JP2015002388A - 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置 - Google Patents

複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015002388A
JP2015002388A JP2013125015A JP2013125015A JP2015002388A JP 2015002388 A JP2015002388 A JP 2015002388A JP 2013125015 A JP2013125015 A JP 2013125015A JP 2013125015 A JP2013125015 A JP 2013125015A JP 2015002388 A JP2015002388 A JP 2015002388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication
cell
radio
wireless
policy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013125015A
Other languages
English (en)
Inventor
洋市 田中
Yoichi Tanaka
洋市 田中
清水 健司
Kenji Shimizu
健司 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Priority to JP2013125015A priority Critical patent/JP2015002388A/ja
Publication of JP2015002388A publication Critical patent/JP2015002388A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラの上でトラフィックを伝送する際に、無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないように無線ベアラを取捨選択する。【解決手段】無線網側から提供される通信セルの地理的配置情報に基づいて、現在滞在中の地理的エリアにおいて無線接続可能な一つ以上の通信セルの組を識別し、当該識別された組に属する通信セルの各々について、各セルと通信中の端末移動速度と通信品質に基づいて各セルに無線接続した場合の通信のロバスト性を評価し、前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記ロバスト性の評価が所定の基準を満たすセルを無線接続可能であると判定する。【選択図】図7

Description

本発明は、各種無線サービスへのアクセスに関し、より具体的には、複数の異なる無線サービスを提供する複数の異なる無線ベアラに対して状況に応じた適切なアクセスを行う方法と装置とに関する。
近年の無線端末の利用態様として、利用する無線アクセス網を、セルラー無線網と無線LANサービスとの間でユーザ自身により状況に応じて切り替えることが一般的である。無線端末のこのような利用態様を可能とするには、複数の異なるRAT(例えば、LTE、WiMAXおよび無線LANなどの無線アクセス技術)にそれぞれ対応した複数の無線インターフェース回路を装備したマルチモード無線端末を使用してユーザが無線網アクセスを行うことが前提となる。この場合、マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATのそれぞれに接続する複数の無線ベアラを確立し、当該複数の無線ベアラ上での同時並列無線伝送を実行することが可能であり、これはリンク・アグリゲーションとして知られている。また、別の態様として、マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATの間で状況に応じて一の無線ベアラが接続するRATを選択的に切り替えて無線通信することも可能であり、これは異種RAT間接続切替と呼ばれる。上記のように異なるRATに接続する複数の無線ベアラ間で無線端末の通信トラフィックを配分制御することにより、無線帯域幅の集約、異種RAT間での通信負荷分散、弾力的なネットワーク利用可能性などの利点を達成することができる。
上述したマルチモード無線端末が、例えば、無線LANインターフェースへの電源供給停止中にセルラー無線インターフェースを用いてセルラー無線網と通信している場合には、無線端末は無線LANのサービス・エリアに属しているかを検知することができないという問題がある。そこで、特許文献1記載の無線端末は、無線LANインターフェース回路の停止中に、セルラー無線インターフェースで通信を行っている場合、セルラー無線インターフェースを介して無線端末が無線LANエリアに属しているかを検知し、セルラー無線インターフェース装置から無線LANインターフェースへと無線接続を切り替える。この場合、無線LAN利用可能性が高い地理的エリアに無線端末が位置している場合、キャリア信号検出動作を普段は停止中の無線端末が、無線LANのキャリア信号検出動作を自動的に開始する仕組みを実現することが好適である。
特許文献2記載の発明は、無線端末が位置する地理的エリアにおける無線LAN利用可能性の高さを考慮して無線LANアクセスポイントのスキャン実行の可否を判定するための仕組みを開示している。具体的には、マップ情報やデータベースなどの形態でサーバ内の管理テーブルに事前に記憶されているセル特性情報(セル毎に無線LANエリアを内部に含むか否かを記述するセル情報)に基づいて、セル毎の無線LAN利用可能性の高さを評価し、利用可能性の高いセルにおいてのみ無線LANの電波スキャンを実行する。その際、個々のセルを識別するための情報としてセルIDを採用することは、特許文献3に開示されている。
以上のように、特許文献2および特許文献3記載の発明は、地理的エリア毎に特定RATの利用可能性の高さを記述する地理的な通信エリア配置に関する情報を無線端末が無線網側から受信する。その上で、特許文献2および特許文献3記載の発明において、無線端末は、無線網側から受信した上記情報から地理的エリア毎の各種RATの利用可能性を判定する。さらに無線端末は、現在位置において無線端末から利用可能なRATに応じて、複数のRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラ間でトラフィック配分や無線ベアラ切り替えを実行する。このように、複数の無線ベアラ間のトラフィック配分や無線ベアラ切り替えを無線網側から提供される参照情報や制御情報に基づいて制御する場合、ポリシー制御の仕組みを導入することが有効である。この場合、複数の無線ベアラ間のトラフィック配分や無線ベアラ切り替えは、一つ以上の無線ベアラを通るエンド・ツー・エンド通信経路に対するルーティング制御を不可避的に実行することになるので、当該ポリシー制御は通信経路ポリシー制御の一形態であると言える。
特許文献4は、RAT選択ポリシーを使用して、複数の異なるRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラの選択方法の一例を開示する。特許文献4が開示するUE装置上のデータベース構造は、RATによって配列された複数のネットワークエントリを含むネットワーク情報を格納し、複数のネットワークエントリの各々は複数の無線ベアラの各々に一対一対応する。特許文献4の開示において、RAT種別毎に一つ以上のネットワークエントリが存在し、各ネットワークエントリは、関連する無線アクセス網識別コードとコア網識別コードとを含む。さらに、特許文献4の開示においては、同一のRATに属する一つ以上のネットワークエントリには、当該RAT内において優先順位が付けられている。特許文献4記載の発明は、まず、各RAT種別に関して現在の好ましい選好順位を決定する。続いて、特許文献4記載の発明は、RAT選択ポリシー、複数のRAT間の上記選好順位および単一RAT内におけるネットワークエントリ間の優先順位に従って、ネットワークエントリを選択し、選択したネットワークエントリに対応した無線ベアラの上で通信する。
特許文献5は、国際標準化団体3GPPが定めるPCC(Policy and Charging Control)アーキテクチャを前提として、無線網内の無線ベアラ終端ノードと無線端末との間で伝送されるトラフィック・フローの通信経路を通信経路制御ポリシーに基づいて制御する仕組みを開示している。具体的には、特許文献5記載の発明は、以下の手順を実行する。まず、無線端末は、3GPPコア網内に実装されたアプリケーション機能に対してシグナリングにより通信経路制御ポリシーを伝達する。続いて、当該アプリケーション機能は伝達された通信経路制御ポリシーを解析する。続いて、当該アプリケーション機能は、当該解析の結果を3GPPコア網内のPCEF(ポリシー制御施行機能)に対してシグナリングにより伝達する。最後に、3GPPコア網内のPCEFは、当該通信制御ポリシーを無線網内で実行される通信経路制御に反映されるために、無線端末の上りリンク伝送経路と下りリンク伝送経路の上に位置する3GPPコア網内の中継ノード(ルータ機器など)に対して、当該通信制御ポリシーを反映した動作設定を行う。
特開2005−064877号公報 特開2008−301058号公報 特開2008−122160号公報 特開2012−120190号公報 特表2012−512553号公報
特許文献1記載の発明は、無線LANインターフェース回路の停止中に、セルラー無線インターフェースを介して無線端末が無線LANエリアに属しているかを検知するために、マルチモード無線端末は、無線LANのキャリア信号検出をその都度実行する必要がある。すなわち、マルチモード無線端末が現在位置している場所で複数のRATのいずれが利用可能であるか否かを検知するために、マルチモード無線端末は、複数のRATの各々についてキャリア信号検出をその都度実行する必要がある。これはマルチモード無線端末のバッテリー電力を必要以上に浪費することとなる。
一方、特許文献2および特許文献3の教示によれば、地理的エリア毎のRAT利用可能性を記述する地理的な通信エリア配置に関する情報を使用して、現在の端末位置において利用可能なRATを検知することが可能である。さらに、特許文献2および特許文献3の教示によれば、現在の端末位置において無線端末から利用可能なRATに応じて、互いに異なるRATに接続する複数の無線ベアラ間の切り替えやトラフィック配分を無線端末が制御することが可能となる。しかしながら、上述した無線ベアラ間の切り替えやトラフィック配分を無線端末が制御する際、当該無線端末を携帯するユーザが高速で移動中であるならば、以下の問題を生じる。すなわち、無線端末が通信エリア配置に関する上記情報を使用して現在位置における特定RATの利用可能性を判定しても、当該判定結果の精度が、無線端末の移動によって劣化する可能性がある。何故なら、無線端末10が移動中である場合、現在位置における特定RATの利用可能性の高さに関して判定動作を1回実行する間に、無線端末が在圏するセルが頻繁に何度も変化する可能性があるからである。その場合、1回の上記判定動作によって得られた特定RATの利用可能性の高さに関する情報は、無線端末が現在在圏しているセルに対応したものではない可能性が高くなる。
また、特許文献4の開示におけるRAT間の優先順位や単一RAT内での複数の無線ベアラの優先順位は、特定の評価基準に従って各RAT種別や各無線ベアラを評価することにより、好適な無線ベアラを取捨選択する際の無線ベアラ間の優劣を決定するだけである。すなわち、特許文献4に開示された無線ベアラ間の優劣の決定方法は、同時利用可能な複数のRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラについて好適性の相対的な優劣を決定することが出来るだけである。その結果、特許文献4記載の発明は、同時利用可能な複数のRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラの各々において、端末ユーザが所望する通信品質を安定的に充足可能か否かについて判定することが出来ない。
加えて、特許文献5に開示されたポリシー制御は、無線端末の上りリンクと下りリンクのトラフィックを無線網内で経路制御する際に、当該無線端末の通信経路上に存在する無線網内の全ての中継ノード(ルータ機器等)に対してポリシー制御ノードから経路制御ポリシーを設定する必要が有った。同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大した場合、無線網内の制御オーバーヘッドが増大し、ネットワーク運用に支障をきたす可能性がある。
以上の問題点に鑑み、本発明は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラを取捨選択してトラフィックを伝送する際に、無線端末の高速移動によって無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないようにする仕組みを実現することを目的とする。同時に本発明は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラの上でトラフィックを伝送する際に、無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないように無線ベアラを取捨選択するための選択基準を確立することを目的とする。加えて、本発明は、上述した経路制御に関し、同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大しても、無線網内の制御オーバーヘッドが増大しないようなポリシー制御を実現することを目的とする。
以上より、本発明は、滞在中の地理的エリア毎に無線接続可能な一つ以上の通信セルに無線接続して通信する無線端末において、ロバストな通信が可能な通信セルに対してのみ無線接続する方法であって:無線網側から提供される通信セルの地理的配置情報に基づいて、現在滞在中の地理的エリアにおいて無線接続可能な一つ以上の通信セルの組を識別するステップ;前記識別された組に属する通信セルの各々について、各セルに無線接続した場合の通信のロバスト性を評価するステップであって、前記ロバスト性を評価する動作は、前記識別された組に属する通信セルの各々と通信する際に所定の測定値を測定する動作を含む、ステップ;および、前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記ロバスト性を評価する際に前記測定された前記測定値が所定の基準を満たすセルを無線接続可能であると判定するステップ;を備える構成を採る。
さらに本発明は、前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記測定値が所定の基準を満たすか否かは、前記測定値を所定の閾値と比較することによって決定され、前記測定値を測定する際の測定対象は、無線網側から設定されるポリシーにより前記ロバスト性の尺度として指定され、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記測定対象に依存して無線網側から設定される前記ポリシーにより指定される、ことを特徴とする。
さらに本発明の第1の側面として、前記測定対象には、前記無線端末の現在の移動速度が含まれ、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記ポリシーにより指定される速度閾値である、ことを特徴とする。
さらに本発明の第2の側面として、前記測定対象には、前記無線端末が前記識別された組に属する通信セルの各々と通信する際に測定される信号受信品質および実効スループットが含まれ、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記ポリシーにより指定される前記信号受信品質の閾値および前記実効スループットの閾値を含む、ことを特徴とする。
以上より、本発明は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラを取捨選択してトラフィックを伝送する際に、無線端末の高速移動によって無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないようにすることができる。同時に本発明は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラの上でトラフィックを伝送する際に、無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないように無線ベアラを取捨選択することができる。加えて、本発明は、上述した経路制御に関し、同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大しても、無線網内の制御オーバーヘッドが増大しないようなポリシー制御を実現することができる。
本実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図 本実施の形態においてユーザが使用する無線端末(UE)の装置構成を示す図 本実施の形態を実現する機能モジュール群の構成を示す図 地理的エリア毎に端末から利用可能なRATと対応するセル識別子を列挙する表、および端末毎に定義されるRAT種別間の優先度リスト セル毎に通信のロバスト性の判定モードを列挙する表 各セルに関する通信のロバスト性の判定モードを、地理的エリア毎にグループ化した表 無線ベアラ毎に移動速度に応じたアクセスの可否と接続の可否を記述したリスト 無線ベアラ毎に受信信号品質とスループットに応じたアクセスの可否と接続の可否を記述したリスト 本発明の実施の形態に従い無線端末が実行するフローチャート
無線LAN、WiMAX、UMTS等の3Gセルラー携帯電話網あるいはLTE網などの様々な無線通信サービスは、複数の異なる無線アクセス技術(RAT(Radio Access Technology))にそれぞれ対応する。そして、無線ベアラは、これら様々な無線通信サービスに接続して利用者無線端末(UE)からアクセスするための無線接続手段を提供するものである。
UMTS網やLTE網などのセルラー無線網は、地理的に広範囲にわたって単一の通信事業者網により、ユーザに無線網接続サービスを提供している。その反面、セルラー無線網に対する無線アクセスは、多くの場合、当該セルラー無線網が提供する通信サービスに加入しているユーザの無線端末だけに限定され、無料で提供されている場合も多い無線LANサービスよりも通信料金が一般に高額である。他方、一般公衆が利用可能な無線LANサービスは、通信料金が安価であり、通信速度が比較的安定している反面、良好に通信可能な範囲が限られた狭い地域内に限定される。
近年の無線端末の利用態様として、利用する無線アクセス網を、セルラー無線網と無線LANサービスとの間でユーザ自身により状況に応じて切り替えることが一般的である。無線端末のこのような利用態様を可能とするには、複数の異なるRAT(例えば、LTE、WiMAXおよび無線LANなどの無線アクセス技術)にそれぞれ対応した複数の無線インターフェース回路を装備したマルチモード無線端末を使用してユーザが無線網アクセスを行うことが前提となる。この場合、マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATのそれぞれに接続する複数の無線ベアラを確立し、当該複数の無線ベアラ上での同時並列無線伝送を実行することが可能であり、これはリンク・アグリゲーションとして知られている。また、別の態様として、マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATの間で状況に応じて一の無線ベアラが接続するRATを選択的に切り替えて無線通信することも可能であり、これは異種RAT間接続切替と呼ばれる。上記のように異なるRATに接続する複数の無線ベアラ間で無線端末の通信トラフィックを配分制御することにより、無線帯域幅の集約、異種RAT間での通信負荷分散、弾力的なネットワーク利用可能性などの利点を達成することができる。
本実施の形態は、地理的エリア毎に特定RATの利用可能性の高さを記述する地理的な通信エリア配置に関する情報を使用して、それぞれ異なるRATに接続する複数の無線ベアラ間でトラフィック配分や無線ベアラ切り替えを実行するマルチモード無線端末に関して以下の仕組みを開示する。まず第1に、本実施の形態は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラを取捨選択してトラフィックを伝送する際に、無線端末の高速移動によって無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないようにする仕組みを開示する。第2に、本実施の形態は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラの上でトラフィックを伝送する際に、無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないように無線ベアラを取捨選択するための選択基準を開示する。
加えて、本実施の形態は、それぞれ異なるRATに接続する複数の無線ベアラ間の取捨選択に関する上記仕組みを実現するために無線端末と連携動作する無線網側のポリシー制御機構に関して、本実施の形態に特有の構成を説明する。
本実施の形態に関する以下の説明においては、まず最初に、本実施の形態が実現される無線通信システム全体のネットワーク構成と当該無線通信システム内においてユーザが使用する無線端末のハードウェア構成を図1および図2を使用して説明する。
続いて、図1に示すネットワーク構成および図2に示す無線端末の装置構成を前提として本実施の形態が実現するポリシー制御の概要を、従来技術におけるポリシー制御との間の相違点を中心に説明する。続いて、図3を使用して、本実施の形態に係るポリシー制御の仕組みを図1に示すネットワーク構成と図2に示す無線端末の上でそれぞれ実現するための機能モジュール構成を説明する。続いて、図3を参照しながら、本実施の形態に関し、無線網側のポリシー制御機能と無線端末との間の連携動作の流れについて説明する。
続いて、本実施の形態において、無線端末が高速移動中であっても、現在の端末位置において利用可能な一つ以上の無線ベアラのうち、端末の高速移動によって無線接続の継続性や通信品質の安定性が損なわれないロバスト性のある無線ベアラを取捨選択して使用する仕組みを図5〜図8を参照しながら説明する。最後に、図9を参照しながら、本実施の形態において、無線接続の継続性や通信品質の安定性が損なわれないロバスト性のある無線ベアラを無線端末が取捨選択する動作の流れを説明する。
<1>本実施の形態に係る無線通信システムのネットワーク構成
以下、図1を使用して、本実施の形態に係る無線通信システムのネットワーク構成を説明する。図1の無線通信システムは、UE10、一つ以上の無線アクセス網40A〜40C、無線アクセス網40A〜40Cとコア網ゲートウェイ61〜62を介して接続された一つ以上のコア網(CN: Core Network)51/52、コア網51/52とPDNゲートウェイ71/72を介して接続されたインターネット網80およびインターネット網80に接続されたサーバ20から構成される。
無線アクセス網40A〜40Cは、無線通信を介したコア網への無線アクセス経路をUE10に対して提供するネットワークであり、無線アクセス網40A〜40Cの各々は、互いに異なるRATに基づくことが可能である。例えば、無線アクセス網40Aは、3GPPが標準化を進めるE−UTRAN標準に基づいたLTE網とすることが出来、無線アクセス網40Bは、IEEE802.16e標準に基づいたWiMAX網とすることが出来、無線アクセス網40Cは、Wi−Fiのような無線LAN網とすることが出来る。なお、無線アクセス網40Cは、一つ以上の無線LANアクセスポイントとそれらを結ぶイーサネット・ハブ、ブロードバンド・ルータおよびケーブルモデム等から構成されることが可能である。
コア網51および52は、無線通信サービス提供事業者内において多数のルータ機器やネットワーク制御用サーバ機器を高速回線で接続することによって形成され、UEのインターネットへの接続(E−UTRANのコア網においてはP−GW(PDN-Gateway)の機能に相当する)、UEの端末モビリティ管理(E−UTRANのコア網においてはMMEの機能に相当する)またはUEの通信サービス認証(E−UTRANのコア網においてはHSSの機能に相当する)などの機能を実行する。例えば、コア網51は、無線アクセス網40Aおよびコア網ゲートウェイ61を介してUE10から無線アクセスが可能である。他方、コア網52は、無線アクセス網40Bおよびコア網ゲートウェイ62を介してUE10から無線アクセスが可能である。図1には示されていないが、2つ以上の異なる無線アクセス網を介して同一のコア網に無線アクセスすることも可能である。
ISP網53は、無線LAN網40Cをルータ網(PDN: Packet Data Network)54に接続するためのFTTH(Fiber-To-The-Home)回線、DSL(Digital Subscriber Line)回線、LAN間接続広域網、広域イーサネット等とすることが可能である。
PDNゲートウェイ71/72は、コア網51/52をルータ網(PDN: Packet Data Network)54にそれぞれ接続し、これにより、コア網51/52は、ルータ網(PDN: Packet Data Network)54を経由してインターネット網80との間でトラフィックを通信することが可能となる。コア網51がE−UTRAN標準に基づいて構成されている場合には、PDNゲートウェイ71は、P−GW(PDN-Gateway)とすることが可能である。
ルータ網(PDN: Packet Data Network)54は、コア網51/52とインターネット網80との間およびISP網53とインターネット網80との間に介在するパケット交換型のネットワークであり、無線通信事業者網間でのローミング・トラフィックの転送制御も提供する。
図1に示すネットワーク構成において、無線網内の通信に対するポリシー制御動作を管理するポリシー制御サーバをコア網51/52内、ルータ網(PDN: Packet Data Network)54内またはインターネット網80内に設置することが可能である。コア網51/52が3GPPリリース7の規定に従って構成されている場合、当該ポリシー制御サーバはコア網51/52内のP−GW(PDN-Gateway)の機能の一部として実装することが可能である。この場合、P−GW(PDN-Gateway)は図1のコア網51内に設置された外部接続ゲートウェイ71としても良い。なお、本実施の形態に係るポリシー制御サーバは特定のコア網や特定の無線アクセス網に限定されないポリシー制御を実行する。そのため、当該ポリシー制御サーバが例えば、コア網51内に設置されている場合であっても、当該ポリシー制御サーバは、インターネット網80を介して他のコア網内のネットワーク機器との間でポリシー制御に関する通信を実行することが可能である。また、当該ポリシー制御サーバがインターネット網80内に設置される場合、当該ポリシー制御サーバは、コア網51/52との間でポリシー情報を通信するためにTCP/IPプロトコル層構造と互換性を有するCOPS(Common Open Policy Service)プロトコルを使用しても良い。また、コア網51内に設置されたポリシー制御サーバがインターネット網80を介して他のコア網52内のネットワーク機器との間でポリシー情報を通信するために、TCP/IPプロトコル層構造と互換性を有するCOPS(Common Open Policy Service)プロトコルを使用しても良い。
図1において、無線ベアラ30Aは、UE10をLTE網である無線アクセス網40Aに接続する無線接続手段である。同様に、無線ベアラ30Bは、UE10をWiMAX網である無線アクセス網40Bに接続する無線接続手段である。無線ベアラ30Cは、UE10をWi−Fi網である無線アクセス網40Cに接続する無線接続手段である。
図1において、UE10は、無線ベアラ30A〜30Cのいずれか一つ以上を使用して、無線アクセス網40A〜40Cのいずれか一つ以上と無線接続する。続いて、UE10は、無線アクセス網、コア網51/52およびインターネット網80を経由してサーバ20との間でTCP/IPに基づくエンド・ツー・エンド通信を行う。
<2>本実施の形態において使用されるUEのハードウェア構成
以下、図1を使用して、本実施の形態に係る無線通信システム内において使用されるUE10のハードウェア構成を説明する。
図1において、UEは、無線信号を送受信するアンテナ101、アンテナ101と接続された無線インターフェース102a〜102n、メモリ103、制御プロセッサ104、制御プロセッサ104との間で入出力データをやり取りしながらユーザとUE10との間のユーザ・インターフェースを制御するユーザ入出力装置105、およびUE10の設定パラメータなどを記憶する永続的な記憶媒体であるストレージ106およびバス107から構成される。上述したメモリ103、制御プロセッサ104、ユーザ入出力装置105、およびストレージ106は、バス107を介して相互に接続されている。
無線インターフェース102a〜102nの各々は、受信したRF信号を周波数ダウンコンバートしてデジタル化し、復調し、そして復号化することにより、デジタル情報に変換して後続の情報処理のために提供する。これとは逆に、無線インターフェース102a〜102nの各々は、UE10内で生成されたデジタル情報を、符号化し、変調し、そして周波数アップコンバートすることによりRF信号に変換して無線送信のためにアンテナ101に提供する。無線インターフェース102a〜102nの各々は、LTE、WiMAXまたは無線LANなどのような複数の異なる種類のRATに対応した信号処理を実行可能となるように構成されている。すなわち、無線インターフェース102a〜102nの各々は、n種類のRATの各々と一対一に対応する。例えば、無線インターフェース102aは、LTE網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成され、無線インターフェース102bは、WiMAX網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成され、無線インターフェース102cは、無線LAN網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成されている。
メモリ103は、無線インターフェース102a〜102nが後述する制御プロセッサ104との間でやり取りするデジタル情報やUE10全体を制御するプログラムなどを記憶する。
制御プロセッサ104は、メモリ103からプログラムを読み出してUE10全体の制御、無線インターフェース102a〜102nを介してアンテナ101から送信されるデジタル情報の生成、無線インターフェース102a〜102nを介してアンテナ101から受信したデジタル情報の更なる処理などを実行する。
制御プロセッサ104は、無線インターフェース102a〜102nの中のいずれか一つ以上を選択的にイネーブルし、バス107を介して当該イネーブルされた無線インターフェースのみを介してデジタル情報をやり取りすることにより、特定のRATを選択的に使用して通信することが出来る。また、制御プロセッサ104は、無線インターフェース102a〜102nの全てをイネーブルし、バス107を介して全ての無線インターフェース102a〜102nを介してデジタル情報をやり取りすることにより、同時利用可能な全てのRAT(無線アクセス網)を同時に使用して通信することが出来る。
ユーザ入出力装置105は、UE10上に設けられた画面表示ディスプレイやキーパッドと制御プロセッサ104との間で入出力データのやり取りを行うと同時に、ユーザとUE10の間のユーザ・インターフェースの制御を行う。加えて、ユーザ入出力装置105は、UE10上に設けられた画面表示ディスプレイやキーパッドのデバイス状態や入出力ステータスが変化した際に、バス107を介して当該変化と関係付けられた割り込み処理を制御プロセッサ104に対して指示する。このような割り込み制御を可能とするために、ユーザ入出力装置105は、自身が管理する画面表示ディスプレイやキーパッドなどの入出力デバイス状態を電気的にモニタリングする機能を備えている。
<3>無線通信システム内における通信経路のポリシー制御の概要
(3−1)無線網内におけるポリシー制御の一般的な説明
ポリシー制御におけるポリシーは、運用ポリシーと機器設定ポリシーの2種類に大別される。運用ポリシーは無線網のネットワーク運用管理者が定めた網運用指針を記述するもの、無線網上で実行される個々の通信アプリケーション毎に、当該通信アプリケーションが要求する通信サービスの機能や品質を記述するもの等である。また運用ポリシーは、無線端末の通信制御機能の中でユーザが選択したい機能を記述するものであっても良い。他方、機器設定ポリシーは、運用ポリシーを無線網内の個々のネットワーク機器の動作に反映させるために、ポリシー制御の主体が運用ポリシーを解析した結果から生成するものであり、ポリシー制御主体によって個々のネットワーク機器に対して設定されるポリシーである。
無線端末が無線網を経由して通信するトラフィック・フローに対してポリシーに基づく通信経路制御を行う場合、ポリシー制御動作の各々は、判断段階と施行段階とに分けられる。判断段階は、無線端末側または無線網側からの要求によって開始され、無線端末側または無線網側から受信したトラフィック・フロー記述情報や無線網内のネットワーク機器の稼動情報に基づいて、当該トラフィック・フローに適用すべきポリシーの具体的内容を判断する。施行段階は、判断段階において決定されたポリシーの具体的内容を無線端末または無線網内のいずれか一つ以上のネットワーク機器に設定し、設定されたポリシーに従ってトラフィック・フローを転送するように、当該無線端末または当該ネットワーク機器に対して指示する。
上述したポリシー制御動作を無線網内において実装するためには、(1)ポリシー制御の対象となるネットワーク機器上において、外部から受信した機器設定ポリシーにより設定されたポリシー内容に従って、トラフィック・フローを転送するためのポリシー実施機能を実装し、さらに(2)無線網内において、ポリシー制御の対象となるネットワーク機器に対して設定すべき機器設定ポリシーを運用ポリシーの解析結果と状況に応じて判断し、当該ネットワーク機器に対して当該判断した機器設定ポリシーを設定するポリシー制御機構を実装する、ことが必要となる。3GPPリリース7の規定によれば、3GPPコア網(図1のコア網51など)内において、ポリシー制御の対象となるネットワーク機器(図1のコア網ゲートウェイ61〜63など)に対して設定すべき機器設定ポリシーを運用ポリシーと状況に応じて判断する主体は、PCRF(ポリシーおよび課金ルール機能)であり、ネットワーク機器に対して当該判断した機器設定ポリシーを設定する主体は、PCEF(ポリシーおよび課金施行機能)である。PCRFおよびPCEFは、コア網(図1のコア網51など)内においてポリシー制御機構を実装するポリシー制御サーバ(図1の外部接続ゲートウェイ71/72など)の機能として実現することが出来る。
(3−2)本実施の形態が、従来技術における通信経路ポリシー制御と相違する点
3GPPコア網内でのポリシー制御フレームワークであるPCCアーキテクチャを実装基盤として、無線端末が通信するトラフィック・フローの通信経路制御のために実行される特許文献1および特許文献2記載のポリシー制御は、本実施の形態とは以下の2つの点で異なっている。
(a)第1の相違点
本実施の形態においては、無線網内のポリシー制御機構から設定された機器設定ポリシーに従って通信経路制御の動作を調整するのは無線端末(図1および図1に示すUE10)およびマルチホーム機能を有する基地局のみである。これに対して、特許文献1および特許文献2を含む従来の通信経路ポリシー制御においては、無線網内のポリシー制御機構から設定された機器設定ポリシーに従って通信経路制御の動作を調整する対象となる機器は無線端末や基地局のみならず、無線端末の通信経路上に位置する無線網(図1のコア網51/コア網52など)内の全てのルータ機器やネットワーク機器(図1のコア網ゲートウェイ61〜63など)も含まれる。例えば、無線端末の通信経路上に位置する各ルータ機器は、ポリシー制御機構から異なる機器設定ポリシーを設定されることにより、同一の無線端末が通信するトラフィック・フローを異なる出力側網インターフェースにルーティングする場合がある。
(b)第2の相違点
また、本実施の形態においては、ポリシー制御フレームワークに基づく通信経路の制御とは、無線端末が異なるRATにそれぞれ接続するための複数の無線ベアラを切り替えたり同時使用したりする通信経路制御であり、無線アクセス網の先にあるコア網(図1のコア網51など)内での通信経路制御には関知しない。加えて、本実施の形態においては、複数の無線ベアラ間の切り替えや同時使用の設定変更動作は、無線網側のポリシー制御機構から一方的に指示されるものではなく、無線端末が当該ポリシー制御機構から受信したポリシーを参照しながら無線端末側の主導の下に実行される。従って、本実施の形態においては、通信経路制御に関する現在のポリシー設定状態は無線端末上でのみ管理すればよいので、本実施の形態に係るポリシー制御は端末主導型の通信経路ポリシー制御であると言える。
これに対して、特許文献1および特許文献2を含む従来の通信経路ポリシー制御においては、無線端末の通信経路上に位置するコア網(図1のコア網51など)内の全てのルータ機器やネットワーク機器(図1のコア網ゲートウェイ61〜63など)のルーティング動作が制御される。この場合、ルータ機器やネットワーク機器(図1のコア網ゲートウェイ61〜63など)に対するルーティング動作の設定変更は、無線網側のポリシー制御機構から一方的に指示されるものであり、ポリシー設定対象となるルータ機器やネットワーク機器(図1のコア網ゲートウェイ61〜63など)が自律的に判断するものではない。また、このような従来の通信経路ポリシー制御においては、無線端末が通信するトラフィック・フローに対して実行されるポリシー制御によってコア網(図1のコア網51など)内の通信経路自体が直接の制御対象とされる。その結果、ポリシー制御によってコア網内の通信経路が変更されると、当該変更を無線端末に対応するコア網(図1のコア網51など)内のモビリティ・アンカー(3GPPコア網においては、MMEまたはPDN−GWとして実装される)や無線ベアラ終端ノード(3GPPコア網においては、GGSNとして実装される)に反映させる必要が生じる。そのため、当該無線端末は、当該モビリティ・アンカーや当該無線ベアラ終端ノードとの間で、ポリシー設定変更に関する同期をとらなくてはならなくなる。言い換えれば、特許文献1および特許文献2を含む従来の通信経路ポリシー制御は、ポリシー設定変更をコア網全体で同期をとりながら管理する必要のあるネットワーク主導型のポリシー制御であると言える。
<4>本実施の形態に係るポリシー制御機能を実現する機能モジュール構成
以下、図3を参照しながら、図1に示すネットワーク構成と図2に示す無線端末の上で、本実施の形態に係るポリシー制御の仕組みを実現するための機能モジュール構成を説明する。
本実施の形態におけるポリシー制御の仕組みは以下の構成(i)および(ii)を具備する。
(i)無線網側から供給されるポリシーを参照しながら、無線端末(UE)10上において異なるRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラの切り替えや同時並列アクセスを制御する無線端末(UE)10側の仕組み。
(ii)無線端末(UE)10に対して供給するポリシーを決定し、当該決定されたポリシーを無線網から無線端末内に設定する無線網側のポリシー制御機構。
図1に示したネットワーク構成においては、上記(ii)のポリシー制御機構は、コア網51/52内またはインターネット網80内に設置されたポリシー制御サーバが実行する機能として実装することが可能である。上述した(i)および(ii)の仕組みの詳細については後述する。
(4−1)全体構成の概観
図3において、上記(ii)で述べた無線網側のポリシー制御機構に相当するポリシー制御機構200は、外部ベアラ設定部210、外部情報取得部220およびネットワーク情報管理部(ネットワーク情報データベース)230の3つの機能モジュールから構成される。外部ベアラ設定部210および外部情報取得部220は、無線網内に設置されたポリシー制御サーバが、専用のサーバ・ソフトウェアを実行することにより実現される。図3に示すポリシー制御機構200は特定の無線コア網や特定の無線アクセス網に限定されない共通のポリシー制御の仕組みを、無線端末(UE)10から利用可能な全ての無線網に対して提供する。そのため、ポリシー制御機構200を実装するポリシー制御サーバはインターネット網80や特定の無線コア網から独立したルータ網(PDN(Packet Data Network))54の中に設置するのが好適である。ポリシー制御サーバが特定のコア網内に設置される場合は、当該ポリシー制御サーバは、他のコア網内のポリシー設定対象機器との間でCOPSプロトコルなどを使用してポリシー情報のやり取りをする。
図3に示すとおり、ポリシー制御機構200は、無線ベアラ1、無線ベアラ2、…、無線ベアラNを介して無線端末(UE)10と接続されており、無線ベアラ1〜無線ベアラNを介したN本の無線通信経路は、それぞれN個の異なる無線アクセス網(第1のRAT〜第NのRAT)を経由し、さらにそれら無線アクセス網の背後にある一つ以上の無線コア網のいずれかを経由する。ポリシー制御機構200が特定の無線ベアラと関連した機器設定ポリシーを無線端末(UE)10に設定する際には、当該特定の無線ベアラを介して当該機器設定ポリシーを配信する。図3においては、無線ベアラ1〜無線ベアラNがそれぞれ接続する無線アクセス網を、それらの背後にある無線コア網とまとめた形で、無線網300〜無線網300として図示している。
(4−2)無線網側のポリシー制御機構200の機能モジュール構成
次に、ポリシー制御機構200の機能モジュール構成を以下のとおりに説明する。
外部ベアラ設定部210は、異なるRATに接続する複数の無線ベアラを無線端末(UE)10が選択する動作をポリシーに基づいて制御するために、無線端末(UE)10に対して所定の機器設定ポリシーを設定する。この時、当該無線端末に対する機器設定ポリシーの設定は、以下のようにして達成される。まず最初に、当該ポリシー制御サーバが当該無線端末に対してCOPSプロトコルなどのポリシー伝達プロトコルを使用して設定すべき機器設定ポリシーの内容を送信する。続いて、当該無線端末内のポリシー実施機構が、当該送信された機器設定ポリシーの内容に従って、自身の動作制御パラメータなどを設定変更する。
外部ベアラ設定部210は、取得情報分析部211とポリシー配信部212とから構成される。取得情報分析部211は、無線網のネットワーク運用管理者が手動で設定した運用ポリシーや無線網に接続する多数の無線端末から収集したセルサーチ情報を分析して個々の無線端末(UE)10に設定すべき機器設定ポリシーの内容を決定する。加えて、取得情報分析部211は、無線網に接続する多数の無線端末からネットワーク情報管理部230が収集したセルサーチ情報をネットワーク情報管理部230から外部情報取得部220を介して受け取る。続いて、取得情報分析部211は、当該セルサーチ情報を分析して個々の無線端末(UE)10に送信すべき通信エリアの地理的配置情報を決定する。通信エリアの地理的配置情報とは、地理的エリア毎に特定RATの利用可能性を記述する地理的な通信エリア配置に関する情報であり、無線端末10が無線網側から受信する情報である。通信エリアの地理的配置情報においては、地理的エリアの各々は、各地理的エリアをそれぞれカバーする一つ以上の通信セルのセル識別子によって識別されても良い。この情報は、それぞれ異なるRATに接続する複数の無線ベアラを介して通信する無線端末10が、現在位置において利用可能なRATに応じてトラフィック伝送に使用すべき無線ベアラの候補を絞り込むために使用される。
ポリシー配信部212は、無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれか一つ以上を介して無線端末(UE)10と接続される。ポリシー配信部212は、取得情報分析部211が決定した機器設定ポリシーをポリシー制御対象となる無線端末に設定するために、無線端末(UE)10に対して当該決定された機器設定ポリシーを、無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれか一つ以上を介して配信する。同時に、ポリシー配信部212は、取得情報分析部211が決定した通信エリアの地理的配置情報を無線端末(UE)10に対して伝達するために、当該情報を無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれか一つ以上を介して配信する。
外部情報取得部220は、ネットワーク情報取得部221とオペレーター・ポリシー取得部222から構成される。ネットワーク情報取得部221は、後述するネットワーク情報管理部230が蓄積し、管理している通信エリアの地理的配置情報を、無線端末10が滞在する可能性のある地理的エリアの各々毎に、ネットワーク情報管理部230から取得する。オペレーター・ポリシー取得部222は、無線網のネットワーク運用管理者が手動で設定した運用ポリシーを取得する。外部情報取得部220は、ネットワーク情報取得部221とオペレーター・ポリシー取得部222がそれぞれ取得した通信エリアの地理的配置情報と運用ポリシーを取得情報分析部211に伝達する。
ネットワーク情報管理部230は、外部ベアラ設定部210および外部情報取得部220を介して無線網300〜300に接続する複数の無線端末から後述するセルサーチ情報を収集し、自身が管理するデータベース内に上記複数の無線端末から収集したセルサーチ情報を集約する。さらに、ネットワーク情報管理部230は、無線端末10が無線ベアラを介して接続可能な通信セル毎に、上記集約されたセルサーチ情報を、上記データベース内に格納する。ネットワーク情報管理部230は、無線端末10が無線ベアラを介して接続可能な通信セルのセル識別子に対応するセルサーチ情報を抽出してネットワーク情報取得部221に出力することが可能になる。例えば、ネットワーク情報取得部221は、ネットワーク情報管理部230に対して上記セル識別子を検索キーとして上記データベースに対する問合せを実行する。続いて、ネットワーク情報取得部221は、上記セル識別子に対応するセルサーチ情報を上記問合せに対する戻り値としてネットワーク情報管理部230から取得する。
(4−3)無線端末(UE)10側の機能モジュール構成
次に、図3における無線端末(UE)10側の機能モジュール構成について説明する。この機能モジュール構成は、無線網側から供給されるポリシーを参照しながら、無線端末(UE)10上において異なるRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラの切り替えや同時並列アクセスを制御するための上記(i)の仕組みに相当する。無線端末(UE)10側の機能モジュール構成は、内部ベアラ設定部110および内部情報取得部120の2つの機能モジュールから構成される。無線端末(UE)10側の上述した機能モジュールは、無線端末(UE)10内の制御プロセッサ104が、ストレージ106からメモリ103上に読み込んだ専用のソフトウェア・プログラムを実行することによって実現される。
内部ベアラ設定部110は、無線端末(UE)10から同時利用可能な無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から無線端末(UE)10が無線網に接続するために使用する一つ以上の無線ベアラを選択する機能を実行する。この際、無線端末(UE)10が無線網に接続するために、内部ベアラ設定部110により2つ以上の無線ベアラが選択された場合には、内部ベアラ設定部110はさらに、当該2つの無線ベアラ上で通信するトラフィック量を当該2つの無線ベアラの間で最適に配分する動作を実行する。
内部ベアラ設定部110は、まず最初に、ポリシー配信部212から配信された通信エリアの地理的配置情報および機器設定ポリシーを受信する。内部ベアラ設定部110が受信した当該機器設定ポリシーは、無線端末10から同時接続可能な複数の通信セルの各々について無線ベアラを介した接続の許否を内部ベアラ設定部110が評価するための評価方法と当該評価方法において使用される閾値を記述する。また、内部ベアラ設定部110が受信した通信エリアの地理的配置情報は、内部ベアラ設定部110が、それぞれ異なるRATに接続する複数の無線ベアラの中から、現在の端末位置において利用可能なRATに応じて、トラフィック伝送に使用すべき無線ベアラの候補を絞り込むために使用される。
すなわち、内部ベアラ設定部110は、現在の端末位置において利用可能なRATに応じて、トラフィック伝送に使用すべき無線ベアラの候補を絞り込んだ上で、当該機器設定ポリシーが記述する評価方法と閾値に基づいて、無線端末10がトラフィック伝送に使用する無線ベアラを取捨選択する。
内部ベアラ設定部110は、切替部111、同時通信処理部112およびアクティベート部113から構成される。内部ベアラ設定部110が、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から無線端末10がトラフィック伝送に使用する無線ベアラを上述したとおりに取捨選択する動作は、内部ベアラ設定部110内の切替部111または同時通信処理部112のいずれか一方によって実行される。無線ベアラを取捨選択する動作の実行を、内部ベアラ設定部110内において切替部111または同時通信処理部112のいずれが実行すべきであるかは、後述するようにアクティベート部113によって決定される。
切替部111は、まず最初に、無線ベアラ毎にユーザから指定されたトラフィック伝送に関する優先度に基づいて、最も優先度の高い無線ベアラを選択する。続いて、切替部111は、当該選択された無線ベアラを介して上りリンク信号を送信する。なお、切替部111は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの一つ以上を介して下りリンク信号を無線網側から受信する場合にも、上記と同様の制御を行う。同時通信処理部112は、まず最初に、無線ベアラ毎にユーザから指定されたトラフィック伝送の優先度に基づいて、無線ベアラ毎に伝送可能な情報信号のビット数を割り当てる。続いて、同時通信処理部112は、各無線ベアラを介して、各無線ベアラに割り当てたビット数だけ上りリンク信号を送信する。なお、同時通信処理部112は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの一つ以上を介して下りリンク信号を無線網側から受信する場合にも、上記と同様の制御を行う。この時、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中で、上りリンク信号または下りリンク信号の送受信のために選択されない無線ベアラに関しては、同時通信処理部112は、伝送可能な情報信号のビット数として0ビットを割り当てることにより、当該無線ベアラを選択対象から外すことができる。以上のようにして、同時通信処理部112は、上述した優先度を考慮して、複数の無線ベアラ間での上りリンクおよび下りリンクのトラフィック配分を最適化する。
即ち、切替部111は、優先度が最高となる単一の無線ベアラの上で選択的に通信するための無線ベアラ選択を実行する一方、同時通信処理部112は、高い複数の無線ベアラの間で無線ベアラ毎の優先度に応じたトラフィック最適配分を実行する。
アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する単一の無線ベアラを選択する機能を実行開始するタイミングを切替部111に対して指示する。代替的に、アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する一つ以上の無線ベアラの間でトラフィックの最適配分を実行開始するタイミングを同時通信処理部112に対して指示する。例えば、アクティベート部113は、切替部111または同時通信処理部112による無線ベアラ間の取捨選択動作の実行を一定時間間隔で周期的に指示することが可能であり、この場合、切替部111または同時通信処理部112による無線ベアラの取捨選択動作は一定時間間隔で周期的に起動される。また、別の実施態様として、アクティベート部113は、無線端末(UE)10内のソフトウェアまたはハードウェアにより生成される所定のイベント事象の発生を検出し、当該イベント事象の発生に応じて無線ベアラの取捨選択動作の実行を切替部111または同時通信処理部112に対して指示することが可能である。
また、アクティベート部113は、無線端末10が通信に使用する無線ベアラを取捨選択する動作を切替部111または同時通信処理部112のいずれに実行させるかを決定する。当該決定動作は、無線網側のポリシー配信部212が無線端末10に設定した機器設定ポリシーに従って、アクティベート部113が実行してもよい。
内部情報取得部120は、無線端末10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などを計測し、当該計測の結果を内部情報として内部に記憶しておき、当該記憶しておいた内部情報を内部ベアラ設定部110からの要求に応じて内部ベアラ設定部110に伝達する。この際、無線端末10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などに関する計測は、無線端末10が現在在圏している通信セル内における以下のものを計測対象として実行される。例えば、上記計測対象には、無線端末10が現在在圏している通信セル内におけるキャリア信号の受信強度(RSSIなどで表される)または受信品質(SINRなどで表される)、無線ベアラ上での実効スループット、および無線ベアラ接続状態などが含まれる。ここで言う実行スループットとは、無線ベアラが接続する通信セルのRAT種別に応じて、当該通信セルが提供可能な公称の通信スループットのうち、実際のトラフィック伝送に使用可能なスループットを意味するチャネル使用率(Channel Utilization)に相当する。
内部情報取得部120が、無線端末10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などを計測する動作は、以下のように実現することが出来る。例えば、無線端末10内において、内部情報取得部120を実行中の制御プロセッサ104(図2)が、メモリ103(図2)上に常駐するオペレーティング・システムによって提供される通信動作モニタリング用のAPIを呼び出して実行することにより上述した計測を行える。内部情報取得部120から内部ベアラ設定部110に伝達されたこの内部情報は、上述した通信動作モニタリング用のAPIの呼び出しに応じて無線端末10が現在の端末位置におけるセルサーチを実行し、サーチされた通信セルにおいてキャリア信号計測を実行した結果として生成されるセルサーチ情報である。
上述したセルサーチ情報は、無線端末10が現在位置におけるセルサーチ動作により検出したセルのセル識別子、当該検出したセルに対応するRAT種別、および当該検出したセルから受信したキャリア信号の受信品質や受信強度を含む。加えて、上述したセルサーチ情報は、無線端末10が各セルに滞在した際の、セル毎の滞在一回当たりの滞在時間や滞在回数をも含んでいる。そして、このセルサーチ情報は、無線端末10内の内部ベアラ設定部110からポリシー配信部212へ配信され、さらに外部情報取得部220を解してネットワーク情報管理部230に転送される。ネットワーク情報管理部230は、無線ベアラ1〜無線ベアラNにより無線網300〜300を経由して接続する全ての無線端末から上述したセルサーチ情報を収集し、自身が管理するデータベース内に収集したセルサーチ情報を集約する。
上述したセルサーチ情報の計測動作に加えて、内部情報取得部120は、無線網側のポリシー配信部212から無線端末10に設定されるべき機器設定ポリシーと共に受信した通信エリアの地理的配置情報を記憶する役割も果たす。
<5>ポリシー制御動作の流れ
以下、図3を参照しながら、図3に示された無線網側と無線端末側の機能モジュール群が互いに連携してポリシー制御動作を実現する際の動作の流れを説明する。
(5−1)ポリシー制御機構200側の動作の流れ
まず、最初に、ネットワーク情報管理部230は、外部ベアラ設定部210および外部情報取得部220を介して、無線網300〜300に接続する複数の無線端末からセルサーチ情報を収集する。具体的には、無線網300〜300に接続する複数の無線端末から一定周期で無線網側のポリシー配信部212に送信されるセルサーチ情報を、ネットワーク情報管理部230が外部ベアラ設定部210および外部情報取得部220を介して収集する。また、別の実施形態においては、無線網300〜300に接続する複数の無線端末は、セル間移動によるハンドオーバー動作実行のたびに、無線網側のポリシー配信部212にセルサーチ情報を送信するようにしても良い。この場合、ネットワーク情報管理部230は、外部ベアラ設定部210および外部情報取得部220を介して当該送信されたセルサーチ情報を収集する。続いて、ネットワーク情報管理部230は、各通信セルにそれぞれ対応する地理的エリア毎に、上記収集されたセルサーチ情報を集約する。なお、上記説明において、図3の無線網300は、LTE網などのセルラー無線網とその背後にある無線コア網やルータ網を一体的に図示するものであり、図3の無線網300は、無線LANとその背後にある無線コア網やルータ網を一体的に図示するものである。
外部ベアラ設定部210内のポリシー配信部212は、無線端末(UE)10に設定するために生成した機器設定ポリシーを無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれかを介して無線端末10に配信する。この時に無線端末10に配信される機器設定ポリシーの役割と情報内容に関しては後述する。続いて、外部情報取得部220内のネットワーク情報取得部221は、上述した複数の無線端末が無線ベアラを介して接続する各通信セルを検索キーとしてネットワーク情報管理部230に対して上記集約されたセルサーチ情報の問合せを行う。続いて、ネットワーク情報取得部221は、上述した複数の無線端末がそれぞれ接続する通信セル毎にネットワーク情報管理部230から上記集約されたセルサーチ情報を取得する。この時、ネットワーク情報管理部230から取得された上記集約されたセルサーチ情報は、上述した複数の無線端末がそれぞれ接続する通信セル毎にレコード化されている。
続いて、ネットワーク情報取得部221は、ネットワーク情報管理部230から取得した上記集約されたセルサーチ情報を外部ベアラ設定部210内の取得情報分析部211に送信する。これと並行して、オペレーター・ポリシー取得部222は、ネットワーク運用管理者から無線網の運用ポリシーを手動で入力されると、当該入力された運用ポリシーを取得情報分析部211に送信する。
続いて、取得情報分析部211は、各通信セルにそれぞれ対応する地理的エリア毎に、上記集約されたセルサーチ情報から通信エリアの地理的配置情報を生成する。上述した通信エリアの地理的配置情報は、無線端末10が無線ベアラを介して接続可能な一つ以上の通信セルについて地理的エリア毎に生成される。通信エリアの地理的配置情報とは、無線端末10が滞在する可能性のある地理的エリア毎に、無線端末10から接続可能な通信セルを列挙したリストであり、当該リスト中において、各通信セルは、対応するRAT種別とセル識別子により記述される。地理的エリア毎に、上記集約されたセルサーチ情報から通信エリアの地理的配置情報を生成するための具体的な方法は、特許文献2および特許文献3などにおいて周知である。例えば、特許文献2および特許文献3などは、無線網内の多数の無線端末から収集したセルサーチ情報を基に、無線LANの利用可能性が高いエリアの地理的配置を記述するマップ情報を無線網側が生成する方法を開示している。
続いて、外部ベアラ設定部210内の取得情報分析部211は、ネットワーク情報取得部221から取得した上記集約されたセルサーチ情報およびオペレーター・ポリシー取得部222から取得した運用ポリシーに基づいて、各無線ベアラ(無線ベアラ1〜無線ベアラNの各々)について、無線端末10に設定すべき機器設定ポリシーを決定する。外部ベアラ設定部210から無線端末10に設定される機器設定ポリシーは、無線端末10が同時接続可能な複数の通信セルの各々についてトラフィック伝送に使用する際の無線ベアラを介した接続の許否を評価するのに使用される評価方法を記述する。上記機器設定ポリシーは、無線端末10が備える切替部111または同時通信処理部112がトラフィック伝送に使用する無線ベアラを取捨選択する前提として、無線ベアラを介した各通信セルへの接続の可否を評価する方法として、以下の2つの方法のいずれかを無線端末10に指示する。
(A1)無線端末10の現在の移動速度に応じた移動状態に基づいて、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの通信のロバスト性を評価することにより、各無線ベアラを介したセルへの接続の可否評価する方法。
(A2)無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの上での通信品質(受信キャリア信号のRSSIおよび実効スループット)に基づいて各無線ベアラの通信のロバスト性を評価することにより、無線ベアラを介したセルへの接続の可否を評価する方法。
また、上記機器設定ポリシーは、上記(A1)または(A2)の評価方法に基づいて無線ベアラを介した各通信セルへの接続の可否を評価する際に使用される各種の閾値をさらに含んでも良い。なお、通信のロバスト性とは、無線端末が、特定のRATに対応する特定のセルに対して無線ベアラを介して接続しながら通信している際に、無線端末の高速移動や電波状況(遅延プロファイル等)の変動によって、無線接続の安定性や継続性、および信号受信品質の安定性がどの程度維持されるかを表す尺度である。
次に、無線端末10に配信される機器設定ポリシー内において、無線ベアラを介した各通信セルへの接続の可否を評価する方法として、上記(A1)または(A2)の評価方法のいずれを指定するかを、取得情報分析部211が決定する方法の一例を以下に説明する。
ネットワーク情報管理部230において集約されたセルサーチ情報は、無線網内に広く分布する多数の無線端末がそれぞれ計測した各セルでの滞在時間や滞在回数を集積している。従って、無線網内に広く分布する多数の無線端末によって集積された各セルでの滞在時間や滞在回数を統計的に分析することにより、地理的に広く分布する各セルが以下のいずれに該当するかを判定することが可能となる。
(1) 一時的に滞在するだけのセルである、又は頻繁に出入りするセルである。
(2) 無線網内に広く分布する多数の無線端末が長期に渡って滞在するセルである。
従って、上記(1)に該当するセルに在圏中の無線端末10は、高速移動中であるという傾向が経験的に見られ、上記(2)に該当するセルに在圏中の無線端末10は、静止状態においてセルと通信しているという傾向が経験的に見られる。以上から、上記(1)に該当するセルに関しては、無線端末10から無線ベアラを介して接続することの可否を評価する方法として、上記(A1)の方法が好適であると取得情報分析部211は判断できる。逆に、上記(2)に該当するセルに関しては、無線端末10から無線ベアラを介して接続することの可否を評価する方法として、上記(A2)の方法が好適であると取得情報分析部211は判断できる。
最後に、外部ベアラ設定部210内のポリシー配信部212は、無線端末(UE)10に設定するために生成した機器設定ポリシーと取得情報分析部211から受け取った通信エリアの地理的配置情報を無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれかを介して無線端末10に配信する。無線端末10に配信された通信エリアの地理的配置情報と機器設定ポリシーは、同時使用可能な複数の無線ベアラの中から無線端末10が通信に使用するものを取捨選択するために、無線端末10によって使用される。
(5−2)無線端末10側の動作の流れ
まず、内部ベアラ設定部110は、無線網側のポリシー配信部212から無線端末10に設定されるべき機器設定ポリシーと通信エリアの地理的配置情報を受信する。上記機器設定ポリシーと通信エリアの地理的配置情報を内部ベアラ設定部110から受け取った内部情報取得部120は、上記受信した機器設定ポリシーと通信エリアの地理的配置情報を内部に記憶する。さらに、内部ベアラ設定部110内において、アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する単一の無線ベアラを選択する機能を実行開始するタイミングを切替部111に対して指示する。代替的に、アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する一つ以上の無線ベアラの間でトラフィックの最適配分を実行開始するタイミングを同時通信処理部112に対して指示する。例えば、アクティベート部113は、切替部111または同時通信処理部112による無線ベアラ間の取捨選択動作の実行を一定時間間隔で周期的に指示することが可能であり、この場合、切替部111または同時通信処理部112による無線ベアラの取捨選択動作は一定時間間隔で周期的に起動される。また、別の実施態様として、アクティベート部113は、無線端末(UE)10内のソフトウェアまたはハードウェアにより生成される所定のイベント事象の発生を検出し、当該イベント事象の発生に応じて無線ベアラの取捨選択動作の実行を切替部111または同時通信処理部112に対して指示することが可能である。
また、アクティベート部113は、無線端末10が通信に使用する無線ベアラを取捨選択する動作を切替部111または同時通信処理部112のいずれに実行させるかを決定する。当該決定動作は、無線網側のポリシー制御機構200が無線端末10に設定した機器設定ポリシーに従って、アクティベート部120が実行してもよい。
続いて、内部ベアラ設定部110内において、アクティベート部113によって起動された切替部111または同時通信処理部112は、無線端末10が同時使用可能な一つ以上の無線ベアラの中から実際に通信に使用する無線ベアラを取捨選択する動作を実行する。具体的には、切替部111は、まず最初に、無線ベアラ毎にユーザが指定した優先度に基づいて、最も優先度の高い無線ベアラを選択する。続いて、切替部111は、当該選択された無線ベアラを介して上りリンク信号を送信する。他方、同時通信処理部112は、まず最初に、無線ベアラ毎にユーザから指定された優先度に基づいて、無線ベアラ毎に伝送可能な情報信号のビット数を割り当てる。続いて、同時通信処理部112は、各無線ベアラを介して、各無線ベアラに割り当てたビット数だけ上りリンク信号を送信する。それにより、同時通信処理部112は、上述した無線ベアラ毎の優先度を考慮して、複数の無線ベアラ間での上りリンクおよび下りリンクのトラフィック配分を最適化する。
切替部111または同時通信処理部112が無線ベアラを取捨選択する動作は、ポリシー配信部212から無線端末10の内部ベアラ設定部110に対して配信された機器設定ポリシーと通信エリアの地理的配置情報に基づいて実行される。上記機器設定ポリシーは切替部111または同時通信処理部112がトラフィック伝送に使用する無線ベアラを取捨選択する際に、無線ベアラを介した各通信セルへの接続の可否を評価する方法として、上述した(A1)または(A2)の2つの方法のいずれかを指定する。また、上記機器設定ポリシーは、上述した(A1)または(A2)の評価方法に基づいて無線ベアラを介した各通信セルへの接続の可否を評価する際に使用される各種の閾値をさらに含んでも良い。なお、通信のロバスト性とは、無線端末が、特定のRATに対応する特定のセルに対して無線ベアラを介して接続しながら通信している際に、無線端末の高速移動や電波状況(遅延プロファイル等)の変動によって、無線接続の安定性や継続性、および信号受信品質の安定性がどの程度維持されるかを表す尺度である。また、内部ベアラ設定部110に配信された通信エリアの地理的配置情報は、以下のような意義を有する情報である。
(B1)無線網内に広く分布する多数の無線端末がそれぞれ計測したセルサーチ情報を、無線網側のポリシー制御機構200が集約した結果から生成される集約情報である。
(B2)無線網側のポリシー制御機構200が、上述したセルサーチ情報の集約により、地理的エリア毎に利用可能なセルのRAT種別、セル識別子およびキャリア信号受信品質などを記述し、通信セルの地理的な分布を示すマップ情報として学習したものである。
切替部111または同時通信処理部112は、この通信セルのマップ情報から、無線端末10の現在位置において接続可能な全てのセル、これらのセルに対応するRAT種別およびセル識別子を取得する。そして、内部ベアラ設定部110は、これらのセルに対する複数の無線ベアラを介した接続の可否を上記機器設定ポリシーによって指定される上記(A1)または(A2)のいずれかの方法に基づいて評価する。その結果、切替部111または同時通信処理部112は、無線端末10のトラフィック伝送に関して好適性の高い無線ベアラを優先的に使用して無線端末10が通信を行えるように無線ベアラの取捨選択を実行する。
<6>本実施の形態に係る無線ベアラ切り替え方法
以下、図4〜図9を参照しながら、内部ベアラ設定部110内の切替部111または同時通信処理部112が複数の無線ベアラの中から上りリンク又は下りリンクのトラフィック伝送に使用するものを取捨選択する動作を具体的に説明する。なお、図9は、内部ベアラ設定部110内の切替部111または同時通信処理部112が実行する上記動作の全体の流れを示すフローチャートであり、図9に示すフローチャートで説明される動作フローは、図4〜図8に図示される情報を使用して実行される。
まず最初に、処理フローは、図9のステップS1に進み、は内部ベアラ設定部110は、ポリシー配信部212から受信した通信エリアの地理的配置情報から後述する端末学習グルーピング情報を生成する。図4は、各無線端末内の内部ベアラ設定部110が、通信エリアの地理的配置情報から生成した地理的エリア毎に利用可能なRATと対応するセル識別子のリスト(図4(A))、および端末毎に定義されるRAT種別間の優先度リスト(図4(B))である。図4(A)に示す地理的エリア毎に利用可能なRATと対応するセル識別子のリストは、端末学習グルーピング情報と呼ばれ、同一の地理的エリアにおいて利用可能な一つ以上のRATと対応するセル識別子を地理的エリア毎にグループ化するものである。
図4(A)の表として示される端末学習グルーピング情報において、各行は無線端末10が滞在する可能性のある地理的エリアの各々に対応し、各行内は地理的エリア毎に無線端末10から接続可能な一つ以上の通信セルにそれぞれ対応する複数のエントリーから成る。そして、各エントリーは、対応するセルのRAT種別とセル識別子から成る。なお、RAT種別がLTEおよびWiMAXである場合、セル識別子にはセルIDが使用され、RAT種別が無線LANである場合、セル識別子には、セルに通信カバレージを提供するアクセスポイントのMACアドレスが使用される。例えば、図4の表の3行目に対応する地理的エリアにおいて、無線端末10から接続可能なセルは第1セルから第3セルまであり、第1セルは、RAT種別がLTEであり、セル識別子がセルID=102である。また、第2セルは、RAT種別が無線LANであり、セル識別子がMACアドレス=EE:FF:GG:HHであり、第3セルは、RAT種別がWiMAXであり、セル識別子がセルID=301である。
図4(B)は、地理的エリア毎に同時利用可能な複数のRAT種別の間で、無線端末から接続すべきRAT種別の優先度を無線端末毎に定義する優先度リストであり、当該優先度リストは、後述する処理フローにおいて無線端末から接続すべきRATを取捨選択するために使用される。
続いて、処理フローは図9のステップS2に進み、内部ベアラ設定部110は、ポリシー配信部212から受信した機器設定ポリシーの中から図5に示す判定モード情報を抽出する。図5は、セル毎の通信のロバスト性を判定するための判定方法(判定モード)をセル毎に列挙するリストであり、各判定方法は上述した(A1)または(A2)の方法のいずれかに対応する。具体的には以下のとおりである。
図5の表として示される判定モード情報において、2行目は、RAT種別がLTEであり、セル識別子がセルID=101であるセルに対応する。無線端末10がこのセルに滞在している場合、セル毎の通信のロバスト性を判定するための判定方法(判定モード)として上述した(A1)の方法が無線端末10に設定すべき機器設定ポリシーとして指定されている。すなわち、図5に示す判定モード情報の2行目においては、無線端末10の現在の移動速度に応じた移動状態に基づいて、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの通信のロバスト性を評価すべきであることが指定されている。同様に、図5の表として示される判定モード情報において、3行目〜5行目は、RAT種別がそれぞれLTE、WiMAXおよび無線LANであり、セル識別子がそれぞれセルID=102、セルID=301およびMACアドレス=EE:FF:GG:HHである3つセルに対応する。無線端末10がこれら3つのセルのいずれかに滞在している場合、セル毎の通信のロバスト性を判定するための判定方法(判定モード)として上述した(A2)の方法が無線端末10に設定すべき機器設定ポリシーとして指定されている。すなわち、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの上での通信品質(受信キャリア信号のRSSIおよび実効スループット)に基づいて各無線ベアラの通信のロバスト性を評価すべきであることが指定されている。以下の説明においては、図5に表として示す判定モード情報中の各行において、対応する各セルに関して定義されている情報を各セルに対応する判定モード情報と呼ぶ。
なお、ポリシー配信部212から受信した機器設定ポリシーは、図9のステップS12において、内部ベアラ設定部110が無線網側のポリシー制御機構200に対して新たな機器設定ポリシーの配信を要求することにより、最新の状況を反映したものに更新される。
続いて、処理フローは図9のステップS3に進み、内部ベアラ設定部110は、図4(A)、図4(B)および図5にそれぞれ表として示した3種類の情報を合成して図6に表として示す情報を生成する。図6の表は、同一の地理的エリアに属する一つ以上のセルを一つのセル・グループとしてグループ化した上で、各セルに対応して図5の各行に判定モード情報として定義されている情報をセル・グループ毎にグループ化して纏めたものである。この場合、各セル・グループは、地理的エリアの各々と一対一に対応する。さらに、図6の表においては、各セルに対応して図5の各行に判定モード情報として定義されている情報をセル・グループ毎にグループ化する処理は、図4に表として示される端末学習グルーピング情報に基づいて実行される。すなわち、内部ベアラ設定部110は、まず、図4の端末学習グルーピング情報において、同一の地理的エリアに属する一つ以上のセルにそれぞれ対応するセル識別子をキーとして図5の表内の複数の行の中からキーとされたセル識別子に一致するセル識別子を有する行を選択する。続いて、内部ベアラ設定部110は、当該選択された行において定義される判定モード情報を抽出する。最後に、内部ベアラ設定部110は、図4の端末学習グルーピング情報を参照することにより、抽出された判定モード情報のうち、同一の地理的エリアに属する一つ以上のセルに対応する判定モード情報同士を地理的エリア毎にグループ化する。この時、同一のセル・グループ内にグループ化された一つ以上の判定モード情報同士の間には、優先度による優劣が付けられている。この優先度は、図4(B)の優先度リストにおいて定義されている優先度に対応する。具体的には、内部ベアラ設定部110は、同一のセル・グループ内にグループ化された一つ以上の判定モード情報の各々についてRAT種別を識別する。続いて、内部ベアラ設定部110は、図4(B)の優先度リストから当該識別したRAT種別にそれぞれ対応する優先度を抽出し、当該抽出した優先度を、対応するRAT種別を有する判定モード情報と関係付ける。
図6の表において、各グルーピングIDは、各セル・グループに一意に割り振られた識別子である。図6の表において、各グルーピングIDにそれぞれ対応する行は、同一セル・グループ内に属する一つ以上のセルの各々毎にさらに細かい行に分割されている。セル毎に分割された各行は、対応するセルのRAT種別、セル識別子およびRAT種別に対応した優先度に加え、セル毎の通信のロバスト性を判定するための判定方法(判定モード)を指定する情報(以下、単に「判定モード」と呼ぶ)を含んでいる。
例えば、図6の表において、グルーピングID=2に対応する行においては、セル・グループ内には、セルID=101でRAT種別がLTEの第1セルおよびMACアドレス=EE:FF:GG:HHでRAT種別が無線LANの第2セルが含まれている。さらに、図6のグルーピングID=2に対応する行において、第1セルはRAT種別がLTEであることから、図4(B)の優先度リストより優先度=1となっており、第2セルはRAT種別が無線LANであることから、図4(B)の優先度リストより優先度=4となっている。
さらに、図6の表において、グルーピングID=2となる行の判定モードの欄は、当該行に対応する地理的エリアにおいては、無線端末の移動速度に応じた端末移動性に基づいて通信のロバスト性を評価すべきであることを表すために、判定モードとして「移動判定」が指定されている。これは、グルーピングID=2に対応する地理的エリアにおいては、無線端末10の現在の移動速度に応じた移動状態に基づいて、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの通信のロバスト性を評価すべきであることが図6の表によって指定されている。他方、図6の表において、グルーピングID=3となる行の判定モードの欄は、当該行に対応する地理的エリアにおいては、無線信号の受信品質や通信性能に基づいて通信のロバスト性を評価すべきであることを表すために、判定モードとして「品質判定」が指定されている。これは、グルーピングID=3に対応する地理的エリアにおいては、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの上での通信品質(受信キャリア信号のRSSIおよび実効スループット)に基づいて各無線ベアラの通信のロバスト性を評価すべきであることが図6の表によって指定されている。
続いて、処理フローは図9のステップS4に進み、内部ベアラ設定部110は、後述するモニタリング機能を実行する動作を開始する(モニタリング機能をオンにする)。モニタリング機能とは、以下のいずれか一方を実行する機能である。
(C1)無線端末10の現在の移動速度を計測する動作。
(C2)現在滞在中の地理的エリア内において接続可能な一つ以上の通信セルと無線端末10が通信する際の通信品質(受信信号の強度や受信品質)および実効スループットを計測する動作。
続いて、処理フローは図9のステップS5に進み、内部ベアラ設定部110は、無線端末10が現在滞在中の地理的エリア内において接続可能な一つ以上の通信セルの各々について、図6の表において、判定モードが「移動判定」および「品質判定」のいずれに設定されているかを判断する。すなわち、上述した一つ以上の通信セルの各々について、判定モードが「移動判定」に設定されていれば、内部ベアラ設定部110は、無線端末10の現在の移動速度に応じた移動状態に基づいて、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの通信のロバスト性を評価すべきであると判断する。他方、上述した一つ以上の通信セルの各々について、判定モードが「品質判定」に設定されていれば、内部ベアラ設定部110は、無線端末10が在圏しているセルに接続中の各無線ベアラの上での通信品質(受信キャリア信号のRSSIおよび実効スループット)に基づいて各無線ベアラの通信のロバスト性を評価すべきであると判断する。
具体的には、内部ベアラ設定部110は、図6の表において、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアに対応するグルーピングIDを有する行に含まれる全ての通信セルを「現在のセル・グループ」として構成する。続いて、内部ベアラ設定部110は、上記のとおり構成された「現在のセル・グループ」に属する通信セルの各々を一つずつ抽出し、抽出された各セルについて、以下の処理を実行する。図6の表において、抽出された一つのセルに対応する判定モードが「移動判定」と設定されていた場合には、内部ベアラ設定部110は、当該抽出された一つのセルに関して後述する図9のステップS6Aを実行し、抽出された一つのセルに対応する判定モードが「品質判定」と設定されていた場合には、内部ベアラ設定部110は、当該抽出された一つのセルに関して後述する図9のステップS6BおよびステップS7Bを実行する。
図9のステップS6Aにおいては、内部ベアラ設定部110は、上述した(C1)の機能を実行するために、内部情報取得部120に対して無線端末10の現在の移動速度を計測するように指示する。その後、内部ベアラ設定部110は、無線端末10の現在の移動速度を計測した結果を内部情報取得部120から受け取る。
端末移動速度の測定は、例えば当業者にとって周知な以下の方法を内部情報取得部120が実行するように指示することによって達成される。
(a)無線端末(UE)10が備えるGPS受信機(図示なし)を使用して、制御プロセッサ104が一定時間間隔で周期的にGPS測位信号を受信する。これと並行して、当該測位信号からUE10の端末位置の時系列的な変化を計算すると共に、当該端末位置の単位時間当たりの変化量と変化方向を計算する。
(b)無線ベアラのいずれかを使用して、内部情報取得部120が近隣の3個の無線基地局(またはeNB)の各々から内部ベアラ設定部110を経由してレンジング信号(距離測定信号)を一定時間間隔で周期的に受信する。これと並行して、内部情報取得部120が、当該3つのレンジング信号から三角測量の原理に基づいて無線端末(UE)10の端末位置の時系列的な変化を計算すると共に、当該端末位置の単位時間当たりの変化量と変化方向を計算する。
(c)無線ベアラのいずれかを使用して、内部情報取得部120が近隣の少なくとも一つの無線基地局(またはeNB)の各々から内部ベアラ設定部110を経由してレンジング信号(距離測定信号)を一定時間間隔で周期的に受信する。これと並行して、内部情報取得部120が、当該レンジング信号の受信強度が一定時間間隔の間にどの程度変化したかを計測し、レンジング信号の受信強度変化量に応じて、一定時間間隔の間に無線端末(UE)10が移動した距離を推定する。この推定した距離を一定時間間隔の長さで除算すれば、端末移動速度を推定することができる。
図9のステップS6Bにおいては、内部ベアラ設定部110は、上述した(C2)の機能を実行するために、内部情報取得部120に対して無線端末10が各セルと通信する際の通信品質(受信信号の強度や受信品質)および実効スループットを計測するように指示する。その後、内部ベアラ設定部110は、上述した通信品質(受信信号の強度や受信品質)を計測した結果を内部情報取得部120から受け取る。
図9のステップS7Bにおいては、内部ベアラ設定部110は、上述した(C2)の機能を実行するために、内部情報取得部120に対して無線端末10が各セルと通信する際の通信品質(受信信号の強度や受信品質)および実効スループットを計測するように指示する。その後、内部ベアラ設定部110は、上述した実効スループットを計測した結果を内部情報取得部120から受け取る。
内部ベアラ設定部110は、「現在のセル・グループ」に属する通信セルの全てについて上述した処理の実行を終えると、図9のステップS9の実行に進む。図9のステップS9においては、内部ベアラ設定部110は、「現在のセル・グループ」に属する通信セルの各々を一つずつ抽出し、抽出された各セルについて、以下の処理を実行する。
図6の表において、抽出された一つのセルに対応する判定モードが「移動判定」と設定されていた場合には、内部ベアラ設定部110は、図9のステップS6Aにおいて測定した無線端末10の移動速度が、所定の速度閾値を超えるか否かを判定する。この場合における速度閾値とは、当該抽出された一つのセルに関して、上述した機器設定ポリシーから無線端末10に設定された速度閾値である。すなわち、機器設定ポリシーによる速度閾値の設定値は、セル・グループ毎に定義されるのではなく、セル・グループに所属する一つ以上のセルの各々毎に固有の値である。そして、当該抽出された一つのセルに関して、測定した無線端末10の移動速度が、上述した速度閾値を超える場合には、内部ベアラ設定部110は、無線端末10から当該セルに無線ベアラを接続することは不可能であると判定する。逆に、上述した速度閾値を超えない場合には、内部ベアラ設定部110は、無線端末10から当該セルに無線ベアラを接続することが可能であると判定する。
図6の表において、抽出された一つのセルに対応する判定モードが「品質判定」と設定されていた場合には、内部ベアラ設定部110は、図9のステップS6BおよびステップS7Bにおいて測定した通信品質と実効スループットが、所定の通信品質閾値とスループット閾値をそれぞれ超えるか否かを判定する。この場合における上記2種類の閾値(通信品質閾値とスループット閾値)とは、当該抽出された一つのセルに関して、上述した機器設定ポリシーから無線端末10に設定された閾値である。すなわち、機器設定ポリシーによる上記2種類の閾値の設定値は、セル・グループ毎に定義されるのではなく、セル・グループに所属する一つ以上のセルの各々毎に固有の値である。そして、当該抽出された一つのセルに関して、測定した通信品質と実効スループットのいずれか一方が、上述した2種類の閾値の中の対応する一方の閾値を下回る場合には、内部ベアラ設定部110は、無線端末10から当該セルに無線ベアラを接続することは不可能であると判定する。逆に、測定した通信品質と実効スループットの両者が共に、上述した2種類の閾値とそれぞれ等しいか上回る場合には、内部ベアラ設定部110は、無線端末10から当該セルに無線ベアラを接続することが可能であると判定する。
以下、図9のステップS9において実行される上述した処理内容を図7および図8に示すテーブルを使用して具体例により説明する。図7は、判定モードが「移動判定」に設定されている場合に対応した具体例であり、図8は、判定モードが「品質判定」に設定されている場合に対応した具体例である。図7および図8においては、マルチモード端末である無線端末10は、LTE網、3G網、WiMAX網および無線LANの4種類のRATにそれぞれ対応した4つの無線インターフェースを備えていることを前提としている。つまり、図7および図8に示される表中の4つの行は、マルチモード端末である無線端末10がサポートするLTE網、3G網、WiMAX網および無線LANの4種類のRATにそれぞれ対応する。
最初の具体例においては、「現在のセル・グループ」が図6の表においてグルーピングID=2に対応するセル・グループであると仮定する。さらに、「現在のセル・グループ」から抽出された一つのセルが、図6においてグルーピングID=2に対応するセル・グループに属し、RAT種別=LTEかつセルID=101となるセルであると仮定する。この場合、図7の1行目は、当該セルがLTE網セルであり、当該セルに在圏する無線端末10について測定された端末移動速度が30m/秒であり、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された速度閾値が90m/秒であることを示している。当該セルは、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアに対応する「現在のセル・グループ」に属するセルである。従って、当該セルは、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアにおいて利用可能なセルとして図4に示す端末学習グルーピング情報中で定義されているセルに相当する。この事は、図7の表において、当該セルに対応する1行目の「グルーピング設定」の欄に「○」印が付いていることにより表されている。上述したとおり、当該セルに在圏する無線端末10について測定された端末移動速度は、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された速度閾値を下回るから、当該セルに対して無線端末10から接続した無線ベアラの上においては、通信のロバスト性が達成される。従って、当該セルは、無線端末10から接続可能なセルとして判定される。この事は、図7の表において、当該セルに対応する1行目の「接続判定」の欄に「○」印が付いていることにより表されている。
一方、第2の例においては、「現在のセル・グループ」から抽出された一つのセルが、図6においてグルーピングID=2に対応するセル・グループに属し、RAT種別=無線LANかつMACアドレス=EE:FF:GG:HHとなる通信エリアであると仮定する。この場合、図7の4行目は、当該セルが無線LAN通信エリアであり、当該セルに在圏する無線端末10について測定された端末移動速度が30m/秒であり、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された速度閾値が20m/秒であることを示している。このセルもまた、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアにおいて利用可能なセルとして図4に示す端末学習グルーピング情報中で定義されているセルに相当するので、図7の4行目の「グルーピング設定」の欄には「○」印が付いている。しかしながら、上述したとおり、当該セルに在圏する無線端末10について測定された端末移動速度は、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された速度閾値を上回るから、当該セルに対して無線端末10から接続した無線ベアラの上においては、通信のロバスト性が達成されない。従って、当該セルは、無線端末10から接続できないセルとして判定される。この事は、図7の表において、当該セルに対応する4行目の「接続判定」の欄に「×」印が付いていることにより表されている。
以上から、内部ベアラ設定部110は、図7の表において、「グルーピング設定」の欄と「接続判定」の欄の両方に「○」印が付いている1行目のLTE網セルを無線端末10から接続可能なセルとして判定し、「グルーピング設定」の欄のみに「○」印が付いている4行目の無線LAN通信エリアを無線端末10から接続できないセルであると判定する。
第3の具体例においては、「現在のセル・グループ」が図6の表においてグルーピングID=3に対応するセル・グループであると仮定する。さらに、「現在のセル・グループ」から抽出された一つのセルが、図6においてグルーピングID=3に対応するセル・グループに属し、RAT種別=LTEかつセルID=102となるセルであると仮定する。この場合、図8の1行目は、当該セルがLTE網セルであり、当該セルから無線端末10が受信した無線信号のRSSI、RSRPまたはRSCPの測定値が−103dBmであり、無線端末10が当該セルと通信可能な実効スループットが10Mbpsであることを表す。さらに、図8の一行目は、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された受信信号のRSSI、RSRPまたはRSCPの閾値が−120dBmであり、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された実効スループットの閾値が5Mbpsであることを示している。当該セルは、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアに対応する「現在のセル・グループ」に属するセルである。従って、当該セルは、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアにおいて利用可能なセルとして図4に示す端末学習グルーピング情報中で定義されているセルに相当する。この事は、図8の表において、当該セルに対応する1行目の「グルーピング設定」の欄に「○」印が付いていることにより表されている。上述したとおり、当該セルに在圏する無線端末10について測定された2種類の測定値は、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された2種類の閾値を上回るから、当該セルに対して無線端末10から接続した無線ベアラの上においては、通信のロバスト性が達成される。従って、当該セルは、無線端末10から接続可能なセルとして判定される。この事は、図8の表において、当該セルに対応する1行目の「接続判定」の欄に「○」印が付いていることにより表されている。
上述した第3の例と同様の理由により、図6においてグルーピングID=3に対応するセル・グループに属し、RAT種別=WiMAXかつセルID=301となるセルについても、図8の3行目に示されるとおり、「グルーピング設定」欄と「接続判定」欄の両方に「○」印が付いている。従って、当該WiMAX網セルもまた、無線端末10から接続可能なセルであると内部ベアラ設定部110により判定される。
以上から、図8の表においては、1行目に対応するLTE網セルと3行目に対応するWiMAX網セルの2つのセルが無線端末10から接続可能なセルであると判定される。従って、内部ベアラ設定部110は、図6の表内のこれら2つのセルにそれぞれ対応する行において指定される優先度に基づいて、優先度の高い方のセルに無線ベアラを優先的に接続することが可能である。
一方、第4の例においては、「現在のセル・グループ」から抽出された一つのセルが、図6においてグルーピングID=3に対応するセル・グループに属し、RAT種別=無線LANかつMACアドレス=AA:BB:CC:DDとなる通信エリアであると仮定する。この場合、図8の3行目は、当該セルが無線LAN通信エリアであり、当該セルに在圏する無線端末10について測定されたRSSI、RSRPまたはRSCPの測定値が−103dBmであり、無線端末10が当該セルと通信可能な実効スループットが10Mbpsであることを示している。同時に、図8の3行目は、上述した無線LAN通信エリアについて機器設定ポリシーから設定された受信信号のRSSI、RSRPまたはRSCPの閾値が−120dBmであり、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された実効スループットの閾値が5Mbpsであることを示している。このセルもまた、無線端末10が現在滞在中の地理的エリアにおいて利用可能なセルとして図4に示す端末学習グルーピング情報中で定義されているセルに相当するので、図7の4行目の「グルーピング設定」の欄には「○」印が付いている。しかしながら、上述したとおり、当該セルに在圏する無線端末10について測定された上記2種類の測定値は、当該セルについて機器設定ポリシーから設定された上記2種類の閾値を下回るから、当該セルに対して無線端末10から接続した無線ベアラの上においては、通信のロバスト性が達成されない。従って、当該セルは、無線端末10から接続できないセルとして判定される。この事は、図8の表において、当該セルに対応する4行目の「接続判定」の欄に「×」印が付いていることにより表されている。
以上から、内部ベアラ設定部110は、図8の表において、「グルーピング設定」の欄と「接続判定」の欄の両方に「○」印が付いている1行目のLTE網セルを無線端末10から接続可能なセルとして判定し、「グルーピング設定」の欄のみに「○」印が付いている3行目の無線LAN通信エリアを無線端末10から接続できないセルであると判定する。
図9のステップS9における上述した処理の結果、「現在のセル・グループ」に含まれる一つ以上のセルの全てが、無線端末10から接続できないと判定された場合には、図9の処理フローはステップS11に進み、内部ベアラ設定部110は、当該セルに無線ベアラを接続することが不可能である旨を表示するベアラ接続付加情報を図6の表に追加する。図9のステップS9における上述した処理の結果、「現在のセル・グループ」に含まれるセルの少なくとも一つが、無線端末10から接続可能であると判定された場合には、図9の処理フローはステップS10に進む。
図9のステップS10においては、接続可能であると判定された一つ以上のセルにそれぞれ接続する一つ以上の無線ベアラの間でのトラフィック配分や無線ベアラ切り替えを内部ベアラ設定部110内の切替部111または同時通信処理部112が実行する。この時、内部ベアラ設定部110内の切替部111または同時通信処理部112は、接続可能であると判定された複数のセルの間での無線ベアラ接続の優先度を、図6の表中の上記複数のセルにそれぞれ対応する行に記載された優先度を考慮して判定することが出来る。さらに、図9のステップS10においては、内部ベアラ設定部110は、電波環境の変化や無線端末10側の通信設定条件の変化などの状況変化により、図9のステップS2〜ステップS9までの上述した処理を無線網側から設定された新たな機器設定ポリシーに基づいて再実行する必要が有るか否かを判定する。図9のステップS2〜ステップS9までの上述した処理を無線網側から設定された新たな機器設定ポリシーに基づいて再実行する必要が有ると内部ベアラ設定部110が判定した場合は、処理フローは図9のステップS2に戻る。
<7>本実施の形態の効果
以上より、本実施の形態は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラを取捨選択してトラフィックを伝送する際に、無線端末の高速移動によって無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないようにすることができる。具体的には、本実施の形態は、無線網側から提供される通信セルの地理的配置情報に基づいて、現在滞在中の地理的エリアにおいて無線接続可能な一つ以上の通信セルの組を識別し、当該識別された組に属する通信セルの各々について、各セルと通信中の端末移動速度と通信品質に基づいて各セルに無線接続した場合の通信のロバスト性を評価し、前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記ロバスト性の評価が所定の基準を満たすセルを無線接続可能であると判定する。
同時に本実施の形態は、マルチモード無線端末が現在位置での利用可能性が高いと判定された一つ以上のRATに接続する一つ以上の無線ベアラの上でトラフィックを伝送する際に、無線端末10が高速移動中であっても、無線接続の継続性と無線伝送品質の安定性が損なわれないように無線ベアラを取捨選択することができる。加えて、本実施の形態は、上述した経路制御に関し、同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大しても、無線網内の制御オーバーヘッドが増大しないようなポリシー制御を実現することができる。
本発明は、複数の異なる種類の無線接続手段を同時利用可能な移動無線端末において、無線網側において利用可能な多種多様な回線接続を効率的に利用し、通信サービス品質および通信スループットを改善するための無線通信制御ソフトウェアまたは無線通信制御装置として利用することが出来る。
10 無線端末(UE)
20 無線端末(UE)にネットワーク・サービスを提供するサーバ
30 無線ベアラ
40 無線アクセス網
51 コア網
52 コア網
53 ISP網
54 ルータ網
61 コア網ゲートウェイ
62 コア網ゲートウェイ
71 外部接続ゲートウェイ
72 外部接続ゲートウェイ
80 インターネット網
101 アンテナ
102 無線インターフェース
103 メモリ
104 制御プロセッサ
105 ユーザ入出力装置
106 ストレージ
107 バス
110 内部ベアラ設定部
111 切替部
112 同時通信処理部
113 アクティベート部
120 内部情報取得部
200 ポリシー制御機構
210 外部ベアラ設定部
211 取得情報分析部
212 ポリシー配信部
220 外部情報取得部
221 ネットワーク情報取得部
222 オペレーター・ポリシー取得部
230 ネットワーク情報管理部

Claims (9)

  1. 滞在中の地理的エリア毎に無線接続可能な一つ以上の通信セルに無線接続して通信する無線端末において、ロバストな通信が可能な通信セルに対してのみ無線接続する方法であって:
    無線網側から提供される通信セルの地理的配置情報に基づいて、現在滞在中の地理的エリアにおいて無線接続可能な一つ以上の通信セルの組を識別するステップ;
    前記識別された組に属する通信セルの各々について、各セルに無線接続した場合の通信のロバスト性を評価するステップであって、前記ロバスト性を評価する動作は、前記識別された組に属する通信セルの各々と通信する際に所定の測定値を測定する動作を含む、ステップ;および、
    前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記ロバスト性を評価する際に前記測定された前記測定値が所定の基準を満たすセルを無線接続可能であると判定するステップ;
    を備える方法。
  2. 前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記測定値が所定の基準を満たすか否かは、前記測定値を所定の閾値と比較することによって決定され、
    前記測定値を測定する際の測定対象は、無線網側から設定されるポリシーにより前記ロバスト性の尺度として指定され、
    前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記測定対象に依存して無線網側から設定される前記ポリシーにより指定される、
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記測定対象には、前記無線端末の現在の移動速度が含まれ、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記ポリシーにより指定される速度閾値である、ことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記測定対象には、前記無線端末が前記識別された組に属する通信セルの各々と通信する際に測定される信号受信品質および実効スループットが含まれ、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記ポリシーにより指定される前記信号受信品質の閾値および前記実効スループットの閾値を含む、ことを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. 前記識別された組に属する一つ以上の通信セルのうち、無線接続可能であると判定された通信セルが2つ以上存在する場合:
    前記2つ以上の通信セルがそれぞれ対応するRATを識別するステップ;、
    前記対応するRAT毎にユーザが指定した優先度の高さに応じて、前記2つ以上の通信セルの各々のセル優先度を識別するステップ;および、
    前記2つ以上の通信セルの各々について、前記セル優先度に応じて、前記無線端末から無線ベアラを接続する際の好適性を評価するステップ;
    をさらに備える、請求項1乃至4記載の方法。
  6. 滞在中の地理的エリア毎に無線接続可能な一つ以上の通信セルに無線接続して通信する無線端末であって、ロバストな通信が可能な通信セルに対してのみ無線接続するために:
    無線網側から提供される通信セルの地理的配置情報に基づいて、現在滞在中の地理的エリアにおいて無線接続可能な一つ以上の通信セルの組を識別し、前記識別された組に属する通信セルの各々について、各セルに無線接続した場合の通信のロバスト性を評価し、前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記ロバスト性の評価が所定の基準を満たすセルを無線接続可能であると判定する内部ベアラ設定部;および、
    前記識別された組に属する通信セルの各々に関して、前記通信のロバスト性の評価が所定の基準を満たすか否かを評価するために必要な所定の測定値を前記識別された組に属する通信セルの各々との間の通信状態から測定する内部情報取得部;
    を備える無線端末。
  7. 前記識別された組に属する通信セルの各々について、前記測定値が所定の基準を満たすか否かは、前記測定値を所定の閾値と比較することによって決定され、
    前記測定値を測定する際の測定対象は、無線網側から当該無線端末に設定されるポリシーにより前記ロバスト性の尺度として指定され、
    前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記測定対象に依存して無線網側から当該無線端末に設定される前記ポリシーにより指定される、
    ことを特徴とする、請求項6記載の無線端末。
  8. 前記測定対象には、前記無線端末の現在の移動速度が含まれ、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記ポリシーにより指定される速度閾値である、ことを特徴とする請求項7記載の無線端末。
  9. 前記測定対象には、前記無線端末が前記識別された組に属する通信セルの各々と通信する際に測定される信号受信品質および実効スループットが含まれ、前記測定値と比較すべき前記閾値は、前記ポリシーにより指定される前記信号受信品質の閾値および前記実効スループットの閾値を含む、ことを特徴とする請求項7記載の無線端末。
JP2013125015A 2013-06-13 2013-06-13 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置 Pending JP2015002388A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013125015A JP2015002388A (ja) 2013-06-13 2013-06-13 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013125015A JP2015002388A (ja) 2013-06-13 2013-06-13 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015002388A true JP2015002388A (ja) 2015-01-05

Family

ID=52296684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013125015A Pending JP2015002388A (ja) 2013-06-13 2013-06-13 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015002388A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019530385A (ja) * 2016-09-16 2019-10-17 フォースクエア・ラボズ・インコーポレイテッド 受動的な訪問検知
CN112672364A (zh) * 2019-10-16 2021-04-16 ***通信有限公司研究院 策略配置方法、装置、相关设备及存储介质
US20220400413A1 (en) * 2021-06-15 2022-12-15 Microsoft Technology Licensing, Llc Dynamically adjusting the bandwidth of downlink transmissions based on a radio access technology used by a radio access network

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019530385A (ja) * 2016-09-16 2019-10-17 フォースクエア・ラボズ・インコーポレイテッド 受動的な訪問検知
JP7101680B2 (ja) 2016-09-16 2022-07-15 フォースクエア・ラボズ・インコーポレイテッド 受動的な訪問検知
US11481690B2 (en) 2016-09-16 2022-10-25 Foursquare Labs, Inc. Venue detection
CN112672364A (zh) * 2019-10-16 2021-04-16 ***通信有限公司研究院 策略配置方法、装置、相关设备及存储介质
CN112672364B (zh) * 2019-10-16 2024-03-19 ***通信有限公司研究院 策略配置方法、装置、相关设备及存储介质
US20220400413A1 (en) * 2021-06-15 2022-12-15 Microsoft Technology Licensing, Llc Dynamically adjusting the bandwidth of downlink transmissions based on a radio access technology used by a radio access network
US11653268B2 (en) * 2021-06-15 2023-05-16 Microsoft Technology Licensing, Llc Dynamically adjusting the bandwidth of downlink transmissions based on a radio access technology used by a radio access network

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102050746B1 (ko) 무선 통신 시스템에서 혼잡을 고려한 트래픽 오프로딩 방법 및 장치
CN107135055B (zh) 测量方法,csi-rs资源共享方法和装置
US9049648B2 (en) Cognitive communication network system and communicating method thereof
WO2017028336A1 (zh) 非授权频谱上的辅服务小区的管理方法、***及基站
WO2016058924A1 (en) Configuration of communication devices
US20160262078A1 (en) Method and device for processing information interaction,offloading processing method and device, base station, rnc and ue
WO2013013927A1 (en) Network selection device and method for selecting a communication network
JP6203548B2 (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
KR101902343B1 (ko) 네트워크 장치 및 사용자 장치, 및 그 방법들
EP3329710B1 (en) Control of activation of communication devices in a wireless communication network
CN103945431A (zh) 一种进行网络控制的方法及装置
JP2014230104A (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
WO2015018324A1 (zh) 一种多接入***中实现ip流移动性的方法和装置
JP2015002388A (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
EP3010276A1 (en) Configuration of communication devices
US9264960B1 (en) Systems and methods for determinng access node candidates for handover of wireless devices
JP6315894B2 (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
WO2014121688A1 (zh) 一种wlan负载确定方法、装置及***
JP6212302B2 (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
JP6654937B2 (ja) 通信装置
JP6302625B2 (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
JP2014230103A (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
JP6126914B2 (ja) 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置
Jang et al. Context aware mobile data offload using SDN
US11723079B2 (en) Systems and methods for wireless mesh network devices operating on multiple radio access technologies