JP2015019018A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Toshihiro Iwakuma
俊裕 岩隈
亮平 橋本
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亮平 橋本
圭 吉田
Kei Yoshida
圭 吉田
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Abstract

【課題】低電圧な有機EL素子を提供する。【解決手段】陽極、発光層、有機薄膜層及び陰極をこの順に含む有機EL素子であって、前記発光層が、下記式(1)で表わされる化合物を含み、前記有機薄膜層が発光層と接する層であって、下記式(2)で表わされる化合物を含む、有機EL素子。【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子には、蛍光型及び燐光型があり、それぞれの発光メカニズムに応じ、適合する素子設計が検討されている。燐光型の有機EL素子については、その発光特性から、蛍光素子技術の単純な転用では高性能な素子が得られないことが知られている。その理由は、一般的に次のように考えられている。
燐光発光は、三重項励起子を利用した発光であるため、発光層に用いる化合物のエネルギーギャップが大きい必要がある。これは、化合物のエネルギーギャップ(最低励起一重項状態と基底状態のエネルギー差)の値は、通常、その化合物の三重項エネルギー(最低励起三重項状態と基底状態とのエネルギー差をいう)の値よりも大きいためである。
ホスト材料と燐光発光性材料(以下、発光性材料をゲストという場合がある。)を含む発光層においては、燐光発光性材料を効率的に発光させるため、燐光発光性材料の三重項エネルギーよりも高い三重項エネルギーのホスト材料を用いなければならない。このため、三重項エネルギーレベルの高いホスト材料が求められている。また、効率的に発光させるため、ホストやゲストの励起子を発光層内に閉じ込める必要がある。
有機EL素子の駆動電圧の低減は、発光効率を高めるために必須の技術であり、改善が進められている。低電圧化のためには、電荷注入性又は電荷輸送性に優れる材料を用いる必要がある。
以上のような理由から、燐光型の有機EL素子の高性能化には、蛍光型の有機EL素子と異なる材料選択及び素子設計が必要になっている。
上記について、特許文献1は、ヘテロアセン骨格を有する多環系化合物を燐光用ホスト材料に用いた有機EL素子を開示する。特許文献2は、アザカルバゾリル基を有するベンズイミダゾール化合物を例示し、燐光用ホスト材料及び電子輸送層材料として用いている。
また、特許文献3は、アザカルバゾール骨格を有するベンズイミダゾール化合物を例示し、当該ベンズイミダゾール化合物を電子輸送層材料として用いている。特許文献4は、アザカルバゾール骨格を有する化合物を例示し、燐光発光性ドーパント用のホスト材料として用いている。
WO2009−148015号パンフレット 特開2009−158848号公報 特開2010−118591号公報 特開2011−84531号公報
本発明の目的は、低電圧な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明によれば、以下の有機EL素子が提供される。
陽極、発光層、有機薄膜層及び陰極をこの順に含む有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記発光層が、下記式(1)で表わされる化合物を含み、
前記有機薄膜層が発光層と接する層であって、下記式(2)で表わされる化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2015019018
(式(1)中、
及びXは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又はRを有する窒素原子(−NR−)である。
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基又はシアノ基である。
s及びtはそれぞれ独立に0又は1である。
Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾチオフェニル基である。
但し、RとArは同一ではなく、RとArは同一ではない。R〜R、R、X、X、Ar及びArのうちいずれか2つで環を形成してもよい。)
Figure 2015019018
(式(2)中、
は、酸素原子、硫黄原子、又はR’を有する窒素原子(−NR’−)である。
〜Yは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、カルバゾール環の窒素原子の結合手と結合する炭素原子である。
R’は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
p、q、及びrは、それぞれ0又は1である。)
本発明によれば、低電圧な有機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
本発明の一形態に係る有機EL素子は、陽極、発光層、有機薄膜層及び陰極をこの順に含む有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層が、下記式(1)で表わされる化合物を含み、有機薄膜層が発光層と接する層であって、下記式(2)で表わされる化合物を含む。
以下、これら化合物について説明する。
Figure 2015019018
[式(1)で表わされる化合物]
式(1)で表わされる化合物は、ヘテロアセン骨格を有する多環系化合物である。式(1)で表わされる化合物は、ペンタセンに代表されるアセン骨格ではなく、非直線型のヘテロアセン骨格を有する化合物であるため、耐久性に優れ、高い三重項エネルギーを有する。また、好ましい態様においては、ヘテロアセン骨格の両端にカルバゾリル基等の芳香族複素環基を含むAr及びArが結合しており、これら基は高い三重項エネルギーに寄与することができる。
式(1)で表わされる化合物は、発光層において発光材料と組合せてホスト材料に使用すると、発光材料へのエネルギー移動が容易となり、発光効率の向上に寄与することができる。式(1)で表わされる化合物は、燐光性発光材料のホスト材料として好適に使用でき、特に青色燐光性発光材料のホスト材料に使用した場合においても高い発光効率が得られる場合がある。
式(1)で表わされる化合物は、好ましくは、ホスト材料としての使用でされる。この場合、電子と正孔の両方を輸送できる構造であることが好ましい。
式(1)で表わされる化合物において、キャリア(電子又は正孔)輸送に影響する主たる構造は、X,Xの表す原子、及び後述する好適なAr,Arである。これらが電子輸送性の発現に寄与する構造と正孔輸送性の発現に寄与する構造の両方を有する化合物であることが好ましい。全て電子輸送性の発現に寄与する構造である場合や、逆に全てが正孔輸送性の発現に寄与する構造である場合に比べて、より高い発光効率を得ることが期待できるためである。このような化合物として、具体的には、実施例で使用した化合物、H1〜H5を挙げることができる。
Figure 2015019018
(式(1)中、
及びXは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又はRを有する窒素原子(−NR−)である。
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
及びRは、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基又はシアノ基である。
s及びtは、それぞれ独立に0又は1である。
Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾチオフェニル基である。
とArは同一ではなく、RとArは同一ではない。R〜R、R、X、X、Ar及びArのうちいずれか2つは環を形成してもよい。)
式(1)で表わされる化合物は、好ましくは下記式(4)で表わされる化合物であり、より好ましくは下記式(8)で表わされる化合物である。
Figure 2015019018
(式(4)中、X、X、R〜R、Ar、Ar、s及びtは、前記式(1)と同様である。)
Figure 2015019018
(式(8)中、X、X、R、R、Ar、Ar、s及びtは、前記式(1)と同様である。)
式(4)の化合物は、Ar及びArの結合位置を特定している。Ar及びArの結合位置を式(4)の位置とすることで高い三重項エネルギーが得られ、これが発光効率の向上や長寿命化に好影響を与えると考えられる。
式(8)の化合物は、R及びRを水素原子に限定している。R及びRを水素原子とすることで高い三重項エネルギーや長寿命化に好影響を与えると考えられる。
尚、上記三重項エネルギーは公知の方法で測定することができる。例えば、試料をEPA溶媒(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))に10μmol/Lで溶解させ、燐光測定用試料とする。この燐光測定用試料を石英セルに入れ、温度77Kで励起光を照射し、放射される燐光の燐光スペクトルを測定する。これを換算式E(eV)=1239.85/λedgeによって求めた値と定義することができる。「λedge」は、縦軸に燐光強度を、横軸に波長をとって、燐光スペクトルを表したとき、燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、この接線と横軸の交点の波長値(単位:nm)を意味する。
式(1)、(4)及び(8)において、X及びXは、有機EL素子の長寿命化に寄与する可能性がある点で、好ましくはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。
及びRは、好ましくは、それぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基であり、より好ましくは水素原子である。
及びRは、好ましくは、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基であり、より好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素可環基である。
s及びtは、好ましくはそれぞれ独立に0である。
Rは、好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基である。
Ar及びArは、好ましくは、それぞれ独立に置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾチオフェニル基であり、さらに好ましくは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアザカルバゾリル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基である。
これらの基は、式(1)の化合物の高い三重項エネルギーに寄与するので好ましい。
本明細書において、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基は、それぞれ例えば1〜5個の窒素原子を含むアザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基である。
上記置換基の結合手は、いずれの窒素原子、いずれの炭素原子上に存在していてもよく、また、いずれの窒素原子、いずれの炭素原子も置換されていてもよい。
Ar及びArの置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾチオフェニル基における、「アリール」としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基が挙げられ、好適なアリールとしては、フェニル及びビフェニルが例示される。
Ar及びArの結合手について、結合手とAr及びArの結合は、必ずしもアリール部分である必要はなく、結合手は、Ar及びArのアリール部分以外と結合してもよい。
尚、式(1)において、Rの結合手及びArの結合手は、Xを含む5員環に隣接するベンゼン環であって、R及びRが置換していないベンゼン環(下記ベンゼン環1)の炭素原子にそれぞれ結合する。同様に、Rの結合手及びArの結合手は、Xを含む5員環に隣接するベンゼン環であって、R及びRが置換していないベンゼン環(下記ベンゼン環2)の炭素原子にそれぞれ結合する。
尚、sが0である場合、R及びRの結合手は存在せず、tが0である場合、R及び及びRの結合手は存在しない。
Figure 2015019018
式(1)、式(4)又は式(8)で表わされる化合物は、例えば、WO2009−148015号公報に記載の方法で製造することができる。
式(1)で表わされる化合物の具体例を以下に示す。尚、式(1)で表わされる化合物は、下記具体例に限定されない。
Figure 2015019018
Figure 2015019018
Figure 2015019018
[式(2)で表わされる化合物]
式(2)で表わされる化合物は、下記に表わされるようにカルバゾール環及びアザ化した3環のヘテロ環(中央の環が、ヘテロ原子を含む5員環)を含み、当該カルバゾール環の窒素原子が、当該3環のヘテロ環を構成する6員環に結合している構造を有する。この構造が高い三重項エネルギーと電子輸送性の発現に寄与することができる。このため、発光効率の向上や低電圧化に好影響を与えると考えられる。
このような構造を有する式(2)で表わされる化合物は、有機EL素子を構成する発光層と陰極との間に設置される有機薄膜層であって、発光層に隣接する層に含まれる化合物である。具体的には、電子輸送材料として使用される。更に、ホストやゲストの励起子を発光層内に閉じ込める機能を有すると考えられ、発光効率の向上に寄与すると思われる。
Figure 2015019018
(式(2)中、
は、酸素原子、硫黄原子、又はR’を有する窒素原子(−NR’−)である。
〜Yは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、カルバゾール環の窒素原子の結合手と結合する炭素原子である。
R’は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
p、q、及びrは、それぞれ0又は1である。)
式(2)で表わされる化合物は、好ましくは下記式(5)で表わされる化合物であり、より好ましくは下記式(7)で表わされる化合物である。
式(5)で表わされる化合物は、式(2)で表わされる化合物のR及びRを、R又はRで置換したカルバゾリル基、R又はRで置換したジベンゾフラニル基、及びR又はRで置換したジベンゾチオフェニル基から選択される基に限定した化合物である。
同様に、式(7)で表わされる化合物は、式(5)で表わされる化合物のqを1に限定し、X〜Xをそれぞれ酸素原子又は硫黄原子に限定した化合物である。
Figure 2015019018
(式(5)中、
〜Xは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はR’を有する窒素原子である。
〜Yは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、カルバゾール環の窒素原子の結合手と結合する炭素原子である。
R’は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
q、r、x及びyは、それぞれ独立に0又は1である。)
Figure 2015019018
(式(7)中、
〜Xは、それぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子である。
〜Y及びYは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Y、Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子である。
〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
r、x及びyは、それぞれ0又は1である。)
式(2)及び(5)において、X〜Xは、有機EL素子の長寿命化に寄与する可能性がある点で、好ましくはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。
式(2)、(5)及び(7)において、Y〜Yのうち、例えばいずれか3つが窒素原子であってもよいが、好ましくはいずれか2つが窒素原子であり、より好ましくはいずれか1つが窒素原子である。同様に、Y〜Yのうち、例えばいずれか3つが窒素原子であってもよいが、好ましくはいずれか2つが窒素原子であり、さらに好ましくはいずれか1つが窒素原子であり、特に好ましくはいずれも窒素原子ではない。
尚、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子であるが、Rが水素原子の場合、Y〜Yの全てがCHであってもよい。
式(2)において、R及びRは、好ましくはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基である。
式(2)において、p及びqの一方が0であって、R又はRの一方が存在せず、他方が置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基である場合も好ましい
上記環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基としては、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基のいずれかが好ましい。
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基は、好ましくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基であるが、置換基を有する場合の当該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基が好ましい。置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基における当該置換基としては、環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基で置換されたフェニル基や、環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基が挙げられる。
式(2)、(5)及び(7)において、Rは、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。
式(2)、(5)及び(7)において、R’は、好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはフェニル基である。
式(5)及び(7)において、R及びRは、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。
式(2)、(5)及び(7)において、p、q、r、x及びyは、それぞれ独立に0又は1であり、好ましくは0である。
例えばpが0である場合、pのカッコ内のR及び結合手は無くなる。q、r、x及びyについても同様である。
尚、式(2)において、p=q=1の場合、Rの結合手及びRの結合手は、それぞれカルバゾール環の互いに異なるベンゼン環に結合しており、カルバゾール環の同一のベンゼン環に、Rの結合手及びRの結合手の両方が結合することはない。
同様に、式(5)及び(7)において、x=y=1の場合、R及びRのそれぞれの結合手と、カルバゾール環の2つの結合手は、同一のヘテロフルオレン環の互いに異なるベンゼン環にそれぞれ結合する。
例えば式(5)のXを含むヘテロフルオレン環において、Rの結合手とカルバゾール環の結合手は、それぞれXを含むヘテロフルオレン環の互いに異なるベンゼン環にそれぞれ結合する。また、式(5)のXを含むヘテロフルオレン環において、Rの結合手とカルバゾール環の結合手は、それぞれXを含むヘテロフルオレン環の互いに異なるベンゼン環にそれぞれ結合する。
式(2)、式(5)及び式(7)で表わされる化合物は、例えば、WO2012/090967、WO2010/122810に開示された方法を用いて製造することができる。式(2)、式(5)及び式(7)で表わされる化合物は、例えば、以下のようにして製造できる:
2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジンと2−フルオロフェニルボロン酸を、炭酸カリウム、N,N−ジメチルアセトアミド及びPd(PPh存在下で反応させて、1−アザジベンゾフランを製造する。
得られる1−アザジベンゾフランをTHF中、nBuLi存在下において、1,4−ジブロモブタンと反応させて6−ブロモ−1−アザジベンゾフランを製造する。また、1−アザジベンゾフランをニトロベンゼン中で、臭素と反応させて8−ブロモ−1−アザジベンゾフランを製造する。
一方、ジベンゾフラン−2−ボロン酸と3,6−ジブロモカルバゾールを、炭酸ナトリウム水溶液、ジメトキシエタン、Pd(PPh存在下で反応させて、カルバゾールの3,6位にジベンゾフランが結合した化合物を製造する。
製造した3,6−ジベンゾフラニルカルバゾールと、6−ブロモ−1−アザジベンゾフランあるいは8−ブロモ−1−アザジベンゾフランを、KPO,CuI,trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン及び1,4−ジオキサンの存在下に反応させることで、実施例の化合物ET7及び化合物ET8が製造できる。
式(2)で表わされる化合物の具体例を以下に示す。尚、式(2)で表わされる化合物は、下記具体例に限定されない。
Figure 2015019018
Figure 2015019018
Figure 2015019018
以下、式(1)及び式(2)で表わされる化合物の各置換基等について説明する。
本明細書において、芳香族炭化水素環は、単環の芳香族炭化水素環基及び複数の炭化水素環が縮合した縮合芳香族炭化水素環基を含み、ヘテロ芳香族環は、単環のヘテロ芳香族環基、並びに複数のヘテロ芳香族環が縮合したヘテロ縮合芳香族環基、及び芳香族炭化水素環とヘテロ芳香族環とが縮合したヘテロ縮合芳香族環基を含む。
また、本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)、を包含する。
尚、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、又は芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とは飽和環、不飽和環、又は芳香環を構成する原子を意味する。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基等が挙げられ、このうち炭素数1〜6のものが好ましい。
シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられ、このうち環形成炭素数5又は6のものが好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数が3以上のものは直鎖状、環状又は分岐を有するものでもよく、このうち炭素数1〜6のものが好ましい。
シクロアルコキシ基としては、シクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられ、このうち環形成炭素数5又は6のものが好ましい。
芳香族炭化水素環基(アリール基)の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、o−ビフェニル基、m−ビフェニル基、p−ビフェニル基、o−ターフェニル基、m−ターフェニル基、p−ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレン基等が挙げられる。中でもフェニル基、m−ビフェニル基、m−ターフェニル基が好ましい。環形成炭素数6〜18のものが好ましい。
芳香族複素環基(ヘテロ芳香族環基)(ヘテロアリール基)の具体例としては、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、チエニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、ピペリジニル基、モルフォリニル基、ピペラジニル基、カルバゾリル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラニル基、ベンゾ[c]ジベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザカルバゾリル基等が挙げられ、このうち環形成原子数6〜14のものが好ましい。
フルオロアルキル基としては、上述したアルキル基に1つ以上のフッ素原子が置換した基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等が好ましい。
フルオロアルコキシ基としては、上述したアルコキシ基に1つ以上のフッ素原子が置換した基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等が好ましい。
置換もしくは無置換のシリル基としては、トリメチルシリル基やトリエチルシリル基のような炭素数1〜6のアルキル基がケイ素原子に3個結合したトリアルキルシリル基や、トリフェニル基のような環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素基がケイ素原子に3個結合したトリアリールシリル基が挙げられる。
上述の各基に置換してもよい置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基(具体的な基は上記と同じ)、環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基(具体的な基は上記と同じ)、炭素数1〜6のアルコキシ基(具体的な基は上記と同じ)、環形成炭素数3〜10のシクロアルコキシ基(具体的な基は上記と同じ)、環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基(具体的な基は上記と同じ)、環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基(具体的な基は上記と同じ)、シリル基(具体的な基は上記と同じ)、シアノ基が挙げられる。
[有機EL素子]
次に、本発明の一形態に係る有機EL素子の構造について説明する。
本発明の一形態に係る本発明の有機EL素子は、陽極、発光層、有機薄膜層及び陰極をこの順に積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層が、式(1)で表わされる化合物を含み、発光層と接する該有機薄膜層が式(2)で表わされる化合物を含む。
本発明の一形態に係る有機EL素子は上記構成を有する素子であれば、他の構成は限定されない。即ち、陽極と陰極の間に、他の有機薄膜層や中間電極層が配置されていてもよい。
発光層は、式(1)で表わされる化合物を1種単独で、又は2種以上を含んでもよい。
発光層は、式(1)で表わされる化合物の他に、式(1)で表わされる化合物以外の発光材料(ドーパント)を含むことが好ましい。
上記発光材料は、燐光発光材料(燐光ドーパント)であることが好ましい。発光層中の発光材料の濃度は、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは0.1〜30質量%である。
燐光ドーパントとしては、金属錯体化合物等が挙げられ、好ましくはIr,Pt,Os,Au,Cu,Re及びRuから選択される金属原子と、配位子とを有する化合物である。配位子は、オルトメタル結合を有すると好ましい。
燐光ドーパントは、Ir,Os及びPtから選ばれる金属原子を含有する化合物であると好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体であるとさらに好ましく、中でもイリジウム錯体及び白金錯体がより好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体が最も好ましい。ドーパントは、1種単独でも、2種以上の混合物でもよい。
発光層と隣接する有機薄膜層であって陰極側に配置された層は、式(2)の化合物を1種単独で、又は2種以上を含んでもよい。更に、公知の電子輸送材料を含んでいてもよい。
上述した実施形態の他に、本発明の一形態に係る有機EL素子は、公知の様々な構成を採用できる。
本発明の有機EL素子では、上述した本発明の一形態に係る有機EL素子用材料を使用した層以外の構成については、特に限定されず、公知の材料等を使用できる。以下、有機EL素子の層について簡単に説明するが、本発明の一形態に係る有機EL素子に適用される材料は以下に限定されない。
以下、基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/有機薄膜層(第1の電子輸送層)/第2の電子輸送層/電子注入層/陰極をこの順で積層してなる有機EL素子を例にして、各層を説明する。
(基板)
基板は、発光素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル等のプラスチック基板等が挙げられる。また、無機材料を蒸着したフィルムを用いることもできる。基板から発光を取り出す態様では、透明性の高い材料が好ましい。
(陽極)
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン、及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
陽極は、上述の材料を用いて、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1〜10wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを、酸化タングステン、及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法等により作製してもよい。
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
正孔注入層の材料として、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等も挙げられる。
正孔注入層の材料として、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。
正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、実施例で使用したHTM1,HTM2等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層には、CBP、CzPA、PCzPAのようなカルバゾール誘導体や、t−BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。尚、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層したものとしてもよい。
(発光層)
発光層は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。例えば、発光性の高い物質としては、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。蛍光性化合物は一重項励起状態から発光可能な化合物であり、燐光性化合物は三重項励起状態から発光可能な化合物である。
燐光性化合物としては、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、金(Au)から選択される金属原子のオルトメタル化錯体が、発光効率の点で好適である。
発光層に用いることができる青色系の蛍光発光材料として、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)等が挙げられる。
発光層に用いることができる緑色系の蛍光発光材料として、芳香族アミン誘導体等を使用できる。具体的には、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)等が挙げられる。
発光層に用いることができる赤色系の蛍光発光材料として、テトラセン誘導体、ジアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)等が挙げられる。
発光層に用いることができる青色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)や実施例で用いたイリジウム錯体等が挙げられる。
発光層に用いることができる緑色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体等が使用される。トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))等が挙げられる。
発光層に用いることができる赤色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、白金錯体、テルビウム錯体、ユーロピウム錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。
また、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光性化合物として用いることができる。
(発光層のホスト材料)
本発明の一形態に係る有機EL素子の発光層としては、上述した発光材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成が好ましい。
ホスト材料としては、式(1)、式(4)、式(8)の化合物が好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、次の物質を併用することができる。
発光材料を分散させるための物質(ホスト材料)としては、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、若しくは亜鉛錯体等の金属錯体、2)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、若しくはフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、3)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、若しくはクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、3)トリアリールアミン誘導体、若しくは縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物が使用される。
上記ホスト材料の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)等の金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等の複素環化合物や、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン等の縮合芳香族化合物、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(又はα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPB等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、発光性の高い物質(ゲスト材料)を分散させるための物質(ホスト材料)は複数種用いることができる。
(有機薄膜層(第1の電子輸送層))
発光層に隣接して陰極側に設けられる有機薄膜層は、電子輸送性を有すると共に三重項エネルギーレベルの高い化合物を含むことで、発光層に電子を輸送すると共に、発光層で形成した励起子の拡散を防止して、発光層中の励起子濃度を高め、発光効率の向上を図るための層である。
式(2)、式(5)、式(7)で表わされる化合物が使用できる。
この有機薄膜層は、2層以上の電子輸送層を有する有機EL素子において、第1の電子輸送層として配置される。第1の電子輸送層は、三重項エネルギーレベルが高いため、陰極や、後記する電子注入層からの電子の注入が難しい場合がある。このような場合、公知の電子輸送材を含む、第2の電子輸送層を配置するのが好ましい。
(電子輸送層(第2の電子輸送層))
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。
電子輸送層には、式(2)、式(5)、式(7)の化合物が使用できるが、その他に、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。
上記電子輸送層の材料の具体例としては、低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZ等の金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)、実施例で使用したETM1等の複素芳香族化合物も用いることができる。
ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。尚、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)等を用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。
電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。尚、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
電子注入層に、有機化合物と電子供与体(電子供与性ドーパント)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。
電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(陰極)
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、即ちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、及びマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属及びこれらを含む合金等が挙げられる。
尚、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペースト等を用いる場合には、塗布法やインクジェット法等を用いることができる。
陰極側から発光を取り出す場合、陰極を薄膜化する必要がある。この場合、陰極の外側に、例えば上述の透明な基板を配置してもよい。
電子注入層を設ける場合、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例の有機EL素子の製造に用いた材料を以下に示す。
Figure 2015019018
Figure 2015019018
Figure 2015019018
Figure 2015019018
合成例1
上記化合物について、例えば化合物H2は以下の方法で調製した。
(1)中間体(1−1)の合成
Figure 2015019018
1,3−ジフルオロ−2−ブロモベンゼン70g(363mmol)、塩化鉄11.8g(72.6mmol)をクロロホルム350mlに加え、0℃で撹拌した。次いで、臭素62.7g(399mmol)を滴下し、4時間撹拌した。反応溶液に水1Lを加えて有機相を分取した後、有機相を水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をヘプタンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタンのみ)で精製することにより、目的物である中間体(1−1)を89.1g(収率90%)得た。
(2)中間体(1−2)の合成
Figure 2015019018
アルゴン雰囲気下、中間体(1−1)89.1g(328mmol)、2−メトキシフェニルボロン酸109.6g(721mmol)、Pd(PPh15.2g(13.1mmol)、2MNaCO水溶液990mlを1,2−ジメトキシエタン(DME)1.3Lに加えて、アルゴン雰囲気下、加熱還流条件で36時間撹拌した。室温に戻したのち、酢酸エチル1Lを加えて有機相を分取した後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をトルエンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製することにより、目的物である中間体(1−2)を98.8g(収率92%)得た。
(3)中間体(1−3)の合成
Figure 2015019018
中間体(1−2)98.8g(303mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)500mlに加えた溶液に、DMF300mlに溶解したN−ブロモコハク酸イミド(NBS)113.2g(636mmol)を1時間かけて滴下した。室温で1時間撹拌した後、亜硫酸ナトリウム水溶液を反応液に加え、析出した固体を濾集した。この固体をメタノール、水で順次洗浄し、加熱したトルエンに溶解させた。この溶液を保温しながらシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製し、さらにヘプタンで懸濁洗浄することにより、目的物である中間体(1−3)を136.2g(収率92%)得た。
(4)中間体(1−4)の合成
Figure 2015019018
アルゴン雰囲気下、中間体(1−4)70.3g(145mmol)をジクロロメタン400mlに加えた反応溶液を0℃で撹拌した。次いで、三臭化ホウ素80.0g(319mmol)のジクロロメタン溶液を滴下し、室温に戻してから、18時間撹拌した。再び、0℃に冷却してから、水300mlを加え、有機相を分取した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製することにより、目的物である中間体(1−4)を66.0g(収率99%)得た。
(5)中間体(1−5)の合成
Figure 2015019018
アルゴン雰囲気下、中間体(1−4)10.0g(21.9mmol)、炭酸カリウム12.0g(87.7mmol)をN−メチルピロリドン(NMP)100mlに加え、180℃で15時間撹拌した。室温に戻して、水100mlを加え、析出した固体を濾集した。固体をキシレンに加熱溶解し、シリカゲル10gを加えてから、濾過した。濾液を濃縮し、析出した固体をキシレン溶媒で再結晶を繰り返して精製することにより、目的物である中間体(1−5)を4.1g(収率45%)得た。
(6)化合物H2の合成
Figure 2015019018
アルゴン雰囲気下、中間体(1−5)2.5g(6.01mmol)、カルバゾール2.5g(15.0mmol)Pd(dba)0.22g(0.24mmol)、t−BuP−HBF0.28g(0.96mmol)、t−ブトキシナトリウム1.6g(16.6mmol)をキシレン50mlに加え、150℃で24時間撹拌した。トルエン800mlを加え、加熱溶解させたものを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製した。溶媒を減圧下で留去して析出した固体をアセトンで洗浄を繰り返すことにより、化合物H2を3.0g(収率84%)の白色固体として得た。
得られた化合物H2についてFD−MS分析した結果、分子量588に対してm/e=588であった。
実施例1
[有機EL素子の製造]
25mm×75mm×1.1mmのITO透明電極付きガラス基板(ジオマティック社製)に、イソプロピルアルコール中での5分間の超音波洗浄を施し、さらに、30分間のUV(Ultraviolet)オゾン洗浄を施した。
このようにして洗浄した透明電極付きガラス基板を、真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず、ガラス基板の透明電極ラインが形成されている側の面上に、透明電極を覆うようにして、HTM1を厚さ20nmで蒸着し、正孔注入層を形成した。次いで、この膜上に、HTM2を厚さ60nmで蒸着し、正孔輸送層を形成した。
この正孔輸送層上に、燐光ホスト材料としてH1と燐光発光材料であるD1とを厚さ40nmで共蒸着し、燐光発光層を形成した。燐光発光層内におけるH1の濃度は80質量%、D1の濃度は20質量%であった。
続いて、この燐光発光層上にET6を厚さ5nmで蒸着し、第1電子輸送層を形成し、さらに、ETM1を厚さ25nmで蒸着して第2電子輸送層を形成した後、厚さ1nmのLiF、厚さ80nmの金属Alを順次積層し、陰極を形成した。尚、電子注入性電極であるLiFについては、1Å/minの速度で蒸着した。
[有機EL素子の発光性能評価]
作製した有機EL素子に電流密度が1mA/cmとなるように電圧を印加し、その時の電圧値を測定した。また、その時のEL発光スペクトルを分光放射輝度計(CS−1000:コニカミノルタ社製)にて計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、外部量子効率(%)及び主ピーク波長λp(nm)を算出した。
また、作製した有機EL素子について、初期輝度3,000cd/mにおける素子寿命(LT70:輝度が70%まで低下する時間)を求めた。
これら発光性能の評価結果を表1に示す。
実施例2
燐光ホスト材料として、化合物H1の代わりに化合物H2を用いて燐光発光層を形成し、電子輸送層材料として、化合物ET6の代わりに化合物ET8を用いて第1電子輸送層を形成した他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例3
燐光ホスト材料として、化合物H1の代わりに化合物H2を用いて燐光発光層を形成し、電子輸送層材料として、化合物ET6の代わりに化合物ET7を用いて第1電子輸送層を形成した他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例4
燐光ホスト材料として、化合物H1の代わりに化合物H3を用いて燐光発光層を形成し、電子輸送層材料として、化合物ET6の代わりに化合物ET7を用いて第1電子輸送層を形成した他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例5
燐光ホスト材料として、化合物H1の代わりに化合物H3を用いて燐光発光層を形成し、電子輸送層材料として、化合物ET6の代わりに化合物ET8を用いて第1電子輸送層を形成した他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
燐光ホスト材料として、化合物H1の代わりに化合物H4を用いて燐光発光層を形成した他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例7
燐光ホスト材料として、化合物H1の代わりに化合物H5を用いて燐光発光層を形成した他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1
第1電子輸送層の材料としてET6の代わりに化合物Aを用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例2
第1電子輸送層の材料としてET6の代わりに化合物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例3
第1電子輸送層の材料としてET6の代わりに化合物H1を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例4
第1電子輸送層の材料としてET6の代わりに化合物ETM1を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例5
燐光ホスト材料としてH1の代わりに化合物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015019018
実施例1〜6の有機EL素子は、比較例1〜5の有機EL素子と比較して、電圧と外部量子効率に優れる。素子寿命も、優れた値を示した比較例3及び5と比較して、同等程度である。このように、本発明の一実施態様である実施例1〜6は素子性能に優れることが分かる。実施例7の有機EL素子は、比較例1〜5の有機EL素子と比較して、電圧の点で優れる。

Claims (12)

  1. 陽極、発光層、有機薄膜層及び陰極をこの順に含む有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光層が、下記式(1)で表わされる化合物を含み、
    前記有機薄膜層が発光層と接する層であって、下記式(2)で表わされる化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015019018
    (式(1)中、
    及びXは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、又はRを有する窒素原子(−NR−)である。
    、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
    及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基又はシアノ基である。
    s及びtはそれぞれ独立に0又は1である。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾチオフェニル基である。
    但し、RとArは同一ではなく、RとArは同一ではない。R〜R、R、X、X、Ar及びArのうちいずれか2つで環を形成してもよい。)
    Figure 2015019018
    (式(2)中、
    は、酸素原子、硫黄原子、又はR’を有する窒素原子(−NR’−)である。
    〜Yは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、カルバゾール環の窒素原子の結合手と結合する炭素原子である。
    R’は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
    〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
    p、q、及びrは、それぞれ0又は1である。)
  2. 前記式(1)で表わされる化合物が、下記式(4)で表わされる化合物である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015019018
    (式(4)中、X、X、R〜R、Ar、Ar、s及びtは、前記式(1)と同様である。)
  3. 前記式(1)又は式(4)のX及びXが、それぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子である請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記式(1)で表わされる化合物が、下記式(8)で表わされる化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015019018
    (式(8)中、X、X、R、R、Ar、Ar、s及びtは、前記式(1)と同様である。)
  5. 前記式(1)中のAr及びArが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のアリールアザカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアリールジベンゾチオフェニル基、置換もしくは無置換のアザジベンゾチオフェニル基、又は置換もしくは無置換のアリールアザジベンゾチオフェニル基である請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記式(2)で表される化合物が、下記式(5)で表される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015019018
    (式(5)中、
    〜Xは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はR’を有する窒素原子(−NR’−)である。
    〜Yは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、カルバゾール環の窒素原子の結合手と結合する炭素原子である。
    R’は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
    〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
    q、r、x及びyは、それぞれ独立に0又は1である。)
  7. 前記式(2)又は前記式(5)のX〜Xが、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である請求項1〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記式(2)で表わされる化合物が、下記式(7)で表される化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015019018
    (式(7)中、
    〜Xは、それぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子である。
    〜Y及びYは、それぞれ独立に、CH又は窒素原子である。但し、Y〜Y、Yのうち少なくとも1つは窒素原子であり、Y〜Yのいずれか1つは、Rの結合手と結合する炭素原子である。
    〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロ芳香族環基、置換もしくは無置換のシリル基、フッ素原子、置換もしくは無置換のフルオロアルキル基、置換もしくは無置換のフルオロアルコキシ基、又はシアノ基である。
    r、x及びyは、それぞれ0又は1である。)
  9. 前記発光層が燐光発光材料を含み、
    前記燐光発光材料が、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)、金(Au)から選択される1種以上の金属原子のオルトメタル化錯体である請求項1〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記発光層からの発光波長の少なくとも1つの極大値が500nm以下である請求項1〜9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記有機薄膜層と陰極との間に電子輸送層が配置された請求項1〜10のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記陰極との界面領域に電子供与性ドーパントを含む有機層が配置された請求項1〜11のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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