JP2017206678A - シリコーン樹脂フィルムおよびその製造方法、並びに半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

シリコーン樹脂フィルムおよびその製造方法、並びに半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、金属触媒を含まず、未硬化状態での保存安定性が高い硬化型のオルガノポリシロキサン組成物を硬化してフィルムを製造する方法を提供すること、及び耐熱性及び信頼性を高めたシリコーン樹脂フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを製造する方法であって、該オルガノポリシロキサン組成物は金属触媒を含まず、前記製造方法は下記工程1)〜3)を含み、1)触媒活性を有する膜1枚の上にて、または2枚の間にて、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の少なくとも1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせる工程、2)次いで、前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを得る工程、及び3)得られたシリコーン樹脂フィルムと前記膜とを剥離する工程前記触媒活性を有する膜が、膜の表面、又は、膜の表面及び内部に触媒を有することを特徴とする、前記製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン樹脂フィルム及びその製造方法に関する。より詳細には、触媒を含まない硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを製造する方法に関する。また、本発明は、金属触媒を実質的に含まないシリコーン樹脂フィルムに関する。
さらに本発明は、前記触媒を含まない硬化型オルガノポリシロキサンの膜状硬化物を備える半導体デバイスの製造方法に関する。
LEDは現代社会の様々な分野で利用されており、需要はますます広がりを見せている。特に白色LEDは携帯電話や小型照明だけでなく、一般照明や大型ディスプレイなど非常に幅広く使用されるようになった。この白色LEDを製造する方法として、一般的には青色LEDに450nmの光を励起するYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)と呼ばれる蛍光体を用いる方式と、3in1とよばれる赤・緑・青色LEDを同時に発光させる方式が知られている。上記の青色LEDと蛍光体を用いる方式は3in1方式に比べ、LED数やワイヤー数が少ないために安価で製造できることから、様々なLEDに対してこの方式が用いられている。
しかし、YAGなどの蛍光体が混合された液状シリコーン封止材でLEDデバイスを封止して熱硬化する際に、加熱により液状封止材が低粘度化するため、封止材内の蛍光体が沈降してしまい、LEDの色ばらつきが大きくなってしまうことが問題となっていた。その対策として、蛍光体層と透明層を設けた半固体または固体状のフィルムをチップに貼りあわせることで色バラツキを改善することが提案されている(特許文献1)。
電子材料関連材料は使用基材の最小化、微細パターン化、高耐熱、高耐衝撃などが要求されており、現在は様々な樹脂が使用されている。基材の最小化に伴い、封止材やコート材に含まれる微量の金属触媒が、熱や光などによる変色、信頼性低下の原因のひとつになっている。また、フォトカプラ、CCD、CMOSといった光学センサなどは、センサの微細化、高性能化に伴い、耐熱・耐光性・耐衝撃性などの信頼性も重視され、従来のセンサなどをガラスで封止しただけではクラックが発生するなどの問題も起こっている。
特許文献4には層状ホットメルトシリコーン組成物を用いてセンサなどの材料を圧縮成形などで成形し製造する方法が記載されている。しかし実際は付加反応触媒が使用されており、耐熱・耐光特性のさらなる向上を達成することは困難であった。特許文献5には、ポリシラザンを含有し、真空紫外線照射処理をすることによりガスバリア層を設けることが記載されているが、ガスバリア層はそれほど厚くすることができず、ポリマーの柔軟性に問題があった。特許文献6には熱膨張性微小球を含有した粘着層にチップを搭載し、保護物質で被覆し、粘着層を剥離しダイシングするというチップサイズパッケージの製造方法が記載されている。しかし粘着層が必要で、熱硬化性樹脂には必ず触媒が入っており、耐熱性向上達成は困難であった。
特開2013−159003号公報 特表2014−519964号公報 特表2015−511164号公報 特表2016−508290号公報 特開2015−186922号公報 WO2013/011850号公報
特許文献1に記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物のように、従来の熱硬化性シリコーン樹脂組成物は金属触媒を含有する。そのため、得られる硬化物中には金属触媒が残ってしまう。該硬化物は、耐熱変色性や信頼性が十分ではなく、これらの問題は硬化物中に残る触媒の量に依存していることがわかった。そのため、硬化物の原料である熱硬化性シリコーン樹脂組成物中に含まれる金属触媒量の低減が課題となっている。また、金属触媒含有のシリコーン樹脂組成物は、一液タイプの場合には徐々に反応性が変化して経時変化を生じるために保存安定性が悪い。また、二液タイプの場合は、混合してフィルム状に成形する際にボイドが発生しやすいという問題も有する。
さらに、低ガス透過性を有するポリシラザンやアクリレートを用いた化合物では樹脂の柔軟性や耐熱変色性に問題があった。
本発明は上記事情に鑑み、金属触媒を含まず、未硬化状態での保存安定性が高い硬化型のシリコーン樹脂組成物を硬化してフィルムを製造する方法を提供すること、及び耐熱性及び信頼性を高めたシリコーン樹脂フィルムを提供することを目的とする。さらに本発明は前記シリコーン樹脂組成物を基板に貼りあわせて硬化する工程を含む、耐熱性及び信頼性を高めたシリコーン含有デバイスを提供することを目的とする。
特表2014−519964号公報(特許文献2)及び特表2015−511164号公報(特許文献3)には、無機/有機ポリマーハイブリッド材料の表面及び内部に金属触媒が固定された触媒活性を有する触媒材料、特には触媒膜が記載されている。該触媒膜は溶媒及び気体に対して浸透性があり、溶液中または液体・気体二相系中での化学反応を触媒するために使用可能であると記載されている。特許文献2及び3には、上記触媒膜を固体中での反応に使用すること、あるいは反応が進むにつれて反応系が固体化する反応へ使用することは記載されていない。
本発明者らは、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化する触媒として、上記のような金属触媒が固定された触媒活性を有する膜(以下、触媒膜という)を使用することを鋭意検討したところ、触媒を含まない硬化型オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形し、触媒膜に貼り合せて加熱硬化すると、オルガノポリシロキサン組成物が硬化してフィルム状成形物を与えることを見出した。さらに、触媒膜をフィルム状成形物から剥離することにより、含まれる金属触媒量が極めて少ないシリコーン樹脂フィルムを提供できることを見出し、本発明を成すに至った。
さらに本発明者らは、触媒を含まない硬化性オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形し、触媒膜に貼り合せた後、硬化性オルガノポリシロキサン組成物面を半導体デバイスに貼り合せて加熱硬化した後、触媒膜をフィルム状成形物から剥離し、ダイシングすることにより、含まれる金属触媒量が極めて少ない半導体デバイスを提供できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを製造する方法であって、該オルガノポリシロキサン組成物は金属触媒を含まず、
前記製造方法は下記工程1)〜3)を含み、
1)触媒活性を有する膜1枚の上にて、または2枚の間にて、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の少なくとも1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせる工程、
2)次いで、前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを得る工程、及び
3)得られたシリコーン樹脂フィルムと前記膜とを剥離する工程
前記触媒活性を有する膜が、膜の表面、又は、膜の表面及び内部に触媒を有することを特徴とする、前記製造方法を提供する。
また、本発明は
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を備える半導体デバイスの製造方法であって、該オルガノポリシロキサン組成物は金属触媒を含まず、
前記製造方法は下記工程1)〜4)を含み、
1)触媒活性を有する膜1枚の上に、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせて膜状積層物を得る工程、
2)次いで、前記工程1)で得た膜状積層物の組成物面と、半導体チップが搭載された基板の半導体チップ搭載面とを貼り合せて、半導体チップを前記オルガノポリシロキサン組成物で被覆する工程、
3)次いで、前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化する工程、及び
4)次いで、前記硬化物と前記触媒膜とを剥離して、前記硬化物で半導体チップが被覆された半導体デバイスを得る工程、
前記触媒活性を有する膜が、膜の表面、又は、膜の表面及び内部に触媒を有することを特徴とする、前記半導体デバイスの製造方法を提供する。
該製造方法はさらに、上記工程4)の後に、得られた半導体デバイスをダイシングして個片化する工程を含むことが出来る。
また本発明は、硬化型オルガノポリシロキサン組成物がさらに、(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを、該(A)成分中のアルケニル基の個数に対する上記(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含む、前記シリコーン樹脂フィルム及び半導体デバイスの製造方法を提供する。
さらに本発明は、(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含み、且つ、金属触媒を含まないオルガノポリシロキサン組成物の硬化物から成るシリコーン樹脂フィルムであって、該硬化物中に含まれてよい金属触媒の量が硬化物全体の質量に対し金属質量換算として0.1ppm未満である、シリコーン樹脂フィルムを提供する。
また本発明は、(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含み、さらに(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを、該(A)成分中のアルケニル基の個数に対する上記(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含み、且つ、金属触媒を含まないオルガノポリシロキサン組成物の硬化物から成るシリコーン樹脂フィルムであって、該硬化物中に含まれてよい金属触媒の量が硬化物全体の質量に対し金属質量換算として0.1ppm未満である、シリコーン樹脂フィルムを提供する。
本発明の製造方法では、オルガノポリシロキサン組成物中に金属触媒を含まないため、組成物の硬化時、組成物を未硬化状態で保管する時に、経時で物性変化が起こりにくい。そのため組成物の保存安定性が向上する。また、得られるシリコーン樹脂フィルム中に含まれる金属触媒量が極めて少なく、特には金属触媒を実質的に含有しないため、該シリコーン樹脂フィルムを長期間保管しても経時変化が起こりにくく、信頼性の高い樹脂フィルムを提供できる。さらに該樹脂フィルムは高耐熱性を有することができる。さらに前記オルガノポリシロキサン組成物の膜状硬化物を備える半導体デバイスも耐熱性に優れ、信頼性の高い半導体デバイスを提供できる。
硬化性オルガノポリシロキサン組成物の膜状成形物と触媒膜とからなる積層物の模式図である。 フリップチップが搭載された半導体デバイスを本発明のオルガノポリシロキサン組成物で封止する態様を示す模式図である。 ワイヤ付半導体デバイスを本発明のオルガノポリシロキサン組成物で封止する態様を示す模式図である。 本発明の半導体デバイス製造方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化して樹脂フィルムを製造する方法であり、該オルガノポリシロキサン組成物が金属触媒を含んでいないこと、硬化触媒として、触媒活性を有する膜(以下、触媒膜という)を使用することを特徴とする。該触媒膜は、膜の表面、又は、膜の表面及び内部にヒドロシリル化反応触媒を有するものである。以下、触媒膜について詳細に説明する。
[触媒膜]
本発明の製造方法で使用される触媒膜とは、触媒が膜の表面に固定されている、又は、膜の表面に固定され及び膜の内部に包埋されている、触媒活性を有する膜である。触媒は膜を構成する支持材料により固定されており、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)またはその誘導体、ポリイミド、ポリエチレン、再生セルロース等の有機ポリマーをベースにした膜を使用することができる。特に好ましくは、無機酸化物と、水酸基を有する有機ポリマーのハイブリッド化合物を含む膜である。無機酸化物は水酸基を介して有機ポリマーと化学結合することができ、触媒は該ハイブリット化合物に固定される。該触媒膜としては、特には、特表2014−519964号公報(特許文献2)及び特表2015−511164号公報(特許文献3)に記載されるものを使用できる。以下、更に詳細に説明する。
ハイブリッド化合物を構成する無機酸化物は、ケイ酸化合物やジルコン酸化合物であることが好ましい。ケイ酸化合物は、ケイ酸およびその誘導体、またはケイ酸を主成分として含有する任意の化合物を意味する。ジルコン酸化合物は、ジルコン酸およびその誘導体、またはジルコン酸を主成分として含有する任意の化合物を意味する。特に好ましくはジルコン酸化合物である。また、ケイ酸化合物及びジルコン酸化合物は、その特性が損なわれない範囲で、他の元素を含んでいてもよく、及び/または添加物を含んでいてもよい。
水酸基を有する有機ポリマーは、水溶性ポリマーが好ましく、特に好ましくはポリビニルアルコールである。その他のポリマーとしては、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィンポリマー、ポリアクリルポリマー、酸化ポリエチレンおよび酸化ポリプロピレンなどのポリエーテルポリマー、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルポリマー、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニリデンなどのフッ素ポリマー、メチルセルロースなどの糖鎖化合物、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリスチレンポリマー、ポリカーボネートポリマー、エポキシ樹脂ポリマーが挙げられる。これらは混合して使用してもよい。また、該触媒膜の特性を損ねない範囲で、他の有機および無機添加物をハイブリッド化合物に混合したものであってもよい。
触媒は、金属単体または金属化合物である。例えば、白金族金属又は白金族金属化合物であり、白金族金属系触媒である白金系、パラジウム系、及びロジウム系触媒が好適に使用できる。コスト等の見地から白金系やパラジウム系触媒であることがよく、これら金属の金属微粒子触媒、またはこれら金属元素を含む金属化合物触媒を用いることができる。より詳細には、白金族金属化合物としては、例えば、HPtCl・mHO、KPtCl、KHPtCl・mHO、KPtCl、KPtCl・mHO、PtO・mHO(mは、正の整数)が挙げられる。これらの他に、前記白金族金属化合物とオレフィン等の炭化水素、アルコールまたはビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を用いることができ、パラジウム系触媒であればPdClなどが挙げられる。上記触媒は単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。触媒膜中、上記触媒の量は、金属換算で触媒膜全体の重量に対して0.0001〜10wt%、好ましくは0.1〜10wt%が好ましい。金属粒子触媒は、直径0.5〜500nmを有するものがよい。
触媒膜の製造方法は、例えば、特表2014−519964号公報(特許文献2)及び特表2015−511164号公報(特許文献3)に記載される方法に従えばよい。また市販品として、例えば、無機酸化物/ポリビニルアルコールハイブリッド化合物にパラジウムを固定した触媒膜(商品名:Pd−iObrane(登録商標)、ニッポン高度紙工業株式会社製)を使用できる。
本発明は、上記触媒膜を使用して、触媒を含まない硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化する。該オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形して上記触媒膜と接触させ、加熱することにより、触媒膜の表面で硬化反応が促進され、硬化物を与える。反応中、膜状態の触媒を使用することにより触媒金属粒子の凝集を防止し、触媒活性が一定になる。また、触媒膜に触媒が強力に固定されているため、反応中、触媒が組成物中に移行することは抑制される。そのため、硬化後に該触媒膜を剥離することで、硬化物中に含まれる金属触媒量をきわめて低いものとすることができる。すなわち、本発明の製造方法によれば、硬化物中に含まれる金属触媒量が金属質量換算で0.1ppm未満であるシリコーン樹脂フィルムを提供でき、特には、金属触媒を実質的に含まないシリコーン樹脂フィルムを与えることができる。
[オルガノポリシロキサン組成物]
本発明の製造方法により硬化されるオルガノポリシロキサン組成物には二つの態様がある。第一の態様は、下記(B)成分を単独で含み、脱水素縮合により硬化する組成物である。第二の態様は、下記(A)成分と(B)成分を含み、付加反応により硬化する組成物である。尚、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は上記の通り金属触媒を含まない。
(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
(A)成分は、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノポリシロキサンである。(A)成分は、従来公知のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであればよい。
好ましくは、下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである。
Figure 2017206678
(式中、Rは炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基であり、Rは置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜10の環状脂肪族炭化水素基であり、Rは炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa≧0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有し、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である)
上記式(1)中、R:炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基やベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、ベンジル基などが好ましく、特にフェニル基が好ましい。R:炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基が挙げられる。R:炭素数3〜10の環状脂肪族炭化水素基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が好ましく、メチル基、シクロヘキシル基が特に好ましい。また、Rは、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、またはシアノ基等で置換したものを用いてもよく、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、及びシアノエチル基が挙げられる。R:炭素数2〜8のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基などが挙げられる。中でも、ビニル基、及びアリル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。Xにおける炭素数1〜8の一価炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましくは、メチル基又は水素原子である。
なお、上記アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、少なくとも1個の1価芳香族炭化水素基を有することが好ましく、特には式(1)中のR、R及びRの全個数に対する1価芳香族炭化水素基(R)の個数の割合が、20〜50%であることが好ましく、更には30〜50%が好ましい。1価芳香族炭化水素基がこの範囲内にあることで、得られる組成物が25℃で固体または半固体状態となるため好ましい。尚、本発明において半固体とは、15〜30℃の温度を室温として、可塑性を持ちながら流動性を持たない性質を有し、温度・応力・ゆがみなどの外部からのストレスによって液体または固体の性質を呈するという状態をいう。
また、上記式(1)において、aは好ましくは0〜0.5、より好ましくは0.05〜0.5、さらには0.1〜0.5の数であり、bは好ましくは0.1〜0.7、より好ましくは0.15〜0.65の数であり、cは好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.015〜0.5、さらには0.02〜0.5の数であり、dは好ましくは0.001〜0.2、より好ましくは0.001〜0.15の数である。ただし、a+b+c+d=1〜2である。
(A)成分は、直鎖、分岐、環状、及び網目状構造のいずれを有していても良く、RSiO2/2単位(D単位)、RSiO1/2単位(M単位)、RSiO3/2単位(T単位)、及びSiO4/2単位(Q単位)のいずれから構成されていてもよい。Rは、R、R、R、又はOX基である。得られる組成物が25℃で半固体状または固体状を有するためには、T単位又はQ単位を少なくとも有するのがよい。特には、T単位、M単位、及びD単位から成り、直鎖構造(連続するD単位)を有するシリコーンレジンが好ましい。該オルガノポリシロキサンは少量のQ単位を含んでいてもよい。(A)成分において、RSiO2/2で示されるシロキサン単位(D単位)のうち30モル%以上99モル%以下、好ましくは50モル%以上99モル%以下が連続しており、その連続したシロキサン単位の数が5〜50個、好ましくは5〜40個、更に好ましくは8〜40個であるのが好ましい。これにより25℃で固体または半固体状態である組成物が適度な温度で溶融するため、該組成物からなる膜状成形物を触媒膜に貼り合わせる際に扱い易くなる。分子中、アルケニル基が結合するケイ素原子の位置は特に制限されない。
該オルガノポリシロキサンは、重量平均分子量が2,000〜100,000であることが好ましく、特に5,000〜80,000であることが好ましい。なお、本発明中で言及する重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量である。該重量平均分子量は特には、下記条件により測定される。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
[(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(B)成分は、1分子中に少なくとも2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、該成分中のケイ素原子に結合した水素原子(以下、SiH基)と成分(A)中のアルケニル基とが付加反応することにより硬化する。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有すればよく、SiH基を3個以上有するものが好適に用いられる。
(B)成分は、好ましくは下記平均組成式(2)で表される。
Figure 2017206678
(式中、R、R及びXは上記のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe≧0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する)
上記式(2)において、Rは炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基であり、上記(A)のために例示したものが挙げられる。例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。上記式(2)において、Rは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜7の、置換又は非置換の、一価炭化水素基であるのがよい。このようなRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、及びシアノエチル基等が挙げられる。中でもメチル基が好ましい。上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、少なくとも1個の1価芳香族炭化水素基を有することが好ましく、特には式(2)中の全R及びRの全個数に対する1価芳香族炭化水素基(R)の個数の割合が、20〜50%であることが好ましく、更には30〜50%が好ましい。1価芳香族炭化水素基がこの範囲内にあることで、得られる組成物が25℃で固体または半固体状態となるため好ましい。
上記式(2)において、eは好ましくは0〜1.5の数であり、fは好ましくは0<f≦0.85の数であり、gは好ましくは0<g≦0.5の数であり、hは好ましくは0<h≦0.1の数であり、但しe+f+g+h=1〜2を満たす数である。分子中ヒドロシリル基の位置は特に制限されず、分子鎖の末端であっても途中であってもよい。
(B)成分は、直鎖、分岐、環状、及び網目状構造のいずれを有していても良く、RSiO2/2単位(D単位)、RSiO1/2単位(M単位)、RSiO3/2単位(T単位)、及びSiO4/2単位(Q単位)のいずれから構成されていてもよい。Rは、R、R、水素原子、又はOX基である。得られる組成物が25℃で半固体状または固体状を有するためには、T単位又はQ単位を少なくとも有するのがよい。特には、T単位、M単位、及びD単位から成り、直鎖構造(連続するD単位)を有すシリコーンレジンが好ましい。該オルガノポリシロキサンは少量のQ単位を含んでいてもよい。(B)成分において、RSiO2/2で示されるシロキサン単位(D単位)のうち30モル%以上99モル%以下、好ましくは50モル%以上99モル%以下が連続しており、その連続したシロキサン単位の数が5〜50個、好ましくは5〜40個、更に好ましくは8〜40個であるのが好ましい。
また、他のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とから成る共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とから成る共重合体等が挙げられる。
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、重量平均分子量が1,000〜200,000であることが好ましく、特に2,000〜100,000であることが好ましい。該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量である。測定条件は上記した通りである。
上記(B)成分は単独で、上記触媒膜存在下で、脱水素縮合反応して硬化することができる。該(B)成分を(A)成分と共に使用する場合、すなわち、オルガノポリシロキサン組成物が付加反応硬化型である場合、該組成物中の(B)成分の量は、上記(A)成分中のアルケニル基の個数に対する、(B)成分中のSiH基の個数比が、通常0.5〜8となるような量、好ましくは0.7〜5となるような量である。
[(C)接着助剤]
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、接着性を付与するため、上記した(A)及び(B)成分以外に接着助剤を含有してよい。接着助剤としては、例えば、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子、アルケニル基から選ばれる置換基の1種以上と、ヒドロキシシリル基、アルコキシ基、エポキシ基又は窒素原子を含有する置換基の1種以上を有するオルガノシロキサンオリゴマーが挙げられる。該オルガノシロキサンオリゴマーは、ケイ素原子数4〜50個であることが好ましく、より好ましくは4〜20個である。なお、上記(A)、(B)成分とは、ヒドロキシシリル基、アルコキシ基、エポキシ基あるいは窒素原子を含有する置換基を含む点で相違するものである。
接着助剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びそのオリゴマーが挙げられる。
また、他の接着助剤として、下記一般式(3)で示されるオルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物、及びその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)を使用することができる。
Figure 2017206678
上記式(3)中、R4は互いに独立に、下記一般式(4)で示される有機基、又は酸素原子を有していてもよい一価脂肪族不飽和炭化水素基である。但し、R4の少なくとも1個は下記式(4)で示される基である。
Figure 2017206678
(式中、R5は水素原子又は炭素数1〜6のメチル基、エチル基等の一価炭化水素基であり、tは2〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数である。)
上記式(4)において、R4で示される酸素原子を有していてもよい一価脂肪族不飽和炭化水素基としては、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜6の、直鎖状又は分岐状のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−メチルプロペニル基や、(メタ)アクリル基等が挙げられる。例えば、下記式で表すことができる。
Figure 2017206678
(mは2〜10の整数である)
他の接着助剤としては、分子中にエポキシ基を少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。該オルガノポリシロキサンは従来公知の化合物であればよい。例えば、下記一般式(5)又は平均式(6)で示されるオルガノシロキサンが挙げられる。中でも、下記一般式(5)で示される化合物を含む組成物は、硬化後の触媒膜との剥離性が他の接着助剤より良好であるため好ましい。
Figure 2017206678
(式(5’)中、Rは互いに独立に、炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、vは2〜7の整数である。好ましくは、Rが全てメチル基であり、vが3である化合物である)
Figure 2017206678
(式(6)中、Rは置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜10の環状脂肪族炭化水素基であり、上記(A)の為に記載したRで示される基の選択肢が挙げられる、kは1〜3であり、jは1〜2である。s、p、及びqは合計1となる正数であり、例えばs=0.2、p=0.5、及びq=0.3である。該化合物は重量平均分子量1,000〜8,000を有する)
接着助剤を配合する場合の配合量は、(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部、特に好ましくは0.2〜5質量部である。配合量が上記上限値以下であれば硬化物硬度が高いものとなり、表面タック性も抑えられる。
また、接着助剤を配合する場合の配合量として、本接着助剤を含む全組成物中のアルケニル基の合計個数に対して、全組成物中のヒドロシリル基の合計個数の比が0.4〜4となる量が好ましく、0.6〜3となる量がより好ましく、0.8〜2となる量が更に好ましい。
更に(A)、(B)成分の合計100質量部に対して接着助剤成分の割合は0.01〜10質量部であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。この範囲内であれば、本発明の効果を損なうことなく、接着力を向上することができる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物には、上述した(A)、(B)、(C)成分以外に、必要に応じて、蛍光体、無機充填材及び硬化抑制剤等を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
[蛍光体]
蛍光体は、特に制限されるものでなく、従来公知の蛍光体を使用すればよい。例えば、半導体素子、特に窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであることが好ましい。このような蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属硫化物蛍光体、アルカリ土類金属チオガレート蛍光体、アルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体蛍光体、Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等から選ばれる1種以上であることが好ましい。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体としては、M2Si58:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。また、MSi710:Eu、M1.8Si50.28:Eu、及びM0.9Si70.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などが挙げられる。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体としては、MSi222:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体としては、M5(PO43X’:R’(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。X’は、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。R’はEu及びMnのいずれか1以上である。)が挙げられる。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体としては、M259X’:R’(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。X’は、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。R’はEu及びMnのいずれか1以上である。)が挙げられる。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体としては、SrAl24:R’、Sr4Al1425:R’、CaAl24:R’、BaMg2Al1627:R’、BaMg2Al1612:R’、及びBaMgAl1017:R’(R’はEu及びMnのいずれか1以上である。)が挙げられる。
アルカリ土類金属硫化物蛍光体としては、La22S:Eu、Y22S:Eu、及びGd22S:Euなどが挙げられる。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体としては、Y3Al512:Ce、(Y0.8Gd0.23Al512:Ce、Y3(Al0.8Ga0.2512:Ce、及び(Y,Gd)3(Al,Ga)512の組成式で表されるYAG系蛍光体が挙げられる。また、Yの一部もしくは全部をTb、Lu等で置換したTb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、Zn2GeO4:Mn、MGa24:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などが挙げられる。
上記蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることができる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%で、CaCO3をCaOに換算して20〜50モル%、Al23を0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物又は遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体である。なお、オキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体では、窒素含有量が15モル%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光ガラス中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体を使用することもできる。
本発明に用いる蛍光体は、平均粒径10nm以上を有することが好ましく、より好ましくは10nm〜10μm、更に好ましくは10nm〜1μmを有するのがよい。上記平均粒径は、シーラスレーザー測定装置などのレーザー光回折法による粒度分布測定で測定される。
蛍光体を配合する場合の配合量は、蛍光体以外の成分、例えば(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して、0.1〜2,000質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜100質量部である。本発明のオルガノポリシロキサン組成物の硬化物を蛍光体含有波長変換フィルムとする場合は、蛍光体の含有量を10〜2,000質量部とするのが好ましい。
[無機充填材]
無機充填材としては、例えば、シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、及び酸化亜鉛等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
無機充填材を配合する場合の配合量は特に制限されないが、本発明のシリコーン樹脂フィルムが透明性を失わない程度の量であることが好ましい。(A)及び(B)成分の合計100質量部あたり20質量部以下、好ましくは0.1〜10質量部の範囲で適宜配合すればよい。
[その他の添加剤]
本発明のオルガノポリシロキサン組成物には、上記成分のほかに、その他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、ラジカル禁止剤、難燃剤、界面活性剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤、有機溶剤等が挙げられる。これらの任意成分は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物の最も単純な実施形態は、(B)成分のみ、又は、(A)及び(B)成分からなる組成物である。なお、高い透明性を有する硬化物を得るためには、前記無機充填材を含有しないことが好ましい。本発明のオルガノポリシロキサン組成物の調製方法は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよく、上記(A)、(B)成分、及びその他の任意成分を任意の方法により混合して調製すればよい。例えば、市販の攪拌機(THINKY CONDITIONING MIXER(株)シンキー製)等に入れて、1〜5分間程度、均一に混合することによって調製することができる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物の性状は、液状、半固体状、固体状のいずれでもよいが、25℃で固体状であれば、硬化前でも樹脂の流動性が非常に低いため、硬化前後での形状維持が容易であり好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、高い光透過性を有する硬化物を与えることができる。従って、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、LED素子封止用、特に青色LEDや紫外LEDの素子封止用として有用である。本発明のオルガノポリシロキサン組成物でLED素子等を封止する方法は従来公知の方法に従えばよい。例えば、ディスペンス法、及びコンプレッションモールド法などが使用できる。
[製造方法I.シリコーン樹脂フィルムの製造方法]
以下、シリコーン樹脂フィルムの製造方法について、さらに詳細に説明する。
本発明の製造方法I.は、下記工程(1)〜(3)を含む。
(1)触媒活性を有する膜1枚の上にて、または2枚の間にて、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の少なくとも1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせる工程、
(2)次いで、前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを得る工程、及び
(3)得られたシリコーン樹脂フィルムと前記膜とを剥離する工程
製造方法I.の工程(1)
オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する方法は、従来公知の方法に従えばよく、例えばフィルムコーター、熱プレス機等を使用することができる。フィルムコーターとしては、ダイレクトグラビアコーター、チャンバードクターコーター、オフセットグラビアコーター、ロールキスコーター、リバースキスコーター、バーコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、スロットダイ、エアードクターコーター、正回転ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、含浸コーター、MBコーター、及びMBリバースコーターなどがある。中でもダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、ダイコーターなどが好ましい。熱プレス機を用いる場合は、触媒膜を貼り合せる工程が、組成物の成形前であっても成形後であってもよい。フィルムコーターを用いる場合は、フィルム状に成形した後に触媒膜を貼り合せることが好ましい。
また、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の触媒膜が貼り合わされていない面に、更に、別の触媒膜を貼りあわせてもよい。
膜状に成形するオルガノポリシロキサン組成物の厚さは、10〜2,000μmが好ましく、さらには50〜1,000μmがより好ましい。この範囲であれば、触媒膜が有する触媒によって組成物を十分に硬化することができ、硬化不良を起こすことがない。
熱プレス機を用いる場合、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で、0.1〜20MPa、好ましくは0.3〜15MPaの圧力下で、1〜40分間、好ましくは1〜20分間圧縮成形を行う。オルガノポリシロキサン組成物の片面または両面に触媒膜を配置し、熱プレス機を用いて圧縮成形を行っても良い。熱プレス機を用いた場合の、フィルム成形厚さは、得られる硬化物の厚さとして0.01〜3mm、好ましくは0.015〜2mmである。
フィルムコーターを用いる場合は、無溶剤の状態でシート状等に成形してもよいが、該組成物を有機溶媒に溶解してワニスとしてもよい。
前記有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒;オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられ、更にセロソルブアセテート、シクロヘキサノン、ブチロセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、シクロヘキサノール、ジグライム、トリグライムなどの溶剤である。これらの有機溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。ワニス状態の組成物をフィルムコーターで60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で1〜20分間、好ましくは3〜10分間加熱してシート状に加工する。フィルムコーターを用いた場合の、フィルム成形厚さは、得られる硬化物の厚さとして0.01〜1mm、好ましくは0.015〜0.5mmである。
さらには、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の触媒膜が貼り合わされていない面に離型フィルムを貼り合せてもよい。離型フィルムとしてはフッ素系樹脂コートしたPETフィルム、シリコーン樹脂コートしたPETフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどが挙げられる。
製造方法I.の工程(2)
本発明のオルガノポリシロキサン組成物の硬化条件は、脱水素縮合型及び付加反応硬化型のいずれも、特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよい。例えば、60〜180℃、1〜12時間程度で硬化することができる。特には、ステップキュアによって硬化させることが好ましい。ステップキュアでは、例えば以下の2段階を経て行うことができる。まず、オルガノポリシロキサン組成物を60〜100℃の温度で0.5〜2時間加熱し、十分に脱泡させる。次いで、オルガノポリシロキサン組成物を120〜180℃の温度で1〜10時間加熱硬化させる。これらの段階を経ることにより十分に硬化し、気泡の発生がなく、無色透明の硬化物を得ることができる。本発明において無色透明の硬化物とは、1mm厚での450nmにおける光透過率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上であるものを意味する。
製造方法I.の工程(3)
上記工程により形成された硬化物(シリコーン樹脂フィルム)と触媒膜とを剥離することにより、シリコーン樹脂フィルムを得ることができる。本発明の製造方法を用いれば、シリコーン樹脂フィルム中に含まれる金属触媒の量は金属質量換算で0.1ppm未満となり、好ましくは0.05ppm未満となる。上記上限値超になると、未硬化状態で組成物の保存安定性が低下し、また、得られるシリコーン樹脂フィルムの耐熱性及び信頼性も低下する恐れがあるため、好ましくない。
[製造方法II.半導体デバイスの製造方法]
以下、本発明のオルガノポリシロキサン組成物からなる膜状成形物(硬化前の組成物からなる成形物を意味する)を用いた半導体デバイスの製造方法について、さらに詳細に説明する。
本発明の製造方法II.は、下記工程(1)〜(4)を含む。
(1)触媒活性を有する膜1枚の上に、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせて膜状積層物を得る工程
(2)前記工程(1)で得た膜状積層物の組成物面と、半導体チップが搭載された基板の半導体チップ搭載面とを貼り合せて、半導体チップを前記オルガノポリシロキサン組成物で被覆する工程
(3)前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化する工程
(4)前記硬化物と前記触媒膜とを剥離して、前記硬化物で半導体チップが被覆された半導体デバイスを得る工程
さらに本発明の製造方法II.は前記工程(4)の後に(5)得られた半導体デバイスをダイシングし個片化する工程を更に含むことができる。
該製造方法II.による半導体デバイスの製造方法を説明するための模式図を図4に示す。図4に示される各工程(1)〜(5)は上記工程(1)〜(5)に対応している。以下、各工程をより詳細に説明する。
製造方法II.の工程(1)
工程(1)では、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形し、該膜状成型物と触媒膜からなる膜状積層物を得る(図4の工程(1))。膜状に成形する方法及び触媒膜と張り付ける方法は、上記した製造方法I.の工程(1)に記載した通りである。
製造方法II.の工程(2)
前記工程(1)で得た膜状積層物の組成物面と、半導体チップが搭載されている基板の半導体チップ搭載面とを貼り合せて、半導体チップを前記オルガノポリシロキサン組成物で被覆する(図4の工程(2))。該工程は従来公知の方法に従えばよく、熱プレスや真空ラミネータ、圧縮成形などが使用でき、特に追従性から真空ラミネータが望ましい。より詳細には、例えば、成型装置の上型の金属板上に粘着フィルムなどを介して半導体チップが搭載されている基板を粘着させ、成形装置の下型に前記積層物の触媒面を成形面側に載置し、真空ラミネータ(ニッコーマテリアルズ社製 V−130)にて、成形温度50〜150℃、系内の真空度は0.1〜10hPa、真空10秒〜1分、押し込み圧力は0.05〜0.5MPaで成形することができる。
製造方法II.の工程(3)
前記工程(2)で得られるオルガノポリシロキサン組成物で半導体チップが被覆された半導体デバイスを硬化する(図4の工程(3))。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化条件は、上記した製造方法I.の工程(2)に記載した通りである。例えば、60〜180℃の温度で、1〜12時間加熱して硬化することができる。好ましくは120〜180℃、1〜4時間で加熱するのがよい。特には、ステップキュアによって硬化させることが好ましい。ステップキュアについては上述した通りである。180℃超の硬化温度(例えば200℃)で長時間(例えば4時間以上)加熱すると、得られる硬化物と触媒膜との剥離が容易でなくなる恐れがある。本発明のオルガノポリシロキサン組成物からなる膜状成型物と触媒膜とからなる膜状積層物の組成物面と半導体デバイスとを貼りあわせることにより、ボイドの発生等を起こさずに成形できる。本発明の製造方法は、図2に示すようなフリップチップ型の半導体デバイス及び図3に示すようなワイヤ付きチップを有する半導体デバイスのどちらでも成形することができる。
製造方法II.の工程(4)
前記工程(3)にて得られた半導体デバイスにおいて硬化物と触媒膜とを剥離して、半導体チップが硬化物で被覆された半導体デバイスを得る(図4の工程(4))。本発明のオルガノポリシロキサン組成物の硬化物と触媒膜とは容易に手で剥離することができる。
製造方法II.の工程(5)
工程(5)では上記工程で製造された半導体デバイスをパッケージとするためにダイシングして個片化する(図4の工程(5))。ダイシングはDISCO社製のダイサーなどで、バリなど発生することなくダイシングすることができる。
本発明の製造方法を用いれば、上記した通り、硬化物中に含まれる金属触媒の量は金属質量換算で0.1ppm未満となり、好ましくは0.05ppm未満となるため耐熱性及び信頼性に優れた半導体デバイスを提供することができる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量である。測定条件は以下の通り。
[測定条件]
展開溶媒:THF
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
[合成例1]
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの合成
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、ClMeSiO(MeSiO)33SiMeCl 529g(3.2mol%)、及びジメチルビニルクロロシラン72.4g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、25℃で固体状のフェニル基含有ビニルシリコーンレジンA1を得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は63,000であった。
[合成例2]
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの合成
フェニルトリクロロシラン1142.1g(84.4mol%)、ClMeSiO(MeSiO)13SiMeCl 466.6g(6.3mol%)、及びジメチルビニルクロロシラン72.4g(9.4mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、25℃で固体状のフェニル基含有ビニルシリコーンレジンA2を得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は22,000であった。
[合成例3]
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの合成
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.4mol%)、HO−(PhMeSiO)35−H 869.7g(2.9mol%)、及びジメチルビニルクロロシラン72.3g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、25℃で固体状のフェニル基含有ビニルシリコーンレジンA3を得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は23,000であった。
[合成例4]
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、ClMeSiO(MeSiO)33SiMeCl 529g(3.2mol%)、及びメチルジクロロシラン69g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、25℃で固体状のフェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンB1を得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は58,000であった。
[合成例5]
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成
フェニルトリクロロシラン1142.1g(84.4mol%)、ClMeSiO(MeSiO)13SiMeCl 466.6g(6.3mol%)、及びメチルジクロロシラン69.0g(9.4mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、25℃で固体状のフェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンB2を得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は11,000であった。
[合成例6]
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、HO−(PhMeSiO)35−H 869.7g(2.9mol%)、及びメチルジクロロシラン69g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、25℃で固体状のフェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンB3を得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000であった。
[触媒膜]
下記実施例において使用した触媒膜は、無機酸化物/ポリビニルアルコールハイブリッド化合物にパラジウムを固定した触媒膜(商品名:Pd−iObrane(登録商標)、ニッポン高度紙工業株式会社製、Pd担持量 7wt%)である。
I.シリコーン樹脂フィルムの製造
[実施例1]
合成例1で合成したビニルシリコーンレジンA1を100g、合成例4で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB1を100g混合して、オルガノポリシロキサン組成物1を調製した。自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、触媒膜Pd−iObrane(登録商標)の上に該オルガノポリシロキサン組成物1を塗布し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F1)。
[実施例2]
合成例2で合成したビニルシリコーンレジンA2を100gと、合成例5で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB2を100gとを混合してオルガノポリシロキサン組成物2を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物2を用いた他は実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F2)。
[実施例3]
合成例3で合成したビニルシリコーンレジンA3を100gと、合成例6で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB3を100gとを混合してオルガノポリシロキサン組成物3を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物3を用いた他は実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F3)。
[実施例4]
合成例1で合成したビニルシリコーンレジンA1を100gと、合成例4で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB1を100gと、および下記式(3’)で表される接着付与剤2を6gとを混合して、オルガノポリシロキサン組成物4を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物4を用いた他は実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F4)。
Figure 2017206678
上記式(3’)中、R’’は、下記式(a)又は(b)で表される基であり、(a)と(b)は2:1の比で存在する。
Figure 2017206678
[実施例5]
合成例2で合成したビニルシリコーンレジンA2を100gと、合成例5で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB2を100gと、上記式(3’)で表される接着付与剤6gとを混合して、オルガノポリシロキサン組成物5を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物5を用いた他は実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F5)。
[実施例6]
合成例3で合成したビニルシリコーンレジンA3を100gと、合成例6で調製したハイドロジェンシリコーンレジンB3を100gと、および上記式(3’)で表される接着付与剤6gとを混合して、オルガノポリシロキサン組成物6を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物6を用いた他は実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F6)。
[実施例7]
塗布したオルガノポリシロキサン組成物の厚さを0.4mmに変えた他は上記実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm、厚さ0.4mmを有する膜状に成形した(成形物F7)。
[実施例8]
2枚の触媒膜Pd−iObrane(登録商標)で実施例1で調製したオルガノポリシロキサン組成物1を挟み、圧縮成形して、縦150mm×横150mm、厚さ0.1mmを有する膜状に成形した。該膜状成形物 10枚について、一枚ずつ片側の触媒膜を剥離し加圧式真空ラミネータ V130(ニチゴー・モートン株式会社製)を用いて温度80℃で貼りあわせる工程を繰り返して10枚の成形物をラミネートして、両面に触媒膜を有する1.0mmの膜状成形物F8を製造した。
後述する評価試験においては、片方の面の触媒膜を剥離して、成形物をスライドガラスに貼り合せた。
[実施例9]
実施例1で調製したオルガノポリシロキサン組成物1を用い、パラジウムナノ粒子担持ポリビニルアルコールフィルムの代わりにPETフィルムを用いた他は実施例1を繰り返し、縦150mm×横150mm、厚さ0.1mmを有する膜状に成形した。該膜状成形物 10枚について、PETフィルムを剥離して、加圧式真空ラミネータ V130(ニチゴー・モートン株式会社製)を用いて貼りあわせ、温度80℃でラミネートして、得られた成形物の片面にあるPETフィルムを剥離して触媒膜Pd−iObraneを貼り付けた。片面に触媒膜を有し、もう一方の面にPETフィルムを有する1.0mmの膜状成形物F9を製造した。
[比較例1]
合成例1で合成したビニルシリコーンレジンA1を100g、合成例4で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB1を100g、ヒドロシリル化反応触媒として塩化白金酸のビニルシリコーン変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤として上記式(3’)で表される接着付与剤6.0gを混合して、オルガノポリシロキサン組成物C’1を調製した。自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、PETフィルムの上に該オルガノポリシロキサン組成物C’1を塗布し、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F’1)。
[比較例2]
比較例1において、ヒドロシリル化反応触媒の量を0.004gとし、エチニルシクロヘキサノールの量を0.006gとした以外は比較例1を繰り返して、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F’2)。
[比較例3]
ビニルシリコーンレジンA1に替えてビニルシリコーンレジンA2を100g、ハイドロジェンシリコーンレジンB1に替えてハイドロジェンシリコーンレジンB2を100g用いた以外は比較例1を繰り返して、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F’3)。
[比較例4]
ビニルシリコーンレジンA1に替えてビニルシリコーンレジンA3を100g、ハイドロジェンシリコーンレジンB1に替えてハイドロジェンシリコーンレジンB3を100g用いた以外は比較例1を繰り返して、縦150mm×横150mm及び厚さ0.1mmを有する膜状に成形した(成形物F’4)。
[比較例5]
自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、PETフィルムの上に実施例4で調製したオルガノポリシロキサン組成物4を塗布し、膜状に成形した。組成物は加熱すると溶融し、従来の形状を維持することができなかった。
[比較例6]
自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、PETフィルムの上に実施例2で調製したオルガノポリシロキサン組成物2を塗布し、膜状に成形した。組成物は加熱すると溶融し、従来の形状を維持することができなかった。
[比較例7]
自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、PETフィルムの上に実施例3で調製したオルガノポリシロキサン組成物3を塗布し、膜状に成形した。組成物は加熱すると溶融し、従来の形状を維持することができなかった。
[比較例8]
比較例1で成形した成形物F’1 10枚について、PETフィルムを剥離して、加圧式真空ラミネータ V130(ニチゴー・モートン株式会社製)を用いて貼りあわせ、温度80℃でラミネートし、1.0mmの膜状成形物F’8を製造した。
[金属触媒残存量の測定]
実施例1〜8、比較例1〜7で形成した成形物について、各々、触媒膜が貼り合わされていない面をスライドガラスに貼り合わせて、150℃で4時間加熱して硬化させた。その後、硬化物から触媒膜を剥離してフィルムを得た。各フィルムについて、ICP−AES(高周波誘導結合プラズマ−発光分光分析法)を用いて、硬化物中に残存する金属触媒量を測定した。結果は表1及び2に記載の通りである。
[微小硬度の測定]
実施例1〜8、比較例1〜7で形成した成形物について、各々、触媒膜が貼り合わされていない面をスライドガラスに貼り合わせて、150℃で4時間加熱して硬化させた。その後、硬化物から触媒膜を剥離してフィルムを得た。各フィルムについて、ダイナミック超微小硬度計 SHIMADZU DUH−211SR((株)島津製作所製)を用いて、負荷・除荷試験を行った。試験力1gf、負荷速度0.0298gf/秒、負荷および除荷保持時間各2秒の後、微小硬度(MPa)を測定した。試験回数5回の平均の微小硬度(MPa)を表1及び2に記載する。
[耐熱性試験(透過率変化)]
実施例1〜8、及び比較例1〜7で形成した成形物について、各々、触媒膜が貼り合わされていない面をスライドガラスに貼り合わせて、150℃で4時間加熱して硬化させた。その後、硬化物から触媒膜を剥離してフィルムを得た。該フィルムの400nmにおける透過率をJIS R 3106:1998に準拠して測定した(初期透過率)。次いで、該フィルムを180℃下に1000時間おいた後に、透過率を測定した。初期透過率を100%としたときの透過率(%)を算出した。
透過率変化(%)=(180℃×1,000時間放置後の透過率)/(初期透過率)
結果は表1及び2に記載の通りである。
Figure 2017206678
Figure 2017206678
[長期保存安定性試験]
実施例9及び比較例8の成形物について、ダイナミック超微小硬度計 SHIMADZU DUH−211SR((株)島津製作所製)を用いて、負荷・除荷試験を行った。試験力1gf、負荷速度0.0298gf/秒、負荷および除荷保持時間各2秒の後、微小硬度(MPa)を測定した。試験回数5回の平均の微小硬度(MPa)を表3に記載する(硬化前の微小硬度(初期値))。次いで、実施例9及び比較例8の成形物を25℃で6ヶ月間保管した。保管後の成形物について、上記と同じく負荷・除荷試験を行い、平均微小硬度(MPa)を測定した(硬化前の微小硬度(保管後))。また、保管前と保管後のそれぞれの成形物を150℃4時間で加熱硬化してフィルムを製造し、硬化後の微小硬度を測定した。結果は表3に記載の通りである。
Figure 2017206678
表1〜3に示すように、触媒を含まないオルガノポリシロキサン組成物を、触媒膜を用いて硬化して得られるシリコーン樹脂フィルムは、透明であり、耐熱性にすぐれる。また、オルガノポリシロキサン組成物を触媒膜上に成形したものは未硬化の状態で長期間保管しても経時変化が起こりにくく、長期保存安定性に優れる。
II.半導体デバイスの製造
[実施例10]
実施例1と同じオルガノポリシロキサン組成物1を調製した。自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、触媒膜Pd−iObrane(登録商標)(図1の符号1)の上に該オルガノポリシロキサン組成物1(図1の符号2)を塗布し、縦×横×厚さ=100mm×100mm×0.2mmを有する膜状に成形した。該膜状の成形物と触媒膜からなる積層物の模式図を図1に示す。加圧式真空ラミネータ V130(ニチゴー・モートン株式会社製)を用いて、膜状積層物の組成物面(図2の符号2)と、半導体チップ搭載基板(半導体チップ(図2の符号3)は500μm×500μmを有し、高さ150μmを有するフリップチップ型LEDチップ、基板(図2の符号4)の大きさは10cm×10cm)とを貼り合わせた(該工程の模式図を図2に示す)。次いで、触媒膜を剥離させずに150℃×4時間加熱して、オルガノポリシロキサン組成物1を硬化させた。硬化後、硬化物と触媒膜とを剥離し、半導体チップが膜状硬化物で被覆された半導体デバイスを得た。該工程において硬化物と触媒膜層とは容易に剥離した。該半導体デバイスをダイシングして、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス1)。
[実施例11]
実施例2と同じオルガノポリシロキサン組成物2を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物2を用いた他は実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス2)。
[実施例12]
実施例3と同じオルガノポリシロキサン組成物3を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物3を用いた他は実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス3)。
[実施例13]
合成例1で合成したビニルシリコーンレジンA1を100gと、合成例4で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB1を100gと、および下記式(5’)
Figure 2017206678
で表される接着助剤1を2g混合して、オルガノポリシロキサン組成物7を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物7を用いた他は実施例1と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス4)。
[実施例14]
合成例2で合成したビニルシリコーンレジンA2を100gと、合成例5で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB2を100gと、上記式(5’)で表される接着助剤1を2g混合して、オルガノポリシロキサン組成物8を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物8を用いた他は実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス5)。
[実施例15]
合成例3で合成したビニルシリコーンレジンA3を100gと、合成例6で調製したハイドロジェンシリコーンレジンB3を100gと、および上記式(5’)で表される接着助剤1を2g混合して、オルガノポリシロキサン組成物9を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物9を用いた他は実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス6)。
[実施例16]
上記実施例6において式(3’)で表される接着助剤2の量を2gにした他は実施例6を繰り返してオルガノポリシロキサン組成物10を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物10を用いた他は実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス7)。
[実施例17]
合成例3で合成したビニルシリコーンレジンA3を100gと、合成例6で調製したハイドロジェンシリコーンレジンB3を100gと、および下記平均式(6’)で表される接着助剤3を2g混合して、オルガノポリシロキサン組成物11を調製した。オルガノポリシロキサン組成物1に変えてオルガノポリシロキサン組成物11を用いた他は実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス8)。
Figure 2017206678
(式中、Rはメチル基またはイソプロピル基であり、重量平均分子量は2,500である)
[実施例18]
塗布したオルガノポリシロキサン組成物の厚さを0.4mmに変えた他は上記実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.4mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス9)。
[実施例19]
実施例10において半導体チップ搭載基板を、ワイヤ付きの半導体チップ搭載基板(半導体チップは500μm×500μm、高さ150μmを有するLEDチップ(ワイヤ付き)であり、ワイヤ高さは250μmであり、基板の大きさは10cm×10cmである。図3に模式図を示す)に替えた他は、実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.4mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス10)。
[実施例20]
実施例10において、160℃×4時間で加熱する1段階の硬化条件を、100℃×1時間で加熱し、次いで、150℃×4時間加熱する2段階硬化に替えた他は、実施例10と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス11)。
[比較例9]
合成例1で合成したビニルシリコーンレジンA1を100g、合成例4で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB1を100g、ヒドロシリル化反応触媒として塩化白金酸のビニルシリコーン変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤として上記式(5’)で表される接着付与剤2gを混合して、オルガノポリシロキサン組成物C’2を調製した。自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、PETフィルムの上に該オルガノポリシロキサン組成物C’2を塗布し、縦×横×厚さ=100mm×100mm×0.2mmを有する膜状に成形した。加圧式真空ラミネータ V130(ニチゴー・モートン株式会社製)を用いて、該膜状成形物の組成物面と実施例10と同じ半導体チップ搭載基板とを貼りあわせた。PETフィルムを剥離させ、150℃×4時間で加熱してオルガノポリシロキサン組成物C’2を硬化させた。得られた半導体デバイスをダイシングして、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス1’)。
[比較例10]
比較例9において、ヒドロシリル化反応触媒の量を0.004gとし、エチニルシクロヘキサノールの量を0.006gとした以外は比較例9と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス2’)。
[比較例11]
ビニルシリコーンレジンA1に替えてビニルシリコーンレジンA2を100g、ハイドロジェンシリコーンレジンB1に替えてハイドロジェンシリコーンレジンB2を100g用いた以外は比較例9と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス3’)。
[比較例12]
ビニルシリコーンレジンA1に替えてビニルシリコーンレジンA3を100g、ハイドロジェンシリコーンレジンB1に替えてハイドロジェンシリコーンレジンB3を100g用いた以外は比較例9と同じ方法を繰り返して、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス4’)。
[比較例13]
自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、PETフィルムの上に実施例10で調製したオルガノポリシロキサン組成物1を塗布し、膜状に成形した。組成物は加熱すると溶融し、加熱前の形状を維持することができなかった。このため、以後の評価を行わなかった。
[比較例14]
合成例1で合成したビニルシリコーンレジンA1を100g、合成例4で合成したハイドロジェンシリコーンレジンB1を100g、ヒドロシリル化反応触媒として塩化白金酸のビニルシリコーン変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6gを混合して、オルガノポリシロキサン組成物C’3を調製した。触媒膜Pd−iObrane(登録商標)の上に該オルガノポリシロキサン組成物C’3を塗布した他は比較例9の方法を繰り返し、縦3.5mm×横3.5mmを有し、厚さ0.2mmの膜状硬化物で半導体チップが封止された半導体デバイスを得た(半導体デバイス5’)。
実施例13〜17の各々と同じ方法でオルガノポリシロキサン組成物7〜11を調製した。自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)社製)を用いて、触媒膜Pd−iObrane(登録商標)の上に各オルガノポリシロキサン組成物を塗布し、縦100mm×横100mmを有し、厚さ0.2mmを有する膜状に成形した。該膜状成形物を硬化し、触媒膜を剥離して得られるフィルムについて、金属触媒残存量の測定、微小硬度の測定、及び耐熱性試験(透過率変化)を行った。各試験方法は上記した通りである。結果を表4に示す。
Figure 2017206678
[触媒膜からの剥離性]
オルガノポリシロキサン組成物1〜3及び7〜11について触媒膜との剥離性を評価した。
上記実施例10〜17の各々と同じ方法に従い、触媒膜Pd−iObrane(登録商標)の上に各オルガノポリシロキサン組成物を塗布し、膜状に成形した。触媒膜が貼り合わされていない面をスライドガラスに貼り合わせて、150℃×4時間で加熱硬化した。その後、硬化物から触媒膜を剥離した。オルガノポリシロキサン組成物1〜3及び7〜9から得られた硬化物は触媒膜から極めて容易に剥離することができ触媒膜上にシリコーン膜が残らなかった。オルガノポリシロキサン組成物10及び11から得られた硬化物は前者に比べると剥離性がやや劣るものの触媒膜から容易に剥離することはできた。
実施例10〜20及び比較例9〜12及び14で製造した半導体デバイスについて、以下の方法に従い耐熱性試験(輝度変化)を行った。結果を表5及び6に示す。
[耐熱性試験(輝度変化)]
各半導体デバイスについて、HTOL試験(高温駆動試験 試験条件150℃、印加電流500mA)を1,000時間おいた後に、初期との輝度変化を測定した。初期輝度を100%としたときの輝度(%)を下記式により算出した。
輝度変化(%)=(180℃×1,000時間放置後の輝度)/(初期輝度)
Figure 2017206678
Figure 2017206678
表5に示す通り、本発明の製造方法に従い触媒を含まないオルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなる膜状物で半導体チップを封止することにより、得られる半導体デバイスは耐熱性に優れる。
本発明の製造方法は、耐熱性及び透過性にすぐれ、長期間保管しても経時変化が起こりにくく、信頼性の高いシリコーン樹脂フィルムを与えることができる。また、未硬化状態でも長期保管安定性を有することができる。本発明のシリコーン樹脂フィルムは、透明性を活かしながら、耐熱性が求められるさまざまな材料に適応できる。さらに本発明の半導体デバイスの製造方法によれば、得られるデバイスは耐熱性にすぐれ、信頼性の高い半導体デバイスを与えることができる。
1 触媒膜
2 オルガノポリシロキサン組成物
2’オルガノポリシロキサン組成物の硬化物
3 半導体チップ
4 半導体基板
5 ワイヤ
6 膜状積層物
7 個片化した半導体デバイス

Claims (28)

  1. (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを製造する方法であって、該オルガノポリシロキサン組成物は金属触媒を含まず、
    前記製造方法は下記工程1)〜3)を含み、
    1)触媒活性を有する膜1枚の上にて、または2枚の間にて、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の少なくとも1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせる工程、
    2)次いで、前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化してシリコーン樹脂フィルムを得る工程、及び
    3)得られたシリコーン樹脂フィルムと前記膜とを剥離する工程
    前記触媒活性を有する膜が、膜の表面、又は、膜の表面及び内部に触媒を有することを特徴とする、前記製造方法。
  2. 硬化型オルガノポリシロキサン組成物がさらに、(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを、該(A)成分中のアルケニル基の個数に対する上記(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記触媒活性を有する膜が、水酸基を有する有機ポリマーと無機酸化物とのハイブリッド化合物から構成され、該ハイブリット化合物に触媒が固定されている、請求項1または2記載の製造方法。
  4. 触媒が金属単体又は金属化合物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 触媒が白金族金属又は白金族金属化合物である、請求項4記載の製造方法。
  6. シリコーン樹脂フィルムの厚さが10〜2000μmである、請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 前記オルガノポリシロキサン組成物において、
    (A)成分が下記平均組成式(1)で表され
    Figure 2017206678
    (式中、Rは炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基であり、Rは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜10の環状脂肪族炭化水素基であり、Rは炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa≧0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有し、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である)
    (B)成分が下記平均組成式(2)で表され、
    Figure 2017206678
    (式中、R、R及びXは上記のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe≧0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する)
    上記(A)成分中のアルケニル基の個数に対する(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含まれる、請求項2〜6のいずれか1項記載のシリコーン樹脂フィルムの製造方法。
  8. 前記オルガノポリシロキサン組成物が25℃で固体状である、請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコーン樹脂フィルムの製造方法。
  9. 前記オルガノポリシロキサン組成物が(C)接着助剤をさらに含有する、請求項1〜8のいずれか1項記載の、シリコーン樹脂フィルムの製造方法。
  10. 前記(C)接着助剤が、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンである、請求項9記載の、シリコーン樹脂フィルムの製造方法。
  11. (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含むオルガノポリシロキサン組成物の硬化物から成るシリコーン樹脂フィルムであって、該硬化物中における金属触媒の量が硬化物全体の質量に対し金属質量換算として0.1ppm未満である、シリコーン樹脂フィルム。
  12. 前記オルガノポリシロキサン組成物が(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを、該(A)成分中のアルケニル基の個数に対する上記(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含む、請求項11記載のシリコーン樹脂フィルム。
  13. 前記(A)成分が、下記平均組成式(1)で示され
    Figure 2017206678
    (式中、Rは炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基であり、Rは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜10の環状脂肪族炭化水素基であり、Rは炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa≧0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有し、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である)
    前記(B)成分が、下記平均組成式(2)で示され
    Figure 2017206678
    (式中、R、R及びXは上記記載のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe≧0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する)
    上記(A)成分中のアルケニル基の個数に対する(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8である、請求項12記載のシリコーン樹脂フィルム。
  14. 金属触媒が白金族金属または白金族金属化合物である、請求項11〜13のいずれか1項記載のシリコーン樹脂フィルム。
  15. 前記オルガノポリシロキサン組成物が25℃で固体状である、請求項11〜14のいずれか1項記載のシリコーン樹脂フィルム。
  16. (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を備える半導体デバイスの製造方法であって、該オルガノポリシロキサン組成物は金属触媒を含まず、
    前記製造方法は下記工程1)〜4)を含み、
    1)触媒活性を有する膜1枚の上に、前記オルガノポリシロキサン組成物を膜状に成形する工程、又は、膜状に成形したオルガノポリシロキサン組成物の1面と触媒活性を有する膜とを貼り合わせて膜状積層物を得る工程、
    2)次いで、前記工程1)で得た膜状積層物の組成物面と、半導体チップが搭載された基板の半導体チップ搭載面とを貼り合せて、半導体チップを前記オルガノポリシロキサン組成物で被覆する工程、
    3)次いで、前記オルガノポリシロキサン組成物を硬化する工程、及び
    4)次いで、前記硬化物と前記触媒膜とを剥離して、前記硬化物で半導体チップが被覆された半導体デバイスを得る工程、
    前記触媒活性を有する膜が、膜の表面、又は、膜の表面及び内部に触媒を有することを特徴とする、前記半導体デバイスの製造方法。
  17. 前記工程4)の後に、得られた半導体デバイスをダイシングし個片化する工程を更に含む、請求項16記載の、半導体デバイスの製造方法。
  18. 硬化性オルガノポリシロキサン組成物がさらに、(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを、該(A)成分中のアルケニル基の個数に対する上記(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含む、請求項17記載の、半導体デバイスの製造方法。
  19. 前記触媒活性を有する膜が、水酸基を有する有機ポリマーと無機酸化物とのハイブリッド化合物から構成され、該ハイブリット化合物に触媒が固定されている、請求項16〜18記載のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  20. 前記触媒が金属単体又は金属化合物である、請求項16〜19のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  21. 前記触媒が白金族金属又は白金族金属化合物である、請求項20記載の製造方法。
  22. 前記硬化物の厚さが10〜2,000μmである、請求項16〜21のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  23. 前記工程3)において、多段階硬化を行う請求項16〜22のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  24. 前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、
    (A)成分が下記平均組成式(1)で表され
    Figure 2017206678
    (式中、Rは炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基であり、Rは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜10の環状脂肪族炭化水素基であり、Rは炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa≧0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有し、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である)
    (B)成分が下記平均組成式(2)で表され、
    Figure 2017206678
    (式中、R、R及びXは上記のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe≧0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1〜2を満たす数であり、但し、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する)
    上記(A)成分中のアルケニル基の個数に対する(B)成分中のSiH基の個数比が0.5〜8となる量で含まれる、請求項16〜23のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  25. 前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物が(C)接着助剤をさらに含有する、請求項16〜24のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  26. 前記(C)接着助剤が、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンである、請求項25記載の、半導体デバイスの製造方法。
  27. 前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物が25℃で固体状である、請求項16〜26のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
  28. 前記半導体チップが光半導体素子である、請求項16〜27のいずれか1項記載の、半導体デバイスの製造方法。
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