JP2014220530A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】内部電極の膨張に起因してセラミック素体にクラックが発生することを抑制、防止することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。【解決手段】内部電極2を備えたセラミック素体10に、内部電極2と導通するように外部電極5が配設された構造を有する積層セラミックコンデンサにおいて、セラミック素体の一対の端面3の一方に引き出された複数の内部電極2のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極2間に存在する誘電体層を電極間誘電体層11とした場合において、セラミック素体に含まれるの電極間誘電体層のうち、5%以上の電極間誘電体層に、セラミック素体の一対の端面の少なくとも一方付近において、電極間誘電体層を介して隣り合う内部電極間を結ぶ方向の間隙が存在するように構成する。複数の電極間誘電体層のうち、5〜90%の電極間誘電体層に、上記間隙が存在するように構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、詳しくは、内部電極を備えたセラミック素体に、上記内部電極と導通するように外部電極が配設された構造を有する積層セラミックコンデンサに関する。
代表的な積層セラミック電子部品の一つに、例えば、特許文献1に開示されているような積層セラミックコンデンサがある。
この積層セラミックコンデンサは、図4に示すように、誘電体層であるセラミック層101を介して複数の内部電極102(102a,102b)が積層されたセラミック積層体(セラミック素体)110の一対の端面103(103a,103b)に、内部電極102(102a,102b)と導通するように一対の外部電極104(104a,104b)が配設された構造を有している。なお、外部電極104(104a,104b)の表面にはNiおよびSnなどのめっき膜105が形成されている。
また、上記外部電極104(104a,104b)は、金属導体およびガラス組成物を所定の割合で配合した導電ペーストをセラミック素体に塗布して焼き付けることにより形成されている。
そして、特許文献1では、外部電極中に所定の組成を有するガラスを分散させることにより、外部からの機械的応力や熱的衝撃に対する耐性の向上を図ることができるとされている。
しかしながら、上述のような積層セラミックコンデンサの場合、その製造工程で、外部電極形成用の導電ペーストを焼き付ける際に、セラミック素体110の、内部電極102の積層方向(T方向)および内部電極102の幅方向(内部電極が引き出される方向に直交する方向)(W方向)への内部電極102の膨張により、コンデンサ素体110の端面103側から見て、例えば、図5に模式的に示すように、複数の内部電極102がセラミック層101を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体110のコーナ部に向かうようなクラック111が生じ、信頼性が低下するという問題点がある。
特開平6−176956号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、内部電極を有するセラミック素体の表面に外部電極が配設された構造を有する積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極の膨張に起因してセラミック素体にクラックが発生することを抑制、防止することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の積層セラミックコンデンサは、
誘電体セラミックからなる複数の誘電体層と、前記誘電体層を介して積層された複数の内部電極とを備えるとともに、互いに対向する一対の端面に、積層方向に前記誘電体層を介して隣り合う前記内部電極が交互に引き出された構造を有するセラミック素体と、
前記セラミック素体の外表面に前記内部電極と導通するように配設された一対の外部電極と
を備えた積層セラミックコンデンサであって、
前記セラミック素体の前記一対の端面の一方に引き出された複数の内部電極のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極間に存在する誘電体層を電極間誘電体層とした場合において、前記セラミック素体に含まれる複数の前記電極間誘電体層のうち、5%以上の電極間誘電体層に、前記セラミック素体の前記一対の端面の少なくとも一方付近において、前記電極間誘電体層を介して隣り合う前記内部電極間を結ぶ方向の間隙が存在していること
を特徴としている。
また、本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、前記複数の電極間誘電体層のうち、5〜90%の電極間誘電体層に、前記間隙が存在していることが好ましい。
複数の電極間誘電体層のうち、5〜90%の電極間誘電体層において、セラミック素体の一対の端面の少なくとも一方付近に、電極間誘電体層を介して隣り合う内部電極間を結ぶ方向の間隙が存在するような構成とすることにより、内部電極がコンデンサ素体の長さ方向(L方向)に膨張することを容易にして、内部電極の積層方向(T方向)および内部電極の幅方向(内部電極が引き出される方向に直交する方向)(W方向)への内部電極の膨張をより確実に抑制することができるようになる。したがって、セラミック素体の内部の、積層方向に隣り合う内部電極が電極間誘電体層を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体のコーナ部に向かうようなクラックの発生を確実に抑制することが可能になる。
本発明の積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層と、誘電体層を介して積層された複数の内部電極とを備え、内部電極が引き出された互いに対向する一対の端面と、一対の端面間を結ぶ4つの側面を有する直方体状のセラミック素体に、内部電極と導通する一対の外部電極とを設けた積層セラミックコンデンサにおいて、セラミック素体の一対の端面の一方に引き出された複数の内部電極のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極間に存在する誘電体層を電極間誘電体層した場合において、セラミック素体に含まれる複数の電極間誘電体層のうち、5%以上の電極間誘電体層に、セラミック素体の一対の端面の少なくとも一方付近において、電極間誘電体層を介して隣り合う内部電極間を結ぶ方向の間隙が存在するようにしているので、内部電極のコンデンサ素体の長さ方向(L方向)への膨張を容易にして、内部電極の積層方向(T方向)および内部電極の幅方向(内部電極が引き出される方向に直交する方向)(W方向)への内部電極の膨張を抑制することが可能になる。
その結果、セラミック素体のWT方向(幅方向および厚み方向)への内部電極の膨張によって、セラミック素体の内部の、積層方向に隣り合う内部電極が電極間誘電体層を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体のコーナ部に向かうようなクラックの発生を抑制することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することができる。
なお、本発明において、電極間誘電体層を介して隣り合う内部電極間を結ぶ方向の間隙は、通常、セラミック素体の端面から10μm以内の、端面付近の領域に位置していることが望ましい。
本発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す正面断面図である。 本発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの外観構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの要部を、図1とは別に拡大して示す断面図である。 従来の積層セラミックコンデンサの構成を示す正面断面図である。 従来の積層セラミックコンデンサの問題点を説明するための図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)にかかる積層セラミックコンデンサ50の構成を示す正面断面図、図2は積層セラミックコンデンサ50の外観構成を示す斜視図である。
この積層セラミックコンデンサ50は、誘電体セラミックからなる誘電体層1と、誘電体層1を介して積層された複数の内部電極2(2a,2b)とを備えたセラミック素体10と、セラミック素体10の外表面に内部電極2(2a,2b)と導通するように配設された一対の外部電極5(5a,5b)を備えている。
セラミック素体10は、互いに対向する一対の端面3(3a,3b)と、端面3a,3b間を結ぶ4つの側面4(4a,4b,4c,4d)とからなる直方体形状を有している。
また、セラミック素体10においては、誘電体層(セラミック層)1と、内部電極2(2a,2b)とが交互に積層されており、積層方向に互いに隣り合う内部電極2(2a,2b)は交互に逆側の端面3(3a,3b)に引き出されている。
そして、外部電極5a,5bは、それぞれ、セラミック素体10の端面3(3a,3b)から、少なくとも一つの側面4(4a,4b,4c,4d)に回り込むように形成されている(この実施形態では、4つの側面4a,4b,4c,4dのすべてに回り込むように形成されている)。
ここで、セラミック素体10の一対の端面3a,3bを結ぶ方向を長さL方向、L方向と直交する方向であって内部電極2の主面に沿う方向を幅W方向、内部電極2の積層方向を高さT方向とすると、この実施形態の積層セラミックコンデンサ50を構成するセラミック素体10として、例えば次のような寸法を有するものが例示される。
(a)L:2.0mm、W:1.2mm、T:1.2mm
(b)L:1.6mm、W:0.8mm、T:0.8mm
(c)L:1.0mm、W:0.5mm、T:0.5mm
(d)L:0.6mm、W:0.3mm、T:0.3mm
(e)L:0.4mm、W:0.2mm、T:0.2mm
また、上記のように、セラミック素体10は基本的に直方体形状とされているが、角部および稜線部に所定の曲率半径以下の丸みを有していてもよい。この実施形態の積層セラミックコンデンサ50においても、セラミック素体10はバレル研磨により面取りされたものが用いられている。
誘電体層1を構成する材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックが用いられる。また、誘電体層1を構成する材料としては、上述の主成分に対して、副成分として、Mn化合物、Co化合物、Si化合物、希土類化合物などが添加された材料を用いることも可能である。
誘電体層1を介して互いに隣り合う内部電極2(2a,2b)は、上述のように、交互に逆側の端面3(3a,3b)に引き出されており、一方の内部電極2aは、セラミック素体10の一方の端面3a側に形成された外部電極5aに接続され、他方の内部電極2bは、セラミック素体10の他方の端面3b側に形成された外部電極5bに接続されている。
内部電極2(2a,2b)を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。この実施形態では、内部電極の構成材料としてNiを用いている。
なお、最も外側に配置されている内部電極のさらに外側に、外部電極と電気的に接続されていない浮遊内部導体を設けてもよい。この場合、浮遊内部導体を内部電極と同一の材料で構成してもよい。浮遊内部導体を設けた場合、セラミック素体の外部からセラミック素体内への水分の浸入を浮遊内部導体により阻止して、耐湿性を向上させることができる。
また、外部電極5(5a,5b)は、セラミック素体10上に形成されたCuを主成分とする焼結金属層12(12a,12b)および焼結金属層12(12a,12b)を覆うように配設されためっき層32(32a,32b)を備えている。
また、めっき層32(32a,32b)は、焼結金属層12(12a,12b)上に形成されたNiめっき層33(33a,33b)と、Niめっき層33(33a,33b)上に形成されたSnめっき層34(34a,34b)を備えた2層構造のめっき層とされている。
Niめっき層33(33a,33b)は、実装時のはんだに対するバリア層として機能する。
Snめっき層34(34a,34b)は、実装時のはんだとの濡れ性を確保する目的で設けられている。
そして、この積層セラミックコンデンサ50においては、図1および図3に示すように、セラミック素体10の一対の端面(3a,3b)の一方に引き出された複数の内部電極のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極2a,2a間、あるいは2b,2b間に存在する誘電体層を電極間誘電体層11とした場合において、セラミック素体10に含まれる複数の電極間誘電体層11のうち、5%以上の電極間誘電体層11には、セラミック素体10の一対の端面3a,3bの少なくとも一方付近に、電極間誘電体層11を介して隣り合う内部電極2a,2a間、あるいは2b,2b間を結ぶ方向の間隙21が存在するよう構成されている。なお、この間隙21の多くは、通常、セラミック素体10の端面に略平行に形成される。
なお、本発明においては、複数の電極間誘電体層11のうち、5%以上の電極間誘電体層が、上記の間隙21を有していることが望ましく、5〜90%の電極間誘電体層が、上記の間隙21を有していることがより望ましい。
また、電極間誘電体層11を介して隣り合う内部電極2間を結ぶ方向の間隙21は、通常、セラミック素体の端面から10μm以内の、セラミック素体10の端面近傍領域に位置していることが望ましい。
上述のように構成された、この実施形態の積層セラミックコンデンサ50においては、電極間誘電体層11に、内部電極2間を結ぶ方向の間隙21が形成されていることから、内部電極2がコンデンサ素体10の長さ方向(L方向)に容易に膨張することができるようになるため、内部電極2の積層方向(T方向)および幅方向(内部電極2が引き出される方向に直交する方向)(W方向)への内部電極2の膨張を抑制することが可能になる。
そのため、従来の積層セラミックコンデンサの場合のように、セラミック素体のWT方向(幅方向および厚み方向)への内部電極の膨張によって、複数の内部電極がセラミック層を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体のコーナ部に向かうようなクラックが発生することを防止することができる。
次に、この積層セラミックコンデンサ50の製造方法について説明する。
まず、セラミック粉末を含むセラミック原料スラリーを、ダイコータ法、グラビアコータ法またはマイクログラビアコータ法などによりシート状に塗布して乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製する。
それから、作製した複数枚のセラミックグリーンシートのうちの所定のセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法またはグラビア印刷法などによりNi粉末を導電成分とする内部電極形成用の導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布して、内部電極パターンを形成する。
それから、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシート(外層用セラミックグリーンシート)を、所定の順序で、所定枚数積み重ねる。
そして、得られた積層ブロックをプレスして、各セラミックグリーンシートを圧着する。積層ブロックをプレスするにあたっては、例えば、圧着ブロックを樹脂フィルムで挟み、静水圧プレスなどの方法によりプレスを行う。
その後、プレスされた積層圧着体を、押切り、切削などの方法を用いて、直方体形状のチップ(個片)に分割し、バレル研磨を行う。チップの角部および稜線部の曲率半径は、15μm未満であることが好ましい。
バレル研磨を行ったチップ(焼成後にセラミック素体10(図1)となる個片)を、所定の温度に加熱してバインダーを除去した後、例えば、900〜1300℃で本焼成を行い、直方体形状のセラミック素体を得る。
それから、このセラミック素体の両端面に、Cu粉末を導電成分とする導電ペースト(焼成後に外部電極を構成する焼結金属層となる導電ペースト)を塗布する。
導電ペーストを塗布するにあたっては、セラミック素体の他方の端面を保持治具に保持した状態で、セラミック素体の一方の端面側を導電ペーストに浸漬して引き上げることにより、セラミック素体の一方の端面側に導電ペーストを付与する。同様にして、セラミック素体の他方の端面側にも導電ペーストを付与する。
このとき、導電ペーストとして、例えば、球状のガラスフリット、扁平状の金属粒子、バインダーおよび溶剤を含む導電ペーストを用いる。
それから、上述のようにして付与したセラミック素体の一方端部および他方端部の導電ペーストを、例えば700℃に加熱して、焼き付けることにより、焼結金属層を形成する。
なお、上記のバレル研磨後のチップ(未焼成のチップ)に導電ペーストを塗布した後で焼成することにより、セラミック素体の焼結と、導電ペーストの焼き付けを同時に行って、焼結金属層が形成された焼結済みのセラミック素体を得るように構成することも可能である。
ところで、この外部電極形成用の導電ペーストの焼き付けの工程では、外部電極中のCuと、内部電極中のNiが相互に拡散し、この拡散量がCu>Niの関係にあるとき、内部電極の体積が膨張する。
そして、内部電極の外部電極方向(L方向)への膨張が進み、この膨張による応力が誘電体セラミックからなる誘電体層の強度を上回ると、誘電体層に間隙が発生する。そして、この間隙が、図1および図3に示すように、セラミック素体の一対の端面の一方に引き出された複数の内部電極のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極間に存在する電極間誘電体層11において、セラミック素体10の一対の端面3a,3bの少なくとも一方付近に発生する、電極間誘電体層11を介して隣り合う内部電極2a,2a間(あるいは2b,2b間)を結ぶ方向の間隙21となる。
ここで、セラミック素体10の一対の端面3の一方に引き出された複数の内部電極2のうち、積層方向に隣り合う内部電極2a,2a(あるいは2b,2b)を結ぶ方向の間隙21が発生すると、内部電極2a,2bの膨張が、セラミック素体の長さ方向(L方向)に起こりやすくなり、その分だけ幅方向(W方向)および高さ方向(T方向)への膨張が抑制されることになる。ただし、上記の間隙21自体も、信頼性劣化の一因となる場合があるので、過度な発生は抑制する必要がある。
上述の、積層方向に隣り合う内部電極2a,2a(あるいは2b,2b)を結ぶ方向の間隙21を生じやすくする手段の一つに、誘電体層を構成するセラミックを溶解し、アモルファス層や結晶層を形成するようなガラス(反応性の高いガラス)を用いる方法がある。
このガラスとセラミックとの反応によりセラミックが脆化(引張り強度や抗折強度が低下する)して、上述の間隙が発生しやすくなる。
なお、上記ガラスは、誘電体層の形成に用いるセラミックグリーンシートに配合したり、外部電極形成用の導電ペーストに配合して用いたりすることが可能である。
また、予めセラミックに機械的な衝撃を加え脆化させる物理的な方法を用いることも可能である。ここで、機械的な衝撃を加える手段としては、玉石とチップとを円筒容器内に投入し、円筒容器を回転させる方式が例示される。
その後、焼結金属層上に、NiめっきおよびSnめっきの順でめっきを行い、Niめっき層およびSnめっき層を形成する。
具体的には、例えば、焼結金属層が設けられた複数のセラミック素体を、めっき液とともにバレルに収容し、バレルを回転させつつ通電することにより、焼結金属層上にNiめっき層を形成し、同様にして、Niめっき層上にSnめっき層を形成する。
これにより、図1〜3に示すような構造を備えた本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ50が得られる。
このセラミックコンデンサ50においては、複数の電極間誘電体層11のうち、5%以上の電極間誘電体層11に、セラミック素体10の一対の端面3a,3bの少なくとも一方付近において、電極間誘電体層11を介して隣り合う内部電極2a,2a間、あるいは2b,2b間を結ぶ方向の間隙21を存在させるようにしているので、内部電極2の膨張が、セラミック素体の長さ方向(L方向)に起こりやすくなる一方、幅方向(W方向)、高さ方向(T方向)への膨張が抑制される。
したがって、従来の積層セラミックコンデンサの場合のように、セラミック素体のWT方向(幅方向および厚み方向)への内部電極の膨張によって、複数の内部電極が誘電体層を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体のコーナ部に向かうようなクラックが生じることを防止して、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
(実験例)
本発明の効果を確認するため、以下に説明するように、本発明の要件を満たす実施例の積層セラミックコンデンサと、本発明の要件を満たさない比較例の積層セラミックコンデンサ(試料)とを作製し、各試料についてたわみ強度を測定することにより特性を評価した。
Niからなる内部電極と、チタン酸バリウム系セラミックからなる誘電体層を備えたセラミック素体に、Cu焼結金属層を形成し、その上にNiめっき層およびSnめっき層を形成した。
セラミック素体の寸法は、長さLが1.0mm、幅Wが0.5mm、高さTが0.5mmとした。
また、積層方向に隣り合う内部電極間の距離(すなわち誘電体層の厚み)は、1.0μmとし、内部電極の厚みは1.0μmとした。さらに、内部電極の積層数は350層とした。
さらに、セラミック素体の側面に回り込んだ焼結金属層の回り込み部の最大厚みを28μmとした。
また、焼結金属層上に形成されるNiめっき層の厚みは3μmとし、Snめっき層の厚みも3μmとした。
以上の条件は、比較例および実施例の各積層セラミックコンデンサで共通とした。
そして、実施例の積層セラミックコンデンサとして、図1および図3に示すように、セラミック素体10の一対の端面3a,3bの一方に引き出された複数の内部電極のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極2a,2a間あるいは2b,2b間に存在する誘電体層を電極間誘電体層11とした場合において、セラミック素体10に含まれる複数の電極間誘電体層11の5〜100%において、電極間誘電体層11に、電極間誘電体層11を介して隣り合う内部電極間2a,2a間(あるいは2b,2b間)を結ぶ方向の間隙21が存在する積層セラミックコンデンサ(本発明の要件を備えた表1の試料番号1〜7の試料)を作製した。
また、比較例の積層セラミックコンデンサとして、いずれの電極間誘電体層11にも、上記の間隙21が存在しない、本発明の要件を備えていない積層セラミックコンデンサ(表1の試料番号8の試料)を作製した。
なお、試料番号1〜7の各試料(積層セラミックコンデンサ)を作製するにあたっては、焼成済みで、外部電極を形成する前の段階のセラミック素体を、玉石とともに円筒容器内で、所定時間混合し、回転させることにより、セラミック素体に対し、機械的な衝撃を与え、上記の間隙21を発生させた。そして、円筒容器を回転させる時間を制御することにより、セラミック素体10に含まれる複数の電極間誘電体層11への間隙21の発生率を制御した。
なお、表1の試料番号8の比較例の試料(間隙21の発生していない試料)の場合、上述の間隙の発生を促す処理は施さなかった。
それから、上述のようにして作製した各試料について、内部電極を結ぶ方向の間隙21(図1および図3参照)の発生率と、積層方向に隣り合う内部電極が電極間誘電体層を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体のコーナ部に向かうクラックの発生の有無の関係について調べた。
なお、内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率は以下に説明する方法により求めた。
(内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率の測定方法)
外部電極形成後の試料を、長さ方向(L方向)と高さ方向(T方向)で規定される面(LT面)に平行に、幅方向(W方向)の中央部まで研磨し、露出した研磨面をSEMにより3000倍で観察する。
そして、図3に模式的に示すように、セラミック素体10の端面3に引き出された内部電極2の先端部22よりも2μm以上後退した位置に対応する位置(セラミック素体10の端面近傍部)において、積層方向に隣り合う内部電極2間に位置する電極間誘電体層11に、隣り合う内部電極2を結ぶ方向の間隙21が認められた場合の当該間隙を「内部電極を結ぶ方向の間隙」とする。
そして、図3に示すように、視野に存在する電極間誘電体層11の数Aに対する、「内部電極を結ぶ方向の間隙」21の発生が認められた電極間誘電体層11の数Bから、下記の式(1)により内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率を求める。
内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率(%)=(B/A)×100……(1)
また、積層方向に隣り合う内部電極が電極間誘電体層を介して重なり合って容量の形成に寄与する有効領域のコーナ部から、セラミック素体のコーナ部に向かうクラック(セラミック素体のコーナに向かうクラック)の発生の有無は、以下に説明する方法で調べた。
外部電極形成後の試料を、幅方向(W方向)と高さ方向(T方向)で規定される面(WT面)に平行に、セラミック素体の一方の端面に引き出された内部電極と、セラミック素体の他方の端面に引き出された内部電極が重なり合う有効領域に達するまで研磨し、露出した研磨端面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)による観察する。そして、内部電極が重なり合う有効領域のコーナ部から、セラミック素体10のコーナ部に向かうようなクラック(従来の積層セラミックコンデンサの問題点を説明する図5におけるクラック111に相当するクラック)の発生が認められた試料については、「セラミック素体のコーナに向かうクラック」の発生について、「有(×)」と判定し、図5のクラック111に相当するクラックの発生が認められなかった試料については、「セラミック素体のコーナに向かうクラック」の発生について、「無(○)」と判定した。
また、各試料について、85℃,RH85%,1WVで信頼性試験を行い、1000hr経過後と、2000hr経過後の特性を調べ、1000hrまで特性を満足したものを可(○)、2000hrまで特性を満足したものを良(◎)と評価した。
また、表1には、総合評価の結果を併せて示している。この総合評価は、「セラミック素体のコーナに向かうクラック」の発生が認められず、かつ、信頼性評価の結果が良(◎)のものを良(◎)とし、「セラミック素体のコーナに向かうクラック」の発生は認められないが、信頼性判定の結果が可(○)のものを可(○)とした。
上述のようにして調べた、内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率、セラミック素体のコーナに向かうクラックの発生の有無、信頼性評価の結果、総合評価の結果を、表1に併せて示す。
Figure 2014220530
表1に示すように、電極間誘電体層を介して隣り合う内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率が0%である、試料番号8の比較例の試料の場合、セラミック素体のコーナに向かうクラックの発生が認められ、好ましくないことが確認された。
これに対し、電極間誘電体層を介して隣り合う内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率が5%以上の積層セラミックコンデンサ(試料番号1〜7の試料)の場合、セラミック素体のコーナに向かうクラックの発生は認められなかった。
ただし、隣り合う内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率が100%の試料(試料番号7の試料においては、信頼性評価が低下する傾向が認められた。
この結果から、隣り合う内部電極を結ぶ方向の間隙の発生率は90%以下であることがより好ましいことがわかる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 誘電体層
2(2a,2b) 内部電極
3(3a,3b) セラミック素体の端面
4(4a,4b,4c,4d) セラミック素体の側面
5(5a,5b) 外部電極
10 セラミック素体
11 電極間誘電体層
12(12a,12b) 焼結金属層
21 内部電極を結ぶ方向の間隙
22 内部電極の先端部
32(32a,32b) めっき層
33(33a,33b) Niめっき層
34(34a,34b) Snめっき層
50 積層セラミックコンデンサ
L 積層セラミックコンデンサの長さ
T 積層セラミックコンデンサの高さ
W 積層セラミックコンデンサの幅

Claims (2)

  1. 誘電体セラミックからなる複数の誘電体層と、前記誘電体層を介して積層された複数の内部電極とを備えるとともに、互いに対向する一対の端面に、積層方向に前記誘電体層を介して隣り合う前記内部電極が交互に引き出された構造を有するセラミック素体と、
    前記セラミック素体の外表面に前記内部電極と導通するように配設された一対の外部電極と
    を備えた積層セラミックコンデンサであって、
    前記セラミック素体の前記一対の端面の一方に引き出された複数の内部電極のうち、積層方向に隣り合う一対の内部電極間に存在する誘電体層を電極間誘電体層とした場合において、前記セラミック素体に含まれる複数の前記電極間誘電体層のうち、5%以上の電極間誘電体層に、前記セラミック素体の前記一対の端面の少なくとも一方付近において、前記電極間誘電体層を介して隣り合う前記内部電極間を結ぶ方向の間隙が存在していること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記複数の電極間誘電体層のうち、5〜90%の電極間誘電体層に、前記間隙が存在していることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
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