JP2015024491A - 切削工具用の連結機構 - Google Patents

Abstract

【課題】切削工具用の連結機構を提供する。【解決手段】回転切削工具は、長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のカッターを含む。カッターは、作動溝付部を有する第１の端部と、反対側の第２の端部であって、これを中心として雄ねじ部が配置された第２の端部とを有する。切削工具は更に、長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のシャンクであって、凹状の雌ねじ部が第１の端部に形成されたシャンクを含む。雄ねじ部は、第１のピッチで配置された複数のねじ山を含み、雌ねじ部は、第１のピッチとは異なる第２のピッチで配置された複数のねじ山を含む。カッターおよびシャンクは、雄ねじ部と雌ねじ部とのねじ係合を介して選択的に連結される。【選択図】図１Ｂ

Description

本発明は、回転切削工具に使用する連結機構に関し、より詳細には、かかる連結機構を含む回転切削工具に関する。

歴史的に、金属製切削機械用のエンドミルは、溝付切削部と、機械主軸に嵌合する寸法とされた円筒状または円錐状のシャンク部とを備える、単一ユニットとして製造されてきた。しかしながら、近年開発された複雑な表面処理を伴う最新の工具用合金の世界的な価格上昇により、高価なシャンク材料が通常は無駄になるため、かかる単一ユニットは経済的に不利になっている。それゆえ、高品質合金または焼結炭化物からなる別個のカッターを製造することが一般的となっており、このカッターは、再使用可能な鋼製シャンクの端部に同軸に取り付けられる。

摩耗時に、シャンクを機械主軸に残したまま、カッターの交換を容易に行え、カッター交換後に、更なる調節を必要としないことが強く望まれている。このような精密なフライス加工用途に関連する主要な要件は、各交換用カッターを繰り返し、精密に、真の主軸回転軸線に対して中心に配置し、かつ軸方向に正確に位置決めすることである。

カッターをシャンクに結合するのに現在使用されている１つの基本的な方法は、例えば特許文献１に開示されており、この文献は、雄カプラを有する第１の工具セグメントと雌カプラを有する第２の工具セグメントとを備える交換可能な切削工具の位置合わせおよび位置決めシステムを教示している。雄カプラは、第１の円筒状合わせ面の形態のパイロットと、パイロットから間隔を置いて配置された第２の円筒状合わせ面の形態の同軸アライナと、パイロットと同軸アライナとの間に延びる雄ねじ山と、平面の形態の軸方向当接部とを備える。雌カプラは、パイロットの円筒状合わせ面と一致する相補的な円筒状合わせ面の形態のパイロット孔と、同軸アライナの円筒状合わせ面と一致する相補的な円筒状合わせ面の形態の同軸孔と、パイロット孔と同軸孔との間に延びる雌ねじ山と、相補的な平面の形態の軸方向当接部とを備える。

前記記載のパイロット、同軸アライナ、パイロット孔、および同軸孔は、ねじ付きカプラ自体がカッターをそのように繰り返し交換するのに十分に精密でないために必要となる。

上述の基本的概念に対する更なる改善も知られている。例えば、特許文献２は、強化されたねじの谷底に加えて、円筒状の位置合わせ部ではなく切頭円錐形状の径方向位置合わせ部を開示しており、（特許文献３）は、隣接する軸方向当接面と径方向当接面について記載している。

それでもなお、上記の解決策には全て、限定的な製造要件が課される。交換可能なカッターが同軸度と軸位置の望ましい範囲内に繰り返し収まる必要性を満たすのに十分な、カッターおよびシャンク上の円筒状合わせ面の典型的な製造公差は、５マイクロメートル未満である。このような精密公差には、追加の研削工程が必要となる。

更に、焼結炭化物カッターはその性質上、非常に硬質であるが、非常に脆弱でもある。硬質カッターを鋼製シャンクに直接結合することにより、２つの異なる材料が係合する連結部に応力がかかる。より詳細には、炭化物カッターが鋼製シャンクに螺入される場合に、炭化物カッターのねじ部の基部または基部付近で、接続不良が発生する可能性があり、この接続不良により、通例では鋼製シャンクが損傷し、再使用に適さないものとなる。

米国特許第５，１１４，２８６号明細書 米国特許第６，４８５，２２０号明細書 米国特許第７，３２９，０７３号明細書

したがって、回転切削工具に使用する連結機構に、そしてまた、かかる連結機構を含む回転切削工具に対して改善の余地がある。

本発明の一態様として、回転切削工具を提供する。回転切削工具は、長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のカッターを備える。カッターは、作動溝付部を有する第１の端部と、反対側の第２の端部であって、これを中心として雄ねじ部が配置された第２の端部とを含む。回転切削工具は更に、長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のシャンクであって、凹状の雌ねじ部が第１の端部に形成されたシャンクを備える。雄ねじ部は、第１のピッチで配置された複数のねじ山を含み、雌ねじ部は、第１のピッチとは異なる第２のピッチで配置された複数のねじ山を含む。カッターおよびシャンクは、雄ねじ部と雌ねじ部とのねじ係合を介して選択的に連結される。

第１のピッチは、第２のピッチより小さくてもよい。

第１のピッチは、第２のピッチよりも約０．００５ｍｍ小さくてもよい。

第１のピッチと第２のピッチとの差は、約０．００２〜約０．０１０ｍｍの範囲であってもよい。

カッターは炭化物材料で形成してもよく、シャンクは工具鋼で形成してもよい。

カッターは、作動溝付部と雄ねじ部との間に配置された、長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる外向き円周面を備えてもよく、シャンクは、雌ねじ部とシャンクの第１の端部との間に長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる内向き円周面を備えてもよく、かつ、外向き円周面は、雄ねじ部と雌ねじ部が螺合すると、内向き円周面に隣接して配置され内向き円周面に対向してもよい。

外向き円周面は、略、長手方向中心軸線に対して第１の角度で配置された円錐台の一部の形態であってもよく、内向き円周面は、略、長手方向中心軸線に対して第２の角度で配置された円錐台の一部の形態であってもよい。

第１の角度は、約１°〜約７°の範囲であってもよい。

第２の角度は、約１°〜約７°の範囲であってもよい。

外向き円周面は、略、長手方向中心軸線に平行に配置された円筒面であってもよく、内向き円周面は、略、長手方向中心軸線に平行に配置された円筒面であってもよい。

カッターは、雄ねじ部に隣接しかつ作動溝付部と反対側に配置された、長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる外向き円周面を備えてもよく、シャンクは、雌ねじ部に隣接し、シャンクの第１の端部と反対側に、長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる内向き円周面を備えてもよく、かつ、外向き円周面は、雄ねじ部と雌ねじ部が螺合すると、内向き円周面に隣接して配置され内向き円周面に対向してもよい。

外向き円周面は、長手方向中心軸線に対して０°〜約６°の範囲の角度で配置してもよい。

内向き円周面は、外向き円周面の角度から０°〜２°の範囲内で配置してもよい。

カッターは、作動溝付部と雄ねじ部との間に配置された、長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第１の外向き円周面を備えてもよく、雄ねじ部に隣接しかつ作動溝付部と反対側に、長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第２の外向き円周面を備えてもよく、シャンクは、雌ねじ部とシャンクの第１の端部との間に長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第１の内向き円周面と、雌ねじ部に隣接し、シャンクの第１の端部と反対側に、長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第２の内向き円周面とを備えてもよく、第１の外向き円周面は、雄ねじ部と雌ねじ部が螺合すると、第１の内向き円周面に隣接して配置され第１の内向き円周面に対向してもよく、かつ、第２の外向き円周面は、雄ねじ部と雌ねじ部が螺合すると、第２の内向き円周面に隣接して配置され第２の内向き円周面に対向してもよい。

本発明の別の態様として、回転切削工具が提供される。回転切削工具は、長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のカッターであって、作動溝付部を有する第１の端部と、反対側の第２の端部であって、これを中心として雄ねじ部が配置された第２の端部とを有するカッターと、長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のシャンクであって、凹状の雌ねじ部が第１の端部に形成されたシャンクとを備える。雄ねじ部は、第１のピッチおよび第１のテーパ角で配置された複数のねじ山を含み、雌ねじ部は、第２のピッチおよび第１のテーパ角とは異なる第２のテーパ角で配置された複数のねじ山を含み、ならびに、カッターおよびシャンクは、雄ねじ部と雌ねじ部とのねじ係合を介して選択的に連結される。

第１のテーパ角は、第２のテーパ角よりも小さくてもよい。

第１のピッチは第２のピッチと等しくてもよく、または第１のピッチは第２のピッチよりも小さくてもよい。

ここで、本発明の概念について、より十分に理解できるように、以下の例示的な図を参照して、特定の非限定的な実施形態に関連して記載する。

ここで、詳細な図を具体的に参照すると、示されている詳細事項は、一例であり、単に本発明の好ましい実施形態を例示的に説明するためのものであって、本発明の原理と概念的態様の最も有用にかつ容易に理解される記述と考えられているものを提供するために提示されることが強調される。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要とされる以上に詳細に、本発明の構造的な詳細を示すことはせず、図面の記載は、当業者に、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具体化され得るかを明らかにする。

本発明に係るモジュール式回転切削工具の例示的実施形態の等角図を示す。 シャンク部が断面で示された、図１のモジュール式切削工具の側面図を示す。 図１のモジュール式切削工具の分解等角図を示す。 内部の詳細を示すためにシャンク部が断面で示された、図１のモジュール式切削工具の分解側面図を示す。 図１の回転切削工具の刃部の詳細側面図を示す。 図１の回転切削工具のシャンク部の一部の詳細断面図を示す。 内部の詳細を示すために少なくとも部分的に断面で示された、本発明に係る連結機構の別の例示的実施形態の側面図を示す。 内部の詳細を示すためにシャンク部が断面で示された、本発明に係るモジュール式切削工具の別の例示的実施形態の分解側面図を示す。

図面において、同等な部分には同一の参照符号を付す。

本明細書で使用する場合、「数」という用語は、任意のゼロでない数量（すなわち、１または１よりも大きい任意の数量）を指すものとする。

本明細書で使用する場合、「選択的に連結される」という用語は、いずれの部品も傷付けることなく、選択的に元に戻され（すなわち、連結解除され）得るようにして、２つ以上の部品が互いに連結または結合されることを意味するものとする。

本明細書で使用する場合、「ピッチ」という用語は、同一の軸方向平面内および軸線の同一の側にて隣接するねじ山形態物の対応する点の間の、ねじ部材の中心軸線に平行に測定された距離を指すものとする。

図１〜図５は、長手方向中心軸線Ａを中心として配置された、本発明の第１の例示的実施形態によるモジュール式回転切削工具１０を示している。切削工具１０は、以下に詳細に述べるシャンク１２およびカッター１４の各々の協働部分で形成された連結機構（符号なし）により互いに選択的に連結された再使用可能なシャンク１２と交換可能なカッター１４とを含む。図１〜図５に示す例示的実施形態において、カッター１４は、炭化物材料で形成されたエンドミルの形態であるが、当然のことながら、炭化物または他の好適な材料もしくは複数の材料で形成された、別の回転切削工具、例えば、以下のものには限定されないが、正面フライス、円形チップミル、スリットミル、ドリル、リーマ、またはフライス加工用、ドリル加工用、リーマ加工用もしくは他の金属切削用途の任意の他の交換可能なチップを、本発明の範囲から逸脱することなく採用してもよい。シャンク１２は、僅かな段差部を有する略円筒形状に形成された、鋼、炭化物または他の好適な材料で形成されてもよいが、当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、他の断面、形状、および材料を採用してもよい。当然のことながら、シャンク１２は、図１〜図５の図示の実施形態に示すように、略中実部材として形成してもよく、または、カッター１４に冷却剤および／もしくは潤滑剤の流れを供給し得る１つもしくは複数の内部通路を含んでもよい。

引き続き図１を参照すると、（シャンク１２に取付時の）カッター１４の露出部は、被加工物（図示せず）の切削加工を行うように構成された作動溝付部１６を含んでもよく、短円筒部１８がこの作動溝付部１６に続く。円筒部１８は、円筒部１８に形成された少なくとも２つの対向する平行平面２０（図１では１つのみが視認可能である）を備えることが好ましく、この平行平面には、以下に更に述べるように、カッター１４をシャンク１２に取り付け、またはシャンク１２から取り外すために、標準的なスパナレンチ（図示せず）が係合し得る。

図２および図３の分解図ならびに図４および図５の詳細図は、カッター１４とシャンク１２との間の連結機構を形成するシャンク１２とカッター１４の部分の詳細を示している。より詳細には、連結機構は、カッター１４の一部として、作動溝付部１６と反対側に延びる外方に突出する雄ねじ部２２と、長手方向軸線Ａに同軸に配置されかつ短円筒部１８とねじ部２２との間に延びる径方向アライナ部２８と、直径の小さい径方向アライナ２８と直径の大きい短円筒部１８との間の径方向の間隙を橋渡しする平坦な軸方向当接肩部３０とを含む。図示の例示的実施形態に示すように、肩部３０は、長手方向軸線Ａに対して垂直に配置してもよい。他の実施形態において、肩部３０は、長手方向軸線Ａに対して垂直に描かれた基準線に対して僅かに傾斜（最大＋／−３°）していてもよい。

連結機構はまた、シャンク１２の一部として、長手方向軸線Ａに同軸に配置された略滑らかな位置決め孔２４と、位置決め孔２４から延びる雌ねじ孔３２と、位置決め孔２４に隣接するシャンク１２の端部に長手方向軸線Ａに対して垂直に配置された軸方向当接面３４とを含む。

図４に示すカッター１４の詳細図を参照すると、径方向アライナ部２８が、略円錐台の一部として形成されており、長手方向軸線Ａに対して角度δ_１で配置された外向き円周面２９を含んでいる。本発明の例示的実施形態において、角度δ_１は、一般的に約１°〜約７°の範囲である。その代わりに、径方向アライナ部２８が略円筒形状（すなわち、δ_１＝０°）であってもよい。一般に、円錐台は、カッター１４が鋼製シャンクと連結される場合に好ましいことが判明し、その一方で、円筒形状は、カッター１４が炭化物シャンクと連結される場合に好ましいことが判明した。

図５に示すシャンク１２の端部の断面詳細図を参照すると、位置決め孔２４が、アライナ部２８に略一致する形状に形成されている。一般に、アライナ部２８の直径は、位置決め孔２４の直径よりも僅かに大きく（鋼製シャンクに対して好ましい）ても、位置決め孔２４の直径と等しく（炭化物シャンクに対して好ましい）てもよい。

位置決め孔２４はアライナ部２８と略一致する形状で形成されるので、図示の実施形態において、位置決め孔２４はまた、略円錐台の一部として形成され、かつ長手方向軸線Ａに対して角度δ_２で配置された内向き円周面２５を含む。シャンク１２の内向き円周面２５は、通常、カッター１４の外向き円周面２９と協働するので、本発明の例示的実施形態において、角度δ_２は、外向き円周面２９の角度δ_１に応じて、通常約０°〜約７°の範囲である。

図４および図５を参照すると、カッター１４のねじ部２２は、長手方向軸線Ａを中心として第１のピッチＰ_１で配置された複数のねじ山２２ａ、（その他の数を採用してもよいが）好ましくは少なくとも４つのねじ山２２ａ、を含み、ねじ孔３２は、Ｐ_１とは異なる第２のピッチＰ_２で長手方向軸線Ａを中心として配置された少なくとも対応する数の雌ねじ山３２ａを含む。図１〜図５に示す例示的実施形態において、第２のピッチＰ_２は、第１のピッチＰ_１よりも約０．００５ｍｍだけ大きい。シャンク１２のねじ孔３２において大きいピッチＰ_２を用い、したがって、カッター１４においてより小さいピッチＰ_１を用いることによって、略同一ピッチの協働するねじ山を用いる実施形態と比較して、シャンク１２と連結されたときにカッター１４のねじ部２２に結果的に生じる応力は、より均等に各ねじ山２２ａに分散される。本発明の例示的実施形態では、シャンク１２およびカッター１４のそれぞれのねじ山の間が約０．００２〜０．０１０ｍｍのねじ山ピッチが採用されている。本発明の実施形態とは対照的に、略同一ピッチの協働するねじ山を利用する場合には、炭化物または鋼製のカッター１４の全体的な非弾性に起因して、応力は一般的に軸方向当接肩部３０に最も近接するねじ山に集中する。本発明の実施形態は、ねじ部２２の各ねじ山２２ａに応力をより均等に分配することにより、不具合が起こるまでに接続部に比較的高い負荷が加えられることを許容する。

モジュール式切削工具アセンブリ１０の組立は、カッター１４のねじ部２２をシャンク１２のねじ孔３２に係合させ、次いで、カッター１４の径方向アライナ部２８がシャンク１２の位置決め孔２４内に着座して、カッター１４の軸方向当接肩部３０がシャンク１２の軸方向当接面３４に当接するまで、カッター１４および／シャンク１２の一方または両方を回転させることにより実行される。シャンク１２に対するカッター１４の軸方向位置は、シャンク１２の軸方向当接面３４とカッター１４の当接肩部３０との直接接触により得られる。当接肩部３０と当接面３４が係合した時点で、カッター１４の過剰な張りを防ぐために、トルク制限レンチを使用して連結部を規定トルクまで更に締め付けることが好ましい。

図６は、モジュール式切削工具１０’の（断面で示す）シャンク１２’とカッター１４’との間の連結機構の別の実施形態の詳細図を示している。切削工具１０’は、先に記載した切削工具１０と同様の外観を有してもよく、カッター１４’およびシャンク１２’は、ねじ部２２に隣接して径方向アライナ部２８と反対側に配置された第２の径方向アライナ部４０を含むことは別として、カッター１４およびシャンク１２と同じように相互作用する。図６に示すように、カッター１４’がシャンク１２’と連結されると、第２の径方向アライナ部４０の外向き円周面（符号なし）は、ねじ孔３２に隣接して第１の位置決め孔２４と反対側にシャンク１２’に形成された第２の位置決め孔４２の内向き円周面（符号なし）に係合する。本発明の例示的実施形態において、径方向アライナ部４０は、第２の位置決め孔４２の直径と略同等の直径を有するか、または第２の位置決め孔４２の直径よりも僅かに小さい直径を有する。また、第２の径方向アライナ部４０の表面（符号なし）を長手方向中心軸線Ａに対して０°〜約６°の範囲の角度で配置してもよく、その一方で、第２の位置決め孔４２の表面（符号なし）を第２の径方向アライナ部４０の表面の角度と同一角度でまたはその角度から１°〜２°の範囲で配置してもよい。径方向アライナ部２８に加えて、第２の径方向アライナ部４０を有するように示されているが、当然のことながら、本発明の実施形態は、径方向アライナ部２８なしに、第２の径方向アライナ部４０のみを含んでもよい。

図７は、本発明に係る別の連結機構を介して連結されるシャンク５２とカッター５４とを含む本発明に係るモジュール式切削工具５０の別の例示的実施形態の分解側面図を示している。シャンク５２およびカッター５４は、先に記載したシャンク１２、１２’およびカッター１４、１４’と略同様の構造を有してもよく、（雌ねじ山５８ａ、５８ｂを含む）雌ねじ孔５８および（雄ねじ山６０ａ、６０ｂを含む）雄ねじ部６０をそれぞれ含んでもよい。しかしながら、２つの部品が互いに強固にねじ連結されたときに応力をねじ山全体により均等に分配するために、雄ねじ部と雌ねじ部の異なるねじ山ピッチを利用する先に述べた実施形態とは異なり、図７に図示する実施形態は、雄ねじ部と雌ねじ部を互いに対して異なる角度で方向付けることにより、同様の結果を得る。例えば、図７に図示する実施形態では、雌ねじ孔５８のねじ山５８ａ、５８ｂが（長手方向中心軸線Ａに平行に配置された基準線に対して測定された）第２のテーパ角α_Ｓで配置される一方で、雄ねじ部６０のねじ山６０ａ、６０ｂは、（長手方向中心軸線Ａに平行に配置された基準線に対して測定された）第１のテーパ角α_Ｃで配置される。より詳細には、雄ねじ山６０ａ、６０ｂの第１のテーパ角α_Ｃよりも大きい第２のテーパ角α_Ｓで雌ねじ山５８ａ、５８ｂを配置することにより、先に述べたように、ねじ山ピッチＰ_ＳおよびＰ_Ｃが同一である場合であっても、異なるねじ山ピッチの使用により生じたものと同様の雄ねじ部６０と雌ねじ部５８との間の空間関係が生じる。当然のことながら、かかる実施形態において、同一のピッチを有する部分を使用する代わりに、異なるねじ山ピッチＰ_ＳおよびＰ_Ｃを利用することもできる。

本明細書に記載の特定の実施形態では、シャンクに、カッター上の相補的な雄ねじ山と係合するねじ孔が設けられるが、その逆、すなわち、シャンクに突出する雄ねじ部が設けられ、かつカッターに内ねじ孔が設けられること、もまた可能である。

本発明は前述の図示の実施形態の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神または本質的特徴から逸脱することなく、本発明を他の具体的な形態で具体化してもよいことは、当業者には明らかであろう。それゆえ、本実施形態は、全ての点において例示的なものであって、限定的なものではないと見なされるべきであり、本発明の範囲は、前述の記載よりもむしろ添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲に含まれる全ての変更形態は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。

１０ 切削工具
１２ シャンク
１４ カッター
１６ 作動溝付部
１８ 円筒部
２０ 平行平面
２２ ねじ部
２２ａ ねじ山
２４ 位置決め孔
２５ 内向き円周面
２８ 径方向アライナ部
２９ 外向き円周面
３０ 肩部
３２ ねじ孔
３２ａ ねじ山
３４ 当接面
４０ 第２の径方向アライナ部
４２ 第２の位置決め孔
５０ 切削工具
５２ シャンク
５４ カッター
５８ 雌ねじ孔
５８ａ、５８ｂ 雌ねじ山
６０ 雄ねじ部
６０ａ、６０ｂ 雄ねじ山

Claims (18)

1. 長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のカッターであって、作動溝付部を有する第１の端部と、反対側の第２の端部であって、これを中心として雄ねじ部が配置された第２の端部とを有するカッターと、
   前記長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のシャンクであって、凹状の雌ねじ部が第１の端部に形成されたシャンクとを備え、
   前記雄ねじ部が、第１のピッチで配置された複数のねじ山を含み、前記雌ねじ部が、前記第１のピッチとは異なる第２のピッチで配置された複数のねじ山を含み、
   前記カッターおよび前記シャンクは、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とのねじ係合を介して選択的に連結される、回転切削工具。
2. 前記第１のピッチが、前記第２のピッチよりも小さい、請求項１に記載の回転切削工具。
3. 前記第１のピッチが、前記第２のピッチよりも約０．００５ｍｍ小さい、請求項２に記載の回転切削工具。
4. 前記第１のピッチと前記第２のピッチとの差が、約０．００２〜約０．０１０ｍｍの範囲である、請求項１に記載の回転切削工具。
5. 前記カッターが炭化物材料で形成され、前記シャンクが工具鋼で形成される、請求項１に記載の回転切削工具。
6. 前記カッターが、前記作動溝付部と前記雄ねじ部との間に配置された、前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる外向き円周面を備え、
   前記シャンクが、前記雌ねじ部と前記シャンクの前記第１の端部との間に前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる内向き円周面を備え、かつ、
   前記外向き円周面は、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部が螺合すると、前記内向き円周面に隣接して配置され内向き円周面に対向する、請求項１に記載の回転切削工具。
7. 前記外向き円周面が、前記長手方向中心軸線に対して第１の角度で配置された略円錐台の一部の形態であり、前記内向き円周面が、前記長手方向中心軸線に対して第２の角度で配置された略円錐台の一部の形態である、請求項６に記載の回転切削工具。
8. 前記第１の角度が、約１°〜約７°の範囲である、請求項７に記載の回転切削工具。
9. 前記第２の角度が、約１°〜約７°の範囲である、請求項８に記載の回転切削工具。
10. 前記外向き円周面が、前記長手方向中心軸線に平行に配置された略円筒面であり、前記内向き円周面が、前記長手方向中心軸線に平行に配置された略円筒面である、請求項６に記載の回転切削工具。
11. 前記カッターが、雄ねじ部に隣接しかつ前記作動溝付部と反対側に配置された、前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる外向き円周面を備え、
    前記シャンクが、前記雌ねじ部に隣接し、前記シャンクの前記第１の端部と反対側に、前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる内向き円周面を備え、かつ、
    前記外向き円周面が、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部が螺合すると、前記内向き円周面に隣接して配置され前記内向き円周面に対向する、請求項１に記載の回転切削工具。
12. 前記外向き円周面が、前記長手方向中心軸線に対して０°〜約６°の範囲の角度で配置される、請求項１１に記載の回転切削工具。
13. 前記内向き円周面が、前記外向き円周面の前記角度から０°〜２°の範囲内で配置される、請求項１２に記載の回転切削工具。
14. 前記カッターが、前記作動溝付部と前記雄ねじ部との間に配置された、前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第１の外向き円周面と、前記雄ねじ部に隣接しかつ前記作動溝付部と反対側に、前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第２の外向き円周面とを備え、
    前記シャンクが、前記雌ねじ部と前記シャンクの前記第１の端部との間に前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第１の内向き円周面と、前記雌ねじ部に隣接し、前記シャンクの前記第１の端部と反対側に、前記長手方向中心軸線に沿って所定距離に亘って延びる第２の内向き円周面とを備え、
    前記第１の外向き円周面が、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部が螺合すると、前記第１の内向き円周面に隣接して配置され前記第１の内向き円周面に対向し、かつ、前記第２の外向き円周面が、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部が螺合すると、前記第２の内向き円周面に隣接して配置され前記第２の内向き円周面に対向する、請求項１に記載の回転切削工具。
15. 長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のカッターであって、作動溝付部を有する第１の端部と、反対側の第２の端部であって、これを中心として雄ねじ部が配置された第２の端部とを有するカッターと、
    前記長手方向中心軸線を中心として配置された略円筒形状のシャンクであって、凹状の雌ねじ部が第１の端部に形成されたシャンクとを備え、
    前記雄ねじ部が、第１のピッチおよび第１のテーパ角で配置された複数のねじ山を含み、
    前記雌ねじ部が、第２のピッチおよび前記第１のテーパ角とは異なる第２のテーパ角で配置された複数のねじ山を含み、
    前記カッターおよび前記シャンクが、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とのねじ係合を介して選択的に連結される、回転切削工具。
16. 前記第１のテーパ角が、前記第２のテーパ角よりも小さい、請求項１５に記載の回転切削工具。
17. 前記第１のピッチが、前記第２のピッチと等しい、請求項１５に記載の回転切削工具。
18. 前記第１のピッチが、前記第２のピッチよりも小さい、請求項１５に記載の回転切削工具。

Images