JP2014237598A - 化合物および該化合物からなる光塩基発生剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】光塩基発生剤として好適な新規化合物であって、紫外線照射により高い塩基性を長時間に渡って維持することができる化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物。
【選択図】図2
【解決手段】下記式(1)で表される化合物。
【選択図】図2
Description
本発明は、新規な化合物および該化合物からなる光塩基発生剤に関する。
高密度プリント基板などの電子デバイス分野で利用するポリイミドやエポキシなどの樹脂の感光材料としては、光酸発生剤が多く用いられてきた。ポリイミドやエポキシなどの樹脂による絶縁処理は、この光酸発生剤を添加することにより、紫外線照射による樹脂の硬化反応を利用して、接続部分と絶縁部分のパターンを形成させることができる。しかしながら、光酸発生剤を使用した絶縁材料は、紫外線照射で発生する酸によって金属配線を腐食することがあり、製品に不具合を生じるという問題があった。今後、電子デバイスの配線がさらに微細化することを考慮すると、この問題はさらに顕在化することが予測されている。
一方、このような問題を解決するために、金属腐食の懸念がない光塩基発生剤を添加した絶縁材料の開発が行われている。このような光塩基発生剤としては、例えば、カルバメート系(ウレタン系)の光塩基発生剤(例えば、特許文献1〜5)、α−アミノケトン系の光塩基発生剤(例えば、特許文献6)、4級アンモニウム系の光塩基発生剤(例えば、特許文献7)、O−アシルオキシム系の光塩基発生剤(例えば、特許文献8)、シクロプロぺノン環を有するアミンからなる光塩基発生剤(特許文献9)、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]アルキルアミンからなる光塩基発生剤(非特許文献1)などの様々な光塩基発生剤が知られている。
しかしながら、例えば、特許文献1〜6、8、9および非特許文献1の光塩基発生剤は、紫外線照射によって発生する塩基が1級または2級アミンであるため塩基性が比較的低く、特に特許文献1〜3、6、8および9の光塩基発生剤は、塩基発生効率の点で塩基発生剤としての効果を十分に示さないという問題がある。また、特許文献4、5の光塩基発生剤は、パターンを形成させるのに通常用いる紫外線よりも波長の長い、いわゆるh線(波長405nm程度)と呼ばれる光線の波長領域で感応するため、紫外線の領域が特定されるという問題がある。特許文献7の4級アンモニウム塩系の光塩基発生剤は、エポキシ基を硬化させるための触媒活性が十分でなく、また、紫外線照射によって発生する塩基にイオン性成分が含まれるため、絶縁信頼性の点で懸念がある。
したがって、分子構造を工夫することにより、従来の光塩基発生剤と比較して、塩基発生効率が高く、また、触媒活性の高い塩基を発生する光塩基発生剤の開発が望まれている。
J. Am. Chem. Soc., 113, 4303-4313 (1991)
本発明は、光塩基発生剤として好適な新規化合物であって、紫外線照射により高い塩基性を長時間に渡って維持することができる化合物を提供することを課題とする。
本発明の化合物は下記式(1)で表されることを特徴とする。
本発明の式(1)で表される化合物は、その構造がイオン性ではなく、中性の有機分子から形成されているので、有機媒体との相溶性が高く、特に樹脂などの有機媒体に対して任意の割合で、極めて均一に分散させることができる。
本発明の式(1)で表される化合物をジクロロメタン等、種々の溶媒に溶解させた溶液に、波長250〜350nmの紫外線を照射すると、分解して、式(2)で表される1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンが生成し、一酸化炭素が発生する。1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンは高い塩基性を示し、また、大気雰囲気下で安定に存在できるため、長時間に渡って高い塩基性が維持される。
したがって、本発明の式(1)で表される化合物は、光塩基発生剤として好適である。
したがって、本発明の式(1)で表される化合物は、光塩基発生剤として好適である。
以下、本発明の式(1)で表される化合物について詳細に説明する。以下、本発明の化合物を「化合物(1)」ともいう。
トリクロロ酢酸ナトリウムおよびトリクロロエチレンを、例えば1,2−ジメトキシエタン(DME)などの溶媒に溶解させ、加熱還流することにより、ペンタクロロシクロプロパンを得る。
得られたペンタクロロシクロプロパンに、該ペンタクロロシクロプロパンに対して、2.6当量の水酸化カリウムを溶解させた水酸化カリウム水溶液を添加し、75℃で30分間攪拌することにより、テトラクロロシクロプロペンを得る。
テトラクロロシクロプロペンをジクロロメタンに溶解させた溶液に、5当量の1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを添加し、3時間攪拌した後、70%過塩素酸水溶液を添加して、外温を0℃に冷却しながらさらに攪拌することにより、テトラメチルグアニジン由来の骨格を3個有するシクロプロペニウムカチオンの過塩素酸塩として、式(3)で表される化合物(以下「化合物(3)」ともいう。)を得る。このとき、テトラクロロシクロプロペンから化合物(3)を合成する過程において、シクロプロペンにテトラメチルグアニジン由来の骨格が4個結合した中間体を経ると推定される。
さらに、ここに、化合物(3)を4Nの水酸化カリウムのメタノール溶液中で攪拌することにより化合物(1)を得る。
化合物(1)の構造は、核磁気共鳴分光法(1H−NMRおよび13C−NMR)および赤外分光法(IR)により確認することができる。
すなわち、1H−NMRスペクトルでは、グアニジンの窒素原子上に置換したメチル基に基づくピークが2.93ppmに観測される。
すなわち、1H−NMRスペクトルでは、グアニジンの窒素原子上に置換したメチル基に基づくピークが2.93ppmに観測される。
13C−NMRスペクトルでは、グアニジンの窒素原子上に置換したメチル基に基づくピークが39.70ppmに観測され、グアニジン炭素に基づくピークが131.09ppmに観測され、シクロプロペノン環のカルボニル炭素に基づくピークが146.51ppmに観測され、シクロプロペノン環のカルボニル炭素以外の炭素に基づくピークが167.17ppmに観測される。なお、上記1H−および13C−NMRスペクトルの結果は、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を使用し、1H共鳴周波数400MHzの測定条件で行ったものである。
赤外(IR)スペクトルでは、シクロプロペノン環のカルボニル基に由来するピークが1834cm-1に観測される。
紫外・可視(UV−Vis)分光分析では、吸収極大(λmax)が319nm付近に観測される。
紫外・可視(UV−Vis)分光分析では、吸収極大(λmax)が319nm付近に観測される。
上記式(1)で表わされる化合物を、例えばジクロロメタンに溶解させた溶液に、波長250〜350nmの紫外線を照射すると、下記式(2)で表される1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンが生成し、一酸化炭素が発生する。
本発明において、化合物(1)を溶解させる溶媒には、ジクロロメタンの他に、例えば、クロロホルム、アセトン、メタノール、エタノールおよびトルエン等の極性のある有機溶媒が挙げられる。また、例えば、アセトンおよび水を9:1の体積比で混合した混合溶媒であってもよい。
上記したように、本発明の化合物(1)は、波長250〜350nmの紫外線を照射することにより、式(2)で表される1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンが容易に生成する。1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンはpH値10.6であるため、塩基発生効率の点で塩基発生剤としての効果を充分に発揮すると考えられる。
化合物(1)の溶液に、紫外線を照射して生成した1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンは、例えば、以下に述べる方法を用いて確認する。
化合物(1)をジクロロメタンなどに溶解させた溶液を準備し、室温におけるpH値を測定する。次いで、その溶液に紫外線(波長254nm;照度614μW/cm2)を照射し、その後のpH値を測定する。
化合物(1)をジクロロメタンなどに溶解させた溶液を準備し、室温におけるpH値を測定する。次いで、その溶液に紫外線(波長254nm;照度614μW/cm2)を照射し、その後のpH値を測定する。
紫外線照射前後でpHの変化がみられ、紫外線照射前後でpH値が増大した場合、具体的にはpH値7.0未満からpH値7.0より高い数値となった場合には塩基が発生したと認められ、光照射前のpH値が7.0以上であって照射後により高い数値となった場合、塩基が増大したと認められる。
ところで、本発明の化合物(1)は、アルカリ水溶液に対する溶解阻害剤としての作用を有する。溶解阻害剤とは、アルカリ可溶性化合物と混合することにより、該アルカリ可溶性化合物のアルカリに対する溶解性を低減する作用を有する物質をいう。化合物(1)は、波長250〜350nmの紫外線を照射することにより上式のように分解し、塩基である1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンを生成し、これに伴い溶解阻害性が消失し、かつアルカリ可溶性重合体単独の系よりも溶解性が上昇する。これは生成した1,2−ビス(テトラメチルグアニジノ)エチンが溶解促進剤として作用するためと考えられる。
本発明の化合物(1)は、アルカリ可溶性重合体と共に使用することができる。
ここでアルカリ可溶性重合体としては、具体的には、ポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ビニル安息香酸)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、スチレン・メタクリル酸共重合体およびノボラック樹脂などが用いられるが、これらに限定されることはない。
ここでアルカリ可溶性重合体としては、具体的には、ポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ビニル安息香酸)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、スチレン・メタクリル酸共重合体およびノボラック樹脂などが用いられるが、これらに限定されることはない。
ただし、後述するが、ネガ型レジストの作成方法においては、アルカリ可溶性重合体として、特にカルボキシル基含有アルカリ可溶性重合体が用いられる。このようなカルボキシル基含有アルカリ可溶性重合体としては、例えば、ポリ(p−ビニル安息香酸)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体およびスチレン・メタクリル酸共重合体などが用いられる。
レジストパターン形成材料中のアルカリ可溶性重合体(以下、単に「A」ともいう。)と、光塩基発生剤(以下、単に「B」ともいう。)との配合比は、A/B(重量比)で通常100/50〜100/5、好ましくは100/35〜100/5程度である。
また、上記レジストパターン形成材料には、上記光塩基発生剤およびアルカリ可溶性重合体の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、希釈剤、増感剤または染料などを配合してもよい。
上記レジストパターン形成材料からは、ポジ型またはネガ型の両方のレジストパターンを作成することができる。
ポジ型レジストの作成方法においては、上記レジストパターン形成材料を、Si、GaまたはAsなどからなる被処理基板上に塗布・乾燥し、塗膜を作成する。塗膜の厚さは、通常0.5〜10μm程度であり、好ましくは0.5〜5μm程度であり、特に好ましくは0.5〜2μm程度である。次いで、この塗膜に波長250〜350nmの紫外線を所望のパターン状に照射する。紫外線の照射は、例えば、マスクなどを介して行われる。紫外線露光量は、通常0.5J/cm2 以上、好ましくは1〜100J/cm2 である。紫外線が照射された部分の塗膜(以下「紫外線照射部」という。)においては、前述したように化合物(1)が分解し、塩基を発生させるとともに溶解阻害性が消失し、かつ、アルカリ可溶性が上昇する。一方、紫外線が照射されていない部分の塗膜(以下「紫外線非照射部」という。)においては、溶解阻害性が残存するため、アルカリ可溶性が低下したままである。したがって、この状態で塗膜をアルカリ水溶液で現像すると、紫外線照射部が洗い流され、紫外線非照射部が残存することになり、ポジ型レジストが得られる。
ポジ型レジストの作成方法においては、上記レジストパターン形成材料を、Si、GaまたはAsなどからなる被処理基板上に塗布・乾燥し、塗膜を作成する。塗膜の厚さは、通常0.5〜10μm程度であり、好ましくは0.5〜5μm程度であり、特に好ましくは0.5〜2μm程度である。次いで、この塗膜に波長250〜350nmの紫外線を所望のパターン状に照射する。紫外線の照射は、例えば、マスクなどを介して行われる。紫外線露光量は、通常0.5J/cm2 以上、好ましくは1〜100J/cm2 である。紫外線が照射された部分の塗膜(以下「紫外線照射部」という。)においては、前述したように化合物(1)が分解し、塩基を発生させるとともに溶解阻害性が消失し、かつ、アルカリ可溶性が上昇する。一方、紫外線が照射されていない部分の塗膜(以下「紫外線非照射部」という。)においては、溶解阻害性が残存するため、アルカリ可溶性が低下したままである。したがって、この状態で塗膜をアルカリ水溶液で現像すると、紫外線照射部が洗い流され、紫外線非照射部が残存することになり、ポジ型レジストが得られる。
ネガ型レジストの作成方法においては、上記ポジ型レジストの作成方法と同様にして、塗膜の作成および露光を行うが、アルカリ可溶性重合体として、特に前述したカルボキシル基含有アルカリ可溶性重合体が用いられ、かつ現像に先立ち、通常は塗膜に熱処理を施す。熱処理は通常80〜180℃、好ましくは110〜150℃、特に好ましくは115〜140℃にて、1〜30分間程度行われる。熱処理を行うことにより、紫外線照射部において、上記光塩基発生剤の分解により発生した塩基と、カルボキシル基アルカリ可溶性重合体のカルボキシル基とが反応し、カルボキシル基が脱離する。カルボキシル基が脱離する結果、該重合体はアルカリ可溶性を喪失する。したがって、紫外線照射部はアルカリに対して不溶化する。一方、紫外線非照射部は、化合物(1)のためにアルカリに対する溶解性が低減しているものの、アルカリ可溶性を完全に消失しているわけではないので、現像液または現像時間を適宜に設定することで除去できる。具体的には、現像液として、強アルカリ性のトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2〜4%水溶液などを使用するか、あるいは現像時間を、例えば60秒以上にするなど、長くすることにより、紫外線非照射部を除去することができる。このような処置により紫外線非照射部が洗い流され、紫外線照射部が残存することとなり、ネガ型レジストが得られる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
反応生成物の同定および塩基性評価の方法は、以下に示すとおりである。
反応生成物の同定および塩基性評価の方法は、以下に示すとおりである。
[1]反応生成物の同定
(1)核磁気共鳴法(1H−および13C−NMR)
装置:JNM−AL400 FT−NMR (日本電子(株)製)
測定条件
内部基準:テトラメチルシラン(TMS)
1H共鳴周波数:400MHz
(2)紫外・可視(UV−Vis)分光法
装置:SLUV−4(アズワン(株)製)
測定条件
波長:254nm
光量:614μW/cm2
(1)核磁気共鳴法(1H−および13C−NMR)
装置:JNM−AL400 FT−NMR (日本電子(株)製)
測定条件
内部基準:テトラメチルシラン(TMS)
1H共鳴周波数:400MHz
(2)紫外・可視(UV−Vis)分光法
装置:SLUV−4(アズワン(株)製)
測定条件
波長:254nm
光量:614μW/cm2
[2]塩基性評価
装置:pH メーター(東亜ディーケーケー(株)製、製品名「PHM−103」)
測定方法:ガラス電極法
国際公開第2008/072651号に記載された方法に従って以下のように確認した。
装置:pH メーター(東亜ディーケーケー(株)製、製品名「PHM−103」)
測定方法:ガラス電極法
国際公開第2008/072651号に記載された方法に従って以下のように確認した。
化合物(1)をジクロロメタンに溶解させた溶液の室温におけるpH値を測定する。次いで、その溶液に紫外線を照射し、その後のpH値を30分後に測定する。
光照射前後でpHの変化がみられ、光照射前後でpH値が増大した場合、具体的にはpH値7.0未満からpH値7.0より高い数値となった場合には、塩基性が発現したと認められ、光照射前のpH値が7.0以上であって照射後により高い値となった場合には、塩基性が増大したと認められる。
光照射前後でpHの変化がみられ、光照射前後でpH値が増大した場合、具体的にはpH値7.0未満からpH値7.0より高い数値となった場合には、塩基性が発現したと認められ、光照射前のpH値が7.0以上であって照射後により高い値となった場合には、塩基性が増大したと認められる。
〔実施例1〕
[1]ペンタクロロシクロプロパンの合成
トリクロロ酢酸ナトリウム1kg(5.366mol)およびトリクロロエチレン3.56L(36.6mol)を1,2−ジメトキシエタン(DME)556mLに溶解させて、加熱還流することにより反応させた。反応が終了したら、トリクロロ酢酸ナトリウムの1.5倍の水道水で反応液を洗浄し、芒硝で乾燥させ、反応液を濃縮した。得られた褐色のシロップを減圧蒸留し、目的物438gを得た。
[1]ペンタクロロシクロプロパンの合成
トリクロロ酢酸ナトリウム1kg(5.366mol)およびトリクロロエチレン3.56L(36.6mol)を1,2−ジメトキシエタン(DME)556mLに溶解させて、加熱還流することにより反応させた。反応が終了したら、トリクロロ酢酸ナトリウムの1.5倍の水道水で反応液を洗浄し、芒硝で乾燥させ、反応液を濃縮した。得られた褐色のシロップを減圧蒸留し、目的物438gを得た。
[2]テトラクロロシクロプロペンの合成
ペンタクロロシクロプロパン435g(2mol)に、該ペンタクロロシクロプロパンに対して、2.6倍量の水酸化カリウム291g(5.2mol)を水380mLに溶解させた水酸化カリウム水溶液を添加し、75℃で30分間反応させた。反応液を室温まで冷却し、水酸化カリウム水溶液と同量のヘキサンを加え、有機層を水層に分層させた。有機層を芒硝で乾燥し、濃縮した。得られた黄色のシロップを常圧蒸留し、目的物264gを得た。
ペンタクロロシクロプロパン435g(2mol)に、該ペンタクロロシクロプロパンに対して、2.6倍量の水酸化カリウム291g(5.2mol)を水380mLに溶解させた水酸化カリウム水溶液を添加し、75℃で30分間反応させた。反応液を室温まで冷却し、水酸化カリウム水溶液と同量のヘキサンを加え、有機層を水層に分層させた。有機層を芒硝で乾燥し、濃縮した。得られた黄色のシロップを常圧蒸留し、目的物264gを得た。
[3]化合物(3)の合成
テトラクロロシクロプロペン10g(56.4mmol)をジクロロメタン120mLに溶解させ、5倍量の1,1,3,3−テトラメチルグアニジン32.2g(282mmol)を添加し、30分間攪拌した後、70%過塩素酸水溶液50mLを添加して、外温を0℃に冷却しつつさらに30分間攪拌した。70%過塩素酸水溶液の2倍量の水道水を加え、反応物を析出させ、固体を濾取し、目的物を得た。
テトラクロロシクロプロペン10g(56.4mmol)をジクロロメタン120mLに溶解させ、5倍量の1,1,3,3−テトラメチルグアニジン32.2g(282mmol)を添加し、30分間攪拌した後、70%過塩素酸水溶液50mLを添加して、外温を0℃に冷却しつつさらに30分間攪拌した。70%過塩素酸水溶液の2倍量の水道水を加え、反応物を析出させ、固体を濾取し、目的物を得た。
[4]化合物(1)の合成
化合物(3)24.8g(51.8mmol)に、水酸化カリウム6.7gを水30mLに溶解させた4N水酸化カリウム水溶液を添加し、10体積倍のメタノールを加え、50℃で12時間で攪拌した。反応液を室温まで冷却し、大量の食塩水を投入した。その後、メタノールと同量のジクロロエタンを添加し、抽出を行い、芒硝で有機層を乾燥し、濃縮した。得られた褐色のシロップについてクロロホルム:メタノール=3:1 の展開系でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、収率13.8%で目的物2gを得た。
化合物(3)24.8g(51.8mmol)に、水酸化カリウム6.7gを水30mLに溶解させた4N水酸化カリウム水溶液を添加し、10体積倍のメタノールを加え、50℃で12時間で攪拌した。反応液を室温まで冷却し、大量の食塩水を投入した。その後、メタノールと同量のジクロロエタンを添加し、抽出を行い、芒硝で有機層を乾燥し、濃縮した。得られた褐色のシロップについてクロロホルム:メタノール=3:1 の展開系でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、収率13.8%で目的物2gを得た。
化合物(1)について、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRおよび13C−NMR)、UV−VisスペクトルおよびIRスペクトルの測定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ:2.93ppm(−CH3、メチル、24H)、
13C−NMR(400MHz、CDCl3)δ:39.70(メチル)、131.09(グアニジン炭素)、146.51(シクロプロペノン環のカルボニル炭素)、167.17(シクロプロペノン環のカルボニル炭素以外の炭素)
UV−Visスペクトル:λmax319nm
IRスペクトル:1834cm-1(シクロプロペノン環のカルボニル基)
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ:2.93ppm(−CH3、メチル、24H)、
13C−NMR(400MHz、CDCl3)δ:39.70(メチル)、131.09(グアニジン炭素)、146.51(シクロプロペノン環のカルボニル炭素)、167.17(シクロプロペノン環のカルボニル炭素以外の炭素)
UV−Visスペクトル:λmax319nm
IRスペクトル:1834cm-1(シクロプロペノン環のカルボニル基)
〔実施例2〕
化合物(1)7.22mgをジクロロメタン10mLに溶解させた。この溶液を1mL採取し、ジクロロメタンで10mLに希釈した。このときのpH値は7.5であった。
化合物(1)7.22mgをジクロロメタン10mLに溶解させた。この溶液を1mL採取し、ジクロロメタンで10mLに希釈した。このときのpH値は7.5であった。
上記ジクロロメタン溶液をUV測定用の石英セルに入れ、遮光・大気雰囲気下において、波長254nmの紫外線を照射した。紫外線を照射したときのpH値の経時変化の結果を表1に示す。
なお、比較対照のため、ジクロロメタン(ブランク)のpH値を測定したところ、pH値は6.24であった。
Claims (2)
- 下記式(1)で表される化合物。
- 下記式(1)で表される化合物からなる光塩基発生剤。
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CN112105672A (zh) * | 2018-05-07 | 2020-12-18 | 学校法人东京理科大学 | 光反应性组合物、反应生成物及反应生成物的制造方法 |
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CN112105672A (zh) * | 2018-05-07 | 2020-12-18 | 学校法人东京理科大学 | 光反应性组合物、反应生成物及反应生成物的制造方法 |
CN112105672B (zh) * | 2018-05-07 | 2023-04-14 | 学校法人东京理科大学 | 光反应性组合物、反应生成物及反应生成物的制造方法 |
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