JP2014532393A - 筋肉の量及び性能を高める乳清タンパク質ミセル - Google Patents

Abstract

本発明は、被験者の筋肉タンパク質合成を高めるための乳清タンパク質ミセルの非治療的使用に関する。本発明のさらなる態様は、乳清タンパク質ミセルを含み、子供、運動選手、又は高齢者に投与される食品組成物である。【選択図】 図１

Description

発明の詳細な説明

本発明は、被験者の筋肉タンパク質合成を高めるための乳清タンパク質ミセルの非治療的使用に関する。本発明のさらなる態様は、子供、運動選手、又は高齢者に投与される乳清タンパク質ミセルを含む食品組成物である。

乳清タンパク質は、健康、体力、及び身体機能の維持及び改善を助ける上で健康的な食事の役割を重んずる、あらゆる年代の個人にとって優れたタンパク質の選択である。利用できる最も純粋な形である乳清タンパク質単離物（ｗｈｅｙ ｐｒｏｔｅｉｎ ｉｓｏｌａｔｅ）は、日常の食事で必要とされる必須アミノ酸の供給源として現在のところ最上のものである。必須アミノ酸は、健全な筋肉、皮膚、爪、及び他の身体組織の構成要素である。

米国特許出願公開第２０１１／２５０３１０号は、ビタミンＤのような有効成分と結合した乳清組成物が、高齢者の筋肉−骨格系の健康度を改善することを助け得ることを開示する。

しかし、ビタミンＤ補給が過剰である場合には、ビタミンＤ過剰症、及びその結果としての血中におけるカルシウムの蓄積（高カルシウム血症）をもたらす可能性があり、それが食欲不振、吐き気、及び嘔吐などの症状を引き起こし得る。

乳清タンパク質は、ほそく、強靭な、ひきしまった体格を創り上げ、維持することに努める真剣な運動選手にとって、タンパク質の「ゴールドスタンダード」と長い間考えられてきた。運動選手はその食事においてより多くのタンパク質を必要とし、推奨される日常の許容量の二倍量となることも多い。選択されるタンパク質によって相違が生じ、あらゆるタイプの運動選手にとって乳清タンパク質が好んで選択される理由がいくつかある。乳清タンパク質は天然の完全なタンパク質であり、体組成の改善を補助し、運動機能を高めるのに必要とされるあらゆる必須アミノ酸を理想的組み合わせの中に含む。乳清タンパク質は、分枝鎖アミノ酸（ＢＣＡＡ）の豊かな供給源である。これは運動選手にとって重要である。これらのＢＣＡＡは直接筋組織に代謝され、運動及びウエイトトレーニングの最中に使用される最初のアミノ酸であるからである。乳清タンパク質は、アミノ酸であるロイシンの優れた供給源でもある。ロイシンは、筋肉タンパク質合成及び筋成長を促進する重要な役割を果たすため、運動選手にとって重要である。

国際公開第２０１１／１１２６９５号パンフレットは、乳清タンパク質粉末及びロイシンを含む栄養組成物をこの点について記載する。ロイシンは、老齢のラットにおいて筋肉タンパク質の合成を増進することによって筋組織の分解を遅らせることが見出されてきたことが開示されている。

しかし、国際公開第２０１１／１１２６９５号パンフレットによれば、人間においてタンパク質合成を刺激するための有効量が含有される場合、ロイシンの風味は一般的に不快である。実際、ロイシンの感覚的性質として、摂取者にとって不快である苦味の味覚が含まれる。

食物タンパク質は、幼児及び子供の成長に非常に重要である。乳清タンパク質は、人間の母乳に見出し得るものと同一の成分を多く含み、このため、多くの調整粉乳における重要な原材料である。したがって、乳清タンパク質の天然組成物は、必須アミノ酸、ＢＣＡＡ、及びロイシンが豊富なタンパク質供給源として、運動選手に対するのとほぼ同様の方法で、子供の成育における健全な成長及び筋組織の発達を支援する。

加齢するにつれて、筋量減少及びその健康における否定的な関連への関心が高まりつつある。十分な栄養及び適当量の高品質乳清タンパク質の摂取は、特に、身体運動及びウエイトトレーニングと一緒に行うと、加齢の際、強靭な筋肉を維持するための助けとなり得る。近年の研究より、乳清タンパク質を摂取した高齢者にタンパク質合成及び筋成長の増大が認められ、それによってその後も筋肉量の軽減が制限されたことが明らかとなった。

Ｔａｎｇ ＪＥら（２００９、Ｊ Ａｐｐｌ Ｐｈｙｓｉｏｌ １０７：９８７〜９９２）は、安静時及びレジスタンスエクササイズ後に、三種の別個の、しかしながら高品質の食物タンパク質、すなわち、乳清、ミセル性カゼイン、及びダイズを摂取した後の、青年における骨格筋タンパク質合成の応答を調査した。その結果、著者らは、安静時及びレジスタンスエクササイズ後の両方において、乳清タンパク質を摂取することによって、カゼインよりもはるかに筋肉タンパク質合成が刺激されたことを報告した。乳清タンパク質は、ダイズタンパク質より筋肉合成の著しい上昇をも刺激し、それは同一著者らの先行研究と一致した。彼らは、安静時及びレジスタンスエクササイズ後の両方において、乳清タンパク質は、カゼイン又はダイズタンパク質のどちらよりも一層、骨格筋タンパク質合成を刺激すると結論づけた。

国際公開第２０１１／０１１２５２号パンフレットは、筋肉量の減少防止の助けとなる栄養療法と、運動療法を含む、機能状態の喪失を減ずる方法であって、前記栄養に関する発明（ｎｕｔｒｉｔｉｏｎａｌ ｉｎｖｅｎｔｉｏｎ）が、多くの他の有効成分とともに乳清タンパク質を含む方法を開示する。

しかし、人々にとって、そのような運動プログラムを行うことは気が進まない、又はできない恐れがある。

あらゆる年代の健常者における筋肉量、体力、及び性能を高めるための、乳清タンパク質単離物よりもさらに良質な栄養溶液を見つけるという持続的なニーズが、食品産業においてなお存在する。

本発明の目的は、当該技術分野の現状を進歩させることであり、健全な被験者における筋肉タンパク質合成を高める栄養溶液を提供することである。

本発明の目的は、独立クレームの発明特定事項によって達成される。従属クレームは本発明のアイデアをさらに発展させる。

したがって、本発明は、第１の態様において、被験者の筋肉タンパク質合成を高めるための乳清タンパク質ミセルの非治療的使用を提供する。

乳清タンパク質ミセルは、組成物、例えば、食品組成物の形で投与することができる。

ロイシンの補給は、摂取者にとって不快と感じられる苦味を生じることが知られているため、当該組成物に含まれるロイシンの量は、組成物中の乾燥重量で１８％未満、組成物中の乾燥重量で１５％未満、又は組成物中の乾燥重量で１２％未満であることが好ましい。

発明者らは、ロイシンを添加しなくても、乳清タンパク質ミセル単独で本発明の目的が達成できることを知って驚いた。したがって、本発明の組成物は、ロイシンの添加を含まなくてもよい。

本発明者らは、ビタミンＤを補給しないことでビタミンＤの過剰投与の危険性を排除して、本発明の目的が達成できることにも驚いた。

したがって、本発明で使用される組成物は、ビタミンＤの添加を含まなくてもよく、又はビタミンＤをまったく含まなくてもよい。

身体運動は本発明の効果を高めるが、本発明によって被験者の筋肉タンパク質合成を高めた結果、さらに運動療法を行わなくても効果的であることを本発明者らは知って驚いた。

したがって、一つの実施態様において、本発明の使用は追加的な運動療法を含まない。

第２の態様において、本発明は、乳清タンパク質ミセルを含み、運動選手、高齢者、幼児、又は子供に投与される食品組成物に関する。

本明細書において、「乳清タンパク質ミセル（ＷＰＭ）」は、欧州特許出願公開第１８３９４９２号に記載され、またこれを乳清タンパク質ミクロゲル（ＷＰＭ）と称しているＳｃｈｍｉｔｔ Ｃら（２０１０、Ｓｏｆｔ Ｍａｔｔｅｒ ６：４８７６〜４８８４）にさらに特徴付けされているように定義される。特に、「乳清タンパク質ミセル」は、欧州特許出願公開第１８３９４９２号において開示されるように、その方法によって得られる乳清タンパク質ミセル濃縮液に含まれるミセルである。その中で、乳清タンパク質ミセル濃縮液の製造方法は、ａ）乳清タンパク質水溶液のｐＨを３．０〜８．０の間の数値に調整するステップと、ｂ）前記水溶液の温度を８０〜９８℃の間のいずれかにするステップと、ｃ）ステップｂ）で得られた分散溶液を濃縮するステップとを含む。その結果、生成したミセルは、生成したミセルの８０％超が直径１ミクロンよりも小さいサイズを有し、好ましくは１００ｎｍ〜９００ｎｍの間のサイズとなるような、極めて鋭い粒度分布を有する。「乳清タンパク質ミセル」は、濃縮液又は粉末状でもよい。重要であるのは、乳清タンパク質の基本的なミセル構造は、濃縮液や粉末中で保存され、粉末から、例えば水に再溶解されることである。「乳清タンパク質ミセル」は、分散溶液で、噴霧乾燥中又は凍結乾燥中も含め粉末状で物理的に安定である。

安静時及び運動後に筋肉タンパク質の合成を刺激するためには、血漿アミノ酸の急速な増加が必要である。（Ｄａｎｇｉｎ Ｍら、２００３、Ｊ Ｐｈｙｓｉｏｌ ５４９：６３５〜６４４）。血漿アミノ酸のこの急速な増加を起こすために現在最良の解決策の一つは、乳清タンパク質単離物（ＷＰＩ）である（Ｔａｎｇ ＪＥら、２００９、Ｊ Ａｐｐｌ Ｐｈｙｓｉｏｌ １０７：９８７〜９９２）。より長時間にわたってアミノ酸構成要素を供給することによる、さらに持続的なアミノ酸反応によって、同化作用及び筋肉タンパク質合成の増加が長く持続し得る（Ｌａｃｒｏｉｘ Ｍら、２００６、Ａｍ Ｊ Ｃｌｉｎ Ｎｕｔｒ ８４：１０７０〜９）。さらに、よりゆるやかにタンパク質が消化されることによってタンパク質分解を抑制することができ（Ｄａｎｇｉｎ Ｍら、２００１、Ａｍ Ｊ Ｐｈｙｓｉｏｌ ２８０：Ｅ３４０〜Ｅ３４８）、それによって、最終的な筋肉タンパク質の平衡状態、すなわち、タンパク質合成とタンパク質分解の差においてさらに利するであろう。このように、最大限のアミノ酸血をより長期の間引き起こすであろうタンパク質又はタンパク質の混合物は、両方を行う、すなわち、最大限にタンパク質合成を刺激し、タンパク質分解を抑制するであろう。

驚くべきことに、食事の一部として摂取された乳清タンパク質ミセルが、乳清タンパク質単離物（ＷＰＩ）を含む同カロリー及び同窒素量制限食（ｉｓｏ−ｎｉｔｒｏｇｅｎｏｕｓ ｃｏｎｔｒｏｌ ｍｅａｌ）と同様に高血漿アミノ酸血を引き起こすものの、前述の制限食の場合よりも、食後約３０分間有意に遅らせることが、今や発明者により見出された。乳清タンパク質ミセル食後のアミノ酸濃度の最大値（すなわち、Ｃｍａｘ）は、ＷＰＩ食後と同一であり、同カロリー及び同窒素量牛乳タンパク質又は牛乳カゼイン食後に到達する最大濃度よりも有意に高いものであった。臨床試験の結果は実施例の項において示す。

したがって、本発明者らは、毎日の食事の一部として摂取されたとき、被験者において遅延性ではあるが最高値を示すアミノ酸血を引き起こすタンパク質組成物を見出してきた。食後長時間にわたるこの高アミノ酸血は、最大限に筋肉タンパク質合成を刺激し、筋肉タンパク質分解を減少させ、それによって筋肉量を維持し、及び／又は高めるには最も都合が良い。

「高アミノ酸血」は、タンパク質合成の増加及びタンパク質分解の減少につながり得る、血流におけるアミノ酸過剰、すなわちアミノ酸プールのことであり、全体として窒素量超過を伴う。したがって、この窒素量超過は、破壊よりも除脂肪組織のさらなる構築を示し、全体として除脂肪体重の増加につながるものである。

理論に拘わるつもりはないが、食事の一部として摂取された乳清タンパク質ミセルが、胃内容排出遅延を引き起こし、ＷＰＩのような天然の乳清タンパク質に比べて、よりゆるやかに消化されるようである、と本発明者らは考える。したがって、乳清タンパク質ミセルは末梢血液循環へよりゆるやかにアミノ酸を送達する。

乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質ミセル、又はミセル性カゼインを含む食事代替物の摂取後３時間の必須アミノ酸の血漿中濃度を示す。 乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質ミセル、又はミセル性カゼインを含む食事代替物の摂取後３時間のロイシンの血漿中濃度を示す。 ７種の異なるタンパク質のうち各１種を含む食事代替物の摂取後３時間の必須アミノ酸の血漿中濃度を示す。

本発明は、被験者の筋肉タンパク質合成を高め、その結果、筋肉量、筋力、及び／又は筋肉の性能を増加させる乳清タンパク質ミセルの非治療的使用に関係する。乳清タンパク質ミセルの本発明の使用で得られる、食後長時間にわたる高アミノ酸血は、筋肉タンパク質合成を最大限に刺激し、それによって、筋肉量を維持及び／又は高める結果、筋力及び筋性能を増加させるのに最も有利である。

本発明による非治療的使用は、ヒト、好ましくは幼児、成長中の子供、運動選手、又は高齢者を対象とする。

「幼児」は、３６ヶ月の月齢以下の子供を意味する。

「運動選手」は、身体運動又はスポーツに必要な体力、敏捷性、及び持久力など、特に、競争的状況において発揮されるものを、生まれつき又は後天的な特性として有する人を意味する。

「高齢者」は、暦年齢が６５歳以上の人を意味する。

幼児、まだ成長段階にある子供、運動選手、及び高齢者は、共通して、筋肉タンパク質合成を向上させる必要がある。すなわち、幼児はその著しい成長及び筋組織の発達のために、運動選手は筋肉量及び筋肉の性能のさらなる発達のために、及び、高齢者は加齢による筋肉量の自然減少を補い、少なくとも維持するために。したがって、本発明から最良の恩恵を得るのはこれらの人々であろう。

本発明による乳清タンパク質ミセルの非治療的使用は、動物、好ましくはネコ又はイヌにも関係する。動物、特にネコ及びイヌのようなペット動物として飼われている動物の飼い主は、例えば、競争又はその他の競争的目的のための筋力及び性能を増加させるために、自分のペット動物の筋肉量を増加させることを望むことがある。或いは、本発明による乳清タンパク質ミセルの非治療的使用は、ウマ及びウシにも関係する。

好ましい実施態様においては、一日量として乾燥重量で少なくとも２０ｇの、好ましくは乾燥重量で少なくとも３０ｇの乳清タンパク質ミセルが被験者に提供される。これらの投与量は、被験者に少なくとも中間期に所期の効果をもたらすのに十分な一日量を保証するはずである。

さらなる実施態様においては、乳清タンパク質ミセルは食事と組み合わせて提供される。

たいていの食事には、牛乳、植物及び／又は動物源由来のタンパク質が含まれるため、摂取にあたって、食後のアミノ酸血の増加、すなわち、摂取者の血漿にアミノ酸濃度の上昇をもたらす。このような食事と組み合わせて乳清タンパク質ミセルの投与を併用することが有利である。したがって、食事に存在するタンパク質に由来する食後血漿アミノ酸の最大値は、最初のアミノ酸最大値から約３０分遅れた、乳清タンパク質ミセルに由来する食後アミノ酸最大値に合算される。したがって、全体の結果としての高アミノ酸血が、継続し延長される。これは、見返りとして、最大限に筋肉タンパク質合成を刺激し、それゆえに筋肉量を維持又は高めることに最も都合が良い。

好ましい実施態様においては、食事には、乳清タンパク質単離物、天然若しくは加水分解牛乳タンパク質、遊離アミノ酸、又はその組み合わせが含まれる。先行研究から知られているように、乳清タンパク質食は、例えば植物性タンパク質食よりも著しく強いアミノ酸血効果を被験者に示す。したがって、有利には、乳清タンパク質ミセルは、ＷＰＩ又は牛乳の形態で乳清タンパク質を含む食事と組み合わせる。有利には、この食事は、乳清又は牛乳タンパク質と組み合わせて、遊離アミノ酸をさらにまた補充することにより、前記食事の摂取時に高アミノ酸血を最適に引き起こすことができる。

乳清タンパク質ミセル及び食事の組み合わせは、本組み合わせの全乾燥重量の、１５〜５０重量％のタンパク質、１０〜１５重量％の脂質、２５〜５０重量％の炭水化物、及び５〜１０重量％の繊維を含むのが好ましい。

好ましい実施態様においては、乳清タンパク質ミセルは、飲料、栄養組成物、バー、フレーク、ビスケットの形態で、又はペレットとして、食事とともに及び／又は食事の一部として提供される。したがって、異なる個々のタンパク質成分は、最良かつ長時間の高アミノ酸血効果を示すように最適に投与し、同時に、官能性が最良の製品を良好に適用するように最適化することができる。さらに、摂取者には、例えば飲料やバーのように単独で摂取できる食品で、食事に伴って乳清タンパク質ミセルを摂取することは便利である。

第２の態様において、本発明は、乳清タンパク質ミセルを含み、運動選手又は高齢者に投与される食品組成物に関する。この食品組成物は、例えばボディビル用サプリメント、スポーツ栄養バー、栄養スポーツ飲料、又はシニア向け栄養補助食品の形態でもよい。

さらなる態様において、本発明は幼児又は子供向け食品組成物に関する。この食品組成物は、例えば、幼児処方食、牛乳飲料若しくはミルクセーキ、例えばヨーグルトの形態での発酵若しくは酸性化牛乳製品、又はデザート、ビスケット、アイスクリームであり得る。

なおさらなる態様において、本発明は、乳清タンパク質ミセルを含む動物向けの食品組成物に関する。本食品組成物は、ネコ、イヌ、ウマ、又はウシを対象とすることが好ましい。

当業者は、ここで開示される本発明のすべての構成要件を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。特に、本非治療的使用について記載される構成要件は、本食品組成物と組み合わせ、使用することができ、その逆も成立するものである。さらに、本発明の異なる実施態様において記載される構成要件も同様に組み合わせることができる。本発明のさらなる利点及び構成要件は、図面及び実施例から明らかである。

２３人の健康な成人男性に、ランダム化二重盲検７***差試験を以下の方法で実施した。テストされる食事代替物は、一週間の休薬期間によって各々隔てられた７つの異なる時期に、昼食時に摂取された。この食事代替物は、同カロリー及び同窒素量であった。これらは、被検タンパク質（３０ｇ、７．２％ｗ／ｗ）、脂質（１１．７ｇ、２．８％ｗ／ｗ）、炭水化物（４２．７ｇ、１０．２％ｗ／ｗ）、及び繊維（６．３ｇ、１．５％ｗ／ｗ）から構成された。被検タンパク質は、（１）乳清タンパク質単離物（ＷＰＩ）（２）乳清タンパク質ミセル（ＷＰＭ）（３）大いに加水分解された乳清タンパク質（ＥＨＷＰ）（４）ミセル性カゼイン（ＩＣＰ）（５）大いに加水分解されたカゼインタンパク質（ＥＨＣＰ）（６）全牛乳タンパク質（ＴＭＰ）及び（７）大いに加水分解された牛乳タンパク質（ＥＨＭＰ）であった。本食事代替物は、水を加えて４３０ｍＬとし、一人前３８８キロカロリーであった。

テストされる食事代替物を摂取してから３時間及びその前に、志願者の手首の静脈に挿入したカテーテルによって、動脈血化した静脈血試料を採取した。ガスクロマトグラフィー及び質量分析によってアミノ酸を分析するために、血漿試料を使用した。結果を図１〜図３に示す。

第一に、未処理の乳清タンパク質がミセル性カゼインよりもより高いアミノ酸血を引き起こすことがこの結果より確認された。第二に、テストされるＷＰＩ及びＷＰＭ食事代替物の摂取後、食後血漿アミノ酸濃度の最大値は、範囲及び高さにおいて同様であったものの、約３０分遅れで、すなわち、９０分ではなく１２０分で生じることが見出された。これによって、乳清タンパク質ミセルの摂取後長時間にわたって、血漿アミノ酸濃度の上昇が維持された（図１〜図３：細かい点線）。

Claims (13)

1. 被験者の筋肉タンパク質合成を高めるための乳清タンパク質ミセルの非治療的使用であって、
   前記乳清タンパク質ミセルは、組成物の乾燥重量の１８％未満の量のロイシンを含み、ビタミンＤが添加されていない前記組成物の形態で投与され、
   前記非治療的使用が追加的な運動療法を含まない、
   非治療的使用。
2. 筋肉量、筋力及び／又は筋肉の性能を増加させる、請求項１に記載の非治療的使用。
3. 前記被験者が、幼児、成長中の子供、運動選手、又は高齢者である、請求項１又は２に記載の非治療的使用。
4. 前記被験者が、動物、好ましくはネコ又はイヌである、請求項１又は２に記載の非治療的使用。
5. 一日量として乾燥重量で少なくとも２０ｇ、好ましくは乾燥重量で少なくとも３０ｇの前記乳清タンパク質ミセルが前記被験者に与えられる、請求項１〜４のいずれか一項に記載の非治療的使用。
6. 前記乳清タンパク質ミセルが食事と組み合わせて与えられる、請求項１〜５のいずれか一項に記載の非治療的使用。
7. 前記食事が、乳清タンパク質単離物、天然若しくは加水分解牛乳タンパク質、遊離アミノ酸、又はその組み合わせを含む、請求項６に記載の非治療的使用。
8. 前記乳清タンパク質ミセル及び前記食事の組み合わせが、全乾燥重量の、１５〜５０重量％のタンパク質、１０〜１５重量％の脂質、２５〜５０重量％の炭水化物、及び５〜１０重量％の繊維を含む、請求項６又は７に記載の非治療的使用。
9. 前記乳清タンパク質ミセルが、飲料、栄養組成物、バー、フレーク、ビスケットの形態で、又はペレットとして、前記食事の一部として与えられる、請求項６〜８のいずれか一項に記載の非治療的使用。
10. 乳清タンパク質ミセルを含む食品組成物であって、運動選手又は高齢者に投与されるものである、食品組成物。
11. 乳清タンパク質ミセルを含む食品組成物であって、幼児又は子供に投与されるものである、食品組成物。
12. 乳清タンパク質ミセルを含む、動物用の食品組成物。
13. 前記動物が、ネコ、イヌ、ウマ、又はウシである、請求項１２に記載の食品組成物。

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