JP6315894B2 - 複数の無線ベアラにアクセスする方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種無線サービスへのアクセスに関し、より具体的には、複数の異なる無線サービスを提供する複数の異なる無線ベアラに対して状況に応じた適切なアクセスを行う方法と装置とに関する。
無線LAN、WiMAX、UMTS等の3Gセルラー携帯電話網あるいはLTE網などの様々な無線通信サービスは、複数の異なる無線アクセス技術(RAT(Radio Access Technology))にそれぞれ対応する。そして、無線ベアラは、これら様々な無線通信サービスに接続して利用者無線端末(UE)からアクセスするための無線接続手段を提供するものである。
UMTS網やLTE網などのセルラー無線網は、地理的に広範囲にわたって単一の通信事業者網により、ユーザに無線網接続サービスを提供している。その反面、セルラー無線網に対する無線アクセスは、多くの場合、当該セルラー無線網が提供する通信サービスに加入しているユーザの無線端末だけに限定され、無料で提供されている場合も多い無線LANサービスよりも通信料金が一般に高額である。他方、一般公衆が利用可能な無線LANサービスは、通信料金が安価であり、通信速度が比較的安定している反面、良好に通信可能な範囲が限られた狭い地域内に限定される。
近年の無線端末の利用態様として、利用する無線アクセス網を、セルラー無線網と無線LANサービスとの間でユーザ自身により状況に応じて切り替えることが一般的である。無線端末のこのような利用態様を可能とするには、複数の異なるRAT(例えば、LTE、WiMAXおよび無線LANなど)にそれぞれ対応した複数の無線インターフェース回路を装備したマルチモード無線端末を使用してユーザが無線網アクセスを行うことが前提となる。この場合、マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATのそれぞれに接続する複数の無線ベアラを確立し、当該複数の無線ベアラ上での同時並列無線伝送を実行することが可能であり、これはリンク・アグリゲーションとして知られている。また、別の態様として、マルチモード無線端末は、同時利用可能な複数の異なるRATの間で状況に応じて一の無線ベアラが接続するRATを選択的に切り替えて無線通信することも可能であり、これは異種RAT間接続切替と呼ばれる。上記のように異なるRATに接続する複数の無線ベアラ間で無線端末の通信トラフィックを配分制御することにより、無線帯域幅の集約、異種RAT間での通信負荷分散、弾力的なネットワーク利用可能性などの利点を達成することができる。
一方、マルチモード無線端末が、互いに異なるRATに対応する複数の無線通信経路を介して通信する際に、無線網側のトラフィック負荷分散状況、輻輳状況あるいは実効通信スループットなどを考慮しながら、通信に使用すべき最適なRATを取捨選択するには、特許文献1で説明されるようなポリシー制御の仕組みが必要となる。言い換えると、マルチモード無線端末が、通信に使用すべき最適なRATを取捨選択する際に、上述した無線帯域幅の集約、異種RAT間での通信負荷分散、弾力的なネットワーク利用可能性などの利点が無線網内部の稼働状況によって損なわれないようにするには、無線端末側でのRATの切り替えに適応する形で、無線アクセス網内やコア網内を通るエンド・ツー・エンド通信経路全体の最適化も必要となる。そして、このようなエンド・ツー・エンド通信経路全体の最適化のためには、無線網側からのポリシー制御の仕組みを導入することが有効である。具体的には、無線端末が通信する上りリンクおよび下りリンクのトラフィックに関し、無線網のローカルドメイン内において、通信トラフィック転送経路を状況に応じて適切にポリシー制御する仕組みが必要となる。特許文献1は、上記のように状況に応じて通信トラフィック転送経路を制御するために、無線網側と無線端末側に設定された通信経路制御ポリシーに基づいてトラフィックの通信経路を制御する仕組みを開示する。この場合、あるトラフィック・フローに関する上りリンクおよび下りリンクのトラフィックが一台の無線端末に関して同じ無線ベアラを経由することを可能にするには、無線端末および無線網内の対応するモビリティ・アンカーの両方が、現在の通信経路制御ポリシーに関して、同期される必要がある。また、無線端末が接続するRATが切り替わった場合には、それに応じて、無線網側と無線端末側に設定された通信経路制御ポリシーもリアルタイムに変更されなくてはならない。
特許文献1は、国際標準化団体3GPPにより規定されるPCC(Policy and Charging Control)アーキテクチャを前提として、無線網内の無線ベアラ終端ノードと無線端末との間で伝送されるトラフィック・フローの通信経路を通信経路制御ポリシーに基づいて制御する仕組みを開示している。具体的には、特許文献1記載の発明は、以下の手順を実行する。まず、無線端末は、3GPPコア網内に実装されたアプリケーション機能に対してシグナリングにより通信経路制御ポリシーを伝達する。続いて、当該アプリケーション機能は伝達された通信経路制御ポリシーを解析する。続いて、当該アプリケーション機能は、当該解析の結果を3GPPコア網内のPCEF(ポリシー制御施行機能)に対してシグナリングにより伝達する。最後に、3GPPコア網内のPCEFは、当該通信制御ポリシーを無線網内で実行される通信経路制御に反映されるために、無線端末の上りリンク伝送経路と下りリンク伝送経路の上に位置する3GPPコア網内の中継ノード(ルータ機器など)に対して、当該通信制御ポリシーを反映した動作設定を行う。
特許文献2は、接続ポリシー情報テーブルに基づいて、当該ネットワーク管理装置側のネットワーク再構成手段と通信端末側のネットワーク再構成手段とが協調して通信端末側の接続方式を選択する技術を開示する。特許文献2においては、当該接続ポリシー情報テーブルは、網内に設置されたネットワーク管理装置内に格納されている。
上述したポリシー制御は、コア網を構成する各ルータ機器や各ネットワーク機器に対して通信経路制御ポリシーをシグナリングし、コア網から無線端末に至る通信経路を最適化することにより、コア網内の通信負荷の最適な分散や再配置を図る。従来において、上述したポリシー制御は、主としてコア網内での通信経路の最適化を考慮して設計されており、無線アクセス網および当該無線アクセス網に接続する基地局の各々は、単一のRAT(無線アクセス技術)のみをサポートする、すなわち、マルチホーム機能を持たない、との前提で実施されていた。
他方、当該ポリシー制御を実施する際の上述した前提が当てはまらないマルチホーム型の基地局や無線アクセスポイントが最近知られてきている。マルチホーム型の基地局や無線アクセスポイントとは、互いに異なるRAT(無線アクセス技術)に対応するけれども、同一の基地局によって重畳的に提供される複数のセルを無線端末に同時に提供することが可能な基地局などである。例えば、近年普及するようになってきたフェムトセル基地局などは、セルラー網用の通信セルおよび無線LANの通信カバレージ・エリアの両者を無線端末に提供することが出来る。上述したセルラー網用の通信セルおよび無線LANの通信カバレージ・エリアのように互いに異なるRAT(無線アクセス技術)に対応するけれども、同一の基地局によって重畳的に提供される複数のセルを以下においては連携セルと呼ぶことにする。
特表2012−512553号公報 特開2009−246876号公報
以上のように、上述したポリシー制御は、無線アクセス網およびこれに接続する基地局の各々が、単一RATのみをサポートし、マルチホーム機能を持たないとの前提で実施されているにも関わらず、マルチホーム型の基地局などが無線網側に設置され利用されるようになってきている。この場合、上述したポリシー制御においては、マルチホーム型の基地局が重畳的にサポートする複数の連携セル同士の間で無線端末との無線接続の切り替えやトラフィック配分制御を実行する仕組みが必要となる。また、ポリシー制御実施の際に、無線ベアラ間での通信の切り替えやトラフィック配分のために無線端末側で実行される異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションと基地局側のマルチホーム機能とを状況に応じて適応的に連携させる具体的な仕組みも必要となる。しかしながら、特許文献1および特許文献2記載のポリシー制御は、上述した連携セル間の接続切替やトラフィック配分を実行する仕組み、および基地局側のマルチホーム機能と無線端末側の異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションとの連携の仕組みを実現することが出来ない。
加えて、特許文献1に開示されたポリシー制御は、無線端末の上りリンクと下りリンクのトラフィックを無線網内で経路制御する際に、当該無線端末の通信経路上に存在する無線網内の全ての中継ノード(ルータ機器等)に対してポリシ制御ノードから経路制御ポリシーを設定する必要が有った。同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大した場合、無線網内の制御オーバーヘッドが増大し、ネットワーク運用に支障をきたす可能性がある。
以上の問題点に鑑み、本発明は、無線網内の通信経路を状況に応じて適応的に制御するポリシー制御を実施するに際して、上述した連携セル間の接続切替やトラフィック配分を実行する仕組みを実現することを目的とする。また、本発明は、無線網内の通信経路を状況に応じて適応的に制御するポリシー制御を実施するに際して、基地局側のマルチホーム機能と無線端末側の異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションとの間の連携の仕組みを実現することを目的とする。加えて、本発明は、上述した経路制御に関し、同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大しても、無線網内の制御オーバーヘッドが増大しないようなポリシー制御を実現することを目的とする。
以上より、本発明の第1の側面は、一つ以上の基地局と無線端末との間で複数の無線ベアラを介して同時並列的に通信しながら、ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラ間において最適比率配分する方法であって:無線網から受信した基地局情報と、前記複数の無線ベアラを介して前記無線端末が接続するセルの一覧とを前記無線端末が対比するステップ;前記対比の結果、前記複数の無線ベアラの中の2つ以上が接続する2つ以上のセルを前記基地局の中のいずれかが重畳的にサポートする場合、前記最適比率配分する処理の実行を前記サポートする基地局と前記無線端末との間で前記無線端末が切り替えるステップ;および、前記サポートする基地局または前記無線端末が、前記無線網から設定されたポリシーに基づいて、前記ユーザ・トラフィックを無線ベアラ間で最適配分するための配分を決定するステップ;および、前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替えるステップは、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙するセルの集合と前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれるセルの集合が一部重複するかまたは全部重複するならば:前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上でユーザ・トラフィックを伝送する処理;または、前記ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラの間で最適配分する処理;の一部または全ての実行を前記サポートする基地局の側に切り替えるステップを備える構成を採る。
さらに本発明の第1の側面においては、前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替えるステップは、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙する全てのセルと前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれる全てのセルが一対一に対応するならば、前記最適比率配分する処理の実行を前記サポートする基地局に切り替えるステップを備える、ことを特徴とする。
また、本発明の第2の側面は、一つ以上の基地局と無線端末との間で同時使用可能な複数の無線ベアラの中から選択された無線ベアラの上で、ユーザ・トラフィックを伝送する方法であって:無線網から受信した基地局情報と、前記複数の無線ベアラを介して前記無線端末が接続する基地局の一覧とを前記無線端末が対比するステップ;前記対比の結果、前記複数の無線ベアラの中の2つ以上が接続する2つ以上のセルを前記基地局の中のいずれかが重畳的にサポートする場合、前記無線ベアラを選択する処理の実行を前記サポートする基地局と前記無線端末との間で前記無線端末が切り替えるステップ;および、前記サポートする基地局または前記無線端末が、前記無線網から設定されたポリシーに基づいて、前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上で前記ユーザ・トラフィックを伝送するステップ;および、前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替えるステップは、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙するセルの集合と前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれるセルの集合が一部重複するかまたは全部重複するならば:前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上でユーザ・トラフィックを伝送する処理;または、前記ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラの間で最適配分する処理;の一部または全ての実行を前記サポートする基地局の側に切り替えるステップを備える構成を採る。
さらに本発明の第2の側面においては、前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替えるステップは、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙する全てのセルと前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれる全てのセルが一対一に対応するならば、前記無線ベアラを選択する処理の実行を前記サポートする基地局に切り替えるステップを備える、ことを特徴とする。
以上より、本発明は、無線網内の通信経路を状況に応じて適応的に制御するポリシー制御を実施するに際して、上述した連携セル間の接続切替やトラフィック配分を実行する仕組みを実現することができる。また、本発明は、無線網内の通信経路を状況に応じて適応的に制御するポリシー制御を実施するに際して、基地局側のマルチホーム機能と無線端末側の異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションとの連携の仕組みを実現することができる。加えて、本発明は、上述した経路制御に関し、同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大しても、無線網内の制御オーバーヘッドが増大しないようなポリシー制御を実現することができる。
マルチホーム機能を有する基地局の例を示す図 本実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図 本実施の形態においてユーザが使用する無線端末(UE)の装置構成を示す図 本実施の形態を実現する機能モジュール群の構成を示す図 無線端末10に配信される基地局情報の具体例を示す図 図4に示された機能モジュールの間での情報の流れを示すイベントフロー図 無線端末上で使用される無線ベアラを選択する方法を示すフローチャート 無線端末が同時使用可能な候補無線ベアラの一組を例示する図
以下の説明においては、まず、本実施の形態の実施のために無線網内で使用されるマルチホーム型基地局の具体例について図1を参照しながら説明する。次に、本実施の形態が実現される無線通信システム全体のネットワーク構成と当該無線通信システム内においてユーザが使用する無線端末のハードウェア構成を図2および図3を使用して説明する。続いて、図2に示すネットワーク構成および図3に示す無線端末の装置構成を前提として本実施の形態が実現するポリシー制御の概要を、従来技術におけるポリシー制御との間の相違点を中心に説明する。続いて、図4を使用して、本実施の形態に係るポリシー制御の仕組みを図2に示すネットワーク構成と図3に示す無線端末の上でそれぞれ実現するための機能モジュール構成を説明する。続いて、図4〜図9を参照しながら、本実施の形態に係るポリシー制御の動作の流れと共に、当該ポリシー制御の下で、無線端末が、マルチホーム機能を有する基地局側における連携セル間の通信切り替え動作と連携しながら、異なるRATに対応する複数の無線ベアラ間で通信を切り替える仕組みを説明する。
<1>本実施の形態に使用されるマルチホーム型基地局の具体例
以下、図1(A)および(B)を使用して、本実施の形態に使用されるマルチホーム型基地局の具体例について説明する。図1(A)においては、無線端末10Aは、フェムトセル基地局90Aを介して無線通信事業者網91と接続しており、無線端末10Bは、マクロセル基地局90Bを介して無線通信事業者網91と接続している。無線端末10Aおよび無線端末10Bは、無線通信事業者網91を介してインターネット網80とエンド・ツー・エンド通信することが可能である。同時に、フェムトセル基地局90Aおよびマクロセル基地局90Bはそれぞれ無線通信事業者網91を介さずにインターネット網80に直接トラフィックを転送するためのネットワーク接続であるSIPTO(Selected IP Traffic Offload)接続を有する。SIPTO接続は、例えば、以下のようにして実現される。個人の自宅内に設置された例示的なフェムトセル基地局は、当該個人がインターネットとの接続のために契約しているISP(Internet Service Provider)が提供するISP網を介して無線通信事業者網に接続すると共に、インターネットにも直接接続している。従って、当該フェムトセル基地局は、当該自宅内において自身が通信中の無線端末が送受信する音声呼トラフィックを、ISP網を介して無線通信事業者網に転送すると同時に、無線通信事業者網を介さずに、インターネット通信トラフィックをインターネット網に直接転送する(SIPTO)ことが出来る。
フェムトセル基地局90Aは、無線端末10Aとの間で通信するトラフィックがインターネット通信トラフィックであるか音声呼トラフィックであるかを判別し、インターネット通信トラフィックであれば、SIPTO接続を介して当該トラフィックをインターネット網80に直接転送する。その結果、当該インターネット通信トラフィックが無線通信事業者網91からオフロードされる。同様に、マクロセル基地局90Bは、無線端末10Bとの間で通信するトラフィックがインターネット通信トラフィックであるか音声呼トラフィックであるかを判別し、インターネット通信トラフィックであれば、SIPTO接続を介して当該トラフィックをインターネット網80に直接転送する。その結果、当該インターネット通信トラフィックが無線通信事業者網91からオフロードされる。なお、上述した無線通信事業者者網91は、WSP(Wireless Service Provider)網とも呼ばれ、コア網やその背後にあるPDNを含むことが可能である。
このように、フェムトセル基地局90Aは、セルラー携帯電話網を構成する基地局でありながら無線通信事業者のコア網を介さずに、ブロードバンド回線(FTTH(Fiber-To-The-Home)など)などを経由してインターネットに直接接続する網接続形態を有する。この接続形態は一般に「SIPTO」と呼ばれる接続形態である。フェムトセル基地局90Aは、インターネットへのこのような網接続形態を無線端末に提供する際に、エア・インターフェースやキャリア周波数として、IEEE 802.11a/b/g/n等において規定される無線LAN用のエア・インターフェースやキャリア周波数を使用することも可能である。このようにすることにより、当該フェムトセル基地局90Aは、無線端末からのインターネット接続のためにセルラー携帯電話網へのアクセスと無線LANアクセスの両者を提供することができる。
以上より、フェムトセル基地局90Aは、セルラー網用の通信セルおよび無線LANの通信カバレージ・エリアの両者を無線端末に提供することが出来る。上述したセルラー網用の通信セルおよび無線LANの通信カバレージ・エリアのように、互いに異なるRAT(無線アクセス技術)に対応するけれども、同一の基地局によって重畳的に提供される複数のセルを以下においては連携セルと呼ぶことにする。マルチホーム型の基地局や無線アクセスポイントとは、フェムトセル基地局90Aのように、複数の連携セルを重畳的に同時サポートすることが出来る基地局や無線アクセスポイントである。
図1(B)の左側は、フェムトセル基地局90Aが、セルラー網用の通信セルおよび無線LANの通信カバレージ・エリアの両者を無線端末に提供している状態を示す。この状態においては、フェムトセル基地局90Aは、セルラー網用に接続する無線ベアラと無線LANに接続する無線ベアラの両者を同時並列的に使用して無線端末10に無線網アクセス・サービスを提供することが可能である。すなわち、基地局がマルチホーム型である場合、互いに異なるRATに対応する複数の連携セル(および対応する無線ベアラ)が同一の基地局から無線端末に対して同時並列的に提供され、無線端末はこれら複数の連携セルを使用して同一の基地局に対して並列無線伝送が可能となる。この場合、無線端末10における異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションの実行はオフとし、フェムトセル基地局90Aにおいて、異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションに相当する機能を実行することが可能である。すなわち、互いに異なるRATに対応する複数の無線ベアラを切り替えて無線伝送したり、これら複数の無線ベアラ間でユーザ・トラフィックを配分制御したりする機能は、無線端末10側で実行する替わりにフェムトセル基地局90Aにおいて実行することが可能である。
他方、図1(B)の右側は、無線端末10が、マルチホーム機能を持たないセルラー基地局90Cと無線LANアクセスポイント90Dの両者によってサービスされている状態を示している。この状態においては、セルラー基地局90Cは、セルラー網へ接続する通信セルと無線ベアラのみを無線端末10に提供し、無線LANアクセスポイント90Dは、無線LANへ接続する通信カバレージ・エリアと無線ベアラのみを無線端末10に提供する。さらに、この状態においては、無線端末10は、セルラー基地局90Cが提供する通信セルと無線LANアクセスポイント90Dが提供する通信カバレージ・エリアとの交差領域に位置している。この場合、無線端末10における異種RAT間接続切替やリンク・アグリゲーションの実行はオンとし、互いに異なるRATに対応する複数の無線ベアラを切り替えたり、これらの無線ベアラ間でユーザ・トラフィックを配分制御したりする機能は、無線端末10側で実行しなければならない。
<2>本実施の形態に係る無線通信システムのネットワーク構成
以下、図2を使用して、本実施の形態に係る無線通信システムのネットワーク構成を説明する。図2の無線通信システムは、UE10、一つ以上の無線アクセス網40A〜40C、無線アクセス網40A〜40Cとコア網ゲートウェイ61〜62を介して接続された一つ以上のコア網(CN: Core Network)51/52、コア網51/52とPDNゲートウェイ71/72を介して接続されたインターネット網80およびインターネット網80に接続されたサーバ20から構成される。
無線アクセス網40A〜40Cは、無線通信を介したコア網への無線アクセス経路をUE10に対して提供するネットワークであり、無線アクセス網40A〜40Cの各々は、互いに異なるRATに基づくことが可能である。例えば、無線アクセス網40Aは、3GPPが標準化を進めるE−UTRAN標準に基づいたLTE網とすることが出来、無線アクセス網40Bは、IEEE802.16e標準に基づいたWiMAX網とすることが出来、無線アクセス網40Cは、Wi−Fiのような無線LAN網とすることが出来る。なお、無線アクセス網40Cは、一つ以上の無線LANアクセスポイントとそれらを結ぶイーサネット・ハブ、ブロードバンド・ルータおよびケーブルモデム等から構成されることが可能である。
コア網51および52は、無線通信サービス提供事業者内において多数のルータ機器やネットワーク制御用サーバ機器を高速回線で接続することによって形成され、UEのインターネットへの接続(E−UTRANのコア網においてはP−GW(PDN-Gateway)の機能に相当する)、UEの端末モビリティ管理(E−UTRANのコア網においてはMMEの機能に相当する)またはUEの通信サービス認証(E−UTRANのコア網においてはHSSの機能に相当する)などの機能を実行する。例えば、コア網51は、無線アクセス網40Aおよびコア網ゲートウェイ61を介してUE10から無線アクセスが可能である。他方、コア網52は、無線アクセス網40Bおよびコア網ゲートウェイ62を介してUE10から無線アクセスが可能である。図2には示されていないが、2つ以上の異なる無線アクセス網を介して同一のコア網に無線アクセスすることも可能である。
ISP網53は、無線LAN網40Cをルータ網(PDN: Packet Data Network)54に接続するためのFTTH(Fiber-To-The-Home)回線、DSL(Digital Subscriber Line)回線、LAN間接続広域網、広域イーサネット等とすることが可能である。
PDNゲートウェイ71/72は、コア網51/52をルータ網(PDN: Packet Data Network)54にそれぞれ接続し、これにより、コア網51/52は、ルータ網(PDN: Packet Data Network)54を経由してインターネット網80との間でトラフィックを通信することが可能となる。コア網51がE−UTRAN標準に基づいて構成されている場合には、PDNゲートウェイ71は、P−GW(PDN-Gateway)とすることが可能である。
ルータ網(PDN: Packet Data Network)54は、コア網51/52とインターネット網80との間およびISP網53とインターネット網80との間に介在するパケット交換型のネットワークであり、無線通信事業者網間でのローミング・トラフィックの転送制御も提供する。なお、ルータ網54は、図2のネットワーク構成において、複数のコア網51/52をインターネット網80に接続する単一のネットワークとして描かれているが、複数のルータ網54が無線通信事業者毎に存在するような構成としてもよい。また、コア網51およびコア網52はそれぞれ異なるルータ網54を経由してインターネット網80と接続しても良い。
図2に示すネットワーク構成において、無線網内の通信に対するポリシー制御動作を管理するポリシー制御サーバをコア網51/52内、ルータ網(PDN: Packet Data Network)54内またはインターネット網80内に設置することが可能である。コア網51/52が3GPPリリース7の規定に従って構成されている場合、当該ポリシー制御サーバはコア網51/52内のP−GW(PDN-Gateway)の機能の一部として実装することが可能である。この場合、P−GW(PDN-Gateway)は図2のコア網51内に設置された外部接続ゲートウェイ71としても良い。なお、本実施の形態に係るポリシー制御サーバは特定のコア網や特定の無線アクセス網に限定されないポリシー制御を実行する。そのため、当該ポリシー制御サーバが例えば、コア網51内に設置されている場合であっても、当該ポリシー制御サーバは、インターネット網80を介して他のコア網内のネットワーク機器との間でポリシー制御に関する通信を実行することが可能である。また、当該ポリシー制御サーバがインターネット網80内に設置される場合、当該ポリシー制御サーバは、コア網51/52との間でポリシー情報を通信するためにTCP/IPプロトコル層構造と互換性を有するCOPS(Common Open Policy Service)プロトコルを使用しても良い。また、コア網51内に設置されたポリシー制御サーバがインターネット網80を介して他のコア網52内のネットワーク機器との間でポリシー情報を通信するために、TCP/IPプロトコル層構造と互換性を有するCOPS(Common Open Policy Service)プロトコルを使用しても良い。
図2において、無線ベアラ30Aは、UE10をLTE網である無線アクセス網40Aに接続する無線接続手段である。同様に、無線ベアラ30Bは、UE10をWiMAX網である無線アクセス網40Bに接続する無線接続手段である。無線ベアラ30Cは、UE10をWi−Fi網である無線アクセス網40Cに接続する無線接続手段である。
図2において、UE10は、無線ベアラ30A〜30Cのいずれか一つ以上を使用して、無線アクセス網40A〜40Cのいずれか一つ以上と無線接続する。続いて、UE10は、無線アクセス網、コア網51/52およびインターネット網80を経由してサーバ20との間でTCP/IPに基づくエンド・ツー・エンド通信を行う。
<3>本実施の形態において使用されるUEのハードウェア構成
以下、図3を使用して、本実施の形態に係る無線通信システム内において使用されるUE10のハードウェア構成を説明する。
図3において、UEは、無線信号を送受信するアンテナ101、アンテナ101と接続された無線インターフェース102a〜102n、メモリ103、制御プロセッサ104、制御プロセッサ104との間で入出力データをやり取りしながらユーザとUE10との間のユーザ・インターフェースを制御するユーザ入出力装置105、およびUE10の設定パラメータなどを記憶する永続的な記憶媒体であるストレージ106およびバス107から構成される。上述したメモリ103、制御プロセッサ104、ユーザ入出力装置105、およびストレージ106は、バス107を介して相互に接続されている。
無線インターフェース102a〜102nの各々は、受信したRF信号を周波数ダウンコンバートしてデジタル化し、復調し、そして復号化することにより、デジタル情報に変換して後続の情報処理のために提供する。これとは逆に、無線インターフェース102a〜102nの各々は、UE10内で生成されたデジタル情報を、符号化し、変調し、そして周波数アップコンバートすることによりRF信号に変換して無線送信のためにアンテナ101に提供する。無線インターフェース102a〜102nの各々は、LTE、WiMAXまたは無線LANなどのような複数の異なる種類のRATに対応した信号処理を実行可能となるように構成されている。すなわち、無線インターフェース102a〜102nの各々は、n種類のRATの各々と一対一に対応する。例えば、無線インターフェース102aは、LTE網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成され、無線インターフェース102bは、WiMAX網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成され、無線インターフェース102cは、無線LAN網に対応した無線信号の送受信処理を実行可能に構成されている。
メモリ103は、無線インターフェース102a〜102nが後述する制御プロセッサ104との間でやり取りするデジタル情報やUE10全体を制御するプログラムなどを記憶する。
制御プロセッサ104は、メモリ103からプログラムを読み出してUE10全体の制御、無線インターフェース102a〜102nを介してアンテナ101から送信されるデジタル情報の生成、無線インターフェース102a〜102nを介してアンテナ101から受信したデジタル情報の更なる処理などを実行する。
制御プロセッサ104は、無線インターフェース102a〜102nの中のいずれか一つ以上を選択的にイネーブルし、バス107を介して当該イネーブルされた無線インターフェースのみを介してデジタル情報をやり取りすることにより、特定のRATを選択的に使用して通信することが出来る。また、制御プロセッサ104は、無線インターフェース102a〜102nの全てをイネーブルし、バス107を介して全ての無線インターフェース102a〜102nを介してデジタル情報をやり取りすることにより、同時利用可能な全てのRAT(無線アクセス網)を同時に使用して通信することが出来る。
ユーザ入出力装置105は、UE10上に設けられた画面表示ディスプレイやキーパッドと制御プロセッサ104との間で入出力データのやり取りを行うと同時に、ユーザとUE10の間のユーザ・インターフェースの制御を行う。加えて、ユーザ入出力装置105は、UE10上に設けられた画面表示ディスプレイやキーパッドのデバイス状態や入出力ステータスが変化した際に、バス107を介して当該変化と関係付けられた割り込み処理を制御プロセッサ104に対して指示する。このような割り込み制御を可能とするために、ユーザ入出力装置105は、自身が管理する画面表示ディスプレイやキーパッドなどの入出力デバイス状態を電気的にモニタリングする機能を備えている。
<4>無線通信システム内における通信経路のポリシー制御の概要
(4−1)無線網内におけるポリシー制御の一般的な説明
ポリシー制御におけるポリシーは、運用ポリシーと機器設定ポリシーの2種類に大別される。運用ポリシーは無線網のネットワーク運用管理者が定めた網運用指針を記述するもの、無線網上で実行される個々の通信アプリケーション毎に、当該通信アプリケーションが要求する通信サービスの機能や品質を記述するもの等である。また運用ポリシーは、無線端末の通信制御機能の中でユーザが選択したい機能を記述するものであっても良い。他方、機器設定ポリシーは、運用ポリシーを無線網内の個々のネットワーク機器の動作に反映させるために、ポリシー制御の主体が運用ポリシーを解析した結果から生成するものであり、ポリシー制御主体によって個々のネットワーク機器に対して設定されるポリシーである。
無線端末が無線網を経由して通信するトラフィック・フローに対してポリシーに基づく通信経路制御を行う場合、ポリシー制御動作の各々は、判断段階と施行段階とに分けられる。判断段階は、無線端末側または無線網側からの要求によって開始され、無線端末側または無線網側から受信したトラフィック・フロー記述情報や無線網内のネットワーク機器の稼動情報に基づいて、当該トラフィック・フローに適用すべきポリシーの具体的内容を判断する。施行段階は、判断段階において決定されたポリシーの具体的内容を無線端末または無線網内のいずれか一つ以上のネットワーク機器に設定し、設定されたポリシーに従ってトラフィック・フローを転送するように、当該無線端末または当該ネットワーク機器に対して指示する。
上述したポリシー制御動作を無線網内において実装するためには、(1)ポリシー制御の対象となるネットワーク機器上において、外部から受信した機器設定ポリシーにより設定されたポリシー内容に従って、トラフィック・フローを転送するためのポリシー実施機能を実装し、さらに(2)無線網内において、ポリシー制御の対象となるネットワーク機器に対して設定すべき機器設定ポリシーを運用ポリシーの解析結果と状況に応じて判断し、当該ネットワーク機器に対して当該判断した機器設定ポリシーを設定するポリシー制御機構を実装する、ことが必要となる。3GPPリリース7の規定によれば、3GPPコア網(図2のコア網51など)内において、ポリシー制御の対象となるネットワーク機器(図2のコア網ゲートウェイ61〜63など)に対して設定すべき機器設定ポリシーを運用ポリシーと状況に応じて判断する主体は、PCRF(ポリシーおよび課金ルール機能)であり、ネットワーク機器に対して当該判断した機器設定ポリシーを設定する主体は、PCEF(ポリシーおよび課金施行機能)である。PCRFおよびPCEFは、コア網(図2のコア網51など)内においてポリシー制御機構を実装するポリシー制御サーバ(図2の外部接続ゲートウェイ71/72など)の機能として実現することが出来る。
(4−2)本実施の形態が、従来技術における通信経路ポリシー制御と相違する点
3GPPコア網内でのポリシー制御フレームワークであるPCCアーキテクチャを実装基盤として、無線端末が通信するトラフィック・フローの通信経路制御のために実行される特許文献1記載のポリシー制御は、本実施の形態とは以下の2つの点で異なっている。
(a)第1の相違点
本実施の形態においては、無線網内のポリシー制御機構から設定された機器設定ポリシーに従って通信経路制御の動作を調整するのは無線端末(図2および図3に示すUE10)およびマルチホーム機能を有する基地局のみである。これに対して、特許文献1を含む従来の通信経路ポリシー制御においては、無線網内のポリシー制御機構から設定された機器設定ポリシーに従って通信経路制御の動作を調整する対象となる機器は無線端末や基地局のみならず、無線端末の通信経路上に位置する無線網(図2のコア網51/コア網52など)内の全てのルータ機器やネットワーク機器(図2のコア網ゲートウェイ61〜63など)も含まれる。例えば、無線端末の通信経路上に位置する各ルータ機器は、ポリシー制御機構から異なる機器設定ポリシーを設定されることにより、同一の無線端末が通信するトラフィック・フローを異なる出力側網インターフェースにルーティングする場合がある。
(b)第2の相違点
また、本実施の形態においては、ポリシー制御フレームワークに基づく通信経路の制御とは、無線端末が異なるRATにそれぞれ接続するための複数の無線ベアラを切り替えたり同時使用したりする通信経路制御であり、無線アクセス網の先にあるコア網(図2のコア網51など)内での通信経路制御には関知しない。加えて、本実施の形態においては、複数の無線ベアラ間の切り替えや同時使用の設定変更動作は、無線網側のポリシー制御機構から一方的に指示されるものではなく、無線端末が当該ポリシー制御機構から受信したポリシーを参照しながら無線端末側の主導の下に実行される。従って、本実施の形態においては、通信経路制御に関する現在のポリシー設定状態は無線端末上でのみ管理すればよいので、本実施の形態に係るポリシー制御は端末主導型の通信経路ポリシー制御であると言える。
これに対して、特許文献1を含む従来の通信経路ポリシー制御においては、無線端末の通信経路上に位置するコア網(図2のコア網51など)内の全てのルータ機器やネットワーク機器(図2のコア網ゲートウェイ61〜63など)のルーティング動作が制御される。この場合、ルータ機器やネットワーク機器(図2のコア網ゲートウェイ61〜63など)に対するルーティング動作の設定変更は、無線網側のポリシー制御機構から一方的に指示されるものであり、ポリシー設定対象となるルータ機器やネットワーク機器(図2のコア網ゲートウェイ61〜63など)が自律的に判断するものではない。また、このような従来の通信経路ポリシー制御においては、無線端末が通信するトラフィック・フローに対して実行されるポリシー制御によってコア網(図2のコア網51など)内の通信経路自体が直接の制御対象とされる。その結果、ポリシー制御によってコア網内の通信経路が変更されると、当該変更を無線端末に対応するコア網(図2のコア網51など)内のモビリティ・アンカー(3GPPコア網においては、MMEまたはPDN−GWとして実装される)や無線ベアラ終端ノード(3GPPコア網においては、GGSNとして実装される)に反映させる必要が生じる。そのため、当該無線端末は、当該モビリティ・アンカーや当該無線ベアラ終端ノードとの間で、ポリシー設定変更に関する同期をとらなくてはならなくなる。言い換えれば、特許文献1を含む従来の通信経路ポリシー制御は、ポリシー設定変更をコア網全体で同期をとりながら管理する必要のあるネットワーク主導型のポリシー制御であると言える。
<5>本実施の形態に係るポリシー制御機能を実現する機能モジュール構成
以下、図4を参照しながら、図2に示すネットワーク構成と図3に示す無線端末の上で、本実施の形態に係るポリシー制御の仕組みを実現するための機能モジュール構成を説明する。
(5−1)全体構成の概観
図4において、上記(ii)で述べた無線網側のポリシー制御機構に相当するポリシー制御機構200は、外部ベアラ設定部210、外部情報取得部220およびオペレーション・システム(網運用管理システム)230の3つの機能モジュールから構成される。外部ベアラ設定部210および外部情報取得部220は、無線網内に設置されたポリシー制御サーバが、専用のサーバ・ソフトウェアを実行することにより実現される。図4に示すポリシー制御機構200は特定の無線コア網や特定の無線アクセス網に限定されない共通のポリシー制御の仕組みを、無線端末(UE)10から利用可能な全ての無線網に対して提供する。そのため、ポリシー制御機構200を実装するポリシー制御サーバはインターネット網80や特定の無線コア網から独立したルータ網(PDN(Packet Data Network))54の中に設置するのが好適である。ポリシー制御サーバが特定のコア網内に設置される場合は、当該ポリシー制御サーバは、他のコア網内のポリシー設定対象機器との間でCOPSプロトコルなどを使用してポリシー情報のやり取りをする。また、2つ以上のルータ網54が無線通信事業者毎に存在し、いずれか一つのルータ網54内にポリシー制御サーバを設置する場合、COPSプロトコルなどを使用して、全てのルータ網54内の網情報をポリシー制御サーバが設置されるルータ網54に集約することも可能である。その結果、このような複数ルータ網構成においても、図4に示すポリシー制御機構200を特定の無線コア網や特定の無線アクセス網に限定されない共通のポリシー制御の仕組みとして提供することが可能となる。
図4に示すとおり、ポリシー制御機構200は、無線ベアラ1、無線ベアラ2、…、無線ベアラNを介して無線端末(UE)10と接続されており、無線ベアラ1〜無線ベアラNを介したN本の無線通信経路は、それぞれN個の異なる無線アクセス網(第1のRAT〜第NのRAT)を経由し、さらにそれら無線アクセス網の背後にある一つ以上の無線コア網のいずれかを経由する。ポリシー制御機構200が特定の無線ベアラと関連した機器設定ポリシーを無線端末(UE)10に設定する際には、当該特定の無線ベアラを介して当該機器設定ポリシーを配信する。図4においては、無線ベアラ1〜無線ベアラNがそれぞれ接続する無線アクセス網を、それらの背後にある無線コア網とまとめた形で、無線網300〜無線網300として図示している。
(5−2)無線網側のポリシー制御機構200の機能モジュール構成
次に、ポリシー制御機構200の機能モジュール構成を以下のとおりに説明する。
外部ベアラ設定部210は、異なるRATに接続する複数の無線ベアラを無線端末(UE)10が選択する動作をポリシーに基づいて制御するために、当該無線端末に対して所定の機器設定ポリシーを設定する。この時、当該無線端末に対する機器設定ポリシーの設定は、以下のようにして達成される。まず最初に、当該ポリシー制御サーバが当該無線端末に対してCOPSプロトコルなどのポリシー伝達プロトコルを使用して設定すべき機器設定ポリシーの内容を送信する。続いて、当該無線端末内のポリシー実施機構が、当該送信された機器設定ポリシーの内容に従って、自身の動作制御パラメータなどを設定変更する。
外部ベアラ設定部210は、取得情報分析部211とポリシー配信部212とから構成される。取得情報分析部211は、無線網のネットワーク運用管理者が手動で設定した運用ポリシーや無線網を構成する多数のネットワーク機器から収集したネットアーク機器情報を分析して個々の無線端末(UE)10に設定すべき機器設定ポリシーの内容を決定する。加えて、取得情報分析部211は、無線網を構成する多数のネットワーク機器から収集したネットアーク機器情報を分析して個々の無線端末(UE)10に送信すべき基地局情報を決定する。基地局情報が果たす役割とその具体的な構成については後述する。ポリシー配信部212は、無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれか一つ以上を介して無線端末(UE)10と接続される。ポリシー配信部212は、取得情報分析部211が決定した機器設定ポリシーをポリシー制御対象となる無線端末に設定するために、無線端末(UE)10に対して当該決定された機器設定ポリシーを、無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれか一つ以上を介して配信する。同時に、ポリシー配信部212は、取得情報分析部211が決定した基地局情報を無線端末(UE)10に対して伝達するために、当該基地局情報を無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれか一つ以上を介して配信する。
外部情報取得部220は、ネットワーク情報取得部221とオペレーター・ポリシー取得部222から構成される。ネットワーク情報取得部221は、無線網内の各ネットワーク機器からその機器の現在の稼動状態や現在の通信能力に関するネットワーク機器情報を収集する。例えば、ネットワーク情報取得部221は、無線ベアラ1〜無線ベアラNがそれぞれ接続する無線網300〜無線網300を構成するルータ機器やネットワーク機器から、その機器の構成、機能、稼働状況および通信性能に関するネットワーク機器情報を収集する。オペレーター・ポリシー取得部222は、無線網のネットワーク運用管理者が手動で設定した運用ポリシーを取得する。外部情報取得部220は、ネットワーク情報取得部221とオペレーター・ポリシー取得部222がそれぞれ取得したネットワーク機器情報と運用ポリシーを取得情報分析部211に伝達する。
オペレーション・システム230は、個々の無線通信事業者網毎に設けられ、無線時通信事業者網の個数分だけ存在する(図4の230A〜230N)。無線通信事業者網毎のオペレーション・システム230は、自身の管理下にある無線通信事業者網内の全てのネットワーク機器からそれらのネットワーク機器の構成や機能を記述する情報である「ネットワーク機器情報」を収集し、外部情報取得部220内のネットワーク情報取得部221に報告する。一実施形態においては、n個の無線通信事業者網は、図4の無線網300〜300にそれぞれ対応しても良い。この場合、無線網300を構成する全てのネットワーク機器の構成、機能、稼働状況および通信性能を記述するネットワーク機器情報は、図4のオペレーション・システム230Aによって収集され、無線網300を構成する全てのネットワーク機器のネットワーク機器情報は、図4のオペレーション・システム230Bによって収集され、…、無線網300内のネットワーク機器情報は、図4のオペレーション・システム230Nによって収集される。なお、個々のオペレーション・システム230は、個々の無線通信事業者網に設置されたネットワーク運用管理サーバによって実現されることが可能である。一実施例においては、当該ネットワーク運用管理サーバは、当該無線通信事業者網を構成する各ネットワーク機器のMIB(Module Information Base)をSNMPプロトコルでアクセスすることにより、各ネットワーク機器の構成、機能、稼働状況および通信性能を記述するネットワーク機器情報を収集することが可能である。オペレーション・システム230A〜230Nが収集した無線網300〜300内の全てのネットワーク機器に関するネットワーク機器情報は外部情報取得部220内のネットワーク情報取得部221によって収集される。
(5−3)無線端末(UE)10側の機能モジュール構成
次に、図4における無線端末(UE)10側の機能モジュール構成について説明する。この機能モジュール構成は、無線網側から供給されるポリシーを参照しながら、無線端末(UE)10上において異なるRATにそれぞれ接続する複数の無線ベアラの切り替えや同時並列アクセスを制御するための上記(i)の仕組みに相当する。無線端末(UE)10側の機能モジュール構成は、内部ベアラ設定部110および内部情報取得部120の2つの機能モジュールから構成される。無線端末(UE)10側の上述した機能モジュールは、無線端末(UE)10内の制御プロセッサ104が、ストレージ106からメモリ103上に読み込んだ専用のソフトウェア・プログラムを実行することによって実現される。
内部ベアラ設定部110は、無線端末(UE)10から同時利用可能な無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から無線端末(UE)10が無線網に接続するために使用する一つ以上の無線ベアラを選択する機能を実行する。この際、無線端末(UE)10が無線網に接続するために、内部ベアラ設定部110により2つ以上の無線ベアラが選択された場合には、内部ベアラ設定部110はさらに、当該2つ以上の無線ベアラ上で通信するトラフィック量を当該2つ以上の無線ベアラの間で最適に配分する動作を実行する。この時、内部ベアラ設定部110が上述のとおり実行する無線ベアラの選択、および当該選択された無線ベアラ間でのトラフィック最適配分は、ポリシー配信部212から無線端末10に設定された機器設定ポリシーが記述する基準に従って実行される。以下の説明においては、内部ベアラ設定部110が上述のとおり実行する無線ベアラの取捨選択の動作、および当該選択された無線ベアラ間でのトラフィック最適配分の動作を単にベアラ選択動作と呼ぶ。
内部ベアラ設定部110は、まず最初に、ポリシー配信部212から配信された基地局情報および機器設定ポリシーを受信する。続いて、内部ベアラ設定部110は、当該基地局情報に基づいてベアラ選択動作を無線端末(UE)10において実行すべきであるか、無線端末(UE)10が接続する基地局側で実行すべきであるかを決定する。すなわち、内部ベアラ設定部110は、当該基地局情報に基づいて、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末(UE)10とこれが接続する基地局との間で切り替えるための判断を実行する。ベアラ選択動作の実行主体を無線端末(UE)10に切り替えるべきと判断した場合、内部ベアラ設定部110は、同時利用可能な無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から無線端末10が通信に使用する無線ベアラを取捨選択する動作の実行を切替部111または同時通信処理部112のいずれか一方に実行させる。そのため、内部ベアラ設定部110は、同時利用可能な無線ベアラの中からトラフィック伝送に使用する無線ベアラを取捨選択し、無線ベアラ間でトラフィック配分制御を行う基準として上記機器設定ポリシーを切替部111または同時通信処理部112のいずれか一方に伝達する。無線ベアラを取捨選択する動作の実行を、内部ベアラ設定部110内において、切替部111または同時通信処理部112のいずれが実行すべきかについては、後述するようにアクティベート部113によって決定される。ただし、後述するとおり、ベアラ選択動作の実行主体が無線端末(UE)10からこれと通信中の基地局の側に切り替えられる場合がある。そのため、ポリシー配信部212は、当該基地局に対してもベアラ選択動作を制御するために必要な基地局情報と機器設定ポリシーを配信しなくてはならない。
内部ベアラ設定部110は、切替部111、同時通信処理部112およびアクティベート部113から構成される。
切替部111は、まず最初に、ポリシー配信部212から無線端末(UE)10に設定された機器設定ポリシ−に基づいて、無線ベアラを選択する。続いて、切替部111は、当該選択された無線ベアラを介して上りリンク信号を送信する。なお、切替部111は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの一つ以上を介して下りリンク信号を無線網側から受信する場合にも、上記と同様の制御を行う。その場合、切替部111によって選択される無線ベアラが下りリンクの場合と上りリンクの場合とで異なっていても良い。同時通信処理部112は、まず最初に、ポリシー配信部212から無線端末(UE)10に設定された機器設定ポリシ−に基づいて、無線ベアラ毎に伝送可能な情報信号のビット数を割り当てる。続いて、同時通信処理部112は、各無線ベアラを介して、各無線ベアラに割り当てたビット数だけ上りリンク信号を送信する。なお、同時通信処理部112は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの一つ以上を介して下りリンク信号を無線網側から受信する場合にも、上記と同様の制御を行う。この時、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中で、上りリンク信号または下りリンク信号の送受信のために選択されない無線ベアラに関しては、同時通信処理部112は、伝送可能な情報信号のビット数として0ビットを割り当てることにより、当該無線ベアラを選択対象から外すことができる。以上のようにして、同時通信処理部112は、無線網側から設定されたポリシーに従って、複数の無線ベアラ間での上りリンクおよび下りリンクのトラフィック配分を最適化する。なお、無線網側から設定されたポリシーを考慮して、同時通信処理部112が複数の無線ベアラ間でのトラフィック配分を最適化する際、上りリンクと下りリンクでトラフィック配分が異なるようにトラフィック配分を決定しても良い。
アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する単一の無線ベアラを選択する機能を実行開始するタイミングを切替部111に対して指示する。代替的に、アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する一つ以上の無線ベアラの間でトラフィックの最適配分を実行開始するタイミングを同時通信処理部112に対して指示する。また、アクティベート部113は、無線端末(UE)10が通信に使用する無線ベアラを取捨選択する動作を切替部111または同時通信処理部112のいずれに実行させるかを決定する。当該決定動作は、ユーザが無線端末(UE)10に設定した機器設定ポリシーに従って、アクティベート部113が実行してもよい。
アクティベート部113は、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきであると内部ベアラ設定部110が判断した時に内部ベアラ設定部110によって起動され、切替部111または同時通信処理部112に対して上記動作を実行する。内部ベアラ設定部110は、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきか否かの判断動作を一定時間間隔で周期的に実行することが可能である。また、別の実施態様として、内部ベアラ設定部110は、無線端末(UE)10内のソフトウェアまたはハードウェアにより生成される所定のイベント事象の発生を検出し、当該イベント事象の発生に応じて、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきか否かを判断することが可能である。
内部情報取得部120は、無線端末10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などを計測し、当該計測の結果を内部情報として内部に記憶しておき、当該記憶しておいた内部情報を内部ベアラ設定部110からの要求に応じて内部ベアラ設定部110に伝達する。内部情報取得部120が、無線端末(UE)10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などを計測する動作は、以下のように実現することが出来る。例えば、無線端末(UE)10内において、内部情報取得部120を実行中の制御プロセッサ104(図3)が、メモリ103(図3)上に常駐するオペレーティング・システムによって提供される通信動作モニタリング用のAPIを呼び出して実行することにより上述した計測を行える。内部情報取得部120から内部ベアラ設定部110に伝達されたこの内部情報は、内部ベアラ設定部110がポリシー配信部212から配信された機器設定ポリシーを無線端末(UE)10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などを勘案して修正するために使用される。この点に関する詳細は後述する。
<6>ポリシー制御動作の流れ
以下、図4〜図9を参照しながら、図4に示された無線網側と無線端末(UE)側の機能モジュール群が互いに連携してポリシー制御動作を実現する際の動作の流れを説明する。
(6−1)ポリシー制御機構200側の動作の流れ
以下の説明のために参照する図5は、ポリシー制御機構200から無線端末(UE)10に配信される基地局情報の具体例を示す図であり、図6は、図4に示された無線網側と無線端末(UE)側の機能モジュール群の間での情報の流れを示すイベントフロー図である。
まず、最初に、外部ベアラ設定部210内のポリシー配信部212は、無線端末(UE)10に設定するために生成した機器設定ポリシーを無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれかを介して無線端末10に配信する(図6のステップS1000)。この時に無線端末(UE)10に配信される機器設定ポリシーの役割と情報内容に関しては後述する。続いて、オペレーション・システム230A〜230Nの各々は、自身の管理下にある無線網内の全てのネットワーク機器の構成や機能を記述する情報を収集する(図6のステップS1001)。例えば、オペレーション・システム230Aは、無線網300を構成する全てのネットワーク機器のネットワーク機器情報を収集し、オペレーション・システム230Bは、無線網300を構成する全てのネットワーク機器のネットワーク機器情報を収集し、…、オペレーション・システム230Nは、無線網300内のネットワーク機器情報を収集する。続いて、外部情報取得部220内のネットワーク情報取得部221は、無線網300〜300内の全てのルータ機器やネットワーク機器のネットワーク機器情報をオペレーション・システム230A〜230Nから収集する(図6のステップS1002およびS1003)。図4の無線網300は、LTE網などのセルラー無線網とその背後にある無線コア網やルータ網を一体的に図示するものであり、図4の無線網300は、無線LANとその背後にある無線コア網やルータ網を一体的に図示するものである。
続いて、ネットワーク情報取得部221は、オペレーション・システム230から取得したネットワーク機器情報を外部ベアラ設定部210内の取得情報分析部211に送信する(図6のステップS1004)。
これと並行して、オペレーター・ポリシー取得部222は、ネットワーク運用管理者から無線網の運用ポリシーを手動で入力されると、当該入力された運用ポリシーを取得情報分析部211に送信する。
続いて、取得情報分析部211は、無線網300〜300内において各無線ベアラの通信経路上に位置するネットワーク機器から収集したネットワーク機器情報から基地局情報を生成する。基地局情報とは、各基地局が重畳的に同時サポートする連携セルを基地局毎に列挙する情報であり、無線網300〜300に接続している全てのマルチホーム型基地局やマルチホーム型無線アクセスポイントについて生成され、単一の表形式にまとめられる。なお、無線網300〜300内に存在する全ての基地局や無線アクセスポイントについて基地局情報を生成すると、基地局情報の情報量が膨大となる。そのため、取得情報分析部211は、無線端末(UE)10が位置する地理的位置を中心として所定の範囲内にある基地局や無線アクセスポイントのみについて基地局情報を生成することが可能である。それにより、無線端末(UE)10が近い将来接続する可能性のある基地局または無線アクセスポイントについてだけ、基地局情報が生成される。基地局情報の具体例を図5に示す。
以下、図2に示したネットワーク構成を前提として、図5に例示した基地局情報について説明する。基地局情報の具体例として図5に示す表において、項番=1、2、3、…、と表記された各行は、マルチホーム機能を有する基地局や無線アクセスポイントの各々が重畳的に同時サポートする全ての連携セルのセル識別子(セルID)を列挙するものである。ここで、連携セルの中の一つ以上が無線LANである場合には、当該連携セルを識別するためにセルラー無線網が定義するセルIDを使用するのではなく、当該連携セルに通信カバレージを提供する無線LANアクセスポイントのMACアドレスを使用しなくてはならない。そこで、以下の説明では、連携セルを識別する識別子として、無線LANの通信エリアを識別するMACアドレスとセルラー無線網内のセルを識別するセルIDの両者を総称してセルIDと呼ぶ。例えば、項番=1の行に対応するマルチホーム型の基地局は、以下の3つのセルを異種RATに対応する連携セルとして重畳的にサポートする。これらは、セルID=100をセル識別子とするLTEセル(プライマリ・セル)、セルID=200をアクセスポイントのMACアドレスとする2GbpsのWiFi通信エリア、およびセルID=300をアクセスポイントのMACアドレスとする5GbpsのWiFi通信エリアの3つのセルである。同様に、項番=2の行に対応するマルチホーム型の基地局は、以下の4つのセルを異種RATに対応する連携セルとして重畳的にサポートする。これらは、セルID=110をセル識別子とするLTEセル(プライマリ・セル)、セルID=210をアクセスポイントのMACアドレスとする2GbpsのWiFi通信エリア、セルID=310をアクセスポイントのMACアドレスとする5GbpsのWiFi通信エリア、およびセルID=410をセル識別子とするWiMAX基地局の4つのセルである。
この基地局情報は、オペレーション・システム230A〜230Nの各々から、各オペレーション・システムによって管理される無線網300〜300の各々に接続する各基地局を経て無線端末10に配信される。これにより、無線端末(UE)10の基地局間ハンドオーバーに際して、無線端末10は、ハンドオーバー元の基地局とハンドオーバー先の基地局がそれぞれマルチホーム機能を有するか否かを知ることが出来る。加えて、無線端末(UE)10は、基地局間ハンドオーバーに際して、マルチホーム機能を有するこれらの基地局が重畳的に同時サポートする全ての連携セルと各連携セルに対応するRAT種別の一覧を取得することが出来る。
続いて、外部ベアラ設定部210内の取得情報分析部211は、ネットワーク情報取得部221から取得した無線網内のネットワーク機器のネットワーク機器情報およびオペレーター・ポリシー取得部222から取得した運用ポリシーに基づいて、各無線ベアラ(無線ベアラ1〜無線ベアラNの各々)についての無線端末(UE)10に設定すべき機器設定ポリシーを決定する。以下、外部ベアラ設定部210から無線端末(UE)10に設定される機器設定ポリシーの具体的な内容について説明する。当該機器設定ポリシーは、無線網300〜300にそれぞれ対応するRATのうち、無線ベアラ1〜無線ベアラNを介して無線端末10から同時に接続する可能性のある全てのRATの各々について、無線端末(UE)10上で適用される重み付け係数を含む。すなわち、この重み付け係数は、無線端末(UE)10が無線ベアラ間で上りリンクと下りリンクのトラフィック量を配分する際に使用され、各無線ベアラが対応するRAT種別に応じて無線ベアラ毎のトラフィック配分量を重み付けするための係数である。
取得情報分析部211は、無線端末(UE)10に設定すべき機器設定ポリシーに含まれる重み付け係数を無線端末10が接続する可能性のある全ての基地局の各々について決定することが可能である。取得情報分析部211は、例えば、以下の(S1)〜(S4)のようにして当該重み付け係数を基地局毎に決定することが可能である。
(S1)取得情報分析部211は、まず、一つ以上の無線通信事業者網に対応する無線網300〜300のそれぞれから収集したネットワーク機器情報を分析する。収集したネットワーク機器情報(例えば、網運用管理プロトコルSNMPによって規定されるMIB情報)は、無線網300〜300のそれぞれを構成するルータ機器やネットワーク機器の構成、機能、稼働状況および通信性能を表す。
(S2)続いて、取得情報分析部211は、当該分析の結果から、無線網300〜300を構成する無線アクセス網、コア網またはルータ網と各基地局との間のエンド・ツー・エンド通信経路上での接続関係を導出する。例えば、取得情報分析部211は、上記(S1)の分析の結果から、無線網300〜300内のルータ機器間の接続トポロジーやエンド・ツー・エンド通信経路を流れるパケットの追跡情報を抽出することができる。そして、取得情報分析部211は、これらの抽出結果に基づいて無線網300〜300を構成する無線アクセス網、コア網またはルータ網と各基地局との間のエンド・ツー・エンド通信経路上での接続関係を導出することが可能である。
(S3)続いて、取得情報分析部211は、上記(S1)および(S2)の分析の結果から、各基地局を通るエンド・ツー・エンド通信経路上にある無線アクセス網、コア網またはルータ網について、通信負荷などを推定する。具体的には、各網を構成するルータ機器やネットワーク機器の現在のパケット転送レートと最大パケット転送レートとの比を計算し、網全体に渡って当該比を平均し、この平均値を網全体の通信負荷の指標とすることが出来る。
(S4)その上で、取得情報分析部211は、上記(S3)の結果から、無線網300〜300の各々に対応するRAT毎に、無線アクセス網、コア網またはルータ網の通信負荷を評価することが出来る。続いて、取得情報分析部211は、各基地局を通るエンド・ツー・エンド通信経路毎に無線アクセス網、コア網またはルータ網のそれぞれについて現在の通信負荷が高いか通信負荷が増加傾向にあれば、対応するRATの重み付け係数を大きく設定する。逆に、取得情報分析部211は、各基地局を通るエンド・ツー・エンド通信経路毎に無線アクセス網、コア網またはルータ網のそれぞれについて、現在の通信負荷が低いか通信負荷が減少傾向にあれば、対応するRATの重み付け係数を小さく設定する。なお、取得情報分析部211が、上述した重み付け係数をRAT毎に決定するに当たっては、オペレーター・ポリシー取得部222から取得した運用ポリシーを加味して決定しても良い。
また、別の実施形態においては、無線端末10に設定される機器設定ポリシーに含まれる重み付け係数は、以下のようにして決定されても良い。
(R1)まず、取得情報分析部211は、無線網300〜300のそれぞれに接続する各無線端末が無線ベアラ毎に使用している通信アプリケーションの種別に関する情報を取得する。各無線端末が無線ベアラ毎に使用している通信アプリケーション種別は、ネットワーク情報取得部221によって無線網300〜300から収集されたネットワーク機器情報、およびネットワーク情報取得部221によって各無線端末から収集された情報に基づいて得ることが出来る。
(R2)続いて、取得情報分析部211は、オペレーター・ポリシー取得部222によって提供される運用ポリシーの中から、複数の異なる通信アプリケーション種別の各々と複数の異なるRATとの間の適合度合いに関する情報を抽出する。例えば、RATがLTE網に対応する場合、LTE網は携帯電話通信事業者によって運用管理されるセルラー無線網であるため、他のRATと比較した場合に、セキュリティ強度が高く、高度なQoS保証機能を提供することが出来る。従って通常は、上記運用ポリシーにおいて、LTE網に対応するRATとオンライン・バンキングのように厳格なセキュリティと認証を要求する通信アプリケーション種別との間の適合度合いは高く設定されている。逆に、上記運用ポリシーにおいて、公衆WiFi網のようにセキュリティ機能や認証機能が脆弱なRATとオンライン・バンキングのように厳格なセキュリティと認証を要求する通信アプリケーション種別との間の適合度合いは低く設定されている。
(R3)続いて、取得情報分析部211は、各無線ベアラに対応するRATと各無線ベアラが使用している通信アプリケーション種別との間の適合度合いに応じて、各無線端末から同時使用可能な一つ以上の無線ベアラの各々に対して重み付け係数を割り当てる。
最後に、外部ベアラ設定部210内のポリシー配信部212は、無線端末(UE)10に設定するために生成した機器設定ポリシーと基地局情報を取得情報分析部211から受け取り、無線ベアラ1〜無線ベアラNのいずれかを介して無線端末10に配信する(図6のステップS1005)。無線端末10に配信された基地局情報と機器設定ポリシーは、同時使用可能な複数の無線ベアラの中から無線端末10が通信に使用するものを取捨選択するために、無線端末10によって使用される(図6のステップS1006)。
なお、図7を参照しながら後述するとおり、無線端末10は、同時使用可能な複数の無線ベアラの中から通信に使用するものを取捨選択する動作の実行を、無線端末10と通信中のマルチホーム型基地局に切り替える場合がある。その場合、ポリシー配信部212から無線端末10に設定されるべき機器設定ポリシーは、当該マルチホーム型基地局にも配信され、当該マルチホーム型基地局は、当該機器設定ポリシーを使用して同時使用可能な複数の無線ベアラの中から無線端末10との通信に使用するものを取捨選択する。
(6−2)無線端末10側の動作の流れ
まず、内部ベアラ設定部110は、ベアラ選択動作の実行主体をマルチホーム機能を有する基地局から無線端末10側に切り替えるべきか否かを判断する。ベアラ選択動作は、無線端末10が同時使用可能な一つ以上の無線ベアラの中からユーザ・トラフィック伝送に使用する無線ベアラを取捨選択したり、これらの無線ベアラ間でトラフィックの配分制御を実行したりする動作である。内部ベアラ設定部110は、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきか否かの判断動作を一定時間間隔で周期的に実行することが可能である。また、別の実施態様として、内部ベアラ設定部110は、無線端末(UE)10内のソフトウェアまたはハードウェアにより生成される所定のイベント事象の発生を検出し、当該イベント事象の発生に応じて、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきか否かを判断することが可能である。なお、内部ベアラ設定部110がベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきか否かを、どのような基準に基づいてどのような方法で判断するかについては、図7のフローチャートに関連して具体的に後述する。
アクティベート部113は、ベアラ選択動作の実行主体を無線端末10側に切り替えるべきであると内部ベアラ設定部110が判断した時に内部ベアラ設定部110によって起動される。起動されたアクティベート部113は、ベアラ選択動作を切替部111または同時通信処理部112のいずれに実行させるかを決定する。当該決定動作は、ユーザが無線端末(UE)10に設定した機器設定ポリシーに従って、アクティベート部113が実行するようにしてもよい。ベアラ選択動作を切替部111に実行されると決定した場合、アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する単一の無線ベアラを選択する機能を実行開始するタイミングを切替部111に対して指示する。代替的に、ベアラ選択動作を同時通信処理部112に実行させると決定した場合、アクティベート部113は、無線ベアラ1〜無線ベアラNの中から通信に使用する一つ以上の無線ベアラの間でトラフィックの最適配分を実行開始するタイミングを同時通信処理部112に対して指示する。
続いて、内部ベアラ設定部110内において、アクティベート部113によって起動された切替部111または同時通信処理部112は、ベアラ選択動作を実行する。具体的には、切替部111は、まず最初に、ポリシー配信部212から無線端末10に設定された機器設定ポリシー内に記述された無線ベアラ毎の重み付け係数を参照し、最大の重み付け係数に対応する無線ベアラを選択する。続いて、切替部111は、当該選択された無線ベアラを介して上りリンク信号を送信する。他方、同時通信処理部112は、まず最初に、ポリシー配信部212から無線端末10に設定された機器設定ポリシー内に記述された無線ベアラ毎の重み付け係数を参照し、無線ベアラ毎に伝送可能な情報信号のビット数を重み付け係数の値に応じて割り当てる。続いて、同時通信処理部112は、各無線ベアラを介して、各無線ベアラに割り当てたビット数だけ上りリンク信号を送信する。それにより、同時通信処理部112は、無線ベアラ毎の上記重み付け係数に従って、複数の無線ベアラ間での上りリンクおよび下りリンクのトラフィック配分を最適化する。
このように、切替部111または同時通信処理部112が実行するベアラ選択動作は、ポリシー配信部212から無線端末10の内部ベアラ設定部110に対して配信された機器設定ポリシーと基地局情報を使用して実行される。続いて、起動された切替部111または同時通信処理部112は、各無線ベアラについて、無線端末10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などに関する計測値を、内部情報取得部120から取得する。内部情報取得部120から取得した各無線ベアラについての通信性能、通信設定、および通信状態などを表す情報には、(1)各無線ベアラ毎に通信バッファー内で伝送待ち状態となって滞留している下りリンク方向と上りリンク方向の伝送データの量、(2)各無線ベアラ毎の通信制御パラメータや通信モードの現在の設定内容、(3)各無線ベアラ毎の現在までの通信スループット達成値および(4)各無線ベアラ毎に達成されている通信サービス品質の度合い(通信遅延、ジッターおよび誤り再送頻度など)などが含まれる。
続いて、起動された切替部111または同時通信処理部112は、内部情報取得部120から取得した無線端末10内部の通信性能、通信設定、および通信状態などに関する計測値を加味してベアラ選択動作をさらに調整することが可能である。例えば、同時通信処理部112は、重み付け係数の値が大きな無線ベアラであっても、当該無線ベアラ上での通信サービス品質が著しく低い、または当該無線ベアラ上でのフレーム伝送に関する誤り再送頻度が著しく高い場合には、当該無線ベアラへのトラフィック配分を減らすことが可能である。
なお、図7を参照しながら後述する方法に基づいて、内部ベアラ設定部110が、ベアラ選択動作の実行主体を、無線端末10と通信中のマルチホーム型基地局に切り替えた場合、ポリシー配信部212から無線端末10に設定される機器設定ポリシーは、当該マルチホーム型基地局にも配信され、設定される。その結果、当該マルチホーム型基地局は、ポリシー配信部212から自身に設定された機器設定ポリシーにおいて記述された重み付け係数を使用して、内部ベアラ選択部110内の切替部111や同時通信処理部112が実行するのと同様のベアラ選択動作を実行する。その際、ポリシー配信部212から自身に設定された機器設定ポリシーは、当該マルチホーム型基地局が実行すべきベアラ選択動作が、切替部111および同時通信処理部112のいずれに対応するベアラ選択動作であるかを指定する。
<7>ベアラ選択動作の実行主体を無線端末側に切り替えるべきか否かの判断動作
以下、無線端末10がマルチホーム機能を有する基地局と一つ以上の無線ベアラを介して通信中のとき、基地局側と無線端末側のどちらをベアラ選択動作の実行主体とするかを判断する方法について、図7のフローチャートに沿って説明する。内部ベアラ設定部110が起動されると、処理はステップS2001に進む。ステップS2001において、内部ベアラ設定部110は、無線端末10が同時使用可能な全ての(m個の)無線ベアラを識別する。同時に、無線網300〜300に属する基地局や無線アクセスポイントのうち、上記識別されたm個の無線ベアラの各々が接続する基地局セルをセルIDにより識別する。上記識別されたm個の無線ベアラとそれらが各々接続する基地局セルのセルIDは、図8に示すような表の形で対応付けられる。上記識別された無線ベアラとそれらが接続する基地局セルとの間の対応関係を示す図8の表は端末側通信条件と呼ばれる。図8の表においては、無線端末10から同時使用可能であるとして識別された無線ベアラの本数mは4である。図8の表において、LTE網との接続に使用される一本の無線ベアラはセルID=100となるLTE基地局(eNodeB)のセルに接続されていることがわかる。また、図8の表において、無線LAN(WiFi)との接続に使用される2本の無線ベアラの一方は、セルID=200となる無線LANアクセスポイントのセルに接続され、他方はセルID=300となる無線LANアクセスポイントのセルに接続されていることがわかる。また、図8の表において、WiMAX網との接続に使用される一本の無線ベアラはセルID=400となるWiMAX基地局のセルに接続されていることがわかる。
続いて、処理はステップS2002に進み、内部ベアラ設定部110は、図8の表に示す端末側通信条件に列挙されたセルIDのいずれか一つを抽出する。続いて、内部ベアラ設定部110は、ポリシー配信部212から受信した基地局情報内において、当該抽出されたセルIDと同一のセルIDを含む行を連携セル・リストとして抽出する。例えば、図8の表に示す端末側通信条件においては、LTE網に対応する無線ベアラが接続するセルのセルID(セルID=100)は、図5の表に示す基地局情報内の「項番=1」の行に含まれる「セルID=100」と一致する。従って、内部ベアラ設定部110が、図8の表に示す端末側通信条件からLTE網に対応する無線ベアラが接続するセルのセルID(セルID=100)を抽出すると、図5の表に示す基地局情報内の「項番=1」の行が連携セル・リストとして抽出される。
続いて、処理はステップS2003に進み、内部ベアラ設定部110は、図8の表に示す端末側通信条件に列挙されたセルIDの各々を連携セル・リストの中に列挙されている連携セルのセルIDの各々と照合する。具体的には、内部ベアラ設定部110は、図8の表に示す端末側通信条件に列挙されたセルIDの各々が、連携セル・リスト内に連携セルとして列挙されているいずれか一つのセルIDと一致するか否かを判定する。例えば、図8の表に示す端末側通信条件が列挙する4つのセルのセルIDは、それぞれ100、200、300および400であり、図5の表に示す基地局情報内において項番=1の行に対応する連携セル・リストは、100、200および300である。従ってこの場合、図8の表に示す端末側通信条件が列挙するセルID=400のセルは、連携セル・リスト内に列挙されているいずれのセルとも一致しない。つまり、図8の表に示す端末側通信条件が列挙するセルID=400のセルは、連携セル・リスト内に列挙されていない。端末側通信条件に列挙された全てのセルIDが、連携セル・リスト内に列挙されているセルIDのいずれかと一致する場合、それは、無線端末10がベアラ選択動作の対象とする全ての無線ベアラが、マルチホーム型基地局が重畳的にサポートする連携セルのいずれかに無線接続可能であることを意味する。従って、この場合、無線端末10は、無線網への接続のために同時使用可能な一つ以上の無線ベアラに関するベアラ選択動作の実行をマルチホーム型基地局に切り替えることが可能な状態にある。逆に、端末側通信条件に列挙された全てのセルIDの中の少なくとも一つが、連携セル・リスト内に列挙されていない場合には、無線端末10がベアラ選択動作の対象とする少なくとも一つの無線ベアラに関して、基地局側に対応する連携セルが存在しないことを意味する。従ってこの場合、端末側通信条件に含まれる一部または全ての無線ベアラに関して、ベアラ選択動作の一部または全てを無線端末10が実行しなくてはならない。上述した照合の結果、図8の表に示す端末側通信条件に列挙された全てのセルIDが、連携セル・リスト内に列挙されているセルIDのいずれかと一致するならば、処理はステップS2005に進み、そうでなければ、処理はステップS2004に進む。
ステップS2004においては、端末側通信条件に含まれる一部または全ての無線ベアラに関して、ベアラ選択動作の一部または全てを無線端末10内の切替部111または同時通信処理部112が実行する。ステップS2004における処理動作の詳細内容については後述する。
ステップS2005においては、内部ベアラ設定部110は、図8の表に示す端末側通信条件に列挙された全てのセルIDが、連携セル・リスト内に連携セルとして列挙されている全てのセルIDと一対一に対応するか否かを判定する。具体的には、内部ベアラ設定部110は、図8の表に示す端末側通信条件に列挙された全てのセルIDが、連携セル・リスト内に連携セルとして列挙されている全てのセルIDと過不足なく一致するか否かを判定する。この判定の結果、連携セル・リスト内に連携セルとして列挙されている全てのセルIDの少なくとも一つが、図8の表に示す端末側通信条件の中に列挙されていない場合、これは以下のことを意味する。すなわち、基地局側の連携セルの中に、無線端末10が無線ベアラを介して接続していない未接続セルが少なくとも一つ含まれている。この判定の結果、連携セル・リスト内に連携セルとして列挙されている全てのセルIDの少なくとも一つが、図8の表に示す端末側通信条件の中に列挙されていない場合、処理はステップS2006に進み、そうでなければ、処理はステップS2007に進む。
ステップS2006において、内部ベアラ設定部110は、基地局側によって重畳的にサポートされる連携セルのうち、上述した未接続セルに対してセルサーチを実行する。具体的には、内部ベアラ設定部110は、上述した未接続セルが発信するキャリア信号を補足し、いずれかの無線ベアラを使用して上述した未接続セルに無線接続する。続いて、内部ベアラ設定部110は、無線接続した未接続セルのセルIDに対応する新たなエントリーを図8の表に示す端末側通信条件に追加する。その結果、図8の表に示す端末側通信条件に列挙された全てのセルIDが、連携セル・リスト内に連携セルとして列挙されている全てのセルIDと過不足なく一致するので、無線端末10はマルチホーム型基地局が提供する全ての連携セルを漏れなく有効に活用することが出来る。
ステップS2007において、内部ベアラ設定部110は、無線端末10におけるベアラ選択動作をオフにする。具体的には、内部ベアラ設定部110は、無線端末10上においてベアラ選択動作を実行する切替部111および同時通信処理部112に対してディスエーブル信号を出力し、切替部111および同時通信処理部112の動作を停止する。続いて、内部ベアラ設定部110は、切替部111または同時通信処理部112が実行すべきベアラ選択動作と同等の処理を実行するように無線端末10と通信中のマルチホーム型基地局に対して要求する。
なお、上述したステップS2004における処理動作の詳細内容を説明すると以下のとおりである。図8の表に示す端末側通信条件に列挙されたm個(m>3)のセルのうち、少なくとも2つが連携セル・リスト内に列挙されているならば、当該少なくとも2つのセルに接続する無線ベアラに関しては、マルチホーム型基地局の側でベアラ選択動作を実行することが可能である。他方、図8の表に示す端末側通信条件に列挙されたm個(m>3)のセルのうち、連携セル・リスト内に列挙されていない1つ以上のセルに対応する無線ベアラについては、無線端末10の側でベアラ選択動作を実行する必要がある。
従ってこのような場合、端末側通信条件に含まれる一部の無線ベアラに関して、ベアラ選択動作の一部を無線端末10が実行し、残りの無線ベアラに関して残りのベアラ選択動作をマルチホーム型基地局が実行することとなる。また、マルチホーム型基地局においてベアラ選択動作の対象とされている2つ以上の無線ベアラと無線端末10においてベアラ選択動作の対象とされている一つ以上の無線ベアラとの間でも無線端末10がベアラ選択動作を実行することが必要となる。
結局、ステップS2004においては、端末側通信条件に含まれる一部または全ての無線ベアラに関して、ベアラ選択動作の一部または全てを無線端末10内の切替部111または同時通信処理部112が実行し、無線端末10と基地局側との間のベアラ選択動作の分担は上述したとおりである。
例えば、図8の表に示す端末側通信条件が列挙する4つのセルのセルIDは、それぞれ100、200、300および400であり、図5の表に示す基地局情報内において項番=1の行に対応する連携セル・リストは、100、200および300である。従ってこの場合、図8の表に示す端末側通信条件が列挙するセルID=400のセルは、連携セル・リスト内に列挙されているいずれのセルとも一致しない。つまり、図8の表に示す端末側通信条件が列挙するセルID=400のセルは、連携セル・リスト内に列挙されていない。従って、図8の表に示す端末側通信条件が列挙する4つのセルに接続する4本の無線ベアラのうち、セルID=100、200および300となる3つのセルに対応する3本の無線ベアラを対象とするベアラ選択動作は基地局側で実行することが可能である。他方、上記3本の無線ベアラとセルID=400に対応する無線ベアラとの間のベアラ選択動作は無線端末10において実行する必要がある。
なお、本実施の形態に関して上述した説明においては、個々のセルを識別するためのセル識別子としてセルIDを使用していたが、代替的な実施形態においては、個々のセルに固有のPSC(Primary Synchronization Code)やPCI(Physical Channel Identifier)をセル識別子として使用することも可能である。
<8>本実施の形態の効果
本実施の形態は、無線網内の通信経路を状況に応じて適応的に制御するポリシー制御を実施するに際して、上述した連携セル間の接続切替やトラフィック配分を実行する仕組みを実現することができる。また、本実施の形態は、無線網内の通信経路を状況に応じて適応的に制御するポリシー制御を実施するに際して、基地局側のマルチホーム機能と無線端末10側で実行されるベアラ選択動作との間の連携の仕組みを実現することができる。具体的には、無線端末10が通信中のマルチホーム型基地局が異種RATに対応する複数のセルを重畳的にサポートする場合に、本実施の形態は、これら複数のセルに接続する複数の無線ベアラ間のベアラ選択動作の実行を無線端末10から基地局側に切り替えることができる。それにより、本実施の形態は、無線端末10が無線網に接続するために同時使用可能な複数の無線ベアラ間のベアラ選択動作を、無線端末10とマルチホーム型基地局との間で分担して実行することができる。加えて、本実施の形態は、上述した経路制御に関し、同一のポリシー制御ノードによって管理される無線網において、接続する無線端末の数およびポリシー制御動作の実行頻度が増大しても、無線網内の制御オーバーヘッドが増大しないようなポリシー制御を実現することができる。
本発明は、複数の異なる種類の無線接続手段を同時利用可能な移動無線端末において、無線網側において利用可能な多種多様な回線接続を効率的に利用し、通信サービス品質および通信スループットを改善するための無線通信制御ソフトウェアまたは無線通信制御装置として利用することが出来る。
10 無線端末(UE)
20 無線端末(UE)にネットワーク・サービスを提供するサーバ
30 無線ベアラ
40 無線アクセス網
51 コア網
52 コア網
53 ISP網
54 ルータ網
61 コア網ゲートウェイ
62 コア網ゲートウェイ
71 外部接続ゲートウェイ
72 外部接続ゲートウェイ
80 インターネット網
90 基地局または無線アクセスポイント
91 無線通信事業者網
101 アンテナ
102 無線インターフェース
103 メモリ
104 制御プロセッサ
105 ユーザ入出力装置
106 ストレージ
107 バス
110 内部ベアラ設定部
111 切替部
112 同時通信処理部
113 アクティベート部
120 内部情報取得部
200 ポリシー制御機構
210 外部ベアラ設定部
211 取得情報分析部
212 ポリシー配信部
220 外部情報取得部
221 ネットワーク情報取得部
222 オペレーター・ポリシー取得部
230 オペレーション・システム

Claims (8)

  1. 一つ以上の基地局と無線端末との間で複数の無線ベアラを介して同時並列的に通信しながら、ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラ間において最適比率配分する方法であって:
    無線網から受信した基地局情報と、前記複数の無線ベアラを介して前記無線端末が接続するセルの一覧とを前記無線端末が対比するステップ;
    前記対比の結果、前記複数の無線ベアラの中の2つ以上が接続する2つ以上のセルを前記基地局の中のいずれかが重畳的にサポートする場合、前記最適比率配分する処理の実行元を前記サポートする基地局と前記無線端末との間で前記無線端末が切り替えるステップ
    前記サポートする基地局または前記無線端末が、前記無線網から設定されたポリシーに基づいて、前記ユーザ・トラフィックを無線ベアラ間で最適配分するための配分を決定するステップ;および、
    前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替えるステップは、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙するセルの集合と前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれるセルの集合が一部重複するかまたは全部重複するならば:
    前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上でユーザ・トラフィックを伝送する処理;または、
    前記ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラの間で最適配分する処理;
    の一部または全ての実行を前記サポートする基地局の側に切り替えるステップを備える、方法。
  2. 一つ以上の基地局と無線端末との間で同時使用可能な複数の無線ベアラの中から選択された無線ベアラの上で、ユーザ・トラフィックを伝送する方法であって:
    無線網から受信した基地局情報と、前記複数の無線ベアラを介して前記無線端末が接続する基地局の一覧とを前記無線端末が対比するステップ;
    前記対比の結果、前記複数の無線ベアラの中の2つ以上が接続する2つ以上のセルを前記基地局の中のいずれかが重畳的にサポートする場合、前記無線ベアラを選択する処理の実行元を前記サポートする基地局と前記無線端末との間で前記無線端末が切り替えるステップ
    前記サポートする基地局または前記無線端末が、前記無線網から設定されたポリシーに基づいて、前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上で前記ユーザ・トラフィックを伝送するステップ;および、
    前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替えるステップは、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙するセルの集合と前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれるセルの集合が一部重複するかまたは全部重複するならば:
    前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上でユーザ・トラフィックを伝送する処理;または、
    前記ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラの間で最適配分する処理;
    の一部または全ての実行を前記サポートする基地局の側に切り替えるステップを備える、方法。
  3. 前記配分を決定するステップは、前記無線網から設定された前記ポリシーが記述する無線ベアラ毎の重み付け係数に従って、前記ユーザ・トラフィックの量を無線ベアラ間で配分するステップを備え、
    前記重み付け係数は、各無線ベアラに対応する通信経路上の通信負荷に応じて、無線網内のポリシー制御機構によって無線ベアラ毎に決定される、または、
    前記重み付け係数は、各無線ベアラにおいて使用される通信アプリケーション種別と各無線ベアラが対応する無線アクセス技術との間の適合度合いに応じて、無線網内のポリシー制御機構によって無線ベアラ毎に決定される、
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上で前記ユーザ・トラフィックを伝送するステップは、前記無線網から設定された前記ポリシーが記述する無線ベアラ毎の重み付け係数に従って、最大の重み付け係数に対応する無線ベアラを選択するステップを備え、
    前記重み付け係数は、各無線ベアラに対応する通信経路上の通信負荷に応じて、無線網内のポリシー制御機構によって無線ベアラ毎に決定される、または、
    前記重み付け係数は、各無線ベアラにおいて使用される通信アプリケーション種別と各無線ベアラが対応する無線アクセス技術との間の適合度合いに応じて、無線網内のポリシー制御機構によって無線ベアラ毎に決定される、
    請求項2記載の方法。
  5. 一つ以上の基地局との間で複数の無線ベアラを介して同時並列的に通信する無線端末が備える内部ベアラ設定部であって、ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラ間において最適比率配分するために:
    無線網から受信した基地局情報と、前記複数の無線ベアラを介して前記無線端末が接続するセルの一覧とを対比する手段;
    前記対比の結果、前記複数の無線ベアラの中の2つ以上が接続する2つ以上のセルを前記基地局の中のいずれかがサポートする場合、前記最適比率配分する処理の実行を前記サポートする基地局と前記無線端末との間で切り替える手段
    前記最適比率配分する処理の実行を前記無線端末に切り替えた場合に、前記無線網から設定されたポリシーに基づいて、前記ユーザ・トラフィックを無線ベアラ間で最適配分する同時通信処理部;および、
    前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替える手段は、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙するセルの集合と前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれるセルの集合が一部重複するかまたは全部重複するならば:
    前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上でユーザ・トラフィックを伝送する処理;または、
    前記ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラの間で最適配分する処理;
    の一部または全ての実行を前記サポートする基地局の側に切り替える手段を備える、内部ベアラ設定部。
  6. 一つ以上の基地局との間で同時使用可能な複数の無線ベアラの中の一つを選択的に使用してユーザ・トラフィックを伝送する無線端末が備える内部ベアラ設定部であって:
    無線網から受信した基地局情報と、前記複数の無線ベアラを介して前記無線端末が接続するセルの一覧とを対比する手段;
    前記対比の結果、前記複数の無線ベアラの中の2つ以上が接続する2つ以上のセルを前記基地局の中のいずれかがサポートする場合、前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択する主体を前記サポートする基地局と前記無線端末との間で切り替える手段
    前記無線ベアラを選択する主体を前記無線端末に切り替えた場合に、前記無線網から設定されたポリシーに基づいて、前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上で前記ユーザ・トラフィックを伝送する切替部;および、
    前記基地局情報は、前記一つ以上の基地局の各々が重畳的にサポートする一つ以上のセルを列挙するテーブルを備え、前記一つ以上のセルは互いに異なるRATに対応し、前記切り替える手段は、前記対比の結果、前記基地局情報が前記列挙するセルの集合と前記無線端末が接続するセルの一覧に含まれるセルの集合が一部重複するかまたは全部重複するならば:
    前記複数の無線ベアラの中から無線ベアラを選択し、前記選択された無線ベアラ上でユーザ・トラフィックを伝送する処理;または、
    前記ユーザ・トラフィックを前記複数の無線ベアラの間で最適配分する処理;
    の一部または全ての実行を前記サポートする基地局の側に切り替える手段を備える、内部ベアラ設定部。
  7. 請求項記載の同時通信処理部、請求項記載の切替部およびアクティベート部を備える無線端末であって、
    一つ以上の基地局にそれぞれ接続する複数の無線ベアラの一つ以上を使用してユーザ・トラフィックを伝送するために、前記アクティベート部が前記同時通信処理部または前記切替部のいずれか一方を選択的に起動する、
    ことを特徴とする無線端末。
  8. 前記アクティベート部が前記同時通信処理部または前記切替部のいずれか一方を選択的に起動する動作は、ユーザが当該無線端末に対して設定したポリシーに基づいて、前記同時通信処理部または前記切替部のいずれを起動すべきかを前記アクティベート部が判断する動作を含む、
    ことを特徴とする請求項記載の無線端末。
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