JP2014210350A - 機能性粉末を備えた基材 - Google Patents

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嗣貴 西原
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Abstract

【課題】機能性材料が基材表面から露出する量を制御する事が容易な機能性粉末を備えた基材を提供する。【解決手段】少なくとも2層以上の熱可塑性樹脂が積層されてなる基材と、前記基材に対して一面以上の面に埋め込まれた状態で固定された機能性粉末とを備え、前記機能性粉末の一部が前記基材から露出した状態で存在する、フィルム、シートまたは板状の基材である事を特徴とした機能性粉末を備えた基材とする。【選択図】図1

Description

本発明は、導光板や拡散板などディスプレイ向け用途、建築部材内外装用途、自動車用途など各種分野で使用可能なシート、フィルム、板等の基材に機能性粉末の一部が露出した状態で固定する事が出来、表面物性の改質及び形状の変更を行う事が出来るシート、フィルム、板等の成形方法に関するものである。
現在、プラスチックからなるシート、フィルム、板等に防汚機能付与、光学特性の改良、撥水、撥油機能付与等を施す事で多岐にわたる分野にプラスチックを用いた基材を応用した製品が求められている。一般的に上述の機能を付与するためには目的とした機能層の積層、機能材料をプラスチックに混合、表面形状を付与する手法が用いられている。
特に表面形状を得る一般的な手法として下記に示す方法が用いられる。
(1)マスクを用いて形状を付与する手法。プラスチック基材等に対してマスクをかけた状態でドライプロセスによる蒸着、ウェットプロセスによる印刷を用いる手法。
(2)溶媒に機能性粉末等及びビヒクルを分散したコート材を作製しプラスチック基材に対してスプレーコーティング、ディップコーティング、グラビア及びオフセット印刷手法等を用いて塗布する手法。
(3)溶融樹脂中に機能性粉末等を分散し成形する事で機能性粉末がプラスチック基材から一部飛び出した基材を成形する手法。
上述の(1)の手法ではドライプロセスによる蒸着を用いた場合では、真空装置を用いるためコストが非常に高くなり、高アスペクト比の形状を得る事が難しい。また、ウェットプロセスを用いた場合では、適性な範囲の溶液の粘度をコントロールする必要があるため、機能材料以外の材料を混合しなければいけない。
上述の(2)の手法で機能性粉末を混合したコート材を塗布するが、機能性粉末を定着させるためにビヒクルを使用するため機能性粉末が露出する事が出来ない。
上述の(3)の手法では溶融樹脂中に混合し成形するため基材から機能性粉末が露出する事が出来ない。
前記、一般的に用いられている手法では機能性粉末を基材から露出した状態で固定する事が難しい。この様な方法の改善策として特許文献1に記載された手法として光触媒粉末を基材に対して溶融状態で吹き付けを行い、圧力を加えながら冷却を行なう方法が提案されている。
特開2006−96924号公報
特許文献1記載の方法を用いた場合、熱可塑性樹脂を溶融成形中または半溶融状態の熱可塑性樹脂に対して光触媒粉末を吹き付けた後冷却を行なうが、冷却条件、圧力条件により機能性材料が基材表面から露出する量をコントロールする事が難しい。
本発明は、機能性材料が基材表面から露出する量を制御する事が容易な機能性粉末を備えた基材を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決するために、少なくとも2層以上の熱可塑性樹脂が積層されてなる基材と、前記基材に対して一面以上の面に埋め込まれた状態で固定された機能性粉末とを備え、前記機能性粉末の一部が前記基材から露出した状態で存在する、フィルム、シートまたは板状の基材である事を特徴とした機能性粉末を備えた基材である。
また、前記基材が有する外層としての熱可塑性樹脂の柔軟性及び流動性が前記基材が有する内層としての熱可塑性樹脂よりも高くてもよい。
また、前記基材が有する外層としての熱可塑性樹脂の厚みLSが機能性粉末の粒径Dに
対して0.9D≧LS≧0.3Dの範囲にあってもよい。
基材として用いる熱可塑性樹脂に対して機能性粉末の露出する量をコントロールするために、熱可塑性樹脂からなる基材が機能性粉末を吹き付ける表層側を溶融粘度が低い樹脂を用い、かつ機能性材料を埋め込みたい厚みより内側が表層より溶融粘度が高い樹脂からなる樹脂を積層した構成を用いる事で機能性材料の露出量をコントロールする事が出来る。機能性粉末が露出するように付与される面を、基材の片面あるいは両面とする事が可能である。
本発明により得られるフィルム等の機能性粉末を備えた基材によれば、従来手法とは異なり機能性粉末を埋め込む熱可塑性樹脂に外層(スキン層)、内層(コア層)を積層しスキン層の柔軟性がコア層よりも高い積層体を作製する事が出来る。積層した熱可塑性樹脂のスキン層厚みを機能性粉末の粒径よりも薄い範囲に制御する事で、軟化点以上の温度である熱可塑性樹脂基材表面に吹きつけられた機能性粉末の埋め込み量をコントロールする事により機能性粉末の表面に露出される量を制御する事が可能となる。
本発明の実施形態による表面凹凸シートの構成を示す断面図 本発明を実施するための成形機の第1の構成例を示す図 本発明を実施するための成形機の第2の構成例を示す図 本発明の実施形態における実施例の表面の顕微鏡観察結果を示す写真 本発明の実施形態における比較例の表面の顕微鏡観察結果を示す写真
以下、本発明について詳細に説明する。この発明は、図1の表面凹凸シート1で示すように、スキン層(外層)3及びコア層(内層)4の積層体を持つ熱可塑性基材のスキン層側から機能性粉末2を吹き付けた後、圧着、冷却をし、スキン層3とコア層4との界面部での熱可塑性基材の柔軟性の違いにより機能性粉末2の埋め込み量を制御する事を特徴とした機能性粉末を備えた基材を提供するものである。
熱可塑性樹脂の成形方法では、融点または軟化温度以上に加熱をする事で成形する事が出来る。熱可塑性樹脂の成形性に関しては、分子量(重合度)の大きさ、分布や側鎖の構造により樹脂の柔軟性が異なる。本発明を実施するにあたり、基材となる熱可塑性分子の組合せとしては機能性粉末を吹き付け、圧力を加えた際に基材層の表層は容易に変形し、粉末が熱可塑性樹脂に対して潜り込み易い状態である軟化点以上に加熱されている必要がある。さらに機能性粉末が潜り込んだ際には潜り込んだ機能性粉末が全て埋め込まれる前に基材表層に留まる事により、熱可塑性樹脂が冷却された後に機能性粉末が表層に露出した状態でかつ熱可塑性樹脂に埋め込まれた状態で存在する事が出来る。
上記の様な状態を再現するためには、機能性粉末を吹き付けられる表層(以下スキン層
とする)は軟化点以上の状態で機能性粉末が潜り込むために軟らかい必要があり、潜り込み量を制御するためにはスキン層下には機能性粉末が潜りにくくなる様、表層と比較して柔軟性の低い層(以下コア層とする)を積層する必要がある。さらに、機能性粉末が潜り込みやすい状態かつ完全に基材として使用する熱可塑性樹脂に潜り込まないためには、機能性粉末の粒径に対しスキン層が薄い必要がある。
しかし、スキン層が機能性粉末の粒径と比較して薄すぎる場合では、機能性粉末の潜り込み深さが十分とならないため機能性粉末は露出された状態となるが、巻取り状態での保管、積み重ね状態での保管や実用時に受ける外力によって、機能性粉末が容易に熱可塑性基材から脱落してしまう事が想定され、十分な耐性を持つ事が出来ない。逆にスキン層の厚みが、機能性粉末の粒径よりも厚い場合では、機能性粉末が全てスキン層に埋まってしまい、機能性粉末が表層に露出した状態が起こりにくい状態となる。
上述の条件を満たすためには、粉末粒径に対して熱可塑性基材のスキン層が薄すぎずかつ厚すぎない範囲で加工を行なう必要がある。この様な条件を満たすためには機能性粉末の粒径をDとして、スキン層の厚みをLSとすると0.9D≧LS≧0.3Dの範囲とする必要がある。
次に熱可塑性基材について説明する。本発明を実施する際には熱可塑性樹脂基材を成形する方法は特に限定されるものでは無く、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー成形法等一般的な方法を使用する事が出来る。また、熱可塑性樹脂基材の成形時には、スキン層及びコア層を少なくとも2層以上積層する必要があるため、共押出が可能な成形方法を用いる事が好ましい。一般に、3層以上の熱可塑性樹脂が積層された基材においては、表裏に設けられる2つの表層のうちの一方または両方の熱可塑性樹脂を外層(スキン層)とし、当該外層の内側に隣接する熱可塑性樹脂を内層(コア層)とする。コア層は、求められる物性によって、単層あるいは多層とする事が可能である。多層のコア層の構成として、例えば、スキン層への接着性が高い樹脂層等が追加された構成が挙げられる。また、機能性粉末が露出するように付与される面を、基材の片面あるいは両面とする事が出来る。すなわち、機能性粉末は、基材に対して一面以上の面に埋め込まれた状態で固定される。
熱可塑性樹脂基材成形時の柔軟性は、溶融時樹脂温度により変化する。例えば一軸以上のスクリューを備えた押出装置では、シリンダー温度、ダイ温度等の装置設定温度及びスクリュー形状により吐出される熱可塑性樹脂の温度が決定される。本方法では、設定温度を特に制限する必要は無いが、スキン層ならびにコア層となる溶融樹脂を積層し成形するため、スキン層とコア層の厚みが吐出される幅方向に変化しない様に設定する必要がある。一般的に柔軟性が高く流動性が良い樹脂をスキン層に用いた場合、溶融樹脂の合流部では、スキン層として吐出される樹脂がコア層を包み込みやすい現象が発生する。このため、積層するスキン層及びコア層の厚みバランスが崩れない程度にスキン層側の樹脂温度を上昇する事が望ましい。
スキン層及びコア層の積層に関しては、本発明の基材を用いる用途にもよるが、スキン層とコア層が簡単に剥離しない必要があり、各層間剥離力が1N/25mm幅以上ある事が好ましい。一般的には同一樹脂系同士の組合せ、接着性樹脂と非接着性樹脂との組合せのどちらを用いる事も可能である。本発明を実施するにあたり、例えば低密度ポリエチレン、リニアー低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー、環状オレフィン、酢酸ビニル共重合ポリマー、アイオノマー、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリウレタン等のエラストマーなどの熱可塑性樹脂の中から層間剥離力が1N/25mm以上となる組合せで同一系材料及び異種材料の組
合せで適宜選択できる。
次に熱可塑性基材に吹き付ける機能性粉末について説明する。機能性粉末の種類は特に制限されるものでは無いが、一般的なフィルム製造方法から得られる熱可塑性基材の厚み精度は数μm程度である事から機能性粉末の粒径も同様に数μm程度以上のものを用いる事が好ましい。先述した、熱可塑性基材の厚み範囲と同様、機能性粉末の粒径が小さすぎる場合ではスキン層に埋没してしまい、表面に露出する事が難しくなる。また、機能性粉末の粒径上限については、機能性粉末を熱可塑性基材に供給する方法については、ノズルに供給した機能性粉末を圧空で吹き付ける方法、熱可塑性基材の上部から単純に落とす方法等、特に制限されないが機能性基材に対して供給する事が可能な範囲であれば特に制限は無い。
吹き付けを行なう機能性粉末については、熱可塑性基材の溶融部への吹き付けならびに軟化点以上に熱した基材に対して行なうため、熱可塑性基材を溶融または軟化する温度で性能が変化しない粉末が好ましい。特にTダイの溶融部で吹き付けを行なう場合、Tダイから冷却ロールまでの距離により溶融樹脂の温度が変化するが選択する機能性粉末及び熱可塑性基材により熱可塑性基材の溶融部での温度を空冷、ヒートガン等を用いて温度制御する手法を用いる事も出来る。
機能性粉末としては、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素シリカ、フォルステライト、ステアタイト、コーディエライト、サイアロン、ジルコン、フェライト、ムライト等のセラミックス材料、デンプン、セルロース等の植物由来材料、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系材料及びそれらの誘導体など特に制限されるものでは無い。また、上記粉末に対して、シリコーン系材料やフッ素系材料等の低表面自由エネルギー成分で表面処理を行なったもの等上記材料に処理を行なったものも好適に使用する事が可能である。また、亜鉛華、鉛白、リトボン、二酸化チタン、酸化鉄、黄鉛、亜鉛黄、ウルトラマリン、プロシア、カーボンブラックなどの無機顔料及びその誘導体、イソインドリノン、キノフタロン、イソインドリン、インジゴイド、キナクリドン、アントラキノン、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、キサンテン、フタロシアニン、アゾメチン等の有機顔料及びその誘導体等を使用する事が出来る。また、上述の機能性粉末を単独または混合して使用する事も可能である。
次に機能性粉末を熱可塑性基材に埋め込む成形方法に関する実施形態を述べる。熱可塑性基材に機能性粉末を埋め込む際には、熱可塑性基材の温度がその基材の軟化点以上となるようにする必要があり、更に吹き付け後、熱可塑性基材が冷却される前に圧力を加え、機能性粉末を熱可塑性基材に十分埋め込む必要がある。上記の様なプロセスを再現するためには例えばTダイを備えた押出装置のTダイと冷却ロール間に機能性粉末を吹き付ける機構を備えた装置を用いる方法、スキン層及びコア層を溶融状態で積層および冷却し作製したフィルムまたはシート等を軟化点以上の温度に昇温した後、機能性粉末を吹き付ける部分を持つ装置等を好適に使用する事が出来る。Tダイを備えた装置での実施例を図2、積層及び成形済みのフィルムまたはシート等を昇温し加工する装置での実施例を図3に示す。
図2の装置は、押出機5、Tダイ6、第一冷却ロール7、第二冷却ロール8、第三冷却ロール9、粘着ロール10、バックアップロール11、及び、機能性粉末吹き付け装置12を備えている。押出機5は熱可塑性樹脂を溶融状態でTダイ6へ押し出す。Tダイ6はスキン層とコア層とを含む複数層の積層体を形成して溶融シート状の熱可塑性基材14を吐出する共押出可能なTダイである。機能性粉末吹き付け装置12は、Tダイ6から吐出された熱可塑性基材14のスキン層へ向けて機能性粉末13を吹き付けるように配置されている。第一冷却ロール7、第二冷却ロール8、及び第三冷却ロール9は、第一冷却ロー
ル7と第二冷却ロール8とが、機能性粉末13を吹き付けられた熱可塑性基材14を加圧及び冷却するニップを構成するとともに、第三冷却ロール9が当該ニップを通過した基材をさらに冷却するように、配置されている。粘着ロール10は、第三冷却ロール9の下流側に、基材に対して機能性粉末13を吹き付けられた側に面するように配置されており、基材に余分に吹き付けられた機能性粉末13を回収する。バックアップロール11は、基材に対して粘着ロール10とは反対側に面するように配置されており、粘着ロール10側への加圧を行う。
図3の装置は、第一加熱ロール16、第二加熱ロール17、第三加熱ロール18、第一冷却ロール19、第二冷却ロール20、第三冷却ロール21、バックアップロール22、粘着ロール23、及び、機能性粉末吹き付け装置24を備えている。第一加熱ロール16、第二加熱ロール17、及び第三加熱ロール18は、フィルムまたはシート等に成形された、スキン層とコア層とを含む複数層の積層体からなる熱可塑性基材15が、第一加熱ロール16と第二加熱ロール17とにより形成されるニップ、第二加熱ロール17と第三加熱ロール18とにより形成されるニップを順に通過するように配置されており、通過する基材を加熱して軟化させる。機能性粉末吹き付け装置24は、第一加熱ロール16、第二加熱ロール17、及び第三加熱ロール18を通過して軟化した基材のスキン層へ向けて機能性粉末25を吹き付けるように配置されている。第一冷却ロール19、第二冷却ロール20、及び第三冷却ロール21は、機能性粉末25を吹き付けられた基材が、第一冷却ロール19と第二冷却ロール20とにより形成されるニップ、第二冷却ロール20と第三冷却ロール21とにより形成されるニップを順に通過するように配置されており、通過する基材を加圧及び冷却する。粘着ロール23は、第三冷却ロール21の下流側に、基材に対して機能性粉末25を吹き付けられた側に面するように配置されており、基材に余分に吹き付けられた機能性粉末25を回収する。バックアップロール22は、基材に対して粘着ロール23とは反対側に面するように配置されており、粘着ロール23側への加圧を行う。
熱可塑性基材に機能性粉末を吹き付け、表面形状を得る手法により使用できる用途としては特に制限されるものではない。機能性粉末として酸化チタンを含有した粉末を用いた場合では光触媒効果による殺菌効果を得る事が可能である。アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素シリカ、フォルステライト、ステアタイト、コーディエライト、サイアロン、ジルコン、フェライト、ムライト等のセラミックス材料を用いた場合では、高い耐熱性を熱可塑性基材の表面に得る事が可能である。また、上記粉末や植物性由来粉末などをフッ素、シリコーンなどの表面自由エネルギーが低い材料で修飾した粉末を選択した場合では、撥水性・撥油性の向上により、食品包装材料や家屋の外壁に使用する防滴、防汚、防カビ層などの用途に用いる事が可能である。想定される実施形態として表面に撥水処理を行なったデンプン粉末を低密度ポリエチレン層に吹き付けて得られた材料での形状変化測定、撥水向上効果の確認を実施した。
図2で説明したような装置を用いて以下の基材を作製した。共押出可能なTダイを備えた押出機により、スキン層に日本ポリエチレン(株)製低密度ポリエチレンLC701(MFR=14g/10min、密度0.918g/cm3 ;JISK6922−1、2)、コア層に日本ポリエチレン(株)製低密度ポリエチレンLC600A(MFR=7g/10min、密度0.918g/cm3 ;JISK6922−1、2)をそれぞれ用いて、厚み10μmのスキン層と厚み30μmのコア層とを積層する。
Tダイから吐出される溶融樹脂が冷却ロールに到達する前にスキン層側から溶融樹脂に向けて、ノズルから機能性粉末としてニッカ株式会社製AS−100(平均粒径16μm)を圧空で吹き付けてから、樹脂を冷却ロールで冷却した後、余剰に付与された機能性粉
末を粘着ロールを用いて除去し、実施例1の基材を得た。
実施例1で機能性粉末の吹き付けを行うことなくスキン層及びコア層を積層および冷却して得られたフィルムを表面温度が100℃となるまで加熱した後、同様に機能性粉末を吹き付け、冷却ロールで圧力を加え冷却した後、粘着ロールで余剰な粉末を除去し実施例2の基材を得た。
比較例1
実施例1のスキン層に日本ポリエチレン(株)製LC600Aを用い、コア層に日本ポリエチレン(株)製LC701を用い、それ以外は実施例1の手順と同一方法を実施し比較例1の基材を得た。
比較例2
実施例2のスキン層に日本ポリエチレン(株)製LC600Aを用い、コア層に日本ポリエチレン(株)製LC701を用い、それ以外は実施例2の手順と同一方法を実施し比較例2の基材を得た。
比較例3
実施例1と同様の方法でスキン層及びコア層を積層し、機能性粉末を吹き付けない状態でフィルム化を行い比較例3の基材を得た。
比較例4
比較例1と同様の方法でスキン層及びコア層を積層し、機能性粉末を吹き付けない状態でフィルム化を行い比較例4の基材を得た。
実施例1及び2、比較例1、2、3及び4で得られた各フィルムに対して表面粗さ測定、光学顕微鏡観察、ならびに、表面粉末の密着性及び水に対する接触角変化についての評価を実施した。
表面粗さ測定では機能性粉末を吹き付けした面に対して、接触式表面粗さ測定器(株)ミツトヨ製、形式SJ−201を用いてJIS B0601−1994に準じた方法でRa(算術平均粗さ)、Ry(最大高さ)、Rz(十点平均粗さ)を測定した。測定条件をカットオフ:0.8mm、測定距離:4.0mm、測定回数:各サンプルにつき5回繰返し、として測定を行った。
光学顕微鏡観察では機能性粉末を吹き付けした面に対して、(株)キーエンス製、VHX−1000を用いて粉末吹き付け表面を倍率500倍で観察した。
表面粉末の密着強度の評価では、ニチバン(株)製 産業用セロハンテープ型番405、幅18mm×長さ80mmを粉末吹き付け表面に貼付した後、5Kgの金属ローラーで2往復した後、貼付したセロハンテープを剥離した。剥離したセロハンテープの粘着面に粉末が付着していないか目視で確認を行なった。
水に対する接触角評価では協和界面科学(株)製 接触角計、CAVを用いて水に対する接触角測定を行った。測定方法は、機能性粉末を吹き付けた表面、ならびに、機能性粉末の吹き付けを行わなかったサンプルについては機能性粉末の吹き付けを実施した側と同一表面に水を4μl滴下した後、接触角を5点測定し平均値を記録する方法とした。
実施例1及び2、比較例1、2、3及び4に関して表面粗さ測定を実施した結果を表1
に示す。
実施例1及び実施例2の基材では表面粗さ測定結果から表面に凹凸形状が得られた事が確認された。比較例1及び2の基材では表面に得られた凹凸形状は実施例1及び2の基材と比較して小さい。この状態は機能性粉末が表面に露出して存在できていない状態または熱可塑性基材に一部を埋没した状態で存在できていないため、表面粗さ測定時に触針が触れた際に機能性粉末が脱離する事により測定結果が小さくなったと推測される。
実施例1及び2の基材、比較例1及び2の基材に関して光学顕微鏡で表面形状測定を行った。表面形状測定を行った結果、実施例1及び2の基材では表面に吹き付けした機能性粉末が露出して存在している事が確認され、比較例1及び2の基材では明確な表面形状が確認出来なかった。実施例1の基材の顕微鏡観察結果を図4、比較例1の基材の顕微鏡観察結果を図5に示す。
実施例1及び2の基材、比較例1及び2の基材に関して粉末密着性を評価した結果を表2に示す。
実施例1及び2の基材では機能性粉末が十分に熱可塑性基材に埋まっている事からセロハンテープでの密着性評価でもテープ側に粉末が付く事が無かった。しかし、比較例1及び2の基材では熱可塑性基材が機能性粉末を吹き付けた後、埋没するのに十分な軟らかさを持たない事により機能性粉末が熱可塑性基材に完全に埋没していない状態で存在している事が考えられる。
実施例1及び2の基材、比較例1、2、3及び4の基材について水に対する接触角測定を行った結果を表3に示す。
実施例1及び2の基材では機能性粉末の吹き付けを実施していない比較例3と比較して水に対する接触角の上昇が見られた。比較例1及び2の基材では機能性粉末の吹き付けによる効果は見られなかった。
本発明を用いる事で機能性粉末を、導光板や拡散板などディスプレイ向け用途、建築部材内外装用途、自動車用途など各種分野で使用可能なフィルム、シート、または板等の表面に露出した状態で表面形状を作製する事が可能となり、表面改質等の効果を簡単に得る事が可能となる。
1…表面凹凸フィルム
2…機能性粉末
3…スキン層
4…コア層
5…押出機
6…Tダイ
7…第一冷却ロール
8…第二冷却ロール
9…第三冷却ロール
10…粘着ロール
11…バックアップロール
12…機能性粉末吹き付け装置
13…機能性粉末
14…熱可塑性基材
15…熱可塑性基材
16…第一加熱ロール
17…第二加熱ロール
18…第三加熱ロール
19…第一冷却ロール
20…第二冷却ロール
21…第三冷却ロール
22…バックアップロール
23…粘着ロール
24…機能性粉末吹き付け装置
25…機能性粉末

Claims (3)

  1. 少なくとも2層以上の熱可塑性樹脂が積層されてなる基材と、
    前記基材に対して一面以上の面に埋め込まれた状態で固定された機能性粉末とを備え、
    前記機能性粉末の一部が前記基材から露出した状態で存在する、フィルム、シートまたは板状の基材である事を特徴とした機能性粉末を備えた基材。
  2. 前記基材が有する外層としての熱可塑性樹脂の柔軟性及び流動性が前記基材が有する内層としての熱可塑性樹脂よりも高い事を特徴とした請求項1記載の機能性粉末を備えた基材。
  3. 前記基材が有する外層としての熱可塑性樹脂の厚みLSが機能性粉末の粒径Dに対して
    0.9D≧LS≧0.3Dの範囲にある事を特徴とした請求項1または2記載の機能性粉
    末を備えた基材。
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