JP2015001711A - 液体現像剤セット - Google Patents

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Abstract

【課題】ニグロシンを含むブラック現像剤と有彩色現像剤とが同一の温度条件で定着可能であるとともに、ブラック現像剤と有彩色現像剤とが同一の定着品質を有する、液体現像剤セットを提供する。
【解決手段】第1トナー粒子を含むブラック現像剤と第2トナー粒子を含む有彩色現像剤とを含む液体現像剤セットであって、第1トナー粒子は、第1ポリエステル樹脂、ブラック着色剤およびニグロシンを含み、第2トナー粒子は、第2ポリエステル樹脂および有彩色着色剤を含み、式Mc(1−2a0.5)<Mk<Mc(1−0.5a0.5)を満たす(式中、Mkは第1ポリエステル樹脂の数平均分子量を示し、Mcは第2ポリエステル樹脂の数平均分子量を示し、10000≦Mc≦50000であり、aはニグロシンの質量比を示し、0.01≦a≦0.20である)。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体現像剤セットに関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる液体現像剤(湿式現像剤とも呼ばれる)としては、種々のものが知られている。たとえば、特開2011−27845号公報(特許文献1)は、トナー粒子とキャリア液とを含む液体現像剤であって、該トナー粒子は結着樹脂と着色剤とを含み、該着色剤はニグロシン顔料を含む、液体現像剤を開示している。
特開2011−27845号公報
液体現像剤は、トナー粒子の粒径が0.5μm〜3μm程度であり、乾式現像剤に比べて、トナー粒子の粒径が小さいという特徴を有している。これにより、液体現像剤ではトナー粒子の付着量を少なくしながら高画質を実現することができる。
そして、電子写真方式のカラー画像形成では、ブラック現像剤と、たとえば、シアン現像剤などの有彩色現像剤とを含む液体現像剤セットが使用されている。すなわち、画像形成装置内において複数色の液体現像剤が同時併用され、各色のトナー像を重ね合わせて記録材に転写し、定着させることにより、記録材上にカラー画像が形成される。
このような液体現像剤セットとしての使用態様を考慮すると、液体現像剤セットに含まれる各色の液体現像剤は、同一の温度条件で定着可能であり、各色材間で同一の定着品質を有することが望ましい。
しかしながら、以下に説明するように、従来技術においては、ブラック現像剤とその他有彩色現像剤とを同一の温度条件で定着させ、かつブラック現像剤とその他有彩色現像剤とが同一の定着品質を有することは極めて困難であった。
液体現像剤のトナー粒子は、上記のように、乾式現像剤に比べて小粒径であり、付着量を少なくすることができるが、このように低付着量であっても十分な発色性を維持するためには、トナー粒子の着色剤含有率を高く設定する必要が生じる。
ブラック現像剤の着色剤としては、カーボンブラックが広く一般に使用されている。しかし、トナー粒子中のカーボンブラックの含有率が高くなると、トナー粒子の電気抵抗が低くなり、電子写真方式の画像形成に必要とされる電気特性が悪化する場合があった。
従来、このような不具合を防止するため、ブラック着色剤として、カーボンブラックとともに、有機系着色剤を併用する試みがなされてきた。しかしながら、有機系着色剤は、「ブラック」としての着色力が弱く、これを補うため添加量を増やすと、色相も「ブラック」からずれてしまう。そこで、この色相のずれを調整するためブラック着色剤に、紫黒染料であるニグロシンを添加することが提案されている。
他方、定着温度の低温化の観点から、トナー粒子を構成する樹脂として、結晶性樹脂、たとえば、結晶性のポリエステル樹脂などが提案されている。このように、トナー粒子を構成する樹脂が結晶性であることにより、低温での定着において、特定の温度で急激に溶融する性質、すなわち、シャープメルト性が付与されるという利点がある。
ところが、ブラックトナー粒子を、結晶性樹脂と、ニグロシンを含むブラック着色剤とから構成した場合、ブラックトナー粒子の定着温度が高温側へシフトしてしまう。そして、この傾向は、ニグロシンの添加量を増やすほど顕著である。この現象のメカニズムの詳細については不明であるが、ニグロシンが何らかの形で樹脂の結晶化を遅延させていると考えられている。
したがって、ニグロシンを含むブラック現像剤と、その他有彩色現像剤とから液体現像剤セットを構成した場合、ブラックとその他色材間で定着温度に差異が生じるとともに、光沢度や定着強度といった定着品質にもバラツキが生じてしまう。そして、これまでに、このような液体現像剤セットとしての課題に対して、十分な解決手段が報告された例はない。
本発明は、このような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ニグロシンを含むブラック現像剤と有彩色現像剤とが同一の温度条件で定着可能であるとともに、ブラック現像剤と有彩色現像剤とが同一の定着品質を有する、液体現像剤セットを提供することにある。
従来から、トナー粒子の定着温度を調整する手段として、トナー粒子の構成樹脂の分子量を調整する方法が知られている。しかし、本発明者が、この手段によって、ブラックトナー粒子と有彩色トナー粒子との定着温度を整合させようと試みたところ、ニグロシンを含むブラックトナー粒子の定着温度を下げるため、樹脂分子量を低下させると樹脂間にキャリア液が入り込みやすくなり、定着後のトナー膜の強度が低下するという新たな不具合に遭遇した。
しかし、本発明者はこれに留まらず、樹脂種、分子量、ニグロシン添加量などを変えてブラックトナー粒子の定着強度を低下させず、ブラックトナー粒子と有彩色トナー粒子の定着温度を整合させる手段を鋭意検討したところ、ニグロシン添加量に応じて、ブラックトナー粒子を構成する樹脂の分子量を調整することにより、上記の課題を解決できるのではないかとの知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ねることにより、ブラックトナー粒子の樹脂分子量、有彩色トナー粒子の樹脂分子量およびブラックトナー粒子へのニグロシンの添加量が特定の関係を満たすとき、同一の温度条件で定着可能であり、かつ優れた定着品質が発現することを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の液体現像剤セットは、第1トナー粒子を含むブラック現像剤と第2トナー粒子を含む有彩色現像剤とを含む液体現像剤セットであって、該第1トナー粒子は、第1ポリエステル樹脂、ブラック着色剤およびニグロシンを含み、該第2トナー粒子は、第2ポリエステル樹脂および有彩色着色剤を含み、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Mc(1−2a0.5)<Mk<Mc(1−0.5a0.5)・・・(1)
ここで、式(1)中、Mkは上記第1ポリエステル樹脂の数平均分子量を示し、Mcは上記第2ポリエステル樹脂の数平均分子量を示し、10000≦Mc≦50000であり、aは上記ニグロシンの上記ブラック現像剤に含まれる全固形分に対する質量比を示し、0.01≦a≦0.20である。
ここで、上記第1ポリエステル樹脂と上記第2ポリエステル樹脂とは、互いに分子構造内に共通の構成単位を含み、該共通の構成単位はそれぞれの分子構造内において全構成単位のうち80%以上を占めることが好ましく、より好ましくは、上記第1ポリエステル樹脂と上記第2ポリエステル樹脂とは、それぞれ実質的に同一のポリマー種であることが好適である。
さらに、上記第1ポリエステル樹脂および上記第2ポリエステル樹脂はそれぞれ、示差走査熱量測定による融解熱が下記式(2)および(3)を満たす結晶性樹脂であることが好ましい。
5≦H1≦70・・・(2)
0.2≦H2/H1≦1.0・・・(3)
ここで、式(2)、(3)中、H1は示差走査熱量測定による初回昇温時の融解熱(J/g)を示しており、式(3)中、H2は示差走査熱量測定による第2回目の昇温時の融解熱(J/g)を示している。
また、上記第1ポリエステル樹脂および上記第2ポリエステル樹脂は、それぞれ少なくとも2以上のポリエステルがイソシアネート基を有する化合物に由来の構成単位により結合されているウレタン変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
さらに、上記液体現像剤セットは、以下の条件1および/または条件2を満たすことが好ましい。
条件1:上記第1トナー粒子は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有し、該コア樹脂が上記第1ポリエステル樹脂である。
条件2:上記第2トナー粒子は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有し、該コア樹脂が上記第2ポリエステル樹脂である。
また、上記液体現像剤セットにおいて、上記有彩色着色剤は、シアン顔料であることが好ましい。
本発明の液体現像剤セットは、上記のような構成を有することにより、ニグロシンを含むブラック現像剤と、有彩色現像剤とが同一の温度条件で定着可能であるとともに、ブラック現像剤と有彩色現像剤とが同一の定着品質を有するという優れた効果を有する。
電子写真方式の画像形成装置の概略概念図である。
以下、本発明に係わる実施の形態について、さらに詳細に説明する。
<液体現像剤セット>
本実施の形態の液体現像剤セットは、ブラック現像剤と有彩色現像剤とを含む。ここで、有彩色現像剤は少なくとも1種以上含まれるものとし、複数の有彩色現像剤が含まれていても良い。
なお、ここで有彩色とは、ブラック、ホワイト、グレー以外の色を意味している。このような有彩色としては、典型的には、たとえば、シアン、マゼンタ、イエローなどの色を挙げることができる。
<液体現像剤>
本実施の形態の液体現像剤セットに含まれる液体現像剤は、絶縁性液体(キャリア液)とトナー粒子とを少なくとも含み、当該トナー粒子は絶縁性液体中に分散している。かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばトナー分散剤(トナー粒子に含まれる後述の顔料分散剤とは異なり、トナー粒子を分散させるために絶縁性液体中に含まれる分散剤であり、本実施の形態では便宜上「トナー分散剤」という)、荷電制御剤、増粘剤等を挙げることができる。
液体現像剤の配合割合は、たとえばトナー粒子を10〜50質量%とし、残部を絶縁性液体等とすることができる。トナー粒子の配合量が10質量%未満では、トナー粒子の沈降が生じやすく、長期保管時の経時的な安定性が低下する傾向を示し、また必要な画像濃度を得るためには多量の液体現像剤を供給する必要があり、紙等の記録材上に付着する絶縁性液体の量が増加し、定着時にそれを乾燥させる必要が生じるとともに発生したその蒸気により環境上の問題が生じる可能性がある。一方、トナー粒子の配合量が50質量%を超えると、液体現像剤の粘度が高くなりすぎ、製造上および取り扱い上、困難になる傾向を示す。
このような液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用である。より具体的には、複写機、プリンタ、デジタル印刷機、簡易印刷機などの電子写真方式の画像形成装置において使用される電子写真用液体現像剤、塗料、静電記録用液体現像剤、インクジェットプリンタ用油性インクまたは電子ペーパー用インクなどとして用いることができる。
<トナー粒子>
上記の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、樹脂と、該樹脂中に分散された着色剤とを含む。かかるトナー粒子は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえば顔料分散剤、ワックス、荷電制御剤等を挙げることができる。ここで、樹脂と着色剤との配合割合は、トナー粒子を所望の付着量で適用した場合に発現される濃度が所望の濃度となるように決定するとよい。
本実施の形態において、トナー粒子のメジアン径は、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。かかるメジアン径は、従来の乾式現像剤のトナー粒子の粒径に比べて小さいものとなり、本実施の形態の特徴の一つとなるものであるが、このメジアン径が0.5μm未満では、粒子が小径過ぎて、電界での移動性が悪化し、現像性が低下する場合があり、5μmを超えると、均一性が低下し画質が低下する場合がある。なお、ここでいうメジアン径とはD50を示している。また、より好ましいメジアン径は、0.5μm以上2.0μm以下である。
また、本実施の形態において、トナー粒子の平均円形度は0.85以上0.95以下であり、かつ円形度の標準偏差は0.01以上0.1以下であることが好ましい。その理由は、トナー粒子の平均円形度および円形度の標準偏差が、かかる範囲を占めることにより、転写性およびクリーニング性が向上するという効果が付与されるからである。
なお、ここでいう円形度とは、2次元に投影した粒子面積と等しい面積の円の周囲長を粒子周囲長で除した数値を示しており、平均円形度とは該数値の相加平均値を示している。
本実施の形態において、トナー粒子のメジアン径、平均円形度および円形度の標準偏差は、ともにフロー式粒子画像分析装置(商品名:「FPIA−3000S」、Sysmex社製)等を用いて求めることができる。この装置は、絶縁性液体をそのまま分散媒体として使用することが可能であるため、水系で測定する系に比し、実際の分散状態における粒子の状態を計測することができるため好ましい。
<ブラック現像剤および有彩色現像剤>
本実施の形態において、ブラック現像剤は、第1トナー粒子を含み、第1トナー粒子は第1ポリエステル樹脂、ブラック着色剤およびニグロシンを含む。そして、有彩色現像剤は、第2トナー粒子を含み、第2トナー粒子は第2ポリエステル樹脂および有彩色着色剤を含む。
<第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂>
本実施の形態において、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂は、第1ポリエステル樹脂の数平均分子量をMkとし、第2ポリエステル樹脂の数平均分子量をMcとし、ブラック現像剤に含まれる全固形分に対するニグロシンの質量比をaとしたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Mc(1−2a0.5)<Mk<Mc(1−0.5a0.5)・・・(1)
本実施の形態の液体現像剤セットは、このように、ブラック現像剤に含まれるニグロシンの質量比に応じて、ブラックトナー粒子(第1トナー粒子)を構成するポリエステル樹脂の分子量と、有彩色トナー粒子(第2トナー粒子)を構成するポリエステル樹脂の分子量とが、特定の関係を満たすように調整することにより、ニグロシンを含むブラック現像剤と、有彩色現像剤とが同一の温度条件で定着可能であるとともに、ブラック現像剤と有彩色現像剤とが同一の定着品質を有するという優れた効果を示す。
ここで、上記式(1)において、Mcは5000以上50000以下であることを要する。これは、Mcが5000未満であると、ポリエステル樹脂が過度に柔らかくなるため、オフセットが発生しやすくなる傾向にあり、50000を超えるとポリエステル樹脂が溶融し難くなり、定着強度が低下する傾向にあるからである。なお、Mcのより好ましい範囲は、10000以上30000以下である。
また、本実施の形態において、第1トナー粒子はニグロシンを含む。そして、上記式(1)において、aは0.01以上0.2以下であること要し、好ましくは0.03以上0.15以下である。これは、aが0.01未満では所望の画像濃度が得られ難い傾向にあり、0.20を超えるとニグロシンによる結晶化遅延効果が大きくなり、分子量の調整を以ってブラックトナー粒子の定着温度と有彩色トナー粒子の定着温度とを整合させることが困難となるからである。
上記式(1)において、MkがMc(1−0.5a0.5)を超えると、ブラックトナー粒子の定着温度が有彩色トナー粒子に比べて高くなり、ブラックトナー粒子が定着時に溶融し難くなるため、液体現像剤セットとして所望の光沢度が得られない。また、MkがMc(1−2a0.5)を下回ると、ブラックトナー粒子を構成する樹脂の分子量が過度に低くなり、樹脂間にキャリア液を取り込みやすくなる。その結果、ブラックトナー粒子のトナー膜強度が、有彩色トナー粒子のトナー膜強度に比べて低くなるため、液体現像剤セットとして所望の定着強度が得られない。したがって、本実施の形態の液体現像剤セットは、上記式(1)を満たすことを要する。
本実施の形態の液体現像剤セットとしては、たとえば、ブラック現像剤とシアン現像剤との間で上記式(1)の関係が満たされた液体現像剤セット、すなわち、有彩色着色剤がシアン顔料である液体現像剤セットなどを挙げることができる。実使用上、ブラック現像剤とシアン現像剤とが、セットとして使用される頻度が高いことから、少なくともブラック現像剤とシアン現像剤との間で、上記の関係を満たす液体現像剤セットは、本実施の形態の好ましい態様の一つである。
ただし、本実施の形態において、液体現像剤セットが複数の有彩色現像剤を含む場合、いずれか1つ以上の有彩色現像剤と、ブラック現像剤との間で、上記式(1)の関係を満たしていれば、本発明の効果は示される。また、ブラック現像剤といずれか1つ以上の有彩色現像剤とが、上記の関係を満たす限り、他に上記の関係を満たさない有彩色現像剤が含まれていても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
<ウレタン変性ポリエステル樹脂>
本実施の形態において、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂は、ウレタン変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。ここで、ウレタン変性ポリエステル樹脂とは、ポリエステルの末端をウレタン結合で鎖長した構造を有する樹脂である。すなわち、ウレタン変性ポリエステル樹脂とは、少なくとも2以上のポリエステルがイソシアネート基を有する化合物に由来の構成単位により結合されている樹脂である。このようなウレタン変性ポリエステル樹脂は、まず骨格となるポリエステル樹脂を重合によって得、該ポリエステル樹脂の末端をジ(トリ)イソシアネートにより鎖長させることにより得られる。なお、ジ(トリ)イソシアネートとは、ジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネートを意味している。
第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂として、ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いることにより、樹脂の強靭性が増し、耐オフセット性や定着強度が向上するという優れた効果が付与される。
ここで、第1ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mk)および第2ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mc)は、たとえば、ウレンタン変性ポリエステル樹脂の原料であるポリエステル樹脂を合成する際の、ポリカルボン酸成分の酸基量とポリオール成分の水酸基量との当量比([酸基]/[水酸基])と、ポリエステル樹脂同士を結合させるためのイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基量と、ポリエステル樹脂の水酸基量との当量比([イソシアネート基]/[水酸基])とを調整することにより、所望の範囲に制御することができる。
<数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)>
本明細書において、樹脂(ポリウレタン樹脂を除く)の数平均分子量(以下「Mn」とも記す)および重量平均分子量(以下「Mw」とも記す)は、テトラヒドロフラン(以下「THF」と略記する)の可溶分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC(Gel Permeation Chromatography)、以下「GPC」と略記する)を用いて、以下の条件で測定されたものである。なお、第1ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mk)および第2ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mc)は、この方法により測定されたものである。
測定装置:東ソー(株)製の「HLC−8120」
カラム:東ソー(株)製の「TSKgelGMHXL」(2本)と東ソー(株)製の「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.25質量%のTHF溶液
カラムへの試料溶液の注入量:100μl
流速:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製の標準ポリスチレン(TSK standard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1050、2800、5970、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)。
また、本明細書において、ポリウレタン樹脂のMnおよびMwは、GPCを用いて、以下の条件で測定されたものである。
測定装置:東ソー(株)製の「HLC−8220GPC」
カラム:東ソー(株)製の「TSK guardcolumn α」(1本)と東ソー(株)製の「TSKgel α−M」(1本)
試料溶液:0.125質量%のジメチルホルムアミド溶液
カラムへのジメチルホルムアミド溶液の注入量:100μl
流速:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製の標準ポリスチレン(TSK standard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1050、2800、5970、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)。
<結晶性>
また、本実施の形態において、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とは、結晶性のポリエステル樹脂であることが好ましい。結晶性のポリエステル樹脂とすることにより、低温において所望の光沢度が得られやすい傾向にあり好適である。
ここで、本実施の形態において、「結晶性」の樹脂とは、示差走査熱量測定(以下、「DSC(Differential scanning calorimetry))とも記す。〕による融解熱が下記式(2)および(3)を満たす樹脂を示す。
5≦H1≦70・・・(2)
0.2≦H2/H1≦1.0・・・(3)
式(2)、(3)中、H1は示差走査熱量測定による初回昇温時の融解熱(J/g)を示し、式(3)中、H2は示差走査熱量測定による第2回目の昇温時の融解熱(J/g)を示す。
本明細書において、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂のDSCによる融解熱は、示差走査熱量計(たとえば、製品名:「DSC210」、セイコーインスツル(株)製)を用いて、以下に示す条件に従って測定されたものである。
すなわち、標準ポリエステルを標準試料として用い、0℃から180℃まで10℃/分の速度で標準試料と測定対象樹脂とを加熱し、標準試料の熱量と測定対象樹脂の熱量との差を測定する。そして、このとき測定された熱量の差を測定対象樹脂のDSCによる融解熱とする。
上記式(2)においてH1は、ポリエステル樹脂の溶融速度の指標である。一般に、融解熱を有する樹脂は、シャープメルト性を有するため、少ないエネルギーで溶融させることができる。よって、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂として融解熱を有する樹脂を選択すれば、定着時に要するエネルギーを低減させることができる。第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂のH1が70を超えると、定着時に要するエネルギーを低減させることが困難となり、トナー粒子の定着性が低下するとともに、メディア(記録材)への密着性が低下し、ドキュメントオフセットの発生を招くため好ましくない。また、H1が5未満であると、定着時に要するエネルギーが過度に小さくなり、この場合にも、ドキュメントオフセットが発生しやすくなる傾向にある。しかし、H1が上記式(2)の範囲を占める場合には、定着性の低下を防止し、ドキュメントオフセットの発生を抑制することができる。ここで、H1は、好ましくは15≦H1≦68であり、より好ましくは35≦H1≦65である。
上記式(3)におけるH2/H1は、ポリエステル樹脂の結晶化速度の指標である。一般に、樹脂からなる粒子(樹脂粒子)を溶融させた後に冷却して使用する場合、当該樹脂粒子中の結晶成分が結晶化されていなければ、当該樹脂粒子の抵抗値が下がる、または、当該樹脂粒子が可塑化されるなどという不具合が生じる。このような不具合が発生すると、冷却により得られた樹脂粒子の性能が当初設計した性能と異なることがある。以上のことから、樹脂粒子中の結晶成分を速やかに結晶化させ、樹脂粒子の性能に影響を与えないようにする必要がある。H2/H1は、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.4以上である。また、ポリエステル樹脂の結晶化速度が速ければ、H2/H1は1.0に近づくため、H2/H1は、1.0に近い値を取ることが好ましい。
なお、上記式(3)におけるH2/H1は、理論的には1.0を超えないが、DSCによる実測値では1.0を超えることがある。DSCによる実測値(H2/H1)が1.0を超えた場合も、上記式(3)を満たすものとする。
H1およびH2は、JIS−K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して測定することができる。具体的には、まず、測定対象樹脂を5mg採取して、アルミパンに入れる。示差走査熱量測定装置(たとえば、製品名:「RDC220」、エスアイアイナノテクノロジー(株)製、または製品名:「DSC20」、セイコーインスツル(株)など)を用いて、昇温速度を毎分10℃として、溶融による樹脂の吸熱ピークにおける温度(融点)を測定し、吸熱ピークの面積S1を求める。そして、求められた吸熱ピークの面積S1から、H1を算出することができる。H1を算出してから、冷却速度を90℃/分として0℃まで冷却した後、昇温速度を毎分10℃として、溶融による樹脂の吸熱ピークにおける温度(融点)を測定し、吸熱ピークの面積S2を求める。そして、求められた吸熱ピークの面積S2から、H2を算出することができる。
このような結晶性を有する樹脂は、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂の構成成分を適宜選択することにより得られる。結晶性向上の観点から、ポリエステル樹脂の構成成分として、たとえば、炭素数が4以上である直鎖状のアルキル骨格を有する単量体を用いることが好ましい。そのような単量体としては、たとえば、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールなどが好適である。なお、これらは好適例に過ぎず、結晶性が発現する限り、芳香族ジカルボン酸や芳香族ジオールなどを含んでいても良い。
以下、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂の好適例であるウレタン変性ポリエステル樹脂を構成する単量体について説明する。
ポリエステル樹脂の出発原料である脂肪族ジカルボン酸として好ましいものは、炭素数が4〜20であるアルカンジカルボン酸、炭素数が4〜36であるアルケンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などである。また、脂肪族ジカルボン酸としてより好ましいものは、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、もしくはフマル酸など、またはこれらのエステル形成性誘導体などである。
また、ポリエステル樹脂の出発原料である脂肪族ジオールとして好ましいものは、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、または1,10−デカンジオールなどである。
次に、上記のようなジカルボン酸単量体およびジオール単量体を重合させることにより得られたポリエステル樹脂同士を結合させ、連結させることにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂とするためのイソシアネート基を有する化合物について説明する。
本実施の形態のイソシアネート基を有する化合物としては、分子内に複数のイソシアネート基を有する化合物が好ましい。そのような化合物としては、鎖状脂肪族ポリイソシアネートおよび環状脂肪族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。
鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、ならびに2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、またはこれら2種以上の併用などが挙げられる。
環状脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略記する)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(以下、「水添MDI」とも記す)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(以下、「水添TDI」とも記す)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、ならびに2,6−ノルボルナンジイソシアネート、またはこれら2種以上の併用などが挙げられる。
本実施の形態の液体現像剤セットにおいて、ブラックトナー粒子(第1トナー粒子)と有彩色トナー粒子(第2トナー粒子)とを構成する樹脂が近似しているほど、本発明の効果は顕著なものとなる。これは、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とが近似しているほど、定着温度、光沢度および定着強度をより精細に整合させることができるからである。
したがって、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とは、前述した単量体から構成される共通の構成単位を、互いの分子構造内に有していることが好ましく、より好ましくは、該共通の構成単位はそれぞれの分子構造内において全構成単位のうち80%以上を占めることが好適である。
そして、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とが、それぞれ実質的に同一のポリマー種であることが特に好ましい。ここで、実質的に同一のポリマー種であるとは、ポリマーを構成する主成分が等しいことを示し、上記のように、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とが、互いに分子構造内に共通の構成単位を含み、該共通の構成単位はそれぞれの分子構造内において全構成単位のうち90%以上を占めていることを意味している。
このように、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とが、実質的に同一のポリマー種であり、樹脂を構成するモノマー成分が同一である場合、ポリエステル樹脂の分子量は、たとえば、ポリカルボン酸成分およびポリオール成分の重合数を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。また、第1ポリエステル樹脂と第2ポリエステル樹脂とがウレタン変性ポリエステル樹脂である場合、実質的に同一のポリマー種とするためには、ポリエステル樹脂同士を結合するためのイソシアネート基を有する化合物も、それぞれの樹脂の合成において同一のものを用いることを要する。
<トナー粒子の製造方法>
本実施の形態におけるトナー粒子(すなわち、第1トナー粒子および第2トナー粒子)は、たとえば造粒法、粉砕法等の従来公知の技法に基づいて製造することができる。
ここで、粉砕法は、予め樹脂と顔料等の着色剤とを溶融混練し、粉砕する方法である。かかる粉砕は乾式状態や絶縁性液体中での湿式状態で行なうことができる。
また、造粒法には、トナー粒子の形成機構の違いから、懸濁重合法、乳化重合法、微粒子凝集法、樹脂溶液に貧溶媒を添加し析出する法、スプレードライ法等や、2種類の異なる樹脂によりトナー粒子の樹脂の構成をコア・シェル構造とするような製造方法もある。
本実施の形態のトナー粒子の製造方法は特に限定されないが、小径でシャープな粒度分布を有するトナー粒子を得るためには、粉砕法よりも造粒法を採用することが好ましい。これは、溶融性の高い樹脂や結晶性の高い樹脂は、常温でも柔らかく粉砕し難いからである。造粒法によれば、このような樹脂であっても所望の粒径を得やすく好適である。
また、上記のような製造法の中でも、良溶媒に樹脂を溶解しコア樹脂溶液とし、SP値がこの良溶媒と異なる貧溶媒に対して、該コア樹脂溶液を界面張力調整剤とともに混合してせん断を与えて、液滴を形成した後、良溶媒を揮発させてコア樹脂微粒子を形成する方法によれば、せん断の与え方、界面張力差、または界面張力調整剤(シェル樹脂微粒子)を適宜調整することにより、トナー粒子の粒度および形状を高度に制御することができるため、所望の粒度分布および形状を有するトナー粒子を得る方法として好適である。
<コア・シェル型トナー粒子>
上述した本実施の形態の好ましい態様の一つである、トナー粒子のメジアン径や円形度などの特徴は、トナー粒子がコア・シェル構造を有するコア・シェル型トナー粒子であることにより、実現されやすい。
したがって、本実施の形態の第1ポリエステル樹脂および/または第2ポリエステル樹脂は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有することが好ましい。
換言すれば、本実施の形態の液体現像剤セットは、以下の条件1および/または条件2を満たすことが好ましい。
条件1:第1トナー粒子は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有し、該コア樹脂が第1ポリエステル樹脂である。
条件2:第2トナー粒子は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有し、該コア樹脂が第2ポリエステル樹脂である。
以下、コア・シェル型トナー粒子について説明する。なお、以下の説明において、便宜上、コア・シェル型トナー粒子をトナー粒子(C)、トナー粒子(C)を含む液体現像剤を液体現像剤(X)と記すことがある。
トナー粒子(C)は、シェル樹脂(a)を含むシェル粒子(A)がコア樹脂(b)を含むコア粒子(B)の表面に付着または被覆されてなる構造を有する。
ここで、本実施の形態においては、上記コア樹脂(b)が上記第1ポリエステル樹脂および/または上記第2ポリエステル樹脂であり、コア粒子(B)が上記第1トナー粒子および/または第2トナー粒子である。
<シェル樹脂(a)>
本実施の形態におけるシェル樹脂(a)は、熱可塑性樹脂であっても良いし、熱硬化性樹脂であっても良い。シェル樹脂(a)としては、たとえば、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、および、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。なお、シェル樹脂(a)として、上記列挙された樹脂の2種以上を併用してもよい。
本実施の形態において好ましい形状のトナー粒子が得られやすいという観点では、シェル樹脂(a)として、好ましくは、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、および、エポキシ樹脂の少なくとも1つを用いることが好ましく、より好ましくは、ポリエステル樹脂、および、ポリウレタン樹脂の少なくとも1つを用いることが好適である。
<ビニル樹脂>
ビニル樹脂は、重合性二重結合を有する単量体が単独重合されて得られた単独重合体(ビニルモノマーに由来する結合ユニットを含む単独重合体)であっても良いし、重合性二重結合を有する二種以上の単量体が共重合されて得られた共重合体(ビニルモノマーに由来する結合ユニットを含む共重合体)であっても良い。重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、下記(1)〜(9)が挙げられる。
(1) 重合性二重結合を有する炭化水素
重合性二重結合を有する炭化水素は、たとえば、下記(1−1)で示す重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素、または、下記(1−2)で示す重合性二重結合を有する芳香族炭化水素などであることが好ましい。
(1−1) 重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素
重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素は、たとえば、下記(1−1−1)で示す重合性二重結合を有する鎖状炭化水素、または、下記(1−1−2)で示す重合性二重結合を有する環状炭化水素などであることが好ましい。
(1−1−1) 重合性二重結合を有する鎖状炭化水素
重合性二重結合を有する鎖状炭化水素としては、たとえば、炭素数が2〜30のアルケン(たとえば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセンまたはオクタデセンなど);炭素数が4〜30のアルカジエン(たとえば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンまたは1,7−オクタジエンなど)などが挙げられる。
(1−1−2) 重合性二重結合を有する環状炭化水素
重合性二重結合を有する環状炭化水素としては、たとえば、炭素数が6〜30のモノまたはジシクロアルケン(たとえば、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキセンまたはエチリデンビシクロヘプテンなど);炭素数が5〜30のモノまたはジシクロアルカジエン(たとえば、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンなど)などが挙げられる。
(1−2) 重合性二重結合を有する芳香族炭化水素
重合性二重結合を有する芳香族炭化水素としては、たとえば、スチレン;スチレンのハイドロカルビル(たとえば、炭素数が1〜30のアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体(たとえば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレンまたはトリビニルベンゼンなど);ビニルナフタレンなどが挙げられる。
(2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体およびそれらの塩
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、炭素数が3〜15の不飽和モノカルボン酸[たとえば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸または桂皮酸など];炭素数が3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[たとえば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸またはメサコン酸など];炭素数が3〜10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数が1〜10)エステル(たとえば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステルまたはシトラコン酸モノデシルエステルなど)などが挙げられる。本明細書では、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
上記単量体の塩としては、たとえば、アルカリ金属塩(たとえば、ナトリウム塩またはカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(たとえば、カルシウム塩またはマグネシウム塩など)、アンモニウム塩、アミン塩、および、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されず、たとえば、1級アミン塩(たとえば、エチルアミン塩、ブチルアミン塩またはオクチルアミン塩など);2級アミン塩(たとえば、ジエチルアミン塩またはジブチルアミン塩など);3級アミン塩(たとえば、トリエチルアミン塩またはトリブチルアミン塩など)などが挙げられる。
4級アンモニウム塩としては、たとえば、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩およびトリブチルラウリルアンモニウム塩などが挙げられる。
カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体の塩としては、たとえば、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウムおよびアクリル酸アルミニウムなどが挙げられる。
(3) スルホ基と重合性二重結合を有する単量体およびそれらの塩
(4) ホスホノ基と重合性二重結合を有する単量体およびその塩
(5) ヒドロキシル基と重合性二重結合を有する単量体
(6) 重合性二重結合を有する含窒素単量体
重合性二重結合を有する含窒素単量体としては、たとえば、下記(6−1)〜(6−4)で示す単量体が挙げられる。
(6−1) アミノ基と重合性二重結合を有する単量体
アミノ基と重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾールおよびアミノメルカプトチアゾールなどが挙げられる。
アミノ基と重合性二重結合を有する単量体は、上記列挙した単量体の塩であっても良い。上記列挙した単量体の塩としては、たとえば、上記「(2)カルボキシル基と重合性二重結合を有する単量体およびそれらの塩」において「上記単量体の塩」として列挙した塩が挙げられる。
(6−2) アミド基と重合性二重結合を有する単量体
アミド基と重合性二重結合を有する単量体としては、たとえば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドおよびN−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
(6−3) ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数が3〜10の単量体
ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数が3〜10の単量体としては、たとえば、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレンおよびシアノアクリレートなどが挙げられる。
(6−4) ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数が8〜12の単量体
ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数が8〜12の単量体としては、たとえば、ニトロスチレンなどが挙げられる。
(7) エポキシ基と重合性二重結合を有する炭素数が6〜18の単量体
(8) ハロゲン元素と重合性二重結合を有する炭素数が2〜16の単量体
(9) 重合性二重結合を有する炭素数が4〜16のエステル
重合性二重結合を有する炭素数が4〜16のエステルとしては、たとえば、酢酸ビニル;プロピオン酸ビニル;酪酸ビニル;ジアリルフタレート;ジアリルアジペート;イソプロペニルアセテート;ビニルメタクリレート;メチル−4−ビニルベンゾエート;シクロヘキシルメタクリレート;ベンジルメタクリレート;フェニル(メタ)アクリレート;ビニルメトキシアセテート;ビニルベンゾエート;エチル−α−エトキシアクリレート;炭素数が1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートまたは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数が2〜8の直鎖アルキル基、分枝アルキル基または脂環式のアルキル基である);ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数が2〜8の直鎖アルキル基、分枝アルキル基または脂環式のアルキル基である);ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(たとえば、ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタンまたはテトラメタアリロキシエタンなど);ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[たとえば、ポリエチレングリコール(Mn=300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノ(メタ)アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(以下「エチレンオキサイド」を「EO」と略記する)10モル付加物(メタ)アクリレートまたはラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレートなど];ポリ(メタ)アクリレート類{たとえば、多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート[たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートまたはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]}などが挙げられる。なお、本明細書では、「(メタ)アリロ」とは、アリロおよび/またはメタリロを意味する。
ビニル樹脂の具体例としては、たとえば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体およびスチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ビニル樹脂としては、上記(1)〜(9)の重合性二重結合を有する単量体の単独重合体または共重合体であっても良いし、上記(1)〜(9)の重合性二重結合を有する単量体と分子鎖(k)を有する重合性二重結合を有する単量体(m)とが重合されたものであっても良い。分子鎖(k)としては、炭素数12〜27の直鎖状または分岐状炭化水素鎖、炭素数が4〜20のフルオロアルキル鎖およびポリジメチルシロキサン鎖などが挙げられる。単量体(m)中の分子鎖(k)と絶縁性液体(L)とのSP値の差は2以下であることが好ましい。なお、本明細書では、「SP値」は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算された数値である。
分子鎖(k)を有する重合性二重結合を有する単量体(m)としては、特に限定されないが、たとえば、下記の単量体(m1)〜(m3)などが挙げられる。単量体(m)としては、単量体(m1)〜(m3)の2種以上を併用しても良い。
炭素数が12〜27(好ましくは16〜25)の直鎖状炭化水素鎖と重合性二重結合を有する単量体(m1)
このような単量体(m1)としては、たとえば、不飽和モノカルボン酸のモノ直鎖状アルキル(アルキルの炭素数が12〜27)エステルおよび不飽和ジカルボン酸のモノ直鎖状アルキル(アルキルの炭素数が12〜27)エステルなどが挙げられる。上記不飽和モノカルボン酸および不飽和ジカルボン酸としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸およびシトラコン酸などの炭素数が3〜24のカルボキシル基含有ビニル単量体などが挙げられる。
単量体(m1)の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシルおよび(メタ)アクリル酸エイコシルなどが挙げられる。
炭素数が12〜27(好ましくは16〜25)の分岐状炭化水素鎖と重合性二重結合を有する単量体(m2)
このような単量体(m2)としては、たとえば、不飽和モノカルボン酸の分岐状アルキル(アルキルの炭素数が12〜27)エステルおよび不飽和ジカルボン酸のモノ分岐状アルキル(アルキルの炭素数が12〜27)エステルなどが挙げられる。上記不飽和モノカルボン酸および不飽和ジカルボン酸としては、たとえば、単量体(m1)において不飽和モノカルボン酸および不飽和ジカルボン酸の具体例として列挙したものと同様のものが挙げられる。
単量体(m2)の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルなどが挙げられる。
その他炭素数が4〜20のフルオロアルキル鎖と重合性二重結合を有する単量体(m3)なども挙げられる。
<融点>
シェル樹脂(a)の融点は、好ましくは0〜220℃であり、より好ましくは30〜200℃であり、さらに好ましくは40〜80℃である。トナー粒子の粒度分布および形状、ならびに、液体現像剤(X)の粉体流動性、耐熱保管安定性および耐ストレス性などの観点から、シェル樹脂(a)の融点は液体現像剤(X)を製造するときの温度以上であることが好ましい。シェル樹脂の融点が液体現像剤を製造するときの温度よりも低いと、トナー粒子同士が合一することを防止し難くなることがあり、トナー粒子が***することを防止し難くなることがある。それだけでなく、トナー粒子の粒度分布における分布幅が狭くなり難い、別の言い方をすると、トナー粒子の粒径のバラツキが大きくなるおそれがある。
本明細書において、融点は、示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製の「DSC20」または「SSC/580」など)を用いてASTM D3418−82に規定の方法に準拠して測定されたものである。
<Mn(数平均分子量)>
シェル樹脂(a)のMn(GPCで測定して得られたもの)は、好ましくは100〜5000000であり、好ましくは200〜5000000であり、より好ましくは500〜500000である。
<SP値>
シェル樹脂(a)のSP値は、好ましくは7〜18(cal/cm31/2であり、より好ましくは8〜14(cal/cm31/2である。
<シェル粒子(A)>
本実施の形態におけるシェル粒子(A)は、シェル樹脂(a)を含む。シェル粒子(A)の製造方法は、公知のいかなる方法も採用することができ、特に限定されない。たとえば、以下の[1]〜[7]のような方法を挙げることができる
[1]:ジェットミルなどの公知の乾式粉砕機を用いて、シェル樹脂(a)を乾式で粉砕させる
[2]:シェル樹脂(a)の粉末を有機溶剤中に分散させ、ビーズミルまたはロールミルなどの公知の湿式分散機を用いて湿式で粉砕させる
[3]:スプレードライヤーなどを用いてシェル樹脂(a)の溶液を噴霧し、乾燥させる
[4]:シェル樹脂(a)の溶液に対して貧溶媒の添加または冷却を行なって、シェル樹脂(a)を過飽和させて析出させる
[5]:シェル樹脂(a)の溶液を水または有機溶剤中に分散させる
[6]:シェル樹脂(a)の前駆体を水中で乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード重合法、または、懸濁重合法などにより重合させる
[7]:シェル樹脂(a)の前駆体を有機溶剤中で分散重合などにより重合させる。
これらの方法のうち、シェル粒子(A)の製造のしやすさの観点から、[4]、[6]および[7]の方法が好ましく、より好ましくは、[6]および[7]の方法が好適である。
<体積平均粒径>
この場合、シェル粒子(A)の体積平均粒径は、所望の粒径のトナー粒子(C)を得るのに適した粒径になるように適宜調整することができる。シェル粒子(A)の体積平均粒径は、好ましくは0.0005〜3μmである。シェル粒子(A)の体積平均粒径の上限は、より好ましくは2μmであり、さらに好ましくは1μmである。シェル粒子(A)の体積平均粒径の下限は、より好ましくは0.01μmであり、さらに好ましくは0.02μmであり、最も好ましくは0.04μmである。たとえば体積平均粒径が1μmのトナー粒子(C)を得たい場合には、シェル粒子(A)の体積平均粒径は、好ましくは0.0005〜0.3μmであり、より好ましくは0.001〜0.2μmである。たとえば体積平均粒径が10μmのトナー粒子(C)を得たい場合には、シェル粒子(A)の体積平均粒径は、好ましくは0.005〜3μmであり、より好ましくは0.05〜2μmである。
<コア樹脂(b)およびコア粒子(B)>
前述のように、本実施の形態において、トナー粒子(C)がコア・シェル型トナー粒子である場合、コア樹脂(b)は、上記の第1ポリエステル樹脂または第2ポリエステル樹脂である。そして、コア粒子(B)はコア樹脂(b)を含む。
<SP値>
コア樹脂(b)のSP値は適宜調整すればよい。コア樹脂(b)のSP値は、好ましくは8〜16(cal/cm31/2であり、より好ましくは9〜14(cal/cm31/2である。
<融点およびガラス転移温度(以下、「Tg」と略記する)>
コア樹脂(b)の融点、Tgは、それぞれ好ましい範囲に適宜調整すればよい。コア樹脂(b)の融点は、好ましくは20〜80℃であり、軟化開始温度は低温定着性の観点から、40℃以上80℃以下であることが好ましい。
本明細書において、Tgは、示差走査熱量測定(DSC(Differential Scanning Calorimetry))法により測定しても良いし、フローテスターを用いて測定しても良い。DSC法によりTgを測定する場合には、たとえば、示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製の「DSC20」または「SSC/580」など)を用いてASTM D3418−82に規定の方法に準拠してTgを測定することが好ましい。
フローテスターを用いてTgを測定する場合には、高化式フローテスター(たとえば、(株)島津製作所製の「CFT500型」など)を用いることが好ましい。この場合のTgの測定条件の一例を以下に示す
荷重:30kg/cm2
昇温速度:3.0℃/min
ダイ口径:0.50mm
ダイ長さ:10.0mm。
<コア・シェル構造>
本実施の形態のトナー粒子に含まれる樹脂は、前述の通り、シェル樹脂(a)を含むシェル粒子(A)がコア樹脂(b)を含むコア粒子(B)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有することが好ましい。
シェル粒子(A)とコア粒子(B)との質量比[(A):(B)]は、好ましくは1:99〜70:30である。トナー粒子(C)の粒径の均一性および液体現像剤(X)の耐熱安定性などの観点から、上記比率[(A):(B)]は、より好ましくは2:98〜50:50であり、さらに好ましくは3:97〜35:65である。シェル粒子(A)の含有率(質量比)が低すぎると、トナー粒子の耐ブロッキング性が低下することがある。コア粒子の含有率(質量比)が高すぎると、トナー粒子の粒径均一性が低下することがある。
トナー粒子(C)の粒度分布および液体現像剤(X)の耐熱安定性の観点から、トナー粒子(C)のコア・シェル構造は、トナー粒子(C)の質量に対して、1〜70質量%(より好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜35質量%)のシェル粒子(A)と、30〜99質量%(より好ましくは50〜95質量%、さらに好ましくは65〜90質量%)のコア粒子(B)とで構成されることが好ましい。
トナー粒子(C)の定着性と液体現像剤(X)の耐熱安定性との観点から、液体現像剤(X)におけるトナー粒子(C)の含有率は、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜45質量%であり、さらに好ましくは20〜40質量%である。
<添加剤など>
本実施の形態におけるトナー粒子(C)は、シェル粒子(A)およびコア粒子(B)の少なくとも一方に、着色剤を含んでいることが好ましく、着色剤以外の添加剤(たとえば顔料分散剤、ワックス、荷電制御剤、充填剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤など)をさらに含んでいても良い。
<着色剤>
本実施の形態のトナー粒子に含まれる着色剤は、上記の樹脂(シェル粒子(A)および/またはコア粒子(B))中に分散されている。このような着色剤の体積平均粒径は、0.3μm以下であることが好ましい。着色剤の体積平均粒径が0.3μmを超えると分散が悪くなり、光沢度が低下し所望の色目を実現できなくなる場合がある。
このような着色剤としては、従来公知の顔料等を特に限定することなく使用することができるが、コスト、耐光性、着色性等の観点から、たとえば以下の顔料を使用することが好ましい。なお、色彩構成上、これらの顔料は、通常ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料に分類され、基本的にブラック以外の色彩(カラー画像)はイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料の減法混色により調色される。
ブラック着色剤に含まれる顔料(ブラック顔料)としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、バイオマス由来のカーボンブラック等を挙げることができ、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
本実施の形態のブラック着色剤は、ニグロシンを含有する。ニグロシンとは、アニリン、アニリン塩酸およびニトロベンゼンを塩化鉄などの触媒の存在下で酸化還元縮合させることにより得ることができる多種のアジン系化合物からなる混合物であり、その主成分は、フェナジン、フェナジンアジン、トリフェナジンオキサジンなどを骨格とする紫黒染料となるアジン系化合物である。ニグロシンは単独で用いられていても良く、カーボンブラックなどの顔料と併用されていても良い。
このようなニグロシンは、C.I.ソルベントブラック7または、C.I.ソルベントブラック5などから選ばれることが好ましい。
C.I.ソルベントブラック7の具体例としては、スピリットブラック(Spirit Black)SB、スピリットブラック(Sprit Black)SSBB、スピリットブラック(Sprit Black)AB、スピリットブラック(Sprit Black)ABL、ヌービアンブラック(NUBIAN BLACK)NH−805、ヌービアンブラック(NUBIAN BLACK)NH−815などの商品名で市販されているもの(何れもオリヱント化学工業株式会社製)を挙げることができる。
また、C.I.ソルベントブラック5の具体例としては、ニグロシンベース(Nigrosine Base)SA、ニグロシンベース(Nigrosine Base)SAP、ニグロシンベース(Nigrosine Base)SAPL、ニグロシンベース(Nigrosine Base)EE、ニグロシンベース(Nigrosine Base)EEL、ニグロシンベース(Nigrosine Base)EX、ニグロシンベース(Nigrosine Base)EXBP、スペシャルブラック(Special Black)EB、ヌービアンブラック(NUBIAN BLACK)TN−870、ヌービアンブラック(NUBIAN BLACK)TN−877、ヌービアンブラック(NUBIAN BLACK)TN−807、ヌービアンブラック(NUBIAN BLACK)TH−827、ヌービアングレー(NUBIAN GRAY)IR−Bなどの商品名で市販されているもの(何れもオリヱント化学工業株式会社製)を挙げることができる。
また、これら以外には、ボントロン(BONTRON)N−01、ボントロン(BONTRON)N−04、ボントロン(BONTRON)N−07、ボントロン(BONTRON)N−09、ボントロン(BONTRON)N−21、ボントロン(BONTRON)N−71、ボントロン(BONTRON)N−75、ボントロン(BONTRON)N−79などの商品名で市販されているもの(何れもオリヱント化学工業株式会社製)を挙げることができる。
マゼンタ着色剤に含まれる顔料(マゼンタ顔料)としては、たとえばC.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
イエロー着色剤に含まれる顔料(イエロー顔料)としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
シアン着色剤に含まれる顔料(シアン顔料)としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
なお、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することが可能である。
<顔料分散剤>
顔料分散剤は、トナー粒子中に着色剤(顔料)を均一に分散させる作用を有するものであり、塩基性分散剤を使用することが好ましい。ここで、塩基性分散剤とは、以下に定義されるものをいう。すなわち、顔料分散剤0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、それをペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過することにより得られたろ液のpHをpHメータ(商品名:「D−51」、堀場製作所社製)を用いて測定し、そのpHが7より大きい場合を塩基性分散剤とする。なお、そのpHが7より小さい場合は、酸性分散剤と呼ぶものとする。
このような塩基性分散剤は、その種類は特に限定されない。たとえば、分散剤の分子内にアミン基、アミノ基、アミド基、ピロリドン基、イミン基、イミノ基、ウレタン基、四級アンモニウム基、アンモニウム基、ピリジノ基、ピリジウム基、イミダゾリノ基、およびイミダゾリウム基等の官能基を有する化合物(分散剤)を挙げることができる。なお分散剤とは、通常、分子中に親水性の部分と疎水性の部分とを有するいわゆる界面活性剤が該当するが、上記の通り着色剤(顔料)を分散させる作用を有する限り、種々の化合物を用いることができる。
このような塩基性分散剤の市販品としては、たとえば味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)、「アジスパーPB−881」(商品名)や日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ28000」(商品名)、「ソルスパーズ32000」(商品名)、「ソルスパーズ32500」(商品名)、「ソルスパーズ35100」(商品名)、「ソルスパーズ37500」(商品名)等を挙げることができる。
また、顔料分散剤としては、絶縁性液体(キャリア液)に溶解しないものを選択することがより好ましい。その理由から味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)、「アジスパーPB−881」(商品名)がより好ましい。詳細なメカニズムは不明ながら、このような顔料分散剤を使用すると、所望の形状が得やすくなった。
このような顔料分散剤の添加量は、着色剤(顔料)に対して、1〜100質量%添加することが好ましい。より好ましくは、1〜40質量%である。1質量%未満では、着色剤(顔料)の分散性が不十分となる場合があり、必要なID(画像濃度)が達成できないとともに、定着強度が低下する場合がある。また100質量%を超えると、顔料分散に対する必要量以上の分散剤が添加されることになり、余剰の分散剤が絶縁性液体中へ溶解する場合があり、トナー粒子の荷電性や定着強度に悪影響を及ぼす場合がある。
このような顔料分散剤は、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
<絶縁性液体>
本実施の形態の液体現像剤に含まれる絶縁性液体は、静電潜像を乱さない程度の抵抗値(1011〜1016Ω・cm程度)のものであれば良い。さらに、臭気、毒性が低い溶媒が好ましい。一般的に、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。特に、臭気、無害性、コストの点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフィン系溶媒が好ましい。具体的には、モレスコホワイト(商品名、松村石油研究所社製)、アイソパー(商品名、エクソンモービル社製)、シェルゾール(商品名、シェルケミカルズジャパン(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028、IPソルベント2835(いずれも商品名、出光興産社製)等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>[ポリエステル樹脂の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器に、ドデカン二酸286質量部、1,6−ヘキサンジオール190質量部および縮合触媒としてのチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1質量部を入れて、180℃で窒素気流下で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに0.007〜0.026MPaの減圧下で、1時間反応させた。これにより、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂については、融点は68℃であり、Mnは4900であり、Mwは10000であった。
なお、融点、Mn、Mwの測定は、前述の方法を採用した(以下において同じ)。
<製造例2>[シェル粒子(A1)の分散液(W1)の製造]
ガラス製ビーカーに、メタクリル酸2−デシルテトラデシル80質量部、メタクリル酸メチル5質量部、メタクリル酸5質量部、イソシアネート基含有モノマー(商品名:「カレンズMOI」、昭和電工(株)製)と上記製造例1で得られたポリエステル樹脂との等モル反応物20質量部、および、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル0.5質量部を入れ、20℃で撹拌して混合した。これにより、単量体溶液を得た。
次に、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、脱溶剤装置および窒素導入管を備えた反応容器を準備した。その反応容器にTHF195質量部を入れ、反応容器が備える滴下ロートに上記単量体溶液を入れた。反応容器の気相部を窒素で置換した後、密閉下70℃で1時間かけて単量体溶液を反応容器内のTHFに滴下した。単量体溶液の滴下終了から3時間後、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル0.05質量部とTHF5質量部との混合物を反応容器に入れ、70℃で3時間反応させた後、室温まで冷却した。これにより、共重合体溶液を得た。
次いで、得られた共重合体溶液400質量部を攪拌下のIPソルベント2028(出光興産社製)600質量部に滴下した後、0.039MPaの減圧下で40℃でTHFを留去した。これにより、シェル粒子(A1)の分散液(W1)を得た。この分散液(W1)中のシェル粒子(A1)の体積平均粒径は、0.13μmであった。
<製造例3>[コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:5000)964質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI36質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b1)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b1)のMnは、25000であった。
次いで、コア樹脂(b1)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b1)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、44質量%であった。
<製造例4>[コア樹脂(b2)形成用溶液(Y2)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸と1,6−ヘキサンジオール(モル比1:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:5000)962質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI38質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b2)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b2)のMnは、40000であった。
次いで、コア樹脂(b2)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b2)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b2)形成用溶液(Y2)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、45質量%であった。
<製造例5>[コア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)957質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI43質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b3)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b3)のMnは、17000であった。
次いで、コア樹脂(b3)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b3)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、41質量%であった。
<製造例6>[コア樹脂(b4)形成用溶液(Y4)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)955質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI45質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b4)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b4)のMnは、22000であった。
次いで、コア樹脂(b4)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b4)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b4)形成用溶液(Y4)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、45質量%であった。
<製造例7>[コア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸と1,6ヘキサンジオール(モル比1:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:3500)949質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI51質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b5)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b5)のMnは、20000であった。
次いで、コア樹脂(b5)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b5)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、42質量%であった。
<製造例8>[コア樹脂(b6)形成用溶液(Y6)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸と1,6ヘキサンジオール(モル比1:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)953質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI47質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b6)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b6)のMnは、34000であった。
次いで、コア樹脂(b6)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b6)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b6)形成用溶液(Y6)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、44質量%であった。
<製造例9>[コア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:2000)919質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI82質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b7)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b7)のMnは、8000であった。
次いで、コア樹脂(b7)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b7)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、46質量%であった。
<製造例10>[コア樹脂(b8)形成用溶液(Y8)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)957質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI43質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b8)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b8)のMnは、18000であった。
次いで、コア樹脂(b8)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b8)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b8)形成用溶液(Y8)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、44質量%であった。
<製造例11>[コア樹脂(b9)形成用溶液(Y9)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)959質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI41質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b9)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b9)のMnは、14000であった。
次いで、コア樹脂(b9)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b9)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b9)形成用溶液(Y9)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、44質量%であった。
<製造例12>[コア樹脂(b10)形成用溶液(Y10)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)954質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI46質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b10)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b10)のMnは、25000であった。
次いで、コア樹脂(b10)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b10)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b10)形成用溶液(Y10)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、42質量%であった。
<製造例13>[コア樹脂(b11)形成用溶液(Y11)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸と1,6ヘキサンジオール(モル比1:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:3500)951質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI50質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b11)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b11)のMnは、16000であった。
次いで、コア樹脂(b11)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b11)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b11)形成用溶液(Y11)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、45質量%であった。
<製造例14>[コア樹脂(b12)形成用溶液(Y12)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸と1,6ヘキサンジオール(モル比1:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)952質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI48質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b12)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b12)のMnは、37000であった。
次いで、コア樹脂(b12)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b12)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b12)形成用溶液(Y12)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、42質量%であった。
<製造例15>[コア樹脂(b13)形成用溶液(Y13)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:2000)927質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI74質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b13)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b13)のMnは、5000であった。
次いで、コア樹脂(b13)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b13)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b13)形成用溶液(Y13)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、44質量%であった。
<製造例16>[コア樹脂(b14)形成用溶液(Y14)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置および温度計を備えた反応容器に、セバシン酸、アジピン酸およびエチレングリコール(モル比0.8:0.2:1)から得られたポリエステル樹脂(Mn:4000)955質量部およびアセトン1300質量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
この溶液にIPDI42質量部を投入し、80℃で6時間反応させた。NCO価が0になったところで、無水フタル酸28質量部を投入し、180℃で1時間反応させて、ウレタン変性ポリエステル樹脂であるコア樹脂(b14)を得た。このとき、前述の方法によって測定したコア樹脂(b14)のMnは、21000であった。
次いで、コア樹脂(b14)1000質量部とアセトン1000質量部とをビーカーに入れて攪拌し、コア樹脂(b14)をアセトンに均一に溶解させた。これにより、コア樹脂(b14)形成用溶液(Y14)を得た。このとき、該溶液の固形分濃度を測定すると、44質量%であった。
<融解熱の測定>
以上のようにして得られたコア樹脂(b1)〜コア樹脂(b14)の示差走査熱量測定による初回昇温時の融解熱(H1)と第2回目の昇温時の融解熱(H2)を前述の方法にしたがって測定した。なお、測定装置としては、示差走査熱量計(製品名:「DSC210」、セイコーインスツル(株)製)を用いた。H1およびH2の測定結果ならびにH2/H1の計算結果を各樹脂の構成とともに表1に示す。
Figure 2015001711
<製造例17>[シアン着色剤分散液(P1)の製造]
ビーカーに、シアン着色剤としての酸性処理銅フタロシアニン(商品名:「Fastogen Blue FDB-14」、DIC社製)20質量部、顔料分散剤(商品名:「アジスパーPB−821」、味の素ファインテクノ(株)製)5質量部およびアセトン75質量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、シアン着色剤分散液(P1)を得た。シアン着色剤分散液(P1)中の銅フタロシアニンの体積平均粒径は0.2μmであった。
<製造例18>[ブラック着色剤分散液(P2)の製造]
ビーカーに、ブラック着色剤としてのカーボンブラック(商品名:「モーガルL」、キャボット社製)13質量部、酸性処理銅フタロシアニン(商品名:「Fastogen Blue FDB-14」、DIC社製)5質量部、ニグロシン(商品名:「TH−827]、オリヱント化学工業社製)2質量部、顔料分散剤(商品名:「アジスパーPB−821」、味の素ファインテクノ(株)製)5質量部およびアセトン75質量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、ブラック着色剤分散液(P2)を得た。ブラック着色剤分散液(P2)中の銅フタロシアニンの体積平均粒径は0.2μmであった。
<製造例19>[ブラック着色剤分散液(P3)の製造]
ビーカーに、ブラック着色剤としてのカーボンブラック(商品名:「モーガルL」、キャボット社製)9質量部、酸性処理銅フタロシアニン(商品名:「Fastogen Blue FDB-14」、DIC社製)6.3質量部、ニグロシン(商品名:「TH−827]、オリヱント化学工業社製)4.7質量部、顔料分散剤(商品名:「アジスパーPB−821」、味の素ファインテクノ(株)製)5質量部およびアセトン75質量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、ブラック着色剤分散液(P3)を得た。ブラック着色剤分散液(P3)中の銅フタロシアニンの体積平均粒径は0.2μmであった。
<製造例20>[ブラック着色剤分散液(P4)の製造]
ビーカーに、ブラック着色剤としてのカーボンブラック(商品名:「モーガルL」、キャボット社製)5質量部、酸性処理銅フタロシアニン(商品名:「Fastogen Blue FDB-14」、DIC社製)4.9質量部、ニグロシン(商品名:「TH−827]、オリヱント化学工業社製)10.1質量部、顔料分散剤(商品名:「アジスパーPB−821」、味の素ファインテクノ(株)製)5質量部およびアセトン75質量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、ブラック着色剤分散液(P4)を得た。ブラック着色剤分散液(P4)中の銅フタロシアニンの体積平均粒径は0.2μmであった。
<製造例21>[シアン現像剤(Z−1)の製造]
ビーカーに、コア樹脂(b1)形成用溶液(Y1)40質量部およびシアン着色剤分散液(P1)20質量部を投入し、25℃でTKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて8000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(Y1P1)を得た。
別のビーカーに、絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光興産社製)67質量部およびシェル粒子(A1)の分散液(W1)12質量部を投入して均一に分散した。次いで、25℃でTKオートホモミキサーを用いて10000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(Y1P1)60質量部を投入し2分間撹拌した。次いでこの混合液を、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計および脱溶剤装置を備えた反応容器に投入し、35℃に昇温後、同温度で0.039MPaの減圧下、アセトン濃度が0.5質量%以下になるまで樹脂溶液(Y1P1)からアセトンを留去した。
これにより、液体現像剤に含まれる全固形分に対する銅フタロシアニンの質量比が0.16である、シアン現像剤(Z−1)を得た。なお、シアン現像剤(Z−1)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b1)からなるコア粒子(B1)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−1)が形成されていた。
また、シアン現像剤(Z−1)の固形分の内訳(全固形分の質量を1としたときの各成分の質量比。以下同じ。)は、コア粒子(B1):0.707、シェル粒子(A1):0.092、銅フタロシアニン:0.161、顔料分散剤:0.040であった。
<製造例22>[シアン現像剤(Z−2)の製造]
ビーカーに、コア樹脂(b2)形成用溶液(Y2)40質量部およびシアン着色剤分散液(P1)20質量部を投入し、25℃でTKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて8000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(Y2P1)を得た。
別のビーカーに、絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光興産社製)67質量部およびシェル粒子(A1)の分散液(W1)12質量部を投入して均一に分散した。次いで、25℃でTKオートホモミキサーを用いて10000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(Y2P1)60質量部を投入し2分間撹拌した。次いでこの混合液を、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計および脱溶剤装置を備えた反応容器に投入し、35℃に昇温後、同温度で0.039MPaの減圧下、アセトン濃度が0.5質量%以下になるまで樹脂溶液(Y2P1)からアセトンを留去した。
これにより、液体現像剤に含まれる全固形分に対する銅フタロシアニンの質量比が0.16である、シアン現像剤(Z−2)を得た。なお、シアン現像剤(Z−2)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b2)からなるコア粒子(B2)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−2)が形成されていた。
また、シアン現像剤(Z−2)の固形分の内訳は、コア粒子(B2):0.707、シェル粒子(A1):0.092、銅フタロシアニン:0.161、顔料分散剤:0.040であった。
<製造例23>[ブラック現像剤(Z−3)の製造]
ビーカーに、コア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)40質量部およびブラック着色剤分散液(P2)45質量部を投入し、25℃でTKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて8000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(Y3P2)を得た。
別のビーカーに、絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光興産社製)67質量部およびシェル粒子(A1)の分散液(W1)13質量部を投入して均一に分散した。次いで、25℃でTKオートホモミキサーを用いて10000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(Y3P2)60質量部を投入し2分間撹拌した。次いでこの混合液を、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計および脱溶剤装置を備えた反応容器に投入し、35℃に昇温後、同温度で0.039MPaの減圧下、アセトン濃度が0.5質量%以下になるまで樹脂溶液(Y3P2)からアセトンを留去した。
これにより、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.03である、ブラック現像剤(Z−3)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−3)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b3)からなるコア粒子(B3)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−3)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−3)の固形分の内訳は、コア粒子(B3):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.194、銅フタロシアニン:0.075、ニグロシン:0.03、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例24>[ブラック現像剤(Z−4)の製造]
製造例23において、コア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)をコア樹脂(b4)形成用溶液(Y4)に変更し、樹脂溶液(Y4P2)を得る以外は、製造例23と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.03である、ブラック現像剤(Z−4)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−4)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b4)からなるコア粒子(B4)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−4)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−4)の固形分の内訳は、コア粒子(B4):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.194、銅フタロシアニン:0.075、ニグロシン:0.03、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例25>[ブラック現像剤(Z−5)の製造]
ビーカーに、コア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)40質量部およびブラック着色剤分散液(P3)45質量部を投入し、25℃でTKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて8000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(Y5P3)を得た。
別のビーカーに、絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光興産社製)67質量部およびシェル粒子(A1)の分散液(W1)13質量部を投入して均一に分散した。次いで、25℃でTKオートホモミキサーを用いて10000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(Y5P3)60質量部を投入し2分間撹拌した。次いでこの混合液を、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計および脱溶剤装置を備えた反応容器に投入し、35℃に昇温後、同温度で0.039MPaの減圧下、アセトン濃度が0.5質量%以下になるまで樹脂溶液(Y5P3)からアセトンを留去した。
これにより、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.07である、ブラック現像剤(Z−5)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−5)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b5)からなるコア粒子(B5)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−5)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−5)の固形分の内訳は、コア粒子(B5):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.134、銅フタロシアニン:0.094、ニグロシン:0.07、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例26>[ブラック現像剤(Z−6)の製造]
製造例25において、コア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)をコア樹脂(b6)形成用溶液(Y6)に変更し、樹脂溶液(Y6P3)を得る以外は、製造例25と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.07である、ブラック現像剤(Z−6)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−6)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b6)からなるコア粒子(B6)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−6)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−6)の固形分の内訳は、コア粒子(B6):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.134、銅フタロシアニン:0.094、ニグロシン:0.07、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例27>[ブラック現像剤(Z−7)の製造]
ビーカーに、コア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)40質量部およびブラック着色剤分散液(P4)45質量部を投入し、25℃でTKオートホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて8000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(Y7P4)を得た。
別のビーカーに、絶縁性液体(商品名:「IPソルベント2028」、出光興産社製)67質量部およびシェル粒子(A1)の分散液(W1)14質量部を投入して均一に分散した。次いで、25℃でTKオートホモミキサーを用いて10000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(Y7P4)60質量部を投入し2分間撹拌した。次いでこの混合液を、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計および脱溶剤装置を備えた反応容器に投入し、35℃に昇温後、同温度で0.039MPaの減圧下、アセトン濃度が0.5質量%以下になるまで樹脂溶液(Y7P4)からアセトンを留去した。
これにより、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.15である、ブラック現像剤(Z−7)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−7)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b7)からなるコア粒子(B7)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−7)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−7)の固形分の内訳は、コア粒子(B7):0.541、シェル粒子(A1):0.088、カーボンブラック:0.074、銅フタロシアニン:0.074、ニグロシン:0.15、顔料分散剤:0.074であった。
<製造例28>[ブラック現像剤(Z−8)の製造]
製造例27において、コア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)をコア樹脂(b8)形成用溶液(Y8)に変更し、樹脂溶液(Y8P4)を得る以外は、製造例27と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.15である、ブラック現像剤(Z−8)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−8)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b8)からなるコア粒子(B8)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−8)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−8)の固形分の内訳は、コア粒子(B8):0.541、シェル粒子(A1):0.088、カーボンブラック:0.074、銅フタロシアニン:0.074、ニグロシン:0.15、顔料分散剤:0.074であった。
<製造例29>[ブラック現像剤(Z−9)の製造]
製造例23において、コア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)をコア樹脂(b9)形成用溶液(Y9)に変更し、樹脂溶液(Y9P2)を得る以外は、製造例23と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.03である、ブラック現像剤(Z−9)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−9)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b9)からなるコア粒子(B9)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−9)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−9)の固形分の内訳は、コア粒子(B9):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.194、銅フタロシアニン:0.075、ニグロシン:0.03、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例30>[ブラック現像剤(Z−10)の製造]
製造例23において、コア樹脂(b3)形成用溶液(Y3)をコア樹脂(b10)形成用溶液(Y10)に変更し、樹脂溶液(Y10P2)を得る以外は、製造例23と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.03である、ブラック現像剤(Z−10)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−10)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b10)からなるコア粒子(B10)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−10)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−10)の固形分の内訳は、コア粒子(B10):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.194、銅フタロシアニン:0.075、ニグロシン:0.03、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例31>[ブラック現像剤(Z−11)の製造]
製造例25において、コア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)をコア樹脂(b11)形成用溶液(Y11)に変更し、樹脂溶液(Y11P3)を得る以外は、製造例25と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.07である、ブラック現像剤(Z−11)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−11)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b11)からなるコア粒子(B11)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−11)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−11)の固形分の内訳は、コア粒子(B11):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.134、銅フタロシアニン:0.094、ニグロシン:0.07、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例32>[ブラック現像剤(Z−12)の製造]
製造例25において、コア樹脂(b5)形成用溶液(Y5)をコア樹脂(b12)形成用溶液(Y12)に変更し、樹脂溶液(Y12P3)を得る以外は、製造例25と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.07である、ブラック現像剤(Z−12)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−12)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b12)からなるコア粒子(B12)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−12)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−12)の固形分の内訳は、コア粒子(B12):0.544、シェル粒子(A1):0.082、カーボンブラック:0.134、銅フタロシアニン:0.094、ニグロシン:0.07、顔料分散剤:0.075であった。
<製造例33>[ブラック現像剤(Z−13)の製造]
製造例27において、コア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)をコア樹脂(b13)形成用溶液(Y13)に変更し、樹脂溶液(Y13P4)を得る以外は、製造例27と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.15である、ブラック現像剤(Z−13)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−13)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b13)からなるコア粒子(B13)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−13)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−13)の固形分の内訳は、コア粒子(B13):0.541、シェル粒子(A1):0.088、カーボンブラック:0.074、銅フタロシアニン:0.074、ニグロシン:0.15、顔料分散剤:0.074であった。
<製造例34>[ブラック現像剤(Z−14)の製造]
製造例27において、コア樹脂(b7)形成用溶液(Y7)をコア樹脂(b14)形成用溶液(Y14)に変更し、樹脂溶液(Y14P4)を得る以外は、製造例27と同様にして、液体現像剤に含まれる全固形分に対するブラック着色剤の質量比が0.30、ニグロシンの質量比が0.15である、ブラック現像剤(Z−14)を得た。なお、ブラック現像剤(Z−14)中には、シェル粒子(A1)が、コア樹脂(b14)からなるコア粒子(B14)の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有するトナー粒子(C−14)が形成されていた。
また、ブラック現像剤(Z−14)の固形分の内訳は、コア粒子(B14):0.541、シェル粒子(A1):0.088、カーボンブラック:0.074、銅フタロシアニン:0.074、ニグロシン:0.15、顔料分散剤:0.074であった。
<メジアン径および平均円形度の測定>
以上のようにして得られたトナー粒子(C−1)〜トナー粒子(C−14)のメジアン径(体積分布)および平均円形度をフロー式粒子画像分析装置(商品名:「FPIA−3000S」、Sysmex社製)を用いて測定した。フロー溶媒として各液体現像剤の絶縁性液体と同じIPソルベント2028を用いた。
分散剤(商品名:「S13940」、日本ルーブリゾール社製)30mgを加えた20gのIPソルベント2028中に各液体現像剤50mgを投入することにより懸濁液を調製し、その懸濁液を超音波分散器(商品名:「ウルトラソニッククリーナ モデル VS−150」、ウエルボクリア社製)を用いて約5分間分散処理を行なった。
その後、この懸濁液を用いて、トナー粒子の体積分布のメジアン径(D50)、円形度(粒子面積と等しい円の周囲長/粒子周囲長)および平均円形度を測定した。その結果を、各液体現像剤および各トナー粒子の構成とともに表2に示す。
Figure 2015001711
<実施例1>
ブラック現像剤Z−3と、有彩色現像剤としてシアン現像剤Z−1とを使用して、実施例1に係る液体現像セットを構成した。
<実施例2〜実施例6および比較例1〜比較例6>
表3に示すように、製造例のブラック現像剤と、製造例のシアン現像剤(有彩色現像剤)とを組み合わせて、実施例2〜実施例6および比較例1〜比較例6に係る液体現像剤セットを、それぞれ構成した。表3中、式(1)の欄には、前述の式(1)における、Mc(1−2a0.5)の計算結果およびMc(1−0.5a0.5)の計算結果をそれぞれ示す。
Figure 2015001711
<評価>
<画像形成装置>
液体現像剤セットの評価用画像の作製に使用した画像形成装置の概略概念図を図1に示す。この装置のプロセス条件およびプロセスの概略は以下の通りである。
なお、今回の評価では感光体から中間転写体に1次転写した後、記録材に2次転写する画像形成装置を示しているが、感光体から直接記録材に転写する方式でも同様の効果が得られる。
また、図1には、説明を簡略化し、説明の理解を容易なものとするため、単色の画像形成装置を示しているが、実際の評価には、複数の現像槽および転写ローラを有する、複数の現像剤を重ね合わせてカラー画像を形成する多色画像形成装置を使用した。
まず、画像形成装置100の現像槽5には、液体現像剤6が入れられている。液体現像剤6はアニロックスローラ22でくみ上げられ、ならしローラ21に送られる。アニロックスローラ22表面の余分な液体現像剤6は、ならしローラ21に達する前にアニロックス規制ブレード23でかきとられ、ならしローラ21では液体現像剤6が均等の層厚を持つように調整される。次いで、液体現像剤6は、ならしローラ21から現像剤担持体24に転移する。
感光体1は、帯電部7で帯電され、露光部8で潜像が形成される。潜像が形成された像に対応して、液体現像剤6は現像チャージャー26でトナー粒子に荷電を与えられた後、感光体1に現像される。感光体1に転移しなかった液体現像剤6は、現像部下流にあるクリーニングブレード25でかきとられ回収される。
感光体1に現像された液体現像剤6は、1次転写部2で中間転写体10に静電1次転写される。中間転写体10に担持された液体現像剤6(トナー粒子)は、2次転写部3にて記録材12に静電2次転写される。記録材12に転写された液体現像剤6(トナー粒子)は、図示しない定着装置で定着されプリントアウトされた画像が完成する。
転写しきれず感光体1に残留する液体現像剤6は、像担持体クリーニング部のクリーニングブレード9によりかきとられ、感光体1は再び帯電、露光、現像の工程を繰り返し、プリント動作を行なう。同様に転写しきれず中間転写体10に残留する液体現像剤6は、クリーニングブレード11によりかきとられる。
トナー粒子は現像チャージャー26でプラス極性に帯電される。中間転写体10の電位は−400Vとし、転写ローラ4の電位は−1200Vとした。搬送速度は400mm/sとした。
なお、今回の評価においては、記録材として、コート紙(商品名:「OKトップコート」(128g/m2)、王子製紙社製)を用いた。
<光沢度の評価>
前述した画像形成装置を用いて、シアン現像剤およびブラック現像剤でソリッドパターン(10cm×10cm、トナー粒子の付着量:2g/m2)を、同一の付着量で、同一の記録材(コート紙)上に形成し、引き続きヒートローラで定着した。定着条件は、ニップ時間を40msec.とし、定着温度は表4の「定着ロール温度」の欄に示す温度に設定した。
その後、上記で得られた定着画像のシアンソリッド部およびブラックソリッド部の光沢度を75度光沢計(商品名:「VG−2000」、日本電色社製)により、それぞれ測定した。その結果を表4に示す。表4中、「光沢度」の欄において、「差(絶対値)」が10以下であるものは、光沢度の差が小さく良好である。
<定着強度の評価>
上記と同様にして得た定着画像のシアンソリッド部およびブラックソリッド部の定着強度の評価を、定着画像のテープ剥離試験により行なった。すなわち、画像定着後のコート紙上の測定対象部位にテープを貼り付けた後、そのテープを剥離し、テープに剥離されてきた画像の画像濃度(ID)を、反射濃度計(商品名:「X−Rite model 404」、X−Rite社製)により測定し、以下の2段階のランク評価を行なった。その結果を表4に示す。なお、テープとしては、「スコッチメンディングテープ」(商品名、3M社製)を用いた。
A:画像濃度(ID)0.1未満
B:画像濃度(ID)0.1以上
剥離されてきた画像の画像濃度の数値が小さいほど、定着強度が高いことを示す。したがって、「シアン」および「ブラック」の欄がともに「A」であるものは、液体現像剤セットとして良好な定着強度を有している。一方、「シアン」および「ブラック」の欄のうち、いずれか一方が「B」であるものは、液体現像剤セットとしては十分な定着強度を有していない。
Figure 2015001711
表3および表4から明らかなように、第1トナー粒子を含むブラック現像剤と第2トナー粒子を含む有彩色現像剤とを含む液体現像剤セットであって、該第1トナー粒子は、第1ポリエステル樹脂、ブラック着色剤およびニグロシンを含み、該第2トナー粒子は、第2ポリエステル樹脂および有彩色着色剤を含み、次式(1):「Mc(1−2a0.5)<Mk<Mc(1−0.5a0.5)」を満たす、実施例の液体現像剤セットは、極めて良好な光沢度および定着強度を有し、それらが高度に両立されている。すなわち、実施例の液体現像剤セットは、それぞれの液体現像剤が同一の温度条件で定着可能であるとともに、同一で高い定着品質を有することが確認できた。
これに対して、かかる条件を満たさない比較例の液体現像剤セットは、光沢度と定着強度とが両立されておらず、十分な定着品質が得られていない。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 感光体、2 1次転写部、3 2次転写部、4 転写ローラ、5 現像槽、6 液体現像剤、7 帯電部、8 露光部、9 クリーニングブレード、10 中間転写体、11 クリーニングブレード、12 記録材、21 ならしローラ、22 アニロックスローラ、23 アニロックス規制ブレード、24 現像剤担持体、25 クリーニングブレード、26 現像チャージャー、100 画像形成装置。

Claims (7)

  1. 第1トナー粒子を含むブラック現像剤と第2トナー粒子を含む有彩色現像剤とを含む液体現像剤セットであって、
    前記第1トナー粒子は、第1ポリエステル樹脂、ブラック着色剤およびニグロシンを含み、
    前記第2トナー粒子は、第2ポリエステル樹脂および有彩色着色剤を含み、
    下記式(1)を満たす、液体現像剤セット。
    Mc(1−2a0.5)<Mk<Mc(1−0.5a0.5)・・・(1)
    (式(1)中、Mkは前記第1ポリエステル樹脂の数平均分子量を示し、Mcは前記第2ポリエステル樹脂の数平均分子量を示し、10000≦Mc≦50000であり、aは前記ニグロシンのブラック現像剤に含まれる全固形分に対する質量比を示し、0.01≦a≦0.20である。)
  2. 前記第1ポリエステル樹脂と前記第2ポリエステル樹脂とは、互いに分子構造内に共通の構成単位を含み、前記共通の構成単位はそれぞれの分子構造内において全構成単位のうち80%以上を占める、請求項1に記載の液体現像剤セット。
  3. 前記第1ポリエステル樹脂と前記第2ポリエステル樹脂とは、それぞれ実質的に同一のポリマー種である、請求項1または2に記載の液体現像剤セット。
  4. 前記第1ポリエステル樹脂および前記第2ポリエステル樹脂はそれぞれ、示差走査熱量測定による融解熱が下記式(2)および(3)を満たす結晶性樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤セット。
    5≦H1≦70・・・(2)
    0.2≦H2/H1≦1.0・・・(3)
    (式(2)、(3)中、H1は示差走査熱量測定による初回昇温時の融解熱(J/g)を示す。式(3)中、H2は示差走査熱量測定による第2回目の昇温時の融解熱(J/g)を示す。)
  5. 前記第1ポリエステル樹脂および前記第2ポリエステル樹脂は、それぞれ少なくとも2以上のポリエステルがイソシアネート基を有する化合物に由来の構成単位により結合されているウレタン変性ポリエステル樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の液体現像剤セット。
  6. 前記液体現像剤セットは、以下の条件1および/または条件2を満たす、請求項1〜5のいずれかに記載の液体現像剤セット。
    条件1:前記第1トナー粒子は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有し、前記コア樹脂が前記第1ポリエステル樹脂である。
    条件2:前記第2トナー粒子は、シェル樹脂を含むシェル粒子がコア樹脂を含むコア粒子の表面に付着または被覆されてなるコア・シェル構造を有し、前記コア樹脂が前記第2ポリエステル樹脂である。
  7. 前記有彩色着色剤は、シアン顔料である、請求項1〜6のいずれかに記載の液体現像剤セット。
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