JP2014211434A - 回転角センサ用磁石および回転角センサ - Google Patents

回転角センサ用磁石および回転角センサ Download PDF

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Abstract

【課題】磁石に対する磁気ベクトル検出手段の位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制し得る回転角センサ用磁石および回転角センサを提供する。
【解決手段】回転角センサ10は、検出対象の回転中心を基準に固定される回転角センサ用磁石20と、回転角センサ用磁石20からの磁束の向きを磁気ベクトルの振れ角θsとして検出するセンサチップ11とを備えている。回転角センサ用磁石20では、その内縁21におけるN極を構成する突起23a,23c,23e,23gとS極を構成する突起23b,23d,23f,23hとの磁極間には、磁束を生じない領域として凹部22a〜22hが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転角を検出する回転角センサ用に用いられる回転角センサ用磁石および回転角センサに関するものである。
従来、回転角を検出する回転角センサとして、例えば、下記特許文献1に開示される位置検出装置が知られている。この位置検出装置では、回転軸に固定されるロータコアにN極駆動用磁石およびS極駆動用磁石が取り付けられており、両駆動用磁石の磁束をそれぞれ検出する2つのホール素子が回転軸に対して角度90°の位置関係となるようにプリント基板に固定されている。そして、両ホール素子から出力される出力信号に基づいて、回転軸およびロータコアの回転角度が検出される。
特開2011−182621号公報
しかしながら、ホール素子のように磁気検出部が複数箇所に分かれて配置される構成では、回転角センサの体格が大きくなってしまうという問題がある。さらに、各磁気検出部をそれぞれ所定の位置に配置する必要があり、回転角センサの配置に手間がかかるという問題がある。
一方、磁気ベクトル検出手段としてGMR(巨大磁気抵抗効果)素子やTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子などの磁電変換素子を用いて磁気ベクトルの振れ角θsを検出する回転角センサでは、各磁気抵抗効果素子が集約して配置可能であるため、回転角センサの体格を小さくすることができる。
図22は、リング状磁石102の内縁103近傍における磁束の向きを示す説明図であり、図22(A)は軸方向から見た磁束の向きを示し、図22(B)は軸方向(図22(B)にて上下方向)での磁束の向きを示す。
ところで、検出対象である回転軸等が回転角センサを貫通する軸貫通型のセンシング方式では、磁気ベクトル検出手段101は、回転軸中心に配置できないために、図22(A)に例示するように、回転軸100を中心に円環状に配置される磁気ベクトル検出用のリング状磁石102に対してその内縁103近傍に配置される。
また、図22(A)(B)に示すように、リング状磁石102の内縁103近傍においてN極からS極に向かう磁束は磁極間の境界104に近づくほどその向きが急に変化する。そうすると、例えば、磁気ベクトル検出手段101が規定位置(図22(B)の点P1参照)から軸方向にずれた位置(図22(B)の点P2参照)に位置ズレしていると、上述のように磁束の向きが急に変化する領域では、検出される磁束の向きがずれてしまう。すなわち、内縁103近傍に配置される磁気ベクトル検出手段101では、リング状磁石102に対する位置ズレに起因する磁気ベクトルの振れ角θsの変動が大きくなり、角度検出誤差が大きくなるという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、磁石に対する磁気ベクトル検出手段の位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制し得る回転角センサ用磁石および回転角センサを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、回転角(θr)を測定する回転角センサ用に用いられる回転角センサ用磁石(20,20a,20b)であって、周方向にN極とS極とが交互に配置されて環状に形成され、内縁(21)における前記N極と前記S極との磁極間には、磁束を生じない領域(22a〜22h,25a〜25h)が設けられることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、回転角センサ用磁石の内縁におけるN極とS極との磁極間には、磁束を生じない領域が設けられる。これにより、回転角センサ用磁石の内縁において、磁束を生じない領域を介して周方向に隣り合うN極とS極とを一定距離だけ離すことができるため、磁束を生じない領域がないために磁極間の境界近傍で磁束の向きが急に変化する場合と比較して、磁束の向きの変化を小さくすることができる。
したがって、磁束の向きの変化が小さくなる内縁近傍に磁気ベクトル検出手段を配置することで、上述のように構成される回転角センサ用磁石に対して磁気ベクトル検出手段が位置ズレしてもこの位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
回転角センサの概略構成を示す説明図である。 センサチップの概略構成を示す説明図である。 回転角センサ用磁石の詳細形状を説明するための一部拡大図である。 従来のリング状磁石を採用する場合のセンサチップの相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角との関係を示す等高線グラフである。 回転角センサ用磁石の内縁近傍における磁束の向きを示す説明図である。 横軸を周方向角度とする角度検出誤差Ezと凹部の形状との関係を示す説明図である。 横軸を径方向長さとする角度検出誤差Ezと凹部の形状との関係を示す説明図である。 第1実施形態に係る回転角センサ用磁石を採用する場合のセンサチップの相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角との関係を示す等高線グラフである。 規定位置から位置ズレしたセンサチップにて検出される磁気ベクトルの振れ角と実際の回転軸の回転角との関係を示すグラフである。 回転軸の回転角を横軸とする磁気ベクトルの振れ角の誤差の変化を示すグラフである。 横軸を周方向角度とする角度検出誤差Ezと凹部の形状との関係を示す説明図である。 第1実施形態の変形例に係る回転角センサ用磁石の平面図である。 第2実施形態に係る回転角センサ用磁石の平面図である。 角度検出誤差Erと凹部の形状との関係を示す説明図である。 第3実施形態に係る回転角センサ用磁石を採用する場合のセンサチップの相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角との関係を示す等高線グラフである。 角度検出誤差Ewと凹部の形状との関係を示す説明図である。 第4実施形態に係る回転角センサ用磁石を採用する場合のセンサチップの相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角との関係を示す等高線グラフである。 第5実施形態に係る回転角センサの概略構成を示す説明図である。 第6実施形態に係る回転角センサ用磁石の平面図である。 第7実施形態に係る回転角センサの概略構成を示す説明図である。 第8実施形態に係る回転角センサ用磁石の平面図である。 リング状磁石の内縁近傍における磁束の向きを示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の回転角センサ用磁石20を備える回転角センサ10を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、回転角センサ10の概略構成を示す説明図であり、図1(A)は断面図を示し、図1(B)は軸方向から見た図を示す。なお、図1では、軸方向をzにて示し、径方向をrにて示し、周方向をθにて示す。また、図1(B)では、便宜上、ブッシング31等の図示を省略している。
本実施形態に係る回転角センサ10は、検出対象の回転中心を基準に固定される回転角センサ用磁石20と、回転角センサ用磁石20からの磁束の向きを磁気ベクトルの振れ角θsとして検出するセンサチップ11とを備えている。
図1(A)(B)に示すように、本実施形態における検出対象は、モータの回転軸30であり、回転角センサ用磁石20は、その軸中心が回転軸30の回転中心Lに一致するように、磁性体からなるブッシング31により固定されている。ブッシング31は回転軸30に対して同軸的に組み付けられているため、回転角センサ用磁石20は回転軸30とともに回転中心Lを中心に回転する。
図2は、センサチップ11の概略構成を示す説明図である。
図2に示すように、センサチップ11は、公知の回転角検出用の素子として、2つのGMR素子12,13を備えている。両GMR素子12,13は、軸方向に直交する平面について回転角センサ用磁石20の回転に応じて変化する磁束の方向に応じて、GMR素子12が正弦波信号(sin信号)を出力し、GMR素子13がその正弦波信号から位相が90°変化した余弦波信号(cos信号)を出力するように配置されている。このため、センサチップ11にて検出される回転角センサ用磁石20の磁束の方向を磁気ベクトルの振れ角θsとするとき、GMR素子12からA(t)sinθsに相当するsin信号が出力され、GMR素子13からA(t)cosθsに相当するcos信号が出力される。
本実施形態では、回転角センサ用磁石20として4極の環状の磁石が採用されているため、回転軸30の回転角(機械角)θrが90°(deg)回転すると、磁気ベクトルの振れ角θsが360°(deg)回転することとなる。すなわち、両GMR素子12,13の正弦波信号および余弦波信号からarctan演算により算出される磁気ベクトルの振れ角θsに基づいて回転軸30の回転角θrを測定することができる。
このように構成されるセンサチップ11は、モータのフレームに組み付けられるプリント基板(図示略)に固定されることで、回転角センサ用磁石20とともに回転することなく、回転角センサ用磁石20に対して規定位置に配置される。具体的には、本実施形態では、例えば、外径φ50mm、最内径(後述する突起の突出端面の径)φ40mm、軸方向厚さ3.5mmの回転角センサ用磁石20が採用されている。そして、センサチップ11は、規定位置として、例えば、回転中心Lに対してr方向にra=19mmだけ離れ、回転角センサ用磁石20の軸方向端面に対してz方向にza=2.8mmだけ離れるように配置される(図1(A)参照)。なお、センサチップ11は、2つのGMR素子12,13を有するように構成されることに限らず、一対の磁気抵抗効果素子(例えば、TMR素子)等の磁電変換素子を有するように構成されてもよい。なお、センサチップ11は、「磁気ベクトル検出手段」の一例に相当し得る。
次に、回転角センサ用磁石20の詳細形状について、図面を参照して説明する。なお、図3は、回転角センサ用磁石20の詳細形状を説明するための一部拡大図である。
図1および図3に示すように、回転角センサ用磁石20は、周方向にN極とS極とが交互に配置される4極の環状磁石として形成されており、内縁21におけるN極とS極との磁極間には、磁束を生じない領域(非磁性領域)として凹部22a〜22hが軸方向一側端面から他側端面まで設けられている。各凹部22a〜22hは、突起23a〜23hによりそれぞれ区画されており、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられている。
なお、回転角センサ用磁石20は、型成形等を利用して凹部22a〜22hが形成された磁石用材料を生成し、この磁石用材料に対して所定の着磁処理を施すことで製造することができる。
ここで、上述のように磁極間に各凹部22a〜22hを設ける理由について、図4,図5および図22を用いて説明する。図4は、従来のリング状磁石を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフである。図5は、回転角センサ用磁石20の内縁21近傍における磁束の向きを示す説明図であり、図5(A)は軸方向から見た磁束の向きを示し、図5(B)は軸方向(図5(B)にて上下方向)での磁束の向きを示す。なお、図4は、回転角θr=15°の位置に回転軸30が位置するときのリング状磁石の磁力線を示している。
まず、磁極間に各凹部22a〜22hが設けられずに内縁が円筒面状に形成される従来のリング状の磁石(以下、単にリング状磁石ともいう)に対してセンサチップ11が位置ズレすることなく規定位置に配置されている場合を想定する。なお、リング状磁石は、4極であって、回転角センサ用磁石20の凹部22a〜22hが設けられない場合の寸法(外径φ50mm、内径φ40mm、軸方向厚さ3.5mm)に等しくなるように形成されているものとする。
この場合、例えば、回転角θr=15°の位置に回転軸30が位置するとき、規定位置(ra=19mm,za=2.8mm:図4のPo参照)に配置されるセンサチップ11にて検出される磁気ベクトルの振れ角θsは60°として検出される。一方、センサチップ11が規定位置から位置ズレして配置されていると、センサチップ11にて検出される磁気ベクトルの振れ角θsが60°からずれてしまう。例えば、図4から分かるように、z方向負側(図4にて下側)に0.7mm位置ズレすると、センサチップ11にて検出される磁気ベクトルの振れ角θsが65°程度として検出され、z方向正側(図4にて上側)に0.7mm位置ズレすると、センサチップ11にて検出される磁気ベクトルの振れ角θsが55°程度として検出される。
これは、図22(A)(B)を用いて説明したように、リング状磁石の内縁近傍においてN極からS極に向かう磁束は磁極間の境界に近づくほどその向きが急に変化することが、発明者らによって解析等されている。この磁極間の境界近傍の磁束の向きの急な変化が、位置ズレに起因する磁気ベクトルの振れ角θsの角度検出誤差を大きくする主な要因の一つに挙げられる。
そこで、本実施形態では、回転角センサ用磁石20の内縁21におけるN極とS極との磁極間に、磁束を生じない領域として凹部22a〜22hを設けることで、凹部22a〜22hを介して周方向に隣り合うN極とS極とを一定距離(磁束を生じない領域の周方向長さ)だけ離している。具体的には、センサチップ11側の端面において、N極を構成する突起23a,23c,23e,23gと、周方向に隣り合いS極を構成する突起23b,23d,23f,23hとが、凹部22a〜22hの周方向長さだけ離れることとなる。このため、図5(A),(B)、特に、図5(B)における点P1での磁束の向きと点P2での磁束の向きからわかるように、N極の突起からS極の突起に向かう磁束の向きの変化が、凹部22a〜22hがないために磁極間の境界24近傍で磁束の向きが急に変化する場合と比較して小さくなる。その結果、位置ズレに起因する磁気ベクトルの振れ角θsの角度検出誤差を小さくすることができる。
特に、内縁21のうち磁束を生じない領域の占める周方向長さに関する値として凹部22a〜22hの周方向長さの1/2に相当する角度(以下、単に、周方向角度Aともいう:図3参照)と、凹部22a〜22hの径方向の長さ(以下、単に、径方向長さBともいう:図3参照)とをパラメータとして、位置ズレに起因する磁気ベクトルの振れ角θsの角度検出誤差を小さくするための最適形状を解析した。この解析結果について、図面を用いて以下に説明する。
本解析では、センサチップ11が位置ズレしていない場合の磁気ベクトルの振れ角θs(例えば60°)と、センサチップ11が上記規定位置(ra=19mm,za=2.8mm)からz方向に所定距離(例えば±0.7mm)だけ位置ズレした場合の磁気ベクトルの振れ角θsとの差を角度検出誤差Ezとして求める。そして、角度検出誤差Ezを、周方向長さAおよび径方向長さBをパラメータとする凹部(22a〜22h)の形状ごとに求めて比較することで、角度検出誤差Ezを小さくするために適した凹部22a〜22hの形状を解析した。なお、回転角センサ用磁石20は、4極であるため、周方向長さAは、22.5°が形状変更限界値であり、周方向長さAを22.5°未満の値に設定する必要がある。
周方向角度Aとして、15°、18°、21°の3パターンを用意し、径方向長さBとして、1mm、2mm、3mmの3パターンを用意して、計8パターン(周方向角度A=15°および径方向長さB=1mmの形状を除く)の凹部の形状についてそれぞれ角度検出誤差Ezを求めた結果を図6および図7に示す。
図6は、横軸を周方向角度Aとする角度検出誤差Ezと凹部(22a〜22h)の形状との関係を示す説明図である。また、図7は、横軸を径方向長さBとする角度検出誤差Ezと凹部(22a〜22h)の形状との関係を示す説明図である。なお、図6では、縦軸が角度検出誤差Ezであり、三角印が径方向長さB=1mmの場合を示し、四角印が径方向長さB=2mmの場合を示し、黒丸印が径方向長さB=3mmの場合を示す。また、図7では、縦軸が角度検出誤差Ezであり、三角印が周方向角度A=15°の場合を示し、四角印が周方向角度A=18°の場合を示し、黒丸印が周方向角度A=21°の場合を示す。また、白丸印は凹部(22a〜22h)がない場合(A=0°,B=0mm)の角度検出誤差Ezを示す。
図6および図7から分かるように、凹部(22a〜22h)を設けることで角度検出誤差Ezが小さくなり、径方向長さBが大きくなるほど角度検出誤差Ezがより小さくなる。特に、周方向角度A=18°、径方向長さB=3mmで角度検出誤差Ezが最も小さくなる。
この形状(A=18°、B=3mm)の回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフを図8に示す。図8から分かるように、上述のように形成される回転角センサ用磁石20では、上記規定位置近傍での軸方向における磁束の向きの変化が小さくなっているため、センサチップ11が上記規定位置から軸方向に位置ズレしたとしても、角度検出誤差Ezを小さくすることができる。
図9は、規定位置から位置ズレしたセンサチップ11にて検出される磁気ベクトルの振れ角θsと実際の回転軸30の回転角θrとの関係を示すグラフである。図10は、回転軸30の回転角θrを横軸とする磁気ベクトルの振れ角θsの誤差Eの変化を示すグラフである。なお、図9および図10では、位置ズレすることなく上記規定位置にセンサチップ11が固定されている場合について解析しており、特に、図10では、理想的な磁気ベクトルの振れ角θsからのそれぞれの誤差量を例示している。回転角センサ用磁石20を採用する場合の磁気ベクトルの振れ角θsと誤差とを実線θs1,E1にて示し、リング状磁石を採用する場合の磁気ベクトルの振れ角θsと誤差とを破線θs2,E2にて示す。また、図9および図10の解析に用いられる回転角センサ用磁石20は、外径φ50mm、最内径φ37mm、軸方向厚さ3.5mmであって、周方向角度A=21°、径方向長さB=3mmに形成されている。また、図9および図10の解析に用いられるリング状磁石は、外径φ50mm、内径φ37mm、軸方向厚さ3.5mmに形成されている。
図9および図10からわかるように、回転角θrの変化に伴い周期的に生じる磁気ベクトルの振れ角θsの誤差Eについて、回転角センサ用磁石20の方がリング状磁石よりも小さくなる。特に、上述のような形状では、回転角センサ用磁石20を採用することで、磁気ベクトルの振れ角θsの誤差Eを1/5程度に低減することができる。すなわち、回転角センサ用磁石20を採用することで、位置ズレしない場合であっても磁気ベクトルの振れ角θsの誤差Eを低減することができる。
また、図11は、横軸を周方向角度Aとする角度検出誤差Ezと凹部の形状との関係を示す説明図であり、回転角センサ用磁石20が外径φ50mm、最内径φ40mm、軸方向厚さ3.5mmとして形成される場合に対して、径方向長さBが1mmと3mmとについて解析している。
図11から分かるように、周方向角度Aが小さい場合には、径方向長さBにかかわらず角度検出誤差Ezを十分に小さくすることができない。周方向角度Aが小さくなることから内縁21のうち各凹部22a〜22hの占める周方向長さが小さくなると、凹部22a〜22hを介して周方向に隣り合うN極とS極との距離が短くなるため、N極の突起からS極の突起に向かう磁束の向きの変化を効果的に小さくできないからである。
このため、内縁21のうち各凹部22a〜22hの占める周方向長さが少なくとも各突起23a〜23hの占める周方向長さよりも長くなるように周方向角度Aが設定されることで、角度検出誤差Ezを小さくすることができる。この効果は、上述のように形成される回転角センサ用磁石20(外径φ50mm、最内径φ40mm、軸方向厚さ3.5mm)に限らず、他の環状に形成される磁石であっても実現することができる。
すなわち、環状に形成される磁石であれば、その内縁のうち各磁束を生じない領域の占める周方向長さ(周方向角度Aに相当)が内縁におけるN極またはS極の占める周方向長さ(突起の突出端面の周方向長さに相当)よりも長くなるように形成されることで、他の形状や他の極数であっても角度検出誤差Ezを小さくすることができる。例えば、図12に示すように、第1実施形態の変形例に係る回転角センサ用磁石として、6極仕様の回転角センサ用磁石20aが採用される場合であっても、上記効果を奏することができる。
また、図7に示すように、径方向長さBが小さい場合には、周方向角度Aにかかわらず角度検出誤差Ezを十分に小さくすることができない。そこで、図7から分かるように、径方向長さBが2mm以上3mm以下、すなわち、各凹部22a〜22hの占める径方向長さが当該凹部を含めた磁石の径方向長さ(5mm)の40%以上60%以下になるように径方向長さBが設定されることで、角度検出誤差Ezを小さくすることができる。この効果は、上述のように形成される回転角センサ用磁石20(外径φ50mm、最内径φ40mm、軸方向厚さ3.5mm)に限らず、他の環状に形成される磁石であっても実現することができる。
すなわち、環状に形成される磁石であれば、各磁束を生じない領域の径方向長さが当該磁束を生じない領域を含めた磁石の径方向長さの40%以上60%以下になるように形成されることで、他の形状や他の極数(図12参照)であっても角度検出誤差Ezを小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る回転角センサ用磁石20では、その内縁21におけるN極を構成する突起23a,23c,23e,23gとS極を構成する突起23b,23d,23f,23hとの磁極間には、磁束を生じない領域として凹部22a〜22hが設けられる。これにより、回転角センサ用磁石20の内縁21において、凹部22a〜22hを介して周方向に隣り合うN極とS極とを一定距離だけ離すことができるため、凹部(22a〜22h)がないために磁極間の境界24近傍で磁束の向きが急に変化する場合と比較して、磁束の向きの変化を小さくすることができる。
したがって、回転角センサ10では、磁束の向きの変化が小さくなる内縁21近傍にセンサチップ11を配置することで、上述のように構成される回転角センサ用磁石20に対してセンサチップ11が位置ズレしてもこの位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
特に、各凹部22a〜22hは、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられるため、各磁極間での磁束の向きの変化が均一化されてその変化のばらつきが抑制されるので、角度検出誤差をさらに抑制することができる。
また、各凹部22a〜22hがそれぞれN極(突起23a,23c,23e,23g)とS極(突起23b,23d,23f,23h)とを一定距離だけ離す磁束を生じない領域として機能するため、内縁21に対して複数の磁束を生じない領域を容易に設けることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図13は、第2実施形態に係る回転角センサ用磁石20bの平面図である。
本第2実施形態に係る回転角センサ用磁石では、内縁21に設けられる磁束を生じない領域を、着磁処理を利用して設ける点が、上記第1実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
図13に示すように、本実施形態における回転角センサ用磁石20bは、上述した回転角センサ用磁石20に対して、各凹部22a〜22hに相当する磁束を生じない領域が着磁処理前の磁石用材料(図13の符号25a〜25h参照)により形成されている。すなわち、外径φ50mm、最内径φ40mm、軸方向厚さ3.5mmの回転角センサ用磁石20bを製造する場合には、外径φ50mm、内径φ40mm、軸方向厚さ3.5mmの内面が円筒面状のリング状磁石用材料を用意し、この磁石用材料に対して各凹部22a〜22hに相当する領域を除く他の領域に対して専用の治具を用いて着磁処理を施す。
このようにしても、内縁21に対して磁束を生じない領域を設けることができる。特に、リング状磁石用材料を用いて製造するため、回転角センサ用磁石20のように複雑な形状の磁石用材料を用意する必要がなく磁石用材料の生成時に生じるバリ等も少なくなり、回転角センサ用磁石20bを容易に製造することができる。
また、内縁21における磁束を生じない領域は、各凹部22a〜22hや着磁されていない磁石用材料25a〜25hにより形成されることに限らず、他の方法、例えば、磁石用材料の成形時に樹脂などをインサート成形することで形成されてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図14は、角度検出誤差Erと凹部の形状との関係を示す説明図である。図15は、第3実施形態に係る回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフである。
本第3実施形態では、z方向に位置ズレした場合の磁気ベクトルの振れ角θsの誤差(角度検出誤差Ez)を小さくするように凹部22a〜22hが形成される第1実施形態に対して、r方向に位置ズレした場合の磁気ベクトルの振れ角θsの誤差を小さくするように凹部22a〜22hが形成される。
このため、上述した周方向角度Aと径方向長さBとをパラメータとして、r方向の位置ズレに起因する磁気ベクトルの振れ角θsの角度検出誤差を小さくするための最適形状を解析した。具体的には、センサチップ11が位置ズレしていない場合の磁気ベクトルの振れ角θs(例えば60°)と、センサチップ11が上記規定位置(ra=19mm,za=2.8mm)からr方向に所定距離(例えば±0.5mm)だけ位置ズレした場合の磁気ベクトルの振れ角θsとの差を角度検出誤差Erとして求める。そして、角度検出誤差Erを、周方向長さAおよび径方向長さBをパラメータとする凹部(22a〜22h)の形状ごとに求めて比較することで、角度検出誤差Erを小さくするために適した凹部22a〜22hの形状を解析した。周方向角度Aおよび径方向長さBを上記第1実施形態と同様に変更した計8パターンの凹部の形状についてそれぞれ角度検出誤差Erを求めた結果を図14に示す。
図14から分かるように、周方向角度A=21°、径方向長さB=2mmで角度検出誤差Erが最も小さくなる。この形状(A=21°、B=2mm)の回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフを図15に示す。図15から分かるように、上述のように形成される回転角センサ用磁石20では、上記規定位置近傍での径方向における磁束の向きの変化が小さくなっているため、センサチップ11が上記規定位置から径方向に位置ズレしたとしても、角度検出誤差Erを小さくすることができる。
すなわち、回転角センサ用磁石20に対してセンサチップ11がr方向に位置ズレしやすい回転角センサ10であれば、角度検出誤差Erを小さくするように磁束を生じない領域(凹部22a〜22h,着磁されていない磁石用材料25a〜25h等)を形成することで、位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図16は、角度検出誤差Ewと凹部の形状との関係を示す説明図である。図17は、第4実施形態に係る回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフである。
本第4実施形態では、z方向に位置ズレした場合の磁気ベクトルの振れ角θsの誤差(角度検出誤差Ez)を小さくするように凹部22a〜22hが形成される第1実施形態に対して、z方向の位置ズレに起因する角度検出誤差Ezとr方向の位置ズレに起因する角度検出誤差Erとの双方を適切に小さくするように凹部22a〜22hが形成される。
このため、周方向角度Aと径方向長さBとをパラメータとし、上述のように求めた角度検出誤差Ezおよび角度検出誤差Erの二乗和の平方根を角度検出誤差Ewとしてそれぞれ算出し、この角度検出誤差Ewを小さくするための最適形状を解析した。周方向角度Aおよび径方向長さBを上記第1実施形態と同様に変更した計8パターンの凹部の形状についてそれぞれ角度検出誤差Ewを求めた結果を図16に示す。
図16から分かるように、周方向角度A=21°、径方向長さB=3mmで角度検出誤差Ewが最も小さくなる。この形状(A=21°、B=3mm)の回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフを図17に示す。図17から分かるように、上述のように形成される回転角センサ用磁石20では、上記規定位置近傍での軸方向における磁束の向きの変化が小さくなっているだけでなく径方向でも磁束の向きの変化が小さくなっているため、センサチップ11が上記規定位置から軸方向または径方向に位置ズレしたとしても、角度検出誤差Ewを小さくすることができる。
すなわち、回転角センサ用磁石20に対してセンサチップ11がz方向およびr方向のどちらにも位置ズレしやすい回転角センサ10であれば、角度検出誤差Ewを小さくするように磁束を生じない領域(凹部22a〜22h,着磁されていない磁石用材料25a〜25h等)を形成することで、位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図18は、第5実施形態に係る回転角センサ10aの概略構成を示す説明図であり、図18(A)は断面図を示し、図18(B)は軸方向から見た図を示す。なお、図18(B)では、便宜上、ブッシング31a等の図示を省略している。
本第5実施形態に係る回転角センサ用磁石40および回転角センサ10aでは、規定位置のセンサチップ11が回転角センサ用磁石40の外縁41上に位置する点が、上記第1実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
図18(A)(B)に示すように、回転角センサ用磁石40は、規定位置のセンサチップ11が外縁41上に位置するように、回転軸30に組み付けられたブッシング31aを用いて固定されている。このため、本実施形態に係る回転角センサ用磁石40では、その外縁41におけるN極とS極との磁極間に非磁性領域として凹部42a〜42hが軸方向一側端面から他側端面まで設けられている。そして、各凹部42a〜42hは、突起43a〜43hによりそれぞれ区画されており、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられている。
これにより、回転角センサ用磁石40の外縁41において、凹部42a〜42hを介して周方向に隣り合うN極とS極とを一定距離だけ離すことができるため、凹部(42a〜42h)がないために磁極間の境界近傍で磁束の向きが急に変化する場合と比較して、磁束の向きの変化を小さくすることができる。したがって、回転角センサ10aでは、磁束の向きの変化が小さくなる外縁41近傍にセンサチップ11を配置することで、上述のように構成される回転角センサ用磁石40に対してセンサチップ11が位置ズレしてもこの位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
なお、上記第1実施形態と同様に、環状に形成される磁石であれば、その外縁のうち各磁束を生じない領域の占める周方向長さ(周方向角度Aに相当)が外縁におけるN極またはS極の占める周方向長さ(突起43a〜43hの突出端面の周方向長さに相当)よりも長くなるように形成されることで、他の形状や他の極数であっても角度検出誤差を小さくすることができる。また、上記第1実施形態と同様に、各凹部42a〜42hの占める径方向長さが当該凹部を含めた磁石の径方向長さの40%以上60%以下になるように径方向長さが設定されることで、角度検出誤差を小さくすることができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図19は、第6実施形態に係る回転角センサ用磁石40aの平面図である。
本第6実施形態に係る回転角センサ用磁石では、外縁41に設けられる磁束を生じない領域を、着磁処理を利用して設ける点が、上記第5実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
図19に示すように、本実施形態における回転角センサ用磁石40aは、上述した回転角センサ用磁石40に対して、各凹部42a〜42hに相当する磁束を生じない領域が着磁処理前の磁石用材料(図19の符号44a〜44h参照)により形成されている。すなわち、外面が円筒面状のリング状磁石用材料を用意し、この磁石用材料に対して各凹部42a〜42hに相当する領域を除く他の領域に対して専用の治具を用いて着磁処理を施す。
このようにしても、外縁41に対して磁束を生じない領域を設けることができる。特に、リング状磁石用材料を用いて製造するため、回転角センサ用磁石40のように複雑な形状の磁石用材料を用意する必要がなく磁石用材料の生成時に生じるバリ等も少なくなり、回転角センサ用磁石40aを容易に製造することができる。
また、外縁41における磁束を生じない領域は、各凹部42a〜42hや着磁されていない磁石用材料44a〜44hにより形成されることに限らず、他の方法、例えば、磁石用材料の成形時に樹脂などをインサート成形することで形成されてもよい。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図20は、第7実施形態に係る回転角センサ10bの概略構成を示す説明図であり、図20(A)は断面図を示し、図20(B)は軸方向から見た図を示し、図20(C)は図20(B)のX1−X1線相当の切断面による断面図を示す。なお、図20(B)では、便宜上、ブッシング31等の図示を省略している。
本第7実施形態に係る回転角センサ用磁石50および回転角センサ10bでは、規定位置のセンサチップ11が回転角センサ用磁石50の軸方向端面51上に位置する点が、上記第1実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
図20(A)〜(C)に示すように規定位置のセンサチップ11が回転角センサ用磁石50の軸方向端面51上に位置するため、本実施形態に係る回転角センサ用磁石50では、その軸方向端面51におけるN極とS極との磁極間に非磁性領域として同じ深さの凹部52a〜52hが設けられている。そして、各凹部52a〜52hは、突起53a〜53hによりそれぞれ区画されており、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられている。
これにより、回転角センサ用磁石50の軸方向端面51において、凹部52a〜52hを介して周方向に隣り合うN極とS極とを一定距離だけ離すことができるため、凹部(52a〜52h)がないために磁極間の境界近傍で磁束の向きが急に変化する場合と比較して、磁束の向きの変化を小さくすることができる。したがって、回転角センサ10bでは、軸方向端面51の直上にセンサチップ11を配置することで、上述のように構成される回転角センサ用磁石50に対してセンサチップ11が位置ズレしてもこの位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
なお、上記第1実施形態と同様に、環状に形成される磁石であれば、その軸方向端面のうち各磁束を生じない領域の占める周方向長さが軸方向端面におけるN極またはS極の占める周方向長さ(突起53a〜53hの突出端面の周方向長さに相当)よりも長くなるように形成されることで、他の形状や他の極数であっても角度検出誤差を小さくすることができる。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図21(A)は、第8実施形態に係る回転角センサ用磁石50aの平面図であり、図21(B)は図21(A)のX2−X2線相当の切断面による断面図である。
本第8実施形態に係る回転角センサ用磁石では、軸方向端面51に設けられる磁束を生じない領域を、着磁処理を利用して設ける点が、上記第7実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
図21(A)(B)に示すように、本実施形態における回転角センサ用磁石50aは、上述した回転角センサ用磁石50に対して、各凹部52a〜52hに相当する磁束を生じない領域が着磁処理前の磁石用材料(図21の符号54a〜54h参照)により形成されている。すなわち、軸方向端面が平坦面状のリング状磁石用材料を用意し、この磁石用材料に対して各凹部52a〜52hに相当する領域を除く他の領域に対して専用の治具を用いて着磁処理を施す。
このようにしても、軸方向端面51に対して磁束を生じない領域を設けることができる。特に、リング状磁石用材料を用いて製造するため、回転角センサ用磁石50のように複雑な形状の磁石用材料を用意する必要がなく磁石用材料の生成時に生じるバリ等も少なくなり、回転角センサ用磁石50aを容易に製造することができる。
また、軸方向端面51における磁束を生じない領域は、各凹部52a〜52hや着磁されていない磁石用材料54a〜54hにより形成されることに限らず、他の方法、例えば、磁石用材料の成形時に樹脂などをインサート成形することで形成されてもよい。
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)磁束を生じない領域(各凹部22a〜22hや着磁されていない磁石用材料25a〜25h等)は、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられることに限らず、少なくとも一部が異なる形状に形成されてもよいし周方向にて等間隔にならないように配置されてもよい。
(2)本発明に係る回転角センサ10,10a,10bは、モータの回転軸30を検出対象とすることに限らず、他の回転体を検出対象としてもよい。
10,10a,10b…回転角センサ
11…センサチップ(磁気ベクトル検出手段)
20,20a,20b,40,40a,50,50a…回転角センサ用磁石
21…内縁
22a〜22h,42a〜42h,52a〜52h…凹部(磁束を生じない領域)
25a〜25h,44a〜44h,54a〜54h…磁石用材料(磁束を生じない領域)
30…回転軸
41…外縁
51…軸方向端面
θr…回転軸の回転角
θs…磁気ベクトルの振れ角

Claims (9)

  1. 回転角(θr)を測定する回転角センサ用に用いられる回転角センサ用磁石(20,20a,20b)であって、
    周方向にN極とS極とが交互に配置されて環状に形成され、
    内縁(21)における前記N極と前記S極との磁極間には、磁束を生じない領域(22a〜22h,25a〜25h)が設けられることを特徴とする回転角センサ用磁石。
  2. 前記磁束を生じない領域は、前記内縁のうち当該磁束を生じない領域の占める周方向長さが前記N極または前記S極の占める周方向長さよりも長くなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の回転角センサ用磁石。
  3. 前記磁束を生じない領域は、その径方向長さが当該磁束を生じない領域を含めた磁石の径方向長さの40%以上60%以下になるように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の回転角センサ用磁石。
  4. 回転角(θr)を測定する回転角センサ用に用いられる回転角センサ用磁石(40,40a)であって、
    周方向にN極とS極とが交互に配置されて環状に形成され、
    外縁(41)における前記N極と前記S極との磁極間には、磁束を生じない領域(42a〜42h,44a〜44h)が設けられることを特徴とする回転角センサ用磁石。
  5. 回転角(θr)を測定する回転角センサ用に用いられる回転角センサ用磁石(50,50a)であって、
    周方向にN極とS極とが交互に配置されて環状に形成され、
    軸方向端面(51)における前記N極と前記S極との磁極間には、磁束を生じない領域(52a〜52h,54a〜54h)が設けられることを特徴とする回転角センサ用磁石。
  6. 前記磁束を生じない領域は、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転角センサ用磁石。
  7. 前記磁束を生じない領域は、前記磁極間に形成される凹部(22a〜22h,42a〜42h,52a〜52h)により設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転角センサ用磁石。
  8. 前記磁束を生じない領域は、着磁処理前の環状の磁石用材料に対して当該磁束を生じない領域(25a〜25h,44a〜44h,54a〜54h)を除く他の領域に対して着磁処理を施すことで設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転角センサ用磁石。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の回転角センサ用磁石(20,20a,20b,40,40a,50,50a)と、
    前記回転角センサ用磁石に対して磁束の向きを磁気ベクトル(θs)として検出する磁気ベクトル検出手段(11)と、を備える回転角センサ(10,10a,10b)であって、
    検出対象(30)の回転中心(L)を基準に固定される前記回転角センサ用磁石について前記磁気ベクトル検出手段により前記磁気ベクトルを検出することで、前記検出対象の回転角(θr)を測定することを特徴とする回転角センサ。
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