JP2015004462A - 燃焼圧センサ付きグロープラグ - Google Patents
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Abstract
Description
このため、連結部材は、軸線方向に変形可能な弾性を有し、しかも、耐久性及び耐熱性が必要なため、その材料としては、従来、ステンレス鋼やニッケル合金等の金属材が使用されていた。しかしながら、このような金属材を用いた連結部材は、接触する燃焼ガスからの受熱によって、熱膨張が生じ易く、連結部材に熱膨張を生じると、これが結合しているヒータ部を軸線方向に変位させる。これにより、圧力センサには、この連結部材の熱膨張に起因する出力の変動(出力ドリフト)が生じ、検知される燃焼圧に測定誤差を生じることがある。
前述したように、ハウジング内は、例えば、ヒータ部とハウジングとの間の隙間を通じて、内燃機関の燃焼室に連通しており、内燃機関の燃焼室で発生した燃焼ガスがハウジング内に侵入し、連結部材は、燃焼ガスに接触する。一方、連結部材は、従来、ステンレス鋼やニッケル合金等の金属材からなり、このような金属材を用いた連結部材は、燃焼ガスからの受熱によって、熱膨張が生じ易く、連結部材に熱膨張を生じると、前述したように、熱膨張に起因する圧力センサの出力ドリフトが生じる。
これに対し、この燃焼圧センサ付きグロープラグでは、連結部材がセラミック材からなり、このセラミック材からなる連結部材は、燃焼ガスに接触しても、金属製の連結部材に比して、燃焼ガスからの受熱による熱膨張が生じにくく、また、耐熱性を高くすることができる。これにより、燃焼ガスからの受熱による連結部材の熱膨張が抑制され、この熱膨張に起因する圧力センサの出力ドリフトを緩和した燃焼圧センサ付きグロープラグが得られる。
なお、セラミック材としては、例えば、窒化珪素、アルミナ(酸化アルミニウム)、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)等が挙げられる。
また、燃焼ガスに接触する連結部材としては、連結部材の全体がハウジング内に配置され、ハウジング内に侵入した燃焼ガスに接触するもののほか、連結部材の一部がハウジングより先端に露出し、この露出する部分が、燃焼室で発生した燃焼ガスに直接接触するものが挙げられる。
このため、セラミック材からなる連結部材と金属製の主連結部材のうち、主としてヒータ部とハウジングとを弾性的に連結するのは、金属製の主連結部材である。その一方、セラミック材からなる連結部材は、主連結部材よりも軸線方向先端側に配置されて、ヒータ部及びハウジングに気密に結合しているので、燃焼室内の燃焼ガスは、このセラミック材からなる連結部材によって遮られて、金属製の主連結部材に直接接触しない。これにより、主連結部材で、ヒータ部とハウジングとの弾性的な連結を保持しつつも、燃焼ガスからの受熱による金属製の主連結部材の熱膨張を抑制し、圧力センサの出力ドリフトを緩和した燃焼圧センサ付きグロープラグが得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るグロープラグ1の全体を示す部分破断断面図である。また、図2は、その圧力センサ200部分を拡大した部分拡大断面図である。また、図3は、そのうち、メンブレン170の周囲を拡大した部分拡大断面図である。なお、図1において、グロープラグ1の軸線AXに沿う軸線方向HJのうち、ヒータ部130が配置された側(図中下側)を先端側GSとし、これと反対側(図中上側)を後端側GKとして説明する。また、図2及び図3についても同様とする。
なお、円筒部151の内側には、内筒190の先端部190sとヒータ部130のシースチューブ131とを連結するメンブレン170が収容されている。すなわち、先端キャップ150は、ヒータ部130、中軸120及び圧力センサ200を、主体金具110及び内筒190内に収容し、さらに、メンブレン170を内筒190の先端部190s及びヒータ部130のシースチューブ131に溶接により連結した後に、内筒190の先端部190sに外嵌され、フランジ部191に溶接されている。
また、先端キャップ150のうち、軸線方向HJ先端側GSには、先端150sに向かって縮径する形状のテーパ部152が形成されている。グロープラグ1を内燃機関に取り付けた際には、燃焼室内からの気密を確保するように、テーパ部152が、内燃機関のプラグ取り付け孔の所定のシート面に密接する。
以上のように、主体金具110、内筒190のフランジ部191及び先端部190s並びに先端キャップ150は一体とされて、グロープラグ1のハウジング100をなしている。
なお、ハウジング100をなす先端キャップ150の内側には、この先端キャップ150(ハウジング100)とヒータ部130との間(隙間)に、内燃機関の燃焼室に連通する連通空間CVが形成されている。
シースチューブ131は、ニッケル合金やステンレス鋼等によって形成され、軸線方向HJに自身のチューブ先端部131sからチューブ後端部131kまで延び、チューブ先端部131sが半球状に閉塞した筒状チューブである。
また、シースチューブ131内の先端部分には、チューブ先端部131sに接合された発熱コイル132と、この発熱コイル132の後端に直列接続された制御コイル133とが配置され、これらの周囲に酸化マグネシウム粉末等の絶縁粉末が充填されている。さらに、シースチューブ131内には、次述する中軸120の軸線方向HJ先端側GSの略半分が挿入され、その先端の中軸先端部120sは、制御コイル133の後端に導通している。
しかるに、メンブレン170は、セラミック材(ジルコニア)からなるので、ハウジング100内の連通空間CVに侵入した燃焼ガスに接触しても、従来のステンレス鋼やニッケル合金等によって形成された金属製のメンブレンに比して、燃焼ガスからの受熱による熱膨張が生じにくく、耐熱性も高い。
さらに、メンブレン170は、筒状をなし、その先端部170s及び後端部170kがそれぞれろう付けによりヒータ部130(シースチューブ131)及びハウジング100(内筒190の先端部190s)に気密に結合して、ハウジング100内の連通空間CVを封止している。これにより、燃焼ガスがハウジング100内で、メンブレン170よりも軸線方向HJ後端側GKへ侵入するのが防止される。
センサ本体210のダイアフラム体214は、略円筒状をなす内周部211及び外周部212とこれらの間に架け渡され薄肉とされた環状のダイアフラム部213とからなり、内周部211の内側には、中軸120が環状の隙間を介して挿通されている。また、外周部212は内筒190の後端部190kに結合され、内周部211は伝達スリーブ220の後端部220kに結合されている。
端子アセンブリ250内には、その形態を詳述しないが、圧力検知素子215より出力される信号を外部回路に出力するための図示しない出力端子部及び配線が設けられている。また、端子アセンブリ250の内側には、前述したように、ヒータ部130及び中軸120に導通する外部接続端子(図示しない)が配置されている。
なお、本実施形態のグロープラグ1において、メンブレン170が本発明における連結部材に相当する。
これにより、セラミック材(ジルコニア)からなるメンブレン170とヒータ部130との間、及びメンブレン170とハウジング100との間をそれぞれ適切に結合することができる。
次いで、上述の実施形態の第1の変形形態について、図4を参照しつつ説明する。図4は、本変形形態1に係るグロープラグ1Aのうち、メンブレン170の周囲を拡大した部分拡大断面図である。本変形形態1のグロープラグ1Aでは、実施形態と同様、連結部材であるメンブレン170は、セラミック材(ジルコニア)からなる。一方、メンブレン170の径小の先端部170sは、実施形態とは異なり、メタライズ加工されていない。その代わりに、このメンブレン170の先端部170sの内側に、ヒータ部130のシースチューブ131を圧入して、シースチューブ131の外周面131mに締まりばめにかつ気密に結合されている。
また、メンブレン170の径大の後端部170kは、実施形態のメンブレン170よりも外径が大きくされ、こちらも実施形態と異なり、メタライズ加工されていない。そして、ハウジング100をなす先端キャップ150の円筒部151の内側に圧入され、ハウジング100に締まりばめにかつ気密に結合されている。
次いで、実施形態の第2の変形形態について、図5を参照しつつ説明する。図5は、本変形形態2に係るグロープラグ1Bのうち、メンブレン170及び主メンブレン175の周囲を拡大した部分拡大断面図である。本変形形態2のグロープラグ1Bでは、実施形態と同様、ハウジング100をなす先端キャップ150の円筒部151内に、連結部材であるセラミック材(ジルコニア)からなるメンブレン170を備えるほか、先端キャップ150の円筒部151(ハウジング100)内のうち、メンブレン170の軸線方向HJ後端側GKに、ステンレス鋼やニッケル合金等からなる金属製の主メンブレン175を備える。
金属製の主メンブレン175の後端部175kは、その全周にわたり内筒190の先端部190sに気密にレーザ溶接され、一方、主メンブレン175の先端部175sは、伝達スリーブ220のスリーブ先端部220sよりも軸線方向HJ先端側GSで、その全周にわたりシースチューブ131の外周面131mに気密にレーザ溶接されている。
しかも、メンブレン170は、ろう付けによりヒータ部130及びハウジング100に気密に結合して、ハウジング100内の連通空間CVを封止している。このため、燃焼室内の燃焼ガスがハウジング100内へ侵入しても、燃焼ガスは、メンブレン170によって遮られるので、主メンブレン175に直接接触しない。
なお、本変形形態2のグロープラグ1Bにおいて、主メンブレン175が主連結部材に相当する。
このため、セラミック材からなるメンブレン170と金属製の主メンブレン175のうち、主としてヒータ部130とハウジング100とを弾性的に連結するのは、金属製の主メンブレン175である。その一方、セラミック材からなるメンブレン170は、主メンブレン175よりも軸線方向HJ先端側GSに配置されて、連通空間CVを封止しているので、燃焼室内の燃焼ガスは、このセラミック材からなるメンブレン170によって遮られて、金属製の主メンブレン175に直接接触しない。これにより、主メンブレン175で、ヒータ部130とハウジング100との弾性的な連結を保持しつつも、燃焼ガスからの受熱による金属製の主メンブレン175の熱膨張を抑制し、圧力センサ200の出力ドリフトを緩和したグロープラグ1Bが得られる。
例えば、実施形態等では、ヒータ部130として、シースヒータを備えたいわゆるメタルグロープラグを例示した。しかし、グロープラグとしては、これに限られず、ヒータ部として、セラミックヒータを備えたいわゆるセラミックグロープラグを用いても良い。この場合、セラミックヒータ及びセラミックヒータの外周面に固定された筒状の金属製外筒の組立体をヒータ部130とすることができる。そして、メンブレン170(連結部材)は外筒に結合される。
また、実施形態等では、圧力検知素子215としてピエゾ抵抗型素子を用いたが、圧力検知素子としては、圧電素子等を用いることもできる。
また、変形形態2では、実施形態と同様に、メンブレン170のうち、ヒータ部130との結合部分及びハウジング100との結合部分をそれぞれメタライズ加工して、ろう付けにより、ヒータ部130及びハウジング100にそれぞれ結合した。しかし、これらの結合部分については、変形形態1と同様に、メタライズ加工を行わず、締まりばめに結合する形態としても良い。
HJ 軸線方向
GS 先端側
GK 後端側
1,1A,1B 燃焼圧センサ付きグロープラグ(グロープラグ)
100 ハウジング
110 主体金具(ハウジング)
120 中軸
130 ヒータ部
150 先端キャップ(ハウジング)
150s (先端キャップ(ハウジング)の)先端
CV 連通空間
170 メンブレン(連結部材)
175 主メンブレン(主連結部材)
190 内筒
190s (内筒の)先端部(ハウジング)
191 フランジ部(ハウジング)
192 内筒本体(圧力センサ)
200 圧力センサ
210 センサ本体(圧力センサ)
215 圧力検知素子
220 伝達スリーブ(圧力センサ)
Claims (7)
- 軸線方向に延びる筒状のハウジングと、
自身の先端部を上記ハウジングの先端から突出させて、上記軸線方向に変位可能に上記ハウジング内に配置され、通電により発熱する棒状のヒータ部と、
上記ヒータ部を上記軸線方向に変位可能かつ弾性的に上記ハウジングに連結し、内燃機関の燃焼室で発生した燃焼ガスに接触する連結部材と、
上記ハウジングに対する上記ヒータ部の上記軸線方向の変位から燃焼圧を検知をする圧力センサと、を備える
燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
上記連結部材は、セラミック材からなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記連結部材は、
前記ヒータ部との結合部分がメタライズ加工され、ろう付けにより上記ヒータ部に結合されてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記連結部材は、
前記ヒータ部に締まりばめに結合されてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記連結部材は、
前記ハウジングとの結合部分がメタライズ加工され、ろう付けにより上記ハウジングに結合されてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記連結部材は、
前記ハウジングの内側に締まりばめに結合されてなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記連結部材は、筒状をなし、その一端及び他端がそれぞれ前記ヒータ部及び前記ハウジングに気密に結合してなる
燃焼圧センサ付きグロープラグ。 - 請求項6に記載の燃焼圧センサ付きグロープラグであって、
前記ハウジング内のうち前記連結部材の前記軸線方向後端側に配置され、前記ヒータ部を上記軸線方向に変位可能かつ弾性的に上記ハウジングに連結する金属製の主連結部材を備え、
上記連結部材は、そのバネ定数が上記主連結部材よりも小さい
燃焼圧センサ付きグロープラグ。
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