JP5119548B2 - 反応現像画像形成法 - Google Patents
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Description
ミクロ電子工学の半導体集積部品の製造において回路構造を作るために半導体基材はフォトレジストで被覆されるフォトレジスト層の画像形成露光及びこれに続く現像はフォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は半導体基材上に、金属又は他の半導体又は絶縁基材を用いたエッチング−ドーピング、被覆により実際の回路パターンを作るためのマスクとして使用される。その後、フォトレジストマスクは通常除かれる。複数のかかる加工サイクルを用いてマイクロチップのレリーフ構造は基材に形成される。
異なる2種のフォトレジスト、即ちポジ型レジストとネガ型レジストが知られている。2種の違うところはポジ型フォトレジストの露光域は現像プロセスにより除去され、未露光域が基材上に層として残る。一方、ネガ型作用フォトレジストの照射域はレリーフ構造として残ることにある。
この「反応現像画像形成法」は、ポジ型のフォトレジスト技術の一種であり、まず、フォトレジスト層をヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む樹脂と光酸発生剤とから成る混合物により形成した後に、この層を適宜所望のパターンにマスクした後に、紫外線を照射する。この紫外線照射により光酸発生剤は酸を発生させる。これをアルカリ(特に、求核性のアミン)を含む現像液で洗浄すると、このアルカリ(特に、求核性のアミン)が生成した酸と反応することにより、塩が生成し、露光域の極性が増大する。その結果、現像液中のアルカリ(特に、求核性のアミン)がこの露光域のポリマーの主鎖を構成するヘテロ原子に結合したカルボニル基を攻撃する。この攻撃により該カルボニル基の箇所で主鎖は切断される。この主鎖の切断により、ポリマーは低分子化され、現像液に溶解する。
更に、本発明者らは、「反応現像画像形成法」(特許文献1)の改良方法として、ネガ型フォトレジストを効率的に製造することができる方法を開発した(特願2007-122964)。
即ち、本発明は、基板上に、ヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む縮合型ポリマー、アニオン再生剤、光酸発生剤及び増幅剤を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層を現像液で処理する現像段階から成り、
(a)該アニオン再生剤が下式
R2−CONHR1
又は
R2−COCH(R1)2
(式中、R2は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物、下式
CH(R4)2C(R1)2OCO−N(R1)2
(式中、R4の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物であり、
(b)該増幅剤が下式
R5−Y−X−O−R6
(式中、R5はアリール基、アルキル基又はアラルキル基を表し、Yは単結合、酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表し、Xは下式
(c)該現像液がテトラ置換アンモニウムヒドロキシド、分子量が150以下のアルコール及び水を含む溶媒から成る反応現像画像形成法である。
本発明の対象となるポリマーとして、例えば、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6-ナフタレート、ポリアリレート、ポリウレタン等、及びこれらに関連するコポリマー等が挙げられる。
本発明の反応現像画像形成法が好ましく適用できるポリマーは、特にその側鎖などに、塩基と反応可能な官能基(例えばカルボキシル基やフェノール性水酸基など)や、酸や塩基により反応してカルボキシル基やフェノール性水酸基を発生できるような反応性基(保護基と結合したエステルあるいはフェノール型エーテルなど)、あるいは光照射時に架橋反応を行う基(アクリロイル基やメタクリロイル基など)などを有する必要が無い。
このアニオン再生剤は、現像時に現像液中のヒドロキシルアニオンにより、マイケル付加、水素引き抜き、または求核攻撃を受けアニオン性化合物を生成し、さらにプリベーク時に揮発せず膜中に残存することが好ましい。
このアニオン再生剤は、下記のいずれかの化合物である。
(1)下式で表される構造を有する化合物:
これらの式中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、脂肪族基又は芳香族基、好ましくは芳香族基、より好ましくはフェニル基を表す。脂肪族基としては、メチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基が挙げられる。
R2−CONHR1
又は
R2−COCH(R1)2
式中、R2は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表す。脂肪族基としては、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基などのアルキル基が挙げられ、芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。
R1は上記と同様に定義される。
Zは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。
CH(R4)2C(R1)2OCO−N(R1)2
式中、R4の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。脂肪族基としてはアルキル基、芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。電子求引基としては、フルオレニル基、有機スルホキシド基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボニル基、アミド基、ピリジル基、好ましくは、フルオレニル基が挙げられる。芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。
R1は上記と同様に定義される。
R5−Y−X−O−R6
式中、R5はアリール基、アルキル基又はアラルキル基を表す。
このアリール基としてはα又はβ−ナフチル基、フェニル基が挙げられる。
このアルキル基の炭素数は好ましくは6以上、より好ましくは10〜20である。このアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、デカヒドロナフチル基などが挙げられる。
また、このアラルキル基のアルキル基部分の炭素数は好ましくは1〜10であり、アリール基部分は好ましくはα又はβ−ナフチル基、フェニル基である。このようなアラルキル基として、ベンジル基、α又はβナフチルメチル基などが挙げられる。
これらアリール基、アルキル基又はアラルキル基は、更に置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有していてもよく、その置換基として、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、ケトン基等が挙げられる。
Xは、下式
R6は置換基を有していてもよい炭素数が2以上のアルキル基を表す。このアルキル基は直鎖又は分岐であってもよい。反応機構(ここには記載しない)から考えて、X−O−から2番目の炭素原子が少なくとも一つの水素原子を有することが好ましい。このアルキル基の炭素数は好ましくは2〜20、より好ましくは2〜4である。このアルキル基としてはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基等が挙げられる。また、このアルキル基は好ましくは1〜3個、より好ましくは1又は2個の置換基を有していてもよく、その置換基として、炭素数が1〜3のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、エーテル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、ケトン基、ハロゲン基等が挙げられる。
光酸発生剤はフォトレジスト中に全固形含量に基づいて0.5重量%以上、好ましくは0.5〜25重量%、より好ましくは3〜10重量%用いられる。本発明の方法は、感度が向上しているため、従来法に比して光酸発生剤の添加量を少なくすることができる。
増幅剤はフォトレジスト中に全固形含量に基づいて0.5重量%以上、好ましくは0.5〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%用いられる。
本発明のフォトレジストはそれ自身公知の方法により成分を溶剤又は溶剤混合物中に混合又は溶解することにより配合される。一旦成分は溶液中に溶解され、得られたフォトレジスト溶液は0.1〜1μmの細孔を有するろ過膜を用いて、ろ過してもよい。
基板上への被覆は通常、浸漬、噴霧、ロール塗り又はスピンコーティングによって行われる。生じた層の厚さはフォトレジスト溶液の粘度、固形分含量及びスピンコーティング速度に依存する。本発明のフォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を持つ層及びレリーフ構造を作ることができる。多層回路における薄層は一時の間に合わせのフォトレジストとして又は絶縁層として1〜50μmにすることができる。
フォトレジストを基材に塗布した後、これに普通50〜120℃の温度範囲で予備乾燥させる。オーブン又は加熱プレートを使用できる。オーブン中での乾燥時間は5〜60分である。
普通、輻射は紫外線ランプを用いて行われる。市販で入手できる輻射装置、例えば接触又は非接触露光機、走査投光型露光装置又はウエハステッパーを使用することが好ましい。
本発明の反応現像画像形成法は感度が良好なため、従来法に比べて低い露光量で同等のフォトレジストを形成することが可能である。必要な露光量は、例えば、500mJ/cm2以下、特に10〜200mJ/cm2である。この露光量は、i線(365nm)換算照度による換算照射量をいい、測定波長範囲320〜390nmにおいて、光源から650mmの距離で照度計により測定することができる。
本発明で用いる現像液は、テトラ置換アンモニウムヒドロキシド、低分子アルコール及び水を含む溶媒から成る。
このテトラ置換アンモニウムヒドロキシドは、現像液中のアルコール成分をアルコキシドにさせる。
このテトラ置換アンモニウムヒドロキシドは、下式で表される。
NR’4OH
式中、R’は、それぞれ同じであっても異なってもよく、炭化水素基、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が1〜3のアルキル基を表す。
好ましいテトラ置換アンモニウムヒドロキシドとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
現像後、適当な溶媒で洗浄してもよい。
本発明のネガ型フォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を有するポリマー被膜及び鋭い輪郭丸みを付けられたれレリーフ構造をとることができる。
現像液中に、上記照射後の塗布膜を浸漬又は超音波処理した後、純水で洗浄し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。形成したフォトレジストを走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製作所製S-2600N、加速電圧:15-20kV)により観察し、その現像限界の線幅を解像度とした。
本合成例では実施例で増幅剤として用いた2-ナフタレンスルホン酸 2-フェニルエタノール(SPE、下式)を合成した。
本合成例では実施例でポリマーとして用いたポリエーテルイミド(PEI)の合成を行った。反応式を下式に示す。
N-メチルピロリドン(三菱化学製、NMP)3.3gに、合成例2で得たポリエーテルイミド(PEI)0.7gを添加して溶解させた後、光酸発生剤としてジアゾナフトキノン系感光剤PC-5(R)(東洋合成製、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステル)0.105g、増幅剤として合成例1で得たSPE 0.07g及びN-フェニルマレイミド(和光純薬(株)製、一級, PMI)0.007gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した。この溶液を35μmの電解銅箔上(シャイン面)にスピンコート法(800rpm/10sec+1100rpm/30sec)にて塗布し、遠赤外線熱風循環式乾燥機でプリベーク(90℃/10分)後、膜厚約11μmの感光性PEI被塗膜を得た。
これにPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機(オーク社製)によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は100mJ/cm2であった。この膜を、さらに遠赤外線熱風循環式乾燥機で露光後ベーク(110℃/1分)した。
露光及び露光後ベーク後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液6gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は4分40秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで10μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図1(1)に示す。
NMP 3.3gに、PEI0.7gを添加して溶解させた後、感光剤PC-5(R) 0.07g、SPE 0.07g及びPMI 0.007gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した。この溶液を用いて実施例1と同様の操作を行うことにより得た感光性PEI被塗膜に露光量100mJ/cm2の光を照射した。この膜を、さらに遠赤外線熱風循環式乾燥機で露光後ベーク(110℃/1分)した。
露光及び露光後ベーク後、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/2.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液7gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は4分18秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで10μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図1(2)に示す。
NMP 3.3gに、PEI0.7gを添加して溶解させた後、感光剤PC-5(R)0.035g、SPE 0.07g及びPMI 0.007gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した。この溶液を用いて実施例1と同様の操作を行うことにより得た感光性PEI被塗膜(膜厚約12μm)に露光量100mJ/cm2の光を照射した。この膜を、さらに遠赤外線熱風循環式乾燥機で露光後ベーク(110℃/1分)した。
露光及び露光後ベーク後、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/3.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液8gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は5分40秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで10μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図1(3)に示す。
NMP 3.3gに、PEI 0.7gを添加して溶解させた後、感光剤PC-5(R)0.035g、SPE 0.035g及びPMI 0.007gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した。この溶液を用いて実施例1と同様の操作を行うことにより得た感光性PEI被塗膜(膜厚約13μm)に露光量100mJ/cm2の光を照射した。この膜を、さらに遠赤外線熱風循環式乾燥機で露光後ベーク(110℃/1分)した。
露光及び露光後ベーク後、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/4.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液9gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は5分50秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図1(4)に示す。
Claims (6)
- 基板上に、ヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む縮合型ポリマー、アニオン再生剤、光酸発生剤及び増幅剤を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層を現像液で処理する現像段階から成り、
(a)該アニオン再生剤が下式
R2−CONHR1
又は
R2−COCH(R1)2
(式中、R2は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物、下式
CH(R4)2C(R1)2OCO−N(R1)2
(式中、R4の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物であり、
(b)該増幅剤が下式
R5−Y−X−O−R6
(式中、R5はアリール基、アルキル基又はアラルキル基を表し、Yは単結合、酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表し、Xは下式
(c)該現像液がテトラ置換アンモニウムヒドロキシド、分子量が150以下のアルコール及び水を含む溶媒から成る反応現像画像形成法。
- 前記光酸発生剤が1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステルであり、前記アニオン再生剤が下式
- フォトレジスト中に、全固形含量に基づいて、前記アニオン再生剤を0.2〜25重量%、光酸発生剤を0.5〜25重量%及び増幅剤を0.5〜25重量%含有する請求項1又は2に記載の反応現像画像形成法。
- 露光量が500mJ/cm2以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応現像画像形成法。
- 基板上に請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法によって形成されたフォトレジスト層を有し、該フォトレジスト層の膜厚が0.1〜500μmであるネガ型フォトレジスト構造物。
- 前記フォトレジスト層が所望のパターンのレリーフ構造が形成された請求項5に記載のフォトレジスト構造物。
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