JP2015003430A - 真贋判定可能媒体 - Google Patents
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このようなパールインキや蛍光インキ等により、文字や絵柄等を印刷することは広く知られているため、使用者にありふれた印象を与え、目新しさがなかった。
請求項1の発明は、紫外線に反応して蛍光発光する紫外線反応層(11)と、前記紫外線反応層の少なくとも一方の面(11b)に設けられ、前記紫外線反応層の前記一方の面の色と同系色であり、紫外線に対して蛍光発光しない材料で形成され、パターン(141)を形成するパターン形成層(14)と、前記パターン形成層及び前記紫外線反応層の少なくとも一部を覆うように積層して設けられ、紫外線を透過し、かつ、前記紫外線反応層と前記パターン形成層との表面の光沢差を軽減する紫外線透過層(15,25)と、を備え、前記パターン形成層の紫外線透過量は、前記紫外線透過層の紫外線透過量よりも少なく、前記紫外線反応層の前記一方の面側に紫外線を照射することにより、前記パターン形成層が前記紫外線反応層よりも暗く視認されて、前記パターンが視認可能となること、を特徴とする真贋判定可能媒体(10,20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の真贋判定可能媒体において、前記紫外線反応層(11)は、この真贋判定可能媒体の基材であること、を特徴とする真贋判定可能媒体(10,20)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の真贋判定可能媒体において、前記紫外線透過層(15)は、可視光線を透過すること、を特徴とする真贋判定可能媒体(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の真贋判定可能媒体において、前記紫外線透過層(15,25)の上に、紫外線を透過する情報印刷層が形成されていること、を特徴とする真贋判定可能媒体(10,20)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の真贋判定可能媒体において、前記紫外線反応層(11)は、紫外線に反応して蛍光発光する蛍光剤を含有していること、を特徴とする真贋判定可能媒体(10,20)である。
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の真贋判定可能媒体において、前記紫外線透過層(25)は、可視光線を透過せず、着色されていること、を特徴とする真贋判定可能媒体(20)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の真贋判定可能媒体において、該真贋判定可能媒体の少なくとも一方の面(10a)の少なくとも一部に、所定の形状で形成され、その表面に微細凹凸形状を有する凹凸部(132)と、前記凹凸部以外の領域に形成され、前記微細凹凸形状を有しておらず、前記凹凸部に比べてその表面が平滑なつや部(131)とを有する樹脂層(13)を備えること、を特徴とする真贋判定可能媒体(10,20)である。
図1は、第1実施形態のカード10の上面10a及び下面10bを説明する図である。図1(a)は、カード10の上面10aを示し、図1(b)は、カード10の下面10bを示している。
図2は、第1実施形態のカード10の断面を拡大して示した図である。図2では、図1に示す直線A1−A2に平行な断面を示しており、図2中において、上側がカード10の上面10a側であり、下側がカード10の下面10b側である。
カード10は、その両面に各種印刷等が施された真贋判定可能媒体である。本実施形態では、カード10に関して、表となる面を上面10a、裏となる面を下面10bとして説明するが、カード10の使用目的やデザイン性等に応じて、上面10aを裏、下面10bを表としてもよい。
基材層11は、このカード10の基材となる層であり、かつ、紫外線に反応する紫外線反応層である。この基材層11は、カードとしての使用に十分な厚さ等を有している。
この基材層11は、紫外線に反応して発光する蛍光剤である蛍光染料(蛍光増白剤)を含有する白色の板紙であり、その上面11a及び下面11bは、白色である。
一般的に、紙は、その表面の白さを増すために、蛍光染料(蛍光増白剤ともいう)が添加されている場合がある。基材層11も、そのような蛍光染料を含む紙材を材料として用いており、材料コストを抑えることができる。
なお、基材層11は、例えば、紫外線に反応して蛍光発光する蛍光染料を含有する樹脂製(PET樹脂、PP樹脂等)のシート状の部材としてもよい。
情報印刷層12は、基材層11の上面11aに形成され、絵柄や文字、記号等が印刷された層であり、各種情報を有している。
この情報印刷層12は、基材層11の上面11aに、基材層11の面11aの色(白色)とは異なる色(青色)の紫外線硬化型インキ(UVインキ)により、イベントの日時や会場、絵柄等が印刷されている。
なお、情報印刷層12は、青色に限らず他の色としてもよく、また、単色印刷に限らず、多色印刷としてもよい。また、情報印刷層12は、紫外線硬化型インキ以外にも、油性や水性、溶剤型インキ等により形成することができる。
透明層13は、その表面にシボ状等の微細凹凸形状を有し、文字や記号、絵柄等を形成する凹凸部132を備え、それ以外の領域は、凹凸部132よりも表面が平滑であり、光沢を有するつや部131となっている。
この透明層13は、紫外線の照射により硬化する透明な紫外線硬化型のニス(UVニス)により形成されている。なお、透明層13は、メジウムインキ、ニス、PP樹脂等を用いて形成してもよい。
この凹凸部132は、凹凸部132とつや部131との光沢感等の違いから、カード10を観察する角度を変える等して、目視によって凹凸部132が形成するパターンを視認可能である。また、この凹凸部132は、透明層13の表面を指等で触れることによっても、その存在を確認することができる。しかし、凹凸部132は、複写機等の検出光では検出できず、複写機による複製(コピー)が困難である、若しくは、複製した場合にコントラストの差としてその凹凸部のパターンが若干複写される程度であり、微細凹凸形状は再現不可能である。そのため、複写機による複製であることは、容易に判別可能である。
パターン層14は、文字や記号、絵柄、地紋等のパターン141を形成する層であり、基材層11の下面11bに形成されている。
このパターン層14は、基材層11の下面11bと同色である白色であり、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型インキ(白色UVインキ)により形成されている。そのため、図1(b)では、理解を容易にするために、パターン層14及びそのパターン141は、点線で示されているが、太陽光や照明光等の下でカード10の下面10bを見た場合、パターン層14は殆ど視認されない形態となっている。
パターン層14は、基材層11の下面11bに形成され、上に後述の紫外線透過層15が積層された状態で、パターン層14のパターン141視認が困難であるならば、下面11bの色と同色と見なせる程度の差異を有する同系色としてもよい。本明細書等では、「同系色」とは、紫外線透過層15が上に積層された状態で、パターン層14と基材層11の下面11bとの識別できない程度の差異を有する色(彩度、明度等が近い色)も含むものとする。
パターン層14は、上記の例に限らず、絵柄や記号等としてもよいし、地紋等としてもよく、その位置も自由に設定してよい。
紫外線透過層15は、紫外線及び可視光線を透過する透明な層である。この紫外線透過層15の紫外線透過量は、前述のパターン層14の紫外線透過量よりも多い。
基材層11の下面11bにパターン層14のみを形成すると、両者が同色であっても、パターン層14と基材層11の下面11bとの材質や表面の平滑さ等の差から両者には光沢差が生じている。そして、この光沢差によってパターン層14のパターン141が視認される可能性がある。
しかし、この紫外線透過層15を形成することにより、そのような光沢差を解消し、パターン層14のパターン141の視認を困難とすることができる。
紫外線透過層15は、十分な厚さを有し、その表面が平面状となっており、下地に印刷されたパターン層14の厚さ等に追従するような凹凸等を有していない。
この紫外線透過層15は、紫外線硬化型の透明なメジウムインキにより形成されている。なお、紫外線透過層15は、透明なOPニス、水性ニス、UVニス等により形成してもよい。また、この紫外線透過層15は、着色透明や半透明としてもよい。
この情報印刷層16は、青色のUVインキにより、絵柄やイベントの参加時の注意事項等が印刷されている。なお、情報印刷層16の注意事項等は、図1等では、文字「abc」の配列として示している。
なお、情報印刷層16は、青色に限らず他の色としてもよく、単色印刷に限らず、多色印刷としてもよい。また、情報印刷層16は、UVインキに限らず、溶剤型インキ等を用いて形成してもよい。
この情報印刷層16は、文章等の小さな文字や記号の配列とすると、パターン層14がより判別し難くなり、好ましい。
カード10の上面10aは、基材層11の上面11aに、青色のUVインキをUV印刷して情報印刷層12を形成する。そして、その上から、凹凸部132となる部分に、下地剤を印刷し、その上からさらに、透明UVニスをUV印刷して透明層13を形成する。
この下地剤は、透明層13を形成する透明UVニスをはじく作用を有する。そのため、下地剤が印刷された部分は、透明UVニスがはじかれて塗膜を形成できず、微細な粒となって硬化する。
これにより、シボ状の微細な凹凸形状を有する凹凸部132が形成される。また、下地剤が印刷されていない部分は、その表面が平滑であり、光沢を有するつや部131となる。これらの工程を経ることにより、カード10の上面10aが形成される。
また、透明層13を形成する材料と下地剤との組み合わせは、好適な微細凹凸形状を形成可能であるように適宜選択してよい。
また、カード10は、上述のように、基材層11以外の各層が、紫外線により硬化する特性を有しているので、UV印刷機により一括して形成可能であり、各層の材料に合わせて印刷装置等を変える作業等が不要になり、より生産工程を簡単にすることができる。
さらに、蛍光インキを使用していないので、印刷装置に残った蛍光インキ等が、他の印刷物を印刷する場合に影響を及ぼすこともない。
なお、カード10の製造方法は、上記の例に限らず、使用するインキや材料等に応じて、最適なものを適宜選択してよい。
図3は、第1実施形態のカード10の上面10a及び下面10bの見え方を説明する図である。図3(a),(b)は、太陽光や照明光等の下での上面10aの見え方であり、図3(b)は、図3(a)とは観察する角度が異なっている。
また、図3(c)は、太陽光や照明光等の下での下面10bの見え方であり、図3(d)は、紫外光を照射した場合の下面10bの見え方を示している。
使用者は、まず、カード10の上面10aを、観察角度を変える等して目視し、凹凸部132のパターンが観察されるか否かを確認する。
これにより、使用者は、凹凸部132のパターンが視認されたものは真正品であり、視認されないものや視認されたパターンが真正品とは異なるものは、偽造品であると判定できる。
使用者は、凹凸部132とつや部131との触覚の差異があるものは、真正品と判定でき、凹凸部132とつや部131との触覚の差異が無いものや、真正品と手触り等に違いがあるものは、偽造品であると判定できる。
真正品であるカード10は、太陽光や照明光の下では、図3(c)に示すように、下面10bを視認してもパターン層14のパターン141は、視認されない。
次に、真正品のカード10の下面10bに紫外光を照射した場合について説明する。
情報印刷層16が形成されていない領域であって、基材層11の下面11bにパターン層14が形成されていない領域(例えば、図1(b)及び図2に示す点P1)は、青白く明るく見える。一方、情報印刷層16が形成されていない領域であって、下面11bにパターン層14が形成されている領域(例えば、図1(b)及び図2に示す点P2)は、上述のパターン層14が形成されていない部分に比べて暗く見える。
これは、基材層11が含有する蛍光染料(蛍光増白剤)が、照射された紫外線に反応して蛍光発光する一方で、パターン層14が、蛍光染料を含有せず、蛍光発光しないことや、紫外線透過層15よりもパターン層14の方が、紫外線透過量が少ないことに起因する。
これは、前述の基材層11及びパターン層14の紫外線に対する反応の差や、パターン層14と紫外線透過層15との紫外線透過量の差に加えて、情報印刷層16が、紫外線を透過することに起因する。
また、使用者は、カード10の下面10bにおいて、太陽光や照明光等の下でもパターンが視認されるものや、紫外線を照射してもパターン141が視認されないもの、パターン141が視認されるが、コントラスト差が真正品とは異なるもの(明暗が逆である、若しくは明暗差が小さい等)やパターンが異なるものは、偽造品であると判定できる。
(1)カード10の真贋判定を短時間で容易かつ正確に行うことができる。
(2)上面10aに関する真贋判定は、目視及び触覚で判定でき、下面10bに関する真贋判定は、ブラックライト等の紫外線を照射可能かつ携帯可能な小型の照明機器があれば判定できる。従って、真贋判定のための大型の装置や、読み取り器等の精密機器等が不要であり、真贋判定を省スペース、低コストで迅速に行うことができる。
(3)カード10の上面10aと下面10bとの2段階での真贋判定が可能であり、偽造牽制効果を高め、偽造品による不正使用を大幅に抑止できる。
(6)基材層11の下面11bが紫外線の照射により蛍光発光して青白く視認され、パターン層14のパターン141が暗く視認されるので、従来のようなパターンを蛍光塗料で印刷したものとは態様が異なり、意外性があって、意匠性も高い。また、基材層11の下面11bのうちパターン層14が形成されていない領域が紫外線の照射によって蛍光発光するため、明るく見える部分の面積が広く、パターン141の視認が容易である。
(7)紫外線透過層15の表面に、さらに情報印刷層16が印刷されているので、パターン141がさらに認識され難くなり、偽造牽制効果を高めることができる。
(8)パターン141は、真贋判定において情報印刷層16の影響が小さく、パターン層14のパターン141の形状等に関わらず、情報印刷層16の情報を自由に設定できるので、高い偽造牽制効果を有しながら、カード10の意匠性を高めることができる。
以上のことから、偽造牽制効果を有し、意匠性が高く、容易に真贋判定可能なカード10を提供できる。
図4は、第2実施形態のカード20を説明する図である。
図4(a)は、カード20の下面20bを示し、図4(b)はカード20の図4(a)に示す直線A3−A4に沿った断面図のうち下面20b側を示している。
第2実施形態のカード20は、下面20bの構成が第1実施形態のカード10とは異なっている点が異なる以外は、第1実施形態のカード10と同様である。従って、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態のカード20は、上面20a及び下面20bを備えている。このカード20の上面20aは、前述の第1実施形態のカード10の上面10aと同様である。
紫外線透過層25は、カード20の下面20b全面に設けられた層であり、基材層11及びパターン層14を覆うように積層されて形成されている。
この紫外線透過層25は、黄色に着色されたUVインキにより形成されており、紫外線は透過するが、可視光線を透過しにくく、透明ではない。また、紫外線透過層25は、前述の第1実施形態の紫外線透過層15と同様に、紫外光を透過する特性を有している。なお、紫外線透過層25は、赤色や青色等、他の色としてもよいし、油性や水性、溶剤型インキ等を用いて形成してもよい。
また、紫外線透過層25は、可視光線を透過せず、不透明であるので、パターン層14と基材層11の下面11bとの光沢差が軽減され、太陽光や照明光下において、パターン層14のパターン141の存在を認識され難くする効果をさらに高めることができる。
また、紫外線透過層25は、不透明であり、着色されているので、カード20の意匠性をさらに高めることができる。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
また、上面10a、20a側にも、パターン層14及び紫外線透過層15,25、情報印刷層16を設けてもよい。
また、凹凸部132は、例えば、透明層13を形成する透明なインキやニス等を塗布して硬化させた後に、所望する凹凸部のパターンを熱プレスする等により形成してもよい。
11 基材層
12 情報印刷層
13 透明層
131 つや部
132 凹凸部
14 パターン層
141 パターン
15,25 紫外線透過層
16 情報印刷層
Claims (7)
- 紫外線に反応して蛍光発光する紫外線反応層と、
前記紫外線反応層の少なくとも一方の面に設けられ、前記紫外線反応層の前記一方の面の色と同系色であり、紫外線に対して蛍光発光しない材料で形成され、パターンを形成するパターン形成層と、
前記パターン形成層及び前記紫外線反応層の少なくとも一部を覆うように積層して設けられ、紫外線を透過し、かつ、前記紫外線反応層と前記パターン形成層との表面の光沢差を軽減する紫外線透過層と、
を備え、
前記パターン形成層の紫外線透過量は、前記紫外線透過層の紫外線透過量よりも少なく、
前記紫外線反応層の前記一方の面側に紫外線を照射することにより、前記パターン形成層が前記紫外線反応層よりも暗く視認されて、前記パターンが視認可能となること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。 - 請求項1に記載の真贋判定可能媒体において、
前記紫外線反応層は、この真贋判定可能媒体の基材であること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の真贋判定可能媒体において、
前記紫外線透過層は、可視光線を透過すること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の真贋判定可能媒体において、
前記紫外線透過層の上に、紫外線を透過する情報印刷層が形成されていること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の真贋判定可能媒体において、
前記紫外線反応層は、紫外線に反応して蛍光発光する蛍光剤を含有していること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の真贋判定可能媒体において、
前記紫外線透過層は、可視光線を透過せず、着色されていること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の真贋判定可能媒体において、
該真贋判定可能媒体の少なくとも一方の面の少なくとも一部に、所定の形状で形成され、その表面に微細凹凸形状を有する凹凸部と、前記凹凸部以外の領域に形成され、前記凹凸部に比べてその表面が平滑なつや部とを有する樹脂層を備えること、
を特徴とする真贋判定可能媒体。
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