以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的斜視図である。 図2及び図3は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。図2は、図1のA1−A2線断面図である。図3は、図1のA3−A4線断面図である。
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。図4(a)は、後述する第2電極80の平面パターンを例示している。図4(b)は、後述する第3半導体層60の平面パターンを例示している。
図1、図2、図3、図4(a)及び図4(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110は、第1電極40と、第1半導体層10と、発光層30と、第2半導体層20と、第3半導体層60と、第2電極80と、を含む。
第1半導体層10は、第1電極40の上に設けられる。第1半導体層10は、窒化物半導体を含み、第1導電形である。発光層30は、第1半導体層10の上に設けられ、窒化物半導体を含む。第2半導体層20は、発光層30の上に設けられ、窒化物半導体を含み、第2導電形である。
例えば、第1導電形はp形であり、第2導電形はn形である。実施形態において、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形でも良い。以下では、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形であるとして説明する。
第3半導体層60は、第2半導体層20の一部の上に設けられる。第3半導体層60における第2導電形の不純物の濃度は、第2半導体層20における第2導電形の不純物の濃度よりも低い。第3半導体層60は、窒化物半導体を含む。
このように、半導体発光素子110において、第1半導体層10、発光層30、第2半導体層20及び第3半導体層60を含む積層半導体層15が設けられる。
第1導電形(p形)の不純物として、例えば、Mg、Zn及びCの少なくともいずれかが用いられる。第2導電形(n形)の不純物として、例えば、Si、Ge、Te及びSnの少なくともいずれかが用いられる。
第2半導体層20は、第2導電形の不純物として、例えば、Siを含む。第3半導体層60におけるSiの濃度は、第2半導体層20におけるSiの濃度よりも低い。
第1半導体層10は、p形の不純物(Mg、Zn及びCの少なくともいずれか)を含む例えばGaN層を含む。第1半導体層10における、p形不純物の濃度は、例えば、1×1018cm−3以上5×1021cm−3以下であるである。第1半導体層10は、例えば、p側コンタクト層を含む。
第2半導体層20は、n形の不純物(Si、Ge、Te及びSnの少なくともいずれか)を含む例えばGaN層を含む。第2半導体層20における、p形不純物の濃度は、例えば、1×1017cm−3以上2×1019cm−3以下であるである。第2半導体層20は、例えば、n側コンタクト層を含む。
第3半導体層60は、例えば、n形の不純物(Si、Ge、Te及びSnなど)がドープされない窒化物半導体層(例えば、GaN層、AlN層、及び、AlGaN層の少なくともいずれか)を含む。第3半導体層60における、p形またはn形の不純物の濃度は、例えば、1×1017cm−3以下である。第3半導体層60における、p形またはn形の不純物の濃度は、さらに好ましくは、1×1016cm−3以下の(例えばノンドープ)である。
第3半導体層60における第2導電形の不純物の濃度は、第2半導体層20における第2導電形の不純物の濃度の0.5倍以下である。
積層半導体層15及び発光層30の例については後述する。
第1半導体層10から第2半導体層20に向かう積層方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
例えば、半導体発光素子110をZ軸方向に沿ってみたときの形状(平面形状)は、矩形(例えば長方形)である。半導体発光素子110の平面形状の1つの辺は、例えばX軸方向に沿う。半導体発光素子110の平面形状の別の辺は、例えばY軸方向に沿う。但し、実施形態において、X軸方向と半導体発光素子110の辺の方向との関係は、任意である。
第2電極80は、パッド部81と、細線部82と、を含む。パッド部81は、第3半導体層60の上に設けられる。細線部82は、パッド部81から延出し、第2半導体層20に接する。細線部82は、細線82aと、接続部82bと、を含む。細線82aは、X−Y平面に沿って延在する。細線82aは、第2半導体層20に接する。接続部82bは、細線82aとパッド部81との間に設けられ、細線82aとパッド部81とを互いに接続する。接続部82bは、少なくとも第3半導体層60の側面に沿う。このように、細線部82は、第1半導体層10から第2半導体層20に向かう積層方向(Z軸方向)に対して垂直な平面(X−Y平面)に沿って延在する部分(細線82a)を有する。
第3半導体層60は、上面60uと下面60lとを有する。第3半導体層60の下面60lは、第2半導体層20に対向する。上面60uは、下面60lとは反対側の面である。第3半導体層60の上面60uは、第2電極80に覆われている部分60pと、第2電極80に覆われていない部分60qと、を有する。この例では、第3半導体層60は、凹凸65を有する。凹凸65は、第3半導体層60の上面60uのうちで少なくとも第2電極80に覆われていない部分60qに設けられる。
第1電極40は、第1半導体層10の下面10lに設けられる。この例では、半導体発光素子110は、支持基板70と、第1中間導電層71と、第2中間導電層72と、をさらに含む。支持基板70は、導電性である。支持基板70には、例えば、導電性のシリコン基板などが用いられる。支持基板70の上に、第1電極40が設けられる。すなわち、支持基板70と第1半導体層10との間に第1電極40が配置される。第1中間導電層71は、支持基板70と第1電極40との間に設けられる。第2中間導電層72は、支持基板70と第1中間導電層71との間に設けられる。
例えば、第1中間導電層71は、第1電極40の表面(下面10l)上に形成される。第2中間導電層72は、支持基板70の表面に形成される。第1中間導電層71と第2中間導電層72とを互いに対向させて、第1中間導電層71と第2中間導電層72とを接合することで、支持基板70は第1電極40と接合される。
第1中間導電層71は、例えば接着金属層である。第1中間導電層71には、例えばTiまたはTi合金が用いられる。第2中間導電層72は、接合用金属層である。第2中間導電層72には、例えば、AnSn合金などが用いられる。
第2電極80及び第1電極40には、金属(合金を含む)が用いられる。第2電極80の細線部82の材料は、パッド部81の少なくとも一部と同じ材料である。これにより、良好な電気特性が得られ、また、製造も簡単になる。
半導体発光素子110は、例えば、Thin Film形の半導体発光素子である。後述するように、半導体発光素子110においては、成長用基板の上に、第3半導体層60、第2半導体層20、発光層30及び第1半導体層10が、順次、結晶成長された後に、積層半導体層15に支持基板が接合され、その後、成長用基板が除去される。積層半導体層15への支持基板の接合は、例えば、接合用金属層などを介して、または直接、行われる。
なお、本明細書において、「接合」は、直接的に固定される状態の他に、間に別の要素を挿入した状態で固定される状態も含む。また、「上に設けられる」は、直接的に接して配置される場合の他に、間に別の要素が挿入されて配置される場合も含む。また、「対向」は、直接的に面する状態の他に、間に別の要素が挿入されて間接的に面する状態も含む。また、「積層」とは、互いに接して重ねられる状態の他に、間に他の層が挿入されて重ねられる状態も含む。
半導体発光素子110において、第2電極80と第1電極40との間に電圧が印加され、第1半導体層10と第2半導体層20とを介して発光層30に電流が供給され、発光層30から光が放出される。発光のピークの波長は、例えば、370ナノメートル(nm)以上700nm以下である。光は、主に、半導体発光素子110の上面から外部に出射する。
第2半導体層20の上側部分には、例えば、n側コンタクト層が設けられ、このn側コンタクト層と細線82aとが接する。細線82aは、第2半導体層20(具体的にはn側コンタクト層)とオーミック接触している。
一方、第3半導体層60における不純物濃度は低い。第3半導体層60の電気抵抗は、第2半導体層20の電気抵抗の2倍以上である。このため、第3半導体層60の上面60uに設けられるパッド部81と第3半導体層60との間の電気抵抗は、細線82aと第2半導体層20との間の電気抵抗よりも高い。
このため、第2電極80と第1電極40との間に電圧を印加したときに、第2電極80のうちの細線部82(細線82a)と第2半導体層20との間に電流が流れ、第2電極80のうちのパッド部81と第3半導体層60との間には実質的には電流は流れない。このため、パッド部81の直下及びその近傍での発光が抑制される。細線部82(細線82a)の下側及びその近傍において発光する。
パッド部81には、電気的な接続性の観点から、金属(合金を含む)が用いられる。もし、パッド部81の直下及びその近傍で発光する場合には、その光は、パッド部81により遮られ、素子の外部に直接に出射せず、損失が生じる。
これに対して、実施形態においては、パッド部81は、不純物濃度の低い第3半導体層60の上に設けられるため、パッド部81の直下及びその近傍での発光が抑制される。そして、細線部82(細線82a)から第2半導体層20へ電流が注入され、パッド部81以外の部分での発光が促進される。
細線部82は、X−Y平面内に延在しており、X−Y平面内に電流を広げる機能を有する。半導体層を流れる電流はある程度拡散するため、細線部82から注入された電流は、細線部82の直下だけでなく細線部82の直下以外の部分の半導体層にも流れる。このため、発光層30において比較的均一な電流が流れる。このように、半導体層を流れる電流が拡散するため、細線部82の幅(細線部82の延在方向に対して垂直方向の長さ)は、比較的狭く設定することができる。細線部82の直下で発光した光は、各層の界面または第1電極40などで反射して方向を変え、比較的反射の回数が少ない状態で、素子の上面から出射できる。このため、光が取り出されるまでに生じる吸収に起因する損失の程度は、低い。
一方、ボンディングなどの電気的な接続性の観点から、パッド部81のサイズ(幅)は比較的大きく設定される。このため、もしパッド部81の直下で発光する場合は、その光が、各層の界面または第1電極40などで反射して方向を変えて素子の上面から出射するためには、反射の回数が多くなり、損失が大きい。このため、パッド部81の直下における発光をできる限り抑制することが望まれる。
実施形態においては、パッド部81が、不純物濃度の低い第3半導体層60の上に設けられるため、パッド部81の直下及びその近傍での発光が抑制されるため、損失が抑制できる。これにより、高い効率が得られる。
本実施形態において、第3半導体層60のX−Y平面における面積は、第2半導体層20のX−Y平面における面積の2%以上10%以下であることが好ましい。第3半導体層60のX−Y平面における面積がこの範囲であると、第2電極80の細線部82の面積が確保され、発光が促進される。第3半導体層60のX−Y平面における面積が大きすぎると光取り出しが妨げられ、少なすぎると電流の注入が不足する恐れがある。
実施形態において、第2電極80のX−Y平面の面積S1に対するパッド部81のX−Y平面の面積S2の比(S2/S1)は、20%以上656%以下である。である。パッド部81の面積がこのように大きいときに、本実施形態による効率向上の効果が得易い。
細線部82の延在方向に直交する方向(例えばY軸方向)に沿った細線部82aの幅は、パッド部81のその方向(Y軸方向に沿った幅)の6%以上15%以下であることが好ましい。この範囲であると、第2電極80の細線部82から電流を十分に注入しつつ、光取り出しの効率を高めることができる。
なお、パッド部81からの電流の注入を抑制するために、第3半導体層60を設けずに、第2半導体層20の一部の上に、例えばSiO2などの絶縁層を設ける構成が考えられる。しかし、このような絶縁層は、熱伝導率が窒化物半導体よりも低いため、熱が蓄積し易い。また、窒化物半導体とは異なる材料の絶縁層を設けることで、絶縁層と窒化物半導体との密着性が低く、信頼性が低下することがある。また、それらの間の熱膨張係数の差に起因して、クラックなどの欠陥が生じ、信頼性が低下し易くなる。さらに、SiO2などの絶縁層と第2電極80に用いられる金属(例えばAlなど)との密着性は低い。工程数も増える。
これに対して、実施形態においては、パッド部81からの電流の注入を抑制するために、熱伝導性の良好な窒化物半導体の第3半導体層60を用いる。これにより、熱が蓄積し難い。また、他の半導体層と類似の材料の第3半導体層60を用いることで、高い密着性が得られ、また、熱膨張係数の差が生じず、クラックなどの欠陥が抑制され、信頼性が高い。窒化物半導体の第3半導体層60と第2電極80に用いられる金属(例えばAlなど)との密着性は高い。第2半導体層20の成長の前に成長される第3半導体層60を用いるため、工程が増えることがない。
第3半導体層60の導電率を制御することで、パッド部81から半導体層に注入される電流と、細線部82から半導体層に注入される電流と、の比を、任意の割合にすることができる。このように、パッド部81の下に絶縁層ではなく、第3半導体層30を設けることで、パッド部81の周辺における電流密度を適切な状態に調整でき、発光分布をより所望の状態に近づけることができる。これにより、効率がさらに高まる。
例えば、第3半導体層60を設けない場合におけるパッド部81の近傍における集中的な発光強度は、他の部分の1.5倍程度である。このとき、第3半導体層60における電流密度を、第2半導体層20における電流密度の1/1.5程度にすると電流が均一化できる。このために、例えば、第3半導体層60の抵抗を、第2半導体層20の抵抗の1.5倍にする。
第3半導体層60の抵抗は、第3半導体層60の厚さと第3半導体層60における導電率(例えば不純物濃度に基づく値)と、に基づく。第2半導体層30の抵抗は、第3半導体層30の厚さと第3半導体層30における導電率(例えば不純物濃度に基づく値)と、に基づく。第3半導体層60の導電率は、厚さを考慮して定める。
さらに、第2半導体層20がn形である場合、第2電極80から電子が第2半導体層に注入される。電子の注入効率は高い。このため、もし、第3半導体層60を設けずにパッド部81も第2半導体層20に接触させる場合には、パッド部81及びその近傍から電子が第2半導体層20に注入され、細線部82からの電子の注入が抑制される。すなわち、パッド部81の近傍だけで局所的に電流が注入されてしまい、細線部82からは電流が注入されない状態となる。このため、光を取り出し難い、パッド部81及びその近傍において局所的に発光し、他の部分での発光が低くなってしまう。すなわち、面内発光分布は不均一であり、光取り出し効率が低下する。
これに対して、実施形態においては、第2半導体層20がn形である場合においても、パッド部81が高抵抗の第3半導体層60の上に設けられ、パッド部81及びその近傍からの第2半導体層20への注入が抑制されるため、面内発光分布が均一になり、高い光取り出し効率が得られる。その結果、効率が高い。
このように、第1導電形がp側であり第2導電形がn形である場合に、実施形態による高い光取り出し効率の向上が、より効果的となる。
図4(b)に表したように、第3半導体層60は、第2半導体層20の一部の上に設けられている。例えば、第3半導体層60に、第3半導体層60を貫通するトレンチ60tが設けられる。トレンチ60tは、第2半導体層20に到達している。トレンチ60tにおいて第2半導体層20が露出している。
図4(a)に表したように、トレンチ60tに埋め込まれるように、第2電極80の細線部82の細線82aが設けられている。
実施形態において、細線部82は、X−Y平面内に電流を広げる機能を有する。このため、細線部82は、複数設けられることが好ましい。細線部82の平面形状(X−Y平面に投影したときの形状)は、閉じた形状でも良く、開いた形状でも良い。
図2及び図3に例示したように、この例では、細線82aは、第2半導体層20に埋め込まれている。このように、細線部82の少なくとも一部は、第2半導体層20に埋め込まれても良い。細線部82(細線82a)の少なくとも一部が、第2半導体層20に埋め込まれると、細線部82の底面と第2半導体層20との接触に加えて、細線部82の側面と第2半導体層20とが接触する。このため、細線部82と第2半導体層20との間の電気抵抗をより低減できる。
第2電極80及び第1電極40は、発光層30から放出される光に対して反射性であることが好ましい。これにより、光取り出し効率が向上できる。
例えば、第2電極80は、Alを含むことが好ましい。Alは、n形の窒化物半導体に対してのオーミック接触性が良好である。第2電極80が、Al、または、Alを含む合金を含むことで、高い反射性と高い電気特性とが得られる。
第1電極40は、Agを含むことが好ましい。Agは、p形の窒化物半導体に対してのオーミック接触性が良好である。第1電極40が、Ag、または、Agを含む合金を含むことで、高い反射性と高い電気特性とが得られる。
例えば、凹凸65の深さは、発光層30から放出される光のピーク波長の0.8倍以上である。例えば、凹凸65の深さは、光のピーク波長の5倍以下である。凹凸65により、発光層30から放出される光を素子の外に効率良く取り出すことができる。
図2に例示したように、パッド部81から、細線部82が、第3半導体層60の側面60sに沿って延出し、第2半導体層20の上に延在する。すなわち、第3半導体層60の上に設けられるパッド部81と、第2半導体層20に接する細線82aとは、その間の接続部82bにより接続される。このとき、接続部82bにおいて断線しないように、第3半導体層60の側面60sは、順テーパであることが好ましい。
例えば、第3半導体層60の側面60sのうちで第2電極80が設けられている部分と、X−Y平面と、の間の角度θは、20度以上85度以下であることが好ましい。
第3半導体層60の側面60sのテーパの角度θは、第3半導体層60の加工の際のエッチング条件等により調整される。第3半導体層60の加工条件には、積層半導体層15を加工して素子を分断する加工の条件と同様の条件を用いることができる。これにより、加工の安定性が向上する。このときは、第3半導体層60の側面60sのテーパの角度θは、積層半導体層15の側面のテーパの角度と実質的に一致する。例えば、第3半導体層60の側面60sのうちで第2電極80が設けられている部分と、X−Y平面と、の間の角度θは、第2半導体層20の側面と、X−Y平面との間の角度θ1と同じであることが好ましい。
図5は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。 図5は、積層半導体層15が結晶成長されるときの状態を例示している。すなわち、図5は、半導体発光素子110の製造工程の1つの段階の状態を例示している。
図5に表したように、成長用基板5の上に、積層半導体膜15fがエピタキシャル成長される。積層半導体膜15fは、積層半導体層15となる。積層半導体膜15fの成長方法には、例えば、有機金属気相堆積(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、または、有機金属気相成長(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法などを用いることができる。成長用基板5と積層半導体膜15fが、積層体16に含まれる。
成長用基板5には、例えばシリコン(Si)が用いられる。実施形態はこれに限らず、例えば、成長用基板5には、Si、SiO2、石英、サファイア、GaN、SiC及びGaAsのいずれかが用いられる。このとき、成長用基板5の面方位は任意である。以下では、成長用基板5としてSi基板を用いる例について説明する。
成長用基板5の上に第3半導体膜60fが形成される。第3半導体膜60fは、第3半導体層60の少なくとも一部となる。第3半導体膜60fの上に、第2半導体膜20fが設けられる。第2半導体膜20fは、第2半導体層20となる。第2半導体膜20fの上に発光膜30fが設けられる。発光膜30fは、発光層30となる。発光膜30fの上に第1半導体膜10fが設けられる。第1半導体膜10fは、第1半導体層10となる。
この例では、第3半導体膜60fとして、例えば、AlN層62aと、AlGaN層63aと、積層中間層64と、が設けられる。AlN層62aは、成長用基板5の上に形成される。
AlN層62aは、低温成長または高温成長により形成される。
低温成長の場合は、AlN層62aの形成温度は、例えば、400℃以上500℃以下である。低温成長の場合のAlN層62aの厚さは、例えば、30nm以上100nm以下である。
高温成長の場合は、AlN層62aの形成温度は、例えば、700℃以上1200℃以下である。高温成長の場合のAlN層62aの厚さは、例えば、100nm以上300nm以下である。
AlN層62aとして、低温成長のAlN層と、高温成長のAlN層と、の積層膜を用いても良い。
AlGaN層63aは、AlN層62aの上に形成される。AlGaN層63aの形成温度は、例えば、800℃以上1200℃以下である。AlGaN層63aの厚さは、例えば、300nm以上2000nm以下である。AlGaN層63aにおけるAl組成比は、0.15以上1未満である。AlGaN層63aは、Al組成比の異なる複数の層の積層膜を含んでも良い。AlGaN層63aは、組成比の連続的な変化を有しても良い。
積層中間層64は、AlGaN層63aの上に形成される。積層中間層64は、複数の第1層61と、複数の第2層62と、を含む。複数の第1層61と、複数の第2層62と、は、交互に積層される。この例では、第1層61と第2層62との間に第3層63が設けられている。第1層61の上に第2層62が設けられ、第2層62の上に第3層63が設けられ、第3層63の上に別の第1層61が設けられる。
第2層62におけるAl組成比は、第1層61におけるAl組成比よりも高い。第1層61には、例えばGaNが用いられる。第2層62には、例えばAlx1Ga1−x1N(0<x1≦1)が用いられる。第3層63には、Alx2Ga1−x2N(0<x2<x1)が用いられる。
第1層61の厚さは、例えば150nm以上1000nm以下であり、第2層62の厚さは、10nm以上200nm以下であり、第3層63の厚さは、20nm以上300nm以下である。このとき、積層数(第1層61の数、または、第2層62の数)は、1以上5以下である。
積層中間層64の全体の厚さは、例えば、200nm以上7500nm以下である。第1層61の形成温度は、例えば、800℃以上1100℃以下であり、第2層62の形成温度は、例えば、500℃以上800℃以下であり、第3層63の形成温度は、700℃以上1200℃以下である。
この例では、AlGaN層63aの上に第1層61が設けられている。また、最後の第3層63の上に、第2半導体膜20fが設けられている。
最も上の第3層63(AlGaN層)は、例えば、第2半導体膜20f(第2半導体層20)に接する。ただし、実施形態において、最も上の第3層63と第2半導体膜20f(第2半導体層20)との間に、別の層が設けられても良い。例えば、半導体発光素子110は、最も上の第3層63と第2半導体膜20f(第2半導体層20)との間に設けられた積層膜をさらに含んでも良い。この積層膜は、例えば、交互に積層された、複数の高バンドギャップエネルギー層と、複数の低バンドギャップエネルギー層と、を含む。高バンドギャップエネルギー層は、例えばGaN層である。低バンドギャップエネルギー層は、例えばInGaN層である。この積層膜により、例えば良好な結晶性が得られる。この積層膜は、例えば、第3半導体膜60f(第3半導体層60)の一部と見なしても良い。
積層中間層64のうちで最も上の層は、第3層63(AlGaN層)ではなく、他の層でも良い。例えば、積層中間層64の最も上に、第1層61(例えばGaN層)が配置されても良い。また、積層中間層64の最も上に、第2層62(例えばAlN層)が配置されても良い。
半導体発光素子110において、第3半導体層60は、例えば、積層中間層64の少なくとも一部を含む。第3半導体層60は、第1層61を含む。第3半導体層60は、例えば、第3層63をさらに含む。第3半導体層60は、例えば、第2層62を含む。第3半導体層60は、AlGaN層62a及びAlN層63aをさらに含んでも良い。
このように、第3半導体層60は、GaN層(例えば第1層61)を含むことができる。このGaN層における第2導電形の不純物の濃度は、1×1017/cm3以下である。
第3半導体層60は、Alx1GaN1−x1N層(0<x1≦1)、すなわち、第2層62及び第3層63の少なくともいずれか、を含むことができる。
すなわち、第3半導体層60は、窒化物半導体積層膜を含むことができる。この窒化物半導体積層膜は、Alz1Ga1−z1N層(0<z1<1)と、Alz1Ga1−z1N層の上に設けられたAlz2Ga1−z2N層(z1<z2≦1)と、Alz2Ga1−z2N層の上に設けられたAlz3Ga1−z3N層(0≦z3<x1)と、を含むことができる。Alz1Ga1−z1N層は、例えば、第3層63であり、Alz2Ga1−z2N層は、例えば第2層62であり、Alz3Ga1−z3N層(0≦z3<x1)は、例えば第1層61である。
この窒化物半導体積層膜は、積層方向(Z軸方向)に複数積層されてもよい。
図6は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。 図6は、発光層30の構成の1つの例を示している。
図6に表したように、発光層30は、複数の障壁層31と、複数の障壁層31どうしの間に設けられた井戸層32と、を含む。例えば、複数の障壁層31と、複数の井戸層32と、がZ軸方向に沿って交互に積層される。
井戸層32は、Inx0Ga1−x0N(0<x0<1)を含む。障壁層31は、GaNを含む。すなわち、井戸層32はInを含み、障壁層31はInを実質的に含まない。障壁層31におけるバンドギャップエネルギーは、井戸層32におけるバンドギャップエネルギーよりも大きい。
発光層30は、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光層30は、2つの障壁層31と、その障壁層31の間に設けられた井戸層32と、を含む。または、発光層30は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光層30は、3つ以上の障壁層31と、障壁層31どうしのそれぞれの間に設けられた井戸層32と、を含む。
すなわち、発光層30は、例えば、(n+1)個の障壁層31と、n個の井戸層32と、を含む(nは、2以上の整数)。第(i+1)障壁層BL(i+1)は、第i障壁層BLiと第1半導体層10との間に配置される(iは、1以上(n−1)以下の整数)。第(i+1)井戸層WL(i+1)は、第i井戸層WLiと第1半導体層10との間に配置される。第1障壁層BL1は、第2半導体層20と第1井戸層WL1との間に設けられる。第n井戸層WLnは、第n障壁層BLnと第(n+1)障壁層BL(n+1)との間に設けられる。第(n+1)障壁層BL(n+1)は、第n井戸層WLnと第1半導体層10との間に設けられる。
以下では、半導体発光素子110の製造方法の1つの例について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示するフローチャート図である。
図7に表したように、積層体16を準備する(ステップS110)。積層体16は、成長用基板5と、積層半導体膜15fと、を含む。積層半導体膜15fは、第1導電形の第1半導体膜10fと、成長用基板5と第1半導体膜10fとの間に設けられた第2導電形の第2半導体膜20fと、第1半導体膜10fと第2半導体膜20fとの間に設けられた発光膜30fと、成長用基板5と第2半導体膜20fとの間に設けられ第2導電形の不純物濃度が第2半導体膜20fよりも低い第3半導体膜60fと、を含む。
本製造方法は、積層体16を形成する工程(すなわち、成長用基板5の上に積層半導体膜15fを成長させる工程)を含んでも良い。
図7に表したように、第1電極40を形成する(ステップS120)。例えば、加工体の上面の全体に、第1電極40となるAg膜を形成する。Ag膜の厚さは、例えば、100nm以上400nm以下である。さらに、Ag膜の上に、第1中間導電層71となるTi膜を形成する。このTi膜の厚さは、例えば5nm以上100nm以下である。第1中間導電層71は、バリアメタルとして機能する。
図7に表したように、第1電極40に導電性の支持基板70を接合する(ステップS130)。例えば、支持基板70として、主面に第2中間導電層72(例えばAuSn層)が設けられたシリコン基板を準備する。第1中間導電層71と第2中間導電層72とを互いに対向させて、第1電極40と支持基板70とを配置する。そして、第1中間導電層71と第2中間導電層72とを接触させて加熱し、第1電極40と支持基板70とを接合する。
図7に表したように、成長用基板5を除去する(ステップS140)。この除去は、例えば、研削及びエッチングの少なくともいずれかの処理により行われる。
図7に表したように、第3半導体膜60fの一部を除去する(ステップS150)。例えば、第3半導体膜60fに、第3半導体膜60fを貫通するトレンチ(トレンチ60t)を形成する。
図7に表したように、第3半導体膜60fの表面に凹凸65を形成する。この凹凸65の形成は、例えば、KOHなどを用いたウエット処理、または、任意のドライエッチング処理などを用いることができる。
図7に表したように、第2電極80を形成する(ステップS170)。例えば、加工体の上に所定の形状のレジストを形成した後に、導電膜を形成し、レジストを除去することで所定の形状の導電膜が形成される。この導電膜の一部は、トレンチ60tを介して第2半導体膜20f(第2半導体層20)と接する。これにより、第2電極80の細線部82とパッド部81とが形成される。
これにより、半導体発光素子110が得られる。
なお、上記のステップS110〜S170の順番は、技術的に可能な範囲で入れ替えることができる。ステップS110〜S170の少なくとも2つは、技術的に可能な範囲で同時に実施しても良い。
本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法によれば、高効率の半導体発光素子の製造方法が提供できる。
上記の成長用基板5の除去(ステップS140)の際に、成長用基板5の上に形成した第3半導体膜60fの一部が残され、一部が除去される。例えば、第3半導体膜60fのうちのAlGaN層62a及びAlN層63aが除去され、積層中間層64の少なくとも一部が残る。例えば、残った積層中間層64の一部が、第3半導体層60となる。
凹凸65は、例えば、残った積層中間層64の少なくとも一部に形成される。凹凸65の一部が、第2半導体層20に到達しても良い。
図8(a)〜図8(c)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式図である。
図8(a)及び図8(b)は、成長用基板5の上に積層半導体膜15fを形成し、その後、成長用基板5を除去した後に、第1半導体層10の表面から半導体層に含まれる元素をSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により分析した結果を表している。これらの図の横軸は、Z軸方向(深さ方向)の位置である。図8(a)の縦軸は、Al(Alイオン)の濃度C(Al)である。図8(b)の縦軸は、Siの濃度C(Si)である。図8(c)は、図8(a)及び図8(b)の横軸に対応する半導体層を模式的に例示している。
図8(a)に表したように、第1半導体層10の一部において、Alの濃度が高い。このAlの濃度が高い部分は、電子オーバーフロー抑制層に対応する。発光層30及び第2半導体層20においては、Al濃度は低い。第3半導体層60においては、第3層63及び第2層62において、Al濃度が高い。第1層61においては、Al濃度は低い。
図8(a)に例示したように、第1層61、第2層62及び第3層63において、Alの濃度は連続的に変化しても良い。また、不連続的に変化しても良い。第1層61、第2層62及び第3層63どうしの境界が不明確な場合があるが、Alの濃度の高い部分と、低い部分と、中間の部分と、が存在することで、第1層61、第2層62及び第3層63の存在が確認できる。
図8(b)に例示したように、第1半導体層10においては、Siの濃度は低く、第2半導体層20において、Siの濃度が高い。この例では、発光層30において、Siが観測されている。発光層30におけるSiの濃度は、第2半導体層20におけるSiの濃度よりも低い。
この例では、第3半導体層60のうちの第2半導体層20の側の一部(第3層63)において、高い濃度のSiが検出されている(図8(b)の部分PA)。この部分において、Siの濃度の揺らぎが発生している。部分PAを除くと、第3半導体層60におけるSiの濃度は、第2半導体層20におけるSiの濃度よりも低い。このように、第3半導体層60のうちで第2導電形の不純物濃度が第2半導体層20における第2導電形の不純物濃度が低い部分と、第2半導体層20との間に、局所的に第2導電形の不純物濃度が第2半導体層20よりも高い部分(Siの濃度の揺らぎが発生している部分PA)が設けられていても良い。この場合は、第2導電形の不純物濃度が第2半導体層20における第2導電形の不純物濃度よりも低い部分を第3半導体層60と見なすことができる。
第3半導体層60の第1層61(GaN層)におけるSi(第2導電形の不純物)の濃度は、1×1017/cm3以下である。
(第2の実施形態)
図9及び図10は、第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。図9は、図1のA1−A2線断面に相当する断面図である。図10は、図1のA3−A4線断面に相当する断面図である。
図11は、第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。図11は、後述する高抵抗部45の平面パターンを例示している。
図9〜図11に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子120は、第1半導体層10、発光層30、第2半導体層20、第3半導体層60、第2電極80及び第1電極40に加え、高抵抗部45をさらに含む。第1半導体層10、発光層30、第2半導体層20、第3半導体層60、第2電極80及び第1電極40の構成は、半導体発光素子110と同様なので説明を省略する。半導体発光素子120における細線82aのパターンは、図4(a)に例示した通りである。
高抵抗部45は、第1電極40と第1半導体層10との間に設けられる。高抵抗部45は、積層方向(Z軸方向)に対して垂直な平面(X−Y平面)に投影したときに、細線82aと重なる。
高抵抗部45は、X−Y平面に投影したときに、細線82aと重なる部分45pを有する。この例では、高抵抗部45は、X−Y平面に投影したときに、パッド部81と重なる部分45qも有する。ただし、後述するように、パッド部81と重なる部分45qは設けられなくても良い。
高抵抗部45の抵抗は、第1半導体層10の抵抗よりも高い。または、高抵抗部45と第1半導体層10との接触抵抗は、第1電極40と第1半導体層10との間の接触抵抗よりも高い。または、高抵抗部45と第1電極40との接触抵抗は、第1半導体層10と第1電極40との接触抵抗よりも高い。
例えば、高抵抗部45の導電率は、第1半導体層10の導電率よりも低い。例えば、第1電極40と第1半導体層10との間に高抵抗部45が設けられていない部分における、第1電極40と第1半導体層10との間の電気抵抗は、第1電極40と第1半導体層10との間に高抵抗部45が設けられている部分における、第1電極40と第1半導体層10との間の電気抵抗よりも低い。
例えば、高抵抗部45は、絶縁性である。高抵抗部45は、金属酸化物、金属窒化物及び金属酸窒化物の少なくともいずれかを含むことができる。
例えば、第1電極40としてAgを用い第1半導体層10としてp形のGaNを用いる場合、高抵抗部45として、SiO2を用いると、高抵抗部45と第1半導体層10との接触抵抗は、第1電極40と第1半導体層10との間の接触抵抗よりも高くなる。
この例では、高抵抗部45は、第1電極40に埋め込まれているが、高抵抗部45は、第1半導体層10に埋め込まれても良い。
高抵抗部45は、第1電極40から第1半導体層10に流れる電流経路を制御する。高抵抗部45は、X−Y平面に投影したときに、細線82aと重なる部分を有しているため、細線82aと重なる部分の発光層30への電流を抑制し、この部分での発光を抑制する。これにより、光を遮蔽する細線82aの直下での発光が抑制されるため、発光効率がより向上する。
図12は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。図12は、図1のA1−A2線断面に相当する断面図である。
図13(a)〜図13(c)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。図13(a)は、第2電極80の平面パターンを例示している。図13(b)は、第3半導体層60の平面パターンを例示している。図13(c)は、高抵抗部45の平面パターンを例示している。
図12、及び、図13(a)〜図13(c)に表したように、半導体発光素子121は、半導体発光素子120と、高抵抗部45のパターンの点で異なる。これ以外の構成は、半導体発光素子120と同様なので説明を省略する。
半導体発光素子121においては、パッド部81と重なる部分45qは設けられていない。すなわち、高抵抗部45は、X−Y平面に投影したときに、パッド部81の少なくとも一部と重ならない。この場合も、高抵抗部45は、X−Y平面に投影したときに、細線82aと重なる部分45pを有する。
パッド部81の直下においては、第3半導体層60により電流の注入が抑制されているため、パッド部81の直下においては、高抵抗部45を設けなくても十分に発光が抑制される。このため、高抵抗部45のうちのパッド部81と重なる部分45qは、省略できる。
高抵抗部45として例えばSiO2などを用いた場合には、高抵抗部45は光吸収体として作用する。このため、高抵抗部45の面積を小さくすることで、光吸収がより抑えられる。
一方、X−Y平面内に電流を広げるために細線82aが設けられ、細線82aから電流(例えば電子流)が半導体層に注入される。細線82aは光を遮蔽(減衰)するため、細線82aの直下では、できるだけ発光しないようにすることがより好ましい。半導体発光素子120及び121においては、高抵抗部45を設けることで、細線82aの直下における発光を抑制し、より高い効率が得られる。さらに、高抵抗部45をパッド部81と重ならない形状とした半導体発光素子121においては、高抵抗部45における光吸収が抑制され、半導体発光素子120よりもさらに高い効率が得られる。
図14(a)及び図14(b)は、半導体発光素子の特性を例示する模式的平面図である。
図14(a)は、本実施形態に係る半導体発光素子121の発光特性を例示している。図14(b)は、参考例の半導体発光素子119の特性を例示している。半導体発光素子119においては、第3半導体層60が設けられず、第2電極80のパッド部81及び細線部82が、第2半導体層20に接している。さらに、半導体層119においては、高抵抗部45が設けられていない。これらの図において、明るい部分は発光の輝度が高いことを示し、暗い部分は発光の輝度が低いことを示している。
図14(b)に表したように、参考例の半導体発光素子119においては、パッド部81の近傍において、局所的に発光しており、パッド部81から遠い部分では、輝度が低い。このように、半導体発光素子119においては、発光が面内で不均一である。
図14(a)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子121においては、パッド部81の近傍での局所的な発光が抑制され、発光の面内均一性が向上している。この例では、パッド部81から遠い部分でも、高い輝度が得られている。なお、この例は、第3半導体層60によりパッド部81の近傍の局所的な発光を抑制できることを示すためのものであり、パッド部81から遠い部分における輝度が、パッド部81の近傍における輝度よりも高くなっている。しかしながら、後述するように、細線部82のパターンの設計を変えることで、面内の輝度の均一性をより高めることができる。
図15は、半導体発光素子の特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、半導体発光素子121及び半導体発光素子119の光出力Poの測定結果を例示している。図15の横軸は、波長λ(nm)である。図15の縦軸は、光出力Po(ミリワット:mW)である。
図15に表したように、実施形態に係る半導体発光素子121においては、参考例の半導体発光素子119に比べて、高い光出力Poが得られる。例えば、半導体発光素子120の光出力Poは、半導体発光素子119の光出力Poよりも約5%高い。
なお、半導体発光素子119において、第3半導体層60を設けず高抵抗部45だけを設ける構成(半導体発光素子119aとする)もある。これによっても、パッド部81及び細線82aの直下における発光が抑制され光出力が向上する。本願発明者の実験によると、この構成の半導体発光素子119aにおける光出力Poは、半導体発光素子119の光出力Poよりも、約3%高くなる。
また、高抵抗部45を設けない第1の実施形態に係る半導体発光素子110の光出力は、半導体発光素子119の光出力Poよりも、約2.5%高くなる。半導体発光素子110においては、第3半導体層60を残すという簡単な構成とプロセスにより、高い効率が得られる点が有利である。
また、第3半導体層60と高抵抗部45との両方を設ける第2の実施形態によれば、非常に高い効率が得られる。
図16(a)〜図16(c)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。図16(a)は、第2電極80の平面パターンを例示している。図16(b)は、第3半導体層60の平面パターンを例示している。図16(c)は、高抵抗部45の平面パターンを例示している。
図16(a)〜図16(c)に表したように、半導体発光素子122は、半導体発光素子121と、第3半導体層60から露出する第2半導体層20のパターン(すなわち、細線部82のパターン)の点で異なる。これ以外の構成は、半導体発光素子121と同様なので説明を省略する。
図16(b)に表したように、半導体発光素子122においては、第3半導体層60から露出する第2半導体層20が、パッド部81のパターンから離れている。第3半導体層60から露出する第2半導体層20と、パッド部81と、の間に、接続部82bが設けられる。
発光層30の1つの点から放出された光は、広がりながら半導体層中を進行する。このため、発光する位置を、光を遮蔽(減衰)させるパッド部81から一定の距離だけ離した方が光の取り出し効率が向上する。第3半導体層60から露出する第2半導体層20の端と、パッド部81と、の間のX−Y平面内に沿った距離は、例えば、第2半導体層20及び第3半導体層60の厚さの1倍以上である。そして、10倍以下程度が好ましい。例えば、第3半導体層60の厚さは、2μm以上3μm以下であるとき、第3半導体層60から露出する第2半導体層20の端と、パッド部81と、の間のX−Y平面内に沿った距離は、例えば5μm以上20μm以下である。
図17〜図19は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。図17〜図19は、図1のA1−A2線断面に相当する断面図である。
図17に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子123においては、第2電極80の一部が、第3半導体層60の上にも延在している。これ以外は、半導体発光素子121と同じである。
図18に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子124においては、細線部82のX−Y平面に沿って延在する部分(細線82a)の端が、第3半導体層60と離間している。これ以外は、半導体発光素子121と同じである。
半導体発光素子123または124においては、例えば、第2電極80のパターン形状の余裕度が広く、製造が容易になる。
図19に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子125においては、細線部82のX−Y平面に沿って延在する部分(細線82a)の上面82auは、第2半導体層20の上面20uよりも下である。これ以外は、半導体発光素子121と同じである。半導体発光素子125においては、第2半導体層20の厚さ、第3半導体層60に形成するトレンチ60tの深さ、及び、第2電極80の厚さなどの少なくともいずれかの余裕度が広くなり、製造が容易となる。
図20(a)〜図20(h)は、第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成及び特性を例示する模式的平面図である。
これらの図は、第2電極80のパターン形状を変えたときの発光特性をシミュレーションした結果を例示している。図20(a)〜図20(d)は、実施形態に係る半導体発光素子126〜129における第2電極80の形状を示している。図20(e)〜図20(h)は、半導体発光素子126〜129における発光の輝度の面内分布をそれぞれ表している。図20(e)〜図20(h)において、明るい部分は、輝度が高いことを示し、暗い部分は輝度が低いことを示している。これらの例では、高抵抗部45の構成は、半導体発光素子121の構成と同じである。すなわち、高抵抗部45は、細線82aと重なる位置に設けられ、パッド部81と重なる位置には設けられていない。
図20(a)に表したように、半導体発光素子126においては、X軸方向に延在する3本の細線82aの両端が、Y軸方向に延在する2本の細線82aで接続されている。図20(e)に表したように、半導体発光素子126においては、パッド部81の近傍だけに発光が集中するのではなく、細線82aの近傍においても発光しており、発光の面内均一性が高い。
図20(b)に表したように、半導体発光素子127においては、X軸方向に延在する3本の細線82aの一方の端が、Y軸方向に延在する1本の細線82aで接続されている。3本の細線82aの他方の端は、開放されている。図20(f)に表したように、半導体発光素子127においては、パッド部81の近傍での発光がより抑制されており、細線82aに沿った発光がより促進されている。
図20(c)に表したように、半導体発光素子128においては、X軸方向に延在する4本の細線82aの一方の端が、Y軸方向に延在する1本の細線82aで接続されている。4本の細線82aの他方の端は、開放されている。図20(g)に表したように、半導体発光素子128においては、発光の面内均一性が、半導体発光素子127よりもさらに向上している。
図20(d)に表したように、半導体発光素子129においては、X軸方向に延在する5本の細線82aの一方の端が、Y軸方向に延在する1本の細線82aで接続されている。5本の細線82aの他方の端は、開放されている。図20(h)に表したように、半導体発光素子129においては、発光の面内均一性が、半導体発光素子128よりもさらに向上している。
Y軸方向に延在する複数の細線82aのピッチが狭くなると、発光の面内均一性が向上できる。ただし、細線82aの数が増えると光取り出し効率が低下する。細線82aのそれぞれの幅は、細線82aの抵抗が十分に低くなるように設定される。
半導体発光素子127〜129においては、発光の面内分布がより向上する。このように、細線82a(X−Y平面に沿って延在する部分)は複数設けられる場合において、複数の細線82aの少なくとも2つ細線82aのパッド部81とは反対側の端は、互いに接続されていないことが好ましい。
第1、第2の実施形態において、第3半導体層60は、以下のように、種々の構成を有することができる。
図21(a)〜図21(g)は、実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
これらの図は、第2半導体層20及び第3半導体層60の構成を第2電極80と供に例示している。これらの図は、図2に例示した断面図の一部に相当する断面図である。
図21(a)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子131においては、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の上に、第3半導体層60として、第1層61(例えばGaN層)が設けられ、第1層61の上に第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている。パッド部81は、第2層62に接し、細線部82aは第2半導体層20に接している。
図21(b)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子132においては、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の上に、第3半導体層60として、第1層61(例えばGaN層)、第3層63(例えばAlGaN層)、第2層62(例えばAlN層)が設けられ、第2層62の上にさらに別の第1層61が設けられている。パッド部81は、上側の第1層61に接し、細線部82aは第2半導体層20に接している。
図21(c)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子133においては、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の上に第3半導体層60が設けられている。第3半導体層60は、例えば、交互に積層された、複数の第1層61及び複数の第2層62を含む(例えば、図5参照)。第3半導体層60は、第1層61と第2層62との間に設けられた第3層63をさらに含んでも良い。
図21(d)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子134においては、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第1層61(例えばGaN層)が設けられ、第1層61の上に第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている。パッド部81は、第2層62に接し、細線部82aは第2半導体層20に接している。
図21(e)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子135においても、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられ、第2層62の上に第1層61(例えばGaN層)が設けられている。パッド部81は、第1層61に接し、細線部82aは第2半導体層20に接している。
図21(f)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子136においても、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている。パッド部81は、第2層62に接し、細線部82aは第2半導体層20に接している。半導体発光素子136の構成は、第3半導体層60として、第1層61(例えばAlGaN層)が設けられ、第1層61の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている、と見なしても良い。このように、第2層62は、第1層61よりもAl組成比が高い層であり、第1層61としてAlGaNを用い、第2層62としてAlNを用いても良い。
図21(g)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子137においても、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられ、第2層62の上に第1層61(例えばGaN層)が設けられている。パッド部81は、第1層61に接し、細線部82aは第2半導体層20に接している。
窒化物半導体を用いた発光素子の高効率化のために、n側電極のパッド部81周辺への電流の集中を抑制することが望まれる。電流集中を抑制することで、面内において均一な発光分布が得られ、発光効率が向上する。第2半導体層20と、n側電極のパッド部81と、の間に絶縁層を設けることで、電流集中を抑制し、発光効率を改善する方法が考えられる。しかしながら、このような絶縁層を用いた場合には、熱伝導性の差が大きいことに起因して、または、絶縁層とn側電極との間の密着性が低いことに起因して、信頼性が低下する。
実施形態においては、n側電極(第2電極80)のパッド部81を、低電導性の第3半導体層60の上に形成し、細線部82をn形の第2半導体層20の上に形成する。これにより、面内の発光分布を均一化し、発光効率を向上できる。また、熱伝導性が高く、電極との密着性が良い窒化物半導体の第3半導体層60の上にn側電極を形成するため、発熱による劣化が抑制され、電極の剥離が抑制される。実施形態によれば、発光分布の面内均一性が高く、高効率で、高い信頼性の半導体発光素子を提供することができる。
実施形態によれば、高効率の半導体発光素子が提供できる。
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子に含まれる第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層、発光層、第2電極、第1電極、支持基板及び成長用基板などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光素子を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光素子も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
第1半導体層10は、p形の不純物(Mg、Zn及びCの少なくともいずれか)を含む例えばGaN層を含む。第1半導体層10における、p形不純物の濃度は、例えば、1×1018cm−3以上5×1021cm−3以下である。第1半導体層10は、例えば、p側コンタクト層を含む。
第3半導体層60の導電率を制御することで、パッド部81から半導体層に注入される電流と、細線部82から半導体層に注入される電流と、の比を、任意の割合にすることができる。このように、パッド部81の下に絶縁層ではなく、第3半導体層60を設けることで、パッド部81の周辺における電流密度を適切な状態に調整でき、発光分布をより所望の状態に近づけることができる。これにより、効率がさらに高まる。
上記の成長用基板5の除去(ステップS140)の際に、成長用基板5の上に形成した第3半導体膜60fの一部が残され、一部が除去される。例えば、第3半導体膜60fのうちのAlN層62a及びAlGaN層63aが除去され、積層中間層64の少なくとも一部が残る。例えば、残った積層中間層64の一部が、第3半導体層60となる。
この例では、第3半導体層60のうちの第2半導体層20の側の一部(第3層63)において、高い濃度のSiが検出されている(図8(b)の部分PA)。この部分において、Siの濃度の揺らぎが発生している。部分PAを除くと、第3半導体層60におけるSiの濃度は、第2半導体層20におけるSiの濃度よりも低い。このように、第3半導体層60のうちで第2導電形の不純物濃度が第2半導体層20における第2導電形の不純物濃度よりも低い部分と、第2半導体層20との間に、局所的に第2導電形の不純物濃度が第2半導体層20よりも高い部分(Siの濃度の揺らぎが発生している部分PA)が設けられていても良い。この場合は、第2導電形の不純物濃度が第2半導体層20における第2導電形の不純物濃度よりも低い部分を第3半導体層60と見なすことができる。
図15に表したように、実施形態に係る半導体発光素子121においては、参考例の半導体発光素子119に比べて、高い光出力Poが得られる。例えば、半導体発光素子121の光出力Poは、半導体発光素子119の光出力Poよりも約5%高い。
図21(b)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子132においては、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の上に、第3半導体層60として、第1層61(例えばGaN層)、第3層63(例えばAlGaN層)、第2層62(例えばAlN層)が設けられ、第2層62の上にさらに別の第1層61が設けられている。パッド部81は、上側の第1層61に接し、細線82aは第2半導体層20に接している。
図21(d)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子134においては、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第1層61(例えばGaN層)が設けられ、第1層61の上に第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている。パッド部81は、第2層62に接し、細線82aは第2半導体層20に接している。
図21(e)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子135においても、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられ、第2層62の上に第1層61(例えばGaN層)が設けられている。パッド部81は、第1層61に接し、細線82aは第2半導体層20に接している。
図21(f)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子136においても、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている。パッド部81は、第2層62に接し、細線82aは第2半導体層20に接している。半導体発光素子136の構成は、第3半導体層60として、第1層61(例えばAlGaN層)が設けられ、第1層61の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられている、と見なしても良い。このように、第2層62は、第1層61よりもAl組成比が高い層であり、第1層61としてAlGaNを用い、第2層62としてAlNを用いても良い。
図21(g)に表したように、実施形態に係る半導体発光素子137においても、第2半導体層20(例えばn形GaN層)の一部の厚さが、他の部分の厚さよりも厚い。厚さが厚い上記の部分の上に、第3半導体層60として、第3層63(例えばAlGaN層)が設けられ、第3層63の上に第2層62(例えばAlN層)が設けられ、第2層62の上に第1層61(例えばGaN層)が設けられている。パッド部81は、第1層61に接し、細線82aは第2半導体層20に接している。