JP2015106087A - ブレ補正装置、レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、角速度センサの出力信号をLPF(ローパスフィルタ)処理により算出し、更に、動きベクトル情報を用いて、基準値を補正する技術が提案されている。
また、ブレ補正レンズが可動端に到達することを防ぐ為に、センタバイアス処理を行う場合があるが、特許文献1では、センタバイアス量の大きさに応じて、ジャイロ基準値の補正ゲインを変更する技術も提案されている(特許文献1参照)。
この為、露光中の基準値は、半押し中に対して悪化してしまう場合もあり、基準値補正の効果が薄れてしまう、という課題がある。
本発明の課題は、精度の良い基準値補正が可能なブレ補正装置、レンズ鏡筒及びカメラを提供することである。
請求項1に記載の発明は、光学部材のブレを補正するブレ補正装置において、前記光学部材の角速度を検出する角速度センサと、前記角速度センサの出力信号の基準値を演算する基準値演算部と、入力した被写体像光に基づき、連続するフレームごとの画像信号を生成する撮像素子と、前画像信号を基に、前記フレームの間の画像の動きベクトルを演算する動きベクトル演算部と、前記動きベクトルを基に、前記基準値を補正する基準値補正部と、前記角速度センサの前記出力信号及び前記補正後の基準値を基に、前記光学部材をブレ補正させるために移動させる光学素子の目標位置を演算する目標位置演算部と、を備え、前記目標位置演算部は、前記撮像素子の露光中は、露光前における前記補正後の基準値を基に、前記目標位置を演算すること、を特徴とするブレ補正装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレ補正装置において、前記目標位置演算部は、前記露光中において、露光前における前記補正後の基準値を第1の時間で平均した平均基準値を基に、前記目標位置を演算すること、を特徴とするブレ補正装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のブレ補正装置において、前記光学部材はレンズ鏡筒であり、前記レンズ鏡筒の焦点距離が長いとき、前記1の時間を短くすること、を特徴とするブレ補正装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のブレ補正装置において、前記第1の時間を、前記動きベクトルの分解能が小さいほど短くすること、を特徴とするブレ補正装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載のブレ補正装置において、前記基準値の演算時間が第2の時間以上である場合のみ、露光中の基準値を、前記第1の時間の平均値とすること、を特徴とするブレ補正装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のブレ補正装置を備えるレンズ鏡筒である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のブレ補正装置を備えるカメラである。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のブレ補正装置を備えるカメラ1を模式的に示す断面図である。
カメラ1は、デジタル一眼レフカメラであり、カメラ筐体1Aと、このカメラ筐体1Aに対して着脱自在に装着されるレンズ鏡筒(光学部材)1Bとを備えている。
撮像素子3は、撮影レンズ(4,5,6)により形成された被写体像を撮像する素子であり、被写体光を露光して電気的な画像信号に変換し、信号処理回路15へ出力する。撮像素子3は、例えばCCD、CMOSなどの素子により構成されている。
EEPROM14は、角速度センサ12のゲイン値などの調整値情報、レンズ鏡筒固有の情報等を記憶するメモリであって、CPU2に出力する。
信号処理回路15は、撮像素子3からの出力を受けて、ノイズ処理やA/D変換等の処理を行う回路である。
レリーズスイッチ17は、カメラ1の撮影操作を行う部材であって、シャッタ駆動のタイミング等を操作するスイッチである。
フォーカスレンズ群5は、フォーカスレンズ群駆動機構8により駆動され、光軸方向に移動して、焦点を合わせるレンズ群である。
ブレ補正レンズ群6(光学素子)は、VCM等のブレ補正レンズ群駆動機構9により光学的にブレ補正駆動され、光軸に垂直な面上で可動なレンズ群である。
角速度センサ12は、それぞれセンサユニットに生じる振れの角速度を検出するセンサである。
ブレ補正装置100は、カメラCPU2A、レンズCPU2B、角速度センサ12、ブレ補正レンズ群駆動機構(レンズ駆動部)9、レンズ位置検出部21、及びブレ補正レンズ群6を備える。
レンズCPU2Bは、増幅部31と、第1A/D変換部32、第2A/D変換部33、基準値演算部34、基準値補正量演算部35、積分部を内部に含む目標位置演算部36、センタバイアス演算部37、センタバイアス除去部38、駆動量演算部39を備える。
角速度センサ12は、レンズ鏡筒1BのX軸回り(Pitch)、Y軸回り(Yaw)、(X軸は、カメラの正位置での撮像素子3の受光面の水平方向の軸、Y軸は、鉛直方向の軸である)の角速度を検出する振動ジャイロ等のセンサである。
第1A/D変換部32は、増幅部31の出力をA/D変換する。
基準値演算部34は、角速度センサ12から得られた振動検出信号(第1A/D変換部32の出力)の基準値(補正角速度基準値)を演算する。
そして、基準値演算部34において演算された基準値を、第1A/D変換部32の出力から減算部43において減算する。
目標位置演算部36は、減算部43において基準値が減算された後の角速度センサ12の出力を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する。
そして、像振れ補正レンズ6の目標位置から、算出したバイアス量を減算することにより像振れ補正レンズ6の制御位置を算出する。
このようにセンタリングバイアス処理を行うことで、像振れ補正レンズ6がハードリミットに衝突することを有効に防止することができ、さらには、撮影画像の見栄えを向上させることができる。
信号処理部40は、撮像素子3により生成された画像信号について、所定の処理を行なう。実際には、図1の構成で動きベクトルを得るためには、ミラーアップし、スルー画(ライブビュー)を得て、撮像素子3に光(像)が届いた状態で演算する。
具体的には、動きベクトル演算部41は、撮像素子3により撮像された連続する2つのフレーム画像データに含まれる輝度情報を比較することで、像の動き方向および動き量を検出し、第1動きベクトルを演算する。実際には、像の動きから手振れ相当の動きベクトルの演算を行う。
基準値補正量演算部(基準値補正部)35は、センタバイアス除去部38においてセンタバイアス量が除去された第2動きベクトル(MV2)をもとに、基準値補正量を演算する。
そして、減算部(基準値補正部)42は、基準値演算部34の出力から、基準値補正量演算部35により求めた基準値補正量を減算する。
また、本実施形態においては、スイッチ部46が設けられており、撮像素子3の露光前はA側に接続され、減算部(基準値補正部)42により基準値補正量が減算された基準値が、減算部43において減算に用いられる。
また、撮像素子3の露光中はB側に接続され、露光直前における補正後の基準値の所定時間の平均値が、減算部43において減算に用いられる。
図3は、本実施形態のブレ補正装置100の動作の流れを示したフローチャートである。
基準値演算部34は、角速度センサ12の出力のA/D変換後の信号を基に、演算上の角速度の基準値(ゼロdeg/s相当の値)を算出する。角速度の基準値は、温度特性や、起動直後のドリフト特性等により変化するため、例えば、工場出荷時における角速度センサ12の静止時出力を基準値に用いることはできない。
また、露光中は第1動きベクトルMV1の情報が得られないため、このステップは、露光直前までの実施となる。
基準値減算後の角速度センサ12の出力を積算し、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、ブレ補正レンズ特性情報を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する(S006)。
ブレ補正レンズ群6が可動端へ到達することを防ぐため、センタバイアス処理を行う(S007)。
ブレ補正レンズ群6を目標位置まで駆動させ(S009)、S002へ戻る。
上述のように、第1動きベクトルMV1の情報が更新された場合(S004)、S005へ進む。更新されていない場合は、S006へ進む。
光学ブレ補正の制御周期は、MV1の更新周期に対して十分早い為、MV1が更新されるまでは、通常の防振と同様の演算処理を行う。ここでは、光学ブレ補正の制御周期1[ms]、第1動きベクトルMV1の更新周期:33[ms](=30[fps])とする。第1動きベクトルMV1の演算方法については、公知技術を用いる。
S007にて演算したセンタバイアス成分を、第1動きベクトルMV1と同一スケールに換算する(S012)。
換算方法は、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、第1動きベクトルMV1の分解能情報を基に演算する。
Bias_MV=Bias_θ*f(1+β)/MV_pitch
Bias_MV:センタバイアス成分(動きベクトル同一スケール)
Bias_θ:センタバイアス成分(角度)
f:焦点距離
β:撮影倍率
MV_pitch:MV1ピッチサイズ
最新の第2動きベクトルMV2(n)と1フレーム前の第2動きベクトルMV2(n−1)の差分:MV_diffを取得(S014)。
MV_diffを基に、基準値を補正する量を設定する。基準値は、以下の考えにより、補正量を設定する(S015)。
MV_diff>0:ω0_comp=−ω0_comp_def
MV_diff<0:ω0_comp=+ω0_comp_def
MV_diff=0:ω0_comp=0
ω0_comp :基準値補正量
ω0_comp_def:基準値補正常数
破線で示したω01は、角速度情報のみを用いて補正を行わなかった場合の基準値を演算した結果を示す。
一点鎖線のω02は、露光前は動きベクトル情報を用いて補正を行うが、露光後は補正を行わない場合の基準値の結果である。
図中、時刻t1は、レリーズスイッチが押された時刻である。
t1以前では、角速度基準値ω02は、補正を行わない場合のω01に対してより真値に近い値をとっている。しかし、t1以降は、ω01に対しての改善は僅かとなっている。
また、補正後露光中の基準値(露光前のみ補正)は、半押し中に対して悪化してしまう場合があることを示しており、比較形態においては、基準値補正の効果が薄れてしまう、という課題がある。
この処理により、露光中においても、より真値に近いω0値をとることが可能となり、防振性能が向上する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、平均値を取得するための所定時間T1を、焦点距離により変更する。それ以外は同様であるので同様な部分の説明は省略する。
本実施形態において、平均値を取得するための所定時間T1を、焦点距離により変更する理由は以下の通りである。
図7は、焦点距離が異なる場合の角速度基準値波形(半押し中)を示すグラフである。
図示するように、角速度基準値を補正するシステムにおいては、動きベクトル情報を用いて、焦点距離が長い場合(ω0_f=長)と焦点距離が短い場合(ω0_f=短)に比べて補正効果が高い傾向にある。これは、焦点距離が長いほど、微小なω0誤差も動きベクトル情報として検出できる為である。
図8は、平均値を取得する時間T1と、焦点距離との関係を示した図である。本実施形態では、焦点距離が短い場合には、図8に示すように平均値を取得する所定時間T1を長めに設定する。
これによって、より誤差の少ない値をとることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、平均値を取得するための所定時間T1を、動きベクトルの検出分解能によって変更する。それ以外は同様であるので同様な部分の説明は省略する。
図9は、平均値を取得する時間T1と、分解のとの関係を示した図である。本実施形態では、分解能が高い場合には、図9に示すように平均値を取得する所定時間T1を長めに設定する。理由は、第2実施形態と同様である。
これによって、より誤差の少ない値をとることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して、平均値を取得するための所定時間T1を、焦点距離と分解能に応じて変更する点が異なる。それ以外は同様であるので同様な部分の説明は省略する。
図10は、平均値を取得する時間T1と、分解能及び焦点距離との関係を示した図である。本実施形態では、分解能が高い場合には、図10に示すように平均値を取得する所定時間T1を長めに設定する。そして、焦点距離が長いほど図10に示すように平均値を取得する所定時間T1を長めに設定する。
これによって、より誤差の少ない値をとることができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して、角速度基準値の演算時間が所定時間T2以上である場合のみ、露光中の基準値を、所定時間:T1間の平均値とする点が異なる。それ以外は同様であるので同様な部分の説明は省略する。
基準値演算時間がT2に満たない場合は、基準値演算処理(図4のLPF処理)により、露光中の基準値を演算する。
これは、基準値演算は、時定数の大きな(fc=0.1[Hz]程度)LPF処理により演算しているため、基準値演算が収束するためにはある程度の時間が必要となるからである。
基準値演算が収束しきっていない場合に、前述の処理(露光中の基準値を一定とする)を行った場合、むしろ、誤差を悪化させてしまう場合がある。このため、演算時間により露光中処理を切換える必要がある。
図11は、時刻t0時点で、基準値演算を開始した場合の波形例である。動きベクトル情報を用いる事で、基準値の収束性も改善されているが、それでも、安定するまでに、時間がかかっている(T2)。この為、t0〜t1間にレリーズされた場合に、実施形態1〜4に記載した処理を行うと、むしろ誤差を悪化させてしまう場合もある。
そこで、実施形態1〜4の処理を実施する際は、基準値の演算時間が、所定時間T2以上経過している場合にのみ行うこととする。
また、実施形態2〜3と同様の理由により、所定時間T2は、焦点距離、動きベクトル検出分解能によって変更してもよい。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
本実施形態では、ブレ補正レンズ群を移動させることによりブレ補正を行う形態について説明したが、これに限定されない。例えば、撮像素子を移動させることによりブレ補正を行うものであっても良く、またブレ補正レンズ群と撮像素子とを移動させることによりブレ補正を行うものであっても良い。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (7)
- 光学部材のブレを補正するブレ補正装置において、
前記光学部材の角速度を検出する角速度センサと、
前記角速度センサの出力信号の基準値を演算する基準値演算部と、
入力した被写体像光に基づき、連続するフレームごとの画像信号を生成する撮像素子と、
前画像信号を基に、前記フレームの間の画像の動きベクトルを演算する動きベクトル演算部と、
前記動きベクトルを基に、前記基準値を補正する基準値補正部と、
前記角速度センサの前記出力信号及び前記補正後の基準値を基に、前記光学部材をブレ補正させるために移動させる光学素子の目標位置を演算する目標位置演算部と、
を備え、
前記目標位置演算部は、
前記撮像素子の露光中は、露光前における前記補正後の基準値を基に、前記目標位置を演算すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1に記載のブレ補正装置において、
前記目標位置演算部は、
前記露光中において、露光前における前記補正後の基準値を第1の時間で平均した平均基準値を基に、前記目標位置を演算すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項2に記載のブレ補正装置において、
前記光学部材はレンズ鏡筒であり、
前記レンズ鏡筒の焦点距離が長いとき、前記1の時間を短くすること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項2または3に記載のブレ補正装置において、
前記第1の時間を、前記動きベクトルの分解能が小さいほど短くすること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項2から4のいずれか1項に記載のブレ補正装置において、
前記基準値の演算時間が第2の時間以上である場合のみ、露光中の基準値を、前記第1の時間の平均値とすること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のブレ補正装置を備えるレンズ鏡筒。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のブレ補正装置を備えるカメラ。
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