JP2014506789A - miR−124の合成模倣体 - Google Patents
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Abstract
態様は、miR-124模倣体を伴う方法および組成物に関する。いくつかの態様において、miR-124配列を有する活性鎖と相補パッセンジャー鎖とを持ち、修飾ヌクレオチドを有する二本鎖RNA分子を提供する。
Description
本出願は、2011年2月3日付で出願された米国仮特許出願第61/439,272号に対する優先権を主張するものであり、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
I. 発明の分野
本発明は、分子生物学および医学の分野に関する。より具体的には、疾患および/または病態の処置のための、少なくともmiR-124機能特性を有するRNA分子、およびいくつかの態様においては、miR-124に関連する増強された特徴を有するRNA分子に関する方法および組成物である。
本発明は、分子生物学および医学の分野に関する。より具体的には、疾患および/または病態の処置のための、少なくともmiR-124機能特性を有するRNA分子、およびいくつかの態様においては、miR-124に関連する増強された特徴を有するRNA分子に関する方法および組成物である。
II. 背景
2001年に、いくつかのグループがクローニング法を用いて、線虫(C. elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila)およびヒトから「マイクロRNA」(miRNA)の大集団を単離かつ特定した(Lau et al., 2001; Lee and Ambros, 2001; Lagos-Quintana et al., 2003)。
2001年に、いくつかのグループがクローニング法を用いて、線虫(C. elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila)およびヒトから「マイクロRNA」(miRNA)の大集団を単離かつ特定した(Lau et al., 2001; Lee and Ambros, 2001; Lagos-Quintana et al., 2003)。
データベースmiRBase 15.0に記述されている、公開されたヒト成熟マイクロRNA配列(Griffths-Jones et al., 2006)は、サイズが16〜27ヌクレオチド長の範囲であり、もっと長い前駆体から生じる。前駆体は、自己相補的な領域内で折り畳まれた構造を形成し、ヌクレアーゼDicer (動物の場合)またはDCL1 (植物の場合)によりプロセッシングされて、短い二本鎖成熟miRNAを生じる。成熟miRNA鎖の一方は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれる、タンパク質とmiRNAとの複合体中に、組み込まれる。miRNAはRISC複合体を標的mRNAへと導き、後に標的mRNAは、標的mRNAに対するmiRNAの配列相補性の程度に依存して切断されるか、または翻訳段階でサイレンシングされる。現在、最も一般的には植物で観察されるように、完全なまたはほぼ完全な相補性がmRNAの分解を招くと考えられている。これとは対照的に、不完全な塩基対合は、主に動物で見られるように翻訳段階のサイレンシングを導く。しかしながら最近のデータは、さらなる複雑性を示唆しており(Bagga et al., 2005; Lim et al., 2005)、miRNAによる遺伝子サイレンシングの機序が精力的に研究されている。
研究から、数多くのmiRNAの発現レベルの変化が、さまざまながんと関連することが示されている(Calin and Croce, 2006; Esquela-Kerscher and Slack, 2006; Wiemer, 2007の総説)。miRNAは、細胞の成長、ならびにがんの発生と関連する細胞過程である細胞および組織の分化の調節とも関連付けられている。
種々のmiRNAの活性が特定され、分析されている。参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第20080050744号においてこれまでに、効果的なmiRNA模倣体が特定されているが、とりわけこれらの分子が研究実験の段階から臨床の現場へ移行する際には、天然に存在するmiRNAの1つまたは複数の特性を大幅に改善するさらなるmiRNA模倣体が必要である。
治療用マイクロRNAは、安定であるべきであり、活性であるべきであり、かつ的確なmRNA標的と特異的にハイブリダイズするべきである。態様は、ヌクレアーゼ消化に対する耐性、的確な標的mRNAとのハイブリダイゼーション能および/または機能性を維持し、かつ/または増強したmiR-124模倣体に関する。
態様は、成熟miR-124の配列を含有する異なるRNA分子に関する。RNA分子は二本鎖および/または平滑末端であってよく、これは、分子が分子全体にわたって二本鎖であり、および/または両末端で平滑末端であることを意味する。さらに、態様は、改善されたまたは増強された特性を有するmiR-124模倣体を得るためのそのようなRNA分子の化学修飾に関する。二本鎖RNA分子の活性鎖は、成熟miR-124配列を含有する。或る態様において、二本鎖RNA分子の片鎖の配列は、成熟miR-124配列の配列からなる。
いくつかの態様において、二本鎖であるRNA分子があり、これは、分子が、互いに分離されうる2本のポリヌクレオチドまたは鎖から構成されることを意味する。二本鎖分子は、1本の鎖またはポリヌクレオチドである、ヘアピン分子を含まない。いくつかの態様において、RNA分子は一方または両方の末端で平滑末端である。二本鎖RNA分子において、一方または両方の鎖は、長さが18、19、20、21、22、23、24もしくは25ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲でありうる。或る態様において、二本鎖で平滑末端の分子は、長さが20、21、または22塩基対(bp)である。
いくつかの態様において、二本鎖RNA分子は、必然的に平滑末端である分子を生ずる、互いに完全に相補的な2本の鎖を含有することが企図される。
或る態様において、RNA分子は、成熟ヒトmiR-124配列
(20mer)を含む活性鎖を持つ。或る態様において、成熟miR-124配列はSEQ ID NO: 1の配列ならびに5'末端に付加的なUおよび3'末端に余分なAを持つ
(22mer)。したがって、或る態様において、RNA分子は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を含む活性鎖を持つ。さらなる態様において、RNA分子は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を含む活性鎖を持つが、しかし1) 5'末端に、A、C、GおよびUからなる群より選択される付加的なヌクレオチドが存在し、かつ/または2) 3'末端に、A、C、G、Uからなる群より選択される付加的なヌクレオチドが存在するので、長さが21または22ヌクレオチドである。したがって、SEQ ID NO:2の配列を持つ活性鎖を有するRNA分子が、前文で論じられている態様において特に企図される。いくつかの態様において、活性鎖は、1つまたは複数の内部位置に修飾ヌクレオチドを持つ。
(20mer)を含む活性鎖を持つ。或る態様において、成熟miR-124配列はSEQ ID NO: 1の配列ならびに5'末端に付加的なUおよび3'末端に余分なAを持つ
(22mer)。したがって、或る態様において、RNA分子は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を含む活性鎖を持つ。さらなる態様において、RNA分子は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を含む活性鎖を持つが、しかし1) 5'末端に、A、C、GおよびUからなる群より選択される付加的なヌクレオチドが存在し、かつ/または2) 3'末端に、A、C、G、Uからなる群より選択される付加的なヌクレオチドが存在するので、長さが21または22ヌクレオチドである。したがって、SEQ ID NO:2の配列を持つ活性鎖を有するRNA分子が、前文で論じられている態様において特に企図される。いくつかの態様において、活性鎖は、1つまたは複数の内部位置に修飾ヌクレオチドを持つ。
慣例により、特別の定めのない限り、本明細書において論じられる配列は、5'から3'の方向に記載される。さらに、SEQ ID NOの配列を含有する鎖は、特別の定めのない限り、その配列を、5'から3'の方向に持つ。
「内部位置」という用語は、鎖中の最初の位置でも最後の位置でもない位置をいう。「修飾ヌクレオチド」という用語は、非修飾ヌクレオチドと比べて付加部分または置換部分を有するヌクレオチドまたはヌクレオシド(5'位置の核酸塩基をいう場合)を意味する。活性鎖が1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含有する場合、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドが存在すること、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドが存在すること、あるいは最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドが存在することが企図される。いくつかの態様において、活性鎖中のすべてのヌクレオチドよりも少ないヌクレオチドが修飾されること、および活性鎖中のヌクレオチドの半分よりも少ないヌクレオチドが或る態様において修飾されることが特に企図される。さらに、いくつかの態様において、多数の修飾ヌクレオチドを持つ活性鎖は、活性鎖中のすべてのまたは1つおきのヌクレオチドが修飾されないことが特に企図される。本明細書において開示されるmiRNA模倣体は、配列特異的および/または位置特異的である。
いくつかの態様において、活性鎖は、少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含む。さらなる態様において、活性鎖は、どちらかの末端の最初の2つの位置において修飾ヌクレオチドを持たない。さらなる態様において、活性鎖は、5'末端の最初の4つの位置において修飾ヌクレオチドを含まない。
いくつかの態様において、活性鎖は、
の成熟miR-124配列を含んでいてよく、または
のヌクレオチド2〜21位の配列を含んでいてよい。SEQ ID NO:2はSEQ ID NO:1の成熟miR-124配列を、5'末端の付加的なUおよび3'末端の余分なAとともに持つ。これらの態様のどちらかにおいて、活性鎖は同じ配列を含む。さらなる態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2を含むまたはSEQ ID NO:2からなる配列を持つ。いくつかの態様において、活性鎖は、修飾ヌクレオチドの同一性が、言及されているSEQ ID NO:に対するものである、該修飾ヌクレオチドを持ちうる。
の成熟miR-124配列を含んでいてよく、または
のヌクレオチド2〜21位の配列を含んでいてよい。SEQ ID NO:2はSEQ ID NO:1の成熟miR-124配列を、5'末端の付加的なUおよび3'末端の余分なAとともに持つ。これらの態様のどちらかにおいて、活性鎖は同じ配列を含む。さらなる態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2を含むまたはSEQ ID NO:2からなる配列を持つ。いくつかの態様において、活性鎖は、修飾ヌクレオチドの同一性が、言及されているSEQ ID NO:に対するものである、該修飾ヌクレオチドを持ちうる。
特定の態様において、活性鎖中の修飾ヌクレオチドは、SEQ ID NO:2に対する位置5 (G)、6 (G)、7 (C)、8 (A)、11 (C)、12 (G)、17 (A)、18 (U)、19 (G)、および/または20 (C)に位置するヌクレオチドである。これは、それらのヌクレオチドが、列挙されているSEQ ID NO中の列挙されている位置にあるヌクレオチドに対応したヌクレオチドであることを意味する。さらに、列挙されているこれらのヌクレオチドは、SEQ ID NO:1中の、それぞれ、位置4 (G)、5 (G)、6 (C)、7 (A)、10 (C)、11 (G)、16 (A)、17 (U)、18 (G)、および/または19 (C)に位置する。他の態様において、活性鎖は、活性鎖中の位置4、5、6、7、8、10、11、12、16、17、18、19、および/または20に位置する修飾ヌクレオチドを持つ。
SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を含み、かつSEQ ID NO:2に対する位置5に修飾ヌクレオチドを持つ活性鎖は、SEQ ID NO:2の2〜21の配列中の最初のGが修飾されていることを意味する。言い換えれば、特別の定めのない限り、SEQ ID NOとの関連での修飾ヌクレオチドは、ヌクレオチド特異的である。SEQ ID NO:2を含む22塩基の活性鎖(長さが22残基)の場合、SEQ ID NO:2に対する修飾ヌクレオチドの位置は、22塩基の活性鎖がSEQ ID NO:2と同じ配列を持つので、22塩基の活性鎖において列挙された位置と同じになる。こういうわけで、活性鎖中の修飾ヌクレオチドは、SEQ ID NO:2における位置5 (G)、6 (G)、7 (C)、8 (A)、11 (C)、12 (G)、17 (A)、18 (U)、19 (G)、および/または20 (C)に位置するヌクレオチドである。
したがって、或る態様において、RNA分子は、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を持つ活性鎖を持つ。いくつかの態様において、活性鎖は、1つまたは複数の内部位置に修飾ヌクレオチドを持つ。さらなる態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2に対する位置5 (G)、6 (G)、7 (C)、8 (A)、11 (C)、12 (G)、17 (A)、18 (U)、19 (G)、および/または20 (C)に位置する少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含む。さらなる態様において、SEQ ID NO:2に対する位置5 (G)、6 (G)、7 (C)、8 (A)、11 (C)、12 (G)、17 (A)、18 (U)、19 (G)、および/または20 (C)に位置する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10個の修飾ヌクレオチド(またはその中で導き出せる任意の範囲)が存在する。
特定のヌクレオチド塩基が(「A」、「C」、「G」または「U」と)指定され、かつ(SEQ ID NO:2のような)配列中の位置に「対する」と記述される場合、これは、指定されたその特定のヌクレオチドの修飾が、たとえその位置が(参照配列に対する欠失または挿入のために)1つまたは2つの位置(±1または±2の位置)だけ変化していても、その鎖の中で考えることを意味する。他の態様において、修飾ヌクレオチドは鎖中の位置に対して記述されるものであり、特定のSEQ ID NO:2に対するものとして記述されるものではない; その場合、位置は、鎖中の位置をいい、ここで鎖の5'末端は位置1から始まり、3'末端のヌクレオチド位置に達するまで2、3、4などを通じて続く。
或る態様において、活性鎖は、最大で6つの修飾ヌクレオチドを含む。
他の態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2に対する位置1 (U)、2 (U)、3 (A)、4 (A)、9 (C)、10 (G)、11 (C)、12 (G)、13 (G)、14 (U)、15 (G)、16 (A)、21 (C)、および/または22 (A)の1つまたは複数に修飾ヌクレオチドを持つ。他の態様において、活性鎖は、活性鎖中の位置1、2、3、4、8、9、10、12、13、14、15、16、20、21、および/または22に修飾ヌクレオチドを持つ。これらは、本明細書において論じられる他の位置における修飾の代わりまたは該修飾に加えてであってもよい。
いくつかの態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)に修飾ヌクレオチドを含む。さらなる態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2に対する位置17 (A)および18 (U)に修飾ヌクレオチドまたはSEQ ID NO:2に対する位置9 (C)、10 (G)、11 (C)および12 (G)に修飾ヌクレオチドをさらに含む。他の態様において、活性鎖は、活性鎖中の位置8、9、10、12、16、17、および/または18に修飾ヌクレオチドを持つ。これらは、本明細書において論じられる他の位置における修飾の代わりまたは該修飾に加えてであってもよい。
いくつかの態様において、二本鎖であるRNA分子は、成熟miRNAの配列の全部または一部を含む活性鎖と、該活性鎖と完全にまたは部分的に相補的なパッセンジャー鎖との両方を含有する。いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は活性鎖と、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲、相補的であるか、少なくとも80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲、相補的であるか、あるいは多くても80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲、相補的である。或る態様において、活性鎖およびパッセンジャー鎖は互いに完全に相補的である。
1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含有するパッセンジャー鎖の場合、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドが存在すること、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドが存在すること、あるいは最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドが存在することが企図される。いくつかの態様において、パッセンジャー鎖中のすべてのヌクレオチドよりも少ないヌクレオチドが修飾されること、およびパッセンジャー鎖中のヌクレオチドの半分よりも少ないヌクレオチドが或る態様において修飾されることが特に企図される。さらに、いくつかの態様において、多数の修飾ヌクレオチドを持つパッセンジャー鎖は、パッセンジャー鎖中の1つおきのヌクレオチドが修飾されないことが特に企図される。
そのような態様において、パッセンジャー鎖は5'末端にヌクレオチド修飾を含み、これは5'末端修飾といわれうる。そのような末端修飾は、5'末端のヌクレオチド(またはリン酸基を欠くならヌクレオシド)に対するものでありうる。この末端修飾はいくつかの態様において、糖分子の修飾ではない修飾であることが特に企図される。この修飾は、下記のうちの1つでありうることが特に企図される: NH2、ビオチン、アミン基、低級アルキルアミン基、NHCOCH3、アセチル基、2'O-Me、DMTO、フルオレセイン、チオール、アクリジン、スペーサー18 (PEG)アミダイト(DMT-ヘキサ(エチレングリコール))、またはこの種の官能性を有する任意の他の基。特定の態様において、パッセンジャー鎖の5'末端修飾はC6アミンリンカーである。さらなる態様において、パッセンジャー鎖の5'末端のヌクレオチドは、非糖修飾および糖修飾の両方を持ちうる。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は、パッセンジャー鎖の5'末端から見て最初の6つのヌクレオチドおよび/または最後の6つのヌクレオチドにおいて少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含有する。他の態様において、パッセンジャー鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個もしくはそれ以上の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドを持つか、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個もしくはそれ以上の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドを持つか、あるいは多くても1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個もしくはそれ以上の修飾ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲の修飾ヌクレオチドを持つ。
或る態様において、パッセンジャー鎖は、
に対する位置1 (U)、2 (G)、3 (G)、4 (C)、5 (A)、6 (U)、13 (C)、14 (G)、15 (U)、16 (G)、17 (C)、18 (C)、19 (U)、20 (U)、21 (A)、および/または22 (A)に位置する修飾ヌクレオチドを含む。SEQ ID NO:4は、SEQ ID NO:2と完全に相補的である配列を含有する。SEQ ID NO:4は、miRBase 16.0データベース中のヒトmiR-124配列の相補体(Griffths-Jones et al., 2006) (成熟miR-124配列はSEQ ID NO:1であり、およびその相補体はSEQ ID NO:3である)と比べて5'末端に余分なUおよび3'末端に余分なAを持つ。いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:3からなる、またはSEQ ID NO:3を含むが、しかしSEQ ID NO:4からならない、またはSEQ ID NO:4を含まない。SEQ ID NO:4 (上記)に対する修飾ヌクレオチドは、
における位置1 (G)、2 (G)、3 (C)、4 (A)、5 (U)、12 (C)、13 (G)、14 (U)、15 (G)、16 (C)、17 (C)、18 (U)、19 (U)、および/または20 (A)の修飾ヌクレオチドに対応する。
に対する位置1 (U)、2 (G)、3 (G)、4 (C)、5 (A)、6 (U)、13 (C)、14 (G)、15 (U)、16 (G)、17 (C)、18 (C)、19 (U)、20 (U)、21 (A)、および/または22 (A)に位置する修飾ヌクレオチドを含む。SEQ ID NO:4は、SEQ ID NO:2と完全に相補的である配列を含有する。SEQ ID NO:4は、miRBase 16.0データベース中のヒトmiR-124配列の相補体(Griffths-Jones et al., 2006) (成熟miR-124配列はSEQ ID NO:1であり、およびその相補体はSEQ ID NO:3である)と比べて5'末端に余分なUおよび3'末端に余分なAを持つ。いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:3からなる、またはSEQ ID NO:3を含むが、しかしSEQ ID NO:4からならない、またはSEQ ID NO:4を含まない。SEQ ID NO:4 (上記)に対する修飾ヌクレオチドは、
における位置1 (G)、2 (G)、3 (C)、4 (A)、5 (U)、12 (C)、13 (G)、14 (U)、15 (G)、16 (C)、17 (C)、18 (U)、19 (U)、および/または20 (A)の修飾ヌクレオチドに対応する。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4に対する位置1 (U)および22 (A)に修飾ヌクレオチドを含む。さらなる態様において、パッセンジャー鎖はSEQ ID NO:4に対する位置2 (G)および21 (A)に修飾ヌクレオチドを含み、これは位置1 (U)および22 (A)の修飾に加えてまたは代わりであってもよい。或る態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4に対する位置1 (U)、2 (G)、3 (G)、20 (U)、21 (A)、および22 (A)に修飾ヌクレオチドを含む。パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4に対する位置4 (C)に修飾ヌクレオチドを含みうる、またはさらに含みうることがさらに企図される。他の態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4に対する位置i) 1 (U)および22 (A)ならびに/またはii) 4 (C)の修飾ヌクレオチドに加えて、SEQ ID NO:4に対する位置5 (A)および6 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含む。
或る態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4に対する位置7 (U)、8 (C)、9 (A)、10 (C)、11 (C)、または12 (G)に位置する修飾ヌクレオチドを持たないが、他の態様において、SEQ ID NO:4に対する1つまたは複数の位置が企図される。
特定の活性鎖および特定のパッセンジャー鎖の組み合わせが企図される。本明細書において記述される任意の活性鎖を、本明細書において記述される任意のパッセンジャー鎖と組み合わせて二本鎖RNA分子を形成できることが企図される。いくつかの態様において、SEQ ID NO:4に対する位置2 (G)および21 (A)に修飾ヌクレオチドを含むパッセンジャー鎖、ならびにSEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)に修飾ヌクレオチドを含む活性鎖が提供される。さらなる態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4中の位置1 (U)および22 (A)に修飾ヌクレオチドをさらに含み、これはSEQ ID NO:4に対する位置3(G)および20 (U)の修飾の代わりまたは該修飾に加えてであってもよい。さらなる態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2に対する位置17 (A)および18 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含んでもよい。
いくつかの態様において、1) SEQ ID NO:2の配列を有し、かつSEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)における、任意で位置9 (C)、10 (G)、11 (C)、および12 (G)およびまたは位置17 (A)および18 (U)においても、修飾ヌクレオチドを有する、活性鎖と; 2) SEQ ID NO:4に対する5'末端の修飾ならびに最初のおよび最後の3つのヌクレオチドにおけるヌクレオチド修飾、任意で位置4 (C)、5 (A)、および/または6 (U)においてもヌクレオチド修飾を有する、パッセンジャー鎖とを有する、二本鎖で平滑末端のRNA分子が提供される。或る態様において、活性鎖およびパッセンジャー鎖のこの組み合わせは、パッセンジャー鎖の5'末端修飾を持ち、ここで末端修飾はC6アミンリンカーのようなアルキルアミンであり、かつヌクレオチド修飾は2'位の糖におけるものである。特定の態様において、糖修飾は2'OMeである。
いくつかの態様において、a) i) SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列とii) 1つまたは複数の内部位置における修飾ヌクレオチドとを含み、その5'末端に修飾ヌクレオチドを持たず、かつ最大で10個の修飾ヌクレオチドが存在する、活性鎖; ならびにb) 該活性鎖と完全に相補的であり、かつ5'末端のヌクレオチド修飾と、少なくとも1つのさらなる修飾ヌクレオチドとを含み、SEQ ID NO:2に対する位置7〜19に位置するヌクレオチドが修飾されていない、別個のパッセンジャー鎖を含む、長さが20〜22塩基対の二本鎖で平滑末端のRNA分子が提供される。特定の態様において、活性鎖はSEQ ID NO:2の配列を含む。
さらなる態様において、SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を持つ活性鎖と、5'末端に修飾ヌクレオチドを有する別個でかつ完全に相補的なパッセンジャー鎖とを含み、両端が平滑末端である、長さが20〜22塩基対の二本鎖RNA分子であって、該活性鎖は、少なくとも1つの修飾された内部ヌクレオチドを含み、かつ該二本鎖RNA分子は、ヌクレアーゼの存在下で、内部ヌクレオチドのいかなる修飾も欠く二本鎖で平滑末端のRNA分子と比べてより安定である、該二本鎖RNA分子が提供される。
いくつかの態様において、RNA分子は、糖修飾で修飾されているヌクレオチドを持つ。特定の態様において、糖修飾は2'-OMeである。
特定の態様は、miRNA模倣体として作用できる1種または複数種の異なるRNA分子を含有する薬学的組成物を含む; その差異は配列および/または修飾のタイプもしくは位置に関しうる。或る態様において、RNA分子は脂質製剤中に含まれる。他の態様において、RNA分子はリポソーム、重合体に基づくナノ粒子、コレステロール結合体、シクロデキストラン複合体、ポリエチレンイミン重合体および/またはタンパク質複合体で製剤化されうる。
miR-124活性を細胞に提供するための方法も態様に記載されている。いくつかの態様において、miR-124活性を持つRNA分子の有効量を細胞に投与する段階を含む、miR-124活性を細胞に提供するための方法が提供される。いくつかの態様において、細胞はがん細胞である。そのようなRNA分子は本開示の全体にわたって論じられている。
他の方法は、本明細書において論じられる二本鎖RNA分子などのmiR-124 RNA分子の有効量を細胞に投与する段階を含む、細胞増殖を低下させるための方法を含む。さらなる態様は、RNA分子の有効量を細胞に投与する段階を含む、細胞においてアポトーシスを誘導するための方法を含む。他の態様は、miRNA機能を持つRNA分子の1つまたは複数を含む薬学的組成物を患者に投与する段階を含む、患者においてがんを処置するための方法に関する。さらなる態様は、本明細書において論じられる1種または複数種のmiR-124模倣体の有効量を投与することにより細胞周期の進行を阻害する方法に関する。いくつかの態様において、方法は、さらなるがん治療を患者に施す段階をさらに含む。いくつかの態様において、患者は、がんの検査を受けている、および/またはがんと診断されている。
他の態様は、がん細胞を処置するためのRNA分子の使用、または細胞増殖の低下、アポトーシスの誘導、もしくは細胞へのmiR-124機能の提供におけるRNA分子の使用に関する。ヒト細胞およびヒト患者での使用が特に企図される。
用いる組成物および方法は、本明細書の全体を通じて開示される分子または段階のいずれか「を含む」、「から本質的になる」または「からなる」ことができる。「から本質的になる」という移行句に関して、および1つの非限定的な局面において、本明細書において開示される組成物および方法の基本かつ新規の特徴は、miRNA模倣体活性を含む。
特許請求の範囲および/または本明細書において「を含む」という用語とともに用いられる場合の「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は、「1つの(one)」を意味しうるが、しかし「1つまたは複数の」、「少なくとも1つの」および「1つまたは2つ以上の」という意味とも一致する。
本明細書において論じられる任意の態様は、本発明の任意の方法または組成物に関して実施されてもよく、逆の場合も同じであることが企図される。さらに、本発明の組成物およびキットを用いて、本発明の方法を達成することができる。
本出願の全体を通じて、「約」という用語は、ある値には、その値を決定するために利用されている装置または方法に対する誤差の標準偏差が含まれることを示すように用いられる。
特許請求の範囲での「または」という用語の使用は、唯一の選択肢をいうように、または選択肢が相互に排他的であると明示的に示されない限り、「および/または」を意味するように用いられるが、本開示は、唯一の選択肢ならびに「および/または」をいう定義を支持する。「または」という用語を用いて記載されるどんなものも、特に除外されうることも企図される。
本発明の他の目的、特性および利点は、下記の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の特定の態様を示すが、例証としてのみ与えられると理解されるべきである。というのは、本発明の趣旨および範囲内でのさまざまな変更および修正が、この詳細な説明から当業者には明らかになるからである。
発明の詳細な説明
態様は、miRNAに関連する組成物および方法、ならびにmiRNA模倣体の使用を対象にする。方法には、そのような模倣体を調製する段階およびそのような模倣体を用いて、miRNA活性または機能を細胞に提供する段階が含まれる。或る態様において、miRNA模倣体は、治療的、予後予測的、および診断的用途のために用いられ、特に、miRNA活性または機能が関わる病態または疾患のための治療的用途に関連する方法および組成物のために用いられる。
態様は、miRNAに関連する組成物および方法、ならびにmiRNA模倣体の使用を対象にする。方法には、そのような模倣体を調製する段階およびそのような模倣体を用いて、miRNA活性または機能を細胞に提供する段階が含まれる。或る態様において、miRNA模倣体は、治療的、予後予測的、および診断的用途のために用いられ、特に、miRNA活性または機能が関わる病態または疾患のための治療的用途に関連する方法および組成物のために用いられる。
I. 核酸
核酸は、成熟マイクロRNA (「miRNA」または「miR」)分子と同一配列または相補配列である、配列または配列のセグメントを含む。成熟miRNA分子は一般に、長さが21〜22ヌクレオチドであるが、16ヌクレオチドおよび最長27ヌクレオチドの長さのものが報告されている。miRNAはそれぞれ、より長い前駆体RNA分子(「前駆体miRNA」)からプロセッシングされる。前駆体miRNAは、非タンパク質コード遺伝子から転写される。前駆体miRNAは、動物ではDicerと呼ばれるリボヌクレアーゼIII様ヌクレアーゼ酵素によって切断されるステム-ループ様または折り畳み様の構造の形成を可能とする2つの相補性領域を持つ。プロセッシングされたmiRNAは典型的には、ステムの一部である。
核酸は、成熟マイクロRNA (「miRNA」または「miR」)分子と同一配列または相補配列である、配列または配列のセグメントを含む。成熟miRNA分子は一般に、長さが21〜22ヌクレオチドであるが、16ヌクレオチドおよび最長27ヌクレオチドの長さのものが報告されている。miRNAはそれぞれ、より長い前駆体RNA分子(「前駆体miRNA」)からプロセッシングされる。前駆体miRNAは、非タンパク質コード遺伝子から転写される。前駆体miRNAは、動物ではDicerと呼ばれるリボヌクレアーゼIII様ヌクレアーゼ酵素によって切断されるステム-ループ様または折り畳み様の構造の形成を可能とする2つの相補性領域を持つ。プロセッシングされたmiRNAは典型的には、ステムの一部である。
プロセッシングされたmiRNA (「成熟miRNA」ともいわれる)は、特定の標的遺伝子を下方制御する大きな複合体の一部となる。動物のmiRNAの例としては、標的と不完全に塩基対合し、翻訳を停止させるものが挙げられる(Olsen et al., 1999; Seggerson et al., 2002)。siRNA分子もDicerによってプロセッシングされるが、しかし長い二本鎖RNA分子を形成する。siRNAは天然では動物細胞中に認められないが、しかしRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)を通じてmRNA標的の配列特異的な切断を指令することができる(Denli et al., 2003)。
A. miR-124
hsa-miR-124は、がん治療のならびに他の疾患および障害の治療の介入ポイントとなる多数の細胞活性の調節に関わることが以前に実証された(2005年5月31日付で出願された米国特許出願第11/141,707号および2005年11月14日付で出願された米国特許出願第11/273,640号、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。例えば、ヒトがんでは細胞増殖、細胞***、および細胞生存が往々にして変化している。合成hsa-miR-124をヒト肺がん細胞(A549)およびヒト子宮頸がん細胞(HeLa)にトランスフェクションすることによって、生存細胞数が低減された。さらに、本発明者らは、miR-124が、A549またはHeLa細胞において細胞死を誘導する2種の治療用化合物(がん細胞におけるアポトーシス経路活性化因子であるTRAIL、ならびにがん細胞および正常細胞においてアポトーシス経路を活性化するトポイソメラーゼII阻害剤であるエトポシド)の能力を顕著に増大させることを示した。さまざまな細胞株における合成miR-124の過剰発現によって、細胞増殖が低下した。それらの研究において、本発明者らは、ヒト乳がん細胞(BT549)、正常ヒト***上皮細胞(MCF12A)、ヒト子宮頸がん細胞(HeLa)、ヒト前立腺がん細胞(22RV1)、ヒト基底細胞がん細胞(TE 354.T)、正常ヒト皮膚細胞(TE 353.5 k)、およびヒト肺がん細胞(A549、CRL-5826、HTB-57)の増殖の低減を認めた。HeLa細胞におけるmiR-124の過剰発現により、陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞と比べた場合に細胞周期のG2/M期の細胞数が顕著に低減した。本発明者らは、hsa-miR-124が、有糸***刺激またはアポトーシス刺激に応答して細胞内シグナル伝達で機能する多くの遺伝子の発現を調節することを以前に実証した(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号、これは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。また、他者らは、がん細胞におけるmiR-124の後成的サイレンシングにより、がん遺伝子CDK6および腫瘍抑制遺伝子Rbの活性が調節されることを最近になって認めた(Lujambio et al., 2007)。
hsa-miR-124は、がん治療のならびに他の疾患および障害の治療の介入ポイントとなる多数の細胞活性の調節に関わることが以前に実証された(2005年5月31日付で出願された米国特許出願第11/141,707号および2005年11月14日付で出願された米国特許出願第11/273,640号、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。例えば、ヒトがんでは細胞増殖、細胞***、および細胞生存が往々にして変化している。合成hsa-miR-124をヒト肺がん細胞(A549)およびヒト子宮頸がん細胞(HeLa)にトランスフェクションすることによって、生存細胞数が低減された。さらに、本発明者らは、miR-124が、A549またはHeLa細胞において細胞死を誘導する2種の治療用化合物(がん細胞におけるアポトーシス経路活性化因子であるTRAIL、ならびにがん細胞および正常細胞においてアポトーシス経路を活性化するトポイソメラーゼII阻害剤であるエトポシド)の能力を顕著に増大させることを示した。さまざまな細胞株における合成miR-124の過剰発現によって、細胞増殖が低下した。それらの研究において、本発明者らは、ヒト乳がん細胞(BT549)、正常ヒト***上皮細胞(MCF12A)、ヒト子宮頸がん細胞(HeLa)、ヒト前立腺がん細胞(22RV1)、ヒト基底細胞がん細胞(TE 354.T)、正常ヒト皮膚細胞(TE 353.5 k)、およびヒト肺がん細胞(A549、CRL-5826、HTB-57)の増殖の低減を認めた。HeLa細胞におけるmiR-124の過剰発現により、陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞と比べた場合に細胞周期のG2/M期の細胞数が顕著に低減した。本発明者らは、hsa-miR-124が、有糸***刺激またはアポトーシス刺激に応答して細胞内シグナル伝達で機能する多くの遺伝子の発現を調節することを以前に実証した(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号、これは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。また、他者らは、がん細胞におけるmiR-124の後成的サイレンシングにより、がん遺伝子CDK6および腫瘍抑制遺伝子Rbの活性が調節されることを最近になって認めた(Lujambio et al., 2007)。
Hsa-miR-124は、細胞内シグナル伝達にさまざまなレベルで影響を及ぼし、分泌タンパク質、膜貫通成長因子受容体、および細胞質シグナル伝達分子の発現を制御する。分泌タンパク質は、線維芽細胞成長因子2 (FGF2)、インスリン成長因子結合タンパク質1および3 (IGFBP1、IGFBP3)、形質転換成長因子β-2 (TGFB2)、ならびに炎症性ケモカインのインターロイキン8を含む(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。FGF-2は、強力な***促進活性および血管形成活性を有する分泌タンパク質であり、そのシグナルを細胞に、2〜3つの細胞外免疫グロブリン様ドメインおよび細胞内チロシンキナーゼドメインから構成される膜貫通受容体(FGFR)を介して伝達する(Chandler et al., 1999)。FGF-2のmRNAレベルは腎臓がん細胞、口腔がん細胞および非小細胞肺がん細胞において増大される(Chandler et al., 1999)。同様に、IL-8は、さまざまながんにおいて高い頻度で上方制御され、腫瘍の血管新生、転移および不良な予後と相関する(Rosenkilde and Schwartz, 2004; Sparmann and Bar-Sagi, 2004)。TGFB2は、腫瘍抑制因子として機能しうる受容体群であるTGF-β受容体(TGFBR)に対応するリガンドである(Massague et al., 2000)。
hsa-miR-124によって調節される膜結合タンパク質は、血小板由来成長因子受容体様(PDGFRL; PDGF受容体β様腫瘍抑制因子PRLTSともいわれる)およびRas会合ドメインファミリータンパク質2 (RASSF2)である(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。RASSF2は、肺腫瘍細胞株において高頻度に下方制御される腫瘍抑制因子の候補である(Vos et al., 2003)。RASSF2は、K-Rasと相互作用し、細胞周期停止およびアポトーシスを促進する。PDGFRLはまた、ヘテロ接合性の喪失(LOH)またはミスセンスおよびフレームシフト突然変異により広範ながんにおいて機能喪失を示す腫瘍抑制因子として機能する(Fujiwara et al, 1995; Komiya et al., 1997)。hsa-miR-124によるがん細胞の処理は、FGF2、IL8およびIGFBPの発現レベルの低減をもたらし、かつTGFB2、RASSF2およびPDGFRLの発現レベルの増大をもたらすので、hsa-miR-124は、これらの成長刺激または阻害タンパク質の異常な発現または機能を示すがん患者において治療反応を誘導する可能性が高い(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。
hsa-miR-124によって調節される細胞内シグナル伝達分子は、IκBキナーゼα(IKα、CHUK)、c-Src (SRC)、クラスIAホスホイノシチド3-キナーゼp110αの触媒サブユニット(PIK3CA)およびホスホリパーゼC β-1 (PLCB1)を含む。PLC β-1はホスファチジルイノシトール-ビス-リン酸(PIP2)からのイノシトール-1,4,5-三リン酸(IP3)およびジアシルグリセロール(DAG)の生成を触媒し、増殖シグナルおよび細胞周期のチェックポイントを調節する(Lo Vasco et al., 2004)。(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。IKKαは、細胞内シグナル伝達カスケードの正の調節因子であり、転写因子の核因子κB (NFκB)を活性化するように機能する(Karin et al., 2002)。NFκBは、いくつかのがん型において構成的に活性化され、抗アポトーシス経路および生存経路を促進する。原がんタンパク質c-Srcは、ラウス肉腫ウイルス(RSV)の腫瘍形成性の構成成分として単離された鳥類v-Srcのヒト相同体である(Rous, 1911; Stehelin et al., 1976; Yeatman, 2004)。c-Srcは、細胞内シグナル伝達に応答して、または間接的には、EGFR、ERBB2、PDGFRおよびFGFRを含む、活性化受容体チロシンキナーゼへの結合による細胞外刺激に応答して活性化される膜結合チロシンキナーゼである。Srcは、相互作用タンパク質の複雑なネットワークにおける極めて重要な分子であり、細胞の接着、運動性、浸潤および増殖を調節する。c-Srcは、多数のがん型において高頻度に過剰発現され、または過剰活性化される(Yeatman, 2004)。PIK3CAの遺伝子産物は、最も上流の受容体チロシンキナーゼに応答してAktシグナル伝達経路を活性化する(Vanhaesebroeck et al., 1997)。PIK3CAは、卵巣がんおよび子宮頸がんにおけるような、増幅もしくは過剰発現により、または活性化体細胞変異により、ヒトがんの大多数において機能の獲得を高い頻度で確保している(Bader and Vogt, 2004; Bader et al., 2005)。PIK3CAは、製薬業界において新規の薬物標的となっており、予想されるhsa-miR-124標的でもある。本発明者らの以前のデータ(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号、これは参照により本明細書に組み入れられる)に基づけば、hsa-miR-124は、これらのタンパク質を負に調節し、それゆえ、腫瘍抑制因子miRNAとして機能する可能性が高い。
hsa-miR-124によって調節される別のクラスの遺伝子および対応するそのタンパク質は、細胞周期の進行において機能する(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。これらのタンパク質のいくつかは、サイクリンA2およびE2 (CCNA2、CCNE2)、サイクリン依存性キナーゼ2、4および6 (CDK2、CDK4、CDK6)ならびに細胞***周期6 (CDC6)のような、G1期およびS期を通じた移行において極めて重要である。他のものは、G2/M紡錘体チェックポイントを通じた進行、および有糸***中に染色体安定性を維持するための姉妹染色分体の適切な分離に必要とされる。これらは、オーロラキナーゼAおよびB (AURKA、別名STK6; AURKB、別名STK12)、乳がん1および2 (BRCA1; BRCA2)、ベンズイミダゾール1によって阻害されない出芽(BUB1)、ベンズイミダゾール1βによって阻害されない出芽(BUB1B)、polo様キナーゼ1 (PLK1)、サイクリン依存性キナーゼ1 (CDK1、別名CDC2)、サイクリンB1およびB2 (CCNB1、CCNB2)、ならびに細胞***周期20および23 (CDC20、CDC23、別名、後期促進複合体サブユニット8)を含む。これらの転写産物の大部分は、hsa-miR-124が細胞周期の進行をブロックすることを示唆するような形で調節される。
細胞周期の進行を間接的に制御するhsa-miR-124によって調節される他の分子は、SKP2、MDM2およびAKAP12である(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。グラビンまたはSSeCKS (Src抑制Cキナーゼ基質)ともいわれるAKAP12は、酵素-基質間の相互作用をつなぎ止めるキナーゼ足場タンパク質として機能する(Nauert et al., 1997)。AKAP12の発現は、インビトロにおいてSrcまたはJunがんタンパク質により誘導される発がん性細胞形質転換を妨げるが、白血病ならびに直腸、肺および胃のがんのような多数のがんでは失われているまたは低減されている(Lin and Gelman, 1997; Cohen et al., 2001; Xia et al., 2001; Wikman et al., 2002; Boultwood et al., 2004; Choi et al., 2004; Mori et al., 2006)。前立腺がんおよび胃がんにおけるAKAP12の明白な抗発がん活性が、このタンパク質を推定上の腫瘍抑制因子と特徴付けている(Xia et al., 2001; Choi et al., 2004)。Skp2は、プロテアソーム分解に向けてタンパク質に目印を付ける多サブユニットE3ユビキチンリガーゼ複合体の構成成分である。十分に特徴付けられている標的は、Skp2の細胞周期促進活性の理由を説明するCDK阻害因子p27である(Carrano et al., 1999)。Skp2は、本質的に発がん性であり、さまざまながん型においてレベルの上昇を示す(Gstaiger et al., 2001; Kamata et al., 2005; Saigusa et al., 2005; Einama et al., 2006)。
Hsa-miR-124はまた、FAS、Bim (BCL2L11)およびMCL1の発現を支配するが、それらは全て、アポトーシス経路に機能的に関連している(2008年12月1日付で出願された米国特許出願第12/325,971号)。
miR-124は、細胞への提供時に下記の活性を持つことが示されている; 細胞生存を低減する活性、細胞増殖を阻害する活性、細胞増殖を低下させる活性、および細胞周期の進行を阻害する活性。これらの活性はがん細胞などの病変細胞において示されている。
B. オリゴマー化合物
態様は、RNA分子の活性を模倣できる分子を含んだ、miRNA模倣体に関する。RNA分子は、塩基-糖の組み合わせであるヌクレオシドを含有する。ヌクレオシドの塩基部分は、典型的には、複素環塩基部分である。そのような複素環塩基のうちで最も一般的な2つのクラスが、プリンおよびピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合的に連結されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドの場合、リン酸基は糖の2'、3'または5'ヒドロキシル部分に連結されうる。RNA鎖はヌクレオチド(リボヌクレオチド)から構成されること、および5'末端はヌクレオチドまたはヌクレオシドでありうることが企図される。言い換えれば、ヌクレオシドの糖部分に連結されたリン酸基が存在しうる、またはリン酸基の代わりにヒドロキシル基だけが存在しうる。本明細書において論じられる場合、いくつかの態様において、化学部分または化学基が、ヒドロキシル基もしくはリン酸基であるものまたは元はヒドロキシル基もしくはリン酸基であったものを通じて糖に付着している、末端ヌクレオシドまたはヌクレオチドの修飾が存在する。
態様は、RNA分子の活性を模倣できる分子を含んだ、miRNA模倣体に関する。RNA分子は、塩基-糖の組み合わせであるヌクレオシドを含有する。ヌクレオシドの塩基部分は、典型的には、複素環塩基部分である。そのような複素環塩基のうちで最も一般的な2つのクラスが、プリンおよびピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合的に連結されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドの場合、リン酸基は糖の2'、3'または5'ヒドロキシル部分に連結されうる。RNA鎖はヌクレオチド(リボヌクレオチド)から構成されること、および5'末端はヌクレオチドまたはヌクレオシドでありうることが企図される。言い換えれば、ヌクレオシドの糖部分に連結されたリン酸基が存在しうる、またはリン酸基の代わりにヒドロキシル基だけが存在しうる。本明細書において論じられる場合、いくつかの態様において、化学部分または化学基が、ヒドロキシル基もしくはリン酸基であるものまたは元はヒドロキシル基もしくはリン酸基であったものを通じて糖に付着している、末端ヌクレオシドまたはヌクレオチドの修飾が存在する。
オリゴヌクレオチドを形成させる際に、リン酸基は隣接ヌクレオシドを互いに共有結合的に連結して、直鎖状の重合体化合物を形成させる。この直鎖状の重合体構造の各末端を、ハイブリダイゼーションによりまたは共有結合の形成により環状構造を形成させるようにつなぎ合わせることができる。さらに、直鎖状化合物は、内部の核酸塩基相補性を持つことができ、それゆえ、完全にまたは部分的に二本鎖構造を生ずるような形で折り重なりうる。オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成させると一般的にいわれる。RNAおよびDNAの通常のヌクレオシド間結合は、3'-5'ホスホジエステル結合である。
いくつかの態様において、17〜130残基の長さを持つRNA、RNA分子、またはRNA類似体が提供される。態様は、長さが、下記の中で導き出せる任意の整数または任意の範囲を含めて、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40またはそれ以上の残基であるか、少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40またはそれ以上の残基であるか、あるいは多くても15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40またはそれ以上の残基である合成miRNA分子に関する。二本鎖RNA分子における各鎖またはRNA分子が、上記のそのような長さであってよい。いくつかの態様において、RNA分子は一方または両方の末端に平滑末端を持つ。或る態様において、RNA分子は、活性鎖の5'末端を持つ側に平滑末端を持つ。他の態様において、RNA分子は、パッセンジャー鎖の5'末端を持つ側に平滑末端を持つ。
本明細書において記述されるRNA分子は、1本または2本の鎖を持ちうる。2本の鎖を有する分子では、2本の鎖は互いにハイブリダイズしうるが、しかしそれらはヌクレオシド間結合によって互いに結合されることはない。
或る態様において、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2を含むまたはSEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2からなる(または列挙されたSEQ ID NOの1つと少なくとも90%の同一性を持つ配列からなる)そのようなRNA分子は、活性鎖中の位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、および/または21に位置する修飾ヌクレオチドまたはヌクレオシドを持つ(位置1は5'末端である)。さらなる態様において、修飾ヌクレオチドまたはヌクレオシドは、SEQ ID NO:3もしくはSEQ ID NO:4を含むまたはSEQ ID NO:3もしくはSEQ ID NO:4からなる(または列挙されたSEQ ID NOの1つと少なくとも90%の同一性を持つ配列からなる)パッセンジャー鎖中の位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、および/または21に位置する(位置1は5'末端である)。修飾ヌクレオチドの指定は、ヌクレオチド特異的とは対照的に、位置特異的である。したがって、ヌクレオチド特異的修飾が論じられる態様、例えば、「SEQ ID NO:4に対する位置2 (G)および21 (A)に修飾ヌクレオチドを含むパッセンジャー鎖」は、位置に対する他の態様において実施されうる; その結果、さらなる態様において、RNA分子は、例えば、位置2および21に修飾ヌクレオチドを含むパッセンジャー鎖を含みうる。
いくつかの態様において、miRNA模倣体またはRNA分子は両側が平滑末端であるわけではない。二本鎖RNA模倣体または分子のパッセンジャー鎖または活性鎖の3'末端または5'末端のどちらかに1、2、3、4、5または6塩基の突出が存在しうることが企図される。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖および活性鎖は、完全に相補的であるわけではない。2本の鎖の間に、相補的ではない1、2、3、4、5、6個またはそれ以上のヌクレオチドが存在しうることが企図される。いくつかの態様において、これらのヌクレオチドはパッセンジャー鎖の5'末端の最初の10個のヌクレオチド内である。
RNA模倣体は、修飾されてもよくまたは修飾されなくてもよい、RNA塩基を持つことが企図される。したがって、RNA模倣体はRNAまたはRNA分子である。さらに、RNAを含む核酸は、2本以上の鎖を持ちうることが理解される。本明細書において論じられる場合、いくつかの態様において、miRNA模倣体またはRNA分子は二本鎖である。特別の定めのない限り、二本鎖RNA分子またはmiRNA模倣体は、互いに分離されうる、かつヘアピンリンカーによって互いに単に結合されているわけではない2本の鎖を持つものと理解されよう。ヘアピン分子は、分子内ハイブリダイゼーション能がある一本鎖を持つ。いくつかの態様において、miRNA模倣体はヘアピン分子である。その他では、miRNA模倣体は二本鎖RNA分子である。
或る態様において、治療用二本鎖核酸は、(a) 5'から3'方向の配列が成熟miRNA配列の全てまたはセグメントと同一である「miRNA領域」を有する第1の活性鎖と、(b) 5'から3'方向の配列がmiRNA配列と60%〜100%相補的である「相補領域」を持つ第2のパッセンジャー鎖とを持つ。或る態様において、これらの合成miRNAも、以下で定義されるように、単離される、または精製される。「miRNA領域」という用語は、天然の成熟miRNA配列の配列全体と、下記の間の全ての整数を含めて、少なくとも75、80、85、90、95、または100%同一である、合成miRNA上の領域をいう。或る態様において、miRNA領域は、ヒトmiRNA配列のような天然に存在するmiRNAの配列と90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%同一であるか、または少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%同一である。あるいは、miRNA領域は、配列アライメントアルゴリズムおよび当技術分野において周知の方法によって比較した場合に、天然に存在するmiRNAと共通する18、19、20、21、22、23、24個またはそれ以上のヌクレオチド位置を含みうる。
「相補領域」という用語は、天然の成熟miRNA配列(miRNA領域はこれと同一である)と60%相補的である、または少なくとも60%相補的である合成miRNAの領域をいう。相補領域は、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲、相補的であるか、あるいは少なくとも60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲、相補的である。単一のポリヌクレオチド配列には、miRNA領域と相補領域との間の化学的結合の結果として、ヘアピンループ構造が存在することがある。他の態様において、相補領域はmiRNA領域とは異なる核酸鎖上に存在する。その場合、相補領域はパッセンジャー鎖上に存在し、miRNA領域は活性鎖上に存在する。
「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマーまたは重合体、典型的には、長さが最大で100塩基または塩基対であるものをいうと当技術分野において理解される。オリゴヌクレオチドは5'末端にヌクレオシドを持ちうると考えられる。この用語は、天然に存在する核酸塩基、糖および共有結合性のヌクレオシド間結合から構成されるオリゴヌクレオチドを含む。「オリゴヌクレオチド類似体」という用語は、オリゴヌクレオチドと同じように機能する1つまたは複数の非天然部分を持つオリゴヌクレオチドをいう。そのような非天然のオリゴヌクレオチドは、例えば、生理学的活性の増大、ヌクレアーゼの存在下での安定性の増大、および/または薬物動態的特性の増大を含むが、これらに限定されない、本明細書において開示されるものなどの、天然のオリゴヌクレオチドと比べて望ましい特性を持ちうる。
「オリゴヌクレオシド」という用語は、リン原子を持たないヌクレオシド間結合を介して化学的に結合されているヌクレオシドをいう。ヌクレオシド間結合は、短鎖アルキル、シクロアルキル、混合ヘテロ原子アルキル、混合ヘテロ原子シクロアルキル、1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子および1つまたは複数の短鎖複素環を含む。これらのヌクレオシド間結合は、シロキサン、スルフィド、スルホキシド、スルホン、アセチル、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、チオホルムアセチル、アルケニル(alkeneyl)、スルファメート; メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホネート、スルホンアミド、アミド、ならびに混合したN、O、SおよびCH2構成成分の部分を持つ他のものを含むが、これらに限定されることはない。上記の修飾に加えて、本発明のオリゴマー化合物のヌクレオシドは、種々の他の修飾を持つことができる。修飾塩基部分およびまたは修飾糖部分を持つ態様に従うさらなるヌクレオシドは、米国特許第6,383,808号およびPCT出願PCT/US89/02323に開示されており、これらの両方が参照により本明細書に組み入れられる。
改変された塩基部分または改変された糖部分はまた、miRNA模倣体の目的と一致する他の修飾を含む。そのようなオリゴマー化合物は、天然または合成非修飾オリゴヌクレオチドとは構造的に区別できると、しかし機能的に交換可能であると最もよく記述されている。そのような全てのオリゴマー化合物は、それらが所望のRNAまたはDNAオリゴヌクレオチド鎖の構造または機能を模倣するように効果的に機能する限り、本発明によって包含される。
いくつかの態様において、RNA模倣体は塩基修飾または置換を含む。RNA中の天然塩基または非修飾塩基は、アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基シトシン(C)およびウラシル(U) (DNAはチミン(T)を持つ)である。対照的に、複素環塩基部分ともいわれる、修飾塩基は、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシンならびにピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ(5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシンを含む)、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンなどの他の合成および天然核酸塩基を含む。
1つまたは複数の塩基修飾または糖修飾を用いて、3'-エンド糖立体配座を誘導してもよい。ヌクレオシドは複素環塩基、糖部分またはその両方の合成修飾を取り入れて、望ましい3'-エンド糖立体配座を誘導することができる。これらの修飾ヌクレオシドを用いて、望ましい3'-エンド立体配座の幾何形状を維持しながらオリゴマー化合物の特定の特性が増強されうるように、RNA様ヌクレオシドを模倣する(米国特許出願第2005/0261218号のスキーム1を参照されたく、これは参照により本明細書に組み入れられる)。
いくつかの態様において、RNA模倣体は、とりわけ成熟miRNAと相補的である配列を持つRNA模倣体の鎖の、特に5'末端残基の修飾を持つ。この鎖は、本明細書において「パッセンジャー」鎖といわれる。理論に束縛されるわけではないが、相補鎖の5'末端にホスフェートまたはヒドロキシル以外の安定な部分が存在することで、miRNA経路複合体によるパッセンジャー鎖の取り込みが損なわれる、または消失し、その後の、miRNAタンパク質複合体による活性鎖の取り込みに有利に働くものと思われる。5'修飾は、NH2、ビオチン、アミン基、低級アルキルアミン基、低級アルキル基、NHCOCH3、アセチル基、2'酸素-メチル(2'O-Me)、DMTO、フルオレセイン、チオールもしくはアクリジン、またはこの種の官能性を有する任意の他の基を含むが、これらに限定されることはない。他の態様において、スペーサー18 (PEG)アミダイト(DMT-ヘキサ(エチレングリコール))が存在する。他の態様において、炭素40個またはそれ以下のアルキルアミン基またはアルキル基が存在する。「低級」アルキルアミン基またはアルキル基を伴う態様において、「低級」は、20個またはそれ以下の炭素を有する分子をいうものと理解されよう。
特定の態様において、パッセンジャー鎖の5'末端にC12アミンリンカーが存在する。他の態様において、パッセンジャー鎖の最初のヌクレオチドの末端ホスフェートにC8アミンリンカーが存在する。
本明細書において論じられる異なるmiRNA模倣体において、これらのRNA分子は、天然糖または修飾糖に対応する糖部分を有するヌクレオチドを持つことができる。代表的な修飾糖は、炭素環式または非環式の糖、2'位、3'位または4'位の1つまたは複数の位置に置換基を持つ糖、および糖の1つまたは複数の水素原子の代わりに置換基を持つ糖を含む。或る態様において、糖は、2'位に置換基を持つことにより修飾される。さらなる態様において、糖は、3'位に置換基を持つことにより修飾される。他の態様において、糖は、4'位に置換基を持つことにより修飾される。糖がそれらの位置の2つ以上の位置に修飾を持ちうること、またはRNA分子が、1つの位置に糖修飾を有する1つもしくは複数のヌクレオチド、および同様に、異なる位置に糖修飾を有する1つもしくは複数のヌクレオチドを持ちうることも企図される。
miRNA模倣体において企図される糖修飾は、以下に限定されるものではないが、OH; F; O-、S-もしくはN-アルキル; O-、S-もしくはN-アルケニル; O-、S-もしくはN-アルキニル; またはO-アルキル-O-アルキルから選択される糖置換基を含み、ここでアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換または非置換C1〜C10アルキルまたはC2〜C10アルケニルおよびアルキニルでありうる。いくつかの態様において、これらの基は、O(CH2)xOCH3、O((CH2)xO)yCH3、O(CH2)xNH2、O(CH2)xCH3、O(CH2)xONH2およびO(CH2)xON((CH2)xCH3)2から選択することができ、ここでxおよびyは1〜10である。
いくつかの態様において、miRNA模倣体は、以下から選択される糖置換基を持つ: C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH3、Cl、Br、CN、OCN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、模倣体の薬物動態的特性を改善するための基、または模倣体の薬力学的特性を改善するための基、および類似の特性を持つ他の置換基。1つの態様において、修飾は、2'-メトキシエトキシ(2'-O-(2-メトキシエチル)または2'-MOEとしても知られる2'-O-CH2CH2OCH3) (Martin et al., Helv. Chim. Acta, 78, 486-504, 1995,)、すなわち、アルコキシアルコキシ基を含む。別の修飾は、2'-ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、2'-DMAOEとしても知られるO(CH2)2ON(CH3)2基、および2'-ジメチルアミノエトキシエトキシ(当技術分野において2'-O-ジメチル-アミノ-エトキシ-エチルまたは2'-DMAEOEとしても知られる)、すなわち、2'-O-CH2-O-CH2-N(CH3)2を含む。
さらなる糖置換基は、アリル(-CH2-CH=CH2)、-O-アリル(-O-CH2-CH=CH2)、メトキシ(-O-CH3)、アミノプロポキシ(-OCH2CH2CH2NH2)、およびフルオロ(F)を含む。2'位の(2'-)糖置換基は、アラビノ位(上位)またはリボ位(下位)にありうる。1つの2'-アラビノ修飾は2'-Fである。他の類似の修飾はまた、オリゴマー化合物上の他の位置で、特に、3'末端ヌクレオシド上のまたは2'-5'結合オリゴヌクレオチド中の糖の3'位で、および5'末端ヌクレオチドの5'位で行われうる。オリゴマー化合物はまた、ペントフラノシル糖の代わりに、糖模倣体、例えば、シクロブチル部分を持ちうる。修飾糖構造の調製について開示している米国特許の例としては、以下に限定されるものではないが、米国特許第4,981,957号; 同第5,118,800号; 同第5,319,080号; 同第5,359,044号; 同第5,393,878号; 同第5,446,137号; 同第5,466,786号; 同第5,514,785号; 同第5,519,134号; 同第5,567,811号; 同第5,576,427号; 同第5,591,722号; 同第5,597,909号; 同第5,610,300号; 同第5,627,053号; 同第5,639,873号; 同第5,646,265号; 同第5,658,873号; 同第5,670,633号; 同第5,792,747号; および同第5,700,920号が挙げられ、これらは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
代表的な糖置換基は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第2005/0261218号に記述されている基を含む。特定の態様において、糖修飾は、6'位の炭素に結合したカルボキシ基における2'O-Me修飾、2'F修飾、2'H修飾、2'アミノ修飾、4'チオリボース修飾もしくはホスホロチオエート修飾、またはそれらの組み合わせである。
さらなる修飾は、米国特許出願第2010/0267814号に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。この参照文献は、行われうる一般的な修飾について開示しているが、特定の配列との関連で、特定のヌクレオチドの位置でおよび/または特定かつ選択の位置で修飾が行われうるという本明細書において記載されるものについては開示していない。
いくつかの態様において、治療用核酸は1つまたは複数の設計要素を含有する。これらの設計要素は、(i) 相補領域の5'末端でのヌクレオチドもしくはヌクレオシドの、それぞれ、ホスフェートもしくはヒドロキシルの交換基; (ii) 相補領域の最初もしくは最後の1〜6残基内の1つもしくは複数の糖修飾; または、(iii) 相補領域の3'末端の最後の1〜5残基内の1つもしくは複数のヌクレオチドと、miRNA領域の対応するヌクレオチドとの間の非相補性を含むが、これらに限定されることはない。
或る態様において、合成miRNAは、その相補領域の5'末端に、リン酸基および/またはヒドロキシル基が別の化学基と交換されたヌクレオチドを持つ(「交換設計」といわれる)。場合によっては、リン酸基が付加部分と交換される、または付加部分を上に付加されるが、その他では、ヒドロキシル基がC6アミンリンカーで上述したような付加部分と交換される、または付加部分を上に付加される。特定の態様において、部分は、ビオチン、アミン基、低級アルキルアミン基、アセチル基、2'O-Me (2'酸素-メチル)、DMTO(酸素を有する4,4'-ジメトキシトリチル)、フルオレセイン、チオール、またはアクリジンであるが、他の部分が当業者に周知であり、同様に用いることができる。
本発明の他の態様において、相補領域の3'末端の最後の1〜5残基における1つまたは複数のヌクレオチドが、miRNA領域の対応するヌクレオチドと相補的ではない(「非相補性」)合成miRNAが提供される(「非相補性設計」といわれる)。非相補性は、相補miRNAの最後の1、2、3、4、および/または5残基中でありうる。或る態様において、相補領域中の少なくとも2つのヌクレオチドとの非相補性が存在する。
本発明の合成miRNAは、交換設計、糖修飾設計、または非相補性設計の1つまたは複数を持つことが企図される。場合によっては、合成RNA分子はそれらの2つを持つが、その他では、これらの分子は3つ全ての設計を適所に持つ。
miRNA領域および相補領域は、同じポリヌクレオチド上であっても、または別のポリヌクレオチド上であってもよい。これらが同じポリヌクレオチド上に、または同じポリヌクレオチド中に含まれる場合は、miRNA分子は1本のポリヌクレオチドであると見なされる。これらの異なる領域が別のポリヌクレオチド上に存在する態様では、合成miRNAは2本のポリヌクレオチドから構成されると見なされる。
RNA分子が1本のポリヌクレオチドである場合、miRNA領域と相補領域との間にリンカー領域が存在する。いくつかの態様において、1本のポリヌクレオチドは、miRNA領域と相補領域との間の結合の結果としてヘアピンループ構造を形成することができる。リンカーはヘアピンループを構成する。いくつかの態様において、リンカー領域は長さが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40残基、またはその中で導き出せる任意の範囲の残基であるか、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40残基、またはその中で導き出せる任意の範囲の残基であるか、あるいは多くても2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40残基、またはその中で導き出せる任意の範囲の残基であることが企図される。或る態様において、リンカーは、長さが3〜30残基である(3残基および30残基を含む)。
miRNA領域および相補領域を持つことに加えて、領域の5'末端または3'末端のいずれかに隣接配列も存在しうる。いくつかの態様において、これらの領域の片側または両側に隣接して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ヌクレオチドもしくはそれ以上のヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲のヌクレオチドが存在するか、あるいは少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ヌクレオチドもしくはそれ以上のヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲のヌクレオチドが存在する。
miRNA機能を有するRNA分子は長さが、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990もしくは1000ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲のヌクレオチドであるか、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990もしくは1000ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲のヌクレオチドであるか、あるいは多くても3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990もしくは1000ヌクレオチド、またはその中で導き出せる任意の範囲のヌクレオチドでありうる。そのような長さは、プロセッシングされたmiRNA、miRNAプローブ、前駆体miRNA、miRNAを含んだベクター、対照核酸、ならびに他のプローブおよびプライマーの長さを網羅する。多くの態様において、miRNAは長さが19〜24ヌクレオチドであるが、miRNAプローブは、プロセッシングされたmiRNAおよび付加される任意の隣接領域の長さに依り、長さが、下記の間の全ての値および範囲を含めて、5、10、15、20、25、30〜35ヌクレオチドである。miRNA前駆体は一般に、ヒトでは62〜110ヌクレオチドである。
本発明の核酸は、別の核酸と同一性または相補性の領域を持ちうる。相補性または同一性の領域は、少なくとも5個の連続残基でありうることが企図されるが、その領域は6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100もしくは110個の連続ヌクレオチドであるか、少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100もしくは110個の連続ヌクレオチドであるか、または多くても6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100もしくは110個の連続ヌクレオチドであることが特に企図される。前駆体miRNA内のまたはmiRNAプローブとmiRNAまたはmiRNA遺伝子との間の相補性の長さは、そのような長さであることがさらに理解される。さらに、相補性をパーセンテージとして表し、プローブとその標的との間の相補性が、プローブの長さにわたって少なくとも90%の同一性またはそれを超える同一性であることを意味してもよい。いくつかの態様において、相補性は90%、95%もしくは100%同一であるか、または少なくとも90%、95%もしくは100%同一である。特に、そのような長さは、本明細書において開示されるSEQ ID NOのいずれかにおいて特定される核酸配列を含む任意の核酸に適用されうる。
「組換え」という用語が用いられることがあり、これは一般に、インビトロで操作された分子、またはそのような分子の複製産物もしくは発現産物である分子をいう。
「miRNA」という用語は一般に、miRNA分子の配列および機能を持つRNA分子をいう。特定の態様において、本発明において実践される分子は、その同じ一本鎖分子の別の領域とまたは別の核酸と部分的に相補的(鎖の全長にわたり10〜50%相補的)、実質的に相補的(鎖の全長にわたり50%超、しかし100%未満相補的)、または完全に相補的である領域またはさらなる鎖も包含する。したがって、核酸は、1つもしくは複数の相補鎖もしくは自己相補鎖、または分子を含む特定の配列の「相補体」を含む分子を包含しうる。例えば、前駆体miRNAは、100%まで相補的である自己相補領域を持ちうる。本発明のmiRNAプローブまたは核酸は、その標的と60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99もしくは100%相補的なものを含みうるか、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99もしくは100%相補的でありうるか、または少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99もしくは100%相補的でありうる。
本発明の核酸は、例えば、化学合成、酵素的産生または生物学的産生などの、当業者に公知の任意の技法によって作製されうる。本発明のmiRNAプローブは化学的に合成されることが特に企図される。
本発明のいくつかの態様において、miRNAは生物学的サンプルから回収または単離される。miRNAは、組換えであってもよく、または天然であっても、もしくは細胞にとって内在性であってもよい(細胞のゲノムからもたらされてもよい)。生物学的サンプルは、miRNAなどの小型RNA分子の回収を増強するような方法で処理されうることが企図される。米国特許出願第10/667,126号にはそのような方法が記述されており、同出願は参照により本明細書に具体的に組み入れられる。一般に、この方法は、グアニジンおよび界面活性剤を有する溶液で細胞を溶解する段階を伴う。
或る局面において、合成miRNAはRNAまたはRNA類似体である。miRNA模倣体はDNAおよび/もしくはRNA、またはその類似体でありうる。化学修飾を有するmiRNA模倣体は、ひとまとめに「合成核酸」といわれうる。
いくつかの態様において、治療用核酸は、下記の間の全ての値および範囲を含めて、10〜200残基から17〜130残基のmiRNAまたは合成miRNA配列を持つことができる。本発明は、長さが、下記の間の任意の整数または任意の範囲を含めて、10、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、140、150、160、170、180、190、200個もしくはそれ以上の残基であるか、少なくとも10、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、140、150、160、170、180、190、200個もしくはそれ以上の残基であるか、または多くても10、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、140、150、160、170、180、190、200個もしくはそれ以上の残基であるmiRNAまたは合成miRNA分子に関する。
或る局面において、合成核酸は、(a) 5'から3'方向の配列または結合領域が成熟miRNA配列の全てまたはセグメントと同一または相補的である「miRNA領域」と、(b) 5'から3'方向の配列が(a)におけるmiRNA配列と60%〜100%相補的である「相補領域」とを持つ。或る態様において、これらの合成核酸も、以下で定義されるように、単離される。「miRNA領域」という用語は、天然の成熟miRNA配列またはその相補体の配列全体と、下記の間の全ての整数を含めて、少なくとも75、80、85、90、95、または100%同一である、合成核酸上の領域をいう。或る態様において、miRNA領域は、天然に存在するmiRNA、もしくはそのセグメント、またはその相補体の配列と90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%同一であるか、または少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%同一である。
本明細書において論じられるのは、miR-124模倣体を伴う態様である。これらの模倣体に対する異なる活性鎖およびパッセンジャー鎖が本開示の全体にわたって記述される。特定のSEQ ID NOとの関連で論じられる態様は、同じSEQ ID NOについて論じている他の態様に加えてまたは代わりに実施されうることが企図される。例えば、SEQ ID NO:2と少なくとも90%の同一性を持ち、かつヌクレオチド/ヌクレオシドの1つの置換をも持つ活性鎖が、配列中に挿入も持つSEQ ID NO:2を伴う活性鎖の態様と組み合わされうる; したがって、SEQ ID NO:2と少なくとも90%の同一性を持つ活性鎖は、SEQ ID NO:5に対する置換と挿入の両方を持つと考えられる。
RNA分子は、SEQ ID NO:1と、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一であるか、あるいは少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一である活性鎖を含有しうることが企図される。他の態様において、活性鎖はSEQ ID NO:2と、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一であるか、あるいは少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一である。
ヌクレオチドがSEQ ID NO:1に対して欠失されている態様において、修飾ヌクレオチドの指定はそれに応じて調整されうることが企図される。いくつかの態様において、SEQ ID NO:1と少なくとも95%同一である配列を持つ活性鎖は、鎖の5'または3'末端のいずれかから見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21のうちの1つまたは複数にヌクレオチドの修飾を持つことが企図される。他の態様において、活性鎖は、下記のヌクレオチドが修飾されうることが企図される: SEQ ID NO:1に対する位置1のU; SEQ ID NO:1に対する位置2のA; SEQ ID NO:1に対する位置3のA; SEQ ID NO:1に対する位置4のG; SEQ ID NO:1に対する位置5のG; SEQ ID NO:1に対する位置6のC; SEQ ID NO:1に対する位置7のA; SEQ ID NO:1に対する位置8のC; SEQ ID NO:1に対する位置9のG; SEQ ID NO:1に対する位置10のC; SEQ ID NO:1に対する位置11のG; SEQ ID NO:1に対する位置12のG; SEQ ID NO:1に対する位置13のU; SEQ ID NO:1に対する位置14のG; SEQ ID NO:1に対する位置15のA; SEQ ID NO:1に対する位置16のA; SEQ ID NO:1に対する位置17のU; SEQ ID NO:1に対する位置18のG; SEQ ID NO:1に対する位置19のC; および/または、SEQ ID NO:1に対する位置20のC。これは、活性鎖がその位置のヌクレオチドをもはや持ちえないが、しかしSEQ ID NO:1の配列との関連において、活性鎖中の特定のヌクレオチドが修飾されることを意味する。これは、その位置が-1または+1だけ変化しうることを意味する; 例えば、SEQ ID NO:1に対する位置11のGは、活性鎖中の位置10にまたは位置12に位置することもあるが、これは、その位置番号に影響を与える挿入または欠失があったためである。
いくつかの態様において、活性鎖は
と少なくとも95%同一であり、これはSEQ ID NO:1よりも2塩基長い。或る態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2の1つのヌクレオチドが欠失されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
と少なくとも95%同一であり、これはSEQ ID NO:1よりも2塩基長い。或る態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:2の1つのヌクレオチドが欠失されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
ヌクレオチドがSEQ ID NO:2に対して欠失されている態様において、修飾ヌクレオチドの指定はそれに応じて調整されうることが企図される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2と少なくとも95%同一である配列を持つ活性鎖は、鎖の5'または3'末端のいずれかから見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22のうちの1つまたは複数にヌクレオチドの修飾を持つことが企図される。他の態様において、活性鎖は、下記のヌクレオチドが修飾されうることが企図される: SEQ ID NO:2に対する位置1のU; SEQ ID NO:2に対する位置2のU; SEQ ID NO:2に対する位置3のA; SEQ ID NO:2に対する位置4のA; SEQ ID NO:2に対する位置5のG; SEQ ID NO:2に対する位置6のG; SEQ ID NO:2に対する位置7のC; SEQ ID NO:2に対する位置8のA; SEQ ID NO:2に対する位置9のC; SEQ ID NO:2に対する位置10のG; SEQ ID NO:2に対する位置11のC; SEQ ID NO:2に対する位置12のG; SEQ ID NO:12に対する位置13のG SEQ ID NO:2に対する位置14のU; SEQ ID NO:2に対する位置15のG; SEQ ID NO:2に対する位置16のA; SEQ ID NO:2に対する位置17のA; SEQ ID NO:2に対する位置18のU; SEQ ID NO:2に対する位置19のG; SEQ ID NO:2に対する位置20のC; SEQ ID NO:2に対する位置21のC; および/または、SEQ ID NO:2に対する位置22のA。これは、活性鎖がその位置のヌクレオチドをもはや持ちえないが、しかしSEQ ID NO:2の配列との関連において、活性鎖中の特定のヌクレオチドが修飾されることを意味する。これは、その位置が-1または-2だけ変化しうることを意味する; 例えば、SEQ ID NO:2に対する位置11のCは、活性鎖中の位置10に位置することもあるが、これは、その位置番号に影響を与える欠失があったためである。
いくつかの態様において、活性鎖は
と95%同一である。或る態様において、そのような活性鎖は、1つのヌクレオチドがNによって表されるさまざまなリボヌクレオチド(A、C、G、またはU)で置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
と95%同一である。或る態様において、そのような活性鎖は、1つのヌクレオチドがNによって表されるさまざまなリボヌクレオチド(A、C、G、またはU)で置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
いくつかの態様において、活性鎖はSEQ ID NO:1と95〜100%同一であり、これは、上記に開示される配列を含むはずである。そのような活性鎖の他の例としては、以下に論じられるように、単一のヌクレオチドの挿入を有する活性鎖が挙げられ、その場合には、5'から3'方向の下記の配列が、A、C、G、またはUでありうるNと指定されるヌクレオチドの挿入を持つ。
いくつかの態様において、上記に示される単一の挿入に加えて、SEQ ID NO:1に対する配列中の他の場所に第2の挿入または付加が存在する。いくつかの態様において、上記に示される単一の挿入に加えて、SEQ ID NO:1に対する配列中の他の場所に第2の挿入または付加が存在する。第2の挿入は、位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23に新たに位置するヌクレオチドの後ろまたは以前から位置していたヌクレオチドの後ろでありうることが企図される。
いくつかの態様において、活性鎖は
と90%同一であるか、または少なくとも90%同一である。或る態様において、そのような活性鎖は、1つまたは2つのヌクレオチドが、異なるリボヌクレオチドで置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。或る態様において、Nによって表される1つの置換が存在する。
と90%同一であるか、または少なくとも90%同一である。或る態様において、そのような活性鎖は、1つまたは2つのヌクレオチドが、異なるリボヌクレオチドで置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。或る態様において、Nによって表される1つの置換が存在する。
いくつかの態様において、上記に示される単一の置換に加えて、SEQ ID NO:2に対する配列中の他の場所に第2の置換が存在する。上記の活性鎖において記述した置換の1つとともに、または上記の置換に加えてヌクレオチドの1つもしくは2つの欠失とともに第2の置換が存在しうることがさらに企図される。
いくつかの態様において、活性鎖はSEQ ID NO:2と95〜100%同一であり、これは、上記に開示される配列を含むはずである。そのような活性鎖の他の例としては、SEQ ID NO:2の配列への単一のヌクレオチドの挿入を有する活性鎖が挙げられる。
或る態様において、活性鎖は、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2と95%同一であるか、またはSEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2と少なくとも95%同一である配列を持つ。SEQ ID NO:1 (長さが20ヌクレオチド)はSEQ ID NO:2 (長さが22ヌクレオチド)とおよそ90.9%同一であり、SEQ ID NO:2における20個の連続ヌクレオチドの断片はSEQ ID:1と100%同一である。
いくつかの態様において、活性鎖の配列はSEQ ID NO:1からなり、これは、活性鎖が、SEQ ID NO:1と100%同一である配列を持つことを意味することに留意されたい。他の態様において、活性鎖の配列はSEQ ID NO:2からなり、これは、活性鎖が、SEQ ID NO:2と100%同一である配列を持つことを意味する。これらの態様のいずれかにおいて、活性鎖は、活性鎖の5'末端から見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、171、18、19、20、21、および/または22 (ここで位置1は鎖の5'末端である)に位置するヌクレオチドの修飾を含みうることが企図される。これは、列挙された位置のヌクレオチドが修飾され、かつこの指定が、その、列挙された位置の特定のヌクレオチドの同一性と無関係であることを意味する。この指定は、ヌクレオチドに基づくのではなく、位置に基づく。他の態様において、指定はヌクレオチドに基づく。或る態様において、指定は、活性鎖の3'末端に基づいた位置でありうる; そのような場合に、活性鎖は、活性鎖の3'末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、171、18、19、20、21、および/または22ヌクレオチド離れて位置するヌクレオチドの修飾を含みうる。修飾ヌクレオチドがヌクレオチドに基づくとして特定された本明細書において論じられる任意の態様は、特定されたヌクレオチドの位置を用いる、修飾ヌクレオチドが位置に基づくものである他の態様において、実施されうる。これは活性鎖、およびパッセンジャー鎖に当てはまる。
いくつかの態様において、ヌクレオチドに基づく指定は、活性鎖が下記のヌクレオチドにおいて修飾されうることを記載する: SEQ ID NO:2における位置1のU; SEQ ID NO:1における位置1のおよびSEQ ID NO:2における位置2のU; SEQ ID NO:1における位置2のおよびSEQ ID NO:2における位置3のA; SEQ ID NO:1における位置3のおよびSEQ ID NO:2における位置4のA; SEQ ID NO:1における位置4のおよびSEQ ID NO:2における位置5のG; SEQ ID NO:1における位置5のおよびSEQ ID NO:2における位置6のG; SEQ ID NO:1における位置6のおよびSEQ ID NO:2における位置7のC; SEQ ID NO:1における位置7のおよびSEQ ID NO:2における位置8のA; SEQ ID NO:1における位置8のおよびSEQ ID NO:2における位置9のC; SEQ ID NO:1における位置9のおよびSEQ ID NO:2における位置10のG; SEQ ID NO:1における位置10のおよびSEQ ID NO:2における位置11のC; SEQ ID NO:1における位置11のおよびSEQ ID NO:2における位置12のG; SEQ ID NO:1における位置12のおよびSEQ ID NO:2における位置13のG; SEQ ID NO:1における位置13のおよびSEQ ID NO:2における位置14のU; SEQ ID NO:1における位置14のおよびSEQ ID NO:2における位置15のG; SEQ ID NO:1における位置15のおよびSEQ ID NO:2における位置16のA; SEQ ID NO:1における位置16のおよびSEQ ID NO:2における位置17のA; SEQ ID NO:1における位置17のおよびSEQ ID NO:2における位置18のU; SEQ ID NO:1における位置18のおよびSEQ ID NO:2における位置19のG; SEQ ID NO:1における位置19のおよびSEQ ID NO:2における位置20のC; SEQ ID NO:1における位置20のおよびSEQ ID NO:2における位置21のC; ならびに/またはSEQ ID NO:2における位置22のA。
或る態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:3もしくはSEQ ID NO:4と95%同一であるか、またはSEQ ID NO:3もしくはSEQ ID NO:4と少なくとも95%同一である配列を持つ。SEQ ID NO:3 (長さが20ヌクレオチド)はSEQ ID NO:4 (長さが22ヌクレオチド)とおよそ90.9%同一であり、SEQ ID NO:4における20個の連続ヌクレオチドの断片はSEQ ID:3と100%同一である。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO:3からなり、これは、パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:3と100%同一である配列を持つことを意味することに留意されたい。他の態様において、パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO:4からなり、これは、パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4と100%同一である配列を持つことを意味する。これらの態様のいずれかにおいて、パッセンジャー鎖は、パッセンジャー鎖の5'末端から見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、171、18、19、20、21、および/または22 (ここで位置1は鎖の5'末端である)に位置するヌクレオチドの修飾を含みうることが企図される。これは、列挙された位置のヌクレオチドが修飾され、かつこの指定が、その、列挙された位置の特定のヌクレオチドの同一性と無関係であることを意味する。この指定は、ヌクレオチドに基づくのではなく、位置に基づく。他の態様において、指定はヌクレオチドに基づく。或る態様において、指定は、パッセンジャー鎖の3'末端に基づいた位置でありうる; そのような場合に、パッセンジャー鎖は、パッセンジャー鎖の3'末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、171、18、19、20、21、および/または22ヌクレオチド離れて位置するヌクレオチドの修飾を含みうる。
RNA分子はSEQ ID NO:3と、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一であるか、あるいは少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一であるパッセンジャー鎖を含有しうることが企図される。他の態様において、パッセンジャー鎖はSEQ ID NO:4と、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一であるか、あるいは少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100%同一、またはその中で導き出せる任意の範囲で同一である。
ヌクレオチドがSEQ ID NO:3に対して欠失されている態様において、修飾ヌクレオチドの指定はそれに応じて調整されうることが企図される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:3と少なくとも95%同一である配列を持つ活性鎖は、鎖の5'または3'末端のいずれかから見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21のうちの1つまたは複数にヌクレオチドの修飾を持つことが企図される: SEQ ID NO:3に対する位置1のG; SEQ ID NO:3に対する位置2のG; SEQ ID NO:3に対する位置3のC; SEQ ID NO:3に対する位置4のA; SEQ ID NO:3に対する位置5のU; SEQ ID NO:3に対する位置6のU; SEQ ID NO:3に対する位置7のC; SEQ ID NO:3に対する位置8のA; SEQ ID NO:3に対する位置9のC; SEQ ID NO:10に対する位置2のC; SEQ ID NO:3に対する位置11のG; SEQ ID NO:3に対する位置12のC; SEQ ID NO:3に対する位置13のG; SEQ ID NO:3に対する位置14のU; SEQ ID NO:3に対する位置15のG; SEQ ID NO:3に対する位置16のC; SEQ ID NO:3に対する位置17のC; SEQ ID NO:3に対する位置18のU; SEQ ID NO:3に対する位置19のU; および/または、SEQ ID NO:3に対する位置20のA。これは、パッセンジャー鎖がその位置のヌクレオチドをもはや持ちえないが、しかしSEQ ID NO:3の配列との関連において、活性鎖中の特定のヌクレオチドが修飾されることを意味する。これは、その位置が-1または+1だけ変化しうることを意味する; 例えば、SEQ ID NO:3に対する位置11のGは、パッセンジャー鎖中の位置10にまたは位置12に位置することもあるが、これは、その位置番号に影響を与える挿入または欠失があったためである。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は
と95%同一であり、これはSEQ ID NO:3よりも2塩基長い。或る態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4の1つのヌクレオチドが欠失されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
と95%同一であり、これはSEQ ID NO:3よりも2塩基長い。或る態様において、パッセンジャー鎖は、SEQ ID NO:4の1つのヌクレオチドが欠失されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
ヌクレオチドがSEQ ID NO:4に対して欠失されている態様において、修飾ヌクレオチドの指定はそれに応じて調整されうることが企図される。いくつかの態様において、SEQ ID NO:4と少なくとも95%同一である配列を持つ活性鎖は、鎖の5'または3'末端のいずれかから見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22のうちの1つまたは複数にヌクレオチドの修飾を持つことが企図される。他の態様において、活性鎖は、下記のヌクレオチドが修飾されうることが企図される。
SEQ ID NO:4に対する位置1のU; SEQ ID NO:4に対する位置2のG; SEQ ID NO:4に対する位置3のG; SEQ ID NO:4に対する位置4のC; SEQ ID NO:4に対する位置5のA; SEQ ID NO:4に対する位置6のU; SEQ ID NO:4に対する位置7のU; SEQ ID NO:4に対する位置8のC; SEQ ID NO:4に対する位置9のA; SEQ ID NO:4に対する位置10のC; SEQ ID NO:4に対する位置11のC; SEQ ID NO:4に対する位置12のG; SEQ ID NO:4に対する位置13のC; SEQ ID NO:4に対する位置14のG; SEQ ID NO:4に対する位置15のU; SEQ ID NO:4に対する位置16のG; SEQ ID NO:4に対する位置17のC; SEQ ID NO:4に対する位置18のC; SEQ ID NO:4に対する位置19のU; SEQ ID NO:4に対する位置20のU; SEQ ID NO:4に対する位置21のA; および/またはSEQ ID NO:4に対する位置20のA。これは、活性鎖がその位置のヌクレオチドをもはや持ちえないが、しかしSEQ ID NO:2の配列との関連において、活性鎖中の特定のヌクレオチドが修飾されることを意味する。これは、その位置が-1または-2だけ変化しうることを意味する; 例えば、SEQ ID NO:2に対する位置11のCは、活性鎖中の位置10に位置することもあるが、これは、その位置番号に影響を与える欠失があったためである。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は
と95%同一である。或る態様において、そのようなパッセンジャー鎖は、1つのヌクレオチドがNによって表されるさまざまなリボヌクレオチド(A、C、G、またはU)で置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
と95%同一である。或る態様において、そのようなパッセンジャー鎖は、1つのヌクレオチドがNによって表されるさまざまなリボヌクレオチド(A、C、G、またはU)で置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。
いくつかの態様において、上記に示される単一の置換に加えて、SEQ ID NO:3に対する配列中の他の場所に第2の置換が存在する。上記のパッセンジャー鎖において記述した置換の1つとともに、または上記の置換に加えてヌクレオチドの1つもしくは2つの欠失とともに第2の置換が存在しうることがさらに企図される。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖はSEQ ID NO:3と95〜100%同一であり、これは、上記に開示される配列を含むはずである。そのような活性鎖の他の例としては、以下に論じられるように、単一のヌクレオチドの挿入を有する活性鎖が挙げられ、その場合には、5'から3'方向の下記の配列が、A、C、G、またはUでありうるNと指定されるヌクレオチドの挿入を持つ。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:3に対して上記に示されるパッセンジャー鎖中の挿入に加えて、鎖中の他の場所に第2の挿入が存在しうる。上記に示されるパッセンジャー鎖中の挿入の組み合わせは、さらなるパッセンジャー鎖に対しても企図される。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖は
と90%同一であるか、または少なくとも90%同一である。或る態様において、そのようなパッセンジャー鎖は、1つまたは2つのヌクレオチドが、異なるリボヌクレオチドで置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。或る態様において、Nによって表される1つの置換が存在する。
と90%同一であるか、または少なくとも90%同一である。或る態様において、そのようなパッセンジャー鎖は、1つまたは2つのヌクレオチドが、異なるリボヌクレオチドで置換されている5'から3'方向の下記の配列を持つ。或る態様において、Nによって表される1つの置換が存在する。
いくつかの態様において、上記に示される単一の置換に加えて、SEQ ID NO:4に対する配列中の他の場所に第2の置換が存在する。さらに、パッセンジャー鎖中の上記に示される置換の任意の組み合わせが企図される。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖はSEQ ID NO:4と95〜100%同一であり、これは、上記に開示される配列を含むはずである。そのようなパッセンジャー鎖の他の例としては、SEQ ID NO:4の配列への単一のヌクレオチドの挿入を有するパッセンジャー鎖が挙げられる。
いくつかの態様において、パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO:3からなり、これは、パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:3と100%同一である配列を持つことを意味することに留意されたい。他の態様において、パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO:4からなり、これは、パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4と100%同一である配列を持つことを意味する。これらの態様のいずれかにおいて、パッセンジャー鎖は、パッセンジャー鎖の5'末端から見て位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、171、18、19、20、21、および/または22 (ここで位置1は鎖の5'末端である)に位置するヌクレオチドの修飾を含みうることが企図される。これは、列挙された位置のヌクレオチドが修飾され、かつこの指定が、その、列挙された位置の特定のヌクレオチドの同一性と無関係であることを意味する。この指定は、ヌクレオチドに基づくのではなく、位置に基づく。他の態様において、指定はヌクレオチドに基づく。或る態様において、指定は、パッセンジャー鎖の3'末端に基づいた位置でありうる; そのような場合に、パッセンジャー鎖は、パッセンジャー鎖の3'末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、171、18、19、20、21、および/または22ヌクレオチド離れて位置するヌクレオチドの修飾を含みうる。
いくつかの態様において、ヌクレオチドに基づく指定は、パッセンジャー鎖が下記のヌクレオチドにおいて修飾されうることを記載する: SEQ ID NO:4における位置1のU; SEQ ID NO:4における位置2のG; SEQ ID NO:4における位置3のG; SEQ ID NO:4における位置4のC; SEQ ID NO:4における位置5のA; SEQ ID NO:4における位置6のU; SEQ ID NO:4における位置7のU; SEQ ID NO:4における位置8のC; SEQ ID NO:4における位置9のA; SEQ ID NO:4における位置10のC; SEQ ID NO:4における位置11のC; SEQ ID NO:4における位置12のG; SEQ ID NO:4における位置13のC; SEQ ID NO:4における位置14のG; SEQ ID NO:4における位置15のU; SEQ ID NO:4における位置16のG; SEQ ID NO:4における位置17のC; SEQ ID NO:4における位置18のC; SEQ ID NO:4における位置19のU; SEQ ID NO:4における位置20のU; SEQ ID NO:4における位置21のA; および/または、SEQ ID NO:4における位置22のA。
「相補領域」または「相補体」という用語は、天然に存在する成熟miRNA配列と、60%相補的であるか、または少なくとも60%相補的である核酸または模倣体の領域をいう。相補領域は、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%相補的、またはその中で導き出せる任意の範囲で相補的であるか、あるいは少なくとも60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9もしくは100%相補的、またはその中で導き出せる任意の範囲で相補的である。単一のポリヌクレオチド配列には、miRNA領域と相補領域との間の化学的結合の結果として、ヘアピンループ構造が存在することがある。他の態様において、相補領域はmiRNA領域とは異なる核酸鎖上に存在し、その場合、相補領域は相補鎖上に存在し、miRNA領域は活性鎖上に存在する。
RNA分子が1本のポリヌクレオチドである場合、miRNA領域と相補領域との間にリンカー領域が存在してもよい。いくつかの態様において、1本のポリヌクレオチドは、miRNA領域と相補領域との間の結合の結果として、ヘアピンループ構造を形成することができる。このリンカーは、ヘアピンループを構成する。いくつかの態様において、リンカー領域は長さが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40残基、またはその中で導き出せる任意の範囲の残基であるか、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40残基、またはその中で導き出せる任意の範囲の残基であるか、あるいは多くても2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40残基、またはその中で導き出せる任意の範囲の残基であることが企図される。或る態様において、リンカーは、長さが3〜30残基である(3残基および30残基を含む)。
A. 核酸の単離
核酸は、当業者に周知の技法を用いて単離されうるが、特定の態様において、核酸小分子を単離するための方法、および/またはRNA分子を単離するための方法を利用することができる。クロマトグラフィーは、核酸をタンパク質から、または他の核酸から分離または単離するために用いられることが多い過程である。そのような方法は、ゲルマトリックスを用いる電気泳動、フィルタカラム、キャピラリー電気泳動、アルコール沈殿、および/または他のクロマトグラフィーを伴いうる。細胞由来のmiRNAが用いられるまたは評価される場合、方法には一般に、細胞をカオトロピック剤(例えば、グアニジニウムイソチオシアネート)および/または界面活性剤(例えば、N-ラウロイルサルコシン)で溶解した後に、RNAの特定の集団を単離するための過程を実施する段階が伴う。
核酸は、当業者に周知の技法を用いて単離されうるが、特定の態様において、核酸小分子を単離するための方法、および/またはRNA分子を単離するための方法を利用することができる。クロマトグラフィーは、核酸をタンパク質から、または他の核酸から分離または単離するために用いられることが多い過程である。そのような方法は、ゲルマトリックスを用いる電気泳動、フィルタカラム、キャピラリー電気泳動、アルコール沈殿、および/または他のクロマトグラフィーを伴いうる。細胞由来のmiRNAが用いられるまたは評価される場合、方法には一般に、細胞をカオトロピック剤(例えば、グアニジニウムイソチオシアネート)および/または界面活性剤(例えば、N-ラウロイルサルコシン)で溶解した後に、RNAの特定の集団を単離するための過程を実施する段階が伴う。
miRNAを他の核酸から分離するための特定の方法において、ポリアクリルアミドを用いてゲルマトリックスが調製されるが、アガロースを用いることもできる。ゲルは濃度によって勾配をつけられてもよく、または均一であってもよい。電気泳動用にゲルマトリックスを保持するためには、プレートまたは管類を用いることができる。核酸の分離には通常、一次元の電気泳動が利用される。プレートはスラブゲルを調製するために用いられるが、管類(典型的にはガラスまたはゴム)は管ゲルを調製するために用いることができる。「管電気泳動」という語句は、ゲルを形成させるために、プレートの代わりに、管または管類を用いることをいう。当業者は、管電気泳動を実施するための材料を容易に調製することができる、またはC.B.S. Scientific Co., Inc.もしくはScie-Plasなどから購入することができる。
方法には、核酸、特に本発明の方法および組成物において用いられるmiRNAを単離するために、有機溶媒および/またはアルコールの使用が伴いうる。いくつかの態様は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第10/667,126号に記述されている。一般に、本開示は、細胞溶解物にアルコール溶液を添加する段階、およびアルコール/溶解物混合物を固体支持体に適用した後に固体支持体からRNA分子を溶出させる段階を含む、細胞からRNA小分子を効率的に単離するための方法を提供する。いくつかの態様において、細胞溶解物に添加されるアルコールの量は、約55%〜60%のアルコール濃度を達成する。異なるアルコールを利用できるが、エタノールがうまく機能する。固体支持体は、任意の構造でありうるが、電気陰性基を有する無機物支持体または重合体支持体を含みうる、ビーズ、フィルタ、およびカラムを含む。そのような単離手順では、ガラス繊維のフィルタまたはカラムが特にうまく機能している。
特定の態様において、miRNA単離過程は、a) サンプル中の細胞を、グアニジンを含む溶解溶液で溶解する段階であって、ここで少なくとも約1 Mグアニジンの濃度を有する溶解物が産生される、段階; b) フェノールを含む抽出溶液によって、溶解物からmiRNA分子を抽出する段階; c) 溶解物/アルコール混合物を形成させるためにアルコール溶液を溶解物に添加する段階であって、ここで混合物中のアルコールの濃度が約35%〜約70%である、段階; d) 溶解物/アルコール混合物を固体支持体に適用する段階; e) イオン性溶液によって固体支持体からmiRNA分子を溶出させる段階; およびf) miRNA分子を捕捉する段階を含む。典型的には、サンプルは、乾燥されて液体中に再懸濁されることで、体積が後の操作に適したものとなる。
B. 核酸の調製
あるいは、核酸合成は、標準的な方法によって行われる。例えば、Itakura and Riggs (1980)を参照されたい。さらに、米国特許第4,704,362号、同第5,221,619号、および同第5,583,013号は各々、合成核酸を調製するさまざまな方法について記述している。合成核酸(例えば、合成オリゴヌクレオチド)の非限定的な例としては、ホスホトリエステル、ホスファイト、もしくはホスホラミダイト化学を用いるインビトロ化学合成、および参照により本明細書に組み入れられるEP 266,032に記述されているものなどの固相法によって、または各々が参照により本明細書に組み入れられるFroehler et al., 1986および米国特許第5,705,629号により記述されたデオキシヌクレオシドH-ホスホネート中間体によって作製された核酸が挙げられる。本明細書において記述される方法において、1種または複数種のオリゴヌクレオチドが用いられうる。オリゴヌクレオチド合成は当業者に周知である。オリゴヌクレオチド合成のさまざまな異なる機構が、例えば、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,659,774号、同第4,816,571号、同第5,141,813号、同第5,264,566号、同第4,959,463号、同第5,428,148号、同第5,554,744号、同第5,574,146号、同第5,602,244号に開示されている。
あるいは、核酸合成は、標準的な方法によって行われる。例えば、Itakura and Riggs (1980)を参照されたい。さらに、米国特許第4,704,362号、同第5,221,619号、および同第5,583,013号は各々、合成核酸を調製するさまざまな方法について記述している。合成核酸(例えば、合成オリゴヌクレオチド)の非限定的な例としては、ホスホトリエステル、ホスファイト、もしくはホスホラミダイト化学を用いるインビトロ化学合成、および参照により本明細書に組み入れられるEP 266,032に記述されているものなどの固相法によって、または各々が参照により本明細書に組み入れられるFroehler et al., 1986および米国特許第5,705,629号により記述されたデオキシヌクレオシドH-ホスホネート中間体によって作製された核酸が挙げられる。本明細書において記述される方法において、1種または複数種のオリゴヌクレオチドが用いられうる。オリゴヌクレオチド合成は当業者に周知である。オリゴヌクレオチド合成のさまざまな異なる機構が、例えば、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,659,774号、同第4,816,571号、同第5,141,813号、同第5,264,566号、同第4,959,463号、同第5,428,148号、同第5,554,744号、同第5,574,146号、同第5,602,244号に開示されている。
酵素的に産生される核酸の非限定的な例としては、酵素により、PCR(商標) (例えば、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,683,202号および同第4,682,195号を参照のこと)のような増幅反応において産生されるもの、または参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,645,897号に記述されたオリゴヌクレオチドの合成において産生されるものが挙げられる。生物学的に産生される核酸の非限定的な例としては、細菌内で複製される組換えDNAベクターまたはウイルス内で複製される組換えRNAもしくはRNAベクターのような、生細胞内で産生される(すなわち、複製される)組換え核酸が挙げられる(例えば、参照により本明細書に組み入れられるSambrook et al., 2001を参照のこと)。
細胞内で核酸を産生させるための組換え法は、当業者に周知である。これらは、核酸を、標的細胞(例えば、がん細胞)または単に宿主細胞(大量の所望のRNA分子を産生するため)であってよい細胞に送達するためのベクター(ウイルスベクターおよび非ウイルスベクター)、プラスミド、コスミド、ならびに他の媒体の使用を含む。あるいは、このような媒体は、RNA分子を作出するための試薬が存在する限り、無細胞系との関連で用いることができる。そのような方法は、参照により本明細書に組み入れられるSambrook, 2003、Sambrook, 2001およびSambrook, 1989に記述されている方法を含む。
或る態様において、本発明は、合成的ではない核酸分子に関する。いくつかの態様において、核酸分子は、一本鎖一次miRNA (see Lee, 2002)、一本鎖前駆体miRNA、または一本鎖成熟miRNAの正確かつ完全な配列などの、天然に存在する核酸の化学構造および天然に存在する核酸の配列を持つ。
II. 治療法
或る態様は、細胞へ導入されると内在性のmiR-124の活性を発揮する核酸に関する。或る局面において、治療用核酸(核酸ともいわれる)は、合成miRNA配列、非合成miRNA配列、または合成miRNA配列および非合成miRNA配列の組み合わせでありうる。態様は、或る局面において、miR-124として機能する短い核酸分子(治療用核酸)に関する。核酸分子は、典型的には、合成される。「合成」という用語は、機器または装置によって化学的に合成される、かつ細胞内で天然には産生されない、核酸分子をいう。
或る態様は、細胞へ導入されると内在性のmiR-124の活性を発揮する核酸に関する。或る局面において、治療用核酸(核酸ともいわれる)は、合成miRNA配列、非合成miRNA配列、または合成miRNA配列および非合成miRNA配列の組み合わせでありうる。態様は、或る局面において、miR-124として機能する短い核酸分子(治療用核酸)に関する。核酸分子は、典型的には、合成される。「合成」という用語は、機器または装置によって化学的に合成される、かつ細胞内で天然には産生されない、核酸分子をいう。
或る局面において、RNA分子は、天然に存在する成熟miRNAの配列と同一または相補的である配列の全体を持つわけではないこともある。そのような分子は、天然に存在する配列またはその相補体の全部または一部を包含しうる。例えば、合成核酸は、成熟miRNAの配列とは異なる配列を持ちうるが、しかしその改変配列は、天然配列で達成されうる1つまたは複数の機能を提供することができる。
「単離された」という用語は、核酸分子が、単離された核酸の集団が少なくとも約90%相同であり、かつ他のポリヌクレオチド分子に対して少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、または100%相同でありうるように、(配列もしくは構造の点で)異なる分子、および望ましくない核酸分子から最初に分離されることを意味する。本発明の多くの局面において、核酸は、インビトロで合成されて、細胞内の内在性の核酸から分離されていることによって単離される。しかし、単離された核酸はその後、ともに混合またはプールされうることが理解されよう。
特定の方法においては、標的とされるmiRNAの調節に関連する処置を必要とするまたは本明細書において論じられる生理学的もしくは生物学的結果(特定の細胞経路に関する結果もしくは細胞生存率の低下のような結果などの)を必要とする細胞、組織、器官、または生物体(まとめて「生物学的物体」)に、選択されたmiRNA模倣体またはRNA分子を投与するさらなる段階がある。結果として、いくつかの方法では、miRNA模倣体によって提供されうる処置を必要とする患者を特定する段階がある。miRNA模倣体の有効量をいくつかの態様において投与できることが企図される。特定の態様において、生物学的物体に与えられる治療的利益があり、ここで「治療的利益」とは、疾患もしくは病態に関連する1つもしくは複数の病態もしくは症状の改善、または疾患に関する予後、期間もしくは状態の改善をいう。治療的利益は、痛みの減少、罹患率の減少、症状の減少を含むが、これらに限定されないことが企図される。例えば、がんに関しては、治療的利益は、腫瘍成長の阻害、転移の予防、転移数の低減、がん細胞増殖の阻害、がん細胞増殖の阻害、がん細胞の細胞死の誘導、がん細胞近傍の血管形成の阻害、がん細胞のアポトーシスの誘導、痛みの低減、再発リスクの低減、がん細胞の化学療法もしくは放射線療法に対する感受性の誘導、寿命の延長、および/またはがんに直接的もしくは間接的に関連する死の遅延でありうることが企図される。
或る態様において、miRNA模倣体は、がんを処置するために用いられる。がんは、悪性がん、腫瘍、転移性がん、切除不能がん、化学療法および/または放射線に耐性のがん、ならびに末期がんを含むが、これらに限定されることはない。
本発明の方法および組成物によって評価、診断、および/または処置されうるがんは、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、***、心血管系、子宮頸、結腸、結合組織、子宮内膜、上皮、食道、脂肪、胃腸、腺、歯肉、頭部、腎臓、肝臓、肺、髄膜、筋肉、鼻咽頭、頸部、ニューロン、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、網膜、皮膚、脾臓、胃、精巣、胸腺、甲状腺、舌、または子宮に由来するがん細胞を含む。加えて、がんは、具体的には、下記の組織型のものでありうるが、これらに限定されることはない: 悪性新生物; がん腫; 未分化がん; 巨細胞紡錘形細胞がん; 小細胞がん; 乳頭状がん; 扁平上皮がん; リンパ上皮がん; 基底細胞がん; 毛母がん(pilomatrix carcinoma); 移行上皮がん; 乳頭状移行上皮がん; 腺がん; 悪性ガストリノーマ; 胆管がん; 肝細胞がん;肝細胞がんと胆管がんの混合型(combined hepatocellular and cholangiocarcinoma); 索状腺がん(trabecular adenocarcinoma); 腺様嚢胞がん; 腺腫様ポリープにおける腺がん; 家族性大腸ポリポーシス腺がん; 固形がん; 悪性カルチノイド腫瘍; 細気管支肺胞腺がん; 乳頭状腺がん;色素嫌性がん; 好酸性がん(acidophil carcinoma); 好酸性腺がん(oxyphilic adenocarcinoma); 好塩基性がん; 透明細胞腺がん; 顆粒細胞がん; 濾胞状腺がん; 乳頭状および濾胞状腺がん; 非被包性硬化性がん(nonencapsulating sclerosing carcinoma); 副腎皮質がん; 類内膜がん; 皮膚付属器がん; アポクリン腺がん; 皮脂腺がん; 耳垢腺がん; 粘液性類表皮がん; 嚢胞腺がん; 乳頭状嚢胞腺がん; 乳頭状漿液嚢胞腺がん; ムチン性嚢胞腺がん; 粘液性腺がん; 印環細胞がん; 浸潤性導管がん; 髄様がん; 小葉がん; 炎症性がん; ***パジェット病; 腺房細胞がん; 腺扁平上皮がん; 扁平上皮化生を伴う腺がん; 悪性胸腺腫; 悪性卵巣間質腫; 悪性莢膜腫; 悪性顆粒膜細胞腫; 悪性男性ホルモン産生細胞腫; セルトリ細胞腫; 悪性ライディヒ細胞腫; 悪性脂質細胞腫(lipid cell tumor, malignant); 悪性傍神経節腫; 悪性***外傍神経節腫; 褐色細胞腫; 血管球血管肉腫; 悪性黒色腫; メラニン欠乏性黒色腫; 表在拡大型黒色腫; 巨大色素性母斑における悪性黒色腫; 類上皮細胞黒色腫; 悪性青色母斑; 肉腫; 線維肉腫; 悪性線維性組織球腫; 粘液肉腫; 脂肪肉腫; 平滑筋肉腫; 横紋筋肉腫; 胎児性横紋筋肉腫; 胞巣状横紋筋肉腫; 間質性肉腫; 悪性混合腫瘍; ミュラー管混合腫瘍; 腎芽細胞腫; 肝芽腫; がん肉腫; 悪性間葉腫; 悪性ブレンナー腫瘍; 悪性葉状腫瘍; 滑膜肉腫; 悪性中皮腫; 未分化胚細胞腫; 胎生期がん; 悪性奇形腫; 悪性卵巣甲状腺腫; 絨毛がん; 悪性中腎腫; 血管肉腫; 悪性血管内皮腫; カポジ肉腫; 悪性血管外皮細胞腫; リンパ管肉腫; 骨肉腫; 傍骨骨肉腫; 軟骨肉腫; 悪性軟骨芽細胞腫; 間葉性軟骨肉腫; 骨巨細胞腫; ユーイング肉腫; 悪性歯原性腫瘍; エナメル芽細胞歯牙肉腫; 悪性エナメル上皮腫; エナメル芽細胞線維肉腫; 悪性松果体腫; 脊索腫; 悪性神経膠腫; 上衣腫; 星状細胞腫; 原形質性星状細胞腫; 線維性星状細胞腫; 星状芽細胞腫; 膠芽細胞腫; 希突起膠腫; 希突起膠芽細胞腫; 原始神経外胚葉腫瘍; 小脳肉腫; 神経節芽細胞腫; 神経芽細胞腫; 網膜芽細胞腫; 嗅神経腫瘍(olfactory neurogenic tumor); 悪性髄膜腫; 神経線維肉腫; 悪性神経鞘腫; 悪性顆粒細胞腫; 悪性リンパ腫; ホジキン病; ホジキンリンパ腫; 側肉芽腫; 悪性小リンパ球性リンパ腫; 悪性びまん性大細胞型リンパ腫; 悪性濾胞性リンパ腫; 菌状息肉腫; その他の特定の非ホジキンリンパ腫; 悪性組織球増殖症; 多発性骨髄腫; 肥満細胞肉腫; 免疫増殖性小腸疾患; 白血病; リンパ性白血病; 形質細胞性白血病; 赤白血病; リンパ肉腫細胞性白血病; 骨髄性白血病; 好塩基球性白血病; 好酸球性白血病; 単球性白血病; 肥満細胞白血病; 巨核芽球性白血病; 骨髄性肉腫; および毛様細胞性白血病。さらに、miRNA模倣体は、化生、異形成、および過形成の状態にある細胞などの、前がん細胞に用いることができる。
方法は、細胞内における1種または複数種のmiRNAの活性を供給または促進する段階を含む。方法は、特定の治療用核酸分子、すなわち、miRNA模倣体分子などの特定の核酸を細胞に提供することによって、特定の細胞の特徴を誘導することにも関する。治療用miRNA模倣体は、1つまたは複数の設計改変とともに、天然に存在するmiRNAと同一の配列を持ちうる。
或る局面において、細胞に提供される特定の核酸分子は、細胞内の特定のmiRNAに対応すると理解され、したがって、細胞内のmiRNAは「対応するmiRNA」といわれる。指定されたmiRNA分子を細胞中に導入する状況では、対応するmiRNAは、miRNAの機能を提供すると理解されよう。しかしながら、細胞中に導入された治療用核酸は、成熟miRNAではなく、適切な生理学的条件の下で成熟miRNAとなるか、または成熟miRNAとして機能することが可能であることが企図される。特定の対応する遺伝子または遺伝子転写産物がmiRNA模倣体によって標的とされる場合は、特定の遺伝子または遺伝子転写産物は「標的遺伝子」といわれる。対応する多数の遺伝子が1種または複数種の異なるmiRNA模倣体によって標的とされうることが企図される。特定の態様において、2種以上の治療用核酸が細胞中に導入される。さらに、他の態様において、2種以上のmiRNA模倣体が細胞中に導入される。さらに、治療用核酸の組み合わせが細胞中に導入されうる。本発明者らは、治療用核酸の組み合わせが、細胞の細胞経路における1つまたは複数のポイントで作用しうること、およびこのような組み合わせが、正常細胞または非標的細胞に悪影響を及ぼすことなく、標的細胞に対する効力の増大を持ちうることを企図している。したがって、治療用核酸の組み合わせは、病態の改善、細胞の成長阻害、標的細胞の死、細胞の表現型または生理機能の変化、細胞成長の遅延、第2の治療法に対する感受性増大、特定の治療法に対する感受性増大などのような十分な治療効果を供給しながら、対象または患者に対して有害作用が最小限でありうる。
方法は、そのような治療効果または細胞の特徴の誘導を必要とする細胞または患者を特定する段階を含む。また、細胞または生物体に提供される治療用核酸の量は、特定の治療効果もしくは細胞の特徴の誘導または細胞成長の低減またはがん細胞の殺傷またはがんに関連する症状の緩和などの望ましい目的を達成するために必要な量(または十分な量)をいう「有効量」であることが理解されよう。
或る局面において、方法は、望ましい生理学的結果を達成するのに有効な量で、細胞中の成熟miRNAに対応する核酸分子を細胞に提供または導入する段階を含みうる。さらに、方法は、多数の合成治療用核酸を提供する段階を伴いうる。これらの態様において、方法は、1種のみまたは複数種の合成分子の提供に制限される場合もあれば制限されない場合もあることが企図される。この状況では、細胞には、特定のmiRNAに対応する合成分子、および異なるmiRNAに対応する合成分子が提供されうる。さらに、マーカッシュ群の表現を用いたmiRNA標的のリストを用いて明確に表現される任意の方法は、マーカッシュ群の表現、およびこれに代わる離接的な品詞(すなわち、「または」)を用いずに明確に表現され、逆の場合も同じでありうる。
いくつかの態様において、(i) 治療用核酸または(ii) miRNA配列に対応する合成分子の有効量を、細胞に導入または提供する段階を含む、細胞における細胞増殖、繁殖、または再生を低減または阻害するための方法が提供される。或る態様において、この方法は、(i) 1種または複数種の成熟miRNAの5'から3'配列と少なくとも90%同一である5'から3'配列を持つmiRNA模倣体分子の有効量を、細胞に導入する段階を伴う。
本発明の或る局面には、がんまたは前がん状態のような病理学的状態を処置する方法が含まれる。1つの局面において、この方法は、標的細胞と、miRNA配列またはその相補体の全部または一部を持つ少なくとも1つの核酸セグメントを含む1種または複数種の核酸とを接触させる段階を含む。セグメントは、間にある全ての整数を含めて、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30またはそれ以上のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体でありうる。本発明の局面には、前立腺がん細胞またはがん幹細胞(CSC)などの標的細胞内での、遺伝子発現、miRNA発現もしくは機能またはmRNA発現もしくは機能の調節が含まれる。
典型的には、内在性の遺伝子、miRNAまたはmRNAが細胞内で調節される。或る局面において、治療用核酸配列は、1種もしくは複数種のmiRNAもしくは遺伝子配列またはその相補体と核酸配列が少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%同一である、少なくとも1つのセグメントを含む。細胞またはウイルスの遺伝子、miRNA、またはmRNAの発現またはプロセッシングの調節は、細胞内での転写、輸送および/または翻訳を含むプロセッシングなどの核酸のプロセッシングの調節を通じたものでありうる。調節は、細胞、組織、または器官内でのmiRNA活性の阻害または増強によっても達成されうる。そのようなプロセッシングは、コードされた産物の発現、またはmRNAの安定性に影響を及ぼしうる。
本発明の方法において、細胞または生物体(患者を含む)などの他の生物学的物体には、細胞内に存在すると対応するmiRNAとして機能する核酸分子を該細胞または生物体に投与することによって、特定のmiRNAに対応するまたは特定のmiRNAを標的とする治療用核酸を提供できることが理解されよう。したがって、核酸は、細胞のプロセッシング機序にアクセスするとプロセッシングされて成熟および活性なmiRNAとなるように提供されることが企図される。或る局面において、提供されるmiRNA分子は、成熟分子ではなく、プロセッシング機序にアクセスすると成熟miRNAまたはその機能等価体にプロセッシングされうる核酸分子であることが特に企図される。
miRNAとの関連で「非合成」という用語は、miRNAが本明細書において定義されるように、「合成」されていないことを意味する。さらに、合成miRNAの使用に関する本発明の態様において、対応する非合成miRNAの使用も本発明の局面と見なされ、逆の場合も同じであることが企図される。薬剤を「提供する」という用語は、患者に薬剤を「投与する」ことを含むように用いられることが理解されよう。
或る態様において、方法には、細胞または生物体内でのmiRNAの標的化も含まれる。「miRNAに対応する」という用語は、選択したmiRNAを模倣する(選択したmiRNAの活性または機能を提供する)ように核酸が利用されることを意味する。
さらに、核酸組成物は、治療の一環として、従来の治療法または予防剤とともに、患者に提供されうることが企図される。さらに、治療との関連で論じられるいずれの方法も、潜在的に治療の必要があるかまたは治療が必要な病態もしくは疾患のリスクがあると特定された患者において特に、予防的に適用されうることが企図される。
加えて、本発明の方法は、miRNAに対応する1種または複数種の核酸、および治療薬の利用に関する。核酸は、薬物の効果もしくは効力を増強させることができ、任意の副作用もしくは毒性を低減することができ、その生物学的利用能を変更することができ、および/または必要とされる投与量もしくは頻度を減少させることができる。或る態様において、治療薬はがんの治療薬である。結果として、いくつかの態様において、がんの治療薬(すなわち、第2の治療薬)と、がんの治療薬の効力を改善するまたは非がん細胞を保護する少なくとも1種の核酸分子の有効量とを患者に投与する段階を含む、患者における前がんまたはがんを処置する方法が提供される。がん治療は、化学的処置と放射線に基づく処置の両方による種々の併用治療も含む。
一般に、miRNA模倣体を提供して、miRNAによって標的とされる核酸の活性を減少させることができる。一般に企図される方法は、1種または複数種の異なる遺伝子に対応する1種または複数種の異なる核酸分子を提供または導入する段階を含む。下記の数の、少なくとも下記の数の、または多くても下記の数の異なる核酸またはmiRNA分子が検出され、評価され、提供され、または導入されうることが企図される: 間にある導き出せる任意の値または範囲を含めて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、またはそれ以上。
III. 薬学的製剤および送達
方法は、成熟miRNA配列を含むまたは成熟miRNA配列から本質的になる治療用核酸の有効量の送達を含む。薬学的組成物の「有効量」は、概して、記載された所望の結果を達成するために、例えば、疾患もしくはその症状の程度を改善するために、軽減するために、最小限に抑えるために、または制限するために、検出可能かつ反復可能に十分な量であると定義される。疾患の除去、根絶または治癒を含む、他のさらに厳密な定義が適用されうる。
方法は、成熟miRNA配列を含むまたは成熟miRNA配列から本質的になる治療用核酸の有効量の送達を含む。薬学的組成物の「有効量」は、概して、記載された所望の結果を達成するために、例えば、疾患もしくはその症状の程度を改善するために、軽減するために、最小限に抑えるために、または制限するために、検出可能かつ反復可能に十分な量であると定義される。疾患の除去、根絶または治癒を含む、他のさらに厳密な定義が適用されうる。
或る態様において、細胞を殺傷すること、細胞の成長を阻害すること、転移を阻害すること、腫瘍もしくは組織のサイズを縮小させること、および/または細胞の悪性もしくは疾患の表現型を逆転もしくは低減させることが望ましい。投与経路は、標的となる病変または部位の位置および性質によって必然的に変わり、例えば、皮内、皮下、局所、非経口、静脈内、筋肉内、鼻腔内、全身、ならびに経口の投与および処方を含む。不連続で固形の到達可能な前がんもしくはがん、または他の到達可能な標的領域の場合には、治療用核酸の注射または潅流が特に企図される。局所投与、限局的投与、または全身投与が適切な場合もある。
外科的介入の場合、本発明は、手術不能の病変対象を切除可能とするために術前に用いることができる。あるいは、本発明を、残存疾患または転移性疾患を処置するために、手術時におよび/または手術後に用いることができる。例えば、切除済みの腫瘍床を、治療用核酸またはその組み合わせを含む製剤とともに注射または潅流することができる。投与は、例えば、手術部位に埋め込まれたカテーテルを留置することで、切除後に継続することができる。周期的な術後処置も想定される。核酸の連続潅流も企図される。
適切な場合には、例えば、腫瘍または他の望ましくない患部が切除され、かつ腫瘍床または標的部位が顕微鏡的遺残病変を除去するように処置される場合には、連続投与が適用されうる。注射器を介した送達、またはカテーテル留置が企図される。このような持続的な潅流は、処置の開始から約1〜2時間、約2〜6時間、約6〜12時間、約12〜24時間、約1〜2日間、約1〜2週間またはそれ以上の期間行われうる。概して、持続的な潅流を介した治療用組成物の用量は、潅流が行われる時間にわたって調整された単回または複数回の注射による場合と同等となる。
処置レジメンも多様であってよく、病変のタイプおよび/または位置、標的部位、疾患の進行、ならびに患者の健康、免疫状態および年齢に依存することが多い。特定の腫瘍タイプは、より積極的な処置を必要とする。医師は、そうした決定を、治療用製剤の既知の効力および毒性(もしあれば)に基づいて最適に行う。
或る態様において、処置対象となる病変または患部は、少なくとも当初は、切除できない場合がある。本発明の組成物による処置は、周縁部における収縮のために、またはある特定の浸潤性部分の除去によって、病変の切除可能性を高めうる。処置後に、切除が可能でありうる。切除後の追加的な処置は、腫瘍または標的部位における顕微鏡的遺残病変を除去するのに役立ちうる。
処置は、さまざまな「単位用量」を含みうる。単位用量は、所定量の治療用組成物を含有すると定義される。投与される量、ならびに特定の経路および製剤は、臨床分野の当業者の技術の範囲内である。単位用量は、単回注射として投与される必要はなく、一定の時間をかけた持続的な注入を含みうる。単位用量は、利便性を考慮して、ng単位、μg単位またはmg単位のmiRNAもしくはmiRNA模倣体として記述されうる。あるいは、指定の量は、平均して毎日、平均して毎週、または平均して毎月の用量として投与される量でありうる。
治療用核酸は患者に、約または少なくとも約0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000 ng、μgもしくはmg、またはそれ以上、またはその中で導き出せる任意の範囲の用量で、投与することができる。あるいは、指定の量は、平均して毎日、平均して毎週、もしくは平均して毎月の用量として投与される量であってもよく、またはmg/kg単位で表されてもよく、ここでkgは患者の体重をいい、mgは上記で指定される。他の態様において、指定の量は、上記の任意の数字であるが、(腫瘍サイズまたは患者の表面積に関して) mg/m2として表される。いくつかの態様において、用量またはレジメンは処置を必要とする患者に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間ごとに、および/または1、2、3、4、5、6、7日ごとに、および/または1、2、3、4週ごとに、ならびにその中で導き出せる任意の範囲ごとに投与されうる。
いくつかの態様において、治療用核酸の送達のための方法は、局所投与または全身投与によるものである。しかしながら、本明細書において開示される薬学的組成物はまた、米国特許第5,543,158号; 同第5,641,515号および同第5,399,363号(いずれもその全体が参照により本明細書に具体的に組み入れられる)に記述されているように、非経口的に、皮下に、気管内に、静脈内に、皮内に、筋肉内に、またはさらには腹腔内に投与されうる。
核酸の注射は、注射器によって、または核酸および任意の関連成分が注射に必要な特定のゲージの注射針を通過可能な限りにおいて、溶液の注射に使用される他の任意の方法によって、送達されうる。注射器系は、所定量の溶液の複数回の注射を任意の深度で正確に可能とする、遺伝子治療における使用に関しても記述されている(米国特許第5,846,225号)。
遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適当に混合された水中で調製することができる。分散液を、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、これらの混合物中で、および油中で調製することもできる。保存および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の成長を防ぐための保存剤を含有する。注射可能な使用に適した薬学的剤形は、無菌の水溶液または分散液、および無菌の注射可能な溶液または分散液の即時調製用の無菌粉末を含む(全体が参照により本明細書に具体的に組み入れられる米国特許第5,466,468号)。典型的には、剤形は無菌でなければならず、かつ注射容易性が存在する程度に流動性でなければならない。これは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、かつ細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、これらの適当な混合物、および/または植物油を含有する溶媒または分散媒でありうる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要な粒子径の維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物での使用によってもたらすことができる。
特定の製剤では、水性の製剤が利用され、その一方で、他の製剤では、脂質に基づきうる。本発明の特定の態様において、本発明の核酸を含む組成物は、水性の製剤中である。他の態様において、製剤は脂質に基づく。
例えば、水溶液中での非経口投与の場合、必要なら、溶液を適当に緩衝化すべきであり、かつ液体希釈剤を最初に、十分な生理食塩水またはグルコースによって等張とすべきである。このような特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、腫瘍内投与、病巣内投与、および腹腔内投与に特に適している。これと関連して、利用できる無菌の水性溶媒は、本開示に照らして当業者に既知であろう。例えば、1回分の投与量を等張性NaCl溶液1 mlに溶解し、皮下注入液1000 mlに加え、または提案される注入部位に注射してもよい(例えば「Remington's Pharmaceutical Sciences」第15版の1035〜1038頁および1570〜1580頁を参照のこと)。処置される対象の病態に依り、投与量の何らかの変更が必要である。投与に責任のある者が、いずれにせよ、個々の対象に適した用量を判定する。さらに、ヒトでの投与の場合、調製物は、FDA生物製剤標準局によって必要とされる滅菌性、発熱性、全般的安全性および純度標準を満たさなければならない。本明細書において用いられる場合、「担体」は、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、媒体、コーティング、希釈剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、緩衝液、担体溶液、懸濁液、コロイドなどを含む。薬学的活性物質に対する、このような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分に適合しない場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助活性成分を組成物に組み入れることもできる。「薬学的に許容される」という語句は、ヒトへの投与時にアレルギー反応または類似の有害な反応を生じない分子実体および組成物をいう。核酸は、投与剤形に適合した様式で、および治療的に有効となる量で投与される。投与される量は、例えば、疾患またはがんの悪性度、任意の腫瘍または病変のサイズ、処置歴または他の処置過程を含めて、処置される対象に依る。投与に必要とされる活性成分の的確な量は、実践者の判断に依る。初回の投与および後続の投与に適したレジメンも可変であるが、初回の投与の後に他の投与を典型的には行う。このような投与は、10、20、30、40、50、60分、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間もしくはそれ以上の時間、および/または1、2、3、4、5、6、7日もしくはそれ以上に及ぶ期間にわたって継続的な、単回の投薬として、全身性でありうる。さらに、投与は、製剤化および/または投与方法によって実行される、徐放または持続放出の機序を通じたものでありうる。他の適当な送達系は、徐放、遅延放出、持続放出、または制御放出の送達系を含むが、これらに限定されることはない。そのような系は、多くの場合において反復投与を回避し、対象および医師にとっての利便性を高めうる。多くのタイプの放出送達系が当業者には利用可能であり、公知である。それらは、例えば、ポリ乳酸および/もしくはポリグリコール酸、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、コポリオキサレート、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、ならびに/またはこれらの組み合わせなどの重合体に基づく系を含む。核酸を含有する上述の重合体のマイクロカプセルは、例えば、米国特許第5,075,109号に記述されている。他の例としては、コレステロールなどのステロール、コレステロールエステル、ならびにモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドなどの脂肪酸または中性脂肪を含む脂質に基づく非重合体系; ヒドロゲル放出系; リポソームに基づく系; リン脂質に基づく系; シラスティック系; ペプチドに基づく系; ワックスコーティング; 従来の結合剤および賦形剤を用いた圧縮錠; または部分的に融合したインプラントが挙げられる。具体的な例としては、RNA分子がマトリックス内で製剤中に含有されている侵食系(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,452,775号、同第4,675,189号、同第5,736,152号、同第4,667,013号、同第4,748,034号および同第5,239,660号に記述されている)、または活性成分が放出速度を制御する拡散系(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第3,832,253号、同第3,854,480号、同第5,133,974号および同第5,407,686号に記述されている)が挙げられるが、これらに限定されることはない。製剤は、例えば、マイクロスフェア、ヒドロゲル、重合体リザーバ、コレステロールマトリックス、または重合体系として存在してもよい。いくつかの態様において、系は、例えば、RNA分子を含有する製剤の拡散または侵食/分解速度の制御を通じて、組成物の持続放出または制御放出が行われることを可能にしうる。加えて、ポンプに基づくハードウェア送達系を用いて、1つまたは複数の態様を送達してもよい。一気に放出が行われる系の例としては、例えば、重合体マトリックスにカプセル封入されているリポソームであって、特定の刺激、例えば、温度、pH、光または分解酵素に感受性である該リポソームに組成物が封入される系、およびマイクロカプセルのコア分解酵素とともにイオン的に被覆されたマイクロカプセルによって組成物がカプセル封入されている系が挙げられる。分子の放出が漸進的かつ継続的である系の例としては、例えば、組成物がマトリックス内にある形態で含有されている侵食系、および組成物が、例えば、重合体を通じて、制御された速度で浸透する浸出系が挙げられる。このような持続放出系は、例えば、ペレットまたはカプセルの形態でありうる。組成物および方法を用いて、RNA分子の送達を増強させることができる(総説は、参照により本明細書に組み入れられるShim and Kwon (2010)を参照のこと)。送達の増強のための組成物および方法は、循環、適切な生体内分布、効率的な細胞輸送、効率的な細胞内プロセッシングなどを通じて効率的な送達を提供することができる。製剤および組成物は、RNA分子の化学修飾、RNA分子もしくはRNA前駆体のウイルスベクターもしくは非ウイルスベクターへの組み入れ、RNA分子送達の標的指向化、および/または細胞送達増進剤とのRNA分子の結合の1つまたは複数を含みうるが、これらに限定されることはない。
或る局面において、化学的に修飾されたRNA分子は、上記の化学修飾の有無にかかわらず、担体分子へのRNA分子の結合を含みうる。或る局面において、担体分子は天然重合体または合成重合体である。例えば、担体分子はコレステロールまたはRNAアプタマーなどでありうる。担体分子は、活性鎖もしくはパッセンジャー鎖のどちらかの5'末端および/もしくは3'末端で、または内部ヌクレオチドの位置で、RNA分子と結合されうる。担体はRNA分子のどちらかの鎖と結合されうる。
さらなる局面において、RNA分子の1本または2本の鎖がウイルスベクターによってコードされ、またはウイルスベクターで送達されうる。当技術分野において公知の種々のウイルスベクターを修飾して、標的細胞中でRNA分子を発現または運搬させることができ、例えば、単純ヘルペスウイルス-1またはレンチウイルスベクターを用いて、siRNAの送達を増強させている。
さらなる局面において、RNA分子を非ウイルスベクターと会合させることができる。非ウイルスベクターを抗体、さまざまな重合体(例えば、PEG)、融合ペプチド、リンカー、細胞透過性ペプチドなどのような標的指向部分および送達増強部分と結合させることができる。非ウイルスベクターはリポソームおよびリポプレックス、重合体およびペプチド、合成粒子などを含むが、これらに限定されることはない。或る局面において、リポソームまたはリポプレックスは中性電荷、負電荷または正電荷を持ち、カルジオリピン、アニサミド結合ポリエチレングリコール、ジオレオイルホスファチジルコリン、または種々の他の中性、陰イオン性もしくは陽イオン性の脂質もしくは脂質結合体を含みうる。siRNAを陽イオン性重合体(例えば、ポリエチレンイミン(PEI))、生分解性陽イオン性多糖類(例えば、キトサン)、または陽イオン性ポリペプチド(例えば、アテロコラーゲン、ポリリジンおよびプロタミン)と複合体化させることができる。
或る局面において、RNA送達は、RNAを細胞へと標的指向させることによって増強させることができる。標的指向部分は種々の送達組成物と結合させることができ、標的細胞への選択的または特異的結合を提供することができる。標的指向部分は、細胞表面受容体、細胞特異的な細胞外ポリペプチド、糖類または脂質などに結合する部分を含みうるが、これらに限定されることはない。例えば、葉酸のような小分子、RGD含有ペプチドのようなペプチド、および上皮成長因子受容体に対する抗体のような抗体を用いて、特定の細胞型を標的とすることができる。
さらなる局面において、送達は、取り込みおよび細胞内輸送のような細胞機構および機序と相互作用する部分によって増強させることができる。或る局面において、細胞透過性ペプチド(CPP) (例えば、HIV-1由来のTATおよびMPG、ペネトラチン、ポリアルギニンをsiRNAまたは送達ベクターと結合させて、細胞への送達を増強させることができる。融合ペプチド(例えば、HIV-1外被の内部ドメイン誘導体(HGP)またはインフルエンザ融合ペプチド(diINF-7))を用いて、細胞送達を増強させることもできる。
コレステロール-siRNA、RNAアプタマー-siRNA、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、安定核酸脂質粒子(SNALP)、カルジオリピン類似体に基づくリポソーム、DSPE-ポリエチレングリコール-DOTAP-コレステロールリポソーム、ヒアルロナン-DPPEリポソーム、中性DOPCリポソーム、アテロコラーゲン、キトサン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、プロタミン、RGD-ポリエチレングリコール-ポリエチレンイミン、ヒスチジン-リジンペプチドを有するHER-2リポソーム、HIV抗体-プロタミン、アルギニン、オリゴアルギニン(9R)結合水溶性リポ重合体(WSLP)、オリゴアルギニン(15R)、TAT-PAMAM、コレステロール-MPG-8、DOPE-陽イオン性リポソーム、GALAペプチド-PEG-MMP-2切断可能なペプチド-DOPEなどのような種々の送達系を用いて、siRNAの送達を増強させている。
がん患者におけるmiRNA模倣体に最適な治療用量範囲は、患者体重1 kgあたりmiRNA 0.01〜5.0 mg (mg/kg)であることが企図される。いくつかの態様において、RNA分子が約、少なくとも約、もしくは多くても約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7.3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0 mg、またはその中で導き出せる任意の範囲のものが組成物中で製剤化され、および/または患者に投与されうることが企図される。いくつかの態様において、患者に1用量またはレジメンあたり、RNA分子0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7.3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0 mg/kg、またはその中で導き出せる任意の範囲のものを投与してもよく、これは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間ごとに、および/または1、2、3、4、5、6、7日ごとに、および/または1、2、3、4週ごとに、ならびにその中で導き出せる任意の範囲ごとに投与されてもよい。
注射は静脈内(IV)、腹腔内(IP)、筋肉内(IM)、腫瘍内(IT)、気管内(肺内送達の場合)、硝子体内(眼疾患の場合)、または皮下であってよく、これらは全て、本明細書において記述されるRNA分子の送達方法として有効であるものと判定されている。中性脂肪乳剤(NLE)、アテロコラーゲン、SNALP、DiLA、およびシクロデキストリンを含むが、これらに限定されない、いくつかの送達技術が特に企図され、これらは以下でさらに詳細に論じられる。
中性脂肪乳剤(NLE)は、中性脂肪、油、および乳化剤をmiRNA模倣体と組み合わせて、静脈内(IV)注射後に腫瘍および他の組織へのmiRNAの送達を可能にする複合体を生ずる製剤の集まりである。そのような製剤の1つでは、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、スクアレン、ポリソルベート20 (Tween-20)、およびアスコルビン酸を1:2.6:53.4:0.1 (w/w)の比で組み合わせる。NLE構成成分をクロロホルムのような溶媒中で混合し、その後、ロータリー・エバポレータを用いて溶媒を除去し、粘性溶液を残す。PBSに溶解されたmiRNA模倣体をDOPCに、1:2 (w/w)の比で加える。或る態様において、RNA分子とDOPCとの比は、約、少なくとも約、または多くても約0.1:1、0:2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1:0.9、1:0.8、1:0.7、1:0.6、1:0.5、1:0.4;1:0.3、1:0.2、1:0.1およびその中で導き出せる任意の範囲である。超音波処理は、ヒトではおよそ0.01〜1 mg/kgの割合でIV注射できる、粒子 + miRNAを生ずる。或る態様において、この製剤の量は1用量またはレジメンあたり患者に、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7.3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0 mg/kgの量で提供され、これは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間ごとに、および/または1、2、3、4、5、6、7日ごとに、および/または1、2、3、4週ごとに、ならびにその中で導き出せる任意の範囲ごとに投与されてもよい。
アテロコラーゲン/miRNA複合体は、等量のアテロコラーゲン(PBS pH 7.4中0.1%) (Koken Co., Ltd.; Tokyo, Japan)およびmiRNA溶液(20 μM miRNA)を混合し、混合物を4℃で1時間回転させることによって調製される。得られたmiRNA/アテロコラーゲン複合体を0.05%のアテロコラーゲン終濃度までPBS中で希釈する。或る態様において、アテロコラーゲンの最終の百分率濃度は、約、少なくとも約、または多くても約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.20%、およびその中で導き出せる任意の範囲である。
SNALPは、核酸の全身送達のためにTekmiraによって開発された製剤の集まりに分類される。最も公開されている製剤は、脂質の3-N-[(qメトキシポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル]-1,2-ジミリスチルオキシ-プロピルアミン(PEG-C-DMA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)およびコレステロールを、2:40:10:48のモルパーセント比で含有する。脂質製剤をsiRNA/miRNAと混合し、エタノール希釈法を用いて粒子を形成させる(Jeffs 2005、これは参照により本明細書に組み入れられる)。いくつかの態様において、脂質と核酸との比(w:w)は、約、少なくとも約、または多くても約0.001:1、0.002:1、0.003:1、0.004:1、0.005:1、0.006:1、0.007:1、0.008:1、0.009:1、0.01:1、0.02:1、0.03:1、0.04:1、0.05:1、0.06:1、0.07:1、0.08:1、0.09:1、0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1:0.9、1:0.8、1:0.7、1:0.6、1:0.5、1:0.4;1:0.3、1:0.2、1:0.1、1:0.09、1:0.08、1:0.07、1:0.06、1:0.05、1:0.04、1:0.03、1:0.02、1:0.01、1:0.009、1:0.008、1:0.007、1:0.006、1:0.005、1:0.004、1:0.003、1:0.002、1:0.001もしくはその中で導き出せる任意の範囲である。
Tekmiraは、90%超のカプセル封入効率を達成すると主張している。粒子径はおよそ110 nmである。
DiLA2は、低分子dsRNAの全身送達のためにMarina Biotech Inc. (Bothell, WA, USA)によって開発された種々の製剤の一群について記述している。製剤の1つでは、C18:1-norArg-NH3Cl-C16、コレステリルヘミスクシネート(CHEMS, Anatrace, CH210)、コレステロール(Anatrace CH200)、およびDMPE-PEG2k (Genzyme)を50:28:20:2 (w/w)の比で組み合わせる。低分子dsRNAを脂質製剤と、RNA:脂質比1.7:1〜5:1 (w/w)で組み合わせる。いくつかの態様において、RNA:脂質比は、約、少なくとも約、または多くても約0.001:1、0.002:1、0.003:1、0.004:1、0.005:1、0.006:1、0.007:1、0.008:1、0.009:1、0.01:1、0.02:1、0.03:1、0.04:1、0.05:1、0.06:1、0.07:1、0.08:1、0.09:1、0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1:0.9、1:0.8、1:0.7、1:0.6、1:0.5、1:0.4;1:0.3、1:0.2、1:0.1、1:0.09、1:0.08、1:0.07、1:0.06、1:0.05、1:0.04、1:0.03、1:0.02、1:0.01、1:0.009、1:0.008、1:0.007、1:0.006、1:0.005、1:0.004、1:0.003、1:0.002、1:0.001およびその中で導き出せる任意の範囲である。この2つの構成成分を衝突流によって混合し、1時間インキュベートして、およそ125 nmの直径を有する安定な粒子を生み出す。
Pharmaceuticals, Inc. (Pasadena, CA, USA)は、シクロデキストリンに基づく粒子を特徴としたRONDEL(商標)と呼ばれる送達プラットホームを開発している。シクロデキストリンポリ陽イオン(CDP)がアダマンタン-PEG5000 (AD-PEG)結合体と、1:1のAD:CDP (mol/mol)比で混合される(Hu-Lieskovan 2005、これは参照により本明細書に組み入れられる)。トランスフェリン修飾AD-PEG (AD-PEG-トランスフェリン)を1:1,000のAD-PEG-トランスフェリン:AD-PEG (w/w)比で加えて標的指向部分を提供し、トランスフェリンレベルの上昇を有するがん細胞への送達を改善することができる。この混合物を等量のRNA分子に、3:1 (+/-)の電荷比(CDP由来の正電荷 対 miRNA骨格由来の負電荷)で加える。或る態様において、混合物とRNA分子との間の電荷比は、約、少なくとも約、または多くても約5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、またはその中で導き出せる任意の範囲である。得られたポリプレックスに、等量の10% (w/v)グルコース水を加えて、注射に適した5% (w/v)グルコース(D5W)中の最終ポリプレックス製剤を得る。
いくつかの態様において、粒子を用いて、治療用核酸を送達する。いくつかの態様において、粒子径は、約、少なくとも約、または多くても約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250 nm、またはその中で導き出せる任意の範囲である。
A. 併用処置
或る態様において、組成物および方法は、治療用核酸を伴う。これらの組成物を第2の治療と組み合わせて用いて、miRNA治療の効果を増強することができ、または利用されている別の治療の治療効果を高めることができる。これらの組成物はがん細胞の殺傷および/または細胞の過剰増殖の阻害のような所望の効果を達成するのに有効な、組み合わせた量で提供される。この過程は、細胞と治療用核酸または第2の治療とを同じ時点でまたは異なる時点で接触させる段階を伴いうる。これは、1種もしくは複数種の薬剤を含む1種もしくは複数種の組成物もしくは薬理学的製剤と細胞とを接触させることによって、または2種もしくはそれ以上の異なる組成物もしくは製剤と細胞とを接触させることによって達成することができ、ここで1種の組成物が(1) 治療用核酸; および/または(2) 第2の治療を提供する。化学療法、放射線療法、外科的治療、免疫療法または遺伝子治療を含む、第2の組成物または方法を施すことができる。
或る態様において、組成物および方法は、治療用核酸を伴う。これらの組成物を第2の治療と組み合わせて用いて、miRNA治療の効果を増強することができ、または利用されている別の治療の治療効果を高めることができる。これらの組成物はがん細胞の殺傷および/または細胞の過剰増殖の阻害のような所望の効果を達成するのに有効な、組み合わせた量で提供される。この過程は、細胞と治療用核酸または第2の治療とを同じ時点でまたは異なる時点で接触させる段階を伴いうる。これは、1種もしくは複数種の薬剤を含む1種もしくは複数種の組成物もしくは薬理学的製剤と細胞とを接触させることによって、または2種もしくはそれ以上の異なる組成物もしくは製剤と細胞とを接触させることによって達成することができ、ここで1種の組成物が(1) 治療用核酸; および/または(2) 第2の治療を提供する。化学療法、放射線療法、外科的治療、免疫療法または遺伝子治療を含む、第2の組成物または方法を施すことができる。
患者にmiRNA治療と第2の治療とを、約12〜24時間の間隔で、およびより好ましくは、約6〜12時間の間隔で提供できることが企図される。しかしながら、状況によっては、処置の期間を有意に延長することが望ましい場合があり、各投与の間に数日(2、3、4、5、6または7日)〜数週間(1、2、3、4、5、6、7または8週間)が設けられる。
或る態様において、処置過程は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90日またはそれ以上、続く。1種の薬剤が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、および/もしくは90日目に、またはこれらの任意の組み合わせで投与されてよく、かつもう1種の薬剤が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、および/もしくは90日目に、またはこれらの任意の組み合わせで与えられることが企図される。患者には1日(24時間)以内に、1回または複数回の薬剤投与が実施されうる。さらに、処置経過の後に、処置が施されない期間が設けられることが企図される。この期間は患者の状態、例えばその予後、体力、健康などに依り、1、2、3、4、5、6、7日、および/もしくは1、2、3、4、5週、および/もしくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月またはそれ以上、続きうる。
患者に対する本発明の任意の化合物または治療の投与は、もしあれば、ベクターもしくは任意のタンパク質、または他の薬剤の毒性を考慮して、そのような化合物の投与に関する一般的なプロトコルに従う。それゆえ、いくつかの態様において、併用治療に起因する毒性をモニタリングする段階が設けられる。処置のサイクルは、必要に応じて繰り返されることが予想される。さまざまな標準的治療、および外科的介入が、記述の治療と組み合わせて適用されうることも企図される。
特定の局面において、化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的治療または他の遺伝子治療のような第2の治療が、本明細書において記述されているように、miRNA治療と組み合わせて利用されることが企図される。
化学療法剤の例としては、チオテパおよびシクロスホスファミドなどのアルキル化剤; ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル; ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)およびウレドーパなどのアジリジン; アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミンおよびメチラメラミン; アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン); カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む); ブリオスタチン; カリスタチン; CC-1065 (そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む); クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8); ドラスタチン; デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189およびCB1-TM1を含む); エリュテロビン; パンクラチスタチン; サルコジクチイン; スポンギスタチン; クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード; カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン(ranimnustine)などのニトロソウレア; エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1IおよびカリケアマイシンオメガI1; ジネマイシンAを含むジネマイシン; クロドロネートなどのビスホスホネート; エスペラマイシン; ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オーソラルナイシン(authrarnycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン(nogalarnycin)、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン; メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗物質; デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサートなどの葉酸類似体; フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体; アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体; カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン(dromostanolone)、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン; アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤; フォリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充薬; アセグラトン; アルドホスファミドグリコシド; アミノレブリン酸; エニルウラシル; アムサクリン; ベストラブシル; ビサントレン; エダトラキサート(edatraxate); デホファミン(defofamine); デメコルシン; ジアジコン; エルホルミチン(elformithine); 酢酸エリプチニウム; エポチロン; エトグルシド; 硝酸ガリウム; ヒドロキシウレア; レンチナン; ロニダイニン(lonidainine); メイタンシンおよびアンサミトシンなどのメイタンシノイド; ミトグアゾン; ミトキサントロン; モピダンモール(mopidanmol); ニトラエリン(nitraerine); ペントスタチン; フェナメット; ピラルビシン; ロソキサントロン; ポドフィリン酸; 2-エチルヒドラジド; プロカルバジン; PSKポリサッカライド複合体); ラゾキサン; リゾキシン; シゾフィラン; スピロゲルマニウム; テヌアゾン酸; トリアジコン; 2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; トリコテセン(特にT-2毒素、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジン); ウレタン; ビンデシン; ダカルバジン; マンノムスチン; ミトブロニトール; ミトラクトール; ピポブロマン; ガサイトシン(gacytosine); アラビノシド(「Ara-C」); シクロホスファミド; チオテパ; タキソイド、例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル(doxetaxel); クロラムブシル; ゲムシタビン; 6-チオグアニン; メルカプトプリン; メトトレキサート; シスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチンなどの白金配位錯体; ビンブラスチン; 白金; エトポシド(VP-16); イホスファミド; ミトキサントロン; ビンクリスチン; ビノレルビン; ノバントロン; テニポシド; エダトレキサート; ダウノマイシン; アミノプテリン; ゼローダ; イバンドロネート; イリノテカン(例えば、CPT-11); トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000; ジフルオロメチルオルニチン(DMFO); レチノイン酸などのレチノイド; カペシタビン; ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられる。
放射線治療とも呼ばれる放射線療法は、電離放射線によるがんおよび他の疾患の処置である。電離放射線は、細胞の遺伝物質に損傷を与えることによって処置対象域中の細胞を傷つけるまたは破壊し、これらの細胞が成長し続けることを不可能にするエネルギーを付与する。放射線はがん細胞と正常細胞の両方に損傷を与えるが、後者は自らを修復して適切に機能することが可能である。放射線療法を用いて、皮膚、舌、喉頭、脳、***、または子宮頸のがんのような局所固形腫瘍を処置することができる。放射線療法を用いて、白血病およびリンパ腫(それぞれ、造血細胞およびリンパ系のがん)を処置することもできる。
本発明によって用いられる放射線治療は、γ線、X線の使用、および/または放射性同位体の腫瘍細胞への直接送達を含みうるが、これらに限定されることはない。マイクロ波、陽子ビーム照射(米国特許第5,760,395号および同第4,870,287号)ならびにUV照射のような、他の形態のDNA損傷因子も企図される。これらの因子は全て、DNAに、DNAの前駆体に、DNAの複製および修復に、ならびに染色体の集合および維持に、広範囲の損傷を与える可能性が最も高い。X線の線量範囲は、長期間(3〜4週間)に及ぶ50〜200レントゲンの1日線量から、2000〜6000レントゲンの単回照射まで幅がある。放射性同位体の線量範囲は幅が極めて広く、同位体の半減期、放出される放射線の強度およびタイプ、ならびに新生物性細胞による取り込みに依存する。放射線療法は、放射線の線量をがん部位に直接送達するために、放射標識抗体の使用を含みうる(放射免疫療法)。体内に注射された抗体はがん細胞を活発に探し出し、がん細胞は、放射線の細胞殺傷(細胞傷害性)作用によって破壊される。この手法は、健常な細胞に対する放射線による損傷のリスクを最小限に抑えることができる。
脳腫瘍および他の腫瘍に対する定位的放射線手術(ガンマナイフ)は、メスを使用しないが、極めて正確にガンマ放射線療法のビームを数百の異なる角度からあてる。放射線療法の1回のセッションには約4〜5時間を要する。この処置では、特注の金属の枠が頭部に装着される。次に、処置が必要とされる正確な領域を見つけるために、複数のスキャンおよびX線が実施される。脳腫瘍の放射線療法では、患者は、放射線療法のビームが通過する数百個の穴の開いた大きなヘルメットを頭部に装着する。関連する手法によって、身体の他の部位における腫瘍の処置のための位置付けが可能となる。
がんの処置との関連で、免疫療法剤は一般に、がん細胞を標的としかつ破壊する免疫エフェクター細胞およびエフェクター分子の使用に依る。その一例がトラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(商標))である。免疫エフェクターは、例えば、腫瘍細胞の表面上のいくつかのマーカーに特異的な抗体でありうる。抗体は、単独で治療のエフェクターとして機能する場合があり、または他の細胞を動員して細胞殺傷に実質的に影響を与える場合もある。抗体を薬物または毒素(化学療法剤、放射線核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)に結合させ、単純に標的指向薬剤とすることもできる。あるいは、エフェクターは、腫瘍細胞標的と直接的または間接的に相互作用する表面分子を保有するリンパ球でありうる。さまざまなエフェクター細胞は、細胞傷害性T細胞およびNK細胞を含む。治療様式、すなわち直接的な細胞傷害活性およびErbB2の阻害または低減の組み合わせは、ErbB2を過剰発現するがんの処置において治療的利益をもたらしうる。
免疫療法の1つの局面では、腫瘍細胞または疾患細胞は、標的化を可能とする、すなわち、他の大半の細胞には存在しない、いくつかのマーカーを有していなければならない。多くの腫瘍マーカーが存在し、かつその任意のマーカーが、本発明における標的化に適している可能性がある。一般的な腫瘍マーカーは、がん胎児性抗原、前立腺特異的抗原、泌尿器腫瘍関連抗原、胎児抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG-72、HMFG、シアリルルイス(Sialyl Lewis)抗原、MucA、MucB、PLAP、エストロゲン受容体、ラミニン受容体、erbBおよびp155を含む。免疫療法の別の局面は、抗がん作用を免疫刺激作用と組み合わせることである。以下を含む免疫刺激分子も存在する: IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、γ-IFNのようなサイトカイン、MIP-1、MCP-1、IL-8のようなケモカイン、およびFLT3リガンドのような成長因子。免疫刺激分子をタンパク質の状態で使用するか、またはMDA-7のような腫瘍抑制因子を併用した遺伝子送達を使用することで抗腫瘍作用が高まることがわかっている(Ju et al., 2000)。さらに、これらの任意の化合物に対する抗体を用いて、本明細書において論じられる抗がん剤を標的化することができる。
現在研究中のまたは使用中の免疫療法の例は免疫アジュバント、例えば、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、ジニトロクロロベンゼンおよび芳香族化合物(米国特許第5,801,005号および同第5,739,169号; Hui and Hashimoto, 1998; Christodoulides et al., 1998)、サイトカイン治療薬、例えば、インターフェロンα、インターフェロンβおよびインターフェロンγ; IL-1、GM-CSFおよびTNF (Bukowski et al, 1998; Davidson et al., 1998; Hellstrand et al., 1998)による遺伝子治療、例えば、TNF、IL-1、IL-2、p53 (Qin et al., 1998; Austin-Ward and Villaseca, 1998; 米国特許第5,830,880号および同第5,846,945号)ならびにモノクローナル抗体、例えば、抗ガングリオシドGM2、抗HER-2、抗p185; Pietras et al., 1998; Hanibuchi et al., 1998; 米国特許第5,824,311号)である。ハーセプチン(トラスツズマブ)は、HER2-neu受容体をブロックするキメラ(マウス-ヒト)のモノクローナル抗体である。ハーセプチンは、抗腫瘍活性を保有し、悪性腫瘍の処置での使用が認可されている(Dillman, 1999)。いくつかの公知の抗がん免疫療法剤およびその標的の非限定的なリストは、(一般名/標的)セツキシマブ/EGFR、パニツムマブ/EGFR、トラスツズマブ/erbB2受容体、ベバシズマブ/VEGF、アレムツズマブ/CD52、ゲムツズマブオゾガマイシン/CD33、リツキシマブ/CD20、トシツモマブ/CD20、マツズマブ/EGFR、イブリツモマブチウキセタン/CD20、トシツモマブ/CD20、HuPAM4/MUC1、MORAb-009/メソテリン、G250/炭酸脱水酵素IX、mAb 8H9/8H9抗原、M195/CD33、イピリムマブ/CTLA4、HuLuc63/CS1、アレムツズマブ/CD53、エプラツズマブ/CD22、BC8/CD45、HuJ591/前立腺特異的膜抗原、hA20/CD20、レクサツムマブ/TRAIL受容体-2、ペルツズマブ/HER-2受容体、Mik-β-1/IL-2R、RAV12/RAAG12、SGN-30/CD30、AME-133v/CD20、HeFi-1/CD30、BMS-663513/CD137、ボロシキシマブ/抗α5β1インテグリン、GC1008/TGFβ、HCD122/CD40、シプリズマブ/CD2、MORAb-003/葉酸受容体α、CNTO 328/IL-6、MDX-060/CD30、オファツムマブ/CD20、およびSGN-33/CD33を含む。これらの1つまたは複数の治療が、本明細書において記述されるmiRNA治療で利用されうることが企図される。
がんの受動免疫療法のためのいくつかの異なる手法が存在する。それらは以下に大別されうる: 抗体のみの注射; 毒素または化学療法剤と結合された抗体の注射; 放射性同位体と結合された抗体の注射; 抗イディオタイプ抗体の注射; および最後に、骨髄中の腫瘍細胞の一掃。
がんを有する者のおよそ60%が、予防的、診断的、または病期分類的、治癒的および対症的な手術を含む、ある種の手術を受ける。治癒手術は、本発明の処置、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、遺伝子治療、免疫療法および/または代替療法のような他の治療とともに用いられうるがん処置である。
治癒手術は、がん性組織の全部または一部が物理的に除去され、切除され、および/または破壊される切除を含む。腫瘍の切除は、腫瘍の少なくとも一部の物理的な除去をいう。腫瘍の切除に加えて、手術による処置は、レーザー手術、冷凍外科療法、電気手術、および顕微鏡下手術(モース手術)を含む。本発明は、表在がん、前がん、または偶発的な量の正常組織の除去とともに用いられうることがさらに企図される。
がんの細胞、組織、または腫瘍の一部または全部の切除によって、体内に空隙が形成されうる。処置は、さらなる抗がん治療による患部への潅流、直接注射または局所適用によって達成されうる。そのような処置は、例えば、1、2、3、4、5、6もしくは7日ごとに、または1、2、3、4および5週ごとに、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12ヶ月ごとに繰り返すことができる。これらの処置は、投与量も異なるものでありうる。
本発明とともに、または前述した他の任意のがん治療と組み合わせて、ホルモン療法を用いることもできる。テストステロンまたはエストロゲンのような特定のホルモンの作用のレベルを低下させるか、またはブロックするために、***、前立腺、卵巣、または子宮頸のがんのような特定のがんの処置においてホルモンを利用することができる。この処置は、処置選択肢として、または転移のリスクを低減させるために、少なくとも1つの他のがん治療と組み合わせて用いられることが多い。
IV. 実施例
下記の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。当業者は、下記の実施例に開示された技法が、本発明者らにより、本発明の実践においてうまく機能することが見出された技法に当たること、したがって本発明の実践に関する好ましい様式を構成すると見なされうると理解するはずである。しかしながら、当業者は、本開示に鑑みて、開示されている特定の態様に多くの変更が成されうること、またそれでも本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果が得られることを理解するはずである。
下記の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。当業者は、下記の実施例に開示された技法が、本発明者らにより、本発明の実践においてうまく機能することが見出された技法に当たること、したがって本発明の実践に関する好ましい様式を構成すると見なされうると理解するはずである。しかしながら、当業者は、本開示に鑑みて、開示されている特定の態様に多くの変更が成されうること、またそれでも本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果が得られることを理解するはずである。
実施例1: 抗細胞増殖活性に及ぼすmiR-124のパッセンジャー鎖または活性鎖におけるヌクレオチド修飾の効果
miRNAの活性は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)のタンパク質と相互作用するその能力およびハイブリダイゼーションを通じてmRNA標的と相互作用するその能力の両方に依る。細胞内でのmiRNAの活性を妨害せずに二本鎖miR-124中のどのヌクレオチドを修飾できるかを判定するため、本発明者らは、2'酸素-メチル(2'O-Me)修飾ヌクレオチドが二本鎖miRNAの活性鎖上のまたはパッセンジャー鎖上の隣接する2つの位置に組み入れられた一連の二本鎖miR-124模倣体を用いた(表1)。2'O-Me修飾に加えて、各パッセンジャー鎖は、5'末端PO4 -基に付着したアミノC6ヌクレオチド(6-炭素スペーサーに付着した第一級アミン基)からなる5'末端修飾を有した。
miRNAの活性は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)のタンパク質と相互作用するその能力およびハイブリダイゼーションを通じてmRNA標的と相互作用するその能力の両方に依る。細胞内でのmiRNAの活性を妨害せずに二本鎖miR-124中のどのヌクレオチドを修飾できるかを判定するため、本発明者らは、2'酸素-メチル(2'O-Me)修飾ヌクレオチドが二本鎖miRNAの活性鎖上のまたはパッセンジャー鎖上の隣接する2つの位置に組み入れられた一連の二本鎖miR-124模倣体を用いた(表1)。2'O-Me修飾に加えて、各パッセンジャー鎖は、5'末端PO4 -基に付着したアミノC6ヌクレオチド(6-炭素スペーサーに付着した第一級アミン基)からなる5'末端修飾を有した。
本発明者らは、miR-124模倣体の活性に及ぼすオリゴヌクレオチド修飾の効果を調べた。5'-アミノC6修飾を持ち、かつ2'O-Me修飾を持たない、合成された、パッセンジャー鎖オリゴヌクレオチドは、合成された、修飾活性鎖オリゴヌクレオチドの各々とアニールされた(表1)。合成された、非修飾活性鎖オリゴヌクレオチドは、合成された、修飾パッセンジャー鎖オリゴヌクレオチドの各々とアニールされた(表1)。肺がん細胞株(H460)に、得られた二本鎖オリゴヌクレオチドを、または陰性対照miRNA (Life Technologies, Inc./Ambion, Inc; Austin, TX, USA; カタログ番号AM17103)を30 nMの終濃度で逆トランスフェクトした。製造元の推奨に従い下記のパラメータを用いて、リポフェクトアミン2000 (Life Technologies, Inc./Invitrogen Corp., Carlsbad, CA, USA)により細胞株を一過的にトランスフェクトした; 細胞5,000個/96ウェルプレートのウェル、リポフェクトアミン2000 0.1〜0.2 μl (細胞株個別に至適化)、培地全量100 μl中。製造元のプロトコルに従ってalamarBlue(登録商標)試薬(Invitrogen Corp.; Carlsbad, CA, USA; カタログ番号DAL1100)を用いトランスフェクション後3、4および7日目に細胞生存アッセイ法を行った。蛍光プレートリーダーを用いて、alamarBlue(登録商標)の還元基質であるレゾルフィンの蓄積を測定した(励起560 nm、発光590 nm)。レゾルフィンの蓄積は、1ウェルあたりの生存細胞数を示す。非修飾miR-124模倣体をトランスフェクトした細胞の蛍光を、2'O-Me修飾miR-124をトランスフェクトした細胞の蛍光で割り、この結果に100を掛けることにより、2'O-Me修飾を持つ二本鎖miR-124をトランスフェクトした各細胞集団に対する増殖細胞の相対数を計算した。相対的な抗増殖値を表2に示す。
(表2)H460肺がん細胞の増殖に及ぼすmiR-124中の2'-O Me修飾ヌクレオチドの効果。2'O-Me修飾を持たない、合成された、二本鎖miR-124の抗細胞増殖活性を100%に設定した。100を超える抗細胞増殖値%は、非修飾miR-124対照のものよりも高い抗増殖活性を示す。表示した修飾はパッセンジャー鎖または活性鎖中だけにあった。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
表2に示されるように、パッセンジャー鎖中の位置1+2; 3+4; 17+18; 1+2+21+22; および1+2+3+20+21+22での2'O-Me修飾、ならびに活性鎖中の位置7+8での2'O-Me修飾は、非修飾対照miR-124に対して観察されたものに比べて抗増殖活性の増大をもたらした。活性鎖中の位置1+2; 3+4; 9+10; 13+14; 15+16; 19+20; 1+2+21+22; および1+2+3+20+21+22での2'O-Me修飾、ならびにパッセンジャー鎖中の位置7+8; 9+10; および11+12での2'O-Me修飾は、2'O-Me修飾を持っていないmiR-124模倣体と比べた場合に実質的に損なわれた抗増殖活性をもたらした。活性鎖の位置5+6; 11+12; および17+18での2'O-Me修飾、ならびにパッセンジャー鎖の位置5+6; 13+14; 15+16; および19+20での2'O-Me修飾は、抗増殖活性に影響をほとんど及ぼさなかった。
実施例2: 抗細胞増殖に及ぼすmiR-124のパッセンジャー鎖および活性鎖における組み合わせヌクレオチド修飾の効果
本発明者らは、パッセンジャー鎖および活性鎖の両方において修飾ヌクレオチドを持つmiR-124模倣体の抗細胞増殖活性を評価した。さまざまな修飾パッセンジャー鎖および活性鎖オリゴヌクレオチドをアニールさせて、両方の鎖に修飾を有するmiR-124模倣体を形成させた。肺がん(H460)細胞株および肝臓がん(C3A)細胞株に、さまざまな模倣体を、および陰性対照miRNA (Ambion, カタログ番号AM17103)を30 nMの終濃度で逆トランスフェクトした。製造元の推奨に従い下記のパラメータを用いて、リポフェクトアミン2000 (Invitrogen)を使用した; 細胞5,000個/96ウェルプレートのウェル、リポフェクトアミン2000 0.1〜0.2 μl (細胞株個別に至適化)、培地全量100 μl中。トランスフェクション後6日目に、製造元のプロトコルに従って細胞に対しalamarBlue(登録商標)アッセイ法(Invitrogen, カタログ番号DAL 1100)を行った。蛍光プレートリーダーを用いて、alamarBlue(登録商標)での還元基質であるレゾルフィンの蓄積を測定した(励起560 nm、発光590 nm)。レゾルフィンの蛍光は、1ウェルあたりの生存細胞数と相関する。非修飾miR-124模倣体をトランスフェクトした細胞の蛍光を、二本鎖2'O-Me修飾miR-124模倣体をトランスフェクトした細胞の蛍光で割り、この結果に100を掛けることにより、各トランスフェクト細胞集団に対する増殖細胞の相対数を計算した。結果を表3に示す。
本発明者らは、パッセンジャー鎖および活性鎖の両方において修飾ヌクレオチドを持つmiR-124模倣体の抗細胞増殖活性を評価した。さまざまな修飾パッセンジャー鎖および活性鎖オリゴヌクレオチドをアニールさせて、両方の鎖に修飾を有するmiR-124模倣体を形成させた。肺がん(H460)細胞株および肝臓がん(C3A)細胞株に、さまざまな模倣体を、および陰性対照miRNA (Ambion, カタログ番号AM17103)を30 nMの終濃度で逆トランスフェクトした。製造元の推奨に従い下記のパラメータを用いて、リポフェクトアミン2000 (Invitrogen)を使用した; 細胞5,000個/96ウェルプレートのウェル、リポフェクトアミン2000 0.1〜0.2 μl (細胞株個別に至適化)、培地全量100 μl中。トランスフェクション後6日目に、製造元のプロトコルに従って細胞に対しalamarBlue(登録商標)アッセイ法(Invitrogen, カタログ番号DAL 1100)を行った。蛍光プレートリーダーを用いて、alamarBlue(登録商標)での還元基質であるレゾルフィンの蓄積を測定した(励起560 nm、発光590 nm)。レゾルフィンの蛍光は、1ウェルあたりの生存細胞数と相関する。非修飾miR-124模倣体をトランスフェクトした細胞の蛍光を、二本鎖2'O-Me修飾miR-124模倣体をトランスフェクトした細胞の蛍光で割り、この結果に100を掛けることにより、各トランスフェクト細胞集団に対する増殖細胞の相対数を計算した。結果を表3に示す。
(表3)肺がん細胞(H460)および肝臓がん細胞(C3A)の抗細胞増殖活性に及ぼす二本鎖miR-124模倣体中のヌクレオチド修飾の効果。100を超える抗細胞増殖活性の%値は、修飾miR-124模倣体の、非修飾miR-124で観察されたものよりも高い抗増殖活性を示す。
表示した修飾はパッセンジャー鎖、活性鎖、または両鎖中にあった。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
表示した修飾はパッセンジャー鎖、活性鎖、または両鎖中にあった。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
表3 (SEQ ID NO:2を有する活性鎖およびSEQ ID NO:4を有するパッセンジャー鎖を伴う)に示されるように、活性鎖中の位置5,6; 7,8; または17,18に2'O-Me修飾を持つ大部分のmiR-124模倣体は、パッセンジャー鎖中の修飾の数にかかわらず、非修飾miR-124模倣体が持つよりも高い抗細胞増殖活性を持っていた。活性鎖およびパッセンジャー鎖の両方での修飾を持ついくつかの模倣体は、単一の修飾鎖しか持っていない模倣体由来のデータに基づいて予想されるよりもかなり高い抗細胞増殖活性を持ち、このことから、修飾の相乗効果が示唆される。例えば1+2+21+22 2'OMe修飾パッセンジャー鎖と、または1+2+3+20+21+22 2'OMe修飾パッセンジャー鎖と組み合わせた7+8 2'O-Me修飾活性鎖は、1本の修飾鎖しか持っていない模倣体よりもかなり抗増殖性が高い。同様に、17+18 2'O-Me修飾活性鎖は、1+2+3+20+21+22 2'O-Me修飾パッセンジャー鎖と組み合わせた場合に予想されるよりも顕著に高い活性を持つ。これらのデータから、2'O-Me修飾がmiR-124模倣体の抗増殖活性を増強するだけでなく、修飾の特定の組み合わせを適用して、miR-124模倣体の活性を顕著に増強できることが示唆される。
実施例3: 活性鎖およびパッセンジャー鎖の両方でのヌクレオチド修飾はmiRNA模倣体の安定性に寄与する
2'OHは、リボヌクレアーゼがRNA分子を切断するのに必要とされるため、2'修飾ヌクレオチドをRNA分子に組み入れることで、それらをヌクレアーゼ消化に対してさらに耐性とすることができる。本発明者らは、インビトロ安定性アッセイ法および精製RNase A (Ambion, カタログ番号AM2270)を用いて、修飾miR-124模倣体および非修飾miR-124模倣体の安定性を比較した。
2'OHは、リボヌクレアーゼがRNA分子を切断するのに必要とされるため、2'修飾ヌクレオチドをRNA分子に組み入れることで、それらをヌクレアーゼ消化に対してさらに耐性とすることができる。本発明者らは、インビトロ安定性アッセイ法および精製RNase A (Ambion, カタログ番号AM2270)を用いて、修飾miR-124模倣体および非修飾miR-124模倣体の安定性を比較した。
miR-124模倣体は、さまざまな位置に2'O-Me修飾ヌクレオチドを持つ相補オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせることにより、およびそのハイブリッドを30分間37℃で720 UのRNaseAとインキュベートすることにより調製した。30分間のインキュベーションの後、ジチオスレイトール(DTT)を10 mMの終濃度まで加え、混合物を10分間60℃で加熱してRNase活性を不活性化した。hsa-miR-124 TaqMan(登録商標) MicroRNAアッセイRTプライマー(Applied Biosystems Inc.; カタログ番4427975、アッセイID 000446)を用いてMMLV-RT (Invitrogen、カタログ番号28025-021)によりRNAを逆転写した。7900HT Fast Real-Time PCR System (Applied Biosystems)にて、hsa-miR-124に特異的なプライマーおよびPlatinum Taqポリメラーゼ(Invitrogen、カタログ番号10966-083)とともにTaqMan(登録商標) MicroRNAアッセイを用い、cDNAに対してqRT-PCRを行った。表4は、さまざまなmiR-124模倣体の安定性に及ぼすヌクレオチド修飾の効果を示す。
(表4)RNase Aとのインキュベーション後の二本鎖miR-124模倣体の安定性に及ぼす鎖修飾の効果。パッセンジャー鎖および活性鎖の配列を示す。太字かつ斜体、下線文字は、2'O-Me修飾ヌクレオチドを示す。各横列内の活性鎖およびパッセンジャー鎖をハイブリダイズし、RNase A溶液中でインキュベートした。残存している二本鎖模倣体の比率を決定し、残存している非修飾二本鎖模倣体の比率で割ることにより、RNase A処理後に残存している二本鎖模倣体の相対比率を計算した。1.00を超える値は、非修飾模倣体よりも高い安定性を持つ修飾模倣体を示す。表中100の値は、修飾miR-124模倣体が非修飾miR-124模倣体よりも100倍安定であったことを示す。A-ID, 活性鎖ID番号; P-ID, パッセンジャー鎖ID番号。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
活性鎖およびパッセンジャー鎖の組み合わせA119/P102を持つ模倣体は、非修飾模倣体よりも125倍超安定である。模倣体の高度の安定性は、miRNAによる治療中の薬力学的特性を大いに改善することができる。
これらのデータがなければ、最も多くの2'O-Me修飾ヌクレオチドを有する模倣体は、最も少ない数のヌクレアーゼ感受性部位を持つので、最も安定であると予想するかもしれない。驚くべきことに、本発明者らのアッセイ法において、最多修飾の模倣体(A120/P108)は、最も安定な模倣体であるとは観察されなかった。これらのデータから、2'O-Me修飾の数を単純に数えることは、修飾二本鎖miR-124模倣体の安定性を正確に反映したものではない、または修飾二本鎖miR-124模倣体の安定性を判定するための予測可能な方法ではないことが示唆される。
実施例4: 活性鎖およびパッセンジャー鎖の両方でのヌクレオチド修飾はmiRNA模倣体の活性に寄与する
最もヌクレアーゼ耐性であるmiR-124模倣体のうちの3つの抗増殖活性を評価し、2'O-Me修飾のないmiR-124模倣体と比較した。肺がん細胞(H460)に、異なる4種の二本鎖miR-124模倣体および陰性対照miRNA (Ambion, カタログ番号AM17103)を1、3および10 nMの終濃度で逆トランスフェクトした。製造元の推奨に従い下記のパラメータを用いて、リポフェクトアミン2000 (Invitrogen)を使用した; 細胞5,000個/96ウェルプレートのウェル、リポフェクトアミン2000 0.1〜0.2 μl (細胞株個別に至適化)、培地全量100 μl中。トランスフェクションから3日後に、製造元のプロトコルに従って細胞に対しalamarBlue(登録商標)アッセイ法(Invitrogen, カタログ番号DAL 1100)を行った。蛍光プレートリーダーを用いて、alamarBlue(登録商標)での還元基質であるレゾルフィンの蓄積を測定した(励起560 nm、発光590 nm)。レゾルフィンの蛍光は、1ウェルあたりの生存細胞数と相関する。所与の濃度のmiR-124模倣体をトランスフェクトした細胞由来の蛍光を、同じ濃度の陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞由来の蛍光で割り、この結果に100を掛けることにより、各トランスフェクト細胞集団に対する生存細胞の相対比率を計算した。100%未満の値は、miR-124模倣体が、陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞集団と比べて集団中の生存細胞の数を低減したことを示す。結果を表5に示す。
最もヌクレアーゼ耐性であるmiR-124模倣体のうちの3つの抗増殖活性を評価し、2'O-Me修飾のないmiR-124模倣体と比較した。肺がん細胞(H460)に、異なる4種の二本鎖miR-124模倣体および陰性対照miRNA (Ambion, カタログ番号AM17103)を1、3および10 nMの終濃度で逆トランスフェクトした。製造元の推奨に従い下記のパラメータを用いて、リポフェクトアミン2000 (Invitrogen)を使用した; 細胞5,000個/96ウェルプレートのウェル、リポフェクトアミン2000 0.1〜0.2 μl (細胞株個別に至適化)、培地全量100 μl中。トランスフェクションから3日後に、製造元のプロトコルに従って細胞に対しalamarBlue(登録商標)アッセイ法(Invitrogen, カタログ番号DAL 1100)を行った。蛍光プレートリーダーを用いて、alamarBlue(登録商標)での還元基質であるレゾルフィンの蓄積を測定した(励起560 nm、発光590 nm)。レゾルフィンの蛍光は、1ウェルあたりの生存細胞数と相関する。所与の濃度のmiR-124模倣体をトランスフェクトした細胞由来の蛍光を、同じ濃度の陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞由来の蛍光で割り、この結果に100を掛けることにより、各トランスフェクト細胞集団に対する生存細胞の相対比率を計算した。100%未満の値は、miR-124模倣体が、陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞集団と比べて集団中の生存細胞の数を低減したことを示す。結果を表5に示す。
(表5)H460肺がん細胞のトランスフェクション後のmiR-124模倣体の抗細胞増殖活性に及ぼす2'-O Me修飾の効果。パッセンジャー鎖および活性鎖の配列を示す。太字かつ斜体かつ下線文字は、2'O-Me修飾ヌクレオチドを示す。各横列内の活性鎖およびパッセンジャー鎖をハイブリダイズし、示した濃度でH460細胞へトランスフェクトした。A-ID, 活性鎖ID番号; P-ID, パッセンジャー鎖ID番号。生存細胞の比率は、miR-124模倣体のトランスフェクション後に依然として生存している細胞の比率である。陰性対照miRNAに対する値を100%に設定した。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
模倣体の対P102/A119、P107/A119、およびP108/A113は各々、ヌクレアーゼ安定性の増強を実証し(表4)、また、抗増殖活性の増大を示した(表5)。修飾mir124模倣体は、3分の1の用量で用いた場合に、標準的なmiR-124模倣体の効果と類似の抗増殖活性を持つことから、選択した修飾miR-124a模倣体は標準的なmiR-124模倣体よりもおよそ3倍活性が高いことが示唆される。3種の修飾模倣体は、非2'-O Me修飾模倣体について観察されたものよりもかなり改善された抗細胞増殖活性(表5)およびヌクレアーゼ安定性(表4)を持つ。
実施例5: 修飾miR-124模倣体による遺伝子調節
miRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)によるmRNA転写調節のガイド配列として機能する。miRNA模倣体は、RISCに進入した後に、(1) miRNAに結合されたmRNAを切断するようにRISCを誘導すること、(2) 結合されたmRNAがリボソームと相互作用するのを防ぐことによって結合されたmRNAの半減期を変化させること、および/または(3) 遺伝子それ自体がmiRNA模倣体によって調節される遺伝子によって調節されるmRNAの量の変化を引き起こすことにより、トランスフェクト細胞のmRNA転写プロファイルを変化させることができる。
miRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)によるmRNA転写調節のガイド配列として機能する。miRNA模倣体は、RISCに進入した後に、(1) miRNAに結合されたmRNAを切断するようにRISCを誘導すること、(2) 結合されたmRNAがリボソームと相互作用するのを防ぐことによって結合されたmRNAの半減期を変化させること、および/または(3) 遺伝子それ自体がmiRNA模倣体によって調節される遺伝子によって調節されるmRNAの量の変化を引き起こすことにより、トランスフェクト細胞のmRNA転写プロファイルを変化させることができる。
非修飾miR-124模倣体が持つのと同じ、mRNA発現に及ぼす効果を修飾miR-124模倣体が持つかどうかについて取り組むため、本発明者らは、mRNAアレイを用いて、異なる2種の陰性対照miRNA (Ambion, カタログ番号AM17111; Ambion, カタログ番号AM17103)、非修飾miR-124模倣体、または異なる3種の修飾miR-124模倣体(P102/A119、P107/A119、およびP108/A113)のうちの1つをトランスフェクトしたH460肺がん細胞における遺伝子発現をプロファイルした。1 nm、3 nM、または10 nMのmiRNA模倣体をリポフェクトアミン2000 0.2 μlと複合体化させ、RPMI培地全量100 μl中で、96ウェルプレートの1ウェルあたり5,000個のH460細胞に加えた。トランスフェクションから3日後に細胞を収集し、製造元の推奨プロトコルに従ってmirVana(商標) PARIS(商標) Kit (Ambion, カタログ番号AM1556)を用い、全RNAを抽出した。
mRNAアレイ分析はAsuragen, Inc. (Austin, TX, USA)により、同社の標準操作手順に従って行われた。MessageAmp (商標) II-96 aRNA Amplification Kit (Ambion, カタログ番号1819)を用い、投入全RNA 200 ngがビオチンで標識された。cRNAの収量は、Agilent 2100 Bioanalyzerキャピラリー電気泳動装置(Agilent Technologies, Inc.)を用いて定量化された。標識された標的を、Affymetrix mRNAアレイ(Human HG-U133A 2.0アレイ)と、製造元の推奨および下記のパラメータを用いてハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションは、Affymetrix Model 640ハイブリダイゼーションオーブン内にて、45℃で16時間行われた。Affymetrix FS450 Fluidicsステーション上で、洗浄スクリプトMidi_euk2v3_450が実行されてアレイが洗浄され染色された。アレイは、Affymetrix GeneChip Scanner 3000でスキャンされた。画像シグナルデータ、群平均値、有意性フラッグが付記されたp値、対数比、およびアレイ上の各遺伝子の遺伝子注釈の要約が、Affymetrix Statistical Algorithm MAS 5.0 (GCOS v1.3)を用いて作成された。データは、Affymetrixデータおよび結果ファイルを含むファイル(キャビネットファイル)で、ならびにアレイの一次画像および処理済みの細胞強度を含むファイル(.cel)で報告された。
さまざまなサンプルに対するmRNAアレイプロファイルを比較して、その類似性について判定した。サンプル(完全なプローブセット)間のピアソンの積率相関係数を計算したが、これを表6、7、および8に示す。全てのサンプルに対する相関係数は、0.98よりも大きいことが認められた。
(表6)1 nMの表示miRNA模倣体による肺がん細胞のトランスフェクション後の遺伝子発現に関するアレイ分析を受けてのピアソンの積率相関係数。P-パッセンジャー鎖およびA-活性鎖の配列および2'-O Me修飾は、表5に示されている。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
(表7)3 nMの表示miRNA模倣体による肺がん細胞のトランスフェクション後の遺伝子発現に関するアレイ分析を受けてのピアソンの積率相関係数。P-パッセンジャー鎖およびA-活性鎖の配列および2'-O Me修飾は、表5に示されている。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
(表8)10 nMの表示miRNA模倣体による肺がん細胞のトランスフェクション後の遺伝子発現に関するアレイ分析を受けてのピアソンの積率相関係数。P-パッセンジャー鎖およびA-活性鎖の配列および2'-O Me修飾は、表5に示されている。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
用いたmiR-124模倣体のいずれかによって発現レベルが少なくとも2倍変化したmRNAに分析を限定することにより、3 nMの2'-O Me修飾miR-124模倣体および10 nMの非修飾miR-124模倣体をトランスフェクトした細胞の間で最も強い相関関係が認められた(表9)。これは、本発明者らが実施例4において観察した、2'-O Me修飾のないmiR-124模倣体よりも2'-O Me修飾miR-124模倣体の場合におよそ3倍活性が高いことを考えると、驚くほどではない。これらのデータから、3種の修飾miR-124模倣体の標的特異性が非修飾miR-124模倣体と同じであることが明らかである。
(表9)10 nMの、修飾ヌクレオチドを持っていないmiR-124模倣体(P101/A111)および3 nMの他のmiR-124模倣体(P102/A119、P107/A119、P108/A113)による肺がん細胞のトランスフェクション後に少なくとも2倍変化した遺伝子発現のアレイ分析を受けてのピアソンの積率相関係数。P-パッセンジャー鎖およびA-活性鎖の配列および2'-O Me修飾は、表5に示されている。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
網羅的発現プロファイルに加えて、本発明者らは、既知のmiR-124標的遺伝子に対する2'O-Me修飾miR-124模倣体および非修飾miR-124模倣体の活性を比較した。アレイデータから、miR-124の2種の直接的mRNA標的であるVAMP3およびATP6VOE1のレベルが、陰性対照miRNAをトランスフェクトした細胞と比べた場合にmiR-124処理細胞集団の全てにおいて顕著に低減されたことが明らかになった(表10)。
(表10)1 nM、3 nM、または10 nMの濃度での表示のmiR-124模倣体によるH460細胞のトランスフェクション後のVAMP3またはATP6VOE1 mRNAレベル。値は、陰性対照miRNAによる細胞のトランスフェクション後に観察された発現(100%)と比べた発現の比率に相当する。P-パッセンジャー鎖およびA-活性鎖の配列および2'-O Me修飾は、表5に示されている。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
実施例6: 2'O-ME修飾miR-124模倣体の薬物動態的特性
循環時間および標的細胞の取り込みの改善は、治療用オリゴヌクレオチドによる処置の有効性を増強することができる。2'-O Me修飾miR-124模倣体が非修飾miR-124模倣体と比べて改善された薬物動態的特性を有していたかどうか判定するため、H460肺がん異種移植片を持つマウスにmiR-124模倣体を繰り返し投薬し、その後、それらをmiR-124の循環血中および組織関連のレベルについて評価した。
循環時間および標的細胞の取り込みの改善は、治療用オリゴヌクレオチドによる処置の有効性を増強することができる。2'-O Me修飾miR-124模倣体が非修飾miR-124模倣体と比べて改善された薬物動態的特性を有していたかどうか判定するため、H460肺がん異種移植片を持つマウスにmiR-124模倣体を繰り返し投薬し、その後、それらをmiR-124の循環血中および組織関連のレベルについて評価した。
50%マトリゲル中3×106個のヒト肺がん細胞(H460)をマウス(n=7)の側腹部に注射することにより、NOD/SCIDマウスにおいて肺腫瘍異種移植片を誘導した。マウスを注射部位に硬結節がないか定期的にチェックして、腫瘍がおよそ100 mm3にまで成長した時点の判定を行った。腫瘍が11日目の時点で検出され、するとすぐに、非修飾模倣体または3種の2'-O Me修飾模倣体のうちの1種のどちらかの尾静脈注射を模倣体20 μg/動物/用量の割合で開始した。投薬を2週間の間、2日に1回繰り返した。最後の投薬を与えてから10分または60分後に動物を殺処理した。血液、腫瘍、および肝臓を各動物から回収した。mirVana(商標) PARIS(商標) Kit (Ambion, カタログ番号AM1556)を用いてサンプルの各々からRNAを単離した。
血液、腫瘍、および肝臓サンプル中のmiR-124レベルを、miR-124の非修飾模倣体(P101/A111)または修飾模倣体(P102/A119、P107/A119、P108/A113)の尾静脈注射から10分および60分の後にqRT-PCRによって測定した。TaqMan(登録商標) MicroRNAアッセイ(Applied Biosystems; Foster City, CA, USA)を用いてmiRNAレベルを測定した。サンプルの規準化を可能にするため、miR-103、miR-191、およびmiR-24のレベルを、TaqMan(登録商標) MicroRNAアッセイを用いたqRT-PCRによっても測定した。逆転写(RT)反応を開始する前に、全RNA 10 ngをRTプライマー0.5 μlおよび十分な水と混合して、全量を5 μlにした。RNA/プライマー混合液を1分間90℃に加熱し、その後、4℃に移した。水(2.85 μl)、10×RT緩衝液(1 μl)、2.5 mM dNTPs (1 μl)、RIP (40 U/μl 0.1 μl)、およびMMLV-RT (200 U/μl 0.05 μl)を氷上の各試験管に加えた。RT反応液を384ウェルのGene Amp(登録商標) PCR System 9700 (Applied Biosystems)中にて、30分間4℃で、その後、30分間16℃で、その後、30分間42℃で、その後、5分間85℃でインキュベートした。
RT反応由来のcDNA (2 μl)の添加の前に、PCR構成成分(表11)を氷上でアセンブルした。反応液をABI PRISM(商標) 7900HT Fast Real-Time PCRシステム(Applied Biosystems)中にて、1分間95℃で、その後、5秒間95℃および30秒間60℃で50サイクルの間、インキュベートした。結果を7900HT Fast Real-Time PCRシステムSDS V2.3ソフトウェア(Applied Biosystems)で分析した。
miR-103、miR-191、およびmiR-24由来のqRT-PCRデータを最初に評価し、あまりに少なくて正確に測定できないmiRNAを有するサンプルを特定した。これらのサンプルはさらなる分析に供されなかった。miR-124 Ct値が40を超えたサンプルも除外された。残りの各サンプルに対するmiR-24、miR-103、およびmiR-191 Ctデータの幾何平均を計算し、得られたCtを、対応するサンプルにおけるmiR-124に対する未加工のCtの読み出しから差し引いて、dCtをもたらした。サンプルに対して得られた規準化値を用いて、サンプルの各々におけるmiR-124の相対存在量を推定した。陰性対照miRNA (Life Technologies, Inc./Ambion, Inc; Austin, TX, USA; カタログ番号AM17103)で処置したマウスから採取されたサンプルの平均dCtを、さまざまなmiR-124模倣体で処置したマウスから採取されたサンプルの平均dCtから差し引くことにより、血液、肝臓、および腫瘍におけるmiR-124レベルの変化を計算した。各miR-124模倣体に対して得られたddCt値を用いて、2をddCt値乗することにより、さまざまな組織におけるmiR-124レベルの増加(倍率)を計算した。各miRNA模倣体の注射後にさまざまな組織において観察された内在性レベルと比べてmiR-124の増加(倍率)を表12に示す。
(表12)マウスにおけるmiR-124模倣体の循環および組織蓄積。P-パッセンジャー鎖およびA-活性鎖の配列および2'-O Me修飾は、表5に示されている。全てのパッセンジャー鎖が5'-アミノC6修飾を有していた。
マウスにmiR-124模倣体を注射してから10分後に、本発明者らは、陰性対照miRNAの注射後に観察されたレベルよりも52倍〜1,779倍高い血中miR-124レベルを観察した。模倣体の注射から60分後に血中でmiR-124レベルの上昇も観察された。2'O-Me修飾模倣体の各々の注射によって、非修飾模倣体の注射で誘導されたよりも高い、miR-124の比較上の血中レベルが誘導された。肝臓組織中のおよび異種移植片腫瘍中のmiR-124レベルについて、類似の結果が観察された。この結果から、本明細書で用いた2'O-Me修飾模倣体は非修飾模倣体と比べて、血液、腫瘍および組織残留性の増強をもたらすことが示唆される。
Claims (46)
- 以下を含む、長さが20〜22塩基対の二本鎖で平滑末端のRNA分子:
a) i) SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列と、
ii) 1つまたは複数の内部位置における修飾ヌクレオチドと
を含み、最大で10個の修飾ヌクレオチドが存在する、活性鎖; ならびに
b) 該活性鎖と完全に相補的であり、かつ5'末端のヌクレオチド修飾と、その5'末端から見て最初の6つのヌクレオチドおよび/または最後の6つのヌクレオチドにおいて少なくとも1つのさらなる修飾ヌクレオチドとを含む、パッセンジャー鎖。 - 活性鎖が、SEQ ID NO:2の配列を含む、請求項1記載のRNA分子。
- 活性鎖が、少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項1または2のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、どちらかの末端の最初の2つの位置において修飾ヌクレオチドを持たない、請求項3記載のRNA分子。
- 活性鎖が、5'末端の最初の4つの位置において修飾ヌクレオチドを含まない、請求項1〜4のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖中の修飾ヌクレオチドが、SEQ ID NO:2に対する位置5 (G)、6 (G)、7 (C)、8 (A)、11 (C)、12 (G)、17 (A)、および18 (U)に位置するヌクレオチドからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、前記群より選択される少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項6記載のRNA分子。
- 活性鎖が、前記群より選択される少なくとも3つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項7記載のRNA分子。
- 活性鎖が、最大で6つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜9のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置17 (A)および18 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項10記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置9 (C)、10 (G)、11 (C)、および12 (G)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項10記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置1 (U)、2 (G)、3 (G)、4 (C)、5 (A)、6 (U)、13 (C)、14 (G)、15 (U)、16 (G)、17 (C)、18 (C)、19 (U)、20 (U)、21 (A)、または22 (A)に位置する修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜12のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置1 (U)、2 (G)、3 (G)、20 (U)、21 (A)、および/または22 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項13記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置7 (U)、8 (C)、9 (A)、10 (C)、11 (C)、または12 (G)に位置する修飾ヌクレオチドを持たない、請求項1〜14のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、該パッセンジャー鎖中に少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを持つ、請求項1〜15のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、該パッセンジャー鎖中に少なくとも3つの修飾ヌクレオチドを持つ、請求項1〜16のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、該パッセンジャー鎖中に少なくとも4つの修飾ヌクレオチドを持つ、請求項1〜17のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、該パッセンジャー鎖中に少なくとも5つの修飾ヌクレオチドを持つ、請求項1〜18のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、該パッセンジャー鎖中に少なくとも6つの修飾ヌクレオチドを持つ、請求項1〜19のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置1 (U)および22 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜20のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置2 (G)および21 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜21のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置1 (U)、2 (G)、3 (G)、20 (U)、21 (A)、および22 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜22のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置4 (C)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜23のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖が、SEQ ID NO:4に対する位置5 (A)および6 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項22〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項22〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置17 (A)および18 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項22〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置9 (C)、10 (G)、11 (C)、および12 (G)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項22〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置17 (A)および18 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置9 (C)、10 (G)、11 (C)、および12 (G)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜24のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置7 (C)および8 (A)に修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜25のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置17 (A)および18 (U)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜25のいずれか一項記載のRNA分子。
- 活性鎖が、SEQ ID NO:2に対する位置9 (C)、10 (G)、11 (C)、および12 (G)に修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜25のいずれか一項記載のRNA分子。
- パッセンジャー鎖の5'末端修飾が低級アルキルアミン基を含む、請求項1〜34のいずれか一項記載のRNA分子。
- 修飾ヌクレオチドが糖修飾で修飾されている、請求項1〜35のいずれか一項記載のRNA分子。
- 糖修飾が2'-OMeである、請求項36記載のRNA分子。
- 以下を含む、長さが20〜22塩基対の二本鎖で平滑末端のRNA分子:
a) i) SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列と、
ii) 1つまたは複数の内部位置における修飾ヌクレオチドと
を含み、その5'末端に修飾ヌクレオチドを持たず、かつ最大で10個の修飾ヌクレオチドが存在する、活性鎖; ならびに
b) 該活性鎖と完全に相補的であり、かつ5'末端のヌクレオチド修飾と、少なくとも1つのさらなる修飾ヌクレオチドとを含み、SEQ ID NO:4の配列に対する位置7〜19に位置するヌクレオチドが修飾されていない、別個のパッセンジャー鎖。 - SEQ ID NO:2のヌクレオチド2〜21位の配列を持つ活性鎖と、5'末端に修飾ヌクレオチドを有する別個でかつ完全に相補的なパッセンジャー鎖とを含み、両端が平滑末端である、長さが20〜22塩基対の二本鎖RNA分子であって、
該活性鎖が、少なくとも1つの修飾された内部ヌクレオチドを含み、かつ該二本鎖RNA分子が、内部ヌクレオチドのいかなる修飾も欠く二本鎖で平滑末端のRNA分子と比べてより安定である、
該二本鎖RNA分子。 - 請求項1〜39のいずれか一項記載のRNA分子を含む、薬学的組成物。
- 請求項1〜39のいずれか一項記載のRNA分子を細胞に投与する段階を含む、miR-124活性を細胞に提供するための方法。
- 請求項1〜39のいずれか一項記載のRNA分子の有効量を細胞に投与する段階を含む、細胞増殖を低下させるための方法。
- 請求項1〜39のいずれか一項記載のRNA分子の有効量を細胞に投与する段階を含む、細胞においてアポトーシスを誘導するための方法。
- 請求項1〜39のいずれか一項記載のRNA分子を含む薬学的組成物を患者に投与する段階を含む、患者においてがんを処置するための方法。
- さらなるがん治療を患者に施す段階をさらに含む、請求項45記載の方法。
- 患者が、がんと診断されている、請求項44記載の方法。
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