JP2014234934A - 体感温度制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】体感温度は、気温や湿度などの物理的要因だけではなく、映像や音響などの心理的要因によっても変化することを踏まえ、気温を制御する空調温度と感性に影響を与える感性メディア装置を一体的に用いて、少ない電力で快適な体感温度が得られる体感温度制御システムを実現する。その技術による快適性を有しながら、省エネに貢献する。
【解決手段】室内温度と快適体感温度と差が生じた際に、当該室内気温を当該快適体感温度の方向に変化させるための空調装置3と、体感温度を当該快適体感温度の方向に変化させるための感性メディアを予め定めた規則6に従って提供する感性メディア装置4とを用い、空調装置3と感性メディア装置4の作用和によって、体感温度を快適体感温度に制御する。感性メディアは、体感温度変化作用が気温換算でデータベース化され、空調装置3の作用を補完するように感性メディアを選択して提供するために利用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、感性メディア装置を用いて人が感じる温度(体感温度)を制御するシステムの技術分野に属する。
2011年3月11日の東日本大震災による原発事故を発端とした電力不足が問題となっている。それに伴って企業や家庭に対し、夏場に空調の設定温度を高くしたり、ピーク時の消費電力を抑えたりするなどの節電対策が求められている。空調は1℃の変化で10%ほど消費電力に差が出るため、消費電力の抑制に効果が高いため、経済産業省では夏場の空調設定温度を28℃に調整するように企業や一般家庭に呼びかけている。
しかし、これまでの生活から考えるとこの場合の28℃は、湿度にもよるが快適とは言えない。人は快適な環境で作業をすれば効率が上がるが、不快な環境では作業パフォーマンスが低下するという問題がある。一方、オフィスにおいて、香りを提供し業務環境を変えることで、作業パフォーマンスが向上することが知られている。また、不快率を温度と湿度の関数で定義し、香りを提供した業務環境と香り無しの環境で不快度を測定した実験では、香りによって不快度が低下したとする報告がある。このように香りは、人の感性に直接作用し、体感温度や業務環境の快適性にまで影響を及ぼすことがある。そこで、仮に、感性に影響を与えるメディア刺激(以下、感性メディアと呼ぶ)を提供することによって、体感温度に影響を与えることができるなら、電力に余裕がない今日、節電対策に貢献できると考えた。
体感温度の定義は古くから様々な提案がされており、ミスナールの公式は良く知られている。1960年代後半にはファンガーが予測平均温冷感という服や身体活動の影響も考慮した体感温度モデルを発表した。これは静的熱量平衡モデルであり、ある集団の中でどの程度の割合の人間が快適であると感じているのかを快適方程式に基づいて予測するものである。これらの技術を用いた体感温度制御システムも様々知られている。
例えば、特許文献1には、広域に環境センサを配置し、気温、湿度、風速などの環境データを収集し、リンケ体感温度式、ミスナール体感温度式を適用し、広域の体感温度を算出し、電子地図に表示するシステム、及び、当該体感温度算出結果に基づいて室内の環境を制御するシステムが開示されている。当該特許文献1を含め、従来の体感温度制御システムでは、温度,湿度,風速,衣服など物理的要因による作用を利用するものが多い。
一方、体感温度は、主観的な温度なので、物理的要因のみならず心理的要因にも左右される。例えば、香りは、人の心理、生理現象に影響を及ぼすことが知られている。清涼感を与えるミント系の香りは、体感温度を下げる作用、暖かい印象のあるフローラル系の香りや甘い芳香が特徴の香木は、体感温度を上げる作用が期待される。照明光や色も心理・生理に影響を及ぼすことが知られている。さらに、音響や音楽も人の心理に大きく影響するため、体感温度に作用する可能性がある。例えば、日本には、夏の暑い夜に風鈴や虫の音を聞いて蒸し暑さを和らげる昔からの生活の知恵がある。これらの知見を下に、心理的な要因を考慮した体感温度制御システムも検討されている。
特許文献2には、空調装置の吹出空気に香りを混入し、体感温度を制御する体感温度調整型空調装置が開示されている。しかし、当該文献には、体感温度の計測方法や、香りの提供によりどの程度体感温度が低下するのか、また、室温と香りの相互作用などの記述はない。香り付き映像が体感温度に及ぼす影響についても検討されていない。
空調装置自体については、省エネに向けて様々な改良が進んでいる。特許文献3には、室内の複数の人物を検出し、当該人物に快適な気体を放出する空調装置の技術が開示されている。また、特許文献4には、温度上昇時と温度下降時とで異なる温度変化パターンとなる温度スウィングを与える空調装置において、快適性と省エネルギー性を両立させる技術が開示されている。
このように、従来の体感温度制御に関する技術としては、物理的要因による作用を利用する技術、心理的要因による作用を利用する技術、空調装置の快適性と省エネルギー性に関する技術などが知られている。しかし、空調装置と感性メディア(刺激)提供装置を組み合わせ、快適性と省エネルギー性向上を図った体感温度制御システムついての技術は少ない。また、感性メディアを用いた体感温度制御システムは、従来存在しない。
特開2010−277172号公報 特許第2598562号公報 特開2008−304083号公報 特開2010−190434号公報
以上説明したように、従来の空調装置は、主に、室内の気温や湿度など物理的要因を制御する仕様であるが、人が実際に感じる温度(体感温度)は、物理的要因にのみ影響するのではなく、心理的要因によっても大きく変化する。当該仕様と人の感性のミスマッチに注目すると、従来の空調装置は快適性や省エネルギー性に関して課題がある。本発明では、当該課題に鑑み、少ない電力で快適な体感温度が得られる体感温度制御システムを実現する。
具体的には、室内を快適な空間にして、気温が多少高くても暑さが気にならないようにする、あるいは、気温が低くても寒さが気にならないようにする体感温度制御システムを実現する。また、快適な体感温度が得られているかを確認しながら、室内空間を制御できるシステムを実現する。
<課題解決手段1>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図1、図2に対応づけて説明すると、室内温度と設定された快適体感温度の差分を検出する検出手段2と、前記室内温度を前記快適体感温度の方向に変化させるように作用する空調装置3と、体感温度変化作用が定量化された感性メディアデータベース28と、前記感性メディアデータベース28を用いて、体感温度を前記快適体感温度の方向に変化させるための感性メディアを提供する感性メディア装置4と、前記空調装置3及び前記感性メディア装置4の作用和によって体感温度を前記快適体感温度に制御する制御手段5と、を備えたことを特徴とする。なお、制御手段は周知のマイクロコンピュータ(以下マイコン)などから構成することができる。
室内の快適体感温度範囲は、感性メディアが提供されない条件で室内気温が22〜24℃であるときの体感温度とすることができる。現在の室内気温が28℃である場合を想定すると、前記空調装置3は、快適体感温度範囲に向けて気温を下げる手段である。当該空調装置3で物理的な気温をマイナス3℃低下させると、体感温度に作用する室内温度以外の他の因子が無い場合(感性メディアが提供されない場合)、体感温度もマイナス3℃(Δt1)低下する。
前記感性メディア装置4は、映像、画像、照明、音響、香り、風、湿度、又は、これらの組み合わせを感性メディアとして提供することによって体感温度を制御する装置である。当該感性メディア装置4は、体感温度を室内気温換算でマイナス2℃(Δt2:-1℃、-2℃、-3℃)低下させるとする。ここで、装置4は、当該感性ディア提供による体感温度の変化が室内気温換算でデータベース化されており、当該データベースに基づいて、低下させるべき体感温度に対応する感性メディア(Con_j_(Δt2,V,S,C,W)(V,S,C,Wについては後述する)を選択できるものとする。
前記空調装置3と感性メディア装置4の作用和によって、体感温度は、室内気温換算でマイナス4℃低下する。即ち、体感温度に作用する室内温度以外の他の環境条件が無い場合の室内気温24℃の時と同じ体感温度になり、前記快適体感温度範囲に制御される。
<課題解決手段2>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図1、図2に対応づけて説明すると、前記感性メディアデータベース28は、前記体感温度変化作用が室内気温換算でデータベース化されており、前記感性メディア装置4が、前記快適体感温度に向けて、前記空調装置3の作用を補完するように前記感性メディアデータベース28を用いて提供すべき感性メディアを選択することを特徴とする。
<課題解決手段3>
また、感性メディアデータベース28には、体感温度の変化分Δt2に対応する感性メディアの1つ又は組み合わせV,S,C,Wが格納され、制御手段が、室内温度と快適体感温度との差分に応じて、感性メディア装置4で体感温度を前記快適体感温度に近づけるための体感温度の変化分を決定し、感性メディア装置4が、決定した体感温度の変化分に対応する前記感性メディアの1つ又は組み合わせV,S,C,Wを前記感性メディアデータベース28から選択し、前記選択した感性メディアを提供するように前記感性メディア装置4を制御することを特徴とする。
前記空調装置3の作用を補完するとは、例えば、空調装置が室内を快適体感温度に向けて気温を下げる動作をしていれば、感性メディア装置は室内の人をリラックスさせて暑さが気にならないようなコンテンツを提供する、また、空調装置が室内を快適体感温度に向けて気温を上げる動作をしていれば、感性メディア装置は室内の人を興奮、又は、活性にさせて寒さが気にならないようなコンテンツを提供することを意味する。なお、所定の感性メディアが提供された場合、体感温度を下げるように動作するのか、上げるように動作するのか、予め実験によって求めておく。
予め、一般的な(つまりデフォルト)前記データベースは以下のように構築できる。異なる室内気温をいくつか用意し、各室内気温において感性メディア提供の有無の条件で、被験者に感性アンケート、又は、生体反応計測を実施し、当該データから体感温度に関する感性評価値を抽出する。ある室内気温t1で感性メディアを提供した際の感性評価値と、他の室内温度t2で感性メディアを提供しなかったときの感性評価値が類似していれば、室内温度t1とt2の差が当該感性メディアによる体感温度変化作用になる。
つまり、感性メディア提供による体感温度の変化が室内気温換算でデータベース化されるとは、感性メディア提供が無い場合での室内気温における体感温度感性評価値と感性メディアの提供がある場合での室内気温における体感温度感性評価値が同値類になる室内気温の差を与える感性メディアが当該気温差毎に選択できることを意味する。従って、図1において、室内気温換算でマイナス1℃低下させることができる感性メディアは、Con_j_((-1,V,S,C,W))、また、マイナス2℃低下させることができる感性メディアは、Con_j_((-2,V,S,C,W))、などとラベリングされている。
なお、従来、感性メディアを提供した際の体感温度変化を定量的に図る手段は開発されていなかったが、当該手段の発明は後に詳細に述べる。
<課題解決手段4>
本発明の体感温度制御システムは、課題解決手段2もしくは課題解決手段3に記載の体感温度制御システムにおいて、利用者の好みを入力するための入力手段10(図1の利用者の感性メディア入力手段(10))を、さらに備え、前記感性メディア装置は、前記空調装置の作用を補完するように前記感性メディアデータベース28から検索された感性メディアの中から、前記入力手段10の入力に応じた感性メディアを選択する。これにより、利用者の好みに応じた感性メディアを選択できる。
<課題解決手段5>
本発明の体感温度制御システムは、課題解決手段1〜4のいずれかに記載の体感温度制御システムにおいて、前記空調装置3の作用を補完するように提供された感性メディアの設定履歴がデータベースに蓄積され、当該蓄積データを用いて温度制御を行うことを特徴とする。これにより、利用者が過去にどんな状況にどんな感性メディアを選択したのかの履歴を入力手段から得ることができ、この履歴に基づいて、感性メディアを選択することができる。感性メディアの選択順位を学習する機構を用いることができる。この場合、感性メディアのパラメータには、学習の際の履歴に対応する時間項を設けることが考えられる。即ち、Con_j_(Δt2,V,S,C,W,Time(i))とする。後に詳細に述べる。
<課題解決手段6>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図1、図2に対応付けて説明すると、課題解決手段1〜5の何れかに記載の体感温度制御システムにおいて、前記制御手段5が、前記空調装置3と前記感性メディア装置4とで消費される電力の和が最小になるように制御することを特徴とする。
<課題解決手段7>
本発明の体感温度制御システムは、課題解決手段6に記載の体感温度制御システムにおいて、前記室内温度と前記快適体感温度との差分を、前記空調装置3で前記室内温度を前記快適体感温度に近づけるための室温の変化分Δt1と、前記感性メディア装置4で体感温度を前記快適体感温度に近づけるための体感温度の変化分Δt2と、に分配し、前記分配した結果、前記空調装置3で室温を変化させるのにかかる消費電力Ph(0)+Ph(Δt1、A)及び前記感性メディア装置で体感温度を変化させるのにかかる消費電力Pk_i_(Δt2、B)をそれぞれ推定する推定手段をさらに備え、前記制御手段が、前記推定手段により推定された前記空調装置3と前記感性メディア装置4とで消費された電力の和が最小となるような配分で、前記空調装置3及び前記感性メディア装置4を制御することを特徴とする。なお、推定手段は周知のマイコンなどから構成することができる。
前記空調装置3において、室内気温を変化させる際の消費電力を当該変化Δt1毎にデータベース化することができる。前記感性メディア装置4において、感性メディアを用いた所定の体感変化Δt2をもたらすコンテンツを提供する際の消費電力をコンテンツ毎にデータベース化することができる。当該データベース7、8を用いることによって、所定の体感温度を変化させるために消費電力が最も小さくなる空調装置3の駆動条件と感性メディア装置4の駆動条件の組み合わせを求めることができる。体感温度制御手段5は、当該組み合わせで制御すれば良い。
<課題解決手段8>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図1、図2に対応付けて説明すると、課題解決手段1〜7の何れか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、室内の人物の皮膚温度を計測する計測装置12と、当該皮膚温度の変化によって、快適温度へ温度制御することと、体感温度制御システムの影響を利用者に表示することを特徴とする。なお、当該計測装置12には、赤外線温度計でもよい。また、前記人物の皮膚温度計測において、体感温度と相関性の高い部位の皮膚温度を選択的に計測してもよい。具体的には、室内の利用者が一人の場合、上半身、下半身で皮膚が出ているところ、頭部、顔部、腕などの中で最高温度部位を選択的に計測できる。また、複数の利用者の場合、特定者、又は、複数人の前記皮膚を計測できる。この際、統計値を利用者の前記皮膚温度とすることができる。
空調装置を動作し、室内温度が所定温度に制御された状態で、感性メディア装置4を動作し、皮膚温度の変化を計測することによって、感性メディアの影響を利用者に表示することができる。つまり、空調装置の影響と感性メディア装置の影響を分けて表示することができる。例えば、空調装置の設定温度が26℃とする。このときの皮膚温度を計測し、次に、感性メディアを提供し、皮膚温度を計測する。感性メディアの有無で皮膚温度の変化を求め、求めた皮膚温度の変化を感性メディア提供の影響、又は、体感温度制御システムの影響として利用者に表示できる。また、感性メディアデータベースに履歴として残すこともできる。(con_j_(Td,V,S,C,W,Time(i)))
前記皮膚温度の変化によって、空調装置、又は、感性メディア装置の動作を変化させる制御が可能である。例えば、感性メディア提供の効果が不十分の場合、空調装置の出力を上昇させる、また、感性メディア提供の効果が高い場合、空調装置の出力を低下させるなどが可能である。
<課題解決手段9>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図1、図2、図3に対応付けて説明すると、課題解決手段1〜8の何れか記載の体感温度制御システムにおいて、前記空調装置3と前記感性メディア装置4は一体的に構成され、前記快適体感温度に向けて協調的に動作するように制御されることを特徴とする。
前記協調的に動作するとは、利用者の体感温度の快適性を向上させるように動作する、又は、所定の体感温度変化を得るための消費電力を少なくするように動作することを含むものとする。
前記感性メディア装置において、視覚提供装置と風を提供するなどの皮膚触覚提供装置は、一体的に構成することができる。例えば、体感温度制御の目的で、感性メディア装置である表示装置又は照明装置の表示面に空気穴を設け、当該面の裏側に空調装置を設けることができる。当該空気穴から加熱又は冷却した空気を放出できる。また、室内の湿度を高めるように霧を放出することもできる。表示面は大きいので、大量の霧を放出でき湿度の制御に有利である。霧に香りを混入することもできる。湿気のある空気の中に心地良い香りを混入して利用者に提供すると、柔らかな、良質な嗅覚特性が得られる。表示面の空気穴を介して空気中の水分を除去する、つまり、除湿することも可能である。
空調装置と感性メディア装置を一体化することにより、体感温度の制御に相乗効果が得られる。つまり、夏場であれば、涼しげな映像を表示し、当該画面から涼しい気体を放出すれば、視覚と皮膚温度感覚の相乗効果で単独でするより効率的である。また、冬場であれば、温かい映像を表示し、当該画面から暖気体を放出すれば、単独でするより効率的である。結果として、少ない消費電力で快適な体感温度が得られる。
また、空調装置と照明装置の一体化では、天井や壁に照明装置を組み込み、当該照明装置の発光面から暖気体、冷気体が放出するようにできる。夏場であれば、青色の壁や天井から冷たい風が放出されるので、少ない消費電力で快適な体感温度が得られる。冬場であれば、壁や天井をオレンジ色や電球色にして、暖気体を放出すると効果的である。
<課題解決手段10>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図3に対応づけて説明すると、前記課題解決手段1〜9に記載のシステムおいて、前記感性メディア装置には、表示面から化学物質が放出できる映像又は照明装置が用いられ、当該化学物質は、前記快適体感温度が室内気温より低い場合、冷感作用のある化学物質が放出され、快適体感温度が室内気温より高い場合、温感作用のある化学物質が放出されることを特徴とする。
前記化学物質には香りの精油を用いることができる。当該精油は気化され気流によって利用者まで搬送できる。気化された化学物質は嗅覚器から受容され、血液に溶け込まれ脳に到達するため即効性がある。課題は、必要十分な化学物質を正確に利用者の嗅覚器に搬送することであるが、表示面の穴から気流に乗せて搬送することで、利用者に正確に受容させることが容易である。
また、冷感作用の香りと温感作用の香りを切り替えてできるようにするには、超音波で精油を霧化し、当該霧化された香りを表示面の穴まで、ノズルを用い搬送すればよい。ノズル内に超音波を発生させることで、霧化された香りは高速で穴から放出される。このように、精油の霧化と香りの搬送に超音波機構を用いると、する香料の量の制御や映像内容との一体性に有利であるため、本発明の体感温度制御システムには適している。
<課題解決手段11>
本発明の体感温度制御システムは、例えば、図1に対応付けて説明すると、課題解決手段1〜10の何れかに記載の体感温度制御システムもしくは、室内の照明システムにおいて、前記感性メディア装置4には、内部に電源と発光体を接続する発光制御手段が設けられ、前記発光制御手段は、体感温度に寄与する色彩、輝度を有し、外部からの無線/有線通信手段によって制御されることを特徴とする。
前記発光体は、発光ダイオード、有機EL素子などで構成できる。前記発光制御手段は、体感温度に影響を与える色彩、輝度を制御できる機能を有する。
前記照明装置は、既存の蛍光灯の代替えとして取り付け可能な寸法、形状とすることができる。前記無線通信手段により、色彩、輝度を制御できるため、従来のエアコンと当該照明装置を用いて本発明の体感温度制御システムを容易に構成できる。
空調装置と映像メディア装置の組み合わせによって体感温度を制御するシステムであるため、人が心理的に感じる温度を快適に、きめ細かく制御できる。
空調装置による気温設定が多少高目でも感性メディアによって涼しい感覚が得られるため、暑さが気にならないようにできる。また、気温設定が多少低目でも感性メディアによって寒さが気にならないように、又は、温かい感覚が得られるようにできる。このように空調装置の消費電力を抑性でき省エネルギー効果が高い。
赤外線温度計を用いて、皮膚温度を計測し、当該計測結果を体感温度制御に利用するため、気持ちのよい体感温度が得られ、省エネルギー効果もある。
空調装置と感性メディア装置を一体的に構成できるため、体感温度制御の効率が高い。また、別々に設けるよりも省スペースで経済的である。また、感性メディアは快適な視覚を提供できるため、室内を美的にする効果もある。
本発明の実施例で、体感温度制御システムの基本構成を説明している。 感性メディアデータベース(DB)Con_i_(Δt2,V,S,C,W ) を作成するための感性メディアをした場合の体感温度変化を計測する方法の概念を説明している。 感性メディアデータベース(DB)を作成する際に仕様する恒温室環境である。 本発明の他の実施例における体感温度制御システムの基本構成を説明している。 夏場を想定した参照環境での体感温度調査方法の手続きの流れを説明している。 感性メディアをした時の体感温度調査方法 の手続きの流れを説明している。 体感温度計測のためのアンケート項目である。 参照環境において各室内気温でのアンケートしたときの平均スコアである。 固有値と寄与率である。 質問項目(形容詞対)の第一,第二主成分負荷量である。 第1、第2主成分と室内気温との相関係数である。 癒し系感性メディアをしたときの体感温度測定結果を説明している。 癒し系感性メディアをしたときの体感温度低減効果を説明している。 興奮系感性メディアをしたときの体感温度測定結果を説明している。 本発明の他の実施例で、視覚刺激と嗅覚刺激をできる感性メディア装置と空調装置を一体的に構成した体感温度制御システムを説明している。 本発明に用いる感性メディア装置の実施例で、画面の穴から超音波を用いて霧化した香料を放出する香り付き映像装置を説明している。
第1実施例
図1は、本発明の実施例で、体感温度制御システムの基本構成を説明している。引用符号1は快適体感温度設定手段で、ヒューマンインターフェースなどの入力装置から構成され、Tdは快適体感温度で例えば22℃〜24℃を設定できる。これにより、利用者の好みに応じた快適体感温度に設定することができる。快適体感温度は後述するように室内温度と差分が検出されるので、物理温度表示されるのが望ましい。
また、体感温度は、これに限らず、製造元で、統計データに基づいて任意に設定してもよいし、利用中に学習機構を用いて自動設定されてもよい。つまり、利用者がシステム利用初期に快適体感温度を適宜設定し、その後、利用者が快適設定温度を変化させた際、室内の環境と変化させた快適体感温度の履歴データを記憶装置に蓄積しておき、当該履歴データを用いて、利用者がそのときの環境に応じて好む快適体感温度を推定し、当該推定された快適体感温度を設定値として用いることができる。当該体感温度の推定には前記履歴データを用いた学習機構を用いることができる。
例えば、利用者が設定する初期値を22℃とし、本システムが動作したとき、28℃から6℃下がったとする。しかし、利用者はその体感温度が寒すぎると感じれば、2℃あげるかもしれない。そのような微調整が繰り返されるのであれば、当該統計値をもとにして、その後の使用からは快適体感温度は自動的に24℃に設定することは当然可能である。つまり、室内快適体感温度は、設定しなければならないが、設定方法は、製造元でも、利用者でも、あるいは、システムが学習により自動的に設定してもよい。
引用符号9は室内気温センサで、本実施例では、現在の気温Trを28℃として説明する。引用符号2は室内温度と快適体感温度の差(Δt)を検出する差分検出手段であり、例えばマイクロコンピュータ(以下マイコン)から構成されている。前記の例では、Δtは、快適体感温度に比べて、+4℃から+6℃高い。
引用符号3は空調装置で、熱交感装置31と送風装置32と空調装置3の電力データベース7とからなる。熱交換装置31は、空気を冷却又は加熱させる装置である。引用符号31−1は当該機構を通過する空気を冷却又は加熱するアルミニウムなどで構成されたフィンである。当該フィン31−1に後ろから送風装置32によって空気を通過させると、当該冷却又は加熱された空気は室内に流れる。引用符号22は気流である。電力データベース7は、空調装置3で変化させたい室温Δt1と現在の室温や湿度、部屋の大きさ、構造などの部屋の環境条件Aを入力すると、空調装置3の消費電力を検索できる機能を有する。Ph(0)は空調装置3のアイドリング電力、つまり、気温変化に因らず消費される電力である。Ph(Δt1、A)は、環境条件Aの下で、Δt1変化させるために必要な電力である。本実施例では、空調装置3によって、Δt1=マイナス3℃変化させる場合を示している。従って、空調装置3のみでは、快適体感温度を達成できない例を示している。
そこで、感性メディアをし、空調装置3との組み合わせ作用により、快適体感温度を達成する。引用符号4は感性メディア装置で、映像表示装置20、21、香り発生装置23、感性メディアデータベース28、感性メディア選択手段41、感性メディア装置の電力データベース8などから構成される。
映像表示装置20、21は画面に穴が設けられており、空調装置3で温度が制御された空気は、映像表示装置20の穴から放出され映像表示装置21の穴から排出される。香り発生装置23から香り27が室内に放出され、当該香り27は、気流22によって利用者Pの鼻先にされる。引用符号26は電源装置、引用符号25は香り発生装置23の駆動制御装置、及び、無線/有線通信手段である。
感性メディアデータベース28は、視覚刺激V、音響刺激S、嗅覚刺激C、皮膚触覚刺激Wなどによって、体感温度を気温換算でΔt2変化させるための感性メディアコンテンツCon_i(Δt2、V、S、C、W)を検索できるように構成されている。当該感性メディアコンテンツをしたときの体感温度計測方法、及び、体感温度の変化を気温換算(Δt2)で求める方法については、後に詳細に説明する。iは当該作用を有するコンテンツの番号である。
また、体感温度を変化させる感性メディアの候補が複数存在する場合もあるので、利用者がこれを任意に選択できるような入力手段10を設けることができる。さらに、選択情報の履歴をデータベース化し、利用者の選択に傾向が存在する場合には、利用者が好ましいと感じる感性メディアを選択できる学習系を構築することができる。このため、感性メディアコンテンツは、上記Con_i(Δt2、V、S、C、W)に加えて、時間項を設けることができる。すなわち、Con_i(Δt2、V、S、C、W、Time(i))を用いることができる。時間項の利用は後述する。
夏場、室内の快適体感温度が23℃と設定され、室内の温度が28℃の場合を例に学習方法を説明する。5℃の低下が必要であり、3℃の低下を空調設備で行うとする。この場合、感性メディアが2℃の低下を受け持つ。
2℃の低下をもたらす感性メディアの組み合わせが複数種類A、B、C、D、Eと5種類あるとする。利用者が、請求項4の入力手段10を用いてこの中のどれかを選択できるとする。どの感性メディアが選択されるかは、様々な因子できまるが、その時の状況がデータベース化されていれば、当該因子を説明変数にして、目的とする感性メディアに順位をつけることができる。
例えば、湿度が高い雨の日、時間帯は午後、利用者の好みなどの因子が名義尺度の説明変数として与えられ、よく選ばれる感性メディアが目的変数として対応づけられるなら、数量化理論II類を用いた学習系が構築できる。
また、感性メディアを選択するときの因子が間隔尺度でデータベース化されるのであれば、数量化理論I類が適用できる。また、候補となる感性メディアの特徴が間隔尺度のパラメータで表すことができ、前記因子も間隔尺度で表すことができれば、重回帰分析を用いた学習系を構築できる。この他、選択される感性メディアに一定の傾向があるのなら、従来知られている線形、非線形の学習モデルを適用することができる。例えば、ニューラルネット、ファジー理論、遺伝的アルゴリズム、隠れマルコフモデルなどを用いてもよい。
前記時間項の利用を説明する。一例として、マイナス2℃の作用をもたらたす選択可能なコンテンツが複数あるが、時間帯によって切り替えて提供した方が良い場合がある。同じコンテンツ(例えば映像)を繰り返し提供すれば順応作用により、体感温度低減効果が減少するためである。つまり、最初はマイナス2℃の作用(効果)があっても、繰り返し提供することで、マイナス1℃程度の効果になってしまう場合もある。
そこで、最初の時間帯は、静かな森林の映像、次の時間帯は、静かな海の映像、次の時間帯は宇宙の映像という具合に、いくつかの癒し映像を利用者の自律神経への作用が順応しないように次々に変化させて提供することができる。つまり、副交感神経が優位になるように時間帯によってコンテンツを選択することができる。また、冬場など寒い時期に体感温度を上昇させるために交感神経を優位にするコンテンツの組み合わせを選択できることも当然可能である。
映像だけではなく、音楽、香り、風も同様に変化させることで、順応回避作用を発生させることができる。この時間帯による感性メディアコンテンツの選択方法は、製造時に予め設定しておくこともできるが、利用者がインタフェースによって選択した感性メディアコンテンツを時間帯ごとに記憶媒体に蓄積しておき、利用者が好むコンテンツの組み合わせを学習させることで時間帯ごとに異なるコンテンツを提供することも可能である。
例えば、海の映像の後は森の映像に移る、ラベンダーの香りの後はヒノキの香りを選択するなどの時系列パターンを設けることができる。このように利用者が選択する時系列パターンが統計データとして蓄積され、時系列の遷移確率に一定の傾向が見られれば、例えば、隠れマルコフモデルに基づく学習機構を利用して、利用者の好みのコンテンツ時系列パターンを決めることが可能である。
以上のように、感性メディアAの時間項Time(i)には、感性メディアAが選択されたときの時刻に関わる情報を因子として格納する、または、感性メディアAが選択されると効果的な時刻に関わる情報を因子として格納することができる。ここで、時刻に関わる情報とは、時刻でも良いし、季節や時間帯でも良い。また、提供されるコンテンツの組み合わせ順序を決める情報でもよい。
感性メディア選択手段41は、例えばマイコンから構成され、快適体感温度Tdに向けて変化させるべき体感温度の変化分Δt2が入力されたとき、条件を満たす感性メディアを感性メディアデータベース28から検索して選択し、映像表示装置20、21、香り発生装置23等にコンテンツ信号を送信する手段である。当該送信には、無線手段13を用いることができる。jは選択された感性メディアコンテンツを示す。
電力データベース8は、Δt2と消費電力に影響するΔt2以外のパラメータBが与えられた場合、Con_i(Δt2、V、S、C、W)を検索し、当該感性メディア装置4の消費電力(Pk_i_(Δt2、B))を検索できる機能を有する。ここで、Bは、映像であれば、明るさ、画面の大きさ、表示デバイスなどが対応し、音響であれば、音の大きさ、スピーカの数や種類などが対応し、香りであれば、香り発生方法、放出装置の種類などが対応する。
引用符号5は、例えばマイコンから構成され、現在の体感温度を快適体感温度に向けて、空調装置3と感性メディア装置4を用い、所定規則6に従って、気温換算でΔt変化させるための体感温度制御手段である。同図では、当該規則6として、消費電力が最小になる場合を示している。MINは、前記データベース7、8を用い、(Ph(0)+Ph(Δt1,A)+Pk_i_(Δt2,B))を最小にする手段である。当該手段により、空調装置3の気温低減動作(Δt1)、及び、すべき感性メディアコンテンツCon_j(Δt2、V、S、C、W)が決められる。
感性メディアコンテンツCon_iが複数ある場合、利用者が選択することができる。引用符号10は、利用者の感性メディアの好みを入力する入力手段である。部屋の壁色、照明仕様、映像の仕様、音響の仕様、香りの仕様などをヒューマンインタフェース手段11から入力できる。この入力手段で入力された好みによって、複数の感性メディアコンテンツCon_iの1つを選択できるようにしてもよいし、感性メディアコンテンツのΔt2に対するV、S、C、Wを変更して利用者の好みを学習するようにしてもよい。
感性メディアには、照明装置を用いても良い。引用符号14はLED照明装置、引用符号15はLED照明装置を取り付ける電源ソケット、引用符号16は発光制御手段、及び、無線通信手段である。発光制御手段16は、電源電源装置26とLED照明装置14との通電を制御する。電源装置26から電力が供給され、体感温度制御手段5、又は、ヒューマンインタフェース手段11から無線でLED照明装置14で色彩、輝度などを制御できる。LED照明装置14は、蛍光灯管のと同型で、内部にLEDと発光制御手段、無線通信手段16を実装できる。
LED照明装置14は、様々な色彩で部屋内を照明できるため、夏場であれば、壁や天井の色を青色などの寒色系に、冬場であれば、オレンジなどの暖色系に制御することができる。これによって、体感温度は快適体感温度に向かうので、空調装置3を用いて変化させる気温を少なくできる。従って、省エネに貢献できる。色彩や輝度を制御するスイッチが無線で実現できるため、既存の蛍光灯設備を利用できる。
引用符号12は、赤外線温度計である。赤外線温度計12として赤外線カメラを用いれば人体の各部位の温度が計測できる。人の皮膚温度は、室内の気温及び感性メディアに敏感である。つまり、空調装置3、感性メディア装置4の作用に敏感に反応する。そこで、赤外線温度計12で人体の体感温度をモニタし、当該結果を空調装置3、感性メディア装置4の動作にフィードバックできる。例えば、空調装置3を省エネ運転し、気温を26℃にしたが、快適温度状態に達しないことが赤外線温度計12でモニタできれば、体感温度低減効果のある感性メディアをし、快適体感温度に達したかどうかを確認できる。このように、規則6−1として、体感温度の変化が快適体感温度範囲に向かうかどうかを判定して、空調装置3、感性メディア装置4を制御する規則を設けても良い。
また、上述した実施形態では、消費電力が最小になるようにΔt1、Δt2を決定していたが、これに限ったものではなく、室内温度と快適体感温度の差(Δt)に応じて予め定めた比率になるようにΔt1、Δt2を決定するようにしてもよい。
また、図4に示すように、体感温度決定手段17を設けてもよい。体感温度決定手段17に対して、赤外線温度計12からの皮膚温度や、入力手段10からの入力が出力され、これら皮膚温度や入力手段10からの入力に応じて感性メディアデータベース28を再構築するものである。
前記のように、本発明では、感性メディア装置4で提供する感性メディアの選択が重要である。どの感性メディアを選択するかについては、当該メディアの条件に対して体感温度がどの程度変化するのかデータベース化しておくと有効である。感性メディアの提供によって変化する体感温度が気温換算で示されれば、その変化を考慮して空調装置3の気温設定温度を制御できるので省エネに効果的である。以下、感性メディアの体感温度変化作用を気温換算で求める方法(感性メディアデータベース28の作成方法)について詳細に説明する。
<体感温度算出法の数学的枠組み>
先ず、二つの異なる環境での体感温度変化を数値的に評価する方法の数学的枠組みを説明する。当該評価法の目標は、第一に、室温や湿度などの物理的要因、及び、心理的要因による効果が説明できるようにすること、第二にこれらの要因が体感温度に与える影響を数値的に評価できるようにすることである。
<体感温度の定義>
後半の実験に対応させるために、二種類の体感温度の量的な示し方について述べる。第一の方法は、温度以外のすべてのパラメータがある特定の値をとるような標準環境を想定し、与えられた環境の温度と同じ温度であると感じられるような標準環境の温度を、その環境下での体感温度とするというものである。ここで、標準環境は、実験心理学における統制手段のことであるが、本発明では、この手段に物理温度(室温)、湿度、コンテンツを制御できる恒温室を用いることが特徴である。以下では、比較のためにいくつか選択された標準環境を参照環境と呼称し、体感温度を決定したい環境をコントロール環境と呼称する。従って、コントロール環境と複数の参照環境での温かさの感じ方(類似性)を比較した結果、コントロール環境での温かさに近い温かさの参照環境を構成する室温をコントロール環境での体感温度とする。
図2に、感性メディアによる体感温度の変化を計測する方法の基本概念を示す。例えば、er1(26℃,湿度80%)、er2(28℃,湿度80%)なる参照環境があり、コントロール環境ec1(28℃,湿度30%)のとき、コントロール環境ec1での温かさの感じ方が、参照環境er1と等しいなら、コントロール環境ec1(28℃,湿度30%)での体感温度を、参照環境が構成される温度以外の条件(湿度80%でコンテンツなし)において、26℃と定義するものである。また、コントロール環境ec2(28℃,湿度80%,感性マルチメディア)のとき、コントロール環境ec2での温かさの感じ方が、参照環境er1と等しいなら、コントロール環境ec2での体感温度は、同様に26℃と定義するものである。前者の室温と湿度をパラメータにした体感温度については、スティードマンの熱指数方程式等によって従来も示されており、日常経験からも理解しやすいが、本手法は、コントロール環境の条件を触覚刺激(温度や湿度など)のみならず、視覚、聴覚、嗅覚刺激までに拡張することを目的としている。
第二の方法は、一つひとつの環境に対し、その環境下ではどの程度温かいと感じられるのかを指し示す相対的な指標を割り当てるというものである。図2のコントロール環境ec1例では、湿度を80%から30%へと50%低下させることが、室温を28℃から26℃へと2℃低下させるのと同じ効果であることを意味する。ここで、Cを正の実数とするとき、対応する寒暖指数変化は2Cとなる。より一般的には、Cは環境空間上の実数関数となる。なお、寒暖指数は、後に詳細に述べる。このような相対的な指標を用いる意義は、例えば「このコンテンツを提供するマイナス何度の感覚が得られます」などと利用者に分かり易く情報伝達できるメリットが挙げられる。本発明では、様々な感性メディアの当該寒暖指数を気温標記で求めておき、データベース化して利用する。
上記2つのいずれのアプローチをとるにしても、体感温度は環境を定義域とし、実数の集合Rを値域とするような関数Tsとして定義することができる。この関数の数学的定式化の為には先ず環境をパラメータ化することが必要になる。それに際し、我々にとっては環境の体感温度に関連する側面のみが重要であるということに鑑み、温度や湿度,風速,さらには壁の色や映像,音響,香りなどの体感温度に影響を与えるであろう感覚刺激のみ抜き取ってタプルにまとめ、これを体感温度理論における環境の数学的表象であるとする。
具体的には、上記感覚刺激からなる環境パラメータをx1,x2,…,xnとするとき、環境の表象であるところのタプルはe=(x1,x2,…,xn)となる。ここで、すべての環境の集合として得られる空間を環境空間Eと呼称し、E=[e=(x1,x2,…,xn)|xi∈R]のように定義する。これによって、体感温度関数Tsは環境空間Eから実数集合Rへの関数Ts:E→Rとして定式化できる。なお、本定義では、感覚刺激以外の生理・心理の問題、例えば、風を引いて熱がある、嫌なことがあって気分が滅入っているなどは扱わない。
実際にそれぞれの人に関して各環境下における体感温度を決定するためには、個人iごとの各環境下における体感温度に関連した感性の心理反応を計測する必要がある。(よって、より厳密にはTsは添え字iにも依存し、Ts iとするのが好ましいが、ここでは簡略化のため、必要な場合を除き、iは省略する。)これは、体感温度環境を構成するパラメータの中には、感性に影響を与えるパラメータが含まれているからである。アンケートによる主観評価手段や皮膚コンダクタンスなどの生体反応計測を用いた客観評価手段を用いて感性反応を測ったときの計測値をy1,y2,…,ymとし、それをタプルk=(y1,y2,…,ym)としてまとめ、さらにそのタプルを集めて空間を作る。この空間を感性空間Kと呼称し、K=[k=(y1,y2,…,ym)|yi∈R]と定義する。各環境下での感性反応が一意となるように工夫すれば、感性反応の計測によって、環境空間から感性空間への関数J:E→Kを定義できる。
ここで、図2の基本的な処理の流れ、つまり、コントロール環境を統制された参照環境と比較し、コントロール環境の特性を評価すると言う心理学的アプローチは従来も行われるが、体感温度は、物理的、心理的な多くの要因が関係するため、数値的評価が難しい。本手法の一つの特徴は、前述のように、恒温室を用いて参照環境を構成する点であるが、温度に関する感性反応値をどのような手段で取得するか(アンケートの作り方等)、及び、その処理方法も課題である。以下詳細に述べる。
前記のようにして得られる感性反応計測値は、一般的に、体感温度とは関連のない情報をも含んでいる可能性が高く、体感温度に関連する情報のみ抽出することが望ましい。そこで、感性反応計測値に情報抽出法を適用し、必要な情報のみ元データから取り出す。このとき、新たに得られた抽出後感性反応因子をy'1,y'2,…,y'm'とおく。これらをまたタプルにまとめて、k'=(y'1,y'2,…,y'm')を得る。さらに、それらの集合としての空間K'=[k'=(y'1,y'2,…,y'm')|y'i∈R]を考える。この空間を抽出後感性空間と呼称する。情報抽出法の適用は関数Ext:K→K'を定義する。
<類似関数を用いた体感温度算出法>
図2において、K'空間を対象に類似関数を用いて2つの異なる環境下での感性反応の類似性を測り、それを基にして体感温度を決定する。具体的には、先ず類似関数を利用し環境空間を感性反応の類似性が高い環境同士が同じ同値類に属するように分割する。図2では、εt1、εt2に対応する。つまり、2つの異なる環境は、それらの環境下での感性反応が似通っている場合のみ同じ同値類に属するものとする。
より厳密には、類似関数とは2つの環境をインプットとして受け取り、それらの環境下での体感温度に関連する感性反応の側面の類似性を指し示す負でない実数を返す関数S:E×E→Rである。この関数Sは次節で詳しく述べる。この類似関数Sを用いて環境空間Eを以下の(1)式のように分割する。
Figure 2014234934
ここで、c2,c3,…,cnは任意に選ばれた定数であり、標準環境を決定する。この分割操作は、環境空間内の直線L=[(x,c2,c3,…,cn)|x∈R]から飛び飛びに点を選んでいき、各環境がそれらの点の内どの点に最も近いかによって、その環境が属する同値類を決定することに等しい。本来であれば連続的に多くの点を選ぶべきであるが、
1)体感温度とはそもそも曖昧なものである。
2)感性反応の類似性を基に環境の属する同値類を決定しているが、感性反応計測手段の精度には限界がある。
3)あまり小さな温度変化は被験者にとって認識しにくく,評価の負担もあり,仮に分割できても利用しにくい。
という三つの理由から、これをせず、環境空間を高々可算個の同値類に分割した。εtに属する各環境下では体感温度に関する感性反応は似ているため、以下に示す(2)式の近似が成り立つ。
Figure 2014234934
よって、体感温度Tsを定義することは、Ω=[εt|t∈N]としたとき、下記の(3)式を定義することに帰着できる。上バーは平均を示す。以下、Tsの算出方法について詳細に述べる。
Figure 2014234934
<比較定義法>
前記第一の体感温度定義法に対応する。前記のようにして分割された環境空間εtの各同値類に体感温度を表す数値を対応させる。このとき、同じ同値類に属する全ての環境下での体感温度は同じであるとする。この処理により、体感温度は室内気温表記できる。
具体的には、標準環境を決定する任意の定数c2,c3,…,cnを特定し、選択された標準環境を基準としたときの環境e下での体感温度は以下の(4)式のように定義される。
Figure 2014234934
図2の例では、εt1に分類されたec1又はec2での体感温度Ts(ec1)又はTs(ec2)は,同じεt1にある参照環境er1の物理温度t=26℃とみなすことを意味する。
<寒暖指数>
これは、前記第二の体感温度定義法に対応する。前記定義法のように、物理温度を体感温度として用いることは、被験者ごとに同じ物理温度を含む環境に対する解釈が異なるために、被験者によっては、どの程度暑い若しくは寒いと感じているのかわかりにくい場合がある。例えば、単に被験者は今湿度80%、物理温度28度の部屋にいるように感じているというだけでは、被験者が暑がっているのかどうかは不明瞭である。そこで、被験者がどの程度暑く感じるのかを指し示す寒暖指数を導入し、被験者の体感温度をこの指数によって表し、被験者のバックグラウンドによらず統一的に記述できるようにする。つまり、二人の異なるバックグラウンドをもった被験者の寒暖指数が共に+2であるといったとき、これらの被験者は同じ程度暑く感じていることになる。
具体的には、被験者iの出身地域における各環境要因の平均(例えば年平均)を(5)式、それを含む同値類を(6)式、マルチメディア環境e'が属する同値類をεt'、被験者iの温度変化に対する敏感度係数をCとしたとき、寒暖指数は以下の(7)式ように定義できる。
Figure 2014234934
Figure 2014234934
Figure 2014234934
ここで、(8)式。
図1の例では、εt2の中にあるer2の体感温度(9)式は、室温が同じ28℃でも癒し系マルチメディア環境ec2にすることによって、(10)式になり、iが暑さの変化に敏感でなく敏感度係数Cが例えば0.9の場合、寒暖指数は,0.9(26−28)=−1.8℃になることを意味する。
Figure 2014234934
Figure 2014234934
Figure 2014234934
<情報抽出処理と類似関数>
以上、本手法の基本的な処理を説明したが、次に、感性反応計測値から体感温度に関する情報を抽出する処理と前記類似関数の具体例について述べる。
感性反応は、前述のように、体感温度に関連するもの以外の情報を含んでいる可能性がある。例えば、癒し系マルチメディアをした場合、同刺激が部屋の暑さを紛らわす、即ち体感温度を下げる効果があったとしても、同時に、美しさや愛らしさと言った感性を刺激するかも知れない。そこで、体感温度計測の精度を上げるため、主成分分析法を適用して、所定環境に対する感性反応から温度に良く反応するパラメータ(成分)を抽出する。このようにして、体感温度に関するm’個の主成分を抽出し、同主成分を軸とする体感温度感性空間K’を作る(図2参照)。
類似性の計量化には、いくつかの方法が存在する。感性空間Kで単にユークリッド距離関数を用いて類似度を計算する方法も考えられるが、本発明では、精度向上を図るため前記情報抽出法を用いて感性アンケート結果を精緻化し、それによって得られたパラメータを、その重要性の指数である相関係数を重みとする重み付きユークリッド距離によって評価する工夫も可能である。
具体的には、K'上に以下に定義する距離関数d:K'×K'→Rを導入する。これは、物理温度と各抽出後感性反応成分との相関係数をwiとしたとき、以下の(11)式ように定義する。
Figure 2014234934
次に、この距離関数を用いて類似関数Sを以下の(12)式ように定義する。
Figure 2014234934
仮にS((t,c2,c3,…,cn),e)=S((u,c2,c3,…,cn),e)となるようなt,u(t≠u)が存在するとき、(13)式の各抽出後成分値を第一成分から順番に比べていき、最初に差がより小さな値を示した点に対応する環境のほうが、類似性はより高いものとする。この類似関数Sを(4)式に適用すれば、体感温度Ts(e)が得られる。
Figure 2014234934
<検証実験>
前記体感温度変化算出法の妥当性を検証するため、リラックス系、興奮系の2種類のマルチメディアコンテンツを用いて実験した。リラックス系の刺激は体感温度を低下させ、興奮系の刺激は体感温度を上昇させるものと期待される。ここで、リラックス系では香りの使用も合わせて試みた。仮に、前記評価法がこの予想通りに体感温度の変化を算出できれば、この方法の妥当性が示される。
<実験環境>
実験には、図3に示す所定の温度・湿度に設定できる精密環境制御装置を備え、大画面、高音響でマルチメディアコンテンツができるヒューマンインタフェース実験室を用いた。空調は、室内の空気を吸入・排気する方式で、天井二重構造全面吹き出しで、被験者には風が直接当たらない構造になっている。被験者は視距離は3mで椅子に座った状態で評価される。被験者が入る評価室と実験者用制御室は分かれており、被験者は落ち着いた環境で画面に集中できる。
<参照環境での感性評価方法>
参照環境erとしては、夏場での節電のためのエアコン推奨温度が28℃であるため、この温度を中心に26〜30℃の1℃刻みの5段階とした。湿度は、1971年から2000年までの6月から9月までの平均湿度である73%固定とした。被験者は、実験前には、温室の24℃、湿度60%の控え部屋で待機してもらい、実験が開始されると、所定温度に設定された恒温室に入る。実験の流れを図5に示す。温環境に十分慣れるため10分間過ごしてもらい、その後に、恒温室の中で感性評価アンケートに約5分間で記入してもらった。恒温室を出た後は、控室で待機してもらい、その間に恒温室の温度を再設定し、所定温度になってから再び恒温室に入る動作を繰り返した。待機中、実験中に動作で体感温度が上がることがないように、部屋での過ごし方は自宅でリラックスしたときと同じような状態を保つように指示した。
<コントロール環境での感性評価方法>
感性マルチメディアコンテンツによる体感温度の変化を調べることが目的であるため、図2において、コントロール環境ec は、28℃、湿度73%で、映像や香り有とした。つまり、ecでの感性反応が、参照環境er(r=26, 27, 28, 29, 30℃)のどれに近いかを調べる。実験の流れを図6に示す。被験者は、室温の24℃の控え部屋で待機してもらい、実験が開始されると、28℃、湿度73%に設定されたコンテンツのない恒温室で数分間休憩の後、同じ恒温室において、10分間程感性マルチメディアを鑑賞する。コンテンツのない環境を基準にして、コンテンツ鑑賞時の暑さに対する感じ方をアンケート項目に従って回答してもらう。
コンテンツについて説明する。リラックス系映像(Movie1)としては、海中遊泳、又は、森林をテーマにし、ヒーリング効能を謳って市販されているDVD映像を用いた。海中の映像は、青色が基調で、魚や海藻がゆっくりと動く。森林の映像は、緑色が基調でゆっくりとしたカメラワークで撮影されている。また、比較のための興奮系映像(Movie2)として、激しい動きが特徴の格闘技(K1)の試合映像、日本各地の激しい祭り映像、及び、情熱的な音楽演奏映像(Janine Jansen氏によるチャイコフスキーのバイオリン協奏曲)を用いた。
香りは、リラックス系映像と連動させる際には、当該映像内容と合致した香りを創香し用いた。具体的には、海中遊泳の映像には、香料Lemon, Lavender, Rosemaryを調合し、森林の映像には、香料Abies sibirica, Pine, Peppermint, Spearmintを調合して用いた。各香料は、(株)生活の木製で、いくつかの種類は、鎮静、ストレス緩和、気分爽快などの効果が知られている。香り方法は、上記調合香料を入れた香料容器に、幅6mm、長さ15cmの試香紙を入れ、自然揮発する状態にして鼻下にかざした。試香紙の数で強さを制御できる。香りの強さは、事前に香りの種類が明確に知覚され、臭くない程度であることを実験者4名で確認した。なお、香りの感度は人により異なるため、被験者にとって適度な香りの強さになる保証はないが、後述のように実験後にアンケートを取り香りが知覚されていることを確認している。
<感性反応類似性評価のためのアンケート>
異なる環境の体感温度の類似性を評価するために、SD法(Semantic Differential method)に基づく複数の感性形容詞対からなる感性アンケートを用いた。この方法では使用する形容詞選択の善し悪しが、体感温度の算出精度に影響する可能性があるため予備実験を行った。
この実験では、被験者がコンテンツを鑑賞する際、様々な感情が生じる可能性を考慮し22個の形容詞を用いた。しかし、形容詞対が多すぎると、被験者が回答し難いことや、回答時に温かさの体感を回答するのではなく、コンテンツ自体の解釈を回答してしまう被験者も見られた。そこで、図7に示すようにアンケートを温度や湿度に関係するとともに、そのときの気分、やる気、快適さ、好み、集中力などに関する10項目に絞り、本実験を実施した。
本アンケートは、夏場において28℃を基準とした体感温度評価を目的としているため、寒い環境の表現は考慮していない。各項目の左側は、暑くも寒くもない快適な環境の表現に、右側は、暑く不快でエアコンが必要な環境の表現に対応する。28℃の環境は、各項目の概ね中間に位置する。被験者には、「アンケートに用いる形容詞対は、体感温度を評価するためのもので、コンテンツ自体を評価するためのものではないので、鑑賞時の体感温度を意識して回答する」ように指示した。
<参照環境での数値評価実験結果>
参照環境26〜30℃における図7の各質問項目に対して被験者が回答した評価結果を図8に示す。横軸は質問項目、縦軸は被験者の評価平均値である。ここで、評価平均値を出す際、質問項目に対する回答を-3から+3の数値に置き換えた。図8から、全ての質問項目の評価平均値は、室温の上昇とともに増加することが見て取れる。このことから、アンケートを構成する質問項目の表現(形容詞対)は、温度の変化に適切に反応し、故に体感温度に関する感性反応を測るのにふさわしいアンケートだと考えられる。また、項目10の「じめじめした−カラっとした」という項目の評価平均値も、部屋の温度変化に伴い大きく変化していることがわかる。これは、たとえ湿度が73%で固定されていても、温度が変化することによってその感じ方も変わるということを示唆していると考えられる。
次に、情報抽出法を用いたデータ分析の結果を示す。前記アンケート結果に主成分分析を施した結果、図9に示す主成分とそれに対応する累積寄与率を得た。第二主成分までで累積寄与率が95%に近いので、第一、第二主成分のみで十分にデータを説明できると考える。次に、質問項目を第一、第二主成分負荷量の絶対値の大きさでグループ分けしてまとめたものを図10に示す。表からわかるように、第一主成分は温度や嗜好に関連し、第二主成分は気分や湿度に関連する成分である。更に、各主成分と室温との相関係数を計算し、結果を図11にまとめる。このようにして、各参照環境下でのアンケート結果は、前記第一、第二主成分を軸とする空間の点に対応付けることができる。
<コントロール環境での実験結果>
上記のようにして得られた軸で感性マルチメディアコンテンツ時のアンケート結果を表現し、これらのアンケート結果に対しても主成分値を得る。最後に、前述の距離関数(11)式を用いて、被験者ごとに各参照環境下でのアンケートに対応する点とコンテンツ時のアンケートに対応する点との距離を求め、最も近い点に対応する参照環境の室温を体感温度として求めた。また、当該温度を28℃から引いた値を当該コンテンツの平均体感温度低減効果として求めた。これは、前述の寒暖指数(7)式に対応する。厳密には、被験者の出身地や敏感度係数Cを考慮する必要があるが、被験者の多くは関東出身であり年齢も近いことから、敏感度は同様と考え、ここでは全てC=1.0とした。
<リラックス系コンテンツ>
図12(a)、(b)には、コントロール環境として、前述のリラックス映像Movie1に属する「海中遊泳」、「森林」を香り有り、又は、無しで鑑賞した場合の体感温度を示す。香りには嗜好性があるため、同図には、鑑賞中の香りが心地よいと感じたか、嫌いであったかアンケートした結果を合わせて示す。また、図13には、各被験者に対して同じ実験を繰り返し、各コンテンツによる体感温度変化の平均を、そのコンテンツの体感温度低減効果の指標として示す。どちらの映像の場合も、被験者の体感温度は、27℃付近を平均値とする概ねガウス分布を示す。
<興奮系コンテンツ>
図14には,興奮系映像Movie2に属する「格闘技K1」、「日本の祭り」、「情熱バイオリン演奏」を鑑賞した場合の結果を示す。前者の2つは、興奮しやすい単純な内容であるが、体感温度の平均値は28℃からプラス側に変化している。バイオリン演奏については、被験者がクラシックの好みがあるかどうかで結果は大きく異なる。同図では、クラシックやバイオリンを好むと回答した10名の結果を示している。
<実験結果の検定と考察>
上記実験結果の信頼性を確認するため検定を行った。リラックス系コンテンツについては、先ず、28℃で海又は森映像をした時の体感温度の被験者平均値と参照環境28℃の同平均値と差をt検定した。その結果、危険率5%で差は明確であった。次に、28℃で香り付きの海又は森の映像をした時の体感温度の平均値と参照環境27℃の同平均値との差をt検定した。その結果、危険率5%で差は明確であった。更に、映像のみと香り付き映像で体感温度の平均値の差を検定したところ、危険率5%で差は明確であった。
3種類の興奮映像については、各映像の際の体感温度平均値と参照環境28℃の同平均値との差をt検定したところ、3種類とも危険率5%で差は明確であった。
以上の結果、リラックス系コンテンツは体感温度を低下させ、興奮系コンテンツは体感温度を上昇させる効果があることが分かった。また、香り付き映像は、香りが合致している場合、その効果を促進させ、少なくても1℃以上変化させることが可能なことが分かった。室温が28℃の環境でも癒し系か興奮系かコンテンツの選び方によっては、体感温度に2℃以上の差が出る可能性を示唆している。
香りによる促進効果の理由としては、用いた香りに、副交感神経を活発にして心を冷静にする生理的作用があるものが含まれていたことが考えられる。また、森林映像に香りを付加した場合、被験者から「実際にその森を散策している記憶が想起された」などの感想もあったため、映像への没入感の高まりによる心理的作用も考えられる。
以上の実験により、リラックス系コンテンツでは体感温度低減効果が認められ、興奮系コンテンツでは、体感温度の上昇が認められた。香りが体感温度に与える影響では、コンテンツと共に香りを使用する場合、香りの生理的な影響に加え、コンテンツへの没入感が高まることによって、映像の特性が助長されることが明らかになった。また、感性アンケートの作り方では、参照環境での物理温度と質問から得られる各項目の評価値の主成分との相関を高くするように質問項目を設定すること、回答し易くすることが重要なことが明らかになった。
室温を段階的に変化させた恒温室で被験者に感性アンケートを行い、その時の体感温度の被験者平均値を求め、コンテンツ環境での体感温度の被験者平均値と比較し検定することによって、体感温度の変化を定量的に求めることが可能である。
今回の検討では、感性の類似性の評価にK'空間の距離を用いたが、その他にもK'空間の点を説明変数に参照環境の物理温度を目的変数にして重回帰分析を適用する方法も可能である。
実施例2
図15は、第2の実施例で、視覚刺激と嗅覚刺激をできる感性メディア装置4と空調装置3を一体的に構成した体感温度制御システムを説明している。
図1と異なる点を中心に説明する。引用符号44は、画面の穴を介して風と香りをできる映像表示装置46の断面図である。引用符号45は正面図である。引用符号46−1は表示面、引用符号47はLED発光素子、引用符号48は画面に空けた穴である。LEDの大きさは1.5mm、画素間隔は4mm、穴径は2.5mmの場合をしめしており、横幅が3mm程度の表示装置として構成されるとハイビジョンクラスの解像度になる。画面の厚さは、0.5mm〜3mm程度の薄型に構成する。薄型にすることによって、空気が画面を通過する空気抵抗が小さくなるため、風触覚や香り嗅覚の際に有利である。
当該実施例では、冬場を想定し、室内温度センサが18℃の場合を示している。快適体感温度を図1と同様に、Td=22℃〜24℃とすると、差分温度Δt=Tr−Td=マイナス6℃〜マイナス4℃となる。そこで、空調装置3で室内気温をΔt1=プラス3℃上昇させ、感性メディア装置4で体感温度を気温換算でΔt2=プラス1℃、又は、プラス2℃、又は、プラス3℃上昇させる。
本実施例では、空調装置3が、感性メディア装置4の一部である映像表示装置46の後ろ側に設けられている。熱交感装置31によって暖められた気体は、配管50によってアルミニウムフィン31−1に流れ、フィン31−1を温め、配管51によって熱交換装置31に戻る。従って、筺体49内の空気は温められている。ここで、送風機52により、筐体49内に空気を送ると、当該空気は暖められ、表示面46−1の穴48より放出される。
表示面(画面)46−1には、暖炉の映像、温かい島の映像などを表示することができる。当該映像の場所から暖気体が放出される。
また、ノズル式の香り発生装置23を用い、当該ノズルを画面の穴48付近に接続すると、ノズルから出た香り27は、気流22によって利用者まで搬送される。
本構成では、利用者は表示面46−1に近づくここができるため、利用者に空気触覚をして、能動的吸気動作を促し、吸気時刻を推定し、当該時刻に香りを提供することができる。映像内容とリンクするように、風を提供すると、高い確率で利用者は吸気動作を行う。このため、高い香り受容率が得られる。例えば、花畑で風によって花が揺れている映像をし、風が吹いているシーンのところで、風が頬を撫でるような感覚の気流を利用者の頬に当てると、利用者は思わず風の中の香りを嗅ごうとして吸気動作を行う。ここで花の香りを提供すると確実に香りを受容させることができる。
香りで体感温度を制御することを考えると、精度良く香りを利用者に鼻先に提供する技術が重要である。精度が良いとは、吸気動作の時に、必要な香りを必要な量だけし、確実に受容させることを意味する。さもなければ、香りは垂れ流し状態になり、受容されない香りは、残香になるとともに、受容量が不明であれば、体感温度の制御もできないからである。その点、空気触覚によって能動的な吸気動作を促して香りを提供する前記手法は、体感温度制御に向いている。
図16は、本発明に用いる感性メディア装置の実施例で、画面の穴48から超音波を用いて霧化した香料を放出する香り付き映像表示装置を説明している。
図1、図15と異なる点を中心に説明する。同図において、引用符号54は超音波式香り発生装置である。映像に連動して香りを放出するように制御される。引用符号55は超音波振動子、引用符号56は超音波発振駆動回路、引用符号78は超音波発振駆動回路56を制御する装置、引用符号57は凹面鏡である。超音波振動子55と凹面鏡57の間は水79で満たされている。引用符号58は液体香料入れ、引用符号59は超音波通過膜、引用符号60はカバー、引用符号77は当該カバーに設けた空気穴である。
超音波の霧化動作を説明する。超音波振動子55が超音波を発生すると、当該超音波は水79の中を進み、凹面鏡57で反射し、超音波通過膜59を通過し、凹面鏡57の焦点付近に集中する。当該集中点を液体香料入れ58に蓄積した液体香料80の内部に設定しておく。液体香料80は超音波の圧力で持ち上げられ液柱62を作る。超音波は、当該液柱62の中で反射を繰り返し、液体香料80を激しく振動させる。このとき、液体香料80の液面付近の液体は、激しい振動のため、表面張力に打ち勝って液柱62から外側に霧の状態で放出される。同時に一部の超音波も液柱62から外に放出される。
引用符号70は霧化した香り粒子である。引用符号63は霧化されなかった大きな液滴で液体香料入れ58内に落下する。引用符号61は超音波反射筒で、前記液柱62から飛び出した一部の超音波は、当該超音波反射筒61の中を反射しながら矢印のように上部に進行する。香り粒子70は当該超音波の圧力で押し出されるように上部に進行する。
超音波反射筒61の上部は、筒が2つに分かれており、分岐点に超音波反射板69が設けられている。超音波反射板69は中心部に回転軸が設けられており、同図実線と破線のように回転する。当該回転によって、香り粒子70は画面に設けた所定にノズル先端74に進行する。ここで、送風機52によって、気流22が発生していると、香りは当該気流22に乗って前方に搬送される。超音波反射板69を破線のように回転すると、香り粒子70はノズル先端75から放出される。
引用符号71は香り粒子の通過量を計測するセンサで、発光素子72と受光素子73から構成される。霧化粒子が通過すると光が吸収されるため、受光素子73の出力の変化から霧が通過した量を計測できる。当該計測によって、気流に混ざった香料の量が分かる。この計測値から香りの強さや時間の長さなどを求めることができる。従って、利用者に適切な香りをできる。
以上は、液体香料入れ58、液体香料80を用いた例であるが、この香り方法の代替えとして、引用符号65に示す香りを蓄積した円盤を用いることも可能である。当該円盤65は、円周上に異なる液体香料80が蓄積され、香り放出部66、67を形成している。超音波によって水79が霧化されると、当該霧は超音波反射筒61を上昇し、当該香り放出部66、67を通過する。この際、香りは霧に溶け込み香りを含有した霧となってノズル先端74又は75から放出される。引用符号68は当該円盤65の回転軸である。当該回転軸68を回転することで、円盤65の円周上にある様々な香りを放出することができる。
霧を利用する利点は、湿気のある空気の中に香りを混入して利用者に提供すると、柔らかで良質な嗅覚特性が得られることである。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階において、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。また、上記実施形態は、種々の段階の発明が含まれており、適宜な組み合わせにより実施してもよい。更に、上記各実施例の構成要素は、その目的を踏まえて適宜省略する、又は、周知慣用技術で補うことができる。
空調システム分野;空調装置と感性メディア装置を組み合わせて、少ない消費電力で快適な体感温度環境を作れるため、新しい概念の省エネ空調システムを実現できる。例えば、夏場であれば、空調装置の設定温度が高めの28℃でも、涼しげな映像が壁に投影され、清涼感のある香りがされることにより、体感温度が下がるので、28度でも快適に過ごせる。
住宅・建築分野;従来の照明装置と空調装置は、天井や壁の上部に別々に設置するため、スペースを取り、美的でもないが、本発明は、照明装置と空調装置を一体的に構成できるため、省スペースで美的な空調・照明システムが実現できる。省エネ快適住宅の設計に利用できる。
省エネ広報分野:住民が省エネに協力して参加するには、説得力のある広報活動が必要である。本発明によれば、省エネ効果を数量化し具体的に提示できるため、説明の納得性が高く協力して参加するケースが多くなる効果がある。広報手段や広報システムとして利用できる。
公共空間快適設備分野:ホテル、病院、役所などの待合所、地下街、デパート、空港、駅、その他、人が往来する空間において、快適性を高める支援設備として利用可能である。夏場にはほっとするような涼しげな空間が生成され、冬場には心温まる空間が生成されることによって、当該快適空間を求めて人が集まる効果もある。イベントや販売促進効果もある。
医療支援設備分野:寝たきりの患者は、活動範囲が制限されストレスが溜まりやすいので、アメニティ向上が課題になっている。本発明は空調設備と感性メディア提示装置によって快適空間を生成する技術であるため、病室などに設置することにより、患者のストレスを改善し医療支援効果がある。
1 快適体感温度設定手段(設定手段)
2 差分検出手段(検出手段)
3 空調装置
4 感性メディア装置
5 体感温度制御手段(制御手段、推定手段)
6 体感温度制御のための規則
7 空調装置の消費電力データベース
8 感性メディア装置の消費電力データベース
9 室内気温センサ
10 利用者の感性メディアの好みを入力する手段(入力手段)
11 ヒューマンインタフェース手段
12 赤外線温度計(計測装置)
13 無線通信装置
14 LED照明装置
15 電源ソケット
16 発光制御手段、及び、無線通信手段
20、21 画面に穴を設けた表示装置
22 気流
23 香り放出装置
25 香り放出装置の駆動制御装置、及び、無線通信手段
26 電源装置
27 香り(化学物質)
28 感性メディアデータベース
31 熱交換装置
31−1 アルミニウムフィン
32 送風装置
41 感性メディア選択手段(制御手段)
43 部屋
44 46の断面図
45 46の正面図
46 画面の穴を介して風と香りをできる映像表示装置
46−1 表示面
47 LED発光素子
48 画面に空けた穴
49 筺体
50、51 配管
52 送風機
54 超音波式香り発生装置
55 超音波振動子
56 超音波発振駆動回路
57 凹面鏡
58 液体香料入れ
59 超音波通過膜
60 カバー
61 超音波反射筒
62 液柱
63 液滴
65 香り蓄積した円盤
66、67 香り放出部
68 回転軸
69 超音波反射板
70 香り粒子
71 香り粒子通過量計測センサ
72 発光素子
73 受光素子
74、75 穴48に接続されたノズル先端
77 カバーに設けた空気穴
78 制御装置
79 水
80 液体香料

Claims (11)

  1. 室内温度と設定された快適体感温度の差分を検出する検出手段と、
    前記室内温度を前記快適体感温度の方向に変化させるように作用する空調装置と、
    体感温度変化作用が定量化された感性メディアデータベースと、
    前記感性メディアデータベースを用いて、体感温度を前記快適体感温度の方向に変化させるための感性メディアを提供する感性メディア装置と、
    前記空調装置及び前記感性メディア装置の作用和によって体感温度を前記快適体感温度に制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする体感温度制御システム。
  2. 請求項1に記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記感性メディアデータベースは、前記体感温度変化作用が室内気温換算でデータベース化されており、
    前記感性メディア装置が、前記快適体感温度に向けて、前記空調装置の作用を補完するように前記感性メディアデータベースを用いて提供すべき感性メディアを選択する
    ことを特徴とする体感温度制御システム。
  3. 請求項2もしくは、3記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記感性メディアデータベースには、体感温度の変化分に対応する感性メディアの1つ又は組み合わせが格納され、
    前記制御手段が、前記室内温度と前記快適体感温度との差分に応じて、前記感性メディア装置で体感温度を前記快適体感温度に近づけるための体感温度の変化分を決定し、
    前記感性メディア装置が、前記決定した体感温度の変化分に対応する前記感性メディアの1つ又は組み合わせを前記感性メディアデータベースから選択し、前記選択した感性メディアを提供するように前記感性メディア装置を制御する
    ことを特徴とする体感温度制御システム。
  4. 請求項2もしくは、3に記載の体感温度制御システムにおいて、
    利用者の好みを入力するための入力手段を、さらに備え、
    前記感性メディア装置は、前記空調装置の作用を補完するように前記感性メディアデータベースから検索された感性メディアの中から、前記入力手段の入力に応じた感性メディアを選択することを特徴とする体感温度制御システム。
  5. 請求項1〜4項のいずれか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記空調装置の作用を補完するように提供された感性メディアの設定履歴がデータベースに蓄積され、当該蓄積データを用いて温度制御を行うことを特徴とする体感温度制御システム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記制御手段が、前記空調装置と前記感性メディア装置とで消費される電力の和が最小になるように制御する
    ことを特徴とする体感温度制御システム。
  7. 請求項6に記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記室内温度と前記快適体感温度との差分を、前記空調装置で前記室内温度を前記快適体感温度に近づけるための室温の変化分と、前記感性メディア装置で体感温度を前記快適体感温度に近づけるための体感温度の変化分と、に分配し、前記分配した結果、前記空調装置で室温を変化させるのにかかる消費電力及び前記感性メディア装置で体感温度を変化させるのにかかる消費電力をそれぞれ推定する推定手段をさらに備え、
    前記制御手段が、前記推定手段により推定された前記空調装置と前記感性メディア装置とで消費された電力の和が最小となるような配分で、前記空調装置及び前記感性メディア装置を制御する
    ことを特徴とする体感温度制御システム。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、
    室内の人物の皮膚温度を計測する計測装置と、
    当該皮膚温度の変化によって、快適体感温度へ温度制御することと、体感温度制御システムの影響を利用者に表示することを特徴とする体感温度制御システム。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記空調装置と前記感性メディア装置は一体的に構成され、前記快適体感温度に向けて協調的に動作するように制御されることを特徴とする体感温度制御システム。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、
    前記感性メディア装置には、表示面から化学物質が放出できる映像又は照明装置が用いられ、当該化学物質は、前記快適体感温度が室内気温より低い場合、冷感作用のある化学物質が放出され、快適体感温度が室内気温より高い場合、温感作用のある化学物質が放出されることを特徴とする体感温度制御システム。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の体感温度制御システムにおいて、もしくは、室内の照明システムにおいて、
    前記感性メディア装置には、内部に電源と発光体を接続する発光制御手段が設けられ、前記発光制御手段は、体感温度に寄与する色彩、輝度を有し、外部からの無線/有線通信手段によって制御されることを特徴とする体感温度制御システム。
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