。このとき、第2内側電極29と第2外側電極30との間に流れた電流値Aは、排気ガス中に残存していた酸素濃度(目標酸素濃度D)とNOxの還元反応で生じた酸素濃度とを大気中へ排出するために要した値となる。このため、演算部5は、電流値Aから目標酸素濃度Dに相当する分を差し引いた電流値Aに基づいて排気ガス中のNOx値を算出することができる。
続いて、ステップS5では、大気中の湿度を算出する条件を満たしているか否かを判定する。大気中の湿度を算出する条件を満たしている場合、ステップS6に進み、大気中の湿度を算出する。
ここで、NOx計測装置1においてNOx値の換算に用いられる湿度を算出する方法として二つの方法について説明する。
まず、1つ目の方法について、図2を参照して説明する。
前述のようなNOxセンサ2では、酸素濃度を検出するため電極間に所定の電圧を印加しているが、電圧を高くすると検出室内の水分が分解され、水分の分解により生成された酸素も検出部で検出されてしまうことが知られている。
一方、大気中の湿度は、空気中に含まれる水分により規定される。そこで、1つ目の方法では、NOxセンサ2を利用して空気中の水分を算出し、水分量に基づき湿度を算出する。
具体的には、まず、ECU9から提供されるエンジン状態を示すパラメータの値に基づいてエンジン6が燃料カット状態にあるか否かをセンサ制御部4において判定する。センサ制御部4においてエンジン6が燃料カット状態にあると判定されると、センサ制御部4は、酸素濃度検出室20内に流入したガスの酸素濃度を検出する。エンジン6が燃料カット状態であるとき、エンジン6に吸入された空気は、燃料と混合することなくそのまま排気管7を通じて大気中に放出されるので、酸素濃度検出室20内には、排気ガスではなく空気が流入する。
センサ制御部4は、内側基準電極25と外側基準電極26との間に生じる起電力が予め定められた所定の湿度測定時電圧Vとなるように、すなわち、酸素濃度検出室20内の酸素濃度が所定の湿度測定時酸素濃度Dとなるように、第1内側電極27と第1外側電極28との間に第1排出電圧Vを印加する。これにより、酸素濃度検出室20内の酸素は、第1内側電極27及び第1外側電極28を通じて酸素濃度検出室20外へ排出される。第1内側電極27と第1外側電極28との間に流れた電流値Aは、排出された酸素量と相関するので、演算部5は、電流値Aに基づいてNOxセンサ2内に流入した空気中の酸素濃度Dを算出することができる。湿度測定時酸素濃度Dを可能な限り低く設定すれば、酸素濃度Dは大気中の酸素濃度Dに極めて近い値となる。
続いて、センサ制御部4は、空気中の水分を測定するために、第1内側電極27と第1外側電極28との間に第1排出電圧Vよりも高い第2排出電圧Vを印加する。第2排出電圧Vは、空気中の水分が分解されて酸素を生成する程度の値に設定される。このとき酸素濃度検出室20内の酸素を排出するために要した電流値Aは、空気中の酸素と空気中の水分が分解されて生成された酸素とを合わせた酸素量と相関する。このため、電流値Aと電流値Aとの差分は、空気中の水分量と相関することになるので、演算部5は、この差分に基づいて、空気中の水分量を算出し、水分量に基づき湿度を算出する。
この方法により大気中の湿度を算出する場合、ステップS5の湿度算出条件としては、エンジン6が燃料カット状態にあることである。
次に、2つ目の湿度算出方法について、主に図4及び図5を参照して説明する。
前述のように、演算部5は、排気ガス中の酸素濃度Dに基づいて空燃比を算出している。ここで、酸素濃度Dを算出する基準となる目標酸素濃度Dは、大気中の酸素濃度Dに基づいて設定されるので、大気中の酸素濃度Dが湿度に応じて変化した場合、目標酸素濃度Dも同様に変化する。
しかしながら、演算部5において空燃比を算出するにあたっては、大気中の酸素濃度Dは常に標準大気状態の酸素濃度(例えば21%)を有しているものとしている。このため、演算部5で算出される空燃比は、湿度が高いほど小さな値となってしまう。ここで、逆の見方をすれば、演算部5で算出される空燃比と、排出ガス試験方法と同じ大気状態、いわゆる標準大気条件(例えば、大気圧力100kPa,大気温度25℃,相対湿度30%。)でエンジン6を運転したときの空燃比(以下、標準運転空燃比と称する。)と、の差は、大気中の湿度に相関することがわかる。そこで、二つ目の方法では、この相関性を利用して大気中の湿度を算出する。
演算部5は、図4に示すように、NOxセンサ2の出力に基づいて空燃比を算出する空燃比算出ブロック41と、標準運転空燃比を推定する空燃比推定ブロック42と、空燃比算出ブロック41で算出された算出空燃比と空燃比推定ブロック42で推定された標準運転空燃比とから大気中の湿度を演算する湿度算出ブロック43と、を備える。
空燃比算出ブロック41では、上述の通り、NOxセンサ2の検出値に基づいて算出空燃比Rが算出される。
空燃比推定ブロック42には、排出ガス試験方法と同じ大気状態、いわゆる標準大気条件(例えば、大気圧力100kPa,大気温度25℃,相対湿度30%。)でエンジン6を運転したときの標準運転空燃比を、エンジン6の運転状態を示すパラメータであるアクセル開度や吸入空気量,エンジン回転数等に対してマップ化したものが格納されている。空燃比推定ブロック42では、ECU9から供給される現在のエンジン状態を示すパラメータの値に基づいて、標準運転空燃比Rが推定される。
湿度算出ブロック43には、図5に示されるような、算出空燃比Rと標準運転空燃比Rとの差分と、大気中の湿度と、の相関関係を示すマップが格納されている。図5において、横軸は大気中の湿度であり、縦軸は算出空燃比Rと標準運転空燃比Rとの差分である。算出空燃比Rが標準運転空燃比Rより小さいほど湿度が高いことを示している。湿度算出ブロック43では、入力された算出空燃比R及び標準運転空燃比Rに基づいて、大気中の湿度が算出される。
この方法により大気中の湿度を算出する場合、ステップS5の湿度算出条件としては、エンジン6が回転数及び負荷が安定した定常運転状態にあり、空燃比が安定した状態にあることである。
算出された湿度は演算部5に記憶される。湿度の算出はキースイッチをオンした後、算出条件が成立した時に行われ、算出された湿度は次に湿度が算出されるまで保存される。湿度を算出する頻度は、キースイッチがオンされてから少なくとも1回行われればよいが、複数回実施してもよい。湿度の算出を複数回実施した場合、その平均値から湿度を算出することによって算出精度を向上することができる。
ステップS7では、ステップS4で算出されたNOx値が、後述のように、ステップS6で算出された湿度により所定の大気条件におけるNOx値に変換される。ステップS5において条件を満たさなかった場合、NOx値の換算は、以前に算出された湿度によって行われる。なお、湿度の算出方法は前述の方法に限定されるものではなく、NOxセンサ2の出力値を利用して湿度を求めることができればどのような方法でもよい。また、複数の算出方法により算出された湿度の平均値を用いる構成としてもよい。この場合、湿度の算出精度が向上し、より正確にNOx値の換算を行うことができる。
ここで、ステップS7においてNOx値を湿度に応じて所定の大気条件におけるNOx値に変換する方法について説明する。
演算部5には、図6に示されるような、大気中の湿度を変化させた場合にエンジンから排出されるNOx値がどのように変化するのかが、エンジン回転数やエンジン負荷毎にマップとして格納されている。図6において、横軸は大気中の湿度であり、縦軸はNOx値である。実線はエンジン試験により測定されたNOx値を示しており、大気中の湿度が高くなるほどエンジンから排出されるNOx値は低下することが示されている。破線は湿度が所定の大気条件における湿度(例えば、30%)であったときのNOx値を示している。算出された湿度における実線と破線との差分から、算出されたNOx値を所定の大気条件におけるNOx値に換算するための換算係数が求められる。
すなわち、算出された湿度と所定の大気条件における湿度との差が大きいほど、換算係数は大きくなる。また、算出された湿度が所定の大気条件における湿度よりも高い場合、算出されたNOx値は増加する方向に換算され、算出された湿度が所定の大気条件における湿度よりも低い場合、算出されたNOx値は減少する方向に換算される。
この結果、算出されたNOx値は、算出された湿度に基づいて、例えば、排出ガス試験方法と同じ大気状態、いわゆる標準大気条件(例えば、大気圧力100kPa,大気温度25℃,相対湿度30%。)でエンジン6を運転した場合に相当する値に変換される。所定の大気条件は、排出ガス試験方法と同じ大気条件に限らず任意に設定可能である。なお、湿度によってNOx値を所定の大気条件におけるNOx値に換算するにあたっては、公知のNOx値換算式を用いることもできる。
また、一般的に、NOxセンサや空燃比センサの出力値は湿度に応じて誤差が生じることから、ステップS7でNOx値を換算する前に、ステップS3において算出された空燃比及びステップS4で算出されたNOx値をステップS6で算出した湿度によって補正し、湿度によるNOxセンサ2の出力誤差を排除しておくことが好ましい。
ステップS7にて湿度により換算されたNOx値Eは、ステップS8において、NOx計測装置1からECU9へ出力され、大気中の湿度によるNOx値の換算が終了する。このように大気中の湿度によって換算されたNOx値Eは、走行中の車両における異常をECU9で判定するために用いられる。
以下、図7を参照して、湿度により換算されたNOx値Eを用いて走行中の車両における異常を判定する方法について説明する。
ステップS11では、ECU9は、NOx計測装置1から湿度により換算されたNOx値Eを取得する。ステップS12,S13では、ECU9が、大気圧センサ及び吸入空気温度センサの出力値に基づいて、湿度により換算されたNOx値Eを大気圧及び大気温度で補正する。なお、NOx計測装置1の演算部5において、すでに大気圧及び大気温度に基づいてNOx値を補正している場合は、ステップS12及びS13は実行されない。
ステップS14では、湿度により換算されたNOx値Eが一定の値に固定されているか否かを判定する。エンジンの負荷や回転数が変化しているにも関わらず、所定時間に渡って値が変化しない場合は、値が固定されていると判定し、ステップS15に進み異常と判定する。
湿度により換算されたNOx値Eが一定の値に固定されていないと判定された場合は、ステップS16に進み、湿度により換算されたNOx値Eが上限値または下限値を超えているか否かを判定する。上限値及び下限値は、通常のエンジン運転状態では発生し得ない値に設定される。湿度により換算されたNOx値Eが上限値または下限値を超えた場合、ステップS15に進み異常と判定し、超えていない場合には、ステップS17に進む。
ステップS17では、エンジン6の運転状態から予測されるNOx値を導出し、導出された予測NOx値Eと湿度により換算されたNOx値Eとを比較し、その差分を算出する。予測NOx値Eの導出には、ECU9に格納された基準NOx値マップが用いられる。基準NOx値マップは、排出ガス試験方法と同じ大気状態、いわゆる標準大気状態(例えば、大気圧100kPa,大気温度25℃,相対湿度30%。)でエンジン6を運転したときに排出されたNOx値を、エンジン6の運転状態を示すパラメータであるアクセル開度や吸入空気量,エンジン回転数等に対してマップ化したものである。
ステップS18では、ステップS17で算出された差分が閾値より大きいか否かを判定する。閾値は、エンジン6の個体差によるNOx値のばらつきやNOx値の法規制値に対する許容範囲等を考慮して設定される。差分が閾値より大きい場合には、ステップS15に進み異常と判定し、差分が閾値以下の場合には、ステップS19に進み正常と判定して、判定を終了する。
なお、異常の判定は、ECU9ではなく、NOx計測装置1で行われる構成としてもよい。その場合、判定結果がNOx計測装置1からECU9へ送信される。
また、異常の判定に用いられるNOx値としては、瞬間値を用いても、所定期間における積算値を用いてもよい。
また、NOx計測装置1は、触媒8の下流ではなく、上流に配置してもよい。この場合、触媒8の劣化によるNOx値の変化を考慮する必要がなくなる。
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
従来、実際に走行している車両では、排気ガス中のNOxの排出量を計測可能なNOxセンサを備えていても、排出ガス試験法と同じ条件で算出されるNOxの排出量については不明であるため、NOxセンサの出力値が基準値から外れた場合、その原因がエンジンやNOxセンサの異常によるものであるのか、あるいは大気中の湿度によるものであるのか判断できないおそれがあった。
これに対して、NOx計測装置1では、大気中の湿度で換算されたNOx値が出力されるので、この換算されたNOx値に基づいて、走行している車両においてもエンジンが正常な状態で運転されているか否かを精度よく判定することが可能となり、誤った判定を減らすことができる。
また、NOx計測装置1から出力されるNOx値は、所定の大気条件におけるNOx値に変換されるので、例えば、排出ガス試験法と同じ条件で計測されたエンジン単体でのNOx値を異常判定のための比較基準として用いることが可能となる。
また、従来、大気中の湿度を測定するには、湿度センサを別途設けなければならなかったが、大気中の湿度をNOxセンサで検出された値に基づいて算出するので、湿度センサを別途設ける必要がなく、コストが低減される。また、湿度センサを別途設けた場合、湿度センサの異常判定を行わなければならないが、従来から取り付けられているNOxセンサを利用するのでそのような必要がない。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
1 NOx計測装置
2 NOxセンサ(NOx検出部)
3 NOxセンサ制御部(制御部)
4 センサ制御部
5 演算部
6 エンジン
7 排気管
8 触媒
9 エンジン制御装置
20 酸素濃度検出室
21 NOx濃度検出室
25 内側基準電極
26 外側基準電極
27 第1内側電極
28 第1外側電極
29 第2内側電極
30 第2外側電極

Claims (5)

  1. エンジンの排気管に取り付けられ、前記排気管内のNOx及び酸素を検出可能なNOx検出部と、
    前記NOx検出部で検出された検出値が入力され、前記検出値に基づいてNOx値及び酸素濃度を算出する制御部と、を備えるNOx計測装置であって、
    前記制御部は、算出された前記酸素濃度に基づいて大気中の湿度を算出するとともに、算出された前記NOx値を、前記湿度に基づいて所定の大気条件におけるNOx値に変換して出力することを特徴とするNOx計測装置。
  2. 前記制御部は、前記エンジンが燃料カット状態にあると判定した場合に、前記NOx検出部で検出された検出値に基づき酸素濃度を算出し、算出された前記酸素濃度に基づいて大気中の湿度を算出することを特徴とする請求項1に記載のNOx計測装置。
  3. 前記制御部は、算出された前記酸素濃度に基づいて排気ガス中の空燃比を算出するとともに、前記エンジンの運転状態から標準運転空燃比を導出し、算出された前記空燃比と導出された前記標準運転空燃比との差に基づいて湿度を算出することを特徴とする請求項1に記載のNOx計測装置。
  4. 前記制御部は、前記湿度に基づいて変換された所定の大気条件におけるNOx値と、前記エンジンの運転状態から導出される基準NOx値と、を比較し、その差が所定値以上である場合に異常があると判定することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載のNOx計測装置。
  5. NOx検出部で検出された検出値からNOx値及び酸素濃度を算出し、算出された前記酸素濃度に基づいて大気中の湿度を算出し、算出された前記NOx値を、前記湿度に基づいて所定の大気条件におけるNOx値に変換することを特徴とするNOx計測方法。



















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