JP2014236843A - 乗物用シート - Google Patents

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久祥 松岡
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Abstract

【課題】上下方向及びロール方向のそれぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができる乗物用シートを提供すること。
【解決手段】支持フレーム12と、支持フレーム12の前後方向に取り付けられる複数の第1バネ部材13と、支持フレーム12及び複数の第1バネ部材13を有して構成される支持構造の上面に設定したクッション材11と、を備えた乗物用シート1において、支持構造に、トーション軸部20aと、トーション軸部20aの両端から前方向へ延びる一対のアーム部20bと、を有する第2バネ部材20を設け、トーション軸部20aを支持構造に結合する一対の第1結合部25と、一対のアーム部20bを第1バネ部材13に結合する一対の第2結合部26と、を設定し、一対の第2結合部26に、クッション材11に加えられる乗員荷重による一対のアーム部20bの揺動に対し、該結合部26の前後方向の変位を吸収する一対の吸収機構30を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、支持フレーム及びこの支持フレームの前後方向に取り付けられる複数のバネを有して構成される支持構造の上面にクッション材を設定した乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートとしては、着座面を有するシートクッションの骨格を成すシートフレームと、着座面の左右方向において並列に設け、シートに対してクッション性を持たせる複数のクッションバネと、を有する。そして、シートフレームに支持され着座面の前後に設けた係止ロッドを有し、複数のクッションバネのそれぞれが、前後の係止ロッドに係止され連架されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−049272号公報
しかしながら、従来の乗物用シートにあっては、シートクッションに加えられる荷重による上下方向及びロール方向の変位を、同一部材(複数のクッションバネ)にて支持している。このため、それぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができないという問題が生じていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、上下方向及びロール方向のそれぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の乗物用シートは、支持フレームと、前記支持フレームの前後方向に取り付けられる複数の第1バネ部材と、前記支持フレーム及び前記複数の第1バネ部材を有して構成される支持構造の上面に設定したクッション材と、を備えている。
前記クッション材に加えられる乗員荷重に対し、前記クッション材の弾性形状変形と前記第1バネ部材の伸縮に伴う第1バネ弾性力により弾性支持する。
この乗物用シートにおいては、第2バネ部材を設け、一対の第1結合部と一対の第2結合部とを設定し、吸収機構を有する。
前記第2バネ部材は、前記支持構造に、乗物幅方向に延びるトーション軸部と、前記トーション軸部の両端から前記フレームの前後方向のうち一方向へ延びる一対のアーム部と、を有する。
前記一対の第1結合部は、前記トーション軸部の乗物幅方向の両端側を、前記支持構造に結合する。
前記一対の第2結合部は、前記一対のアーム部の端部側を、前記第1バネ部材に結合する。
前記一対の吸収機構は、前記一対の第1結合部及び前記一対の第2結合部のうち少なくとも一方に、前記クッション材に加えられる乗員荷重による前記一対のアーム部の揺動に対し、該結合部の前後方向の変位を吸収する。
本発明の乗物用シートにあっては、支持フレーム及び複数の第1バネ部材を有して構成される支持構造に、第2バネ部材が追加され、両者の結合部に一対の吸収機構を有し、座面にスタビライザ機能を持たせた構成としている。
すなわち、乗物用シートにおいては、シートクッションに加えられる乗物幅方向の均等荷重に対し、弾性力を確保する等の理由から、上下方向の剛性を低くしたいという要望があった。これとは逆に、シートクッションに加えられる乗物幅方向の偏荷重に対し、姿勢の変え易さ及び乗物旋回時に姿勢を保持する等の理由から、シートを硬くするためにロール方向の剛性を高くしたいという要望があった。
これに対し、クッション材に乗物幅方向の均等荷重が加えられるとき、一対のアーム部は揺動しつつ、該結合部の前後方向の変位は吸収機構により吸収される。これにより、第2バネ部材は、クッション材の弾性形状変形と第1バネ部材の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性が低く抑えられる。
また、クッション材に乗物幅方向の偏荷重、つまり、一方のアーム部にのみ荷重が加えられるとき、トーション軸部にねじれが発生する。このねじれに対する反発(反力)により、第2バネ部材は、クッション材の弾性形状変形と第1バネ部材の伸縮を抑制するので、ロール方向の剛性が高くされる。
この結果、上下方向及びロール方向のそれぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができる。
実施例1の乗物用シートの外観を示す斜視図であって、シートクッション部の部分破断斜視図である。 実施例1のシートクッション部の支持構造の模式的な平面図である。 実施例1のシートクッション部を示す断面図であって、図2のII−II線における断面図である。 実施例1のシートパッドに加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用を示す作用説明図である。 実施例1のシートパッドに加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用を示す作用説明図である。 実施例2のシートクッション部の支持構造の模式的な平面図である。 実施例2のシートクッション部を示す断面図であって、図6のIII−III線における断面図である。 実施例3のシートクッション部の支持構造の模式的な平面図である。 実施例3のシートクッション部を示す断面図であって、図8のIV−IV線における断面図である。 実施例3のシートパッドに加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用を示す作用説明図である。 実施例3のシートパッドに加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用を示す作用説明図である。
以下、本発明の乗物用シートを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の乗物用シートの外観を示す斜視図であって、以下、図1に基づき全体構成を説明する。
なお、図1に示す「前後」は乗物(車両)の前方及び後方となり、「左右」は乗物幅(車幅)方向となり、「上下」は乗物(車両)に対して天地の方向に相当する。以下、他の図においても、特に説明がない限り同様とする。
実施例1の乗物用シート1は、図1に示すように車両(自動車)分野における車両用シート1となっている。このシート1は、車両内部に設けられ、乗員が着座するシートクッション部2と、シートクッション部2の後端に設けられたシートバック部3と、シートバック部3の上部に設けられたヘッドレスト4と、を備えている。
このシートクッション部2、シートバック部3及びヘッドレスト4は、それぞれシート形状を保持すると共に、クッション機能を有する不図示のシートパッド(例えば、部分破断斜視図参照)と、このシートパッドを覆う表皮部材10とを有している。
不図示の各シートパッドは、不図示の金属製のシートフレームに組みつけられている。
表皮部材10は、複数の皮材を縫い合わせてシートパッドの形状に沿うほぼ袋状に形成されている。
次に、図1に示すシートクッション部2の部分破断斜視図に基づき、シートクッション部2の構成について説明する。
シートクッション部2は、表皮部材10に覆われており、クッション性を有するシートパッド(クッション材)11と、表皮部材10とシートパッド11とを支持するシートフレーム(支持フレーム)12と、シートフレーム12に取り付けられている第1バネ部材13と、を備えている。
その他、車両用シート1には、シートを車両に固定するシート固定部材15と、シート1の前後配置を調整するシート調整部材16と、シート1を前後に移動するためのレール部材17と、シートバック部2の傾斜を調整する傾斜調整部材18と、不図示のシートベルトを固定するシートベルト固定部材19と、などが取り付けられている。
以下、図2及び図3に基づき要部構成を説明する。
シートクッション部2は、図2及び図3に示すように、表皮部材10と、シートパッド11と、支持構造として、金属製のシートフレーム12と、複数の第1バネ部材13と、を備えている。また、シートクッション部2には、第2バネ部材20を設け、一対の第1結合部25と、一対の第2結合部26と、を設定している。
表皮部材10は、シートパッド11の形状に沿うほぼ袋状に形成され、シートフレーム12の下面にて固定されている。
シートパッド11は、シートパッド11に加えられる乗員荷重に対し、弾性形状変形するようなクッション性を有している。また、シートパッド11は、シートフレーム12及び複数の第1バネ部材13を有して構成される支持構造の上面に設定されている。
シートフレーム12は、図2に示すように、車両の前後及び左右にそれぞれ設けられ、内部が開口した四角形を形成している。
複数の第1バネ部材13は、図2に示すように、車両の前後に設けられたシートフレーム12の前後方向に取り付けられている。図2では、4つの第1バネ部材13が設けられている。また、第1バネ部材13のそれぞれの形状は、シートパッド11に加えられる乗員荷重に対し弾性力をもたせるため、図2に示すように、車幅方向に突出する半円部13SCと車幅方向と平行な直線部13SLとを交互に有して構成される蛇行形状となっている。
ここで、車両用シート1は、シートパッド11に加えられる乗員荷重に対し、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により、弾性支持されている。
第2バネ部材20は、図2に示すように、鋼鉄製のトーション軸部20aと、トーション軸部20aの両端から延びる一対のアーム部20bと、を有している。
トーション軸部20aは、図2に示すように、車幅方向に延びていて、シートフレーム12により形成された開口部12aに配置され、かつ、シートフレームの後部側に設けられている。
一対のアーム部20bは、図2に示すように、トーション軸部20aの両端からシートフレーム12の前後方向のうち前方向へ一直線に延び、シートフレーム12の前後方向中央(中央部)にてシートフレーム12の車幅方向中央部へ延びている。
この一対のアーム部の端部20cは、図2に示すように、トーション軸部20aよりもシートフレーム12の前後方向中央部位置に配置されている。
一対の第1結合部25は、図2に示すように、トーション軸部20aの両端部のそれぞれを、複数の第1バネ部材13のうち車幅方向の両端に配置されているそれぞれの第1バネ部材13に、一対の第1結合部材25aにより結合している。
第1結合部材25aは、図3に示すように、上下に1つずつ2つの穴25b、25cを有し、それぞれの穴25b、25cの内周に緩衝材25dが設けられている。
上穴25bは、第1バネ部材13を通すことができるように形成されている。下穴25cは、トーション軸部20aを通すことができるように形成され、トーション軸部20aの車幅方向に延びる軸線Ax1を中心としてトーション軸部20aが回動可能に拘束されるように形成されている。なお、緩衝材25dは、上穴25bと第1バネ部材13との間、及び、下穴25cとトーション軸部20aとの間に、摩擦が発生しないように設けられている。この緩衝材25dはゴム等の、摩擦が発生しないようなものであればよい。
第1結合部25は、図2及び図3に示すように、第1結合部材25aにより、トーション軸部20aの端側を、支持構造である複数の第1バネ部材13のうち車幅方向の一端に配置されている第1バネ部材13に結合している。
また、一対の第1結合部25は、図2に示すように、トーション軸部20aを、複数の第1バネ部材13の平行な直線部13SLが車幅方向に一列に並ぶ第1バネ部材13に結合している。
一対の第2結合部26は、図2に示すように、シートフレーム12の前後方向中央位置に配置され、一対のアーム部20bのそれぞれの端部側を、複数の第1バネ部材13のうち車幅方向の両端に配置されているそれぞれの第1バネ部材13に、一対の第2結合部材30により結合している。
一対の第2結合部材30のそれぞれは、シートパッド11に加えられる乗員荷重によるアーム部20bの揺動に対し、該第2結合部26の前後方向の変位を吸収する吸収機構30である第1連結吸収手段に相当する。
第1連結吸収手段30は、第1吸収部材30aと、第2吸収部材30bと、第1吸収部材30a及び第2吸収部材30bを連結する第1連結吸収部材30cと、を有している。
第1吸収部材30aは、図3に示すように、第1バネ部材13に拘束され、この第1バネ部材13の伸縮とともに動作しつつ、該第1バネ部材13における車幅方向に延びる軸線(第1吸収部材30aの軸線)Ax2を中心として回動可能に設けられている。
第2吸収部材30bは、図3に示すように、アーム部20bの端部側に拘束され、シートパッド11に加えられる乗員荷重によるアーム部20bと共に揺動しつつ、アーム部20bの端部側における車幅方向に延びる軸線(第2吸収部材30bの軸線)Ax3を中心として回動可能に設けられている。
第1連結吸収部材30cは、第1吸収部材30a及び第2吸収部材30bの上下方向の間隔を維持した状態にて、第1吸収部材30aと第2吸収部材30bとを連結している。
さらに、第1連結吸収部材30cは、第1吸収部材30aと第2吸収部材30bとを相対回転可能に連結している。すなわち、第1連結吸収部材30cは、第1吸収部材30aの軸線Ax2及び第2吸収部材30bの軸線Ax3のそれぞれの軸線を中心として回転自在に取り付けられ、第1吸収部材30aと第2吸収部材30bとを連結している。
第2結合部26の第1バネ部材13部分は、第1結合部25を結合している支持構造部分である第1バネ部材13部分よりも、シートパッド11に加えられる乗員荷重による上下方向の変位量が大きい部分に設定されている。
次に、作用を説明する。
実施例1の車両用シート1における作用を、「車両用シートによる荷重支持作用」、「シートパッドに加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用」、「シートパッドに加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用」に分けて説明する。
[車両用シートによる荷重支持作用]
シートに対してクッション性を持たせるために、複数のクッションバネを前後の係止ロッドに係止され連架されている乗物用シートを比較例とする。この比較例の乗物用シートによれば、シートクッション(シートパッド)に加えられる乗物幅方向の均等荷重に対しては、乗り心地を重視した弾性力を確保することができる。
しかし、シートクッションに加えられる乗物幅方向の偏荷重に対しても、同じ弾性力が働き、シートを硬くすることはできない。また、一般的に、シートを硬くするためにはその弾性力を強くするが、これでは、シートクッションに加えられる乗物幅方向の均等荷重に対し、乗り心地を重視した弱い弾性力を確保することはできない。
このように、上下方向及びロール方向のそれぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができないという課題があった。
上記のように、実施例1では、支持フレーム及び複数の第1バネ部材を有して構成される支持構造に、第2バネ部材20及び吸収機構30を追加する構成を採用した。
シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重が加えられるとき、一対のアーム部20bは揺動しつつ、一対の第2結合部26の前後方向の変位が吸収機構30により吸収される。これにより、第2バネ部材20は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性が低く抑えられる。
シートパッド11に車幅方向の偏荷重、つまり、一方のアーム部20bにのみ荷重が加えられるとき、トーション軸部20aにねじれが発生する。このねじれに対する反発(反力)により、第2バネ部材20は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制するので、ロール方向の剛性が高くされる。
この結果、上下方向及びロール方向のそれぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができる。
以下、「シートパッドに加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用」、及び「シートパッドに加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用」について、詳しく説明する。
[シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用]
図4に基づき、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用を説明する。
シートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられる前の均等荷重前状態(実線)に、図4に示すように、均等荷重が加えられると、第1バネ部材13は下方へ伸びる。第1バネ部材13の伸びに応じて、第1結合部25にて車幅方向に延びる軸線Ax1を中心として回動可能に拘束されているトーション軸部20aが回転する(矢印D)。この回転と共に、一対のアーム部20bが均等荷重前状態からシートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられた後の均等荷重後状態(破線)へと揺動する。
このとき、アーム部20bは揺動しつつ、第2結合部26の前後方向の変位が第1連結吸収部材30cの回転動作により吸収される。これにより、第2バネ部材20は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性を低く抑えられる。
すなわち、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重に対し、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により、車両用シート1を弾性支持することができる。
以下、図3に基づき、吸収機構30の吸収作用について詳しく説明する。
なお、図3では、シートパッド11に加えられる荷重は、シートフレーム12の前後方向中央位置に垂直に加えられているものとし、第2結合部26はシートフレーム12の前後方向中央位置に配置されていることから、第1バネ部材13は上下方向にのみ伸縮する。
図3に示すシートパッド11に乗員荷重が加えられる前の状態(実線)に、シートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられると、シートパッド11は下方へ沈み込むように弾性形状変形し、第1バネ部材13は下方へ伸びる(図4参照)。これと同時に、第1吸収部材30a、第2吸収部材30b及び第1連結吸収部材30cも下方へ動作する。以下にそれぞれ説明する。
第1吸収部材30aは、図3に示すように、第1バネ部材13に拘束されているので、第1バネ部材13が伸びることにより、下方へ動作する(想像線)。このとき、第1吸収部材30aは、第1バネ部材13の伸びに応じて、第1吸収部材30aの軸線Ax2を中心として回転する(矢印A)。
第2吸収部材30bは、図3に示すように、アーム部20bの端部側に拘束され、連結吸収部材30cにより第1吸収部材30aと連結されているので、第1吸収部材30aの下方への動作により、アーム部20bと共に揺動する(想像線)。このとき、第2吸収部材30bは、アーム部20bの揺動に応じて、第2吸収部材30bの軸線Ax3を中心として回転する(矢印B)。
第1連結吸収部材30cは、図3に示すように、第1吸収部材30a及び第2吸収部材30bの上下方向の間隔を維持した状態にて、第1吸収部材30a及び第2吸収部材30bと共に、下方へ動作する(想像線)。このとき、第1連結吸収部材30cは、回転自在に取り付けられているので、第1バネ部材13の伸び及びアーム部20bの揺動に応じて回転する(矢印C)。
この第1連結吸収部材30cの回転により、第2結合部の前後方向の変位が吸収される。つまり、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重によるアーム部20bの揺動に対し、第2結合部26の前後方向の変位が第1連結吸収部材30cの回転動作により吸収される。すなわち、アーム部20bは揺動しつつ、第2結合部26の前後方向の変位が第1連結吸収部材30cの回転動作に変換される。
これにより、第2バネ部材20は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性を低く抑えられる。すなわち、シートパッド11に加えられる車幅方向の乗員荷重に対し、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により、車両用シート1を弾性支持することができる。
[シートパッド11に加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用]
図5に基づき、シートパッド11に加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用を説明する。
シートパッド11に車幅方向の偏荷重が加えられる前の偏荷重前状態(実線)に、図5に示すように、左側のみに荷重が加えられると、左端の第1バネ部材13は下方へ伸びる。左端の第1バネ部材13の伸びに応じて、第1結合部25にて車幅方向に延びる軸線Ax1を中心として回動可能に拘束されているトーション軸部20aの左側が回転する(矢印E)。この回転と共に、左側のアーム部20bが偏荷重前状態からシートパッド11に車幅方向の偏荷重が加えられた後の偏荷重後状態(破線)へと動作する。
しかし、右側には荷重が加えられていないので、右端の第1バネ部材13は偏荷重前状態を維持する。これに伴い、トーション軸部20aの右側も回転しないので右側のアーム部20bも偏荷重前状態を維持する。
このとき、トーション軸部20aの左側及び右側では回転の向きが異なるので、トーション軸部20aにはねじれが発生する。このねじれに対する反発(反力)により、偏荷重に対して、偏荷重前状態に戻そうとする。つまり、第2バネ部材20には、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制する反力(矢印F)が働くので、ロール方向の剛性が高くされる。すなわち、車両用シートを硬くすることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用シート(乗物用シート)1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 支持フレーム(シートフレーム12)と、前記支持フレーム(シートフレーム12)の前後方向に取り付けられる複数の第1バネ部材13と、前記支持フレーム(シートフレーム12)及び前記複数の第1バネ部材13を有して構成される支持構造の上面に設定したクッション材(シートパッド11)と、を備え、前記クッション材(シートパッド11)に加えられる乗員荷重に対し、前記クッション材(シートパッド11)の弾性形状変形と前記第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により弾性支持する乗物用シート(車両用シート1)において、前記支持構造に、乗物幅方向(車幅方向)に延びるトーション軸部20aと、前記トーション軸部20aの両端から前記支持フレーム(シートフレーム12)の前後方向のうち一方向へ延びる一対のアーム部20bと、を有する第2バネ部材20を設け、前記トーション軸部20aの乗物幅方向(車幅方向)の両端側を、前記支持構造に結合する一対の第1結合部25を設定し、前記一対のアーム部20bの端部側を、前記第1バネ部材13に結合する一対の第2結合部26を設定し、前記一対の第1結合部25及び前記一対の第2結合部26のうち少なくとも一方に、前記クッション材(シートパッド11)に加えられる乗員荷重による前記一対のアーム部20bの揺動に対し、該結合部の前後方向の変位を吸収する一対の吸収機構30を有する。
このため、クッション材(シートパッド11)に加えられる乗員荷重に対し、上下方向及びロール方向のそれぞれの方向に対して独立して剛性を変更することができる。
(2) 前記一対の第1結合部25は、前記トーション軸部20aを、乗物幅方向(車幅方向)に延びる軸線を中心として回動可能に拘束する一対の結合部とした。
このため、クッション材(シートパッド11)に加えられる乗員荷重に対し、トーション軸部20aの回転により、一対のアーム部20bを揺動することができる。
(3) 前記一対の第2結合部26は、前記一対の第1結合部25を結合する支持構造部分(第1バネ部材13部分)よりも、前記クッション材(シートパッド11)に加えられる乗員荷重による上下方向の変位量が大きい第1バネ部材13部分に設定した。
このため、それぞれの部分の変位量の差が大きいほど、偏荷重が加えられたとき、トーション軸部20aに発生するねじれも大きくなるので、このねじれに対する反発(反力)も強くなる。これにより、ロール方向の剛性がより高くされ、車両用シート1を硬くすることができる。
(4) 前記一対のアーム部の端部20cは、前記トーション軸部20aよりも前記支持フレーム(シートフレーム12)の前後方向中央部位置に配置した。
このため、最も荷重が加えられると想定される部分にアーム部の端部20cを配置しているので、偏荷重が加えられたとき、トーション軸部20aに発生するねじれも大きくなるので、このねじれに対する反発(反力)も強くなる。これにより、ロール方向の剛性がより高くされ、車両用シート1を硬くすることができる。
(5) 前記一対の第2結合部26に、前記一対の吸収機構30を有する。
このため、アーム部20bは揺動しつつ、第2結合部26の前後方向の変位を吸収機構30により吸収することができる。
(6) 前記第1バネ部材13は、乗物幅方向(車幅方向)に突出する半円部12SCと乗物幅方向(車幅方向)と平行な直線部12SLとを交互に有して構成される蛇行形状であり、前記一対の第1結合部25は、前記トーション軸部20aを、前記複数の第1バネ部材13の前記平行な直線部12SLが乗物幅方向(車幅方向)に一列に並ぶ前記第1バネ部材13に結合した。
このため、第1バネ部材13に、クッション材(シートパッド11)に加えられる乗員荷重に対し、弾性力をもたせることができる。また、支持フレーム(シートフレーム12)に追加の固定点を付加することなくトーション軸部を第1バネ部材13に設置することができる。これにより、支持フレーム(シートフレーム12)によらなくてもロール方向に対して独立して剛性を変更することができる。
(7) 前記吸収機構30は、前記第1バネ部材13と前記一対のアーム部20bの端部側とを相対回転可能に連結する第1連結吸収手段(第1吸収部材30a、第2吸収部材30b、第1連結吸収部材30c)である。
このため、第1連結吸収手段(第1吸収部材30a、第2吸収部材30b、第1連結吸収部材30c)の回転により、第2結合部26の前後方向の変位を吸収することができる。
実施例2は、第2バネ部材20のトーション軸部20aの配置変更と、吸収機構40の変形例である。
まず、図6及び図7に基づき実施例2の要部構成を以下に説明する。
第2バネ部材20のトーション軸部20aは、図6及び図7に示すように、シートフレームの前部側に設けられている。
これに伴い、一対のアーム部20bは、図6に示すように、トーション軸部20aの両端からシートフレーム12の前後方向のうち後方向へ一直線に延び、シートフレーム12の前後方向中央(中央部)にてシートフレーム12の車幅方向中央部へ延びている。
この一対のアーム部の端部20cは、図6に示すように、トーション軸部20aよりもシートフレーム12の前後方向中央部位置に配置されている。
また、一対の第1連結部25aの配置は、図6及び図7に示すように、シートフレームの前部側に設けられている。
一対の第2結合部材40のそれぞれは、シートパッド11に加えられる乗員荷重によるアーム部20bの揺動に対し、該第2結合部26の前後方向の変位を吸収する吸収機構40である第2連結吸収手段に相当する。
第2連結吸収手段40は、第1吸収部材40aと、第2吸収部材40bと、第1吸収部材40a及び第2吸収部材40bを連結する第2連結吸収部材40cと、を有している。
第1吸収部材40aは、図7に示すように、第1バネ部材13に拘束され、この第1バネ部材13の伸縮とともに動作しつつ、該第1バネ部材13における車幅方向に延びる軸線(第1吸収部材40aの軸線)Ax4を中心として回動可能に設けられている。
第2吸収部材40bは、図7に示すように、アーム部20bの端部側に拘束され、シートパッド11に加えられる乗員荷重によるアーム部20bと共に揺動しつつ、アーム部20bの端部側における車幅方向に延びる軸線(第2吸収部材40bの軸線)Ax5を中心として回動可能に設けられている。
第2連結吸収部材40cは、第1吸収部材40a及び第2吸収部材40bの上下方向の間隔を空けた状態にて、第1吸収部材40aと第2吸収部材40bとを連結している。
また、第2連結吸収部材40cは、アーム部20bの端部側、すなわち、アーム部20bの端部側に拘束されている第2吸収部材40bが動作可能な前後方向に延びる長穴40dを有している。この長穴40d内にて、第2吸収部材40bが、前後方向に延びるスライドするように、第2吸収部材40bと第2連結吸収部材40cとを取り付けている。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、実施例2の車両用シート1における「吸収機構の吸収作用」について、図7に基づいて説明する。
なお、図7では、シートパッド11に加えられる荷重は、シートフレーム12の前後方向中央位置に垂直に加えられているものとし、第2結合部はシートフレーム12の前後方向中央位置に配置されていることから、第1バネ部材13は上下方向にのみ伸縮する。
図7に示すシートパッド11に乗員荷重が加えられる前の状態(実線)に、シートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられると、シートパッド11は下方へ沈み込むように弾性形状変形し、第1バネ部材13は下方へ伸びる(図4参照)。これと同時に、第1吸収部材40a、第2吸収部材40b及び第2連結吸収部材40cも下方へ動作する(想像線)。以下にそれぞれ説明する。
第1吸収部材40aは、第1バネ部材13に拘束されているので、第1バネ部材13が伸びることにより、下方へ動作する(想像線)。このとき、第1吸収部材40aは、第1バネ部材13の伸びに応じて、第1吸収部材40aの軸線Ax4を中心として回転する(矢印G)。
第2吸収部材40bは、アーム部20bの端部側に拘束され、第2連結吸収部材40cにより第1吸収部材40aと連結されているので、第1吸収部材40aの下方への動作により、アーム部20bと共に揺動する(想像線)。そして、第2吸収部材40bは、この揺動に応じて、第2吸収部材40bの軸線Ax5を中心として回転する(矢印H)。このとき、第2吸収部材40bは、長穴40d内にて、スライドするように(矢印I)、第2連結吸収部材40cと取り付けているので、この長穴40d内にて、回転しつつスライドする(矢印H、矢印I)。スライド動作は、図7に示すように、第2連結吸収手段40が下方へ動作するにつれ、後方向から前方向へとスライドする(矢印I)。
第2連結吸収部材40cは、第1吸収部材40a及び第2吸収部材40bの上下方向の間隔を空けた状態にて、第1吸収部材40a及び第2吸収部材40bと共に、下方へ動作する(想像線)。
その第2吸収部材40bのスライド動作により、第2結合部26の前後方向の変位が吸収される。つまり、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重によるアーム部20bの揺動に対し、第2結合部26の前後方向の変位が第2吸収部材40bのスライド動作により吸収される。すなわち、アーム部20bは揺動しつつ、第2結合部26の前後方向の変位が第2吸収部材40bのスライド動作に変換される。
これにより、第2バネ部材20は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性を低く抑えられる。すなわち、シートパッド11に加えられる車幅方向の乗員荷重に対し、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により、車両用シート1を弾性支持することができる。
なお、実施例1及び実施例2の第2バネ部材20の配置が異なるとともに、実施例1及び実施例2の吸収機構の吸収作用が異なるのみで、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用シート(乗物用シート)1にあっては、実施例1の(1)〜(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記吸収機構40は、前記第1バネ部材13と前記一対のアーム部20bの端部側とを連結すると共に、前記一対アーム部20bの端部側が動作可能な前後方向に延びる長穴40dを有する第2連結吸収手段(第1吸収部材40a、第2吸収部材40b、第2連結吸収部材40c、長穴40d)である。
このため、長穴40dにて一対アーム部20bの端部側が動作することにより、第2結合部26の前後方向の変位を吸収することができる。
実施例3は、第2バネ部材50、一対の第1結合部55及び一対の第2結合部56の変形例である。
まず、図8及び図9に基づき実施例3の要部構成を以下に説明する。
第2バネ部材50は、図8に示すように、鋼鉄製のトーション軸部50aと、トーション軸部50aの両端から延びる一対のアーム部50bと、を有している。
トーション軸部50aは、図8及び図9に示すように、車幅方向に延びていて、シートフレームの後部12Rの上方に設けられている。
一対のアーム部50bは、図8に示すように、トーション軸部50aの両端からシートフレーム12の前後方向のうち前方向へ延びている。また、一対のアーム部50bは、図9に示すように、トーション軸部50aの端からシートフレームの後部12Rよりも前方向へ延び、この前方向へ延びたのち第1バネ部材13の上方から下方へ延び、さらにこの第1バネ部材13の下方へ延びたのちシートフレーム12の前方向のシートフレーム12の前後方向中央部へ延びている。
このシートフレーム12の前後方向中央部へ延びた一対のアーム部の端部50cは、図8に示すように、トーション軸部50aよりもシートフレーム12の前後方向中央部位置に配置されている。
一対の第1結合部55は、図8に示すように、トーション軸部50aの両端部のそれぞれを、シートフレームの後部12Rに、一対の第1結合部材55aにより結合している。
第1結合部材55aは、図9に示すように、上穴55bを有し、この穴55bの内周に緩衝材55cが設けられ、ブラケット55dによりシートフレームの後部12Rの上方に固定されている。
上穴55bは、トーション軸部50aを通すことができるように形成され、トーション軸部50aの車幅方向に延びる軸線Ax6を中心としてトーション軸部50aが回動可能に拘束されるように形成されている。なお、緩衝材55cは、上穴55bとトーション軸部50aとの間に、摩擦が発生しないように設けられている。この緩衝材55cはゴム等の、摩擦が発生しないようなものであればよい。
一対の第2結合部60は、図8及び図9に示すように、シートフレーム12の前後方向中央位置に配置され、一対のアーム部50bのそれぞれの端部側を、シートパッド11及び一対の第2結合部材60aを介して、複数の第1バネ部材13のうち車幅方向の両端に配置されているそれぞれの第1バネ部材13に結合している。
一対の第2結合部60のそれぞれは、シートパッド11に加えられる乗員荷重によるアーム部50bの揺動に対し、該第2結合部60の前後方向の変位を吸収する吸収機構に相当する。
吸収機構60は、第2結合部材である連結部材60aを有すると共に、シートパッド11の弾性形状変形により相対変位を吸収する構造となっている。
連結部材60aは、アーム部50bの端部側とシートパッド11の内部とを連結している。すなわち、連結部材60aは、図9に示すように、アーム部50bの端部側からシートパッド11の内部まで上方に延び、シートパッド11の内部にてシートフレーム12の前方向に延びている。
第2結合部56の第1バネ部材13部分は、第1結合部55を結合している支持構造部分であるシートフレームの後部12R部分よりも、シートパッド11に加えられる乗員荷重による上下方向の変位量が大きい部分に設定されている。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例3の車両用シート1における作用を、「シートパッドに加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用」、「シートパッドに加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用」に分けて説明する。
[シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用]
図10に基づき、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重に対する作用を説明する。
シートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられる前の均等荷重前状態(実線)に、図10に示すように、均等荷重が加えられると、第1バネ部材13は下方へ伸びる。第1バネ部材13の伸びに応じて、第1結合部55にて車幅方向に延びる軸線Ax6を中心として回動可能に拘束されているトーション軸部50aが回転する(矢印J)。この回転と共に、一対のアーム部50bが均等荷重前状態からシートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられた後の均等荷重後状態(破線)へと揺動する。
このとき、アーム部20bは揺動しつつ、第2結合部56の前後方向の変位を含む相対変位がシートパッド11aの弾性形状変形により吸収される。これにより、第2バネ部材50は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性を低く抑えられる。
すなわち、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重に対し、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により、車両用シート1を弾性支持することができる。
以下、図9に基づき、吸収機構60の吸収作用について詳しく説明する。
なお、図9では、シートパッド11に加えられる荷重は、シートフレーム12の前後方向中央位置に垂直に加えられているものとし、第2結合部56はシートフレーム12の前後方向中央位置に配置されていることから、第1バネ部材13は上下方向にのみ伸縮する。
図9に示すシートパッド11に乗員荷重が加えられる前の状態(実線)に、シートパッド11に車幅方向の均等荷重が加えられると、シートパッド11が弾性形状変形され、第1バネ部材13は下方へ伸びる(図10参照)。これと同時に、連結部材60a及びアーム部50bも下方へ動作する。以下にそれぞれ説明する。
連結部材60aは、図9に示すように、この一部がシートパッド11の内部に設けられているので、シートパッド11に加えられる乗員荷重により、シートパッド11の弾性形状変形と共に下方へ動作する(想像線)。このとき、シートパッド11の内部では、シートパッド11及び連結部材60の下方への動作により、連結部材60aの周囲部分のシートパッド11aも弾性形状変形される。
アーム部50bの端部側は、図9に示すように、連結部材60aを介してシートパッド11の内部と連結されているので、連結部材60aの下方への動作により、アーム部50bが揺動する(想像線)。
その連結部材60aの周囲部分のシートパッド11aが弾性形状変形されることにより、第2結合部56の前後方向の変位を含む相対変位が吸収される。つまり、シートパッド11に加えられる車幅方向の均等荷重によるアーム部20bの揺動に対し、第2結合部56の前後方向の変位を含む相対変位が、シートパッド11aの弾性形状変形により吸収される。すなわち、アーム部50bは揺動しつつ、第2結合部56の前後方向の変位を含む相対変位がシートパッド11aの弾性形状変形に変換される。
これにより、第2バネ部材50は、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制しないので、上下方向の剛性を低く抑えられる。すなわち、シートパッド11に加えられる車幅方向の乗員荷重に対し、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮に伴う第1バネ弾性力により、車両用シート1を弾性支持することができる。
[シートパッド11に加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用]
図11に基づき、シートパッド11に加えられる車幅方向の偏荷重に対する作用を説明する。
シートパッド11に車幅方向の偏荷重が加えられる前の偏荷重前状態(実線)に、図11に示すように、左側のみに荷重が加えられると、左端の第1バネ部材13は下方へ伸びる。左端の第1バネ部材13の伸びに応じて、第1結合部55にて車幅方向に延びる軸線Ax6を中心として回動可能に拘束されているトーション軸部50aの左側が回転する(矢印K)。この回転と共に、左側のアーム部50bが偏荷重前状態からシートパッド11に車幅方向の偏荷重が加えられた後の偏荷重後状態(破線)へと動作する。
しかし、右側には荷重が加えられていないので、右端の第1バネ部材13は偏荷重前状態を維持する。これに伴い、トーション軸部50aの右側も回転しないので右側のアーム部50bも偏荷重前状態を維持する。
このとき、トーション軸部50aの左側及び右側では回転の向きが異なるので、トーション軸部50aにはねじれが発生する。このねじれに対する反発(反力)により、偏荷重に対して、偏荷重前状態に戻そうとする。つまり、第2バネ部材50には、シートパッド11の弾性形状変形と第1バネ部材13の伸縮を抑制する反力(矢印L)が働くので、ロール方向の剛性が高くされる。すなわち、車両用シート1を硬くすることができる。
ここで、トーション軸部50aの配置による反力の強さについて説明する。
実施例3のトーション軸部50aは、乗員荷重によっても上下方向に変位しないシートフレームの後部12Rに結合されているのに対し、実施例1のトーション軸部20aは、乗員荷重によって変位する第1バネ部材13に結合されている。実施例1のように、トーション軸部20aを第1バネ部材13に結合すると、第1バネ部材13の伸びに反力の一部を吸収されるため、トーション軸部20aをシートフレーム12に結合した場合よりも、反力は弱くなる。
したがって、実施例3の矢印Lの反力は、実施例1の矢印Fの反力よりも強くなるので、実施例3のロール方向の剛性が、実施例1のロール方向の剛性よりも高くされる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用シート(乗物用シート)1にあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記一対の第1結合部55は、前記トーション軸部50aを、前記支持フレームの前部及び後部(シートフレームの前部12F及びシートフレームの後部12R)のうちいずれか一方に結合した。
このため、偏荷重が加えられたとき、トーション軸部50aを一方の支持フレーム(シートフレーム12)に結合した方が、第1バネ部材13に結合するよりも、トーション軸部50aに発生するねじれに対する反発(反力)は、強くなる。これにより、ロール方向の剛性がより高くされ、車両用シート1を硬くすることができる。
(10) 前記吸収機構60は、前記一対のアーム部50bの端部側と前記クッション材(シートパッド11)の内部とを連結する一対の連結部材60aを有し、前記クッション材(シートパッド11a)の弾性形状変形により相対変位を吸収する構造とした。
このため、クッション材(シートパッド11a)の弾性形状変形により、第2結合部60の前後方向の変位を含む相対変位を吸収することができる。
以上、本発明の乗物用シートを実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
本発明の乗物用シート1は、実施例1〜実施例3に示した車両(自動車)に限られるものではなく、列車等の車両、その他の船舶または飛行機などの乗物であってもよい。要するに、乗物用シートであれば適用できる。
本発明の乗物用シート1を適用するシート1としては、実施例1〜実施例3に示したものに限られるものではなく、ベンチシート・セパレートシート等にも適用することができる。
本発明の乗物用シート1は、実施例1〜3に示した構成に限られるものではなく、スタビライザ機能を有する構成であればよい。
なお、実施例1〜実施例3に示した構成においては、例えば、実施例1及び実施例2のトーション軸部20aを、シートフレームの前部12F及び後部12Rのうちいずれか一方に結合してもよいし、実施例1の吸収機構30を、実施例2の吸収機構40に変更してもよい。その他、適切に変更してよい。
本発明のシートパッド(クッション材)11の素材は、ウレタン・スポンジ・ゴムなどのクッション機能を有するものであればよい。
本発明の第1バネ部材13は、実施例1〜実施例3に示した形状に限られるものではなく、波形状(正弦波状など)、矩形波状の凹凸状、三角波状、または、鋸刃状(ギザギザ状、鋸波状など)等であってもよい。
本発明の第2バネ部材20、50は、実施例1〜実施例3に示した形状に限られるものではなく、四角形を成すものでもよい。
また、実施例1〜実施例3に示した一対のアーム部20b、50bが、トーション軸部20a、50aの両端からシートフレーム12の前後方向のうち一方向へ一直線に延びているのみで、シートフレーム12の前後方向中央(中央部)にてシートフレーム12の車幅方向中央部へ延びていなくてもよい。
このトーション軸部20a、50aの両端からシートフレーム12の前後方向のうち一方向へ一直線に延びている部分は、内側または外側に傾斜するものでもよい。
1 乗物用シート(シート、車両用シート)
2 シートクッション部
3 シートバック部
4 ヘッドレスト
10 表皮部材
11 シートパッド(クッション材、シートクッション)
11a 連結部材の周囲部分のシートパッド
12 シートフレーム(支持フレーム)
12F シートフレームの前部
12R シートフレームの後部
13 (複数の)第1バネ部材
13SC 半円部
13SL 直線部
20、50 第2バネ部材
20a、50a トーション軸部
20b、50b (一対の)アーム部
20c、50c (一対の)アーム部の端部
25、55 (一対の)第1結合部
26 (一対の)第2結合部
30 (一対の)第2結合部材(吸収機構、第1連結吸収手段)
30a 第1吸収部材
30b 第2吸収部材
30c 第1連結吸収部材
40 (一対の)第2結合部材(吸収機構、第2連結吸収手段)
40a 第1吸収部材
40b 第2吸収部材
40c 第2連結吸収部材
40d 長穴
60 (一対の)第2結合部(吸収機構)
60a 第2結合部材(連結部材)

Claims (10)

  1. 支持フレームと、
    前記支持フレームの前後方向に取り付けられる複数の第1バネ部材と、
    前記支持フレーム及び前記複数の第1バネ部材を有して構成される支持構造の上面に設定したクッション材と、
    を備え、
    前記クッション材に加えられる乗員荷重に対し、前記クッション材の弾性形状変形と前記第1バネ部材の伸縮に伴う第1バネ弾性力により弾性支持する乗物用シートにおいて、
    前記支持構造に、乗物幅方向に延びるトーション軸部と、前記トーション軸部の両端から前記支持フレームの前後方向のうち一方向へ延びる一対のアーム部と、を有する第2バネ部材を設け、
    前記トーション軸部の乗物幅方向の両端側を、前記支持構造に結合する一対の第1結合部を設定し、前記一対のアーム部の端部側を、前記第1バネ部材に結合する一対の第2結合部を設定し、
    前記一対の第1結合部及び前記一対の第2結合部のうち少なくとも一方に、前記クッション材に加えられる乗員荷重による前記一対のアーム部の揺動に対し、該結合部の前後方向の変位を吸収する一対の吸収機構を有する
    ことを特徴とする乗物用シート。
  2. 請求項1に記載された乗物用シートにおいて、
    前記一対の第1結合部は、前記トーション軸部を、乗物幅方向に延びる軸線を中心として回動可能に拘束する一対の結合部とした
    ことを特徴とする乗物用シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載された乗物用シートにおいて、
    前記一対の第2結合部は、前記一対の第1結合部を結合する支持構造部分よりも、前記クッション材に加えられる乗員荷重による上下方向の変位量が大きい第1バネ部材部分に設定した
    ことを特徴とする乗物用シート。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記一対のアーム部の端部は、前記トーション軸部よりも前記支持フレームの前後方向中央部位置に配置した
    ことを特徴とする乗物用シート。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記一対の第2結合部に、前記一対の吸収機構を有する
    ことを特徴とする乗物用シート。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記第1バネ部材は、乗物幅方向に突出する半円部と乗物幅方向と平行な直線部とを交互に有して構成される蛇行形状であり、
    前記一対の第1結合部は、前記トーション軸部を、前記複数の第1バネ部材の前記平行な直線部が乗物幅方向に一列に並ぶ前記第1バネ部材に結合した
    ことを特徴とする乗物用シート。
  7. 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記一対の第1結合部は、前記トーション軸部を、前記支持フレームの前部及び後部のうちいずれか一方に結合した
    ことを特徴とする乗物用シート。
  8. 請求項5から請求項7までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記吸収機構は、前記第1バネ部材と前記一対のアーム部の端部側とを相対回転可能に連結する第1連結吸収手段である
    ことを特徴とする乗物用シート。
  9. 請求項5から請求項7までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記吸収機構は、前記第1バネ部材と前記一対のアーム部の端部側とを連結すると共に、前記一対アーム部の端部側が動作可能な前後方向に延びる長穴を有する第2連結吸収手段である
    ことを特徴とする乗物用シート。
  10. 請求項5から請求項7までの何れか1項に記載された乗物用シートにおいて、
    前記吸収機構は、前記一対のアーム部の端部側と前記クッション材の内部とを連結する一対の連結部材を有し、前記クッション材の弾性形状変形により相対変位を吸収する構造とした
    ことを特徴とする乗物用シート。
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