JP2014237392A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な転がり抵抗を示す、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部の径方向外側に位置し、タイヤの赤道面に対して傾斜した方向に延びる多数本のコードをゴムで被覆した、少なくとも1層の傾斜ベルト層を含むベルトとを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤであって、該タイヤを適用リムに装着した状態のタイヤ幅方向断面において、前記傾斜ベルト層のうち最も幅の広い最幅広傾斜ベルト層の幅BWに対する、当該最幅広傾斜ベルト層の幅方向中心と幅方向端との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下であり、ポアソン比が0.250以上0.490以下の低ポアソン比材料からなる補助ゴム層を、前記タイヤのタイヤサイド部のうちバットレス部にのみ設けてなることを特徴とする、空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、良好な転がり抵抗を示す、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤに関する。
近年、地球温暖化を含む環境問題を考慮した各種の技術開発が活発に行われており、その一例として、自動車の低燃費化を目的とした技術が提案されている。
自動車の低燃費化を達成するための1つの手段として、タイヤの転がり抵抗を低減させることが挙げられる。タイヤに荷重が負荷されてトレッド踏面が路面へ接地する際、トレッドゴムに圧縮変形及びせん断変形等が生じ、転がり抵抗が増加し、燃費が悪化する。そこで、トレッドゴムの材料を、損失正接(tanδ)が小さい低発熱性のゴムに変更して、トレッドゴムの変形に伴う発熱量を低減させることが、転がり抵抗を低下させて燃費を向上させるために有効であると考えられている。
しかしながら、従来のタイヤは、内圧充填時にカーカス等に生じる張力が一定となる自然平衡形状に代表される、比較的丸い断面形状に設計されることが多く、転がり抵抗への寄与が大きい、トレッドの変形が低減されていないことが多かった。そのため、トレッドゴムの材料として低発熱性のゴムを用いた従来のタイヤには、トレッドの変形を低減して転がり抵抗を更に低下させるという点において改善の余地があった。
そこで、上記問題を解決するために、タイヤのベルトの形状を平坦にする、所謂、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。フラットベルト構造を有する空気入りタイヤでは、トレッドが接地する際の変形を抑制し、転がり抵抗を改善することができる。
国際公開第2009/078425号
しかしながら、フラットベルト構造を有する従来の空気入りタイヤは、転がり抵抗が十分には改善されておらず、更なる改善の余地があった。
そこで、本発明は、良好な転がり抵抗を示す、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部の径方向外側に位置し、タイヤの赤道面に対して傾斜した方向に延びる多数本のコードをゴムで被覆した、少なくとも1層の傾斜ベルト層を含むベルトとを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤであって、該タイヤを適用リムに装着した状態のタイヤ幅方向断面において、前記傾斜ベルト層のうち最も幅の広い最幅広傾斜ベルト層の幅BWに対する、当該最幅広傾斜ベルト層の幅方向中心と幅方向端との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下であり、ポアソン比が0.250以上0.490以下の低ポアソン比材料からなる補助ゴム層を、前記タイヤのタイヤサイド部のうちバットレス部にのみ設けてなることを特徴とする。本発明の空気入りタイヤは、最幅広傾斜ベルト層の幅BWに対する、最幅広傾斜ベルト層の幅方向中心と幅方向端との径差BDの比、BD/BWが、上記範囲内にある、所謂フラットベルト構造を有し、且つ、タイヤサイド部のうちバットレス部にのみ、低ポアソン比材料からなる補助ゴム層が設けられていることによって、バットレス部における歪み量を低減して良好な転がり抵抗を得ることができる。
ここで、前記「タイヤを適用リムに装着した状態」とは、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等の規定の標準リムに組み込んだ状態にて、30kPaの極低内圧を負荷し、荷重をかけない状態を意味する。また、「タイヤサイド部」とは、タイヤを適用リムに装着した状態におけるタイヤ幅方向断面において、最幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外側端を通る、該最幅広傾斜ベルト層の法線と、ビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分とによって区画される範囲をいう。更に、「バットレス部」とは、タイヤを適用リムに装着した状態におけるタイヤ幅方向断面において、最幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向外側端を通る、該最幅広傾斜ベルト層の法線と、カーカスの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とによって区画される範囲をいう。なお、バットレス部は、タイヤサイド部のうちの一部を構成するものとする。また、ここで「ポアソン比」とは、JIS K 7161「引張特性の試験方法」に準拠して測定された値をいう。
そして、本発明の空気入りタイヤは、前記低ポアソン比材料が、発泡ゴムであることが好ましい。発泡ゴムは、タイヤに使用された実績が多数あるため、信頼性が高く、タイヤの製造が容易である。
また、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向内側から、接地端、補助ゴム層のタイヤ幅方向内側端、最幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端の順で位置していることが好ましい。このような配置の場合、最幅広傾斜ベルト層の端部の近傍に補助ゴム層を設けることにより、タイヤ接地時のトレッドゴムの変形量を効率的に減少させ、歪み量を効率的に低減させて、より良好な転がり抵抗を得ることができるためである。
ここで、「接地端」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK 2012年度版に規定の標準リムに組み込み、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷を負荷した状態における、タイヤ幅方向最外側の接地部分を意味するか、或いは、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等、使用される地域に有効な産業規格に規定の標準リムに組み込み、該産業規格での適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷を負荷した状態における、タイヤ幅方向最外側の接地部分を意味する。
本発明によれば、良好な転がり抵抗を示す、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一例に係る空気入りタイヤを適用リムに装着した状態での幅方向断面図である。 図1に示す空気入りタイヤのタイヤ半部の斜視断面図である。 図1に示す空気入りタイヤの変形例のタイヤ半部の斜視断面図である。 図1に示す空気入りタイヤの接地端付近の拡大図である。 本発明の更に別の例に係る空気入りタイヤを適用リムに装着した状態での幅方向断面図である。
図1に示すように、本発明の一例に係る空気入りタイヤ1は、一対のビード部2間にトロイダル状に跨るカーカス3と、ベルト4とを有する。ここで、ベルト4は、該カーカス3のクラウン部の径方向外側に位置し、タイヤの赤道面EPに対して傾斜した方向に延びる多数本のコードをゴムで被覆した2層の傾斜ベルト層(第1傾斜ベルト層41a及び第2傾斜ベルト層41b)と周方向ベルト層42とを含む。そして、該ベルト4の径方向外側には、トレッド6が配置されている。なお、ここで、傾斜ベルト層41aのコードの傾斜角度と傾斜ベルト層41bのコードの傾斜角度はそれぞれ異なり、タイヤ赤道面EPを挟んで互いに交錯して交錯ベルトを形成している。
空気入りタイヤ1は、該タイヤ1を適用リム9に装着した状態のタイヤ幅方向断面において、傾斜ベルト層41a,41bのうち最も幅の広い最幅広傾斜ベルト層(図1では第1傾斜ベルト層41a)の幅BWに対する、最幅広傾斜ベルト層41aの幅方向中心と最幅広傾斜ベルト層41aの幅方向端との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下である、所謂、フラットベルト構造を有する。BD/BW比が前記範囲内にあることによって、タイヤ赤道面EPと接地端部との径差を小さくして適度にベルトを平坦にし、接地時に接地端部側でベルトが平らに伸ばされることにより生じるせん断変形を抑制して、転がり抵抗を低減することができる。
なお、最幅広傾斜ベルト層の幅BWは、例えば、カーカスの幅方向寸法に対して60〜90%の割合を占める。ここで、カーカスの幅方向寸法とは、タイヤ断面図において、2点のカーカス最大幅位置Wmaxのうち、一方のカーカス最大幅位置Wmaxから他方のカーカス最大幅位置Wmaxまでのタイヤ幅方向に沿う寸法を言う。
そして、空気入りタイヤ1は、ポアソン比が0.250以上0.490以下の低ポアソン比材料からなる補助ゴム層8を、タイヤのタイヤサイド部5のうち、タイヤサイド部の一部を構成するバットレス部7にのみ設けてなる。ここで、補助ゴム層8に関して、「タイヤのタイヤサイド部のうち、バットレス部にのみ設けてなる」とは、補助ゴム層8が、タイヤサイド部5においては、バットレス部7にのみ存在していればよいことを意味し、補助ゴム層8がタイヤサイド部5以外の部分まで延在していることを排除するものではない。即ち、補助ゴム層8は、図1に示すように、バットレス部7からトレッド6にまで亘って設けられていてもよい。そして、図1に示す空気入りタイヤ1において、補助ゴム層8と補助ゴム層8との間のトレッド部は、非発泡ゴムから形成されている。
本発明者らは、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤを解析した結果、フラットベルト構造を持たないタイヤと比較して、バットレス部分における歪み量が相対的に大きくなっており、接地端付近に負荷される接地圧も相対的に大きくなっていることを見出した。そこで、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤのタイヤサイド部において、バットレス部にのみ、前記範囲内のポアソン比を有する低ポアソン比材料からなる補助ゴム層8を設けることによって、転がり抵抗を更に低減することに成功した。具体的には、フラットベルト構造を有するタイヤにおいて、接地時に歪みの大きいバットレス部にのみ、低ポアソン比材料からなる補助ゴム層を設けることによって、接地時に圧力が負荷される場合に該補助ゴム層が圧縮され、接地時に歪みの大きいバットレス部における歪み量を低減して良好な転がり抵抗を得ることに成功した。なお、バッドレス部に凹部を設けて歪み量を低減することも考えられるが、低ポアソン比材料からなる補助ゴム層8をバットレス部7に設ければ、空気入りタイヤ1に空洞部分が形成されることがないため、タイヤ1の耐久性を大きく低下させることなく転がり抵抗を改善することができる。また、凹部をバットレス部7に設ける場合と比較して、外観も優れている。
なお、空気入りタイヤ1では、補助ゴム層8は、バットレス部7よりもタイヤ径方向内側には配置されない。補助ゴム層8を、バットレス部7よりもビードトウ20側に設けた場合には、ビード部2側ではもともとゴムの厚さが薄いので、接地時のタイヤサイド部の歪みを減少する効果が小さく、且つ、ビード部2側にクラックが発生する虞がある。
また、図4に示すように、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向内側から、接地端GE、補助ゴム層8のタイヤ幅方向内側端8E、最幅広傾斜ベルト層(図4では、第1傾斜ベルト41a)のタイヤ幅方向端Eの順で位置していることが好ましい。低ポアソン比材料からなる補助ゴム層8が接地面内に位置すると、補助ゴム層8が位置する部分が他の部分よりも早期に摩耗し、接地面内で不均一摩耗が生ずるおそれがあることから、補助ゴム層8は、接地端GEよりタイヤ幅方向内側には設けられないようにするのがよい。一方で、最幅広傾斜ベルト層の端部の近傍ではゴムの変形が大きくなるところ、最幅広傾斜ベルト層の端部の近傍に補助ゴム層8を設ければ、タイヤ接地時のトレッドゴムの変形量を効率的に減少させ、歪み量を効率的に低減させて、より良好な転がり抵抗を得ることができる。また、最幅広傾斜ベルト層の端部Eを接地端GEよりもタイヤ幅方向外側に位置させれば、耐久性を確保することもできるからである。
図1に示す補助ゴム層8の厚さTは、例えば、1.0mm〜8.0mmである。ここで、「補助ゴム層の厚さ」とは、補助ゴム層8の最大厚さを意味する。補助ゴム層8の厚さTがこの範囲内にあることによって、タイヤの剛性を低下させることなく、更に良好な転がり抵抗を得ることができる。補助ゴム層8の厚さTが、1.0mm未満の場合には、補助ゴム層8が存在する領域が薄すぎて、バットレス部7のゴム量を十分に減らしてバットレス部の歪み量を低減することができない虞がある。また、該厚さTが、8.0mmを超える場合には、バットレス部7のゴム量が減少し過ぎ、空気入りタイヤ1の剛性が低下する虞がある。
補助ゴム層8の厚さTは、好ましくは2.0mm〜5.0mmである。該厚さTがこの範囲内にある場合、より良好な転がり抵抗を示す、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤを得ることができる。
また、補助ゴム層8の厚さTは、同様の理由により、例えば、タイヤ表面からカーカスまでの距離の20〜95%の範囲、好ましくは30〜70%の範囲内にあることが好ましい。ここで、「タイヤ表面からカーカスまでの距離」とは、タイヤ表面からカーカスに引いた垂線に沿う距離をいう。
また、カーカス3から引いた垂線に沿う、カーカス3から補助ゴム層8までの距離は、例えば、0.2〜1.5mm、好ましくは0.4〜1.0mmである。当該距離が短過ぎると、製造バラつきによっては、カーカスコードが補助ゴム層に接している空気入りタイヤが製造され、そのようなタイヤではコードとゴムとの間の接着不良が発生する虞がある。一方、当該距離が大きすぎると、バットレス部の歪みを十分に低減することができない可能性がある。
補助ゴム層8は、図1に示すように、タイヤ断面図において、バットレス部7に、タイヤ表面に沿って延在するように設けられていることが好ましい。例えば、補助ゴム層8は、タイヤ断面図において、各補助ゴム層8が、バットレス部7に沿って、バットレス部7の10〜50%の範囲に延在している。
補助ゴム層8を形成する低ポアソン比材料としては、例えば、発泡ゴムが使用される。空気入りタイヤのタイヤサイド部6は、一般的に非発泡ゴムから形成されているため、補助ゴム層8が発泡ゴムから形成されている場合、接地時の圧力による補助ゴム層8の圧縮をより容易にし、より良好な転がり抵抗を得ることができる。そして、補助ゴム層8を形成する低ポアソン比材料として発泡ゴムが使用される場合、以下で説明する被覆ゴム層10は、非発泡ゴムからなることが好ましい。
なお、ポアソン比は、荷重負荷時の圧縮歪みを有効に低減して転がり抵抗を低減する観点からは0.490以下である必要があり、0.440以下であることが好ましく、また、圧縮歪みが大きくなりすぎることに起因してタイヤの耐久性が低下するのを抑制する観点からは0.250以上である必要があり、0.320以上であることが好ましい。
そして、補助ゴム層8は、上述したポアソン比を有する低ポアソン比材料からなるものであれば、図2に示すように、タイヤ周方向に連続的に設けられていても、図3に示すようにタイヤ周方向に断続的に設けられていてもよい。補助ゴム層8は、例えば、タイヤ周方向の50〜100%の範囲を占めるように位置する。
なお、図3に示すように、補助ゴム層8が周方向に断続的に設けられている場合には、接地端が通常走行時よりも幅方向外側に移動するコーナリングの際、補助ゴム層8と補助ゴム層8との間に形成されている、低ポアソン比材料ではないゴム部分で路面に接地することができるので、接地圧力の急激な低下を防ぐことができ、スムーズなコーナリングが可能となる。
空気入りタイヤ1において、補助ゴム層8は、タイヤサイド部5において、カーカスの曲率半径が最小となる位置(以下、「曲率半径最小位置」という)には位置しない。ここで、「カーカスの曲率半径」とは、空気入りタイヤ1の内側に曲率中心を有する、カーカス3の厚み中心線が描く円弧の半径をいう。ここで、ビードトゥ20にタイヤの回転軸と平行に引いた線分とカーカスのトレッドセンターとの径方向距離をSH1とした場合、空気入りタイヤ1において、曲率半径最小位置は、カーカスの最大幅位置Wmaxを中心としてタイヤ径方向内側及び外側に0.1SH1の距離の範囲内に位置する。
また、補助ゴム層8の形状は、図に示した形状に限られない。例えば、くさび状、台形状等の形状であってもよい。
本発明の別の例に係る空気入りタイヤ1’では、図5に示すように、補助ゴム層8の外側に、非発泡ゴムからなり、且つ、補助ゴム層8を覆う被覆ゴム層10が設けられている。補助ゴム層8が被覆ゴム層10によって覆われていることにより、外観性能が向上するためである。被覆ゴム層10の厚さは、例えば、0.2〜2.0mmである。ここで、「被覆ゴム層の厚さ」とは、被覆ゴム層10の最大厚さを意味する。被覆ゴム層10の厚さが2.0mmを超えると、被覆ゴム層10によって被覆される補助ゴム層8が十分に圧縮されず、圧縮歪みを低減して転がり抵抗を改善させることが難しい場合がある。一方、被覆ゴム層10の厚さが0.2mm未満になると、製造時の厚さのばらつきによって、補助ゴム層8がタイヤ表面に露出して、外観不良が生ずる虞がある。被覆ゴム層10の厚さは、好ましくは、0.2〜0.5mmである。
また、被覆ゴム層10が設けられている場合、被覆ゴム層10の厚さと補助ゴム層8の厚さTとの合計は、好ましくは1.0〜8.0mmである。前記合計がこの範囲内にある場合、より良好な転がり抵抗を示す、フラットベルト構造を有する空気入りタイヤを得ることができる。
更に、被覆ゴム層10の厚さと補助ゴム層8の厚さTとの合計は、例えば、タイヤ表面からカーカスまでの距離の20〜95%の範囲、好ましくは30〜70%の範囲内にあることが好ましい。
そして、この場合、カーカス3から引いた垂線に沿う、カーカス3から補助ゴム層8までの距離は、例えば0.2〜1.5mm、好ましくは0.4〜1.0mmである。当該距離が短過ぎると、製造バラつきによっては、カーカスコードが補助ゴム層に接している空気入りタイヤが製造され、そのようなタイヤではコードとゴムとの間の接着不良が発生する虞がある。一方、当該距離が大きすぎると、バットレス部の歪みを十分に低減することができない可能性がある。
更に、被覆ゴム層10は、ビード部からタイヤ最大幅位置を越えて配設されるサイドゴムと同じ材料からなることが好ましい。この場合、サイドゴムとは別に被覆ゴムを用意する必要がないため、製造効率を低下させることがない。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
タイヤサイズ155/65R14の空気入りタイヤを、実施例、比較例及び従来例タイヤとして製造した。これらのタイヤは、一対のビード部間にトロイダル状に跨る1枚のカーカスプライから構成されるラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部の径方向外側に位置するベルトと、該ベルトの径方向外側に位置するトレッドとを有する。ここで、前記ベルトは、2層の傾斜ベルト層と、ナイロンコードを略赤道方向に巻いたベルト補強層とを含み、前記2層の傾斜ベルトは、タイヤの赤道面に対して傾斜して延びる多数本のコードをゴムで被覆してなり、前記各傾斜ベルトのコードは、タイヤ赤道面を挟んで互いに交錯している。そして、前記トレッドのタイヤ幅方向両外側には、一対のバットレス部が位置している。作製した実施例及び比較例のタイヤは、曲率半径が最小となる部分が、カーカスの最大幅位置Wmaxを中心としてタイヤ径方向内側及び外側に0.1SH1の距離の範囲にあるタイヤである。
各例のタイヤについて、最幅広傾斜ベルト層の幅BW、最幅広傾斜ベルト層の幅方向中心と最幅広傾斜ベルト層の幅方向端との径差BD、BD/BW比、並びに、補助ゴム層の厚さ等は、表1に示す通りとした。表1中、補助ゴム層に関して、「厚さ比率」とは、タイヤ表面からカーカスまでの距離に対する、補助ゴム層の厚さの比率を示すものとする。なお、各例の空気入りタイヤにおいて、補助ゴム層以外の部分のゴム部分は、ポアソン比が0.50の非発泡ゴムである。
ここで、従来例1の空気入りタイヤは、前記特許文献1(国際公開第2009/078425号)に記載される、補助ゴム層を持たない、フラットベルト構造を有する市販の空気入りタイヤである。また、比較例1の空気入りタイヤは、フラットベルト構造を有するが、補助ゴム層を形成する低ポアソン比材料のポアソン比が本発明の範囲よりも低い空気入りタイヤである。そして、比較例2及び3の空気入りタイヤは、フラットベルト構造を持たないが、バットレス部に補助ゴム層が設けられた空気入りタイヤである。更に、比較例4は、フラットベルト構造を持たず、且つ、補助ゴム層も持たない空気入りタイヤである。比較例5は、フラットベルト構造を有し、且つ、補助ゴム層をビード側に位置させた空気入りタイヤである。そして、実施例1〜9の空気入りタイヤは、フラットベルト構造を有し、且つ、バットレス部に補助ゴム層が設けられた空気入りタイヤである。また、実施例10〜15の空気入りタイヤは、フラットベルト構造を有し、且つ、バットレス部に補助ゴム層が設けられ、更に、補助ゴム層の外側に補助ゴム層を覆うように非発泡ゴムからなる被覆ゴム層が設けられた空気入りタイヤである。
作製した各例の空気入りタイヤについて、下記の評価を行なった。
<評価方法>
1.転がり抵抗試験
直径1.7mの鉄板表面を持つドラム試験機を用いて車軸の転がり抵抗力を求めた。JATMA規定の標準サイズ(4.5J)のリムを使用して、内圧210kPaで、荷重310kgを負荷し、速度は80km/hで走行させて、転がり抵抗を測定した。結果は、表1に、従来例1のタイヤの転がり抵抗を100として指数で表しており、指数が小さいほど転がり抵抗が良好である。
2.耐久性試験
室温38℃で、直径1.7mの鉄板表面を有するドラム試験機を用いて耐久性の評価を行なった。4.5Jのリムに各例の空気入りタイヤを組み、速度60km/h、内圧100kPa、荷重465kgを負荷して走行させ、タイヤ外表面に亀裂が生ずるまでの走行距離を測定した。結果は、従来例1の空気入りタイヤの当該走行距離を100として、表1に指数で表示しており、指数が大きいほど耐久性が高い。
3.外観試験
熟練した検査員が各例の空気入りタイヤを目視によって検査し、空気入りタイヤの外表面に異常がなければ○、外表面の状態が、低ポアソン比材料からなる補助ゴム層を含まない、従来例1の空気入りタイヤと異なる部分があれば△とした。評価が△のものも、普通のタイヤと外観が異なるというだけで、市場性がないわけではなく、外観から特別な技術を適用していることがわかるので、場合によっては従来品との差別化に利用することができる。
上記試験による評価結果を、下記表1に示す。
Figure 2014237392
実施例1〜15の評価結果より、フラットベルト構造を有し、且つ、バットレス部に補助ゴム層が設けられた空気入りタイヤは、耐久性を大きく低下させることなく、良好な転がり抵抗を示すことが示された。また、補助ゴム層を覆う、0.2mm以上の厚さの被覆ゴム層を設けた実施例10〜14では、被覆ゴム層を設けない実施例1〜9と比較して、外観性能が向上した。
1…空気入りタイヤ、2…ビード部、3…カーカス、4…ベルト、5…タイヤサイド部、6…トレッド、7…バットレス部、8…補助ゴム層、8E…補助ゴムのタイヤ幅方向内側端、9…適用リム、10…被覆ゴム層、20…ビードトゥ、41a…第1傾斜ベルト層、41b…第2傾斜ベルト層、42…周方向ベルト、BD…最幅広傾斜ベルト層の幅方向中心と最幅広傾斜ベルト層の幅方向端との径差、BW…最幅広傾斜ベルト層の幅、T…補助ゴム層の厚さ、E…最幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端、EP…タイヤ赤道面、GE…接地端、Wmax…カーカスの最大幅位置、L1…最幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端を通る最幅広傾斜ベルト層の法線、L2…カーカスの最大幅位置にタイヤの回転軸と平行に引いた線分、SH1…ビードトゥにタイヤの回転軸と平行に引いた線分とカーカスのトレッドセンター部との距離

Claims (3)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部の径方向外側に位置し、タイヤの赤道面に対して傾斜した方向に延びる多数本のコードをゴムで被覆した、少なくとも1層の傾斜ベルト層を含むベルトとを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤであって、
    該タイヤを適用リムに装着した状態のタイヤ幅方向断面において、前記傾斜ベルト層のうち最も幅の広い最幅広傾斜ベルト層の幅BWに対する、当該最幅広傾斜ベルト層の幅方向中心と幅方向端との径差BDの比BD/BWが0.01以上0.04以下であり、
    ポアソン比が0.250以上0.490以下の低ポアソン比材料からなる補助ゴム層を、前記タイヤのタイヤサイド部のうちバットレス部にのみ設けてなることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記低ポアソン比材料が、発泡ゴムであることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向内側から、接地端、補助ゴム層のタイヤ幅方向内側端、最幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端の順で位置していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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