JP2015081220A - ニオブ酸ゾルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性溶媒との相溶性(混合安定性)が高いニオブ酸ゾルを製造する方法を提供する。【解決手段】ニオブ酸アンモニウムゾル中のアンモニア含有量を低減し、アンモニアに代わる分散剤としてアミン化合物を用いることにより前記課題を解決する。即ち、ニオブ酸アンモニウムゾルをアミン化合物の存在下で加熱してアンモニアを除去する工程を含むことを特徴とするニオブ酸ゾルの製造方法である。また、無機酸を混合したニオブ酸アンモニウムゾルを洗浄してアンモニアを除去した後、アミン化合物の存在下で加熱する工程を含むことを特徴とするニオブ酸ゾルの製造方法である。【選択図】 なし

Description

本発明は、ニオブ酸ゾルの製造方法に関する。
近年、セラミック原料、電子材料、表面処理剤等の分野で、高い屈折率及び誘電率を有する酸化ニオブに対する需要が高まっている。特に、オプトエレクトロニクス材料、半導体材料、表面保護剤、反射防止材、屈折率調整剤、触媒等の分野では、原料として粒子径が小さく、且つ均一な粒度分布を有するニオブ原料が要求され、種々のニオブ系ゾルが開発されてきた。
本願出願人は、優れた自己結着性を示すニオブ系ゾルとして、特許文献1に記載のニオブ酸アンモニウムゾルに関する技術を開発した。
特開2011−190115号公報
上記ニオブ酸アンモニウムゾルは、親水性溶媒との相溶性(混合安定性)が求められる用途においては改善の余地があるものであった。
本発明者らは、上記ニオブ酸アンモニウムゾルの親水性溶媒との相溶性の向上について鋭意検討した結果、上記ニオブ酸アンモニウムゾル中のアンモニア含有量を低減し、アンモニアに代わる分散剤としてアミン化合物を用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は下記の通りである。
[1]ニオブ酸アンモニウムゾルをアミン化合物の存在下で加熱してアンモニアを除去する工程、を含むことを特徴とするニオブ酸ゾルの製造方法。
[2]無機酸を混合したニオブ酸アンモニウムゾルを洗浄してアンモニアを除去した後、アミン化合物の存在下で加熱する工程、を含むことを特徴とするニオブ酸ゾルの製造方法。
[3]上記[1]又は[2]記載の製造工程の後に、さらに、有機酸を添加する工程、
を設けてなる、ニオブ酸ゾルの製造方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか1項記載の製造方法によって製造されたニオブ酸ゾル。
[5]Nb2O5濃度を6質量%に調整した前記ニオブ酸ゾル100質量部に対して、エタノールの相溶量が50質量部以上であるという特性を有する上記[4]記載のニオブ酸ゾル。
[6]アミン化合物の含有量が、アミン化合物/Nb2O5(モル比)=0.1〜1.5の範囲である、
上記[4]又は[5]記載のニオブ酸ゾル。
[7]上記[4]〜[6]のいずれか1項記載のニオブ酸ゾルと親水性溶媒とを含有する薄膜形成用塗布液。
本発明のニオブ酸ゾルは、親水性溶媒との相溶性に優れているため、とりわけ親水性溶媒を用いる用途に好適に用いることができる。
以下、本発明のニオブ酸ゾルの製造方法(以下、「本製造方法」ともいう)について詳細に説明する。本製造方法の特徴は、親水性溶媒と高い相溶性が得られる程度にまでニオブ酸アンモニウムゾルからアンモニアを除去することである。即ち、アンモニアを完全に除去できることが望ましいが、所定量のアミン化合物を用いることにより親水性溶媒との高い相溶性を得ることができれば、一定量のアンモニアが残存しても構わない。
下記の第一の製法と第二の製法はアンモニアの除去方法が異なるだけであり、両製法によって得られるニオブ酸ゾルはいずれも同様の構成を有し、親水性溶媒と高い相溶性を示すものである。
ここで、親水性溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、アセトン等のケトン類等、水に対して概ね10%以上溶解し得る有機溶媒をいう。
また、親水性溶媒との相溶性については、例えば、親水性溶媒としてエタノールを選択したときに、Nb2O5濃度を6質量%に調整したニオブ酸ゾル100質量部に対して、エタノールの相溶量が50質量部以上であれば、親水性溶媒との相溶性が高いと評価することができる。
第一の製法は、ニオブ酸アンモニウムゾルをアミン化合物の存在下で加熱してアンモニアを除去する工程、を含むことを特徴とするものである。
第二の製法は、無機酸を混合したニオブ酸アンモニウムゾルを洗浄してアンモニアを除去した後、アミン化合物の存在下で加熱する工程、を含むことを特徴とするものである。
ここで、原料として用いるニオブ酸アンモニウムゾルについて説明する。ニオブ酸アンモニウムゾルとしては、特許文献1に記載のニオブ酸アンモニウムゾルを用いてもよいし、市販のニオブ酸アンモニウムゾル、例えば、多木化学(株)製の商品名「バイラール Nb-G6000」を用いてもよい。ニオブ酸アンモニウムゾルの特徴は、100℃で10時間乾燥させたときのアンモニアとニオブ酸が、NH3/Nb2O5(モル比)=0.5〜1.5の範囲であり、実質的に有機酸を含まないことである。
ニオブ酸アンモニウムゾル中のアンモニアの形態としては、ゾル中に存在するアンモニウムイオンの他に、上記のように100℃で10時間乾燥させても一定量のアンモニアが検出されることより、無定形のニオブ酸のコロイド粒子表面に強固に吸着したアンモニア(以下、「ニオブ酸吸着アンモニア」という)が存在すると考えられている。
ニオブ酸アンモニウムゾルの製造方法は、特許文献1記載の方法、即ち、(1)フッ酸、またはフッ酸と硫酸の混酸にニオブ化合物を溶解させた水溶液と、アンモニア水溶液とを、pHを8以上に維持しつつ混合、反応させてニオブ酸アンモニウムの微粒子を含有する分散液を得る工程、(2)(1)の分散液をろ過洗浄する工程、を用いることが好適である。
先ず、第一の製法について説明する。
第一の製法は、ニオブ酸アンモニウムゾルとアミン化合物とを混合した後、加熱することにより、ゾル中のアンモニウムイオンをアンモニアとして揮散させるものである。ゾル中のアンモニウムイオンとしては、予めゾル中に存在するアンモニウムイオンに加えて、ニオブ酸吸着アンモニアの一部がアミン化合物によって置換されてアンモニウムイオンとなったものも含まれると考えられる。アミン化合物の使用量を増大させると、得られるニオブ酸ゾルの親水性溶媒との相溶性が高くなる傾向がある。
尚、混合条件に特に制約はなく、ニオブ酸アンモニウムゾルにアミン化合物を添加しても、またはその逆であっても構わない。なお、通常の撹拌で混合すれば良い。
アミン化合物の使用量は、得られるニオブ酸ゾル中のアミン化合物の含有量が、アミン化合物/Nb2O5(モル比)=0.1〜1.5の範囲となるように設定することが好ましい。前記含有量が0.1未満であると、ニオブ酸ゾル中のアンモニアの残存量が多くなるため、親水性溶媒との高い相溶性を得ることが困難となる。一方、前記含有量が1.5を上回っても、含有量に見合う相溶性が得られ難いため、経済的でない。
アミン化合物としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、水酸化第四級アンモニウム、芳香族アミン、脂環式アミン等を例示することができる。第一級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。第二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。第三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。水酸化第四級アンモニウムとしては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化トリメチルプロピルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアミン、コリン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミン等が挙げられる。脂環式アミンとしては、例えば、ピペリジン等が挙げられる。
加熱条件は、ゾル中のアンモニウムイオンがアンモニアとして揮散すれば特に限定はなく、加熱温度は、例えば、50〜150℃であることが好ましい。また、加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すればよいが、目安としては、1〜8時間である。アミン化合物の使用量および加熱条件を最適化すれば、得られるニオブ酸ゾル中のアンモニア含有量を検出限界以下とすることもできる。
以上の第一の製法によって得られるニオブ酸ゾルの(a)アンモニア含有量、(b)pH、(c)親水性溶媒との相溶性について説明する。
(a)アンモニア含有量については、目安として、NH3/Nb2O5(モル比)=0(検出限界以下)〜1.2の範囲である。ここで、検出限界以下とは、ケルダール法による窒素分析の検出限界以下のことである。
(b)pHについては、6〜10の範囲であることが好ましい。
(c)親水性溶媒との相溶性については、エタノールとの相溶性で説明する。尚、以下では、加熱濃縮、減圧濃縮または希釈等の適切な方法によりNb2O5濃度を6質量%に調整したゾル100質量部に対してエタノールを添加していったときに、液の増粘が確認できた時点のエタノール量のことを「エタノール相溶量」と称する。
従来ゾルのエタノール相溶量の一例を示すと、上記「バイラール Nb-G6000」のエタノール相溶量は30質量部である。そこで、本発明のニオブ酸ゾルのエタノール相溶量は、少なくとも50質量部であることが好ましく、より好ましくは100質量部以上である。特に、アミン化合物の含有量が、アミン化合物/Nb2O5(モル比)=0.2〜1.5の範囲であれば、エタノール相溶量が少なくとも100質量部となる傾向がある。エタノール相溶量の上限については特に制限は無いが、多量のエタノール添加はニオブ酸の含有割合が低下するために好ましくない。上限の目安は500質量部程度である。
次に、第二の製法について説明する。
第二の製法は、(i)ニオブ酸アンモニウムゾルと無機酸とを混合したゾルを調製し、(ii)このゾルを洗浄してアンモニアを除去した後、(iii)このアンモニアを除去したゾルとアミン化合物とを混合し、次いで、(iv)加熱するものである。
上記(i)では、次の(ii)の洗浄においてアンモニアを除去するために、ニオブ酸アンモニウムゾルと無機酸とを混合する。無機酸の使用量は目的とするアンモニア除去量に応じて適宜設定すればよいが、目安を示すと、無機酸/Nb2O5(モル比)=0.2〜1.5の範囲である。無機酸の種類としては、塩酸、硝酸、硫酸などが例示でき、これらのうち塩酸が好ましい。尚、混合条件に特に制約はなく、ニオブ酸アンモニウムゾルに無機酸を添加しても、またはその逆であっても構わない。なお、通常の撹拌で混合すれば良い。
上記(ii)における洗浄は、アンモニアが除去できれば洗浄方法に特に制限はなく、水を添加しながらの限外ろ過、ヌッチェろ過、フィルタープレス等が例示でき、これらのうち特に限外ろ過が好ましい。洗浄方法や洗浄条件を最適化すれば、得られるニオブ酸ゾル中のアンモニア含有量を検出限界以下とすることもできる。洗浄終点の目安は、ろ液ECが200μS/cmとなる時点が好ましく、より好ましくは50μS/cmとなる時点である。
上記(iii)で用いるアミン化合物の量は、除去したアンモニアの代わりにゾルを安定化させられる量であれば特に制限は無く、例えば、ゾルの安定化と経済性を考慮して、アミン化合物/Nb2O5(モル比)=0.1〜1.5の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5の範囲である。尚、混合条件に特に制約はなく、ゾルにアミン化合物を添加しても、またはその逆であっても構わない。なお、通常の撹拌で混合すれば良い。
上記(iv)の加熱は、アミン化合物とニオブ酸とを反応させ、ゾルを安定化させられるように加熱条件を適宜設定すればよい。一例を示すと、加熱温度は、50〜150℃であり、加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すればよいが、目安としては、1〜8時間である。
以上の第二の製法によって得られるニオブ酸ゾルは、前記第一の製法によって得られるニオブ酸ゾルと同様のものであるため、その特性(アンモニア含有量、pH範囲および親水性溶媒との相溶性)も前記(a)〜(c)と同様である。
本製造方法は、前記第一の製法又は第二の製法の製造工程の後に、さらに、有機酸を添加する工程を設けてもよいものである。有機酸の添加によって、得られるニオブ酸ゾルの安定性が向上し、さらに、親水性溶媒との相溶性が向上する傾向がある。
有機酸の添加量は、過剰に添加しても添加量に見合うだけの効果が得られにくいため経済的でなく、また、少な過ぎても添加の効果が発揮されないため、例えば、有機酸/Nb2O5(モル比)=0.05〜0.20の範囲であることが好ましい。尚、有機酸の添加量が上記範囲内である場合、得られるニオブ酸ゾルのpH範囲の目安は、4〜9である。
有機酸の種類としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、オキシカルボン酸等を例示することができ、これらのうち1種類以上を用いることができる。例えば、モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、吉草酸等が挙げられ、ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グルタル酸等が挙げられ、オキシカルボン酸としてはクエン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。これらのうち、オキシカルボン酸が好ましい。
以上の製造方法によって得られるニオブ酸ゾルは、いずれも親水性溶媒と混合して薄膜形成用塗布液とすることもできる。当該薄膜形成用塗布液には、各種添加剤、例えば、樹脂エマルションなどの高分子化合物や、シリカゾル、シランカップリング剤などのシリカ化合物、界面活性剤、光触媒活性を有する酸化物ゾルなどを必要に応じて添加してもよい。
薄膜形成用塗布液を基材に塗布して基材上に被膜を形成させる方法は、刷毛塗り、スプレー塗布、スピンコート、ディップコート、ロールコート、グラビアコート、バーコートなど各種の公知の塗布方法が、基材の形状を考慮して選択できる。塗布液の乾燥は基材の種類によって異なるが、通常300℃以下で熱処理されることが好ましい。ただし、ガラスやセラミクスを基材とする場合は、密着性向上の点から高温処理が望ましく、ニオブ酸の焼結により酸化ニオブが生成する500℃以上の加熱処理が望ましい。一方、基材がアクリル、PET、ポリカーボネート、塩化ビニルなどのプラスチック類の場合は、基材の耐熱性から熱処理温度は150℃以下とすることが好ましい。プラスチックや金属等の基材とニオブ酸薄膜との密着性が不足する場合は、基材とニオブ酸薄膜との間にその他の金属酸化物薄膜やシランカップリング剤からなる膜、樹脂膜などをプライマー層として設けることもできる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。
〔実施例1〕
多木化学(株)製の「バイラール Nb-G6000」(Nb2O5=6.2%)100gに、水酸化テトラメチルアンモニウム(以下TMAHと略、25.0%)0.9gを添加し、80℃で3時間加熱処理を行い、ニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH8.9)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール70質量部付近で、液の増粘が確認された。
〔実施例2〕
TMAHを1.7gとした以外は、実施例1と同様にしてニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH9.0)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール110質量部付近で、液の増粘が確認された。
〔実施例3〕
TMAHを4.3gとした以外は、実施例1と同様にしてニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH8.8)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール300質量部付近で、液の増粘が確認された。
尚、エタノール以外の親水性溶媒との相溶性について調査したところ、Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部に対し、n−プロパノールは130質量部付近、アセトンは150質量部付近まで添加した時点で液の増粘が確認された。また、エチレングリコールは400質量部まで添加しても液の増粘が確認されなかった。
〔実施例4〕
多木化学(株)製の「バイラール Nb-G6000」(Nb2O5=6.2%)100gに、TMAH(25.0%)0.9gを添加し、80℃で3時間加熱処理を行った後、クエン酸1水和物0.5gを添加することにより、ニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH6.5)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール100質量部付近で、液の増粘が確認された。
〔実施例5〕
クエン酸1水和物を1.0gとした以外は、実施例4と同様にしてニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH6.2)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール150質量部付近で、液の増粘が確認された。
〔実施例6〕
TMAHを4.3gとした以外は、実施例4と同様にしてニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH6.5)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール400質量部付近で一度増粘が確認されたが、1時間程度放置したところ粘度が概ねエタノール添加前にまで戻ったため、さらにエタノールを添加したところ、エタノール合計添加量600質量部で液の増粘が確認された。
尚、エタノール以外の親水性溶媒との相溶性について調査したところ、Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部に対し、n−プロパノールは140質量部付近、アセトンは150質量部付近まで添加した時点で液の増粘が確認された。また、エチレングリコールは400質量部まで添加しても液の増粘が確認されなかった。
〔実施例7〕
多木化学(株)製の「バイラール Nb-G6000」(Nb2O5=6.2%)100gに、コリン(2ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド 48.9%、(株)日本ファインケム製)2.3gを添加し、80℃で3時間加熱処理を行い、ニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH8.9)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール250質量部付近で、液の増粘が確認された。
〔実施例8〕
多木化学(株)製の「バイラール Nb-G6000」(Nb2O5=6.2%)1000gをイオン交換水でNb2O5=2.0%まで希釈後、塩酸(5%)102.0gを添加し、10分程度撹拌後、ろ液ECが100μS/cmになるまで限外洗浄を行った。得られたゾルに、TMAH(25.0%)51.0gを添加し、120℃で5時間の加熱処理を行い、ニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH8.3)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール400質量部付近で一度増粘が確認されたが、1時間程度放置したところ粘度が概ねエタノール添加前にまで戻ったため、さらにエタノールを添加したところ、エタノール合計添加量600質量部で液の増粘が確認された。
〔実施例9〕
塩酸を221.1gとした以外は、実施例8と同様にしてニオブ酸ゾル(Nb2O5=6.2%、pH7.7)を得た。
Nb2O5濃度を6%に調整した当該ニオブ酸ゾル100質量部にエタノールを添加していったところ、エタノール600質量部を添加しても、液の増粘は確認されず、液の分散性は良好であった。
表1に各実施例で得られたゾルの物性とエタノール相溶量を示した。
ゾル中のアンモニアはケルダール法によって測定した。また、アミン化合物は全有機炭素を全有機炭素(TOC)分析装置TOC-V/CSN(島津製作所(株)製)により測定し、それをアミン化合物量に換算した。有機酸は製造中の損失がないことから仕込み量を用いた。なお、アミン化合物と有機酸を併用した場合は、全有機炭素量から有機酸の分を減じてアミン化合物量を求めた。
Figure 2015081220

Claims (7)

  1. ニオブ酸アンモニウムゾルをアミン化合物の存在下で加熱してアンモニアを除去する工程、
    を含むことを特徴とするニオブ酸ゾルの製造方法。
  2. 無機酸を混合したニオブ酸アンモニウムゾルを洗浄してアンモニアを除去した後、アミン化合物の存在下で加熱する工程、
    を含むことを特徴とするニオブ酸ゾルの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造工程の後に、さらに、有機酸を添加する工程、
    を設けてなる、ニオブ酸ゾルの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法によって製造されたニオブ酸ゾル。
  5. Nb2O5濃度を6質量%に調整した前記ニオブ酸ゾル100質量部に対して、エタノールの相溶量が50質量部以上であるという特性を有する請求項4記載のニオブ酸ゾル。
  6. アミン化合物の含有量が、アミン化合物/Nb2O5(モル比)=0.1〜1.5の範囲である、
    請求項4又は5記載のニオブ酸ゾル。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項記載のニオブ酸ゾルと親水性溶媒とを含有する薄膜形成用塗布液。
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