JP2015018993A - 電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却構造を備え、取り扱いが容易な電子装置を提供する。【解決手段】電子装置1は、電子部品10、吸熱部20、伝熱部30及び放熱部40を有する。吸熱部20は、電子部品10に実装され、冷媒が封入され、その冷媒を用いて電子部品10の熱を吸熱する。伝熱部30は、吸熱部20に接続され、吸熱部20の熱を伝熱する。放熱部40は、伝熱部30に接続され、冷媒が流通され、その冷媒を用いて伝熱部30の熱を吸熱し放熱する。放熱部40は、伝熱部30への取り付け、伝熱部30からの取り外しが行える構造とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電子装置に関する。
電子装置やそれに含まれる電子部品の冷却を、空冷で行う技術、液冷で行う技術が知られている。また、冷媒の蒸発と凝縮による二相熱輸送を利用したヒートパイプを用いて冷却を行う技術も知られている。
特開平08−056088号公報 特開平09−293984号公報 特開2010−205949号公報
電子装置やそれに含まれる電子部品に冷却構造を設ける場合、冷却を効率的に行うために冷却構造が複雑化したり、冷却構造の取り付けやその後のメンテナンスが煩雑になったりすることがある。
本発明の一観点によれば、電子部品と、前記電子部品に実装され、第1冷媒が封入され、前記第1冷媒を用いて前記電子部品の熱を吸熱する吸熱部と、前記吸熱部に接続され、前記吸熱部の熱を伝熱する伝熱部と、前記伝熱部に着脱可能に配置され、第2冷媒が流通され、装着時に前記第2冷媒を用いて前記伝熱部の熱を吸熱し放熱する放熱部とを含む電子装置が提供される。
開示の技術によれば、冷却構造の複雑化を抑え、その取り付け、及び取り付け後のメンテナンスが容易で、冷却を効率的に行うことのできる電子装置が実現可能になる。
液冷式の冷却構造を設けた電子装置の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。 第3の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図(その1)である。 第3の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図(その2)である。 第4の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。 第5の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。 第6の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
まず、電子装置の冷却について述べる。
電子装置に含まれる電子部品の一形態として、複数のチップ部品を配線基板上に実装して封止したマルチチップモジュール(Multi Chip Module,MCM)がある。MCMでは、1つ又は複数のIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の半導体チップ、メモリ、センサ等を、1つのパッケージ内に収め、所望の機能を有するシステムを実現することができる。MCMは、システムオンチップ(System On Chip)のような形態に比べ、比較的短期間に低コストで開発、製造が可能であり、比較的容易に小型化、多機能化が実現できる。
ところで、このようなMCMにも用いられるLSI等の半導体チップは、高集積化に伴い、発熱量が増大し得る。発熱による半導体チップの過熱を抑えるために、半導体チップの冷却が行われる。冷却方式の1つに、空冷式がある。空冷式では、例えば、冷却対象の半導体チップにヒートスプレッダ、ヒートシンク等の熱伝導性の部材を熱的に接続し、そのような部材を用いて半導体チップの冷却を行う。しかし、発熱量の大きい半導体チップになると、空冷では十分な冷却が行えない場合がある。
冷却の別の方式に、液冷式がある。液冷式では、例えば、冷却対象の半導体チップの近傍に流路を設けてそこに水等の冷媒を流通させ、その冷媒を用いて半導体チップの冷却を行う。例えば、冷媒として用いられる水は、空気に比べて、効率的に熱を保持することができ、熱伝導効率も高い。
図1は液冷式の冷却構造を設けた電子装置の一例を示す図である。
図1に示す電子装置100は、電子部品110及び冷却構造120を備える。
電子部品110は、配線基板、及び配線基板上に実装された1つ又は複数の半導体チップを含んでいる。電子部品110には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサを含むMCMが用いられる。
冷却構造120は、液冷部121、ホルダ122、液冷管(チューブ)123及びコネクタ124を有している。液冷部121は、電子部品110上に設けられる。液冷部121は、冷媒が流通される1本又は複数本の溝(マイクロチャネル)121aを備える。液冷部121には、例えば、シリコン(Si)等の基板にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術等を用いてマイクロチャネル121aを形成したものを用いることができる。液冷部121にはホルダ122が取り付けられ、このホルダ122に、チューブ123の先端部に設けられたコネクタ124が螺着等の方式で取り付けられる。
コネクタ124がホルダ122に取り付けられ、チューブ123と液冷部121のマイクロチャネル121aとが連結されることで、チューブ123からマイクロチャネル121aに水等の冷媒が供給される。マイクロチャネル121aに供給された冷媒は、マイクロチャネル121aを流通される際に、電子部品110の熱を吸熱し、それにより電子部品110が冷却される。吸熱した冷媒は、マイクロチャネル121aを流通され、液冷部121の外部に排出される。
電子装置100では、このような液冷式を採用することで、電子部品110の効率的な冷却が行われる。
しかし、このような液冷式の冷却構造120を設けた電子装置100において、液冷部121のマイクロチャネル121aは、例えば、その径或いは幅や深さがμmオーダーのサイズとされる。一方、マイクロチャネル121aに冷媒を供給するためのチューブ123には、例えば、その径がmmオーダーのサイズのものが用いられる。このようなmmオーダーのチューブ123を、μmオーダーのマイクロチャネル121aと連結するためのコネクタ124の形成は必ずしも容易でない。
また、コネクタ124は、取り付け後、例えば液冷部121を設けた電子部品110を交換する場合等に、取り外されることがあるが、このようなコネクタ124の着脱も必ずしも容易でない。例えば、着脱の際、コネクタ124とホルダ122の接続部分等から液漏れが生じたり、液冷部121或いは液冷部121を設けた電子部品110の機械的な破損が生じたりする恐れがある。
また、上記のような冷却構造120を設けた電子装置100を、サーバやスーパーコンピュータ等の機器に採用する場合、電子装置100が数千個規模で実装されることもあり得る。このように多数の電子装置100が実装される機器では、個々の電子装置100についてコネクタ124の着脱に伴う上記のような液漏れや破損が生じる恐れがあるほか、電子装置100が多数になることで、コネクタ124の着脱作業が煩雑になる恐れもある。
液冷式の冷却構造を設けた電子装置の別例として、複数の半導体チップを三次元積層し、半導体チップ間に冷媒通路を設け、そこに水等の冷媒を流通させることで、冷却を行うものもある。複数の半導体チップを三次元積層する技術(三次元集積化技術)は、配線基板上の半導体チップの占有面積(実装面積)を低減することができるほか、高速化やバンド幅の拡大、配線距離の短縮によるバス消費電力の低減を実現し得る。但し、複数の半導体チップを単に三次元積層すれば、発熱体が集積されて電子装置内の局所的な発熱量が増加する恐れがあり、熱の放熱効率も低下する恐れがある。そこで、上記のように、三次元積層した半導体チップ間に冷媒通路を設けてそこに冷媒を流通させることで、冷却効率を高める技術も提案されている。
半導体チップ間に設ける冷媒通路としては、上記のようなマイクロチャネルを用いることができる。半導体チップ間にマイクロチャネルを有する電子装置は、例えば、各半導体チップに直接マイクロチャネルを形成したり、シリコン基板等にマイクロチャネルを形成したものを半導体チップ間に設けたりすることで、得ることができる。しかし、このような液冷式の冷却構造を設けた電子装置の場合も、上記同様、マイクロチャネルと液冷管を連結するコネクタの着脱に伴う液漏れや破損、煩雑な着脱作業が問題となり得る。
以上のような点に鑑み、ここでは電子装置を、以下に示すような冷却構造を採用した構成とする。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図2は第1の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
図2(A)に示す電子装置1は、電子部品10、吸熱部20、伝熱部30及び放熱部40を含む。
電子部品10は、LSI等の半導体チップ、半導体チップが配線基板(パッケージ基板)に実装された半導体パッケージ、MCM等である。電子部品10には、発熱する箇所(ホットスポット)10hが存在する。電子部品10が半導体チップの場合には、その半導体チップ内の一部、或いは半導体チップ全体がホットスポット10hになり得る。電子部品10が半導体パッケージの場合には、それに含まれる半導体チップ、或いは半導体チップとその周辺領域がホットスポット10hになり得る。電子部品10がMCMの場合も同様に、それに含まれる半導体チップ、或いは半導体チップとその周辺領域がホットスポット10hになり得る。例えば、CPU等のプロセッサを含むMCMでは、そのようなプロセッサ、或いはプロセッサとその周辺領域がホットスポット10hとなる。
吸熱部20は、電子部品10の上に、電子部品10に熱的に接続されて実装される。吸熱部20は、電子部品10の熱を、冷媒を用いて吸熱する。吸熱部20には、冷媒の蒸発と凝縮による二相熱輸送を利用したもの(二相熱輸送デバイス)が用いられる。二相熱輸送デバイスとしては、例えば、ヒートパイプ、マイクロヒートパイプ、ベーパーチャンバー、マイクロベーパーチャンバーがある。ヒートパイプ、マイクロヒートパイプは、冷媒(作動流体)が封入された、閉じた管状の密閉空間(容器)を有する。ベーパーチャンバー、マイクロベーパーチャンバーは、冷媒(作動流体)が封入された、密閉容器或いは閉じた管状の密閉空間(容器)を有する。これらの二相熱輸送デバイスの密閉容器内(内壁)には、ウィックと呼ばれる毛細管構造が設けられてもよい。吸熱部20には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料が用いられる。吸熱部20には、金属材料、半導体材料、炭素材料等を用いることができる。金属材料としては、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。半導体材料としては、シリコン等を挙げられる。炭素材料としては、グラファイト、炭素繊維、炭素繊維を用いた炭素複合材料(Carbon Fiber Reinforced Plastic,CFRP)等が挙げられる。
伝熱部30は、吸熱部20に熱的に接続され、吸熱部20の熱を伝熱する。伝熱部30は、吸熱部20のほか、電子部品10にも熱的に接続されてよい。伝熱部30には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料が用いられる。伝熱部30には、金属材料、半導体材料、炭素材料等を用いることができる。金属材料としては、銅、銀、アルミニウム等が挙げられる。半導体材料としては、シリコン等を挙げられる。炭素材料としては、グラファイト、炭素繊維、炭素複合材料等が挙げられる。
放熱部40は、伝熱部30に着脱可能になっている。放熱部40は、図2(A)に示すように伝熱部30に取り付けられることで伝熱部30に熱的に接続される。伝熱部30に熱的に接続された放熱部40は、伝熱部30の熱を、水等の液冷媒を用いて吸熱し、電子装置1の外部に放熱する。放熱部40には、例えば、冷媒が流通される液冷管が熱伝導部材に内蔵又は外付けされた構造体を用いることができる。液冷管、熱伝導部材には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料、例えば、金属材料、半導体材料、炭素材料等が用いられる。金属材料としては、銅、銀、アルミニウム、鉄(Fe)等が挙げられる。半導体材料としては、シリコン等を挙げられる。炭素材料としては、グラファイト、炭素繊維、炭素複合材料等が挙げられる。液冷管、熱伝導部材には、フレキシブルなものを用いることもできる。例えば、金属箔、ポリイミド等の高分子シート、グラファイトシート等の一対のフレキシブルシート間に、冷媒の流路となる空間を設けたものや、冷媒の流路となるフレキシブルなチューブを挟んだもの等を用いることができる。
電子装置1において、電子部品10のホットスポット10hの熱は、吸熱部20に伝熱(吸熱)され(図2(A)に太矢印で図示)、その熱により、吸熱部20の、ホットスポット10hに対応する部位の作動流体である冷媒が蒸発する。この蒸発(気化熱)によってホットスポット10hの熱が奪われ、ホットスポット10h及びそのホットスポット10hが存在する電子部品10の冷却が行われる。
吸熱部20で蒸発した冷媒は、吸熱部20の、ホットスポット10hよりも低温の部位、例えば、ホットスポット10hから離れた部位や、伝熱部30との接続部位で、凝縮する。凝縮した冷媒は、吸熱部20の、ホットスポット10hに対応する部位に移動し、再びホットスポット10hの熱を奪って蒸発する。吸熱部20での冷媒の凝縮により生じた熱(凝縮熱)は、伝熱部30に伝熱される(図2(A)に太矢印で図示)。
尚、図2(A)には、吸熱部20内の蒸発と凝縮を伴う冷媒の流れを点線矢印で模式的に図示している。
電子部品10(ホットスポット10h)の冷却時には、伝熱部30に放熱部40が熱的に接続される。その放熱部40には、液冷媒が流通される(図2(A)に点線矢印で図示)。吸熱部20から伝熱部30に伝熱された熱は、放熱部40に吸熱され(図2(A)に太矢印で図示)、放熱部40に流通される冷媒に伝熱され、電子装置1の外部に輸送(放熱)される。尚、放熱部40に吸熱された熱は、放熱部40から空冷によっても電子装置1の外部に放熱され得る。
電子装置1では、このようなサイクルで電子部品10の冷却が行われる。
上記のように、この電子装置1では、放熱部40が伝熱部30に着脱可能とされる。このような放熱部40及び伝熱部30には、例えば、放熱部40に嵌合部を設け、その嵌合部と嵌合する被嵌合部を伝熱部30に設ける。例えば、嵌合部として、ピン状、ライン状といった凸部を設け、被嵌合部として、その凸部が嵌合されるようなピン状、穴状、ライン状といった凹部を設ける。放熱部40及び伝熱部30にそれぞれ嵌合部及び被嵌合部を設けることで、放熱部40の、図2(A)に示すような伝熱部30への取り付け、図2(B)に示すような伝熱部30からの取り外しが、容易に、繰り返し、行えるようになっている。
電子装置1では、このように放熱部40を伝熱部30に着脱可能にし、液冷媒を流通する放熱部40を、電子部品10上に配置された吸熱部20と、伝熱部30を介して熱的には接続するが、直接的には接続せずに分離している。即ち、吸熱部20と放熱部40の互いの冷媒を分離しつつ、互いの冷媒を用いて電子部品10(ホットスポット10h)の効率的な冷却を可能にしている。
吸熱部20は、マイクロヒートパイプやマイクロベーパーチャンバー等であって、冷媒が閉じた空間内に封入されており、外部から冷媒を供給するチューブ、コネクタを連結するような作業が不要であるため、冷媒の漏れが抑えられる。放熱部40は、このような吸熱部20に熱的に接続された伝熱部30に着脱可能とされている。伝熱部30に放熱部40を取り付け(図2(A))、その放熱部40に冷媒を流通させることで、吸熱部20の熱を電子装置1の外部に放熱することができる。
放熱部40は、必要な時に、例えば電子部品10を交換する等のメンテナンス時に、伝熱部30から取り外すことができ(図2(B))、その後、再び伝熱部30に取り付けることができる(図2(A))。このような放熱部40の取り付け、取り外しは、例えば上記のように放熱部40及び伝熱部30にそれぞれ嵌合部及び被嵌合部を設けることで、容易に行うことができる。この放熱部40の取り付け、取り外しの際には、電子部品10に過大な外力が加わるのを抑えることができ、それにより、電子部品10が破損するのを抑えることができる。
上記のような電子装置1によれば、電子部品10を効率的に冷却するための冷却構造の複雑化を抑えると共に、電子装置1の組み立て、冷却構造の取り付け、及び取り付け後のメンテナンスの容易化を図ることが可能になる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図3は第2の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。
図3に示す電子装置1aは、電子部品10、マイクロヒートパイプユニット50及び液冷管ユニット60を含む。
電子部品10は、LSI等の半導体チップ、半導体チップを含む半導体パッケージ、MCM等であり、ホットスポットが存在している。
マイクロヒートパイプユニット50は、本体部51と、本体部51に設けられたマイクロヒートパイプ52とを有している。
マイクロヒートパイプユニット50の本体部51には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料、例えば、銅、銀等の金属材料、シリコン等の半導体材料、グラファイト等の炭素材料が用いられる。マイクロヒートパイプ52は、本体部51に形成された、1本の連続した或いは複数本のマイクロチャネル52aを有している。マイクロヒートパイプユニット50は、このようなマイクロヒートパイプ52のマイクロチャネル52aの配設面側を電子部品10側に向けて、電子部品10上に接合されている。
尚、マイクロヒートパイプユニット50と電子部品10とは、直接接合することができる。このほか、マイクロヒートパイプユニット50と電子部品10とは、本体部51と同様の一定以上の熱伝導率を有する熱伝導部材、熱伝導性ポリマーを用いた熱界面材料(Thermal Interface Material,TIM)等を介して接合することもできる。
マイクロヒートパイプユニット50のマイクロチャネル52aの内壁には、シラノール基(Si−OH)を含有する層を形成する表面処理を施してもよい。図3には、このような表面処理により、マイクロチャネル52aの内壁にシラノール基含有層52bを形成した場合を例示している。
マイクロヒートパイプ52において、マイクロチャネル52aの内壁が、封入される冷媒に対して親水性であるか、疎水性であるかは、冷媒がマイクロチャネル52a内を移動する際の抵抗に影響する。
例えば、マイクロチャネル52aに上記のようなシラノール基含有層52bを設けないマイクロヒートパイプユニット50を炭素製とした場合、即ち、マイクロチャネル52aの内壁が炭素の場合、冷媒に水を用いると、炭素と水の接触角は約60°になる。シラノール基含有層52bを設けないマイクロヒートパイプユニット50がシリコン製であり、マイクロチャネル52aの内壁がシリコンの場合には、シリコンと水(冷媒)の接触角は約90°になる。
一方、マイクロチャネル52aの内壁に、例えば、酸化シリコン(SiO2)を形成する表面処理を行うと、表面シラノール基を有する酸化シリコン層が形成される。この酸化シリコン層は、表面シラノール基を有するために、水分子が吸着し易く、親水性となる。表面シラノール基を有する酸化シリコン層と水(冷媒)の接触角は5°未満である。同様に、マイクロチャネル52aの内壁に、例えば、炭化シリコン(SiC)を形成する表面処理を行うと、表面シラノール基を有する親水性の炭化シリコン層が形成され、この炭化シリコン層と水(冷媒)の接触角は4°未満である。
マイクロチャネル52aの内壁に、このような表面シラノール基を有する酸化シリコン層や炭化シリコン層を、上記シラノール基含有層52bとして形成することで、マイクロチャネル52a内を移動する冷媒の接触角が低減する。それにより、マイクロチャネル52a内を移動する冷媒の抵抗を低減することができる。更に、電子部品10から熱を吸熱して冷媒が蒸発する際の気泡の発生、発生した気泡によるマイクロチャネル52aの詰まり(閉塞)を抑えることができる。
尚、マイクロチャネル52a内に封入される冷媒の種類によっては、上記のようなシラノール基含有層52bを設けない構成とすることができる。
上記のようなマイクロヒートパイプ52を設けたマイクロヒートパイプユニット50の、電子部品10との接合面(マイクロヒートパイプ52の配設面)と反対側の面には、凹凸部53が設けられる。凹凸部53は、例えば、アイランド状、ライン状の凹部を本体部51に形成することで、設けることができる。凹凸部53は、マイクロヒートパイプユニット50と液冷管ユニット60との接合に用いられる。
液冷管ユニット60は、本体部61と、本体部61に内蔵された液冷管62とを有している。液冷管ユニット60の本体部61及び液冷管62には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料、例えば、銅、銀、鉄等の金属材料、シリコン等の半導体材料、グラファイト等の炭素材料が用いられる。液冷管ユニット60には、その本体部61に内蔵された液冷管62内に、水等の冷媒が流通される。
液冷管ユニット60は、マイクロヒートパイプユニット50との接合面に、凹凸部63を有している。凹凸部63は、例えば、マイクロヒートパイプユニット50の凹凸部53の凸部に対応する、アイランド状、ライン状の凹部を本体部61に形成することで、設けることができる。液冷管ユニット60の凹凸部63が嵌合部となり、マイクロヒートパイプユニット50の凹凸部53が被嵌合部となって、凹凸部63が凹凸部53に嵌合される。このような嵌合する凹凸部63及び凹凸部53により、液冷管ユニット60のマイクロヒートパイプユニット50への取り付け、取り外しが可能になっている。
液冷管ユニット60及びマイクロヒートパイプユニット50にそれぞれ凹凸部63及び凹凸部53を設け、これらを嵌合するようにすることで、液冷管ユニット60とマイクロヒートパイプユニット50の接合面積を大きくし、伝熱効率を高めることができる。
尚、凹凸部63及び凹凸部53がアイランド状であれば、液冷管ユニット60をマイクロヒートパイプユニット50の上方から押し込むことで、液冷管ユニット60をマイクロヒートパイプユニット50に取り付けることができる。取り付けた液冷管ユニット60は、マイクロヒートパイプユニット50の上方に引き抜くことで、マイクロヒートパイプユニット50から取り外すことができる。また、凹凸部63及び凹凸部53がライン状であれば、液冷管ユニット60をマイクロヒートパイプユニット50の横から凹凸のライン方向にスライドさせて押し込むことで、液冷管ユニット60をマイクロヒートパイプユニット50に取り付けることができる。取り付けた液冷管ユニット60は、凹凸のライン方向にスライドさせて引き抜くことで、マイクロヒートパイプユニット50から取り外すことができる。
液冷管ユニット60のマイクロヒートパイプユニット50への取り付け、取り外しの容易さは、それらに用いる材料で変化し得る。例えば、液冷管ユニット60とマイクロヒートパイプユニット50に共に銅を用いた場合、銅−銅間の摩擦係数(μ)は1.4である。液冷管ユニット60とマイクロヒートパイプユニット50に共にシリコンを用いた場合、シリコン−シリコン間の摩擦係数は0.9である。液冷管ユニット60に鉄、マイクロヒートパイプユニット50に銅を用いた場合、鉄−銅間の摩擦係数は0.54である。液冷管ユニット60に鉄、マイクロヒートパイプユニット50に炭素を用いた場合、鉄−炭素間の摩擦係数は0.15である。マイクロヒートパイプユニット50に炭素を用いると、液冷管ユニット60に鉄や銅等の比較的安価な金属材料を用いても、その取り付け、取り外しが、比較的小さな力で行える。そのため、液冷管ユニット60の取り付け、取り外しを容易にし、また、取り付け、取り外しの際の電子部品10、マイクロヒートパイプユニット50へのダメージを抑えることができる。
上記のような構成を有する電子装置1aでは、電子部品10(ホットスポット)の熱が、マイクロヒートパイプユニット50に吸熱され、その熱により、マイクロヒートパイプ52の、ホットスポットに対応する部位のマイクロチャネル52a内の冷媒が蒸発する。この蒸発(気化熱)により、電子部品10の冷却が行われる。蒸発した冷媒は、ホットスポットから離れた部位のマイクロチャネル52a内等、より低温の部位で凝縮する。凝縮した冷媒は、マイクロチャネル52a内を、ホットスポットに対応する部位へと移動し、再びホットスポットの熱を奪って蒸発する。マイクロチャネル52a内での冷媒の凝縮により生じた熱(凝縮熱)は、本体部51を伝熱される。本体部51の熱は、マイクロヒートパイプユニット50に取り付けられた液冷管ユニット60に吸熱され、放熱部40に流通される冷媒に伝熱され、電子装置1aの外部に輸送(放熱)される。電子装置1aでは、このようなサイクルで電子部品10の冷却が行われる。
電子装置1aでは、マイクロヒートパイプユニット50が吸熱部兼伝熱部として機能し、液冷管ユニット60が放熱部として機能する。電子装置1aでは、液冷管ユニット60とマイクロヒートパイプユニット50の互いの冷媒を分離しつつ、互いの冷媒を用いて電子部品10の効率的な冷却を可能にしている。マイクロヒートパイプユニット50では、冷媒の漏れが抑えられる。液冷管ユニット60は、電子部品10の交換等のメンテナンス時に、マイクロヒートパイプユニット50から容易に取り外すことができ、その後、再びマイクロヒートパイプユニット50に容易に取り付けることができる。取り付け、取り外しの際、電子部品10等に過大な外力が加わるのを抑え、電子部品10等が破損するのを抑えることができる。
上記のような電子装置1aによれば、電子部品10を効率的に冷却するための冷却構造の複雑化を抑えると共に、電子装置1aの組み立て、冷却構造の取り付け、及び取り付け後のメンテナンスの容易化を図ることが可能になる。
一例として、上記電子装置1aの電子部品10として、消費電力80WのCMOSロジックデバイスをパッケージ基板に実装した半導体パッケージを用い、その上に、炭素製のマイクロヒートパイプユニット50を設ける。マイクロヒートパイプユニット50には、断面サイズが縦500μm×横500μmのマイクロチャネル52aが、電子部品10上を全体的に引き回されるように設けられており、マイクロチャネル52aの内部には、冷媒として水を封入する。マイクロヒートパイプユニット50の上部には、高さ(深さ)1.5mm×幅1.5mmの凹凸部53を設け、液冷管ユニット60の下部には、凹凸部53と嵌合される高さ(深さ)1.5mm×幅1.5mmの凹凸部63を設ける。凹凸部63と凹凸部53を用いて、液冷管ユニット60をマイクロヒートパイプユニット50に嵌合する。このような構成とした電子装置1aについて、電子部品10の動作、冷却を行うと、CMOSロジックデバイスの動作温度は35℃になる。比較のため、電子部品10の上にTIMを介して空冷ユニットを接合した電子装置を準備し、その電子部品10の動作、冷却を行うと、CMOSロジックデバイスの動作温度は60℃になる。上記電子装置1aによれば、効率的な電子部品10の冷却が可能となる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図4及び図5は第3の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。図4は第3の実施の形態に係る電子装置の一例の斜視模式図、図5は第3の実施の形態に係る電子装置の一例の断面模式図である。
図4及び図5に示す電子装置1bは、電子部品10、マイクロベーパーチャンバー70、伝熱ユニット80及び液冷管ユニット90を含む。
ここでは電子部品10の一例として、パッケージ基板11に半田ボール等のバンプ12を用いてLSI等の半導体チップ13を実装した半導体パッケージを例示している。ここでは図示を省略するが、パッケージ基板11には、半導体チップ13実装面と反対側の面に半田ボールのようなバンプや、金属ピン等が、外部接続端子として設けられてもよい。このような電子部品10(半導体パッケージ)では、例えば、半導体チップにホットスポットが存在している。尚、電子部品10には、半導体チップ、MCM等を用いることもできる。
マイクロベーパーチャンバー70には、その容器内部にマイクロチャネルが設けられ、水等の冷媒が封入されている。このようなマイクロベーパーチャンバー70が、電子部品10の上に、直接、或いは一定以上の熱伝導率を有する熱伝導部材、TIM等を介して、接合されている。マイクロベーパーチャンバー70には、例えば、電子部品10の平面サイズよりも大きな平面サイズのものが用いられる。
伝熱ユニット80は、マイクロベーパーチャンバー70に熱的に接続されるように設けられる。この例では、伝熱ユニット80を、電子部品10の周囲に設け、マイクロベーパーチャンバー70の、電子部品10よりも外側にはみ出た部位の下面に接合している。伝熱ユニット80は、マイクロベーパーチャンバー70と直接、或いは一定以上の熱伝導率を有する熱伝導部材、TIM等を介して、接合される。伝熱ユニット80には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料、例えば、銅、銀等の金属材料、シリコン等の半導体材料、グラファイト等の炭素材料が用いられる。
伝熱ユニット80には、複数のピン状の凸部83が格子状に設けられている。凸部83は、例えば、円柱状とされる。凸部83は、伝熱ユニット80と液冷管ユニット90との接合に用いられる。
液冷管ユニット90は、熱伝導部材91と、熱伝導部材91上に設けられた液冷管92とを有している。熱伝導部材91及び液冷管92には、一定以上の熱伝導率を有する熱伝導材料、例えば、銅、銀、鉄等の金属材料が用いられる。液冷管92は、例えば、熱伝導部材91上に、溶接等の方法で接合される。液冷管ユニット90は、伝熱ユニット80に熱的に接続され、その液冷管62には、水等の冷媒が流通される。尚、液冷管92に金属材料を用いる場合には、溶接のほか、適当な固定用治具で熱伝導部材91に固定することもできる。また、液冷管92には、一定以上の熱伝導率を有するフレキシブルチューブを用いることもできる。このようなフレキシブルチューブは、例えば、熱伝導部材91に接着したり、適当な固定用治具で固定したりすることができる。
液冷管ユニット90の熱伝導部材91には、伝熱ユニット80との接続面に、伝熱ユニット80に設けられた複数の凸部83とは位置をずらして、複数のピン状の凸部93が格子状に設けられている。凸部93は、例えば、円柱状とされる。液冷管ユニット90の隣接凸部93間の間隔は、伝熱ユニット80の隣接凸部83間の間隔と同程度とされる。液冷管ユニット90を伝熱ユニット80に取り付ける際には、液冷管ユニット90の各凸部93が、それに対応する位置を囲む伝熱ユニット80の凸部83群の中央部に嵌合される。このように液冷管ユニット90の凸部93が嵌合部となり、その凸部93を囲む位置の伝熱ユニット80の凸部83が被嵌合部となって、液冷管ユニット90の伝熱ユニット80への取り付けが可能になっており、また、取り外しも可能になっている。凸部93及び凸部83を用いることで、液冷管ユニット90の取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
尚、液冷管ユニット90の熱伝導部材91に銅、鉄等の金属材料を用い、伝熱ユニット80に炭素材料を用いると、双方の摩擦係数が小さくなるため、液冷管ユニット90の取り付け、取り外しを容易にすることができる。また、液冷管ユニット90の取り付け、取り外しの際の電子部品10、マイクロベーパーチャンバー70、伝熱ユニット80へのダメージを抑えることができる。
また、ここでは、熱伝導部材91上に液冷管92を取り付けた液冷管ユニット90を例示したが、液冷管ユニット90は、熱伝導部材91の内部を通るように液冷管92を内蔵させた構造とすることもできる。
上記のような構成を有する電子装置1bでは、電子部品10(ホットスポット)の熱が、マイクロベーパーチャンバー70に吸熱され、その熱により、ホットスポットに対応する部位のマイクロベーパーチャンバー70内の冷媒が蒸発する。この蒸発(気化熱)により、電子部品10の冷却が行われる。蒸発した冷媒は、マイクロベーパーチャンバー70の、ホットスポットから離れた伝熱ユニット80との接続部位等、より低温の部位で凝縮する。凝縮した冷媒は、マイクロベーパーチャンバー70内を、ホットスポットに対応する部位へと移動し、再びホットスポットの熱を奪って蒸発する。マイクロベーパーチャンバー70内での冷媒の凝縮により生じた熱(凝縮熱)は、伝熱ユニット80へと伝熱される。伝熱ユニット80の熱は、液冷管ユニット90の熱伝導部材91に吸熱され、それに取り付けられた液冷管92に流通される冷媒に伝熱されて、電子装置1bの外部に輸送(放熱)される。電子装置1bでは、このようなサイクルで電子部品10の冷却が行われる。
電子装置1bでは、マイクロベーパーチャンバー70が吸熱部として機能し、伝熱ユニット80が伝熱部として機能し、液冷管ユニット90が放熱部として機能する。電子装置1bでは、液冷管ユニット90とマイクロベーパーチャンバー70の互いの冷媒を分離しつつ、互いの冷媒を用いて電子部品10の効率的な冷却を可能にしている。マイクロベーパーチャンバー70では、冷媒の漏れが抑えられる。液冷管ユニット90は、電子部品10の交換等のメンテナンス時に、伝熱ユニット80から容易に取り外すことができ、その後、再び伝熱ユニット80に容易に取り付けることができる。取り付け、取り外しの際、電子部品10等に過大な外力が加わるのを抑え、電子部品10等が破損するのを抑えることができる。
上記のような電子装置1bによれば、電子部品10を効率的に冷却するための冷却構造の複雑化を抑えると共に、電子装置1bの組み立て、冷却構造の取り付け、及び取り付け後のメンテナンスの容易化を図ることが可能になる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図6は第4の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。図6は第4の実施の形態に係る電子装置の一例の斜視模式図である。
図6に示す電子装置1cは、液冷管ユニット90に嵌合部となる複数のライン状の凸部93cを設け、伝熱ユニット80に被嵌合部となる複数のライン状の凸部83cを設けた構造を有している点で、上記第3の実施の形態に係る電子装置1bと相違する。
電子装置1cでは、液冷管ユニット90を伝熱ユニット80の横から凹凸のライン方向にスライドさせて押し込むことで、液冷管ユニット90が伝熱ユニット80に取り付けられる。取り付けられた液冷管ユニット60は、凹凸のライン方向にスライドさせて引き抜くことで、伝熱ユニット80から取り外される。
このような電子装置1cによっても、上記電子装置1bと同様に、電子部品10を効率的に冷却するための冷却構造の複雑化を抑えると共に、電子装置1cの組み立て、冷却構造の取り付け、及びその後のメンテナンスの容易化を図ることが可能になる。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図7は第5の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。図7は第5の実施の形態に係る電子装置の一例の斜視模式図である。
図7に示す電子装置1dは、液冷管ユニット90の熱伝導部材91に、液冷管92aaを内蔵するフレキシブルシート部材92aが取り付けられている点で、上記第3の実施の形態に係る電子装置1bと相違する。
フレキシブルシート部材92aは、例えば、一定以上の熱伝導率を有する一対のフレキシブルシート92ab内に、液冷管92aaとして、冷媒の流路となる空間を設けたものや、冷媒の流路となるフレキシブルなチューブを挟んだものを用いることができる。フレキシブルシート92ab及び液冷管92aaには、銅等の金属、シリコーン等の高分子、グラファイト等の熱伝導材料を用いることができる。
このような電子装置1dによっても、上記電子装置1bと同様に、電子部品10を効率的に冷却するための冷却構造の複雑化を抑えると共に、電子装置1dの組み立て、冷却構造の取り付け、及び取り付け後のメンテナンスの容易化を図ることが可能になる。
尚、電子装置1dにおいて、液冷管ユニット90(熱伝導部材91)及び伝熱ユニット80には、上記第4の実施の形態に係る電子装置1cと同様に、スライドさせることで取り付け、取り外しが可能なライン状の凸部93c及び凸部83cを設けることもできる。
次に、第6の実施の形態について説明する。
図8は第6の実施の形態に係る電子装置の一例を示す図である。図8は第6の実施の形態に係る電子装置の一例の断面模式図である。
図8に示す電子装置1eは、電子部品10、マイクロベーパーチャンバー70、伝熱ユニット80及び液冷管ユニット90を含む。
電子部品10は、バンプ10aaを備えるパッケージ基板10aに、熱伝導部材であるビア10bを形成したインターポーザ10c及びバンプ10dを介して実装された半導体装置10eを有している。半導体装置10eは、マイクロプロセッサ等の半導体チップ10eaと、その半導体チップ10eaにバンプ10ebを介して積層されたメモリ等の半導体チップ10ec群とを含んでいる。
マイクロベーパーチャンバー70は、例えば内部にマイクロチャネルを有し、パッケージ基板10aとインターポーザ10cの間に設けられている。ビア10bは、マイクロベーパーチャンバー70を、そのマイクロチャネルの形成領域を避けて貫通するように設けられ、ビア10bを介してパッケージ基板10aと電子部品10とが電気的及び熱的に接続されている。
伝熱ユニット80は、グラファイトシート80a及び熱伝導部材80bを有している。マイクロベーパーチャンバー70は、その上面の一部に接合されたグラファイトシート80aを介して、熱伝導部材80bに熱的に接続されている。マイクロベーパーチャンバー70は、グラファイトシート80aと共に、熱伝導部材80bに接合されていてもよい。
液冷管ユニット90は、熱伝導部材91と、熱伝導部材91上に設けられた液冷管92とを有している。ここでは熱伝導部材91として、例えば、低粘着性の接着剤が用いられる。このような低粘着性の接着剤を熱伝導部材91に用いることで、液冷管ユニット90を伝熱ユニット80に着脱可能としている。
このような電子装置1eは、パッケージ基板10aのバンプ10aaを用いて、マザーボード等の他の配線基板に実装することができる。
電子装置1eでは、電子部品10の熱がビア10bに伝熱され、ビア10bに伝熱された熱がマイクロベーパーチャンバー70に吸熱され、その熱により、マイクロベーパーチャンバー70内の冷媒の一部が蒸発する。この蒸発(気化熱)により、電子部品10の冷却が行われる。蒸発した冷媒は、マイクロベーパーチャンバー70の、ビア10bから離れた部位等、より低温の部位で凝縮する。凝縮した冷媒は、マイクロベーパーチャンバー70内を、ビア10bの周辺の部位へと移動し、電子部品10からビア10bに伝熱される熱を奪って蒸発する。マイクロベーパーチャンバー70内での冷媒の凝縮により生じた熱(凝縮熱)は、伝熱ユニット80のグラファイトシート80a及び熱伝導部材80bへと伝熱される。伝熱ユニット80の熱は、液冷管ユニット90の熱伝導部材91を介して、液冷管ユニット90の液冷管92に流通される冷媒に伝熱され、電子装置1eの外部に輸送(放熱)される。電子装置1eでは、このようなサイクルで電子部品10の冷却が行われる。
このように積層された半導体チップ群を含む電子部品10を備えた電子装置1eでも、上記同様、マイクロベーパーチャンバー70が吸熱部として機能し、伝熱ユニット80が伝熱部として機能し、液冷管ユニット90が放熱部として機能する。電子装置1eでは、液冷管ユニット90とマイクロベーパーチャンバー70の互いの冷媒を分離しつつ、互いの冷媒を用いて電子部品10の効率的な冷却を可能にしている。マイクロベーパーチャンバー70では、冷媒の漏れが抑えられ、液冷管ユニット90は、電子部品10の交換等のメンテナンス時に、伝熱ユニット80から容易に取り外すことができ、その後、再び伝熱ユニット80に容易に取り付けることができる。取り付け、取り外しの際、電子部品10等に過大な外力が加わるのを抑え、電子部品10等が破損するのを抑えることができる。
上記のような電子装置1eによれば、電子部品10を効率的に冷却するための冷却構造の複雑化を抑えると共に、電子装置1eの組み立て、冷却構造の取り付け、及び取り付け後のメンテナンスの容易化を図ることが可能になる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電子部品と、
前記電子部品に実装され、第1冷媒が封入され、前記第1冷媒を用いて前記電子部品の熱を吸熱する吸熱部と、
前記吸熱部に接続され、前記吸熱部の熱を伝熱する伝熱部と、
前記伝熱部に着脱可能に配置され、第2冷媒が流通され、装着時に前記第2冷媒を用いて前記伝熱部の熱を吸熱し放熱する放熱部と
を含むことを特徴とする電子装置。
(付記2) 前記放熱部は、嵌合部を備え、
前記伝熱部は、前記嵌合部が嵌合される被嵌合部を備えることを特徴とする付記1に記載の電子装置。
(付記3) 前記嵌合部は、複数の第1ピンを有し、
前記被嵌合部は、前記複数の第1ピンが嵌合されるように設けられた複数の第2ピンを有することを特徴とする付記2に記載の電子装置。
(付記4) 前記嵌合部は、第1方向に延在する凸部を有し、
前記被嵌合部は、前記第1方向に延在し、前記凸部が嵌合される凹部を有することを特徴とする付記2に記載の電子装置。
(付記5) 前記伝熱部及び前記放熱部の少なくとも一方に炭素材料が用いられることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の電子装置。
(付記6) 前記吸熱部は、
基板と、
前記基板に形成され、前記第1冷媒が封入される溝と
を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の電子装置。
(付記7) 前記吸熱部は、
基板と、
前記基板に形成され、前記第1冷媒が封入される溝と
を有し、
前記溝の内面に、シラノール基を含有する層が設けられることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の電子装置。
(付記8) 前記放熱部は、フレキシブルであることを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の電子装置。
(付記9) 前記伝熱部は、前記電子部品の側面に設けられ、
前記吸熱部は、前記電子部品の上面から前記伝熱部の上面の第1部分に設けられ、
前記放熱部は、前記伝熱部の上面の、前記第1部分とは異なる第2部分に設けられることを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の電子装置。
(付記10) 前記電子部品は、前記吸熱部を貫通する熱伝導部材を有することを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の電子装置。
1,1a,1b,1c,1d,1e,100 電子装置
10,110 電子部品
10a,11 パッケージ基板
10aa,10d,10eb,12 バンプ
10b ビア
10c インターポーザ
10e 半導体装置
10ea,10ec,13 半導体チップ
10h ホットスポット
20 吸熱部
30 伝熱部
40 放熱部
50 マイクロヒートパイプユニット
51,61 本体部
52 マイクロヒートパイプ
52a,121a マイクロチャネル
52b シラノール基含有層
53,63 凹凸部
60,90 液冷管ユニット
62,92,92aa 液冷管
70 マイクロベーパーチャンバー
80 伝熱ユニット
80a グラファイトシート
80b,91 熱伝導部材
83,83c,93,93c 凸部
92a フレキシブルシート部材
92ab フレキシブルシート
120 冷却構造
121 液冷部
122 ホルダ
123 チューブ
124 コネクタ

Claims (5)

  1. 電子部品と、
    前記電子部品に実装され、第1冷媒が封入され、前記第1冷媒を用いて前記電子部品の熱を吸熱する吸熱部と、
    前記吸熱部に接続され、前記吸熱部の熱を伝熱する伝熱部と、
    前記伝熱部に着脱可能に配置され、第2冷媒が流通され、装着時に前記第2冷媒を用いて前記伝熱部の熱を吸熱し放熱する放熱部と
    を含むことを特徴とする電子装置。
  2. 前記放熱部は、嵌合部を備え、
    前記伝熱部は、前記嵌合部が嵌合される被嵌合部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記伝熱部及び前記放熱部の少なくとも一方に炭素材料が用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
  4. 前記吸熱部は、
    基板と、
    前記基板に形成され、前記第1冷媒が封入される溝と
    を有し、
    前記溝の内面に、シラノール基を含有する層が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子装置。
  5. 前記放熱部は、フレキシブルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子装置。
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