JP2015055659A - 反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材フィルム上に、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層がこの順で設けられている。低屈折率層は、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート5.0〜15.0質量%と、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%と、(c)前記(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物9.0〜70.0質量%と、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%と、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%とからなる低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなる。
【選択図】なし
Description
さらに、反射防止層が低屈折率層と高屈折率層の2層のみで構成されているため、やはり視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)において反射防止性にバラツキ(強弱)があり、ある特定波長の光に対する反射率のみが極端に低下しまい、反射光が着色してしまうおそれがあった。
nM-nHC≧0.05・・・(1)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(2)
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(3)
450nm/4nL<dL<560nm/4nL・・・(4)
透明基材フィルムは、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ノルボルネン系樹脂、又はシクロオレフィン樹脂等の透明樹脂からなるフィルムを使用できる。ポリエステル樹脂からなるフィルムとしては東レ株式会社製PETフィルム(ルミラーU−403)、ポリカーボネート樹脂からなるフィルムとしては帝人化成株式会社製ポリカーボネートフィルム(PC−2151)、トリアセチルセルロース樹脂からなるフィルムとしては富士フィルム株式会社製トリアセチルセルロースフィルム(フジタック)、ノルボルネン系樹脂からなるフィルムとしてはJSR株式会社製アートンフィルム、シクロオレフィン樹脂からなるフィルムとしては日本ゼオン株式会社製ゼオノアフィルム(ZF14,ZF16)等が挙げられる。
ハードコート層は、反射防止フィルムの表面強度を担保するための層である。ハードコート層の屈折率は、1.50〜1.56の範囲内のものが好ましい。ハードコートの屈折率が1.50未満の場合、或いは1.56を超える場合には、透明基材フィルムとハードコート層の屈折率差から生じる干渉により、干渉ムラが顕著に表れるため好ましくない。
ハードコート層の材料としては、従来より反射防止フィルム等に用いられている公知のものであれば、特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物や、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができ、これらを混合してもよい。そして、これらに光重合開始剤を加えて調製したハードコート層用塗液に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させてハードコート層を形成することができる。
次に、中屈折率層について説明する。中屈折率層は、後述する高屈折率層との有意な屈折率差及び後述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を発現させるための層である。中屈折率層の屈折率は、ハードコート層及び低屈折率層よりも高く、かつ、高屈折率層よりも低く設定される。中屈折率層の屈折率は、1.57〜1.63の範囲内のものが好ましい。中屈折率層の屈折率が1.57未満の場合、或いは1.63を超える場合には、中屈折率層と他の層との屈折率差から生じる干渉のバランスが悪くなり、反射スペクトルをフラットにすることが困難となる。
nM-nHC≧0.05・・・(1)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(2)
nM-nHC<0.05となる場合、ハードコート層との屈折率差が小さくなることで、ハードコート層と中屈折率層界面での反射光と中屈折率層と高屈折率層界面での反射光の強め合うような干渉が弱くなるため、反射防止性能が十分に発揮されない。また、反射スペクトルがフラットにならず(W字型になってしまう)、反射色の色ムラが目立ってしまう。また、dMを450nm/4nM以下とすると、ハードコート層と中屈折率層界面での反射光と中屈折率層と高屈折率層界面での反射光の最もの強め合う波長(最大反射率波長)域が380nm以下となってしまうため、中屈折率層上へ高屈折率層及び低屈折率層を設けた際に、反射率を効果的に下げることが困難となる。また、dMが560nm/4nM以上の場合、ハードコート層と中屈折率層界面での反射光と中屈折率層と高屈折率層界面での反射光の最も強め合う波長(最大反射率波長)域が780nm以上となってしまうため、中屈折率層上へ高屈折率層及び低屈折率層を設けた際に、反射率を効果的に下げることが困難となる。
中屈折率層は、前記中屈折率層の屈折率の範囲において、従来より反射防止フィルム等に用いられる公知のものであれば特に制限されず、ベースとなる有機材料に、屈折率調整用の無機材料を適宜添加したものを用いることができる。
次に、高屈折率層について説明する。高屈折率層は、前述した中屈折率層との有意な屈折率差及び後述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を発現させるための層である。高屈折率層の屈折率は、ハードコート層及び中屈折率層及び低屈折率層のいずれの層よりも高く設定される。
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(3)
dHを450nm/2nM以下とすると、高屈折率層を設けた際に最小反射率波長(反射率が最小となる光の波長)が380nm以下となってしまい、低屈折率層を設けた際に可視光領域の反射率が単調増加になるような反射スペクトルとなってしまうため、反射スペクトルをフラットにすることが困難となる。一方、dHが560nm/2nM以上の場合、高屈折率層を設けた際に最小反射率波長(反射率が最小となる光の波長)が650nm以上となってしまい、低屈折率層を設けた際に可視光領域の反射率が単調減少になるような反射スペクトルとなってしまうため、反射スペクトルをフラットにすることが困難となる。
高屈折率層は、前記高屈折率層の屈折率の範囲において、従来より反射防止フィルム等に用いられる公知のものであれば特に制限されず、ベースとなる有機材料に、屈折率調整用の無機材料を適宜添加したものを用いることができる。ベースとなる有機材料や屈折率調整用の無機材料としては、中屈折率層と同様のものを使用でき、これらの材料の組み合わせや配合バランスにより、求める屈折率に調整すればよい。
次に、低屈折率層について説明する。低屈折率層の屈折率は、ハードコート層、中屈折率層、及び高屈折率層の屈折率より低く設定されることを要件とし、その屈折率は1.29〜1.37の範囲である。該屈折率が1.29未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難である。その一方、屈折率が1.37を超える場合には十分な視感度反射率を得ることが難しい。
低屈折率層用樹脂組成物は、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートと、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光重合開始剤とからなる。なお、(b)成分の含有量は(a)成分の含有量より少ない。
C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートは、防汚性機能を発現するためのものであり、低屈折率層表面を触った際の指紋の付着性を弱めることができる。C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ダイキン工業(株)製オプツールDAC−HP,DIC(株)製メガファックRS−75等が挙げられる。
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、低屈折率層表面に付着した指紋の拭取り性を良好とすることが出来る。アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとしては、具体的には、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV 3500,BYK−UV 3530,BYK−UV 3570等が挙げられる。
(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物は、低屈折率層へ硬度を付与する事が出来る。(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物は、低屈折率層用樹脂組成物中に9.0〜70.0質量%含まれる。含有量が9.0質量%未満では、低屈折率層の硬度不足や、透過率の低下が生じる。一方、70.0質量%を越えると、指紋の拭取り性が向上しない。
中空シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.37であることが好ましい。中空シリカ微粒子としては、屈折率を低くするものであれば特に限定されず、公知の中空シリカ微粒子を使用できる。具体的には、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリア4320等が挙げられる。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により低屈折率層用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の形成方法は特に制限されず、例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の塗布方法により各塗液を透明基材フィルム上に順に塗布し、硬化させる方法を採用することができる。塗布方法としては、生産性や生産コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は公知の方法でよく、例えばロールコート法、ダイコート法、スピンコート法、そしてディップコート法等が代表的なものとして挙げられる。これらの中では、ロールコート法等、連続的に塗膜を形成できる方法が生産性の点より好ましい。形成された塗膜は、加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射によって硬化反応を行うことにより硬化被膜を形成することができる。
本実施形態の反射防止フィルムは、高い防汚性、かつ、高い反射防止効果を求められる用途に好適に用いることができる。特に、電子画像表示装置の表面に使用することができる。電子画像表示装置としては、例えばタッチネル、電子黒板、プラズマディスプレイ、液晶表示装置、有機ELディスプレイ等が挙げられる。そして、その画面表面に直接、又は画面の前面に配置される板に接着層を介して密着させて用いることができる。
ハードコート層塗液は、紫外線硬化型樹脂として日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕を100質量部、帯電防止剤としてジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル(CH2=C(H)CONH(CH2)kN+(CH3)3・Cl−)60質量部とブチルメタクリレート40質量部よりなる4級アンモニウム塩系共重合体を5質量部、光重合開始剤としてBASFジャパン(株)製、イルガキュア907を5質量部混合し、固形分濃度が40質量部となるようにメチルイソブチルケトン(MIBK)を混合してハードコート層用塗液を得た。
α1と同じ材料を、表1に示す配合(質量部)にてα1と同様に調整した。なお、製造例α2〜α3には、シリカ微粒子(分散液)として日産化学工業(株)製、MIBK−ST(固形分濃度30%、粒子径15nm)、酸化チタン微粒子(分散液)としてCIKナノテック(株)製、RTTMIBK15WT%−N24をそれぞれ使用した。
紫外線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕76質量部、酸化チタン微粒子(分散液)〔CIKナノテック(株)製、RTTMEK25WT%−F02〕を固形分換算で24質量部、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907〕を5質量部、及びメチルエチルケトン500質量部を混合し、中屈折率層用塗液(含酸化チタン微粒子硬化性塗液)を得た。
四つ口フラスコにパーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)104部とビス(2,2,3,3,4,45,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11部を入れた。そして、その中空部を窒素置換した後、窒素気流下20℃で24時間撹拌して高粘度の固体を得た。得られた固体をジエチルエーテルに溶解させたものをパーフルオロヘキサンに注ぎ、分離後に真空乾燥させて無色透明なポリマーを得た。
低屈折率層用組成物LL1-1は、イソプロピルアルコール(IPA)を溶媒として、固形分濃度が5質量%となるように、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート〔信越化学工業(株)製、DAC−HP〕5.0質量%と、(b)アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン〔ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570〕4.0質量%と、(c)溶媒可溶性の含フッ素反応性ポリマー(δ1)を固形分換算で43質量%と、(d)粒子径が60nmの中空シリカ微粒子〔日輝触媒化成工業株式会社製、スルーリア4320〕43質量%と、(e)光重合開始剤〔BASFジャパン株式会社製、イルガキュア907(I−907)〕5質量%とを混合して得た。
表4に示す配合(質量%)にて、LL1−1と同様に調整した。なお、(a)成分である「RS−75」は、DIC(株)製のC2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートである。また、(b)成分であるBYKUV−3500及びBYKUV−3530は、ビックケミー・ジャパン(株)製のアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。また、(e)成分であるI−184は、BASFジャパン株式会社製のイルガキュア184である。
表5に示す配合(質量%)にて、LL1−1と同様に調整した。なお、(a)成分である「F−558」は、DIC(株)製のC2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートである。また、(b)成分であるBYKUV331は、ビックケミー・ジャパン(株)製のアクリル基を有さないポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。
ハードコート層形成用組成物〔α1〕を、透明基材フィルムとして厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が4μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的にハードコート層の膜厚である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量300mJ/cm2)、ハードコート層形成用組成物を硬化させてハードコート層を形成した。このハードコート層の屈折率は1.53であった。
膜厚の測定は、光学積層体の断面をTEM写真で観察することにより行った。
一方の面に易接着層が付与されている屈折率1.65のPETフィルム〔商品名:「A4100」、東洋紡(株)製〕を基材として、易接着層が付与されていない面上に測定したい被膜を100nm程度の膜厚で形成し、反射分光膜厚計(大塚電子(株)製「FE3000」を持いてフィルム上に形成された被膜について270〜1040nmの範囲で絶対反射率を測定した。得られた絶対反射率のスペクトルの実測値から、代表的な波長分散の近似式としてn-Cauchyの分散式を引用し、未知のパラメーターを絶対反射率のスペクトル非線形最小二乗法によって求めて、波長589nmにおける屈折率を算出した。
人工指脂液(尿素1g、乳酸4.6g、ピロリン酸ナトリウム8g、食塩7g、エタノール20mLを蒸留水で1Lに希釈したもの)を1滴反射防止フィルム表面に滴下する。その後、日本製紙クレシア(株)製キムワイプを用い、人工指脂液を馴染ませる。続いて、東レ(株)製トレシーを用いて5往復拭取りを実施した後、表面の跡を目視で観察し下記の3段階で評価した。
○:人工指脂液の跡が無い場合
△:人工指脂液の跡が一部残る場合
×:人工指脂液の跡が残る場合
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JISZ8720に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、求めたa*、b*値から彩度Cab*={(a*)2+(b*)2}1/2を計算した。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率の450〜650NMの領域における反射率の最大値と最小値の差を読み取った。
10cm×10cmサイズのガラス板の片面にアクリル系粘着シートを使用して反射防止フィルムを貼り合せ、もう片方の面に黒色フィルムを貼り合せたサンプルを作製した。このサンプルを、三波長蛍光灯管の下で観察し、裏面の黒色フィルムの黒色が、自然な黒色に見える場合を○、黒色が白茶けたり、反射防止フィルムの着色がきつく、黒っぽく見えない場合を× として評価した。
反射防止フィルム表面を#0000のスチールウールに250gfの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/secで10往復摩擦したあとの表面を目視で観察し、以下の○、×で評価した。※スチールウールは約10mmφにまとめ、表面が均一になるようにカット、摩擦して均したものを使用した。
◎:傷が0〜10本 ○:傷が11本から20本 ×:傷が21本以上
10cm×10cmのサイズの反射防止フィルムを作成し、反射防止フィルムを水平面に置いた際の4隅のカール高さを測定し、下記の基準により判定する。
○:カール高さが20mm未満
△:カール高さが20mm以上50mm未満
×:カール高さが50mm以上
JIS K 6911−1995に準拠して、デジタル絶縁計〔東亜ディーケーケー(株)製、SM−8220〕を用いて測定した。
比較例1-1:(a)成分の含有量が少ない。
比較例1-2:(a)成分の含有量が多い。
比較例1-3:(b)成分がない。
比較例1-4:(b)成分の含有量が少ない。
比較例1-5:(b)成分の含有量が多い。
比較例1-6:(b)成分の含有量が多く、かつ、(b)>(a)。
比較例1-7:(a)成分の含有量と(b成分の含有量が同じ((a)>(b)ではない)。
比較例1-8:(a)成分の含有量が(b)成分の含有量より少ない。
比較例1-9:(a)成分の含有量と(b成分の含有量が同じ((a)>(b)ではない)。
比較例1-10:(e)が入っていない。
比較例1-11:重合性基のない(a)を使用している。
比較例1-12:重合性基のない(b)を使用している。
比較例1-13:中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の膜厚が薄い。
比較例1-14:中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の膜厚が厚い。
比較例1-15:ハードコート層と中屈折率層の屈折率差が0.05より小さい。
比較例1-16:ハードコ-ト層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率が低い。
比較例1-17:ハードコ-ト層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率が高い。
Claims (3)
- 透明基材フィルム上に、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層がこの順で設けられており、前記低屈折率層が、
(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート5.0〜15.0質量%と、
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%と、
(c)前記(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物9.0〜70.0質量%と、
(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%と、
(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%とからなり、
前記(b)成分の含有量が前記(a)成分の含有量より少なく、且つ、前記(a)〜(e)成分の合計が100質量%である低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする、反射防止フィルム。 - 前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.56、
前記中屈折率層の屈折率が1.57〜1.63、
前記高屈折率層の屈折率が1.77〜1.83、
前記低屈折率層の屈折率が1.29〜1.37
であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。 - 前記ハードコート層の屈折率をnHC、膜厚をdHC、前記中屈折率層の屈折率をnM、膜厚をdM、前記高屈折率層の屈折率をnH、膜厚をdH、前記低屈折率層の屈折率をnL、膜厚をdLとした場合、下記(1)〜(4)が成り立つことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の反射防止フィルム。
nM-nHC≧0.05・・・(1)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(2)
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(3)
450nm/4nL<dL<560nm/4nL・・・(4)
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