JP2015015146A - 固体照明装置用光ファイバケーブルおよび固体照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー光が外部に漏洩することを抑制可能な光ファイバケーブルおよび固体照明装置を提供する。【解決手段】固体照明装置は、光ファイバケーブルと;第1光源と;第2光源と;ランプ部と;制御部と;を具備する。光ファイバケーブルは、第1の波長の可視レーザー光を伝送可能な第1の光ファイバ群と、第2の波長のレーザー光を伝送可能であり、第1の光ファイバ群を囲むように設けられた第2の光ファイバ群と、を有する。第1光源は、第1の光ファイバ群に可視レーザー光を入射する。第2光源は、第2の光ファイバ群にレーザー光を入射する。ランプ部は、可視レーザー光から生成された照明光と、第2の波長のレーザー光から生成された散乱光と、を放出する。制御部は、照明光および散乱光の戻り光の強度の変化を検出し、可視レーザー光の放出を停止する。【選択図】図1
Description
後述する実施形態は、概ね、固体照明装置用光ファイバケーブルおよび固体照明装置に関する。
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、半導体レーザー(LD:Laser Diode)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)などの固体発光素子を用いた固体固体照明装置(Solid State Lighting)装置は、高効率、長寿命、点灯電子制御が容易である。
青色LEDを用いる固体照明装置の場合、発熱の影響が無くても、電流密度が高くなると光出力の低下や飽和を生じるドループが問題となる。面積を広げてドループの影響を低減しようとすると、狭い領域で高輝度発光する大光量固体照明装置の実現は困難である。
固体照明装置が、発光点が微小で広がり角の狭い青色レーザー光を光ファイバでランプ部まで伝送する構造であると、小型軽量で低発熱の大光量固体照明装置が可能となる。
レーザー光を用いた固体照明装置の場合、IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)60825にあるレーザ光の漏洩を防ぐことを含む安全に関する国際標準を満たすことが要求される。
本発明が解決しようとする課題は、レーザー光が外部に漏洩することを抑制可能な光ファイバケーブルおよび固体照明装置を提供することである。
実施形態にかかる固体照明装置は、第1の波長の可視レーザー光を伝送可能な第1の光ファイバ群と、前記第1の波長よりも長い第2の波長のレーザー光を伝送可能であり、前記第1の光ファイバ群を囲むように設けられた第2の光ファイバ群と、を有する光ファイバケーブルと;前記光ファイバケーブルの第1の端部において前記第1の光ファイバ群に前記可視レーザー光を入射する第1光源と;前記光ファイバケーブルの前記第1の端部において前記第2の光ファイバ群に前記第2の波長の前記レーザー光を入射する第2光源と;前記第1の端部とは反対の側となる前記光ファイバケーブルの第2の端部の側に設けられ、前記第1の光ファイバ群から出射した前記可視レーザー光から生成された照明光と、前記第2の光ファイバ群から出射した前記第2の波長の前記レーザー光から生成された散乱光と、を放出するランプ部と;前記照明光の一部と前記散乱光の一部とが前記第2の端部にそれぞれ入射し前記第1の端部に向かって前記光ファイバケーブル内を伝搬する戻り光の強度の変化を検出し、前記可視レーザー光の放出を停止する制御部と;を具備している。
本発明の実施形態によれば、レーザー光が外部に漏洩することを抑制可能な光ファイバケーブルおよび固体照明装置を提供することができる。
第1の発明は、第1の波長の可視レーザー光を伝送可能な第1の光ファイバ群と、前記第1の波長よりも長い第2のレーザー光を伝送可能であり、前記第1の光ファイバ群を囲むように設けられた第2の光ファイバ群と、有する光ファイバケーブルと;前記光ファイバの第1の端部において前記第1の光ファイバ群に前記可視レーザー光を入射する第1光源と;前記光ファイバの第1の端部において前記第2の光ファイバ群に前記第2の波長の前記レーザー光を入射する第2光源と;前記第1の光ファイバ群から出射した前記可視レーザー光から生成された照明光と、前記第2の光ファイバ群から出射した前記第2の波長の前記レーザー光から生成された散乱光と、を放出するランプ部と;前記照明光の一部と前記散乱光の一部とが前記第2の端部にそれぞれ入射し前記第1の端部に向かって前記光ファイバケーブル内を伝搬する戻り光の強度の変化を検出し、前記可視レーザー光の放出を停止する制御部と;を具備した固体照明装置である。
この固体照明装置によれば、制御部が照明光の戻り光強度および散乱光の戻り光強度の変化を検出できる。このため、これらの戻り光強度のいずれかが所定外となると、高エネルギーの可視レーザー光の放出を停止できる。この結果、光ファイバケーブルの破損によるレーザー光の漏洩を抑制し、安全性を高めることができる。
この固体照明装置によれば、制御部が照明光の戻り光強度および散乱光の戻り光強度の変化を検出できる。このため、これらの戻り光強度のいずれかが所定外となると、高エネルギーの可視レーザー光の放出を停止できる。この結果、光ファイバケーブルの破損によるレーザー光の漏洩を抑制し、安全性を高めることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第2の光ファイバ群が樹脂からなる固体照明装置である。
この固体照明装置によれば、第2の光ファイバ群のサイズを要求に応じて変化させ、高エネルギーの可視レーザー光の漏洩を確実に検出することができる。
この固体照明装置によれば、第2の光ファイバ群のサイズを要求に応じて変化させ、高エネルギーの可視レーザー光の漏洩を確実に検出することができる。
第3の発明は、第1および第2の発明において、第2の波長は近赤外光である固体照明装置である。
この固体照明装置によれば、照明光に影響しない波長の光を用いて制御できる。
この固体照明装置によれば、照明光に影響しない波長の光を用いて制御できる。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記第1光源は、前記可視レーザー光のうち、青紫〜青色光を放出する半導体レーザーを含み、前記ランプ部は、前記青色光を吸収し、前記青色光の波長よりも長い波長を有する波長変換光を放出する波長変換層を含み、前記照明光は、前記青色光の散乱光と前記波長変換光との混合光である、固体照明装置である。
この固体照明装置によれば、青色光と黄色光とが混合された白色光などが照明光として放出される。
この固体照明装置によれば、青色光と黄色光とが混合された白色光などが照明光として放出される。
第5の発明は、第1〜第3の発明において、前記第1光源は青色光を放出する青色半導体レーザーと赤色光を放出する赤色半導体レーザーと緑色光を放出する第2高調波発生素子とを少なくとも含み、前記ランプ部は光散乱層を含み、前記照明光は前記光散乱層によりそれぞれ散乱された、前記青色光と前記赤色光と前記緑色光との混合光である、固体照明装置である。
この固体照明装置によれば、青色レーザー光と赤色レーザー光と緑色レーザー光とが混合された白色光などが照明光として放出される。
この固体照明装置によれば、青色レーザー光と赤色レーザー光と緑色レーザー光とが混合された白色光などが照明光として放出される。
第6の発明は、第1〜第5の発明において、前記第1の光ファイバ群を構成する1つの光ファイバを伝搬する光エネルギーは、レーザーの安全クラス3以上であり、前記第2の光ファイバ群を構成する1つの光ファイバを伝搬する光エネルギーは、レーザーの安全クラス2以下である、固体照明装置である。
この固体照明装置によれば、光エネルギーが高いレーザー光は光ファイバーケーブルの中心近傍を伝搬するので、安全性を高めることが容易となる。
この固体照明装置によれば、光エネルギーが高いレーザー光は光ファイバーケーブルの中心近傍を伝搬するので、安全性を高めることが容易となる。
第7の発明は、石英からなり、可視レーザー光をマルチモードで伝送可能な第1の光ファイバ群と;近赤外光を伝送可能であり、前記第1の光ファイバ群の中心の周りに回転対称でありかつ前記第1の光ファイバ群を囲むように設けられた第2の光ファイバ群と;を具備した固体照明装置用光ファイバケーブルである。
この固体照明装置用光ファイバケーブルによれば、光ファイバの破損などの異常が容易に検出でき、固体照明装置の安全性を高めることができる。
この固体照明装置用光ファイバケーブルによれば、光ファイバの破損などの異常が容易に検出でき、固体照明装置の安全性を高めることができる。
第8の発明は、第7の発明において、前記第2の光ファイバ群は、樹脂からなる固体照明装置用光ファイバケーブルである。
この固体照明装置用光ファイバケーブルによれば、光ファイバの破損などの異常が精度良く検出できる。
この固体照明装置用光ファイバケーブルによれば、光ファイバの破損などの異常が精度良く検出できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1(a)は本実施形態にかかる固体照明装置用光ファイバケーブルの模式斜視図、図1(b)はA−A線に沿った模式断面図、図1(c)は第1の光ファイバ群を拡大した模式断面図、である。
図1(a)は本実施形態にかかる固体照明装置用光ファイバケーブルの模式斜視図、図1(b)はA−A線に沿った模式断面図、図1(c)は第1の光ファイバ群を拡大した模式断面図、である。
固体照明装置用の光ファイバケーブル20は、第1の光ファイバ群22と、第2の光ファイバ群24と、を有する。第1の光ファイバ群22は、石英からなり、レーザーの安全クラス4の高出力であり第1の波長の可視レーザー光を横マルチモードで伝送可能である。第2の光ファイバ群24は、より低出力の第1の波長よりも長い第2の波長の光を伝送可能であり、第1の光ファイバ群22の中心Oの周りに回転対称であり、かつ第1の光ファイバ群22を囲むように設けられる。
本明細書において、可視レーザー光の波長は、たとえば、青〜赤色(410〜700nm)の範囲とする。
また、本明細書において、第2の波長の光は、たとえば、700〜2500nmの波長範囲とする。
また、本明細書において、第2の波長の光は、たとえば、700〜2500nmの波長範囲とする。
図1(a)〜(c)において、第1の光ファイバ群22は7つの光ファイバを含み、第2の光ファイバ群24は4つの光ファイバを含むが、本発明の光ファイバケーブルは、これらの数に限定されない。
図1(c)に表すように、第1の光ファイバ群22を構成する光ファイバは、コア22aと、コア22aの屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド22bと、をそれぞれ有する。コア22aに導入された可視レーザー光は、コア22aとクラッド22bとの界面で反射されながら光ファイバ内を導光される。
コア22aの直径D1を50〜200nm、クラッド22bの厚さT12を15〜50μmなどすると、レーザー光は横マルチモードで伝搬する。また、たとえば、1つの光ファイバのコア22aの直径D1を100μm、クラッド22bの厚さT1を20μmとすると、レーザーの安全クラス4である1.5Wの青色レーザー光を伝送できる。第1の光ファイバ群22は、第1の被膜(ジャケット)22cで覆うことができる。
また、第2の光ファイバ群24を構成する光ファイバ24は、コア24aとコア24aの屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド24bと、をそれぞれ有する。コア24aに導入された近赤外光は、コア24aとクラッド24bとの界面で反射されながら光ファイバ内を導光される。
第2の光ファイバ群24は、石英や樹脂(プラスチック)などからなるものとすることができる。また、第2の光ファイバ群24は、その外側を外被(ジャケット)24cで覆うことができる。樹脂製のファイバ(POF)は、径が太くても柔軟に曲がるため、コア24aの直径D2を0.4〜2mm、クラッド24bの厚さT2を15〜50μmなどすることができる。したがって、光結合が径の細い石英系ファイバよりも容易である。さらに、樹脂製のファイバは、フォトンエネルギーの高い青色光では劣化が顕著だが、赤から近赤外光では劣化が少ない。したがって、密度の高い青色光に曝されると急速に劣化して燃焼、溶融する。近赤外光は、レーザー光、またはLEDなどからの非コヒーレント光とすることができる。たとえば、第2の光ファイバ群24を構成するそれぞれの光ファイバは、レーザーの安全クラス2以下の近赤外レーザー光を伝送できる。
また、第2光源11は、第1光源10の波長よりも長い波長、望ましくは赤色〜近赤外光系である2段構成とすることが好ましい。第2光源11が赤色系であれば、プラスチックファイバを使用できたり、照明光の演色性アップ、故障検出などに寄与するというメリットがある。
さらに、第1の光ファイバ群22が破損し、青色光が漏れた場合に、樹脂ファイバは溶融し、第2光源11からの光が伝送されなくなるため、それを検知して光源の駆動を停止することができる。
さらに、第2の波長は、波長変換層によって波長変換されないものでよい。
図2は、本実施形態の光ファイバケーブルを用いた固体照明装置の模式図である。
固体照明装置は、光ファイバケーブル20と、第1光源(ライトエンジン)10と、第2光源(ライトエンジン)11と、ランプ部60と、制御部50と、を有する。第1光源10は、半導体レーザー12を有し、第1の光ファイバ群22に第1の波長の可視レーザー光BLを入射する。第2光源11は、半導体レーザーからなる発光素子14を有し、第2の光ファイバ群24に第1の波長よりも長い第2の波長のレーザー光URを入射するものとする。
固体照明装置は、光ファイバケーブル20と、第1光源(ライトエンジン)10と、第2光源(ライトエンジン)11と、ランプ部60と、制御部50と、を有する。第1光源10は、半導体レーザー12を有し、第1の光ファイバ群22に第1の波長の可視レーザー光BLを入射する。第2光源11は、半導体レーザーからなる発光素子14を有し、第2の光ファイバ群24に第1の波長よりも長い第2の波長のレーザー光URを入射するものとする。
ランプ部60は、ガラスや透光性樹脂などからなる光学部62と、波長変換層64と、支持体66と、を有する。支持体66には貫通孔66aなどが設けられ、第1の光ファイバ群22からの可視レーザー光BLと、第2の光ファイバ群24からのレーザー光URが光学部62に導入される。支持体66の表面には、たとえば、波長変換層64が設けられる。光学部62の内部で反射や屈折などにより方向変換された可視レーザー光BLやレーザー光URは、波長変換層64を照射する。
たとえば、可視レーザー光BLが青色光であると、青色レーザー光を吸収した波長変換層64(蛍光体層など)が、黄色光などの波長変換光を放出する。また、青色レーザー光は、波長変換層64で散乱され青色散乱光に転じる。このため、波長変換光と青色散乱光とが混合され白色光などの照明光GTとして放出される。
波長変換層64は、青色光などを吸収し青色光の波長よりも長い波長を含む発光スペクトルを有する波長変換光を放出する。波長変換層64は、たとえば、(Ca、Sr)2Si5N8:Eu、(Ca、Sr)AlSiN3:Euなどの窒化物系蛍光体や、Cax(Si、Al)12(O,N)16:Eu、(Si、Al)6(O、N)8:Eu、BaSi2O2N2:Eu、BaSi2O2N2:Euなどの酸窒化物系蛍光体や、Lu3Al5O12:Ce、(Y、Gd)3(Al、Ga)5O12:Ce、(Sr、Ba)2SiO4:Eu、Ca3Sc2Si3O12:Ce、Sr4Al14O25:Euなどの酸化物系蛍光体や、(Ca、Sr)S:Eu、CaGa2S4:Eu、ZnS:Cu、Al等の硫化物系蛍光体などの中から、単体または少なくとも1種類以上混合させた蛍光体を用いることができる。
第1の光ファイバ群22は、安全クラス4の高い光パワーが伝送され、波長変換層64などを照射する。このため、波長変換層64の発熱量は大きい。支持体66を銅などの金属などからなるものとすると、放熱性が高められ、波長変換効率の低下や波長変換層64の劣化を抑制することができる。
制御部50は、検出部51と、判定部52と、を有する。仮に安全クラス4の可視レーザー光BLなどが光ファイバケーブル20の内部で漏洩したとしても、検出部51がこれを検出し、判定部52が異常と判定する。このため、制御部50が半導体レーザー12の駆動を停止し、可視レーザー光BLが外部に漏洩することが抑制できる。
また、光ファイバケーブル20は、光源側の第1の端部と、ランプ部60の側の第2の端部とを有する。照明光GTの一部と散乱光の一部とは、第2の端部にそれぞれ入射し、第1の端部に向かって(光源からのレーザー光の伝搬方向とは反対の向きである)、光ファイバケーブル20内を伝搬する戻り光となる。制御部50は、戻り光の強度の変化を検出する。すなわち、照明光GTの戻り光の強度の変化を検出するか、散乱光の戻り光の強度の変化を検出して、第1の波長の可視レーザー光BLの放出を停止することができる。
なお、波長変換層64の代わりに、光拡散剤を含む光散乱層65を支持体66の表面に設けてもよい。その場合、第1光源10は、たとえば、青色光(410〜490nm)を放出する青色半導体レーザーと、赤色光(610〜700nm)を放出する赤色半導体レーザーと、緑色光(490〜560nm)を放出する第2高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)素子と、を少なくとも含むことができる。第1光源10からのコヒーレント光は、光散乱層65により、それぞれ散乱され、混合された照明光GTとして外部に放出される。
このようにして、十分に拡散された照明光GTは、実効的にインコヒーレント光と同等の安全レベルと見なすことができる。このため、LEDと同様のランプとしての国際安全標準であるIEC6271の適用が妥当なレベルとなる。
なお、光散乱層65は、Al2O3、Ca2P2O7、BaSO4などの微粒子(粒子径:1〜20μmなど)からなる光拡散剤を含む。セラミック板に上記微粒子を分散配置したものでもよい。
図3は、本実施形態にかかる固体照明装置の動作を説明する構成図である。
レーザ光源を含む、あるいはレーザ光を出射する固体照明装置は、レーザー機器の安全標準であるIEC60825国際標準に準拠することが要求される。実際、光ファイバケーブル20の内部に破損が生じると、レーザー光が外部に直接漏洩する可能性がある。
レーザ光源を含む、あるいはレーザ光を出射する固体照明装置は、レーザー機器の安全標準であるIEC60825国際標準に準拠することが要求される。実際、光ファイバケーブル20の内部に破損が生じると、レーザー光が外部に直接漏洩する可能性がある。
第1の光ファイバ群22が高パワーのため破損した場合、青色レーザー光が漏洩しランプ部60に到達する青色レーザー光量が低下するなどの変化を生じる。このため、検出部51が照明光GTの戻り光RWLの光量変化を検出可能である。判定部52は、検出結果に基づいて駆動回路13をシャットダウンする制御信号を出力し、青色レーザー光の放出が停止される。このとき第1の光ファイバ群22を囲む第2の光ファイバ群24や光ファイバケーブル20の外被24cは破損していないので青色レーザー光が外部に直接漏洩することが抑制できる。なお、照明光GTの戻り光RWLを青色光阻止フィルタを通して検出部51に入射させると、波長変換光である黄色光の戻り光の光量低下を検出することにより制御することが可能である。
他方、光ファイバケーブル20が外的要因で破損する場合、第2の光ファイバ群24が破損する。このため、検出部51がレーザー光URの光量低下などの変化を検出する。さらに、判定部52は、検出結果に基づいて駆動回路13をシャットダウンする制御信号を出力し、第1の光ファイバ群22が破損する前に青色レーザー光の放出を停止する。
このように、照明光GTの戻り光RWLおよびレーザー光の戻り光RURとの変化を検出することにより、光ファイバケーブル20の破損を二重に検出できる。このため、マイクロ秒以下の極めて短時間内に半導体レーザー12をシャットダウンできる。
なお、照明光GTの戻り光RWLおよびレーザー光の戻り光RURは、第1の光ファイバ群22および第2の光ファイバ群24のうちのいずれを伝搬してもよい。また、第1光源10からの可視レーザー光および第2光源11からのレーザー光が伝送される光ファイバ内を伝搬することもできる。ただし、戻り光専用の光ファイバを設けた方が、検出部51への光結合が容易である。
レーザー光URは、光ファイバの破損検出だけでなく、ワイヤレス大容量情報の伝送に用いることができる。すなわち、高速変調された第2の波長のレーザー光URは、波長変換層64により散乱され照明光とともに照明空間内に広く放出することができる。
レーザー光URは、たとえば、850nm、1300nm、1550nmなどの波長とすることができる。信号光を高速変調する場合、発光素子14として半導体レーザーを用いることができる。また信号光をそれよりも低速とする場合、LEDとすることができる。また、発光素子14が、波長が異なる複数の素子を含むと、高密度信号を伝送できる波長多重通信システムとすることができる。
図4(a)は本実施形態にかかる光ファイバケーブルの第1変形例の模式斜視図、図4(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。
第1変形例において、第1の光ファイバ群22は7つの光ファイバを含み、第2の光ファイバ24は8つの光ファイバを含んでいる。第1の光ファイバ群22を囲むように設けられる第2の光ファイバ群24の構成光ファイバ数を増やすと、互いの隙間を狭くできるので僅かな戻り光の変化を早く精度良く検出できる。他方、光ファイバケーブル20の構造が複雑となり、かつ第2光源11の発光素子14の数を増やすことが必要である。
第1変形例において、第1の光ファイバ群22は7つの光ファイバを含み、第2の光ファイバ24は8つの光ファイバを含んでいる。第1の光ファイバ群22を囲むように設けられる第2の光ファイバ群24の構成光ファイバ数を増やすと、互いの隙間を狭くできるので僅かな戻り光の変化を早く精度良く検出できる。他方、光ファイバケーブル20の構造が複雑となり、かつ第2光源11の発光素子14の数を増やすことが必要である。
図5(a)は本実施形態にかかる光ファイバケーブルの第2変形例の模式斜視図、図5(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。
第2変形例において、第1の光ファイバ群22は7つの光ファイバを含み、第2の光ファイバ群24は3つの光ファイバを含んでいる。第1の光ファイバ群22を囲むように設けられる第2の光ファイバ群24の構成光ファイバ数を減らすと互いの隙間が広がるので、直径D2を大きくして戻り光の変化の検出感度を高めることが好ましい。第2の光ファイバ群24を樹脂とすると、直径D2を大きくすることが容易になる。
第2変形例において、第1の光ファイバ群22は7つの光ファイバを含み、第2の光ファイバ群24は3つの光ファイバを含んでいる。第1の光ファイバ群22を囲むように設けられる第2の光ファイバ群24の構成光ファイバ数を減らすと互いの隙間が広がるので、直径D2を大きくして戻り光の変化の検出感度を高めることが好ましい。第2の光ファイバ群24を樹脂とすると、直径D2を大きくすることが容易になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 第1光源、11 第2光源、12 半導体レーザー、14 発光素子、20 光ファイバケーブル、22 第1の光ファイバ群、24 第2の光ファイバ群、50 制御部、60 ランプ部、64 波長変換層、65 光散乱層、D1 (第1の光ファイバ群の)コア直径、D2 (第2の光ファイバ群の)コア直径、T1 (第1の光ファイバ群の)クラッド厚さ、T2(第2の光ファイバ群の)クラッド厚さ、O 第1の光ファイバ群の中心、BL 可視レーザー光、GT 照明光、RWL 照明光の戻り光、RUR (第2の波長の)レーザー光の戻り光、UR (第2の波長の)レーザー光
Claims (8)
- 第1の波長の可視レーザー光を伝送する第1の光ファイバ群と、前記第1の波長よりも長い第2の波長のレーザー光を伝送し、前記第1の光ファイバ群を囲むように設けられた第2の光ファイバ群と、を有する光ファイバケーブルと;
前記光ファイバケーブルの第1の端部において前記第1の光ファイバ群に前記可視レーザー光を入射する第1光源と;
前記光ファイバケーブルの前記第1の端部において前記第2の光ファイバ群に前記第2の波長の前記レーザー光を入射する第2光源と;
前記第1の端部とは反対の側となる前記光ファイバケーブルの第2の端部の側に設けられ、前記第1の光ファイバ群から出射した前記可視レーザー光から生成された照明光と、前記第2の光ファイバ群から出射した前記第2の波長の前記レーザー光から生成された散乱光と、を放出するランプ部と;
前記照明光の一部と前記散乱光の一部とが前記第2の端部にそれぞれ入射し前記第1の端部に向かって前記光ファイバケーブル内を伝搬する戻り光の強度の変化を検出し、前記可視レーザー光の放出を停止する制御部と;
を具備した固体照明装置。 - 前記第2の光ファイバ群は、樹脂からなる請求項1記載の固体照明装置。
- 前記第2の波長は、近赤外光である請求項1または2に記載の固体照明装置。
- 前記第1光源は、前記可視レーザー光のうち、青紫〜青色光を放出する半導体レーザーを含み、
前記ランプ部は、前記青紫〜青色光を吸収し、前記青紫〜青色光の波長よりも長い波長を有する波長変換光を放出する波長変換層を含み、
前記照明光は、前記青色光の散乱光と前記波長変換光との混合光である請求項1〜3のいずれか1つに記載の固体照明装置。 - 前記第1光源は、青色光を放出する青色半導体レーザーと、赤色光を放出する赤色半導体レーザーと、緑色光を放出する第2高調波発生素子と、を少なくとも含み、
前記ランプ部は、光散乱層を含み、
前記照明光は、前記光散乱層によりそれぞれ散乱された、前記青色光と、前記赤色光と、前記緑色光と、の混合光である請求項1〜3のいずれか1つに記載の固体照明装置。 - 前記第1の光ファイバ群を構成するそれぞれの光ファイバを伝搬する光エネルギーは、レーザーの安全クラス3以上であり、
前記第2の光ファイバ群を構成するそれぞれの光ファイバを伝搬する光エネルギーは、レーザーの安全クラス2以下である請求項1〜5のいずれか1つに記載の固体照明装置。 - 石英からなり、可視レーザー光を横マルチモードで伝送可能な第1の光ファイバ群と;
近赤外光を伝送可能であり、前記第1の光ファイバ群の中心の周りに前記第1の光ファイバ群を囲むように設けられた第2の光ファイバ群と;
を具備した固体照明装置用光ファイバケーブル。 - 前記第2の光ファイバ群は、樹脂からなる請求項7記載の固体照明装置用光ファイバケーブル。
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