JP2015070012A - 基板加工装置及び基板加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板表面と保護膜との間に形成される下地処理膜を溶解させることで、基板が切断された後の保護膜除去及び基板全体の加工に掛かる処理時間を短縮するとともに、装置構成の簡素化、保護膜の除去に利用する処理液の削減をも可能とした基板加工装置及び基板加工方法を提供する。【解決手段】機能膜パターンFを形成する機能膜パターン形成部11と、下地処理膜Xを形成する第1の膜形成部12と、耐エッチング性を備える保護膜Rを形成する第2の膜形成部13と、基板Bのうち切断予定となる第1の領域Aに形成されている保護膜Rを除去するレーザ光を照射する光源14と、保護膜Rの他、下地処理膜Xまで除去された第1の領域Aに対してエッチング処理を行い基板を切断するエッチング部15と、基板Bのうち第1の領域Aを除く第2の領域Cに形成されている下地処理膜Xを溶解させて保護膜Rごと除去する下地処理膜除去部16とを備える。【選択図】図11
Description
本発明の実施形態は、基板加工装置及び基板加工方法に関する。
例えば、基板を加工するに当たっては、基板を所定の大きさ、形状に切断する基板加工装置が用いられる。切断の対象となる基板としては様々な基板が考えられるが、例えば、単なるガラスで形成されている基板やその他、いわゆる強化ガラスと言われる基板もある。当該強化ガラスには様々な種類があるが、例えば、ガラスの表層に化学処理がなされることによりその部分が変質し、ガラス全体として強度が増した状態となる。このような強化ガラスは、例えば、携帯電話の表示装置等に利用されるカバーガラス等として広く利用されている。
基板を切断する場合、その方法として例えば、カッティングホイールを使用する方法を挙げることができる。但し、この方法は上述した強化ガラスを切断するには向かない場合も多い。
従って、強化ガラスの切断に当たっては、例えば、強化ガラスの表面に耐エッチング性を備えるレジスト膜(保護膜)を塗布し、露光、現像工程を経て所望の形状となるようにガラス表面を露出させる。或いは、保護膜に対してレーザ光を照射し、所望の形状となるように保護膜を除去することで基板を露出する方法も考えられる。その後露出したガラス表面に対してエッチング処理を行って基板を切断するといった方法が採用される。
また、基板上には電極や回路パターン等の機能膜パターンが形成される場合も多いが、基板を切断するに当たっては、当然当該機能膜パターンを切断しないように配慮される。このように、基板の切断処理の際には、機能膜パターンの保護について十分留意されている。さらに当該機能膜パターンの保護等のために、基板表面と保護膜との間に下地処理膜が設けられている場合もある。
しかしながら、上記特許文献1において開示されている発明では、次の点について配慮がなされていない。
すなわち、基板が切断されて個片化された後、基板上に設けられている保護膜を除去する必要がある。この場合、例えば、保護膜をアルカリ処理等によって除去する方法も考えられるが、完全に除去するまでに時間が掛かる。さらに基板表面と保護膜との間に下地処理膜が設けられている場合には、さらに当該下地処理膜を除去する工程が必要となり、さらに長い除去時間を必要とする。
一方、通常下地処理膜は保護膜よりも薄く形成されていることから、下地処理膜を溶解させることで、下地処理膜の上に形成されている保護膜も併せて剥離してしまうことも考えられる。但し、下地処理膜は薄く形成されているため、たとえ処理液に含漬させたとしても下地処理膜に処理液が浸透していくのに時間が掛かるため、結果として溶解処理に時間が掛かることが予想される。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、基板表面と保護膜との間に形成される下地処理膜を溶解させることで、基板が切断された後の保護膜除去に掛かる時間及び基板の加工に掛かる全体の処理時間を短縮するとともに、装置構成の簡素化、保護膜の除去に利用する処理液の削減をも可能とした基板加工装置及び基板加工方法を提供することにある。
実施形態に係る基板加工装置は、基板表面の所定位置に機能膜パターンを形成する機能膜パターン形成部と、基板表面及び機能膜パターンを覆う下地処理膜を形成する第1の膜形成部と、形成された下地処理膜の上に耐エッチング性を備える保護膜を形成する第2の膜形成部と、基板のうち切断予定となる第1の領域に形成されている保護膜を除去するべくレーザ光を照射する光源と、保護膜の他、下地処理膜まで除去されて露出された基板の表面における切断予定となる第1の領域に対してエッチング処理を行い基板を切断するエッチング部と、基板のうち第1の領域を除く第2の領域に形成されている下地処理膜を溶解させて保護膜ごと除去する下地処理膜除去部とを備える。
実施形態に係る基板加工方法は、基板表面の所定位置に機能膜パターンを形成する工程と、基板表面及び機能膜パターンを覆う下地処理膜を形成する工程と、形成された下地処理膜の上に耐エッチング性を備える保護膜を形成する工程と、基板のうち切断予定となる第1の領域に形成されている保護膜及び下地処理膜が除去されて露出された基板の表面における第1の領域に対してエッチング処理を行い基板を切断する工程と、基板のうち第1の領域を除く第2の領域に形成されている下地処理膜を溶解して保護膜ごと除去する工程とを備える。
本発明によれば、基板表面と保護膜との間に形成される下地処理膜を溶解させることで、基板が切断された後の保護膜除去に掛かる時間及び基板の加工に掛かる全体の処理時間を短縮するとともに、装置構成の簡素化、保護膜の除去に利用する処理液の削減をも可能とした基板加工装置及び基板加工方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る基板加工装置1の全体構成を示すブロック図である。基板加工装置1は、機能膜パターン形成部11と、第1の膜形成部12と、第2の膜形成部13と、光源14と、エッチング部15と、下地処理膜除去部16とから構成される。
なお、図1に示す基板加工装置1においては、本願発明における実施形態を説明するために必要な構成のみを抜き出して示している。従って例えば、加工の対象となる基板は、上記各部間をベルトコンベア等の搬送装置によって搬送される。当該搬送装置については基板加工装置1に備えられているものの、図1においてはその図示を省略している。また例えば、各部の働きを制御する制御部も設けられているが同様に図示していない。
基板加工装置1に関する上記各部の詳細な機能、働きについては、以下における基板加工方法を説明する際に適宜併せて説明する。
図2ないし図12は、実施形態に係る基板の加工方法の流れを示す工程断面図である。ここで基板の加工とは、基板を所望の大きさ、形状に切断し個片化する加工を行うことを示している。また、「基板」とは、強化ガラスを含むガラス基板、積層されたシリコン基板(シリコンウエハ)、セラミック基板、金属で形成された基板、或いは、樹脂基板等、いずれであっても良く、基板を構成する材質は問わない。
図2には、加工の対象となる基板Bが示されている。当該基板Bは、例えば、強化ガラスであり、基板Bの表面B1,B2に化学的な処理がなされている。具体的には、例えば基板Bの表面B1,B2から深さ数十μmに応力発生層(強化層)が形成されている。
次に、基板Bの表面B1上に、機能膜パターン形成部11によって表面B1の所定の位置に機能膜パターンFが形成される。図3は、当該機能膜パターンFが表面B1上に形成された状態を示している。
なお、ここで基板Bの表面と表わす場合、基板そのものが露出されている場合のみならず、図3に示すように、表面B1上に機能膜パターンFが形成されている場合も含む。
さらにこのような基板Bの表面B1上に、第1の膜形成部12によって下地処理膜Xが形成される。図4は、当該下地処理膜Xが表面B1上に形成された状態を示している。下地処理膜Xの形成は、例えば、スピンコートやインクジェット塗布等の膜形成方法によって形成される。
なお、図3以下の各図においては、表面B1上にのみ機能膜パターンF、下地処理膜Xが形成されているが、表面B2上にのみ機能膜パターンF、下地処理膜Xが形成されていても、或いは、表面B1及びB2のいずれにも形成されることを排除するものではない。また、ここでは説明の便宜上、下地処理膜Xは基板Bの表面B1上に1層のみ形成されている例を挙げるが、下地処理膜Xは単層のみならず複数層形成されても良い。
下地処理膜Xの材料、及び当該材料が備える特質については、後述する下地処理膜Xの溶解工程において詳細に説明するが、様々な特質を備える膜を選択することが可能である。例えば、水溶性、有機溶媒に溶解する、或いは、これらの各性質を併せ持つというように、いずれの性質を備えるものであっても良い。
一方で、下地処理膜Xは、基板Bの切断において利用される、例えば、エッチング液に耐える性質を備えている必要がある。併せて、切断後に基板Bを個片化する処理の流れにおいて、以下に説明する保護膜、下地処理膜Xを除去する際に機能膜パターンFにダメージを与えることのないように、例えば水等の除去に利用される材質に対して容易に除去できる性質を備えていることが求められる。
基板Bの表面B1上に下地処理膜Xが形成された後、図5に示すように、その下地処理膜Xの上に第2の膜形成部13によって保護膜Rが形成される。当該保護膜Rは、基板を個片化する際に行われるエッチング処理の際に、切断領域である第1の領域A以外の領域がエッチング処理によって浸食されないようにするために用いられる。
但し、第1の領域Aを基板Bの表面B1上に露出させるためには、保護膜Rを除去する必要がある。この保護膜Rを除去する工程では、例えば、光源14からのレーザ光の照射を受けることが考えられる。また、光源14から照射されるレーザ光を利用せずに保護膜Rを除去するようにしても良い。
なお、レーザ光を利用する場合には、基板Bの個片化の処理においてはエッチング処理を経ることになることから、レーザ光の吸収性に優れるとともに、耐エッチング性能も併せ持つものが好適に利用される。
具体的には、当該保護膜Rは、いわゆるレジスト膜である。但し、上記レーザ光吸収性及び耐エッチング性を備える材料であれば本実施形態における保護膜Rの役割を果たすことができる。従って、例えば、高価なレジスト材を用いなければならないわけではなく、例えば、耐エッチング性の保護塗料にレーザ吸収剤を含有させた材料を保護膜Rとして利用しても良い。
また、塗布される保護膜Rの厚みは、例えば、100μmである。一方、保護膜Rと基板Bの表面B1との間に形成される下地処理膜Xは、例えば、1μmである。但し、これら下地処理膜X、保護膜Rの厚みは任意に設定することができる。
ここで、下地処理膜Xの形成領域について、例えば、図4、或いは、図5に示す基板Bにおいては、表面B1の所定位置に形成されている機能膜パターンFを含む、基板Bの表面、全領域に形成されている。このように下地処理膜Xを形成することによって、機能膜パターンFは完全に下地処理膜Xに覆われることになる。そのため、今後の処理においても十分に下地処理膜Xは機能膜パターンFを保護することが可能となる。
図6は、基板Bの表面B1上に、下地処理膜X及び保護膜Rが形成された後、光源14からレーザ光を照射して保護膜Rを除去する工程を示している。ここで照射されるレーザ光は、保護膜Rを除去するために照射されるレーザ光であり、いわゆる加工用のレーザ光である。この加工用のレーザ光は、保護膜Rにおいて大部分が吸収され基板Bにおいては吸収しにくい波長を備えている。このような性質を備えていることで、保護膜Rの除去時に基板Bに、例えばクラックが入るといった不具合を回避することができる。
当該、加工用のレーザ光は、切断が予定されている第1の領域Aにおいて表面B1aが露出するように照射される。加工用のレーザ光の照射は、上述したように表面B1aを露出するために行われることから、予め設定されている厚みとなるまで保護膜Rに照射され、除去される。
加工用のレーザ光が保護膜Rに対して照射されると、保護膜Rの表面から順に徐々に加工(除去)されていく。この際、上述した加工用のレーザ光の性質から、そのエネルギーは保護膜Rの除去に費やされるため、基板Bへの影響はほとんどない。
図7は、保護膜Rがレーザ光の照射によって除去されて下地処理膜Xが露出した状態を示す工程図である。下地処理膜Xは、上述したように、非常に薄く形成されていることから、この下地処理膜Xの除去にレーザ光を用いることとしてもあまり有効ではない。また下地処理膜Xの厚みからすると却って、レーザ光が下地処理膜Xを透過してしまい、例えば、基板Bにクラックが入ってしまうといった悪影響も招来しかねない。一方で、例えば、水等で洗い流すことで除去できれば基板B等に悪影響を与えることなく切断に必要な第1の領域Aを確保することができる。
そこで本発明の実施の形態においては、第1の領域Aにおける保護膜Rの除去が完了した後、下地処理膜Xを洗い流すことで除去する。なお、ここでは機能膜パターンFを保護するための下地処理膜Xと第1の領域Aに形成され除去される下地処理膜Xとは同じ性質を持っている。そのため第1の領域Aに形成される下地処理膜Xを除去する処理を行うと機能膜パターンFを保護するための下地処理膜Xにまで影響を与えるのではないかとも考えられる。
しかしながら、第1の領域Aに形成される下地処理膜Xを除去しても機能膜パターンFを覆うように形成されている下地処理膜Xに対しては大きな影響はない。下地処理膜Xは、機能膜パターンFを覆いその上に形成されているが除去される第1の領域Aに接する面は非常に小さなもので、非常に薄く形成されているため、たとえ第1の領域Aにおける下地処理膜Xを除去するために水等を利用した除去処理を行ったとしても当該水等が染み込み難いと考えられるからである。
その後加工が進み、最終的に保護膜Rが除去され、下地処理膜Xまで除去されると、図8に示すように、第1の領域Aの表面B1aが露出することになる。
なお、保護膜Rの除去に利用される加工用のレーザ光については、例えば、保護膜Rを除去する性質を備えつつ、基板Bに吸収されにくい波長を備えるレーザ光が好適に利用される。このようなレーザ光であれば、保護膜Rを除去する工程においてレーザ光が照射されても基板Bを加熱する可能性を低く抑えることができ、基板Bにクラック等が発生することを防止することができる。
また、切断領域である第1の領域Aを表面B1上に露出させるべく保護膜Rを除去する方法は、上述したレーザ光を利用する方法に限られない。当然レーザ光を利用しない方法例えば、エッチング等を利用した処理方法をもって第1の領域Aを露出させるようにしても良い。
保護膜R及び下地処理膜Xが除去され第1の領域Aの表面B1aが露出すると、次にエッチング部15においてエッチング処理を行って基板Bの切断を行う。図9は、切断の途中を示す図であり、図10は切断が完了して1つの基板Bが複数の基板BA,BBに分割された状態を示している。
ここでは図8に示したように、第1の領域Aにおいて基板Bの表面B1aが露出している。従って、この部分のみがエッチングされ、その処理が進むにつれて徐々に基板Bが切断されることになる(図9参照)。基板B上に形成された保護膜Rのうち、上記第1の領域A以外の領域である第2の領域Cにおいては、保護膜Rが形成されたままの状態であることから、この領域がエッチングされることはない。
本発明の実施形態におけるエッチング部15におけるエッチング処理では、ウェットエッチングが行われる。エッチング液の供給としては、表面B1が露出した状態の基板B(図8参照)をエッチング液に浸しても、或いは、基板Bにエッチング液をかけるようにしても良い。また、バッチ処理により複数枚を同時に処理しても、或いは、枚葉処理を行っても良い。
なお、エッチング処理として基板Bにエッチング液をかける処理が行われる場合、基板Bを回転させながらエッチング液を供給しても、或いは、基板Bを搬送しながらエッチング液を供給しても良く、その供給方法は任意に選択することができる。
また、図9では、便宜上、異方性エッチング(ドライエッチング)が行われるかの如く示されているが、これは描画の便宜上そのように示しているに過ぎない。すなわち、上述したように、本発明の実施形態においては、エッチング処理として基本的にウェットエッチングが採用されることから、等方性エッチングとなる。
ここまでで基板Bが所望の大きさ、形状に切断されたことになる(図10参照)。その後は、個片化された基板BA,BBからそれぞれ第2の領域Cに当たる保護膜R及び下地処理膜Xを除去する。
ここでこれまでは、保護膜Rを除去し、その上でさらに下地処理膜Xを除去するといった、基板表面に形成されている複数の膜を順々に除去する方法を採用していた。しかしこの方法では、保護膜R及び下地処理膜Xの除去に時間が掛かる。
一方、例えば、基板Bと保護膜Rとの間に形成されている下地処理膜Xを除去してしまえば、その後に保護膜Rをわざわざ除去する処理を行わなくとも自然と基板Bから保護膜Rは除去されることになる。従って、下地処理膜Xの除去のみを行えば良く、保護膜Rを除去する工程を省くことができる。
そこで本発明の実施の形態においては、基板B(機能膜パターンF)上に形成されている下地処理膜Xを溶解させる処理を行って下地処理膜Xを除去することによって、下地処理膜X上に形成されている保護膜Rを同時に除去する方法を採用するものである。
具体的には、図11及び図12を例に挙げて説明する。図11及び図12は、本発明の実施の形態におけるポイントを最も良く表わす実施形態に係るガラス基板の加工方法の流れを示す工程断面図である。すなわち、図11及び図12で示す処理は、最終的に保護膜Rを剥離するために下地処理膜Xに処理液を噴射して溶解させる処理を示している。
図11では切断されて個片化された基板BAが示されている。当該基板BAは、処理液Lが満たされている処理槽Yに浸かった状態である。このようにここでは基板BAが処理槽Yに浸かった状態で下地処理膜Xを溶解する処理を行うこととしている。これは、下地処理膜Xに対して処理液Lを噴射するだけではなく、当該処理液Lの中に、すなわち処理の間基板BAを処理槽Yに浸けた状態にしておくことで、下地処理膜Xの溶解をより一層促進させることができるからである。また、後述するノズルNから処理液Lを噴射する前に処理槽Yに基板BAを漬けておくことで、基板BAの端に露出している下地処理膜Xが溶解を開始すると考えられることから、溶解のきっかけを作ることもできる。
なお、ここでは処理槽Yに貯められている処理液L内に基板BAを漬けた状態でノズルNからさらに処理液Lを噴射することで、下地処理膜Xを溶解することを前提に説明する。但しこの方法に限らず、例えば、ノズルNを利用した処理液Lの噴射を開始するまでの間だけ処理槽Yに基板BAを漬けておき、ノズルNからの処理液L噴射を行う場合には、処理槽Yから基板BAを引き上げる、といった方法も採用することができる。処理液Lを噴射する前に処理槽Yに基板BAを漬けておくことで、下地処理膜Xの溶解のきっかけをつくることができ、処理液Lの噴射の効果を上げることができる。
処理槽Y内には、ノズルNが差し込まれている。また、このノズルNは、基板BAに形成されている下地処理膜Xを溶解する処理液Lを噴射する。そのためノズルNの先端部は、処理槽Y内に差し込まれるとともに下地処理膜Xが露出している面に向けて処理液Lが噴射できる場所に位置している。
また、処理液Lが噴射されることによって、下地処理膜Xは次第に溶解する。下地処理膜Xの溶解処理を促進するためには、常に下地処理膜Xに対して新たな処理液Lを供給することができるとより好ましい。また、下地処理膜Xの溶解が進むのに合わせて処理液Lが常に下地処理膜Xの溶解部分に噴射できるようにしておくことが望ましい。そこで下地処理膜Xの溶解に合わせてノズルNも移動できるようにされている。
但し、下地処理膜Xの溶解部分に処理液Lを噴射する場合に、ノズルNを基板BA(下地処理膜X)に近づける方法として、ノズルNを移動させても、或いは、基板BAを移動させることとしても良い。
下地処理膜Xの溶解を促進するために処理液Lを噴射するため、ノズルNの先端は図11に示すように下地処理膜Xに直接処理液Lが噴射できる位置に置かれる。このような位置にノズルNの先端があることで、より効率良く下地処理膜Xの溶解処理を進めることができる。但し、処理液Lが直接下地処理膜Xにかかるように噴射されずとも、特に溶解処理開始時においては、ノズルNの先端が下地処理膜Xに向き、処理液Lが噴射できるようにされていれば足りる。
なお、基板BAが個片化されたそのままの状態では下地処理膜Xを溶解する処理が行い難い。そこで、例えば、基板BAを固定するための保持部Kが設けられている。基板BAは保持部Kに固定されていることから、下地処理膜Xの溶解処理の間その位置がずれることはない。
図12では、下地処理膜Xの溶解が進んだ状態を示している。下地処理膜Xが溶解してさらに処理が進行中であるため、ノズルNも溶解箇所に対して処理液Lを噴射するべく、図11に示されている状態に比べて基板BAに近づいている。この状態では、基板BAの表面上において、下地処理膜Xが溶解した領域においては、保護膜Rは下地処理膜Xがなくなってしまっているので剥離した状態にある。図12では、処理液LがノズルNの先端から下地処理膜Xの溶解箇所に向けて噴射されていることから、保護膜Rは上向きにめくれるように示されている。
このような状態が継続し、下地処理膜Xの溶解が進むと、最後には保護膜Rが基板BAから剥離された状態となる。すなわち、いわば基板BAと保護膜Rとの間にあって両者をつなぐ下地処理膜Xが処理液Lによって溶解されることによって、保護膜Rはその基盤を失うことになる。そのため、結果的に下地処理膜Xが溶解されるのと同時に保護膜Rは基板BAから剥離されることになる。このように下地処理膜Xを溶解処理すると同時に併せて保護膜Rまでも剥離することができ、下地処理膜Xを除去した後に改めて保護膜Rを除去する(剥離する)処理を行う必要がない。そのため、保護膜Rを剥離する処理工程を省くことができ、全体として基板の加工処理の促進を図ることができる。
ここで、下地処理膜Xを溶解する際に利用される処理液Lについて説明する。下地処理膜Xは、このように溶解することで保護膜Rもまとめて除去(剥離)させる機能も備えているが、併せて上述したように、下地処理膜Xは、基板B上に形成されている機能膜パターンFを保護する役割も有している。そのため、下地処理膜Xの溶解の処理が行われる際に保護している機能膜パターンFに対してダメージを与えることを回避する必要がある。従って、下地処理膜Xの材質に合わせた適切な溶解処理が行われなければならない。
すなわち、下地処理膜Xが機能膜パターンFの保護を担うためには、まず、下地処理膜Xが機能膜パターンFを覆うように形成される時点で機能膜パターンFにダメージを与えることがないように、機能膜パターンFとの関係で下地処理膜Xの材質が選択される。その上で、さらに下地処理膜Xを溶解する際に機能膜パターンFにダメージを与えないような溶解処理が求められる。
このように溶解処理の方法やどのような装置等を使用するかについては、下地処理膜Xの特性、材料によって異なってくる。以下、下地処理膜Xとして採用が考えられる材料を示すとともに、下地処理膜Xの特性、材料ごとに必要な下地処理膜除去部16の構成、処理の方法を説明する。
まず、下地処理膜Xが水溶性という特性を備える場合である。すなわち、処理液L1として水を利用して下地処理膜X1を溶解する。この場合下地処理膜X1としては、例えば、澱粉ノリ、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol, PVA)系接着剤、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone, PVP)系接着剤といった材料が考えられる。これらの材料を下地処理膜X1として利用した場合、使用する水の温度は様々であるが(下地処理膜X1に利用する材料に応じて冷水、温水、熱水等といった温度を選択できる)、水を処理液L1として利用して下地処理膜X1を溶解する。なお、下地処理膜X1を溶解するために噴射され、或いは、処理槽Yに貯められる「水」には、上述したように「冷水」、「温水」、或いは、「熱水」といった様々な温度の水、或いは、シャワーや霧状にして噴霧するといった水の形態、いずれも問わず含まれる。
これらの材料を下地処理膜X1として利用する場合、下地処理膜X1の溶解処理に当たっては、下地処理膜除去部16として溶解装置が用いられる。ここで溶解装置としては、例えば、ノズルNを利用した水の噴射、シャワー、処理槽Yの単数、或いは複数の利用が可能である。ここで処理槽Yとは、例えば図11、或いは、図12に示すように下地処理膜Xを溶解すべく基板Bを漬けておく槽(バス)のことである。
このように下地処理膜X1を溶解する場合には、適した温度の水が貯められた処理槽が利用されても良く、また必要に応じて機能膜パターンFにダメージを与えない範囲で洗浄ブラシの使用も効果的である。或いは、超音波を利用する溶解装置の使用も考えられる。さらには、溶解処理を行う際に、界面活性剤、有機溶媒、或いは、液質調整剤等を水等に混合しても良い。また、スチームを利用して処理液L1を温めて溶解処理に利用しても良い。
さらに、処理液L1(水)を例えば、処理槽Y内において流すことで下地処理膜X1を溶解しても良い。すなわち、例えば、処理液L1を上流から下流へと流し流れを作る。この流れの中に下地処理膜X1と保護膜Rを備える基板BAを浸ける。処理液L1の流れの中に基板BAを浸けることで、下地処理膜X1に処理液L1が当たることになる。すると徐々に下地処理膜X1は溶解し、上述したように、結果として下地処理膜X1の上に形成されている保護膜Rが剥離される。ここで処理液L1の流速、流量、或いは、温度等の条件は、下地処理膜X1の溶解の速度や範囲等との関係で任意に設定することができる。
さらに、処理液L1の流れの中に基板BAを浸ける場合、溶解処理の途中で流されてしまわないように、処理液L1の流れに逆らうことができるよう保持部Kによって保持される。この保持部K、すなわち基板BAは処理液L1の中で動かずに処理液L1の流れを受けるだけでも良いが、例えば、流れに逆らって下流から上流に向けて移動させることで、より多量の処理液L1が基板BA(下地処理膜X1)に当たる。これによってより迅速に下地処理膜X1を溶解させることができる。また、この方法に、ノズルNから処理液L1を噴射させる処理も加えることでより一層迅速に下地処理膜X1を溶解させることができる。
また、図11、或いは、図12においては、基板BAの片面にのみ下地処理膜X1及び保護膜Rが形成されている例を挙げて説明を行った。しかしながら、基板BAの両面に同じように下地処理膜X1及び保護膜Rが形成されていても良く、これら両面に形成されている下地処理膜X1を同時に溶解させ、これら両面に形成されている保護膜Rを同時に剥離することも可能である。
この場合、例えば、両面に形成されている下地処理膜X1を溶解させるべく、それぞれの下地処理膜X1に対して処理液L1を噴射するノズルNが設けられている。また、処理液L1が流れている中に基板BAが浸けられている場合には、処理液L1の流れに対して、例えば正対する向きに両面の下地処理膜X1が向くように基板BAが保持される。
なお、機能膜パターンFの保護、ダメージ付与回避の観点からは、水を利用した溶解処理が好適に採用される。機能膜パターンFに関して水を利用した下地処理膜X1の溶解処理でダメージが与えられる可能性は低いと考えられるからである。
さらに、下地処理膜Xが有機溶媒に溶解する特性を備える場合も考えられる。この場合下地処理膜X2としては、それぞれ利用される有機溶媒が異なる。例えば、下地処理膜X2が酢酸ビニル系、ポリ酢酸ビニル系樹脂の場合は、メタノール(methanol)、酢酸エチル(ethyl acetate)、アセトン(acetone)、クロロオルム(chloroform)、クリクレン、ベンゼン(benzene)或いは、ジオキサン(dioxane)といった有機溶媒(処理液L2)を使用して溶解する。例えば、下地処理膜X2がポリ塩化ビニル(PVC)系接着剤の場合は、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone, MEK)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、酢酸メチル(methyl acetate)といった有機溶媒(処理液L2)を使用して溶解する。例えば、下地処理膜X2がエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)系の場合は、シクロヘキサン(cyclohexane)、トルエン(toluene)、ベンゼン(benzene)といった有機溶媒(処理液L2)を使用して溶解する。
この他、下地処理膜X2としては、クロロプレンゴム(polychloroprene, CR)、ニトリルゴム(nitrile rubber, NBR)、ポリイミド系接着剤、ポリスチレン系樹脂(polystyrene)、或いは、ニトロセルロース系接着剤といった材料を採用することができる。そして、これら採用された材料に応じた有機溶媒(処理液L2)が選択され、下地処理膜X2の溶解が行われる。
有機溶媒を利用して下地処理膜X2を溶解する場合には、下地処理膜除去部16として溶解装置が用いられる。ここで溶解装置としては、例えば、ノズルNを利用した有機溶媒の噴射、シャワー、処理槽Yの単数、或いは複数の利用が可能である。さらには、使用される有機溶媒の種類に応じた有機溶剤を回収するための装置、例えば、蒸気回収装置、或いは、液体回収装置が必要となる。また、防爆装置が必要に応じて利用される。
このようにして、下地処理膜除去部16において下地処理膜Xを溶解することで、併せて保護膜Rも剥離されることになるため、図13に示すように、これまで下地処理膜Xによって保護されていた機能膜パターンFがダメージを受けることなく形成された状態のまま基板B上に残り、所期の機能を発揮することができる基板が形成される。
以上のように、下地処理膜Xを処理液Lを利用して溶解することで、下地処理膜X上に形成されている保護膜Rも同時に除去(剥離)することができる。剥離された保護膜Rについては、例えば、以下の方法を採用して回収する。まず、例えば、下地処理膜Xの溶解処理が行われる際に、保護膜Rを吸引しておく方法が考えられる。保護膜Rが吸引されているため、下地処理膜Xが全て溶解した場合であっても剥離された保護膜Rが基板加工装置1内においてどこかに移動してしまうことはない。また、保護膜Rを吸引する装置が回転、或いは、移動可能とされていれば、事前に設けられている保護膜の回収装置に向けて回転、移動を行って、吸引している剥離された保護膜を運ぶことができる。この場合には、吸引装置が別途必要となる。
また、例えば、処理液Lを流して流れを作り、この流れの中に基板Bを入れて下地処理膜Xを溶解させる場合には、流れの下流に保護膜Rの回収装置を設ける。すなわち、処理液Lは上流から下流へ流れており、下地処理膜Xが溶解し保護膜Rが基板Bから剥離されると、当該処理液Lの流れに乗って下流へと移動する。そこで下流に回収装置を設置しておけば、流れに乗った保護膜Rを自然に回収することができる。
さらに処理槽Yに基板Bを漬けた状態で、例えばノズルNを利用して下地処理膜Xの溶解処理を行う場合、溶解処理が完了して保護膜Rが剥離されると、そのまま処理槽Y内に溜まることになる。そこで、網等を利用して処理槽Y内に溜まっている保護膜Rを掬い上げて回収することも考えられる。
以上説明した通り、基板表面と保護膜との間に形成される下地処理膜を溶解させることで、基板が切断されて個片化された後の保護膜除去に掛かる時間及び基板の加工に掛かる全体の処理時間を短縮するとともに、装置構成の簡素化、保護膜の除去に利用する処理液の削減をも可能とした基板加工装置及び基板加工方法を提供することができる。
すなわち、下地処理膜が、例えば、水を利用した溶解処理を行うことで溶解すると、当該下地処理膜上に形成されている保護膜はその形成の基盤を失い、下地処理膜の溶解に伴って保護膜は自然と剥離することになる。従って、下地処理膜と保護膜とを併せて除去することが可能である。例えば、下地処理膜が水溶性、或いは、有機溶媒に溶けるという特質を持つ場合には、保護膜及び下地処理膜が残っている状態で個片化された基板を下地処理膜除去部を構成する水槽等の処理槽に浸けておくことで保護膜及び下地処理膜をまとめて除去することが可能である。
さらに、ノズルを利用して溶解中の下地処理膜の部分に処理液を噴射することで、下地処理膜の溶解処理が促進される。また併せて、例えば、処理液を流し、その流れの中に基板を浸けることで、流れる処理液が下地処理膜に当たり、その部分を溶解させることになる。このような手段を用いることによって、下地処理膜の溶解処理が一層促進され、結果として保護膜の剥離も同時に行われることになる。従って、基盤の加工に掛かる処理時間を全体として短縮させることができる。
下地処理膜の溶解処理において、例えば、ノズルを使用する場合、ノズルの形状、ノズルの数、下地処理膜に対する位置関係等については、任意にその条件を設定することができる。また、処理槽を使用する場合には、処理槽内の処理液に対して、例えば、超音波を印加する、といった使用方法も考えられる。さらには、処理液が流れている中に溶解処理の対象となる基板を漬けた場合、上述したように流れる処理液の量、流速等の条件については自由に設定することができる。或いは、ノズルも併せて使用しさらに流れに逆らって基板が移動する場合には、基板の動きとノズルの動きとを把握した上で、両者がずれることのないように制御する必要もあり、ずれの把握方法、基板とノズルの移動に関する制御等については、任意にその条件、方法を設定することができる。
また、下地処理膜を溶解させることで保護膜を同時に剥離できるということは、保護膜を剥離するための、例えば、アルカリ処理が不要になる。従ってアルカリ処理を行うに当たって使用されるアルカリ液を使用することがなくなるため、保護膜の除去に使用される処理液を削減することもできる。この場合、アルカリ処理が不要となるため、基板加工装置1を構成する機器も削減することができ、装置構成の簡素化を図ることができる。
そして、エッチング等の処理(切断処理)を行う際に利用される保護膜を除去する際に、基板上に形成されている機能膜パターンに対して処理に利用した液が浸食する、機能膜パターンが保護膜、下地処理膜の除去に合わせて剥離する、或いは、処理の過程で汚れる等のダメージを与えてしまうと、当該機能膜パターンを備える基板の利用価値が低減してしまい、製品の製造歩留まりも高くなる。このため下地処理膜を利用して機能膜パターンを覆うようにすることで切断、個片化の一連の処理の間に、機能膜パターンにダメージを与えることを回避することができる。
また、機能膜パターンを保護する下地処理膜を除去(溶解)する処理を行う際にも、上述した方法、特に好適に水を利用することで、下地処理膜が溶解され保護膜が剥離されて機能膜パターンが基板上に露出することになったとしても、溶解処理に利用されるのは水であることから、機能膜パターンにダメージを与えることがない。下地処理膜の溶解に関してこのように対応することによって、この処理工程においても機能膜パターンに対してダメージを与えることがなく、十分な保護を行うことができる。
このような処理とすることによって、機能膜パターンに対して十分な保護をしつつしかも保護膜を除去する工程を削除することができることになる。このことは、基板の製造工程に掛かる時間を全体的に短縮することにつながる。
さらに、上述した本願発明の実施形態では、下地処理膜と保護膜とを異なる膜として形成されていることを前提として説明を行った。しかし、例えば、下地処理膜として採用可能な材料自体が耐エッチング性を持つ場合が考えられる。例えば、上述したポリビニルアルコール(PVA)系接着剤には耐酸性の性質が認められる。このように考えると、下地処理膜と保護膜とが全く異なる材質である必要はなく、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤に下地処理膜と保護膜との機能を併せて持たせることもできる。この場合、当該ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤のみを1層塗布することで、基板は下地処理膜及び保護膜を形成したのと同様の機能を備えることになる。
このように水等の処理液を噴射等することによって溶解することが可能であるとともに、エッチング処理に耐えうる耐エッチング性を備えている材料を選択することで、膜の形成及び除去の工程を大幅に簡素化することができる。従って、工程数を削減できるだけではなく、必要な装置自体も削減することができ、装置構成の簡素化、タクトタイムの短縮化等に寄与することができる。
なお、このように処理液利用した溶解が可能であり、耐エッチング性を備える材料を選択して1層のみの形成する場合の他、以下に説明するように、下地処理膜と保護膜とで同じ材質(ここでは、便宜上材質Zとして説明する)を選択した場合であってもそれぞれの特質を変化させておくことも考えられる。
すなわち、例えば、下地処理膜として採用される材質Z1は、水温20度程度の冷水で溶解可能であるとともに、当然、それより高い温度の水にも溶解とする。一方、保護膜として採用される材質Z2は、水温90度以上の熱水で溶解可能であるが、それより低い温度の水には非溶解とする。
下地処理膜と保護膜がそれぞれこのような特質を持つ材質である場合に、切断がされて個片化された基板に対して、例えば、90度より十分に低い温度の処理液(水温20度程度の冷水等)を利用して下地処理膜を溶解させる。この処理液の温度であれば、保護膜として利用される材質Z2は溶解しないことから、これまで説明した通り、下地処理膜が処理液によって溶解するにつれてその上の保護膜は溶解せず剥離される。
このように、下地処理膜と保護膜とで同じ材質(材質Z)となるように下地処理膜を選択する場合、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤を選択することが可能である。下地処理膜としてPVA系接着剤を選択した場合、PVA系接着剤がもつ鹸化度に合わせて剥離するために使用される水の温度を適宜制御することによって保護膜の剥離と下地処理膜の溶解とを同時に行うことができる。
さらに、ここまでは基板加工装置及び基板加工方法として、加工の対象を基板として説明をしてきた。但し、上述した加工の方法は基板の加工のみならず、例えば、半導体装置に必要なシリコン基板といった様々な材質の切断、穿孔についても応用可能である。すなわち、例えば、積層されたシリコン基板(シリコンウェハ)に導電性を備える貫通孔を生成するTSV(Through Silicon Via)に対しても適用することが可能である。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 基板加工装置
11 機能膜パターン形成部
12 第1の膜形成部
13 第2の膜形成部
14 光源
15 エッチング部
16 下地処理膜除去部
11 機能膜パターン形成部
12 第1の膜形成部
13 第2の膜形成部
14 光源
15 エッチング部
16 下地処理膜除去部
Claims (16)
- 基板表面の所定位置に機能膜パターンを形成する機能膜パターン形成部と、
前記基板表面及び前記機能膜パターンを覆う下地処理膜を形成する第1の膜形成部と、
形成された前記下地処理膜の上に耐エッチング性を備える保護膜を形成する第2の膜形成部と、
前記基板のうち切断予定となる第1の領域に形成されている前記保護膜を除去するべくレーザ光を照射する光源と、
前記保護膜の他、前記下地処理膜まで除去されて露出された前記基板の表面における切断予定となる第1の領域に対してエッチング処理を行い前記基板を切断するエッチング部と、
前記基板のうち前記第1の領域を除く第2の領域に形成されている前記下地処理膜を溶解させて前記保護膜ごと除去する下地処理膜除去部と、
を備えることを特徴とする基板加工装置。 - 前記下地処理膜が水溶性である場合、或いは、前記下地処理膜が有機溶媒に溶解する性質を備えている場合、前記下地処理膜除去部は、前記下地処理膜に対して前記下地処理膜を溶解させる処理液を噴射させるノズル、或いは、前記基板が含浸されることで、前記下地処理膜を溶解させる前記処理液を備える処理槽の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板加工装置。
- 前記下地処理膜除去部は、さらに前記下地処理膜を溶解させる際に用いるスチーム装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の基板加工装置。
- 前記下地処理膜除去部に備えられている前記処理槽は、前記基板の前記下地処理膜を溶解させる際に当たって、その内部で前記処理液を前記下地処理膜に当たるように流すことにより前記下地処理膜を溶解させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の基板加工装置。
- 前記下地処理膜除去部は、前記下地処理膜を除去する際に除去の対象となる基板を固定する保持部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板加工装置。
- 前記下地処理膜除去部は、下地処理膜が溶解することで前記基板から剥離された前記保護膜を回収する回収装置をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の基板加工装置。
- 前記下地処理膜除去部は、下地処理膜が溶解することで前記基板から剥離される前記保護膜を吸着する吸着装置を備え、前記吸着装置は吸着した前記保護膜を前記回収装置に搬送することを特徴とする請求項6に記載の基板加工装置。
- 基板表面の所定位置に機能膜パターンを形成する工程と、
前記基板表面及び前記機能膜パターンを覆う下地処理膜を形成する工程と、
形成された前記下地処理膜の上に耐エッチング性を備える保護膜を形成する工程と、
前記基板のうち切断予定となる第1の領域に形成されている前記保護膜及び前記下地処理膜が除去されて露出された前記基板の表面における前記第1の領域に対してエッチング処理を行い前記基板を切断する工程と、
前記基板のうち前記第1の領域を除く第2の領域に形成されている前記下地処理膜を溶解して前記保護膜ごと除去する工程と、
を備えることを特徴とする基板加工方法。 - 前記下地処理膜の除去工程においては、前記下地処理膜が水溶性である場合、ノズルを使用して前記下地処理膜に対して前記下地処理膜を溶解させる処理液を噴射させる工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の基板加工方法。
- 前記下地処理膜の除去工程においては、前記下地処理膜が有機溶媒に溶解する性質を備えている場合、ノズルを使用して前記下地処理膜に対して前記下地処理膜を溶解させる処理液を噴射させる工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の基板加工方法。
- 前記下地処理膜の除去工程のうち前記処理液を前記ノズルから噴射させる工程は、前記ノズルからの前記処理液の噴射は前記処理液を備える処理槽内において行われることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の基板加工方法。
- 前記下地処理膜の除去工程では、さらに前記下地処理膜を溶解させる際にスチーム装置を用いることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の基板加工方法。
- 前記下地処理膜の除去工程では、前記基板の前記下地処理膜を溶解させる際に当たって、前記処理槽の内部で前記処理液を前記下地処理膜に当たるように流すことにより前記下地処理膜を溶解させる工程を備えていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の基板加工方法。
- 前記下地処理膜の除去工程では、保持部によって前記下地処理膜を除去する際に除去の対象となる基板を固定しながら処理を行うことを特徴とする請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の基板加工方法。
- 前記下地処理膜の除去工程後に、下地処理膜が溶解することで前記基板から剥離された前記保護膜を回収する回収工程をさらに備えることを特徴とする請求項8ないし請求項14のいずれかに記載の基板加工方法。
- 前記保護膜の回収工程は、下地処理膜が溶解することで前記基板から剥離される前記保護膜を吸着する吸着装置を使用して吸着された前記保護膜を回収装置に搬送する工程であることを特徴とする請求項15に記載の基板加工装置。
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-
2013
- 2013-09-27 JP JP2013200813A patent/JP2015070012A/ja active Pending
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