JP2015085761A - 乗員脚部保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニーエアバッグによる両膝部の拘束性能を維持しつつ、着座乗員の足首が捻られることを防止又は抑制する。
【解決手段】乗員脚部保護装置10では、ニーエアバッグ16の下部の車幅方向中央領域がテザーによって車両前後方向の膨張を制限されないことにより、当該部位に一体に設けられた脛エアバッグ18が車両後方側へ膨出し、両脛部LT、RT間に挟まる。この脛エアバッグ18の車幅方向の膨張幅は、乗員Pの両脛部間の車幅方向寸法と同等に設定されているため、乗員Pを開脚姿勢とせずに、ニーエアバッグ16よって乗員Pの両膝部を拘束することができる。しかも、脛エアバッグ18によって乗員Pの両脛部を左右方向内側から支持することができる。その結果、乗員Pの右足RFがアクセルペダル24からブレーキペダル側へ不用意に脱落しないようにすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の衝突時に乗員の脚部を保護する乗員脚部保護装置に関する。
下記特許文献1に記載された乗員保護装置では、車両衝突が発生した場合、シートクッションの前端に収納された姿勢矯正手段のエアバッグを着座乗員の両膝部間に膨張展開させ、着座乗員の両膝頭を身体外側に押し広げて開脚姿勢とする。その後、衝撃吸収手段のニーエアバッグを両膝頭の前方へ膨張展開させて両膝頭を受け止めるようにしている。
特開2005−145381号公報
ところで、車両が斜め衝突等の非対称衝突をした際には、着座乗員が斜め前方へ慣性移動する。例えば、所謂左ハンドル車の運転席側が非対称衝突をした際には、運転席の着座乗員が車両前方側かつ車幅方向外側へ斜めに慣性移動する。またその際には、車体床部の前端部が衝突荷重によって車両後方側かつ車幅方向内側へ斜めに侵入してくることがある。その結果、着座乗員の右足がアクセルペダルからブレーキペダル側へ脱落し、右足首が捻られる場合が想定される。この点、上述の如き乗員保護装置では、ニーエアバッグによる両膝頭の拘束前に、着座乗員が開脚姿勢とされるため、上記のような足首捻りを防止又は抑制することができると考えられる。
しかしながら、着座乗員を開脚姿勢とする際には、両膝部が側方に位置するドアトリムやセンタコンソール等と衝突する可能性がある。また、開脚姿勢とされた状態で両膝部がニーエアバッグに拘束されるため、車両前方へ慣性移動しようとする腰部からの荷重が、開脚角度を更に拡大するように作用し、両膝部が更に身体外側へ押し広げられることが考えられる。そのため、ニーエアバッグによる両膝部の拘束性能を維持する観点で改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、ニーエアバッグによる両膝部の拘束性能を維持しつつ、着座乗員の足首が捻られることを防止又は抑制することができる乗員脚部保護装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、車両用シートの前方に設けられ、内部にガスが供給されることにより着座乗員の両膝部の車両前方に膨張展開するニーエアバッグと、前記ニーエアバッグと一体又は別体に設けられ、内部にガスが供給されることにより着座乗員の両膝部よりも低い位置へ膨張展開し、着座乗員の両脛部間に介在すると共に、車幅方向の膨張幅が前記両脛部間の車幅方向寸法と同等に設定された脛エアバッグと、起動することにより前記各エアバッグ内にガスを供給するガス発生装置と、を備えている。
なお、請求項1に記載の「一体」には、ニーエアバッグ及び脛エアバッグが同一の基布で形成されている場合や、ニーエアバッグの基布と脛エアバッグの基布とが縫製等により一体化されている場合が含まれる。一方、請求項1に記載の「別体」は、ニーエアバッグの基布と脛エアバッグの基布とが縫製等により一体化されておらず、ニーエアバッグと脛エアバッグとが分離可能に形成されていることである。
また、請求項1において、着座乗員の両脛部間の車幅方向寸法は、例えばAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)のダミーが車両用シートに正規の着座姿勢で着座すると共に、右足をアクセルペダルに載せ、左足をフットレストに載せた状態で測定される。従って、この車幅方向寸法は、車両によって異なる。
さらに、請求項1に記載の「同等」は、厳密に同じである必要はない。つまり、脛エアバッグの車幅方向の膨張幅が着座乗員の両脛部間の車幅方向寸法よりも若干広い場合でも、両脛部間に膨張展開した脛エアバッグによって両脛部が互いに離れる方向へ押し広げられることがないように設定されたものであればよい。また、脛エアバッグの車幅方向の膨張幅が着座乗員の両脛部間の車幅方向寸法よりも若干狭い場合でも、脛エアバッグによって着座乗員の両脛部を左右方向内側から支持することができるものであればよい。
請求項1に記載の発明では、例えば車両が前面衝突をすると、ガス発生装置が起動され、ガス発生装置からのガスがニーエアバッグ及び脛エアバッグに供給される。それにより、ニーエアバッグが着座乗員の両膝部の車両前方に膨張展開すると共に、脛エアバッグが着座乗員の両膝部よりも低い位置へ膨張展開し、両脛部間に介在する。この脛エアバッグは、車幅方向の膨張幅が両脛部間の車幅方向寸法と同等に設定されているため、着座乗員を開脚姿勢とせずに、ニーエアバッグよって着座乗員の両膝部を拘束することができる。これにより、ニーエアバッグによる両膝部の拘束性能を維持することができる。しかも、脛エアバッグによって着座乗員の両脛部を左右方向内側から支持することができる。その結果、例えば、着座乗員の右足がアクセルペダルからブレーキペダル側へ不用意に脱落しないようにすることができるので、着座乗員の右足首が捻られることを防止又は抑制することができる。
請求項2に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、請求項1において、前記ニーエアバッグの内部には、前記ニーエアバッグの車両前後方向の膨張を制限する上側テザー及び左右一対の下側テザーが設けられており、前記ニーエアバッグにおける前記左右一対の下側のテザーの間の部位が車両前後方向の膨張を制限されないことにより、前記ニーエアバッグの下部の車幅方向中央領域に一体に設けられた前記脛エアバッグが車両後方側へ膨出する。
なお、請求項2に記載の上下左右の方向は、ニーエアバッグが膨張展開した状態での方向であり、車両の上下左右の方向と一致している。
請求項2に記載の発明では、従来からニーエアバッグに設けられることがある上下一対のテザーのうち、下側のテザーを左右に分割することにより、脛エアバッグをニーエアバッグに一体に設けることができる。これにより、極めて簡単な構成で前述した効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、請求項1において、前記脛エアバッグは、前記ニーエアバッグを構成する袋体の下部に一体に設けられており、前記袋体における前記ニーエアバッグを構成する部位の内部には、前記袋体の車両前後方向の膨張を制限する上側テザーが設けられ、前記袋体における前記脛エアバッグを構成する部位の内部には、前記袋体の車幅方向の膨張を制限する下側テザーが設けられている。
請求項3に記載の発明では、ニーエアバッグを構成する袋体の内部に上側テザー及び下側テザーが設けられることにより、当該袋体の下部に脛エアバッグが一体に設けられる。この脛エアバッグは、下側テザーによって車幅方向の膨張を抑制されて、着座乗員の両脛部間に介在する。これにより、脛エアバッグを含む袋体の容量の増加を抑制しつつ、両脛部間に介在する脛エアバッグの大きさを拡大することができるので、両脛部を脛エアバッグによって良好に支持することが可能になる。その結果、着座乗員が足首を捻ることを防止又は抑制する効果を向上させることができる。
請求項4に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、請求項1において、前記脛エアバッグは、前記ニーエアバッグを構成する袋体の下部に一体に設けられており、当該袋体は、前記脛エアバッグを構成する部位の車幅方向の膨張幅が、前記ニーエアバッグを構成する部位の車幅方向の膨張幅よりも小さくなるように基布の形状が設定されている。
請求項4に記載の発明では、ニーエアバッグを構成する袋体の基布が、上記のように形状設定されることにより、当該袋体の下部に脛エアバッグが一体に設けられる。これにより、請求項3に記載の発明と同様に、袋体の容量の増加を抑制しつつ、着座乗員が足首を捻ることを防止又は抑制する効果を向上させることができる。
請求項5に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、請求項1において、前記ニーエアバッグ及び前記脛エアバッグは、別体に形成されると共に共通のケース内に互いに反対方向にロール折りにされて収納されており、前記ガス発生装置は、前記各エアバッグ内にそれぞれ設けられた2つのインフレータによって構成されている。
請求項5に記載の発明では、別体に形成されたニーエアバッグ及び脛エアバッグがケース内から膨張展開する際には、互いに反対方向にロール折りにされた各エアバッグを、互いに離れるように膨張展開させることができる。それにより、脛エアバッグをより下方側へ膨張展開させて、着座乗員の両脛部における両足首に近い側を支持させることができる。その結果、着座乗員が足首を捻ることを防止又は抑制する効果を向上させることができる。また、別体に形成されたニーエアバッグ及び脛エアバッグ内に、それぞれ別々のインフレータからガスが供給されるので、各エアバッグの展開タイミングと内圧を変更することができる。
請求項6に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、請求項1において、前記ニーエアバッグ及び前記脛エアバッグは、基端部が一体に形成されると共に共通のケース内に互いに反対方向にロール折りにされて収納されており、前記ガス発生装置は、前記基端部に設けられた1つのインフレータであり、当該インフレータからのガスが前記各エアバッグ内に分配される。
請求項6に記載の発明では、基端部が一体に形成されたニーエアバッグ及び脛エアバッグがケース内から膨張展開する際には、互いに反対方向にロール折りにされた各エアバッグを、互いに離れるように膨張展開させることができる。それにより、脛エアバッグをより下方側へ膨張展開させて、着座乗員の両脛部における両足首に近い側を支持させることができる。その結果、着座乗員が足首を捻ることを防止又は抑制する効果を向上させることができる。また、1つのインフレータが発生させるガスを各エアバッグ内に分配するので、インフレータを2つ用いる場合と比較して、低コスト化を図ることができる。
請求項7に記載の発明に係る乗員脚部保護装置は、請求項1において、前記脛エアバッグは、前記ニーエアバッグとは別体に形成され、前記車両用シートのシートクッションの前端部、又は車体床部における前記車両用シートよりも車両前方側の部位に配設されており、前記ガス発生装置は、前記各エアバッグ内にそれぞれ設けられた2つのインフレータによって構成されている。
請求項7に記載の発明では、ニーエアバッグとは別体に形成された脛エアバッグが、上記のように配設されているため、脛エアバッグをより下方側へ膨張展開させて、着座乗員の両脛部における両足首に近い側を支持させることができる。その結果、着座乗員が足首を捻ることを防止又は抑制する効果を向上させることができる。また、別体に形成されたニーエアバッグ及び脛エアバッグ内に、それぞれ別々のインフレータからガスが供給されるので、各エアバッグの展開タイミングと内圧を変更することができる。
以上説明したように、本発明に係る乗員脚部保護装置では、ニーエアバッグによる両膝部の拘束性能を維持しつつ、着座乗員の足首が捻られることを防止又は抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグが膨張展開した状態を車幅方向外側から見た部分断面図であり、図4のF1−F1線に沿った切断面に対応した図である。 同乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグの膨張展開状態を車両後方側から見た背面図である。 同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開状態を車両斜め後方側から見た斜視図である。 同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグに着座乗員の両膝部及び両脛部が拘束されている状態を車両後方側から見た示す部分断面図である。 (A)は、図4のF5A−F5A線に沿った切断面を示す断面図であり、(B)は、図4のF5B−F5B線に沿った切断面を示す断面図であり、(C)は、図4のF5C−F5C線に沿った切断面を示す断面図であり、(D)は、図4のF5D−F5D線に沿った切断面を示す断面図である。 比較例に係る車両の左側が斜め衝突をした際の車室前部の左側の状況を示す平面図である。 比較例に係る車両に搭載されたニーエアバッグによって着座乗員の両膝部が拘束されている状態を車両後方側から見た部分断面図である。 第1実施形態に係るニーエアバッグ及び脛エアバッグによって着座乗員の両膝部及び両脛部が拘束されている状態を車両後方側から見た部分断面図である。 斜め衝突が発生してからの時間と着座乗員の右足首の捻り角度との関係を比較例と第1実施形態とで比較した線図である。 第1実施形態の変形例を示す図1に対応した部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグの膨張展開状態を車両斜め後方側から見た斜視図である。 同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグによって着座乗員の両膝部及び両脛部が拘束されている状態を車両後方側から見た部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグの膨張展開状態を車両後方側から見た背面図である。 同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開状態を車幅方向外側から見た部分断面図であり、(A)は、図13のF14A−F14A線に沿った切断面に対応した図であり、(B)は、図13のF14B−F14B線に沿った切断面に対応した図である。 本発明の第4実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグが膨張展開した状態を車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図である。 同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開状態を車両上方側からみた平面図である。 (A)は、同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開前の状態を車幅方向外側から見た断面図であり、(B)は、同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開途中の状態を車幅方向外側から見た断面図である。 本発明の第5実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグが膨張展開した状態を車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図である。 (A)は、同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開前の状態を車幅方向外側から見た断面図であり、(B)は、同ニーエアバッグ及び同脛エアバッグの膨張展開途中の状態を車幅方向外側から見た断面図である。 本発明の第6実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグが膨張展開した状態を車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図である。 同脛エアバッグの膨張展開状態を車両上方側から見た平面図である。 本発明の第7実施形態に係る乗員脚部保護装置が備えるニーエアバッグ及び脛エアバッグが膨張展開した状態を車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図である。 同脛エアバッグの膨張展開状態を車両上方側から見た平面図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1実施形態に係る乗員脚部保護装置10について、図1〜図10に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1に示されるように、第1実施形態に係る乗員脚部保護装置10は、車両用シート12の前方に設けられ、ガス発生装置であるインフレータ14からのガスが内部に供給されることにより膨張展開するニーエアバッグ16を備えている。このニーエアバッグ16には、脛エアバッグ18が一体に設けられている。
なお、上記の車両用シート12は、所謂左ハンドル車の運転席であり、車室前部の左側に配設されている。また、図1において、20はステアリングシャフトであり、22はインストルメントパネルのロアパネルであり、24はアクセルペダルであり、26は車体床部であり、RLは車両用シート12の着座した乗員P(着座乗員)の右脚である。この乗員Pは、ここではAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)のダミーであり、正規の着座姿勢で車両用シート12に着座している。
図2及び図3に示されるように、ニーエアバッグ16は、1又は複数枚の基布が略逆台形形状の袋状に縫製されて形成された袋体28によって構成されている。このニーエアバッグ16の内部には、略円柱状に形成されたインフレータ14が、円筒状に形成された図示しないディフューザの内側に挿入された状態で収容されている。このニーエアバッグ16は、通常時には、ロール折りや蛇腹折り等の所定の折り畳み方で折り畳まれ、インフレータ14と共にモジュールケース30内に収納されている。
モジュールケース30は、例えば金属材料によって箱体形状に形成されており、ステアリングシャフト20の下方に配設されている。このモジュールケース30は、図示しないブラケットを介して車体の構成部品(インパネリインフォースメント、フロアブレース等)に固定されており、後端部が車両後方側へ開口している。このモジュールケース30内に収納されたインフレータ14は、ディフューザ及びニーエアバッグ16の一部を挟んだ状態でモジュールケース30の底壁に固定されている。
上記のインフレータ14には、車両に搭載されたECU32が電気的に接続されている。このECU32には、車両が前面衝突をしたことを検出する衝突検出部34が電気的に接続されている。この衝突検出部34は、例えば車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ及び車両の左右方向の加速度を検出する左右加速度センサによって構成されており、ECU32と共に乗員脚部保護装置10の制御部を構成している。
ECU32は、衝突検出部34からの信号に基づいて車両が前面衝突をしたことを検知した際にインフレータ14を起動させる。この前面衝突には、フルラップの前面衝突(対称衝突)だけでなく、オフセット衝突、斜突及び微小ラップ衝突(何れも非対称衝突)が含まれている。なお、ECU32に前面衝突を予知(予測)するプリクラッシュセンサが電気的に接続されている場合には、プリクラッシュセンサからの信号に基づいて、ECU32が前面衝突を予知した際にインフレータ14が起動される構成にしてもよい。
インフレータ14が起動すると、インフレータ14に設けられたガス噴出部から噴出されるガスがディフューザによって整流されてニーエアバッグ16内に供給される。それにより、ニーエアバッグ16がモジュールケース30の後端開口部からロアパネル22に沿って車両後方側(車両用シート12側)かつ車両上方側へ膨張展開する。この膨張展開の際には、インストルメントパネルのロアパネル22に設けられた図示しないエアバッグドアがニーエアバッグ16の膨張圧によって開放される構成になっている。
膨張展開したニーエアバッグ16の上部は、図1及び図4に示されるように、乗員Pの左右両膝部LN、RNに対して前方から当接する。なお、図4において、LLは乗員Pの左脚である。また、以下の説明に記載するニーエアバッグ16の前後左右上下の方向は、特に断りのない限り、ニーエアバッグ16が膨張展開した状態での方向を示すものであり、車両の前後左右上下の方向と略一致している。
上記ニーエアバッグ16の内部には、上側テザー36及び左右一対の下側テザー38L、38Rが設けられている。上側テザー36は、ニーエアバッグ16内の上部に配設されており、ニーエアバッグ16の前後の内面に縫製されることにより、ニーエアバッグ16内の上部を上下に仕切っている。但し、この上側テザー36は、ニーエアバッグ16の左右両端部には達しておらず、上側テザー36とニーエアバッグ16の左右両端部との間には、それぞれガス流路42、46が形成されている。
左右一対の下側テザー38L、38Rは、ニーエアバッグ16内の下部における左右両端側に互いに離間して設けられている。左側の下側テザー38Lは、上側テザー36の左端部の下方に位置しており、右側の下側テザー38Rは、上側テザー36の右端部の下方に位置している。これらの下側テザー38L、38Rは、上側テザー36と同様にニーエアバッグ16の前後の内面に縫製されている。下側テザー38L、38Rとニーエアバッグ16の左右両端部との間には、それぞれガス流路48、50が形成されている。また、左右の下側テザー38L、38Rの間には、ガス流路42、46、48、50よりも断面積が広いガス流路52が形成されている。
図1、図5(A)〜図5(C)に示されるように、上側テザー36は、ニーエアバッグ16の膨張展開状態において、乗員Pの左右両膝部LN、RNと同等の高さに位置するように設けられている。一方、図5(A)及び図5(B)に示されるように、左右の下側テザー38L、38Rは、ニーエアバッグ16の膨張展開状態において、乗員Pの左右両脛部LT、RTの上端部と同等の高さに位置するように設けられている。これらの上側テザー36及び下側テザー38L、38Rが設けられたニーエアバッグ16は、これらのテザーによって前後方向の膨張を制限され、全体として前後方向に扁平な枕状に膨張する。
但し、図1及び図5(D)に示されるように、ニーエアバッグ16の下部における左右方向中央領域、すなわち上記各テザーが設けられていない領域は、前後方向の膨張を制限されず、車両後方側へ膨出する。この領域は、脛エアバッグ18(脛エアバッグ部)とされている。この脛エアバッグ18は、ニーエアバッグ16を構成する袋体28の一部によって構成されており、ニーエアバッグ16と一体とされている。この脛エアバッグ18は、乗員Pの両膝部LN、RNよりも低い位置へ膨張展開し、乗員Pの左右両脛部LT、RT間に介在する(車両前方側から入り込む)。
つまり、本実施形態では、ニーエアバッグ16の下部に一体に設けられた脛エアバッグ18が、両脛部LT、RTの間に挟まるように展開され、両脛部LT、RTを左右方向内側から支持する構成になっている。この脛エアバッグ18は、膨張展開状態において、乗員Pの下肢である右脚RL及び左脚LLの各重心(下肢重心:図1に示される右脚RLの重心G参照)よりも下方に下端部が位置するように形状が設定されている。それにより、右脚RL及び左脚LLの各重心を脛エアバッグ18によって左右方向内側から支持する構成になっている。なお、図1では説明の都合上、重心Gを脛エアバッグ18の断面よりも手前側に記載している。
また、本実施形態では、図5(D)に示されるように、脛エアバッグ18の車幅方向の膨張幅L1は、左右の下側テザー38L、38Rの間隔と等しい。この膨張幅L1は、両脛部LT、RTの間の車幅方向寸法L2と同等(ここでは若干広く)に設定されている。詳細には、乗員Pが右足RFをアクセルペダル24(図1参照)に載せると共に、左足LFをフットレスト(図示省略)に載せた状態で、脛エアバッグ18が両脛部LT、RTを互いに離れる方向(左右方向外側)へ押し広げないように膨張幅L1が設定されている。本実施形態では、上記の膨張幅L1が、袋体28と両脛部LT、RTとの左右の接触点間の最短距離と同一に設定されている。なお、右足(Right foot)RFは、右脚(Right leg)RLのうち右足首RAよりも下側の部分のことであり、左足(Left foot)LFは、左脚(Left leg)LLのうち左足首LAよりも下側の部分のことである。
(作用及び効果)
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の乗員脚部保護装置10では、ECU32が衝突検出部34からの信号に基づいて前面衝突を検知すると、当該ECU32によってインフレータ14が起動され、ニーエアバッグ16及び脛エアバッグ18を構成する袋体28の内部にガスが供給される。それにより、ニーエアバッグ16が乗員Pの両膝部LN、RNの車両前方に膨張展開すると共に、脛エアバッグ18が乗員Pの両膝部LN、RNよりも低い位置へ膨張展開し、両脛部LT、RT間に介在する。
この脛エアバッグ18は、車幅方向の膨張幅L1が両脛部LT、RT間の車幅方向寸法L2と同等に設定されているため、乗員Pを開脚姿勢とせずに、ニーエアバッグ16よって乗員Pの両膝部LN、RNを拘束することができる。これにより、ニーエアバッグ16による両膝部LN、RNの拘束性能を維持することができる。しかも、脛エアバッグ18によって乗員Pの両脛部LT、RTを左右方向内側(身体内側)から支持することができる。その結果、乗員Pの右足RFがアクセルペダル24からブレーキペダル側へ不用意に脱落しないようにすることができるので、乗員Pの右足首RAが捻られることを防止又は抑制することができる。
上記の効果について、図6及び図7に示される比較例200を用いて詳細に説明する。図6には、比較例200に係る車両の左側が斜め衝突(所謂オブリーク衝突)をした際の車室前部の左側の状況が平面図にて示されている。また、図7には、比較例200に係る車両に搭載されたニーエアバッグ16’によって乗員Pの左右両膝部LT、RTが拘束されている状態が車両後方側から見た部分断面図にて示されている。この比較例200では、ニーエアバッグ16’の下側テザー38が本実施形態のように左右に分割されておらず、上側テザー36同様にニーエアバッグ16の左端側から右端側にかけて設定されている。このため、このニーエアバッグ16’には、脛エアバッグ18が設けられていない。
図6に示されるように、車両の左側が斜め衝突をした際には、左ハンドル車の運転席である車両用シート12に着座した乗員Pが、車両前方側かつ車幅方向外側へ斜めに慣性移動する(図6の矢印A参照)。また、この際には、車体床部26の前端部が斜め衝突の衝撃によって車両後方側かつ車幅方向内側へ斜めに侵入してくる(図6の矢印B参照)。その結果、乗員Pの右足RFがアクセルペダル24から図示しないブレーキペダル側(衝突側:ここでは左側)へ脱落し、図7に示されるように、乗員Pの右足首RAが捻られることが考えられる。なお、図7においてθは、右足首RAの捻り角度である。
これに対し、本実施形態では、乗員Pの右脛部RTを脛エアバッグ18によって左側から支持することができるので、上述の如き右足RFの脱落を防止することができる。その結果、図8に示されるように、右足首RAの捻り角度θを比較例200よりも低減することができる。
なお、図9には、斜め衝突が発生してからの時間と右足首RAの捻り角度θとの関係が線図にて示されている。この図9では、本実施形態における右足首の捻り角度θの時間変化が実線で示されており、比較例200における右足首RAの捻り角度θの時間変化が点線で示さている。この図9に示されるように、本実施形態では、右足首RAのマイナス側(車幅方向外側)への捻り角度θが、比較例200よりも約20度低減している(図9の矢印D参照)。これにより、右足首RAを良好に保護することができる。
また、本実施形態では、乗員Pの右脚RL及び左脚LLの各重心(図1に示される右脚RLの重心G参照)を脛エアバッグ18によって左右方向内側から支持するため、右脚RL及び左脚LLの左右方向内側への変位を効果的に抑制することができる。しかも、本実施形態では、乗員Pが脛エアバッグ18によって開脚姿勢とされないため、左右両膝部LN、RNがその側方に位置するドアトリムやセンタコンソール等と不用意に衝突しないようにすることができる。
さらに、本実施形態では、従来のニーエアバッグ16’(比較例200参照)に設けられている上下一対のテザー36、38のうち、下側のテザー38を左右の下側テザー38L、38Rに分割している。それにより、脛エアバッグ18をニーエアバッグ16に一体に設けている。従って、極めて簡単な構成で前述した如き効果を得ることができる。また、本実施形態では、左右の下側テザー38L、38Rの面積が、従来のニーエアバッグ16’の下側テザー38の面積よりも小さくなっており、左右の下側テザー38L、38Rの間にガス流路52が形成されている。これにより、インフレータ14からのガスをニーエアバッグ16(袋体28)の上部まで迅速に供給することが可能になるのでニーエアバッグ16を乗員Pの両膝部LN、RNの前方に迅速に膨張展開させることができる。
また、本実施形態では、脛エアバッグ18の車幅方向の膨張幅L1が、両脛部LT、RT間の車幅方向寸法L2と同等に設定されており、脛エアバッグ18が左右の脛部LT、RTの間に挟まるように膨張展開する。これにより、両膝部LN、RNが脛エアバッグ18によって前方から押されないようにすることができるので、両膝部LN、RNの十字靭帯を保護することができる。
(第1実施形態の補足説明)
なお、図10に示される変形例のように、袋体28を上記第1実施形態よりも拡大し、モジュールケース30を上記第1実施形態よりも下方側に配設する構成にしてもよい。それにより、右脚RL及び左脚LLにおける各重心(図1に示される右脚RLの重心G参照)よりもより低い位置を支持することができるので、足首の捻り角度を低減する効果を向上させることができる。この場合、両膝部LN、RNの前方へのニーエアバッグ16の膨張展開を遅れさせないために、衝突検出部34による前面衝突のセンシング時間を早めることが好ましい。
また、上記第1実施形態では、脛エアバッグ18によって右足首RAの捻りを防止又は抑制する場合について説明したが、脛エアバッグ18によって左足首LAの捻りを防止又は抑制することもできる。すなわち、脛エアバッグ18によって両脛部LT、RTが左右方向内側から支持されるため、左足LFが右側斜め衝突の衝撃によってフットレストからブレーキペダル側へ不用意に脱落しないようにすることができる。その結果、左足首LAが捻られることを防止又は抑制することができる。
また、上記第1実施形態では、左ハンドル車の運転席である車両用シート12に着座した乗員Pの脚部RL、LLを保護する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、右ハンドル車の運転席に着座した乗員の脚部を保護することもできる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図11には、本発明の第2実施形態に係る乗員脚部保護装置60が備えるニーエアバッグ62及び脛エアバッグ64の膨張展開状態が車両斜め後方側から見た斜視図にて示されている。また、図12には、ニーエアバッグ62及び脛エアバッグ64によって乗員Pの両膝部LN、RN及び両脛部LT、RTが拘束されている状態が車両後方側から見た部分断面図にて示されている。
この実施形態では、脛エアバッグ64は、ニーエアバッグ62を構成する袋体68の下部に一体に設けられている。この袋体68におけるニーエアバッグ62を構成する部位(上部)の内部には、袋体68の車両前後方向の膨張を制限する上側テザー70が設けられている。また、この袋体68における脛エアバッグ64を構成する部位の内部には、袋体68の車幅方向の膨張を制限する下側テザー72が設けられている。
上側テザー70及び下側テザー72には、それぞれ複数の連通口74(開口:ホール)が形成されている。そして、脛エアバッグ64の下端部に設けられたインフレータ14から噴出されるガスが、上記複数の連通口74を通って袋体68の上部まで供給される。それにより、袋体68すなわちニーエアバッグ62及び脛エアバッグ64が、車両後方側から見て略T字状に膨張展開する。
膨張展開したニーエアバッグ62は、乗員Pの両膝部LN、RNに対して前方から当接する。また、脛エアバッグ64は、両膝部LN、RNよりも低い位置に膨張展開し、両脛部LT、RTの間に介在する(挟まる)。この脛エアバッグ64の膨張幅L1は、前記第1実施形態と同様に、両脛部LT、RT間の車幅方向寸法L2(図5D参照)と同等に設定されている。なお、この膨張幅L1は、膨張展開した脛エアバッグ64の車幅方向の最大幅である。
この実施形態では、上記以外の構成は、前記第1実施形態と同様とされている。従って、前記第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。しかも、この実施形態では、ニーエアバッグ62を構成する袋体68の内部に上側テザー70及び下側テザー72が設けられることにより、当該袋体68の下部に脛エアバッグ64が一体に設けられている。この脛エアバッグ64は、下側テザー72によって車幅方向の膨張を抑制されて、乗員Pの両脛部LT、RT間に介在する。これにより、脛エアバッグ64を含む袋体68の容量の増加を抑制しつつ、両脛部LT、RT間に介在する脛エアバッグ64の大きさを拡大することができる。その結果、両脛部LT、RTにおける左右方向内側に膨らんだ部分を脛エアバッグ64によって良好に支持することが可能になるので、乗員Pが足首を捻ることを防止又は抑制する効果(足首捻り角度の低減率)を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、上下のテザー70、72に複数の連通口74が形成されているため、ニーエアバッグ62を両膝部LN、RNの前方に迅速に膨張展開させる観点で好適である。また、袋体68や上下のテザー70、72の基布の形状を変更するだけで上記の効果が得られるため、製造コストを低減する観点でも好適である。さらに、両脛部LT、RTが前方から押されることがないため、乗員Pの十字靭帯を保護する観点でも好適である。
<第3の実施形態>
図13には、本発明の第3実施形態に係る乗員脚部保護装置80が備えるニーエアバッグ82及び脛エアバッグ84の膨張展開状態が車両後方側から見た背面図にて示されている。この実施形態は、前記第1実施形態に近い構成とされているが、前記第2実施形態と同様に、ニーエアバッグ82を構成する袋体86の下部に脛エアバッグ84が一体に設けられている。また、この実施形態では、前記第1実施形態に係る下側テザー38L、38Rが省略されている。
上記の袋体86は、脛エアバッグ84を構成する部位(下部)の車幅方向の膨張幅L1が、ニーエアバッグ82を構成する部位(上部)の車幅方向の膨張幅L3よりも小さくなるように基布の形状が設定されている。つまり、この袋体86は、車両後方側から見て略T字状に膨張展開するように基布の形状が設定されている。この袋体86が膨張展開した状態では、ニーエアバッグ82が乗員Pの両膝部LN、RNに対して前方から対向し(図14(A)参照)、脛エアバッグ84が両脛部LT、RTの間に介在する(図14(B)参照)。この脛エアバッグ64の膨張幅L1は、前記第1実施形態と同様に、両脛部LT、RT間の車幅方向寸法L2(図5D参照)と同等に設定されている。
この実施形態においても、前記第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。しかも、従来のニーエアバッグにおける基布の形状を変更するだけでよいため、製造コストを低減する観点で好適である。
<第4の実施形態>
図15には、本発明の第4実施形態に係る乗員脚部保護装置90が備えるニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94の膨張展開状態が車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図にて示されている。また、図16には、ニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94の膨張展開状態が車両上方側からみた平面図にて示されている。この実施形態では、前記各実施形態とは異なり、ニーエアバッグ92と脛エアバッグ94とが別体に形成されている。また、この実施形態では、ニーエアバッグ92内及び脛エアバッグ94内にそれぞれ設けられた2つのインフレータ96、98を備えている。これらのインフレータ96、98は、ガス発生装置を構成している。
ニーエアバッグ92は、従来周知の一般的なものとされており、インフレータ96から噴出されるガスの圧力で乗員Pの両膝部LN、RNの前方へ膨張展開する(図15及び図16図示状態)。このニーエアバッグ92を構成する袋体の内部には、当該ニーエアバッグ92の前後方向の膨張を制限するテザー100が設けられている。
一方、脛エアバッグ94は、インフレータ98から噴出されるガスの圧力で略球体状に膨張展開する袋体によって構成されている。この脛エアバッグ94は、乗員Pの両膝部LN、RNよりも低い位置へ膨張展開し、両脛部LT、RT間に介在する(挟まる)。この脛エアバッグ94の車幅方向の膨張幅は、前記各実施形態と同様に、両脛部LT、RT間の車幅方向寸法と同等に設定されている。
上述のニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94は、通常時には、図17(A)に示されるように、共通のケースであるモジュールケース102内に互いに反対方向にロール折りにされて収納されている。ニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94は、それぞれインフレータ96、98を介してモジュールケース102の底壁に固定されている。このモジュールケース102は、図示しないステアリングシャフトの下方に配置されており、図示しないブラケットを介して車体の構成部品(インパネリインフォースメント、フロアブレース等)に固定されている。このモジュールケース102の後端部は、車両後方側へ開口しており、インストルメントパネルのロアパネル22に設けられたエアバッグドア104に対向している。
インフレータ96、98は、ECU32(図15〜図17では図示省略)に電気的に接続されており、ECU32が前面衝突を検知した際に起動される。インフレータ96、98が起動すると、インフレータ96、98から噴出されるガスの圧力でニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94が膨張展開する(図17(B)参照)。この際には、エアバッグドア104に設定されたティアラインが破断し、エアバッグドア104が開放される。また、この膨張展開によってニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94がロール折りを解かれる際には、各エアバッグ92、94が互いに反対側へ膨張展開するように各エアバッグ92、94のロール折りの巻き方向が設定されている。それにより、図15に示されるように、ニーエアバッグ92が車両後方斜め上方へ向けて膨張展開し、乗員Pの両膝部LN、RNに対して前方から当接する。また、脛エアバッグ94は、車両後方斜め下方へ向けて膨張展開し、乗員Pの両脛部LT、RTの間に挟まる。
この実施形態では、脛エアバッグ94をより下方側へ膨張展開させて、乗員Pの両脛部LT、RTにおける両足首RA、LAに近い側を支持させることができる。それにより、足首捻り角度の低減率を高くすることができる。また、別体に形成されたニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94内に、それぞれ別々のインフレータ96、98からガスが供給されるので、各エアバッグ92、94の展開タイミングと内圧を変更することができる。さらに、ニーエアバッグ92用のインフレータ96の位置を下げずに上記の効果が得られるため、両膝部LN、RNの前方へのニーエアバッグ16の膨張展開が遅れないようにすることができる。
<第5の実施形態>
図18には、本発明の第5実施形態に係る乗員脚部保護装置110が備えるニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94の膨張展開状態が車幅方向外側から見た部分断面図にて示されている。この実施形態におけるニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94は、通常時には、前記第4実施形態と同様に、共通のモジュールケース102内に互いに反対方向にロール折りにされて収納されている(図19(A)参照)。これらのニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94は、前記第4実施形態に係るニーエアバッグ92及び脛エアバッグ94と同様の形状に形成されているが、基端部が一体に形成されている。なお、図18、図19(A)、図19(B)において、112は、ニーエアバッグ92の基端部と脛エアバッグ94の基端部とを縫製する縫製部である。
ニーエアバッグ92の基端部と脛エアバッグ94の基端部とは相互に連通されている。この連通部には、ガス発生装置を構成する1つのインフレータ14が設けられている。このインフレータ14が起動すると各エアバッグ92、94内にガスが供給(分配)され、前記第4実施形態と同様に、各エアバッグ92、94が膨張展開する。この実施形態においても前記第4実施形態と同様に、足首捻り角度の低減率を高くすることができる。しかも、この実施形態では、1つのインフレータ14が発生させるガスを各エアバッグ92、94内に分配するので、インフレータを2つ用いる場合と比較して、低コスト化を図ることができる。
<第6の実施形態>
図20には、本発明の第6実施形態に係る乗員脚部保護装置120が備えるニーエアバッグ122及び脛エアバッグ124の膨張展開状態が車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図にて示されている。また、図21には、脛エアバッグ124の膨張展開状態が車両上方側からみた平面図にて示されている。この実施形態では、ニーエアバッグ122と脛エアバッグ124とが別体に形成されている。
ニーエアバッグ122は、前記第1実施形態におけるニーエアバッグ16に近い構成とされている。但し、このニーエアバッグ122では、下側テザー38が前記第1実施形態のように左右に分割されておらず、上側テザー36と同様にニーエアバッグ122の左端側から右端側にかけて設定されている。このニーエアバッグ122は、前記第1実施形態と同様にインフレータ14(図20及び図21では図示省略)からのガスの供給を受けて乗員Pの両膝部LN、RNの前方に膨張展開する。
一方、脛エアバッグ124は、長尺な袋体によって構成されており、所定の折り畳み方で折り畳まれ、インフレータ126と共にモジュールケース128内に収納されている。このモジュールケース128は、シートクッション12Aの前端部に固定されており、前端部が開口している。インフレータ126は、インフレータ14と共にガス発生装置を構成しており、ECU32が前面衝突を検知した際に起動される。それにより、インフレータ126からのガスが脛エアバッグ124内に供給され、脛エアバッグ124が車両前方側へ膨張展開する。膨張展開した脛エアバッグ124は、乗員Pの両膝部LN、RNよりも低い位置へ膨張展開し、両脛部LT、RT間に介在する(挟まる)。この脛エアバッグ124の車幅方向の膨張幅は、前記各実施形態と同様に、両脛部LT、RT間の車幅方向寸法と同等に設定されている。
この実施形態では、ニーエアバッグ122とは別体に形成された脛エアバッグ124が、上記のように配設されているため、脛エアバッグ124をより下方側へ膨張展開させて、乗員Pの両脛部LN、RNにおける両足首LA、RAに近い側を支持することができる。その結果、足首捻り角度の低減率を高くすることができる。また、別体に形成されたニーエアバッグ122及び脛エアバッグ124内に、それぞれ別々のインフレータ14、126からガスが供給されるので、各エアバッグ122、124の展開タイミングと内圧を変更することができる。
<第7の実施形態>
図22には、本発明の第7実施形態に係る乗員脚部保護装置130が備えるニーエアバッグ122及び脛エアバッグ124の膨張展開状態が車幅方向外側から見た図1に対応した部分断面図にて示されている。また、図23には、脛エアバッグ124の膨張展開状態が車両上方側からみた平面図にて示されている。この実施形態は、前記第6実施形態に近い構成とされているが、脛エアバッグ124を収納するモジュールケース128が車体床部26における車両用シート12よりも車両前方側の部位に配設されている。この実施形態においても、前記第6実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。しかも、この実施形態では、前記第6実施形態よりも両脛部LN、RNに近い位置に脛エアバッグ124が配設されるため、脛エアバッグ124の容量を前記第6実施形態よりも小さくすることができる。
以上、幾つかの実施形態を挙げて本発明について説明したが、本発明は前記各実施形態の構成に限らず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が前記各実施形態に限定されないことは勿論である。
10 乗員脚部保護装置
12 車両用シート
12A シートクッション
14 インフレータ(ガス発生装置)
16 ニーエアバッグ
18 脛エアバッグ
26 車体床部
36 上側テザー
38 下側テザー
60 乗員脚部保護装置
62 ニーエアバッグ
64 脛エアバッグ
68 袋体
70 上側テザー
72 下側テザー
80 乗員脚部保護装置
82 ニーエアバッグ
84 脛エアバッグ
86 袋体
90 乗員脚部保護装置
92 ニーエアバッグ
94 脛エアバッグ
96、98 インフレータ(ガス発生装置)
102 モジュールケース(共通のケース)
110 乗員脚部保護装置
120 乗員脚部保護装置
122 ニーエアバッグ
124 脛エアバッグ
126 インフレータ(ガス発生装置)
130 乗員脚部保護装置
P 着座乗員
LN、RN 着座乗員の膝部
LT、RT 着座乗員の脛部
L1 脛バッグの車幅方向の膨張幅
L2 両脛部間の車幅方向寸法

Claims (7)

  1. 車両用シートの前方に設けられ、内部にガスが供給されることにより着座乗員の両膝部の車両前方に膨張展開するニーエアバッグと、
    前記ニーエアバッグと一体又は別体に設けられ、内部にガスが供給されることにより着座乗員の両膝部よりも低い位置へ膨張展開し、着座乗員の両脛部間に介在すると共に、車幅方向の膨張幅が前記両脛部間の車幅方向寸法と同等に設定された脛エアバッグと、
    起動することにより前記各エアバッグ内にガスを供給するガス発生装置と、
    を備えた乗員脚部保護装置。
  2. 前記ニーエアバッグの内部には、前記ニーエアバッグの車両前後方向の膨張を制限する上側テザー及び左右一対の下側テザーが設けられており、前記ニーエアバッグにおける前記左右一対の下側のテザーの間の部位が車両前後方向の膨張を制限されないことにより、前記ニーエアバッグの下部の車幅方向中央領域に一体に設けられた前記脛エアバッグが車両後方側へ膨出する請求項1に記載の乗員脚部保護装置。
  3. 前記脛エアバッグは、前記ニーエアバッグを構成する袋体の下部に一体に設けられており、前記袋体における前記ニーエアバッグを構成する部位の内部には、前記袋体の車両前後方向の膨張を制限する上側テザーが設けられ、前記袋体における前記脛エアバッグを構成する部位の内部には、前記袋体の車幅方向の膨張を制限する下側テザーが設けられている請求項1に記載の乗員脚部保護装置。
  4. 前記脛エアバッグは、前記ニーエアバッグを構成する袋体の下部に一体に設けられており、当該袋体は、前記脛エアバッグを構成する部位の車幅方向の膨張幅が、前記ニーエアバッグを構成する部位の車幅方向の膨張幅よりも小さくなるように基布の形状が設定されている請求項1に記載の乗員脚部保護装置。
  5. 前記ニーエアバッグ及び前記脛エアバッグは、別体に形成されると共に共通のケース内に互いに反対方向にロール折りにされて収納されており、前記ガス発生装置は、前記各エアバッグ内にそれぞれ設けられた2つのインフレータによって構成されている請求項1に記載の乗員脚部保護装置。
  6. 前記ニーエアバッグ及び前記脛エアバッグは、基端部が一体に形成されると共に共通のケース内に互いに反対方向にロール折りにされて収納されており、前記ガス発生装置は、前記基端部に設けられた1つのインフレータであり、当該インフレータからのガスが前記各エアバッグ内に分配される請求項1に記載の乗員脚部保護装置。
  7. 前記脛エアバッグは、前記ニーエアバッグとは別体に形成され、前記車両用シートのシートクッションの前端部、又は車体床部における前記車両用シートよりも車両前方側の部位に配設されており、前記ガス発生装置は、前記各エアバッグ内にそれぞれ設けられた2つのインフレータによって構成されている請求項1に記載の乗員脚部保護装置。
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