JP2015087713A - 光導波路、光電気混載基板および電子機器 - Google Patents

光導波路、光電気混載基板および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】光路変換における光損失が抑制され、高品質な光通信を行い得る光導波路、かかる光導波路を備えた光電気混載基板および電子機器を提供すること。
【解決手段】光導波路1は、コア部14が形成されているコア層13と、コア層13の下面に積層されたクラッド層11と、コア層13の上面に積層されたクラッド層12と、を備える積層体10と、クラッド層12からコア部14にかけて形成され、コア部14の軸線Aに対して傾斜するよう構成されている傾斜面(横断面)171と、を有し、傾斜面171は、そのうちのクラッド層12に対応する領域であるクラッド層領域121の前記軸線に対する傾斜角度θ2が、傾斜面171のうちのコア部14に対応する領域であるコア部領域141の軸線に対する傾斜角度θ4より小さく、かつ、クラッド層領域121とコア部領域141との間で軸線に対する傾斜角度が連続的に変化するよう構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光導波路、光電気混載基板および電子機器に関するものである。
近年、光信号を一地点から他地点に導くための手段として、光導波路が普及しつつある。この光導波路は、線状のコア部と、その周囲を覆うように設けられたクラッド部とを有している。コア部は、光に対して実質的に透明な材料によって構成され、クラッド部は、コア部より屈折率が低い材料によって構成されている。
光導波路では、コア部の一端から導入された光が、クラッド部との境界で反射しながら他端に搬送される。光導波路の入射側には、半導体レーザー等の発光素子が配置され、出射側には、フォトダイオード等の受光素子が配置される。発光素子から入射された光は光導波路を伝搬し、受光素子により受光され、受光した光の明滅パターンもしくはその強弱パターンに基づいて通信を行う。
このような光導波路によって例えば信号処理基板内の電気配線が置き換えられると、高周波ノイズの発生、電気信号の劣化といった電気信号に特有の課題が解消され、信号処理基板のさらなる高スループット化が可能になると期待されている。
電気配線を光導波路に置き換える際には、電気信号と光信号との相互変換を行う必要があることから、発光素子および受光素子とこれらの間を光学的に接続する光導波路とを備えた光導波路モジュールが開発されている。
例えば、特許文献1には、プリント基板と、プリント基板上に搭載された発光素子と、プリント基板の下面側に設けられた光導波路と、を有する光インターフェースが開示されている。そして、光導波路と発光素子との間は、プリント基板に形成された、光信号を伝送するための貫通孔であるスルーホールを介して光学的に接続されている。
上述したような光インターフェースにおいては、発光素子の発光部から出射した信号光を光導波路のコア部に入射させるべく、光導波路に形成されたミラーで光路を変換する必要がある。ところが近年、光通信の大容量化および高速化がさらに進んでいることから、ミラーを用いた光路変換における光損失をさらに低減させることが望まれている。
特開2005−294407号公報
本発明の目的は、光路変換における光損失が抑制され、高品質な光通信を行い得る光導波路、かかる光導波路を備えた光電気混載基板および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) コア部が形成されているコア層と、前記コア層の一方の面に積層されたクラッド層と、を備える積層体と、
前記クラッド層から前記コア部にかけて形成され、前記コア部の軸線に対して傾斜するよう構成されている横断面と、を有し、
前記横断面は、前記横断面のうちの前記クラッド層に対応する領域であるクラッド層領域の前記軸線に対する傾斜角度が、前記横断面のうちの前記コア部に対応する領域であるコア部領域の前記軸線に対する傾斜角度より小さく、かつ、前記クラッド層領域と前記コア部領域との間で前記軸線に対する傾斜角度が連続的に変化するよう構成されていることを特徴とする光導波路。
(2) 前記クラッド層領域の前記軸線に対する傾斜角度と前記コア部領域の前記軸線に対する傾斜角度との間の相関関係は、前記クラッド層の屈折率と前記コア部の屈折率との間の相関関係に対応している上記(1)に記載の光導波路。
(3) 当該光導波路は、前記コア部の途中または延長線上に位置する前記積層体に設けられた空洞部を有し、前記空洞部の内壁面の一部が前記横断面となるよう構成されている上記(1)または(2)に記載の光導波路。
(4) 前記空洞部は、レーザー加工法またはインプリント法により形成されたものである上記(3)に記載の光導波路。
(5) 前記積層体は、前記コア層と、前記コア層を挟むように積層された2層のクラッド層と、を備えるものであり、
前記横断面は、一方の前記クラッド層から前記コア層を経て他方の前記クラッド層にかけて連続的に形成されている上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の光導波路。
(6) さらに、前記横断面上に成膜された金属層を有している上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の光導波路。
(7) 上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の光導波路を備えることを特徴とする光電気混載基板。
(8) 上記(7)に記載の光電気混載基板を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、光路変換における光損失が抑制され、高品質な光通信を行い得る光導波路が得られる。
また、本発明によれば、かかる光導波路を備える信頼性の高い光電気混載基板および電子機器が得られる。
本発明の光導波路の第1実施形態を一部透過して示す斜視図である。 図1に示す光導波路の縦断面図である。 図1に示す空洞部の開口部の他の例を示す平面図である。 第1実施形態に係るミラーの他の構成例を示す縦断面図である。 本発明の光導波路の第2実施形態の平面図である。 本発明の光導波路の第3実施形態の断面図である。 本発明の光導波路の第4実施形態の断面図である。 本発明の光導波路の製造に用いられるレーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。 レーザー加工用マスクを相対的に移動させ空洞部を形成する様子を図示した平面図である。 本発明の光電気混載基板の実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の光導波路、光電気混載基板および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<光導波路>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の光導波路の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光導波路の第1実施形態を一部透過して示す斜視図、図2は、図1に示す光導波路の縦断面図である。
図1に示す光導波路1は、帯状をなしており、光入射部と光出射部との間で光信号を伝送し、光通信を行う。
図1に示す光導波路1は、下側からクラッド層11、コア層13およびクラッド層12を積層してなる積層体10を備えている。コア層13中には、長尺状のコア部14とその側面に隣接して設けられた側面クラッド部15とが形成されている。これにより、コア部14はクラッド部(側面クラッド部15および各クラッド層11、12)で囲まれることとなり、コア部14に光を閉じ込めて伝搬することができる。
また、光導波路1には、積層体10の一部を貫通する空洞部170が設けられている。なお、図1では、クラッド層12から透けて見えるコア層13中のコア部14や側面クラッド部15についても点線等で図示している。また、図2では、コア部14の軸線Aを一点鎖線で示している。
コア部14の屈折率は、クラッド部の屈折率より大きければよいが、その差は0.3%以上であるのが好ましく、0.5%以上であるのがより好ましい。一方、上限値は特に設定されないが、好ましくは5.5%程度とされる。屈折率差が前記下限値未満の場合、光を伝搬する効果が低下するおそれがあり、一方、屈折率差が前記上限値を上回る場合、光の伝送効率のそれ以上の向上は期待できない。
なお、前記屈折率差とは、コア部14の最大屈折率をn4、側面クラッド部15、クラッド層11およびクラッド層12の各最小屈折率をn5、n1、n2としたとき、次式で表される。
屈折率差(%)=|n4/n5−1|×100
屈折率差(%)=|n4/n1−1|×100
屈折率差(%)=|n4/n2−1|×100
また、コア層13の幅方向、すなわち図2の紙面厚さ方向における屈折率分布は、いかなる形状の分布であってもよい。すなわち、この屈折率分布は、屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。SI型の分布であれば屈折率分布の形成が容易であり、GI型の分布であれば屈折率の高い領域に信号光が集まる確率が高くなるため伝送効率が向上する。
一方、光導波路1の厚さ方向、すなわち図2の上下方向における屈折率分布も、上述したステップインデックス型の分布であってもよく、上述したグレーデッドインデックス型の分布であってもよい。
また、コア部14は、平面視で直線状であっても曲線状であってもよい。さらに、コア部14は途中で分岐または交差していてもよい。
なお、コア部14の横断面形状は特に限定されず、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよいが、四角形(矩形状)であることにより、コア部14を形成し易い利点がある。
コア部14の幅および高さ(コア層13の厚さ)は、特に限定されないが、1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましい。これにより、コア部14の伝送効率を高めつつコア部14の高密度化を図ることができる。すなわち、単位面積当たりに敷設可能なコア部14の数を多くすることができるので、小面積であっても大容量の光通信を行うことができる。
なお、コア層13に形成されるコア部14の数は、特に限定されないが、例えば1〜100本とされる。
上述したようなコア層13およびクラッド層11、12の構成材料(主材料)は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等を用いることができる。なお、樹脂材料は、異なる組成のものを組み合わせた複合材料であってもよい。これらは、比較的加工が容易であるため、空洞部170が形成されるコア層13やクラッド層11、12の構成材料として好適である。
なお、光導波路1において、クラッド層11は必要に応じて設けられればよく、省略することもできる。その場合、空気層がクラッド層11の役目を果たすこととなる。
光導波路1には、積層体10の一部が貫通するように除去されてなる空洞部170が設けられている。すなわち、光導波路1は、積層体10とそれに形成された空洞部170とを備えたものである。図1に示す空洞部170は、コア部14の長手方向の途中に位置している。空洞部170の内側面の一部は、コア部14の光軸に対して傾斜するように横切っている傾斜面(横断面)171になっている。このような傾斜面171は、コア部14の光路を変換するミラー(光路変換部)として機能する。すなわち、傾斜面171からなるミラーは、例えばコア部14内において図2の右側から左側に向かって伝搬する光を、下方に向けて反射することにより、伝搬方向を変換する。
また、空洞部170は、クラッド層12の上面に直交しかつコア部14の光軸を含む仮想の平面で切断されたときの断面形状が、略台形をなしている。この台形は、図2の下方の辺が短く、上方の辺が長いものである。一方、台形の斜辺に相当するのが、前述した傾斜面171と、この傾斜面171に対向する位置にある傾斜面172である。
また、空洞部170の内側面のうち、コア部14の光軸とほぼ平行な2つの面は、それぞれクラッド層11の下面に対して垂直な直立面173、174になっている(図1参照)。これらの2つの傾斜面171、172と2つの直立面173、174とにより、空洞部170の内側面が構成されている。
ここで、従来の光導波路では、このような傾斜面を形成したとき、ミラーにおける反射特性において意図しない不具合が発生することがあった。本発明者は、このような不具合は、傾斜面の形状が大きく影響しており、特に、光導波路1の屈折率分布がグレーデッドインデックス型の分布である場合に、不具合が顕在化することを見出した。
そこで、本発明者は、このような傾斜面の形状と不具合の発生との因果関係について鋭意調査、検討を行った。そして、傾斜面の形状を最適化することにより、ミラーにおける反射特性の低下を抑制し得ることを見出した。具体的には、所定の条件を満たすよう、傾斜面171の領域ごとの傾斜角度を異ならせるとともに、傾斜角度の異なる領域同士が滑らかな曲面で繋がれたような形状に成形することで、このようなミラーにおける反射特性の低下が抑制され、その結果、光導波路に発生していた不具合が解消されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、空洞部170の内側面の一部である傾斜面171、172は、図1、2に示すように、クラッド層12からコア層13を経てクラッド層11に至るまでの間に連続して形成された面であって、それぞれ、その傾斜角度が途中で連続的に変化するよう構成されている。換言すれば、これらの傾斜面171、172は、滑らかな「うねり」を伴った形状になっている。
より具体的には、傾斜面171は、領域ごとに傾斜角度が異なっており、そのような領域同士が滑らかな曲面で繋がれている。図2の場合、傾斜面171のうち、クラッド層12に対応する領域であるクラッド層領域121の軸線Aに対する角度(鋭角側)を傾斜角度θ2とし、傾斜面171のうち、コア部14に対応する領域であるコア部領域141の軸線Aに対する角度(鋭角側)を傾斜角度θ4としたとき、傾斜面171はθ2<θ4の関係を満足するよう構成されている。また、クラッド層11に対応する領域であるクラッド層領域111の軸線Aに対する角度(鋭角側)を傾斜角度θ1(図2参照)としたとき、傾斜面171はθ1<θ4の関係を満足するよう構成されている。したがって、軸線Aを基準に見たとき、傾斜面171は、クラッド層領域111およびクラッド層領域121は相対的に緩斜面になっており、一方、コア部領域141は相対的に急斜面になっているといえる。
コア部領域141の軸線Aに対する角度(傾斜角度θ4)を求める際には、図2(b)に示すように、軸線Aとコア部領域141との交点Pにおけるコア部領域141の接線と軸線Aとがなす角度を求め、これを前記傾斜角度θ4とする。なお、この場合、コア部14の厚さの中間線を軸線Aとみなすことができる。
また、クラッド層領域111の軸線Aに対する角度(傾斜角度θ1)を求める際には、図2(b)に示すように、クラッド層11の厚さの中間の位置に、軸線Aと平行な軸線A’を引き、さらに、この軸線A’とクラッド層領域111との交点P’において、クラッド層領域111の接線T’を引く。そして、この接線T’と軸線A’とがなす角度を求め、これを前記傾斜角度θ1とする。
同様に、クラッド層領域121の軸線Aに対する角度(傾斜角度θ2)を求める際には、図2(b)に示すように、クラッド層12の厚さの中間の位置に、軸線Aと平行な軸線A”を引き、さらに、この軸線A”とクラッド層領域121との交点P”において、クラッド層領域121の接線T”を引く。そして、この接線T”と軸線A”とがなす角度を求め、これを前記傾斜角度θ2とする。
なお、傾斜角度θ1、θ2、θ4の測定手順については、社団法人日本電子回路工業会が発行するJPCA規格「光導波路を用いた光配線板の寸法測定方法(JPCA−PE02−05−02S)」を用いることができる。
このような断面形状を有する傾斜面171によれば、ミラーにおける反射特性の低下を抑制することができる。このような効果が生じる理由は明確ではないが、理由の1つとして、コア層より屈折率の低いクラッド層では、最適な反射特性を発現するミラー傾斜角度がコア層より小さくなる。そのため、前記断面形状を有する傾斜面171により、クラッド層への漏れ光も十分反射させることが出来るということが挙げられる。また、特に、光導波路1の屈折率分布がグレーデッドインデックス型の分布である場合には、屈折率分布と最適な傾斜角度分布が大きな相関関係を持つという理由から、上記効果がより顕著なものとなる。
また、傾斜角度が連続的に変化していることからも、形状的にも傾斜面171において応力集中が誘起され難くなる。そして、応力集中が緩和されることにより、コア層13とクラッド層11、12との界面の層間剥離の発生が抑制され、層間剥離に伴う伝送損失やミラーにおける反射損失の低減も図ることができる。
また、傾斜面172についても同様に、傾斜面172のうち、クラッド層12に対応する領域の軸線Aに対する角度(鋭角側)は、傾斜面172のうち、コア部14に対応する領域の軸線Aに対する角度(鋭角側)より大きくなるよう構成されている。また、傾斜面172のうち、クラッド層11に対応する領域の軸線Aに対する角度(鋭角側)は、傾斜面172のうち、コア部14に対応する領域の軸線Aに対する角度(鋭角側)より大きくなるよう構成されている。
これにより、傾斜面172の近傍においても応力の局所的な集中が緩和される。
また、傾斜面171、172が前述したような形状になっていると、空洞部170を形成し易いという利点もある。このような効果は、例えば、空洞部170をレーザー加工法により形成する場合において、特に顕著である。レーザー加工法では、レーザー照射によって被加工物が蒸発し、発生した気化物をアシストガスの流れとともに排出することにより、加工がなされる。この際、アシストガスをできるだけ、気化物の発生源に近づけることが、高精度な加工を行う上で重要である。形成しようとする傾斜面171、172が前述したような形状になっていると、空洞部170の開口部がより広くなるため、アシストガスが空洞部170の奥まで入り込み易くなる。このため、レーザー照射によって発生した気化物を効率よく排出することができ、高精度な加工を容易に行うことができる。その結果、反射特性の高い傾斜面171を形成することができ、他の光学部品との光結合効率に優れた光導波路1が得られる。
さらに、このような効果は、例えば、空洞部170をインプリント法により形成する場合においても、特に顕著である。インプリント法では、形成しようとする空洞部170の形状に対応した成形型を積層体10に押圧し、埋入させることにより、凹部を形成する。この際、形成しようとする傾斜面171、172が前述したような形状になっていると、成形型の離型性が良好になるため、傾斜面171、172の形状を設計通りに再現することができる。その結果、傾斜面171からなるミラーは、反射特性が特に高いものとなる。
なお、傾斜角度θ2と傾斜角度θ4との間の関係は、上述したような関係であればよいが、好ましくは、クラッド層12の最小屈折率n2とコア部14の最大屈折率n4との間の関係と相関を有するよう設定される。これにより、コア層13とクラッド層12との界面における応力集中をより緩和することができる。このような効果が得られる理由の1つとしては、傾斜面171、172における屈折率差に応じて傾斜角度を設定することにより、ミラーにおける反射光の集光性が最適化され、ミラーを介した光結合における結合損失がより確実に抑制される、ということが考えられる。
また、上記相関とは、例えば、クラッド層12とコア部14との間で最小屈折率n2と最大屈折率n4との差が大きければ大きいほど、傾斜面171のうちのクラッド層領域121とコア部領域141との間で前記傾斜角度θ2と前記傾斜角度θ4との差が大きくなるよう設定されている状態のことをいう。すなわち、傾斜角度θ2と傾斜角度θ4との間の相関関係が、最小屈折率n2と最大屈折率n4との間の相関関係に対応するよう、傾斜面171の形状を設定すればよい。また、同様に、傾斜角度θ1と傾斜角度θ4との間の相関関係が、最小屈折率n1と最大屈折率n4との間の相関関係に対応するよう、傾斜面171の形状を設定すればよい。
したがって、例えば、光導波路1の厚さ方向の屈折率分布が前述したようなグレーデッドインデックス型の分布である場合には、傾斜面171の厚さ方向における傾斜角度の変化と、傾斜面171の厚さ方向における屈折率の変化とが、いずれも連続的変化であるという共通性を有することとなる。このような光導波路1は、コア層13とクラッド層11、12との界面に応力が集中するのを特に緩和することができ、特に信頼性の高い光導波路1が得られる。
また、クラッド層領域121の傾斜角度θ2とコア部領域141の傾斜角度θ4との差θ4−θ2は、0.05〜10°程度であるのが好ましく、0.2〜5°程度であるのがより好ましく、0.5〜2.5°程度であるのがさらに好ましい。傾斜角度の差θ4−θ2を前記範囲内に設定することにより、傾斜面171における反射特性が特に最適化される。すなわち、傾斜面171を介したコア部14と他の光学部品との光結合において、結合効率を特に高めることができる。なお、傾斜角度の差θ4−θ2が前記下限値を下回ると、傾斜面171の大きさによっては、傾斜面171のうねりの程度が小さくなり過ぎ、うねりによる前述したような効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、傾斜角度の差θ4−θ2が前記上限値を上回ると、傾斜面171の大きさによっては、傾斜面171のうねりの程度が大きくなり過ぎ、反射特性の向上という効果が損なわれるとともに、応力集中の緩和という効果も損なわれるおそれがある。
同様に、クラッド層領域111の傾斜角度θ1とコア部領域141の傾斜角度θ4との差θ4−θ1も、上記の傾斜角度の差θ4−θ2と同様に設定されるのが好ましい。これにより、傾斜面171における反射特性をより高めることができる。
なお、傾斜角度θ4は、ミラーとして変換する光路の結合先の位置に応じて適宜設定されるが、好ましくは30〜60°程度に設定され、より好ましくは40〜50°程度に設定される。傾斜角度θ4を前記範囲内に設定することにより、傾斜面171においてコア部14の光路を効率よく変換し、光路変換に伴う損失を抑制することができる。
また、傾斜面172は、上述した傾斜面171と同様であるが、傾斜角度は特に限定されない。
ここで、図3は、図1に示す空洞部170の開口部の他の例を示す平面図である。空洞部170の開口部の形状は、図1に示すような矩形状であってもよいが、図3に示す開口部175のような長円形であってもよい。なお、図3に示す光導波路1は、下記の点が異なる以外、図1に示す光導波路1と同様である。
開口部175は、前述した2つの傾斜面171、172に対応する直線線分からなる傾斜面上端171a、172aと、2つの直立面173、174に対応する弧からなる直立面上端173a、174aとで構成された、長円形をなしている。これにより、空洞部170近傍において、構造の変化や熱変化等に伴う応力が発生したとき、その応力が空洞部170近傍に集中し難くなる。その結果、光導波路1の伝送効率の低下や傾斜面171における反射効率の低下をより抑制し、高品質な光通信を行い得る光導波路1が得られる。
また、開口部175の全体形状は、矩形や長円形に限定されず、傾斜面上端171a以外の部分は、いかなる形状であってもよいが、例えば、四角形、五角形、六角形のような多角形が挙げられる。
一方、コア層13の下面を基準面とするとき、基準面と直立面173、174とがなす角度(鋭角側)は、それぞれ好ましくは60〜90°程度とされる。各図では、ほぼ90°として図示している。このような空洞部170は、その占める幅が最小限に抑えられるので、複数の空洞部170を隣り合わせて形成したとき、その間隔を最小化することができる。したがって、基準面と直立面173、174とがなす角度を前記範囲内に収めることは、狭いピッチで併設されたコア部14に対しても空洞部170を高密度に配置し得るという点で有用である。また、基準面と直立面173、174とがなす角度を前記範囲内に収めることにより、直立面173、174近傍において各層を構成する材料の物性差による応力集中が特に抑えられる。その結果、層間剥離が特に生じ難くなるため、光導波路1の信頼性を特に高めることができる。
なお、空洞部170の最大深さは、積層体10の厚さから適宜設定されるものであり、特に限定されないが、光導波路1の機械的強度や可撓性といった観点から、好ましくは1〜500μm程度とされ、より好ましくは5〜400μm程度とされる。
また、空洞部170の最大長さ、すなわち図3における空洞部170のY方向の最大長さは、特に限定されないが、クラッド層11、12やコア層13の厚さや傾斜面171の傾斜角度との関係から、好ましくは2〜1200μm程度とされ、より好ましくは10〜1000μm程度とされる。
さらに、空洞部170の最大幅、すなわち図3における空洞部170のX方向の最大長さは、特に限定されず、コア部14の幅等に応じて適宜設定されるが、好ましくは1〜600μm程度とされ、より好ましくは5〜500μm程度とされる。
なお、空洞部170は、1本のコア部14に対して1つ設けられていてもよいが、複数本のコア部14に対してこれらに跨るように1つの空洞部170が設けられていてもよい。
また、複数個の空洞部170を形成する場合、それらの形成位置は、Y方向において互いに同じ位置であっても、互いにずれていてもよい。
また、傾斜面171は、空洞部170の内側面ではなく、積層体10の端面を軸線Aに対して斜めに加工した傾斜面であってもよい。
図4は、第1実施形態に係るミラーの他の構成例を示す縦断面図である。図1では、傾斜面171がミラーを構成しているのに対し、図4では、傾斜面171とその上に成膜された反射膜176とがミラーを構成している点で相違している。それ以外については、図4に示す光導波路1は、図1に示す光導波路1と同様である。
このような反射膜176を設けることにより、ミラーにおける反射特性を特に高めることができる。反射膜176としては、例えば、金属膜、炭素膜、樹脂膜、セラミック膜、シリコン膜等が挙げられる。このうち、金属膜が好ましく用いられる。金属膜によれば、金属特有の光沢による反射率の高い反射膜176が得られる。金属膜の構成材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、銅、亜鉛、銀、白金、金、鉛等が挙げられる。
反射膜176の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜500μm程度であるのが好ましく、0.5〜300μm程度であるのがより好ましい。これにより、十分な反射率を有するとともに、剥がれ難い反射膜が得られる。
反射膜176の成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法のような物理蒸着法、CVD法のような化学蒸着法、めっき法、熱転写法、金属箔転写法、印刷法、塗布法等が挙げられる。
また、傾斜面171の形状は、前述したようなうねりを有していることから、反射膜176を均一に形成し易いという利点もある。これは、傾斜面171では、クラッド層領域121の軸線Aに対する角度(傾斜角度θ2)が、コア部領域141の軸線Aに対する角度(傾斜角度θ4)より小さくなっていることによるものである。すなわち、傾斜面171の形状が前述したような形状になっていると、図4に示す光導波路1の上方から、例えば各種蒸着法により反射膜176を成膜する場合、蒸着源から飛散した物質が傾斜面171の各領域に到達し易くなる。それゆえ、各領域に成膜される反射膜176の膜厚を高精度に制御することが可能になる。換言すれば、傾斜面171がθ2<θ4の関係を満足するよう構成されていることにより、空洞部170の開口部が広くなるので、飛散した物質がクラッド層領域121で妨げられ難くなる。このため、クラッド層領域121はもとより、コア部領域141やクラッド層領域111についても、反射膜176の膜厚を目的とする膜厚に制御することができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光導波路の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の光導波路の第2実施形態の平面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点について説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図5に示す第2実施形態に係る光導波路1は、空洞部170の形成位置が異なる以外、第1実施形態に係る光導波路1と同様である。
すなわち、図5に示す空洞部170は、コア部14の延長線上の側面クラッド部15に形成されている。このような空洞部170は、その形成にあたって、クラッド層12、コア層13およびクラッド層11を加工することになるが、このうち、コア層13の加工位置は側面クラッド部15の構成材料のみで構成された部位であるので、その加工の際、加工レート等の加工条件がほぼ等しくなる。その結果、コア層13において高い加工精度で加工を施すことができ、形成される空洞部170の寸法精度を特に高めることができる。したがって、本実施形態によれば、寸法精度の高い空洞部170を備え、傾斜面171における反射効率が高く、高品質な光通信を行い得る光導波路1が得られる。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光導波路の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の光導波路の第3実施形態の断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点について説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
前述した第1実施形態に係る光導波路1では、傾斜面172が傾斜面171と同様の「うねり」を伴う傾斜面になっているのに対し、本実施形態に係る光導波路1では、傾斜面172が、図6に示すように、軸線Aに対してほぼ直交している平坦な直立面172’になっている。本実施形態に係る光導波路1は、この点で相違している以外、第1実施形態に係る光導波路1と同様である。
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の光導波路の第4実施形態について説明する。
図7は、本発明の光導波路の第4実施形態の断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点について説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図7に示す第4実施形態に係る光導波路1は、さらに、クラッド層11の下面に積層された支持フィルム2と、クラッド層12の上面に積層されたカバーフィルム3と、を備えている以外、第1実施形態に係る光導波路1と同様である。
また、空洞部170は、カバーフィルム3を貫通するよう構成されている。したがって、傾斜面171は、カバーフィルム3からクラッド層12およびコア層13をそれぞれ経てクラッド層11の途中に至るまでの間に連続して形成された面となる。
このような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
また、支持フィルム2およびカバーフィルム3を用いることで、積層体10を外力や異物付着、汚染等から保護することができる。
また、第4実施形態によれば、傾斜面171がカバーフィルム3の断面も含むため、より広い面積を有するものとなる。このため、傾斜面171をより高い精度で形成し易くなる。すなわち、加工しようとする面が広いほど、コア部14の断面の加工精度を容易に高められるため、第4実施形態によれば特に反射効率の高いミラーを形成することができる。
<光導波路の製造方法>
次に、本発明の光導波路を製造する方法について説明する。
図3に示す光導波路1は、クラッド層11、コア層13およびクラッド層12を順次積層して積層体10を得る工程と、積層体10の一部を除去する加工を施すことにより、空洞部170を形成する工程と、を有する方法により製造することができる。
以下、各工程について順次説明する。
[1]まず、(a)クラッド層11を形成するための組成物、コア層13を形成するための組成物、およびクラッド層12を形成するための組成物を、順次成膜して製造する方法、(b)各組成物を用いてクラッド層11、コア層13およびクラッド層12をそれぞれ形成した後、積層する方法、(c)3種の組成物を同時に押出成形して積層体を製造する方法等により、コア層形成層またはコア層形成層を含む多層構造を得る。
この際、コア層13を形成するための組成物として、露光により屈折率が変化する屈折率変調能を有するものを用いれば、このコア層形成層に露光処理を施すことのみで、所望のパターンで敷設されたコア部14を含むコア層13を得ることができる。
なお、コア層13の製造方法は、このような方法に限定されない。例えば成膜工程と、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術とを組み合わせたパターニング工程と、を繰り返し行うことにより、所望のパターンで敷設されたコア部14を含むコア層13を得ることができる。
[2]次に、積層体10の一部を除去する加工を施す。これにより、空洞部170が形成され、光導波路1が得られる。空洞部170の形成方法には様々な方法が挙げられる。例えば、切削加工や研削加工といった機械加工法の他、レーザー加工法、電子線加工法、インプリント法等が挙げられる。このうち、レーザー加工法またはインプリント法によれば、寸法精度の高い空洞部170を比較的容易に形成することができる。以下、代表的にレーザー加工法によって空洞部170を形成する方法について説明する。
図8は、本発明の光導波路の製造に用いられるレーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図、図9は、レーザー加工用マスクを相対的に移動させ空洞部170を形成する様子を図示した平面図である。
図8に示すレーザー加工機(レーザー加工装置)900は、図示しないレーザー光源と、レーザーの光軸上に配置されたレーザー加工用マスク910と、レーザー加工用マスク910を介してレーザー光源とは反対側に配置され、積層体10をレーザー加工用マスク910に対して相対的に移動させる図示しない駆動ステージと、を備えている。以下、レーザー加工機900の各部の構成について詳述する。
レーザー光源は、発振するレーザーの波長に応じて適宜選択されるが、例えば、YAGレーザー、YVOレーザー、Ybレーザー、半導体レーザーのような各種固体レーザー、COレーザー、He−Neレーザー、エキシマーレーザーのような各種気体レーザー等が挙げられる。
また、レーザーの波長は、積層体10の構成材料に応じて適宜設定されるが、例えば150〜950nm程度とされる。
駆動ステージとしては、例えばX−Yステージやリニアアクチュエーター等が用いられる。レーザー加工用マスク910に対して駆動ステージ上に載置した積層体10を相対的に移動させることにより、積層体10に対してレーザーの照射領域を任意のパターンで走査させることができる。これにより、積層体10の任意の位置に対して任意の時間のレーザー照射を施すことができる。
レーザーが照射されると、照射領域では気化反応が生じ、凹部が生じる。したがって、照射領域を走査させることにより、走査軌跡に沿って凹部が連続的に形成され、最終的には走査軌跡に応じた開口を有する凹部が形成されることとなる。
なお、固定したレーザー加工用マスク910に対して積層体10を移動させるのではなく、積層体10を固定した状態でレーザー加工用マスク910を移動させるようにしてもよく、双方を移動させるようにしてもよい。
本製造方法に係るレーザー加工用マスク910は、板状体であって、レーザーを遮蔽する遮蔽部911と、レーザーを透過する透過部912と、を備えている。このレーザー加工用マスク910を介してレーザーを照射すると、透過部912においてレーザーの照射領域が成形され、透過部912の平面視形状に対応した積層体10上の領域にレーザーが選択的に照射されることとなる。
次いで、このようなレーザー加工用マスク910を用いて、積層体10に空洞部170を形成する方法について説明する。
図8に示すレーザー加工用マスク910は、コア部14の長手方向、すなわちY方向に沿って透過部912が相対的に移動しつつレーザーが照射されるように使用される。図9には、その移動の際の透過部912の位置を間欠的に示している。
図9に示すような軌跡で透過部912(レーザー)が移動すると、その照射領域の軌跡に応じて、図3に示すような開口部175の空洞部170が形成される。すなわち、平面視で長円形をなす開口部175を有する空洞部170を容易に形成することができる。
また、図9に示すような軌跡で透過部912(レーザーの照射領域)が移動すると、それに伴ってY方向の端部、すなわち移動開始端と移動終了端では、積算光量が縁部に向かうにつれて徐々に減少する積算光量分布が形成される。このため、図9に示す軌跡の上端部と下端部には、図1に示すような傾斜面171と傾斜面172とが形成されることとなる。このとき、透過部912の移動とともに移動速度やレーザーの出力を適宜変更することにより、傾斜面171、172の傾斜角度を調整することができる。例えば、透過部912の移動とともに移動速度を徐々に低下させたりレーザーの出力を徐々に上げることにより、傾斜面171の傾斜角度を徐々に大きくすることができ、反対に、移動速度を徐々に上昇させたりレーザーの出力を徐々に下げることにより、傾斜面171の傾斜角度を徐々に小さくすることができる。また、積層体10を構成する材料を異ならせることにより、材料固有の加工レート(単位光量当たりの加工量)が傾斜面171の傾斜角度に反映されることになるため、それを利用して傾斜面171の傾斜角度を部分的に異ならせるといった角度調整を行いつつ、空洞部170を形成するようにしてもよい。
<光電気混載基板>
次に、本発明の光電気混載基板の実施形態について説明する。
図10は、本発明の光電気混載基板の実施形態を示す縦断面図である。
図10に示す光電気混載基板100は、光導波路(本発明の光導波路)1と、その上面に積層された電気配線基板5と、これらの間に介挿され両者を接着する接着シート9と、を有している。
図10に示す電気配線基板5は、コア基板51とその両面に積層されたビルドアップ層52とを備えた多層基板50と、この多層基板50の下面に設けられた貫通孔53と、を有している。
コア基板51は、電気配線基板5を支持する基板であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂材料が挙げられる。この他、紙、ガラス布、樹脂フィルム等を基材とし、この基材に樹脂材料を含浸させたもの、具体的には、ガラス布・エポキシ銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板等のコンポジット銅張積層板に使用される絶縁性基板の他、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板等の耐熱・熱可塑性の有機系リジッド基板や、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板等のセラミックス系リジッド基板等であってもよい。
これらの導体層522および貫通配線は、それぞれ、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、金、銀のような金属単体、またはこれらの金属元素を含む合金等の導電性材料で構成される。
また、絶縁層521は、酸化ケイ素、窒化ケイ素のようなケイ素化合物、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂のような樹脂材料等により構成される。
このようにして、ビルドアップ層52内には、面方向のみでなく厚さ方向にも広がる電気回路を構築することができ、電気回路の高密度化を図ることができる。
なお、このような多層基板は、いかなる工法で形成されたものであってもよいが、一例としてアディティブ法、セミアディティブ法、サブトラクティブ法等の各種ビルドアップ工法により形成される。
また、本発明の光電気混載基板が備える電気配線基板は、上述した電気配線基板5のような多層基板を含むものに限定されず、例えば多層基板を単層の電気配線基板(リジッド基板)で代替したものであってもよく、ポリイミド基板、ポリエステル基板、アラミドフィルム基板のような各種フレキシブル基板で代替したものであってもよい。また、多層基板50は、コア基板51を含まないコアレスの多層基板で代替することもできる。
また、図10に示す電気配線基板5は、多層基板50の上面に設けられたソルダーレジスト層54を有している。ソルダーレジスト層54を設けることにより、電気配線基板の導体層522を酸化や腐食等から保護する。
なお、この電気配線基板には、図示しない電気素子が搭載されていてもよい。電気素子としては、例えば、IC、LSI、RAM、ROM、コンデンサー、コイル、抵抗、ダイオード等が挙げられる。
また、図10に示す光電気混載基板100は、電気配線基板5上に搭載された光素子6を有している。
図10に示す光素子6は、素子本体60と、素子本体60の下面に設けられた受発光部61および端子62と、端子62から下方に突出するよう設けられたバンプ63と、を有している。なお、受発光部とは、受光部または発光部、あるいはその双方の機能を有するものを指す。
光素子6は、受発光部61の光軸が光導波路1の空洞部170の傾斜面171(ミラー)を介してコア部14の光軸と一致するよう配置されている。これにより、光導波路1と光素子6とが光学的に接続され、光導波路1を伝搬する光信号を光素子6に受光させたり、光素子6から出射された光信号を光導波路1に入射したりすることができる。
光素子6としては、例えば、面発光レーザー(VCSEL)、発光ダイオード(LED)、有機EL素子等の発光素子、フォトダイオード(PD、APD)等の受光素子が挙げられる。
<電子機器>
上述したような本発明に係る光導波路は、伝送効率が高く、かつ他の光学部品との光結合効率に優れたものである。このため、本発明の光導波路を備えることにより、高品質の光通信を行い得る信頼性の高い電子機器(本発明の電子機器)が得られる。
本発明の光導波路を備える電子機器としては、例えば、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類が挙げられる。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光導波路を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消され、その性能の飛躍的な向上が期待できることから、電子機器の低コスト化に貢献することができる。
さらに、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
以上、本発明の光導波路、光電気混載基板および電子機器について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば光導波路には、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、傾斜面171を光入射側ミラーとして用いた場合、光出射側はコア部14の端面からコア部14の光軸に沿って光を出射させるようにしてもよく、その際、出射端にはコネクターが装着されていてもよい。一方、傾斜面を光出射側ミラーとして用いた場合、光入射側はコア部14の端面からコア部14の光軸に沿って光を入射するようにしてもよく。その際、入射端にはコネクターが装着されていてもよい。
また、光導波路には複数の傾斜面が形成されていてもよい。例えば2つの傾斜面が形成されている場合、一方の傾斜面を光入射側ミラーとして用い、他方の傾斜面を光出射側ミラーとして用いることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.光導波路の製造
(実施例1)
(1)ポリオレフィン系樹脂の合成
ヘキシルノルボルネン(HxNB)7.2g(40.1mmol)、およびジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン12.9g(40.1mmol)を、500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加えた。次に、Ni触媒溶液(3.2mol/L)を1mL加え、室温で1時間撹拌した後、テトラヒドロフラン(THF)60gを加えて撹拌を行い、反応溶液を得た。
この反応溶液に無水酢酸9.5g、過酸化水素水18g(濃度30%)、およびイオン交換水30gを加えてNiの還元処理を行った。処理の完了した反応溶液を分液ロートに移し替え、下部の水層を除去した後、油層を過剰のアセトン中に滴下して生成したポリマーを再沈殿させ、ろ過にすることにより、ポリマー#1を得た。ポリマー#1の分子量分布は、GPC測定により、Mw=10万、Mn=4万であった。また、ポリマー#1中の各構造単位のモル比は、NMRによる同定により、ヘキシルノルボルネン構造単位が50mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位が50mol%であった。
(2)コア層形成用組成物の製造
精製した上記ポリマー#1 10g、メシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、CAS#483303−25−9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)2g、および重合開始剤(光酸発生剤) RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233−72−2)(0.0125g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層形成用組成物を得た。
(3)クラッド層形成用組成物の製造
精製した上記ポリマー#1の各構造単位のモル比を、ヘキシルノルボルネン構造単位80mol%、およびジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位20mol%にそれぞれ変更したものを、前記ポリマー#1に代えて用いるようにした以外は、コア層形成用組成物と同様にして、クラッド層形成用組成物を得た。
(4)導波路フィルムの作製
ダイコーターによる3層共押出を用いることで、厚さ25μmのポリイミドフィルム上に、コア層形成用組成物を中間層、クラッド層形成用組成物を上層および下層にし、塗布を行い、これを55℃の乾燥器に10分間投入し均一な皮膜を得た。得られた被膜上に、ライン、スペースの直線パターンを描くように、マスクレス露光装置により紫外線を照射した。なお、紫外線の積算光量は1300mJ/cmとした。
次いで、露光後の被膜を150℃のオーブンに30分間投入した。オーブンから取り出すと、被膜には鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。なお、得られた皮膜の厚さは65μm、そのうちコア層の厚さは45μmであった。また、コア層の屈折率分布は、グレーデッドインデックス型の分布になっていた。
(5)空洞部の形成
次に、レーザー加工により2つの空洞部を形成することにより、光入射側ミラーと光出射側ミラーとを作製した。これにより、長さ10cmの光導波路を得た。形成した空洞部の形状は、下記に示す通りである。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :44.5°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :44.6°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :44.9°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :0.3°
・空洞部170のY方向の最大長さ :200μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :90μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例2)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :44.3°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :44.1°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :44.9°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :0.8°
・空洞部170のY方向の最大長さ :200μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :90μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例3)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :43.7°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :43.8°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :45.0°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :1.2°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :100μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例4)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :42.8°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :43.0°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :45.1°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :2.1°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :105μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例5)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :40.5°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :40.4°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :43.8°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :3.4°
・空洞部170のY方向の最大長さ :200μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :90μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例6)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :38.8°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :38.7°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :45.5°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :6.8°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :120μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例7)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例2と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図3
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :44.1°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :44.0°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :45.0°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :1.0°
(実施例8)
コア層形成用樹脂をエポキシ樹脂YP−50S(新日鐵化学(株)製)、クラッド層形成用樹脂を脂環式エポキシ樹脂セロキサイド2081(ダイセル化学工業(株)製)、光重合性モノマーとしてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製)、カチオン重合開始剤アデカオプトマーSP−170((株)ADEKA製)に変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :44.3°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :44.3°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :45.0°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :0.7°
・空洞部170のY方向の最大長さ :200μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :90μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(実施例9)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状に変更した以外は、実施例8と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図3
・傾斜面171の形状 :連続湾曲面(図2)
・クラッド層領域111の傾斜角度 :43.8°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :43.6°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :44.7°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :1.1°
・空洞部170のY方向の最大長さ :200μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :90μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(比較例1)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状(平坦面)に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :平坦面
・クラッド層領域111の傾斜角度 :44.8°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :44.8°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :44.8°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :0°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :120μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(比較例2)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状(不連続面)に変更した以外は、実施例1と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :不連続面
・クラッド層領域111の傾斜角度 :43.6°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :43.7°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :45.1°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :1.4°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :120μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(比較例3)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状(平坦面)に変更した以外は、実施例8と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :平坦面
・クラッド層領域111の傾斜角度 :44.4°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :44.4°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :44.4°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :0°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :120μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
(比較例4)
加工条件を変更し、形成する空洞部の形状を以下の形状(不連続面)に変更した以外は、実施例8と同様にして光導波路を得た。
<空洞部の形状>
・空洞部170の概略図 :図1
・傾斜面171の形状 :不連続面
・クラッド層領域111の傾斜角度 :43.5°(図2のθ1)
・クラッド層領域121の傾斜角度 :43.6°(図2のθ2)
・コア部領域141の傾斜角度 :44.9°(図2のθ4)
・θ4−θ2 :1.3°
・空洞部170のY方向の最大長さ :250μm
・空洞部170のX方向の最大長さ :120μm
・空洞部170の最大深さ :70μm
なお、上記「不連続面」とは、コア部領域141およびクラッド層領域111、121は、それぞれ平坦面であるものの、互いの連結部は不連続的になっている面のことをいう。
2.光導波路の評価
2.1 単位長さ当たりの伝送損失の評価
各実施例および各比較例で得られた光導波路について、単位長さ当たりの伝送損失を算出した。具体的には、波長850nmのVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して、各実施例および各比較例で得られた光導波路に導入し、出射光を200μmφの光ファイバーで受光し、光の強度を測定するとともに挿入損失を算出した。なお、単位長さ当たりの伝送損失の測定にはカットバック法を採用した。そして、光導波路の長さを横軸にとり、挿入損失を縦軸にとって測定値をプロットしたところ、測定値は直線上に並んだ。そこで、その直線の傾きから単位長さ当たりの伝送損失を算出した。
得られた評価結果および光導波路の製造条件を表1に示す。
Figure 2015087713

表1に示すように、各実施例および各比較例で得られた光導波路については、単位長さ当たりの伝送損失はほぼ同じであった。
2.2 ミラーにおける反射特性の評価
各実施例および各比較例で得られた光導波路について、ミラーを介して測定された挿入損失と、算出した単位長さ当たりの伝送損失から、ミラーの反射損失を算出した。そして、算出したミラーの反射損失を以下の評価基準にしたがって評価し、表1に示す。
<反射損失の評価基準>
◎:反射損失が特に小さい
○:反射損失がやや小さい
△:反射損失がやや大きい
×:反射損失が特に大きい
表1に示すように、各実施例で得られた光導波路では、いずれも各比較例で得られた光導波路に比べて、ミラーの反射損失が低いことが認められた。特に、実施例2〜5および実施例8で得られた光導波路では、その傾向が顕著であった。
以上のことから、本発明の光導波路によれば、ミラーの反射損失が低く、他の光学部品との光結合効率が高いため、高品質な光通信を行い得ることが認められた。
1 光導波路
2 支持フィルム
3 カバーフィルム
5 電気配線基板
50 多層基板
51 コア基板
52 ビルドアップ層
521 絶縁層
522 導体層
53 貫通孔
54 ソルダーレジスト層
6 光素子
60 素子本体
61 受発光部
62 端子
63 バンプ
10 積層体
11、12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
9 接着シート
100 光電気混載基板
111、121 クラッド層領域
141 コア部領域
170 空洞部
171、172 傾斜面
171a、172a 傾斜面上端
172’ 直立面
173、174 直立面
173a、174a 直立面上端
175 開口部
176 反射膜
900 レーザー加工機
910 レーザー加工用マスク
911 遮蔽部
912 透過部
A、A’、A” 軸線
P、P’、P” 交点
T’、T” 接線
θ1、θ2、θ4 傾斜角度

Claims (8)

  1. コア部が形成されているコア層と、前記コア層の一方の面に積層されたクラッド層と、を備える積層体と、
    前記クラッド層から前記コア部にかけて形成され、前記コア部の軸線に対して傾斜するよう構成されている横断面と、を有し、
    前記横断面は、前記横断面のうちの前記クラッド層に対応する領域であるクラッド層領域の前記軸線に対する傾斜角度が、前記横断面のうちの前記コア部に対応する領域であるコア部領域の前記軸線に対する傾斜角度より小さく、かつ、前記クラッド層領域と前記コア部領域との間で前記軸線に対する傾斜角度が連続的に変化するよう構成されていることを特徴とする光導波路。
  2. 前記クラッド層領域の前記軸線に対する傾斜角度と前記コア部領域の前記軸線に対する傾斜角度との間の相関関係は、前記クラッド層の屈折率と前記コア部の屈折率との間の相関関係に対応している請求項1に記載の光導波路。
  3. 当該光導波路は、前記コア部の途中または延長線上に位置する前記積層体に設けられた空洞部を有し、前記空洞部の内壁面の一部が前記横断面となるよう構成されている請求項1または2に記載の光導波路。
  4. 前記空洞部は、レーザー加工法またはインプリント法により形成されたものである請求項3に記載の光導波路。
  5. 前記積層体は、前記コア層と、前記コア層を挟むように積層された2層のクラッド層と、を備えるものであり、
    前記横断面は、一方の前記クラッド層から前記コア層を経て他方の前記クラッド層にかけて連続的に形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光導波路。
  6. さらに、前記横断面上に成膜された金属層を有している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光導波路。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光導波路を備えることを特徴とする光電気混載基板。
  8. 請求項7に記載の光電気混載基板を備えることを特徴とする電子機器。
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