JP2014209545A - 光半導体装置の製造方法 - Google Patents

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明人 二宮
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恭也 大薮
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栄弘 梅谷
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宗久 三谷
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Abstract

【課題】光半導体素子を封止するためのCステージ前の状態の封止層を容易に管理することができ、光半導体装置の製造効率を向上させることのできる光半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】封止シート1によってLED4を封止して、LED装置5を製造するLED装置5の製造方法であり、封止シート1を製造するシート製造工程、および、封止シート1によってLED4を封止する封止工程を備え、シート製造工程において封止シート1を製造してから、封止工程において封止シート1によってLED4を封止するまでの時間Tを、24時間以内とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光半導体装置の製造方法に関する。
封止シートによって、光半導体素子を封止して、光半導体装置を製造する方法が知られている。
例えば、光半導体素子を封止可能な封止樹脂層を備える光半導体素子封止用シートを製造し、その後、その光半導体素子封止用シートを、光半導体素子搭載基板に対向するように載置して、プレス機によりプレスすることにより、光半導体装置を製造する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2011−159874号公報
しかるに、光半導体素子搭載基板を製造するには、まず、Cステージ前の光半導体素子封止用シートを製造し、その後、その光半導体素子封止用シートを出荷して輸送する。そして、出荷先において光半導体素子封止用シートを保存(保管)した後、かかる光半導体素子封止用シートを、光半導体素子搭載基板が載置されたプレス機に設置する。その後、プレスにより、光半導体素子搭載基板に搭載される光半導体素子を光半導体素子封止用シートで埋設するとともに、光半導体素子封止用シートをCステージとすることにより、光半導体素子を光半導体素子封止用シートで封止している。
そのため、光半導体素子封止用シートが長時間輸送および保存されても、光半導体素子封止用シートを光半導体素子の封止が可能なCステージ前の状態に維持しておく必要がある。そうすると、光半導体素子封止用シートのCステージ前の状態が種々の環境下においても長時間維持されるように、光半導体素子封止用シートを設計し、管理する必要が生じ、そのため、製造コスト、さらには、管理コストが増大するという不具合がある。
本発明の目的は、光半導体素子を封止するためのCステージ前の状態の封止層を容易に管理することができ、光半導体装置の製造効率を向上させることのできる光半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の光半導体装置の製造方法は、封止層によって光半導体素子を封止して、光半導体装置を製造する光半導体装置の製造方法であり、前記封止層を製造する封止層製造工程、および、前記封止層によって前記光半導体素子を封止する封止工程を備え、前記封止層製造工程において前記封止層を製造してから、前記封止工程において前記封止層によって前記光半導体素子を封止するまでの時間が、24時間以下であることを特徴としている。
この方法によれば、封止層製造工程において封止層を製造してから、封止工程において封止層によって光半導体素子を封止するまでの時間が、短時間であるので、光半導体装置の製造効率を向上させることができる。
また、この方法によれば、封止層のCステージ前の状態を長時間維持する必要がないため、Cステージ前の状態の封止層を容易に設計し、管理することができる。そのため、Cステージ前の状態の封止層の設計および管理の自由度を高めることができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法では、前記封止層製造工程で製造された前記封止層を、室温で搬送して、前記封止工程に供給することが好適である。
封止層の搬送および保管に長時間を要する場合には、封止層がCステージ前の状態からCステージになることを防止するために、Cステージ前の状態の封止層を低温に冷却(冷凍)して搬送および保管する必要がある。
しかし、この方法によれば、Cステージ前の状態からCステージまでの時間が短時間であるので、封止層製造工程で製造された、Cステージ前の状態の封止層を、室温で搬送して、封止工程に供給することができる。そのため、上記した冷却のための工数および設備が不要となり、その結果、製造コストを低減することができる。
また、封止層を冷却する場合には、冷却された封止層を室温に戻した後、かかる封止層によって光半導体素子を封止する必要があるところ、冷却された封止層を短時間で室温に戻すと、封止層に結露を生じ、かかる結露した封止層によって光半導体素子を封止すると、ボイドを生じ、光半導体装置の信頼性が低下する場合がある。
一方、封止層の結露を防止するために、冷却された封止層を長時間にわたって室温に戻すようにすると、光半導体装置の製造効率が著しく低下する。
しかし、この方法によれば、上記した冷却が不要となるので、冷却された封止層を室温に戻すことも不要となり、製造時間を短縮することができる。そのため、製造コストを低減することができる。さらに、上記した結露に起因するボイドの発生も防止できるので、信頼性の高い光半導体装置を製造することができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法は、Bステージの封止シートによって前記光半導体素子を封止して、前記光半導体装置を製造する光半導体装置の製造方法であり、前記封止層製造工程は、Bステージの前記封止シートを製造するシート製造工程であり、前記封止工程では、Bステージの前記封止シートによって前記光半導体素子を封止し、前記シート製造工程においてBステージの前記封止シートを製造してから、前記封止工程においてBステージの前記封止シートによって前記光半導体素子を封止するまでの時間が、24時間以下であることが好適である。
この方法によれば、シート製造工程においてBステージの封止シートを製造してから、封止工程においてBステージの封止シートによって光半導体素子を封止するまでの時間が、短時間であるので、光半導体装置の製造効率を向上させることができる。
また、この方法によれば、封止シートのBステージを長時間維持する必要がないため、Bステージの封止シートを容易に設計し、管理することができる。そのため、Bステージの封止シートの設計および管理の自由度を高めることができる。
さらに、この方法によれば、封止工程では、Bステージの封止シートによって光半導体素子を封止するので、Aステージの封止シートに比べて取扱性に優れるBステージの封止シートによって、光半導体素子を簡便に封止することができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法では、前記シート製造工程で製造されたBステージの前記封止シートの25℃における圧縮弾性率が、0.040MPa以上、0.145MPa以下であることが好適である。
この方法によれば、使用できるBステージの封止シートの圧縮弾性率の範囲が広いので、Bステージの封止シートの設計の自由度をより一層高めることができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法では、前記シート製造工程で製造されたBステージの前記封止シートを25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量が、0.015MPa以上、0.120MPa以下であることが好適である。
この方法によれば、25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量が大きいBステージの封止シートによっても、光半導体素子を封止することができる。つまり、速硬化性のBステージの封止シートを用いて、Cステージ化に要する時間を短縮することができる。そのため、光半導体装置の製造時間を短縮することができ、その結果、製造コストを低減することができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法は、Aステージの封止層によって前記光半導体素子を封止して、前記光半導体装置を製造する光半導体装置の製造方法であり、前記封止層製造工程では、Aステージの前記封止層を製造し、前記封止工程では、Aステージの前記封止層によって前記光半導体素子を封止し、前記封止層製造工程においてAステージの前記封止層を製造してから、前記封止工程においてAステージの前記封止層によって前記光半導体素子を封止するまでの時間が、24時間以下であることが好適である。
この方法によれば、封止層製造工程においてAステージの封止層を製造してから、封止工程においてAステージの封止層によって光半導体素子を封止するまでの時間が、短時間であるので、光半導体装置の製造効率を向上させることができる。
また、この方法によれば、封止層のAステージを長時間維持する必要がないため、Aステージの封止層を容易に設計し、管理することができる。そのため、Aステージの封止層の設計および管理の自由度を高めることができる。
さらに、この方法によれば、封止層製造工程では、Aステージの封止層を製造し、封止工程では、封止層によって光半導体素子を封止するので、Bステージの封止層を調製する工数を削減することができる。そのため、工数を低減して、光半導体装置の製造効率を向上させることができる。
本発明によれば、光半導体装置の製造効率を向上させることができる。また、封止層の設計および管理の自由度を高めることができる。
図1は、本発明の光半導体装置の製造方法の第1実施形態であるLED装置の製造方法のフローチャートを示す。 図2は、図1に示す各工程が実施されるLED装置製造工場の概略図を示す。 図3は、シート製造工程が実施されるシート製造エリアにおける各装置を示し、図3Aは、ワニス調製エリアにおける混合容器、図3Bは、塗布エリアにおけるディスペンサ、図3Cは、Bステージ化エリアにおけるオーブンを示す。 図4は、搬送工程で用いられるラックを示し、図4Aは、すべての棚板が跳ね上げられている状態、図4Bは、一部の棚板が下げられて、封止シートが載置される状態、図4Cは、すべての棚板が下げられて、封止シートが載置される状態を示す。 図5は、搬送工程で用いられるマガジンを示す。 図6は、搬送工程で用いられる蓋付容器を示す。 図7は、搬送工程で用いられ、セパレータを含むロールを示す。 図8は、搬送工程で用いられ、スペーサを含むロールを示す。 図9は、封止工程で用いられるプレス機を示す。 図10は、LED装置を示す。 図11は、封止シートの表面温度と、蓋付容器をステンレス台に載置してからの経過時間との関係を示す。 図12は、第1実施形態のLED装置の製造方法の変形例で用いられる封止シート製造ユニットの概略側面図を示す。 図13は、本発明の光半導体装置の製造方法の第2実施形態であるLED装置の製造方法のフローチャートを示す。 図14は、図13に示す各工程が実施されるLED装置製造工場の概略図を示す。 図15は、封止工程で用いられる積層装置を示す。 図16は、LED装置を示す。
<第1実施形態>
図1〜図10を参照して、本発明の光半導体装置の製造方法の第1実施形態であるLED装置5の製造方法について説明する。
LED装置5の製造方法は、図10が参照されるように、封止層としてのBステージの封止シート1によって光半導体素子としてのLED4を封止して、LED装置5を製造する方法である。LED装置5の製造方法は、図1に示すように、封止層としてのBステージの封止シート1を製造するシート製造工程(封止層製造工程の一例)、および、封止シート1によってLED4を封止する封止工程を備える。また、LED装置5の製造方法は、シート製造工程で製造された封止シート1を、封止工程に搬送する搬送工程を備える。LED4の製造方法は、シート製造工程、搬送工程、および、封止工程を順次実施する。
図2に示すように、このLED装置5の製造方法は、LED装置製造工場8内で実施される。LED装置製造工場8は、シート製造エリア9、搬送エリア10および封止エリア11を備えている。
上記した全てのエリア(シート製造エリア9、搬送エリア10および封止エリア11)は、例えば、同一工場の敷地内、つまり、1つの(同一の)LED装置製造工場8内に設けられている。
以下、各工程および各エリアについて詳述する。
<シート製造工程>
シート製造工程は、シート製造エリア9において実施される。
シート製造エリア9は、ワニス調製エリア9a、塗布エリア9bおよびBステージ化エリア9cを備えている。
シート製造工程において、Bステージの封止シート1を製造するには、まず、例えば、ワニス調製エリア9aにおいて、封止樹脂組成物を調製する。
封止樹脂組成物は、2段階硬化型樹脂を含有する。封止樹脂組成物は、好ましくは、2段階硬化型樹脂からなる。
2段階硬化型樹脂は、2段階の反応機構を有しており、1段階目の反応でBステージ化(半硬化)し、2段階目の反応でCステージ化(完全硬化)する硬化性樹脂である。
なお、Bステージは、2段階硬化型樹脂が、液状であるAステージと、完全硬化したCステージとの間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、圧縮弾性率がCステージの弾性率よりも小さい状態である。
2段階硬化型樹脂としては、例えば、加熱により硬化する2段階硬化型熱硬化性樹脂、例えば、活性エネルギー線(例えば、紫外線、電子線など)の照射により硬化する2段階硬化型活性エネルギー線硬化性樹脂などが挙げられる。好ましくは、2段階硬化型熱硬化性樹脂が挙げられる。
具体的には、2段階硬化型熱硬化型樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、透光性および耐久性の観点から、2段階硬化型シリコーン樹脂が挙げられる。
2段階硬化型シリコーン樹脂としては、例えば、縮合反応と付加反応との2つの反応系を有する縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。
このような縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂としては、例えば、シラノール両末端ポリシロキサン、アルケニル基含有トリアルコキシシラン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、縮合触媒およびヒドロシリル化触媒を含有する第1の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、シラノール基両末端ポリシロキサン(後述する式(1)参照)、エチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物(後述する式(2)参照)、エチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物(後述する式(3)参照)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、縮合触媒およびヒドロシリル化触媒を含有する第2の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、両末端シラノール型シリコーンオイル、アルケニル基含有ジアルコキシアルキルシラン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、縮合触媒およびヒドロシリル化触媒を含有する第3の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、1分子中に少なくとも2個のアルケニルシリル基を有するオルガノポリシロキサン、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒および硬化遅延剤を含有する第4の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、少なくとも2つのエチレン系不飽和炭化水素基と少なくとも2つのヒドロシリル基とを1分子中に併有する第1オルガノポリシロキサン、エチレン系不飽和炭化水素基を含まず、少なくとも2つのヒドロシリル基を1分子中に有する第2オルガノポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒およびヒドロシリル化抑制剤を含有する第5の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、少なくとも2つのエチレン系不飽和炭化水素基と少なくとも2つのシラノール基とを1分子中に併有する第1オルガノポリシロキサン、エチレン系不飽和炭化水素基を含まず、少なくとも2つのヒドロシリル基を1分子中に有する第2オルガノポリシロキサン、ヒドロシリル化抑制剤、および、ヒドロシリル化触媒を含有する第6の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、ケイ素化合物、および、ホウ素化合物またはアルミニウム化合物を含有する第7の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂、例えば、ポリアルミノシロキサンおよびシランカップリング剤を含有する第8の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。
縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂として、好ましくは、第2の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂が挙げられ、具体的には、特開2010−265436号公報などに詳細に記載され、例えば、シラノール基両末端ポリジメチルシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、ジメチルポリシロキサン−co−メチルハイドロジェンポリシロキサン、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび白金−カルボニル錯体を含有する。具体的には、第2の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂は、例えば、まず、縮合原料であるエチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物およびエチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物と、縮合触媒とを一度に加え、次いで、付加原料であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを加え、その後、ヒドロシリル化触媒(付加触媒)を加えることによって、調製される。
縮合触媒の含有割合は、縮合原料100質量部に対して、例えば、1×10−5質量部以上、好ましくは、1×10−4質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
縮合触媒の含有割合を上記した範囲から選択することにより、シート製造工程で製造された封止シート1(図3C参照)の25℃における所望の圧縮弾性率M0(後述)を幅広い範囲から設定することができる。
2段階硬化型樹脂の配合割合は、封止樹脂組成物に対して、例えば、30質量%以上、好ましくは、40質量%以上、より好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、98質量%以下、好ましくは、95質量%以下、より好ましくは、90質量%以下である。
また、封止樹脂組成物には、必要により、蛍光体および/または充填剤を含有させることもできる。
蛍光体は、波長変換機能を有しており、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO;Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、TbAl12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。好ましくは、流動性の観点から、球状が挙げられる。
蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、2段階硬化型樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、50質量部以下でもある。
充填剤は、封止シート1(図3C参照)の靱性を向上させるために封止樹脂組成物に配合され、例えば、シリコーン粒子(具体的には、シリコーンゴム粒子を含む)などの有機微粒子、例えば、シリカ(例えば、煙霧シリカなど)、タルク、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機微粒子が挙げられる。また、充填剤の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。充填剤は、単独使用または併用することができる。充填剤の配合割合は、2段階硬化型樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下、好ましくは、50質量部以下でもある。
封止樹脂組成物を調製するには、2段階硬化型樹脂と、必要により配合される蛍光体および/または充填剤とを、配合して混合する。また、上記した成分の他に、溶媒を適宜の割合で配合することもできる。溶媒としては、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、例えば、キシレンなどの芳香族炭化水素、例えば、ビニルメチル環状シロキサン、両末端ビニルポリジメチルシロキサンなどのシロキサンなどが挙げられる。
封止樹脂組成物を調製するには、具体的には、図3Aに示すように、ワニス調製エリア9aにおいて、撹拌機51を備える混合容器52内に上記した各成分を配合し、続いて、撹拌機51を用いてそれらを混合する。
より具体的には、Aステージの2段階硬化型樹脂と、蛍光体および/または充填剤と、必要により溶媒とを配合して混合する。これによって、Aステージの封止樹脂組成物をワニスとして調製する。
ワニスの25℃、1気圧の条件下における粘度は、例えば、1,000mPa・s以上、好ましくは、4,000mPa・s以上であり、また、例えば、1,000,000mPa・s以下、好ましくは、100,000mPa・s以下である。なお、粘度は、ワニスを25℃に温度調節し、E型コーンを用いて、回転数99s−1で測定される。以下の粘度は、上記と同様の方法によって、測定される。
次いで、この方法では、図2に示す塗布エリア9bにおいて、Aステージの封止樹脂組成物(ワニス)を塗布する。
具体的には、図3Bに示すように、ワニスを、離型シート2の表面に塗布する。
離型シート2としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミクスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。好ましくは、ポリマーフィルムが挙げられる。また、離型シート2の表面には、フッ素処理などの剥離処理を施すこともできる。また、離型シート2の形状は、特に限定されず、例えば、平面視略矩形状(短冊状、長尺状を含む)などに形成されている。
ワニスを離型シート2の表面に塗布するには、例えば、ディスペンサ、アプリケータ、スリットダイコータなどの塗布装置が用いられる。好ましくは、図3Bに示すディスペンサ13が用いられる。
また、次のBステージ化工程において封止シート1の厚みが、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下となるように、ワニスを離型シート2に塗布する。
ワニスは、平面視において、例えば、略矩形状(短冊状、長尺状を含む)、例えば、円形状など、適宜の形状に塗布される。上記した形状を構成するワニスは、互いに間隔を隔てて形成されていてもよい。
また、ワニスを、例えば、平面視略矩形状(長尺状を除く)の離型シート2に塗布して、次に説明するBステージ化によって、枚葉式の封止シート1としたり、あるいは、長尺状の離型シート2に連続して塗布して、次に説明するBステージ化によって、連続式の封止シート1とすることもできる。好ましくは、ワニスを、離型シート2に塗布して枚葉式の封止シート1とする。なお、封止シート1を枚葉式とする場合であって、同一の離型シート2において、複数の封止シート1を製造する場合には、ワニスを断続的に塗布する。
その後、図2に示すBステージ化エリア9cにおいて、塗布されたワニスをBステージ化(半硬化)する。
ワニスが2段階硬化型熱硬化性樹脂を含有する場合には、例えば、塗布されたワニスを、加熱する。
ワニスを加熱するには、例えば、図3Cに示すように、離型シート2の上側および/または下側に対向配置されるヒータ54を備えるオーブン55が用いられる。
加熱条件は、加熱温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、80℃以上、より好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、140℃以下である。加熱時間は、例えば、1分間以上、好ましくは、5分間以上、より好ましくは、10分間以上であり、また、例えば、24時間以下、好ましくは、1時間以下、より好ましくは、0.5時間以下である。
加熱条件を上記した範囲から選択することにより、シート製造工程で製造された封止シート1の25℃における所望の圧縮弾性率M0(後述)を幅広い範囲から設定することができる。
あるいは、ワニスが2段階硬化型活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する場合には、ワニスに活性エネルギー線を照射する。
これによって、ワニスは、Bステージ化(半硬化)する一方、Cステージ化(完全硬化)せず、すなわち、Cステージ化(完全硬化)前の封止シート1、すなわち、Bステージの封止シート1が形成される。
なお、Cステージ化とは、硬化度が90%以上である状態をいう。なお、硬化度は、例えば、加熱または活性エネルギー線照射を行うことにより圧縮弾性率の上昇が飽和した状態を硬化度100%とし、それから圧縮弾性率の比(飽和した圧縮弾性率に対する測定サンプルの圧縮弾性率の比)により、算出される。
これによって、図2のシート製造エリア9において、図3Cに示すように、離型シート2の表面に積層されるBステージの封止シート1を製造する。
このシート製造工程で製造された封止シート1の25℃における圧縮弾性率M0は、例えば、0.040MPa以上、好ましくは、0.050MPa以上、より好ましくは、0.075MPa以上、さらに好ましくは、0.100MPa以上であり、また、例えば、0.145MPa以下、好ましくは、0.140MPa以下、より好ましくは、0.135MPa以下、さらに好ましくは、0.125MPa以下である。
圧縮弾性率M0が上記した上限を超えると、封止シート1によってLED4を封止する際には、所望の圧縮弾性率(例えば、後述するシート製造工程においてBステージの封止シート1を製造してから、24時間後に、封止工程において封止シート1によってLED4を封止する際の封止シート1の圧縮弾性率M2)の上限を超える場合がある。その場合には、LED4が基板6にワイヤボンディング接続されていれば(図9の破線参照)、ワイヤ7が変形する場合がある。
一方、圧縮弾性率M0が上記した下限に満たないと、封止シート1の形状を確保することが困難となる。つまり、ワニスが封止シート1の形状を成さない場合がある。
詳しくは、25℃における圧縮弾性率M0が例えば、0.040MPa以上、0.100MPa未満である封止シート1をシート製造工程で製造するには、例えば、2段階硬化型樹脂が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂(具体的には、第1〜3の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂)である場合において、縮合触媒の含有割合を、縮合原料100質量部に対して、例えば、1×10−5質量部以上、好ましくは、1×10−4質量部以上に設定するか、あるいは、加熱温度を、例えば、80℃以上、さらには、100℃以上で、また、例えば、180℃以下、さらには、150℃以下に設定する場合において、加熱時間を、例えば、60分間以下、好ましくは、40分間以下、より好ましくは、30分間以下、また、例えば、5分間以上に設定する。
また、25℃における圧縮弾性率M0が例えば、0.100MPa以上、0.145MPa未満である封止シート1をシート製造工程で製造するには、例えば、2段階硬化型樹脂が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂(具体的には、第1〜3の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂)である場合において、縮合触媒の含有割合を、縮合原料100質量部に対して、例えば、1×10−5質量部以上、好ましくは、1×10−4質量部以上に設定するか、あるいは、加熱温度を、例えば、80℃以上、さらには、100℃以上で、また、例えば、180℃以下、さらには、150℃以下に設定する場合において、加熱時間を、例えば、90分間以下、好ましくは、60分間以下、より好ましくは、45分間以下、また、例えば、7.5分間以上に設定する。
シート製造工程で製造された封止シート1を25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量ΔMは、例えば、0MPa以上、また、例えば、0.015MPa以上であり、また、例えば、0.120MPa以下である。
なお、増加量ΔMは、シート製造工程で製造された封止シート1を25℃で24時間保存した後の圧縮弾性率M2から、シート製造工程で製造された封止シート1を25℃で24時間保存する前の圧縮弾性率M0、すなわち、シート製造工程で製造された封止シート1の25℃における圧縮弾性率M0を差し引いた値(M2−M0)である。
増加量ΔMが上記した下限に満たないと、封止シート1のBステージからCステージへの状態変化が過度に遅くなる。そのため、封止シート1をCステージ化する時間が過度に長時間となる場合がある。その結果、LED装置5(図10参照)の製造効率が低下する場合がある。
一方、増加量ΔMが上記した上限を超えると、封止シート1のBステージからCステージへの状態変化が過度に速くなる。そのため、後述するが、シート製造工程において封止シート1を製造してから、封止工程において封止シート1によってLED4を封止するまでの間に、封止シート1がBステージからCステージとなり、その結果、LED4が基板6にワイヤボンディング接続されていれば、ワイヤ7が変形したり、あるいは、封止シート1によってLED4を確実に封止することができない場合がある。
詳しくは、25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量ΔMが、例えば、0.050MPa以上(さらには、0.075MPa以上、さらには、0.100MPa以上)、また、例えば、0.120MPa以下となるように、シート製造工程で製造される封止シート1は、相対的にCステージとなる時間が短い短時間硬化性(つまり、速硬化性)の封止シート1とされる。このような速硬化性の封止シート1を得るには、例えば、2段階硬化型樹脂が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂(具体的には、第1〜3の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂)である場合において、ヒドロシリル化触媒の含有割合は、付加原料100質量部に対して、例えば、5.6×10−3質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上である。
一方、25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量ΔMが、例えば、0.015MPa以上、また、例えば、0.050MPa未満となるように、シート製造工程で製造される封止シート1は、相対的にCステージとなる時間が遅い長時間硬化性(あるいは、遅硬化性)の封止シート1とされる。このような遅硬化性の封止シート1を得るには、例えば、2段階硬化型樹脂が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂(具体的には、第1〜3の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂)である場合において、ヒドロシリル化触媒の含有割合は、付加原料100質量部に対して、例えば、1×10−3質量部以上、好ましくは、5×10−4質量部以上である。
その後、図2のシート製造エリア9において、必要により、連続式のBステージの封止シート1を、連続する離型シート2とともに、所定形状に切断して、枚葉式の封止シート1とすることもできる。
<搬送工程>
搬送工程は、図2に示すように、搬送エリア10において実施される。搬送エリア10は、シート製造エリア9と封止エリア11との間に設けられている。
搬送工程では、シート製造エリア9において、シート製造工程で製造された封止シート1を、室温で搬送して、封止工程が実施される封止エリア11に供給する。あるいは、封止シート1を、室温未満の低温で搬送する。
室温は、例えば、冷凍庫や冷蔵庫などの、特別の冷却設備によって封止シート1を積極的に冷却するために低温に維持された温度ではない温度である一方、例えば、空調設備によって、作業環境を整えるために適度に冷却された温度を含み、具体的には、例えば、10℃以上、さらには、20℃以上、さらには、23℃以上であり、また、例えば、40℃以下、さらには、30℃以下、さらには、25℃以下である。
室温未満の低温は、特別の冷却設備によって封止シート1を冷却するために低温に維持された温度であって、具体的には、例えば、10℃未満、さらには、5℃以下で、また、−60℃以上である。
好ましくは、シート製造工程で製造された封止シート1を、室温で搬送する。封止シート1を室温で搬送すれば、上記した冷却のための冷却設備が不要となり、そのため、LED装置5の製造設備を簡略化することができ、その結果、LED装置5の製造コストを低減することができる。
封止シート1を搬送するには、封止シート1が枚葉式で製造される場合には、例えば、図4に示すラック15、例えば、図5に示すマガジン16、例えば、図6に示す蓋付容器17などの搬送容器に収容し、搬送容器を封止工程におけるプレス機20(後述、図9参照)に搬送する。
また、封止シート1が連続式で製造される場合には、図7に示すように、離型シート2を長尺状に形成し、封止シート1の表面(離型シート2に対する接触面と反対側面)にセパレータ18を積層し、離型シート2、封止シート1およびセパレータ18を巻回してロール22を形成し、封止シート1をプレス機20(後述、図9参照)にロール22として搬送することもできる。
あるいは、封止シート1が連続式で製造される場合には、図8に示すように、長尺状の離型シート2において、封止シート1に対する幅方向(長尺方向および厚み方向に直交する方向)両外側に、長尺状のスペーサ12を設け、続いて、離型シート2、封止シート1およびスペーサ12を、封止シート1の表面が離型シート2の裏面に接触しないように巻回して、ロール22を形成し、封止シート1をプレス機20(後述、図9参照)にロール22として搬送することもできる。
さらに、封止シート1が連続式で製造される場合に、封止シート1を封止エリア11に供給するには、封止シート1を、例えば、図2の仮想線で示すコンベア14で連続的に封止エリア11に搬送することもできる。
上記した搬送容器のうち、好ましくは、封止シート1が他の部材に接触することを確実に防止する観点から、図4に示すラック15、図5に示すマガジン16、図6に示す蓋付容器17が用いられる。つまり、枚葉式の封止シート1を搬送する搬送容器が用いられる。
図4に示すように、ラック15は、側面視略L字形状のフレーム30と、フレーム30に上下方向に回動自在に取り付けられる複数の棚板31と、フレーム30に取り付けられるキャスタ32とを備える。
フレーム30は、平面視略矩形枠状に形成される底フレーム33と、底フレーム33の後端部から上側に延びる背フレーム34とを一体的に備える。
棚板31は、上下方向に間隔を隔てて複数設けられている。棚板31は、網棚状をなし、その後端部が、背フレーム34に跳ね上げ自在に回動支持されている。また、棚板31の前端部には、下方に突出する保持片35が設けられており、具体的には、棚板31は、棚板31の前端部が下がるときに、保持片35が棚板31の水平姿勢を保持できるように、構成されている。棚板31は、図4Aに示すように、封止シート1が載置されていないときには、跳ね上げられ、傾斜状に配置されている。一方、棚板31は、図4Bおよび図4Cに示すように、封止シート1が載置されているときには、上下方向に隣接する棚板31が互いに接触せず、これによって、各棚板31間に収容空間が形成される。また、各棚板31は、水平姿勢が保持される。
キャスタ32は、底フレーム33の下面に複数設けられている。
封止シート1をラック15に収容するには、まず、図4Aに示す、跳ね上げられた棚板31(例えば、最下部に位置する棚板31)の前端部を、図4Bの矢印で示すように、下げて、水平にし、次いで、かかる棚板31の上に、封止シート1を載置する。具体的には、離型シート2が棚板31の上面に接触するように、配置する。
また、複数の封止シート1をラック15に収容するには、図4Bに示すように、封止シート1が載置された最下段の棚板31の上側に隣接配置される棚板31を水平にし、かかる棚板31の上に、封止シート1を載置する。この動作を繰り返す。これによって、図4Cに示すように、全ての棚板31のそれぞれに、封止シート1を載置する。これによって、複数の封止シート1をラック15に収容する。
その後、ラック15を、キャスタ32を利用して、図2に示す封止エリア11に搬送する。
このようなラック15は、汎用性があり、さらに、封止シート1を収容しない場合には、ラック15をコンパクトに保管することができるので、省スペース化を図ることができる。
図5に示すマガジン16は、前方が開放される略箱形状のケース36と、ケース36内に設けられる載置板37とを備えるラックである。
載置板37は、封止シート1(離型シート2)の周端部が載置される支持板である。載置板37は、上下方向に互いに間隔を隔てるように、ケース36内に整列状に複数取り付けられている。各載置板37は、仮想線で示すように、略平板形状、あるいは、実線で示すように、前方が開放される平面視略コ字形状(実線、但し、図5においてコ字形状は図示されない)に形成されている。
封止シート1をマガジン16に収容するには、離型シート2を載置板37の上面に載置する。
その後、マガジン16を、図2に示す封止エリア11に搬送する。
図6に示す蓋付容器17は、トレイ40と、カバー(上蓋)41とを備える。
トレイ40は、PETなどの樹脂から、薄板状に形成されており、トレイ鍔部42と、トレイ平板部43と、トレイ枠部44とを一体的に備えている。
トレイ鍔部42は、トレイ40の周縁部分において、平面視略枠形状に形成されている。
トレイ平板部43は、トレイ40の内側部分を形成し、トレイ鍔部42の内周縁よりも、トレイ40の内側に配置される平板形状に形成されている。
トレイ枠部44は、トレイ枠部44の内周縁と、トレイ平板部43の外周縁とを連結し、上方に向かって突出するように形成されている。
カバー41は、カバー鍔部45と、カバー平板部46とを一体的に備えている。
カバー鍔部45は、カバー41の周縁部分において、平面視略枠形状に形成されている。また、カバー鍔部45には、トレイ40とカバー41とを上下方向に重ねたときに、トレイ枠部44の上端部に嵌合される嵌合溝47が形成されている。
カバー平板部46は、下方に向かって開放される断面視略コ字形状をなし、カバー鍔部45の内側に配置される平板形状に形成されている。カバー平板部46は、カバー鍔部45より上側に突出するように形成されている。
封止シート1を蓋付容器17に収容するには、まず、トレイ40を用意し、次いで、封止シート1が積層された離型シート2をトレイ40のトレイ平板部43に載置する。その後、カバー41を、トレイ枠部44の上端部が嵌合溝47に嵌合するように、トレイ40に重ねる。これによって、トレイ平板部43とカバー平板部46との間に、収容空間が区画される。封止シート1は、カバー41のカバー平板部46と間隔を隔てて、蓋付容器17内の収容空間に収容される。
また、封止シート1を収容した蓋付容器17を、例えば、アルミニウムなどの金属、または、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂からなる保存袋(パウチ)などに、さらに収容することもできる。これにより、封止シート1の急激な温度を防止すること、具体的には、後述する冷却された封止シート1を室温に戻す際の急激な温度上昇を防止することができる。好ましくは、水蒸気遮断性の観点から、アルミニウム製のパウチを用いる。
この蓋付容器17によれば、封止シート1が他の部材に接触することを防止することができる。
<封止工程>
図2に示すように、封止工程は、封止エリア11において実施される。封止エリア11は、LED用意エリア11a、設置/プレスエリア11bおよびCステージ化エリア11cを備えている。
具体的には、まず、図2のLED用意エリア11aにおいて、図9に示す、LED4が実装された基板6を用意する。
基板6は、例えば、シリコン基板、セラミック基板、ポリイミド樹脂基板、金属基板に絶縁層が積層された積層基板などの絶縁基板からなる。
また、基板6の表面には、次に説明するLED4の端子(図示せず)と電気的に接続するための電極(図示せず)と、それに連続する配線とを備える導体パターン(図示せず)が形成されている。導体パターンは、例えば、金、銅、銀、ニッケルなどの導体から形成されている。
LED4は、電気エネルギーを光エネルギーに変換する光半導体素子であり、例えば、厚みが面方向長さ(厚み方向に対する直交方向長さ)より短い断面視略矩形状に形成されている。
LED4としては、例えば、青色光を発光する青色LED(発光ダイオード素子)が挙げられる。LED4の厚みは、例えば、10〜1000μmである。
LED4は、基板6に対して、例えば、ワイヤボンディング接続またはフリップチップ実装されている。好ましくは、図9の破線で示すように、LED4は基板6に実装されるとともに、LED4の端子が基板6の電極とワイヤ7を用いてワイヤボンディング接続されている。
LED4の端子が基板6の電極とワイヤボンディング接続されている場合には、LED4の表面には、図示しない端子が形成されており、かかる端子が、基板6の表面においてLED4の実装位置と左右方向に間隔を隔てて設けられる電極(図示せず)と、ワイヤ7を介して、電気的に接続される。
ワイヤ7は、線状に形成され、その一端がLED4の端子に電気的に接続され、他端が基板6の電極(図示せず)に電気的に接続されている。
ワイヤ7の材料としては、例えば、金、銀、銅など、LEDのワイヤボンディング材として用いられる金属材料が挙げられ、耐腐食性の観点から、好ましくは、金が挙げられる。
ワイヤ7の線径(太さ)は、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下でもある。
また、ワイヤ7は、LED4の端子と基板6の電極とを接続している状態において、湾曲または屈曲されて、略弧形状(例えば、三角弧形状、四角弧形状、円弧形状など)に形成されている。
次いで、この方法では、図2に示す設置/プレスエリア11bにおいて、LED4が実装された基板6を、図9に示すプレス機20に設置する。
プレス機20は、設置/プレスエリア11bおよびCステージ化エリア11cに連続して(わたって)配置されている。プレス機20としては、例えば、上下方向に間隔を隔てて対向配置される2枚の平板21を備える平板プレス機などが採用される。なお、2枚の平板21は、設置/プレスエリア11bおよびCステージ化エリア11cの両エリアを移動可能に構成されている。
設置/プレスエリア11bにおいて、具体的には、LED4が実装された基板6を、下側の平板21に設置する。
続いて、図2に示す搬送エリア10から供給される封止シート1を、上下反転させて、LED4の上側に対向配置させる。つまり、封止シート1を、LED4に向かうように、配置する。
次いで、図10に示すように、封止シート1によってLED4を埋設する。
具体的には、図9の矢印で示すように、封止シート1を降下させる(押し下げる)。詳しくは、封止シート1をLED4が実装される基板6に対してプレスする。具体的には、上側の平板21を、下側の平板21に近接させる。
プレス圧は、例えば、0.05MPa以上、好ましくは、0.1MPa以上であり、また、例えば、1MPa以下、好ましくは、0.5MPa以下である。
これによって、封止シート1によってLED4およびワイヤ7を被覆する。つまり、LED4およびワイヤ7が封止シート1内に埋設される。
これによって、封止シート1によって、LED4およびワイヤ7を封止する。
その後、図2のCステージ化エリア11cにおいて、封止シート1をCステージ化する。
Cステージ化エリア11cには、オーブンが設けられている。
2段階硬化型樹脂が2段階硬化型熱硬化性樹脂である場合には、封止シート1を加熱する。具体的には、平板21による封止シート1に対するプレス状態を維持しながら、平板21をCステージ化エリア11cに移動させて、オーブン内に投入する。これによって、封止シート1を加熱する。
加熱温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。また、加熱時間は、例えば、10分間以上、好ましくは、30分間以上であり、また、例えば、10時間以下、好ましくは、5時間以下である。
封止シート1の加熱によって、封止シート1がCステージ化(完全硬化)する。
なお、2段階硬化型樹脂が2段階硬化型活性エネルギー線硬化性樹脂である場合には、Cステージ化エリア11cにおいて、封止シート1に活性エネルギー線を照射することによって、封止シート1をCステージ化(完全硬化)させる。具体的には、紫外線ランプなどを用いて封止シート1に紫外線を照射する。
そして、この製造方法では、シート製造エリア9(Bステージ化エリア9c)のシート製造工程において封止シート1を製造してから(具体的には、ワニスをBステージ化した時点から)、封止エリア11(設置/プレスエリア11b)の封止工程において封止シート1によってLED4を封止するまで(具体的には、封止シート1によってLED4を埋設した時点まで)の時間Tは、24時間以下、好ましくは、18時間以下、より好ましくは、12時間以下、さらに好ましくは、6時間以下、とりわけ好ましくは、3時間以下であり、また、例えば、1秒間以上、好ましくは、1分間以上である。
上記した時間Tが上記上限を超えれば、LED装置5の製造効率を向上させることが不十分である。
これによって、封止シート1と、封止シート1によって封止されるLED4と、LED4が実装された基板6とを備える、光半導体装置としてのLED装置5が製造される。
その後、必要により、離型シート2を、図10の仮想線で示すように、封止シート1から引き剥がす。
なお、封止シート1が複数のLED4を封止する場合には、図示しないが、その後、必要により、各LED4に対応して、封止シート1を切断して個片化する。
そして、この方法によれば、シート製造工程において封止シート1を製造してから、封止工程において封止シート1によってLED4を封止するまでの時間Tが、短時間であるので、LED装置5の製造効率に向上させることができる。
詳しくは、従来の方法では、封止シート1を、シート製造工場において製造して出荷し、その後、シート製造工場とは異なる場所にある封止工場(具体的には、LED装置製造工場)において、封止シート1によって、LED4を封止している。
しかしながら、この方法は、1つの(同一の)工場、具体的には、LED装置製造工場8に、シート製造エリア9、搬送エリア10および封止エリア11を備えて、LED装置製造工場8内の各エリアにおいて上記した各工程を実施する。換言すれば、シート製造工場をLED装置製造工場内に設けて、同一工場内において、シート製造工程および封止工程を実施する。このような方法によって、上記した時間Tを短時間とすることができる。
さらに、この方法によれば、封止シート1のCステージ前の状態、具体的には、封止シート1のBステージを長時間維持する必要がないため、Bステージの封止シート1を容易に設計し管理することができる。そのため、Bステージの封止シート1の設計および管理の自由度を高めることができる。
また、従来の方法では、封止シート1の搬送および保管に長時間を要するので、封止シート1がCステージ前の状態、具体的には、BステージからCステージになることを防止するために、Bステージの封止シート1を低温に冷却(冷凍)して搬送および保管する必要がある。
しかし、この方法によれば、Cステージ前の状態、具体的には、BステージからCステージまでの時間Tが短時間であるので、シート製造工程で製造されたBステージの封止シート1を、室温で搬送して、封止工程に供給することができる。そのため、上記した冷却のための工数および設備が不要となり、その結果、LED装置5の製造コストを低減することができる。
また、封止シート1を冷却する場合には、冷却された封止シート1を室温に戻した後、かかる封止シート1によってLED4を封止する必要があるところ、冷却された封止シート1を短時間で室温に戻すと、封止シート1に結露を生じ、かかる結露した封止シート1によってLED4を封止すると、ボイドを生じ、LED装置5の信頼性が低下する場合がある。
一方、封止シート1の結露を防止するために、冷却された封止シート1を長時間にわたって室温に戻すようにすると、LED装置5の製造効率が著しく低下する。
しかるに、この方法によれば、上記した冷却が不要となるので、冷却された封止シート1を室温に戻すことも不要となり、製造時間を短縮することができる。そのため、製造コストを低減することができる。さらに、上記した結露に起因するボイドの発生も防止できるので、信頼性の高いLED装置5を製造することができる。
さらに、この方法によれば、封止工程では、Bステージの封止シート1によってLED4を封止するので、液状であるAステージの封止層61(後述)に比べて取扱性に優れるBステージの封止シート1によって、LED4を簡便に封止することができる。
また、シート製造工程で製造された封止シート1の25℃における圧縮弾性率が、0.040MPa以上、0.145MPa以下であれば、使用できる封止シート1の圧縮弾性率の範囲が広いので、封止シート1の設計の自由度をより一層高めることができる。
また、この方法によれば、25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量ΔMが大きい封止シート1によっても、LED4を封止することができる。つまり、速硬化性の封止シート1を用いて、Cステージ化に要する時間を短縮することができる。そのため、LED装置5の製造時間を短縮することができ、その結果、製造コストを低減することができる。
<変形例>
なお、第1実施形態では、図9の実線矢印で示すように、上側の平板21を下側の平板21に近接させているが、例えば、図9の破線で示すように、下側の平板21を上側の平板21に近接させることもできる。つまり、下側の平板21に配置され、LED4が実装される基板6を、封止シート1に向けてプレスする。
また、上記した図9の第1実施形態では、LED4が実装された基板6を下側の平板21に配置し、封止シート1が積層された離型シート2を上側の平板21に配置している。しかし、例えば、図15が参照されるように、それらを上下逆に配置することもできる。すなわち、LED4が実装された基板6を上側の平板21に配置し、封止シート1が積層された離型シート2を下側の平板21に配置することもできる。
また、上記した図2の第1実施形態では、オーブンを備えるCステージ化エリア11cを封止エリア11に設けているが、例えば、図示しないが、Cステージ化エリア11cを封止エリア11に設けることなく、封止エリア11を構成することもできる。その場合には、例えば、図9に示す平板21にヒータを装備させ、このヒータによって、Bステージの封止シート1を加熱することによって、封止シート1をCステージ化する。
また、図2の第1実施形態では、搬送エリア10を、シート製造エリア9および封止エリア11の間に設けているが、これに限定されず、また、特に搬送エリア10を設けることなく、LED装置製造工場8を構成することもできる。
図10の第1実施形態では、本発明における光半導体素子および光半導体装置として、それぞれ、LED4およびLED装置5を一例として説明しているが、例えば、それぞれ、LD(レーザーダイオード)4およびレーザーダイオード装置5とすることもできる。
図2の実施形態では、LED装置製造工場8にシート製造エリア9を予め設けているが、例えば、図12に示すように、移動可能な封止シート製造ユニット91を、LED装置製造工場8内に設置することもできる。
封止シート製造ユニット91は、コンテナ92と、コンテナ92に収容されるシート製造装置93とを備える。
コンテナ92は、筐体94と、走行装置としての第1車輪95と、第1連結部材96と、ランディングギヤ97とを備える。
シート製造装置93は、筐体94内に収容されている。シート製造装置93は、ワニス調製装置98と、シート調製装置99とを備える。
ワニス調製装置98は、例えば、混合容器52と、撹拌機51とを備える。
シート調製装置99は、ワニス調製装置98に隣接配置されている。シート調製装置99は、例えば、塗布装置13と、加熱装置118とを備える。
塗布装置13としては、例えば、ディスペンサなどが挙げられる。
加熱装置118としては、ホットプレートなどが挙げられる。
上記したシート製造装置93に備えられる各部材(ワニス調製装置98およびシート調製装置99)は、筐体94に固定されている。
(封止シート1の製造)
次に、図12および図2を参照して、封止シート製造ユニット91を用いて封止シート1を製造し、その後、封止シート1によって、LED4を封止してLED装置5を製造する方法について説明する。
<封止シート製造ユニット91の移動>
この方法では、まず、封止シート製造ユニット91を、LED装置製造工場8内に移動させる。
具体的には、LED装置製造工場8におけるLED装置製造建屋(図示せず)内あるいはLED装置製造工場8の敷地内(以下、これらを単に「LED装置製造工場8内」という場合がある。)に、封止シート製造ユニット91を移動させる。
あるいは、LED装置製造工場8の近傍における所定の設置箇所(具体的には、上記したLED装置製造建屋(図示せず)の近傍におけるコンテナ92の設置箇所)などに移動させる。
まず、図12に示すように、封止シート製造ユニット91とトレーラー150とを連結する。
トレーラー150は、シャシー148と、キャブ149と、キャブ149に収容されるエンジン151と、シャシー148に設けられる車軸に対して回転可能に構成される第2車輪152と、第2連結部材153とを備える。
封止シート製造ユニット91とトレーラー150とを連結するには、まず、シャシー148の後側部分を、コンテナ92の下側部分に挿入して、第2連結部材153と第1連結部材96とを上下方向に対向配置して、それらを連結する。次いで、トレーラー150のエンジン151の駆動力に基づいて、コンテナ92を牽引する。この際、コンテナ92は、第1車輪95の回転によって、トレーラー150とともに走行する。その後、トレーラー150および封止シート製造ユニット91を、LED装置製造工場8内あるいは所定の設置箇所に移動させる。次いで、図12の仮想線および矢印で示すように、ランディングギヤ97を下側に進出させて、ランディングギヤ97の下端部を接地させる。続いて、第2連結部材153と第1連結部材96との連結を解除して、キャブ149の後側部分を、コンテナ92の下側部分から脱離させる。これによって、トレーラー150をコンテナ92から切り離す。
<シート製造装置93の運転>
次いで、コンテナ92内において、シート製造装置93を運転して、封止シート1を製造する。具体的には、ワニスを、剥離シート2の表面に塗布し、その後、ワニスが2段階硬化型熱硬化性樹脂を含有する場合には、加熱装置118でワニスを加熱することによって、ワニスをBステージ化(半硬化)して、封止シート1を得る。
その後、得られた封止シート1によりLED4を封止して、LED装置5を製造する。
具体的には、封止シート製造ユニット91により製造されたBステージの封止シート1を、LED装置製造工場の建屋(図示せず)内に設備されたプレス機20(図9参照)にセットする。
別途、図9に示すように、まず、LED4が実装された基板6を用意して、基板6を上記した熱プレス装置にセットする。
次いで、この方法では、図9に示すように、剥離シート2の上面に積層される封止シート1(図12)を、上下反転させて、LED4の上側に対向配置させる。つまり、封止シート1を、LED4に向かうように、配置する。具体的には、封止シート1、LED4および基板6を、LED装置製造工場の建屋内に設備されたプレス機20に配置する。
これによって、封止シート1と、封止シート1によって封止されるLED4と、LED4が実装された基板6とを備えるLED装置5が製造される。
その後、必要により、図10に示すように、剥離シート2を封止シート1から剥離する。
(必要数の封止シート1の製造の終了)
封止シート製造ユニット91によって必要数の封止シート1が製造されるとともに、プレス機20において必要数のLED装置5が製造されれば、次いで、封止シート製造ユニット91を別のLED装置製造工場内や設置箇所、具体的には、最初のLED装置製造工場8と離間した地域に設備された次のLED装置製造工場内や設置箇所に、封止シート製造ユニット91を移動させる。その後、トレーラー150および封止シート製造ユニット91を、最初のLED装置製造工場8内や設置箇所から、次のLED装置製造工場内や設置箇所に移動させる。
(作用効果)
この変形例の封止シート製造ユニット91によれば、シート製造装置93をコンテナ92とともに、Bステージの封止シート1によって封止対象であるLED4を封止するLED装置製造工場内やLED装置製造工場の近傍におけるコンテナ92の設置箇所に移動させることができる。そのため、LED装置製造工場8内や設置箇所においてBステージの封止シート1を製造することができる。そのため、製造したBステージの封止シート1を、LED装置製造工場8の建屋(図示せず)内に設備されたプレス機20に、そのまま、短時間で搬送することができる。その結果、製造後に封止シート1を搬送するための搬送時間を大幅に短縮することができる。
また、LED装置製造工場8内や設置箇所において封止シート1を製造して、その後、LED装置製造工場8において、Bステージの封止シート1によってLED4を封止することができるので、Bステージの封止シート1によってLED4を確実に封止することができる。そのため、上記した冷却設備を必要としないので、製造コストを抑制することができる。
<第2実施形態>
図13〜図16を参照して、本発明の光半導体装置の製造方法の第2実施形態であるLED装置5の製造方法について説明する。
第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態では、封止層としてBステージの封止シート1を製造し、次いで、そのBステージの封止シート1によって光半導体素子3を封止している。しかし、封止層としてAステージの封止層61を製造し、次いで、そのAステージの封止層61によって光半導体素子3を封止することもできる。
第2実施形態のLED装置5の製造方法は、図15および図16に示すように、Aステージの封止層61によってLED4を封止して、LED装置5を製造する方法である。LED装置5の製造方法は、図14に示すように、Aステージの封止層61を製造する封止層製造工程、および、Aステージの封止層61によってLED4を封止する封止工程を備える。また、LED装置5の製造方法は、封止層製造工程で製造されたAステージの封止層61を、封止工程に搬送する搬送工程を備える。LED4の製造方法は、封止層製造工程、搬送工程、および、封止工程を順次実施する。
<封止層製造工程>
封止層製造エリア59は、Bステージ化エリア9c(図2参照)を備えず、ワニス調製エリア9aおよび塗布エリア9bを備えている。
封止層製造工程において、Aステージの封止層61を製造するには、まず、例えば、ワニス調製エリア9aにおいて、封止樹脂組成物を調製する。
封止樹脂組成物は、1段階硬化型樹脂を含有する。封止樹脂組成物は、好ましくは、1段階硬化型樹脂からなる。
1段階硬化型樹脂は、1段階の反応機構を有しており、1段階目の反応で完全硬化する硬化性樹脂である。1段階硬化型樹脂としては、例えば、加熱により硬化する1段階硬化型熱硬化性樹脂、例えば、活性エネルギー線(例えば、紫外線、電子線など)の照射により硬化する1段階硬化型活性エネルギー線硬化性樹脂などが挙げられる。好ましくは、1段階硬化型熱硬化性樹脂が挙げられる。
具体的には、1段階硬化型熱硬化性樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、透光性および耐久性の観点から、1段階硬化型シリコーン樹脂が挙げられる。
Aステージの1段階硬化型樹脂の粘度は、例えば、1,000mPa・s以上、好ましくは、3,000mPa・s以上、より好ましくは、5,000mPa・s以上であり、また、例えば、1,000,000mPa・s以下、好ましくは、500,000mPa・s以下、より好ましくは、200,000mPa・s以下である。
また、封止樹脂組成物には、必要により、上記した蛍光体および/または充填剤を上記した配合割合で含有させることもできる。
封止樹脂組成物を調製するには、具体的には、図3Aおよび図14に示すように、ワニス調製エリア9aにおいて、撹拌機51を備える混合容器52内に上記した各成分を配合し、続いて、撹拌機51を用いてそれらを混合する。
より具体的には、Aステージの1段階硬化型樹脂と、蛍光体および/または充填剤と、必要により溶媒とを配合して混合する。これによって、Aステージの封止樹脂組成物をワニスとして調製する。
ワニスの25℃、1気圧の条件下における粘度は、ワニスを離型シート2に塗布したとき(後述)に、塗布されたワニスが離型シート2(図15参照)の上面の周端部からこぼれない程度に設定されており、具体的には、例えば、1,000mPa・s以上、好ましくは、4,000mPa・s以上、より好ましくは、8,000mPa・s以上であり、また、例えば、1,000,000mPa・s以下、好ましくは、500,000mPa・s以下、より好ましくは、200,000mPa・s以下である。
次いで、この方法では、図14に示す塗布エリア9bにおいて、Aステージの封止樹脂組成物(ワニス)を離型シート2に塗布する。
ワニスが溶媒を含有する場合には、塗布後の封止層61を加熱することもできる。具体的には、図14には示さないが、図3Cが参照されるように、2つのヒータ54を備えるオーブン55によって、封止層61を加熱する。なお、加熱条件は、硬化性樹脂の硬化反応が実質的に促進しない条件であって、具体的には、温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、130℃以下である。また、加熱時間は、例えば、1分間以上、好ましくは、5分間以上であり、また、例えば、60分間以下、好ましくは、40分間以下である。
塗布されたAステージの封止層61の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
これによって、Aステージの封止層61を製造する。
<搬送工程>
搬送工程は、図14に示すように、搬送エリア10において実施される。つまり、搬送工程では、第1実施形態と同様に、封止層製造エリア59において、封止層製造工程で製造された封止層61を、室温で搬送して、封止工程が実施される封止エリア11に供給する。あるいは、封止層61を、室温未満の低温で搬送する。
<封止工程>
封止工程は、図14に示すように、封止エリア11において実施される。封止エリア11は、LED用意エリア11a、設置/埋設エリア11dおよびCステージ化エリア11cを備えている。
具体的には、まず、図14のLED用意エリア11aにおいて、図15に示すように、LED4が実装された基板6を用意する。
次いで、この方法では、図14に示す設置/埋設エリア11dにおいて、LED4が実装された基板6を、図15に示す積層装置55に設置する。
積層装置55は、設置/埋設エリア11dおよびCステージ化エリア11cに連続して(わたって)配置されている。積層装置55は、例えば、上下方向に間隔を隔てて対向配置される2枚の平板21を備える。なお、2枚の平板21は、設置/埋設エリア11dおよびCステージ化エリア11cの両エリアを移動可能に構成されている。
設置/埋設エリア11dにおいて、具体的には、LED4が実装された基板6を、上側の平板21に設置する。具体的には、LED4が下側に向かうように、基板6を平板21の下面に設置する。
続いて、図14に示す搬送エリア10から供給される封止層61を、下側の平板21に設置する。つまり、封止層61を、LED4に向かうように、配置する。
次いで、図16に示すように、封止層61によってLED4を埋設する。
具体的には、図15の矢印で示すように、LED4が実装された基板6が降下するように、上側の平板21を降下させる(押し下げる)。あるいは、図15の破線矢印で示すように、離型シート2に積層された封止層61が上昇するように、下側の平板21を上昇させる(押し上げる)。
これによって、封止層61によってLED4およびワイヤ7を被覆する。つまり、LED4およびワイヤ7が封止層61内に埋設される。
これによって、封止層61によって、LED4およびワイヤ7を封止する。
その後、図14のCステージ化エリア11cにおいて、封止層61をCステージ化する。
Cステージ化エリア11cには、オーブンが設けられている。
1段階硬化型樹脂が1段階硬化型熱硬化性樹脂である場合には、封止層61を加熱する。具体的には、平板21による封止層61に対する挟持状態を維持しながら、平板21をCステージ化エリア11cに移動させて、オーブン内に投入する。これによって、封止層61を加熱する。
加熱温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。また、加熱時間は、例えば、10分間以上、好ましくは、30分間以上であり、また、例えば、10時間以下、好ましくは、5時間以下である。
封止層61の加熱によって、Aステージの封止層61がCステージ化(完全硬化)する。
なお、1段階硬化型樹脂が1段階硬化型活性エネルギー線硬化性樹脂である場合には、Cステージ化エリア11cにおいて、封止層61に活性エネルギー線を照射することによって、Aステージの封止層61をCステージ化(完全硬化)させる。具体的には、紫外線ランプなどを用いてAステージの封止層61に紫外線を照射する。
そして、この製造方法では、封止層製造エリア59(塗布エリア9b)の封止層製造工程において封止シート1を製造してから(具体的には、ワニスを離型シート2に塗布した時点から)、封止エリア11(設置/埋設エリア11d)の封止工程において封止シート1によってLED4を封止するまで(具体的には、封止シート1によってLED4を埋設した時点まで)の時間Tは、24時間以下、好ましくは、18時間以下、より好ましくは、12時間以下、さらに好ましくは、6時間以下、とりわけ好ましくは、3時間以下であり、また、例えば、1秒間以上、好ましくは、1分間以上である。
上記した時間Tが上記上限を超えれば、LED装置5の製造効率を向上させることが不十分である。
これによって、封止シート1と、封止シート1によって封止されるLED4と、LED4が実装された基板6とを備える、光半導体装置としてのLED装置5が製造される。
その後、必要により、離型シート2を、図16の仮想線で示すように、封止シート1から引き剥がす。
そして、この方法によれば、封止層製造工程においてAステージの封止層61を製造してから、封止工程においてAステージの封止層61によってLED4を封止するまでの時間Tが、短時間であるので、LED装置5の製造効率に向上させることができる。
詳しくは、この方法は、1つの(同一の)工場、具体的には、LED装置製造工場8に、封止層製造エリア59、搬送エリア10および封止エリア11を備えて、LED装置製造工場8内の各エリアにおいて上記した各工程を実施することができる。換言すれば、封止層製造工場をLED装置製造工場内に設けて、同一工場内において、封止層製造工程および封止工程を実施する。このような方法によって、上記した時間Tを短時間とすることができる。
さらに、この方法によれば、封止層61のAステージを長時間維持する必要がないため、Aステージの封止層61を容易に設計し管理することができる。そのため、Aステージの封止層61の設計および管理の自由度を高めることができる。
また、この方法によれば、AステージからCステージまでの時間Tが短時間であるので、封止層製造工程で製造された封止層61を、室温で搬送して、封止工程に供給することができる。そのため、上記した冷却のための工数および設備が不要となり、その結果、LED装置5の製造コストを低減することができる。
さらに、この方法によれば、上記した冷却が不要となるので、冷却されたAステージの封止層61を室温に戻すことも不要となり、製造時間を短縮することができる。そのため、製造コストを低減することができる。さらに、上記した結露に起因するボイドの発生も防止できるので、信頼性の高いLED装置5を製造することができる。
<変形例>
図14の実施形態では、LED装置製造工場8に封止層製造エリア59を予め設けているが、例えば、図12が参照されるように、移動可能な封止層製造ユニット191を、LED装置製造工場8内に設置することもできる。
封止層製造ユニット191は、加熱装置118が設けられていない(この形態は、図12では、図示されていない)点を除き、封止シート製造ユニット91と同様に構成されている。また、封止シート製造ユニット91、シート製造装置93およびシート調製装置99は、それぞれ、封止層製造ユニット191、封止層製造装置193および封止層調製装置199とされる。
そして、このような封止層製造ユニット191によってAステージの封止層61を製造することもできる。その後、かかる封止層61によってLED装置5を製造することができる。
以下に示す実施例、製造例、参考例および比較例における数値は、上記の実施形態において記載される対応する数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
<封止シート製造工程>
製造例1
シート製造エリア(図2参照)において、封止シートを製造した。具体的には、まず、40℃に加温したシラノール基両末端ポリジメチルシロキサン[下記式(1)中のRが全てメチル基、n=155で表される化合物、平均分子量11,500]2031g(0.177mol)に対して、エチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン[下記式(2)中のRがビニル基、Xが全てメトキシ基で表される化合物]15.76g(0.106mol)、および、エチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物として、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン[下記式(3)中のRが3−グリシドキシプロピル基、Xが全てメトキシ基で表される化合物]2.80g(0.0118mol)[シラノール基両末端ポリジメチルシロキサンのSiOH基のモル数と、エチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物のSiX基およびエチレン系不飽和炭化水素基含有ケイ素化合物のSiX基の総モル数との比[SiOH/(SiX+SiX)=1/1]を攪拌して混合した後、縮合触媒として水酸化テトラメチルアンモニウムメタノール溶液(濃度10質量%)0.97mL(触媒量:0.88mol、シラノール基両末端ポリジメチルシロキサン100モルに対して0.50モル、縮合原料100gに対して4.0mg)を加え、40℃で1時間攪拌した。得られたオイルを、40℃で1時間攪拌しながら減圧(10mmHg)し、揮発分を除去した。次に、反応液を常圧に戻した後、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン−co−メチルハイドロジェンポリシロキサン)を、アルケニル基のヒドロシリル基に対するモル比がSiR/SiH=1/3.0となるように加えて、40℃で1時間攪拌した。その後、ヒドロシリル化触媒として白金−カルボニル錯体(白金濃度2.0質量%)0.038mL(白金含有量はオルガノポリシロキサンに対して0.375ppm、つまり、付加原料100gに対して0.375×10−4g)を加えて、40℃で10分間攪拌し、シリコーン樹脂組成物(第2の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂)を調製した。
Figure 2014209545
Figure 2014209545
Figure 2014209545
シリコーン樹脂組成物100質量部、シリコーンゴム粒子(平均粒子径7μm)20質量部、および、黄色蛍光体であるYAG粒子(平均粒子経7μm)10質量部を、撹拌機を備える混合容器に投入し、撹拌機を用いてそれらを混合した。これによって、ワニス調製エリア(図2参照)において、ワニスを調製した。ワニスの25℃、1気圧の条件下における粘度は、20,000mPa・sであった。
次いで、塗布エリア(図2参照)において、ワニスを、PETからなる離型シートの表面に、ディスペンサ(図3B参照)で平面視矩形状(サイズ:10mm×100mm)に塗布し、続いて、Bステージ化エリアにおいて、135℃のオーブンにて15分間加熱することにより、離型シートに積層される、厚み600μmのBステージの封止シートを製造した。
製造直後のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M0を測定したところ、0.040MPaであった(表1参照)。具体的には、アイコーエンジニアリング社製の精密荷重測定機により、25℃における圧縮弾性率を算出した。なお、後述する圧縮弾性率は、上記した方法と同様に実施した。
製造例2〜製造例10
製造例1において、塗布エリアでのオーブンの加熱時間を、15分間以上25分間以下で適宜調整することにより、製造例2〜10であって、表1に記載される圧縮弾性率の封止シートを得た。
<搬送工程および封止工程>
<25℃で搬送した封止シートによって封止/時間T:1分間>
実施例1〜10
封止エリアのLED用意エリア(図2参照)において、平面視矩形状のLEDがワイヤボンディング接続された基板を用意した(図9参照)。LEDおよびワイヤの寸法は、以下の通りであった。
LEDの厚み:150μm
ワイヤの線径:30μm
続いて、LEDがワイヤボンディング接続された基板を封止エリアにおけるプレス機に設置した(図2および図9参照)。
別途、搬送エリアにおいて、製造例1〜10の製造直後のBステージの封止シートのそれぞれを、室温(25℃)で、蓋付容器に収容し、直ちに、封止エリアにおいて、封止シートを蓋付容器から取り出して、設置/プレスエリアにおいて、基板が設置されたプレス機に配置した。
続いて、封止シートによって、LEDおよびワイヤを封止した。
具体的には、平板プレスによって、室温で、封止シートを押し下げて、圧力0.3MPaで、封止シートによってLEDおよびワイヤを埋設した。これによって、封止シートによって、LEDおよびワイヤを封止した。
LEDおよびワイヤを埋設した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M1を表1に示す。
また、Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tは、1分間であった。
その後、熱プレスエリアにおいて、封止シートおよび基板をプレスしている平板をオーブンに投入し、封止シートを150℃、2時間加熱して、封止シートをCステージ化した。
その後、離型シートを封止シートから剥離した。
これによって、LED装置を製造した。
なお、LED装置における封止シートの硬化度は、90%であり、その圧縮弾性率が0.040MPaであった。
<25℃で保存した封止シートによって封止/時間T:24時間>
実施例11〜17
Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tを、1分間から24時間に変更した以外は、実施例1〜5、7および8と同様に処理した。
実施例11〜17におけるLEDおよびワイヤを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M2を表1にそれぞれ示す。
<25℃で保存した封止シートによって封止/時間T:36時間>
比較例1〜7
Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tを、1分間から36時間に変更した以外は、実施例1〜5、7および8と同様に処理した。
比較例1〜7におけるLEDおよびワイヤを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M3を表1にそれぞれ示す。
<40℃で保存した封止シートによって封止/時間T:24時間>
実施例18〜23
Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tを、1分間から24時間に変更し、かつ、搬送エリアにおける温度を室温(25℃)から40℃に変更した以外は、実施例1〜6と同様に処理した。
実施例18〜23におけるLEDおよびワイヤを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M4を表1にそれぞれ示す。
<40℃で保存した封止シートによって封止/時間T:36時間>
比較例8〜13
Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tを、1分間から36時間に変更し、かつ、搬送エリアにおける温度を室温(25℃)から40℃に変更した以外は、実施例1〜6と同様に処理した。
比較例8〜13におけるLEDおよびワイヤを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M5を表1にそれぞれ示す。
<−15℃で保存した封止シートによって封止/時間T:24時間>
実施例24〜30
Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tを、1分間から24時間に変更し、かつ、搬送エリアにおける温度を室温(25℃)から−15℃に変更した以外は、実施例1〜5、7および9と同様に処理した。
実施例24〜30におけるLEDおよびワイヤを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M6を表1にそれぞれ示す。
<−15℃で保存した封止シートによって封止/時間T:36時間>
比較例14〜20
Bステージの封止シートを製造して(Bステージ化して)からLEDおよびワイヤを封止(埋設)するまでの時間Tを、1分間から36時間に変更し、かつ、搬送エリアにおける温度を室温(25℃)から−15℃に変更した以外は、実施例1〜5、7および9と同様に処理した。
比較例14〜20におけるLEDおよびワイヤを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M7を表1にそれぞれ示す。
<評価>
[ワイヤの変形の有無]
実施例1〜30および比較例1〜20のワイヤを観察したところ、比較例6、7、12、13および20については、ワイヤの変形が認められた。
一方、実施例1〜30および比較例1〜5、8〜11および14〜19については、ワイヤの変形が認められなかった。
表1に製造例、実施例および比較例の物性および評価結果を示す。
Figure 2014209545
<表の説明>
表1の縦欄は、製造例で製造した封止シートを保存して用いた実施例および/または比較例を示し、左端欄に記載した条件で保存した後の圧縮弾性率を記載する。
<考察1>
(1) 封止シートの圧縮弾性率とワイヤの変形
(1−1) 圧縮弾性率の上限値
実施例1〜30および比較例1〜20の評価結果から、LEDを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M1〜M7)が0.160MPaを超えれば(比較例6、7、12、13および20)、ワイヤに変形を生じ、0.160MPa以下であれば(実施例1〜30および比較例1〜5、8〜11および14〜19)、ワイヤに変形を生じないことが分かった。
従って、ワイヤに変形を生じさせることなく封止できる、LEDを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M1〜M7)の上限は、0.160MPaであることが分かった。
(1−2) 圧縮弾性率の下限値
製造例1の製造直後のBステージの封止シートの25℃における圧縮弾性率M0が0.040MPaであり、この圧縮弾性率M0より低い圧縮弾性率であれば、封止シートの形状確保ができないことが分かった。そうすると、実施例1であって、具体的には、製造例1の製造直後のBステージの封止シートを、常温で1分間保存し、その後、LEDを封止(埋設)した時点の封止シートの25℃における圧縮弾性率(M2)の下限値は、0.040MPaであることが分かった。
(2) 製造直後の封止シートの圧縮弾性率
実施例11〜17は、LEDを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M2)が、0.055MPa〜0.160MPaの範囲にあって、これを用いてLEDを封止しても、ワイヤに変形を生じない。
実施例11〜17のそれぞれは、製造直後のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M0)が0.040MPa〜0.145MPaの範囲にある製造例1〜8のそれぞれを、25℃で24時間保存した後、かかるBステージの封止シートによって、LEDを封止している。
従って、製造直後のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M0)を、0.040〜0.145MPaの範囲に設定すれば、製造後、常温で24時間保存され、その後、これによってLED4を封止しても、ワイヤの変形を防止することができることが分かった。
(3) (速硬化性の封止シート)
実施例11の封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M2)は、製造例1の製造直後のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M0)に対して、0.015MPa高い(ΔM=M2−M0)。つまり、製造された封止シートは、25℃で24時間保存されることによって、圧縮弾性率が0.015MPa(ΔM)上昇する。
一方、実施例17の封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M2)0.160MPaは、製造例1の製造直後のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M0)0.040MPaに対して、圧縮弾性率が0.120MPa高い。そうすると、ワイヤに変形を生じさせることなく封止できる、LEDを封止(埋設)した時点のBステージの封止シートの圧縮弾性率(M2)の上限が0.160MPaであることを考慮すれば、製造直後の圧縮弾性率(M0)が0.040MPa(製造例1)で、かつ、封止(埋設)した時点の圧縮弾性率(M2)が0.160MPa(実施例17)となるような速硬化性の封止シートを選択することもできる。換言すれば、ワイヤに変形を生じさせることなく封止でき、シート製造工程で製造された速硬化性の封止シートを25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量ΔMの上限は、0.120MPaであることが分かった。
(4) (速硬化性の封止シートを用いるときのLED装置の製造効率)
25℃における圧縮弾性率の増加量ΔMが0.120MPaである速硬化性の封止シートを用いる場合には、150℃の加熱条件でCステージにするための時間は、下記式によって、15分間と算出される。
2[時間]×0.015[MPa/2時間]/0.120[MPa/2時間]=0.25[時間](=15分間)
そのため、封止シートが速硬化性である場合には、Cステージにかかる時間を8倍(=2[時間]/0.25[時間])短縮することができる。つまり、Cステージにかかる時間の短縮によって、LED装置の製造効率を大きく向上させることができることが分かった。
[冷却された封止シートの室温への戻し]
参考例1
製造直後の製造例1の封止シートを、図6に示す蓋付容器17に収容し、かかる蓋付容器17を上下方向に5段積み重ね、これら蓋付容器17を、アルミニウム製のパウチ(保存袋)に収容した。その後、かかるパウチを−15℃の冷凍庫に3.5時間保存した。その後、これを、冷凍庫から取り出し、次いで、20℃、相対湿度37%の雰囲気下にあるステンレス台の上に所定時間載置した。つまり、封止シートを室温に戻した。また、このときの、パウチ内の封止シートの表面温度を測定した。
封止シートの表面温度と、蓋付容器をステンレス台に載置してからの経過時間との関係を図11に示す。
[結果]
図11から分かるように、冷却されたパウチ内の封止シートの表面温度を、室温に戻すのに要する時間は、3時間であった。
また、表面温度が室温に戻された封止シートの表面には、結露が観察されなかった。
参考例2
冷凍庫から取り出したパウチから、蓋付容器17を取り出し、かかる収容器をそのまま20℃、相対湿度37%の雰囲気下にあるステンレス台の上に3時間載置した以外は、参考例1と同様に処理した。
[結果]
表面温度が室温に戻された封止シートの表面には、結露が観察された。
<考察2>
(冷凍状態から室温に戻すまでの時間)
冷凍庫で冷却された封止シートの表面温度を、結露を生じることなく、室温(つまり、封止工程に供給する温度)に戻す際には、「パウチ内に収容したままの状態」で、室温で保存する必要があることが分かった。
さらに、パウチ内に収容した封止シートの表面温度を室温に戻すのに要する時間は、「3時間」であることが分かった。つまり、LED装置の製造効率が著しく低下することが分かった。
1 封止シート
4 LED
5 LED装置
61 封止層

Claims (6)

  1. 封止層によって光半導体素子を封止して、光半導体装置を製造する光半導体装置の製造方法であり、
    前記封止層を製造する封止層製造工程、および、
    前記封止層によって前記光半導体素子を封止する封止工程
    を備え、
    前記封止層製造工程において前記封止層を製造してから、前記封止工程において前記封止層によって前記光半導体素子を封止するまでの時間が、24時間以下であることを特徴とする、光半導体装置の製造方法。
  2. 前記封止層製造工程で製造された前記封止層を、室温で搬送して、前記封止工程に供給することを特徴とする、請求項1に記載の光半導体装置の製造方法。
  3. Bステージの封止シートによって前記光半導体素子を封止して、前記光半導体装置を製造する光半導体装置の製造方法であり、
    前記封止層製造工程は、Bステージの前記封止シートを製造するシート製造工程であり、
    前記封止工程では、Bステージの前記封止シートによって前記光半導体素子を封止し、
    前記シート製造工程においてBステージの前記封止シートを製造してから、前記封止工程においてBステージの前記封止シートによって前記光半導体素子を封止するまでの時間が、24時間以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光半導体装置の製造方法。
  4. 前記シート製造工程で製造されたBステージの前記封止シートの25℃における圧縮弾性率が、0.040MPa以上、0.145MPa以下であることを特徴とする、請求項3に記載の光半導体装置の製造方法。
  5. 前記シート製造工程で製造されたBステージの前記封止シートを25℃で24時間保存したときの、25℃における圧縮弾性率の増加量が、0.015MPa以上、0.120MPa以下であることを特徴とする、請求項3または4に記載の光半導体装置の製造方法。
  6. Aステージの封止層によって前記光半導体素子を封止して、前記光半導体装置を製造する光半導体装置の製造方法であり、
    前記封止層製造工程では、Aステージの前記封止層を製造し、
    前記封止工程では、Aステージの前記封止層によって前記光半導体素子を封止し、
    前記封止層製造工程においてAステージの前記封止層を製造してから、前記封止工程においてAステージの前記封止層によって前記光半導体素子を封止するまでの時間が、24時間以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光半導体装置の製造方法。
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