JP2014205783A - インク組成物、ならびにインクカートリッジ、インク記録装置、インク記録方法およびインク記録物 - Google Patents

インク組成物、ならびにインクカートリッジ、インク記録装置、インク記録方法およびインク記録物 Download PDF

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Kazuki Shimura
一樹 志村
祐希 小山
Yuki Koyama
祐希 小山
康夫 間瀬
Yasuo Mase
康夫 間瀬
利仁 依田
Toshihito Yoda
利仁 依田
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Abstract

【課題】記録品質を向上可能なインク組成物、ならびにインクカートリッジ、インク記録装置、インク記録方法およびインク記録物を提供する。【解決手段】インク組成物は、着色剤、乾燥防止剤、界面活性剤、および浸透剤を少なくとも含有するインク組成物であって、前記乾燥防止剤として、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含有し、前記界面活性剤として、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤、ジスチレン化フェノールエトキシレート系界面活性剤およびトリベンジル化フェノールエトキシレート系界面活性剤のうち少なくともいずれか1つを含有している。【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物、ならびにインクカートリッジ、インク記録装置、インク記録方法およびインク記録物に関する。
従来、紙等の記録媒体に文字や画像を記録する方法として、インクジェット記録方法が広く使用されている。このインクジェット記録方法は、吐出装置からインクの液滴を記録媒体に向けて吐出し、記録媒体に付着したインクで形成されるインクドットによって文字や画像を構成し、これを記録するものである。
インクジェット記録方法に使用されるインク組成物としては、水に着色剤としての水溶性の染料と、目詰まり防止用の乾燥防止剤としてのグリセリン等を含有させたものが一般的に使用されてきたが、近年では、記録物の耐候性や耐水性を高めるべく、着色剤として顔料を使用したものが増えてきている。この顔料を使用したインク組成物には、上述の乾燥防止剤の他に、インク組成物の記録媒体への浸透を調整する浸透剤や顔料をインク組成物内に均一に分散させるための界面活性剤等が添加されている。
すなわち、本来水溶性ではない顔料を含むインク組成物においては、インクジェット記録方法において記録品質(印刷品質)を高めるための成分が複数添加されており、記録品質を高めるための成分の組合せが従来各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−307184号公報
しかしながら、従来提案されているインク組成物は、それなりの記録品質を実現しているものの、近年のインクジェット記録法の適用範囲の拡大に伴い、需用者の品質に対する要望は年々高まる一方であり、より高い記録品質を実現可能なインク組成物の開発が望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、記録品質を向上可能なインク組成物、ならびにインクカートリッジ、インク記録装置、インク記録方法およびインク記録物を提供しようとするものである。
(1)本発明は、着色剤、乾燥防止剤、界面活性剤、および浸透剤を少なくとも含有するインク組成物であって、前記乾燥防止剤として、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含有し、前記界面活性剤として、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤、ジスチレン化フェノールエトキシレート系界面活性剤およびトリベンジル化フェノールエトキシレート系界面活性剤のうち少なくともいずれか1つを含有することを特徴とする、インク組成物である。
(2)本発明はまた、前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルとして、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを含有することを特徴とする、上記(1)に記載のインク組成物である。
(3)本発明はまた、前記浸透剤として、1,2−アルカンジオール、および両末端ジオール化合物を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のインク組成物である。
(4)本発明はまた、前記1,2−アルカンジオールとして、1,2−オクタンジオールを含有し、前記両末端ジオール化合物として、1,5−ペンタンジオールを含有することを特徴とする、上記(3)に記載のインク組成物である。
(5)本発明はまた、前記1,2−オクタンジオールと前記1,5−ペンタンジオールの重量比が1:0.1乃至1:10であることを特徴とする、上記(4)に記載のインク組成物である。
(6)本発明はまた、前記1,2−オクタンジオールのインク組成物全体に対する含有率は、0.1乃至1.5重量%であることを特徴とする、上記(4)または(5)に記載のインク組成物である。
(7)本発明はまた、前記界面活性剤のインク組成物全体に対する含有率は、0.1乃至5.0重量%であることを特徴とする、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のインク組成物である。
(8)本発明はまた、前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルのインク組成物全体に対する含有率は、0.1乃至10.0重量%であることを特徴とする、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のインク組成物である。
(9)本発明はまた、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインク組成物を容器内に収容したことを特徴とする、インクカートリッジである。
(10)本発明はまた、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインク組成物を吐出して記録媒体に付着させることを特徴とする、インク記録装置である。
(11)本発明はまた、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインク組成物を吐出して記録媒体に付着させることを特徴とする、インク記録方法である。
(12)本発明はまた、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインク組成物によって形成された文字または画像を有することを特徴とする、インク記録物である。
本発明に係るインク組成物、ならびにインクカートリッジ、インク記録装置、インク記録方法およびインク記録物によれば、記録品質を向上可能という優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<インク組成物>
本実施形態に係るインク組成物は、少なくとも着色剤、乾燥防止剤、界面活性剤、浸透剤を、含有して構成されている。本実施形態に係るインク組成物は、インクジェット記録方法において特に好適に使用されるが、各種筆記具等による記録方法等、その他の記録方法においても使用可能であることは言うまでもない。
−着色剤−
着色剤は、インク組成物に所定の色を付与するものである。インク組成物に添加する着色剤は、耐候性および耐水性の観点から、インク組成物中に分散可能な顔料が好ましい。本実施形態において使用可能な顔料は、カラー系のものとして、例えば各種ピグメントイエロー、各種ピグメントレッド、各種ピグメントブルー、各種ピグメントオレンジ、各種ピグメントグリーンおよび各種ピグメントバイオレット等が挙げられ、黒色系のものとして、各種ピグメントブラックおよびカーボンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。すなわち、既知の各種顔料を、着色剤として使用することが可能である。また、顔料は単独で使用するようにしてもよいし、複数種類の顔料を混合して使用するようにしてもよい。
着色剤の含有率は、特に限定されるものではないが、発色性と記録品質のバランスの観点からは、インク組成物全体に対して1重量%以上30重量%以下の範囲内であることが好ましく、1重量%以上15重量%以下の範囲内であればより好ましく、1重量%以上10重量%以下の範囲内であることが最も好ましい。なお、予め顔料を分散剤等により分散させた顔料分散体を、着色剤として使用するようにしてもよいことは言うまでもない。
−乾燥防止剤−
乾燥防止剤は、インク組成物の乾燥、固化を抑制するものである。乾燥防止剤を添加することにより、例えばインクジェットプリンタの吐出装置のノズル等における目詰まりを防止することが可能となる。本実施形態では、乾燥防止剤として、下記の一般式(1)で表されるポリオキシアルキレングリセリルエーテルを使用している。ポリオキシアルキレングリセリルエーテルは、一般的なインク組成物に使用されているジエチレングリコールやエチレングリコールと比較して、耐乾燥性および耐凍結性のいずれも優れており、ジエチレングリコール等の1/10以下の添加量でも同等の効果を発揮することが可能となっている。
Figure 2014205783
(式中、AOは炭素数2〜5のオキシアルキレン基を示す。また、a、b、cはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、1以上の自然数である。)
本実施形態では、乾燥防止剤としてポリオキシアルキレングリセリルエーテルを採用することで乾燥防止剤の分量を低減し、これにより、インクジェット記録方法におけるインク組成物の吐出の安定性を高めるようにしている。すなわち、インク組成物の粘度を上昇させやすい乾燥防止剤の分量を減らすことによって、水等の他の成分の分量を増やすことができるため、インク組成物の粘度を適切に調整することが可能となる。そして、インク組成物の粘度を調整することにより、吐出装置から吐出されるインク組成物の液滴の形状を安定化することができるため、液滴の飛翔を安定化させることが可能となる。この結果、本実施形態では、紙等の記録媒体の狙った位置に正確に液滴を付着させ、文字や画像を形成するインクドットを想定したとおりの配列で形成することができるため、文字や画像等の再現性を高め、記録品質(印刷品質)を向上させることが可能となっている。
さらに、乾燥防止剤の分量を低減することにより、例えば界面活性剤や浸透剤等、記録品質に関わる他の成分の分量調整の自由度が増すため、本実施形態では、これによっても記録品質を向上させることが可能となっている。また、乾燥防止剤の分量を従来の1/10に低減することにより、インク組成物のコストを削減可能であることは言うまでもない。
乾燥防止剤として使用可能なポリオキシアルキレングリセリルエーテルとしては、例えばポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレングリセリルエーテルおよびポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリセリルエーテル等が挙げられる。但し、インク組成物に添加する場合は水への溶解性が高いものの方が好ましい。従って、乾燥防止剤として添加するポリオキシアルキレングリセリルエーテルは、ポリオキシエチレングリセリルエーテルまたはポリオキシプロピレングリセリルエーテルであることが好ましく、ポリオキシエチレングリセリルエーテルであることが特に好ましい。
なお、1種類のポリオキシアルキレングリセリルエーテルのみを使用するのではなく、複数種類のポリオキシアルキレングリセリルエーテルを混合して使用するようにしてもよいことは言うまでもない。ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの含有率は、特に限定されるものではないが、インク組成物の固化防止機能を確保しつつ、吐出の安定性をより高めるためには、インク組成物全体に対して0.1重量%以上10.0重量%以下の範囲内であることが好ましく、0.3重量%以上5.0重量%以下の範囲内であればより好ましく、0.5重量%以上2.0重量%以下の範囲内であることが最も好ましい。
また、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルと、例えばグリセリンやジエチレングリコール等、他の乾燥防止剤を併用するようにしてもよい。この場合、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルおよび他の成分を含む乾燥防止剤全体としての含有率は、特に限定されるものではないが、インク組成物の固化防止と吐出の安定性のバランスの観点からは、インク組成物全体に対して0.4重量%以上30.0重量%以下の範囲内であることが好ましく、0.6重量%以上20.0重量%以下の範囲内であればより好ましく、0.8重量%以上10.0重量%以下の範囲内であることが最も好ましい。
−界面活性剤−
界面活性剤は、インク組成物中に着色剤(顔料)を均一に分散させると共に、インク組成物の表面張力を低減し、記録媒体上に付着したインク組成物のぬれ拡がりを促進するものである。すなわち、界面活性剤を適切に選択することにより、均一な色味を有し且つ適切な大きさのインクドットを記録媒体上に形成し、記録品質を向上させることができる。本実施形態では、界面活性剤として、下記の一般式(2)で表されるアルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤、ジスチレン化フェノールエトキシレート系界面活性剤またはトリベンジル化フェノールエトキシレート系界面活性剤を使用している。
Figure 2014205783
(式中、Rは炭素数が1以上の自然数であるアルキル基、ジスチレン基またはトリベンジル基を示す。また、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、1以上の自然数である。)
これらの界面活性剤は、一般的なインク組成物に使用されている同じノニオン系界面活性剤であるアセチレングリコール系界面活性剤と比較して顔料分散の安定性が高く、より少ない分量で顔料を十分に分散させることが可能となっている。従って、本実施形態では、後述する浸透剤と共に上記の界面活性剤を添加することで、顔料を十分に分散させながらも、インク組成物の表面張力を適切に設定することを可能とし、この結果として、均一な色味のインクドットを適切な大きさで記録媒体上に形成することが可能となっている。
界面活性剤として使用する上述のアルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤、ジスチレン化フェノールエトキシレート系界面活性剤およびトリベンジル化フェノールエトキシレート系界面活性剤はそれぞれ単独で使用するようにしてもよいし、複数種類を混合して使用するようにしてもよい。
界面活性剤の含有率は、特に限定されるものではないが、顔料の分散と適切なインクドットの形成のバランスの観点からは、インク組成物全体に対して0.1重量%以上5.0重量%以下の範囲内であることが好ましく、0.2重量%以上2.0重量%以下の範囲内であればより好ましく、0.3重量%以上1.0重量%以下の範囲内であることが最も好ましい。本実施形態の界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤と比較して一般に低価格であり、さらに分量も少なくすることができるため、乾燥防止剤と共にインク組成物の低コスト化にも貢献するものとなっている。
−浸透剤−
浸透剤は記録媒体へのインク組成物の浸透性を調整するものである。インク組成物に添加する浸透剤は、特に限定されるものではなく、一般的なインク組成物に使用されている例えばトリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテルや、2−ピロリドン等のピロール化合物等を使用することができる。そして、本実施形態では、これらの一般的な浸透剤に加えて、1,2−アルカンジオールおよび両末端ジオール化合物をさらに添加することにより、インク組成物の記録媒体への浸透性を適切に調整している。
本実施形態で使用可能な1,2−アルカンジオールとしては、例えば1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオールおよび1,2−オクタンジオール等が挙げられる。これらの1,2−アルカンジオールは、単独で使用するようにしてもよいし、複数種類を混合して使用するようにしてもよい。
また、本実施形態で使用可能な両末端ジオール化合物としては、例えば1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−フルオロメチル−1,5−ペンタンジオール、3−フルオロ−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。これらの両末端ジオール化合物は、単独で使用するようにしてもよいし、複数種類を混合して使用するようにしてもよい。
浸透剤の含有率は、特に限定されるものではないが、インク組成物の適切な浸透の観点からは、インク組成物全体に対して0.1重量%以上30.0重量%以下の範囲内であることが好ましく、0.5重量%以上20.0重量%以下の範囲内であればより好ましく、1.0重量%以上15.0重量%以下の範囲内であることが最も好ましい。
従来の一般的な浸透剤に加えて、1,2−アルカンジオールおよび両末端ジオール化合物の組合せを浸透剤として添加することにより、特にインクドットの重なり部分の浸透性を適切に調整することが可能となる。すなわち、1,2−アルカンジオールまたは両末端ジオール化合物を単独で浸透剤として添加することは従来知られていたが、本実施形態におけるアルキルフェノールエトキシレート系等の界面活性剤と併用した場合には、インクドットの重なり部分における浸透がこれらの界面活性剤により阻害され、インクドットに色ムラが生じる場合があった。このような問題に対し、本願の発明者らは鋭意研究を重ね、1,2−アルカンジオールおよび両末端ジオール化合物を併用することによって、インクドットの重なり部分における浸透性を適切に調整し、インクドットの色ムラを解消可能であることを見出した。
なお、本願発明者らの知見によれば、1,2−アルカンジオールおよび両末端ジオール化合物の組合せは、1,2−オクタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールの組合せとすることが最も好ましい。また、これら1,2−オクタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールの重量比は、1,2−オクタンジオールが1に対して1,5−ペンタンジオールが0.1以上10.0以下であることが好ましく、1,2−オクタンジオールが1に対して1,5−ペンタンジオールが1.0以上10.0以下であればより好ましく、1,2−オクタンジオールが1に対して1,5−ペンタンジオールが3.0以上5.0以下であることが最も好ましい。
また、1,2−オクタンジオールの含有率は、水に溶解しにくいことから、インク組成物全体に対して2.0重量%以下であることが好ましく、インクドットの重なり部分の適切な浸透の観点からは、インク組成物全体に対して0.1重量%以上1.5重量%以下の範囲内であることが好ましく、0.5重量%以上1.5重量%以下の範囲内であればより好ましく、0.5重量%以上1.0重量%以下の範囲内であることが最も好ましい。
−その他の成分−
本実施形態のインク組成物には、その他の成分として、希釈剤、pH調整剤、防腐剤および定着剤等を添加することができる。希釈剤としては、水を使用することが可能であり、特にイオン交換水または蒸留水等の純水もしくは超純水を使用することが好ましい。pH調整剤としては、例えばトリエタノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミン類や、アルカリ金属の水酸化物等、既知のpH調整剤を使用することができる。防腐剤としては、例えば1,2−ベンジゾチアゾリン−3−オンおよび3,4−イソチアゾリン−3−オン等、既知の防腐剤を使用することができる。また、定着剤としては、例えばアクリル−スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂等、既知の定着剤を使用することができる。さらに、本実施形態のインク組成物には、エチルアルコールやイソプロピルアルコール等の消泡剤や、アロハネート類やビウレット類等の酸化防止剤を添加することができる。
<インクカートリッジ>
本実施形態のインクカートリッジは、本実施形態のインク組成物を収容する容器、およびその他必要な部材または部品を有して構成されている。本実施形態のインクカートリッジを構成する各部材等の形状や材質等は、特に限定されるものではなく、用途に応じた適宜の形状や材質等を採用することができる。また、本実施形態のインクカートリッジは、インクジェットプリンタ用のインクカートリッジとして特に好適であるが、例えばボールペンや万年筆等の筆記具用のインクカートリッジとすることもできる。
<インク記録装置>
本実施形態のインク記録装置は、本実施形態のインク組成物を記録媒体に向けて吐出して付着させる吐出手段、およびその他必要な手段(例えば、吐出手段を制御する制御手段や、インク組成物を吐出させるために熱や圧力等を印加する印加手段等)を有して構成されている。本実施形態のインク記録装置を構成する各部材等の形状や材質等は、特に限定されるものではなく、用途に応じた適宜の形状や材質等を採用することができる。また、本実施形態のインク記録装置は、インクジェット記録方法による記録を行うインクジェットプリンタとして特に好適であるが、例えばボールペンや万年筆等の筆記具とすることもできる。
<インク記録方法>
本実施形態のインク記録方法は、本実施形態のインク組成物を記録媒体に向けて吐出して付着させる付着工程、およびその他必要な工程(例えば、インク組成物の吐出を制御する制御工程や、インク組成物を吐出させるために熱や圧力等を印加する印加工程等)を有している。本実施形態のインク記録方法は、インク組成物を吐出して飛翔させた後に記録媒体に付着させるインクジェット記録方法として特に好適であるが、例えばボールペンや万年筆等によりインク組成物を飛翔させずに記録媒体に付着させる記録方法とすることもできる。
<インク記録物>
本実施形態のインク記録物は、本実施形態のインク組成物によって記録媒体上に形成された文字または画像を有して構成されている。文字または画像が形成される記録媒体の材質としては、紙が特に好適であるが、例えば樹脂、ゴム、布または木材等、適宜の材質を採用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<乾燥性試験>
4種類のインク組成物1a〜1dを、表1に示す組成で作成した。作成したインク組成物1a〜1dを、ポリプロピレン製の試験板上に1ml滴下し、内部を50℃に保持した乾燥機(ヤマト科学株式会社製DG400)内に試験板を配置して、48時間経過後のインクの固化状態を目視にて確認した。試験結果は、表2に示すとおりとなった。
Figure 2014205783
Figure 2014205783
表2に示されるように、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを添加したインク組成物1a、およびジエチレングリコールを添加したインク組成物1dは、液体状態を保持していたが、グリセリンのみを添加したインク組成物1b、およびエチレングリコールを添加したインク組成物1cは固化状態となり、ポリオキシエチレングリセリルエーテルが乾燥防止剤として十分に機能することが確認された。また、ポリオキシエチレングリセリルエーテルは、ジエチレングリコールの1/10の量で同等の効果を奏することが確認された。
<分散性試験>
4種類のインク組成物2a〜2dを、表3に示す組成で作成した。なお、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤は、株式会社ADEKA製アデカトールSP−12を使用し、アセチレングリコール系界面活性剤は、日新化学工業株式会社製オルフィンE1010およびサーフィノール485を使用し、シリコン系界面活性剤は、ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−348を使用した。作成したインク組成物2a〜2dを、0.45μmのメンブレンフィルター上に滴下し、目詰まりなく濾過が可能であるかを目視にて確認した。試験結果は、表4に示すとおりとなった。
Figure 2014205783
Figure 2014205783
表4に示されるように、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤を添加したインク組成物2aのみが目詰まりが生じず、アセチレングリコール系界面活性剤を添加したインク組成物2bおよび2c、ならびにシリコン系界面活性剤を添加したインク組成物2dはいずれも目詰まりが生じる結果となり、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤が十分な顔料の分散機能を有することが確認された。また、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤の1/2の量で同等以上の効果を奏することが確認された。
<インクドット形成試験>
上記実施形態に係る4種類のインク組成物3a〜3dを、表5に示す組成で作成した。なお、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤は、株式会社ADEKA製アデカトールSP−12を使用し、ジスチレン化フェノールエトキシレート系界面活性剤は、花王株式会社製エマルゲンA−60およびエマルゲンA−90を使用し、トリベンジル化フェノールエトキシレート系界面活性剤は、花王株式会社製エマルゲンB−66を使用した。
また、比較例として、9種類のインク組成物3e〜3mを、表6および7に示す組成で作成した。なお、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤は、株式会社ADEKA製アデカトールSP−12を使用し、アセチレングリコール系界面活性剤は、日新化学工業株式会社製オルフィンE1010を使用し、シリコン系界面活性剤は、ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK−348を使用した。
作成したインク組成物3a〜3mを使用し、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製PX−501A)により最高画質設定で、写真用紙(セイコーエプソン株式会社製)に淡ベタ画像および濃ベタ画像を印刷した。印刷した淡ベタ画像および濃ベタ画像をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX−1000)を用いて観察し、インクドットの状態を評価した。評価は、淡ベタ画像におけるインクドットの配列性、すなわちインクドットが適切な位置に適切な大きさで形成されているか否か、および濃ベタ画像におけるインクドットの浸透性、すなわちインクドット同士が重なる部分に色ムラが生じているか否かについて行った。試験結果は、表8に示すとおりとなった。
Figure 2014205783
Figure 2014205783
Figure 2014205783
Figure 2014205783
表8に示されるように、上記実施形態に係るインク組成物3a〜3dについては、インクドットの配列性およびインクドットの浸透性のいずれも問題ないことが確認された。すなわち、上記実施形態に係るインク組成物3a〜3dによれば、インクドットが適切な位置に適切な大きさで形成されると共に、インクドット同士が重なる部分における色ムラの発生がなく、記録品質を十分に向上可能であることが確認された。
一方、比較例のインク組成物3e〜3mについては、インクドットの浸透性に関しては問題ないものもいくつかあったが、インクドットの配列性に関しては全て問題ありという結果となった。また、比較例のインク組成物3lおよび3mの試験結果から、ポリオキシエチレングリセリルエーテルにアセチレングリコール系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤を組み合わせた場合、記録品質はそれほど向上しないことが確認された。
本発明は、インクによる記録を使用する様々な分野において利用することができる。

Claims (12)

  1. 着色剤、乾燥防止剤、界面活性剤、および浸透剤を少なくとも含有するインク組成物であって、
    前記乾燥防止剤として、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルを含有し、
    前記界面活性剤として、アルキルフェノールエトキシレート系界面活性剤、ジスチレン化フェノールエトキシレート系界面活性剤およびトリベンジル化フェノールエトキシレート系界面活性剤のうち少なくともいずれか1つを含有することを特徴とする、
    インク組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルとして、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを含有することを特徴とする、
    請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記浸透剤として、1,2−アルカンジオール、および両末端ジオール化合物を含有することを特徴とする、
    請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記1,2−アルカンジオールとして、1,2−オクタンジオールを含有し、
    前記両末端ジオール化合物として、1,5−ペンタンジオールを含有することを特徴とする、
    請求項3に記載のインク組成物。
  5. 前記1,2−オクタンジオールと前記1,5−ペンタンジオールの重量比が1:0.1乃至1:10であることを特徴とする、
    請求項4に記載のインク組成物。
  6. 前記1,2−オクタンジオールのインク組成物全体に対する含有率は、0.1乃至1.5重量%であることを特徴とする、
    請求項4または5に記載のインク組成物。
  7. 前記界面活性剤のインク組成物全体に対する含有率は、0.1乃至5.0重量%であることを特徴とする、
    請求項1乃至6のいずれかに記載のインク組成物。
  8. 前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルのインク組成物全体に対する含有率は、0.1乃至10.0重量%であることを特徴とする、
    請求項1乃至6のいずれかに記載のインク組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のインク組成物を容器内に収容したことを特徴とする、
    インクカートリッジ。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載のインク組成物を吐出して記録媒体に付着させることを特徴とする、
    インク記録装置。
  11. 請求項1乃至8のいずれかに記載のインク組成物を吐出して記録媒体に付着させることを特徴とする、
    インク記録方法。
  12. 請求項1乃至8のいずれかに記載のインク組成物によって形成された文字または画像を有することを特徴とする、
    インク記録物。
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