JP2015052351A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本体ゴム弾性体の耐久性やばね特性に悪影響を及ぼすことなく、入力方向や周波数の異なる振動に対して有効な防振効果を得ることができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。【解決手段】第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されていると共に、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて内部に非圧縮性流体44を封入された流体室40,42が形成されている流体封入式防振装置10において、流体室40に機能性流体50が封入されていると共に、機能性流体50に電圧又は磁場を常時印加して機能性流体50を所定位置に保持する保持手段52が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のエンジンマウントなどに用いられる流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結する防振連結体乃至は防振支持体の一種として、防振装置が知られている。防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で弾性連結された構造を有しており、本体ゴム弾性体の内部摩擦等に起因する減衰作用によって振動エネルギーを低減するようになっている。
ところで、ゴム弾性体の変形によって得られる減衰作用には限度があることから、より高度な減衰性能を実現するために、内部に非圧縮性流体を封入した流体室を形成して、流体の流動作用等に基づいた防振効果を利用する流体封入式防振装置も提案されている。この流体封入式防振装置では、一般的に、流体室を受圧室と平衡室に仕切って、それら二室を相互に連通するオリフィス通路を形成する構造が採用されて、オリフィス通路を通じて流体が流動することで流体の共振作用等に基づく防振効果が発揮されるようになっている。例えば、特開平10−132015号公報(特許文献1)や特開平8−28623号公報(特許文献2)に示されているのが、それである。
しかしながら、このような流体封入式防振装置は、オリフィス通路がチューニングされた特定周波数の振動入力に対して有効な防振効果が発揮される一方、他の周波数の振動入力に対しては、有効な防振効果を得ることが難しかった。また、主液室と副液室の間に相対的な内圧変動が生ぜしめられる特定方向の振動入力に対して有効な防振効果が発揮される一方で、受圧室の内圧変動が小さくなる他方向の振動入力に対しては、流体の流動作用による防振効果が有効に発揮され難いという問題があった。
特開平10−132015号公報 特開平8−28623号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、本体ゴム弾性体の耐久性やばね特性に悪影響を及ぼすことなく、入力方向や周波数の異なる振動に対して有効な防振効果を得ることができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて内部に非圧縮性流体を封入された流体室が形成されている流体封入式防振装置において、前記流体室に機能性流体が封入されていると共に、該機能性流体に電圧又は磁場を常時印加して該機能性流体を所定位置に保持する保持手段が設けられていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、振動入力による第一の取付部材と第二の取付部材の相対変位によって、流体室内の所定位置に保持された機能性流体が流動することで、機能性流体の粘性抵抗や機能性流体と非圧縮性流体との界面での摩擦抵抗などによるエネルギー減衰作用に基づいて、目的とする防振効果が発揮される。
しかも、機能性流体が常時保持されていることから、入力振動に応じた制御の必要がなく、簡単な構造によって安定した防振効果を得ることができる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記流体室が主液室と副液室を含んで構成されており、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路が形成されていると共に、それら主液室と副液室の少なくとも一方に前記機能性流体が封入されて前記保持手段によって保持されているものである。
第二の態様によれば、オリフィス通路を通じて流動する流体の共振作用等に基づく防振効果と、機能性流体の粘性などに基づいて発揮される防振効果とを、何れも得ることができて、オリフィス通路による防振効果が発揮され難い振動の周波数や入力方向であっても、有効な防振効果を得ることができる。
本発明の第三の態様は、第二の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記主液室が壁部の一部を前記本体ゴム弾性体で構成された受圧室とされていると共に、前記副液室が壁部の一部を可撓性膜で構成された平衡室とされており、前記機能性流体が該受圧室に封入されて前記保持手段によって保持されているものである。
第三の態様によれば、振動入力時に流体流動が効率的に生ぜしめられる受圧室に機能性流体が保持されていることにより、機能性流体の粘性などに基づく防振効果が効果的に発揮される。
本発明の第四の態様は、第二又は第三の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記機能性流体が前記保持手段によって前記オリフィス通路の開口部を外れた位置に保持されているものである。
第四の態様によれば、機能性流体がオリフィス通路の開口部を塞ぐように保持されるのを防ぐことで、オリフィス通路を通じた非圧縮性流体の流動が効率的に生じて、流体の流動作用による防振効果を有効に得ることができる。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記機能性流体が磁性流体とされていると共に、前記保持手段が該機能性流体に磁場を印加する磁場印加手段とされているものである。
第五の態様によれば、機能性流体が磁性流体とされることで、磁場印加手段の磁力によって保持された状態では、磁性流体の粘度が増して、粘性抵抗などに基づいて発揮されるエネルギー減衰作用が向上することから、より優れた防振性能が実現される。なお、磁場印加手段としては、電磁石なども採用可能であるが、好適には以下の第六の態様の構造が採用される。
本発明の第六の態様は、第五の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記磁場印加手段が永久磁石とされているものである。
第六の態様によれば、磁場印加手段が永久磁石とされることで、簡単な構造によって磁性流体に磁場を印加することができる。しかも、磁場を形成するために常時通電する必要はなく、省エネルギー化も実現される。
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか一つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記流体室には前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の相対変位によって変形する狭窄領域が設けられており、前記機能性流体が前記保持手段によって該狭窄領域に保持されているものである。
第七の態様によれば、振動入力による第一の取付部材と第二の取付部材の相対変位によって機能性流体の流動が生じ易くなって、機能性流体の粘性などに基づいた防振効果が有利に発揮される。特に、入力振動の振幅が小さい場合にも機能性流体の流動が有効に生ぜしめられることから、目的とする防振効果を得ることができる。
本発明の第八の態様は、第一〜第七の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記保持手段で電圧又は磁場を印加された前記機能性流体の粘度が前記非圧縮性流体の粘度よりも大きくされているものである。
第八の態様によれば、例えば、オリフィス通路を比較的に粘度の低い非圧縮性流体が小さな流動抵抗で流動することによって、流体の流動作用に基づく防振効果が効率的に発揮されると共に、機能性流体の粘性による防振効果も有効に得ることができる。
本発明によれば、流体室に非圧縮性流体と機能性流体が封入されて、機能性流体が保持手段によって所定位置に保持されることから、振動入力によって流体室内で流体流動が生ぜしめられると、機能性流体の粘性による流動抵抗や界面での摩擦抵抗などに基づくエネルギー減衰作用によって、目的とする防振効果が発揮される。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントであって、図2のI−I断面図。 図1のII−II断面図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントであって、図4のIII−III断面図。 図3のIV−IV断面図。 本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントであって、図6のV−V断面図。 図5のVI−VI断面図。 本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウントであって、図8のVII−VII断面図。 図7のVIII−VIII断面図。 本発明の第五の実施形態としてのエンジンマウントであって、図10のIX−IX断面図。 図9のX−X断面図。 本発明の第六の実施形態としてのエンジンマウントであって、図12のXI−XI断面図。 図11のXII−XII断面図。 本発明の第七の実施形態としてのエンジンマウントであって、図14のXIII−XIII断面図。 図13のXIV−XIV断面図。 本発明の第八の実施形態としてのエンジンマウントであって、図16のXV−XV断面図。 図15のXVI−XVI断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1,2には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材12と第二の取付部材14を本体ゴム弾性体16によって弾性連結した構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは図1中の上下方向を、左右方向とは図1中の左右方向を、前後方向とは図2中の左右方向を、それぞれ言う。
より詳細には、第一の取付部材12は、鉄やアルミニウム合金などで形成された高剛性の部材であって、厚肉小径の略円筒形状を有している。更に、第一の取付部材12には、ストッパ部材18が取り付けられている。ストッパ部材18は、第一の取付部材12に外嵌固着される環状の固着部20から径方向一方側にバウンドストッパ部22が突出すると共に、径方向他方側にリバウンドストッパ部24が突出した構造とされている。なお、リバウンドストッパ部24は、固着部20から軸方向両側にも突出しており、バウンドストッパ部22よりも軸方向寸法が大きくされている。
また、第一の取付部材12には、中間スリーブ26が外挿されている。中間スリーブ26は、第一の取付部材12と同様に高剛性の部材とされており、薄肉大径の略円筒形状とされている。更に、中間スリーブ26には、一対の窓部28a,28bが形成されている。窓部28は、中間スリーブ26の軸方向略中央部分を貫通して、半周に満たない所定の長さで周方向に延びている。なお、中間スリーブ26における一対の窓部28a,28bの周方向間には、外周に開口して周方向に延びる周溝30がそれぞれ形成されており、周溝30の周方向両端が一対の窓部28a,28bに連通されている。
第一の取付部材12と中間スリーブ26は、本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円筒形状とされており、内周面が第一の取付部材12およびストッパ部材18に加硫接着されていると共に、外周端部が中間スリーブ26に加硫接着されている。本体ゴム弾性体16は、第一の取付部材12と中間スリーブ26を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、外周面に開口する一組のポケット部32a,32bが形成されている。ポケット部32aは、バウンドストッパ部22が突出する径方向一方で本体ゴム弾性体16の外周面に開口する凹所状とされており、窓部28aを通じて外周側に開口している。一方、ポケット部32bは、リバウンドストッパ部24が突出する径方向他方で本体ゴム弾性体16の外周面に開口する凹所状とされており、窓部28bを通じて外周側に開口している。
更にまた、本体ゴム弾性体16にはスリット34が形成されている。スリット34は、本体ゴム弾性体16を軸方向に貫通しており、第一の取付部材12の外周側を半周程度の長さで周方向に延びている。更に、スリット34は、周方向両端部が中間スリーブ26の内周面に接近している。これにより、本体ゴム弾性体16における窓部28bの壁部を構成する部分が、スリット34によって薄肉化されて実質的に独立しており、当該部分によって可撓性膜36が構成されている。以上からも明らかなように、本実施形態における可撓性膜36は、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
さらに、中間スリーブ26の外周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層38が加硫接着されている。本実施形態では、中間スリーブ26における周溝30の内面が露出しているが、周溝30の内面をゴム層によって覆っても良い。
また、中間スリーブ26には、第二の取付部材14が外嵌されている。第二の取付部材14は、第一の取付部材12と同様に高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を呈している。そして、第二の取付部材14は、中間スリーブ26に外挿された状態で、八方絞り等の縮径加工を施されることにより、中間スリーブ26に外嵌固定されている。なお、中間スリーブ26と第二の取付部材14の重ね合わせ面間がシールゴム層38によって流体密に封止されている。
また、第二の取付部材14が中間スリーブ26に外嵌されることにより、中間スリーブ26の一対の窓部28a,28bが第二の取付部材14によって覆蓋されている。これにより、壁部の一部を本体ゴム弾性体16で構成された主液室としての受圧室40が、ポケット部32aを利用して形成されていると共に、壁部の一部を可撓性膜36で構成された副液室としての平衡室42が、ポケット部32bを利用して形成されている。なお、本実施形態では、受圧室40と平衡室42によって流体室が構成されている。
それら受圧室40と平衡室42には、非圧縮性流体44が封入されている。非圧縮性流体44は、特に限定されるものではないが、例えば、水やエチレングリコール、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液などが好適に採用される。また、後述する流体の流動作用に基づく防振効果を有利に得るために、非圧縮性流体44としては、0.1Pa・s以下の低粘性流体が望ましい。
また、中間スリーブ26の周溝30の外周開口が第二の取付部材14で覆蓋されることにより、周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。そして、受圧室40と平衡室42を相互に連通するオリフィス通路46が、一方の周溝30を利用して形成されている。また、他方の周溝30内には、本体ゴム弾性体16と一体形成された隔壁ゴム48が周上の一部に形成されており、トンネル状の流路が途中で遮断されている。なお、オリフィス通路46は、受圧室40および平衡室42の壁ばね剛性を考慮しながら、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を調節することで、流動流体の共振周波数(チューニング周波数)が設定されており、本実施形態では、エンジンシェイクに相当する十Hz程度の低周波数に設定されている。
ここにおいて、受圧室40には、機能性流体としての磁性流体50が封入されている。磁性流体50は、例えば、磁鉄鉱(Fe3 4 )などの強磁性体を100A程度の粉末(微粒子)にしたものを、疎水性の界面活性剤で表面処理すると共に、シリコーン油などの液相中に安定して分散化せしめたものであって、磁力や遠心力などの作用に対して強磁性体の液相中での凝集や沈殿が生じることなく、流体自体が磁性を持つように振舞う性質を有する。要するに、機能性流体としては、例えば、分散粒子や分子に対して磁力やローレンツ力に基づいた保持力が及ぼされるものが採用される。なお、磁性流体50の液相は、非圧縮性流体44と相容性のない流体であることが望ましく、例えば、親水性流体と非親水性流体の組み合わせが好適に採用され得る。また、分散粒子の表面処理に用いられる界面活性剤は磁性流体50の液相と親和性のものが用いられる。尤も、上記の磁性流体50は、あくまでも例示であって、各種公知のものが採用され得る。
この磁性流体50は、非圧縮性流体44と共に封入流体として受圧室40に封入されている。そして、磁性流体50は、ストッパ部材18に固着された保持手段としての永久磁石52によって保持されている。永久磁石52は、リバウンドストッパ部24の突出先端部分に埋設されており、リバウンドストッパ部24の突出方向に着磁されている。これにより、磁性流体50は、永久磁石52の磁場が常時印加されることによって、粘度が増大せしめられていると共に、磁気的な吸引力が及ぼされており、リバウンドストッパ部24の突出先端側に保持されている。なお、本実施形態の保持手段は、永久磁石52で構成されていることからも明らかなように、磁性流体50に磁場を常時印加する磁場印加手段とされている。
さらに、永久磁石52の磁場が印加されて保持された磁性流体50は、非圧縮性流体44よりも粘度が大きくされている。なお、永久磁石52の磁場は、磁性流体50を所定の位置に常時保持し得る強さとされており、更には要求される磁性流体50の粘度などに応じて適宜に設定される。
本実施形態では、受圧室40にリバウンドストッパ部24が突出することで、リバウンドストッパ部24の突出先端と第二の取付部材14との径方向間に、他の部分よりも狭幅とされた狭窄領域54が形成されており、かかる狭窄領域54に磁性流体50が保持されている。この狭窄領域54は、第一の取付部材12と第二の取付部材14の相対変位によって変形するようになっていると共に、第一の取付部材12と第二の取付部材14の相対変位時に封入流体が流動するようになっている。また、狭窄領域54は、オリフィス通路46の受圧室40側の開口部を外れて設けられており、磁性流体50がオリフィス通路46の開口部から離れた位置に保持されている。なお、図1,2では、分かり易さのために、磁性流体50が非圧縮性流体44とは異なるハッチングと境界線によってモデル的に示されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10は、第一の取付部材12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付部材14が図示しない車両ボデーに取り付けられることにより、車両に装着される。
そして、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が上下方向に入力されると、受圧室40には平衡室42に対する相対的な圧力変動が惹起される。その結果、受圧室40と平衡室42の間でオリフィス通路46を通じて流体流動が生ぜしめられて、流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮される。
本実施形態では、磁性流体50が永久磁石52によってオリフィス通路46の受圧室40側の開口部を外れた位置に保持されており、オリフィス通路46を通じた非圧縮性流体44の流動が磁性流体50によって阻害されることなく惹起されて、オリフィス通路46による防振効果が有効に発揮される。
なお、エンジンマウント10では、上下方向に過大な振動が入力されると、ストッパ部材18が第二の取付部材14に当接することで、第一の取付部材12と第二の取付部材14の相対変位量が制限されるようになっている。要するに、本実施形態では、バウンドストッパ部22と第二の取付部材14の当接によってバウンドストッパ手段が構成されると共に、リバウンドストッパ部24と第二の取付部材14の当接によってリバウドストッパ手段が構成されるようになっている。
さらに、第一の取付部材12に下向きの荷重が入力されると、磁性流体50による減衰作用も発揮されるようになっている。即ち、第一の取付部材12に固定されたストッパ部材18のリバウンドストッパ部24が第二の取付部材14に対して接近変位せしめられて、磁性流体50がリバウンドストッパ部24と第二の取付部材14の間で圧縮されると、磁性流体50が受圧室40内で流動することにより、磁性流体50の粘性抵抗などに基づいてエネルギー減衰作用が発揮される。これにより、下向きの荷重入力に対して有利に防振効果を得ることができる。
特に、磁性流体50が永久磁石52の磁場によって常時保持されており、入力振動に応じた制御の必要がないことから、簡単な構造によって目的とする防振効果を安定して得ることができる。
本実施形態では、磁性流体50が第二の取付部材14とリバウンドストッパ部24の先端との間に形成された狭窄領域54に保持されており、下向きの入力に対して磁性流体50が圧縮され易くなっている。それ故、磁性流体50の粘性による防振効果が有利に発揮されて、特に入力振動の振幅が小さい場合であっても有効な防振効果を得ることができる。
さらに、リバウンドストッパ手段の当接面上に磁性流体50が保持されていることから、磁性流体50の減衰作用により、ストッパ当接時の衝撃の緩和作用も期待できる。特に、磁性流体50は流動可能であるが故に、リバウンドストッパ部24の第二の取付部材14への直接の当接を阻害するものではなく、第一の取付部材12と第二の取付部材14の相対変位の許容量を確保しつつ、ストッパ緩衝作用の向上やリバウンドストッパ部24の先端面を覆うゴム層の耐久性の向上などが図られ得る。
このような磁性流体50の粘性などに基づく減衰作用は、入力振動の周波数がオリフィス通路46のチューニング周波数を外れた周波数であっても発揮され得ることから、より広い周波数域で有効な防振効果を得ることができる。また、磁性流体50を封入保持する本発明構造によれば、本体ゴム弾性体16の特性を設計変更する場合などに比して、エンジンマウント10の静ばね特性や高周波小振幅振動に対する防振特性への過度の悪影響を回避しつつ、高い減衰特性を付与することが可能である。
一方、前後方向や左右方向の入力に対しては、受圧室40の内圧変動が生じ難いが、受圧室40内での流体流動は生じることから、磁性流体50の粘性などに基づく減衰作用が発揮される。これにより、エンジンマウント10では、上下方向の振動入力だけでなく、多方向の振動入力に対して、有効な防振効果を得ることができる。
本実施形態では、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室40に磁性流体50が封入保持されていることから、振動入力時に流体流動が有効に生ぜしめられて、磁性流体50の粘性などによる防振効果を有効に得ることができる。
また、機能性流体として磁性流体50が用いられており、永久磁石52の磁場が常時印加されることで磁性流体50の粘度が高められていることから、流動抵抗などによる防振効果をより効率的に得ることができる。
さらに、保持手段として永久磁石52が用いられていることから、簡単な構造によって磁性流体50を所定の位置に保持する磁場を形成することができる。しかも、永久磁石52を採用することで、通電などのエネルギー消費を要することなく磁場を形成することができて、省エネルギー化も図られ得る。
図3,4には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウント60が示されている。エンジンマウント60は、第一の実施形態のエンジンマウント10に対して、配設数と配設位置が異なる永久磁石62を備えている。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。
より詳細には、永久磁石62は、リバウンドストッパ部24の突出先端における前後両端部にそれぞれ配設されており、何れも前後方向(図4中、左右方向)に着磁されている。
このように一対の永久磁石62,62が配設されることにより、受圧室40に封入された磁性流体50に一対の永久磁石62,62の磁場が印加されて、磁性流体50に磁気的な吸引力が及ぼされると共に、磁性流体50の粘度が増大せしめられている。これにより、磁性流体50は、図4に示すように、リバウンドストッパ部24の前後両側に常時保持されている。なお、本実施形態では、受圧室40の前後壁部とリバウンドストッパ部24との間に形成される狭窄領域64に、磁性流体50が保持されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント60では、特に前後方向の振動入力に対して、磁性流体50の粘性抵抗などに基づく防振効果が有利に発揮される。それ故、上下方向の振動入力に対して発揮されるオリフィス通路46による防振効果と組み合わされて、多方向での防振が効果的に実現される。
図5,6には、本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウント70が示されている。本実施形態のエンジンマウント70は、一対の永久磁石72,72を備えている。
より詳細には、一対の永久磁石72,72は、何れも本体ゴム弾性体16に固着されており、受圧室40の前後壁内面にそれぞれ露出した状態で保持されている。なお、一対の永久磁石72,72は、何れも前後方向(図6中、左右方向)に着磁されている。
このように一対の永久磁石72,72が配設されて磁性流体50に磁場が常時印加されることにより、図6に示すように、磁性流体50が粘度を増した状態で受圧室40の前後壁内面上に常時保持されている。なお、本実施形態では、第二の実施形態と同様に、受圧室40の前後壁部とリバウンドストッパ部24との間に形成される狭窄領域74に磁性流体50が保持されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント70では、特に前後方向の振動入力に対して、磁性流体50の粘性抵抗に基づく防振効果が有利に発揮される。それ故、上下方向の振動入力に対して発揮されるオリフィス通路46による防振効果と組み合わされて、多方向での防振が効果的に実現される。
図7,8には、本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウント80が示されている。本実施形態のエンジンマウント80は、永久磁石82を備えている。
より詳細には、永久磁石82は、本体ゴム弾性体16に固着されており、受圧室40の上壁内面に露出した状態で保持されている。また、永久磁石82は、オリフィス通路46の開口部に対して、リバウンドストッパ部24を挟んだ周方向の反対側に配置されている。なお、永久磁石82は、上下方向(図7中、上下方向)に着磁されている。
このように永久磁石82が配設されることにより、図7に示すように、磁性流体50が粘度を増した状態で受圧室40の上壁内面上に常時保持されている。また、磁性流体50は、永久磁石82の磁場による保持力によって、オリフィス通路46の開口部を外れた位置に保持されている。なお、本実施形態では、受圧室40の左壁部とリバウンドストッパ部24との間に形成される狭窄領域84に磁性流体50が保持されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント80では、特に左右方向の振動入力に対して、磁性流体50の粘性抵抗に基づく防振効果が有利に発揮される。それ故、上下方向の振動入力に対して発揮されるオリフィス通路46による防振効果と組み合わされて、多方向での防振が効果的に実現される。
図9,10には、本発明の第五の実施形態としてのエンジンマウント90が示されている。エンジンマウント90は、第一の取付部材92と第二の取付部材94が本体ゴム弾性体96によって弾性連結された構造を有している。以下の説明において、上下方向とは原則として、図9中の上下方向を言う。
より詳細には、第一の取付部材92は、鉄やアルミニウム合金などで形成された略円形ブロック形状の高剛性の部材であって、中心軸上を延びて上面に開口するねじ穴98が形成されている。また、第一の取付部材92の下端には、かしめ片100が一体で設けられている。
第二の取付部材94は、第一の取付部材92と同様に高剛性の部材とされており、薄肉大径の略円筒形状を有していると共に、軸方向中間に設けられた段差部を挟んで上方が下方よりも大径とされている。
そして、第一の取付部材92と第二の取付部材94が略同一中心軸上に配置されて、それら第一の取付部材92と第二の取付部材94が本体ゴム弾性体96によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体96は、厚肉大径の略円錐台形状とされており、小径側の端部が第一の取付部材92に加硫接着されていると共に、大径側の端部が第二の取付部材94に加硫接着されている。
さらに、本体ゴム弾性体96には、大径凹所102が形成されている。大径凹所102は、逆向きの略すり鉢形状を呈する凹所であって、本体ゴム弾性体96の下面に開口している。更にまた、本体ゴム弾性体96と一体形成された筒状のシールゴム層104が下方に向かって延び出しており、第二の取付部材94の小径部分の内周面がシールゴム層104で被覆されている。なお、本実施形態では、第一の取付部材92が本体ゴム弾性体96の径方向中央を上下に貫通して配設されており、第一の取付部材92のかしめ片100が大径凹所102内に突出している。
また、第二の取付部材94には、可撓性膜106が取り付けられている。可撓性膜106は、薄肉円形のゴム膜であって、上下に緩みを有している。そして、可撓性膜106は、外周端に固着された環状の固定部材108が第二の取付部材94の下端部に流体密に嵌着されている。なお、本実施形態の可撓性膜106は、本体ゴム弾性体96とは別体とされている。
可撓性膜106が取り付けられることによって、本体ゴム弾性体96と可撓性膜106の間には流体室110が形成されており、この流体室110に非圧縮性流体44が封入されている。
また、流体室110には、仕切部材112が配設されている。仕切部材112は、仕切部材本体114と底金具116を重ね合わせて、それら仕切部材本体114と底金具116の間に可動膜118を挟持せしめた構造とされている。
仕切部材本体114は、金属や合成樹脂で形成された硬質の部材であって、厚肉の略円板形状を有している。また、仕切部材本体114には、外周面に開口して周方向に一周に満たない長さで延びる周溝120が形成されている。なお、仕切部材本体114の内周部分が外周部分よりも薄肉とされていると共に、中央部分には上下に貫通する円形の中央孔が形成されている。
底金具116は、薄肉の略円環板形状とされており、内周部分が外周部分よりも上方に位置する段付き形状とされている。そして、底金具116は、外周部分が仕切部材本体114の外周部分に下方から重ね合わされて固定されている。
さらに、仕切部材本体114と底金具116の内周部分の重ね合わせ面間には、可動膜118が配設されている。可動膜118は、略円板形状とされており、厚肉とされた外周端部が仕切部材本体114と底金具116の間で挟持されていると共に、中央部分がそれら仕切部材本体114と底金具116の中央孔によって上下方向の弾性変形を許容されている。
このような構造とされた仕切部材112は、流体室110内に軸直角方向で広がるように配設されており、外周面が第二の取付部材94に重ね合わされて保持されていると共に、外周端部が本体ゴム弾性体96の下面と固定部材108との軸方向間で挟持されている。
これにより、流体室110が仕切部材112を挟んで上下に二分されており、仕切部材112を挟んだ上方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体96で構成された受圧室122が形成されている一方、仕切部材112を挟んだ下方には、壁部の一部が可撓性膜106で構成された平衡室124が形成されている。
さらに、第二の取付部材94で覆われてトンネル状とされた周溝120の両端部が受圧室122と平衡室124の各一方に連通されており、受圧室122と平衡室124を相互に連通するオリフィス通路126が形成されている。
更にまた、可動膜118の上面に受圧室122の液圧が及ぼされていると共に、下面に平衡室124の液圧が及ぼされており、受圧室122と平衡室124の相対的な圧力変動によって可動膜118が上下に弾性変形して、液圧が伝達されるようになっている。
ここにおいて、受圧室122には磁性流体50が封入されており、この磁性流体50が受圧室122内に配設された永久磁石128,128,128,128によって、所定の位置に保持されている。永久磁石128は、図10に示すように、周方向に所定の長さで延びており、同一周上で四つが互いに所定距離を隔てて配設されている。
さらに、永久磁石128,128,128,128は、第一の取付部材92によって支持されて受圧室122内に配置されている。具体的には、永久磁石128は、図9に示すように、支持部材130に固定されており、支持部材130が第一の取付部材92のかしめ片100にかしめ固定されることで、第一の取付部材92によって支持されている。支持部材130は、逆向きの略有底円筒形状を呈すると共に、上底壁部の外周端部が外周に向かって下傾するテーパ形状とされている。そして、支持部材130の上底壁部の外周端部に四つの永久磁石128,128,128,128が固着されている。なお、各永久磁石128は、支持部材130に対する重ね合わせ方向にそれぞれ着磁されている。
そして、受圧室122に封入された磁性流体50は、永久磁石128,128,128,128の磁場が常時印加されることにより、粘度が増大せしめられていると共に、磁気的な吸引力が及ぼされている。これにより、磁性流体50は、本体ゴム弾性体96と支持部材130の上底壁部との間に形成された狭窄領域132に常時保持されている。
このような構造とされたエンジンマウント90は、第一の取付部材92が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付部材94が図示しない車両ボデーに取り付けられることにより、車両に装着される。
そして、車両装着状態でエンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が上下方向に入力されると、オリフィス通路126を通じて流動する流体の共振作用等に基づいて、目的とする防振効果が発揮される。
また、アイドリング振動や走行こもり音に相当する中乃至高周波小振幅振動の入力時には、オリフィス通路126が***振によって実質的に遮断されると共に、可動膜118の弾性変形による液圧吸収作用が有効に基づいて目的とする防振効果が発揮される。
また、軸方向および軸直角方向の振動入力に対しては、磁性流体50の粘性抵抗などに基づく防振効果が発揮される。即ち、第一の取付部材92が第二の取付部材94に対して相対変位すると、本体ゴム弾性体96と支持部材130の間に形成された狭窄領域132が変形して、狭窄領域132において流体流動が生ぜしめられる。それ故、永久磁石128で保持された磁性流体50の粘性などに基づいて、振動エネルギーに対する減衰作用を得ることができる。
このように、お椀形のエンジンマウント90においても、本発明を適用することで、筒形の流体封入式防振装置と同様に、簡単な構造によって入力方向や周波数の異なる複数種類の入力振動に対して、有効な防振効果を得ることができる。
図11,12には、本発明の第六の実施形態としてのエンジンマウント140が示されている。エンジンマウント140では、永久磁石142が第一の取付部材92の外周面に固着されていると共に、本体ゴム弾性体96に形成された保持凹所144に磁性流体50が保持されている。
より詳細には、永久磁石142は、第一の取付部材92の外周面に開口する四つの凹所146,146,146,146にそれぞれ配設されている。
また、保持凹所144は、周方向に所定の長さをもって略上下に延びる凹所であって、大径凹所102の上底面に開口している。更に、保持凹所144は、本体ゴム弾性体96の内周部分において周上で所定の距離を隔てた四つが形成されている。更にまた、保持凹所144が永久磁石142の外周側にまで達する深さで形成されており、各保持凹所144に各永久磁石142の磁場が作用している。なお、本実施形態では、保持凹所144内の領域が受圧室122の一部を構成しており、保持凹所144内に狭窄領域が設けられている。
図11に示すように、受圧室122に封入された磁性流体50は、永久磁石142の磁場が印加されており、粘度が増大せしめられると共に、磁気的な吸引力が及ぼされることによって、保持凹所144内に保持されている。そして、第一の取付部材92と第二の取付部材94の間に振動が入力されると、本体ゴム弾性体96の弾性変形によって保持凹所144が変形して、保持凹所144内に流体流動が生じるようになっている。これにより、磁性流体50の粘性などに基づくエネルギー減衰作用によって、目的とする防振効果が有効に発揮される。
また、永久磁石142が第一の取付部材92に直接的に支持されると共に、狭窄領域が本体ゴム弾性体96に形成された保持凹所144によって構成されることから、第五の実施形態の支持部材130の如き部材が不要とされており、部品点数の少ない簡単な構造とすることができる。
図13,14には、本発明の第七の実施形態としてのエンジンマウント150が示されている。エンジンマウント150では、永久磁石152が、仕切部材112に設けられた支持部材154に固着されて、第二の取付部材94側に支持されている。
より詳細には、支持部材154は、周方向に連続して仕切部材112の上面に固着される固着部156と、固着部156から上方に向かって突出する複数の支柱部158とを一体で備えており、支柱部158の先端部分に永久磁石152が重ね合わされて固着されている。なお、永久磁石152が固着される支柱部158の先端部分は、先端側に向かって内周側に傾斜するテーパ形状とされており、支柱部158の先端部分と大径凹所102の壁内面との間に狭窄領域160が形成されている。また、永久磁石152は、支柱部158に対する重ね合わせ方向に着磁されている。
図13に示すように、受圧室122に封入された磁性流体50は、永久磁石152の磁場が印加されることによって、狭窄領域160に保持されている。そして、第一の取付部材92と第二の取付部材94の間に振動が入力されて、第一の取付部材92と第二の取付部材94が相対変位することにより、狭窄領域160が変形して流体流動が生ぜしめられる。その結果、磁性流体50の粘性などに基づくエネルギー減衰作用が発揮されて、目的とする防振効果を有効に得ることができる。
図15,16には、本発明の第八の実施形態としてのエンジンマウント170が示されている。エンジンマウント170では、永久磁石172が、仕切部材本体114から突出する複数の支柱部174にそれぞれ固着されて、第二の取付部材94側に支持されており、本体ゴム弾性体96に突出形成された狭窄凸部176と対向せしめられている。
より詳細には、支柱部174は、仕切部材本体114の内周端部から上方に向かって突出しており、四つが周方向に所定距離を隔てて配置されている。また、支柱部174には内周面に開口する凹溝175が形成されており、その凹溝175に永久磁石172が嵌め入れられて固着されている。なお、永久磁石172は、支柱部174との重ね合わせ方向(マウント軸直角方向)に着磁されている。
また、本体ゴム弾性体96には、大径凹所102の上底壁部から下方に向かって突出する四つの狭窄凸部176,176,176,176が形成されている。この狭窄凸部176は、先端部分が永久磁石172と軸直角方向で対向する位置まで延び出しており、永久磁石172と狭窄凸部176の間に狭窄領域178が形成されている。
図16に示すように、受圧室122に封入された磁性流体50は、永久磁石172の磁場が印加されることによって、狭窄領域178に保持されている。そして、第一の取付部材92と第二の取付部材94が振動入力によって相対変位すると、支柱部174および永久磁石172と狭窄凸部176の対向面間で流体流動が生ぜしめられて、粘性抵抗などに基づく防振効果が有効に発揮されるようになっている。
また、支柱部174および永久磁石172と狭窄凸部176が軸直角方向で接近変位して当接しても、狭窄凸部176が弾性変形することで当接による衝撃力が低減されるようになっており、打音が低減されている。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、機能性流体は、流体室を構成する2室以上に封入されてそれぞれ保持されていても良く、前記実施形態のように受圧室だけに封入保持される態様には限定されない。
また、前記実施形態では、流体室として受圧室と平衡室の2室を備える構造が例示されているが、流体室は、必ずしも2室だけを備える構造には限定されず、1室のみで構成されていても良いし、3室以上の複数室を備えていても良い。
さらに、オリフィス通路は必須ではなく、特に流体室が1室のみで構成されている場合には、オリフィス通路は設けられない。
また、流体室が2室で構成されている場合に、必ずしも受圧室と平衡室の組み合わせである必要はなく、例えば、それら2室が何れも壁部の一部を本体ゴム弾性体で構成された受圧室とされていても良い。
また、前記実施形態では、機能性流体と保持手段として、磁性流体と永久磁石の組み合わせが例示されているが、機能性流体と保持手段はそれらに限定されるものではない。具体的には、例えば、機能性流体として磁性流体を採用すると共に、保持手段として電磁石を採用して、電磁石に常時通電することで、磁性流体を保持するための磁場を得ることもできる。更に、例えば、機能性流体として電気粘性流体を採用すると共に、保持手段として電極を備えた通電手段を採用して、通電手段によって電気粘性流体に常時電圧(電場)を印加することで、電気粘性流体の粘度を増大せしめて所定の位置に保持することもできる。
10,60,70,80,90,140,150,170:エンジンマウント(流体封入式防振装置)、12,92:第一の取付部材、14,94:第二の取付部材、16,96:本体ゴム弾性体、36,106:可撓性膜、40,122:受圧室(主液室)、42,124:平衡室(副液室)、44:非圧縮性流体、46,126:オリフィス通路、50:磁性流体(機能性流体)、52,62,72,82,128,142,152,172:永久磁石(保持手段、磁場印加手段)、54,64,74,84,132,160,178:狭窄領域、110:流体室

Claims (8)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて内部に非圧縮性流体を封入された流体室が形成されている流体封入式防振装置において、
    前記流体室に機能性流体が封入されていると共に、該機能性流体に電圧又は磁場を常時印加して該機能性流体を所定位置に保持する保持手段が設けられていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記流体室が主液室と副液室を含んで構成されており、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路が形成されていると共に、それら主液室と副液室の少なくとも一方に前記機能性流体が封入されて前記保持手段によって保持されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記主液室が壁部の一部を前記本体ゴム弾性体で構成された受圧室とされていると共に、前記副液室が壁部の一部を可撓性膜で構成された平衡室とされており、前記機能性流体が該受圧室に封入されて前記保持手段によって保持されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記機能性流体が前記保持手段によって前記オリフィス通路の開口部を外れた位置に保持されている請求項2又は3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記機能性流体が磁性流体とされていると共に、前記保持手段が該機能性流体に磁場を印加する磁場印加手段とされている請求項1〜4の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記磁場印加手段が永久磁石とされている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記流体室には前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の相対変位によって変形する狭窄領域が設けられており、前記機能性流体が前記保持手段によって該狭窄領域に保持されている請求項1〜6の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記保持手段で電圧又は磁場を印加された前記機能性流体の粘度が前記非圧縮性流体の粘度よりも大きくされている請求項1〜7の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
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