JP2018170251A - 非水電解質二次電池用負極の製造方法、非水電解質二次電池の製造方法、および非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[2] 前記ドープ溶液を、20℃以上30℃以下で7Li−NMR測定して得られるスペクトルにおいて、ケミカルシフト値が3ppm以上8ppm以下の範囲に存在するメインピークをピークA、ケミカルシフト値が1ppm以上5ppm以下の範囲に存在するマイナーピークをピークBとしたとき、前記ピークAと前記ピークBのケミカルシフト値の差(A−B)が1.5超3未満である、[1]に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[3] 前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)は、ビフェニル、ターフェニルまたはそれらの誘導体である、[1]または[2]に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[4] 前記ドープ溶液は、前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)を溶解させた溶媒に、前記アルカリ金属または前記アルカリ土類金属を投入した後、2時間以下攪拌させて得られる、[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[5] 前記溶媒は、テトラヒドロフランである、[4]に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[6] 前記ドープ溶液における前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)の濃度は、0.1mol/L以上4.0mol/L以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[7] 前記合金系材料(A)は、SiOx(0.5≦x≦1.5)で表されるケイ素酸化物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[8] 前記ケイ素酸化物の少なくとも一部は、炭素材料により被覆されており、前記被覆する炭素材料の質量は、前記負極合材層に含まれる前記ケイ素酸化物の全質量に対して2質量%以上50質量%以下である、[7]に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[9] 前記炭素粒子(B)は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素被覆黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[10] 前記バインダ(C)は、イミド結合含有ポリマー(C1)またはカルボン酸塩含有ポリマー(C2)を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法により負極を得る工程と、前記負極、正極、および電解液を備えた非水電解質二次電池を得る工程とを含み、前記正極が有する正極活物質の容量から算出されるアルカリ金属及びアルカリ土類金属のモル量より、満充電時の負極に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計モル量が多い、非水電解質二次電池の製造方法。
[12] プレドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法であって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵可能なケイ素またはスズを含む合金系材料(A)からなる負極活物質を、直鎖ポリフェニレン化合物(D)とアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンとを含むドープ溶液と接触させて、前記プレドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む負極活物質を得る工程を含み、前記ドープ溶液は、前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)の全モル数100モル%に対して、前記アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを100モル%以上150モル%未満含む、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
[13] 前記ドープ溶液を、20℃以上30℃以下で7Li−NMR測定して得られるスペクトルにおいて、ケミカルシフト値が3ppm以上8ppm以下の範囲に存在するメインピークをピークA、ケミカルシフト値が1ppm以上5ppm以下の範囲に存在するマイナーピークをピークBとしたとき、前記ピークAと前記ピークBのケミカルシフト値の差(A−B)が1.5超3未満である、[12]に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
[14] 前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)は、ビフェニル、ターフェニルまたはそれらの誘導体である、[12]または[13]に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
[15] 前記ケイ素またはスズを含む合金系材料は、SiOx(0.5≦x≦1.5)で表されるケイ素酸化物である、[12]〜[14]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
[16] 前記ケイ素酸化物の少なくとも一部は、炭素材料により被覆されている、[15]に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法は、1)合金系材料(A)、炭素粒子(B)、およびバインダ(C)を含む負極合材層を得る工程と、2)得られた負極合材層を、直鎖ポリフェニレン化合物(D)とアルカリ金属類のイオンとを含むドープ溶液と接触させて、プレドープされたアルカリ金属類を含む負極合材層(「プレドープされた負極合材層」ともいう)を得る工程とを含む。また、本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法は、必要に応じて、3)得られた負極合材層から不純物を除去する工程などをさらに含んでもよい。以下、各工程について、説明する。
負極合材層は、合金系材料(A)、炭素粒子(B)、バインダ(C)、必要に応じて導電助剤(E)などを溶媒に分散させて、負極合材ペーストとし、これを集電体に塗布して得られる。負極合材ペーストの塗布後、必要に応じて溶媒を除去するなどして、負極合材ペーストを乾燥・固化させることで、負極合材層が得られる。
合金系材料(A)は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵可能なケイ素またはスズを構成元素に含む材料であり、負極活物質として機能する(アルカリ金属類の吸蔵および放出が可能な)材料である。合金系材料(A)は、プレドープによりアルカリ金属類との複合体となる。
炭素粒子(B)は、黒鉛材料を含有する粒子であり、負極活物質として機能する(アルカリ金属類の吸蔵および放出が可能な)材料である。
バインダ(C)は、結着剤として機能するポリマーである。バインダ(C)は、イミド結合含有ポリマー(C1)またはカルボン酸塩含有ポリマー(C2)を含むことが好ましい。これらのポリマーは、リチウムイオンを移動させやすいので、プレドープ量を増大させやすいだけでなく、ドープ溶液に対する膨潤耐性が高いので、プレドープ時の負極合材層の体積膨張を抑制しやすい。
イミド結合含有ポリマー(C1)は、分子内にイミド結合を含むポリマーであれば特に制限されない。イミド結合含有ポリマーの例には、ポリイミドや、ポリアミドイミド等が含まれる。イミド結合含有ポリマー(C1)は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とが反応したアミド酸構造またはイミド結合を有する繰返し構成単位を含むことが好ましい。イミド結合含有ポリマー(C1)には、当該繰返し構成単位が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。つまり、イミド結合含有ポリマー(C1)は、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。
1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、ビス[(2-アミノメトキシ)エチル]エーテル、1,2-ビス[(2-アミノメトキシ)エトキシ]エタン、ビス(2-アミノエチル)エーテル、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタン、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノメチルシクロヘキサン、1,3-ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2-ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,3-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン等の脂肪族ジアミン;
などが含まれる。これら由来の構造は、ポリイミドに一種単独で含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。
カルボン酸塩含有ポリマー(C2)は、カルボキシル基を有するポリマーと金属イオンまたはアンモニウムイオンが塩を形成したものであればよい。
負極合材層は、導電助剤(E)をさらに含んでもよい。このような導電助剤(E)としては、非水電解質二次電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、アスペクト比が10以上である炭素繊維、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)、金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの粉末)、金属繊維、ポリフェニレン誘導体などの材料を用いることができる。
負極合材ペーストに使用可能な溶媒は、合金系材料(A)、炭素粒子(B)、およびバインダ(C)などを均一に溶解もしくは分散可能なものであれば特に制限されないが、好ましくは、非プロトン性極性溶媒であり、さらに好ましくは、非プロトン性アミド系溶媒である。非プロトン性アミド系溶媒の例には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが含まれる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上組み合わせてもよい。
真比重は、上記のようにして秤量した各質量W1、W2、W3、およびW4から、以下のように算出できる。
真比重={(W2−W1)×s}/{(W2−W1)−(W3−W4)}
ここで、sは、25℃におけるn−ブタノールの比重である。
前述の合金系材料(A)、炭素粒子(B)、およびバインダ(C)を少なくとも含む負極合材層を、直鎖ポリフェニレン化合物(D)とアルカリ金属類のイオンとを含むドープ溶液と接触させて、前述の負極合材層にアルカリ金属類をプレドープする。つまり、プレドープされたアルカリ金属類を含む負極合材層を有する負極を得る。負極合材層とドープ溶液とを接触させる方法は、特に制限されないが、ドープ溶液中に上記負極合材層を浸漬させて、溶液中でこれらを接触させることが好ましい。ここで、溶液中に溶解させるアルカリ金属類は、合金系材料(A)が吸蔵可能なものであればよい。
直鎖ポリフェニレン化合物(D)とアルカリ金属類のイオンとを含むドープ溶液の調製方法は、特に制限されないが、例えば直鎖ポリフェニレン化合物(D)を溶解させた溶媒に、アルカリ金属類を添加した後、攪拌および反応させて得ることができる。
直鎖ポリフェニレン化合物(D)は、負極活物質である合金系材料(A)および炭素材料(B)をプレドープする際に触媒として機能する化合物である。直鎖ポリフェニレン化合物(D)は、アルカリ金属類のプレドープの際に、負極合材層に導入される。そのため、得られる負極合材層が直鎖ポリフェニレン化合物(D)を含むことは、負極が、アルカリ金属類のイオンおよび触媒を含有する溶液への浸漬によりプレドープされたものであることを意味する。
溶媒に溶解させるアルカリ金属類は、特に制限されないが、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウムおよびカルシウムが好ましく、リチウムおよびナトリウムがより好ましく、リチウムが特に好ましい。これらのアルカリ金属類は、例えば金属箔として溶媒に添加されうる。
直鎖ポリフェニレン化合物(D)およびアルカリ金属類を溶解させる溶媒の種類は、アルカリ金属類が溶媒和しやすいものであれば特に制限されず、例えば、環状炭酸エステル、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ニトリル類などでありうる。
ドープ溶液における直鎖ポリフェニレン化合物(D)の全モル数100モル%に対する、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの含有比率は、100モル%以上150モル%未満であることが好ましい。上記含有比率が100モル%以上であると、ドープ溶液に含まれるアルカリ金属類のイオンの量が十分であるため、負極合材層中の合金系材料(A)との反応性を高めやすく、十分な量のアルカリ金属類のイオンをプレドープすることができる。上記含有比率が150モル%未満であると、ドープ溶液に含まれる直鎖ポリフェニレン化合物(D)の量が十分であり、アルカリ金属類のイオンと直鎖ポリフェニレン化合物(D)との結合が安定化しすぎないため、プレドープに必要な触媒作用が損なわれにくく、負極合材層中の合金系材料(A)との反応性が損なわれにくいので、十分な量のアルカリ金属類のイオンをプレドープすることができる。上記含有比率は、110モル%以上130モル%以下であることがより好ましい。
1)直鎖ポリフェニレン化合物(D)の濃度が異なる液体試料を複数準備し、後述する測定条件でガスクロマトグラフィ(GC)測定を行い、検量線を得る。
2)次いで、測定対象となるドープ溶液をガスクロマトグラフィ(GC)にて分析し、前述の検量線と照合してドープ溶液中の直鎖ポリフェニレン化合物(D)を定量する。
ガスクロマトグラフィ(GC)は、例えば以下の条件で行うことができる。
測定装置名:Agilent 7890A/5975C GC/MSD
カラム:Agilent J&W HP−5MS 長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
加熱条件:40℃(3分保持)−20℃/分で昇温−300℃(14分保持)
キャリアガス:ヘリウム
検出器:MSD(質量選択型検出器)
1)標準(1M LiCl/D2O)溶液を準備し、後述する測定条件で核磁気共鳴(NMR)測定を行い、ケミカルシフト基準を得る。
2)次いで、測定対象となる直鎖ポリフェニレン化合物(D)の溶液を、NMR試料管に入れ、後述する測定条件で核磁気共鳴(NMR)測定する。得られたスペクトルについて、ローレンツ関数分布でピーク分離を行い、前述のケミカルシフト基準と照合して各ピークの中心値、面積を求める。
核磁気共鳴(NMR)は、以下の条件で行うことができる。
測定装置名: 日本電子製ECA500型核磁気共鳴装置
測定核: 7Li(194MHz)
測定モード: シングルパルス
パルス幅: 45°(6.00μ秒)
ポイント数: 32k
観測範囲: 50ppm(−25ppm〜25ppm)
繰り返し時間: 7.0秒
積算回数: 128回
測定溶媒: Neat
測定温度 室温: (22℃)
ウインドウ関数: exponential(BF:0.2Hz)
ケミカルシフト基準: 1M LiCl/D2O:0.00ppm
3)このようにして照合されたスペクトルから得られる、ケミカルシフト値として3ppm〜8ppmの範囲に存在するメインピークをピークAとし、1ppm〜5ppmの範囲に存在するマイナーピークをピークBとし、ケミカルシフト値の差をA−Bを求める。
ドープ溶液と負極合材層とを接触させる時間は、特に制限されない。負極活物質(合金系材料(A)および炭素原子(B))にアルカリ金属類を十分にプレドープさせるためには、0.5分以上であることが好ましく、0.5分以上240時間以下であることが好ましく、0.5分以上72時間以下であることがより好ましく、0.5分以上24時間以下であることがさらに好ましく、0.5分以上1時間以下であることがさらに好ましく、0.5分以上0.5時間以下であることがさらに好ましい。
本工程では、前述の工程で得られた二次電池用負極を、直鎖ポリフェニレン化合物(D)が可溶な溶媒中に浸漬して、プレドープされた負極合材層から直鎖ポリフェニレン化合物(D)を除去する。本工程によって、直鎖ポリフェニレン化合物(D)を除去することで、上記二次電池用負極中の不純物が少なくなり、非水電解質二次電池の安定性が高まる。なお、直鎖ポリフェニレン化合物(D)はプレドープされた負極合材層から完全に除去されることはなく、少なくとも上述した量が、プレドープされた負極合材層の中に残留する。
本発明の非水電解質二次電池用負極の製造方法で得られる非水電解質二次電池用負極(以下、単に「二次電池用負極」ともいう。)は、前述の合金系材料(A)と、炭素粒子(B)と、バインダ(C)と、直鎖ポリフェニレン化合物(D)とを少なくとも含み、かつ、合金系材料(A)の少なくとも一部が、プレドープされたアルカリ金属類を含む負極合材層(プレドープされた負極合材層)を有する。上記二次電池用負極は、集電体をさらに有してもよい。上記二次電池用負極の構造は、適用する非水電解質二次電池の用途に合わせて適宜選択することができ、たとえば、シート状の集電体と、上記集電体の両面に配置された上記プレドープされた負極合材層とからなる積層体などとすることができる。上記二次電池用負極は、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタの電極としても利用することができる。
プレドープされた負極合材層は、合金系材料(A)、炭素粒子(B)、バインダ(C)、および直鎖ポリフェニレン化合物(D)を少なくとも含む。
1)プレドープされた負極合材層中の直鎖ポリフェニレン化合物(D)を、ガスクロマトグラフィ(GC)にて特定する。そして、特定した直鎖ポリフェニレン化合物(D)の濃度が異なる液体試料を複数準備し、後述する測定条件でガスクロマトグラフィ(GC)測定を行い、検量線を得る。
2)次いで、測定対象となるプレドープされた負極合材層を、バイアル瓶に入れ、そこに直鎖ポリフェニレン化合物(D)が可溶な抽出溶媒1mLを加えて、30分間浸漬する。このバイアルを超音波洗浄機VS−D100(アズワン製)にセットし、上記バイアルに24kHzおよび31kHzの複合周波を3分間照射する。
3)得られた抽出溶媒をガスクロマトグラフィ(GC)にて分析し、前述の検量線と照合して抽出溶媒中の直鎖ポリフェニレン化合物(D)を定量する。
ガスクロマトグラフィ(GC)は、例えば以下の条件で行うことができる。
測定装置名:Agilent 7890A/5975C GC/MSD
カラム:Agilent J&W HP−5MS 長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
加熱条件:40℃(3分保持)−20℃/分で昇温−300℃(14分保持)
キャリアガス:ヘリウム
検出器:MSD(質量選択型検出器)
負極の集電体の形状は、非水電解質二次電池の用途に合わせて適宜選択される。たとえば、集電体が金属材料からなる場合、箔状、円柱状、コイル状、板状、薄膜状などでありうる。一方、集電体が炭素材料からなる場合、板状、薄膜状、円柱状などでありうる。集電体の厚みは、特に制限されないが、通常5μm以上30μm以下であり、好ましくは6μm以上20μm以下である。さらに、集電体表面は、化学処理もしくは物理処理によって、表面を粗化されたものであってもよく、表面にカーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電材が塗布されたものであってもよい。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、前述の非水電解質二次電池用負極の製造方法により負極を得る工程または前述の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法により得られる負極活物質を用いて負極を得る工程(好ましくは前述の非水電解質二次電池用負極の製造方法により負極を得る工程)と、得られた負極、正極、および電解液を備えた非水電解質二次電池を得る工程とを含む。
上記正極は非水電解質二次電池の用途に合わせて適宜選択することができ、たとえば、シート状の集電体と、上記集電体の両面に配置された正極合材層とからなる積層体などとすることができる。
正極合材層は、正極活物質が、正極用結着剤(正極用結着剤)で結着された層でありうる。正極活物質は、前記二次電池用負極が負極合材層に有する合金系材料(A)が吸蔵および放出可能なアルカリ金属類の吸蔵および放出が可能な材料であれば限定されず、非水電解質二次電池に通常用いられる正極活物質を利用することができる。具体的には、上記アルカリ金属類がリチウムの場合は、リチウム−マンガン複合酸化物(LiMn2O4など)、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiO2など)、リチウム−コバルト複合酸化物(LiCoO2など)、リチウム−鉄複合酸化物(LiFeO2など)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn0.5O2など)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(LiNi0.8Co0.2O2など)、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物(LiFePO4など)、およびリチウム−遷移金属硫酸化合物(LixFe2(SO4)3)などが挙げられる。
正極の集電体としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタルなどの金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパーなどの炭素材料などを用いることができる。これらのうち、金属材料が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。集電体の形状は、集電体が金属材料からなる場合、箔状、円柱状、コイル状、板状、薄膜状でありうる。上記集電体はメッシュ状などであってもよく、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタルなどからなるものであってもよい。一方、集電体が炭素材料からなる場合、その形状は、板状、薄膜状、円柱などとすることができる。中でも、金属薄膜が、現在工業化製品に使用されているため好ましい。
上述の正極は、前述の正極活物質や正極用結着剤またはその前駆体、および導電助剤などを溶媒に分散させて、正極合材ペーストとし、これを集電体に塗布して得られる。正極合材ペーストの塗布後、必要に応じて溶媒を除去したり、正極用結着剤の前駆体を反応させたりすることによって、正極合材ペーストを乾燥・固化させる。正極合材ペーストの塗布方法や固化方法などは、負極の形成方法と同様でありうる。
本発明の非水電解質二次電池の電解液は、非水系溶媒に上記アルカリ金属類の塩を溶解させた非水系電解液でありうる。また、この非水系電解液に有機高分子化合物などを添加して、ゲル状、ゴム状、固体シート状にしたものなどでもありうる。
正極と前記二次電池用負極との間には、セパレータが含まれてもよい。セパレータが含まれると、電極間の短絡が防止される。セパレータは、多孔膜や不織布などの多孔性体とすることができる。セパレータの空孔率は、電子やイオンの透過性、セパレータの素材などに応じて適宜設定されるが、30%以上80%以下であることが好ましい。
PAALi:Liで中和したポリアクリル酸
THF:テトラヒドロフラン
BP:ビフェニル
NAP:ナフタレン
カルボン酸塩含有ポリマー(C2)(その質量をw1とする)を、熱風乾燥機中150℃で60分間加熱処理して、加熱処理後の質量(その質量をw2とする)を測定した。固形分濃度(質量%)は、次式によって算出した。
固形分濃度(質量%)=(w2/w1)×100
1)各実施例または比較例で調製したドープ溶液を準備した。このドープ溶液に、硫酸および硝酸を添加して加熱することにより有機物を分解した後、イオン交換水で希釈して検液を得た。
2)得られた検液を、後述する測定条件で誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置にて分析し、抽出溶液中のリチウムイオンの濃度を定量した。誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析は、例えば以下の条件で行った。
測定装置名:720−ES(アジレント・テクノロジー製)
測定条件:アジレント・テクノロジー社 機器操作マニュアルに従った。
検出器:マルチチャンネルCCD
3)このようにして定量されたリチウムイオンの濃度を、ドープ溶液中の直鎖ポリフェニレン化合物の濃度(仕込み量から算出される濃度)で除して、リチウムイオンと直鎖ポリフェニレン化合物のモル比率を求めた。
1)標準(1M LiCl/D2O)溶液を準備し、後述する測定条件で核磁気共鳴(NMR)測定を行い、ケミカルシフト基準を得た。
2)次いで、測定対象となる直鎖ポリフェニレン化合物(D)の溶液を、NMR試料管に入れ、後述する測定条件で核磁気共鳴(NMR)測定した。得られたスペクトルについて、ローレンツ関数分布でピーク分離を行い、前述のケミカルシフト基準と照合して各ピークの中心値、面積を求めた。核磁気共鳴(NMR)は、以下の条件で行った。
測定装置名: 日本電子製ECA500型核磁気共鳴装置
測定核: 7Li(194MHz)
測定モード: シングルパルス
パルス幅: 45°(6.00μ秒)
ポイント数: 32k
観測範囲: 50ppm(−25ppm〜25ppm)
繰り返し時間: 7.0秒
積算回数: 128回
測定溶媒: Neat
測定温度: 室温(22℃)
ウインドウ関数: exponential(BF:0.2Hz)
ケミカルシフト基準: 1M LiCl/D2O:0.00ppm
3)このようにして照合されたスペクトルから得られる、ケミカルシフト値として3ppm〜8ppmの範囲に存在するメインピークをピークAとし、1ppm〜5ppmの範囲に存在するマイナーピークをピークBとし、ケミカルシフト値の差をA−Bを求めた。
負極容量および初回充放電効率は、コインセルを用いて評価した。電極は、各実施例及び比較例で作製した直径14.5mmΦの負極と、直径15mmΦのリチウム箔からなる正極を用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)にLiPF6を1mol/lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータは、直径16mmΦ、膜厚25μmのポリプロピレン多孔質膜を使用した。
初回充放電効率(%)=リチウム脱離時容量/リチウム挿入時容量*100
リチウムプレドープ前後の積層体重量を秤量し、以下の式により、リチウムプレドープによる負極合材層の重量増加率を算出した。
リチウムプレドープによる負極合材層の重量増加率=
((リチウムプレドープ後の積層体重量―集電体重量)−(リチウムプレドープ前の積層体重量―集電体重量))/(リチウムプレドープ前の積層体重量―集電体重量)*100
リチウムプレドープ前後の積層体厚みを測定し、以下式により、リチウムプレドープによる負極合材層の厚み増加率を算出した。
リチウムプレドープによる負極合材層の厚み増加率=
((リチウムプレドープ後の積層体厚み―集電体厚み)−(リチウムプレドープ前の積層体厚み―集電体厚み))/(リチウムプレドープ前の積層体厚み―集電体厚み)*100
<カルボン酸塩含有ポリマー(C2)の調製>
ポリアクリル酸の25%水溶液(和光純薬工業社製、分子量約15万)29.5質量部(固形分0.1モル)に、1mol/Lの水酸化リチウム水溶液92.2質量部(固形分0.09モル)を撹拌しながら滴下することで、中和度90%のポリアクリル酸リチウム水溶液を得た。この水溶液の固形分濃度は7.1%であった。
(負極合材層の作製工程)
前記方法で調製した中和度90%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液12.2質量部(固形分1質量部)と、0.6質量部の導電助剤アセチレンブラック(電気化学工業製、HS−100)を、電池用コンパウンド攪拌機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス モデル2P−03)を用いて混練した。得られたペーストに、ケイ素酸化物(信越化学工業製、KSC−1064)、炭素粒子(黒鉛:日立化成株式会社製、MAGD−20)を合計18.4質量部添加し、H2Oを加えてさらに混練を行い、負極合材ペーストを調製した。活物質であるケイ素酸化物と炭素粒子の体積比率は20:80とした。
《ドープ溶液の調製》
アルゴン雰囲気下において、THF(和光純薬工業社製、脱酸素グレード)17.7質量部に、BP1.5質量部と、金属リチウム(本城金属製)0.15質量部とを加え、25℃で20分撹拌して、リチウムドープ溶液を調製した。
当該ドープ溶液中に、上記方法で作製した積層体を25℃で15分間浸漬し、この積層体の負極合材層にリチウムをプレドープさせた。積層体をドープ溶液から引き上げた後、積層体に付着したドープ溶液を除去するために、当該積層体をTHFに1分間浸漬した。その後、当該積層体を25℃で5分間真空乾燥することで、集電体とプレドープされた負極合材層とが積層された負極を得た。
得られた負極を用いてコインセルを作製し、前述の方法で初回充放電効率の算出を行った。結果を表1に示す。
<負極の作製>
(負極合材層の作製工程)
負極合材層を有する積層体の作製は、実施例1と同様の方法で行った。
《ドープ溶液の調製》
実施例1のドープ溶液の調製において、THF(和光純薬工業社製、脱酸素グレード)と、BPと、金属リチウム(本城金属製)とを含む溶液の攪拌時間を、表1または2に示されるように変更した以外は同様にして、ドープ溶液を調製した。得られたドープ溶液のリチウムイオン濃度の割合および7Li−NMR測定で得られるスペクトルのケミカルシフト値の差(A−B)を、それぞれ実施例1と同様にして測定した。
得られた負極合材層へのリチウムプレドープは、実施例1と同様の方法で行い、負極を得た。
得られた負極を用いてコインセルを作製し、前述の方法で初回充放電効率の算出を行った。結果を表1または2に示す。
<負極の作製>
(負極合材層の作製工程)
ケイ素酸化物と炭素粒子の体積比率を表1または2に示されるように変更した以外は実施例1と同様の方法で負極合材ペーストを作製し、集電体と負極合材層とが積層された積層体を得た。
負極合材層へのリチウムプレドープは、実施例2と同様のドープ溶液、同様のプレドープ条件にて行い、負極を得た。
得られた負極を用いてコインセルを作製し、前述の方法で初回充放電効率の算出を行った。結果を表1または2に示す。
<負極の作製>
(負極合材層の作製工程)
前記方法で調製した中和度90%のポリアクリル酸リチウム水溶液(カルボン酸塩含有ポリマー(C2))の添加量を表1または2に示されるように変更した以外は実施例1と同様の方法で負極合材ペーストを作製し、集電体と負極合材層とが積層された積層体を得た。
負極合材層へのリチウムプレドープは、実施例2と同様のドープ溶液、同様のプレドープ条件にて行い、負極を得た。
得られた負極を用いてコインセルを作製し、前述の方法で初回充放電効率の算出を行った。結果を表1または2に示す。
<負極の作製>
(負極合材層の作製工程)
負極合材層を有する積層体の作製は、実施例1と同様の方法で行った。
《ドープ溶液の調製》
実施例1のドープ溶液の調製において、ドープ溶液におけるBPの濃度を表1に示されるように変更した以外は同様にして、ドープ溶液を調製した。得られたドープ溶液のリチウムイオン濃度の割合および7Li−NMR測定で得られるスペクトルのケミカルシフト値の差(A−B)を、それぞれ実施例1と同様にして測定した。
得られた負極合材層へのリチウムプレドープは、実施例1と同様の方法で行い、負極を得た。
得られた負極を用いてコインセルを作製し、前述の方法で初回充放電効率の算出を行った。結果を表1に示す。
<負極の作製>
(負極合材層の作製工程)
負極合材層を有する積層体の作製は、実施例7と同様の方法で行った。
《ドープ溶液の調製》
アルゴン雰囲気下において、THF(和光純薬工業社製、脱酸素グレード)17.7質量部に、NAP0.5質量部と、金属リチウム(本城金属製)0.07質量部とを加え、25℃で80分撹拌して、リチウムドープ溶液を調製した。
得られた負極合材層へのリチウムプレドープは、実施例4と同様の方法で行い、負極を得た。
得られた負極を用いてコインセルを作製し、前述の方法で初回充放電効率の算出および、負極合材層の重量増加率、厚み増加率の算出を行った。結果を表3に示す。
Claims (16)
- プレドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む負極合材層を有する非水電解質二次電池用負極の製造方法であって、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵可能なケイ素またはスズを含む合金系材料(A)、炭素粒子(B)およびバインダ(C)を含む負極合材層であって、前記負極合材層に含まれる前記合金系材料(A)および前記炭素粒子(B)の体積の合計を100体積%としたときの前記合金系材料(A)の体積が10体積%以上60体積%未満であり、前記バインダ(C)の量が、前記負極合材層100質量%に対して4質量%以上13質量%以下である負極合材層を得る工程と、
前記負極合材層を、直鎖ポリフェニレン化合物(D)とアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンとを含むドープ溶液と接触させて、前記プレドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む負極合材層を得る工程と、
を含み、
前記ドープ溶液は、前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)の全モル数100モル%に対して、前記アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを100モル%以上150モル%未満含む、非水電解質二次電池用負極の製造方法。 - 前記ドープ溶液を、20℃以上30℃以下で7Li−NMR測定して得られるスペクトルにおいて、ケミカルシフト値が3ppm以上8ppm以下の範囲に存在するメインピークをピークA、ケミカルシフト値が1ppm以上5ppm以下の範囲に存在するマイナーピークをピークBとしたとき、前記ピークAと前記ピークBのケミカルシフト値の差(A−B)が1.5超3未満である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)は、ビフェニル、ターフェニルまたはそれらの誘導体である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記ドープ溶液は、前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)を溶解させた溶媒に、前記アルカリ金属または前記アルカリ土類金属を投入した後、2時間以下撹拌して得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記溶媒は、テトラヒドロフランである、請求項4に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記ドープ溶液における前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)の濃度は、0.1mol/L以上4.0mol/L以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記合金系材料(A)は、SiOx(0.5≦x≦1.5)で表されるケイ素酸化物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記ケイ素酸化物の少なくとも一部は、炭素材料により被覆されており、
前記被覆する炭素材料の質量は、前記負極合材層に含まれる前記ケイ素酸化物の全質量に対して2質量%以上50質量%以下である、請求項7に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。 - 前記炭素粒子(B)は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素被覆黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 前記バインダ(C)は、イミド結合含有ポリマー(C1)またはカルボン酸塩含有ポリマー(C2)を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法により負極を得る工程と、
前記負極、正極、および電解液を備えた非水電解質二次電池を得る工程と、
を含み、
前記正極が有する正極活物質の容量から算出されるアルカリ金属及びアルカリ土類金属のモル量より、満充電時の負極に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の合計モル量が多い、非水電解質二次電池の製造方法。 - プレドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法であって、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属を吸蔵可能なケイ素またはスズを含む合金系材料(A)からなる負極活物質を、直鎖ポリフェニレン化合物(D)とアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンとを含むドープ溶液と接触させて、前記プレドープされたアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む負極活物質を得る工程を含み、
前記ドープ溶液は、前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)の全モル数100モル%に対して、前記アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンを100モル%以上150モル%未満含む、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。 - 前記ドープ溶液を、20℃以上30℃以下で7Li−NMR測定して得られるスペクトルにおいて、ケミカルシフト値が3ppm以上8ppm以下の範囲に存在するメインピークをピークA、ケミカルシフト値が1ppm以上5ppm以下の範囲に存在するマイナーピークをピークBとしたとき、前記ピークAと前記ピークBのケミカルシフト値の差(A−B)が1.5超3未満である、請求項12に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記直鎖ポリフェニレン化合物(D)は、ビフェニル、ターフェニルまたはそれらの誘導体である、請求項12または13に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記ケイ素またはスズを含む合金系材料は、SiOx(0.5≦x≦1.5)で表されるケイ素酸化物である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記ケイ素酸化物の少なくとも一部は、炭素材料により被覆されている、請求項15に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
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