JP6118416B2 - 磁気センサ - Google Patents
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Description
図1は、従来のGMR素子の動作原理を説明するための斜視図であり、図2は、図1の部分断面図である。図中符号1は反強磁性層、2はピンド層(固定層)、3はCu層(スペーサ層)、4はフリー層(自由回転層)を示している。磁性材料の磁化の向きで電子のスピン散乱が変わり抵抗が変化する。つまり、抵抗の変化量ΔRは、上下の磁化の向きが反平行のときの抵抗値をRAP、上下の磁化の向きが平行のときの抵抗値をRPとしたとき、ΔR=(RAP−RP)×RPで表される。
固定層2の磁気モーメントは、反強磁性層1との磁気結合により方向が固定されている。漏れ磁場により自由回転層4の磁気モーメントの方向が変化すると、Cu層3を流れる電流が受ける抵抗が変化し、漏れ磁場の変化が読み取れる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁気検知部の感磁軸の方向を第1の軸の方向としたときに、第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、第1の軸及び第2の軸と直交する第3の軸の方向の磁場を算出することが可能な小型の磁気センサを提供することにある。
(磁気センサの構成)
本実施形態における磁気センサは、基板内に形成された複数の磁気検知部と、基板上に形成された磁気収束部材と、からなる。
(基板)
磁気検知部を形成する基板としては、シリコン基板や化合物半導体基板、セラミック基板など特に限定されず、基板上に回路が形成されていても何ら構わない。
本実施形態の磁気センサにおいて、磁気検知部は入力される磁束に応じた信号を出力するものであれば特に制限されないが、各軸の磁気を容易に検出する観点から、磁気抵抗効果素子であることが好ましく、高いMR比を実現する観点から巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子と称する)やトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR素子と称する)であることがより好ましい。上記磁気抵抗効果素子、GMR素子、TMR素子は公知のものを使用することが出来る。
ここで、磁気検知部は、上述した磁気抵抗効果素子、又はGMR素子、あるいはTMR素子である単一の素子で構成されていてもよいし、いずれかの素子を複数直列に接続して構成されていてもよい。消費電流及び出力信号ノイズの観点から、磁気検知部は素子を複数直列に接続して構成されていることが好ましい。また、各々の磁気検知部が入力される磁束に応じた信号を出力するためには、各々の磁気検知部が磁気的に独立していればよい。各々の磁気検知部を磁気的に独立させる方法としては、単一の素子又は複数直列接続された素子の信号の端部の間に信号を取り出すための金属パターンを形成する形態や、各々の磁気検知部が物理的・電気的に離間している形態が挙げられる。磁気的な独立性を確実にするためには、各々の磁気検知部が物理的・電気的に離間している形態が好ましい。
本実施形態の磁気センサにおいて、磁気収束部材は、基板を平面視したときに矩形状であればよい。磁気収束効果を発現するためには、軟磁気特性を示す磁性材料であることが好ましい。磁気収束部材として用いられる材料例としては、NiFe、NiFeB乃至NiFeCo、CoFeなどが挙げられるがこの限りではなく、求められる特性に応じて適宜用いることができる。
以下、図面を参酌しながら本発明を実施するためのより具体的な形態について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態における磁気センサ101の一例を示す構成図である。図4(a)は平面模式図(基板は図示せず)、図4(b)は図4(a)のA−A´で切り出した時の断面模式図である。
図中、符号21〜23は第1〜第3の磁気検知部、符号30は磁気収束部材、符号41は基板表面を示す。図4では第1〜第3の磁気検知部21〜23は例えば半導体基板などの基板内に、基板表面41に平行に設けられている。この半導体基板上に磁気収束部材30が形成されている。つまり、図4に示すように、磁気収束部材30の下方に、第1〜第3の磁気検知部21〜23が配置されている。これら第1〜第3の磁気検知部21〜23と磁気収束部材30とが検知ユニットを構成し、第1〜第3の磁気検知部21〜23の出力信号は演算部50に入力される。演算部50は、所定の演算処理を行って、磁気検知部の感磁軸の方向である第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、第1の軸及び第2の軸と直交する第3の軸の方向の磁場とを算出する。
なお、図4では、磁気収束部材30を矩形状としているが、磁気収束部材30はこれに限るものではない。磁気収束部材30は、平面視で、第1の軸(X軸)の方向に幅を有し、第2の軸(Y軸)の方向に長さを有する形状であればよい。つまり、磁気収束部材30は、図4に示すように、平面視で細長の矩形の板形状であってもよく、図5に示すように曲線からなる形状であってもよい。また、第1〜第3の磁気検知部21〜23は必ずしも同一形状でなくともよく、また、第1〜第3の磁気検知部21〜23と磁気収束部材30とは必ずしも、平面視で重なっていなくともよく、図5に示すように、離れていてもよい。
第1の磁気検知部21は、平面視で、最も近接する磁気収束部材つまり磁気収束部材30よりも第1の軸の負側であり、且つ、最も近接する磁気収束部材30の長さ方向の中点よりも第2の軸の正側に配置されている。第2の磁気検知部22は、平面視で、最も近接する磁気収束部材つまり磁気収束部材30よりも第1の軸の正側であり、且つ、最も近接する磁気収束部材30の長さ方向の中点よりも第2の軸の正側に配置されている。第3の磁気検知部23は、平面視で、最も近接する磁気収束部材つまり磁気収束部材30よりも第1の軸の負側であり、且つ最も近接する磁気収束部材の長さ方向の中点よりも第2の軸の負側に配置されている。
第1〜第3の磁気検知部21〜23の出力信号は、演算部50に入力される。
なお、便宜上第1の軸をX軸、第2の軸をY軸、第3の軸をZ軸と称することとする。
第1〜第3の磁気検知部21〜23にはGMR素子を用いた。第1〜第3の磁気検知部21〜23に磁場が入力されない状態での抵抗値をR0とする。ピンド層の磁化の方向をX軸方向とし、フリー層の磁化容易軸をY軸方向とすることで、第1〜第3の磁気検知部21〜23の感磁軸は全てX軸方向とした。すなわち各磁気検知部21〜23に入力されるX軸成分の磁気に応じて抵抗値が変化する。感磁軸方向に磁場が入力された時の抵抗変化の感度はαとする。すなわち、磁気検知部21〜23の感磁軸方向に磁場B1が入力された時の各磁気検知部21〜23の抵抗値Rは、R=R0+αB1となる。ここでは各素子(各磁気検知部21〜23)を定電圧駆動又は定電流駆動することで電流の変化値から各素子(各磁気検知部21〜23)の抵抗値(R1〜R3)を求めている。また、説明を簡略化するために抵抗値に基づいて導出原理を説明するが、実際の磁気センサとしては出力信号(電流又は電圧)自体に基づいて3軸各軸の磁気を演算することが可能である。
X軸成分の磁場Bxは、図6(a)に示すように、磁気収束部材30によって収束係数aで収束され、第1〜第3の磁気検知部21〜23に対して全て正の方向にaBxとして入力される。なお、図6(a)において、上図は、平面模式図(基板は図示せず)、下図は第1の磁気検知部21を含む断面模式図である。
Y軸成分の磁場Byは、図6(b)の平面模式図(基板は図示せず)に示すように、磁気収束部材30によって収束され、第1〜第3の磁気検知部21〜23においては、Y軸に対して斜め方向に磁気が作用するため、X軸方向に変換係数bで磁場変換されて、第1〜第3の磁気検知部21〜23に対して入力される。各磁気検知部21〜23の感磁軸はX軸方向であるため、第2及び第3の磁気検知部22、23には正の方向にbByが入力され、第1の磁気検知部21には負の方向にbByが入力される。
以上を踏まえると、磁場Bが入力された時の第1〜第3の磁気検知部21〜23の抵抗値R1〜R3は下記式(1−1)〜(3−1)により表される。
R2=α×(aBx+bBy−cBz)+R0 ……(2−1)
R3=α×(aBx+bBy+cBz)+R0 ……(3−1)
ここで、式(6−1)に示すように、式“(3−1)−(2−1)”より、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R2=2αcBz ……(6−1)
更に、式(7−1)に示すように、式“(3−1)−(1−1)”より、Y軸成分の磁場Byのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R1=2αbBy ……(7−1)
そして、上記演算から理解されるように、磁気を精度良く検知するための増幅信号処理や、複雑な信号処理などを行なう必要がなく、簡単な回路構成で実現することができるため、消費電流の増大や、大型化などを伴うことなく、同一基板上で直交3軸方向の磁場を検知することの可能な、小型の磁気センサを実現することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態の磁気センサ102は、第1の実施形態の磁気センサ101が3つの磁気検知部を有するのに対し、5つの磁気検知部を備えている。
図7は、本発明の第2の実施形態における磁気センサ102の一例を示す構成図である。図7(a)は平面模式図(基板は図示せず)、図7(b)は図7(a)のA−A´で切り出した時の断面模式図である。
この第2の実施形態の磁気センサ102において、磁気収束部材30は、図7に示すように、平面視が細長の矩形の板形状である。
第1〜第5の磁気検知部21〜25の長手方向の長さは、磁気収束部材30の長手方向の長さの1/2よりも短い。そして、磁気収束部材30の長手方向の一端側をE1、逆側をE2としたとき、第1及び第2の磁気検知部21、22は、磁気収束部材30の長手方向のE2側の端部に設けられる。第1の磁気検知部21は、平面視で磁気収束部材30の長手方向に沿って延びる左側の縁部と、第1の磁気検知部21の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみとが重なるように配置される。第2の磁気検知部22は、平面視で磁気収束部材30の長手方向に沿って延びる右側の縁部と、第2の磁気検知部22の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみとが重なるように配置される。更に、第1及び第2の磁気検知部21、22は、平面視でそのE2側の端部が磁気収束部材30のE2側の端部と一致するように配置される。
更に、第1〜第5の磁気検知部21〜25の長手方向の中心線と磁気収束部材30の長手方向の中心線とはそれぞれ平行であり、第1〜第4の磁気検知部21〜24は、磁気収束部材30の短手方向及び長手方向の中心線のそれぞれに対して線対称となるように配置されている。なお、本明細書でいう中心線とは、例えば磁気収束部材30の場合には、磁気収束部材30の中心点(平面視で、幅及び長さが共に中央となる部分)を通る長手方向又は短手方向に延びる線分のことを言い、長手方向の中心線とは中心点を通る長手方向に延びる中心線のことを言い、短手方向の中心線とは中心点を通る短手方向に延びる中心線のことを言う。
なお、便宜上第1の軸をX軸、第2の軸をY軸、第3の軸をZ軸と称することとする。
第1〜第5の磁気検知部21〜25にはGMR素子を用いた。第1〜第5の磁気検知部21〜25に磁場が入力されない状態での抵抗値をR0とする。ピンド層の磁化の方向をX軸方向とし、フリー層の磁化容易軸をY軸方向とすることで、第1〜第5の磁気検知部21〜25の感磁軸は全てX軸方向とした。すなわち各磁気検知部21〜25に入力されるX軸成分の磁気に応じて抵抗値が変化する。感磁軸方向に磁場が入力された時の抵抗変化の感度はαとする。すなわち、磁気検知部21〜25の感磁軸方向に磁場B1が入力された時の各磁気検知部21〜25の抵抗値Rは、R=R0+αB1となる。ここでは各素子(各磁気検知部21〜25)を定電圧駆動又は定電流駆動することで電流の変化値から各素子(各磁気検知部21〜25)の抵抗値(R1〜R5)を求めている。また、説明を簡略化するために抵抗値に基づいて導出原理を説明するが、実際の磁気センサとしては出力信号(電流又は電圧)自体に基づいて3軸各軸の磁気を演算することが可能である。
X軸成分の磁場Bxは、図8(a)に示すように、磁気収束部材30によって収束係数aで収束され、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して全て正の方向にaBxとして入力される。一方、第5の磁気検知部25は平面視で磁気収束部材30に完全に覆われて(重なって)いるため、X軸方向の磁場は入力されない。なお、図8(a)において、上図は、平面模式図(基板は図示せず)、下図は第3及び第4の磁気検知部23、24を含む断面模式図である。
R1=α×(aBx−bBy+cBz)+R0 ……(1−2)
R2=α×(aBx+bBy−cBz)+R0 ……(2−2)
R3=α×(aBx+bBy+cBz)+R0 ……(3−2)
R4=α×(aBx−bBy−cBz)+R0 ……(4−2)
R5=R0 ……(5−2)
R3−R2=2αcBz ……(6−2)
これは式“(1−2)−(4−2)”でも同様である。
更に、式(7−2)に示すように、式“(3−2)−(1−2)”より、Y軸成分の磁場Byのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R1=2αbBy ……(7−2)
これは式“(2−2)−(4−2)”でも同様である。
R1+R2−2×R5=2αaBx ……(8−2)
これは式“(3−2)+(4−2)−2×(5−2)”でも同様である。
上記式(6−2)〜(8−2)より、第2の実施形態の磁気センサ102を用いることにより、X、Y、Z軸成分の各々のみに応じた抵抗値を導出することが可能であることがわかる。したがって、この値からX、Y、Z軸成分の各々の軸方向の磁場を独立して検知することができる。
なお、X、Y、Z軸の各軸成分のみに応じた抵抗値は、例えば、式(6−2)、式(7−2)、式(8−2)から求めてもよいし、例えば、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値は、式(6−2)にしたがって抵抗値“R3−R2”から求めた値と、式“(1−2)−(4−2)”にしたがって、“R1−R4”から求めた値との平均値をとるなど、両者をもとに求めてもよい。X軸成分の磁場Bx及びY軸成分の磁場Byについても、同様である。
例えば、図7に示す磁気収束部材30に対して、第1及び第2の磁気検知部21、22が、磁気収束部材30の長手方向の多少外側に位置していてもよく、逆に、磁気収束部材30の長手方向の多少内側に位置していてもよい。磁気収束部材30と、第3及び第4の磁気検知部23、24との相対関係も同様である。
また、第1〜第5の磁気検知部21〜25は必ずしも、平面視で矩形状でなくてもよく、また、第1〜第5の磁気検知部21〜25の長手方向の中心線と磁気収束部材30の長手方向の中心線とは、必ずしも平面視で平行でなくてもよい。検知精度向上の観点から、第1〜第5の磁気検知部21〜25は、基板を平面視したときに矩形状であり、且つ第1〜第5の磁気検知部21〜25におけるそれぞれの長手方向の中心線と磁気収束部材30の長手方向の中心線とは平行であることが好ましい。
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図9は、第3の実施形態の磁気センサ103の一例を示す構成図である。第3実施形態の磁気センサ103は、図7に示す第2の実施形態における磁気センサ102と比較して、第1〜第5の磁気検知部21〜25の長手方向の中心線と磁気収束部材30の短手方向の中心線とが平行である点と、第1〜第5の磁気検知部21〜25の感磁軸がY軸方向である点と、において相違している。
すなわち、図9に示すように、第1及び第2の磁気検知部21、22は、磁気収束部材30の長手方向のE2側の端部の2つの角部近傍に、それぞれ1つの角部のみに近接するように設けられ、第1の磁気検知部21の長手方向に沿って延びる片側の縁部のみと磁気収束部材30のE2側の端部とが平面視で重なるように配置される。同様に、第2の磁気検知部22の長手方向に沿って延びる片側の縁部のみと磁気収束部材30のE2側の端部とが平面視で重なるように配置され、且つ、第1の磁気検知部21と第2の磁気検知部22とは所定間隔をあけて配置される。
なお、第3の実施形態では、磁気収束部材30の短手方向の幅は、第5の磁気検知部25の長手方向の長さよりも長く、第5の磁気検知部25は平面視で、磁気収束部材30に全体が重なるように形成される。
このような構成を有する第3の実施形態における磁気センサ103は、他の素子とのレイアウトの自由度が高くなる点で好ましい場合がある。
各磁気検知部21〜24の感磁軸はY軸方向であるため、第2及び第3の磁気検知部22、23には正の方向にdBxが入力され、第1及び第4の磁気検知部21、24には負の方向にdBxが入力される。一方、第5の磁気検知部25は、平面視で磁気収束部材30に完全に覆われているため、Y軸方向の変換磁場は入力されない。
Z軸成分の磁場Bzは、磁気収束部材30によって収束されるため、Y軸方向に変換係数fで磁場変換されて、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して入力される。第3及び第4の磁気検知部23、24には正の方向にfBzが入力され、第1及び第2の磁気検知部21、22には負の方向にfBzが入力される。一方、第5の磁気検知部25は平面視で磁気収束部材30に完全に覆われているため、Y軸方向の変換磁場は入力されない。
R1=α×(−dBx+eBy−fBz)+R0 ……(1−3)
R2=α×(dBx+eBy−fBz)+R0 ……(2−3)
R3=α×(dBx+eBy+fBz)+R0 ……(3−3)
R4=α×(−dBx+eBy+fBz)+R0 ……(4−3)
R5=R0 ……(5−3)
R3−R2=2αfBz ……(6−3)
これは式“(4−3)−(1−3)”でも同様である。
更に、式(7−3)に示すように、式“(3−3)−(4−3)”より、X軸成分の磁場Bxのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R1=2αdBx ……(7−3)
これは式“(2−3)−(1−3)”でも同様である。
R1+R2−2×R5=2αeBy ……(8−3)
これは式“(2−3)+(4−3)−2×(5−3)”でも同様である。
上記式(6−3)〜(8−3)より、第3の実施形態の磁気センサ103を用いても、X、Y、Z軸成分の各々のみに応じた抵抗値を導出することが可能であることがわかる。したがって、X、Y、Z軸成分の各々のみに応じた抵抗値からX、Y、Z軸成分の各々の軸方向の磁場を独立して検知することができる。
また、図9に示すように、各磁気検知部21〜25の長手方向の中心線と、磁気収束部材30の短手方向の中心線とが平面視で平行になるように配置した場合でも、第1の実施形態における磁気センサと同等の作用効果を得ることができるため、レイアウトの自由度を高めることができる。
また、第1〜第5の磁気検知部21〜25は、必ずしも平面視で矩形状でなくてもよく、また、その長手方向の中心線と磁気収束部材30の短手方向の中心線とは、必ずしも平面視で平行でなくてもよいが、検知精度向上の観点から第1〜第5の磁気検知部21〜25は、基板を平面視したときに矩形状であり、且つ第1〜第5の磁気検知部21〜25は、その長手方向の中心線と磁気収束部材30の短手方向の中心線とは平行であることが好ましい。
また、上記第1〜第3の実施形態において、磁気収束部材30や、第1〜第5の磁気検知部21〜25の長さや幅、厚み、また相対位置などは、磁気収束部材や磁気検知部の特性や、所望とする磁気センサの精度などに応じて、十分な3軸成分を得ることのできる値に設定すればよい。
また、上記第1〜第3の実施形態において、第5の磁気検知部25は、必ずしも、磁気収束部材30の中心点と第5の磁気検知部25の中心点とが平面視で一致するように配置しなくともよく、多少ずれていてもよい。
なお、変形例における磁気センサにおいては、磁気検出素子として、TMR素子を用いた場合について説明するが、前述のように、磁気検出素子としては、磁気抵抗効果素子やGMR素子を適用することも可能である。
〔変形例1〕
図10は、変形例1における磁気センサの、全体構成を示したものである。図11(a)は、図10の一部を拡大したものであり、図11(b)は、図11(a)のA部を拡大したものである。
変形例1における磁気センサは、図10及び図11に示すように、図7に示す第2の実施形態における磁気センサ102において、各磁気検知部21〜25のそれぞれが複数の磁気検出素子を備えたものである。
各磁気検知部21a〜25aは、磁気検出素子としての複数(例えば4つ)のTMR素子を備える。各磁気検知部21a〜25aは、磁気収束部材30の長手方向に2つのピンド層2が所定間隔で配置され、この2つのピンド層2のそれぞれに、磁気収束部材30の長手方向に2つのフリー層4が所定間隔で配置されることにより、磁気収束部材30の長手方向に所定間隔で4つのTMR素子が配置されてなる。
磁気収束部材30どうしの距離e3は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下が好ましく、25μm以上32μm以下が特に好ましい。例えば距離e3は10μm、20μm、25μm、32μm、40μm、45μm、50μm、60μm、100μmである。
磁気検知部21a〜24aの同一のピンド層2に配置される2つのフリー層4どうしの間の距離e5、及び2つのピンド層2のそれぞれに配置されるフリー層4どうしの間の距離e6は、2μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上10μm以下が特に好ましく、5μm又は6μm又は8μmがより好ましい。例えば距離e5及びe6は、5μm、6μm、8μm、10μmである。距離e5及びe6は同一であってもよいし、異なる値であってもよい。
磁気収束部材30及び磁気検知部21a〜25aを一つの繰り返しパターンとしたときに、一の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21aと他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21aとは配線で直列接続される。すなわち、一の繰り返しパターンの磁気検知部21aに含まれる磁気検出素子は、他の繰り返しパターンの磁気検知部21aに含まれる磁気検出素子と直列接続される。ただし、各繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21aの全てが直列接続される必要は無く、他の磁気検知部21aに接続されない磁気検知部21aがあってもよい。
磁気検知部21aと同様に、磁気検知部22a〜25aのそれぞれは他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部22a〜25aのそれぞれと直列接続される。
図12は、変形例2における磁気センサの、全体構成を示したものである。図13(a)は、図12の一部を拡大したものであり、図13(b)は、図13(a)のA部を拡大したものである。
変形例2における磁気センサは、図12及び図13に示すように、図10、図11に示す変形例1における磁気センサにおいて、磁気収束部材30それぞれを長手方向2つに分割したものであり、2つの磁気収束部材30aと磁気収束部材30bとを有し、長手方向に伸びる直線上に並べて配置された磁気収束部材30a及び磁気収束部材30bが、更に短手方向に複数平行に配置された磁気収束部301を備える。
磁気検知部21b〜25bは、磁気検出素子としての2つのTMR素子を有し、磁気収束部材30a、30bの長手方向に2つのピンド層2が所定間隔で配置され、この2つのピンド層2のそれぞれに、磁気収束部材30a、30bの長手方向に2つのフリー層4が所定間隔で配置されることにより、磁気収束部材30a、30bの長手方向に所定間隔で2つのTMR素子が配置されてなる。
磁気収束部材30aの長手方向の一端と、この一端側に位置する各フリー層4の端部との間の距離、同様に、磁気収束部材30aの長手方向の他端と、この他端側に位置する各フリー層4の端部との間の距離をe11としたとき、距離e11は、0μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上25μm以下がより好ましく、5μm以上24μm以下が特に好ましい。例えば、距離e11は0μm、5μm、10μm、15μm、20μm、24μm、25μm、26μm、27μm、28μm、29μm、30μmである。
磁気収束部材30aどうしの距離e13は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下が好ましく、25μm以上32μm以下が特に好ましい。例えば距離e13は10μm、20μm、25μm、32μm、40μm、50μm、60μm、100μmである。
同一のピンド層2に配置される2つのフリー層4どうしの間の距離e15、及び2つのピンド層2のそれぞれに配置されるフリー層4どうしの間の距離e16は、5μm以上10μm以下が好ましく、5μm又は6μm又は8μmがより好ましい。例えば距離e15及びe16は、5μm、6μm、8μm、10μm、154μm、188μm、である。距離e15及びe16は同一であってもよいし、異なる値であってもよい。距離e15及びe16を同一とする場合には、e15及びe16は例えば8μmに設定される。
磁気収束部材30a及びその周囲に配置される磁気検知部21b〜25bを第1の繰り返しパターンとし、磁気収束部材30b及びその周囲に配置される磁気検知部21b〜25bを第2の繰り返しパターンとしたときに、第1の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21bは、他の第1の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21b及び/又は第2の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21bと配線で直列接続される。即ち、第1の繰り返しパターンの磁気検知部21bに含まれる磁気検出素子は、他の第1の繰り返しパターンの磁気検知部21bに含まれる磁気検出素子及び/又は第2の繰り返しパターンの磁気検知部21bに含まれる磁気検出素子と配線で直列接続される。ただし、各繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21bの全てが直列接続される必要は無く、他の磁気検知部21aに接続されない磁気検知部21bがあってもよい。
磁気検知部21bと同様に、磁気検知部22b〜25bのそれぞれは他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部22b〜25bのそれぞれと直列接続される。
図14は、変形例3における磁気センサの、全体構成を示したものである。図15(a)は、図14の一部を拡大したものであり、図15(b)は、図15(a)のA部を拡大したものである。
変形例3における磁気センサは、図14及び図15に示すように、図10、図11に示す変形例1における磁気センサにおいて、磁気検知部25aを2つの磁気検知部に分け、また、各磁気検知部21a〜24aにおいて、フリー層4間の距離を同一にしたものである。
すなわち、変形例3における磁気センサは、図14、図15に示すように、磁気検知部25aに替えて、2つの磁気検知部25bが設けられている。
この磁気検知部25bは、変形例2における磁気検知部25bと同様であって、1つのピンド層2に2つのフリー層4が所定間隔で配置され、2つのTMR素子が形成されている。
磁気収束部材30どうしの距離e23は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下が好ましく、25μm以上32μm以下が特に好ましい。例えば距離e23は10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、32μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、100μmである。
同一のピンド層2に配置される2つのフリー層4どうしの間の距離e25、及び2つのピンド層2のそれぞれに配置されるフリー層24どうしの間の距離e26は、同一であって例えば8μmである。
変形例1と同様に、磁気収束部材30及び磁気検知部21a〜24a、25bを一つの繰り返しパターンとしたときに、一の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21a〜24a、25bのそれぞれは他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21a〜24a、25bのそれぞれと配線で直列接続される。磁気検出素子の直列接続の個数も変形例1と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
図16は、本発明の第4の実施形態における磁気センサ104の一例を示す構成図である。
図16(a)は磁気センサ104の平面模式図(基板は図示せず)、図16(b)は図16(a)のA−A′で切り出した時の断面模式図である。図中、符号21〜25は第1〜第5の磁気検知部、符号31は第1の磁気収束部材、符号32は第2の磁気収束部材、符号41は基板表面を示す。図16では、第1〜第5の磁気検知部21〜25は例えば半導体基板などの基板内に、基板表面41と平行に設けられる。この半導体基板上に第1の磁気収束部材31及び第2の磁気収束部材32が形成される。つまり、図16(b)に示すように、第1の磁気収束部材31の下方に、第3及び第4の磁気検知部23、24が配置され、第2の磁気収束部材32の下方に、第1の磁気検知部21及び第2の磁気検知部22が形成されている。第1〜第5の磁気検知部21〜25と第1、第2の磁気収束部材32とが検知ユニットとなり、第1〜第5の磁気検知部21〜25の出力信号は演算部50に入力される。演算部50は所定の演算処理を行い、磁気検知部の感磁軸の方向である第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、第1の軸及び第2の軸と直交する第3の軸の方向の磁場を算出する。
第1〜第5の磁気検知部21〜25は同一形状を有し、平面視が細長の矩形の、薄板形状である。第1〜第5の磁気検知部21〜25は、厚み、幅、長さとも第1、第2の磁気収束部材31、32よりも小さい。
第3及び第4の磁気検知部23、24は、平面視で、第1の磁気収束部材31を挟んでその両側の縁部近傍に配置され、図16において第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる左側の縁部と第3の磁気検知部23の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみとが重なるように配置される。同様に、第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる右側の縁部と第4の磁気検知部24の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみとが平面視で重なるように配置される。
また、第1及び第2の磁気収束部材31、32の長手方向の一端をE1側、逆側をE2側としたとき、第1の磁気収束部材31の長手方向E1側の端部と、第3及び第4の磁気検知部23、24の一端とが平面視で一致するように配置される。すなわち、平面視で第1の磁気収束部材31の長手方向E2側の端部のその両側の縁部には、第3及び第4の磁気検知部23、24は配置されない。
また、第2の磁気収束部材32の長手方向E2側の端部と、第1及び第2の磁気検知部21、22の長手方向の一端とが平面視で一致するように配置される。すなわち、平面視で第2の磁気収束部材32の長手方向E1側の端部のその両側の縁部には、第1及び第2の磁気検知部21、22は配置されない。
また、基板を平面視したときに、第1の磁気収束部材31と、第3及び第4の磁気検知部23、24とからなる部材と、第2の磁気収束部材32と、第1及び第2の磁気検知部21、22からなる部材とは、点C1に対して点対称の関係となるように配置される。
この第4の実施形態の磁気センサ104を用いて、磁場Bが入力された場合の3軸方向の磁気検知方法について説明する。
なお、便宜上第1の軸をX軸、第2の軸をY軸、第3の軸をZ軸と称することとする。第1〜第5の磁気検知部21〜25にはGMR素子を用いた。
感磁軸方向に磁場が入力された時の抵抗変化の感度をαとする。すなわち、磁気検知部の感磁軸方向に磁場B1が入力された時の磁気検知部の抵抗値Rは、R=R0+αB1となる。
なお、ここでは磁気検知部21〜25として、各GMR素子を定電圧駆動又は定電流駆動することで電流の変化値から各素子(磁気検知部21〜25)の抵抗値(R1〜R5)を求めている。また、説明を簡略化するために抵抗値に基づいて導出原理を説明するが、実際の磁気センサとしては出力信号(電流又は電圧)自体に基づいて3軸各軸の磁気を演算することが可能である。
X軸成分の磁場Bxは、図17(a)に示すように、第1、第2の磁気収束部材31、32により収束係数aで収束される。第1、第2の磁気収束部材31、32及び第1〜第4の磁気検知部21〜24の配置の対称性から、X軸成分の磁場Bxは、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して全て正の方向にaBxとして入力される。一方、第5の磁気検知部25は第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いるため、X軸方向の磁場は入力されない。
Y軸成分の磁場Byは、図17(b)に示すように、第1の磁気収束部材31、第2の磁気収束部材32によってそれぞれ収束され、第1及び第2の磁気検知部21、22のE2側の端部と、第3及び第4の磁気検知部23、24のE1側の端部とにおいて、Y軸に対して斜め方向に磁気が作用する。そのため、X軸方向に変換係数bで磁場変換されて、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して入力される。入力される磁場の大きさは、第1、第2の磁気収束部材31、32及び第1〜第4の磁気検知部21〜24の配置の対称性から、全て同じになる。
Z軸成分の磁場Bzは、図17(c)に示すように、第1、第2の磁気収束部材31、32によって収束され、第1〜第4の磁気検知部21〜24において、Z軸に対して斜め方向に磁気が作用するため、X軸方向に変換係数cで磁場変換されて、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して入力される。入力される磁場の大きさは、第1、第2の磁気収束部材31、32及び第1〜第4の磁気検知部21〜24の配置の対称性から、全て同じになる。第1及び第3の磁気検知部21、23には正の方向にcBzが入力され、第2及び第4の磁気検知部22、24には負の方向にcBzが入力される。一方、第5の磁気検知部25は第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いるため、X軸方向の変換磁場は入力されない。
R1=α×(aBx−bBy+cBz)+R0 ……(1−4)
R2=α×(aBx+bBy−cBz)+R0 ……(2−4)
R3=α×(aBx+bBy+cBz)+R0 ……(3−4)
R4=α×(aBx−bBy−cBz)+R0 ……(4−4)
R5=R0 ……(5−4)
R3−R2=2αcBz ……(6−4)
これは式“(1−4)−(4−4)”でも同様である。
更に、式(7−4)に示すように、“(3−4)−(1−4)”より、Y軸成分の磁場Byのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R1=2αbBy ……(7−4)
これは式“(2−4)−(4−4)”でも同様である。
R1+R2−2×R5=2αaBx ……(8−4)
これは式“(3−4)+(4−4)−2×(5−4)”でも同様である。
上記式(6−4)〜(8−4)より、第4の実施形態の磁気センサ104を用いることにより、X、Y、Z軸成分の各成分のみに応じた抵抗値を導出することが可能であることがわかる。つまり、X、Y、Z軸成分の各成分のみに応じた抵抗値からX、Y、Z軸成分の各軸方向の磁場を独立して検知することができる。
なお、X、Y、Z軸の各軸成分のみに応じた抵抗値は、例えば、式(6−4)、式(7−4)、式(8−4)から求めてもよいし、例えば、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値は、式(6−4)にしたがって、“R3−R2”から求めた値と、式“(1−4)−(4−4)”にしたがって、“R1−R4”から求めた値との平均値をとるなど、両者をもとに求めてもよい。X軸成分の磁場Bx及びY軸成分の磁場Byについても同様である。
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
図18は、本発明の第5の実施形態における磁気センサ105の一例を示す構成図である。なお、図18(a)は、磁気センサ105の平面模式図(基板は図示せず)、図18(b)は図18(a)のA−A′で切り出した時の断面模式図である。
第5の実施形態における磁気センサ105は、第4の実施形態の磁気センサ104において、第6の磁気検知部26を更に備え、該第6の磁気検知部26が第2の磁気収束部材32に覆われている点で異なる。
つまり、第6の磁気検知部26は、図18に示すように、第1〜第5の磁気検知部25と同一形状であって、第6の磁気検知部26の中心点と第2の磁気収束部材32の中心点とが平面視で一致するように配置される。また、第6の磁気検知部26は、第1及び第2の磁気検知部21、22と同一平面内に配置され、且つ第1の磁気検知部21と第2の磁気検知部22との間に配置される。
そして、これら第1〜第6の磁気検知部21〜26の出力信号は演算部50に入力され、演算部50は所定の演算処理を行い、磁気検知部の感磁軸の方向である第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、第1の軸及び第2の軸と直交する第3の軸の方向の磁場を算出する。
なお、上記第4及び第5の実施形態においては、平面視で、第3、第4の磁気検知部23、24の長手方向E1側の端部と、第1の磁気収束部材31の長手方向E1側の端部とが一致し、第1、第2の磁気検知部21、22の長手方向E2側の端部と、第2の磁気収束部材32の長手方向E2側の端部とが一致するように配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではない。
また、第1、第2の磁気収束部材31、32の長手方向の長さは、磁気検知部21〜24の長手方向の長さと同じであってもよい。第1、第2の磁気収束部材31、32の長手方向の長さと、第1〜第4の磁気検知部21〜24の長手方向の長さとが同一である場合には、それぞれの短手方向の中心線どうしが平面視で重ならないように配置すればよい。
同様に、第3の磁気検知部23、第4の磁気検知部24と、第1の磁気収束部材31とは、平面視で必ずしも重なっていなくてもよく、逆に、例えば図16よりもより広い範囲で重なっていてもよく、第2の磁気収束部材32と、第1、第2の磁気検知部21、22との相対関係も同様である。第1の磁気収束部材31と、第3、第4の磁気検知部23、24との位置関係及び、第2の磁気収束部材32と、第1、第2の磁気検知部21、22との位置関係は、X軸方向に磁場変換されたY軸方向の磁場及びZ軸方向の磁場を検知できる位置関係にあればよい。
なお、前述のように、第1〜第4の磁気検知部21〜24は、その第1方向の端部が、第1又は第2の磁気収束部材31、32の第1方向の端部と平面視で必ずしも一致していなくてもよく多少内側にずれていてもよい。
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
図19は、本発明の第6の実施形態における磁気センサ106の一例を示す平面模式図(基板は図示せず)である。図中、符号21〜25は第1〜第5の磁気検知部、符号31は第1の磁気収束部材、符号32は第2の磁気収束部材を示す。図19では、第1〜第5の磁気検知部21〜25は例えば半導体基板などの基板内に、基板表面41に平行に設けられる。この半導体基板上に第1の磁気収束部材31及び第2の磁気収束部材32が形成されている。つまり、平面視で第1の磁気収束部材31の下方に、第1の磁気検知部21及び第3の磁気検知部23が配置され、第2の磁気収束部材32の下方に、第2の磁気検知部22及び第4の磁気検知部24が形成されている。これら第1〜第5の磁気検知部21〜25と第1、第2の磁気収束部材31、32が検知ユニットを構成し、これら第1〜第5の磁気検知部21〜25の出力信号は演算部50に入力される。演算部50は所定の演算処理を行い、磁気検知部の感磁軸の方向である第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、第1の軸及び第2の軸と直交する第3の軸の方向の磁場を算出する。
第1〜第5の磁気検知部21〜25は同一形状を有し、平面視が細長の矩形の、薄板形状である。第1〜第5の磁気検知部21〜25は、厚み、幅、長さとも第1、第2の磁気収束部材31、32よりも小さい。
第1及び第3の磁気検知部21、23の長手方向の長さは、第1の磁気収束部材31の長さの1/2よりも短い。そして、第1及び第2の磁気収束部材31、32の長手方向の一端側をE1側、逆側をE2側としたとき、平面視で、第1及び第3の磁気検知部21、23は、第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って左の縁部に配置され、第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる左側の縁部と第1及び第3の磁気検知部21、23の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみとが重なるように配置される。更に、平面視で、第1の磁気収束部材31の長手方向のE2側の端部と第1の磁気検知部21のE1側の端部とが一致し、且つ第1の磁気収束部材31の長手方向E1側の端部と第3の磁気検知部23のE1側の端部とが一致するように配置され、第1の磁気検知部21と第3の磁気検知部23とは間隙をもって配置される。
そして、第1の磁気検知部21と第3の磁気検知部23とは、基板を平面視したときの、第1の磁気収束部材31の中心点を通る短手方向に平行な中心線M3に対して線対称の関係となるように配置される。
更に、基板を平面視したときに、第1の磁気収束部材31と、第1及び第3の磁気検知部21、23とからなる部材と、第2の磁気収束部材32と、第2及び第4の磁気検知部22、24とからなる部材とは、線分Lに対して線対称となるように配置される。
第5の磁気検知部25は、図19に示すように、平面視で、第1の磁気収束部材31の下方に、第1の磁気収束部材31の中心点と第5の磁気検知部25の中心点とが一致するように配置され、更に平面視で第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いる。
磁気センサ106において、X軸成分の磁場Bxは、第1及び第2の磁気収束部材31、32により収束係数aで収束される。第1、第2の磁気収束部材31、32及び第1〜第4の磁気検知部21〜24の配置の対称性から、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して全て正の方向にaBxとして入力される。
一方、第5の磁気検知部25は平面視で第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いるため、第4の実施形態と同様にX軸方向の磁場は入力されない。
Z軸成分の磁場Bzは、第1及び第2の磁気収束部材31、32によって収束され、第1〜第4の磁気検知部21〜24において、Z軸に対して斜め方向に磁気が作用するため、X軸方向に変換係数cで磁場変換されて、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して入力される。入力される磁場の大きさは、第1、第2の磁気収束部材31、32及び第1〜第4の磁気検知部21〜24の配置の対称性から、全て同じになる。第1及び第3の磁気検知部21、23には正の方向にcBzが入力され、第2及び第4の磁気検知部22、24には負の方向にcBzが入力される。
一方、第5の磁気検知部25は平面視で第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いるため、X軸方向の変換磁場は入力されない。
R1=α×(aBx−bBy+cBz)+R0 ……(1−6)
R2=α×(aBx+bBy−cBz)+R0 ……(2−6)
R3=α×(aBx+bBy+cBz)+R0 ……(3−6)
R4=α×(aBx−bBy−cBz)+R0 ……(4−6)
R5=R0 ……(5−6)
ここで、式(6−6)に示すように、式“(3−6)−(2−6)”より、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R2=2αcBz ……(6−6)
これは式“(1−6)−(4−6)”でも同様である。
R3−R1=2αbBy ……(7−6)
これは式“(2−6)−(4−6)”でも同様である。
更に、式(8−6)に示すように、式“(3−6)+(4−6)−2×(5−6)”より、X軸成分の磁場Bxのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3+R4−2×R5=2αaBx ……(8−6)
これは式“(1−6)+(2−6)−2×(5−6)”でも同様である。
したがって、この場合も、磁気を精度良く検知するための増幅信号処理や、複雑な信号処理などを行なう必要がなく、簡単な回路構成で実現することができるため、消費電流の増大や、大型化などを伴うことなく、同一基板上で直交3軸方向の磁場を検知できる、小型の磁気センサを実現することができる。
また、第6の実施形態においても、第1、第2の磁気収束部材31、32の一方の端部と第1〜第4の磁気検知部21〜24の一方の端部とは、平面視で必ずしも一致していなくてもよく、第1、第2の磁気収束部材31、32の長手方向の多少外側に位置していてもよく、逆に多少内側にずれていてもよい。同様に、第1、第2の磁気収束部材31、32と第1〜第4の磁気検知部21〜24とは平面視で重なっていなくてもよく、また、図19よりも更に重なっていてもよい。
また、上記第6の実施形態においては、図19に示すように、平面視で、第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる左側の縁部に第1、第3の磁気検知部21、23を配置し、第2の磁気収束部材32の長手方向に沿って延びる右側の縁部に第2、第4の磁気検知部22、24を配置した場合について説明したが、逆に、第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる右側の縁部に第1、第3の磁気検知部21、23を配置し、第2の磁気収束部材32の長手方向に沿って延びる左側の縁部に第2、第4の磁気検知部22、24を配置してもよい。
なお、前述のように、第1〜第4の磁気検知部21〜24は、平面視でその第1方向の端部が、第1又は第2の磁気収束部材31、32の第1方向の端部と必ずしも一致していなくてもよく多少内側にずれていてもよい。
また、この第6の実施形態においても、第2の磁気収束部材32の下方に、第6の磁気検知部を設けてもよく、この場合も上記第5の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。
図20は、本発明の第7の実施形態における磁気センサ107の一例を示す平面模式図(基板は図示せず)である。図中、符号21〜25は第1〜第5の磁気検知部、符号31は第1の磁気収束部材、符号32は第2の磁気収束部材である。図20では、第1〜第5の磁気検知部21〜25は例えば半導体基板などに、基板表面と平行に形成される。この半導体基板上に保護層や接着層などを介して、第1、第2の磁気収束部材31、32が形成される。これら第1〜第5の磁気検知部21〜25及び第1、第2の磁気収束部材3231、32が検知ユニットを構成し、これら第1〜第5の磁気検知部21〜25の出力信号は演算部50に入力される。演算部50は所定の演算処理を行い、磁気検知部の感磁軸の方向である第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、第1の軸及び第2の軸と直交する第3の軸の方向の磁場を算出する。
第1〜第5の磁気検知部21〜25は同一形状を有し、平面視が細長の矩形の、薄板形状である。第1〜第5の磁気検知部21〜25は、厚み、幅、長さとも第1、第2の磁気収束部材31、32よりも小さい。
第2及び第3の磁気検知部22、23の長手方向の長さは、第1の磁気収束部材31の長さの1/2よりも短い。そして、第1及び第2の磁気収束部材31、32の一端側をE1側、逆側をE2側としたとき、平面視で、第3の磁気検知部23は、第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる左側の縁部に配置され、第1の磁気収束部材31の長手方向E1側の端部と第3の磁気検知部23の長手方向E1側の端部とが一致するように配置され、且つ第1の磁気収束部材31の長手方向に沿って延びる左側の縁部と第3の磁気検知部23の長手方向に延びる右側の縁部のみとが重なるように配置される。
一方、第1及び第4の磁気検知部21、24の長手方向の長さは、第2の磁気収束部材32の長さの1/2よりも短い。そして、平面視で、第1の磁気検知部21は、第2の磁気収束部材32の長手方向に沿って延びる左側の縁部に配置され、平面視で、第2の磁気収束部材32の長手方向E2側の端部と第1の磁気検知部21のE1側の端部とが一致するように配置され、且つ第2の磁気収束部材32の長手方向に沿って延びる左側の縁部と第1の磁気検知部21の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみとが重なるように配置される。
そして、第2の磁気検知部22と第3の磁気検知部23とは、基板を平面視したときの第1の磁気収束部材31の中心点C2に対して点対称の関係となるように配置され、第1の磁気検知部21と第4の磁気検知部24とは、基板を平面視したときに第2の磁気収束部材32の中心点C3に対して点対称の関係となるように配置される。
第5の磁気検知部25は、図20に示すように、第1の磁気収束部材31の下方に配置され、平面視で、第1の磁気収束部材31の中心点と第5の磁気検知部25の中心点とが一致するように配置され、平面視で第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いる。
磁気センサ107において、X軸成分の磁場Bxは、第1及び第2の磁気収束部材31、32により収束係数aで収束される。第1及び第2の磁気収束部材31、32及び第1〜第4の磁気検知部21〜24の配置の対称性から、第1〜第4の磁気検知部21〜24に対して全て正の方向にaBxとして入力される。一方、第5の磁気検知部25は平面視で第1の磁気収束部材31に完全に覆われているため、第4の実施形態と同様にX軸方向の磁場は入力されない。
一方、第5の磁気検知部25は、平面視で第1の磁気収束部材31に完全に覆われて(重なって)いるため、X軸方向の変換磁場は入力されない。
R1=α×(aBx−bBy+cBz)+R0 ……(1−7)
R2=α×(aBx+bBy−cBz)+R0 ……(2−7)
R3=α×(aBx+bBy+cBz)+R0 ……(3−7)
R4=α×(aBx−bBy−cBz)+R0 ……(4−7)
R5=R0 ……(5−7)
ここで、式(6−7)に示すように、式“(3−7)−(2−7)”より、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値が導かれる。
R3−R2=2αcBz ……(6−7)
これは式“(1−7)−(4−7)”でも同様である。
R3−R1=2αbBy ……(7−7)
これは式“(2−7)−(4−7)”でも同様である。
更に、式(8−7)に示すように、式“(3−7)+(4−7)−2×(5−7)”より、X軸成分の磁場Bxにのみ応じた抵抗値が導かれる。
R3+R4−2×R5=2αaBx ……(8−7)
これは式“(1−7)+(2−7)−2×(5−7)”でも同様である。
したがって、この場合も、磁気を精度良く検知するための増幅信号処理や、複雑な信号処理などを行なう必要がなく、簡単な回路構成で実現することができるため、消費電流の増大や、大型化などを伴うことなく、同一基板上で直交3軸方向の磁場を検知できる、小型の磁気センサを実現することができる。
また、第7の実施形態においても、第1、第2の磁気収束部材31、32の一方の端部と第1〜第4の磁気検知部21〜24の一方の端部とは、平面視で、必ずしも一致していなくてもよく、第1、第2の磁気収束部材31、32の端部よりも、これら磁気収束部材31、32の長手方向の多少外側に位置していてもよく、逆に多少内側にずれていてもよい。同様に、第1、第2の磁気収束部材31、32と第1〜第4の磁気検知部21〜24とは平面視で重なっていなくてもよく、また、図20よりも更に重なっていてもよい。
第7の実施形態においても、第1の磁気収束部材31と、第2、第3の磁気検知部22、23との位置関係及び、第2の磁気収束部材32と、第1、第4の磁気検知部21、24との位置関係は、X軸方向に磁場変換されたY軸方向の磁場及びZ軸方向の磁場を検知できる位置関係にあればよい。
すなわち、第7の実施形態においては、第1の磁気収束部材31と第2の磁気収束部材32とは、平面視で第1の磁気収束部材31の一の辺と平行な線分(線分L)を軸として線対称の関係にあり、第2及び第3の磁気検知部22、23は、第1の磁気収束部材31の4つの角部のうちの2つの角部に近接した位置にそれぞれ1つの角部のみに近接するように配置され、第2及び第3の磁気検知部22、23と第1及び第4の磁気検知部21、24とは、平面視で線対称の関係にあればよい。このとき、第1〜第4の磁気検知部21〜24は、前述の平行な線分(線分L)の延びる方向を第1方向としたとき、その第1方向の端部が、第1又は第2の磁気収束部材31、32の第1方向の端部と一致するか又は多少内側であってもよく、また端部よりも外側の位置に配置されていてもよい。つまり、第1〜第4の磁気検知部21〜24は、入力される磁力線の向きが第1又は第2の磁気収束部材31、32により変化する領域を含む位置に配置されていればよい。
なお、この第7の実施形態においても、第2の磁気収束部材32の下方に、第6の磁気検知部を設けてもよく、この場合も上記第6の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、上記第4〜第7の実施形態において、第1〜第5の磁気検知部21〜25や、第6の磁気検知部26は、必ずしも平面視で矩形状に限るものではないが、検知精度向上の観点から、平面視で矩形状であることが好ましく、これら第1〜第6の磁気検知部21〜26において、その中心点を通る長手方向の各線分と、第1及び第2の磁気収束部材31、32において、その中心点を通る長手方向の各線分とは、それぞれ平行であることが好ましい。
また、上記第4〜第7の実施形態において、特に制限されないが、各軸の磁気を容易に検知する観点から、第1〜第5の磁気検知部21〜25の中心点を通る長手方向に延びる方向に対して直交する線分、つまり短手方向に延びる基板平面に平行な線分が第1の軸であることが好ましい。この場合、第1〜第5の磁気検知部21〜25の長手方向の中心点を通る線分が第2の軸となり、磁気検知部21〜25に基板平面を平面視した時、垂直な方向が第3の軸となる。
また、上記第4〜第7の実施形態において、第1〜第5の磁気検知部21〜25、また、第6の磁気検知部26を、磁気収束部材31、32の上方に配置してもよい。
また、上記第4〜第7の実施形態において、第5の磁気検知部25は、必ずしも、磁気収束部材31の中心点と一致するように配置しなくともよく、多少ずれていてもよい。同様に、第6の磁気検知部26は、必ずしも、磁気収束部材32の中心点と一致するように配置しなくともよく、多少ずれていてもよい。
なお、変形例における磁気センサにおいては、磁気検出素子として、TMR素子を用いた場合について説明するが、前述のように、磁気検出素子としては、磁気抵抗効果素子やGMR素子を適用することも可能である。
〔変形例4〕
図21は、変形例4における磁気センサの、全体構成を示したものである。図22(a)は、図21の一部を拡大したものであり、図22(b)は、図22(a)のA部を拡大したものである。
すなわち、変形例1における磁気センサは、図21、図22に示すように、磁気収束部材31と磁気収束部材32とが平行に配置されて対をなし、この磁気収束部材31と磁気収束部材32との対が平行に複数配置されてなる磁気収束部302を備え、磁気収束部材31及び磁気収束部材32は等間隔に配置される。更に、図20に示す磁気センサ107の磁気検知部21〜24に対応する磁気検知部21c〜24c及び、図20における磁気検知部25と同等に作用する磁気検知部25cを備え、磁気検知部25cは、平面視で磁気収束部材31、32それぞれの両端に配置される。磁気検知部21c〜24cは、対応する磁気検知部21〜24の配置位置と同様に、磁気収束部材31、32のE1側又はE2側の端部の、右縁又は左縁側に配置される。
磁気検知部25cは、磁気検出素子としての2つのTMR素子を有し、磁気収束部材31、32の長手方向に1つのピンド層2が配置され、このピンド層2に、磁気収束部材31、32の長手方向に2つのフリー層4が所定間隔で配置されることにより、磁気収束部材31、32の長手方向に所定間隔で2つのTMR素子が配置されてなる。
磁気収束部材31と32との距離e3は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下が好ましく、20μm以上32μm以下が特に好ましい。例えば距離e3は20μm、25μm、32μm、40μm、45μm、50μm、60μm、100μmである。
磁気検知部21c〜24cの同一のピンド層2に配置される2つのフリー層4どうしの間の距離e5、及び異なるピンド層2のそれぞれに配置されるフリー層4どうしの間の距離e6は、同一であり例えば8μmである。
磁気収束部材31、32及び磁気検知部21c〜25cを一つの繰り返しパターンとしたときに、一の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21cと他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21cは配線で直列接続される。即ち、一の繰り返しパターンの磁気検知部21cに含まれる磁気検出素子とは、他の繰り返しパターンの磁気検知部21cに含まれる磁気検出素子と直列接続される。ただし、各繰り返しパターンに含まれる磁気検知部21cの全てが直列接続される必要は無く、他の磁気検知部21cに接続されない磁気検知部21cがあってもよい。
磁気検知部21cと同様に、磁気検知部22c〜25cのそれぞれは他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部22c〜25cのそれぞれと直列接続される。
図23は、変形例5における磁気センサの、全体構成を示したものである。図24(a)は、図23の一部を拡大したものであり、図24(b)は、図24(a)のA部を拡大したものである。
変形例5における磁気センサは、図20に示す第7の実施形態における磁気センサ107を、磁気収束部材31、32の長手方向の同一直線上に2つ配置すると共に、短手方向にも複数平行に配置したものである。変形例5における磁気センサは、図23及び図24に示すように、磁気収束部材31、32が、磁気収束部材31、32の長手方向に2つ、短手方向に複数平行に配置されてなる磁気収束部303を備え、これら磁気収束部材31及び磁気収束部材32は等間隔に配置される。更に、磁気収束部材31、32は、図20に示す磁気センサ107の磁気検知部21〜24に対応する磁気検知部21d〜24d及び、図20における磁気検知部25と同等に作用する磁気検知部25cを備え、磁気検知部25cは、平面視で磁気収束部材31、32それぞれの長手方向中央部に配置される。
なお、図23において、40は磁気センサが形成される基板、PADは磁気検出素子の出力信号を取り出すためのパッドであり、PADは磁気収束部材31、32の長手方向両端側にそれぞれ4つずつ計8個設けられている。また、平行に配置された複数の磁気収束部材31、32の対の、これら対が伸びる方向の両端には、磁気検知部21d〜24d、25cが設けられていない磁気収束部材33が配置されている。
各磁気検知部21d〜24d、25cの各部と磁気収束部材31、32とは、平面視で次の条件を満足するように形成される。すなわち、磁気収束部材31、32の長手方向の一端と、この一端側に位置する各フリー層4の端部との間の距離、同様に、磁気収束部材31、32の長手方向の他端と、この他端側に位置する各フリー層4の端部との間の距離をe11としたとき、距離e11は、0μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上25μm以下がより好ましく、15μm以上20μm以下が特に好ましい。例えば、距離e11は0μm、5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、26μm、27μm、28μm、29μm、30μmである。
磁気収束部材31と32との距離e13は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下が更に好ましく、20μm以上32μm以下が特に好ましい。例えば距離e13は10μm、20μm、25μm、32μm、40μm、50μm、60μm、100μmである。
磁気検知部21d〜24dの同一のピンド層2に配置される2つのフリー層4どうしの間の距離e15、及び同一の磁気収束部材と重なるように配置された異なる磁気検知部のピンド層2のそれぞれに配置されるフリー層4どうしの間の距離e16は、同一であり例えば8μmである。
長手方向の同一直線上に配置される2つの磁気収束部材31どうし、32どうし、33どうしそれぞれの間の距離e17は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下が特に好ましい。例えば距離e17は、10μm、20μm、50μm、80μm、100μmである。
磁気検知部21dと同様に、磁気検知部22d〜24d、25cのそれぞれは他の繰り返しパターンに含まれる磁気検知部22d〜24d、25cのそれぞれと直列接続される。
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。
まず、第8の実施形態における磁気センサの前提となる構成について以下に説明する。
図25(a)、(b)は、本発明に係る磁気センサの前提となるGMRセンサの構成図である。図中符号21、22は第1及び第2の磁気検知部(感磁部)、34は磁気収束部材、41は基板表面、Mは第1、第2の磁気検知部21、22及び磁気収束部材34の短手方向の中心線、M21、M22は第1、第2の磁気検知部21、22の中心、Maは第1、第2の磁気検知部の中心M21、M22どうしを結ぶ仮想線分、N21、N22は第1、第2の磁気検知部21、22の長手方向の中心線、N34は磁気収束部材34の長手方向の中心線を示している。なお、中心線とは、前述のように、例えば磁気収束部材34の場合には、第1の磁気収束部材31の中心点(平面視で幅及び長さが共に中央となる部分)を通る長手方向又は短手方向に平行な線分のことを言い、長手方向の中心線とは中心点を通る長手方向に延びる中心線のことを言い、短手方向の中心線とは中心点を通る短手方向に延びる中心線のことを言う。
また、磁気センサを平面視したときに、磁気収束部材34の短手方向の中心線Mが、第1、第2の磁気検知部21、22の一部と交差するように配置され、この第1、第2の磁気検知部21、22の中心M21、M22どうしを結ぶ仮想線分Maと、磁気収束部材31の長手方向の中心線Mとが垂直であり、第1、第2の磁気検知部21、22の長手方向の中心線N21、N22が、磁気収束部材34の長手方向の中心線N34を挟んでいる。
この磁気センサでは、到来する磁場のうち、基板表面41に対して垂直方向(Z軸)の磁場が磁気収束部材34によって収束されることにより、第1の磁気検知部21には磁気検知部21の感磁軸方向(X軸方向)に、第2の磁気検知部22には感磁軸の逆方向(−X軸方向)にそれぞれ変換される。また、感磁軸方向の磁場は第1、第2の磁気検知部21、22に同じだけ入力され、基板表面41に対して水平且つ感磁軸方向に垂直方向(Y軸)の磁場は磁気収束部材34によって収束されるため、第1、第2の磁気検知部21、22の感磁軸方向には実質的に入力されない。
しかしながら、このような磁気センサでは、到来する磁場のうち感磁軸方向(X軸方向)の磁場も収束されるため、第1の磁気検知部21と第2の磁気検知部22との出力の差分のS/N比が悪化してしまう傾向にある。また、感磁軸方向(X軸方向)の磁場の絶対値が大きい場合は、感磁軸方向(X軸方向)の磁場のみで感磁部の測定レンジを超えてしまう可能性があり、その場合は、第1の磁気検知部21と第2の磁気検知部との出力の差分から基板表面41に対して垂直方向の磁場を検知することが困難となる。
そこで、上述したような問題点を解決するために、以下に示す第8の実施形態のような磁気センサを提案するものである。
図26(a)は平面模式図(基板は図示せず)、図26(b)は図26(a)のA−A′で切り出したときの断面模式図である。図中、符号21、22は、第1、第2の磁気検知部、符号34は磁気収束部材、符号41は基板表面を示す。図26では、第1、第2の磁気検知部21、22は例えば半導体基板などの基板内に設けられ、この半導体基板上に磁気収束部材34が形成されている。つまり、図26に示すように、磁気収束部材34の下方に、第1、第2の磁気検知部21、22が配置されている。
第8の実施形態における磁気センサ108は、基板表面41に対して垂直方向の磁場を検知する磁気センサである。
第1、第2の磁気検知部21、22は、同一形状を有し、平面視が細長の矩形の薄板形状である。また、第1、第2の磁気検知部21、22は、厚み、幅、長さとも、磁気収束部材34よりも小さいことが望ましい。
また、基板表面41に対して垂直方向の軸方向の磁場の検知精度を高める観点から、基板表面41を平面視したときに、磁気収束部材31と第1、第2の磁気検知部21、22の一部とが重なっていることが好ましい。
更に、第1、第2の磁気検知部21、22の長手方向の中心線N21、N22及び磁気収束部材34の長手方向の中心線N34はそれぞれ平行であり、第1及び第2の磁気検知部21、22の短手方向の中心線Mと、磁気収束部材34の短手方向の中心線Mとはそれぞれ一致するように配置されている。
また、平面視で、磁気検知部21、22の長手方向の中心線N21、N22は、磁気収束部材34の長手方向の中心線N34を挟んでおり、基板表面41に垂直で、且つ磁気収束部材34の長手方向の中心線N34に垂直な面で断面視したときに、この磁気収束部材34が断面逆テーパ形状で、磁気収束部材34の底辺34aと斜辺34bとがなす角度θは、90度より大きく110度以下であることが好ましい。
磁気収束部材34を形成する基板としては、シリコン基板や化合物半導体基板、セラミック基板など特に限定されず、基板上に回路が形成されていても何ら構わない。
また、第1、第2の磁気検知部21、22は、入力される磁束に応じた信号を出力するものであれば特に制限されないが、各軸の磁気を容易に検出する観点から、磁気抵抗効果素子であることが好ましく、高いMR比を実現する観点から巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)やトンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)であることがより好ましい。磁気抵抗効果素子、GMR素子、TMR素子は、公知のものを使用することができる。第1、第2の磁気検知部21、22は、上述した磁気抵抗効果素子、GMR素子、TMR素子が単一の素子からなっていてもよいし、素子を複数直列に接続してなっていてもよい。消費電流及び出力信号ノイズの観点から、第1、第2の磁気検知部21、22は素子を複数直列に接続してなっていることが好ましい。
また、磁気収束部材34は、基板表面41を平面視したときに矩形状であればよい。磁気収束効果を発現するためには、軟磁気特性を示す磁性材料であることが好ましい。磁気収束部材34として用いられる材料例としては、NiFe、NiFeB乃至NiFeCo、CoFeなどが挙げられるがこの限りではなく、求められる特性に応じて適宜用いることができる。
このように、磁気収束部材34の底辺34aと斜辺34bとのなす角度θが90度より大きく110度以下であることにより、垂直方向の磁場を高精度且つ測定レンジを広くすることが可能になる。
次に、第8の実施形態における磁気センサ108を用いて、磁場Bが入力された場合の基板表面41と垂直方向の磁場の検知方法について説明する。
なお、便宜上、磁気センサ108を平面視したときの磁気収束部材34の短手方向の軸をX軸、磁気センサ108を平面視したときの磁気収束部材34の長手方向の軸をY軸、基板に対して垂直な軸をZ軸と称することとする。
磁場BをX、Y、Z軸の各軸成分に分解すると、B=Bx+By+Bzとなる。
X軸成分の磁場Bxは、図27(a)、(b)に示すように、磁気収束部材34によって収束係数aで収束される。ここで磁気収束部材34の断面を逆テーパ形状にしていることから、X軸成分の磁場Bxの多くは磁気収束部材34の上部に収束されるため、磁気収束部材34の下部に配置されている磁気検知部21、22に入力される磁場の大きさを小さくすることができる。X軸成分の磁場Bxは、磁気収束部材34の上部と下部の磁束密度の比をbとしたとき(0<b<1)、第1、第2の磁気検知部21、22に対して全て正の方向にabBxとして入力される。
Z軸成分の磁場Bzは、図27(d)に示すように、磁気収束部材34によって収束され、第1、第2の磁気検知部21、22において、Z軸に対して斜め方向に磁気が作用するため、X軸方向に変換係数cで磁場変換されて、第1、第2の磁気検知部21、22に対して入力される。第1の磁気検知部21には正の方向にcBzが入力され、第2の磁気検知部22には負の方向にcBzが入力される。
R1=α×(abBx+cBz)+R0 ……(1−8)
R2=α×(abBx−cBz)+R0 ……(2−8)
ここで、次式(3−8)に示すように、式 “(1−8)−(2−8)”より、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値が導かれる。
R1−R2=2αcBz ……(3−8)
ここで、上記演算から理解されるように、磁気収束部材34を逆テーパ形状にすることによって第1、第2の磁気検知部21、22に対するX方向磁場の影響を小さくすることが可能である。これにより外部磁場の影響を小さくし精度よく基板表面41の垂直方向の磁場検知を可能としている。また、磁化飽和の観点から、X方向磁場の感磁部への入力を小さくし、磁場レンジの広い基板表面41の垂直方向の磁場を検知する磁気センサが実現可能である。
次に、本発明の第9の実施形態を説明する。
第9の実施形態における磁気センサ109は、図26に示した第8の実施形態における磁気センサ108と比較して、第1、第2の磁気検知部21、22のそれぞれに対して、第1の磁気収束部材35、第2の磁気収束部材36を配置したものである。
図28は、第9の実施形態における磁気センサ109の一例を示す平面模式図である。
図28(a)は平面模式図(基板は図示せず)、図28(b)は図28(a)のA−A′で切り出したときの断面模式図である。図中符号35は第1の磁気収束部材、36は第2の磁気収束部材、図中符号35aは第1の磁気収束部材35の底辺、符号36aは第2の磁気収束部材36の底辺、M35、M36は第1、第2の磁気収束部材35、36の中心、Mbは第1、第2の磁気収束部材35、36の中心M35、M36どうしを結ぶ仮想直線、N35は第1の磁気収束部材35の長手方向の中心線、N36は第2の磁気収束部材36の長手方向の中心線、θ1は断面が逆テーパ形状に形成された第1の磁気収束部材35の底辺35aと第1の磁気収束部材35の斜辺35bとがなす角度(内角)、θ2は、断面が逆テーパ形状に形成された第2の磁気収束部材36の底辺36aと第2の磁気収束部材36の斜辺36bとがなす角度(内角)を表す。
なお、図28(a)、(b)において、図26(a)、(b)と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
第9の実施形態における磁気センサ109は、基板表面41に対して垂直方向の磁場を検知できるようにした磁気センサである。
また、平面視で、第1、第2の磁気収束部材35、36の中心M35、M36を結ぶ仮想直線Mbは、第1、第2の磁気検知部21、22の一部と交差するように配置され、第1、第2の磁気検知部21、22の中心M21、M22を結ぶ仮想線分Maと、第1、第2の磁気収束部材35、36の長手方向の中心線N35、N36とのそれぞれが垂直である。
また、基板表面41に垂直で、且つ第1、第2の磁気収束部材35、36の長手方向の中心線N35、N36に垂直な面で断面視したときに、第1、第2の磁気収束部材35、36が断面逆テーパ形状で、第1、第2の磁気収束部材35、36の底辺35a、36aと、斜辺35b、36bとがなす角度θ1、θ2が90度より大きく110度以下であることが好ましい。
つまり、図28(a)に示すように、第2の磁気検知部22の長手方向に沿って延びる左側の縁部は、第1の磁気収束部材35の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみと重なるように配置され、第2の磁気検知部22の長手方向に沿って延びる右側の縁部は、第2の磁気収束部材36の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみと重なるように配置されている。つまり、平面視で、第1、第2の磁気収束部材35、36間に、第1、第2の磁気検知部21、22が配置される。
磁場BをX、Y、Z軸の各軸成分に分解すると、B=Bx+By+Bzとなる。
また、Z軸成分の磁場Bzは、図29(d)の断面模式図に示すように、第1、第2の磁気収束部材35、36によって収束され、第1、第2の磁気検知部21、22において、Z軸に対して斜め方向に磁気が作用するため、X軸方向に変換係数cで磁場変換されて、第1、第2の磁気検知部21、22に対して入力される。第1の磁気検知部21には負の方向にcBzが入力され、第2の磁気検知部22には正の方向にcBzが入力される。
R1=α×(abBx−cBz)+R0 ……(1−9)
R2=α×(abBx+cBz)+R0 ……(2−9)
ここで、次式(3−9)に示すように、式“(2−9)−(1−9)”より、Z軸成分の磁場Bzのみに応じた抵抗値が導かれる。
R2−R1=2αcBz ……(3−9)
ここで、上記演算から理解されるように、第1、第2の磁気収束部材35、36を逆テーパ形状にすることによって磁気検知部に対するX方向磁場の影響を小さくすることが可能である。これにより外部磁場の影響を小さくし精度よく基板表面41の垂直方向の磁場検知を可能としている。また、磁化飽和の観点から、X方向磁場の磁気検知部への入力を小さくし、磁場レンジの広い基板表面41の垂直方向の磁場を検知する磁気センサが実現可能である。
次に、本発明の第10の実施形態を説明する。
第10の実施形態における磁気センサ110は、図28に示した第9の実施形態における磁気センサ109では、第1、第2の磁気収束部材35、36の対面側に磁気検知部21、22が配置されていたが、磁気センサ110は第1、第2の磁気収束部材35、36の背面側、すなわち、磁気収束部材35の、磁気収束部材36とは逆側の面と、磁気収束部材36の、磁気収束部材35とは逆側の面とに、第1、第2の磁気検知部21、22をそれぞれ配置した点で相違している。
図28に示す第9の実施形態における磁気センサ109と同一部には同一符号を付してある。
磁気センサ110は、基板表面41に対して垂直方向の磁場を検知できるようにした磁気センサである。
磁気センサ110は、基板表面41に平行に配置された第1、第2の磁気検知部21、22と、これら第1、第2の磁気検知部21、22の各々の近傍に配置された矩形状の第1の磁気収束部材35及び第2の磁気収束部材36とを含む検知ユニット110aを備える。そして、第1、第2の磁気検知部21、22の出力信号は演算部50に入力され、演算部50はこれら出力信号をもとに所定の演算処理を行って、第1、第2の磁気検知部21、22の出力信号の差分から、基板表面41に対して垂直方向となる軸方向の磁場を検出する。
また、第1、第2の磁気収束部材35、36の背面側に第1、第2の磁気検知部21、22が配置され、第1、第2の磁気検知部21、22の長手方向の中心線N21、N22が、第1、第2の磁気収束部材35、36の長手方向の中心線N35、N36を挟むように配置される。
また、基板表面41に対して垂直方向の軸方向の磁場の感度を高める観点から、基板表面41を平面視したときに、第1、第2の磁気収束部材35、36と第1、第2の磁気検知部21、22の一部が重なっていることが好ましい。
つまり、図30(a)に示すように、第1の磁気検知部21の長手方向に沿って延びる右側の縁部は、第1の磁気収束部材35の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみと重なるように配置され、第2の磁気検知部22の長手方向に沿って延びる左側の縁部は、第2の磁気収束部材36の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみと重なるように配置されている。
このようにして、第1、第2の磁気検知部21、22からの出力信号の差分により、基板表面41に対して垂直方向の軸方向の磁場を出力することができる。
次に、本発明の第11の実施形態を説明する。
第11の実施形態における磁気センサ111は、図26に示す第8の実施形態における磁気センサ108と比較して、磁気収束部材34の断面形状が順テーパ形状をしている点が異なる。つまり、磁気収束部材34の断面は上底が底辺よりも短い形状であり、磁気収束部材34を平面視したときに、磁気収束部材34の上底は、磁気収束部材34の底辺に完全に含まれる。第1、第2の磁気検知部21、22は、断面が順テーパ形状の磁気収束部材34において、磁気収束部材34の鋭角部分よりも鈍角部分、すなわち上底に近い位置に配置される。磁気収束部材34の底辺を符号34a、磁気収束部材34の、基板表面4に垂直方向の斜辺を34bとしたときに、底辺34aと斜辺34bとがなす角度(内角)θは70度以上90度未満であることが好ましい。内角θが70度以上90度未満であると垂直方向の磁場を高精度且つ測定レンジを広くすることが可能となる。磁気収束部材の断面形状は必ずしも線対称でなくともよい。
次に、本発明の第12の実施形態を説明する。
第12の実施形態における磁気センサ112は、図28に示す第9の実施形態における磁気センサ109と比較して、第1、第2の磁気収束部材35、36の断面形状が順テーパ形状をしている点が異なる。磁気収束部材35の断面は上底が底辺よりも短い形状であり、磁気収束部材35を平面視したときに、磁気収束部材35の上底は、磁気収束部材35の底辺に完全に含まれる。磁気収束部材36についても同様である。
内角θが70度以上90度未満であると垂直方向の磁場を高精度且つ測定レンジを広くすることが可能となる。磁気収束部材の断面形状は必ずしも線対称でなくともよい。
次に、本発明の第13の実施形態を説明する。
第13の実施形態における磁気センサ113は、図30に示す第10の実施形態における磁気センサ110と比較して、第1、第2の磁気収束部材35、36の断面形状が順テーパ形状をしている点が異なる。第1、第2の磁気検知部21、22は、断面が順テーパ形状の第1、第2の磁気収束部材35、36において、鋭角部分よりも鈍角部分、すなわち上底に近い位置に配置される。磁気収束部材35の断面は上底が底辺よりも短い形状であり、磁気収束部材35を平面視したときに、磁気収束部材35の上底は、磁気収束部材35の底辺に完全に含まれる。磁気収束部材36についても同様である。
内角θが70度以上90度未満であると垂直方向の磁場を高精度且つ測定レンジを広くすることが可能となる。磁気収束部材の断面形状は必ずしも線対称でなくともよい。
(実施態様1)
基板上又は基板内に設けられた磁気収束部材と、
前記磁気収束部材の近傍に配置された一方の磁気検知部及び他方の磁気検知部と、
を含む検知ユニットと、
前記一方の磁気検知部及び他方の磁気検知部の出力から前記基板平面に垂直な磁場を演算する演算部と、を備え、
前記磁気収束部材は、前記検知ユニットを平面視したときに、前記一方の磁気検知部と前記他方の磁気検知部の間に配置されており、
前記磁気収束部材の側面は、前記基板の表面に垂直で且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに順テーパ形状又は逆テーパ形状であり、
前記一方の磁気検知部及び前記他方の磁気検知部は、前記磁気収束部材の鋭角部分よりも鈍角部分に近い位置に配置されている磁気センサ。
前記磁気収束部材を前記基板の表面に垂直で、且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材は上底が底辺よりも長い形状であり、
前記磁気収束部材を平面視したときに、前記磁気収束部材の上底は、前記磁気収束部材の底辺を完全に覆っている実施態様1に記載の磁気センサ。
(実施態様3)
前記基板の表面に垂直で且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材の底辺と前記基板表面に垂直方向の斜辺のなす角が90度より大きく110度以下である実施態様1又は2に記載の磁気センサ。
前記磁気収束部材を前記基板の表面に垂直で、且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材は上底が底辺よりも短い形状であり、
前記磁気収束部材を平面視したときに、前記磁気収束部材の上底は、前記磁気収束部材の底辺に完全に含まれる実施態様1に記載の磁気センサ。
(実施態様5)
前記基板の表面に垂直で且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材の底辺と前記基板表面に垂直方向の斜辺のなす角が70度以上90度未満である実施態様1又は2に記載の磁気センサ。
前記演算部は、前記一方の磁気検知部の出力と他方の磁気検知部の出力の差分から前記基板平面に垂直な磁場を演算する実施態様1から5の何れか1つに記載の磁気センサ。
(実施態様7)
前記磁気収束部材及び前記磁気検知部それぞれにおいて平面視で中心点を通り短手方向又は長手方向に延びる線分をそれぞれの中心線とし、
前記検知ユニットを平面視したときに、前記磁気収束部材の短手方向の前記中心線が、前記磁気検知部の一部と交差するように配置され、前記磁気検知部の中心点どうしを結ぶ仮想線分と、前記磁気収束部材の長手方向の中心線が垂直である実施態様1から6の何れか1つに記載の磁気センサ。
前記磁気検知部の長手方向の前記中心線及び前記磁気収束部材の長手方向の前記中心線がそれぞれ平行であり、前記磁気検知部の短手方向の前記中心線と、前記磁気収束部材の短手方向の前記中心線とがそれぞれ一致するように配置されていることを特徴とする実施態様7に記載の磁気センサ。
(実施態様9)
前記検知ユニットは、
前記一方の磁気検知部の近傍に配置された一方の磁気収束部材と、前記他方の磁気検知部の近傍に配置された他方の磁気収束部材と、を備え、
前記一方の磁気検知部と前記他方の磁気検知部は、前記一方の磁気収束部材と前記他方の磁気収束部材の対面側又は背面側に配置される実施態様1から8の何れか1つに記載の磁気センサ。
前記磁気収束部材及び前記磁気検知部それぞれにおいて平面視で中心点を通り短手方向又は長手方向に延びる線分をそれぞれの中心線とし、
前記検知ユニットを平面視したときに、前記磁気収束部材の中心点どうしを結ぶ仮想直線が、前記磁気検知部の一部と交差するように配置され、前記磁気検知部の中心点どうしを結ぶ仮想線分と、前記磁気収束部材の長手方向の前記中心線のそれぞれとが垂直である実施態様9に記載の磁気センサ。
(実施態様11)
前記磁気収束部材の長手方向の前記中心線が、前記磁気検知部の長手方向の前記中心線を挟んでいることを特徴とする実施形態10に記載の磁気センサ。
前記磁気検知部の長手方向の前記中心線が、前記磁気収束部材の長手方向の前記中心線を挟んでいることを特徴とする実施態様10に記載の磁気センサ。
(実施態様13)
前記磁気検知部の感磁軸が、前記基板表面に対して垂直な軸と、前記検知ユニットを平面視したときの磁気収束部材の長手方向の軸と、前記検知ユニットを平面視したときの磁気収束部材の短手方向の軸のうち、前記検知ユニットを平面視したときの前記磁気収束部材の短手方向の軸に最も近いことを特徴とする実施態様1乃至12のいずれかに記載の磁気センサ。
前記基板平面を平面視したときに、前記磁気収束部材と前記磁気検知部の一部が重なっていることを特徴とする実施態様1乃至13のいずれかに記載の磁気センサ。
(実施態様15)
前記一方の磁気検知部の長手方向に沿って延びる右側の縁部が、前記磁気収束部材の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみと重なるように配置され、前記他方の磁気検知部の長手方向に沿って延びる左側の縁部が、前記磁気収束部材の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみと重なるように配置されていることを特徴とする実施態様14に記載の磁気センサ。
前記一方の磁気検知部の長手方向に沿って延びる左側の縁部が、前記一方の磁気収束部材の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみと重なるように配置され、前記他方の磁気検知部の長手方向に沿って延びる右側の縁部が、前記他方の磁気収束部材の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみと重なるように配置されていることを特徴とする実施態様14に記載の磁気センサ。
(実施態様17)
前記一方の磁気検知部の長手方向に沿って延びる右側の縁部が、前記一方の磁気収束部材の長手方向に沿って延びる左側の縁部のみと重なるように配置され、前記他方の磁気検知部長手方向に沿って延びる左側の縁部が、前記他方の磁気収束部材の長手方向に沿って延びる右側の縁部のみと重なるように配置されていることを特徴とする実施態様14に記載の磁気センサ。
前記磁気収束部材及び前記磁気検知部それぞれにおいて平面視で中心点を通り短手方向又は長手方向に延びる線分をそれぞれの中心線とし、
前記一方及び他方の磁気検知部の長手方向の前記中心線及び前記一方及び他方の磁気収束部材の長手方向の前記中心線がそれぞれ平行であり、前記一方及び他方の磁気検知部の短手方向の前記中心線と、前記一方及び他方の磁気収束部材の短手方向の前記中心線とがそれぞれ一致するように配置されていることを特徴とする実施態様10乃至17のいずれかに記載の磁気センサ。
(実施態様19)
前記基板平面を平面視したときに、前記磁気収束部材は矩形状又は楕円形状である実施態様1乃至18の何れかに記載の磁気センサ。
また、上記各実施形態では、例えば第1〜第3の実施形態では、1つの磁気収束部材に対して3つ、又は、5つの磁気検知部を設ける場合について説明したが、これに限るものではない。例えば図31(a)に示すように、1つの磁気収束部材に5つの磁気検知部が設けられている場合、これはすなわち図31(b)に示すように、5つの磁気収束部材のそれぞれに、5つの磁気検知部が設けられていることと等価である。したがって、図31(b)に示すように、図31(a)に示す1つの磁気収束部材に対応付けられている5つ全ての磁気検知部について、磁気検知部ごとに磁気収束部材を設けて、図31(a)、(b)に示すように、磁気収束部材と磁気検知部との位置関係はそのままとなるように、磁気収束部材毎に磁気検知部を設けてもよい。この場合も、上記実施形態と同等の作用効果を得ることができる。また、磁気収束部材と磁気検知部とは同数である必要はなく、例えば2つ、3つ、4つ、等複数の磁気収束部材を設け、これら複数の磁気収束部材に、5つの磁気検知部を分散して配置するようにしてもよい。つまり、複数の磁気収束部材に1又は複数の磁気収束部材を設けるようにしてもよい。同様に、第4〜第10の実施形態において、複数の磁気収束部材を設け、これら複数の磁気収束部材に1又は複数の磁気検知部を分散して配置してもよい。
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。更に、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
2 ピンド層(固定層)
3 Cu層(スペーサ層)
4 フリー層(自由回転層)
11、16 絶縁膜
12 フリー層(自由回転層)
13 導電層
14 ピンド層(固定層)
15 反強磁性層
21〜26 第1〜第6の磁気検知部
21a〜25a 第1〜第5の磁気検知部
21b〜25b 第1〜第5の磁気検知部
21c〜25c 第1〜第5の磁気検知部
21d〜24d 第1〜第4の磁気検知部
30、30a、30b 磁気収束部材
31〜36 磁気収束部材
35a、36a 磁気収束部材の底辺
35b、36b 磁気収束部材の斜辺
40 基板
41 基板表面
50 演算部
101〜110 磁気センサ
300〜303 磁気収束部
Claims (15)
- 基板上又は基板内に設けられた1又は複数の磁気収束部材を有する磁気収束部と、
前記1又は複数の磁気収束部材の近傍に配置され、前記基板の平面に平行な第1の軸の方向の感磁軸を有する第1から第3の磁気検知部と、
前記第1から第3の磁気検知部の出力から、前記基板の平面に平行で且つ前記第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、前記基板の平面に垂直な第3の軸の方向の磁場を演算する演算部と、
を備え、
前記磁気収束部材は、平面視で、前記第1の軸の方向に幅を有し、前記第2の軸の方向に長さを有する形状であり、
前記第1の軸に沿った方向のうち、一方の方向を第1の軸の正の方向、他方の方向を第1の軸の負の方向とし、前記第2の軸に沿った方向のうち、一方の方向を第2の軸の正の方向、他方の方向を第2の軸の負の方向としたときに、
前記第1の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の負側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の正側に配置されており、
前記第2の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の正側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の正側に配置されており、
前記第3の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の負側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の負側に配置されており、
前記演算部は、
前記第1の磁気検知部の出力と前記第3の磁気検知部の出力から前記第2の軸の方向の磁場を演算し、前記第2の磁気検知部の出力と前記第3の磁気検知部の出力から前記第3の軸の方向の磁場を演算する磁気センサ。 - 前記第1の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第2の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第3の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材とは共通の磁気収束部材である請求項1に記載の磁気センサ。 - 前記第1の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第2の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第3の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材とはそれぞれ異なる磁気収束部材である請求項1に記載の磁気センサ。 - 前記基板を平面視したときに前記磁気収束部材に全体が重なる第5の磁気検知部を更に備え、
前記演算部は、前記第1の磁気検知部と前記第2の磁気検知部と前記第5の磁気検知部の各出力から前記第1の軸の方向の磁場を演算する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の磁気センサ。 - 基板上又は基板内に設けられた1又は複数の磁気収束部材を有する磁気収束部と、
前記1又は複数の磁気収束部材の近傍に配置され、前記基板の平面に平行な第1の軸の方向の感磁軸を有する第1から第4の磁気検知部と、前記第1から第3の磁気検知部の出力から、前記基板の平面に平行で且つ前記第1の軸と直交する第2の軸の方向の磁場と、前記基板の平面に垂直な第3の軸の方向の磁場を演算する演算部と、を備え、
前記磁気収束部材は、平面視で、前記第1の軸の方向に幅を有し、前記第2の軸の方向に長さを有する形状であり、前記第1の軸に沿った方向のうち、一方の方向を第1の軸の正の方向、他方の方向を第1の軸の負の方向とし、前記第2の軸に沿った方向のうち、一方の方向を第2の軸の正の方向、他方の方向を第2の軸の負の方向としたときに、
前記第1の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の負側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の正側に配置されており、
前記第2の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の正側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の正側に配置されており、
前記第3の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の負側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の負側に配置されており、
前記第4の磁気検知部は、平面視で、最も近接する前記磁気収束部材よりも前記第1の軸の正側で、且つ、該最も近接する前記磁気収束部材の長さ方向の中点よりも前記第2の軸の負側に配置されており、
前記演算部は、
前記第1の磁気検知部の出力と前記第3の磁気検知部の出力、又は前記第2の磁気検知部の出力と前記第4の磁気検知部の出力から前記第2の軸の方向の磁場を演算し、前記第2の磁気検知部の出力と前記第3の磁気検知部の出力、又は前記第1の磁気検知部の出力と前記第4の磁気検知部の出力から前記第3の軸の方向の磁場を演算する磁気センサ。 - 前記第1の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第2の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第3の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第4の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材とは共通の磁気収束部材であり、
前記第1から第4の磁気検知部は、平面視で点対称且つ線対称の位置に配置されている請求項5に記載の磁気センサ。 - 前記第1の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第2の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第3の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第4の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材とのうち、2つの磁気収束部材は共通の磁気収束部材であり、残りの2つの磁気収束部材は共通の磁気収束部材である請求項5に記載の磁気センサ。 - 前記第1の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第2の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第3の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材と、
前記第4の磁気検知部が最も近接する前記磁気収束部材とは、それぞれ異なる磁気収束部材である請求項5に記載の磁気センサ。 - 前記第1から第4の磁気検知部は前記基板を平面視したときに前記磁気収束部材の長さ方向に沿って配置されており、且つ、前記第1から第4の磁気検知部はその一部が前記磁気収束部材と重なる請求項5から請求項8の何れか1項に記載の磁気センサ。
- 前記基板を平面視したときに前記磁気収束部材に全体が重なる位置に配置される第5の磁気検知部を更に備え、
前記演算部は、前記第1の磁気検知部と前記第2の磁気検知部と前記第5の磁気検知部の各出力、又は前記第3の磁気検知部と前記第4の磁気検知部と前記第5の磁気検知部の各出力から前記第1の軸の方向の磁場を演算する請求項5から請求項9の何れか1項に記載の磁気センサ。 - 前記第1から第5の磁気検知部が磁気抵抗効果素子である請求項10に記載の磁気センサ。
- 前記磁気収束部材は、平面視で、矩形形状又は楕円形状であり、且つ、前記第2の軸の方向の長さの方が前記第1の軸の方向の幅よりも長い形状である請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の磁気センサ。
- 前記磁気収束部材は、平面視で、矩形形状又は楕円形状であり、且つ、前記第2の軸の方向の長さの方が前記1の軸の方向の幅よりも長い形状であり、
前記磁気収束部材を前記基板の表面に垂直で、且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材は上底が底辺よりも短い順テーパ形状又は底辺が上底よりも短い逆テーパ形状であり、
前記第1から第4の磁気検知部は前記磁気収束部材の鋭角部分よりも鈍角部分に近い位置に配置されている請求項5から請求項12の何れか1項に記載の磁気センサ。 - 前記磁気収束部材を前記基板の表面に垂直で、且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材は前記逆テーパ形状であり、
前記磁気収束部材の前記基板の表面に垂直方向の斜辺のなす角が90度より大きく110度以下である請求項13に記載の磁気センサ。 - 前記磁気収束部材を前記基板の表面に垂直で、且つ前記磁気収束部材の長手方向に垂直な面で断面視したときに、前記磁気収束部材は前記順テーパ形状であり、
前記磁気収束部材の前記基板の表面に垂直方向の斜辺のなす角が70度以上90度未満である請求項13に記載の磁気センサ。
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