JP2015001467A - 磁気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の温度の影響を最小限に抑え、かつ、それぞれの磁場方向の感度を自由に調整することが可能で、チップサイズの増大を招くことなく多軸の磁場検知を可能とした磁気センサを提供すること。【解決手段】第1の検知部における第1の感磁部11aが、磁気収束部21に覆われ、第2の感磁部12aが、基板平面上で前記第1の感磁部11aに併設されて、第1の感磁部11aと第2の感磁部12aとの間において、第2の検知部2における第1及び第3の磁気収束部21,23が、第2の磁気収束部22の長手方向の仮想中線に対して線対称となるように配置され、第2の感磁部12aに隣接して第3の検知部3における第7及び第8の感磁部15a,16aの間隙を覆うように第4の磁気収束部24が配置されている。【選択図】図12

Description

本発明は、磁気センサに関し、より詳細には、磁気抵抗素子を備え、消費電流の増大を招くことなく、また、温度による影響を最小限に抑えて任意の方向の磁場を検知できる磁気センサに関する。
一般的に磁気の有無を検出する巨大磁気抵抗(Giant Magnet Resistance;GMR)素子は広く知られている。磁場をかけると電気抵抗率が増加する現象を磁気抵抗効果というが、一般の物質では変化率は数%であるが、このGMR素子では数10%に達することから、ハードディスクのヘッドに広く用いられている。
図1は、従来のGMR素子の動作原理を説明するための斜視図で、図2は、図1の部分断面図である。図中符号101は反強磁性層、102はピンド層(固定層)、103はCu層(スペーサ層)、104はフリー層(自由回転層)、202はピンド層(固定層)、203はCu層(スペーサ層)、204はフリー層(自由回転層)を示している。磁性材料の磁化の向きで電子のスピン散乱が変わり抵抗が変化する。つまり、ΔR=(RAP−R)R(RAP;上下の磁化の向きが反平行のとき、R;上下の磁化の向きが反平行のとき)で表される。
固定層102の磁気モーメントは、反強磁性層1との磁気結合により方向が固定されている。漏れ磁場により磁化自由回転層104の磁気モーメントの方向が変化すると、Cu層3を流れる電流が変化し、漏れ磁場の変化が読み取れる。
図3は、従来のGMR素子の積層構造を説明するための構成図で、図中符号301は絶縁膜、302はフリー層(自由回転層)、303は導電層、304はピンド層(固定層)、305は反強磁性層、306は絶縁膜を示している。
フリー層(自由回転層)302は自由に磁化の向きが回転する層で、NiFe又はCoFe/NiFeから構成され、導電層303は電流を流し、スピン散乱が起きる層で、Cuから構成され、ピンド層(固定層)304は磁化の向きが一定方向に固定された層で、CoFe又はCoFe/Ru/CoFeから構成され、反強磁性層305はピンド層304の磁化の向きを固定するための層で、PtMn又はIrMnから構成され、層301,306はTaやCr、NiFeCr、AlOから構成されている。またピンド層は反強磁性層を用いずにセルフバイアス構造を用いても良い。
例えば、特許文献1に記載のものは、磁界の方向の影響を受けることが少なく磁界の大きさを精度よく検出できる巨大磁気抵抗素子に関するもので、このGMR素子は、GMRチップ上に対してバイアス磁石とともに設置されている。
また、特許文献2に記載のものは、方位検出に関して高い感度を有し、小型で量産性にも優れた3軸磁気センサに関するもので、基板表面に平行で互いに直交するように設定した2軸(X、Y軸)方向で地磁気成分を検知する2軸磁気センサ部と、2軸磁気センサ部上に配置され前記2軸を含む面に対して垂直方向(Z軸)の磁界を集める磁性部材とを備えており、磁気感知軸の異なる磁気抵抗素子でブリッジを形成することにより従来よりも少ない素子数で3軸検知センサが実現可能であることを提案している。
特開2012−112689号公報 特開2012−127788号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2の磁気センサは、磁気抵抗素子を用いてブリッジを形成し、その中点電位を出力信号として取り出すため、磁気抵抗素子を形成する物質の抵抗値を出力に含んでしまうため外部の温度に対して出力信号が敏感に変動してしまうという問題がある。
また、X,Yセンサがそれぞれ独立したブリッジを形成するためチップサイズの増大を招くとともに、X,YセンサとZセンサに共通の磁気抵抗素子を使用するため、各方向の感度調整を独立に行うことが困難である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、周囲の温度の影響を最小限に抑え、かつ、それぞれの磁場方向の感度を自由に調整することが可能で、チップサイズの増大を招くことなく多軸の磁場検知を可能とした磁気センサを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、基板平面に対して任意の軸方向の磁場を検知できるようにした磁気センサにおいて、前記基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場を検知するために、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、前記第1の軸方向の磁場に対する感度が異なる第1及び第2の感磁部(11a及び11b,12a及び12b)又は前記第1の軸方向の磁場に対する感磁軸が反平行である第3及び第4の感磁部(11c,12c)からなる第1の検知部(1a,1b,1c)と(図6乃至図8;実施形態1,2,3)、前記基板平面に対して平行かつ前記第1の軸方向に垂直な第2の軸方向の磁場を検知するために、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、前記第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第5及び第6の感磁部(13a,14a)と、該第5及び第6の感磁部(13a,14a)の近傍に配置されて磁路を形成する第1乃至第3の磁気収束部(21乃至23)からなる第2の検知部(2)と(図9;実施形態4)、前記基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場を検知するために、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、前記第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部(15a,16a)と、該第7及び第8の感磁部(15a,16a)の近傍に配置されて磁路を形成する第4の磁気収束部(24)又は前記第4及び第5の磁気収束部(24,25)からなる第3の検知部(3)と(図10及び図11;実施形態5,6)を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の検知部(1a,1b)は、前記第1及び第2の感磁部(11a乃至11b,12a乃至12b)の出力信号(S1,S2)の差分又は第3及び第4の感磁部(11c,12c)の出力信号(S3,S4)に基づき前記第1の軸方向の磁場に応じた信号を出力し、前記第2の検知部(2)は、前記第5及び第6の感磁部(13a,14a)の出力信号(S5,S6)の差分に基づき前記第2の軸方向の磁場に応じた信号を出力し、前記第3の検知部(3a,3b)は、前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)の出力(S7,S8)の差分に基づき前記第3の軸方向の磁場に応じた信号を出力することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第2の検知部(2)における前記第1乃至第3の磁気収束部(21乃至23)が、前記第2の磁気収束部(22)の長手方向に磁気を入力したときに、該第2の磁気収束部(22)から前記第1の磁気収束部(21)及び前記第2の磁気収束部(22)から前記第3の磁気収束部(23)にそれぞれ磁束成分の磁路が形成されるように配置され、平面視したときに、前記第1の磁気収束部(21)と前記第2の磁気収束部(22)間の第1の仮想中線(L21)から前記第5の感磁部(13a)の長手方向の中線(L13)までの中線間距離(MW1)、及び前記第2の磁気収束部(22)と前記第3の磁気収束部(23)間の第2仮想中線(L23)から前記第6の感磁部(14a)の長手方向の中線(L14)までの中線間距離(MW2)が互いに等しいことを特徴とする。(図9;実施形態4)
また、請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記第3の検知部(3a,3b)における前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)は、平面視したときに、前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)の中心同士を結ぶ仮想線分(L56)が、前記第4の磁気収束部(24)の長手方向の仮想中線(L40)と垂直又は前記第4及び第5の磁気収束部(24,25)の中心同士を結ぶ仮想線分(L50)と平行であることを特徴とする。(図10及び図11;実施形態5,6)
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記第1の検知部(1a)における前記第1の感磁部(11a)が、平面視したときに、磁気収束部(20)に覆われ、前記第2の感磁部(12a)が、前記基板平面上で前記第1の感磁部(11a)に併設されていることを特徴とする。(図6;実施形態1)
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記磁気収束部(20)が、前記第1乃至第5の磁気収束部(21乃至25)のいずれかであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記第1の検知部(1b)における前記第1の感磁部(11b)と前記第2の感磁部(12b)との短手方向の幅が異なることを特徴とする。(図7;実施形態2)
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記第1の検知部(1c)における前記第3の感磁部(11c)の感磁軸が+X軸方向で、前記第4の感磁部(12c)の感磁軸が−X軸方向であり、各感磁部の感磁軸が反平行であることを特徴とする。(図8;実施形態3)
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記第2の検知部(2)における前記第1及び第3の磁気収束部(21,23)は、平面視したときに、前記第2の磁気収束部(22)の長手方向の仮想中線(L22)に対して線対称となり、かつ、前記第1及び第3の磁気収束部(21,23)の中心(C1,C3)を結んだ仮想線分(L10)が、前記第2の磁気収束部(22)の中心(C2)以外と一部と交差する位置に配置されていることを特徴とする。(図9;実施形態4)
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記第3の検知部(3a)における前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)の間隙を覆うように前記第4の磁気収束部(24)が配置されていることを特徴とする。(図10;実施形態5)
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記第3の検知部(3b)における前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)の外側を覆うように前記第4及び第5の磁気収束部(24,25)が配置されていることを特徴とする。(図11;実施形態6)
また、請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の検知部(1a)における前記第1の感磁部(11a)が、磁気収束部(20)に覆われ、前記第2の感磁部(12a)が、前記基板平面上で前記第1の感磁部(11a)に併設され(図6;実施形態1)、前記第1の感磁部(11a)と前記第2の感磁部(12a)との間において、前記第2の検知部(2)における前記第1及び第3の磁気収束部(21,23)が、前記第2の磁気収束部(22)の長手方向の仮想中線(L22)に対して線対称となり、かつ、前記第1及び第3の磁気収束部(21,23)の中心(C1,C3)を結んだ仮想線分(L10)が、前記第2の磁気収束部(22)の中心(C2)以外と一部と交差する位置に配置され(図9;実施形態4)、前記第2の感磁部(12a)に隣接して前記第3の検知部(3)における前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)の間隙を覆うように前記第4の磁気収束部(24)が配置されている(図10;実施形態5)ことを特徴とする。(図12=図6+図9+図10;実施例1=実施形態1+実施形態4+実施形態5)
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記第7及び第8の感磁部(15b,16b)の短手方向の幅が、前記第1乃至第6の感磁部(11a乃至14a)の短手方向の幅よりも広くしたことを特徴とする。(図13;実施例2)
また、請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記第1の検知部(1b)における前記第1の感磁部(11b)と前記第2の感磁部(12b)との短手方向の幅が異なることを特徴とする。(図14;実施例3)
また、請求項15に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記第3の検知部(3b)における前記第7及び第8の感磁部(15a,16a)の外側を覆うように前記前記第4及び第5の磁気収束部(24,25)が配置されていることを特徴とする。(図15;実施例4)
また、請求項16に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記第2の検知部(2)における第5及び第6の感磁部(13b,14b)の短手方向の幅が、前記第1及び第2,前記第5乃至第8の感磁部(11a,11c,乃至12a乃至12c及び15a,16a)の短手方向の幅よりも狭くしたことを特徴とする。(図16;実施例5)
また、請求項17に記載の発明は、請求項1乃至16のいずれかに記載の発明において、前記第1及び第2又は第3及び第4の感磁部(11a,12a/11b,12b/11c,12c)の出力信号の差分と、前記第5及び第6の感磁部(13a,14a/13b,14b)の出力信号の差分と、第7及び第8の感磁部(15a,16a/15b,16b)の出力信号の差分とを出力する演算部を備えていることを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1乃至第4の感磁部(11a,11c,12a乃至12c)の短手方向の幅が、前記第5乃至第8の感磁部(13a乃至16a)の短手方向の幅よりも狭くしたことを特徴とする。
また、請求項19に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1及び第2の感磁部(11a,12a)の短手方向の幅と、前記第5及び第6の感磁部(13b,14b)の短手方向の幅と、前記第7及び第8の感磁部(15b,16b)との短手方向の幅とがそれぞれ異なることを特徴とする。(図16;実施例5)
また、請求項20に記載の発明は、請求項1乃至19のいずれかに記載の発明において、前記第1及び第2の感磁部(11a,12a)と第3及び第4の感磁部(11c,12c)と第5及び第6の感磁部(13a,13b,14a,14b)と第7及び第8の感磁部(15a,15b,16a,16b)の各組の感磁部の無磁場下での電気抵抗が等しいことを特徴とする。
本発明の磁気センサによれば、周囲の温度の影響を最小限に抑え、かつ、それぞれの磁場方向の感度を自由に調整することが可能で、チップサイズの増大を招くことなく多軸の磁場検知が可能な磁気センサを実現することができる。
従来のGMR素子の動作原理を説明するための斜視図である。 図1の部分断面図である。 従来のGMR素子の積層構造を説明するための構成図である。 感磁部の出力原理を説明するための図である。 (a),(b)は、本発明の磁気センサに用いられる演算回路としての差動増幅回路を示す図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態1における第1の検知部を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態2における第1の検知部を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態3における第1の検知部を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態4における第2の検知部を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態5における第3の検知部の構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態6における第3の検知部の構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例1を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例2を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例3を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例4を説明するための構成図である。 (a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例5を説明するための構成図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
<磁気センサ>
本発明の磁気センサは、基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場を検知する第1の検知部と、基板平面に対して平行かつ第1の軸方向に垂直な第2の軸方向の磁場を検知する第2の検知部と、基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場を検知する第3の検知部とを備える磁気センサである。
第1の検知部は、第1の軸方向に感磁軸を有する感磁部を有し、第1の検知部は、第1の軸方向の磁場に対する感度が異なる第1及び第2の感磁部、又は、第1の軸方向の磁場に対する感磁軸が互いに反平行である第3及び第4の感磁部からなる。この第1及び第2の感磁部、又は、第3及び第4の感磁部の出力信号の差分に基づき第1の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。
また、第2の検知部は、第1の軸方向に感磁軸を有する感磁部を有し、第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第5及び第6の感磁部と、第1乃至第3の磁気収束部からなり、第5及び第6の感磁部の出力信号の差分に基づき第2の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。
また、第3の検知部は、第1の軸方向に感磁軸を有する感磁部を有し、第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部と、第4の磁気収束部又は第4及び第5の磁気収束部からなり、この第7及び第8の感磁部の出力の差分に基づき第3の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。
また、第2の軸方向の磁場を精度よく検出する観点から、第1乃至第3の磁気収束部は、第2の磁気収束部の長手方向に磁気を入力したときに、第2の磁気収束部から第1の磁気収束部及び第2の磁気収束部から第3の磁気収束部にそれぞれ磁束成分の磁路が形成されるように配置されていることが好ましい。
また、第2の軸方向の磁場を精度よく検出する観点から、磁気センサを平面視したときに、第1の磁気収束部と第2の磁気収束部間の第1仮想中線から、第5の感磁部の長手方向の中線までの中線間距離、及び、第2の磁気収束部と第3の磁気収束部間の第2仮想中線から、第6の感磁部の長手方向の中線までの中線間距離が互いに略等しいことが好ましい。
また、第3の軸方向の磁場を精度よく検出する観点から、第7及び第8の感磁部は、磁気センサを平面視したときに、第4又は第5の磁気収束部の短手方向の中線が、第7及び第8の感磁部の一部と交差するように配置され、この第7及び第8の感磁部の中心同士を結ぶ仮想線分が、第4の磁気収束部の長手方向の仮想中線と垂直又は第4及び第5の磁気収束部の中心同士を結ぶ仮想線分と平行であることが好ましい。
<感磁部>
各感磁部の出力は、素子を構成する材料に依存する(外部磁場には依存しない)抵抗Rと、外部磁場に応答して変化する抵抗変化量ΔRに基づいた信号を出力する。例えば、感磁部を定電圧駆動(VCONST)する場合は、出力される電流IOUTから前記抵抗R+抵抗変化率ΔRを導出することが出来る。
OUT=VCONST/(R+ΔR)
∝(R+ΔR)
材料に依存する抵抗Rは、一般的に外部温度に対して敏感であり、例えば、Cuを材料とするGMR素子であれば、室温から100℃までの温度領域で約0.5%程度抵抗Rが変化し得る。それに比べ、外部磁場に対して変化する抵抗変化量ΔRは外部温度に対して鈍感であり、例えば、GMR素子では一定磁場下において室温から100℃までの温度領域で約0.01%程度しか抵抗変化量ΔRが変化しない。
本発明の磁気センサにおいて、第1及び第2の感磁部と、第3及び第4の感磁部と、第5及び第6の感磁部と、第7及び第8の感磁部との各組の感磁部の無磁場下での電気抵抗が等しいことが好ましい。無磁場下での電気抵抗が等しいとは、素子を構成する材料に依存する抵抗Rが等しいことを意味する。
各組の感磁部の無磁場下での電気抵抗を等しくする方法は、特に制限されないが、例えば、それぞれの感磁部の形状を適当な値に設計することで実現可能である。
例えば、各感磁部の厚みTが等しく、感磁部を平面視したときに、各感磁部が矩形で、かつ各感磁部の長手方向の長さL1,L2と短手方向の幅W1,W2の比W1/L1,W2/L2が等しければ、無磁場下での抵抗Rを容易に等しくすることができる。
本発明の磁気センサにおける感磁部の具体例としては、GMR(巨大磁気抵抗),TMR(トンネル磁気抵抗),AMR(異方性磁気抵抗),CMR(超巨大磁気抵抗),ホール素子が挙げられるがこの限りではない。温度特性の観点からGMRやTMRが好ましく、GMRがより好ましい。また、感磁部の感度軸方向の幅は特に制限されないが、0.1〜20ミクロンであることが好ましい。
図4は、感磁部の出力原理を説明するための図である。抵抗Rは、感磁部の伝導パスの電流方向Iに対して垂直な面で切断した際の伝導層の(電流パスの)断面積Sに反比例し、伝導パスの電流方向の長さLに比例する。仮想的に感磁部を電流方向に微小区間ΔLの幅で分割したと考え、分割されたそれぞれの要素の電流に垂直な面の断面積をSjで定義する。Sjは、j番目の要素の電流に垂直な面の伝導層の(電流パスの)断面積を表している。
この時の抵抗Rは、ΔL/Sjをすべての要素足し合わせた量に比例しており、同一材料も用いた2つの素子であれば、ΔL/Sjをすべての要素足し合わせた量が等しければ抵抗値は等しくなる。
例えば、各感磁部の厚みが等しく、磁気センサを平面視した時に、感磁部が矩形である場合、各感磁部の長手方向(電流方向)の長さLと、短手方向(電流方向に垂直方向)の幅Wの比が等しければ、無磁場下での抵抗Rを容易に等しくすることができる。
なお、本発明の磁気センサにおいて、各感磁部の無磁場下での電気抵抗が等しい状態とは、本発明の効果を害さない程度に異なっている状態を含んでおり、例えば、無磁場下での電気抵抗が互いに±1%度程度、好ましくは±0.1%、より好ましくは0.01%相違していてもよい。
また、各感磁部の感磁軸方向を一致させる方法も特に制限されないが、例えば、感磁部の構成を同じ構成にすることで実現可能である。感磁部がGMRの場合、ピンド層の固定磁化の方向をそれぞれ同一方向にする方法が挙げられる。なお、本発明の磁気センサにおいて、各感磁部の感磁軸方向が一致している状態とは、平行の他に、本発明の効果を害さない程度に異なっている状態を含んでいる。
また、第1乃至第3の検知部は、各感磁部の出力信号の差分を出力することが可能な演算回路を設けていることが好ましい。
図5(a),(b)は、本発明の磁気センサに用いられる演算回路としての差動増幅回路を示す図である。なお、図中符号11乃至16は感磁部を示している。
演算回路としては、各感磁部の出力の差分に基づく信号を出力することが可能なものであれば特に制限されず、図5(a)に示す様な各感磁部の出力が入力され、2つの入力の差分値を所定の割合で増幅して出力する差動増幅回路や、各感磁部の出力をデジタル信号に変換し、差分演算を行うデジタルIC回路等が挙げられるがこの限りではない。本発明の磁気センサは、複数の組の感磁部の差分を演算するため、図5(b)に示す様なマルチプレクサを用いた差動増幅回路によれば、1つのオペアンプにより演算が可能であるため、小型化の観点から好ましい。
図6(a),(b)乃至図11(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態1乃至6を説明するための第1乃至第3の検知部を示す構成図で、図6(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態1における第1の検知部を説明するための構成図で、図7(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態2における第1の検知部を説明するための構成図、図8(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態3における第1の検知部を説明するための構成図である。なお、各図における(a)は平面図、(b)は断面図である。
図中符号1aは実施形態1における第1の検知部、1bは実施形態2における第1の検知部、1cは実施形態3における第1の検知部、11a,11bは第1の感磁部、12a,12bは第2の感磁部、11cは第3の感磁部、12cは第4の感磁部、20は磁気収束部、31は基板、32は絶縁層を示している。
本発明の磁気センサは、基板平面に対して任意の軸方向の磁場を検知できるようにした磁気センサである。以下に、各検知部の構成について順次説明する。
<第1の検知部>
図6(a),(b)において、実施形態1における第1の検知部1aは、基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場を検知するために、第1の軸方向に感磁軸を有し、第1の軸方向の磁場に対する感度が異なる第1及び第2の感磁部11a,12aを備えている。なお、第1の感磁部11aと第2の感磁部12aの短手方向の幅をそれぞれW1,W2で示し、W1=W2の関係にある。
また、第1の検知部1aにおける第1の感磁部11aは、平面視したときに、磁気収束部20に覆われ、第2の感磁部12aが、基板31の平面上で第1の感磁部11aに併設されている。なお、磁気収束部20は、後述する第1乃至第5の磁気収束部21乃至25のいずれかであることが好ましい。
図7(a),(b)において、実施形態2における第1の検知部1bにおける第1の感磁部11bと第2の感磁部12bとの短手方向の幅が異なるように構成されている。つまり、第1の感磁部11bの短手方向の幅W1は、第2の感磁部12bの短手方向の幅W2よりも狭くなるように構成されている。また、第1の感磁部11bの長手方向の長さL1は、第2の感磁部12bの長手方向の長さL2よりも短くなるように構成されている。なお、第1の感磁部11bと第2の感磁部12bの短手方向の幅をそれぞれW1,W2で示し、W1<W2の関係にある。
このように、図6(a),(b)及び図7(a),(b)は、第1の軸方向の磁場に対する感度が異なる第1及び第2の感磁部11a,11b,12a,12bからなる第1の検知部1a,1bの一例である。第1及び第2の感磁部11a,11b,12a,12bは、X軸方向に感磁軸を有している。第1の検知部1a,1bは、基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場として、X軸方向の磁場を検知する。
また、図6(a),(b)に示した実施形態1における第1の検知部1aの例では、第1の感磁部11aが磁気収束部20に覆われており、外部磁場に対する感度を有さず、第1の感磁部11aを構成する材料に依存する抵抗Rに基づく信号を常に出力する。一方、第2の感磁部12aは、抵抗Rに加え、X軸方向の外部磁場Bに依存する抵抗変化量ΔRに依存する信号を出力する。
このことを詳細に説明すると、X軸方向の磁場成分Bは、磁気収束部20によって収束されるため第1の感磁部11aには入力されず、第2の感磁部12aに対してのみ入力される。ここで、入力された磁場成分Bに対し、第2の感磁部12aに対して入力されるX軸方向の磁場成分は、磁気収束部20によるX軸方向の磁場成分に対する収束率を表す係数hとすると、hとなる。また、Y軸方向の磁場成分BY、は、第1及び第2の感磁部11a,12aの感磁軸方向には変換されないため、第1及び第2の感磁部11a,12aの出力には影響を与えない。この時、X軸方向の外部磁場に対する感度をαとすると、第2の感磁部12aの抵抗変化量ΔR=αhとなる。
ここで、各感磁部を定電圧駆動する場合、第2の感磁部12aからの出力信号S2と第1の感磁部11aからの出力信号S1の差分は、
S2−S1=(R+αh)/VCONST−R/VCONST
=αh/VCONST
となり、第1及び第2の感磁部11a,12aの出力信号の差分に基づき、X軸方向の外部磁場BXを導出することが可能になる。
また、図7(a),(b)に示した実施形態2における第1の検知部1bの例では、第1の感磁部11bと第2の感磁部12bの長手方向の長さL1,L2と短手方向の幅W1,W2の比W1/L1,W2/L2が等しい。すなわち、第1の感磁部11bと第2の感磁部12bの無磁場下での抵抗Rが等しい。一方、第1及び第2の感磁部11b,12bの各々の感磁軸方向(短手方向)の幅W1,W2は異なるため、外部磁場に依存する抵抗変化量ΔRは異なる。本実施形態3においては、X軸方向の外部磁場成分Bに対する第2の感磁部12bの感度をαとし、第1の感磁部11bの感度をβとすると、第2の感磁部12bの抵抗変化量ΔR=αB、第1の感磁部11bの抵抗変化量ΔR=βBとなる。
ここで、各感磁部を定電圧駆動する場合、第2の感磁部12bからの出力信号S2と第1の感磁部11bからの出力信号S1の差分は、
S2−S1=(R+αB)/VCONST−(R+βB)/VCONST
=(α−β)B/VCONST
となり、第1及び第2の感磁部11b,12bの出力信号の差分に基づき、X軸方向の外部磁場Bを導出することが可能になる。
このような第1の検知部1a,1bにおいて、第1及び第2の感磁部11a,11b,12a,12bの出力信号S1,S2の差分に基づき基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。また、第1の検知部1cにおいて、第3及び第4の感磁部11c,12cの出力信号S3,S4に基づき基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。
図8(a),(b)において、実施形態3における第1の検知部1cは、第1の軸方向の磁場に対する感磁軸が反平行である第3及び第4の感磁部11c,12cから構成されており、第1の検知部1cにおける第3の感磁部11cの感磁軸が+X軸方向で、第4の感磁部12cの感磁軸が−X軸方向であり、各感磁部の感磁軸が反平行であるように構成されている。なお、第3の感磁部11cと第4の感磁部12cの短手方向の幅をそれぞれW3,W4で示し、W3=W4の関係にある。
また、図8(a),(b)に示した実施形態3における第1の検知部1cの例では、第3の感磁部11cの感磁軸は+X軸方向であり、第4の感磁部12cの感磁軸は−X軸方向であり、各感磁部の感磁軸が反平行(180度異なる)である。本実施形態3においては、各感磁部のX軸方向の外部磁場成分Bに対する抵抗変化量はいずれもαBと等しくなるようにした。
各感磁部を定電圧駆動する場合、第3の感磁部11cからの出力信号S3と第4の感磁部12cからの出力信号S4の差分は、
S3−S4=(R+αB)/VCONST−(R−αB)/VCONST
=2αB/VCONST
となり、第3及び第4の感磁部11c,12cの出力信号の差分に基づき、X軸方向の外部磁場Bを導出することが可能になる。
以上のように、本実施形態1乃至3の磁気センサにおける第1の検知部1a乃至1cは、外部磁場に対する磁気抵抗感度が異なる各感磁部の組からの出力信号の差分により、材料に依存する抵抗Rをキャンセルし、抵抗変化量ΔRのみを出力するため、外部温度の影響を最小限に抑え、かつ、感磁軸方向の磁場を検知することが可能であることが理解される。また、各感磁部の形状や大きさ等を設計することにより、任意の感度の検知部とすることが可能である。
<第2の検知部>
図9(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態4における第2の検知部を説明するための構成図で、図中符号13aは第5の感磁部、14aは第6の感磁部、21は第1の磁気収束部、22は第2の磁気収束部、23は第3の磁気収束部を示している。
本実施形態4における第2の検知部2は、基板平面に対して平行かつ第1の軸方向に垂直な第2の軸方向の磁場を検知するために、第1の軸方向に感磁軸を有し、第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第5及び第6の感磁部13a,14aと、この第5及び第6の感磁部13a,14aの近傍に配置されて磁路を形成する第1乃至第3の磁気収束部21乃至23から構成されている。なお、第5の感磁部13aと第6の感磁部14aの短手方向の幅をそれぞれW5,W6で示し、W5=W6の関係にある。
このような構成により、第2の検知部2は、第5及び第6の感磁部13a,14aの出力信号S5,S6の差分に基づき基板平面に対して平行かつ第1の軸方向に垂直な第2の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。
また、第5及び第6の感磁部13a,14aは、X軸方向に感磁軸を有している。第2の検知部2は、第5及び第6の感磁部13a,14aの出力信号S5,S6の差分に基づき、基板平面に対して平行かつ第1の軸方向に垂直な第2の軸方向の磁場として、Y軸方向の磁場Bを検知する。
この第2の検知部2は、X軸方向の磁場に対する感度が等しい第5及び第6の感磁部13a,14bと、第1乃至第3の磁気収束部21乃至23から構成されている。
第1乃至第3の磁気収束部21乃至23が、第2の磁気収束部22の長手方向に磁気を入力したときに、第2の磁気収束部22から第1の磁気収束部21及び第2の磁気収束部22から第3の磁気収束部23にそれぞれ磁束成分の磁路が形成されるように配置されている。
また、磁気センサを平面視したときに、第1の磁気収束部21と第2の磁気収束部22間の第1仮想中線L21から、第5の感磁部13aの長手方向の中線L13までの中線間距離MW1及び記第2の磁気収束部22と第3の磁気収束部23間の第2仮想中線L23から、第6の感磁部14aの長手方向の中線L14までの中線間距離MW2が互いに等しい。
また、第2の検知部2における第1及び第3の磁気収束部21,23は、平面視したときに、第2の磁気収束部22の長手方向の仮想中線L22に対して線対称となり、かつ、第1及び第3の磁気収束部21,23の中心C1,C3を結んだ仮想線分L10が、第2の磁気収束部22の中心C2以外と一部と交差する位置に配置されている。
また、図9(a),(b)に示した第2の検知部2の例においては、X軸方向の磁場成分Bは、第1乃至第3磁気収束部21乃至23によって収束され、第5及び第6の感磁部13a,14aに対して等しく入力される。入力されるX軸方向の磁場成分の収束率をhとすると、第5及び第6の感磁部13a,14aに対してはX軸方向の磁場成分としてhBXが入力される。
Y軸方向の磁場成分Bは、まず第1及び第3の磁気収束部21,23により一度収束され、いずれも第2の磁気収束部22に対して流れ込む。すなわち、第5の感磁部13aに対しては、この第5の感磁部13aの感磁軸方向と平行方向(X方向)に変換され、第6の感磁部14aに対しては、この第6の感磁部14aの感磁軸方向と反平行(−X方向)に変換される。入力されるY軸方向の磁場成分のX軸方向への変換率をkとすると、第5及び第6の感磁部13a,14aに対してはX軸方向の磁場成分としてkが入力される。
Z軸方向の磁場成分Bは、第1乃至第3の磁気収束部21乃至23のそれぞれにより収束されるため、第5及び第6の感磁部13a,14aに対しては、両方とも感磁軸方向と反平行(−X方向)に変換される。入力されるZ軸方向の磁場成分のX軸方向への変換率をlとすると、第5及び第6の感磁部13a,14aに対してはX軸方向の磁場成分としてlが入力される。
ここで、第5及び第6の感磁部13a,14aのX軸方向に対する感度をκとし、各感磁部を定電圧駆動する場合、第6の感磁部14aからの出力信号S6と第5の感磁部13aからの出力信号S5の差分は、
S6−S5=(R+κh−κk−κl)/VCONST
−(R+κh+κk−κl)/VCONST
=−2κh/VCONST
となり、第5及び第6の感磁部13a,14aの出力信号の差分に基づき、Y軸方向の外部磁場Bを導出することが可能になる。
第5及び第6の感磁部13a,14aに印加される磁場は、第1乃至第3の磁気収束部21乃至23の効果によって符号が逆転するため、第5及び第6の感磁部13a,14aの出力信号の差分により材料に依存する抵抗Rをキャンセルし、抵抗変化量ΔRのみを出力するため、外部温度の影響を最小限に抑え、かつ、感磁軸方向に垂直で基板平面に平行方向の磁場を検知することを可能になる。
<第3の検知部>
図10(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態5における第3の検知部の構成図で、図11(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態6における第3の検知部を説明するための構成図を示している。図中符号15aは第7の感磁部、16aは第8の感磁部、24は第4の磁気収束部、25は第5の磁気収束部を示している。
図10(a),(b)において、本実施形態5における第3の検知部3aは、基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場を検知するために、第1の軸方向に感磁軸を有し、第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部15a,16aと、この第7及び第8の感磁部15a,16aの近傍に配置されて磁路を形成する第4の磁気収束部24とから構成されている。なお、第7の感磁部15aと第8の感磁部16aの短手方向の幅をそれぞれW7,W8で示し、W7=W8の関係にある。
また、第3の検知部3aにおける第7及び第8の感磁部15a,16aの間隙を覆うように第4の磁気収束部24が配置されている。
また、図11(a),(b)において、本実施形態6における第3の検知部3bは、基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場を検知するために、第1の軸方向に感磁軸を有し、第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部15a,16aと、この第7及び第8の感磁部15a,16aの近傍に配置されて磁路を形成する第4及び第5の磁気収束部24,25から構成されている。なお、第7の感磁部15aと第8の感磁部16aの短手方向の幅をそれぞれW7,W8で示し、W7=W8の関係にある。
また、第3の検知部3bにおける第7及び第8の感磁部15a,16aの外側を覆うように第4及び第5の磁気収束部24,25が配置されている。
また、第3の検知部3a,3bにおける第7及び第8の感磁部15a,16aは、平面視したときに、前記第7及び第8の感磁部15a,16aの中心同士を結ぶ仮想線分L56が、第4の磁気収束部24の長手方向の仮想中線L40と垂直である。また、第3の検知部3bにおいては、第4及び第5の磁気収束部24,25の中心同士を結ぶ仮想線分L50と平行である。
このような構成により、第3の検知部3a,3bは、第7及び第8の感磁部15a,16aの出力S7,S8の差分に基づき第3の軸方向の磁場に応じた信号を出力する。
また、図10(a),(b)に示す本実施形態5の磁気センサにおける第3の検知部3aの第7及び第8の感磁部15a,16aは、X軸方向に感磁軸を有している。この第3の検知部3aは、第7及び第8の感磁部15a,16aの出力信号S7,S8の差分に基づき、基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場として、Z軸方向の磁場Bを検知する。
また、本実施形態5の第3の検知部3aは、X軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部15a,16aと、第4の磁気収束部24から構成されている。第7及び第8の感磁部15a,16aは、磁気センサを平面視したときに、第7及び第8の感磁部15a,16aの中心同士を結ぶ仮想線分L56が、第4の磁気収束部24の長手方向の仮想中線L40と垂直である。
また、図10(a),(b)に示した実施形態5における第3の検知部3aの例におけるX軸方向の磁場成分Bは、第4の磁気収束部24によって収束され、第7及び第8の感磁部15a,16aに対して等しく入力される。入力されるX軸方向の磁場成分の収束率をhとすると、第7及び第8の感磁部15a,16aに対してはX軸方向の磁場成分としてhが入力される。第7及び第8の感磁部15a,16aは、Y軸方向の磁場成分に対しては不感である。
Z軸方向の磁場成分Bは、第4の磁気収束部24により収束されるため、第7の感磁部15aに対しては、感磁軸方向に平行(+X方向)に変換され、第8の感磁部16aに対しては、感磁軸方向に反平行(−X方向)に変換される。入力されるZ軸方向の磁場成分のX軸方向への変換率をlとすると、第7の感磁部15aに対しては、X軸方向の磁場成分としてlが入力され、第8の感磁部16aに対しては、X軸方向の磁場成分として−lが入力される。
ここで、第7及び第8の感磁部15a,16aのX軸方向に対する感度をτとし、各感磁部を定電圧駆動する場合、第7の感磁部15aからの出力信号S7と第8の感磁部からの出力信号S8の差分は、
S7−S8=(R+τh+τl)/VCONST
−(R+τh−τl)/VCONST
=2τl/VCONST
となり、第7及び第8の感磁部15a,16aの出力信号の差分に基づき、Z軸方向の外部磁場Bを導出することが可能になる。
また、図11(a),(b)に示す本実施形態6の磁気センサにおける第3の検知部3bの第7及び第8の感磁部15a,16aは、X軸方向に感磁軸を有している。この第3の検知部3bは、第7及び第8の感磁部15a,16aの出力信号S7,S8の差分に基づき、基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場として、Z軸方向の磁場Bを検知する。
また、本実施形態6の第3の検知部3bは、X軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部15a,16bと、第4及び第5の磁気収束部24,25から構成されている。第7及び第8の感磁部15a,16aは、磁気センサを平面視したときに、第7及び第8の感磁部15a,16aの中心同士を結ぶ仮想線分L56が、第4及び第5の磁気収束部24,25の中心同士を結ぶ仮想線分L50と平行である。
また、図11(a),(b)に示した実施形態6における第3の検知部3bの例におけるX軸方向の磁場成分Bは、第4及び第5の磁気収束部24,25によって収束され、第7及び第8の感磁部15a,16aに対して等しく入力される。入力されるX軸方向の磁場成分の収束率をhとすると、第7及び第8の感磁部15a,16aに対しては、X軸方向の磁場成分としてhが入力される。第7及び第8の感磁部15a,16aは、Y軸方向の磁場成分に対しては不感である。
Z軸方向の磁場成分Bは、第4及び第5の磁気収束部24,25により収束されるため、第7の感磁部15aに対しては、感磁軸方向に反平行(−X方向)に変換され、第8の感磁部16aに対しては、感磁軸方向に平行(+X方向)に変換される。入力されるZ軸方向の磁場成分のX軸方向への変換率をlとすると、第7の感磁部15aに対しては、X軸方向の磁場成分として−lが入力され、第8の感磁部16aに対しては、X軸方向の磁場成分としてlが入力される。
ここで、第7及び第8の感磁部15a,16aのX軸方向に対する感度をτとし、各感磁部を定電圧駆動する場合、第8の感磁部16aからの出力信号S8と第7の感磁部15aからの出力信号S7の差分は、
S8−S7=(R+τh+τl)/VCONST
−(R+τh−τl)/VCONST
=2τl/VCONST
となり、第7及び第8の感磁部15a,16aの出力信号の差分に基づき、Z軸方向の外部磁場Bを導出することが可能になる。
このように、第7及び第8の感磁部15a,16aに印加される磁場は第4及び第5の磁気収束部24,25の効果によって符号が逆転するため、第7及び第8の感磁部15a,16aの出力信号の差分により材料に依存する抵抗Rをキャンセルし、抵抗変化量ΔRのみを出力するため、外部温度の影響を最小限に抑え、かつ、感磁軸方向に垂直で基板平面に垂直方向の磁場を検知することを可能になる。
なお、第1乃至第4の感磁部11a,11c,12a乃至12cの短手方向の幅が、第5乃至第8の感磁部13a乃至16aの短手方向の幅よりも狭く構成しても良い。
また、第1及び第2の感磁部11a,12aと第3及び第4の感磁部11c,12cと第5及び第6の感磁部13a,13b,14a,14bと第7及び第8の感磁部15a,15b,16a,16bの各組の感磁部の無磁場下での電気抵抗が等しくなるように構成するのが良い。
<演算部>
本発明の磁気センサは、第1及び第2又は第3及び第4の感磁部11a,12a/11b,12b/11c,12cの出力信号の差分と、第5及び第6の出力信号の差分13a,14a/13b,14b、第7及び第8の感磁部15a,16a/15b,16bの出力信号の差分とを出力することが可能な演算部を備えていることが好ましい。
次に、本発明の磁気センサのより具体的な各実施例について説明する。
図12(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例1を説明するための構成図で、第1の検知部として図6(a)に示したものを適用し、第2の検知部として図9に示したものを、第3の検知部として図10に示したものを適用した。
感磁部11a,12a乃至15a,16aとしては、スピンバルブ型のピンド層、伝導層、フリー層を積層してなるGMR素子を用いている。
本実施例1の磁気センサは、第1の検知部1aにおける第1の感磁部11aが、磁気収束部21に覆われ、第2の感磁部12aが、基板平面上で第1の感磁部11aに併設されている。
また、図12(a)から分かるように、第1の感磁部11aと第2の感磁部12aとの間において、第2の検知部2における第1及び第3の磁気収束部21,23が、第2の磁気収束部22の長手方向の仮想中線L22に対して線対称となり、かつ、第1及び第3の磁気収束部21,23の中心C1,C3を結んだ仮想線分L10が、第2の磁気収束部22の中心C2以外と一部と交差する位置に配置されている。
また、第2の感磁部12aに隣接して第3の検知部3における第7及び第8の感磁部15a,16aの間隙を覆うように第4の磁気収束部24が配置されている。
また、感磁部11a,12a乃至15a,16aは、X軸方向に対して感磁軸を持っており、それぞれの感磁軸がお互いに平行になるように配置されている。
また、感磁部11aは、基板上に設置された磁気収束部21に磁気遮蔽されており、かつ磁気センサを平面視した時、感磁部11a,12aの感磁軸方向長さWと、基板面に対して平行かつ感磁軸方向に垂直な方向の長さLの比(W1:L1及びW2:L2)は等しくなるように配置されている。すなわち、第1及び第2の感磁部の無磁場時での抵抗Rは等しくなっている。なお、第1の感磁部は、磁気収束部に覆われていればよく、特に制限されてないが、チップ面積を小さくする観点から、第1乃至第4のいずれかに覆われていることが好ましい。
また、第2の検知部における磁気収束部21乃至23は、磁気センサを平面視したときに、第2の磁気収束部の長手方向の仮想中線に対して線対称となり、かつ、第1及び第3の磁気収束部の中心を結んだ仮想線分が第2の磁気収束部の中心以外と一部と交差する位置に配置されている。
また、第5の感磁部13aは、磁気収束部21及び22の間に配置され、第6の感磁部14aは磁気収束部22及び23の間に配置され、第5の感磁部13aと第6の感磁部14aの感磁軸方向は一致しており、また、第5の感磁部13aと第6の感磁部14aの短手方向の中線は一致しており、その中線と磁気収束部21と磁気収束部23の中心を結ぶ仮想線分は平行になるように配置されている。
また、磁気センサを平面視した時、第5及び第6の感磁部13a,14aの感磁軸方向長さW、基板面に対して平行かつ感磁軸方向に垂直な方向の長さLの比(W5:L5及びW6:L6)は等しくなるように配置されている。すなわち、第5及び第6の感磁部の無磁場時での抵抗Rは等しくなっている。
また、第7及び第8の感磁部15,16は、磁気収束部24の両側に、磁気収束部の長手方向の中線と、第7及び第8の感磁部15,16の長手方向の中線との距離がそれぞれ等しくなるように配置されている。また、磁気センサを平面視した時、第7及び第8の感磁部15,16の感磁軸方向長さW、基板面に対して平行かつ感磁軸方向に垂直な方向の長さLの比(W7:L7及びW8:L8)は等しくなるように配置されている。すなわち、第15及び第16の感磁部の無磁場時での抵抗Rは等しくなっている。なお、各感磁部の短手方向の幅は、W1=W2=W5=W6=W7=W8の関係にある。
このような構成における第1及び第2の感磁部11a,12aからの出力信号の差分により感磁軸方向の磁場成分、第5及び第6の感磁部13a,14aからの出力信号の差分により感磁軸方向に垂直で基板平面に平行方向の磁場成分、第7及び第8の感磁部15a,16aからの感度軸方向の出力信号の差分により基板平面に垂直方向の磁場成分に応じた信号をそれぞれ出力することができる。
具体的には、各検知部を定電圧駆動し、この磁気センサに対して磁界B(X,Y,Z軸方向のそれぞれの成分をB,B,B)を加えると、
第1の検知部は、
S2−S1(S4−S3)=αh/VCONST
を出力し、第2の検知部は、
S6−S5=2κk/VCONST
を出力し、第3の検知部は、
S7−S8=2τl/VCONST
を出力する。
すなわち、第1乃至第3の検知部により、B,B,Bを導出することが可能になる。また、上記式より、第1乃至第3の検知部の感磁部の感度α、κ、τをそれぞれ所望の値にすることにより、X、Y,Z軸のそれぞれの方向に対して所望の感度及びレンジの磁気センサが実現可能であることが理解される。他の方法としては、第1乃至第3の検知部の磁気収束部の組成、大きさ、各感磁部との距離を所望のものとすることにより、h1、、lを所望の値にすることによっても、X、Y,Z軸のそれぞれの方向に対して所望の感度及びレンジの磁気センサが実現可能であることが理解される。
図13(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例2を説明するための構成図で、第3の検知部の第7及び第8の感磁部の感磁軸方向(X軸方向)の幅を広くした以外は実施例1と同様である。つまり、第7及び第8の感磁部15b,16bの短手方向の幅は、第1乃至第6の感磁部11a乃至14aの短手方向の幅よりも広く構成されている。なお、各感磁部の短手方向の幅は、W1=W2=W5=W6<W7=W8の関係にある。
このように、第7及び第8の感磁部の幅が広くしたことにより、第1,第2及び第5,第6の感磁部よりも感度が高まるため、Z軸方向の感度が高い磁気センサとなる。
図14(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例3を説明するための構成図で、第1の検知部として図7(a)に示したもの適用した以外は実施例1と同様である。つまり、第1の検知部1bにおける第1の感磁部11bと第2の感磁部12bとの短手方向の幅が異なるように構成されており、第1の感磁部11bの短手方向の幅W1は、第2の感磁部12bの短手方向の幅W2よりも狭くなるように構成されている。なお、各感磁部の短手方向の幅は、W1<W2=W5=W6=W7=W8の関係にある。
このように、第1の検知部として図7(a)に示したもの適用したことにより、第1及び第2の感磁部が磁気収束板の温度特性を受けなくなるため、より温度特性が優れた磁気センサとなる。
図15(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例4を説明するための構成図で、第3の検知部として図11(a)に示したもの適用した以外は実施例1と同様である。つまり、第3の検知部3bにおける第7及び第8の感磁部15a,16aの外側を覆うように第4及び第5の磁気収束部24,25が配置されている。なお、各感磁部の短手方向の幅は、W1=W2=W5=W6=W7=W8の関係にある。
このように、第3の検知部として図11(a)に示したもの適用したことにより、第2の感磁部が他の感磁部から独立するため、第2の感磁部の配置設計が容易となる。
図16(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施例5を説明するための構成図で、図中符号13b,14bは第5及び第6の感磁部、15b,16bは第7及び第8の感磁部を示している。第3の検知部の第7及び第8の感磁部の感磁軸方向(X軸方向)の幅を広くし、第2の検知部の第5及び第6の感磁部の感磁軸方向の幅を狭くした以外は実施例1と同様である。つまり、第2の検知部2における第5及び第6の感磁部13b,14bの短手方向の幅が、第1及び第2,第5乃至第8の感磁部11a,11c乃至12a乃至12c及び15a,16aの短手方向の幅よりも狭く構成されている。なお、各感磁部の短手方向の幅は、W5=W6<W1=W2<W7=W8の関係にある。
また、第1及び第2の感磁部11a,12aの短手方向の幅と、第5及び第6の感磁部13b,14bの短手方向の幅と、第7及び第8の感磁部15b,16bとの短手方向の幅とがそれぞれ異なるように構成しても良い。
このように、第7及び第8の感磁部の幅が広くしたことにより、磁気センサとしてZ軸方向の磁場成分に対する感度が向上し、第5及び第6の感磁部の幅を狭くしたことにより、Y軸方向の磁場成分に対する検知可能なレンジが向上する。すなわち、実施例5に係る磁気センサより、第1,第2及び第5乃至第8の感磁部として同じ構造のGMR素子を用いた場合であっても、各感磁部の幅を所望のものにすることにより、各軸方向の感度とレンジが所望の値となる磁気センサを容易に設計することが可能であることが理解される。
1a,1b,1c 第1の検知部
11乃至16 感磁部
11a,11b 第1の感磁部
12a,12b 第2の感磁部
11c 第3の感磁部
12c 第4の感磁部
13a,13b 第5の感磁部
14a,14b 第6の感磁部
15a,15b 第7の感磁部
16a,16b 第8の感磁部
20 磁気収束部
21 第1の磁気収束部
22 第2の磁気収束部
23 第3の磁気収束部
24 第4の磁気収束部
25 第5の磁気収束部
31 基板
32,301,306 絶縁膜
101,305 反強磁性層
102,202,304 ピンド層(固定層)
103,203 Cu層(スペーサ層)
104,204,302 フリー層(自由回転層)
303 導電層

Claims (20)

  1. 基板平面に対して任意の軸方向の磁場を検知できるようにした磁気センサにおいて、
    前記基板平面に対して平行な第1の軸方向の磁場を検知するために、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、前記第1の軸方向の磁場に対する感度が異なる第1及び第2の感磁部又は前記第1の軸方向の磁場に対する感磁軸が反平行である第3及び第4の感磁部からなる第1の検知部と、
    前記基板平面に対して平行かつ前記第1の軸方向に垂直な第2の軸方向の磁場を検知するために、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、前記第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第5及び第6の感磁部と、該第5及び第6の感磁部の近傍に配置されて磁路を形成する第1乃至第3の磁気収束部からなる第2の検知部と、
    前記基板平面に対して垂直な第3の軸方向の磁場を検知するために、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、前記第1の軸方向の磁場に対する感度が等しい第7及び第8の感磁部と、該第7及び第8の感磁部の近傍に配置されて磁路を形成する第4の磁気収束部又は前記第4及び第5の磁気収束部からなる第3の検知部と
    を備えていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記第1の検知部は、前記第1及び第2の感磁部の出力信号の差分又は第3及び第4の感磁部の出力信号に基づき前記第1の軸方向の磁場に応じた信号を出力し、
    前記第2の検知部は、前記第5及び第6の感磁部の出力信号の差分に基づき前記第2の軸方向の磁場に応じた信号を出力し、
    前記第3の検知部は、前記第7及び第8の感磁部の出力の差分に基づき前記第3の軸方向の磁場に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記第2の検知部における前記第1乃至第3の磁気収束部が、前記第2の磁気収束部の長手方向に磁気を入力したときに、該第2の磁気収束部から前記第1の磁気収束部及び前記第2の磁気収束部から前記第3の磁気収束部にそれぞれ磁束成分の磁路が形成されるように配置され、
    平面視したときに、前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部間の第1の仮想中線から前記第5の感磁部の長手方向の中線までの中線間距離、及び前記第2の磁気収束部と前記第3の磁気収束部間の第2仮想中線から前記第6の感磁部の長手方向の中線までの中線間距離が互いに等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気センサ。
  4. 前記第3の検知部における前記第7及び第8の感磁部は、平面視したときに、前記第7及び第8の感磁部の中心同士を結ぶ仮想線分が、前記第4の磁気収束部の長手方向の仮想中線と垂直又は前記第4及び第5の磁気収束部の中心同士を結ぶ仮想線分と平行であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の磁気センサ。
  5. 前記第1の検知部における前記第1の感磁部が、平面視したときに、磁気収束部に覆われ、前記第2の感磁部が、前記基板平面上で前記第1の感磁部に併設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気センサ。
  6. 前記磁気収束部が、前記第1乃至第5の磁気収束部のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の磁気センサ。
  7. 前記第1の検知部における前記第1の感磁部と前記第2の感磁部との短手方向の幅が異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気センサ。
  8. 前記第1の検知部における前記第3の感磁部の感磁軸が+X軸方向で、前記第4の感磁部の感磁軸が−X軸方向であり、各感磁部の感磁軸が反平行であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気センサ。
  9. 前記第2の検知部における前記第1及び第3の磁気収束部は、平面視したときに、前記第2の磁気収束部の長手方向の仮想中線に対して線対称となり、かつ、前記第1及び第3の磁気収束部の中心を結んだ仮想線分が、前記第2の磁気収束部の中心以外と一部と交差する位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気センサ。
  10. 前記第3の検知部における前記第7及び第8の感磁部の間隙を覆うように前記第4の磁気収束部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の磁気センサ。
  11. 前記第3の検知部における前記第7及び第8の感磁部の外側を覆うように前記第4及び第5の磁気収束部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の磁気センサ。
  12. 前記第1の検知部における前記第1の感磁部が、磁気収束部に覆われ、前記第2の感磁部が、前記基板平面上で前記第1の感磁部に併設され、
    前記第1の感磁部と前記第2の感磁部との間において、前記第2の検知部における前記第1及び第3の磁気収束部が、前記第2の磁気収束部の長手方向の仮想中線に対して線対称となり、かつ、前記第1及び第3の磁気収束部の中心を結んだ仮想線分が、前記第2の磁気収束部の中心以外と一部と交差する位置に配置され、
    前記第2の感磁部に隣接して前記第3の検知部における前記第7及び第8の感磁部の間隙を覆うように前記第4の磁気収束部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  13. 前記第7及び第8の感磁部の短手方向の幅が、前記第1乃至第6の感磁部の短手方向の幅よりも広くしたことを特徴とする請求項12に記載の磁気センサ。
  14. 前記第1の検知部における前記第1の感磁部と前記第2の感磁部との短手方向の幅が異なることを特徴とする請求項12に記載の磁気センサ。
  15. 前記第3の検知部における前記第7及び第8の感磁部の外側を覆うように前記前記第4及び第5の磁気収束部が配置されていることを特徴とする請求項12に記載の磁気センサ。
  16. 前記第2の検知部における第5及び第6の感磁部の短手方向の幅が、前記第1及び第2,前記第5乃至第8の感磁部の短手方向の幅よりも狭くしたことを特徴とする請求項13に記載の磁気センサ。
  17. 前記第1及び第2又は第3及び第4の感磁部の出力信号の差分と、前記第5及び第6の感磁部の出力信号の差分と、第7及び第8の感磁部の出力信号の差分とを出力する演算部を備えていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の磁気センサ。
  18. 前記第1乃至第4の感磁部の短手方向の幅が、前記第5乃至第8の感磁部の短手方向の幅よりも狭くしたことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  19. 前記第1及び第2の感磁部の短手方向の幅と、前記第5及び第6の感磁部の短手方向の幅と、前記第7及び第8の感磁部との短手方向の幅とがそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  20. 前記第1及び第2の感磁部と第3及び第4の感磁部と第5及び第6の感磁部と第7及び第8の感磁部の各組の感磁部の無磁場下での電気抵抗が等しいことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の磁気センサ。
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