以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る磁気センサ100の第1構成例を示す。磁気センサ100は、直交する3方向をそれぞれ向く磁場成分が混在した(合成された)磁場ベクトルを検出する。また、磁気センサ100が検出した信号は、信号処理によって、当該3方向の磁場成分を分離することができる。図1は、直交する3方向をX、Y、Z軸で示し、磁気センサ100の斜視図の例を示す。磁気センサ100は、基板10、第1磁気収束部110、第2磁気収束部120、第3磁気収束部130、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、第4感磁部240、および第5感磁部250を備える。
第1磁気収束部110、第2磁気収束部120、および第3磁気収束部130は、基板10上のXY平面と略平行な面に形成され、第1方向に延伸する。ここで、第1方向は、+Y方向とする。本実施形態において、第1磁気収束部110、第2磁気収束部120、および第3磁気収束部130を特に区別しない場合、単に磁気収束部とする。磁気収束部は、パーマロイ等の強磁性材料で形成され、近傍の磁力線の向きを変化させる。磁気収束部は、例えば、NiFe、NiFeB、NiFeCo、及びCoFe等の軟磁性材料で形成されることが望ましい。
図1は、磁気収束部がY方向を長手方向とした矩形の略同一形状に形成され、X方向に等間隔に配列される例を示す。これに代えて、磁気収束部の形状は、矩形に限らず、Y方向に略平行な向きに長手方向をもつ四角形、平行四辺形、台形、楕円等のいずれであってもよい。また、磁気収束部は、各々がY方向に平行なそれぞれの長辺が略同一の長さを有する例を示したが、これに代えて、それぞれの長辺が異なる長さであってもよい。また、磁気収束部は、X方向に平行なそれぞれの短辺が略同一の長さを有する例を示したが、これに代えて、それぞれの短辺が異なる長さであってもよい。
第2磁気収束部120および第3磁気収束部130は、第1磁気収束部110を挟み、第1磁気収束部110に対して対称に配置されてよい。なお、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130は、第1磁気収束部110の第1方向とは反対側の(−Y方向側の)端部よりも第1方向側にずれた位置から、第1方向に延伸する。即ち、第1磁気収束部110の第1方向とは反対側(−Y方向側)の端部は、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130と比較して、−Y方向側に突出する。また、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130の+Y方向側の端部は、第1磁気収束部110と比較して、+Y方向側にそれぞれ突出する。
例えば、第1磁気収束部110は、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130と比較して−Y方向に突出しているので、−Y方向側から入力する入力する磁場Byを引き寄せる。また、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130は、第1磁気収束部110と比較して+Y方向に突出しているので、図1の点線の例で示すように、第1磁気収束部110に引き寄せられた磁場Byは、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130の方向へと曲げられて+Y方向へと出力される。これにより、第1磁気収束部110から第2磁気収束部120または第3磁気収束部130に向かうX方向の磁場成分が発生する。
なお、第2磁気収束部120および第3磁気収束部130は、第1磁気収束部110と比較して+Y方向に突出しているので、+Y方向側から入力する磁場Byを引き寄せる。例えば、−Y方向と略平行に第2磁気収束部120または第3磁気収束部130へと入力する磁場は、第1磁気収束部110の方向へと曲げられ、図1の点線で示した磁場Byの磁束の経路とは逆向きに進行する。即ち、磁気収束部は、Y方向に入力する磁場の成分を曲げて、X方向の磁場成分を発生させる。
磁気収束部は、それぞれ、磁気収束部材を有してよい。図1は、第1磁気収束部110の第1方向とは反対側の端部が、第2方向に延伸する磁気収束部材112を有する例を示す。磁気収束部材112は、+Y方向に入力する磁場の成分をより多く収束させて、第1磁気収束部110に供給することができる。また、図1は、第2磁気収束部120の第1方向側の端部が第2方向に延伸する磁気収束部材122を、第3磁気収束部130の第1方向側の端部が第2方向に延伸する磁気収束部材132を、それぞれ有する例を示す。これにより、磁気収束部材122および磁気収束部材132は、−Y方向に入力する磁場の成分をより多く収束させることができる。ここで、第2方向は、+X方向とする。
第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、第4感磁部240、および第5感磁部250は、基板10上のXY平面と略平行な面に形成され、第1方向に延伸する。本実施形態において、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、第4感磁部240、および第5感磁部250を特に区別しない場合、単に感磁部とする。感磁部は、磁気収束部が形成される面とは異なる面に形成されてよい。
図1において、感磁部は、略同一形状にそれぞれ形成され、X方向にそれぞれ配列される例を示す。また、第1感磁部210、第2感磁部220、および第3感磁部230、第4感磁部240は、第5感磁部250に対して対称に配置されてよい。図1は、第1磁気収束部110のY方向の中心軸と第5感磁部250のY方向の中心軸とが、XY面と平行な面における平面視で略一致するように配置され、磁気センサ100が当該2つの中心軸を含むYZ面に対して面対称に形成された例を示す。
感磁部は、第1方向に略垂直な+X方向および−X方向の磁場を検出する。感磁部は、例えば、XY平面に対して平行かつ第1方向に対して垂直な第2方向と略平行な磁場を検出する感磁軸を有し、第1方向と、第1方向および第2方向に垂直な第3方向(+Z方向)と略平行な磁場成分を検出しない。即ち、感磁部は、磁気収束部等の無い状態でX方向に感磁軸を有する。
図1の例において、第1方向、第2方向、および第3方向は、それぞれ互いに直交している例を示すが、これに代えて、互いの方向が異なっていればよい。つまり、それぞれが略直交となっていてもよいし、互いに屈曲していてもよい。
感磁部は、平板状であることが好ましい。感磁部のそれぞれの形状は、Z軸方向から見た平面視で、矩形がより好ましい形状であるが、これに代えて、正方形、平行四辺形、台形、三角形、多角形、円形、及び楕円形等のいずれであってもよい。また、感磁部のうちの少なくとも1つは、Y方向に小分けに分割区分された複数の感磁部を有してもよい。この場合、分割区分された複数の感磁部は、1かたまりの感磁部として機能するようにメタル配線等で接続される。即ち、感磁部のうちの少なくとも1つは、単一の感磁部に代えて、2つ以上の感磁部をメタル配線で接続して形成されてもよい。
感磁部は、1軸方向の磁場のみを検出して抵抗値を変化させる素子であればよい。感磁部は、例えば、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、及び異方性磁気抵抗(AMR)素子等のいずれでもよく、または、これらの組み合わせであってもよい。感磁部は、一例として、+X方向の磁場が入力すると、抵抗値が増加し、−X方向の磁場が入力すると、抵抗値が減少するようにそれぞれ形成される。感磁部は、X方向の磁場成分の大きさに応じて、抵抗値を変化させる磁気抵抗素子でよい。
感磁部は、磁気収束部によって曲げられた磁場のうち、X方向に入力する磁場の成分に応じて、抵抗値を変化させる。磁気センサ100に入力する磁場が+Y方向であっても、図1の例に示すように、磁気収束部によってX方向の磁場が生成されるので、感磁部は抵抗値を変化させる。第1磁気収束部110および第3磁気収束部130の間に配置される第1感磁部210および第2感磁部220は、例えば、図1に示す+Y方向の磁場Byの磁気センサ100への入力に応じて、−X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が減少する。また、第1磁気収束部110および第2磁気収束部120の間に配置される第3感磁部230および第4感磁部240は、+X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が増加する。
なお、第5感磁部250は、第1磁気収束部110の基板10側の、磁場Byが分岐する領域に配置されるので、理想的には、+X方向および−X方向に分岐した磁場成分が相殺され、抵抗値は変化しない。以上の例において、感磁部の抵抗値の初期値をR0とすると、+Y方向の磁場Byの入力に対して、次式が成立する。
(数1)
R1=R0−ΔRy
R2=R0−ΔRy
R3=R0+ΔRy
R4=R0+ΔRy
R5=R0
なお、第1感磁部210の抵抗値をR1、第2感磁部220の抵抗値をR2、第3感磁部230の抵抗値をR3、第4感磁部240の抵抗値をR4、第5感磁部250の抵抗値をR5、磁場Byの入力によって発生するX成分の磁場に応じて変化する抵抗値の変化量をΔRyとした。また、磁気収束部および感磁部は、形状が略同一形状で形成され、配置は対称配置の理想的な磁気センサ100の例を考え、抵抗値の初期値および変化量は全て略同一の値を用いた。
図2は、本実施形態に係る第1構成例の磁気センサ100の断面図の一例を示す。図2は、図1のA−A'線の断面図の一例を示す。磁気収束部および感磁部は、基板10の一方の面に形成される。基板10は、半導体、ガラス、およびセラミック等で形成された基板のいずれかでよい。また、基板10は、IC等の電子回路を搭載した基板であってもよい。基板10は、複数の層が積層されてよい。例えば、基板10の一方の面である基板平面12には、絶縁層20が形成される。絶縁層20は、SiNまたはSiO2等を含んでよい。
絶縁層20の上面は、XY平面に略平行な面が形成される。図2は、絶縁層20の上面を第1平面22とし、磁気収束部が当該第1平面22に形成された例を示す。また、絶縁層20の内部は、XY平面に略平行な面が形成されてよい。図2は、絶縁層20の内部に第2平面24が形成された例を示す。第2平面24のような内部の平面は、絶縁層を段階的な積層、またはエッチング等によって形成してよい。
図2において、磁気収束部は、Z方向に厚さをもち、第1平面22に重なる(交差する、または、接する)。磁気収束部は、底面が第1平面22に接するように配置されてよく、また、それぞれの一部が第1平面22に埋め込まれるように配置されてもよい。なお、図1は、磁気収束部のZ方向の厚さが略同一の厚さに形成される例を示すが、これに代えて、各々の厚さが不揃いであってもよい。
図2は、感磁部が第2平面24に形成された例を示す。感磁部は、各々の底面が第2平面24に接するように配置されてよく、また、各々の一部が第2平面24に埋め込まれるように配置されてもよい。また、図2において、感磁部は、Z軸方向の厚さが略同一の厚さに形成される例を示すが、これに代えて、各々の厚さが不揃いであってもよい。このように、感磁部が形成される層は、磁気収束部が形成される層とは異なる層でよい。このような磁気センサ100に対して、磁場がX方向およびZ方向に入力する場合を次に説明する。
第3磁気収束部130は、−X方向側から入力する近傍の磁場Bxを引き寄せる。例えば、図2の点線で示すように、+X方向と略平行に磁気センサ100へと入力する磁場Bxは、磁気収束部にそれぞれ引き寄せられながら+X方向へと向かう。このような+X方向に向かう磁場Bxの入力に対して、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240は、+X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が増加する。なお、第5感磁部250は、第1磁気収束部110の基板10側に配置されるので、理想的には、X方向の磁場成分が第1磁気収束部110に引き寄せられるので、抵抗値は変化しない。
また、第2磁気収束部120は、+X方向側から入力する近傍の磁場を引き寄せる。例えば、−X方向と略平行に磁気センサ100へと入力する磁場は、磁気収束部にそれぞれ引き寄せられながら、例えば図2の点線の逆向きに進行するように、−X方向へと向かう。例えば、このような−X方向に向かう磁場の入力に対して、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240は、抵抗値が減少し、第5感磁部250は、理想的にはX方向の磁場成分が入力しないので抵抗値が変化しない。
また、磁気収束部は、−Z方向側から入力する近傍の磁場をそれぞれ引き寄せる。例えば、図2の点線で示すように、+Z方向と略平行に磁気センサ100へと入力する磁場Bzは、磁気収束部に引き寄せられながら+Z方向へと向かう。例えば、このような+Z方向に向かう磁場Bzの入力に対して、第1感磁部210および第3感磁部230は、−X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が減少する。また、第2感磁部220および第4感磁部240は、+X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が増加する。なお、第5感磁部250は、理想的には、X方向の磁場成分が入力せず、抵抗値が変化しない。
また、磁気収束部は、+Z方向側から入力する近傍の磁場をそれぞれ引き寄せる。例えば、−Z方向と略平行に磁気センサ100へと入力する磁場Bzは、磁気収束部に引き寄せられながら、例えば図2の点線の逆向きに進行するように、−Z方向へと向かう。例えば、このような−Z方向に向かう磁場Bzの入力に対して、第1感磁部210および第3感磁部230は、+X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が増加する。また、第2感磁部220および第4感磁部240は、−X方向の磁場成分が入力し、抵抗値が減少する。なお、第5感磁部250は、理想的には、X方向の磁場成分が入力せず、抵抗値が変化しない。
以上の例において、感磁部の(数1)式に示す抵抗値は、+X方向の磁場Bxおよび+Z方向の磁場Bzの更なる入力に対して、次式が成立する。
(数2)
R1=R0+ΔRx−ΔRy−ΔRz
R2=R0+ΔRx−ΔRy+ΔRz
R3=R0+ΔRx+ΔRy−ΔRz
R4=R0+ΔRx+ΔRy+ΔRz
R5=R0
なお、磁場Bxの入力によって発生するX成分の磁場に応じて変化する抵抗値の変化量をΔRx、磁場Bzの入力によって発生するX成分の磁場に応じて変化する抵抗値の変化量をΔRzとした。ここで、第5感磁部250は、磁場の入力があっても抵抗値を変化させない参照用の磁気抵抗素子として動作する。
以上のように、磁気センサ100は、磁場成分Bx、By、およびBzを含む磁場ベクトルB(Bx,By,Bz)の入力に対して、(数2)式に示す感磁部の抵抗値の変化量を出力する。磁気センサ100は、次式に示す演算を実行することにより、磁場成分に応じて変化する抵抗値の変化量ΔRx、ΔRy、およびΔRzを算出することができる。
(数3)
4ΔRx=+R1+R2+R3+R4−4・R5
4ΔRy=−R1−R2+R3+R4
4ΔRz=−R1+R2−R3+R4
以上の本実施形態に係る磁気センサ100によれば、直交する3方向の磁場成分を含む磁場ベクトルの入力に対して、5つの感磁部の抵抗値の変化量に基づき、当該3つの磁場成分を分離して出力することができる。次に、感磁部の数を1つ低減させた磁気センサ100の例を説明する。
図3は、本実施形態に係る磁気センサ100の第2構成例を示す。第2構成例の磁気センサ100において、図1および図2に示された第1構成例の磁気センサ100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第2構成例の磁気センサ100は、第1構成例の磁気センサ100における参照用の磁気抵抗素子として動作する第5感磁部250を除去した構成である。即ち、磁気センサ100は、基板10、第1磁気収束部110、磁気収束部材112、第2磁気収束部120、磁気収束部材122、第3磁気収束部130、磁気収束部材132、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240を備える。
磁気収束部は、図1および図2で説明したので、ここでは説明を省略する。また、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240の感磁軸以外の構成等については、図1および図2で説明したので、ここでは説明を省略する。第2構成例の磁気センサ100は、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240の感磁軸が、第1構成例の磁気センサ100と異なる。
一例として、第1感磁部210および第4感磁部240の感磁軸が、第2感磁部220および第3感磁部230の感磁軸に対して略180°異なる例を説明する。即ち、第1感磁部210および第4感磁部240は、+X軸方向の磁場が入力すると抵抗値が減少し、−X軸方向の磁場が入力すると抵抗値が増加するように形成される。
この場合、感磁部の抵抗値の変化は、(数2)式に代えて、次式が成立する。なお、第2構成例の磁気センサ100は、第5感磁部250を有さないので、感磁部の抵抗値を示す式は次の4式となる。
(数4)
R1=R0−ΔRx+ΔRy+ΔRz
R2=R0+ΔRx−ΔRy+ΔRz
R3=R0+ΔRx+ΔRy−ΔRz
R4=R0−ΔRx−ΔRy−ΔRz
磁気センサ100は、(数4)式に基づき、次式に示す演算を実行して、磁場成分に応じて変化する抵抗値の変化量ΔRx、ΔRy、およびΔRzを算出することができる。
(数5)
4ΔRx=−R1+R2+R3−R4
4ΔRy=+R1−R2+R3−R4
4ΔRz=+R1+R2−R3−R4
以上の第2構成例の磁気センサ100によれば、直交する3方向の磁場成分を含む磁場ベクトルの入力に対して、4つの感磁部の抵抗値の変化量に基づき、当該3つの磁場成分を分離して出力することができる。なお、第2構成例の磁気センサ100において、第1感磁部210および第4感磁部240の感磁軸が、第2感磁部220および第3感磁部230の感磁軸に対して略180°異なる例を説明したが、これに限定されることはない。4つの感磁軸のうち、2つの感磁軸が、他の2つの感磁軸に対して略180°異なっていればよい。
このように、感磁軸を異ならせた4つの感磁部を用いることにより、磁気センサ100は、3方向の磁場成分を分離することができる。しかしながら、異なる感磁軸を有する感磁部は、感磁軸に応じて異なる製造過程を経て製造されることがある。例えば、同一方向の感磁軸を有する感磁部を形成してから、異なる方向の感磁軸を有する感磁部を形成する場合がある。この場合、製造過程が異なるので、感磁部の抵抗値の変化量が、感磁軸に応じて異なって形成されてしまうことがある。また、感磁部が形成されるZ方向の位置が、感磁軸に応じて異なって形成されてしまうことがある。
図4は、異なる感磁軸を有する感磁部が絶縁層20内に形成された例を示す。図4は、絶縁層20内に、第2感磁部220および第3感磁部230が形成された例を示す。図4の点線で示す例のように、第1磁気収束部110が+Z方向に向かう磁場Bzを引き寄せることにより、第2感磁部220および第3感磁部230にX方向の磁場成分が入力する。
このような第2感磁部220および第3感磁部230の感磁軸の方向を異ならせて形成する場合、第2感磁部220および第3感磁部230は、製造過程が異なることにより、絶縁層20内におけるZ方向の位置がずれてしまうことがある。例えば、第2感磁部220を形成した後に、第3感磁部230を形成すると、第2感磁部220の形成に用いた材料が堆積してしまうことがあり、この場合、当該堆積物の上に第3感磁部230を形成することになる。
即ち、第2感磁部220から第1磁気収束部110までの距離は、第3感磁部230から第1磁気収束部110までの距離と異なってしまうことになる。したがって、略同一の分布のZ方向の磁場Bzが入力しても、第2感磁部220および第3感磁部230に入力するX方向の磁場成分の絶対値は、異なってしまうことになる。以上のように、異なる感磁軸を有する感磁部が絶縁層20内に形成された場合、感磁部の抵抗値の変化量は、感磁軸の方向に応じて異なってしまうことがある。
また、第2感磁部220から第1磁気収束部110までの距離と、第3感磁部230から第1磁気収束部110までの距離が等しく形成できたとしても、感磁部そのものの抵抗値の変化量が感磁軸の方向に応じて異なって形成されてしまうことがある。以上のように、感磁部の抵抗値の変化量が感磁軸の方向に応じて異なる場合、(数5)式の計算に誤差が重畳することになる。
例えば、感磁部の抵抗値を示す式は、(数4)式に代えて、次式が成立する。なお、X方向およびY方向の磁場成分に応じて変化する抵抗値の変化量も、感磁軸の方向に応じて異なるものとした。即ち、第1感磁部210と第4感磁部240とは、感度軸の方向がーX方向で同一であるので、磁場Bx、By、Bzのそれぞれの入力によって発生するX成分の磁場に応じて変化する抵抗値は、ΔRx1、ΔRy1、ΔRz1とした。また、第2感磁部220と第3感磁部230とは、感度軸の方向が+X方向で同一であるので、磁場Bx、By、Bzのそれぞれの入力によって発生するX成分の磁場に応じて変化する抵抗値は、ΔRx2、ΔRy2、ΔRz2とした。
(数6)
R1=R0−ΔRx1+ΔRy1+ΔRz1
R2=R0+ΔRx2−ΔRy2+ΔRz2
R3=R0+ΔRx2+ΔRy2−ΔRz2
R4=R0−ΔRx1−ΔRy1−ΔRz1
ここで、(数5)式に示す演算を実行すると、次式のように算出される。
(数7)
−R1+R2+R3−R4=2(ΔRx1+ΔRx2)
+R1−R2+R3−R4=2(ΔRy1+ΔRy2)+2(ΔRz1−ΔRz2)
+R1+R2−R3−R4=2(ΔRz1+ΔRz2)+2(ΔRy1−ΔRy2)
(数7)式の第2式の(ΔRz1−ΔRz2)の項、および、第3式の(ΔRy1−ΔRy2)の項は、(数5)式と異なり、相殺されずに残った項であり、磁気センサ100の出力に誤差が発生することがわかる。なお、当該誤差は、一の軸の検出結果に他の軸の磁場成分の影響が含まれてしまう「他軸感度」が発生したことを示す。例えば、第2式は、本来、磁場Byに反応する2(ΔRy1+ΔRy2)だけが取り出せればよいが、ΔRz1とΔRz2とが異なると、不必要な磁場Bzに反応する2(ΔRz1−ΔRz2)が生じてしまう。このような不必要な出力が、他軸感度である。第2の構成例の磁気センサ100のように、他軸感度が発生する他の例について次に説明する。
図5は、本実施形態に係る磁気センサ100の第3構成例を示す。第3構成例の磁気センサ100において、図1から図3に示された第1構成例および第2構成例の磁気センサ100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。図5は、+Z方向側からの磁気センサ100の平面視の一例を示す。即ち、図5は、基板10の基板平面12側における磁気センサ100の表面の一例を示す。第3構成例の磁気センサ100は、基板10、第1磁気収束部110、第2磁気収束部120、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、第4感磁部240、第1補助磁気収束部310、および第2補助磁気収束部320を備える。
磁気収束部は、図1および図2で説明したので、ここでは説明を省略する。なお、図5の磁気センサは、第3磁気収束部130を有さない構成例を示す。第3構成例の磁気センサ100は、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240の配置が、第1構成例および第2構成例の磁気センサ100と異なる。
例えば、第3構成例の磁気センサ100は、第2感磁部220および第3感磁部230が、第1磁気収束部110および第2磁気収束部120の間に設けられる。即ち、第1感磁部210および第2感磁部220は、第1磁気収束部110を挟むように設けられ、第3感磁部230および第4感磁部240は、第2磁気収束部120を挟むように設けられる。
また、第3構成例の磁気センサ100は、第1補助磁気収束部310および第2補助磁気収束部320が、磁気収束部および感磁部を挟むように設けられてよい。第1補助磁気収束部310および第2補助磁気収束部320は、第1方向にそれぞれ延伸する。第1補助磁気収束部310および第2補助磁気収束部320は、磁気収束部と略同一の平面に、略同一の形状および材質で設けられてよい。
また、第1補助磁気収束部310は、第1方向側の端部に、第2方向に延伸する磁気収束部材312を有してよく、第2補助磁気収束部320は、第1方向とは反対側の端部に、第2方向に延伸する磁気収束部材322を有してよい。第3構成例の磁気センサ100は、一例として、第2感磁部220および第3感磁部230の間のYZ面に略平行な面に対して、面対称に形成される。
第3構成例の磁気センサ100は、第2構成例の磁気センサ100と同様に、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240の感磁軸が、第1構成例の磁気センサ100と異なる。一例として、第1感磁部210および第2感磁部220の感磁軸が、第3感磁部230および第4感磁部240の感磁軸に対して略180°異なる例を説明する。即ち、第1感磁部210および第2感磁部220は、+X軸方向の磁場が入力すると抵抗値が減少し、−X軸方向の磁場が入力すると抵抗値が増加するように形成される。
この場合、感磁部の抵抗値は、(数4)式に代えて、次式が成立する。
(数8)
R1=R0−ΔRx+ΔRy−ΔRz
R2=R0−ΔRx−ΔRy+ΔRz
R3=R0+ΔRx+ΔRy+ΔRz
R4=R0+ΔRx−ΔRy−ΔRz
磁気センサ100は、(数8)式に基づき、次式に示す演算を実行して、磁場成分に応じて変化する抵抗値の変化量ΔRx、ΔRy、およびΔRzを算出することができる。
(数9)
4ΔRx=−R1−R2+R3+R4
4ΔRy=+R1−R2+R3−R4
4ΔRz=−R1+R2+R3−R4
この場合において、第1感磁部210および第2感磁部220の抵抗値の変化量と、第3感磁部230および第4感磁部240の抵抗値の変化量とが、感磁軸の方向に応じて異なる場合を考える。即ち、(数8)式に代えて、次式が成立する。
(数10)
R1=R0−ΔRx1+ΔRy1−ΔRz1
R2=R0−ΔRx1−ΔRy1+ΔRz1
R3=R0+ΔRx2+ΔRy2+ΔRz2
R4=R0+ΔRx2−ΔRy2−ΔRz2
ここで、(数9)式に示す演算を実行すると、次式のように算出される。
(数11)
−R1−R2+R3+R4=2(ΔRx1+ΔRx2)
+R1−R2+R3−R4=2(ΔRy1+ΔRy2)−2(ΔRz1−ΔRz2)
−R1+R2+R3−R4=2(ΔRz1+ΔRz2)−2(ΔRy1−ΔRy2)
(数11)式の第2式の(ΔRz1−ΔRz2)の項、および、第3式の(ΔRy1−ΔRy2)の項は、(数9)式と異なり、相殺されずに残った項であり、磁気センサ100の出力に他軸感度が発生したことがわかる。そこで、このような他軸感度の発生を防止して、異なる3方向の磁場成分を分離して出力する磁気センサ100について、次に説明する。
図6は、本実施形態に係る磁気センサ100の第4構成例を示す。第4構成例の磁気センサ100において、図1から図5に示された第1から第3構成例の磁気センサ100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。図6は、+Z方向側からの磁気センサ100の平面視の一例を示す。第4構成例の磁気センサ100は、基板10と、第1補助磁気収束部310と、第2補助磁気収束部320と、第1複合パターン410と、第2複合パターン420と、を備える。
第1複合パターン410は、基板10上に第1パターンおよび第2パターンを有する。第1パターンは、第1方向に延伸する第1磁気収束部110と、第1方向に延伸し、第1磁気収束部110を挟む第1感磁部210および第2感磁部220と、を含む。第2パターンは、第1方向に延伸する第2磁気収束部120と、第1方向に延伸し、第2磁気収束部120を挟む第3感磁部230および第4感磁部240と、を含む。なお、第2磁気収束部120は、第1磁気収束部110の第1方向とは反対側の端部よりも第1方向側にずれた位置から、第1方向に延伸する。即ち、第1磁気収束部110は、第1方向とは反対側の端部が、第2磁気収束部120よりも突出する。このような第1磁気収束部110および第2磁気収束部120の配置により、第1方向の磁束成分が第1磁気収束部110から第2磁気収束部120に移る磁路を形成することができる。
図6は、基板10上において、第1方向の磁束成分が第1磁気収束部110から第2磁気収束部120に移る磁路を形成する位置に配置される第2パターンとして、第1パターンと点対称に配置される例を示す。即ち、第1複合パターン410は、隣り合って配置する第2感磁部220および第3感磁部230の間の線分B−B'が、XY平面と略平行な面上における当該パターンの中心線となり、当該線分B−B'の−X方向側が第1パターン、+X方向側が第2パターンとなる。また、線分B−B'上の点412に対して、第1パターンおよび第2パターンは点対称に配置される。ここで点対称とは、図6に示す通り、第1パターンおよび第2パターンは、点対称に全てが重複する位置に配置されることが好ましいが、全てが重複する配置に限定されることはなく、点対称にそれぞれの一部が重複する位置に配置されてもよいことを意味する。
なお、第1磁気収束部110の第1方向とは反対側の端部は、第2磁気収束部120の方向および第2磁気収束部120とは反対の方向にそれぞれ突出する磁気収束部材112を有してよい。また、第2磁気収束部120の第1方向側の端部は、第1磁気収束部110の方向および第1磁気収束部110とは反対の方向にそれぞれ突出する磁気収束部材122を有してよい。以上の第1複合パターン410は、図5に示す第3構成例の磁気センサ100の第1磁気収束部110、第2磁気収束部120、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240の配置と略同一でよい。
第2複合パターン420は、XY平面上で第1複合パターン410と重ならない位置に設けられ、第1複合パターン410と同形状の複合パターンを有する。図6に示す磁気センサ100は、第2複合パターン420が、基板10上において、第1複合パターン410の第1方向に対して直交する第2方向に位置する例を示す。
即ち、第2複合パターン420は、第1複合パターン410と同様に、第1パターンおよび第2パターンを有する。また、基板10上において、第2パターンは、第1パターンと点対称に配置される。即ち、第2複合パターン420は、線分C−C'が、XY平面と略平行な面上における当該パターンの中心線となり、当該線分C−C'の−X方向側が第1パターン、+X方向側が第2パターンとなる。また、線分C−C'上の点422に対して、第1パターンおよび第2パターンは点対称に配置される。
第2複合パターン420が有する第1パターンは、第1複合パターン410が有する第1パターンと同様に、第1磁気収束部140、第1感磁部260、および第2感磁部270を含む。また、第2複合パターン420が有する第2パターンは、第1複合パターン410が有する第2パターンと同様に、第2磁気収束部150、第3感磁部280、および第4感磁部290を含む。また、第1磁気収束部140は、第1磁気収束部110と同様に、磁気収束部材142を有してよく、第2磁気収束部150は、第2磁気収束部120と同様に、磁気収束部材152を有してよい。
第1補助磁気収束部310および第2補助磁気収束部320は、第1複合パターン410および第2複合パターン420を挟み、第1方向に延伸する。第1補助磁気収束部310は、第1複合パターン410の第1磁気収束部110の第2磁気収束部120が設けられる側とは反対側に設けられる。また、第2補助磁気収束部320は、第2複合パターン420の第2磁気収束部150の第1磁気収束部140が設けられる側とは反対側に設けられる。なお、第1補助磁気収束部310の第1方向側の端部は、第2方向に突出する磁気収束部材312を有してよく、第2補助磁気収束部320の第1方向とは反対側の端部は、第2方向に突出する磁気収束部材322を有してよい。
以上の磁気センサ100において、第1複合パターン410および第2複合パターン420の、第1感磁部の組、第2感磁部の組、第3感磁部の組、および第4感磁部の組は、基板10上において第1方向とは直交し、かつ、正負が異なる方向に感磁軸をそれぞれ有する。なお、第1感磁部の組は第1感磁部210および第1感磁部260を、第2感磁部の組は第2感磁部220および第2感磁部270を、第3感磁部の組は第3感磁部230および第3感磁部280を、第4感磁部の組は第4感磁部240および第4感磁部290を、それぞれ有する。
ここで、第1感磁部210、第2感磁部220、第3感磁部230、および第4感磁部240が−X方向に感磁軸を有し、第1感磁部260、第2感磁部270、第3感磁部280、および第4感磁部290が+X方向に感磁軸を有する例を説明する。この場合、それぞれの感磁部の抵抗値は、磁場成分Bx、By、およびBzを含む磁場ベクトルB(Bx,By,Bz)の入力に対して、次式に示すように与えられる。
(数12)
R11=R0−ΔRx1+ΔRy1−ΔRz1
R12=R0−ΔRx1−ΔRy1+ΔRz1
R13=R0−ΔRx1−ΔRy1−ΔRz1
R14=R0−ΔRx1+ΔRy1+ΔRz1
R21=R0+ΔRx2−ΔRy2+ΔRz2
R22=R0+ΔRx2+ΔRy2−ΔRz2
R23=R0+ΔRx2+ΔRy2+ΔRz2
R24=R0+ΔRx2−ΔRy2−ΔRz2
なお、第1複合パターン410の感磁部の抵抗値をR1nとし、第2複合パターン420の感磁部の抵抗値をR2nとした(n=1,2,3,4)。また、−X方向に感磁軸を有する感磁部の抵抗値の変化をΔRm1とし、+X方向に感磁軸を有する感磁部の抵抗値の変化をΔRm2とした(m=x,y,z)。磁気センサ100は、(数12)式に基づき、次式に示す演算を実行して、磁場成分に応じて変化する抵抗値の変化量を算出できる。
(数13)
−R11−R12−R13−R14+R21+R22+R23+R24=4(ΔRx1+ΔRx2)
+R11−R12−R13+R14−R21+R22+R23−R24=4(ΔRy1+ΔRy2)
−R11+R12−R13+R14+R21−R22+R23−R24=4(ΔRz1+ΔRz2)
以上のように、第4構成例の磁気センサ100は、略同一の入力磁場に対する感磁部の抵抗値の変化量が、感磁軸の方向に応じて異なった場合でも、他軸感度を低減させて、磁場ベクトルの直交する3方向の磁場成分を分離することができる。このように、磁気センサ100は、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸と、第2複合パターン420の感磁部の感磁軸とを、互いに逆向きにすることで、他軸感度の項を相殺することができる。
(数12)式および(数13)式は、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸が−X方向を向き、第2複合パターン420の感磁部の感磁軸が+X方向を向く例を説明した。磁気センサ100は、この他にも、他軸感度を低減させる感磁軸の方向の組み合わせを有する。ここで、磁気センサ100が、図6に示した例のように8の感磁軸を有する場合を考える。
この場合、第1複合パターン410は4の感磁部を有し、当該4の感磁部のうち、3の感磁部が−X方向を向く組み合わせは、(D11,D12,D13,D14)=(+,−,−,−)、(−,+,−,−)、(−,−,+,−)、(−,−,−,+)の4通りである。ここで、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸の方向をD1nとし(n=1,2,3,4)、−X方向の感磁軸を「−」、+X方向の感磁軸を「+」とした。なお、当該組み合わせは、4C3として算出される組み合わせの数に等しい。
また、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸の当該組み合わせに対応する、第2複合パターン420の感磁部の感磁軸の組み合わせは、(D21,D22,D23,D24)=(−,+,+,+)、(+,−,+,+)、(+,+,−,+)、(+,+,+,−)となる。なお、第2複合パターン420の感磁部の感磁軸の方向をD2nとした。即ち、第1複合パターン410および第2複合パターン420の、第1感磁部の組、第2感磁部の組、第3感磁部の組、および第4感磁部の組は、基板10上において第1方向とは直交し、かつ、正負が異なる方向に感磁軸をそれぞれ有する。この場合、磁気センサ100は、他軸感度を低減することができる。
同様に、第1複合パターン410の感磁部のうち、2の感磁部が−X方向を向く組み合わせは、(D11,D12,D13,D14)=(+,+,−,−)、(+,−,+,−)、(+,−,−,+)、(−,+,+,−)、(−,+,−,+)、(−,−,+,+)の6通りである。なお、当該組み合わせは、4C2として算出される組み合わせの数に等しい。また、第1複合パターン410の感磁部のうち、1の感磁部が−X方向を向く組み合わせは、(D11,D12,D13,D14)=(−,+,+,+)、(+,−,+,+)、(+,+,−,+)、(+,+,+,−)の4通りであり、当該組み合わせは、4C1として算出される組み合わせの数に等しい。
同様に、第1複合パターン410の感磁部のうち、4の感磁部が−X方向を向く組み合わせは、(D11,D12,D13,D14)=(−,−,−,−)の1通りである。なお、当該組み合わせは、4C4として算出される組み合わせの数に等しい。また、第1複合パターン410の0の感磁部が−X方向を向く組み合わせは、(D11,D12,D13,D14)=(+,+,+,+)の1通りであり、当該組み合わせは、4C0として算出される組み合わせの数に等しい。したがって、8の感磁軸を有する磁気センサ100は、第1複合パターン410の感磁部の組み合わせと、第2複合パターン420の対応する感磁部の組み合わせの、合計16通りのいずれかで形成されることで、他軸感度の影響を低減させることができる。
以上の本実施形態に係る磁気センサ100は、感磁部が2つの磁気収束部の間、または磁気収束部および補助磁気収束部の間に配置される例を説明した。この場合において、感磁部は、XY平面視で、磁気収束部と重なるように配置されてもよい。
図7は、本実施形態に係る磁気センサ100の第5構成例を示す。第5構成例の磁気センサ100において、図6に示された第4構成例の磁気センサ100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。図7は、+Z方向側からの磁気センサ100の平面視の一例を示す。
第5構成例の磁気センサ100は、第1複合パターン410の第1感磁部210および第2感磁部220が、第1磁気収束部110と一部が重なり、第2複合パターン420の第1感磁部260および第2感磁部270が、第1磁気収束部140と一部が重なる。また、磁気センサ100は、第1複合パターン410の第3感磁部230および第4感磁部240が、第2磁気収束部120と一部が重なり、第2複合パターン420の第3感磁部280および第4感磁部290が、第2磁気収束部150と一部が重なる。
このような第5構成例の磁気センサ100の感磁部は、図6で説明した第4構成例の磁気センサ100の動作と略同様に動作することができ、他軸感度の影響を低減させることができる。以上の本実施形態に係る磁気センサ100は、第1複合パターン410の第1方向に対して直交する第2方向に第2複合パターン420が設けられる例を説明した。これに代えて、第2複合パターン420は、第1複合パターン410に対して第2方向とは異なる方向に設けられてよい。
図8は、本実施形態に係る磁気センサ100の第6構成例を示す。第6構成例の磁気センサ100において、図6に示された第4構成例の磁気センサ100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。図8は、+Z方向側からの磁気センサ100の平面視の一例を示す。
第6構成例の磁気センサ100において、第2複合パターン420は、基板10上において、第1複合パターン410の第1方向に位置する。図8は、第2複合パターン420が第1複合パターン410の−Y方向側に設けられた例を示す。なお、図8は、第1方向に延伸する補助磁気収束部および第2方向に延伸する磁気収束部材については省略したが、磁気センサ100は、これらを更に備えることが望ましい。
また、磁気センサ100は、図8に示すように、1または複数の補助磁気収束部を更に備えてもよい。第1補助磁気収束部310および第2補助磁気収束部320は、第1複合パターン410を挟み、第1方向に延伸する。第1補助磁気収束部310は、第1パターンの第1磁気収束部110の第2磁気収束部120が設けられる側とは反対側に設けられる。また、第2補助磁気収束部320は、第2パターンの第2磁気収束部120の第1磁気収束部110が設けられる側とは反対側に設けられる。
また、第1補助磁気収束部340および第2補助磁気収束部350は、第2複合パターン420を挟み、第1方向に延伸する。第1補助磁気収束部340は、第1パターンの第1磁気収束部140の第2磁気収束部150が設けられる側とは反対側に設けられる。また、第2補助磁気収束部350は、第2パターンの第2磁気収束部150の第1磁気収束部140が設けられる側とは反対側に設けられる。
以上の第6構成例の磁気センサ100においても、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸と、第2複合パターン420の対応する感磁部の感磁軸とを、互いに逆向きにすることで、他軸感度の項を相殺することができる。
なお、第2複合パターン420は、第1複合パターン410とXY平面上で重ならなければよい。即ち、磁気センサに入力する磁場の均一性が保たれている範囲であれば、第1複合パターン410および第2複合パターン420は、基板10上において離間して設けられてもよい。
以上の本実施形態に係る磁気センサ100は、第1磁気収束部110が、第2磁気収束部120と比較して、第1方向とは反対側に突出する例を説明した。これに代えて、第2磁気収束部120が、第1磁気収束部110と比較して、第1方向とは反対側に突出してもよい。この場合、第1磁気収束部110は、第2磁気収束部120と比較して、第1方向側に突出してよい。また、これに代えて、第1磁気収束部110および第2磁気収束部120は、他の磁気収束部と比較して、いずれの方向にも突出しなくてもよい。このような磁気センサ100について、次に説明する。
図9は、本実施形態に係る磁気センサ100の第7構成例を示す。第7構成例の磁気センサ100において、図6に示された第4構成例の磁気センサ100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。図9は、+Z方向側からの磁気センサ100の平面視の一例を示す。第7構成例の磁気センサ100は、基板10と、第1複合パターン410と、第2複合パターン420と、を備える。
第1複合パターン410は、基板10上に第1パターンおよび第2パターンを有する。第1パターンは、第1方向に延伸する第1磁気収束部110と、第1方向に延伸し、第1磁気収束部110の第1方向側の端部において第1磁気収束部110を挟む第1感磁部210および第2感磁部220と、を含む。第2パターンは、第1方向に延伸し、第2磁気収束部120の第1方向とは反対側の端部において第1磁気収束部110と並走する第2磁気収束部120と、第1方向に延伸し、第2磁気収束部120を挟む第3感磁部230および第4感磁部240と、を含む。
また、基板10上において、第2パターンは、第1パターンと点対称に配置されてよい。即ち、第1複合パターン410は、第2感磁部220および第3感磁部230の間の線分B−B'が、XY平面と略平行な面上における当該パターンの中心線となり、当該線分B−B'の−X方向側が第1パターン、+X方向側が第2パターンとなる。また、線分B−B'上の点412に対して、第1パターンおよび第2パターンは点対称に配置される。
第2複合パターン420は、XY平面上で第1複合パターン410と重ならない位置に設けられ、第1複合パターン410と同形状の複合パターンを有する。図9に示す磁気センサ100は、第2複合パターン420が、基板10上において、第1複合パターン410の第1方向に対して直交する第2方向に位置する例を示す。
即ち、第2複合パターン420は、第1複合パターン410と同様に、第1パターンおよび第2パターンを有する。また、基板10上において、第2パターンは、第1パターンと点対称に配置される。即ち、第2複合パターン420は、線分C−C'が、XY平面と略平行な面上における当該パターンの中心線となり、当該線分C−C'の−X方向側が第1パターン、+X方向側が第2パターンとなる。また、線分C−C'上の点422に対して、第1パターンおよび第2パターンは点対称に配置される。
第2複合パターン420が有する第1パターンは、第1複合パターン410が有する第1パターンと同様に、第1磁気収束部140、第1感磁部260、および第2感磁部270を含む。また、第2複合パターン420が有する第2パターンは、第1複合パターン410が有する第2パターンと同様に、第2磁気収束部150、第3感磁部280、および第4感磁部290を含む。
なお、第1複合パターン410の第1感磁部210、第2感磁部220は、第1磁気収束部110と一部が重なってよい。また、第1複合パターン410の第3感磁部230、および第4感磁部240は、第2磁気収束部120と一部が重なってよい。この場合、同様に、第2複合パターン420の第1感磁部260、第2感磁部270は、第1磁気収束部140と一部が重なってよい。また、第2複合パターンの420の第3感磁部280、および第4感磁部290は、第2磁気収束部150と一部が重なってよい。
より好ましい形態は、第1複合パターン410の第1磁気収束部110および第2磁気収束部120は、各々の第1方向の長さが等しく、各々の第1方向側の端部と第1方向とは反対側の端部が揃って配置されるとよい。同様に、第2複合パターン420の第1磁気収束部140および第2磁気収束部150は、各々の第1方向の長さが等しく、各々の第1方向側の端部と第1方向とは反対側の端部が揃って配置されるとよい。
以上の磁気センサ100において、第1感磁部210および第2感磁部220は、第1磁気収束部110の−Y方向側の端部よりも+Y方向側にずれた位置から、第1磁気収束部110の+Y方向側の端部まで延伸する。同様に、第1感磁部260、および第2感磁部270は、第1磁気収束部140の−Y方向側の端部よりも+Y方向側にずれた位置から、第1磁気収束部140の+Y方向側の端部まで延伸する。
また、第3感磁部230および第4感磁部240は、第2磁気収束部120の−Y方向側の端部から、第2磁気収束部120の+Y方向側の端部よりも−Y方向側にずれた位置まで延伸する。同様に、第3感磁部280および第4感磁部290は、第2磁気収束部150の−Y方向側の端部から、第2磁気収束部150の+Y方向側の端部よりも−Y方向側にずれた位置まで延伸する。
即ち、第7構成例の磁気センサ100は、第3感磁部230、第4感磁部240、第3感磁部280、および第4感磁部290が、第1感磁部210および第2感磁部220と比較して、第1方向とは反対側に突出する。また、第1感磁部210、第2感磁部220、第1感磁部260、および第2感磁部270は、第3感磁部230および第4感磁部240と比較して、第1方向側に突出する。
これにより、磁気センサ100は、図9の点線の矢印で示したように、第1方向に向かう入力磁場Byに対して、第2磁気収束部120および第2磁気収束部150が引き寄せて生成したX方向の磁場成分を、第3感磁部230、第4感磁部240、第3感磁部280、および第4感磁部290に入力させることができる。また、第1磁気収束部110および第1磁気収束部140が放出して生成したX方向の磁場成分を、第1感磁部210、第2感磁部220、第1感磁部260、および第2感磁部270に入力させることができる。
したがって、このような第7構成例の磁気センサ100においても、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸と、第2複合パターン420の対応する感磁部の感磁軸とを、互いに逆向きにすることで、他軸感度の項を相殺して、異なる3方向の磁場成分を分離できる。なお、図9は、第1方向に延伸する補助磁気収束部および第2方向に延伸する磁気収束部材については省略したが、磁気センサ100は、これらを更に備えてもよい。また、第2複合パターン420は、XY平面上で第1複合パターン410と重ならなければ、第1複合パターン410に対して第2方向とは異なる方向に設けられてよい。
以上の本実施形態に係る磁気センサ100は、第1複合パターン410および第2複合パターン420が、それぞれ2つの磁気収束部を有する例を説明した。これに代えて、第1複合パターン410および第2複合パターン420は、それぞれ1つの磁気収束部を有する構成であってもよい。このような磁気センサ100について、次に説明する。
図10は、本実施形態に係る磁気センサ100の第8構成例を示す。図10は、+Z方向側からの磁気センサ100の平面視の一例を示す。第8構成例の磁気センサ100は、基板10と、第1複合パターン410と、第2複合パターン420と、を備える。
第1複合パターン410は、第1方向に延伸する第1磁気収束部510と、第1感磁部610と、第2感磁部620と、第3感磁部630と、第4感磁部640と、を有する。第1感磁部610および第2感磁部620は、第1方向に延伸し、第1磁気収束部510の第1方向側の端部において第1磁気収束部510を挟むように設けられる。第3感磁部630および第4感磁部640は、第1方向に延伸し、第1磁気収束部510の第1方向とは反対側の端部において第1磁気収束部510を挟むように設けられる。
第2複合パターン420は、XY平面上で第1複合パターン410と重ならない位置に設けられ、第1複合パターン410と同形状の複合パターンを有する。図10に示す磁気センサ100は、第2複合パターン420が、基板10上において、第1複合パターン410の第1方向に対して直交する第2方向に位置する例を示す。即ち、第2複合パターン420は、第1複合パターン410と同様に、第1磁気収束部520、第1感磁部650、第2感磁部660、第3感磁部670、および第4感磁部680、を有する。
なお、第1複合パターン410の第1感磁部610、第2感磁部620、第3感磁部630、および第4感磁部640は、第1磁気収束部510と一部が重なってよい。この場合、同様に、第2複合パターンの第1感磁部650、第2感磁部660、第3感磁部670、および第4感磁部680は、第1磁気収束部520と一部が重なってよい。
また、磁気センサ100は、図10に示すように、1または複数の補助磁気収束部を更に備えてもよい。第1補助磁気収束部310および第2補助磁気収束部320は、第1複合パターン410および第2複合パターン420を挟み、第1方向に延伸する。第1補助磁気収束部310は、第1複合パターン410の第1磁気収束部510の第2複合パターン420が設けられる側とは反対側に設けられる。また、第2補助磁気収束部320は、第2複合パターンの第1磁気収束部520の第1複合パターン410が設けられる側とは反対側に設けられる。
以上の第8構成例の磁気センサ100は、図10の点線の矢印で示したように、第1方向に向かう入力磁場Byに対して、第1磁気収束部510および第1磁気収束部520が引き寄せて生成したX方向の磁場成分を、第3感磁部630、第4感磁部640、第3感磁部670、および第4感磁部680に入力させることができる。また、第1磁気収束部510および第1磁気収束部520が放出して生成したX方向の磁場成分を、第1感磁部610、第2感磁部620、第1感磁部650、および第2感磁部660に入力させることができる。
したがって、このような第8構成例の磁気センサ100においても、第1複合パターン410の感磁部の感磁軸と、第2複合パターン420の対応する感磁部の感磁軸とを、互いに逆向きにすることで、他軸感度の項を相殺して、異なる3方向の磁場成分を分離できる。なお、図10は、第1方向に延伸する補助磁気収束部および第2方向に延伸する磁気収束部材については省略したが、磁気センサ100は、これらを更に備えてもよい。また、第2複合パターン420は、第1複合パターン410と重ならなければ、第1複合パターン410に対して第2方向とは異なる方向に設けられてよい。
図11は、本実施形態に係る磁気センサ100に接続される演算装置1000の構成例を示す。図11において、磁気収束部の記載は省略する。図11は、演算装置1000が、図6、図7、図8、および図9に示す磁気センサ100から、抵抗値の変化量を取得して入力磁場の成分を演算して出力する例を示す。演算装置1000は、電源部710と、定電流源720と、演算部730と、を備える。
電源部710は、予め定められた電源電圧を出力し、定電流源720に電流を供給する。定電流源720は、複数の感磁部に対応して複数設けられ、一定の電流を複数の感磁部のそれぞれに供給する。図11に示す演算装置1000は、8の感磁部に対応して8の定電流源720が設けられ、感磁部の一端から他端へと一定の電流を流す例を示す。複数の感磁部は、一端が対応する定電流源720に接続され、他端が基準電位に接続される。基準電位は、予め定められた電位でよく、一例として、0Vである。
演算部730は、複数の感磁部の出力に基づき、外部から入力する磁場ベクトルの直交する3つの成分を演算する。図11に示す演算装置1000は、第1感磁部210から第4感磁部240、および、第1感磁部260から第4感磁部290の抵抗値の変化量に基づき、入力された磁場ベクトルの直交する3つの磁場成分Bx、By、およびBzの大きさを算出する例を示す。この場合、演算部730は、各感磁部の定電流源720側の一端に接続され、一例として、(数12)式に示された抵抗値の変化を取得して、(数13)式に基づき、入力磁場の各成分を算出する。なお、(数13)式は、加算および減算等の単純な式なので、演算部730は、電子回路等で簡便に構成することができる。
以上の演算装置1000は、定電流源720が複数の感磁部に対応して複数設けられる例を説明した。これに代えて、演算装置1000は、定電流源720の出力に接続されるスイッチ等を含む切換部を有し、抵抗値を取得すべき感磁部に定電流を流し、複数の感磁部から順次抵抗値を取得するように切り替えてもよい。なお、本実施形態に係る磁気センサ100は、以上のような演算装置1000を含めた構成であってよい。
図12は、本実施形態に係る感磁部の構成例を示す。図12は、GMR素子を形成する第1感磁部210の一例を示す。GMR素子は、磁性材料の磁化の向きで電子のスピン散乱が変化して、当該素子の抵抗値が変わる。第1感磁部210は、ピニング層212、ピンド層214、スペーサ層216、およびフリー層218を備える。
ピニング層212は、当該ピニング層212に積層されるピンド層214の磁化の向きを固定する。ピニング層212は、PtMnまたはIrMnなどの反強磁性体で形成されてよい。
ピンド層214は、ピニング層212の上面に積層され、ピニング層212との磁気結合により磁気モーメントの方向が固定される。なお、ピンド層214は、ピニング層212を用いずにセルフバイアス構造を用いてもよい。ピンド層214の磁化が固定される方向は、本実施形態において、感磁軸とした。図12は、感磁軸の方向を−X方向とした例を示す。ピンド層214は、CoFeなどの強磁性体またはCoFe/Ru/CoFeなどの強磁性体を含む積層構造で形成されてよい。
スペーサ層216は、電流を流すとスピン散乱が生じる導電層である。スペーサ層216は、一例として、ピンド層214およびフリー層218の間に設けられる。スペーサ層216は、Cu等の非磁性体で形成されてよい。図12は、スペーサ層216に+Y方向の電流が流れる例を示す。
フリー層218は、スペーサ層216の上面に積層され、外部から入力する磁場Bに応じて磁化の向きが自由に回転する。フリー層218は、NiFeなどの強磁性体またはCoFe/NiFeなどの強磁性体を含む積層構造で形成されてよい。図12は、フリー層218の磁化容易軸が、ピンド層214の感磁軸と略垂直な+Y方向を向く例を示す。フリー層218は、外部磁場Bに応じた角度θ(B)に磁化の向きが回転する。このような、フリー層218の磁気モーメントの方向の変化に伴い、スペーサ層216に流れる電流の経路が曲げられるので、第1感磁部210の抵抗値が変化することになる。
このような第1感磁部210の抵抗値の変化を検出することにより、外部磁場Bの大きさを取得することができる。例えば、抵抗値の変化量は、ΔR=(RAP−RP)/RPで表される。ここで、RAPは、ピンド層214とフリー層218の磁化の向きが反平行のときの抵抗値、RPは、ピンド層214とフリー層218の磁化の向きが平行のときの抵抗値を示す。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。