JP2015005391A - リチウムイオン二次電池の製造に用いられるバインダー樹脂組成物、電極合材ペーストおよびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造に用いられるバインダー樹脂組成物、電極合材ペーストおよびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の内部抵抗が十分に低減され、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を得るためのバインダー樹脂組成物等を提供する。
【解決手段】ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から構成されるポリアミド酸と、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノアルカリ金属塩と、からなるリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物であって、テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含み、モノアルカリ金属塩が、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対し、4〜20モル%含まれるリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池の製造に用いられるバインダー樹脂組成物、電極合材ペーストおよびその製造方法に関する。また本発明はリチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化が進み、その電源としてエネルギー密度の高い二次電池が望まれている。二次電池とは、正極活物質と負極活物質とが電解質を介して化学反応することにより生じた化学エネルギーを、電気エネルギーとして利用するものである。
このような二次電池の中でも、高いエネルギー密度を有するものとして、リチウムイオン二次電池が実用化されている。リチウムイオン二次電池の正極活物質には、リチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が主に用いられており、負極活物質には、炭素材料が主に用いられている。
上記リチウムイオン二次電池、もしくはその他の二次電池において、活物質を集電体に固定するためのバインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(以下「PVdF」と略す)や、スチレンブタジエンゴム(以下「SBR」と略す)が多用されている。
近年、リチウムイオン二次電池の負極活物質として、炭素材料の理論容量を大きく超える充放電容量を有する次世代の負極活物質の開発が進められている。特に、ケイ素原子やスズ原子等を用いた負極活物質は、大きな充放電容量を有するため、実用化が期待されている。しかし、ケイ素原子やスズ原子はリチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が非常に大きく、充放電サイクルに伴い、膨張、収縮を繰り返す。したがって、これらを負極活物質として用い、従来のPVdF、SBRなどをバインダーとして用いた場合、活物質粒子が微粉化したり、バインダーから脱離したりする等して、サイクル劣化生じやすいという欠点がある。また、短時間に充放電を行うと、急激なイオンの移動により発熱するため、バインダーに耐熱性が求められている。そこで、機械強度と耐熱性に優れるポリイミドをバインダーに用いた電極が提案されている(特許文献1−6)。
しかしながら、ポリイミドバインダーは、PVdF、SBR等従来のバインダーに比べ、活物質表面を広く覆ってしまうため、電池の内部抵抗が上昇し、サイクル特性が低下するという問題がある。
特開2011−40326号公報 特開2010−238562号公報 特開2011−86480号公報 国際公開第2010/150513号 国際公開第2011/040308号 特開2011−142068号公報 特開2008−251223号公報 特開平8−203499号公報 特許第5099394号公報
特許文献7においては、電池の内部抵抗を低減するために、負極中に、カルボキシル基を有する化合物を導入することが提案されており、その具体例として、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の塩化合物が挙げられている。しかしながら、特許文献7の導電性組成物は、負極活物質として炭素材料を用いたものであり、次世代の負極活物質に対応するものではない。また、ポリアミド酸を塩基で中和すると、電解液に対する耐膨潤性が低下するため、活物質や集電箔との結着性が低下し、逆にサイクル特性が低下するという問題がある。
特許文献8においては、電極の合剤として用いたときに電極と集間体との間に剥離を抑制するための、カルボキシル基を有する有機高分子化合物のアルカリ金属塩と、導電性炭素粒子と、を含有する導電性組成物が開示されている。しかしながら特許文献8の導電性組成物は、特許文献7同様、負極活物質として炭素材料を用いたものであり、次世代の負極活物質に対応するものではない。また、有機高分子化合物のアルカリ金属塩は、カルボン酸の中和度が高いと、電解液に対する耐膨潤性が低下するため、活物質や集電箔との結着性が低下し、サイクル特性が低下するが、特許文献8においては、カルボン酸の中和度に関し何ら規定がない。
また、特許文献9においては、充放電容量が大きく、充放電サイクルの繰り返しによる容量劣化の程度が少ない蓄電デバイスの電極用バインダー組成物が開示されている。具体例として、(A)イミド化重合体と、(B)水と、(C)複数のカルボキシ基を有する化合物およびその無水物とを含有する組成物が開示されている。また(C)化合物は、塩のかたちで使用してもよい旨も開示されている。かかる組成物によれば、(A)イミド化重合体に対して特定割合で(B)水を含有することにより、電極活物質との密着性が向上し、得られる電極層の電気特性が良好となる旨も開示されている。しかしながら、(C)複数のカルボキシ基を有する化合物の塩化合物は、有機溶媒に対する溶解性が低く、ポリアミド酸溶液中に均一に溶解させることが困難である。そのため、活物質や集電箔との結着性が低下するため、サイクル特性が低下する。ところが、特許文献9には、バインダー組成物の電極活物質に対する密着性と、(C)化合物のポリアミド酸溶液に対する溶解性の両立が図れる、(C)化合物の好ましい具体例や最適な含有量、(A)イミド化重合体を構成する好ましいモノマーの具体例は示唆されていなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題を鑑みてなされたものであり、電池の内部抵抗が十分に低減され、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を得るためのバインダー樹脂組成物および合材ペースト、並びにそれらにより得られるリチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
1.ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から構成されるポリアミド酸と、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノアルカリ金属塩と、を含むリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物であって、テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含み、モノアルカリ金属塩が、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対し4〜20モル%含まれるリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
2.モノアルカリ金属塩が、配位子として水を含む上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
3.モノアルカリ金属塩は、配位子として分子量200以下の配位子を含み、分子量200以下の配位子の少なくとも1つが、カルボキシル基を有する上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
4.樹脂組成物を加熱して得られるフィルムが、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)に浸漬し、60℃で3日間保持後の膨潤度が20%以下である上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
5.テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の仕込み比が、0.95〜0.99:1.00である上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
6.ジアミン化合物のうち25〜100モル%が下記化学式1で示される化合物である上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
Figure 2015005391
Figure 2015005391
(化学式1)
(式中、Aは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基および/またはスルホニル基を表す。nは1〜4の整数である。)
7.モノアルカリ金属塩が、フッ素を含まない上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
8.テトラカルボン酸二無水物のうち30〜100モル%が、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である上記1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
9.ケイ素原子、スズ原子またはゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも一種の負極活物質と、上記1記載のバインダー樹脂組成物とを含む、リチウムイオン二次電池電極合材ペースト。
10.上記9記載のリチウムイオン二次電池電極合材ペーストを、集電体上に塗布し、加熱処理してイミド化反応することにより得られるリチウムイオン二次電池用電極。
11.リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えたリチウムイオン二次電池であって、負極が上記10記載のリチウムイオン二次電池用電極であるリチウムイオン二次電池。
12.ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から構成されるポリアミド酸と、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノアルカリ金属塩と、ケイ素原子、スズ原子またはゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも一種の負極活物質と、を含む、リチウムイオン二次電池電極合材ペーストの製造方法であって、ポリアミド酸と、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して4〜20モル%のモノアルカリ金属塩と、を混合する工程を有するリチウムイオン二次電池電極合材ペーストの製造方法。
13.上記9記載のリチウムイオン二次電池電極合材ペーストを、集電体上に、塗布し、加熱処理してイミド化反応することにより得られるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
本発明によれば、電池の内部抵抗が十分に低減され、良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を得るためのバインダー樹脂組成物および合材ペースト、並びにそれらにより得られるリチウムイオン二次電池電極、リチウムイオン二次電池が提供される。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
まず実施形態に係るリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物について説明する。
[リチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物]
1.ジアミン化合物
ジアミン化合物の例には、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−1−メチルフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−2−メチルフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−3−メチルフルオレン及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)−4−メチルフルオレン等の芳香族ジアミン化合物が含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ジアミン化合物には、上記芳香族ジアミン化合物から誘導される2価の基以外の、他の脂肪族ジアミンから誘導される2価の基が含まれてもよい。
他の脂肪族ジアミンの例には、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、ビス[(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス[(2−アミノメトキシ)エトキシ]エタン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンなどが含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
2.テトラカルボン酸二無水物
実施形態に用いられるテトラカルボン酸二無水物は、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含む。上記テトラカルボン酸二無水物以外に、(化学式2)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
Figure 2015005391
(化学式2)
化学式2におけるYは、炭素数6〜27の4価の芳香族基であり、芳香環、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基から選ばれる。特に芳香環が直接結合により相互に連結された非縮合多環式芳香族基が好ましい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、メロファン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、などが含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
3.ポリアミド酸
ポリアミド酸は、前述した芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸二無水物を縮合することにより得られうる。
一般式(1)で表されるポリアミド酸は、
Figure 2015005391
(1)
例えば下記一般式(2)で表されるジアミンと、
Figure 2015005391
(2)
下記一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物と
Figure 2015005391
(3)
を反応させて得られる。
この際、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの仕込み比は、M1:M2=0.90〜1.10:1.00(M1:テトラカルボン酸二無水物のモル数、M2:ジアミンのモル数)を満たすようにすることが好ましい。M1:M2は、0.92〜1.03:1.00であることがより好ましく、0.95〜0.99:1.00であることがさらに好ましい。0.95〜0.99:1.00である場合、ポリアミド酸の末端がアミノ基となる。末端がアミノ基のほうが、酸二無水物に比べて、電極合材ペースト作製時、水が混入によるペーストの粘度変化が無くハンドリングが容易となる。
ポリアミド酸の重量平均分子量は、1.0×10〜5.0×10であることが好ましい。重量平均分子量が1.0×10未満であると、バインダー樹脂組成物を硬化して得られる層の機械強度が低下することがあり、重量平均分子量が5.0×10を超えると塗工が困難となる。ポリイミドまたはその前駆体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定され得る。
また、上記ポリアミド酸は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリメトキシグリシドキシシラン、トリエトキシグリシドキシシランなどのシランカップリング剤、トリアジン系化合物、フェナントロリン系化合物、トリアゾール系化合物などを、ポリアミド酸の総量100質量部に対して0.1〜20質量部含有してもよい。これらを含有することにより、活物質や集電体との接着性をさらに高めることができる。上記シランカップリング剤の中で、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記樹脂組成物を加熱して得られるフィルムが、電解液(エチレンカーボネート(Ethylene Carbonate:EC)/ジエチルカーボネート(Diethylcarbonate:DEC)=1/1(vol/vol))に浸漬し、60℃で3日間保持後の膨潤度が20%以下であることが好ましく、膨潤度が15%以下であることがより好ましい。膨潤度が15%以下の場合、活物質とバインダー間の結着性が保持されるため、良好なサイクル特性が得られる。
上記ジアミン化合物のうち25〜100モル%が下記化学式1で示される化合物であることが好ましい。上記範囲であれば、活物質に対し高い結着性が発現する。

Figure 2015005391
Figure 2015005391
(化学式1)
(式中、Aは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基および/またはスルホニル基を表す。nは1〜4の整数である。)
4.モノアルカリ金属塩
モノアルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
モノアルカリ金属塩としては、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属塩;カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属のアルコキシド;酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸リチウムまたは酢酸ナトリウムなどの酢酸金属塩などが挙げられる。上述のモノアルカリ金属塩のなかでも酢酸リチウムまたは酢酸ナトリウムを用いることが好ましい。有機溶媒への溶解性が高いためである。
モノアルカリ金属塩としては、水和物であるかまたは配位子として水を含むことが好ましい。有機溶媒への溶解性が高いためである。実施形態に係る組成物全質量に対する、ポリアミド酸の含有量をA質量部、水の含有量をB質量部としたときに、A/Bの値が500未満となるように、モノアルカリ金属塩を加えることが好ましい。A/Bの値は好ましくは50以上、500未満が好ましく、100以上、500未満がより好ましい。
二次電池用バインダー樹脂組成物の技術分野においては、水は電極活物質を浸食する不純物として考えられていることから、バインダー樹脂組成物への水の混入は回避されてきた。ところが、上述の範囲内の水をバインダー樹脂組成物中に含有させることで、バインダー樹脂組成物の電極活物質に対する密着性および電池の内部抵抗低減と、モノアルカリ金属塩のポリアミド酸溶液に対する溶解性の両立を図ることができる。
モノアルカリ金属塩としては、分子量が200以下、好ましくは150以下の配位子を含むことが好ましい。分子量が小さいほうが、高温処理(イミド化)を行った際に、配位子が分解して電極中から無くなるため、電解液への溶解等による電池特性の低下を抑制できるからである。モノアルカリ金属塩は、上述の分子量200以下の配位子の少なくとも1つが、カルボキシル基を有することがより好ましい。有機溶媒への溶解性が高く、且つ高温処理で分解しやすいためである。なお、モノアルカリ金属塩の分子量の下限値は特に制限されるものではないが、15程度である。
ここで「配位子」とは、ある原子に配位結合で結合している分子またはイオンをいう。結合(電子対の供与)に直接かかわるとみなせる原子を配位原子という。モノアルカリ金属塩が例えば酢酸リチウムまたはその水和物の場合、配位原子はリチウムイオンであり、配位子には酢酸イオン、水が含まれる。配位子としての水には、モノアルカリ金属塩の水和物中の水の他に、実施形態に係る組成物中に添加されたモノアルカリ金属塩の一部が水和されていた場合の水が含まれる。
アルカリ金属塩は、フッ素を含まないことが好ましい。分解しにくく、電極中に残存し易いためである。アルカリ金属塩は、ポリアミド酸の溶液に対して可溶であることが好ましい。アルカリ金属塩と溶液の均一な溶液が得られるためである。
アルカリ金属塩の添加量は、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対し、4〜20モル%が好ましく、6〜20モル%がより好ましく、8〜20モル%がさらに好ましい。
[リチウムイオン二次電池用電極合材ペースト]
実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストは、前述したバインダー樹脂組成物と負極活物質とを含んでなる。実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストはリチウムイオン二次電池用電極バインダー樹脂組成物もしくはこれを含むワニスに、負極活物質と、必要に応じて導電助剤、溶剤等を混合し、撹拌ないし混錬して製造し得る。各原料の混合方法としては、以下の2つの方法が挙げられるが、これに限定されない。
i)リチウムイオン二次電池用電極バインダー樹脂組成物を含むワニスに、活物質および溶媒を加えて電極合材ペーストとする。
ii)リチウムイオン二次電池用電極バインダー樹脂組成物を含むワニスに活物質を添加して混練する。得られた混練物に溶媒を加えて撹拌して電極合材ペーストとする。
上記攪拌は、攪拌羽根等を用いた通常撹拌や、自転・公転ミキサー等を用いた撹拌であればよい。混練操作は、混練機などを用いることができる。
1.負極活物質
負極活物質としては特に限定されないが、充放電に伴う体積変化が大きい活物質に対し、本発明の効果がより発揮される。リチウムイオン吸蔵および/または挿入時の体積膨張率が110%より大きいものを好ましく使用する事が出来る。実施形態に用いられるバインダー用樹脂は充放電に伴う体積膨張率が大きくとも、良好な結着性を示す。体積膨張率の値は、例えば『車載用リチウムイオン電池の開発動向』,近畿大学工学部研究公開フォーラム,2010年10月27日等に公開されている。
負極活物質としては、充放電容量の大きいケイ素原子、スズ原子またはゲルマニウム原子を含む活物質を好ましく用いることができる。これらは充放電に伴う体積変化が大きいため、本発明の効果がより発揮される。上記の中でもより好ましくはケイ素粒子及び/又はケイ素合金である。
ケイ素原子を含む負極活物質としては、例えば、(i)シリコン微粒子、(ii)スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンまたはクロムと、ケイ素との合金、(iii)ホウ素、窒素、酸素または炭素とケイ素との化合物や、これらにさらに(ii)に例示した金属を有するものなどが挙げられる。ケイ素の合金あるいは化合物の一例としては、SiB、SiB、MgSi、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiOx(0<x≦2)あるいはLiSiOなどが挙げられる。
スズ原子を含む負極活物質としては、例えば、(i)ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンまたはクロムと、スズとの合金、(ii)酸素または炭素とスズとの化合物や、これらにさらに(i)に例示した金属を有するものなどが挙げられる。スズの合金あるいは化合物の一例としては、SnOw(0<w≦2)、SnSiO、LiSnOあるいはMgSnなどが挙げられる。
ゲルマニウムを含む負極活物質としては、例えばゲルマニウムの酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物等が挙げられる。
上記負極活物質は、体積膨張率が110%以下の活物質と混合して使用してもよく、混合物全体の体積膨張率が110%より大きい材料であれば、好ましく使用することができる。体積膨張率が110%以下の活物質としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素、メソカーボンマイクロビーズ、チタン酸リチウムが挙げられる。これらのうち1種または2種を、上記負極活物質と混合して用いることができる。
これらの負極活物質の表面は、導電性を向上する目的で、炭素や銅などの導電性を有する材料で覆われていても良い。
上記活物質の平均粒径(平均メジアン粒径)は0.1〜20μmが好ましい。また、上記活物質の表面は、シランカップリング剤などによって処理が施されていてもよい。
2.溶媒
実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストは、溶媒を含有し得る。溶媒の種類は、リチウムイオン二次電池用電極バインダー樹脂組成物と活物質等を均一に溶解もしくは分散可能なものであれば特に制限されない。このような溶剤として、非プロトン性極性溶媒が好ましく、非プロトン性アミド系溶媒がより好ましい。非プロトン性アミド系溶媒の例には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、および1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが含まれる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上組み合わせてもよい。
これらの溶媒以外にも、必要に応じて他の溶媒を共存させてもよい。他の溶媒の例には、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クロロトルエン、m-クロロトルエン、p-クロロトルエン、o-ブロモトルエン、m-ブロモトルエン、p-ブロモトルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノール等が含まれる。
溶媒量はリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストの粘度等を考慮して適宜選択される。通常、合材ペーストに含まれる固形分100質量部に対して、50〜900質量部配合することが好ましく、65〜500質量部配合することがより好ましい。
3.導電助剤
実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストは、活物質とともに導電助剤を配合することができる。導電助剤は、電極の電気抵抗を低下させる目的で配合される。導電助剤としては、炭素材料を用い得る。炭素材料としては、その種類に特に制限はないが、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、炭素繊維(カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維など)や、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物が挙げられる。
有機物の熱分解物としては、石炭系コークス;石油系コークス;石炭系ピッチの炭化物;石油系ピッチの炭化物;或いはこれらピッチを酸化処理した後の炭化物;ニードルコークス;ピッチコークス;フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭化物;及びこれらを一部黒鉛化した炭素材;ファーネスブラック;アセチレンブラック;ピッチ系炭素繊維;等が挙げられる。中でも黒鉛が好ましく、特に種々の原料から得た易黒鉛性ピッチに高温熱処理を施すことによって製造された、人造黒鉛、精製天然黒鉛、又はこれらの黒鉛に種々の表面処理を施したものが好ましい。
これらの炭素材料は、それぞれ1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、リチウムイオン二次電池用電極合材ペーストには、上記炭素材料以外に、酸化錫などの金属酸化物、硫化物や窒化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金などを配合してもよい。これらの炭素材料以外の材料についても、それぞれ1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、上述の炭素材料と組み合わせて用いても良い。
リチウムイオン二次電池用電極合材ペースト中の固形分の総量(質量)に対する導電助剤の配合量(質量)は、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上であることが更に好ましい。また通常20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
[リチウムイオン二次電池用電極]
実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極は、集電体と負極活物質層との積層物である。この活物質層は、バインダー樹脂組成物を含むリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストの硬化物である。リチウムイオン二次電池用電極にはシート状の電極が含まれる。
1.集電体
負極集電体の材質としては、ケイ素及び/又はケイ素合金、スズおよびその合金、ケイ素−銅合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。
負極集電体の形状としては、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。集電体の厚みは、特に制限はないが、例えば通常5μm〜30μmであり、好ましくは9〜20μmである。
2.負極活物質層
活物質層は、バインダー樹脂組成物を含有するリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストを、集電体に塗布し、それを加熱硬化させて得られる。
電極合材ペーストの塗布は、例えばスクリーン印刷、ロールコート、スリットコート等の方法で行い得る。この際、バインダー(硬化物)がメッシュ状となるように電極合材ペーストをパターン上に塗布してもよい。活物質層の厚みは特に制限なく、例えば硬化後の厚みが5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。また200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、75μm以下が更に好ましい。活物質層が薄すぎると、活物質の粒径との兼ね合いから正極または負極としての実用性に欠ける。一方厚みが厚すぎると、高密度の電流値に対する十分なLiの吸蔵・放出の機能が得られにくい場合がある。
電極合材ペーストの加熱硬化は、通常、大気圧下で行うことが可能であるが、加圧下、ないしは真空下で行ってもよい。また加熱乾燥時の雰囲気は、特に制限されないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオンまたはアルゴン等の雰囲気下で行うことが好ましく、より好ましくは不活性気体である窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。
また、電極合材ペーストの加熱硬化における加熱温度は、通常150℃〜500℃で1分間〜24時間熱処理することにより、ポリイミド前駆体のポリイミドへの閉環反応を行い、信頼性のある負極を得ることができる。好ましくは200℃〜450℃で5分間〜20時間である。
[リチウムイオン二次電池]
こうして得られた負極は、リチウムイオン二次電池用として使用する事が出来る。
実施形態に係るリチウムイオン二次電池の基本的構成は、従来公知のリチウムイオン二次電池と同様であり、通常、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える。上述したバインダー樹脂組成物の硬化物は、正極及び負極のいずれの活物質層としてもよく、いずれか一方のみに用いてもよい。本発明では特に、ケイ素原子またはスズ原子を負極活物質として含む負極の活物質層として上述したバインダー樹脂組成物の硬化物を用いることが好ましい。
実施形態に係るリチウムイオン二次電池の形態は特に制限されない。リチウムイオン二次電池の形態の例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。また、これらの形態の電池を任意の外装ケースに収めることにより、コイン型、円筒型、角型等の任意の形状としてもよい。
実施形態に係るリチウムイオン二次電池を組み立てる手順も特に制限されず、電池の構造に応じて適切な手順で組み立てればよい。一例を挙げると、外装ケース上に負極を乗せ、その上に電解液とセパレータを設け、更に負極と対向するように正極を乗せて、ガスケット、封口板と共にかしめて電池にすることができる。
1.電解液
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、非水系溶媒にリチウム塩を溶解させた非水系電解液や、この非水系電解液を有機高分子化合物等によりゲル状、ゴム状、固体シート状にしたものなどが用いられる。
電解液には、例えば、リチウム塩を溶解させた非水溶媒が用いられる。リチウム塩は、公知のリチウム塩の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、LiCl、LiBrなどのハロゲン化物;LiClO、LiBrO、などの過ハロゲン酸塩;LiPF、LiBF、LiAsFなどの無機フッ化物塩;リチウムビス(オキサラトホウ酸塩)LiBCなどの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCSOなどのパーフルオロアルカンスルホン酸塩;Liトリフルオロスルフォンイミド((CFSONLi)などのパーフルオロアルカンスルホン酸イミド塩;などの含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、通常0.5M以上、2.0M以下の範囲である。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ブチルジグライム、メチルテトラグライムなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電解液中に有機高分子化合物を含ませ、ゲル状、ゴム状、或いは固体シート状とすることも可能である。このような有機高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物;ポリエーテル系高分子化合物の架橋体高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール系高分子化合物;ビニルアルコール系高分子化合物の不溶化物;ポリエピクロルヒドリン;ポリフォスファゼン;ポリシロキサン;ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系高分子化合物;ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)等のポリマー共重合体などが挙げられる。
また電解液中には、更に被膜形成剤を含んでいても良い。被膜形成剤の具体例としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ビニルエチルカーボネート、メチルフェニルカーボネートなどのカーボネート化合物、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、1−フルオロエチルメチルカーボネート、エチル1−フルオロエチルカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネート、ビス(1−フルオロエチル)カーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、エチル2−フルオロエチルカーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、メチル1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルカーボネート、エチル1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イルカーボネート、メチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、ビス(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)カーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、エチル3,3,3−トリフルオロプロピルカーボネート、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)カーボネートなどのフッ素系カーボネート化合物、エチレンサルファイド、プロピレンサルファイドなどのアルケンサルファイド;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン化合物;マレイン酸無水物、コハク酸無水物などの酸無水物などが挙げられる。
また、被膜形成剤を用いる場合、その含有量は、電解液の構成成分全量(質量)に対して、被膜形成剤を通常30質量%以下、中でも15質量%以下、更には10質量%以下、特に5質量%以下とすることが好ましい。被膜形成剤の含有量が多過ぎると、リチウムイオン二次電池の初期不可逆容量の増加や低温特性、レート特性の低下等、他の電池特性に悪影響を及ぼす場合がある。
2.正極
正極は、集電体と、正極活物質層とが積層された構造とし得る。
正極集電体の材質としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。中でも金属材料が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。また、形状としては、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。中でも、金属薄膜が、現在工業化製品に使用されているため好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成しても良い。正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、下限が、通常1μm、好ましくは3μm、より好ましくは5μm、上限が、通常100mm、好ましくは1mm、より好ましくは50μmの範囲である。上記範囲よりも薄いと、集電体として必要な強度が不足する虞がある一方で、上記範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる恐れがある。
正極活物質は特にリチウムの吸蔵放出が可能な材料であれば限定されず、リチウムイオン二次電池に通常用いられる正極活物質を利用することができる。具体的には、リチウム−マンガン複合酸化物(LiMnなど)、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiOなど)、リチウム−コバルト複合酸化物(LiCoOなど)、リチウム−鉄複合酸化物(LiFeOなど)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn0.5など)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(LiNi0.8Co0.2など)、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物(LiFePOなど)、およびリチウム−遷移金属硫酸化合物(LixFe(SO)などが挙げられる。
これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。正極活物質層中の正極活物質の含有割合は、下限が、通常10質量%、好ましくは30質量%、更に好ましくは50質量%であり、上限が、通常99.9質量%、好ましくは99質量%である。
正極活物質を結着するバインダー樹脂としては、上述したバインダー樹脂組成物の他、公知のものを任意に選択して用いることができる。このような例としては、シリケート、水ガラス等の無機化合物や、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録商標)、不飽和結合を有さない高分子などが挙げられる。これらの高分子の重量平均分子量は、下限が、通常1万、好ましくは10万、上限が、通常300万、好ましくは100万である。
正極活物質層を構成する全ての成分の質量に対するバインダー樹脂(質量)の割合は、下限が通常0.1質量%、好ましくは1質量%、更に好ましくは5質量%であり、上限が通常80質量%、好ましくは60質量%、更に好ましくは40質量%、特に好ましくは10質量%である。バインダー樹脂の割合が低すぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう虞がある。一方で、バインダー樹脂の割合が高すぎると、電池容量や導電性の低下につながる虞がある。
正極活物質層中には、電極の導電性を向上させるために、導電材を含有させてもよい。導電剤としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。
正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。正極は、正極活物質及び上記バインダー樹脂を含有するバインダー樹脂組成物を、集電体上に形成して得られる。正極活物質層は、通常、正極材料と結着剤と更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘剤等を、乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、或いはこれらの材料を液体媒体中に溶解又は分散させてペースト状にして、正極集電体に塗布、乾燥することにより作製される。なお、正極集電体へのペーストの塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。
ペーストを形成するための液体媒体としては、正極活物質、バインダー樹脂、並びに必要に応じて使用される導電材及び増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を挙げることができる。特に水系溶媒を用いる場合、増粘剤に併せて分散剤を加え、SBR等のラテックスを用いてペースト化する。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
3.セパレータ
正極と負極との間には通常、電極間の短絡を防止するために、多孔膜や不織布などの多孔性のセパレータを介在させる。セパレータには、例えば、優れたイオン透過性を有する微多孔性フィルム、ガラス繊維シート、不織布、織布などが用いられる。また、耐有機溶剤性と疎水性の観点から、セパレータの材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレナフタレート、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリイミドなどが用いられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、通常は安価なポリプロピレンが用いられるが、リチウムイオン二次電池に耐リフロー性を付与する場合には、この中でも熱変形温度が230℃以上のポリプロピレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミドなどを用いることが好ましい。セパレータの厚みは、例えば10〜300μmである。また、セパレータの空孔率は、電子やイオンの透過性、セパレータの素材などに応じて適宜決めればよいが、一般的に30〜80%であることが望ましい。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。本発明の範囲は、これらの実施例によって限定して解釈されてはならない。本実施例および比較例で用いた略称の内容を示す。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
m−BP:4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
実施例で用いた特性の測定方法を以下に示す。
<固形分濃度>
試料溶液(その質量をw1とする)を、熱風乾燥機中330℃で120分間加熱処理して、加熱処理後の質量(その質量をw2とする)を測定する。
固形分濃度[質量%]は、次式によって算出した。
固形分濃度[質量%]=(w2/w1)×100
<対数粘度>
試料溶液を、固形分濃度に基づいて濃度が0.5g/dl(溶媒はNMP)になるように希釈した。この希釈液を35℃にて、ラウダ社製 自動動粘度測定装置PVSを用いて流下時間(T1)を測定した。対数粘度は、ブランクのNMPの流下時間(T0)を用いて、次式から算出した。
対数粘度={ln(T1/T0)}/0.5
<膨潤率>
電極用バインダー樹脂組成物から得られた厚さ20μmのポリイミドフィルム10cm角に切り出し、100℃で3時間真空乾燥後の質量を乾燥質量(Wd)とした。本フィルムを、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)に、60℃で72時間浸漬した後の質量を膨潤質量(Ww)とし、それぞれ次式により膨潤率Sを計算した。
S[質量%]=Ww/Wd×100
<コインセルによる充放電サイクル試験>
負極単極での電極特性を評価するために、次のようにして試験用リチウム二次電池を作製した。対極には直径16mmΦ金属リチウムを用いた。また、電解液としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)にLiPF6を1mol/lの濃度で溶解したものを用い、セパレーターにポリプロピレンの多孔質膜を用いてコインセルを作製した。
得られたこのコインセルを使用して、25℃の恒温下、端子電圧の充電下限電圧を0.01V、放電の上限電圧を1.2Vとした電圧範囲で、0.2Cの電流値で、定電流充電及び放電を20サイクル繰り返した後の放電容量および、1サイクル目の放電容量に対する容量維持率の変化を調べた。その後21サイクル目では、電流値を0.1Cに下げて充放電を行い、次式から負荷特性を算した。
負荷特性(%)=[{20サイクル目(電流値0.2C)の放電容量}/{21サイクル目(電流値0.1C)の放電容量}]×100
なお、初回効率、放電容量維持率はそれぞれ次式より計算した。
初回効率(%)=[(1サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の充電容量)]×100
放電容量維持率(%)=[(20サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)]×100
(合成例1)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、66.32g(0.18mol)のm−BPと、溶媒として475.9gのNMPとを装入した。m−BPが溶解するまで撹拌した後、51.9gのBPDA(0.176mol)を約30分かけて投入し、204gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌してポリアミド酸ワニスAを得た。得られたポリアミド酸ワニスは、固形分濃度が14質量%であり、対数粘度は0.75dl/gであった。
(合成例2)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、66.32gのm−BP(0.18mol)と、溶媒として456gのNMPとを装入した。m−BPが溶解するまで撹拌した後、38.47gのPMDA(0.176mol)を約30分かけて投入し、195.4gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌してポリアミド酸ワニスBを得た。得られたポリアミド酸ワニスは、固形分濃度が13質量%であり、対数粘度は0.77dl/gであった。
(合成例3)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、66.31gのm−BP(0.18mol)と、溶媒として412.1gのNMPとを装入した。m−BPが溶解するまで撹拌した後、25.95g(0.088mol)のBPDA、19.24(0.088mol)gのPMDAを30分かけて投入し、176.6gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌してポリアミド酸ワニスCを得た。得られたポリアミド酸ワニスは、固形分濃度が15質量%であり、対数粘度は0.80dl/gであった。
(実施例1)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。
ポリアミド酸ワニスA68.73g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、10mol%となるように、上記エタノール溶液を3.1g(酢酸リチウム、0.0015mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)することで、バインダーワニス1を得た。得られたバインダーワニスは固形分濃度が13.4質量%であった。
バインダーフィルムの作製
得られたバインダーワニス1を、基材のガラス板上にアプリケーターによって塗布し、その塗膜を、窒素雰囲気下330℃で2時間焼成し、厚さが15μmのバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、バインダーワニス1およびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、41.4質量%および27.1質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
Figure 2015005391
(実施例2)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。ポリアミド酸ワニスA68.63g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、20mol%となるように、上記エタノール溶液を6.28g(酢酸リチウム、0.003mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)することで、バインダーワニス2を得た。得られたバインダーワニスは固形分濃度が13質量%であった。
得られたバインダーワニス2を用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径10μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、バインダーワニス2およびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、42.7質量%および25.9質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(実施例3)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。ポリアミド酸ワニスC58.35g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、10mol%となるように、上記エタノール溶液を3g(酢酸リチウム、0.0015mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)することで、バインダーワニス3を得た。得られたバインダーワニスは固形分濃度が14.3質量%であった。
得られたバインダーワニス3を用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径10μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、バインダーワニス3およびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、38.8質量%および29.7質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(比較例1)
合成例1で作製したポリアミド酸ワニスAを用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、ポリアミド酸ワニスAおよびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、39.6質量%および28.9質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(比較例2)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。ポリアミド酸ワニスA68.6g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、50mol%となるように、上記エタノール溶液を15.7g(酢酸リチウム、0.0075mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)した。不溶物が析出したため、電極を作製できなかった。
(比較例3)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。ポリアミド酸ワニスA68.63g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、30mol%となるように、上記エタノール溶液を9.42g(酢酸リチウム、0.0045mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)することで、バインダーワニス4を得た。得られたバインダーワニスは固形分濃度が12.5質量%であった。
得られたバインダーワニス4を用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、バインダーワニス4およびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、44.4質量%および24.2質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(比較例4)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。ポリアミド酸ワニスB72.26g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、10mol%となるように、上記エタノール溶液を3.44g(酢酸リチウム、0.0015mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)することで、バインダーワニス5を得た。得られたバインダーワニスは固形分濃度が12.4質量%であった。
得られたバインダーワニス5を用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径10μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、バインダーワニス5およびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、45.5質量%および23.1質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(比較例5)
合成例2で作製したポリアミド酸ワニスBを用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径10μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、ポリアミド酸ワニスBおよびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、42.7質量%および25.9質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(比較例6)
合成例3で作製したポリアミド酸ワニスCを用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、ポリアミド酸ワニスCおよびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、37.0質量%および31.6質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
(比較例7)
酢酸リチウム二水和物5質量部をエタノール95質量部に溶解し、酢酸リチウムのエタノール溶液を調製した。ポリアミド酸ワニスA68.63g(ポリアミド酸、0.015mol)に、酢酸リチウムの添加量が、ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸二無水物100mol%に対し、2mol%となるように、上記エタノール溶液を0.63g(酢酸リチウム、0.0003mol)添加した。そして得られた溶液を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製 泡とり練太郎AR-250)で3分攪拌(自転800rpm、公転2000rpm)することで、バインダーワニス6を得た。得られたバインダーワニスは固形分濃度が14.1質量%であった。
得られたバインダーワニス6を用いて、実施例1と同様の方法でバインダー樹脂フィルムを形成した。得られたフィルムの膨潤率を表1に示した。
負極電極の作製
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉)、アセチレンブラック、バインダーワニス6およびNMPを、それぞれ27.8質量%、3.7質量%、39.4質量%および29.2質量%の比率で混合し、混練してスラリーを作製した。これを厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように塗布し、その後、窒素雰囲気中350℃で20分間熱処理することにより、電極シートを形成した。このシートから直径14.5mmΦの円形に切り出すことにより負極電極を得た。得られた負極を用いて作製したコインセルによる、充放電サイクル試験の結果を表1に示した。
アルカリ金属塩をポリアミド酸に添加した実施例1〜3は、アルカリ金属塩未添加の比較例1、6に比べて、20サイクル後の放電容量および放電容量維持率が高く、良好なサイクル特性を示した。また実施例1〜3は、比較例1、5、6に比べて負荷特性値が大きく、優れたレート特性を示した。
テトラカルボン酸二無水物に、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を使用した実施例1−3は、上記テトラカルボン酸二無水物を使用しなかった比較例4に比べて、20サイクル後の放電容量および放電容量維持率が高く、良好なサイクル特性を示した。実施例1〜3は、比較例4に比べて膨潤率が低く、バインダーは電解液により膨潤しにくいため、サイクル試験後も良好な結着性を示したためと考えられる。
テトラカルボン酸二無水物100モル%に対するアルカリ金属塩の添加量が4〜20モル%の範囲に含まれない、比較例1〜3、5〜7は、20サイクル後の放電容量および放電容量維持率、負荷特性値のいずれの項目においても、実施例1〜3よりも劣る結果となった。

Claims (13)

  1. ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から構成されるポリアミド酸と、
    リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノアルカリ金属塩と、を含むリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物であって、
    前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含み、
    前記モノアルカリ金属塩が、前記テトラカルボン酸二無水物100モル%に対し4〜20モル%含まれることを特徴とするリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  2. 前記モノアルカリ金属塩が、配位子として水を含むことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  3. 前記モノアルカリ金属塩は、配位子として分子量200以下の配位子を含み、前記分子量200以下の配位子の少なくとも1つが、カルボキシル基を有することを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物を加熱して得られるフィルムが、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)に浸漬し、60℃で3日間保持後の膨潤度が20%以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  5. 前記テトラカルボン酸二無水物と前記ジアミン化合物の仕込み比が、0.95〜0.99:1.00であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  6. 前記ジアミン化合物のうち25〜100モル%が下記化学式1で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
    Figure 2015005391
    Figure 2015005391
    (化学式1)
    (式中、Aは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基および/またはスルホニル基を表す。nは1〜4の整数である。)
  7. 前記モノアルカリ金属塩が、フッ素を含まないことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  8. 前記テトラカルボン酸二無水物のうち30〜100モル%が、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
  9. ケイ素原子、スズ原子またはゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも一種の負極活物質と、請求項1記載のバインダー樹脂組成物とを含む、リチウムイオン二次電池電極合材ペースト。
  10. 請求項9記載のリチウムイオン二次電池電極合材ペーストを、集電体上に塗布し、加熱処理してイミド化反応することにより得られることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
  11. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えたリチウムイオン二次電池であって、前記負極が請求項10記載のリチウムイオン二次電池用電極であるリチウムイオン二次電池。
  12. ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から構成されるポリアミド酸と、
    リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノアルカリ金属塩と、
    ケイ素原子、スズ原子またはゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも一種の負極活物質と、を含む、リチウムイオン二次電池電極合材ペーストの製造方法であって、
    前記ポリアミド酸と、
    前記テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して4〜20モル%の前記モノアルカリ金属塩と、を混合する工程を有するリチウムイオン二次電池電極合材ペーストの製造方法。
  13. 請求項9記載のリチウムイオン二次電池電極合材ペーストを、集電体上に、塗布し、加熱処理してイミド化反応することにより得られるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
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