JP2015098307A - 車両用制駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1体の操作子の操作によって制駆動力制御を行う構成において、駆動力制御と制動力制御との間で制御が切り替わる際の操作子の操作による、速度制御性の向上と加減速度制御性の向上とを両立する。
【解決手段】操作子の操作領域が、該操作領域の下限値から上限値に向けて、第1制動力制御領域(ACA1)、第2制動力制御領域(ACA2)、駆動力制御領域(ACA3)の3つの領域に区分され、第2制動力制御領域(ACA2)に対する制動力要求値の変化勾配が、予め設定した駆動力制御領域(ACA3)に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定された制駆動力要求値マップを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の制駆動力を制御する制駆動力制御装置に関する。
従来、車両の制駆動力を制御する技術として特許文献1に記載された技術がある。特許文献1の加減速度制御装置は、1つの操作部材の操作量の範囲(操作ストローク)に対して、加速制御に係る運動パラメータ(目標駆動力)の領域と減速制御に係る運動パラメータ(目標制動力)の領域とを設けている。加えて、加速制御から減速制御へと切り替わる切替点に、操作量が変化しても出力される運動パラメータが「0」で一定となる不感帯領域を設けている。これにより、加速制御と減速制御との間で制御が切り替わる際の操作部材の操作による速度制御性を向上している。
特開2006−88961号公報
しかしながら、不感帯を設けた場合、加速制御と減速制御との間で制御が切り替わる際に、不感帯による応答の遅れが生じる。そのため、例えば、運転者が加速方向又は減速方向への一定加速度変化を望んだときに不感帯部分の操作量によって、操作部材の操作による加減速度の制御性が悪化する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、1つの操作部材の操作によって制駆動力制御を行う構成において、駆動力制御(加速制御)と制動力制御(減速制御)との間で制御が切り替わる際の操作部材の操作による、速度制御性の向上と加減速度制御性の向上とを両立することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、運転者が操作する操作子の操作領域が、該操作領域の下限値から上限値に向けて、第1制動力制御領域、第2制動力制御領域、駆動力制御領域の3つの領域に区分され、第2制動力制御領域に対する制動力要求値の変化勾配が、予め設定した、駆動力制御領域に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定された制駆動力要求値設定部を備える。そして、操作子の操作量を検出し、検出した操作量と制駆動力要求値設定部とに基づき制動力要求値又は駆動力要求値を求め、求めた制動力要求値又は駆動力要求値に基づき車両の制駆動力を制御する。
本発明の一態様によれば、操作子の操作領域に第1制動力制御領域と第2制動力制御領域とを設け、駆動力制御領域と連続する第2制動力制御領域に対する制動力要求値の変化勾配を、駆動力制御領域に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定する。これによって、第2制動力制御領域を介した駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、同じ変化勾配を有する制動力要求値及び駆動力要求値による制駆動力制御を行うことが可能となる。その結果、駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、制動力又は駆動力の急激な変化を抑えることが可能となり、1つの操作部材の操作による速度制御性及び加減速度制御性を共に向上することが可能となる。
第1実施形態の制駆動力制御装置の概略構成を示す構成図である。 第1実施形態の制駆動力制御装置の一構成例を示すブロック図である。 第1実施形態のコントローラ9の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の制駆動力要求値マップの一例を示す図である。 第1実施形態の制駆動力制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 (a)は、従来の不感帯を設けた構成の目標加減速度マップの一例を示す図であり、(b)は、ドライバが所望する減速度変化の一例を示す図であり、(c)は、(b)の減速度変化を実現するためのアクセル操作量の時間変化の一例を示す図である。 従来の不感帯を設けない構成の制駆動力要求値マップの一例を示す図である。 ドライバの期待する加減速度と図7に示す従来技術の目標加減速度マップを用いた場合の実加減速度との関係を示す図である。 (a)は、図8(b)の実加減速度に対応するアクセル操作量の時間変化の一例を示すタイムチャートであり、(b)は、本実施形態の制駆動力要求値マップを用いた場合のアクセル操作量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 (a)及び(b)は、本実施形態の制駆動力要求値マップの一例を示す図である。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の制駆動力制御装置の概略構成を示す構成図である。図2は、本実施形態の制駆動力制御装置の一構成例を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、制駆動力制御装置1は、アクセルセンサ4、車輪速度センサ5、ブレーキセンサ6、コントローラ9、駆動力制御装置10、回転駆動源11、及びブレーキアクチュエータ12を含んで構成される。
アクセルセンサ4は、運転者のアクセルペダル2の操作による操作量(以下、アクセル操作量ACと称す)を検出し、その検出結果をコントローラ9に出力する。アクセルセンサ4は、例えばポテンショメータであり、アクセルペダル2の操作位置を電圧信号に変換してコントローラ9へ入力する。コントローラ9は、入力した電圧信号からアクセルペダル2の操作位置を判断する。アクセルペダル2は、非操作時の非操作位置(操作量の下限値)からストロークエンドとなる最大操作位置(操作量の上限値)の範囲で可動する。
車輪速度センサ5は、各車輪13FL及び13FR、13RL及び13RRの車輪速を検出し、その検出結果をコントローラ9に出力する。車輪速度センサ5は、例えばセンサロータの磁力線を検出回路によって検出しており、センサロータの回転に伴う磁界の変化を電流信号に変換してコントローラ9へ入力する。コントローラ9は、入力した電流信号から車輪速度を判断する。
ブレーキセンサ6は、運転者のブレーキペダル3の操作による操作量(以下、ブレーキ操作量BRと称す)を検出し、その検出結果をコントローラ9に出力する。
コントローラ9は、例えばマイクロコンピュータからなり、各センサからの検出信号に基づいて後述する制駆動力制御処理を実行し、駆動力制御装置10とブレーキアクチュエータ12とを駆動制御する。
駆動力制御装置10は、回転駆動源11の駆動力を制御する。例えば、回転駆動源11がエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料噴射量、点火時期などを調整することで、エンジン出力(回転数やエンジントルク)を制御する。また、回転駆動源11がモータであれば、インバータを介してモータ出力(回転数やモータトルク)を制御する。本実施形態では、回転駆動源11が制駆動用モータであり、駆動力制御装置10がモータ電流供給用インバータであるとする。
従って、本実施形態の駆動力制御装置(モータ電流供給用インバータ)10は、コントローラ9から出力される制駆動力発生指令に応じた制駆動力が発生するように回転駆動源(制駆動用モータ)11への供給電力を制御する。
回転駆動源(制駆動用モータ)11は、駆動力制御装置(モータ電源供給用インバータ)10から供給される電力によって、コントローラ9から出力される制駆動力発生指令に応じた制駆動力が発生するように駆動輪13FL及び13FRの制駆動力を制御する。
ブレーキアクチュエータ12は、マスターシリンダと各車輪に対応するホイールシリンダとの間に介装してある。マスターシリンダは、運転者のブレーキペダル3の踏力に応じて2系統の液圧を作るタンデム式のものである。各ホイールシリンダは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵してある。
また、本実施形態のブレーキアクチュエータ12は、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものである。そのため、運転者のブレーキ操作に係らず各ホイールシリンダの液圧を増圧・保持・減圧することが可能である。即ち、本実施形態では、アクセルペダル2の操作に応じた制動力制御を実施する際にもブレーキアクチュエータ12が制御されることになる。ブレーキアクチュエータ12は、コントローラ9から出力される制駆動力発生指令に応じた制動力が発生するように各車輪13FL〜13RRの制動力を制御する。
次に、図3に基づき、本実施形態のコントローラ9の構成を説明する。図3は、コントローラ9の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、コントローラ9は、車速演算部20と、制駆動力要求値演算部21と、制駆動力要求値マップ記憶部22と、目標制駆動力演算部23と、制駆動力配分制御部24と、制駆動力指令値演算部25とを含んで構成される。
車速演算部20は、例えば、下記(1)式により後輪の車輪速Vw1,Vw2の平均値として自車速Vを算出する。車輪速Vw1,Vw2は、タイヤ径に基づき求めた車速換算値とする。車速演算部20は、算出した自車速Vを、制駆動力要求値演算部21に出力する。
V=(Vw1+Vw2)/2 ・・・(1)
なお、ABS制御などの車速を用いた他のシステムが作動している場合には、そのような他のシステムで使用している自車速(推定車速)を取得して用いても良い。
制駆動力要求値演算部21は、制駆動力要求値マップ記憶部22から、入力された車速Vに対応する制駆動力要求値のマップを選択する。そして、選択したマップから、入力されたアクセル操作量ACに対応する駆動力要求値又は制動力要求値を取得する。また、制駆動力要求値マップ記憶部22に記憶された制動力要求値のマップから、入力されたブレーキ操作量BRに対応する制動力要求値を取得する。制駆動力要求値演算部21は、取得した駆動力要求値又は制動力要求値を目標制駆動力演算部23に出力する。
なお、本実施形態において、制動力要求値は、ブレーキアクチュエータ12が発生すべき制動力(減速度)の基本値であり、駆動力要求値は、回転駆動源11が発生すべき駆動力(加速度)の基本値である。
制駆動力要求値マップ記憶部22は、アクセルペダル2の操作領域の下限値から上限値までの範囲に対して予め設定された駆動力要求値及び制動力要求値のマップ(制駆動力要求値マップ)を記憶している。制駆動力要求値マップ記憶部22は、更に、ブレーキペダル3の操作領域の下限値から上限値までの範囲に対して予め設定された制動力要求値のマップ(制動力要求値マップ)を記憶している。
目標制駆動力演算部23は、制駆動力要求値演算部21から入力された駆動力要求値又は制動力要求値に基づき、目標制駆動力を演算する。具体的に、入力された制駆動力要求値に対して、車両特性(車体質量、各部回転慣性)、走行抵抗(転がり抵抗、空気抵抗、勾配抵抗)等を加味して、目標制駆動力を演算する。目標制駆動力演算部23は、演算した目標制駆動力を制駆動力配分制御部24に出力する。
制駆動力配分制御部24は、各車輪13FL〜13RRに、入力された目標制駆動力を発生させるために、回転駆動源11及びブレーキアクチュエータ12に対する制駆動力配分を制御する。即ち、回転駆動源(制駆動用モータ)11及びブレーキアクチュエータ12に対して、発生すべき制駆動力の配分を決定する制駆動力配分制御を実施する。
ここで、制駆動力配分制御にあっては、入力された目標制駆動力をそのまま回転駆動源(制駆動用モータ)11に配分する場合と、回転駆動源11による回生制御では十分な制動力が得られないときに、不足分の制動力をブレーキアクチュエータ12に配分する場合とがある。
制駆動力指令値演算部25は、制駆動力配分制御部24で決定した配分に基づき、回転駆動源11及びブレーキアクチュエータ12に制駆動力を発生させる制駆動力発生指令値を演算する。制駆動力指令値演算部25は、演算した制駆動力発生指令値を駆動力制御装置10又はブレーキアクチュエータ12の少なくとも一方に出力する。
具体的に、制駆動力指令値演算部25は、駆動力制御装置10に対しては、配分された制駆動力を発生させるモータトルク指令値を求め、ブレーキアクチュエータ12に対しては、配分された制動力を発生させるブレーキ液圧指令値を求める。
(制駆動力要求値マップ)
次に、図4に基づき、アクセルペダル2の操作領域に対して制駆動力要求値が設定された制駆動力要求値マップの構成について説明する。図4は、本実施形態の制駆動力要求値マップの一例を示す図である。
図4において、横軸はアクセル操作量AC、縦軸は制駆動力要求値であり、縦軸の領域は、駆動力要求値及び制動力要求値が共に0[G]となる位置を境に、上側が駆動力要求値の領域となり、下側が制動力要求値の領域となる。
図4に示すように、制駆動力要求値マップは、アクセルペダル2の操作領域(以下、AP操作領域と称す)を、大きく2つの領域に区分している。具体的に、AP操作領域の下限値から上限値に向けて、ブレーキアクチュエータ12によって制動力制御を行う制動力制御領域(図4中の破線及び点線に対応する領域)と、回転駆動源11によって駆動力制御を行う駆動力制御領域(図4中の実線に対応する領域)との2つの領域に区分している。
本実施形態では、更に、制動力制御領域を、AP操作領域の下限値から上限値に向かって、図4中の点線に対応する領域(以下、第1制動力制御領域と称す)ACC1と、図4中の破線に対応する領域(以下、第2制動力制御領域と称す)ACC2とに区分している。
ここで、図4に示すように、駆動力要求値及び制動力要求値が共に0[G]となる縦軸位置の近傍の領域CDAが一定速走行を行う際に用いられる制駆動力要求値の領域(以下、一定速領域CDAと称す)として予め設定されている。
第1制動力制御領域は、一定速領域CDAの領域以外の制動力要求値の領域であって、車両の減速を目的としたアクセル操作量の領域である。
第2制動力制御領域は、予め設定した一定速領域CDAの減速側の領域に対応するアクセル操作量の領域である。即ち、第2制動力制御領域は、一定速走行を行う際の減速制御に用いられるアクセル操作量の領域となる。
また、一定速領域CDAに対応する制駆動力要求値は、走行抵抗と等価となる。即ち、一定速領域CDAは、運転者がアクセル操作を行って制駆動力を発生させ走行抵抗分を打ち消すことで自車速Vを一定車速に制御する領域となる。
また、一般に、駆動力要求値は、予め設定したN種類(Nは2以上の自然数)の車速範囲のそれぞれに対して、それぞれ異なる変化勾配が定められている。従って、図4中の実線に示すように、駆動力要求値の特性直線(以下、駆動力特性直線と称す)として、変化勾配の異なるN種類の直線La1〜LaNが存在する。具体的に、駆動力要求値は、車速が増すほどに、変化勾配が小さくなるように設定されている。
そして、本実施形態では、制動力制御領域のうち一定速領域CDAに対応する操作量の領域(第2制動力制御領域)について、制動力要求値の特性直線(以下、第2制動力特性直線と称す)の変化勾配(以下、第1の勾配と称す)を、駆動力特性直線と同じ変化勾配となるように制動力要求値を設定している。つまり、第2制動力特性直線は、駆動力特性直線と同様に各車速範囲に対応するN種類の直線が存在し、また、N種類の第2制動力特性直線に対応する制動力要求値のマップが存在する。
即ち、図4中の破線に示すように、同一の車速範囲に対して、駆動力特性直線La1と同じ変化勾配を有する第2制動力特性直線Lab1、駆動力特性直線La2と同じ変化勾配を有する第2制動力特性直線Lab2、・・・、駆動力特性直線LaNと同じ変化勾配を有する第2制動力特性直線LabNが存在する。
なお、図4中の第2制動力制御領域ACA21・・・ACA2Nに示すように、第2制動力制御領域は、車速に応じてその範囲が可変となる。このことは、駆動力制御領域も同様で、図4中の駆動力制御領域ACA31〜ACA3Nに示すように、第2制動力制御領域が広がるほど駆動力制御領域は狭まる関係となっている。つまり、車速が増すほど第2制動力制御領域が広がり、車速が減るほど第2制動力制御領域が狭まる。
一方、本実施形態では、図4に示すように、制動力制御領域のうち下限値側の第1制動力制御領域ACA1を、予め設定したアクセル操作量ACb以下の範囲に固定している。アクセル操作量ACbは、アクセル操作量の上限値を100[%]として、例えば、12.5[%]〜50.0[%]の範囲内に設定される。また、第1制動力制御領域ACA1の範囲を固定とすることで、駆動力(加速)制御から制動力(減速)制御に切り替わるアクセル操作量(操作位置)が一意に決まる。そのため、運転者に、減速制御に切り替わる操作位置を解りやすくすることができるので、アクセルペダル2の操作による加減速制御を行い易くさせることが可能となる。
また、本実施形態において、第1制動力制御領域ACA1の制動力特性直線(以下、第1制動力特性直線と称す)Lbは、図4中の点線に示すように、アクセル操作量ACbに対応する制動力要求値(一定速領域CDAの下限値)とアクセル操作量の下限値に対応する制動力要求値(例えば「0」)とを結ぶ直線として設定されている。具体的に、第1制動力特性直線Lbの変化勾配(以下、第2の勾配と称す)は、車両の減速を目的としているため、第1の勾配よりも大きい勾配に設定される。
なお、第1制動力制御領域ACA1は、1本の直線で構成することに限らず、下限値側に向かって傾きを段階的に大きくした複数の直線(折れ線)で構成したり、曲線で構成したりしてもよい。
(制駆動力制御処理)
次に、図5に基づき、制駆動力制御処理の処理手順を説明する。図5は、制駆動力制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
制駆動力制御処理が開始されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、コントローラ9において、各種センサ検出値、アクセル操作量AC及びブレーキ操作量BR等の各種データを読み込み、ステップS102に移行する。
ステップS102では、車速演算部20において、ステップS100で読み込んだ車輪速度から、自車速Vを演算する。そして、演算した自車速Vを制駆動力要求値演算部21に出力して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、制駆動力要求値演算部21において、ステップS100で読み込んだアクセル操作量AC及びブレーキ操作量BRと、入力された自車速Vとに基づき、制駆動力要求値を演算する。そして、演算した制駆動力要求値を目標制駆動力演算部23に出力して、ステップS106に移行する。
具体的に、制駆動力要求値演算部21は、アクセル操作量ACと自車速Vとに基づき、制駆動力要求値マップ記憶部22に記憶された制駆動力要求値マップのうち、自車速Vに対応するマップを選択する。そして、選択した制駆動力要求値マップからアクセル操作量ACに対応する制動力要求値又は駆動力要求値(以下、両者を区別しない場合は、制駆動力要求値と称す)を取得する。また、ブレーキ操作量BRに基づき、制駆動力要求値マップ記憶部22に記憶された制動力要求値マップから、ブレーキ操作量BRに対応する制動力要求値を取得する。
ステップS106では、目標制駆動力演算部23において、入力された制駆動力要求値と、入力された車両特性、走行抵抗等の情報とに基づき、目標制駆動力を演算する。そして、演算した目標制駆動力を、制駆動力配分制御部24に出力して、ステップS108に移行する。
ステップS108では、制駆動力配分制御部24において、入力された目標制駆動力に基づき、回転駆動源11及びブレーキアクチュエータ12に対する制駆動力の配分を決定する。その後、ステップS110に移行する。
具体的に、制駆動力配分制御部24は、入力された目標制駆動力に応じた制駆動力の発生が回転駆動源11のみで可能であると判定すると、目標制駆動力をそのまま回転駆動源11に配分する。
一方、制駆動力配分制御部24は、回転駆動源11のみでは制動力が不足すると判定すると、回転駆動源11に対して、回生制御を最大にする分の制駆動力を配分し、回生制御分で不足する分の制動力をブレーキアクチュエータ12に配分する。
ステップS110では、制駆動力指令値演算部25において、ステップS110で決定された制駆動力の配分に基づき、回転駆動源11及びブレーキアクチュエータ12に目標制駆動力を発生させる制駆動力発生指令値を演算する。その後、ステップS112に移行する。
具体的に、制駆動力指令値演算部25は、回転駆動源11に配分された制駆動力の大きさに応じたモータトルク指令値を求める。加えて、ブレーキアクチュエータ12に配分された制動力の大きさに応じたブレーキ液圧指令値を求める。
ステップS112では、制駆動力指令値演算部25において、ステップS110で求めたモータトルク指令値を、駆動力制御装置10に出力し、ステップS110で求めたブレーキ液圧指令値を、ブレーキアクチュエータ12に出力する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(動作)
次に、図1〜図5を参照しつつ、図6〜図9に基づき、本実施形態の動作を説明する。
図6(a)は、従来の不感帯を設けた構成の目標加減速度マップの一例を示す図であり、(b)は、ドライバが所望する減速度変化の一例を示す図であり、(c)は、(b)の減速度変化を実現するためのアクセル操作量の時間変化の一例を示す図である。図7は、従来の不感帯を設けない構成の制駆動力要求値マップの一例を示す図である。図8は、ドライバの期待する加減速度と図7に示す従来技術の目標加減速度マップを用いた場合の実加減速度との関係を示す図である。図9(a)は、図8(b)の実加減速度に対応するアクセル操作量の時間変化の一例を示すタイムチャートであり、(b)は、本実施形態の制駆動力要求値マップを用いた場合のアクセル操作量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。
イグニッションスイッチがON状態となって、制駆動力制御装置1に電源が供給されると、各種センサによって、各種車両状態の検出が開始される。そして、各種検出結果がコントローラ9に供給される(ステップS100)。
即ち、運転者がアクセルペダル2を踏み込むことで、そのアクセル操作量ACがコントローラ9に供給される。
コントローラ9では、車速演算部20において、供給された車輪速度から自車速Vが演算され、自車速Vが制駆動力要求値演算部21に出力される(ステップS102)。続いて、制駆動力要求値演算部21において、制駆動力要求値マップ記憶部22から、入力された自車速Vに対応する制駆動力要求値マップが選択され、選択されたマップから、供給されたアクセル操作量ACに対応する制駆動力要求値が読み出される。また、制駆動力要求値マップ記憶部22に記憶された制動力要求値マップから、供給されたブレーキ操作量BRに対応する制動力要求値が読み出される。そして、これら制駆動力要求値が目標制駆動力演算部23に出力される(ステップS104)。
続いて、目標制駆動力演算部23において、入力された制駆動力要求値と、入力された車両特性、走行抵抗等の情報とに基づき、目標制駆動力が演算される。そして、この目標制駆動力が制駆動力配分制御部24に出力される(ステップS106)。
引き続き、制駆動力配分制御部24において、入力された目標制駆動力に基づき、制駆動力を配分する制御を実施する(ステップS108)。具体的に、回転駆動源11のみで発生可能な制駆動力であると判定すると、入力された目標制駆動力をそのまま回転駆動源11に配分する。一方、回転駆動源11のみでは不足すると判定すると、不足分をブレーキアクチュエータ12に配分する。
そして、制駆動力指令値演算部25において、決定された配分に基づき、モータトルク指令値及びブレーキ液圧指令値が求められ(ステップS110)、モータトルク指令値が駆動力制御装置10に出力され、ブレーキ液圧指令値がブレーキアクチュエータ12に出力される(ステップS112)。
これにより、回転駆動源11は、モータトルク指令値に応じた制駆動力を発生し、ブレーキアクチュエータ12は、ブレーキ液圧指令値に応じた制動力を発生する。
以下、従来技術と比較しながら、本願の制駆動力要求値マップを用いた制駆動力制御の動作特性を説明する。
従来の制駆動力制御(加減速制御)に用いられる目標加減速度マップの1つとして、図6(a)に示すように、アクセル操作量(アクセル開度)AC1〜AC2の範囲に、アクセル操作量に対して目標加減速度「0」を出力する不感帯範囲を設けたものがある。
かかるマップを用いた制駆動力制御では、目標加減速度「0」を境に、加速側の制御をエンジン制御によって行い、減速側の制御をブレーキ制御によって行っている。このように、1つの操作部材に対して、加速と減速の領域を設けているため、一定操作量あたりの加減速の変化量が大きくなる。そのため、加速制御と減速制御との制御の切り替わり点において、変化量が大きいことによる過敏応答が発生し、急な加減速が発生する。このことに基づき、かかる従来例では、不感帯を設定することで、過敏応答領域を部分的に無くしている。
しかし、運転者(ドライバ)が、例えば、図6(b)に示すように、一定減速度変化を所望した場合に、不感帯の存在によって応答に遅れが生じる。そのため、図6(b)に示す一定減速度変化を実現するために、図6(c)に示すように、不感帯領域でアクセル操作量を急変させる必要がある。即ち、従来の不感帯を設けた構成では、不感帯によって、一定速走行時のアクセル操作による速度制御の制御性は向上するが、加減速度制御の制御性は悪化することになる。
また、従来の制駆動力制御(加減速制御)に用いられる目標加減速度マップの1つとして、図7に示すように、不感帯を設けていない構成のものがある。
かかるマップは、図7に示すように、駆動力特性直線La1〜LaNについては本実施形態の制駆動力要求値マップと同様となる。一方、一定速領域CDAに対応する第2制動力制御領域ACA2については、本実施形態と異なり、第2制動力特性直線Labの変化勾配は、駆動力特性直線La1〜LaNの変化勾配に関係なく、ブレーキアクチュエータの特性に合わせて予め設定された勾配となるように制動力要求値が設定されている。
そして、かかる制駆動力要求値マップは、図7に示すように、第1制動力制御領域ACA1に対応する第1制動力特性直線Lbの変化勾配について、第2制動力特性直線La1の変化勾配と同じ勾配となるように制動力要求値が設定されている。即ち、図4に示す本実施形態のマップと異なり、制動力制御領域を2つに区分することなく、予め設定した変化勾配を有する1本の制動力特性直線によって制動力要求値の特性が決まっている。
従って、アクセル操作量ACが、例えば、駆動力特性直線LaNの範囲から第2制動力特性直線Labの範囲へと切り替わると、勾配が急に大きくなるため駆動力要求値の変化勾配に合わせた操作量のままでは強めの制動力が発生する。その結果、アクセルペダル2の操作による減速制御の制御性が悪化する。
一方、アクセル操作量ACが、例えば、第2制動力特性直線Labの範囲から駆動力特性直線LaNの範囲へと切り替わると、勾配が急に小さくなるため制動力要求値の変化勾配に合わせた少ない操作量のままでは弱めの駆動力が発生する。その結果、アクセルペダル2の操作による加速制御の制御性が悪化する。
具体例を挙げると、一定速走行において、図8中の破線に示す加減速度変化をドライバが望んでいるときに、図7に示す従来のマップを用いて制駆動力制御を行ったとする。この場合、期待する加減速度に対して、図8中の実線に例示したズレが発生し易くなる。なお、図8において、縦軸が制駆動力要求値(加減速度)、横軸が時間である。また、図9において、縦軸がアクセル操作量、横軸が時間である。
図8中の実線の丸で囲んだ部分に示すズレは、図9(a)中の実線の丸で囲んだアクセル操作量の時間変化の波形に示すように、ドライバが、加速側の勾配(加速度変化)に合わせた少ない操作量で減速を意図したアクセル操作をしたために生じる。これは、図7に示すように、一定速走行を行うアクセル操作量の領域に対応する第2制動力特性直線Labの変化勾配が、駆動力特性直線La1〜LaNの変化勾配よりも大きな勾配となっているためである。即ち、加速側に合わせたアクセル操作量に対してドライバが思っている以上の減速度が発生するためである。
また、図8中の破線の丸で囲んだ部分に示すズレは、図9(a)中の破線の丸で囲んだアクセル操作量の時間変化の波形に示すように、ドライバが、減速側の勾配に合わせた少ない操作量で加速を意図したアクセル操作をしたために生じる。これは、上記減速度からのズレと同様に、一定速走行を行うアクセル操作量の領域に対応する第2制動力特性直線Labの変化勾配が、駆動力特性直線La1〜LaNの変化勾配よりも大きな勾配となっているためである。即ち、減速側の勾配に合わせたアクセル操作量に対してドライバが思っているよりも加速度が発生しないためである。
以上説明した従来のマップに対して、本実施形態の制駆動力要求値マップは、図4に示すように、一定速領域CDAに対応する制動力制御領域である第2制動力制御領域Lab1〜LabNの制動力要求値の変化勾配を、駆動力要求値の変化勾配La1〜LaNと同じ勾配に設定している。従って、アクセル操作量ACが、駆動力制御領域から第2制動力制御領域へと切り替わる部分でも、駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配の制動力要求値によって制動力制御が行われる。そのため、ドライバが、図8中の破線で示す加減速変化を期待している場合に、図9(b)に示すように、滑らかなアクセル操作量の変化で期待する減速度を実現することができる。同様に、アクセル操作量ACが、第2制動力制御領域から駆動力制御領域へと切り替わる部分でも、制動力要求値の変化勾配と同じ勾配の駆動力要求値によって駆動力制御が行われる。そのため、ドライバが、図8中の破線で示す加減速変化を期待している場合でも、図9(b)に示すように、滑らかなアクセル操作量の変化で期待する加速度を実現することができる。
ここで、アクセルセンサ4が、操作量検出部に対応する。制駆動力要求値マップが、制駆動力要求値設定部に対応する。制駆動力要求値演算部21が、制駆動力要求値演算部に対応する。
(第1実施形態の効果)
(1)制駆動力制御装置1が、以下の構成の制駆動力要求値マップを備える。アクセルペダル2の操作領域が、該操作領域の下限値から上限値に向けて、第1制動力制御領域ACA1、第2制動力制御領域ACA2、駆動力制御領域ACA3の3つの領域に区分されている。加えて、第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値の変化勾配が、予め設定した駆動力制御領域ACA3に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ第1の勾配に設定されている。アクセルセンサ4が、アクセル操作量ACを検出する。制駆動力要求値演算部21が、アクセルセンサ4が検出したアクセル操作量ACと制駆動力要求値マップとに基づき、制動力要求値又は駆動力要求値を求める。
コントローラ9、駆動力制御装置10及びブレーキアクチュエータ12が、制駆動力要求値演算部21が求めた制動力要求値又は駆動力要求値に基づき、車両の制駆動力制御を実施する。
この構成によれば、制駆動力要求値マップが、アクセルペダル2の操作領域が、第1制動力制御領域ACA1、第2制動力制御領域ACA2、駆動力制御領域ACA3の3つの領域に区分され、第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値の変化勾配が、駆動力制御領域ACA3に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定された構成となる。これによって、第2制動力制御領域ACA2を介した駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、同じ変化勾配を有する制動力要求値及び駆動力要求値による制駆動力制御を行うことが可能となる。その結果、駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、制動力又は駆動力の急激な変化を抑えることが可能となり、アクセルペダル2の操作による速度制御性及び加減速度制御性を共に向上することが可能となる。
(2)駆動力制御領域に対する駆動力要求値を、車速が増すほど変化勾配が小さくなるように設定した。
この構成によれば、制駆動力要求値マップは、駆動力制御領域ACA3に車速が増すほど小さくなる変化勾配を有する駆動力要求値と、駆動力制御領域ACA3と連続する第2制動力制御領域ACA2に駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配を有する制動力要求値とを備える。これによって、駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、車速に応じて変化する駆動力要求値の変化勾配に対して、同じ変化勾配を有する制動力要求値によって制動力制御を行うことが可能となる。
(3)制駆動力要求値マップの第1制動力制御領域ACA1の領域範囲を予め設定したアクセル操作量ACb以下の範囲に固定した。
この構成によれば、第1制動力制御領域ACA1の範囲が固定となるので、運転者に、減速制御を行うアクセル操作量(アクセルペダル2の操作位置)を把握しやすくすることが可能となる。その結果、アクセルペダル2の操作による加減速制御性をより向上することが可能となる。
(4)予め設定した一定速領域CDAの制動力要求値の範囲に対応するアクセルペダル2の操作領域の部分を第2制動力制御領域ACA2に設定した。
この構成によれば、一定速走行に用いる制動力要求値の変化勾配を駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定するようにしたので、運転者が一定車速を維持するためのアクセル操作をする範囲において、車速制御制及び加減速度制御性を向上することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
本実施形態は、制駆動力要求値マップの構成が上記第1実施形態と異なるのみで、その他の構成は上記第1実施形態と同様となる。以下、異なる部分のみを詳細に説明し、同様の部分の説明を適宜省略する。
図10(a)及び(b)は、本実施形態の制駆動力要求値マップの一例を示す図である。
本実施形態では、図10(a)に示すように、上記第1実施形態の制駆動力要求値マップと同様に、アクセルペダル2の操作領域の下限値から上限値までの範囲を制動力制御領域と駆動力制御領域との2つの領域に区分している。
本実施形態では、更に、制動力制御領域を、図10(a)中の点線に対応する領域(以下、第1制動力制御領域と称す)ACA1n(nは1〜Nの自然数)と、図10(a)中の破線に対応する領域(以下、中間制動力制御領域と称す)ACACnと、図10(a)中の一点鎖線に対応する領域(以下、第2制動力制御領域と称す)ACA2nとの3つの範囲に区分している。
第1制動力制御領域ACA1nは、図10(a)に示すように、予め設定したアクセル操作量ACb以下の下限値までのアクセル操作量の領域である。第2制動力制御領域ACA2nは、図10(a)に示すように、一定速領域CDAに対応するアクセル操作量の領域である。中間制動力制御領域ACACnは、図10(a)に示すように、制動力制御領域のうち、第1制動力制御領域ACA1nと第2制動力制御領域ACA2nとの間のアクセル操作量の領域である。
そして、本実施形態では、第2制動力制御領域ACA2nの制動力特性直線Lab1nの変化勾配(以下、第3の勾配と称す)を、駆動力特性直線Lanの変化勾配と同じ勾配に設定している。更に、第1制動力制御領域ACA1の制動力特性直線Lbの変化勾配(以下、第4の勾配と称す)を、アクセル操作量ACbに対応する制動力要求値とアクセル操作量の下限値に対応する制動力要求値(例えば「0」)とを結ぶ直線の傾きとして設定している。
なお更に、中間制動力制御領域ACACnの制動力特性直線Lab2nは、図10(a)に示すように、制動力特性直線Lab1nと制動力特性直線Lbとの間を線形補間することで設定している。具体的に、図10(a)の例では、制動力特性直線Lab1nの下限値側の端部と、制動力特性直線Lbの上限値側の端部とを結ぶ直線として設定している。この直線の勾配(以下、第5の勾配と称す)は、第3の勾配よりも大きく、第4の勾配より小さくなる。
このように、制動力特性直線Lab1nと制動力特性直線Lbとの間に中間の勾配(第5の勾配)を有する制動力特性直線Lab2nを設定することで、一定速制御と減速制御との間の減速度変化を上記第1実施形態よりも滑らかにすることが可能となる。
また、制動力特性直線Lab2nを、制動力特性直線Lab1nと制動力特性直線Lbとの間を線形補間して設定することに限らず、図10(b)に示すように、曲線補間する構成としてもよい。具体的に、図10(b)の例では、制動力特性直線Lab2nを、制動力特性直線Lab1nの下限値側の端部と、制動力特性直線Lbの上限値側の端部とを結ぶ上に凸の1次曲線として設定している。
この場合も、一定速制御と減速制御との間の減速度変化を上記第1実施形態よりも滑らかにすることが可能となる。
(動作)
基本の動作は上記第1実施形態と同様となるので説明を省略する。
図10(a)又は(b)に示す本実施形態の制駆動力制御マップを用いた場合、制動力特性直線Lab1nに対応する制動力要求値を用いた一定速制御の領域から減速制御の領域へとアクセル操作量が移行するときに、まず、制動力特性直線Lab2nに対応する制動力要求値を用いた減速制御が行われる。その後、アクセル操作量が下限値へと近づくことで、制動力特性直線Lbに対応する制動力要求値を用いた減速制御へと移行する。
これにより、アクセル操作量の減少量に応じて段階的に減速度の変化を大きくしていくことが可能となり、特に、制動力特性直線Lab1nから制動力特性直線Lab2nへと切り替わる時の減速度の変化を緩和することが可能となる。
ここで、アクセルセンサ4が、操作量検出部に対応する。制駆動力要求値マップが、制駆動力要求値設定部に対応する。制駆動力要求値演算部21が、制駆動力要求値演算部に対応する。
(第2実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(1)制駆動力制御装置1が、以下の構成の制駆動力要求値マップを備える。アクセルペダル2の操作領域が、該操作領域の下限値から上限値に向けて、第1制動力制御領域ACA1、中間制動力制御領域ACAC、第2制動力制御領域ACA2、駆動力制御領域ACA3の4つの領域に区分されている。加えて、第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値の変化勾配が、予め設定した駆動力制御領域ACA3に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ第1の勾配に設定されている。中間制動力制御領域ACACに対する制動力要求値が、第1制動力制御領域ACA1に対する制動力要求値と第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値との間を線形補間又は曲線補間して設定されている。アクセルセンサ4が、アクセル操作量ACを検出する。制駆動力要求値演算部21が、アクセルセンサ4が検出したアクセル操作量ACと制駆動力要求値マップとに基づき、制動力要求値又は駆動力要求値を求める。コントローラ9、駆動力制御装置10及びブレーキアクチュエータ12が、制駆動力要求値演算部21が求めた制動力要求値又は駆動力要求値に基づき、車両の制駆動力制御を実施する。
この構成によれば、第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値の変化勾配が、駆動力制御領域ACA3に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配となる。これによって、第2制動力制御領域ACA2を介した駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、同じ変化勾配を有する制動力要求値及び駆動力要求値による制駆動力制御を行うことが可能となる。従って、駆動力制御と制動力制御との間の制御の切り替わりにおいて、制動力又は駆動力の急激な変化を抑えることが可能となる。加えて、中間制御力制御領域ACACに対する制動力要求値が、第1制動力制御領域ACA1に対する制動力要求値と第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値との間を線形補間又は曲線補間して設定される。従って、補間によって、中間制御力制御領域ACACに対する制動力要求値の変化勾配を、第1制動力制御領域ACA1に対する制動力要求値の変化勾配と第2制動力制御領域ACA2に対する制動力要求値の変化勾配との中間の勾配に設定することが可能となる。これにより、アクセル操作量ACが、第2制動力制御領域ACA2から中間制動力制御領域ACACへと移行時の減速度変化を緩和することが可能となる。
以上の結果、アクセルペダル2の操作による速度制御性及び加減速度制御性を共に向上することが可能となる。
(変形例)
(1)上記第2実施形態では、制動力制御領域を第1制動力制御領域、第2制動力制御領域、中間制動力制御領域の3つの領域に区分する構成としたが、この構成に限らず、4つ以上の領域に区分する構成としてもよい。
(2)上記第2実施形態では、一定速領域CDAに対応するアクセル操作量の領域外に中間制動力制御領域ACACを設ける構成としたが、この構成に限らない。例えば、一定速領域CDAの一部に対応するアクセル操作量の領域を含む中間制動力制御領域を設ける構成としてもよい。
(3)上記各実施形態では、本発明に係る制駆動力制御装置1を、制駆動用モータを動力源とするいわゆる電気自動車に適用した場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、内燃機関を動力源とする自動車や、内燃機関と制駆動用モータとを備えたハイブリッド車両であっても、本願発明は適用可能である。
(4)上記各実施形態では、アクセルセンサ4、ブレーキセンサ6によって検出されるアクセル操作量ACやブレーキ操作量BRに基づいて、制駆動力要求値を求める構成としたが、この構成に限らない。本願発明の制駆動力要求値マップを構成することが可能で有れば、例えば、ステアリングスイッチやジョイスティック等の操作量に基づいて、制駆動力要求値を求める構成としてもよい。
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
1 制駆動力制御装置
2 アクセルペダル
3 ブレーキペダル
4 アクセルセンサ
5 車輪速度センサ
6 ブレーキセンサ
9 コントローラ
10 駆動力制御装置
11 回転駆動源
12 ブレーキアクチュエータ
20 車速演算部
21 制駆動力要求値演算部
22 制駆動力要求値マップ記憶部
23 目標制駆動力演算部
24 制駆動力配分制御部
25 制駆動力指令値演算部

Claims (5)

  1. 運転者が操作する操作子の操作量に基づき制動力要求値又は駆動力要求値を求め、該制動力要求値又は該駆動力要求値に基づき、車両の制駆動力を制御する車両用制駆動力制御装置であって、
    前記操作子の操作領域が、該操作領域の下限値から上限値に向けて、第1制動力制御領域、第2制動力制御領域、駆動力制御領域の3つの領域に区分され、前記第2制動力制御領域に対する制動力要求値の変化勾配が、予め設定した前記駆動力制御領域に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定された制駆動力要求値設定部と、
    前記操作子の操作量を検出する操作量検出部と、
    前記操作量検出部が検出した前記操作量と前記制駆動力要求値設定部とに基づき、前記制動力要求値又は前記駆動力要求値を求める制駆動力要求値演算部と、を備えることを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
  2. 運転者が操作する操作子の操作量に基づき制動力要求値又は駆動力要求値を求め、該制動力要求値又は該駆動力要求値に基づき、車両の制駆動力を制御する車両用制駆動力制御装置であって、
    前記操作子の操作領域が、該操作領域の下限値から上限値に向けて、第1制動力制御領域、中間制動力制御領域、第2制動力制御領域、駆動力制御領域の4つの領域に区分され、前記第2制動力制御領域に対する制動力要求値の変化勾配が、予め設定した、前記駆動力制御領域に対する駆動力要求値の変化勾配と同じ勾配に設定され、前記中間制動力制御領域に対する制動力要求値が、前記第1制動力制御領域に対する制動力要求値と前記第2制動力制御領域に対する制動力要求値との間を線形補間又は曲線補間して設定された制駆動力要求値設定部と、
    前記操作子の操作量を検出する操作量検出部と、
    前記操作量検出部が検出した前記操作量と前記制駆動力要求値設定部とに基づき、前記制動力要求値又は前記駆動力要求値を求める制駆動力要求値演算部と、を備えることを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
  3. 前記駆動力要求値は、車速が増すほど変化勾配が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制駆動力制御装置。
  4. 前記第1制動力制御領域の領域範囲を予め設定した設定範囲に固定したことを特徴とする請求項3に記載の車両用制駆動力制御装置。
  5. 予め設定した一定速走行に用いる制動力要求値の範囲に対応する前記操作領域の部分を、前記第2制動力制御領域に設定したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用制駆動力制御装置。
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