JP7221773B2

JP7221773B2 - サイドエアバッグ装置

Info

Publication number: JP7221773B2
Application number: JP2019076633A
Authority: JP
Inventors: 陽一郎谷川; 真安芸; 貴之梅山
Original assignee: Toyota Motor Corp; Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyota Motor Corp; Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 2019-04-12
Filing date: 2019-04-12
Publication date: 2023-02-14
Anticipated expiration: 2039-04-12
Also published as: DE102020204559A1; JP2020172232A; CN111845613A; CN111845613B

Description

本発明は、サイドエアバッグ装置に関する。

下記特許文献１には、車両用シートのシートバッグのサイドサポート部内にエアバッグが収納されたサイドエアバッグ装置が開示されている。このエアバッグは、インフレータからガスの供給を受けて、サイドサポート部のシート前方側かつシート上方側に膨張展開する。

また、エアバッグは、その後端部に形成され、インフレータが収容された後部膨張区画部（後下膨張部）と、後部膨張区画部のシート前方側かつ上方側に形成された前部膨張区画部（前上膨張部）とを備えている。そして、インフレータからガスの供給を受けると、先ず、下部膨張区画内にガスが供給され、次いで、下部膨張区画の上端と下端に形成された開口部から上部膨張区画にガスが供給される。

特開２０１８－０１６２５２号公報

しかしながら、上記特許文献１に記載された技術では、エアバッグがロール折、又は蛇腹折によって折り畳まれた状態でサイドサポート部に収納されている。このため、前部膨張区画部は、後部膨張区画部から供給されるガスによってシート上方側及び前方側に立ち上るように膨張展開される。このため、サイドサポート部の車両前方の非正規位置に乗員の身体の一部が重なる状態でエアバッグが膨張展開した場合、当該非正規位置の乗員が、車両上方側へ向けて展開する前部膨張区画部から負荷を受ける可能性がある。従って、非正規位置の乗員を保護する性能を向上させる観点で改善の余地がある。

本発明は上記事実を考慮し、非正規位置の乗員の保護性能を向上させることができるサイドエアバッグ装置を得ることを目的とする。

請求項１に記載の本発明に係るサイドエアバッグ装置は、車両用シートのシートバックにおけるシート幅方向外側の側部に収納され、袋状に形成されたサイドエアバッグと、前記サイドエアバッグの後端部に形成され、内部にインフレータが配置されると共に、該インフレータからガスの供給を受けて膨張展開する後部膨張区画部と、前記後部膨張区画部の上端部に形成された上部連通口と、前記後部膨張区画部の下端部に形成された下部連通口と、前記後部膨張区画部と前記上部連通口及び前記下部連通口を介して連通され、前記上部連通口及び前記下部連通口から前記ガスの供給を受けて前記後部膨張区画部のシート前方側かつシート上方側に膨張展開する前部膨張区画部と、前記サイドエアバッグが前記側部に収納された状態において、前記サイドエアバッグの上下方向の中間部から前記上部連通口を含む上方側をシート幅方向外側へ折り返して形成された折返し部と、を備えている。

請求項１に記載の本発明に係るサイドエアバッグ装置では、上記のように折り返された折返し部を有するサイドエアバッグが、サイドエアバッグの後部膨張区画部に配置されたインフレータからガスの供給を受けて膨張展開する。

ここで、サイドエアバッグは、折返し部によって上部と下部に区画されている。従って、膨張展開の際には、展開初期にサイドエアバッグの下部、すなわち後部膨張区画部及び前部膨張区画部の下部が膨張される。次いで、折返し部の折り返しが解消されると、サイドエアバッグの上部、すなわち前部膨張区画部の上部が、シート幅方向外側へ展開しながらシート上方側へ膨張する。これにより、展開初期にサイドエアバッグがシート上方側へ急激に展開されることを抑制すると共に、展開後期におけるサイドエアバッグの上方側への展開方向をシート幅方向外側へ傾けることができる。その結果、シートバックのシート幅方向外側の側部におけるシート前方の非正規位置に乗員の体の一部が重なる状態でも、当該非正規位置の乗員が、サイドエアバッグから負荷を受けることを抑制できる。

以上説明したように、請求項１に係るサイドエアバッグ装置によれば、非正規位置の乗員の保護性能を向上させることができるという優れた効果を奏する。

本実施形態に係るサイドエアバッグ装置が搭載された車両用シートの側面図であり、サイドエアバッグの膨張展開状態を示す図である。図１に示すサイドエアバッグの非膨張展開状態を示しており、折返し部が形成された状態を実線で示し、折返し部が形成されていない状態を二点鎖線で示す拡大側面図である。図１に示すサイドエアバッグの展開初期の状態を示す側面図である。図１に示すサイドエアバッグの展開後期の状態を示す側面図である。図１に示す車両用シートが適用された車両の車室前部であって、サイドエアバッグの展開初期の状態を示す正面図である。図１に示す車両用シートが適用された車両の車室前部であって、サイドエアバッグの展開後期の状態を示す正面図である。

以下、図１～図６を用いて、本実施形態に係るサイドエアバッグ装置３０の搭載された車両用シート１４について説明する。なお、各図に適宜示される矢印ＦＲは車両前方側を示しており、矢印ＵＰは車両上方側を示しており、矢印ＲＨは車両右側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
（全体構成）
図１に示されるように、車両用シート１４は、乗員が着座するシートクッション１６と、シートクッション１６の後端部に傾倒可能に支持されたシートバック１８と、シートバック１８の上端部に連結されたヘッドレスト２０と、を備えている。この車両用シート１４は、例えば左ハンドル車である車両１０の前室１２に設けられた助手席とされている（図５、図６参照）。

サイドエアバッグ装置３０は、車両用シート１４のシートバック１８におけるシート幅方向外側のサイドサポート部１８Ａ（側部：以下「サイド部１８Ａ」と称する）に搭載されている。より具体的には、本実施形態のサイドエアバッグ装置３０は、車両幅方向の中央側に位置するサイド部１８Ａに搭載されており、所謂ファーサイドエアバッグ装置とされている。

なお、この車両用シート１４の前後方向、左右方向（幅方向）及び上下方向は、車両の前後方向、左右方向（幅方向）及び上下方向と一致している。また、図１では、実際の乗員の代わりに、衝突試験用のダミーＰ１が車両用シート１４に着座している。このダミーＰ１は、例えばＷｏｒｌｄＳＩＤ（国際統一側面衝突ダミー：World Side Impact Dummy）のＡＭ５０（米国人成人男性の５０パーセンタイル）である。また、図３～図６では、実際の乗員の代わりに、衝突試験用のダミーＰ２が車両用シート１４のシートクッション１６に膝をついた状態で後ろ向きになって上半身をシートバック１８に凭れかけている。なお、乗員Ｐ２は、例えば、衝突試験用の３歳児ダミー３ＹＯである。以下、説明を分かり易くするため、ダミーＰ１を「乗員Ｐ１」とし、ダミーＰ２を「乗員Ｐ２」と称する。

（サイドエアバッグ装置３０）
図１に示されるように、サイドエアバッグ装置３０は、サイドエアバッグ３２と、インフレータ３４とを備えている。サイドエアバッグ３２及びインフレータ３４は、通常時には、モジュール化され、サイド部１８Ａ内に収納されている。この状態では、サイドエアバッグ３２が後述する折り畳み方法に基づいて折り畳まれている。

このサイドエアバッグ３２は、インフレータ３４から発生するガスの圧力で、乗員Ｐ１と前室１２の中央に設けられたフロントコンソール２２との間に膨張展開する（図５、図６参照）。この膨張展開の際には、サイド部１８Ａに配設された図示しないパッド材及びシート表皮がサイドエアバッグ３２の膨張圧を受けて破断される構成になっている。

なお、サイドエアバッグ３２に関して以下の説明に記載する前後上下の方向は、サイドエアバッグ３２の部材としての方向を示すものであり、サイドエアバッグ３２が膨張展開した状態では、シートバック１８の前後上下の方向と略一致する。

上記のサイドエアバッグ３２は、例えばナイロン系又はポリエステル系の布材を切り出して形成された一枚の基布が二つ折りにされ、外周縁部を縫製されることにより袋状に形成されている。このサイドエアバッグ３２は、ここでは所謂２チャンバサイドエアバッグとされており、前後仕切部３６によって、後部膨張区画部３８と、前部膨張区画部４０とに仕切られている。

具体的には、前後仕切部３６は、側面視でサイドエアバッグ３２の前部かつ下端部とサイドエアバッグ３２の後端部かつ上下方向の中間部とを繋ぐように配置されており、サイドエアバッグ３２の前部から後部に向かって斜め状側へ延在している。従って、前後仕切部３６の後方側に形成された後部膨張区画部３８は、サイドエアバッグ３２の下部かつ後端部に配置され、前後仕切部３６の前方側に形成された前部膨張区画部４０は、サイドエアバッグ３２の上部かつ前端部に配置されている。

なお、前後仕切部３６は、サイドエアバッグ３２の内側に取り付けられたテザー（隔壁）、又はサイドエアバッグ３２の基布を縫製したシーム（縫製部）によって構成されている。後部膨張区画部３８と前部膨張区画部４０とは、前後仕切部３６の上端部及び下端部に形成された連通口４２によって相互に連通されている。以下では、前後仕切部３６の上端部に形成された連通口４２を上部連通口４２Ａとし、前後仕切部３６の下端部に形成された連通口４２を下部連通口４２Ｂとして説明する。

なお、サイドエアバッグ３２の製造方法は上記に限らず、適宜変更することができる。例えば、二枚の基布が重ね合わされて外周縁部を縫製されることにより、サイドエアバッグ３２が形成される構成にしてもよい。

上記のサイドエアバッグ３２は、膨張展開状態を側方から見た場合に、シートバック１８の上下方向に沿って長尺な略長円形状を成すように形成されている。このサイドエアバッグ３２の大きさは、車両用シート１４に着座した乗員Ｐ１の肩部Ｓ、胸部Ｃ１、腹部Ｂ及び腰部Ｌを拘束（保護）可能な大きさに設定されている。このサイドエアバッグ３２の膨張展開状態では、前部膨張区画部４０と後部膨張区画部３８とが車両前方側から後方側へこの順に並び、前部膨張区画部４０が後部膨張区画部３８の前方側かつ上方側に配置される。これにより、前部膨張区画部４０が乗員Ｐ１の肩部Ｓと、胸部Ｃ１及び腹部Ｂ、腰部Ｌの前部を拘束し、後部膨張区画部３８が乗員Ｐ１の胸部Ｃ１及び腹部Ｂ、腰部Ｌの後部を拘束する。

インフレータ３４は、整流布４４と一緒にサイドエアバッグ３２の後端部（後部膨張区画部３８の後端部３８Ａ）に収容されている。この整流布４４は、布製のディフューザであり、ループディフューザ、インナチューブ等とも称される部材である。この整流布４４は、サイドエアバッグ３２の基布と同様の布材を矩形状に切り出して形成された基布が円筒状に縫製されて形成されている。この整流布４４は、軸線方向がシートバック１８の上下方向に沿う姿勢で配置されている。

インフレータ３４は、所謂シリンダータイプのガス発生装置であり、円筒状に形成されている。このインフレータ３４は、軸線方向がシートバック１８の上下方向に沿う姿勢で整流布４４の内側に収容されている。また、インフレータ３４は、サイドエアバッグ３２の展開時に展開反力を付与する平板状の図示しない反力板と共に、シートバック１８の骨格部材であるシートバックフレーム２４に固定されている。より具体的には、インフレータ３４の外周部からは、シート幅方向外側（車両幅方向中央側）へ向けて上下一対のスタッドボルト３４Ａが突出している。上下のスタッドボルト３４Ａは、サイドエアバッグ３２の基布、整流布４４、反力板及びシートバックフレーム２４のサイドフレーム２４Ａを貫通しており、先端側にナット（不図示）が螺合している。これにより、インフレータ３４がサイドエアバッグ３２、整流布４４及び反力板と共にシートバックフレーム２４に締結固定（所謂側面締め）されている。なお、図３、図４ではスタッドボルト３４Ａを省略して図示している。

上記のインフレータ３４には、車両に搭載された側突ＥＣＵ（Electrical Control Unit）４６が電気的に接続されている。この側突ＥＣＵ４６には、側面衝突を検知する図示しない側突センサが電気的に接続されている。側突ＥＣＵ４６は、側突センサからの信号に基づいて側面衝突を検知した際にインフレータ３４を起動（作動）させる構成とされている。なお、側突ＥＣＵ４６に側面衝突を予知（予測）するプリクラッシュセンサが電気的に接続されている場合には、プリクラッシュセンサからの信号に基づいて側突ＥＣＵ４６が側面衝突を予知した際にインフレータ３４が起動される構成にしてもよい。

図１に破線矢印で示されるように、インフレータ３４が作動すると、インフレータ３４の上端部に設けられたガス噴出部３４Ｂからガスが噴出される。噴出されたガスは、整流布４４の上端開口から後部膨張区画部３８内に供給される。次いで、後部膨張区画部３８内に供給されたガスの一部が、後部膨張区画部３８の上端部に形成された上部連通口４２Ａと、後部膨張区画部３８の下端部に形成された下部連通口４２Ｂを通って前部膨張区画部４０内に供給される。これにより、サイドエアバッグ３２が膨張展開する構成になっている。なお、ガス噴出部がインフレータの下端部に設けられる構成としてもよい。図３、図４ではインフレータ３４を省略して図示している。

（本発明の要部）
上述したサイドエアバッグ３２は、以下に説明する折り畳み方法により折りたたまれた状態で、サイド部１８Ａ内に収容されている。

（サイドエアバッグ３２の折り畳み方法）
上述したサイドエアバッグ３２は、以下の二つ折り工程と、蛇腹折り工程とを含む工程により、折り畳まれている。二つ折り工程では、図２に示されるように、サイドエアバッグ３２の上部３２Ｕが、サイドエアバッグ３２の上下方向の中間部を前後方向（シート前後方向）に延びる横折れ線Ｔ１に沿ってシート幅方向外側（車両幅方向中央側）に折り返される。これにより、図２に実線で示されるようにサイドエアバッグ３２の下部３２Ｄのシート幅方向外側に上部３２Ｕが重ねあわされ、折返し部４８が形成される。なお、サイドエアバッグ３２の上部３２Ｕは横折れ線Ｔ１より上端側の部位であり、下部３２Ｄは、横折れ線Ｔ１より下端側の部位である。

また、本実施形態では、当該横折れ線Ｔ１が、後部膨張区画部３８の上端部側に形成された上部連通口４２Ａよりも下方側に設定されている。この状態では、折返し部４８によって上部連通口４２Ａが閉塞されるため、インフレータ３４の作動初期は、後部膨張区画部３８内に供給されたガスの一部が、下部連通口４２Ｂを通って前部膨張区画部４０に供給される。これにより、サイドエアバッグ３２の展開初期は、折返し部４８よりも下方側の後部膨張区画部３８及び前部膨張区画部４０が迅速に膨張展開される構成となっている（図３、図５参照）。

次いで、図４に示されるように、展開後期には、折返し部４８の折り返しが解消される。この直前、図５に矢印Ｆ１で示されるように、サイドエアバッグの上部３２Ｕ、すなわち前部膨張区画部の上部はシート幅方向外側へ展開しながらシート上方側へ膨張する。このため、図４に示す展開後期は、サイドエアバッグ３２のシート上方側への展開方向は、シート幅方向外側へ傾く構成となっている（図６の矢印Ｆ２方向参照）。

一方、二つ折り工程の後、サイドエアバッグ３２の上下方向（シート上下方向）に延びると共に、サイドエアバッグ３２の前後方向に所定の間隔縦を空けて設定された複数の縦折れ線Ｔ２に沿って折り目５０が形成される。そして、折り目５０において山折りと谷折りが交互に繰り返されることによりサイドエアバッグ３２が蛇腹状に折り畳まれて、蛇腹折り部５２が形成される（図２参照）。これにより、蛇腹折り工程が完了する。

上記工程により形成された蛇腹折り部５２は、サイドエアバッグ３２の展開初期に折り返しが解消される。この蛇腹折り部５２によってサイドエアバッグ３２のシート前方向の展開の方向性が強化され、サイドエアバッグ３２における折返し部４８よりも下方側の区画の膨張に伴って、これらの部位をシート前方側に迅速に展開させる構成となっている。

（作用並びに効果）
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。

本実施形態では、サイドエアバッグ装置３０では、上記のように折り返された折返し部４８を有するサイドエアバッグ３２が、サイドエアバッグ３２の後部膨張区画部３８に配置されたインフレータ３４からガスの供給を受けて膨張展開する。

ここで、サイドエアバッグ３２は、基布を折り畳んで折返し部４８を形成することにより、上部３２Ｕと下部３２Ｄに区画されている。従って、膨張展開の際には、展開初期にサイドエアバッグ３２の下部３２Ｄ、すなわち後部膨張区画部３８及び前部膨張区画部４０の下部が膨張される。次いで、折返し部４８の折り返しが解消されると、サイドエアバッグ３２の上部３２Ｕ、すなわち前部膨張区画部４０の上部が、シート幅方向外側へ展開しながらシート上方側へ膨張する。これにより、展開初期にサイドエアバッグ３２がシート上方側へ急激に展開されることを抑制すると共に、展開後期におけるサイドエアバッグ３２の上方側への展開方向をシート幅方向外側へ傾けることができる。

その結果、シートバック１８のサイド部１８Ａにおけるシート前方の非正規位置に乗員Ｐ１の体の一部が重なる状態でも、当該非正規位置の乗員Ｐ１が、サイドエアバッグ３２から負荷を受けることを抑制できる。

また、例えば、図３～図６に示されるように、小児と同等の体格の乗員Ｐ２が後ろ向きの姿勢でサイド部１８Ａに凭れかかり、運転席と助手席の間から後部座席側に顔を覗かせている場合においても、乗員Ｐ２がサイドエアバッグ３２から負荷を受けることを抑制できる。つまり、この状態では、サイドエアバッグ３２膨張展開すると、その前部膨張区画部４０の展開方向に乗員Ｐ２の首部Ｎ及び胸部Ｃ２が位置することになる。従って、例えば、インフレータの作動時にサイドエアバッグがシート上方側へ急激に展開される構造では、乗員Ｐ２の首部Ｎ及び胸部Ｃ２に対してサイドエアバッグ３２から上方向の荷重が入力される。

これに対して、本実施形態では、展開初期にサイドエアバッグ３２がシート上方側へ急激に展開されることが抑制されるため、乗員Ｐ２の胸部Ｃ２に過度の負荷が与えられることを抑制することができる。また、展開後期には、サイドエアバッグ３２の展開方向がシート幅方向外側へ傾くため、乗員Ｐ２の首部Ｎの側方にサイドエアバッグ３２を展開させることができる。これにより、首部Ｎにサイドエアバッグ３２が直撃し、首部Ｎに過度の負荷が与えられる事態を防止又は抑制することができる。

また、本実施形態では、サイドエアバッグ３２は、折返し部４８の折り目が後部膨張区画部３８の上端部側に形成された上部連通口４２Ａよりも下方側に設定されている。つまり、折返し部４８は、後部膨張区画部３８の上部連通口４２Ａよりもシート下方側に形成されている。このため、折返し部４８によって上部連通口４２Ａが閉塞され、後部膨張区画部３８内に供給されたガスの一部が、下部連通口４２Ｂを通って前部膨張区画部４０に供給される。これにより、サイドエアバッグ３２の展開初期に折返し部４８よりも下方側の後部膨張区画部３８及び前部膨張区画部４０を迅速に膨張展開させることができ、乗員Ｐ１の腰部Ｌを早期に拘束してサイドエアバッグ３２による乗員保護性能を向上させることができる。

また、本実施形態では、サイドエアバッグ３２には、折返し部４８によってサイドエアバッグ３２の上部３２Ｕと下部３２Ｄが重ね合わされた状態で、シート上下方向に沿った折り目５０に従って山折りと谷折りが交互に繰り返された蛇腹状の蛇腹折り部５２が形成されている。このため、サイドエアバッグ３２の展開初期に、折返し部４８よりも下方側の膨張区画をシート前方側に迅速に展開させることができる。これにより、乗員Ｐ１の腰部Ｌを早期に、かつ、安定して拘束することができ、サイドエアバッグ３２による乗員保護性能を一層向上させることができる。
[補足説明]

上記実施形態では、折返し部４８の折り目となる横折れ線Ｔ１が、後部膨張区画部３８の上端部側に形成された上部連通口４２Ａよりも下方側に設定されているが、本発明はこれに限らない。横折れ線Ｔ１が、後部膨張区画部３８の上部連通口４２Ａよりも上方側に設定される構成としてもよい。

また、上記実施形態では、サイドエアバッグ装置３０がシートバック１８における車両幅方向の中央側に位置するサイド部１８Ａに搭載される構成としたが、本発明はこれに限らない。サイドエアバッグ装置３０がシートバック１８における車両幅方向の外側に位置するサイド部１８Ａに搭載される構成とし、所謂ニアサイドエアバッグ装置としてもよい。当該構成においても、小児が後ろ向きの姿勢でサイド部１８Ａに凭れかかり、車両用シート１４と前室１２の側部の間から後部座席側に顔を覗かせている状況でサイドエアバッグ３２が膨張展開した際に、小児の胸部及び首部に与える負荷を抑制することができる。

１４車両用シート
１８シートバック
１８Ａサイドサポート部（シート幅方向外側の側部）
３０サイドエアバッグ装置
３２サイドエアバッグ
３４インフレータ
３８後部膨張区画部
４０前部膨張区画部
４２連通口
４８折返し部

Claims

車両用シートのシートバックにおけるシート幅方向外側の側部に収納され、袋状に形成されたサイドエアバッグと、
前記サイドエアバッグの後端部に形成され、内部にインフレータが配置されると共に、該インフレータからガスの供給を受けて膨張展開する後部膨張区画部と、
前記後部膨張区画部の上端部に形成された上部連通口と、
前記後部膨張区画部の下端部に形成された下部連通口と、
前記後部膨張区画部と前記上部連通口及び前記下部連通口を介して連通され、前記上部連通口及び前記下部連通口から前記ガスの供給を受けて前記後部膨張区画部のシート前方側かつシート上方側に膨張展開する前部膨張区画部と、
前記サイドエアバッグが前記側部に収納された状態において、前記サイドエアバッグの上下方向の中間部から前記上部連通口を含む上方側をシート幅方向外側へ折り返して形成された折返し部と、
を備えるサイドエアバッグ装置。
前記サイドエアバッグには、前記折返し部によって前記サイドエアバッグの上部と下部が重ね合わされた状態で、シート上下方向に沿った折り目に従って山折りと谷折りが交互に繰り返された蛇腹状の蛇腹折り部が形成されている、請求項１に記載のサイドエアバッグ装置。